説明

表示素子、及びこれを用いた電気機器

【課題】中間調の表示を精度よく行うことができる表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供する。
【解決手段】上部基板(第1の基板)2a、2bと、下部基板(第2の基板)3a、3bと、上部基板2a、2b及び下部基板3a、3bの間に形成された表示用空間Sa、Sbの内部で有効表示領域または非有効表示領域に移動可能に封入された導電性液体16a、16bを有する表示ユニット10a、10bを備えた表示素子10において、有効表示領域が互いに対向するように、2個の表示ユニット10a、10bを積層し、各表示ユニット10a、10bでは、導電性液体16a、16bによって遮蔽される光の波長域が互いに異なるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性液体を移動させることにより、画像や文字などの情報を表示する表示素子、及びこれを用いた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子では、エレクトロウェッティング方式の表示素子に代表されるように、外部電界による導電性液体の移動現象を利用して、情報の表示を行うものが開発され、実用化されている。
【0003】
具体的にいえば、上記のような従来の表示素子では、例えば下記特許文献1に記載されているように、第1及び第2の電極と、第1及び第2の基板と、これら基板間に形成された表示用空間の内部に封入されるとともに、所定の色に着色された導電性液体としての着色液滴とが設けられている。そして、この従来の表示素子では、着色液滴に対し第1及び第2の電極を介在させて電界印加を行うことにより、着色液滴の形状を変化させて表示面側の表示色を変更するようになっていた。
【0004】
また、この従来の表示素子では、第1の基板上に、着色液滴に対して電気的に絶縁された状態で、第1及び第2の電極を並設するとともに、これらの第1及び第2の電極と対向するように、第2の基板側に第3の電極を設ける。さらに、第1の電極の上方に遮光用のシェードを設置することにより、第1電極側及び第2の電極側をそれぞれ非有効表示領域側及び有効表示領域側に設定して、第1及び第3の電極間または第2及び第3の電極間に電位差が生じるように電圧印加を行うことが提案されている。そして、この従来の表示素子では、着色液滴の形状を変化させる場合に比べ、着色液滴を第1の電極側または第2の電極側に高速に移動させて、表示面側の表示色も高速に変更可能とされていた。
【特許文献1】特開2004−252444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような従来の表示素子では、第1及び第3の電極間または第2及び第3の電極間に生じる電位差が種々変更されるように、これらの電極に電圧印加を行うことにより、着色液滴(導電性液体)の広がりの大きさを制御して、中間調の明るさを制御可能とされていた。
【0006】
ところが、上記のような従来の表示素子では、中間調の表示を精度よく行うことができないという問題点があった。具体的にいえば、従来の表示素子では、上記第1〜第3の電極への印加電圧の大きさの変更量に比べて、着色液滴の広がりの大きさの変化量の割合が小さかった。このため、従来の表示素子では、第1〜第3の電極への印加電圧の大きさを変更した場合でも、着色液滴の広がりの大きさを変えることができないことがあり、表示面側での輝度あるいは表示色を多段階に調整することが困難であった。この結果、従来の表示素子では、中間調の表示を精度よく行うことができないことがあった。
【0007】
上記の課題を鑑み、本発明は、中間調の表示を精度よく行うことができる表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる表示素子は、表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対し、設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部で前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動可能に封入された導電性液体とを有する表示ユニットを備えた表示素子であって、
N個(Nは、2以上の整数)の前記表示ユニットが、前記有効表示領域が互いに対向するように、積層され、
前記N個の各表示ユニットでは、前記導電性液体は所定の波長域の光を遮蔽するように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
上記のように構成された表示素子では、上記N個の表示ユニットが、有効表示領域が互いに対向するように積層されている。また、N個の各表示ユニットでは、導電性液体は所定の波長域の光を遮蔽するように構成されている。これにより、上記従来例と異なり、上記表示面側での輝度あるいは表示色を多段階に調整することを容易に行うことができる。従って、上記従来例と異なり、中間調の表示を精度よく行うことができる。
【0010】
また、上記表示素子において、前記表示ユニットには、複数の第1の電極が、前記第1及び第2の基板の一方側で所定の配列方向に沿って設けられ、
複数の第2の電極及び複数の第3の電極が、互いに交互に、かつ、前記複数の第1の電極と交差するように、前記第1及び第2の基板の他方側で前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側及び他方側にそれぞれ設けられ、
前記複数の第1の電極は、それぞれ複数の信号電極として用いられ、
前記複数の第2の電極は、それぞれ複数の基準電極及び複数の走査電極の一方の電極として用いられ、かつ、
前記複数の第3の電極は、それぞれ複数の基準電極及び複数の走査電極の他方の電極として用いられ、
前記表示ユニットは、前記複数の基準電極に接続されるとともに、前記複数の各基準電極に対して、所定の基準電圧を印加する基準電圧印加部と、
前記複数の信号電極に接続されるとともに、前記複数の各信号電極に対して、前記表示面側に表示される情報に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
前記複数の走査電極に接続されるとともに、前記基準電圧印加部が前記複数の各基準電極に対して、前記基準電圧を印加しているときに、前記複数の各走査電極に対して、前記導電性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧と、前記導電性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を印加する走査電圧印加部とを備えていることが好ましい。
【0011】
この場合、優れた表示品位を有するマトリクス駆動方式の表示素子を構成することができる。
【0012】
また、上記表示素子において、複数の画素が、前記N個の表示ユニット単位に設けられ、
前記複数の画素の各画素領域は、前記信号電極と前記走査電極との交差部単位に設けられ、かつ、前記各画素領域では、前記表示用空間が仕切壁にて区切られてもよい。
【0013】
この場合、表示面側の複数の各画素において導電性液体を移動させることにより、表示面側での表示色を画素単位に変更することができる。
【0014】
また、上記表示素子において、前記複数の画素が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられてもよい。
【0015】
この場合、カラー画像表示を行える表示素子を構成することができる。
【0016】
また、上記表示素子では、前記N個の表示ユニットにおいて、1つの前記基準電圧印加部及び1つの前記走査電圧印加部が共用されていることが好ましい。
【0017】
この場合、N個の表示ユニットにおいて、導電性液体を容易に同期して移動させることが可能となり、基準電圧印加部及び走査電圧印加部での各電圧印加処理を容易なものとしつつ、モアレ現象の発生を確実に防ぐことができる。
【0018】
また、上記表示素子において、前記N個の各表示ユニットでは、前記導電性液体に用いられる着色剤を変更することにより、前記導電性液体によって遮蔽される光の波長域を相異させてもよい。
【0019】
この場合、各表示ユニットでは導電性液体による光の遮蔽域を確実に相異させることができる。
【0020】
また、上記表示素子において、前記表示ユニットには、前記有効表示領域側に所定色のカラーフィルタ部が設けられていることが好ましい。
【0021】
この場合、中間調の再現(表示)範囲をより容易に広げることができる。
【0022】
また、上記表示素子では、前記N個の表示ユニットにおいて、1個の前記表示ユニットの前記導電性液体が黒色に着色されてもよい。
【0023】
この場合、上記1個の表示ユニットをシャッターとして機能させることが可能となり、黒色表示を適切に行うことができる。
【0024】
また、本発明の電気機器は、文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
前記表示部に、上記いずれかの表示素子を用いたことを特徴とするものである。
【0025】
上記のように構成された電気機器では、中間調の表示を精度よく行うことができる表示素子が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な電気機器を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、中間調の表示を精度よく行うことができる表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の表示素子及び電気機器の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、カラー画像表示を表示可能な表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0028】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。図1において、本実施形態の画像表示装置1では、本発明の表示素子10を用いた表示部が設けられており、この表示部には矩形状の表示面が構成されている。また、表示素子10では、2個の表示ユニット10a、10bがこの順番で同図1の紙面に垂直な方向に積層されており、1つの画素が積層された表示ユニット10a、10b単位で設けられるようになっている。また、各表示ユニット10a、10bは、図1の紙面に垂直な方向で互いに重ね合うように配置された上部基板2a、2b及び下部基板3a、3bを備えており、これらの上部基板2a、2bと下部基板3a、3bとの各重なり部分によって上記表示面の有効表示領域が形成されている(詳細は後述。)。尚、これらの各表示ユニット10a、10bでは、後述の遮光層、カラーフィルタ層及び導電性液体の構成のみが異なる。
