説明

表示制御装置、表示制御方法、表示制御システム、表示制御プログラム、および記録媒体

【課題】表示画面の周囲の状況に応じた、使いやすい位置に操作キーを表示する。
【解決手段】制御ユニット60は、表示部12の表示画面に対する、該表示画面の周囲に存在する検出対象の位置を示す位置情報を取得する位置取得部64aと、位置取得部64aが取得した位置情報を用いて、上記表示画面に対する上記検出対象の位置に応じて予め定められた位置に上記操作キーを表示させる表示位置決定部64bとを備えているので、表示画面の周囲の状況に応じた、使いやすい位置に操作キーを表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面に表示された操作キーに対する入力操作を検出する機能を有するタッチパネル等の電子機器の表示制御を行う表示制御装置、表示制御方法、表示制御システム、表示制御プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プレゼンテーションソフトウェアの発展と共に、会議、研究会、学会、発表会、およびその他の発表の場で、スクリーンや各種ディスプレイ装置にプレゼンテーション資料の映像を表示する機会が増えている。
【0003】
このようなプレゼンテーションソフトウェアでは、プレゼンテーション資料のスライドを順次提示すると共に、スライド上に注釈などの記入を行う操作や、スライドの一部を拡大または縮小する操作などの各種操作を加えることが可能になっている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、画面に対する接触位置を検出する機能を有する表示装置において、入力操作用のキーを画面に表示して、表示したキーに触れることによって、そのキーに対応する処理(例えば、消したい描画種の選択)を実行させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−196671号公報(2003年7月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、表示装置に画像を表示させてプレゼンテーション等を行うときには、各参加者が画面を見やすいように、表示装置をキャスター等で移動させたり、表示装置をリフトアップして高く掲げたりすることがある。また、近年では、表示装置の画面が大型化しており、これに伴い、プレゼンターは、表示装置の右側で説明したり、左側で説明したりと、移動しながらプレゼンテーションを行うことがある。
【0007】
そして、このように表示装置の位置が変わったり、プレゼンターの位置が変わったりした場合には、それに伴ってプレゼンターが使いやすい、入力操作用のキーの配置も変化する。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1では、この点が全く考慮されておらず、入力操作用のキーは、常に画面の上部に表示されている。このため、表示装置を高く掲げたときには、プレゼンターはそのキーにタッチすることが困難になる。また、表示装置が壁際に移動されたときには、プレゼンターは、入力操作用のキーのうち壁側寄りに表示されているキーにタッチすることが困難になる。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示画面の周囲の状況に応じた、使いやすい位置に操作キーを表示する表示制御装置、表示制御方法、表示制御システム、表示制御プログラム、および記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の表示制御装置は、表示画面に表示された、予め定めた処理が対応付けられた操作キーに対して当該表示画面上で行われる入力操作を検出する表示/入力装置に、上記操作キーを表示させる表示制御装置であって、上記表示画面に対する、該表示画面の周囲に存在する検出対象の位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、上記位置取得手段が取得した位置情報を用いて、上記表示画面に対する上記検出対象の位置に応じて予め定められた位置に上記操作キーを表示させる表示位置決定手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の表示制御方法は、上記課題を解決するために、表示画面に表示された、予め定めた処理が対応付けられた操作キーに対して当該表示画面上で行われる入力操作を検出する表示/入力装置に、上記操作キーを表示させる表示制御装置の表示制御方法であって、上記表示画面に対する、該表示画面の周囲に存在する検出対象の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、上記位置取得ステップで取得した位置情報を用いて、上記表示画面に対する上記検出対象の位置に応じて予め定められた位置に上記操作キーを表示させる表示位置決定ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、表示画面に対する検出対象の位置を取得し、取得した位置に応じた位置に操作キーを表示する。したがって、表示画面の周囲の状況に応じた、使いやすい位置に操作キーを表示することができる。
【0013】
また、上記位置取得手段は、上記表示/入力装置に設けられた、上記表示画面の右側または左側に向かって検出対象との距離を検出する検出装置からの出力を、上記位置情報として取得し、上記表示位置決定手段は、上記位置情報が示す検出対象との距離が予め定めた下限値以下であるときには、上記表示画面の、上記距離が上記下限値以下であった側と反対側の端部に上記操作キーを表示させることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、表示画面の側方に位置する検出対象と、表示画面との距離が一定以上近接しているときに、その近接している側と反対側の端部に操作キーを表示する。これにより、ユーザは、検出対象によって操作キーの操作が妨げられることがなくなる。
