表示システム、及び、表示システムの制御方法
【課題】表示装置が立体画像を表示し、別の装置により鑑賞者に立体像を視認させる構成において、当該別の装置の動作異常等により立体視ができない事態を防止できる表示システム、及び、表示システムの制御方法を提供する。
【解決手段】表示システム１０は、プロジェクター１１と、プロジェクター１１が表示する左目用画像と右目用画像のうち左目用画像を透過させる左目用シャッター２１と右目用画像を透過する右目用シャッター２２とを有する立体視装置２を備え、立体視装置２により、立体視装置２の動作状態を示す動作情報をプロジェクター１１に送信し、プロジェクター１１により、立体視装置２から送信された動作情報を受信し、この動作情報に基づいて、立体視装置２の動作状態を判定する。
【解決手段】表示システム１０は、プロジェクター１１と、プロジェクター１１が表示する左目用画像と右目用画像のうち左目用画像を透過させる左目用シャッター２１と右目用画像を透過する右目用シャッター２２とを有する立体視装置２を備え、立体視装置２により、立体視装置２の動作状態を示す動作情報をプロジェクター１１に送信し、プロジェクター１１により、立体視装置２から送信された動作情報を受信し、この動作情報に基づいて、立体視装置２の動作状態を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、立体画像を表示する表示システム、及び、表示システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、立体画像を表示する表示装置と、この表示装置に対応して立体画像（３次元画像）を視認可能にするメガネ型の装置とを組み合わせたシステムが知られている（例えば、特許文献１参照。）。この種のシステムは、表示装置によって左目用の画像と右目用の画像とを表示し、上記のメガネ型の装置によって鑑賞者の左目に左目用の画像を到達させ、右目に右目用の画像のみを到達させる。当然のことながら、鑑賞者が上記のメガネ型の装置を装着していない場合には立体像が認識できない。そこで、特許文献１記載のシステムでは、表示装置と上記のメガネ型の装置とをケーブルで有線接続し、このケーブルを介して鑑賞者が上記のメガネ型の装置を装着していることを表示装置に通知し、表示装置は、上記のメガネ型の装置が装着されていないと判断した場合に立体画像の表示を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０００−００４４５３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、上記従来の構成では鑑賞者が装着する上記装置が有線接続されているため、多数の鑑賞者がそれぞれ上記装置を使おうとしても、その数が限られてしまう。また、上記装置を鑑賞者が装着したとしても、上記装置が正常に動作していなければ、立体画像を鑑賞することはできない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、表示装置が立体画像を表示し、別の装置により鑑賞者に立体像を視認させる構成において、当該別の装置の動作異常等により立体視ができない事態を防止できる表示システム、及び、表示システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記課題を解決するため、本発明は、立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記表示装置が表示する前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備え、前記立体視装置は、電源と、前記電源から供給される電力に基づき前記左目用シャッター部及び前記右目用シャッター部を開閉させるシャッター駆動手段と、自装置の動作状態を示す動作情報を前記表示装置に送信する動作状態通知手段とを備え、前記制御装置は、前記立体視装置から送信された動作情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、表示装置と組み合わせて使用され、表示装置が表示する立体画像を立体視するための立体視装置が、自装置の動作状態を制御装置に通知し、この立体視装置の動作状態を制御装置が判定する。これにより、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、例えば表示装置の立体画像の表示を停止するなどの制御を行って、いわゆる二重像が視認される状態などの立体視ができない事態を防止できる。
【０００６】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記左目用画像と前記右目用画像とを切り換えて表示することにより立体画像を表示する前記表示装置を備え、前記表示装置は、前記制御装置が備える前記制御手段の判定結果に基づいて、前記立体画像の表示を制御する表示制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、立体画像の表示を制御して、いわゆる二重像などの立体視ができない事態を防止できる。
ここで、表示装置は、制御装置と一体に構成することも可能であるし、別体として構成することも可能である。また、単に表示装置と制御装置とを同一の筐体に納めるだけでなく、表示装置の表示制御手段と制御装置の制御手段とを共通の制御部により実現することも可能である。
【０００７】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記動作状態通知手段は、前記電源から供給される電力に基づき前記シャッター駆動手段が動作可能な電源オン状態であることを示す情報を送信し、前記制御装置の前記制御手段は、前記立体視装置が電源オン状態か否かを判定することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の電源がオンになっているか否かを制御装置において判定できるので、立体視が可能な動作状態であるか否かを的確に判定できる。
【０００８】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記制御装置により前記立体視装置が電源オン状態であると判定された場合に、立体画像の表示を開始することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の電源がオンになっている場合に立体画像の表示を開始するので、立体視装置が、立体視が可能な動作状態でないにも関わらず立体画像を表示してしまうことがなく、立体視ができない事態を防止できる。
【０００９】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置の前記表示制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置が電源オフ状態であると判定された場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、複数の立体視装置が使用される場合に、いずれか一つの立体視装置が立体視に適した動作状態でない場合に立体画像の表示を停止させるので、複数の鑑賞者の全てに対して、二重像が見える等の事態を防止できる。
【００１０】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記動作状態通知手段は、当該立体視装置が前記電源として備えるバッテリーの残量を示す情報を送信し、前記制御装置の前記制御手段は、前記バッテリーの残量を判定することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置のバッテリーの残量に基づいて、立体視が可能な動作状態であるか否かを的確に判定できる。
【００１１】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置の前記制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置の前記バッテリーの残量が所定量を下回る場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、複数の立体視装置が使用される場合に、いずれか一つの立体視装置が立体視に適した動作状態でない場合に立体画像の表示を停止させるので、複数の鑑賞者の全てに対して、二重像が見える等の事態を防止できる。
【００１２】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、複数の前記立体視装置を備え、各々の前記立体視装置が備える前記動作状態通知手段は、自装置の動作状態を示す情報と自装置を識別可能な識別情報とを含む動作情報を前記制御装置へ送信し、前記制御装置の前記制御手段は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を検出し、この識別情報毎に前記立体視装置の動作状態を判定することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の識別情報毎に、制御装置が立体視装置の動作状態を判定するので、複数の立体視装置が同時に使用される場合であっても各立体視装置の動作状態を、個別に、確実に判定できる。
【００１３】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置の前記表示制御手段は、前記制御装置の前記制御手段により識別情報毎に判定された前記立体視装置の動作状態を、識別情報とともに表示することを特徴とする。
本発明によれば、複数の立体視装置が同時に使用される場合に、各立体視装置の動作状態を判定し、判定した動作状態を立体視装置の識別情報とともに表示する。これにより、複数の立体視装置の状態を鑑賞者に正確に案内し、立体視ができない事態の回避を促すことができる。
【００１４】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記制御装置は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を記憶する記憶手段を備え、前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された識別情報のうち、前記受信手段により受信された動作情報から検出されていない識別情報がある場合に報知を行うことを特徴とする。
本発明によれば、いずれかの立体視装置が動作情報を送信できないような状態に陥ったとしても、その異常を正確に判定して報知し、立体視ができない事態の回避を促すことができる。
【００１５】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記制御装置は、前記立体視装置に対して電源オン状態と電源オフ状態との切り換えを指示する制御情報を送信する制御情報送信手段を備え、前記立体視装置は、前記制御装置から送信された制御情報を受信する制御情報受信手段と、前記制御情報受信手段により受信された制御情報に基づいて、前記制御情報受信手段により受信された制御情報に基づいて、自装置の電源オン状態と電源オフ状態とを切り換える動作制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、制御装置の制御により立体視装置の電源のオン／オフを切り換えることが可能なため、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でないと判定した場合に、制御装置の制御によって立体視装置の電源をオンに切り換えさせ、立体視が可能な状態を速やかに実現できる。
【００１６】
上記課題を解決するため、本発明は、立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備えた表示システムを制御して、前記立体視装置により、自装置の動作状態を示す動作情報を前記制御装置に送信し、前記制御装置により、前記立体視装置から送信された動作情報を受信し、この動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定することを特徴とする。
本発明の制御方法を実行することにより、表示装置と組み合わせて使用され、表示装置が表示する立体画像を立体視するための立体視装置が、自装置の動作状態を制御装置に通知し、この立体視装置の動作状態を制御装置が判定する。これにより、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、例えば表示装置の立体画像の表示を停止するなどの制御を行って、いわゆる二重像が視認される状態などの立体視ができない事態を防止できる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、表示装置と組み合わせて使用される立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でないことを正確に判定して、立体視ができない事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の実施形態に係る表示システムの概略構成を示す図である。
【図２】表示システムの構成を示すブロック図である。
【図３】立体視装置の動作を示すフローチャートである。
【図４】プロジェクターの動作の例を示すフローチャートである。
【図５】プロジェクターの動作の別の例を示すフローチャートである。
【図６】プロジェクターの動作のさらに別の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図１は、本発明を適用した表示システム１０の概略構成を示す図である。
