説明

表示素子

【課題】キャップに配置された平面部の連結領域において、反射された外光が外部に透過されることを防止する表示素子を提供する。
【解決手段】本発明の表示素子は、基板101と、基板上に配置されたアクティブ領域120と、基板上に配置されてアクティブ領域に電気接続された配線と、基板101に接着されてアクティブ領域120を覆うキャップ200と、キャップが基板に接着されるキャップ接着領域とアクティブ領域120との間の透過領域上に配置されたパターン層132とを含む。パターン層132によって透過領域を通過して有機発光素子内部に透過する外光を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子に関し、特に、キャップに配置された平面部の連結領域で反射される外光が外部に透過することを防止する表示素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示素子の一つである有機発光素子は、有機電界発光を利用する素子である。有機電界発光は、有機物(低分子または高分子)薄膜に陰極と陽極を介して注入された電子と正孔が再結合し、励起子を配置し、配置された励起子のエネルギーによって特定の波長の光が発生する現象である。
【0003】
図1は、従来技術の有機発光素子の平面図であり、キャップが接着されていない状態の有機発光素子を図示する。図2は、図1の線A−Aに沿って切断された有機発光素子の断面図である。
【0004】
有機発光素子は、透明ガラス基板1、基板1上に配置されたアノード電極、アノード電極上に配置された有機発光層、有機発光層上に配置されたカソード電極を含むアクティブ領域2を含む。基板1上には、アクティブ領域2を外部と隔離するためのキャップ10が接着されている。
【0005】
アクティブ領域2内のアノード電極及びカソード電極は、アクティブ領域2の外側に延び、データライン11及びスキャンライン12とそれぞれ連結される。データライン11とスキャンライン12の終端は基板1の縁に配置され、これらの終端がパッド部5を形成する。
【0006】
アクティブ領域2、データライン11及びスキャンライン12が配置された基板1上に、シール材6を用いてキャップ10が接着される。キャップ接着領域4は、キャップ10が接着される、基板1上のアクティブ領域2の外側領域として形成される。
【0007】
図2は、キャップ接着領域4に接着される第1平面部13、アクティブ領域2と対応する第2平面部14、及び第1平面部13と第2平面部14を連結する連結部15を含むキャップ10を示す。
【0008】
キャップ10を有する有機発光素子で、外部光は、アクティブ領域2とキャップ接着領域4との間の基板1上の透過領域3を通過して有機発光素子内部に透過される。外部光は、キャップ10の連結部15に達した後、連結部15の表面で反射される。その後、キャップ10の連結部15で反射された外光は、キャップ10の連結部15に対応する透過領域3を通過して外部に透過される。
このような外光の反射経路によってキャップ10の連結部15で反射された外光は、イメージが表示されるアクティブ領域2の外側領域上に白色帯状で表示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、キャップ内面で反射された外光が基板上に表示されることを防止することにある。
また、本発明の目的は、外光がキャップ内面に達することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の表示素子は、基板と、前記基板上に配置されたアクティブ領域と、前記基板上に配置され、前記アクティブ領域と電気的に接続された配線と、前記基板に接着され、前記アクティブ領域を覆うキャップと、及び前記キャップが前記基板に接着されるキャップ接着領域と前記アクティブ領域との間の透過領域上に配置されたパターン層とを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の構成によれば、基板と、前記基板上に配置されたアクティブ領域と、前記基板上に配置され、前記アクティブ領域と電気的に接続された配線と、前記基板に接着されて前記アクティブ領域を覆うキャップと、前記キャップが前記基板に接着されるキャップ接着領域と前記アクティブ領域との間の透過領域の少なくとも一部を覆うように配置された絶縁層と、前記絶縁層上に配置されたパターン層とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の他の構成によれば、基板と、前記基板上に配置されたアクティブ領域と、前記基板上に配置され、前記アクティブ領域と電気的に接続された配線と、前記基板に接着される第1平面部、該第1平面部と異なる平面で前記アクティブ領域と対応されるように配置する第2平面部、及び前記第1平面部と第2平面部を連結する連結部を含むキャップと、該キャップが前記基板に接着されるキャップ接着領域と前記アクティブ領域との間の透過領域上に配置されたパターン層とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、基板上の透過領域にパターン層を配置することで、表示素子内に透過される外光またはキャップの連結部で反射された外光を遮断することができる。従って、本発明は、キャップの連結部で反射された外光が基板に反射されることを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る表示素子を詳細に説明する。また、説明の便宜のために表示素子中の有機発光素子を例えて説明する。しかし、本発明は有機発光素子に限定されるものではない。
【0015】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子のアクティブ領域に対する概略的な断面図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の平面図であり、キャップが接着されていない状態の有機発光素子を図示する。図5は、図4の線B−Bに沿って切断された本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
【0016】
有機発光素子のアクティブ領域120は、図3に示されるように、ガラス基板101上に順に積層された、アノード電極121、有機発光層122及びカソード電極123を有する。また、積層順は逆順であってもよい。基板101上には、アクティブ領域120を外部と隔離するためのキャップ200が接着されている。
【0017】
アクティブ領域120内のアノード電極121及びカソード電極123は、アクティブ領域120外側に延び、データライン151及びスキャンライン153とそれぞれ連結される。データライン151とスキャンライン153の終端は、基板101の縁に配置され、これらの終端がパッド部155を形成する。
【0018】
アクティブ領域120、データライン151及びスキャンライン153が配置された基板101上に、シール材156を用いてキャップ200が接着される。キャップ接着領域140は、キャップ200が接着される、基板101上のアクティブ領域120の外側領域として形成される。