【0015】
なお、この場合の検出対象は、例えば壁等であり、検出装置は例えば赤外線や超音波等を用いた距離センサとすることもできる。また、検出装置は、例えば表示/入力装置の水平方向の移動量を検出するロータリーエンコーダ等であってもよい。
【0016】
また、操作キーを表示させる「端部」は、操作キーをユーザが操作するときに、表示画面に表示された画像が著しく遮られない位置であればよく、操作キーが表示画面の外縁に接するような位置であってもよいし、外縁から中央寄りの位置であってもよい。
【0017】
また、上記位置取得手段は、上記表示/入力装置に設けられた検出装置から、上記表示画面の床からの高さを示す情報を上記位置情報として取得し、上記表示位置決定手段は、上記位置情報が示す上記表示画面の床からの高さが予め定めた下限値以上であるときには、上記表示画面の下側端部に上記操作キーを表示させることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、表示画面が床から一定上高い位置にあるときに、表示画面の下側端部に操作キーを表示する。これにより、ユーザは、表示画面が高い位置にあるときでも、操作キーに手が届きやすくなる。
【0019】
なお、この場合の検出対象は、床であり、検出装置は例えば赤外線や超音波等を用いた距離センサとすることもできる。また、検出装置は、例えば表示/入力装置の垂直方向の移動量を検出するロータリーエンコーダ等であってもよい。
【0020】
また、操作キーを表示させる「下端部」は、操作キーをユーザが操作するときに、表示画面に表示された画像が著しく遮られない位置であればよく、操作キーが表示画面の下側外縁に接するような位置であってもよいし、下側外縁から中央寄りの位置であってもよい。
【0021】
また、上記位置取得手段は、上記表示画面の何れの位置に上記操作キーへの入力操作を行うユーザが近接しているかを示す情報を上記位置情報として取得し、上記表示位置決定手段は、上記位置情報が示す上記ユーザが近接している位置または該位置の近傍に上記操作キーを表示させることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、ユーザが近接している位置に操作キーを表示させるので、移動しながら入力を行う場合の操作性を著しく向上させることができる。なお、上記「近傍」は、位置情報が示す位置からユーザが操作キーを操作可能な範囲を示す。例えば、位置情報が、表示画面の左側端部付近を示している場合には、操作キーは、表示画面の左側の外縁に接するような位置であってもよいし、左側端部付近に居るユーザが操作可能な程度に中央寄りの位置であってもよい。
【0023】
また、上記表示制御装置と、上記表示/入力装置とを含む表示制御システムであれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏する。
【0024】
なお、上記表示制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記表示制御装置をコンピュータにて実現させる表示制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明の表示制御装置は、表示画面に対する、該表示画面の周囲に存在する検出対象の位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、上記位置取得手段が取得した位置情報を用いて、上記表示画面に対する上記検出対象の位置に応じて予め定められた位置に上記操作キーを表示させる表示位置決定手段とを備えている構成である。
【0026】
また、本発明の表示制御方法は、表示画面に対する、該表示画面の周囲に存在する検出対象の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、上記位置取得ステップで取得した位置情報を用いて、上記表示画面に対する上記検出対象の位置に応じて予め定められた位置に上記操作キーを表示させる表示位置決定ステップとを含む構成である。
【0027】
したがって、表示画面の周囲の状況に応じた、使いやすい位置に操作キーを表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、表示制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記表示制御システムの外観の一例を示す図である。
【図3】ディスプレイユニットを移動させたときの、上記表示制御システムの動作の一例を示す図である。
【図4】図3に記載の操作キー群を説明する図である。
【図5】上記表示制御システムに含まれる表示制御ユニットで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態にかかる表示制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【図7】上記表示制御システムの外観の一例を示す図である。
【図8】上記表示制御システムの動作の一例を示す図である。
【図9】上記表示制御制御システムに含まれる表示制御ユニットで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1から図5に基づいて説明すると、以下のとおりである。
【0030】
〔システム構成〕