表示システム１０は、スクリーンＳＣに静止画像または動画像を投射するプロジェクター１１と、プロジェクター１１により投射された画像を観る鑑賞者が装着する立体視装置２とを備えている。プロジェクター１１は、例えば床面、床面に設置された台座あるいは天井に固定され、スクリーンＳＣは、例えばほぼ直立しており、スクリーン面は矩形形状とされている。プロジェクター１１は立体視が可能な視差画像をスクリーンＳＣ上に結像させ、鑑賞者は、立体視装置２を装着してスクリーンＳＣ上の視差画像を観ると、立体視できる。プロジェクター１１は、投射面としてのスクリーンＳＣに画像を投射することにより表示装置として機能する。
立体視装置２は、眼鏡型のフレーム２０を有し、眼鏡と同様に鑑賞者の頭部に装着される。フレーム２０には、鑑賞者の左目の視野を開閉する左目用シャッター２１（左目用シャッター部）と、鑑賞者の右目の視野を開閉する右目用シャッター２２（右目用シャッター部）とが配設されている。図１には２台の立体視装置２を用いた表示システム１０の構成を図示するが、プロジェクター１１に対して組み合わせて使用可能な立体視装置２の数は特に制限されず、もちろん１台の立体視装置２のみを使用することも可能である。
【００２０】
プロジェクター１１が投射する視差画像は、視差を有する左目用画像と右目用画像とで構成される。プロジェクター１１は、左目用画像と右目用画像とを交互にスクリーンＳＣ上に結像させ、フレーム２０は、プロジェクター１１の左目用画像と右目用画像との切り換えに同期して、左目用透過部としての左目用シャッター２１と右目用透過部としての右目用シャッター２２とを交互に開閉する。これにより、鑑賞者は左目で左目用画像を視認し、右目で右目用画像を視認するので、プロジェクター１１が投射する視差画像を立体視できる。
【００２１】
図２は、表示システム１０の機能的構成を示すブロック図である。
プロジェクター１１は、パーソナルコンピューターや各種画像プレーヤー等の外部の画像供給装置（図示略）にＩ／Ｆ部１０１を介して接続され、これらの画像供給装置から入力される入力画像をスクリーンＳＣに投射する。上記の画像供給装置としては、ビデオ再生装置、ＤＶＤ再生装置、テレビチューナー装置、ＣＡＴＶのセットトップボックス、ビデオゲーム装置等の画像出力装置、パーソナルコンピューター等が挙げられる。本実施形態では、画像供給装置からＩ／Ｆ部１０１に、デジタル画像データが入力されるものとして説明する。このデジタル画像データには、画像データ自体とともに、当該デジタル画像データの画像フォーマットに関する情報が含まれる。例えば、入力される画像データが立体画像データである場合には、立体映像フォーマット（サイドバイサイド、トップアンドボトム、フレームシーケンシャル等）を示すデータ、フレームレート、解像度等を含む各種の情報が含まれる。
【００２２】
プロジェクター１１は、大きく分けて光学的な画像の形成を行う投射部３（表示手段）と、この投射部３に入力される画像信号を電気的に処理する画像処理系とからなる。投射部３は、照明光学系３１、光変調装置である液晶パネル３２、及び投射光学系３３から構成されている。照明光学系３１は、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、ＬＥＤ（Light Emitting Diode）等からなる光源を備えている。また、照明光学系３１は、光源が発した光を液晶パネル３２に導くリフレクター及び補助リフレクターを備えていてもよく、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群（図示略）、偏光板、或いは光源が発した光の光量を液晶パネル３２に至る経路上で低減させる調光素子等を備えたものであってもよい。
液晶パネル３２は、後述する画像処理系からの信号を受けて、パネル面に画像を形成する。液晶パネル３２は、カラーの投影を行うため、ＲＧＢの三原色に対応した３枚の液晶パネルからなる。そのため、照明光学系３１からの光はＲＧＢの３色の色光に分離され、各色光は対応する各液晶パネルに入射する。各液晶パネルを通過して変調された色光はクロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系３３に射出される。
【００２３】
投射光学系３３は、投射する画像の拡大・縮小および焦点の調整を行うズームレンズ、ズームの度合いを調整するズーム調整用モーター、フォーカスの調整を行うフォーカス調整用モーター等を備えている。投射光学系３３は、液晶パネル３２で変調された入射光を、ズームレンズを用いてスクリーンＳＣ上に投射し、結像させる。
投射部３には、制御部１０３の制御に従って投射光学系３３が備える各モーターを駆動する投射光学系駆動部１２１、及び、制御部１０３の制御に従って照明光学系３１の光源を駆動する光源駆動部１１７が接続されている。
【００２４】
画像処理系は、プロジェクター１１全体を統合的に制御する制御部１０３を中心に構成され、制御部１０３が処理するデータや制御部１０３が実行する制御プログラム１０５Ａを記憶した記憶部１０５、操作パネル４５及びリモコン受光部４１を介した操作を検出する入力処理部１２３、入力画像データを処理する表示制御部１０７、表示制御部１０７から出力される画像信号に基づいて液晶パネル３２を駆動して描画を行う光変調装置駆動部１１９を備えている。
【００２５】
制御部１０３は、記憶部１０５に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、プロジェクター１１の各部を制御する。制御部１０３は、入力処理部１２３から入力される操作信号に基づいて、ユーザーが行った操作の内容を検出し、この操作に応じて表示制御部１０７、光変調装置駆動部１１９、投射光学系駆動部１２１及び光源駆動部１１７を制御して、スクリーンＳＣに画像を投射させる。
【００２６】
プロジェクター１１の本体には、ユーザーが操作を行うための各種スイッチ及びインジケーターランプを備えた操作パネル４５が配置されている。操作パネル４５は入力処理部１２３に接続されており、入力処理部１２３は、制御部１０３の制御に従い、プロジェクター１１の動作状態や設定状態に応じて操作パネル４５のインジケーターランプを適宜点灯或いは点滅させる。この操作パネル４５のスイッチが操作されると、操作されたスイッチに対応する操作信号が入力処理部１２３から制御部１０３に出力される。
また、プロジェクター１１は、ユーザーが使用するリモコン（図示略）から送信される赤外線信号を受光するリモコン受光部４１を備えている。リモコン受光部４１は、リモコンから受光した赤外線信号をデコードして、リモコンによる操作内容を示す操作信号を生成し、制御部１０３に出力する。
【００２７】
表示制御部１０７は、外部の画像供給装置（図示略）に接続されている。表示制御部１０７は、制御部１０３の制御に従って、画像供給装置からＩ／Ｆ部１０１を介して入力される入力画像信号に基づいて表示信号を生成し、光変調装置駆動部１１９に出力する。
すなわち、表示制御部１０７は、Ｉ／Ｆ部１０１から入力される画像データを取得して、画像判定部１３１の機能により、入力画像データが２Ｄ（平面）画像データであるか３Ｄ（立体）画像であるかを判定する。また、画像判定部１３１は、入力画像データが立体画像データである場合には、その立体映像フォーマットを判定する。そして、表示制御部１０７は、画像判定部１３１による判定が行われた入力画像をフレーム毎にフレームメモリー１１５に展開する。また、表示制御部１０７は、画像判定部１３１により立体画像データであると判定した入力画像データについては、立体映像フォーマットに従って左目用のフレーム（左目用画像）と右目用のフレーム（右目用画像）をそれぞれ抽出してフレームメモリー１１５に展開する。
ここで、表示制御部１０７は、入力画像データの解像度が液晶パネル３２の表示解像度と異なる場合には解像度変換処理を行い、リモコン（図示略）や操作パネル４５の操作によりズームが指示された場合には拡大／縮小処理を行って、処理後の表示用のフレームをフレームメモリー１１５に描画する。
【００２８】
表示制御部１０７は、フレームメモリー１１５に展開したフレーム毎の画像を表示信号として光変調装置駆動部１１９に出力する表示切換部１３３を有する。表示切換部１３３は、制御部１０３の制御により、立体画像と平面画像を切り換える機能を備えていて、入力画像データが立体画像である場合に、光変調装置駆動部１１９に立体画像の表示信号を出力することも、平面画像の表示信号を出力することも可能である。立体映像データの入力中に平面画像の表示信号を出力する方法としては、立体映像データから抽出した左目用のフレームと右目用のフレームのうち一方（本実施形態の例では左目用のフレーム）のみを出力する方法が挙げられる。
液晶パネル３２は、例えば毎秒１２０フレームまたは２４０フレームで駆動され、立体画像を表示する場合には、光変調装置駆動部１１９によって左目用のフレームと右目用のフレームとがそれぞれ毎秒６０フレームずつ交互に描画される。
【００２９】
プロジェクター１１は、液晶パネル３２に描画される左目用のフレームと右目用のフレームとの切り換えに同期して立体視装置２を動作させるため、同期信号送信部４９を備えている。同期信号送信部４９は、液晶パネル３２に描画される左目用のフレームと右目用のフレームの切り換えタイミングに立体視装置２を同期させる同期信号を送信する。この同期信号は、立体視装置２が左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉するタイミングを示す信号である。左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉タイミングと、液晶パネル３２に左目用及び右目用のフレームを描画するタイミングは厳密に一致するとは限らない。液晶パネル３２はライン毎に描画されるため、液晶パネル３２の描画を開始してから全ラインに１つのフレームが描画されるまでには時間がかかる。この途中では、以前に描画されていたフレームの一部と、新たに描画されたフレームの一部とが混在する。このように左目用のフレームと右目用のフレームとが混在する状態で、左目用シャッター２１または右目用シャッター２２を開いてしまうと、いわゆるクロストークと呼ばれる現象を招く。従って、制御部１０３が生成する同期信号の理想的な例では、左目用のフレームの描画が完了してから右目用のフレームの描画を開始するまでの間に左目用シャッター２１を開かせ、右目用のフレームの描画が完了してから左目用のフレームの描画を開始するまでの間に右目用シャッター２２を開かせる信号となっている。現実的には、液晶パネル３２への描画速度やフレームレートに応じて、鑑賞者にクロストークによる違和感をなるべく与えないように調整されたタイミングで、左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉させる。制御部１０３は、このように調整された同期信号を生成して、同期信号送信部４９により立体視装置２へ送信させる。
同期信号送信部４９は、例えば赤外ＬＥＤ及びＬＥＤ駆動回路を備え、制御部１０３が生成するタイミングでHigh／Lowが切り換わる赤外線信号を放射する。例えば、図１に示すプロジェクター１１の本体外面には、立体視装置２を装着した鑑賞者側に向けて、同期信号送信部４９の送信窓が設けられる。
【００３０】
立体視装置２は、立体視装置２の各部を制御する制御部２０１と、プロジェクター１１から送信される同期信号を受信する同期信号受信部２０２と、制御部２０１の制御により左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉させるシャッター駆動部２０３（シャッター駆動手段）とを備えている。同期信号受信部２０２は、プロジェクター１１から送信される同期信号を受信して、制御部２０１に出力する。シャッター駆動部２０３は、同期信号受信部２０２が受信した同期信号に同期して、左目用シャッター２１と、右目用シャッター２２とをそれぞれ開閉させる。左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２は、例えば液晶シャッターで構成され、左目用シャッター２１が開いている間は鑑賞者が左目でスクリーンＳＣ上の画像を視認でき、右目用シャッター２２が開いている間は鑑賞者が右目でスクリーンＳＣ上の画像を視認できる。この左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉タイミングを、スクリーンＳＣ上に左目用画像と右目用画像とが表示される時間に合わせることで、左目用画像と右目用画像とを個別に透過させることができる。
【００３１】
立体視装置２は、バッテリー２５（電源）を備えており、このバッテリー２５から制御部２０１及びシャッター駆動部２０３を含む各部へ電力を供給する。
立体視装置２は、図示しない電源スイッチを備えており、制御部２０１は、電源スイッチの操作により電源オン状態になると、予め設定された時間毎にバッテリー２５の残量を検出し、検出したバッテリー２５の残量を示す情報と、立体視装置２が電源オン状態であることを示す情報とを含む動作情報を生成して、送信部２０５（動作状態通知手段）によってプロジェクター１１へ無線送信する。
また、図２に示すように、立体視装置２の制御部２０１は、内蔵する記憶部に予め設定された固有の識別情報であるＩＤを記憶している。制御部２０１は、このＩＤを送信部２０５が送信する動作情報に含めて送信する。
【００３２】
図３は、立体視装置２の動作を示すフローチャートである。