【0029】
また、表示ユニット10a、10bでは、複数の信号電極4a、4bが互いに所定の間隔をおいて、かつ、X方向に沿ってストライプ状に設けられている。また、表示ユニット10a、10bでは、複数の基準電極5a、5b及び複数の走査電極6a、6bが、互いに交互に、かつ、Y方向に沿ってストライプ状に設けられている。これら複数の信号電極4a、4bと、複数の基準電極5a、5b及び複数の走査電極6a、6bとは、互いに交差するように設けられており、各表示ユニット10a、10bでは、信号電極4a、4bと走査電極6a、6bとの交差部単位に、複数の各画素領域が設定されている。
【0030】
また、これら複数の信号電極4a、4b、複数の基準電極5a、5b、及び複数の走査電極6a、6bは、互いに独立して、第1の電圧としてのHigh電圧と、第2の電圧としてのLow電圧との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成されている(詳細は後述。)。
【0031】
さらに、表示ユニット10a、10bでは、後に詳述するように、上記複数の各画素領域が仕切壁にて区切られており、表示素子10では、複数の画素が、上記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている。具体的には、表示素子10では、例えばRGBの各色の画素が積層された表示ユニット10a、10b単位で構成されている。そして、表示ユニット10a、10bにおいて、マトリクス状に設けられた複数の画素領域毎に、エレクトロウェッティング現象にて後述の導電性液体を移動させることにより、表示素子10では、対応する画素の表示面側での表示色を変更するようになっている。
【0032】
また、複数の信号電極4a、4b、複数の基準電極5a、5b、及び複数の走査電極6a、6bでは、各々一端部側が表示面の有効表示領域の外側に引き出されて、端子部4a1、4b1、5a1、5b1、及び6a1、6b1が形成されている。
【0033】
複数の信号電極4a、4bの各端子部4a1、4b1には、配線7a1、7b1を介して信号ドライバ7a、7bが接続されている。各信号ドライバ7a、7bは、信号電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各信号電極4a、4bに対して、情報に応じた信号電圧Vgを印加するように構成されている。
【0034】
複数の基準電極5a、5bの各端子部5a1、5b1には、配線8a1、8b1を介して基準ドライバ8a、8bが接続されている。各基準ドライバ8a、8bは、基準電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各基準電極5a、5bに対して、所定の基準電圧Vsを常時印加するように構成されている。
【0035】
また、複数の走査電極6a、6bの各端子部6a1、6b1には、配線9a1、9b1を介して走査ドライバ9a、9bが接続されている。各走査ドライバ9a、9bは、走査電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各走査電極6a、6bに対して、走査電圧Vdを印加するように構成されている。
【0036】
また、走査ドライバ9a、9bでは、基準ドライバ8a、8bが複数の各基準電極5a、5bに対して基準電圧Vsを印加しているときに、複数の各走査電極6a、6bに対して、上記導電性液体が移動するのを阻止する非選択電圧と、導電性液体が信号電圧Vgに応じて移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を走査電圧Vdとして印加するようになっている。そして、画像表示装置1では、走査ドライバ9a、9bが例えば図1の左側から右側の各走査電極6a、6bに対して、選択電圧を順次印加することにより、ライン毎の走査動作が行われるように構成されている(詳細は後述。)。
【0037】
また、信号ドライバ7a、7b、基準ドライバ8a、8b、及び走査ドライバ9a、9bには、直流電源または交流電源が含まれており、対応する信号電圧Vg、基準電圧Vs、及び走査電圧Vdを供給するようになっている。
【0038】
また、基準ドライバ8a、8bは、基準電圧Vsの極性を所定の時間(例えば、1フレーム)毎に切り替えるように構成されている。さらに、走査ドライバ9a、9bは、基準電圧Vsの極性の切り替えに対応して、走査電圧Vdの各極性を切り替えるように構成されている。このように、基準電圧Vs及び走査電圧Vdの各極性が所定の時間毎に切り替えられるので、基準電極5a、5b及び走査電極6a、6bに対して常時同じ極性の電圧を印加するときに比べて、これらの基準電極5a、5b及び走査電極6a、6bでの電荷の局在化を防ぐことができる。さらに、電荷の局在化に起因する表示不良(残像現象)や信頼性(寿命低下)の悪影響を防止することができる。
【0039】
ここで、図2〜図4も参照して、表示素子10の画素構造について具体的に説明する。
【0040】
図2(a)及び図2(b)は、それぞれ表示面側から見た場合における、図1に示した1層目及び2層目の表示ユニットでの上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図3は非表示面側から見た場合における、上記1層目及び2層目の各表示ユニットでの下部基板側の要部構成を示す拡大平面図であり、図4は上記表示素子の要部構成を示す断面図である。なお、図2及び図3では、図面の簡略化のために、上記表示面に設けられた複数の画素のうち、図1の左上端部に配設された12個の画素を図示している。
【0041】
図2〜図4において、表示ユニット10a、10bは、表示面側に設けられた第1の基板としての上記上部基板2a、2bと、上部基板2a、2bの背面側(非表示面側)に設けられた第2の基板としての上記下部基板3a、3bとを備えている。また、表示ユニット10a、10bでは、上部基板2a、2bと下部基板3a、3bが互いに所定の間隔をおいて配置されることにより、これら上部基板2a、3b及び下部基板3a、3bの間に所定の表示用空間Sa、Sbが形成されている。また、この表示用空間Sa、Sbの内部には、上記導電性液体16a、16b及びこの導電性液体16a、16bと混じり合わない絶縁性のオイル17a、17bが当該表示用空間Sa、Sbの内部で上記X方向(図4の左右方向)に移動可能に封入されており、導電性液体16a、16bは後述の有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動できるようになっている。
【0042】
導電性液体16a、16bには、例えば溶媒としての水と、溶質としての所定の電解質を含んだ水溶液が用いられている。具体的には、例えば1mmol/Lの塩化カリウム(KCl)の水溶液が導電性液体16a、16bに用いられている。また、これらの導電性液体16a、16bでは、当該導電性液体16a、16bによって遮蔽される光の波長域が互いに異なるように構成されている。言い換えれば、導電性液体16a、16bでは、当該導電性液体16a、16bによって通過を許容される光の波長域(透過波長域)が互いに異なるように構成されている。
【0043】
具体的にいえば、図4に例示する赤色の画素では、1層目(上側)の表示ユニット10aの導電性液体16aには、顔料や染料などの着色剤によって赤色に着色されたものが使用されている。一方、2層目(下側)の表示ユニット10bの導電性液体16bには、上記着色剤によって黒色に着色されたものが使用されている。尚、緑色及び青色の画素では、表示ユニット10aの導電性液体16aには、上記着色剤によって緑色及び青色に着色されたものがそれぞれ使用され、表示ユニット10bの導電性液体16bには、上記着色剤によって黒色に着色されたものが使用されている。
【0044】
上記のように、導電性液体16aは、RGBのいずれかの色に着色されており、着色された色の波長域の光が通過するのを許容する。一方、導電性液体16bは、黒色に着色されているので、当該導電性液体16bは、各画素において、光の透過を許容または阻止するシャッターとして機能するようになっている。すなわち、表示素子10の各画素では、後に詳述するように、導電性液体16bが表示用空間Sbの内部を基準電極5側(有効表示領域P1側)または走査電極6側(非有効表示領域P2側)にスライド移動することによって表示色が黒色またはRGBのいずれかの色に変更されるよう構成されている。
【0045】
また、オイル17a、17bには、例えば側鎖高級アルコール、側鎖高級脂肪酸、アルカン炭化水素、シリコーンオイル、マッチングオイルから選択された1種または複数種からなる無極性で、かつ、無色透明なオイルが用いられている。また、このオイル17a、17bは、導電性液体16a、167bのスライド移動に伴って、表示用空間Sa、Sbの内部を移動するようになっている。
【0046】
上部基板2a、2bには、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、上部基板2aの非表示面側の表面には、遮光層11及び撥水膜12aが順次形成されており、さらには第1の電極としての上記信号電極4aが撥水膜12a上に設けられている。また、上部基板2bの非表示面側の表面には、カラーフィルタ層Cf及び撥水膜12bが順次形成されており、さらには第1の電極としての上記信号電極4bが撥水膜12b上に設けられている。
【0047】
また、下部基板3a、3bには、上部基板2a、2bと同様に、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、下部基板3a、3bの表示面側の表面には、第2の電極としての上記基準電極5a、5b及び第3の電極としての上記走査電極6a、6bが設けられており、さらに、これらの基準電極5a、5b及び走査電極6a、6bを覆うように、誘電体層13a、13bが形成されている。また、誘電体層13aの表示面側の表面には、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられたリブ14y1及び14x1が設けられている。同様に、誘電体層13bの表示面側の表面には、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられたリブ14y2及び14x2が設けられている。