まず、図1および図2を参照して、本実施形態の表示制御システム1の基本的な構成について説明する。図1は、表示制御システム1の要部構成を示すブロック図であり、図2は、表示制御システム1の外観の一例を示す図である。
【0031】
図1および図2に示すように、本実施形態の表示制御システム(表示制御システム)1は、ディスプレイユニット10と制御ユニット(表示制御装置)60とを含む構成である。表示制御システム1は、制御ユニット60の制御によって、操作キーの表示位置をディスプレイユニット10のユーザが使いやすい位置に自動的に変更する点を主な特徴としている。
【0032】
ディスプレイユニット10は、表示部(表示/入力装置)12を含むと共に、3つのディスプレイ位置センサ(検出装置)32B、32R、および32Lを含む構成である。
【0033】
表示部12は、画像を表示する表示デバイスとしての機能と、表示画面に対するユーザの入力操作を受け付ける入力デバイスとしての機能とを有している。表示部12は、制御ユニット60のディスプレイ制御回路66の制御に従って画像を表示する。また、表示部12は、受け付けた入力操作を操作データとして制御ユニット60に送信する。
【0034】
なお、表示部12としては、例えば一般的なタッチパネルを適用することもできる。また、例えば、ユーザの入力操作を画像で検知する光センサ内蔵液晶表示パネル等を適用することもできる。無論、表示部は、表示デバイスとしての機能及び入力デバイスとしての機能を有しているものであればよく、これらの例に限られない。
【0035】
ディスプレイ位置センサ32B、32R、32Lは、ディスプレイユニット10の周囲に存在する物体の表示画面に対する位置(その物体と表示画面との距離)を検出するセンサである。具体的には、ディスプレイ位置センサ32B、32R、32Lは、それぞれ、表示部12に向かって下側に存在する物体(床等)との距離、表示部12に向かって右側に存在する物体(壁等)との距離、表示部12に向かって左側に存在する物体との距離を検出する。ディスプレイ位置センサ32B、32R、32Lが検出した距離は、制御ユニット60に入力される。
【0036】
ここでは、ディスプレイ位置センサ32B、32R、32Lは、超音波によって壁、床等までの距離を検出する超音波距離センサであることを想定している。しかし、ディスプレイ位置センサ32B、32R、32Lは、ディスプレイユニット10の周囲に存在する物体の位置(その物体からの距離)を検出することができる検出装置であればよく、この例に限られない。
【0037】
例えば、赤外線距離センサを適用することもできる。また、例えば、ディスプレイユニット10の位置をモータ(サーボモータ等)で移動させる場合には、そのモータの回転数を取得してディスプレイユニット10と、床、壁等との距離を求めてもよい。さらに、例えば、ロータリーエンコーダ等を用いてディスプレイユニット10の位置変化量を取得し、取得した位置変化量からディスプレイユニット10と、床、壁等との距離を求めてもよい。
【0038】
また、ここでは、ディスプレイ位置センサ32Bは、床までの距離が検出されるように、距離の検出方向が下向きになるように配置されているが、天井までの距離が検出されるように、距離の検出方向が上向きになるように配置してもよい。
【0039】
つまり、ディスプレイ位置センサ32Bは、ディスプレイユニット10が高い位置にあるか、低い位置にあるかを示す指標となる値を検出できるものであればよい。そして、ディスプレイ位置センサ32R、32Lは、ディスプレイユニット10の左右に存在するスペースが広いか狭いかを示す指標となる値を検出できるものであればよい。
【0040】
制御ユニット60は、制御部64、ディスプレイ制御回路66、およびメモリ70を備えている。また、制御ユニット60には、入力デバイスとしてキーボード72およびマウス74が接続されている。
【0041】
制御部64は、制御ユニット60の動作を統括して制御するものであり、位置取得部(位置取得手段)64a、表示位置決定部(表示位置決定手段)64b、表示制御部64c、およびアプリケーション64dを含んでいる。
【0042】
位置取得部64aは、表示部12の表示画面に対する検出対象物(壁、床等)の位置を示す位置情報を取得するものである。具体的には、位置取得部64aは、ディスプレイ位置センサ32B、32R、32Lからこの位置情報を取得する。
【0043】
表示位置決定部64bは、位置取得部64aが取得した位置情報を用いて、表示画面に対する検出対象の位置に応じて予め定められた位置に操作キーを表示することを決定する。
【0044】
表示制御部64cは、ディスプレイ制御回路66に指示して表示部12に画像を表示させる。例えば、表示制御部64cは、表示位置決定部64bが操作キーの表示位置を決定(変更)したときには、その決定された位置に操作キーを表示させる。
【0045】
アプリケーション64dは、例えばプレゼンテーション等に用いられるものであり、ここでは、アプリケーション64dの動作中に操作キーを表示することを想定している。つまり、表示位置決定部64bは、アプリケーション64dの動作制御用の操作キーを表示する。なお、位置取得部64a、表示位置決定部64b、および表示制御部64cは、アプリケーション64dに組み込まれていてもよい。
【0046】
ディスプレイ制御回路66は、制御部64の表示制御部64cの指示に従って、表示部12に表示する表示画面を生成し、表示部12に送信してこれを表示させる。
【0047】
メモリ70は、制御部64が動作する際に必要となる各種データを格納する記憶デバイスである。メモリ70は、例えば半導体メモリ、磁気記録媒体などで構成することもできる。
【0048】