立体視装置２は、電源スイッチがオンにされると（ステップＳ１１）、制御部２０１の制御により動作を開始する。制御部２０１は、同期信号受信部２０２による同期信号の受信を開始させ（ステップＳ１２）、この同期信号に同期するようにシャッター駆動部２０３を制御し、左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉を実行させる（ステップＳ１３）。
また、制御部２０１は、電源オンの後すみやかにバッテリー２５の残量を検出し（ステップＳ１４）、検出した残量を示す情報と、電源オン状態であることを示す情報とを含む動作情報を生成して、送信部２０５の機能によりプロジェクター１１に無線送信する（ステップＳ１５）。制御部２０１は、シャッター駆動部２０３による左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉と、バッテリー２５の残量の検出及び動作情報の送信を、電源スイッチがオフにされるまで継続し（ステップＳ１６）、電源スイッチがオフにされると動作を停止する。
【００３３】
図２に示す制御部１０３には、立体視装置２の送信部２０５が送信する動作無線信号を受信する受信部４７（受信手段）が接続されており、制御部１０３は受信部４７によって、立体視装置２が送信部２０５の機能により送信する動作情報を受信する。受信部４７は送信部２０５の仕様に合わせて構成された受信回路であり、送信部２０５が送信した信号を受信して入力処理部１２３に出力する。入力処理部１２３は、受信部４７から入力される信号をデコードして制御部１０３に出力し、制御部１０３は、この入力処理部１２３から入力されるデータに基づいて、立体視装置２の動作状態を判定する。ここで、立体視装置２が複数存在する場合には、各々の立体視装置２から動作情報が送信される。これらの動作情報には各立体視装置２に固有の識別情報であるＩＤが含まれているので、制御部１０３は、入力処理部１２３から入力されるデータに基づき、立体視装置２のＩＤ毎に、動作情報に基づき動作状態を判定する。
【００３４】
制御部１０３は、動作情報に基づいて判定した動作状態を、当該動作情報から検出したＩＤに対応づけて記憶部１０５に記憶する。この場合の記憶部１０５は記憶手段として機能する。
制御部１０３は、新たに動作情報を受信した場合に、この動作情報に含まれるＩＤと、記憶部１０５に記憶されたＩＤとを比較すれば、当該動作情報を送信した立体視装置２から過去に動作情報を受信していたか否かを判別できる。また、継続して動作情報をプロジェクター１１に送信していた立体視装置２が、動作情報を送信しなくなった場合にも、これを速やかに検出できる。
制御部１０３は、立体視装置２から受信した動作情報に基づいて判定した動作状態が、立体視に適していないと判定した場合には、投射部３による立体画像の投射を停止する。この場合、制御部１０３は、表示切換部１３３の機能によって光変調装置駆動部１１９に出力する画像を立体画像から平面画像に切り換える。この制御プログラム１０５Ａに基づく動作の実行時、制御部１０３は、制御手段及び表示制御手段として機能する。また、制御部１０３が制御手段として機能する際、プロジェクター１１は制御装置として機能する。
【００３５】
図４は、プロジェクター１１の動作を示すフローチャートであり、複数の立体視装置２とプロジェクター１１とを組み合わせて使用する場合の例を示す。また、図４ではＩ／Ｆ部１０１を介して外部の画像供給装置から立体画像データが入力される場合の動作を示す。平面画像データが入力される場合には、この平面画像データを表示する動作を行う。
【００３６】
制御部１０３は、Ｉ／Ｆ部１０１から入力される画像を検出すると（ステップＳ２１）、立体画像データの表示を開始する（ステップＳ２２）。すなわち、光変調装置駆動部１１９によって液晶パネル３２に左目用のフレームと右目用のフレームとを交互に描画する。この表示開始とともに、制御部１０３は、同期信号送信部４９によって立体視装置２に対する同期信号の送信を開始する（ステップＳ２３）。
制御部１０３は、受信部４７によって、立体視装置２の送信部２０５から送信される動作情報の受信を試行する（ステップＳ２４）。そして、受信した動作情報に含まれるＩＤを検出するとともに動作情報に基づいて動作状態を判定し（ステップＳ２５）、判定した動作状態をＩＤに対応づけて記憶部１０５に記憶する（ステップＳ２６）。検出したＩＤについて既に記憶部１０５に動作状態が記憶されていた場合には、制御部１０３は、記憶部１０５に記憶されている動作状態を上書き更新する。
【００３７】
ここで、制御部１０３は、ステップＳ２４で少なくとも一つの立体視装置２から送信された動作情報を受信したか否かを判別する（ステップＳ２７）。少なくとも一台の立体視装置２から動作情報を受信した場合には（ステップＳ２７；Ｙｅｓ）、制御部１０３は、ステップＳ２５で判定した動作状態を参照し、バッテリー２５の残量が、予め記憶部１０５に記憶している閾値（所定量）より不足している立体視装置２があったか否かを判別する（ステップＳ２８）。そして、バッテリー２５の残量不足の立体視装置２が無い場合には（ステップＳ２８；Ｎｏ）、現在液晶パネル３２に立体画像を表示中であるか否かを判別する（ステップＳ２９）。ここで、立体画像の表示中であれば（ステップＳ２９；Ｙｅｓ）、制御部１０３はそのままステップＳ３１に移行する。また、平面画像の表示中である場合（ステップＳ２９；Ｎｏ）、制御部１０３は、表示制御部１０７の表示切換部１３３を制御して、表示する画像を立体画像に切り換え（ステップＳ３０）、ステップＳ３１に移行する。
ステップＳ３１において、制御部１０３は、スクリーンＳＣへの投射を終了するか否かを判別し、投射を終了しない場合はステップＳ２４に戻る。
【００３８】
また、ステップＳ２４において動作情報が受信されなかった場合（ステップＳ２７；Ｎｏ）、制御部１０３は、プロジェクター１１とともに使用中の立体視装置２、或いは立体視可能な状態で動作している立体視装置２が無いものと判別し、動作中の立体視装置２が無い旨のメッセージを、表示制御部１０７の機能によってスクリーンＳＣに投射させ（ステップＳ３２）、後述するステップＳ３４に移行して平面画像の表示を行う。立体視装置２が無い場合には、どの鑑賞者も立体視装置２を装着していないか、装着していても、電源がオフになっている、バッテリー２５の残量が完全に無くなっている、故障により正常動作しない、等の状態である。このため、スクリーンＳＣに視差画像を投射しても立体視ができる鑑賞者がいないので、二重像を観ることによる不快感を防止するために、平面画像を投射する。
【００３９】
一方、立体視装置２からの動作情報を受信し、この動作情報に基づいてバッテリー２５の残量不足の立体視装置２があると判定した場合（ステップＳ２８；Ｙｅｓ）、制御部１０３は、表示制御部１０７の機能によって、残量不足と判定した立体視装置２のＩＤと、バッテリー残量不足であることを案内するメッセージとをスクリーンＳＣに投射させる（ステップＳ３３）。このメッセージの投射中には、先に投射中であった画像をいったん消してもよいし、投射中の画像にメッセージを重ねてもよい。
その後、制御部１０３は、ステップＳ３４に移行して、現在液晶パネル３２に立体画像を表示中であるか否かを判別する。ここで、立体画像の表示中であれば（ステップＳ３４；Ｙｅｓ）、制御部１０３は表示制御部１０７の表示切換部１３３を制御して、表示する画像を平面画像に切り換える（ステップＳ３５）。具体的には、Ｉ／Ｆ部１０１の入力画像に含まれる右目用のフレームを表示せず、左目用のフレームのみを光変調装置駆動部１１９によって表示する。これにより、鑑賞者には、立体視装置２を装着していても、装着していなくても同様に平面画像が視認され、二重像は見えない。切り換えを行った後、制御部１０３はステップＳ３２に移行する。また、立体画像の表示中でない場合は（ステップＳ３４；Ｎｏ）、制御部１０３は、表示制御部１０７の表示切換部１３３を制御して、平面画像の表示を継続する（ステップＳ３６）。
【００４０】
図５は、プロジェクター１１の動作の別の例を示すフローチャートである。なお、図５において、図４と同じ処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
この図５には、制御部１０３が新たに動作情報を受信した場合に、この動作情報に含まれるＩＤと、記憶部１０５に記憶されたＩＤとを比較することで、正常に動作していた立体視装置２が動作情報を送信しなくなったことを検出する場合の動作を示す。
【００４１】
すなわち、制御部１０３は、動作情報を受信して（ステップＳ２４）、受信した動作情報からＩＤを検出するとともに動作状態を判定し（ステップＳ２５）、検出したＩＤに基づいて記憶部１０５に記憶されている動作情報を参照し、動作状態を記憶または更新する（ステップＳ２６）。制御部１０３は、この一連の処理により、記憶部１０５に記憶されている全てのＩＤについて動作情報を受信し、動作状態を更新したか否かを判別する（ステップＳ４１）。ここで、更新されていない動作状態があれば、対応するＩＤの立体視装置２から動作情報を受信していないことになる。具体的には、当該立体視装置２の電源スイッチがオフにされた場合、この立体視装置２のバッテリー２５の残量が無くなった場合、或いは、この立体視装置２が故障した場合等が挙げられる。少なくとも、受信できた動作情報のＩＤに対応する立体視装置２は電源オン状態であると判定できる。
制御部１０３は、動作情報を受信できなかった立体視装置２のＩＤを、表示制御部１０７の機能によってスクリーンＳＣに投射させる（ステップＳ４２）。これにより、複数の立体視装置２が使用されている場合であっても、正常に動作しなくなった立体視装置２を特定して、機能確認等を促すことができる。
この図５に示す動作を行う場合には、制御部１０３は、記憶部１０５に記憶されてから、予め設定された所定時間を超えて、動作状態が更新されていないＩＤについて、記憶部１０５から消去することが好ましい。
【００４２】
立体視装置２は、上記電源オフの状態であっても制御部２０１及び送信部２０５にはバッテリー２５から電力が供給される構成とすることもできる。この場合、制御部２０１は、電源オフ状態では、所定時間毎にバッテリー２５の残量を検出し、検出したバッテリー２５の残量を示す情報と、立体視装置２が、バッテリー２５から電力が供給されない電源オフ状態であることを示す情報と、ＩＤとを含む動作情報を生成して、送信部２０５によってプロジェクター１１へ無線送信する。
また、この構成では、制御部２０１の機能により、立体視装置２の電源をオン／オフすることが可能となる。すなわち、制御部２０１、同期信号受信部２０２及び送信部２０５のみにバッテリー２５の電力が供給される電源オフ状態と、制御部２０１、同期信号受信部２０２及び送信部２０５を除く各部にもバッテリー２５の電力が供給される電源オン状態とを、制御部２０１の制御によって切り換えることができる。
【００４３】
また、この構成において、プロジェクター１１が同期信号送信部４９により送信する同期信号に、電源オフ状態から電源オンへの切り換え、或いは、電源オンから電源オフ状態への切り換えを指示する信号を含めておくことで、プロジェクター１１の制御により立体視装置２の電源をオン／オフできる。制御部２０１は、同期信号受信部２０２がプロジェクター１１から受信する同期信号に、電源オフ状態から電源オンへの切り換え、或いは、電源オンから電源オフ状態への切り換えを指示する信号が含まれている場合、この信号に従って電源オン／オフの切り換えを実行する。
さらに、プロジェクター１１が送信する信号にＩＤが含まれている場合には、制御部２０１は、同期信号受信部２０２により受信した信号に含まれるＩＤを自己のＩＤと比較し、一致する場合には上記信号に従って電源オン／オフの切り換えを実行する。これにより、複数の立体視装置２の中から特定の立体視装置２を選択して、電源オン／オフの切り換えを実行させることができる。この場合の制御部２０１は動作制御手段として機能し、同期信号受信部２０２は制御情報受信手段として機能する。
また、同期信号受信部２０２によって同期信号を受信しない時間が所定時間以上継続した場合に、制御部２０１の制御により自動的に電源をオフにする構成としてもよい。
この場合の動作について、図６のフローチャートを参照して説明する。なお、図５において、図４及び図５と同じ処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【００４４】
制御部１０３は、動作情報を受信して（ステップＳ２４）、受信した動作情報からＩＤを検出するとともに動作状態を判定し（ステップＳ２５）、検出したＩＤに基づいて記憶部１０５に記憶されている動作情報を参照し、動作状態を記憶または更新する（ステップＳ２６）。制御部１０３は、この一連の処理により、記憶部１０５に記憶されている全てのＩＤについて動作情報を受信し、動作状態を更新したか否かを判別する（ステップＳ４１）。
ここで、更新されていない動作状態があれば、対応するＩＤの立体視装置２から動作情報を受信していないことになる。具体的には、当該立体視装置２の電源スイッチがオフにされた場合等が挙げられる。そこで、制御部１０３は、このＩＤを有する立体視装置２に対して、電源をオンに切り換えるように指示する制御情報を生成して、同期信号送信部４９から立体視装置２に送信する（ステップＳ４３）。その後、制御部１０３は、ステップＳ２８に移行する。
【００４５】
この図６の動作によれば、立体視装置２の電源がオフにされたまま立体画像の鑑賞が始まった場合に、スクリーンＳＣ上の画像の鑑賞を妨げることなく、立体視装置２の電源をオンにして立体視に適した動作状態を実現できる。