【0048】
また、下部基板3aでは、誘電体層13a、リブ14x1、及び14y1を覆うように、撥水膜15aが設けられ、下部基板3bでは、誘電体層13b、リブ14x2、及び14y2を覆うように、撥水膜15bが設けられている。
【0049】
また、下部基板3bの背面側(非表示面側)には、例えば白色の照明光を発光するバックライト18が一体的に組み付けられており、透過型の表示素子10が構成されている。このように、バックライト18が用いられているので、本実施形態の表示素子10では、外光が不十分な場合や夜間などでも、適切な表示動作を行うことができる。また、本実施形態では、調光範囲が大きく、かつ、高精度な階調制御を簡単に行える高輝度な表示素子10を容易に構成することができる。
【0050】
また、表示ユニット10a側の遮光層11には、図2(a)に示すように、透明な樹脂を用いた透明部11tと、遮光膜としてのブラックマトリクス部11sとが設けられている。また、表示ユニット10b側のカラーフィルタ(Color Filter)層Cfには、図2(b)に示すように、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のカラーフィルタ部Cfr、Cfg、及びCfbと、遮光膜としてのブラックマトリクス部Cfsとが設けられており、RGBの各色の画素を構成するようになっている。つまり、カラーフィルタ層Cfでは、図2(b)に例示するように、RGBのカラーフィルタ部Cfr、Cfg、CfbがX方向に沿って順次設けられるとともに、各々4つのカラーフィルタ部Cfr、Cfg、CfbがY方向に沿って設けられており、X方向及びY方向にそれぞれ3個及び4個、合計12個の画素が表示ユニット10a、10b単位に配設されている。
【0051】
具体的には、表示ユニット10aでは、図2(a)に示すように、各画素領域Pにおいて、画素の有効表示領域P1に対応する箇所に透明部11tが設けられ、非有効表示領域P2に対応する箇所にブラックマトリクス部11sが設けられている。すなわち、表示ユニット10aでは、上記表示用空間Saに対し、ブラックマトリクス部(遮光膜)11sによって非有効表示領域P2(非開口部)が設定され、そのブラックマトリクス部11sに形成された開口部(つまり、透明部11t)によって有効表示領域P1が設定されている。
【0052】
一方、表示ユニット10bでは、図2(b)に示すように、各画素領域Pにおいて、画素の有効表示領域P1に対応する箇所にRGBのいずれかのカラーフィルタ部Cfr、Cfg、及びCfbが設けられ、非有効表示領域P2に対応する箇所にブラックマトリクス部Cfsが設けられている。すなわち、表示ユニット10bでは、上記表示用空間Sbに対し、ブラックマトリクス部(遮光膜)Cfsによって非有効表示領域P2(非開口部)が設定され、そのブラックマトリクス部Cfsに形成された開口部(つまり、いずれかのカラーフィルタ部Cfr、Cfg、及びCfb)によって有効表示領域P1が設定されている。尚、カラーフィルタ部Cfr、Cfg、及びCfbでは、所定のカラーフィルタ特性、すなわち当該カラーフィルタ部Cfr、Cfg、及びCfbによって通過を許容される光の波長域(透過波長域)のものが各々用いられている。
【0053】
さらに、表示素子10では、表示ユニット10a、10bは、有効表示領域P1どうしが画像表示装置1の表示面に垂直な方向で、互いに対向するように、積層されている。つまり、表示素子10では、RGBの各画素において、表示ユニット10a側の透明部11tと、表示ユニット10b側のいずれかのカラーフィルタ部Cfr、Cfg、及びCfbとが、上記垂直な方向で互いに重なり合うように、設けられている。
【0054】
また、表示素子10では、透明部11t及びカラーフィルタ部Cfr、Cfg、Cfbの各面積は、有効表示領域P1の面積に対し、同一または若干大きい値が選択されている。一方、ブラックマトリクス部11s、Cfの各面積は、非有効表示領域P2の面積に対し、同一または若干小さい値が選択されている。なお、図2では、隣接する画素の境界部を明確にするために、隣接する画素に応じた2つのブラックマトリクス部Cfsまたは11s間の境界線を点線にて示しているが、実際の遮光層11またはカラーフィルタ層Cfでは、ブラックマトリクス部Cfsまたは11s間の境界線は存在しない。
【0055】
また、表示ユニット10aでは、上記仕切壁としてのリブ14x1、14y1により表示用空間Saが画素領域P単位に区切られている。つまり、表示ユニット10aでは、各画素の表示用空間Saは、図3に例示するように、互いに対向する2つのリブ14x1と、互いに対向する2つのリブ14y1とによって区画されている。言い換えれば、互いに対向する2つのリブ14x1によって画素領域P(図2)のY方向での寸法が規定され、互いに対向する2つのリブ14y1によって画素領域PのX方向での寸法が規定されている。
【0056】
同様に、表示ユニット10bでは、上記仕切壁としてのリブ14x2、14y2により表示用空間Sbが画素領域P単位に区切られている。つまり、表示ユニット10bでは、各画素の表示用空間Sbは、図3に例示するように、互いに対向する2つのリブ14x2と、互いに対向する2つのリブ14y2とによって区画されている。言い換えれば、互いに対向する2つのリブ14x2によって画素領域P(図2)のY方向での寸法が規定され、互いに対向する2つのリブ14y2によって画素領域PのX方向での寸法が規定されている。
【0057】
さらに、表示ユニット10aでは、リブ14x1、14y1によって導電性液体16aが隣接する画素領域Pの表示用空間Saの内部に流入するのが防がれている。同様に、表示ユニット10bでは、リブ14x2、14y2によって導電性液体16bが隣接する画素領域Pの表示用空間Sbの内部に流入するのが防がれている。すなわち、リブ14x1、14y1、14x2、14y2には、例えば光硬化性樹脂が用いられており、これらのリブ14x1、14y1、14x2、14y2では、隣接する画素間で対応する導電性液体16a、16bの流入出が防止されるように、誘電体層13a、13bからの突出高さが決定されている。
【0058】
尚、上記の説明以外に、リブ14x1、14y1、14x2、14y2に代えて、例えば下部基板3a、3b上で枠状に構成されたリブを画素単位に設けてもよい。また、隣接する画素領域Pどうしが気密に区切られるように、上記枠状に構成されたリブの先端部を上部基板2a、2b側に密接させてもよい。このようにリブの先端部を上部基板2a、2b側に密接させた場合には、当該リブを貫通するように信号電極4a、4bを設けることで表示用空間Sa、Sbの内部に信号電極4a、4bを設置すればよい。
【0059】
撥水膜12a、12b、15a、15bには、透明な合成樹脂、好ましくは電圧印加時に対応する導電性液体16a、16bに対し親水層となる、例えば厚さ60nmのフッ素系樹脂が使用されている。これにより、表示ユニット10a、10bでは、上部基板2a、2b及び下部基板3a、3bの表示用空間Sa、Sb側の各表面側での導電性液体16a、16bとの間の濡れ性(接触角)を大きく変化させることができ、導電性液体16a、16bの移動速度の高速化を図ることができる。また、誘電体層13a、13bは、例えばパリレンや窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、あるいは酸化アルミニウムを含有した透明な誘電体膜によって構成されている。
【0060】
基準電極5a、5b及び走査電極6a、6bには、酸化インジウム系(ITO)、酸化スズ系(SnO2)、または酸化亜鉛系(AZO、GZO、あるいはIZO)などの透明な電極材料が用いられている。これらの各基準電極5a、5b及び各走査電極6a、6bは、スパッタ法等の公知の成膜方法により、例えば厚さ100nmで下部基板3a、3b上に帯状に形成されている。
【0061】
信号電極4a、4bには、X方向に平行となるように配置された線状配線が用いられている。また、信号電極4a、4bは、撥水膜12a、12b上で、各画素領域PのY方向でのほぼ中心部を通るように設置されており、導電性液体16a、16bを挿通して、当該導電性液体16a、16bに直接的に接触するように構成されている。これにより、表示ユニット10a、10bでは、表示動作時での導電性液体16a、16bの応答性の向上が図られている。
【0062】
また、この信号電極4a、4bには、導電性液体16a、16bに対して電気化学的に不活性な材料が使用されており、当該信号電極4a、4bに上記信号電圧Vg(例えば、40V)が印加されたときでも、導電性液体16a、16bと電気化学反応を極力生じないように構成されている。これにより、信号電極4a、4bの電気分解の発生を防いで、表示素子10の信頼性及び寿命を向上させることができる。
【0063】
具体的にいえば、信号電極4a、4bには、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを含んだ電極材料が用いられており、スクリーン印刷法などによって上部基板2a、2b側に設けられている。また、信号電極4a、4bでは、その形状が画素の有効表示領域P1の下方に設けられた基準電極5a、5bの透過率を用いて、定められている。
【0064】
ここで、図5〜図7も参照して、上記のように構成された本実施形態の画像表示装置1の表示動作について具体的に説明する。
【0065】
図5は、上記表示ユニットでの動作例を説明する図である。図6は上記表示素子の動作例を説明する断面図であり、図7は上記表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【0066】
まず、図5を用いて、各表示ユニット10a、10bの基本的な動作(走査動作)について説明する。なお、以下の説明では、表示ユニット10a、10bの走査動作は同じ動作原理によって行われるため、表示ユニット10aの走査動作を例示して説明する(後掲の表示ユニット10cでも同様。)。また、図5では、有効表示領域側及び非有効表示領域側のことを、それぞれ有効側及び非有効側と略記している。
【0067】