ディスプレイユニット10の位置変更は、例えば図2に示すような機構で実現することもできる。図2の例では、ディスプレイユニット10は、上下方向に伸縮自在な伸縮柱40を有する可動台座42に固定されている。つまり、可動台座42の備えるキャスターにより、ディスプレイユニット10を床の上で任意の方向に移動させることができるとともに、伸縮柱40を伸縮させることにより、ディスプレイユニット10の床からの高さを調整することができる。
【0049】
なお、ディスプレイユニット10の位置変更を行うための機構は、この例に限られない。例えば、天井からワイヤーで吊り下げ、ワイヤーの長さで高さを調整してもよい。また、例えば、ベアリングや油圧パイプ、蛇腹機構や多関節ユニットなどを用いたリンク機構を用いて、ディスプレイユニット10の位置を変更してもよい。さらに、例えばディスプレイユニット10を、垂直方向または水平方向に設けたレールに沿って移動させるようにしてもよい。
【0050】
〔動作例〕
次に、図3および図4を参照して、表示制御システム1の具体的な動作例について説明する。図3は、ディスプレイユニット10を移動させたときの、表示制御システム1の動作の一例を示す図である。なお、同図では、制御ユニット60の図示を省略している。また、図4は、図3に記載の操作キー群を説明する図である。
【0051】
図3(a)は、操作キー群20が表示部の右端に表示されていた状態から、ディスプレイユニット10を同図の向かって右側に移動させ、壁際に寄せたときの状態を示している。図示のように、移動によってディスプレイユニット10の右端のスペースが狭くなっており、表示部12に対して入力操作を行っていたユーザは、壁が邪魔となって、ディスプレイユニット10の右側で入力操作を行うことが困難になっている。
【0052】
ここで、制御ユニット60は、ディスプレイユニット10が壁際に寄せられたときには、ディスプレイ位置センサ32Rからの検出結果に基づいて、操作キー群20の表示位置を右端に変更する。このような状況下では、ディスプレイユニット10の右側から入力操作は行われないと考えられるからである。これにより、ユーザは、何ら特別な操作を行うことなく、ディスプレイユニット10の左側から操作キー群20への入力を行うことができるようになる。
【0053】
一方、図3(b)は、ディスプレイユニット10の床からの高さを高くしたときの状態を示している。図示のように、ディスプレイユニット10の床からの高さを高くしたときには、ユーザの手の届かない位置に操作キーが位置することがある。
【0054】
ここで、制御ユニット60は、ディスプレイユニット10の床からの高さが高くなったときには、ディスプレイ位置センサ32Bからの検出結果に基づいて、操作キー群20の代わりに、操作キーが横方向に配列した操作キー群22を表示部の下側に表示させる。これにより、ユーザは、表示されている操作キーに手が届かなくなることがない。
【0055】
なお、図3(b)の例では、画面下部の中央に操作キー群22を表示しているが、ディスプレイユニット10の左側または左側の何れかに壁が近接していることが検出された場合には、画面下部の壁と近接していない側に表示してもよい。例えば、ディスプレイユニット10の床からの高さが高く、かつディスプレイユニット10の右側に壁が近接しているときには、表示画面の左下部分に操作キー群22を表示すればよい。つまり、操作キー群の表示位置は、ディスプレイユニット10の位置に応じた、ユーザが操作しやすいと思われる位置であればよく、特に限定されない。
【0056】
〔操作キー群〕
図4(a)は、操作キー群20を説明する図である。図示のように、操作キー群20は、縦方向(上下方向)に5つの操作キー(アイコン)が配列してなる。配列している操作キーは、上から順に、「ペン入力キー」、「消しゴムキー」、「指操作キー」、「図形入力キー」、および「アンドゥーキー(操作やり直しキー)」である。
【0057】
「ペン入力キー」にタッチすることによって、ペン入力モードとなり、ユーザは画面上のタッチした位置に連続した線を描画することができる。また、「消しゴムキー」にタッチすることによって、消しゴムモードとなり、ユーザは画面上のタッチした位置の描画データを消去することができる。
【0058】
そして、「指操作キー」にタッチすることによって、指操作モードとなり、ユーザは画面上のスライドや図形データを移動する操作、拡大縮小する操作、スライドをめくって次のスライドに進む操作などを表示画面にタッチすることで行うことができる。
【0059】
また、「図形入力キー」にタッチすることによって、ユーザは図示しないサブメニューを開き、円形、三角形、四角形などの予め設定された図形を任意の場所に描画する操作を行うことができる。さらに、「アンドゥーキー」にタッチすることによって、ユーザは直前の操作を取り消すことができる。
【0060】
一方、図4(b)は、操作キー22群を説明する図である。図示のように、操作キー22群は、横方向(左右方向)に4つの操作キーが配列してなる。配列している操作キーは、左から順に、「マウス操作キー」、「指操作キー」、「アンドゥーキー」、および「ディスプレイ下降キー」である。
【0061】
「マウス操作キー」にタッチすることによって、マウス操作モードとなり、マウス74を用いての操作が可能となる。また、「指操作キー」は、上記のように指操作モードに移行させる操作キーである。
【0062】
このように、操作キー22群に「マウス操作キー」と「指操作キー」とを含める理由は、表示画面が高い位置になったときには、表示画面上でユーザがタッチできる位置が限られるので、マウス74で操作を行う必要が生じる場合があるからである。
【0063】