【００４６】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係る表示システム１０によれば、左目用画像と右目用画像とを交互に切り換えてスクリーンＳＣに表示することにより立体画像を表示するプロジェクター１１と、プロジェクター１１が表示する左目用画像を透過させる左目用シャッター２１と右目用画像を透過する右目用シャッター２２とを有する立体視装置２とを用い、立体視装置２は、バッテリー２５と、バッテリー２５から供給される電力に基づき左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉させるシャッター駆動部２０３と、立体視装置２の動作状態を示す動作情報をプロジェクター１１に送信する送信部２０５とを備え、プロジェクター１１は、立体視装置２から送信された動作情報を受信部４７により受信し、受信した動作情報に基づいて、制御部１０３によって立体視装置２の動作状態を判定する。これにより、立体視装置２の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、プロジェクター１１がこれを判定して、立体画像の表示を停止し、いわゆる二重像が視認される状態等、立体視ができない事態を防止できる。
【００４７】
また、立体視装置２の送信部２０５は、バッテリー２５から供給される電力に基づきシャッター駆動部２０３が動作可能な電源オン状態であることを示す情報を含む動作情報を送信し、プロジェクター１１の制御手段は、立体視装置２が電源オン状態か否かを判定するので、立体視装置２が、立体視が可能な動作状態であるか否かをプロジェクター１１が正確に判定できる。
そして、立体視に適しない状態の立体視装置２がある場合に、その旨を案内するメッセージを表示したり、スクリーンＳＣに投射中の立体画像を平面画像に切り換える処理を行ったりして、立体視ができずに二重像が見えるといった事態を防止できる。
また、電源オンとなっている立体視装置２があると判定した場合に立体画像の表示を開始して、立体視ができずに二重像が見えるといった事態を防止できる。
【００４８】
また、立体視装置２の送信部２０５は、立体視装置２がバッテリー２５として備えるバッテリー２５の残量を示す情報を含む動作情報を送信し、プロジェクター１１の制御手段は、バッテリー２５の残量を判定するので、立体視装置２が、立体視が可能な動作状態であるか否かをプロジェクター１１が正確に判定できる。そして、立体視に適しない状態の立体視装置２がある場合、すなわちバッテリー２５の残量が所定量を下回る場合には、その旨を案内するメッセージを表示したり、スクリーンＳＣに投射中の立体画像を平面画像に切り換える処理を行ったりして、立体視ができずに二重像が見えるといった事態を防止できる。
【００４９】
プロジェクター１１の制御部１０３は、少なくとも一つの立体視装置２が電源オフ状態であると判定した場合、及び、少なくとも一つの立体視装置２のバッテリー２５の残量が所定量を下回る場合に、立体画像の表示を停止させるので、複数の鑑賞者がスクリーンＳＣを観ている場合に、全ての鑑賞者に対して、二重像が見える等の事態を防止できる。
また、複数の立体視装置２が利用される場合に、各々の立体視装置２が備える送信部２０５が動作情報をプロジェクター１１へ送信し、プロジェクター１１の制御部１０３は、受信部４７により受信した動作情報に含まれる立体視装置２のＩＤを検出し、ＩＤ毎に立体視装置２の動作状態を判定するので、各立体視装置２の動作状態を、個別に、確実に判定できる。
さらに、制御部１０３は、ＩＤ毎に判定した立体視装置２の動作状態をＩＤとともに表示するので、複数の立体視装置２が同時に使用される場合に、各立体視装置２の動作状態を表示し、立体視が可能な動作状態でない立体視装置２の存在を報知して、対策を促すことができる。
【００５０】
また、プロジェクター１１は、立体視装置２から受信した動作情報に含まれる立体視装置２のＩＤを記憶部１０５に記憶し、記憶した識別情報のうち、受信した動作情報から検出されていないＩＤがある場合に報知を行うので、いずれかの立体視装置２が動作情報を送信できないような状態に陥ったとしても、その異常を正確に判定して報知し、対策を促すことができる。
【００５１】
また、プロジェクター１１は、立体視装置２に対して電源オン状態と電源オフ状態との切り換えを指示する制御情報を同期信号送信部４９から送信する機能を有する構成とすることもでき、立体視装置２が、プロジェクター１１から送信された制御情報を同期信号受信部２０２で受信し、受信した制御情報に基づいて、制御部２０１が、立体視装置２の電源オン状態と電源オフ状態とを切り換えるので、立体視装置２の動作状態が立体視に適した状態でないと判定した場合に、プロジェクター１１の制御によって立体視装置２の電源オン／オフを切り換えさせて、問題を解消できる。
【００５２】
なお、上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、上記実施形態とは異なる態様として本発明を適用することも可能である。例えば、上記実施形態では、投射部３において光源が発した光を変調する光変調装置として、ＲＧＢの各色に対応した３枚の透過型または反射型の液晶パネル３２を用いた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、１枚の液晶パネルとカラーホイールを組み合わせた方式、３枚のデジタルミラーデバイス（ＤＭＤ）を用いた方式、１枚のデジタルミラーデバイスとカラーホイールを組み合わせた方式等により構成してもよい。ここで、光変調装置として１枚のみの液晶パネルまたはＤＭＤを用いる場合には、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系に相当する部材は不要である。また、液晶パネル及びＤＭＤ以外にも、光源が発した光を変調可能な構成であれば問題なく採用できる。
また、本発明の表示装置は、スクリーンＳＣに画像を投射するプロジェクターに限定されず、液晶表示パネルに画像／画像を表示する液晶モニターまたは液晶テレビ、或いは、ＰＤＰ（プラズマディスプレイパネル）に画像／画像を表示するモニター装置またはテレビ受像機、ＯＬＥＤ（Organic light-emitting diode）、ＯＥＬ（Organic Electro-Luminescence）等と呼ばれる有機ＥＬ表示パネルに画像／画像を表示するモニター装置またはテレビ受像機等の自発光型の表示装置など、各種の表示装置も本発明の画像表示装置に含まれる。この場合、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ＥＬ表示パネルが表示手段に相当する。
【００５３】
さらに、上記実施形態では、外部の画像供給装置から入力される入力画像を表示制御部１０７によって処理し、立体視装置２から送信される動作情報に基づいてプロジェクター１１が立体視装置２の動作状態を判定し、この動作状態に応じて制御部１０３が図４〜図６に示す処理を行い、制御部１０３の制御のもとに表示制御部１０７が平面画像と立体画像の表示を切り換える構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、平面画像と立体画像の表示を切り換える処理を、プロジェクター１１に外部接続されたパーソナルコンピューター等の画像供給装置が実行する構成としてもよい。
この場合の画像供給装置は、制御装置として機能し、制御手段の機能に相当する機能をコンピューターのＣＰＵが実行する。すなわち、上述したプロジェクター１１が備える制御部１０３、表示制御部１０７の機能を備えるものとすることができる。具体的には、プロジェクター１１の制御に従って、画像供給装置が、Ｉ／Ｆ部１０１に対して平面画像と立体画像とを切り換えて出力する構成としてもよいし、画像供給装置が、立体視装置２から送信される動作情報を受信し、この動作情報に基づいて平面画像と立体画像を切り換えてＩ／Ｆ部１０１に出力してもよい。また、本発明は、このような装置が実行するプログラムとして実現することも可能である。
また、上記実施形態において記憶部１０５が記憶していた制御プログラム１０５Ａを、プロジェクター１１が通信ネットワークを介して接続された他の装置からダウンロードして実行しても良いし、可搬型の記録媒体に制御プログラム１０５Ａを記録して、この記録媒体から上記各プログラムを読み取って実行する構成としても良い。
【００５４】
また、図２に示した立体視装置２及びプロジェクター１１の各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、表示システム１０の具体的な細部構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【符号の説明】
【００５５】
２…立体視装置、３…投射部、１０…表示システム、１１…プロジェクター（制御装置、表示装置）、２１…左目用シャッター（左目用シャッター部）、２２…右目用シャッター（右目用シャッター部）、２５…バッテリー（電源）、４７…受信部（受信手段）、４９…同期信号送信部（制御情報送信手段）、１０３…制御部（制御手段、表示制御手段）、１０５…記憶部（記憶手段）、１０５Ａ…制御プログラム、１０７…表示制御部、２０１…制御部、２０２…同期信号受信部（制御情報受信手段）、２０３…シャッター駆動部（シャッター駆動手段）、２０５…送信部（動作状態通知手段）、ＳＣ…スクリーン（投射面）。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、立体画像を表示する表示システム、及び、表示システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、立体画像を表示する表示装置と、この表示装置に対応して立体画像（３次元画像）を視認可能にするメガネ型の装置とを組み合わせたシステムが知られている（例えば、特許文献１参照。）。この種のシステムは、表示装置によって左目用の画像と右目用の画像とを表示し、上記のメガネ型の装置によって鑑賞者の左目に左目用の画像を到達させ、右目に右目用の画像のみを到達させる。当然のことながら、鑑賞者が上記のメガネ型の装置を装着していない場合には立体像が認識できない。そこで、特許文献１記載のシステムでは、表示装置と上記のメガネ型の装置とをケーブルで有線接続し、このケーブルを介して鑑賞者が上記のメガネ型の装置を装着していることを表示装置に通知し、表示装置は、上記のメガネ型の装置が装着されていないと判断した場合に立体画像の表示を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０００−００４４５３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、上記従来の構成では鑑賞者が装着する上記装置が有線接続されているため、多数の鑑賞者がそれぞれ上記装置を使おうとしても、その数が限られてしまう。また、上記装置を鑑賞者が装着したとしても、上記装置が正常に動作していなければ、立体画像を鑑賞することはできない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、表示装置が立体画像を表示し、別の装置により鑑賞者に立体像を視認させる構成において、当該別の装置の動作異常等により立体視ができない事態を防止できる表示システム、及び、表示システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記課題を解決するため、本発明は、立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記表示装置が表示する前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備え、前記立体視装置は、電源と、前記電源から供給される電力に基づき前記左目用シャッター部及び前記右目用シャッター部を開閉させるシャッター駆動手段と、自装置の動作状態を示す動作情報を前記表示装置に送信する動作状態通知手段とを備え、前記制御装置は、前記立体視装置から送信された動作情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、表示装置と組み合わせて使用され、表示装置が表示する立体画像を立体視するための立体視装置が、自装置の動作状態を制御装置に通知し、この立体視装置の動作状態を制御装置が判定する。これにより、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、例えば表示装置の立体画像の表示を停止するなどの制御を行って、いわゆる二重像が視認される状態などの立体視ができない事態を防止できる。
【０００６】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記左目用画像と前記右目用画像とを切り換えて表示することにより立体画像を表示する前記表示装置を備え、前記表示装置は、前記制御装置が備える前記制御手段の判定結果に基づいて、前記立体画像の表示を制御する表示制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、立体画像の表示を制御して、いわゆる二重像などの立体視ができない事態を防止できる。
ここで、表示装置は、制御装置と一体に構成することも可能であるし、別体として構成することも可能である。また、単に表示装置と制御装置とを同一の筐体に納めるだけでなく、表示装置の表示制御手段と制御装置の制御手段とを共通の制御部により実現することも可能である。
【０００７】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記動作状態通知手段は、前記電源から供給される電力に基づき前記シャッター駆動手段が動作可能な電源オン状態であることを示す情報を送信し、前記制御装置の前記制御手段は、前記立体視装置が電源オン状態か否かを判定することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の電源がオンになっているか否かを制御装置において判定できるので、立体視が可能な動作状態であるか否かを的確に判定できる。