図5において、基準ドライバ8aは、全ての各基準電極5aに対して、常にHigh電圧(第1の電圧)を基準電圧Vsとして印加する。また、走査ドライバ9aは、例えば同図の左側から右側に向かう所定の走査方向で、走査電極6aに対して、走査電圧Vdとして上記選択電圧を順次印加する。具体的には、走査ドライバ9aは、走査電極6aに対して、選択電圧としてLow電圧(第2の電圧)を順次印加して選択ラインとする走査動作を行う。この選択ラインでは、信号ドライバ7aは外部からの画像入力信号に応じて、対応する信号電極4aに対して、High電圧またはLow電圧を信号電圧Vgとして印加する。これにより、選択ラインの各画素では、導電性液体16aが有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動され、さらには表示面側の表示色や階調が変更される(詳細は後述。)。
【0068】
また、走査ドライバ9aは、Low電圧が印加されない残りの全ての走査電極6aに対してHigh電圧を上記非選択電圧として印加して、非選択ラインとする。これにより、非選択ラインの各画素では、導電性液体16aが有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側で静止される。
【0069】
上記のような表示動作を行う場合、基準電極5a、走査電極6a、及び信号電極4aへの印加電圧の組み合わせは、表1に示されるものとなる。さらに、導電性液体16aの挙動は、表1に示すように、印加電圧に応じたものとなる。なお、表1では、High電圧、及びLow電圧をそれぞれ"H"、及び"L"にて略記している(後掲の表2でも同様。)。
【0070】
【表1】

【0071】
<選択ラインでの動作>
選択ラインでは、信号電極4aに対して例えばHigh電圧が印加されているときでは、基準電極5aと信号電極4aとの間では、共にHigh電圧が印加されているので、これらの基準電極5aと信号電極4aとの間には、電位差が生じていない。一方、信号電極4aと走査電極6aとの間では、走査電極6aに対して、Low電圧が印加されているので、電位差が生じている状態となる。このため、導電性液体16aは、信号電極4aに対して、電位差が生じている走査電極6a側に表示用空間Saの内部を移動する。この結果、導電性液体16aは、図4に例示したように、非有効表示領域P2側に移動した状態となり、オイル17aを基準電極5a側に移動させる。
【0072】
一方、選択ラインにおいて、信号電極4aに対してLow電圧が印加されているときでは、基準電極5aと信号電極4aとの間では、電位差が生じ、信号電極4aと走査電極6aとの間には、電位差が生じていない。従って、導電性液体16aは、信号電極4aに対して、電位差が生じている基準電極5a側に表示用空間Saの内部を移動する。この結果、導電性液体16aは、図4とは反対に、有効表示領域P1側に移動した状態となり、オイル17aを走査電極6a側に移動させる。
【0073】
<非選択ラインでの動作>
非選択ラインでは、信号電極4aに対して例えばHigh電圧が印加されているときでは、信号電極4a、基準電極5a、及び走査電極6aの全ての電極がHigh電圧となり、これらの電極間には電位差が生じていない。それ故、導電性液体16aは現状の位置、すなわち基準電極5a側または走査電極6a側から移動せずに、静止した状態で維持される。
【0074】
同様に、非選択ラインにおいて、信号電極4aに対してLow電圧が印加されているときでも、導電性液体16aは現状の位置に静止した状態で維持される。すなわち、基準電極5a及び走査電極6aの双方に対して、High電圧が印加されているので、基準電極5aと信号電極4aとの間の電位差及び走査電極6aと信号電極4aとの間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。
【0075】
また、基準電極5a、走査電極6a、及び信号電極4aへの印加電圧の組み合わせは、表1に限定されるものではなく、表2に示すものでもよい。
【0076】
【表2】

【0077】
すなわち、基準電極5aには、基準ドライバ8aから常にLow電圧(第2の電圧)を基準電圧Vsとして印加する。走査電極6aには、走査ドライバ9aにより図1の左側から順次1本ずつHigh電圧(第1の電圧)を上記選択電圧として印加して選択ラインとする走査動作を行う。また、走査ドライバ9aは、High電圧が印加されない残りの全ての走査電極6aに対してLow電圧を上記非選択電圧として印加して、非選択ラインとする。信号電極4aには、信号ドライバ7aにより外部からの画像入力信号に応じて、High電圧またはLow電圧を信号電圧Vgとして印加する。
【0078】
<選択ラインでの動作>
選択ラインでは、信号電極4aに対して例えばLow電圧が印加されているときでは、基準電極5aと信号電極4aとの間では、共にLow電圧が印加されているので、これらの基準電極5aと信号電極4aとの間には、電位差が生じていない。一方、信号電極4aと走査電極6aとの間では、走査電極6aに対して、High電圧が印加されているので、電位差が生じている状態となる。従って、導電性液体16aは、信号電極4aに対して、電位差が生じている走査電極6a側に表示用空間Saの内部を移動する。この結果、導電性液体16aは、図4に例示したように、非有効表示領域P2側に移動した状態となり、オイル17aを基準電極5側に移動させる。
【0079】
一方、選択ラインにおいて、信号電極4aに対してHigh電圧が印加されているときでは、基準電極5aと信号電極4aとの間では、電位差が生じ、信号電極4aと走査電極6aとの間には、電位差が生じていない。従って、導電性液体16aは、信号電極4aに対して、電位差が生じている基準電極5a側に表示用空間Saの内部を移動する。この結果、導電性液体16aは、図4とは反対に、有効表示領域P1側に移動した状態となり、オイル17aを走査電極6a側に移動させる。
【0080】
<非選択ラインでの動作>
非選択ラインでは、信号電極4aに対して例えばLow電圧が印加されているときでは、信号電極4、基準電極5a、及び走査電極6aの全ての電極がLow電圧となり、これらの電極間には電位差が生じていない。それ故、導電性液体16aは現状の位置、すなわち基準電極5a側または走査電極6a側から移動せずに、静止した状態で維持される。
【0081】
同様に、非選択ラインにおいて、信号電極4aに対してHigh電圧が印加されているときでも、導電性液体16aは現状の位置に静止した状態で維持される。すなわち、基準電極5a及び走査電極6aの双方に対して、Low電圧が印加されているので、基準電極5aと信号電極4aとの間の電位差及び走査電極6aと信号電極4aとの間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。
【0082】
また、本実施形態の画像表示装置1では、表1及び表2に示した印加電圧の組み合わせ以外に、信号電極4aへの印加電圧を、High電圧またはLow電圧の2値だけではなく、これらのHigh電圧とLow電圧との間の電圧を、表示面側に表示される情報に応じて変化させることもできる。すなわち、画像表示装置1では、信号電圧Vgを制御することにより、階調表示が可能となる。これにより、表示性能に優れた表示素子10を構成することができる。
【0083】
次に、図4、図6、及び図7を使用して、本実施形態での階調表示動作について、具体的に説明する。なお、以下の説明では、赤色の画素での動作を例示して説明する。また、以下の説明では、説明の簡略化のために、導電性液体16aの透過波長域とカラーフィルタ部Cfrの透過波長域とが同一である場合を例示して説明する。
【0084】
図4に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16aが走査電極6a(非有効表示領域P2)側に移動され、表示ユニット10bの導電性液体16bが基準電極5b(有効表示領域P1)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、黒色に着色された導電性液体16bによって遮断される。この結果、照明光がカラーフィルタ部Cfrに達するのを阻止されて、この赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16bによる黒色表示の状態となる。
【0085】
また、図6に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16a及び表示ユニット10bの導電性液体16bが走査電極6a、6b(非有効表示領域P2)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、バックライト18からの照明光はカラーフィルタ部Cfrに達するのが許容される。そして、この照明光は、カラーフィルタ部Cfr及び透明部11tを順次通過し、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfrによる赤色表示の状態となる。
【0086】
また、図7に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16aが基準電極5a(有効表示領域P1)側に移動され、表示ユニット10bの導電性液体16bが走査電極6b(非有効表示領域P2)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、カラーフィルタ部Cfrを経た後、赤色に着色された導電性液体16aの内部を通過する。そして、この照明光は、透明部11tを通過し、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfr及び導電性液体16aによる赤色表示の状態となる。
【0087】
また、図7に示した場合では、図6に示した場合に比べて、赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16aの内部を通過した分だけ、輝度の低下を生じた暗い赤色表示の状態となる。すなわち、図7に示した場合では、照明光の一部が導電性液体16aによって吸収された状態となり、外部に出射される赤色光の光量が図6に示した場合に比べて低下する。
【0088】
以上のように、赤色の画素では、図4、図6、及び図7に示した3階調の階調表示が行われる。また、画像表示装置1では、隣接するRGBの3つの全画素において、図6に示したように、導電性液体16a、16bが非有効表示領域P2側に移動して、完全なRGBの色表示が行われたときに、当該RGBの画素からの赤色光、緑色光、及び青色光が白色光に混色して、白色表示が行われる。
【0089】
尚、上記の説明以外に、導電性液体16aの透過波長域とカラーフィルタ部Cfrの透過波長域とを異ならせた場合では、これらの透過波長域を同一にした場合に比べて、外部に出射される光の輝度及び表示色を若干変更することができる(後掲の各実施形態でも同様。)。