「アンドゥーキー」は操作キー20群に含まれているものと同じであるが、「ディスプレイ下降キー」は操作キー22群のみに含まれている操作キーである。「ディスプレイ下降キー」は、伸縮柱40の長さを調節して、ディスプレイユニット10の高さを下げるための操作キーである。このため、「ディスプレイ下降キー」は、ディスプレイユニット10が高い位置にある場合に表示される操作キー22群のみに含まれている。
【0064】
なお、上述の操作キーは一例であり、画面の描画やディスプレイユニット10に対する操作など、任意の機能を割り当てた操作キーを表示させる構成とすることができる。また、操作キーの配列も任意である。例えば、操作キーが2列に並んで配列していてもよい。
【0065】
ただし、余りに多くの操作キーを一度に表示すると操作性が低下するので、必要な操作キーに絞って表示を行うことが好ましい。特に、上述の例のように、ディスプレイユニット10の位置に応じた、ユーザが使用する可能性の高い操作キーを表示した場合には、ユーザの操作性を向上させることができるので好ましい。
【0066】
〔処理の流れ〕
次に、図5を参照して、制御部64が行う処理の流れについて説明する。図5は、制御部64が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、アプリケーション64dの起動時に開始される。
【0067】
処理が開始されると、制御部64の表示制御部64cは、操作キーが縦に配列した操作キー群(例えば、操作キー群20)を表示画面の右横(右端)の位置に表示する(S101)。これは、図5の例では、操作キーが縦に配列した操作キー群を表示画面の右端に表示する状態を初期状態と設定して、この表示位置をメモリ70に予め格納しているためである。無論、初期状態における操作キー群の表示態様はこの例に限られず、任意である。
【0068】
操作キー群が表示されると、位置取得部64aは、ディスプレイ位置センサ32Rに指示を送信して、ディスプレイユニット10の左側から壁までの距離xを測定させる(S102)。なお、測定指示及び測定された距離xは、I/F62を介して送受信され、位置取得部64aは、受信した距離xを表示位置決定部64bに送る。
【0069】
表示位置決定部64bは、位置取得部64aから距離xを受け取ると、予め設定してメモリ70に格納されている規定値aと、受け取った距離xとを比較し、距離xが規定値a以下であるか否かを判断する(S103)。なお、規定値aは、ユーザの操作性を考慮して適宜設定すればよく、例えば20cmから50cmの間に設定すればよい。
【0070】
ここで、距離xが規定値a以下である場合(S103でYES)には、ディスプレイユニット10の左側には壁が迫っていると考えられる。このため、この場合には、操作キー群は表示画面の左端に移動させず、初期状態のまま表示画面の右端に表示させておき、処理はS107に進む。
【0071】
一方、距離xが規定値aよりも大きい場合(S103でNO)、つまりディスプレイの左側に充分なスペースがあると考えられる場合には、表示位置決定部64bは、位置取得部64aにディスプレイユニット10の右側から壁までの距離yを取得させる(S104)。なお、距離yの取得方法は、距離を取得するセンサがディスプレイ位置センサ32Lに変わった点を除いて距離xの場合と同様である。
【0072】
表示位置決定部64bは、位置取得部64aから距離yを受け取ると、予め設定してメモリ70に格納されている規定値bと、受け取った距離yとを比較し、距離yが規定値b以下であるか否かを判断する(S105)。なお、規定値bの設定は、規定値aと同様にユーザの操作性を考慮して適宜設定すればよい。
【0073】
ここで、距離yが規定値bより大きい場合(S105でNO)には、ディスプレイユニット10の右側にも左側にも充分なスペースがあると考えられる。このため、この場合には、操作キー群は表示画面の左端に移動させず、初期状態のまま表示画面の右端に表示させておき、処理はS107に進む。
【0074】
一方、距離yが規定値b以下である場合(S105でYES)には、ディスプレイユニット10の右側には壁が迫っており、左側には充分なスペースがあると考えられる。そこで、この場合には、表示位置決定部64bは、表示制御部64cに指示して、操作キー群(例えば、操作キー群20)の表示位置を表示画面の左横(左端)の位置に移動させ、S107の処理に進む。なお、左端の表示位置は、予めメモリ70に予め格納されている。
【0075】
ここで、操作キー群は、ユーザが表示画面の左側から操作可能な範囲に表示すればよく、操作キーが表示画面の左外縁に接するような位置であってもよいし、左外縁から中央寄りの位置であってもよい。例えば、操作キー群を、表示画面の中央から左半分の領域内における任意の位置に表示してもよい。ただし、操作キー群の表示位置を余りに中央寄りとすると、ユーザが操作キー群にタッチする際に、表示画面に表示された画像がユーザによって遮られる可能性がある。このため、操作キー群は、表示画面の端部またはその近傍に表示することが好ましい。操作キー群を表示画面の右端、上端、及び下端に表示するときも同様である。
【0076】
S107では、表示位置決定部64bは、位置取得部64aにディスプレイユニット10の下側から床までの距離zを取得させる(S107)。なお、距離zの取得方法は、距離を取得するセンサがディスプレイ位置センサ32Bに変わった点を除いて距離xと同様である。
【0077】
表示位置決定部64bは、位置取得部64aから距離zを受け取ると、予め設定してメモリ70に格納されている規定値cと、受け取った距離zとを比較し、距離zが規定値c以上であるか否かを判断する(S108)。なお、規定値cは、規定値a、bと同様にユーザの操作性を考慮して適宜設定すればよく、例えば130cmから180cmの間に設定すればよい。
【0078】
ここで、距離zが規定値c以上である場合(S108でYES)には、ディスプレイユニット10は、表示画面の上側部分にユーザが触れることが困難な程度に高い位置にあると考えられる。