【０００８】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記制御装置により前記立体視装置が電源オン状態であると判定された場合に、立体画像の表示を開始することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の電源がオンになっている場合に立体画像の表示を開始するので、立体視装置が、立体視が可能な動作状態でないにも関わらず立体画像を表示してしまうことがなく、立体視ができない事態を防止できる。
【０００９】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置の前記表示制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置が電源オフ状態であると判定された場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、複数の立体視装置が使用される場合に、いずれか一つの立体視装置が立体視に適した動作状態でない場合に立体画像の表示を停止させるので、複数の鑑賞者の全てに対して、二重像が見える等の事態を防止できる。
【００１０】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記動作状態通知手段は、当該立体視装置が前記電源として備えるバッテリーの残量を示す情報を送信し、前記制御装置の前記制御手段は、前記バッテリーの残量を判定することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置のバッテリーの残量に基づいて、立体視が可能な動作状態であるか否かを的確に判定できる。
【００１１】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置の前記制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置の前記バッテリーの残量が所定量を下回る場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、複数の立体視装置が使用される場合に、いずれか一つの立体視装置が立体視に適した動作状態でない場合に立体画像の表示を停止させるので、複数の鑑賞者の全てに対して、二重像が見える等の事態を防止できる。
【００１２】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、複数の前記立体視装置を備え、各々の前記立体視装置が備える前記動作状態通知手段は、自装置の動作状態を示す情報と自装置を識別可能な識別情報とを含む動作情報を前記制御装置へ送信し、前記制御装置の前記制御手段は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を検出し、この識別情報毎に前記立体視装置の動作状態を判定することを特徴とする。
本発明によれば、立体視装置の識別情報毎に、制御装置が立体視装置の動作状態を判定するので、複数の立体視装置が同時に使用される場合であっても各立体視装置の動作状態を、個別に、確実に判定できる。
【００１３】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記表示装置の前記表示制御手段は、前記制御装置の前記制御手段により識別情報毎に判定された前記立体視装置の動作状態を、識別情報とともに表示することを特徴とする。
本発明によれば、複数の立体視装置が同時に使用される場合に、各立体視装置の動作状態を判定し、判定した動作状態を立体視装置の識別情報とともに表示する。これにより、複数の立体視装置の状態を鑑賞者に正確に案内し、立体視ができない事態の回避を促すことができる。
【００１４】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記制御装置は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を記憶する記憶手段を備え、前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された識別情報のうち、前記受信手段により受信された動作情報から検出されていない識別情報がある場合に報知を行うことを特徴とする。
本発明によれば、いずれかの立体視装置が動作情報を送信できないような状態に陥ったとしても、その異常を正確に判定して報知し、立体視ができない事態の回避を促すことができる。
【００１５】
また、本発明は、上記表示システムにおいて、前記制御装置は、前記立体視装置に対して電源オン状態と電源オフ状態との切り換えを指示する制御情報を送信する制御情報送信手段を備え、前記立体視装置は、前記制御装置から送信された制御情報を受信する制御情報受信手段と、前記制御情報受信手段により受信された制御情報に基づいて、前記制御情報受信手段により受信された制御情報に基づいて、自装置の電源オン状態と電源オフ状態とを切り換える動作制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、制御装置の制御により立体視装置の電源のオン／オフを切り換えることが可能なため、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でないと判定した場合に、制御装置の制御によって立体視装置の電源をオンに切り換えさせ、立体視が可能な状態を速やかに実現できる。
【００１６】
上記課題を解決するため、本発明は、立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備えた表示システムを制御して、前記立体視装置により、自装置の動作状態を示す動作情報を前記制御装置に送信し、前記制御装置により、前記立体視装置から送信された動作情報を受信し、この動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定することを特徴とする。
本発明の制御方法を実行することにより、表示装置と組み合わせて使用され、表示装置が表示する立体画像を立体視するための立体視装置が、自装置の動作状態を制御装置に通知し、この立体視装置の動作状態を制御装置が判定する。これにより、立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、例えば表示装置の立体画像の表示を停止するなどの制御を行って、いわゆる二重像が視認される状態などの立体視ができない事態を防止できる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、表示装置と組み合わせて使用される立体視装置の動作状態が立体視に適した状態でないことを正確に判定して、立体視ができない事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の実施形態に係る表示システムの概略構成を示す図である。
【図２】表示システムの構成を示すブロック図である。
【図３】立体視装置の動作を示すフローチャートである。
【図４】プロジェクターの動作の例を示すフローチャートである。
【図５】プロジェクターの動作の別の例を示すフローチャートである。
【図６】プロジェクターの動作のさらに別の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図１は、本発明を適用した表示システム１０の概略構成を示す図である。
表示システム１０は、スクリーンＳＣに静止画像または動画像を投射するプロジェクター１１と、プロジェクター１１により投射された画像を観る鑑賞者が装着する立体視装置２とを備えている。プロジェクター１１は、例えば床面、床面に設置された台座あるいは天井に固定され、スクリーンＳＣは、例えばほぼ直立しており、スクリーン面は矩形形状とされている。プロジェクター１１は立体視が可能な視差画像をスクリーンＳＣ上に結像させ、鑑賞者は、立体視装置２を装着してスクリーンＳＣ上の視差画像を観ると、立体視できる。プロジェクター１１は、投射面としてのスクリーンＳＣに画像を投射することにより表示装置として機能する。
立体視装置２は、眼鏡型のフレーム２０を有し、眼鏡と同様に鑑賞者の頭部に装着される。フレーム２０には、鑑賞者の左目の視野を開閉する左目用シャッター２１（左目用シャッター部）と、鑑賞者の右目の視野を開閉する右目用シャッター２２（右目用シャッター部）とが配設されている。図１には２台の立体視装置２を用いた表示システム１０の構成を図示するが、プロジェクター１１に対して組み合わせて使用可能な立体視装置２の数は特に制限されず、もちろん１台の立体視装置２のみを使用することも可能である。
【００２０】
プロジェクター１１が投射する視差画像は、視差を有する左目用画像と右目用画像とで構成される。プロジェクター１１は、左目用画像と右目用画像とを交互にスクリーンＳＣ上に結像させ、フレーム２０は、プロジェクター１１の左目用画像と右目用画像との切り換えに同期して、左目用透過部としての左目用シャッター２１と右目用透過部としての右目用シャッター２２とを交互に開閉する。これにより、鑑賞者は左目で左目用画像を視認し、右目で右目用画像を視認するので、プロジェクター１１が投射する視差画像を立体視できる。
【００２１】
図２は、表示システム１０の機能的構成を示すブロック図である。
プロジェクター１１は、パーソナルコンピューターや各種画像プレーヤー等の外部の画像供給装置（図示略）にＩ／Ｆ部１０１を介して接続され、これらの画像供給装置から入力される入力画像をスクリーンＳＣに投射する。上記の画像供給装置としては、ビデオ再生装置、ＤＶＤ再生装置、テレビチューナー装置、ＣＡＴＶのセットトップボックス、ビデオゲーム装置等の画像出力装置、パーソナルコンピューター等が挙げられる。本実施形態では、画像供給装置からＩ／Ｆ部１０１に、デジタル画像データが入力されるものとして説明する。このデジタル画像データには、画像データ自体とともに、当該デジタル画像データの画像フォーマットに関する情報が含まれる。例えば、入力される画像データが立体画像データである場合には、立体映像フォーマット（サイドバイサイド、トップアンドボトム、フレームシーケンシャル等）を示すデータ、フレームレート、解像度等を含む各種の情報が含まれる。
【００２２】
プロジェクター１１は、大きく分けて光学的な画像の形成を行う投射部３（表示手段）と、この投射部３に入力される画像信号を電気的に処理する画像処理系とからなる。投射部３は、照明光学系３１、光変調装置である液晶パネル３２、及び投射光学系３３から構成されている。照明光学系３１は、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、ＬＥＤ（Light Emitting Diode）等からなる光源を備えている。また、照明光学系３１は、光源が発した光を液晶パネル３２に導くリフレクター及び補助リフレクターを備えていてもよく、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群（図示略）、偏光板、或いは光源が発した光の光量を液晶パネル３２に至る経路上で低減させる調光素子等を備えたものであってもよい。
液晶パネル３２は、後述する画像処理系からの信号を受けて、パネル面に画像を形成する。液晶パネル３２は、カラーの投影を行うため、ＲＧＢの三原色に対応した３枚の液晶パネルからなる。そのため、照明光学系３１からの光はＲＧＢの３色の色光に分離され、各色光は対応する各液晶パネルに入射する。各液晶パネルを通過して変調された色光はクロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系３３に射出される。
【００２３】
投射光学系３３は、投射する画像の拡大・縮小および焦点の調整を行うズームレンズ、ズームの度合いを調整するズーム調整用モーター、フォーカスの調整を行うフォーカス調整用モーター等を備えている。投射光学系３３は、液晶パネル３２で変調された入射光を、ズームレンズを用いてスクリーンＳＣ上に投射し、結像させる。
投射部３には、制御部１０３の制御に従って投射光学系３３が備える各モーターを駆動する投射光学系駆動部１２１、及び、制御部１０３の制御に従って照明光学系３１の光源を駆動する光源駆動部１１７が接続されている。
【００２４】
画像処理系は、プロジェクター１１全体を統合的に制御する制御部１０３を中心に構成され、制御部１０３が処理するデータや制御部１０３が実行する制御プログラム１０５Ａを記憶した記憶部１０５、操作パネル４５及びリモコン受光部４１を介した操作を検出する入力処理部１２３、入力画像データを処理する表示制御部１０７、表示制御部１０７から出力される画像信号に基づいて液晶パネル３２を駆動して描画を行う光変調装置駆動部１１９を備えている。
【００２５】
制御部１０３は、記憶部１０５に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、プロジェクター１１の各部を制御する。制御部１０３は、入力処理部１２３から入力される操作信号に基づいて、ユーザーが行った操作の内容を検出し、この操作に応じて表示制御部１０７、光変調装置駆動部１１９、投射光学系駆動部１２１及び光源駆動部１１７を制御して、スクリーンＳＣに画像を投射させる。
【００２６】
プロジェクター１１の本体には、ユーザーが操作を行うための各種スイッチ及びインジケーターランプを備えた操作パネル４５が配置されている。操作パネル４５は入力処理部１２３に接続されており、入力処理部１２３は、制御部１０３の制御に従い、プロジェクター１１の動作状態や設定状態に応じて操作パネル４５のインジケーターランプを適宜点灯或いは点滅させる。この操作パネル４５のスイッチが操作されると、操作されたスイッチに対応する操作信号が入力処理部１２３から制御部１０３に出力される。