【0090】
以上のように構成された本実施形態の表示素子10では、2個の表示ユニット10a、10bが、有効表示領域P1が互いに対向するように積層されている。また、2個の各表示ユニット10a、10bでは、導電性液体16a、16bは当該導電性液体16a、16bによって遮蔽される光の波長域が互いに異なるように構成されている。これにより、本実施形態の表示素子10では、上記従来例と異なり、図4、図6、及び図7に示したように、表示面側での表示色を3段階の階調に調整することを容易に行うことができる。従って、本実施形態の表示素子10では、上記従来例と異なり、中間調の表示を精度よく行うことができる。
【0091】
また、本実施形態の画像表示装置(電気機器)1では、表示素子10が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な画像表示装置を容易に構成することができる。
【0092】
また、本実施形態の表示素子10では、各表示ユニット10a、10bにおいて、複数の走査電極(第2の電極)5a、5b及び複数の基準電極(第3の電極)6a、6bが、互いに交互に、かつ、複数の信号電極4a、4bと交差するように、下部基板(第2の基板)3a、3b側に設けられている。また、信号ドライバ(信号電圧印加部)7a、7b、走査ドライバ(走査電圧印加部)8a、8b、及び基準ドライバ(基準電圧印加部)9a、9bが信号電極4a、4b、走査電極5a、5b、及び基準電極6a、6bに対して、信号電圧、走査電圧(選択電圧または非選択電圧)、及び基準電圧を印加するようになっている。これにより、本実施形態では、優れた表示品位を有するマトリクス駆動方式の表示素子を構成することができる。
【0093】
[第2の実施形態]
図8は本発明の第2の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図であり、図9は図8に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、2個の表示ユニットにおいて、1つの基準電圧印加部及び1つの走査電圧印加部を共用した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0094】
すなわち、図8に示すように、本実施形態の画像表示装置1では、1つの基準ドライバ(基準電圧印加部)8が表示ユニット10a、10bの基準電極5a、5bの端子部5a1、5b1に対し、配線8a1、8b1を介在させて接続されている。また、1つの走査ドライバ(走査電圧印加部)9が表示ユニット10a、10bの走査電極6a、6bの端子部6a1、6b1に対し、配線9a1、9b1を介在させて接続されている。そして、本実施形態の画像表示装置1では、上記走査動作が同時に行われる画素単位の表示ユニット10a、10bに対して、1つの基準ドライバ8及び1つの走査ドライバ9を共用している。すなわち、基準ドライバ8は、表示ユニット10a、10bの基準電極5a、5bに対して、上記基準電圧を同時に印加し、走査ドライバ9は、表示ユニット10a、10bの走査電極6a、6bに対して、上記走査電圧を同時に印加する。
【0095】
また、本実施形態では、図9に示すように、2層目の表示ユニット10bにおいて、上部基板2b側に基準電極5b及び走査電極6bを設け、下部基板3b側に信号電極4bを設けている。具体的にいえば、上部基板2bでは、カラーフィルタ層Cf上に基準電極5b及び走査電極6bが並設され、これらの基準電極5b及び走査電極6bを覆うように、誘電体層13bが形成されている。さらに、上部基板2b側では、誘電体層13b上にリブ14x2、14y2及び撥水膜15bが順次設けられている。一方、下部基板3b側では、表示用空間Sb側の表面上に撥水膜12b及び信号電極4bが順次設置されている。
【0096】
以上のように、本実施形態では、2層目の表示ユニット10bにおいて、上部基板2b側に基準電極5b及び走査電極6bを設けることにより、1層目の表示ユニット10aにおいて、下部基板3a側に設けられた基準電極5b及び走査電極6bに対し、当該基準電極5b及び走査電極6bを近接して配置することができる。この結果、基準ドライバ8及び走査ドライバ9への配線8a1、8b1及び9a1、9b1の引き廻し(接続)寸法を短い寸法にすることができ、これらの配線(接続)作業を簡単化することができる。
【0097】
ここで、図10及び図11も参照して、上記のように構成された本実施形態での階調表示動作について、具体的に説明する。なお、以下の説明では、赤色の画素での動作を例示して説明する。また、以下の説明では、説明の簡略化のために、導電性液体16aの透過波長域とカラーフィルタ部Cfrの透過波長域とが同一である場合を例示して説明する。
【0098】
図10は図8に示した表示素子の動作例を説明する断面図であり、図11は図8に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【0099】
図9に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16aが走査電極6a(非有効表示領域P2)側に移動され、表示ユニット10bの導電性液体16bが基準電極5b(有効表示領域P1)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、黒色に着色された導電性液体16bによって遮断される。この結果、照明光がカラーフィルタ部Cfrに達するのを阻止されて、この赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16bによる黒色表示の状態となる。
【0100】
また、図10に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16a及び表示ユニット10bの導電性液体16bが走査電極6a、6b(非有効表示領域P2)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、バックライト18からの照明光はカラーフィルタ部Cfrに達するのが許容される。そして、この照明光は、カラーフィルタ部Cfr及び透明部11tを順次通過し、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfrによる赤色表示の状態となる。
【0101】
また、図11に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16aが基準電極5a(有効表示領域P1)側に移動され、表示ユニット10bの導電性液体16bが走査電極6b(非有効表示領域P2)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、カラーフィルタ部Cfrを経た後、赤色に着色された導電性液体16aの内部を通過する。そして、この照明光は、透明部11tを通過し、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfr及び導電性液体16aによる赤色表示の状態となる。
【0102】
また、図11に示した場合では、図10に示した場合に比べて、赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16aの内部を通過した分だけ、輝度の低下を生じた暗い赤色表示の状態となる。すなわち、図11に示した場合では、照明光の一部が導電性液体16aによって吸収された状態となり、外部に出射される赤色光の光量が図10に示した場合に比べて低下する。
【0103】
以上のように、赤色の画素では、図9、図10、及び図11に示した3階調の階調表示が行われる。また、画像表示装置1では、隣接するRGBの3つの全画素において、図10に示したように、導電性液体16a、16bが非有効表示領域P2側に移動して、完全なRGBの色表示が行われたときに、当該RGBの画素からの赤色光、緑色光、及び青色光が白色光に混色して、白色表示が行われる。
【0104】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、2個の表示ユニット10a、10bにおいて、1つの基準ドライバ(基準電圧印加部)8及び1つの走査ドライバ(走査電圧印加部)9を共用しているので、2個の表示ユニット10a、10bにおいて、導電性液体16a、16bを容易に同期して移動させることが可能となり、基準ドライバ8及び走査ドライバ9での各電圧印加処理を容易なものとしつつ、モアレ現象の発生を確実に防ぐことができる。
【0105】
尚、上記の説明以外に、3層以上の表示ユニットが用いられた表示素子において、1つの基準電圧印加部及び1つの走査電圧印加部を共用する構成でもよい。
【0106】
[第3の実施形態]
図12は、本発明の第3の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、3個の表示ユニットを積層した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0107】
すなわち、図12において、本実施形態の画像表示装置1では、3個の表示ユニット10a、10b、10cが同図12の紙面に垂直な方向に積層されており、1つの画素が積層された表示ユニット10a、10b、10c単位で設けられるようになっている。また、本実施形態では、信号ドライバ7a、7b、7cが設けられており、表示ユニット10a、10b、10cの信号電極4a、4b、4cの端子部4a1、4b1、4c1に対し、配線7a1、7b1、7c1を介在させて接続されている。
【0108】
また、本実施形態では、基準ドライバ8a、8b、8cが設けられており、表示ユニット10a、10b、10cの基準電極5a、5b、5cの端子部5a1、5b1、5c1に対し、配線8a1、8b1、8c1を介在させて接続されている。さらに、本実施形態では、走査ドライバ9a、9b、9cが設けられており、表示ユニット10a、10b、10cの走査電極6a、6b、6cの端子部6a1、6b1、6c1に対し、配線9a1、9b1、9c1を介在させて接続されている。
【0109】
ここで、図13〜図15も参照して、本実施形態の表示素子10の画素構造について具体的に説明する。
【0110】