【0079】
そこで、この場合には、表示位置決定部64bは、表示制御部64cに指示して、操作キーが横方向に配列した操作キー群(例えば、操作キー群22)を表示画面の下の位置(下端)に表示させる(S109)。なお、操作キーが横方向に配列した操作キー群の画像、及び下端の表示位置は、予めメモリ70に予め格納されている。そして、表示制御部64cに指示して、これまで表示されていた操作キー群(操作キーが縦方向に配列したもの)を消去させ(S112)、処理を終了する。
【0080】
一方、距離zが規定値cより小さい場合(S108でNO)には、表示位置決定部64bは、予め設定してメモリ70に格納されている規定値dと、距離zとを比較し、距離zが規定値d以下であるか否かを判断する(S110)。なお、規定値dは、規定値a、b、cと同様にユーザの操作性を考慮して適宜設定すればよく、例えば30cmから80cmの間に設定すればよい。
【0081】
ここで、距離zが規定値dより大きい場合(S110でNO)には、ディスプレイユニット10は、高すぎもせず低すぎもしない、ユーザが操作しやすい高さにあると考えられる。そこで、この場合には、表示を変更せずに処理を終了する。
【0082】
一方、距離zが規定値d以下である場合(S110でYES)には、ディスプレイユニット10は、表示画面の下側部分にユーザが触れることが困難な程度に低い位置にあると考えられる。
【0083】
そこで、この場合には、表示位置決定部64bは、表示制御部64cに指示して、操作キーが横方向に配列した操作キー群を表示画面の上の位置(上端)に表示させる(S111)。なお、操作キーが横方向に配列した操作キー群の画像、及び上端の表示位置は、予めメモリ70に予め格納されている。そして、表示制御部64cに指示して、これまで表示されていた操作キー群(操作キーが縦方向に配列したもの)を消去させ(S112)、処理を終了する。
【0084】
以上の処理によれば、ディスプレイユニット10の位置に応じた、ユーザの操作しやすい位置に操作キーが表示される。したがって、ディスプレイユニット10を移動させたり、ディスプレイユニット10の高さを変えたりしたときであっても、ユーザの操作性を維持することができる。
【0085】
なお、図5では、S110またはS112の後、処理を終了することになっている。しかし、プレゼンテーションの最中にディスプレイユニット10の位置を移動させることも考えられる。このため、S110またはS112の後も距離の測定と操作キーの表示位置の変更を行うことが好ましい。
【0086】
例えば、一定の時間間隔で定期的に距離の測定と操作キーの表示位置の変更を行うようにしてもよいし、ディスプレイユニット10の移動を検知したときに距離の測定と操作キーの表示位置の変更を行うようにしてもよい。ディスプレイユニット10の移動の検知は、上下方向の移動であれば、例えば伸縮柱40の伸縮を検知することで行うこともできる。また、左右方向の移動であれば、例えば可動台座42が備えるキャスターの回転を検知することで行うこともできる。
【0087】
また、図5の例では、距離x、y、zをS102、S104、S107のそれぞれにおいて、ディスプレイ位置センサに指示して取得させる例を示したが、これらの距離はS102で一括して取得してもよい。
【0088】
〔実施形態2〕
本発明の表示制御システムに関する他の実施形態について、図6から図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0089】
〔システム構成〕
まず、本実施形態の表示制御システム2のシステム構成について、図6および図7に基づいて説明する。図6は、表示制御システム2の要部構成を示すブロック図であり、図7は、表示制御システム(表示制御システム)2の外観の一例を示す図である。表示制御システム2は、図示のように、制御ユニット(表示制御装置)60’とディスプレイユニット10’を含む構成である。
【0090】
表示制御システム1は、ディスプレイユニット10の周囲に存在する壁等の障害物の位置、およびディスプレイユニット10の床からの高さを検出して、操作キーの表示位置および表示内容を変更するものであった。これに対し、表示制御システム2は、ユーザの位置を検出して、ユーザに近い位置に操作キーを表示することを主な特徴としている。
【0091】
ディスプレイユニット10’は、ディスプレイ位置センサ32B、32R、32Lの代わりに、赤外線センサ34Rおよび34Lを備えている点がディスプレイユニット10’と異なっている。また、制御ユニット60’は、位置取得部64aの代わりに、人物位置取得部(位置取得手段)64a’を備えている点が制御ユニット60と異なっている。
【0092】
赤外線センサ34R、34Lは、ディスプレイユニット10’の周囲に存在するユーザと表示画面との位置関係(ユーザが表示画面のどの部分に近いか)を検出するセンサである。図7に示すように、赤外線センサ34Rは表示部12の右下に、赤外線センサ34Lは表示部12の左下に配置されている。赤外線センサ34R、34Lは、ユーザが発する赤外線を検知するので、赤外線センサ34Rおよび34Lのうち、より強い赤外線を検知した方の近くにユーザが存在すると判断できる。
【0093】
なお、ユーザと表示画面との位置関係(ユーザが表示画面のどの部分に近いか)の取得方法は、この例に限られない。例えば、表示部12に対するユーザのタッチ操作があったときには、そのタッチ操作が行われた位置の近くにユーザが存在することが分かるので、タッチ操作の検出された位置を用いてユーザと表示画面との位置関係を特定してもよい。また、例えば、表示部12を光センサ内蔵液晶表示装置で構成した場合には、表示部12がユーザの像を検出することによって、ユーザと表示画面との位置関係を特定してもよい。さらに、例えばカメラ等によって撮像された画像を用いてユーザと表示画面との位置関係を特定してもよい。