【0019】
図5は、キャップ接着領域140に接着される第1平面部201、アクティブ領域120と対応する第2平面部202、及び第1平面部201と第2平面部202を連結する連結部203を含むキャップ200を図示する。
透過領域130は、アクティブ領域120とキャップ接着領域140と間の基板101上の領域として形成され、この領域は、キャップ200の連結部203に対応する。
【0020】
本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子は、透過領域130内で基板101上に位置するパターン層132を含む。パターン層132は、光の透過を遮断できる材料で形成することが可能である。
【0021】
パターン層132は、透過領域130内で、スキャンライン153との間の領域、データライン151との間の領域またはスキャンライン153とデータライン151との間の領域に選択的に配列される。ここで、パターン層は、スキャンライン及び/又はデータラインと離隔するように配列される。
【0022】
キャップ200が接着された本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子は、パターン層132によって透過領域130を通過して有機発光素子内部に透過する外光を遮断する。従って、キャップ200の連結部203に外光が達するのを遮断する。
また、透過領域130のパターン層132間の隙間を通過して有機発光素子の内部に透過された外光が、キャップ200の連結部203で反射される場合にも、パターン層132は、反射された外光が透過領域130を通過して外部に透過するのを遮断する。
【0023】
図6(a)及び(b)は、図4のD部分に対する拡大平面図で、本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子のパターン層の配列形態を図示する平面図である。
図6(a)に示されるように、パターン層132aは、キャップ接着領域140に直交する方向に配置されるか、図6(b)に示されるように、パターン層132bは、キャップ接着領域140に対して所定角度で配置されていてもよい。
【0024】
図7は、図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
パターン層132をガラス基板101に容易に形成するために、パターン層132は、金属材料、例えば、モリブデンからなっていてもよい。
【0025】
特に、パターン層132は、別途の工程で形成されるよりは、基板101にアノード電極121、カソード電極123、スキャンライン153、データライン151、スキャンライン153上の補助電極またはデータライン151上の補助電極が形成される工程で、同じ材料で共に形成されていてもよい。この場合、工程の追加無しにパターン層132を形成することができる。
【0026】
その他に、パターン層132は、光透過を遮断する絶縁性材料で形成されていてもよい。この場合、本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子は、相互間の電気的な短絡を防止するため、パターン層132をスキャンライン153間またはデータライン151間に精密に形成する工程を必要としない。
【0027】
図8は、図7に対応する図面で、図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第2の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
本発明の第2の実施形態に係る有機発光素子では、透過領域330内でスキャンライン353間に(またはデータライン間に)選択的にパターン層332が配置され、絶縁膜310が、透過領域330内でパターン層332及びスキャンライン353(またはデータライン)を覆うように配置される。従って、絶縁膜310は、スキャンライン353とパターン層332との間に(またはデータラインとパターン層332との間に)充填され、パターン層332によってスキャンライン353(またはデータライン)が短絡するのを防止する。
【0028】
図9は、図7に対応する図面で、図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第3の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
本発明の第3の実施形態に係る有機発光素子では、透過領域430内でスキャンライン453間に(またはデータライン間に)選択的にパターン層432が配置され、絶縁隔壁410が、スキャンライン453とパターン層432との間に(またはデータラインとパターン層432との間に)配置され、パターン層432によりスキャンライン453(またはデータライン)が短絡するのを防止する。
【0029】
図10は、図7に対応する図面で、図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第4の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
本発明の第4の実施形態に係る有機発光素子は、透過領域530内にスキャンライン553(またはデータライン)を覆うように配置された絶縁膜510と、絶縁膜510上に選択的に配置されたパターン層532とを含む。さらに、絶縁膜510は、スキャンライン553(またはデータライン)の一部のみを覆っていてもよい。
【0030】
本発明の第4の実施形態に係る有機発光素子は、相互間の電気的な短絡を防止するため、パターン層532をスキャンライン553間に(またはデータライン間に)精密に形成する工程を必要としない。
【0031】
上述した本発明は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明に対する通常の知識を有した当業者であれば、本発明の技術的思想の範囲内で様々な修正、変更、付加が可能である。従って、このような修正、変更及び付加は、本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術の有機発光素子の平面図である。
【図2】図1の線A−Aに沿って切断された有機発光素子の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子のアクティブ領域に対する概略的な断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の平面図である。
【図5】図4の線B−Bに沿って切断された本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
【図6】(a)、(b)は、図4のD部分に対する拡大平面図で、本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子のパターン層の各配列形態を示す平面図である。
【図7】図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