図13(a)及び図13(b)は、それぞれ表示面側から見た場合における、図12に示した1層目と2層目の各表示ユニット及び3層目の表示ユニットでの上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図14は、非表示面側から見た場合における、上記1層目、2層目、及び3層目の各表示ユニットでの下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図15は、図12に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。
【0111】
図13〜図15において、表示ユニット10cは、表示ユニット10a、10bと同様に、表示面側に設けられた第1の基板としての上記上部基板2cと、上部基板2cの背面側(非表示面側)に設けられた第2の基板としての上記下部基板3cとを備えている。また、表示ユニット10cでは、上部基板2cと下部基板3cが互いに所定の間隔をおいて配置されることにより、これら上部基板2c及び下部基板3cの間に所定の表示用空間Scが形成されている。また、この表示用空間Scの内部には、導電性液体16cとこの導電性液体16cと混じり合わない絶縁性のオイル17cが当該表示用空間Scの内部で上記X方向(図15の左右方向)に移動可能に封入されており、導電性液体16cは、導電性液体16a、16bと同様に、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動できるようになっている。
【0112】
導電性液体16cには、導電性液体16a、16bと同様に、例えば1mmol/Lの塩化カリウム(KCl)の水溶液が用いられている。これらの導電性液体16a、16b、16cでは、当該導電性液体16cによって遮蔽される光の波長域が、導電性液体16a、16bによって遮蔽される波長域とは、異なるように構成されている。一方、導電性液体16a、16bでは、これらの導電性液体16a、16bによって遮蔽される波長域は同じでもよい。
【0113】
具体的にいえば、本実施形態では、1層目(上側)及び2層目(中央)の表示ユニット10a、10bの導電性液体16a、16bには、顔料や染料などの着色剤によってRGBのいずれかの色に着色されたものが使用されている。一方、3層目(下側)の表示ユニット10cの導電性液体16cには、上記着色剤によって黒色に着色されたものが使用されており、当該導電性液体16cは、各画素において、光の透過を許容または阻止するシャッターとして機能するようになっている。
【0114】
また、オイル17cには、オイル17a、17bと同様なものが用いられており、導電性液体17cのスライド移動に伴って、表示用空間Scの内部を移動するようになっている。
【0115】
上部基板2a、2bには、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、上部基板2a、2bの非表示面側の表面には、遮光層11a、11b及び撥水膜12a、12bが順次形成されており、さらには第1の電極としての上記信号電極4a、4bが撥水膜12a、12b上に設けられている。また、上部基板2cの非表示面側の表面には、カラーフィルタ層Cf及び撥水膜12cが順次形成されており、さらには第1の電極としての上記信号電極4cが撥水膜12c上に設けられている。
【0116】
また、下部基板3a、3b、3cには、上部基板2a、2b、2cと同様に、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、下部基板3a、3b、3cの表示面側の表面には、第2の電極としての上記基準電極5a、5b、5c及び第3の電極としての上記走査電極6a、6b、6cが設けられており、さらに、これらの基準電極5a、5b、5c及び走査電極6a、6b、6cを覆うように、誘電体層13a、13b、13cが形成されている。また、誘電体層13aの表示面側の表面には、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられたリブ14y1及び14x1が設けられている。同様に、誘電体層13bの表示面側の表面には、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられたリブ14y2及び14x2が設けられている。同様に、誘電体層13cの表示面側の表面には、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられたリブ14y3及び14x3が設けられている。
【0117】
また、下部基板3aでは、誘電体層13a、リブ14x1、及び14y1を覆うように、撥水膜15aが設けられ、下部基板3bでは、誘電体層13b、リブ14x2、及び14y2を覆うように、撥水膜15bが設けられている。同様に、下部基板3cでは、誘電体層13c、リブ14x3、及び14y3を覆うように、撥水膜15cが設けられている。
【0118】
また、下部基板3cの背面側(非表示面側)には、例えば白色の照明光を発光するバックライト18が一体的に組み付けられており、透過型の表示素子10が構成されている。そして、本実施形態では、上記実施形態と同様に、外光が不十分な場合や夜間などでも、適切な表示動作を行うことができるとともに、調光範囲が大きく、かつ、高精度な階調制御を簡単に行える高輝度な表示素子10を容易に構成することができる。
【0119】
また、表示ユニット10cでは、表示ユニット10a、10bと同様に、表1または表2に示した電圧印加が行われることにより、上記走査動作が行われるようになっている。
【0120】
ここで、図16〜図19も参照して、上記のように構成された本実施形態での階調表示動作について、具体的に説明する。なお、以下の説明では、赤色の画素での動作を例示して説明する。また、以下の説明では、説明の簡略化のために、導電性液体16aの透過波長域とカラーフィルタ部Cfrの透過波長域とが同一である場合を例示して説明する。
【0121】
図16は図12に示した表示素子の動作例を説明する断面図であり、図17は図12に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図である。図18は図12に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図であり、図19は図12に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【0122】
図15に示すように、表示ユニット10a、10bの導電性液体16a、16bが走査電極6a、6b(非有効表示領域P2)側に移動され、表示ユニット10cの導電性液体16cが基準電極5c(有効表示領域P1)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、黒色に着色された導電性液体16cによって遮断される。この結果、照明光がカラーフィルタ部Cfrに達するのを阻止されて、この赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16cによる黒色表示の状態となる。
【0123】
また、図16に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16a、表示ユニット10bの導電性液体16b、及び表示ユニット10cの導電性液体16cが走査電極6a、6b、6c(非有効表示領域P2)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、バックライト18からの照明光はカラーフィルタ部Cfrに達するのが許容される。そして、この照明光は、カラーフィルタ部Cfr及び透明部11t2、11t1を順次通過し、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfrによる赤色表示の状態となる。
【0124】
また、図17に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16a及び表示ユニット10cの導電性液体16cが走査電極6a、6c(非有効表示領域P2)側に移動され、表示ユニット10bの導電性液体16bが基準電極5a(有効表示領域P1)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、カラーフィルタ部Cfrを経た後、赤色に着色された導電性液体16bの内部を通過する。その後、この照明光は、透明部11t2、11t1を順次通過し、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfr及び導電性液体16bによる赤色表示の状態となる。
【0125】
また、図17に示した場合では、図16に示した場合に比べて、赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16bの内部を通過した分だけ、輝度の低下を生じた暗い赤色表示の状態となる。すなわち、図17に示した場合では、照明光の一部が導電性液体16bによって吸収された状態となり、外部に出射される赤色光の光量が図16に示した場合に比べて低下する。
【0126】
また、図18に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16a及び表示ユニット10bの導電性液体16bが基準電極5a、5b(有効表示領域P2)側に移動され、表示ユニット10cの導電性液体16cが走査電極6c(非有効表示領域P1)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、カラーフィルタ部Cfrを経た後、導電性液体16bの内部を通過する。その後、この照明光は、透明部11t2を通過し、さらには、赤色に着色された導電性液体16aの内部及び透明部11t1を順次通過した後、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfr、及び導電性液体16a、16bによる赤色表示の状態となる。
【0127】
また、図18に示した場合では、図17に示した場合に比べて、赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16aの内部を通過した分だけ、輝度の低下を生じた暗い赤色表示の状態となる。すなわち、図18に示した場合では、照明光の一部が導電性液体16aによって吸収された状態となり、外部に出射される赤色光の光量が図17に示した場合に比べて低下する。
【0128】