【0094】
人物位置取得手段64a’は、表示画面の何れの位置に、操作キーへの入力操作を行うユーザが近接しているかを示す情報を位置情報として取得する。つまり、図6の例では、赤外線センサ34Rおよび34Lの検出値が位置情報ということになる。
【0095】
〔動作例〕
次に、図8を参照して、表示制御システム2の具体的な動作例について説明する。図8は、ユーザが移動したときの、表示制御システム2の動作の一例を示す図である。なお、同図では、制御ユニット60’の図示を省略している。
【0096】
図8(a)は、ディスプレイユニット10’を操作するユーザが、ディスプレイユニット10’の左側から右側に移動したときの状態を示している。図示のように、操作キー群20は、ユーザの移動に伴って、表示画面の左側から右側に移動している。
【0097】
図8(b)は、同図(a)とは逆に、ユーザがディスプレイユニット10’の右側から左側に移動している。この場合には、図示のように、操作キー群20は、ユーザの移動に伴って、表示画面の右側から左側に移動している。
【0098】
このように、表示制御システム2では、ユーザの位置を検知して、操作キー群20をユーザの近くに表示する。これにより、ユーザが表示画面の前で移動しながらプレゼンテーション等を行うときの操作性を向上させることができる。
【0099】
〔処理の流れ〕
次に、図9を参照して、制御部64が行う処理の流れについて説明する。図5は、制御部64が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、アプリケーション64dの起動時に開始される。
【0100】
処理が開始されると、人物位置取得部64a’は、赤外線センサ34Rおよび34Lに指示を送信して、赤外線センサ34Rおよび34Lの検出値をそれぞれ取得する。なお、検出値の取得指示及び検出値は、I/F62を介して送受信され、人物位置取得部64a’は、受信した検出値を表示位置決定部64bに送る。
【0101】
検出値を受け取った表示位置決定部64bは、赤外線センサ34Rの検出値と、34Lの検出値とを比較して、赤外線センサ34Lの検出値が、34Rの検出値より大きいか否かを確認する(S201)。
【0102】
ここで、赤外線センサ34Lの検出値が、34Rの検出値より大きい場合(S201でYES)には、表示位置決定部64bは、赤外線センサ34Lの検出値が、所定の下限値よりも大きいか否かを確認する(S202)。
【0103】
そして、赤外線センサ34Lの検出値が、所定の下限値よりも大きいことが確認された場合(S202でYES)には、表示位置決定部64bは、表示制御部64cに指示して操作キーを左の位置に移動させ(S203)、処理を終了する。なお、この表示位置は、予めメモリ70に格納されている。一方、赤外線センサ34Lの検出値が、所定の下限値以下であることが確認された場合(S202でNO)には、操作キーの移動指示は行わずに処理を終了する。
【0104】
なお、下限値は、ディスプレイユニット10’を使用中のユーザ以外から放射される赤外線に基づいて、操作キーが移動されることを防ぐために設定される。したがって、この下限値は、この目的を達成できる範囲に適宜設定すればよい。
【0105】
ここで、S201において、赤外線センサ34Lの検出値が、34Rの検出値以下であった場合(S201でNO)には、表示位置決定部64bは、赤外線センサ34Rの検出値が、所定の下限値よりも大きいか否かを確認する(S204)。
【0106】
そして、赤外線センサ34Rの検出値が、所定の下限値よりも大きいことが確認された場合(S204でYES)には、表示位置決定部64bは、表示制御部64cに指示して操作キーを右の位置に移動させ(S205)、処理を終了する。一方、赤外線センサ34Rの検出値が、所定の下限値以下であることが確認された場合(S202でNO)には、操作キーの移動指示は行わずに処理を終了する。
【0107】
なお、図9では、ユーザが赤外線センサ34R寄りに位置していると考えられる場合には、右の位置(例えば表示画面の右端)に操作キーを表示させ、34L寄りに位置していると考えられる場合には、左の位置(例えば表示画面の左端)に操作キーを表示させる例を示した。
【0108】
しかし、操作キーを表示させる位置は、ユーザが存在すると考えられる位置から操作キーを操作可能な範囲であればよい。例えば、ユーザが赤外線センサ34R寄りに位置している場合には、操作キーは、表示画面の右側の外縁に接するような位置であってもよいし、赤外線センサ34R寄りに位置しているユーザが操作可能な程度に中央寄りの位置であってもよい。また、例えば、表示部12のサイズが極めて大きい場合には、表示画面の端部に操作キーを表示すると、ユーザから操作キーまでの距離が離れてしまうことが考えられる。このため、このような場合には、表示画面の端部ではなく、ユーザの近傍に操作キーを表示すればよい。
【0109】
また、図9では、簡単のため、操作キーを移動させた後、または移動させないことを決定した後、処理を終了している。しかし、アプリケーション64dの動作中は、ユーザの移動に合わせて操作キーを移動させるために、S201からS205の処理は、アプリケーション64dの動作中は継続的に行われる。なお、S201からS205の処理は、一定の周期で行うようにしてもよいし、ユーザが移動したタイミングで行うようにしてもよい。例えば、赤外線センサ34Rまたは34Lの検出値が変化したときに、ユーザが移動したと判断して、S201からS205の処理を行うようにしてもよい。