また、プロジェクター１１は、ユーザーが使用するリモコン（図示略）から送信される赤外線信号を受光するリモコン受光部４１を備えている。リモコン受光部４１は、リモコンから受光した赤外線信号をデコードして、リモコンによる操作内容を示す操作信号を生成し、制御部１０３に出力する。
【００２７】
表示制御部１０７は、外部の画像供給装置（図示略）に接続されている。表示制御部１０７は、制御部１０３の制御に従って、画像供給装置からＩ／Ｆ部１０１を介して入力される入力画像信号に基づいて表示信号を生成し、光変調装置駆動部１１９に出力する。
すなわち、表示制御部１０７は、Ｉ／Ｆ部１０１から入力される画像データを取得して、画像判定部１３１の機能により、入力画像データが２Ｄ（平面）画像データであるか３Ｄ（立体）画像であるかを判定する。また、画像判定部１３１は、入力画像データが立体画像データである場合には、その立体映像フォーマットを判定する。そして、表示制御部１０７は、画像判定部１３１による判定が行われた入力画像をフレーム毎にフレームメモリー１１５に展開する。また、表示制御部１０７は、画像判定部１３１により立体画像データであると判定した入力画像データについては、立体映像フォーマットに従って左目用のフレーム（左目用画像）と右目用のフレーム（右目用画像）をそれぞれ抽出してフレームメモリー１１５に展開する。
ここで、表示制御部１０７は、入力画像データの解像度が液晶パネル３２の表示解像度と異なる場合には解像度変換処理を行い、リモコン（図示略）や操作パネル４５の操作によりズームが指示された場合には拡大／縮小処理を行って、処理後の表示用のフレームをフレームメモリー１１５に描画する。
【００２８】
表示制御部１０７は、フレームメモリー１１５に展開したフレーム毎の画像を表示信号として光変調装置駆動部１１９に出力する表示切換部１３３を有する。表示切換部１３３は、制御部１０３の制御により、立体画像と平面画像を切り換える機能を備えていて、入力画像データが立体画像である場合に、光変調装置駆動部１１９に立体画像の表示信号を出力することも、平面画像の表示信号を出力することも可能である。立体映像データの入力中に平面画像の表示信号を出力する方法としては、立体映像データから抽出した左目用のフレームと右目用のフレームのうち一方（本実施形態の例では左目用のフレーム）のみを出力する方法が挙げられる。
液晶パネル３２は、例えば毎秒１２０フレームまたは２４０フレームで駆動され、立体画像を表示する場合には、光変調装置駆動部１１９によって左目用のフレームと右目用のフレームとがそれぞれ毎秒６０フレームずつ交互に描画される。
【００２９】
プロジェクター１１は、液晶パネル３２に描画される左目用のフレームと右目用のフレームとの切り換えに同期して立体視装置２を動作させるため、同期信号送信部４９を備えている。同期信号送信部４９は、液晶パネル３２に描画される左目用のフレームと右目用のフレームの切り換えタイミングに立体視装置２を同期させる同期信号を送信する。この同期信号は、立体視装置２が左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉するタイミングを示す信号である。左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉タイミングと、液晶パネル３２に左目用及び右目用のフレームを描画するタイミングは厳密に一致するとは限らない。液晶パネル３２はライン毎に描画されるため、液晶パネル３２の描画を開始してから全ラインに１つのフレームが描画されるまでには時間がかかる。この途中では、以前に描画されていたフレームの一部と、新たに描画されたフレームの一部とが混在する。このように左目用のフレームと右目用のフレームとが混在する状態で、左目用シャッター２１または右目用シャッター２２を開いてしまうと、いわゆるクロストークと呼ばれる現象を招く。従って、制御部１０３が生成する同期信号の理想的な例では、左目用のフレームの描画が完了してから右目用のフレームの描画を開始するまでの間に左目用シャッター２１を開かせ、右目用のフレームの描画が完了してから左目用のフレームの描画を開始するまでの間に右目用シャッター２２を開かせる信号となっている。現実的には、液晶パネル３２への描画速度やフレームレートに応じて、鑑賞者にクロストークによる違和感をなるべく与えないように調整されたタイミングで、左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉させる。制御部１０３は、このように調整された同期信号を生成して、同期信号送信部４９により立体視装置２へ送信させる。
同期信号送信部４９は、例えば赤外ＬＥＤ及びＬＥＤ駆動回路を備え、制御部１０３が生成するタイミングでHigh／Lowが切り換わる赤外線信号を放射する。例えば、図１に示すプロジェクター１１の本体外面には、立体視装置２を装着した鑑賞者側に向けて、同期信号送信部４９の送信窓が設けられる。
【００３０】
立体視装置２は、立体視装置２の各部を制御する制御部２０１と、プロジェクター１１から送信される同期信号を受信する同期信号受信部２０２と、制御部２０１の制御により左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉させるシャッター駆動部２０３（シャッター駆動手段）とを備えている。同期信号受信部２０２は、プロジェクター１１から送信される同期信号を受信して、制御部２０１に出力する。シャッター駆動部２０３は、同期信号受信部２０２が受信した同期信号に同期して、左目用シャッター２１と、右目用シャッター２２とをそれぞれ開閉させる。左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２は、例えば液晶シャッターで構成され、左目用シャッター２１が開いている間は鑑賞者が左目でスクリーンＳＣ上の画像を視認でき、右目用シャッター２２が開いている間は鑑賞者が右目でスクリーンＳＣ上の画像を視認できる。この左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉タイミングを、スクリーンＳＣ上に左目用画像と右目用画像とが表示される時間に合わせることで、左目用画像と右目用画像とを個別に透過させることができる。
【００３１】
立体視装置２は、バッテリー２５（電源）を備えており、このバッテリー２５から制御部２０１及びシャッター駆動部２０３を含む各部へ電力を供給する。
立体視装置２は、図示しない電源スイッチを備えており、制御部２０１は、電源スイッチの操作により電源オン状態になると、予め設定された時間毎にバッテリー２５の残量を検出し、検出したバッテリー２５の残量を示す情報と、立体視装置２が電源オン状態であることを示す情報とを含む動作情報を生成して、送信部２０５（動作状態通知手段）によってプロジェクター１１へ無線送信する。
また、図２に示すように、立体視装置２の制御部２０１は、内蔵する記憶部に予め設定された固有の識別情報であるＩＤを記憶している。制御部２０１は、このＩＤを送信部２０５が送信する動作情報に含めて送信する。
【００３２】
図３は、立体視装置２の動作を示すフローチャートである。
立体視装置２は、電源スイッチがオンにされると（ステップＳ１１）、制御部２０１の制御により動作を開始する。制御部２０１は、同期信号受信部２０２による同期信号の受信を開始させ（ステップＳ１２）、この同期信号に同期するようにシャッター駆動部２０３を制御し、左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉を実行させる（ステップＳ１３）。
また、制御部２０１は、電源オンの後すみやかにバッテリー２５の残量を検出し（ステップＳ１４）、検出した残量を示す情報と、電源オン状態であることを示す情報とを含む動作情報を生成して、送信部２０５の機能によりプロジェクター１１に無線送信する（ステップＳ１５）。制御部２０１は、シャッター駆動部２０３による左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２の開閉と、バッテリー２５の残量の検出及び動作情報の送信を、電源スイッチがオフにされるまで継続し（ステップＳ１６）、電源スイッチがオフにされると動作を停止する。
【００３３】
図２に示す制御部１０３には、立体視装置２の送信部２０５が送信する動作無線信号を受信する受信部４７（受信手段）が接続されており、制御部１０３は受信部４７によって、立体視装置２が送信部２０５の機能により送信する動作情報を受信する。受信部４７は送信部２０５の仕様に合わせて構成された受信回路であり、送信部２０５が送信した信号を受信して入力処理部１２３に出力する。入力処理部１２３は、受信部４７から入力される信号をデコードして制御部１０３に出力し、制御部１０３は、この入力処理部１２３から入力されるデータに基づいて、立体視装置２の動作状態を判定する。ここで、立体視装置２が複数存在する場合には、各々の立体視装置２から動作情報が送信される。これらの動作情報には各立体視装置２に固有の識別情報であるＩＤが含まれているので、制御部１０３は、入力処理部１２３から入力されるデータに基づき、立体視装置２のＩＤ毎に、動作情報に基づき動作状態を判定する。
【００３４】
制御部１０３は、動作情報に基づいて判定した動作状態を、当該動作情報から検出したＩＤに対応づけて記憶部１０５に記憶する。この場合の記憶部１０５は記憶手段として機能する。
制御部１０３は、新たに動作情報を受信した場合に、この動作情報に含まれるＩＤと、記憶部１０５に記憶されたＩＤとを比較すれば、当該動作情報を送信した立体視装置２から過去に動作情報を受信していたか否かを判別できる。また、継続して動作情報をプロジェクター１１に送信していた立体視装置２が、動作情報を送信しなくなった場合にも、これを速やかに検出できる。
制御部１０３は、立体視装置２から受信した動作情報に基づいて判定した動作状態が、立体視に適していないと判定した場合には、投射部３による立体画像の投射を停止する。この場合、制御部１０３は、表示切換部１３３の機能によって光変調装置駆動部１１９に出力する画像を立体画像から平面画像に切り換える。この制御プログラム１０５Ａに基づく動作の実行時、制御部１０３は、制御手段及び表示制御手段として機能する。また、制御部１０３が制御手段として機能する際、プロジェクター１１は制御装置として機能する。
【００３５】
図４は、プロジェクター１１の動作を示すフローチャートであり、複数の立体視装置２とプロジェクター１１とを組み合わせて使用する場合の例を示す。また、図４ではＩ／Ｆ部１０１を介して外部の画像供給装置から立体画像データが入力される場合の動作を示す。平面画像データが入力される場合には、この平面画像データを表示する動作を行う。
【００３６】
制御部１０３は、Ｉ／Ｆ部１０１から入力される画像を検出すると（ステップＳ２１）、立体画像データの表示を開始する（ステップＳ２２）。すなわち、光変調装置駆動部１１９によって液晶パネル３２に左目用のフレームと右目用のフレームとを交互に描画する。この表示開始とともに、制御部１０３は、同期信号送信部４９によって立体視装置２に対する同期信号の送信を開始する（ステップＳ２３）。
制御部１０３は、受信部４７によって、立体視装置２の送信部２０５から送信される動作情報の受信を試行する（ステップＳ２４）。そして、受信した動作情報に含まれるＩＤを検出するとともに動作情報に基づいて動作状態を判定し（ステップＳ２５）、判定した動作状態をＩＤに対応づけて記憶部１０５に記憶する（ステップＳ２６）。検出したＩＤについて既に記憶部１０５に動作状態が記憶されていた場合には、制御部１０３は、記憶部１０５に記憶されている動作状態を上書き更新する。
【００３７】
ここで、制御部１０３は、ステップＳ２４で少なくとも一つの立体視装置２から送信された動作情報を受信したか否かを判別する（ステップＳ２７）。少なくとも一台の立体視装置２から動作情報を受信した場合には（ステップＳ２７；Ｙｅｓ）、制御部１０３は、ステップＳ２５で判定した動作状態を参照し、バッテリー２５の残量が、予め記憶部１０５に記憶している閾値（所定量）より不足している立体視装置２があったか否かを判別する（ステップＳ２８）。そして、バッテリー２５の残量不足の立体視装置２が無い場合には（ステップＳ２８；Ｎｏ）、現在液晶パネル３２に立体画像を表示中であるか否かを判別する（ステップＳ２９）。ここで、立体画像の表示中であれば（ステップＳ２９；Ｙｅｓ）、制御部１０３はそのままステップＳ３１に移行する。また、平面画像の表示中である場合（ステップＳ２９；Ｎｏ）、制御部１０３は、表示制御部１０７の表示切換部１３３を制御して、表示する画像を立体画像に切り換え（ステップＳ３０）、ステップＳ３１に移行する。
ステップＳ３１において、制御部１０３は、スクリーンＳＣへの投射を終了するか否かを判別し、投射を終了しない場合はステップＳ２４に戻る。
【００３８】
また、ステップＳ２４において動作情報が受信されなかった場合（ステップＳ２７；Ｎｏ）、制御部１０３は、プロジェクター１１とともに使用中の立体視装置２、或いは立体視可能な状態で動作している立体視装置２が無いものと判別し、動作中の立体視装置２が無い旨のメッセージを、表示制御部１０７の機能によってスクリーンＳＣに投射させ（ステップＳ３２）、後述するステップＳ３４に移行して平面画像の表示を行う。立体視装置２が無い場合には、どの鑑賞者も立体視装置２を装着していないか、装着していても、電源がオフになっている、バッテリー２５の残量が完全に無くなっている、故障により正常動作しない、等の状態である。このため、スクリーンＳＣに視差画像を投射しても立体視ができる鑑賞者がいないので、二重像を観ることによる不快感を防止するために、平面画像を投射する。