また、図19に示すように、表示ユニット10aの導電性液体16aが基準電極5a(有効表示領域P2)側に移動され、表示ユニット10bの導電性液体16b及び表示ユニット10cの導電性液体16cが走査電極6b、6c(非有効表示領域P1)側に移動されると、バックライト18からの照明光は、カラーフィルタ部Cfrを経た後、透明部11t2を通過する。その後、この照明光は、導電性液体16aの内部及び透明部11t1を順次通過した後、外部に出射される。この結果、この赤色の画素での表示面側の表示色は、カラーフィルタ部Cfr、及び導電性液体16aによる赤色表示の状態となる。
【0129】
また、図19に示した場合では、図16に示した場合に比べて、赤色の画素での表示面側の表示色は、導電性液体16aの内部を通過した分だけ、輝度の低下を生じた暗い赤色表示の状態となる。すなわち、図19に示した場合では、照明光の一部が導電性液体16aによって吸収された状態となり、外部に出射される赤色光の光量が図16に示した場合に比べて低下する。
【0130】
また、この図19に示した場合では、導電性液体16aの透過波長域と導電性液体16bの透過波長域とが互いに異なる場合、図17に示した場合に比べて、赤色の画素での表示面側の表示色は、明るい赤色表示の状態となる。尚、導電性液体16aの透過波長域が導電性液体16bのものと同じ場合、赤色の画素での表示面側の表示色は、図17に示した場合と同じとなる。
【0131】
以上のように、赤色の画素では、図15〜図19に示した5階調の階調表示が行われる。また、画像表示装置1では、隣接するRGBの3つの全画素において、図16に示したように、導電性液体16a、16b、16cが非有効表示領域P2側に移動して、完全なRGBの色表示が行われたときに、当該RGBの画素からの赤色光、緑色光、及び青色光が白色光に混色して、白色表示が行われる。
【0132】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、3個の表示ユニット10a、10b、10cが、有効表示領域P1が互いに対向するように積層されているので、図15〜図19に示したように、表示面側での表示色を5段階の階調に調整することを容易に行うことができる。
【0133】
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0134】
例えば、上記の説明では、カラー画像表示を表示可能な表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部が設けられた電気機器であれば何等限定されるものではなく、例えば電子手帳等のPDAなどの携帯情報端末、パソコンやテレビなどに付随する表示装置、あるいは電子ペーパーその他、各種表示部を備えた電気機器に好適に用いることができる。
【0135】
また、上記の説明では、導電性液体への電界印加に応じて、当該導電性液体を移動させるエレクトロウェッティング方式の表示素子を構成した場合について説明したが、本発明の表示素子は、これに限定されるものではなく、外部電界を利用して、表示用空間の内部で導電性液体を動作させることにより、表示面側の表示色を変更可能な電界誘導型の表示素子であれば何等限定されるものではなく、電気浸透方式、電気泳動方式、誘電泳動方式などの他の方式の電界誘導型表示素子に適用することができる。
【0136】
但し、上記各実施形態のように、エレクトロウェッティング方式の表示素子を構成する場合の方が、導電性液体を低い駆動電圧で高速に移動させることが可能となる。しかも、3つの電極を設けて、導電性液体をスライド移動させているので、導電性液体の形状を変化させるものに比べて、表示面側の表示色の切換速度の高速化及び省力化を容易に図ることができる。それ故、動画表示を容易に行うことが可能で、表示性能に優れた表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。また、エレクトロウェッティング方式の表示素子では、導電性液体の移動に応じて表示色が変更されるので、液晶表示装置等と異なり、視野角依存性がない点でも好ましい。さらには、画素毎にスイッチング素子を設ける必要がないので、構造簡単で高性能なマトリクス駆動方式の表示素子を低コストで構成できる点でも好ましい。しかも、液晶層などの複屈折材料を用いていないので、情報表示に使用される、バックライトからの光や外光の光利用効率に優れた高輝度な表示素子を容易に構成できる点でも好ましい。
【0137】
また、上記の説明では、バックライトを備えた透過型の表示素子を構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、拡散反射板などの光反射部を有する反射型や、前記光反射部とバックライトとを併用した半透過型の表示素子にも適用することができる。
【0138】
また、上記の説明では、2個または3個の表示ユニットを用いた場合について説明したが、本発明は、有効表示領域が互いに対向するように、N個(Nは、2以上の整数)の表示ユニットを積層したものであればよい。
【0139】
また、上記の説明では、最下層に設置された表示ユニットにおいて、黒色に着色された導電性液体及びカラーフィルタ層を用いた場合について説明したが、本発明はN個の各表示ユニットにおいて、導電性液体は所定の波長域の光を遮蔽するように構成されているものであれば、導電性液体の構成やカラーフィルタ層の有無や設置箇所などは上記のものに何等限定されない。例えば、N個の各表示ユニットにおいて、導電性液体の透過率を互いに相異させる構成でもよい。
【0140】
但し、上記の各実施形態のように、少なくとも1個の表示ユニットに黒色に着色された導電性液体を用いる場合の方が、当該表示ユニットをシャッターとして機能させることが可能となり、黒色表示を適切に行うことができる点で好ましい。
【0141】
また、上記の各実施形態のように、少なくとも1個の表示ユニットに所定色に着色されたカラーフィルタ部を設ける場合の方が、中間調の再現(表示)範囲をより容易に広げることができる点で好ましい。
【0142】
また、上記の各実施形態のように、複数の各表示ユニットにおいて、導電性液体に用いられる着色剤を変更することにより、導電性液体によって遮蔽される光の波長域を相異させる場合の方が、導電性液体による光の遮蔽域を確実に相異させることができる点で好ましい。
【0143】
また、上記の説明では、RGBの各色の画素を表示面側に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の画素領域が、表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられているものであればよい。具体的には、RGB、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)のCMY、またはRGBYCなどに着色された複数色の導電性液体を用いることもできる。
【0144】
また、上記の説明では、2個または3個の表示ユニット単位に複数の各画素を構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば隣接する2つの3個の表示ユニット単位に画素を構成してもよい。すなわち、2つの各3個の表示ユニットをサブ画素(サブピクセル)として構成してもよい。
【0145】
また、上記の説明では、基準電極(第2の電極)及び走査電極(第3の電極)を有効表示領域側及び非有効表示領域側にそれぞれ設置した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の電極及び第3の電極を非有効表示領域側及び有効表示領域側にそれぞれ設置してもよい。
【0146】
また、上記の説明では、基準電極(第2の電極)及び走査電極(第3の電極)を下部基板(第2の基板)の表示面側の表面に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁材料からなる上記第2の基板の内部に埋設した第2及び第3の電極を用いることもできる。このように構成した場合には、第2の基板を誘電体層として兼用させることができ、当該誘電体層の設置を省略することができる。さらに、誘電体層を兼用した第1及び第2の基板上に第1の電極を直接的に設け、表示用空間の内部に当該第1の電極を設置する構成でもよい。
【0147】
また、上記の説明では、透明な電極材料を用いて基準電極(第2の電極)及び走査電極(第3の電極)を構成した場合について説明したが、本発明は第2及び第3の電極のうち、画素の有効表示領域に対向するように設置される一方の電極だけを透明な電極材料によって構成すればよく、有効表示領域に対向されない他方の電極には、アルミニウム、銀、クロム、その他の金属などの不透明な電極材料を使用することができる。
【0148】
また、上記の説明では、帯状の基準電極(第2の電極)及び走査電極(第3の電極)を用いた場合について説明したが、本発明の第2及び第3の電極の各形状はこれに何等限定されない。例えば透過型に比べて、情報表示に用いられる光の利用効率が低下する反射型の表示素子では、線状や網状などの光ロスが生じ難い形状としてもよい。
【0149】
また、上記の説明では、信号電極(第1の電極)に線状配線を用いた場合について説明したが、本発明の第1の電極はこれに限定されるものではなく、網状配線などの他の形状に形成された配線も使用することができる。
【0150】
但し、上記の各実施形態のように、透明な透明電極が用いられた第2及び第3の電極の透過率を用いて、第1の電極の形状を定める場合の方が、不透明な材料を使用して第1の電極を構成したときでも、当該第1の電極の影が表示面側に現れるのを防ぐことができ、表示品位が低下するのを抑えることができる点で好ましく、さらには線状配線を用いた場合には、上記表示品位の低下を確実に抑えることができる点でより好ましい。
【0151】
また、上記の説明では、塩化カリウムの水溶液を導電性液体に用いるとともに、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを用いて、信号電極(第1の電極)を構成した場合について説明したが、本発明は表示用空間の内部に設置されて、導電性液体と接触する第1の電極に、当該導電性液体に対して電気化学的に不活性な材料を用いたものであれば何等限定されない。具体的にいえば、導電性液体には、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、酸化亜鉛、塩化ナトリウム、リチウム塩、リン酸、アルカリ金属炭酸塩、酸素イオン伝導性を有するセラミックスなどの電解質を含んだものを使用することができる。また、溶媒には、水以外に、アルコール、アセトン、ホルムアミド、エチレングリコールなどの有機溶媒を使用することもできる。さらに、本発明の導電性液体には、ピリジン系、脂環族アミン系、または脂肪族アミン系などの陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等のフッ素系などの陰イオンとを含んだイオン液体(常温溶融塩)を使用することもできる。