【0110】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0111】
〔プログラムによる実現例〕
最後に、制御ユニット60および60’の各ブロック、特に、位置取得部64a、表示位置決定部64b、表示制御部64c、および人物位置取得部64a’は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0112】
すなわち、制御ユニット60および60’は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御ユニット60および60’の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御ユニット60および60’に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0113】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0114】
また、制御ユニット60および60’を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明によれば、ユーザが入力操作を行いやすい位置に操作キーが自動的に表示される。このため、特に大型のディスプレイを用いた電子会議システムに好適に適用できる。
【符号の説明】
【0116】
10 ディスプレイユニット
12 表示部(表示/入力装置)
20 操作キー(操作キー)
22 操作キー(操作キー)
32B ディスプレイ位置センサ(検出装置)
32R ディスプレイ位置センサ(検出装置)
32L ディスプレイ位置センサ(検出装置)
34R 赤外線センサ
34L 赤外線センサ
60 制御ユニット(表示制御装置)
64a 位置取得部(位置取得手段)
64b 表示位置決定部(表示位置決定手段)
64a’人物位置取得部(位置取得手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示された、予め定めた処理が対応付けられた操作キーに対して当該表示画面上で行われる入力操作を検出する表示/入力装置に、上記操作キーを表示させる表示制御装置であって、
上記表示画面に対する、該表示画面の周囲に存在する検出対象の位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、
上記位置取得手段が取得した位置情報を用いて、上記表示画面に対する上記検出対象の位置に応じて予め定められた位置に上記操作キーを表示させる表示位置決定手段とを備えていることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
上記位置取得手段は、上記表示/入力装置に設けられた、上記表示画面の右側または左側に向かって検出対象との距離を検出する検出装置からの出力を、上記位置情報として取得し、
上記表示位置決定手段は、上記位置情報が示す検出対象との距離が予め定めた下限値以下であるときには、上記表示画面の、上記距離が上記下限値以下であった側と反対側の端部に上記操作キーを表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
上記位置取得手段は、上記表示/入力装置に設けられた検出装置から、上記表示画面の床からの高さを示す情報を上記位置情報として取得し、
上記表示位置決定手段は、上記位置情報が示す上記表示画面の床からの高さが予め定めた下限値以上であるときには、上記表示画面の下側端部に上記操作キーを表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
上記位置取得手段は、上記表示画面の何れの位置に、上記操作キーへの入力操作を行うユーザが近接しているかを示す情報を上記位置情報として取得し、
上記表示位置決定手段は、上記位置情報が示す上記ユーザが近接している位置または該位置の近傍に上記操作キーを表示させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
表示画面に表示された、予め定めた処理が対応付けられた操作キーに対して当該表示画面上で行われる入力操作を検出する表示/入力装置に、上記操作キーを表示させる表示制御装置の表示制御方法であって、
上記表示画面に対する、該表示画面の周囲に存在する検出対象の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、
上記位置取得ステップで取得した位置情報を用いて、上記表示画面に対する上記検出対象の位置に応じて予め定められた位置に上記操作キーを表示させる表示位置決定ステップとを含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
請求項1から4の何れか1項に記載の表示制御装置と、上記表示/入力装置とを含む、表示制御システム。
【請求項7】
請求項1から4の何れか1項に記載の表示制御装置を動作させるための表示制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための表示制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の表示制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−70439(P2011−70439A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221460(P2009−221460)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】