【００３９】
一方、立体視装置２からの動作情報を受信し、この動作情報に基づいてバッテリー２５の残量不足の立体視装置２があると判定した場合（ステップＳ２８；Ｙｅｓ）、制御部１０３は、表示制御部１０７の機能によって、残量不足と判定した立体視装置２のＩＤと、バッテリー残量不足であることを案内するメッセージとをスクリーンＳＣに投射させる（ステップＳ３３）。このメッセージの投射中には、先に投射中であった画像をいったん消してもよいし、投射中の画像にメッセージを重ねてもよい。
その後、制御部１０３は、ステップＳ３４に移行して、現在液晶パネル３２に立体画像を表示中であるか否かを判別する。ここで、立体画像の表示中であれば（ステップＳ３４；Ｙｅｓ）、制御部１０３は表示制御部１０７の表示切換部１３３を制御して、表示する画像を平面画像に切り換える（ステップＳ３５）。具体的には、Ｉ／Ｆ部１０１の入力画像に含まれる右目用のフレームを表示せず、左目用のフレームのみを光変調装置駆動部１１９によって表示する。これにより、鑑賞者には、立体視装置２を装着していても、装着していなくても同様に平面画像が視認され、二重像は見えない。切り換えを行った後、制御部１０３はステップＳ３２に移行する。また、立体画像の表示中でない場合は（ステップＳ３４；Ｎｏ）、制御部１０３は、表示制御部１０７の表示切換部１３３を制御して、平面画像の表示を継続する（ステップＳ３６）。
【００４０】
図５は、プロジェクター１１の動作の別の例を示すフローチャートである。なお、図５において、図４と同じ処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
この図５には、制御部１０３が新たに動作情報を受信した場合に、この動作情報に含まれるＩＤと、記憶部１０５に記憶されたＩＤとを比較することで、正常に動作していた立体視装置２が動作情報を送信しなくなったことを検出する場合の動作を示す。
【００４１】
すなわち、制御部１０３は、動作情報を受信して（ステップＳ２４）、受信した動作情報からＩＤを検出するとともに動作状態を判定し（ステップＳ２５）、検出したＩＤに基づいて記憶部１０５に記憶されている動作情報を参照し、動作状態を記憶または更新する（ステップＳ２６）。制御部１０３は、この一連の処理により、記憶部１０５に記憶されている全てのＩＤについて動作情報を受信し、動作状態を更新したか否かを判別する（ステップＳ４１）。ここで、更新されていない動作状態があれば、対応するＩＤの立体視装置２から動作情報を受信していないことになる。具体的には、当該立体視装置２の電源スイッチがオフにされた場合、この立体視装置２のバッテリー２５の残量が無くなった場合、或いは、この立体視装置２が故障した場合等が挙げられる。少なくとも、受信できた動作情報のＩＤに対応する立体視装置２は電源オン状態であると判定できる。
制御部１０３は、動作情報を受信できなかった立体視装置２のＩＤを、表示制御部１０７の機能によってスクリーンＳＣに投射させる（ステップＳ４２）。これにより、複数の立体視装置２が使用されている場合であっても、正常に動作しなくなった立体視装置２を特定して、機能確認等を促すことができる。
この図５に示す動作を行う場合には、制御部１０３は、記憶部１０５に記憶されてから、予め設定された所定時間を超えて、動作状態が更新されていないＩＤについて、記憶部１０５から消去することが好ましい。
【００４２】
立体視装置２は、上記電源オフの状態であっても制御部２０１及び送信部２０５にはバッテリー２５から電力が供給される構成とすることもできる。この場合、制御部２０１は、電源オフ状態では、所定時間毎にバッテリー２５の残量を検出し、検出したバッテリー２５の残量を示す情報と、立体視装置２が、バッテリー２５から電力が供給されない電源オフ状態であることを示す情報と、ＩＤとを含む動作情報を生成して、送信部２０５によってプロジェクター１１へ無線送信する。
また、この構成では、制御部２０１の機能により、立体視装置２の電源をオン／オフすることが可能となる。すなわち、制御部２０１、同期信号受信部２０２及び送信部２０５のみにバッテリー２５の電力が供給される電源オフ状態と、制御部２０１、同期信号受信部２０２及び送信部２０５を除く各部にもバッテリー２５の電力が供給される電源オン状態とを、制御部２０１の制御によって切り換えることができる。
【００４３】
また、この構成において、プロジェクター１１が同期信号送信部４９により送信する同期信号に、電源オフ状態から電源オンへの切り換え、或いは、電源オンから電源オフ状態への切り換えを指示する信号を含めておくことで、プロジェクター１１の制御により立体視装置２の電源をオン／オフできる。制御部２０１は、同期信号受信部２０２がプロジェクター１１から受信する同期信号に、電源オフ状態から電源オンへの切り換え、或いは、電源オンから電源オフ状態への切り換えを指示する信号が含まれている場合、この信号に従って電源オン／オフの切り換えを実行する。
さらに、プロジェクター１１が送信する信号にＩＤが含まれている場合には、制御部２０１は、同期信号受信部２０２により受信した信号に含まれるＩＤを自己のＩＤと比較し、一致する場合には上記信号に従って電源オン／オフの切り換えを実行する。これにより、複数の立体視装置２の中から特定の立体視装置２を選択して、電源オン／オフの切り換えを実行させることができる。この場合の制御部２０１は動作制御手段として機能し、同期信号受信部２０２は制御情報受信手段として機能する。
また、同期信号受信部２０２によって同期信号を受信しない時間が所定時間以上継続した場合に、制御部２０１の制御により自動的に電源をオフにする構成としてもよい。
この場合の動作について、図６のフローチャートを参照して説明する。なお、図５において、図４及び図５と同じ処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【００４４】
制御部１０３は、動作情報を受信して（ステップＳ２４）、受信した動作情報からＩＤを検出するとともに動作状態を判定し（ステップＳ２５）、検出したＩＤに基づいて記憶部１０５に記憶されている動作情報を参照し、動作状態を記憶または更新する（ステップＳ２６）。制御部１０３は、この一連の処理により、記憶部１０５に記憶されている全てのＩＤについて動作情報を受信し、動作状態を更新したか否かを判別する（ステップＳ４１）。
ここで、更新されていない動作状態があれば、対応するＩＤの立体視装置２から動作情報を受信していないことになる。具体的には、当該立体視装置２の電源スイッチがオフにされた場合等が挙げられる。そこで、制御部１０３は、このＩＤを有する立体視装置２に対して、電源をオンに切り換えるように指示する制御情報を生成して、同期信号送信部４９から立体視装置２に送信する（ステップＳ４３）。その後、制御部１０３は、ステップＳ２８に移行する。
【００４５】
この図６の動作によれば、立体視装置２の電源がオフにされたまま立体画像の鑑賞が始まった場合に、スクリーンＳＣ上の画像の鑑賞を妨げることなく、立体視装置２の電源をオンにして立体視に適した動作状態を実現できる。
【００４６】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係る表示システム１０によれば、左目用画像と右目用画像とを交互に切り換えてスクリーンＳＣに表示することにより立体画像を表示するプロジェクター１１と、プロジェクター１１が表示する左目用画像を透過させる左目用シャッター２１と右目用画像を透過する右目用シャッター２２とを有する立体視装置２とを用い、立体視装置２は、バッテリー２５と、バッテリー２５から供給される電力に基づき左目用シャッター２１及び右目用シャッター２２を開閉させるシャッター駆動部２０３と、立体視装置２の動作状態を示す動作情報をプロジェクター１１に送信する送信部２０５とを備え、プロジェクター１１は、立体視装置２から送信された動作情報を受信部４７により受信し、受信した動作情報に基づいて、制御部１０３によって立体視装置２の動作状態を判定する。これにより、立体視装置２の動作状態が立体視に適した状態でない場合に、プロジェクター１１がこれを判定して、立体画像の表示を停止し、いわゆる二重像が視認される状態等、立体視ができない事態を防止できる。
【００４７】
また、立体視装置２の送信部２０５は、バッテリー２５から供給される電力に基づきシャッター駆動部２０３が動作可能な電源オン状態であることを示す情報を含む動作情報を送信し、プロジェクター１１の制御手段は、立体視装置２が電源オン状態か否かを判定するので、立体視装置２が、立体視が可能な動作状態であるか否かをプロジェクター１１が正確に判定できる。
そして、立体視に適しない状態の立体視装置２がある場合に、その旨を案内するメッセージを表示したり、スクリーンＳＣに投射中の立体画像を平面画像に切り換える処理を行ったりして、立体視ができずに二重像が見えるといった事態を防止できる。
また、電源オンとなっている立体視装置２があると判定した場合に立体画像の表示を開始して、立体視ができずに二重像が見えるといった事態を防止できる。
【００４８】
また、立体視装置２の送信部２０５は、立体視装置２がバッテリー２５として備えるバッテリー２５の残量を示す情報を含む動作情報を送信し、プロジェクター１１の制御手段は、バッテリー２５の残量を判定するので、立体視装置２が、立体視が可能な動作状態であるか否かをプロジェクター１１が正確に判定できる。そして、立体視に適しない状態の立体視装置２がある場合、すなわちバッテリー２５の残量が所定量を下回る場合には、その旨を案内するメッセージを表示したり、スクリーンＳＣに投射中の立体画像を平面画像に切り換える処理を行ったりして、立体視ができずに二重像が見えるといった事態を防止できる。
【００４９】
プロジェクター１１の制御部１０３は、少なくとも一つの立体視装置２が電源オフ状態であると判定した場合、及び、少なくとも一つの立体視装置２のバッテリー２５の残量が所定量を下回る場合に、立体画像の表示を停止させるので、複数の鑑賞者がスクリーンＳＣを観ている場合に、全ての鑑賞者に対して、二重像が見える等の事態を防止できる。
また、複数の立体視装置２が利用される場合に、各々の立体視装置２が備える送信部２０５が動作情報をプロジェクター１１へ送信し、プロジェクター１１の制御部１０３は、受信部４７により受信した動作情報に含まれる立体視装置２のＩＤを検出し、ＩＤ毎に立体視装置２の動作状態を判定するので、各立体視装置２の動作状態を、個別に、確実に判定できる。
さらに、制御部１０３は、ＩＤ毎に判定した立体視装置２の動作状態をＩＤとともに表示するので、複数の立体視装置２が同時に使用される場合に、各立体視装置２の動作状態を表示し、立体視が可能な動作状態でない立体視装置２の存在を報知して、対策を促すことができる。
【００５０】
また、プロジェクター１１は、立体視装置２から受信した動作情報に含まれる立体視装置２のＩＤを記憶部１０５に記憶し、記憶した識別情報のうち、受信した動作情報から検出されていないＩＤがある場合に報知を行うので、いずれかの立体視装置２が動作情報を送信できないような状態に陥ったとしても、その異常を正確に判定して報知し、対策を促すことができる。
【００５１】
また、プロジェクター１１は、立体視装置２に対して電源オン状態と電源オフ状態との切り換えを指示する制御情報を同期信号送信部４９から送信する機能を有する構成とすることもでき、立体視装置２が、プロジェクター１１から送信された制御情報を同期信号受信部２０２で受信し、受信した制御情報に基づいて、制御部２０１が、立体視装置２の電源オン状態と電源オフ状態とを切り換えるので、立体視装置２の動作状態が立体視に適した状態でないと判定した場合に、プロジェクター１１の制御によって立体視装置２の電源オン／オフを切り換えさせて、問題を解消できる。
【００５２】
なお、上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、上記実施形態とは異なる態様として本発明を適用することも可能である。例えば、上記実施形態では、投射部３において光源が発した光を変調する光変調装置として、ＲＧＢの各色に対応した３枚の透過型または反射型の液晶パネル３２を用いた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、１枚の液晶パネルとカラーホイールを組み合わせた方式、３枚のデジタルミラーデバイス（ＤＭＤ）を用いた方式、１枚のデジタルミラーデバイスとカラーホイールを組み合わせた方式等により構成してもよい。ここで、光変調装置として１枚のみの液晶パネルまたはＤＭＤを用いる場合には、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系に相当する部材は不要である。また、液晶パネル及びＤＭＤ以外にも、光源が発した光を変調可能な構成であれば問題なく採用できる。
また、本発明の表示装置は、スクリーンＳＣに画像を投射するプロジェクターに限定されず、液晶表示パネルに画像／画像を表示する液晶モニターまたは液晶テレビ、或いは、ＰＤＰ（プラズマディスプレイパネル）に画像／画像を表示するモニター装置またはテレビ受像機、ＯＬＥＤ（Organic light-emitting diode）、ＯＥＬ（Organic Electro-Luminescence）等と呼ばれる有機ＥＬ表示パネルに画像／画像を表示するモニター装置またはテレビ受像機等の自発光型の表示装置など、各種の表示装置も本発明の画像表示装置に含まれる。この場合、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ＥＬ表示パネルが表示手段に相当する。