【図8】図7に対応する図面で、図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第2の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
【図9】図7に対応する図面で、図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第3の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
【図10】図7に対応する図面で、図4の線C−Cに沿って切断された本発明の第4の実施形態に係る有機発光素子の断面図である。
【符号の説明】
【0033】
101 基板
120 アクティブ領域
130 透過領域
132 パターン層
140 キャップ接着領域
151 データライン
153 スキャンライン
155 パッド部
201 第1平面部
202 第2平面部
203 連結部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置されたアクティブ領域と、
前記基板上に配置され、前記アクティブ領域と電気的に接続された配線と、
前記基板に接着されて前記アクティブ領域を覆うキャップと、
前記キャップが前記基板に接着されるキャップ接着領域と前記アクティブ領域との間の透過領域上に配置されたパターン層と、を含むことを特徴とする表示素子。
【請求項2】
前記パターン層は、前記配線と離隔されている金属層であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項3】
前記表示素子は、前記パターン層上部に配置された絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の表示素子。
【請求項4】
前記表示素子は、前記パターン層と前記配線との間に配置された絶縁隔壁をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の表示素子。
【請求項5】
前記パターン層は、前記配線の材料からなることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項6】
前記表示素子は、前記パターン層上部に配置された絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の表示素子。
【請求項7】
前記表示素子は、前記パターン層と前記配線との間に配置された絶縁隔壁をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の表示素子。
【請求項8】
前記パターン層は、絶縁物質からなることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項9】
前記パターン層は、前記キャップ接着領域に直交する方向に位置するパターン層を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項10】
前記パターン層は、前記キャップ接着領域に対して所定角度で配置されるパターン層を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項11】
前記アクティブ領域は、前記基板上に配置されたアノード電極、該アノード電極上に配置された有機発光層、及び該有機発光層上に配置されたカソード電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項12】
基板と、
前記基板上に配置されたアクティブ領域と、
前記基板上に配置され、前記アクティブ領域と電気的に接続された配線と、
前記基板に接着され、前記アクティブ領域を覆うキャップと、
前記キャップが前記基板に接着されるキャップ接着領域と前記アクティブ領域との間の透過領域の少なくとも一部を覆うように配置された絶縁層と、
前記絶縁層上に配置されたパターン層と、を含むことを特徴とする表示素子。
【請求項13】
前記パターン層は、所定幅を有し、かつ前記キャップ接着領域の内側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の表示素子。
【請求項14】
前記パターン層は、金属層であることを特徴とする請求項12に記載の表示素子。
【請求項15】
前記パターン層は、前記キャップ接着領域に直交する方向に位置するパターン層を含むことを特徴とする請求項12に記載の表示素子。
【請求項16】
前記パターン層は、前記キャップ接着領域に対して所定角度で配置されるパターン層を含むことを特徴とする請求項12に記載の表示素子。
【請求項17】
前記アクティブ領域は、前記基板上に配置されたアノード電極、該アノード電極上に配置された有機発光層、及び該有機発光層上に配置されたカソード電極を含むことを特徴とする請求項12に記載の表示素子。
【請求項18】
基板と、
前記基板上に配置されたアクティブ領域と、
前記基板上に配置され、前記アクティブ領域と電気的に接続された配線と、
前記基板に接着される第1平面部、該第1平面部と異なる平面で前記アクティブ領域と対応するように配置する第2平面部、及び前記第1平面部と第2平面部を連結する連結部を含むキャップと、
前記キャップが前記基板に接着されるキャップ接着領域と前記アクティブ領域との間の透過領域上に配置されたパターン層と、を含むことを特徴とする表示素子。
【請求項19】
前記パターン層は、絶縁物質からなることを特徴とする請求項18に記載の表示素子。
【請求項20】
前記パターン層は、前記配線と離隔されている金属層であることを特徴とする請求項18に記載の表示素子。
【請求項21】
前記パターン層は、前記連結部に対応する前記透過領域に配置されることを特徴とする請求項18に記載の表示素子。
【請求項22】
前記パターン層は、絶縁物質からなることを特徴とする請求項21に記載の表示素子。
【請求項23】
前記パターン層は、前記配線と離隔されている金属層であることを特徴とする請求項22に記載の表示素子。
【請求項24】
前記パターン層は、前記配線の材料からなることを特徴とする請求項18に記載の表示素子。
【請求項25】
前記パターン層は、前記キャップ接着領域に直交する方向に位置するパターン層を含むことを特徴とする請求項18に記載の表示素子。
【請求項26】
前記パターン層は、前記キャップ接着領域に対して所定角度で配置されるパターン層を含むことを特徴とする請求項18に記載の表示素子。
【請求項27】
前記アクティブ領域は、前記基板上に配置されたアノード電極、該アノード電極上に配置された有機発光層、及び該有機発光層上に配置されたカソード電極を含むことを特徴とする請求項18に記載の表示素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−293265(P2007−293265A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337081(P2006−337081)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】