【0152】
但し、上記の各実施形態のように、所定の電解質を溶かした水溶液を導電性液体に使用する場合の方が、取扱性に優れるとともに、製造が簡単な表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。
【0153】
また、本発明の第1の電極には、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、タンタル、ニオブあるいはそれらの合金などの導電性を有する金属を用いた電極本体と、この電極本体の表面を覆うように設けられた酸化被膜とを備えた不動態を使用することができる。
【0154】
但し、上記の各実施形態のように、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを第1の電極及び電極部材に用いる場合の方が、イオン化傾向の小さい金属を使用することとなり、当該電極の簡略化を図りつつ、導電性液体との間での電気化学反応を確実に防ぐことが可能となって信頼性の低下が防がれた長寿命な表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。また、イオン化傾向の小さい金属は導電性液体との間の界面に生じる界面張力を比較的小さくすることができることから、導電性液体を移動させないときでは、その固定位置で当該導電性液体を安定した状態で容易に保持できる点でも好ましい。
【0155】
また、上記の説明では、無極性のオイルを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導電性液体と混じり合わない絶縁性流体であればよく、例えばオイルに代えて、空気を使用してもよい。また、オイルとして、シリコーンオイル、脂肪系炭化水素などを使用することができる。
【0156】
但し、上記の各実施形態のように、導電性液体と相溶性がない無極性のオイルを用いた場合の方が、空気と導電性液体とを用いる場合よりは、無極性のオイル中で導電性液体の液滴がより移動し易くなって、当該導電性液体を高速移動させることが可能となり、表示色を高速に切り換えられる点で好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、中間調の表示を精度よく行うことができる表示素子、及びこれを用いた高性能な電気機器に対して有用である。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ表示面側から見た場合における、図1に示した1層目及び2層目の表示ユニットでの上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。
【図3】非表示面側から見た場合における、上記1層目及び2層目の各表示ユニットでの下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。
【図4】上記表示素子の要部構成を示す断面図である。
【図5】上記表示ユニットでの動作例を説明する図である。
【図6】上記表示素子の動作例を説明する断面図である。
【図7】上記表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。
【図9】図8に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。
【図10】図8に示した表示素子の動作例を説明する断面図である。
【図11】図8に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。
【図13】(a)及び(b)は、それぞれ表示面側から見た場合における、図12に示した1層目と2層目の各表示ユニット及び3層目の表示ユニットでの上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。
【図14】非表示面側から見た場合における、上記1層目、2層目、及び3層目の各表示ユニットでの下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。
【図15】図12に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。
【図16】図12に示した表示素子の動作例を説明する断面図である。
【図17】図12に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【図18】図12に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【図19】図12に示した表示素子の別の動作例を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0159】
1 画像表示装置(電気機器)
2a、2b、2c 上部基板(第1の基板)
3a、3b、3c 下部基板(第2の基板)
4a、4b、4c 信号電極(第1の電極)
5a、5b、5c 基準電極(第2の電極)
6a、6b、6c 走査電極(第3の電極)
7a、7b、7c 信号ドライバ(信号電圧印加部)
8、8a、8b、8c 基準ドライバ(基準電圧印加部)
9、9a、9b、9c 走査ドライバ(走査電圧印加部)
10 表示素子(表示部)
10a、10b、10c 表示ユニット
14x1、14x2、14x3、14y1、14y2、14y3 リブ(仕切壁)
16a、16b、16c 導電性液体
Sa、Sb、Sc 表示用空間
P 画素領域
P1 有効表示領域
P2 非有効表示領域
Cfr、Cfg、Cfb カラーフィルタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対し、設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部で前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動可能に封入された導電性液体とを有する表示ユニットを備えた表示素子であって、
N個(Nは、2以上の整数)の前記表示ユニットが、前記有効表示領域が互いに対向するように、積層され、
前記N個の各表示ユニットでは、前記導電性液体は所定の波長域の光を遮蔽するように構成されている、
ことを特徴とする表示素子。
【請求項2】
前記表示ユニットには、複数の第1の電極が、前記第1及び第2の基板の一方側で所定の配列方向に沿って設けられ、
複数の第2の電極及び複数の第3の電極が、互いに交互に、かつ、前記複数の第1の電極と交差するように、前記第1及び第2の基板の他方側で前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側及び他方側にそれぞれ設けられ、
前記複数の第1の電極は、それぞれ複数の信号電極として用いられ、
前記複数の第2の電極は、それぞれ複数の基準電極及び複数の走査電極の一方の電極として用いられ、かつ、
前記複数の第3の電極は、それぞれ複数の基準電極及び複数の走査電極の他方の電極として用いられ、
前記表示ユニットは、前記複数の基準電極に接続されるとともに、前記複数の各基準電極に対して、所定の基準電圧を印加する基準電圧印加部と、
前記複数の信号電極に接続されるとともに、前記複数の各信号電極に対して、前記表示面側に表示される情報に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
前記複数の走査電極に接続されるとともに、前記基準電圧印加部が前記複数の各基準電極に対して、前記基準電圧を印加しているときに、前記複数の各走査電極に対して、前記導電性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧と、前記導電性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を印加する走査電圧印加部とを備えている請求項1に記載の表示素子。
【請求項3】
複数の画素が、前記N個の表示ユニット単位に設けられ、
前記複数の画素の各画素領域は、前記信号電極と前記走査電極との交差部単位に設けられ、かつ、前記各画素領域では、前記表示用空間が仕切壁にて区切られている請求項2に記載の表示素子。
【請求項4】
前記複数の画素が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている請求項3に記載の表示素子。
【請求項5】
前記N個の表示ユニットにおいて、1つの前記基準電圧印加部及び1つの前記走査電圧印加部が共用されている請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項6】
前記N個の各表示ユニットでは、前記導電性液体に用いられる着色剤を変更することにより、前記導電性液体によって遮蔽される光の波長域を相異させた請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項7】
前記表示ユニットには、前記有効表示領域側に所定色のカラーフィルタ部が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項8】
前記N個の表示ユニットにおいて、1個の前記表示ユニットの前記導電性液体が黒色に着色されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項9】
文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
前記表示部に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示素子を用いたことを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−162927(P2009−162927A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340989(P2007−340989)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】