【００５３】
さらに、上記実施形態では、外部の画像供給装置から入力される入力画像を表示制御部１０７によって処理し、立体視装置２から送信される動作情報に基づいてプロジェクター１１が立体視装置２の動作状態を判定し、この動作状態に応じて制御部１０３が図４〜図６に示す処理を行い、制御部１０３の制御のもとに表示制御部１０７が平面画像と立体画像の表示を切り換える構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、平面画像と立体画像の表示を切り換える処理を、プロジェクター１１に外部接続されたパーソナルコンピューター等の画像供給装置が実行する構成としてもよい。
この場合の画像供給装置は、制御装置として機能し、制御手段の機能に相当する機能をコンピューターのＣＰＵが実行する。すなわち、上述したプロジェクター１１が備える制御部１０３、表示制御部１０７の機能を備えるものとすることができる。具体的には、プロジェクター１１の制御に従って、画像供給装置が、Ｉ／Ｆ部１０１に対して平面画像と立体画像とを切り換えて出力する構成としてもよいし、画像供給装置が、立体視装置２から送信される動作情報を受信し、この動作情報に基づいて平面画像と立体画像を切り換えてＩ／Ｆ部１０１に出力してもよい。また、本発明は、このような装置が実行するプログラムとして実現することも可能である。
また、上記実施形態において記憶部１０５が記憶していた制御プログラム１０５Ａを、プロジェクター１１が通信ネットワークを介して接続された他の装置からダウンロードして実行しても良いし、可搬型の記録媒体に制御プログラム１０５Ａを記録して、この記録媒体から上記各プログラムを読み取って実行する構成としても良い。
【００５４】
また、図２に示した立体視装置２及びプロジェクター１１の各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、表示システム１０の具体的な細部構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【符号の説明】
【００５５】
２…立体視装置、３…投射部、１０…表示システム、１１…プロジェクター（制御装置、表示装置）、２１…左目用シャッター（左目用シャッター部）、２２…右目用シャッター（右目用シャッター部）、２５…バッテリー（電源）、４７…受信部（受信手段）、４９…同期信号送信部（制御情報送信手段）、１０３…制御部（制御手段、表示制御手段）、１０５…記憶部（記憶手段）、１０５Ａ…制御プログラム、１０７…表示制御部、２０１…制御部、２０２…同期信号受信部（制御情報受信手段）、２０３…シャッター駆動部（シャッター駆動手段）、２０５…送信部（動作状態通知手段）、ＳＣ…スクリーン（投射面）。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記表示装置が表示する前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備え、
前記立体視装置は、
電源と、前記電源から供給される電力に基づき前記左目用シャッター部及び前記右目用シャッター部を開閉させるシャッター駆動手段と、
自装置の動作状態を示す動作情報を前記表示装置に送信する動作状態通知手段とを備え、
前記制御装置は、
前記立体視装置から送信された動作情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定する制御手段とを備えること
を特徴とする表示システム。
【請求項２】
前記左目用画像と前記右目用画像とを切り換えて表示することにより立体画像を表示する前記表示装置を備え、
前記表示装置は、前記制御装置が備える前記制御手段の判定結果に基づいて、前記立体画像の表示を制御する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項１記載の表示システム。
【請求項３】
前記動作状態通知手段は、前記電源から供給される電力に基づき前記シャッター駆動手段が動作可能な電源オン状態であることを示す情報を送信し、
前記制御装置の前記制御手段は、前記立体視装置が電源オン状態か否かを判定することを特徴とする請求項２記載の表示システム。
【請求項４】
前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記制御装置により前記立体視装置が電源オン状態であると判定された場合に、立体画像の表示を開始することを特徴とする請求項３記載の表示システム。
【請求項５】
前記表示装置が備える前記表示制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置が電源オフ状態であると判定された場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする請求項３のいずれかに記載の表示システム。
【請求項６】
前記動作状態通知手段は、当該立体視装置が前記電源として備えるバッテリーの残量を示す情報を送信し、
前記制御装置の前記制御手段は、前記バッテリーの残量を判定することを特徴とする請求項２から５のいずれかに記載の表示システム。
【請求項７】
前記表示装置の前記制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置の前記バッテリーの残量が所定量を下回る場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする請求項６記載の表示システム。
【請求項８】
複数の前記立体視装置を備え、各々の前記立体視装置が備える前記動作状態通知手段は、自装置の動作状態を示す情報と自装置を識別可能な識別情報とを含む動作情報を前記制御装置へ送信し、
前記制御装置の前記制御手段は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を検出し、この識別情報毎に前記立体視装置の動作状態を判定することを特徴とする請求項２から７のいずれかに記載の表示システム。
【請求項９】
前記表示装置の前記表示制御手段は、前記制御装置の前記制御手段により識別情報毎に判定された前記立体視装置の動作状態を、識別情報とともに表示することを特徴とする請求項８記載の表示システム。
【請求項１０】
前記制御装置は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を記憶する記憶手段を備え、
前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された識別情報のうち、前記受信手段により受信された動作情報から検出されていない識別情報がある場合に報知を行うことを特徴とする請求項８または９記載の表示システム。
【請求項１１】
前記制御装置は、前記立体視装置に対して電源オン状態と電源オフ状態との切り換えを指示する制御情報を送信する制御情報送信手段を備え、
前記立体視装置は、前記制御装置から送信された制御情報を受信する制御情報受信手段と、
前記制御情報受信手段により受信された制御情報に基づいて、自装置の電源オン状態と電源オフ状態とを切り換える動作制御手段とを備えることを特徴とする請求項１から１０のいずれかに記載の表示システム。
【請求項１２】
立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備えた表示システムを制御して、
前記立体視装置により、自装置の動作状態を示す動作情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置により、前記立体視装置から送信された動作情報を受信し、この動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定すること
を特徴とする表示システムの制御方法。
【請求項１】
立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記表示装置が表示する前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備え、
前記立体視装置は、
電源と、前記電源から供給される電力に基づき前記左目用シャッター部及び前記右目用シャッター部を開閉させるシャッター駆動手段と、
自装置の動作状態を示す動作情報を前記表示装置に送信する動作状態通知手段とを備え、
前記制御装置は、
前記立体視装置から送信された動作情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定する制御手段とを備えること
を特徴とする表示システム。
【請求項２】
前記左目用画像と前記右目用画像とを切り換えて表示することにより立体画像を表示する前記表示装置を備え、
前記表示装置は、前記制御装置が備える前記制御手段の判定結果に基づいて、前記立体画像の表示を制御する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項１記載の表示システム。
【請求項３】
前記動作状態通知手段は、前記電源から供給される電力に基づき前記シャッター駆動手段が動作可能な電源オン状態であることを示す情報を送信し、
前記制御装置の前記制御手段は、前記立体視装置が電源オン状態か否かを判定することを特徴とする請求項２記載の表示システム。
【請求項４】
前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記制御装置により前記立体視装置が電源オン状態であると判定された場合に、立体画像の表示を開始することを特徴とする請求項３記載の表示システム。
【請求項５】
前記表示装置が備える前記表示制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置が電源オフ状態であると判定された場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする請求項３のいずれかに記載の表示システム。
【請求項６】
前記動作状態通知手段は、当該立体視装置が前記電源として備えるバッテリーの残量を示す情報を送信し、
前記制御装置の前記制御手段は、前記バッテリーの残量を判定することを特徴とする請求項２から５のいずれかに記載の表示システム。
【請求項７】
前記表示装置の前記制御手段は、少なくとも一つの前記立体視装置の前記バッテリーの残量が所定量を下回る場合に、前記立体画像の表示を停止させることを特徴とする請求項６記載の表示システム。
【請求項８】
複数の前記立体視装置を備え、各々の前記立体視装置が備える前記動作状態通知手段は、自装置の動作状態を示す情報と自装置を識別可能な識別情報とを含む動作情報を前記制御装置へ送信し、
前記制御装置の前記制御手段は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を検出し、この識別情報毎に前記立体視装置の動作状態を判定することを特徴とする請求項２から７のいずれかに記載の表示システム。
【請求項９】
前記表示装置の前記表示制御手段は、前記制御装置の前記制御手段により識別情報毎に判定された前記立体視装置の動作状態を、識別情報とともに表示することを特徴とする請求項８記載の表示システム。
【請求項１０】
前記制御装置は、前記受信手段により受信された動作情報に含まれる前記立体視装置の識別情報を記憶する記憶手段を備え、
前記表示装置が備える前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された識別情報のうち、前記受信手段により受信された動作情報から検出されていない識別情報がある場合に報知を行うことを特徴とする請求項８または９記載の表示システム。
【請求項１１】
前記制御装置は、前記立体視装置に対して電源オン状態と電源オフ状態との切り換えを指示する制御情報を送信する制御情報送信手段を備え、
前記立体視装置は、前記制御装置から送信された制御情報を受信する制御情報受信手段と、
前記制御情報受信手段により受信された制御情報に基づいて、自装置の電源オン状態と電源オフ状態とを切り換える動作制御手段とを備えることを特徴とする請求項１から１０のいずれかに記載の表示システム。
【請求項１２】
立体画像を表示する表示装置が切り換えて表示する左目用画像と右目用画像のうち、前記左目用画像を透過させる左目用シャッター部と前記右目用画像を透過する右目用シャッター部とを有する立体視装置と、制御装置とを備えた表示システムを制御して、
前記立体視装置により、自装置の動作状態を示す動作情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置により、前記立体視装置から送信された動作情報を受信し、この動作情報に基づいて、前記立体視装置の動作状態を判定すること
を特徴とする表示システムの制御方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−１９５７２９（Ｐ２０１２−１９５７２９Ａ）
【公開日】平成２４年１０月１１日（２０１２．１０．１１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−５７６８２（Ｐ２０１１−５７６８２）
【出願日】平成２３年３月１６日（２０１１．３．１６）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１０月１１日（２０１２．１０．１１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年３月１６日（２０１１．３．１６）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]