説明

表示装置、バリア装置、および表示装置の駆動方法

【課題】液晶バリアの応答時間を短くすることができる表示装置を得る。
【解決手段】表示部と、開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアを含むバリア部と、1または複数のバリア駆動信号DRVにより、バリア部を駆動するバリア駆動部とを備える。上記バリア駆動信号は、複数フレームにわたって、液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分(開閉駆動波形部分Woc)と、第1の波形部分または第2の波形部分の直前に位置し、第1の波形部分または第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分(準備駆動波形部分Wpre)とを含む信号である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、立体視表示が可能なパララックスバリア方式の表示装置、およびそのような表示装置に用いられるバリア装置、ならびに表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視表示を実現できる表示装置が注目を集めている。立体視表示は、互いに視差のある(視点の異なる)左眼映像と右眼映像を表示するものであり、観察者が左右の目でそれぞれを見ることにより奥行きのある立体的な映像として認識することができる。また、互いに視差がある3つ以上の映像を表示することにより、観察者に対してより自然な立体映像を提供することが可能な表示装置も開発されている。このような表示装置の一つに、視差バリア(パララックスバリア)方式の表示装置がある。この表示装置は、互いに視差がある複数の映像(視点映像)を同時に表示し、表示装置と観察者の視点との相対的な位置関係(角度)によって見える映像が異なるようになっている。例えば、特許文献1には、バリアとして液晶素子を用いた、パララックスバリア方式の表示装置が開示されている。
【0003】
ところで、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)では、例えばVA(Vertical Alignment)モードの液晶がしばしば用いられている。このような液晶表示装置では、液晶分子は、電圧無印加時(オフ状態)にはその長軸方向が基板面に対して垂直な方向に沿った配向となるが、電圧印加時(オン状態)には、その電圧の大きさに応じて液晶分子が倒れた(傾いた)配向となる。よって、電圧無印加の状態において液晶層に電圧が印加され、基板面に垂直に配向していた液晶分子が倒れる際、その倒れる方向が任意であるため、液晶分子の配向が乱れるおそれがある。この場合、このような液晶表示装置では、電圧に対する応答が遅くなってしまう。
【0004】
そこで、電圧応答時における液晶分子の倒れる方向を規制するために、予め液晶分子を特定の方向に傾けて配列させておく(いわゆるプレチルトを付与する)手法が利用されている。例えば、特許文献2,3には、画素電極に複数のスリットを設け、ポリマーにより液晶分子をプレチルト状態に保持するPSA(Polymer Sustained Alignment)方式が提案されている。このようなプレチルトを用いた手法によれば、液晶分子の電圧に対する応答特性を改善できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−104105号公報
【特許文献2】特開2003−279946号公報
【特許文献3】特開2006−330638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、液晶バリアを用いたパララックスバリア方式の表示装置では、液晶バリアを素早く開閉動作することが望まれている。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、液晶バリアの応答時間を短くすることができる表示装置、バリア装置、および表示装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示装置は、表示部と、バリア部と、バリア駆動部とを備えている。バリア部は、開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアを含むものである。バリア駆動部は、1または複数のバリア駆動信号により、バリア部を駆動するものである。上記バリア駆動信号は、複数フレームにわたって、液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、第1の波形部分または第2の波形部分の直前に位置し、第1の波形部分または第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分とを含む信号である。
【0009】
本開示のバリア装置は、バリア部と、バリア駆動部とを備えている。バリア部は、開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアを含むものである。バリア駆動部は、1または複数のバリア駆動信号により、バリア部を駆動するものである。上記バリア駆動信号は、複数フレームにわたって、液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、第1の波形部分または第2の波形部分の直前に位置し、第1の波形部分または第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分とを含む信号である。
【0010】
本開示の表示装置の駆動方法は、開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアに対して、複数フレームにわたって、液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、第1の波形部分もしくは第2の波形部分の直前に位置し、第1の波形部分もしくは第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分とを含む、1または複数のバリア駆動信号を供給し、表示部に映像を表示するものである。
【0011】
本開示の表示装置および表示装置の駆動方法では、複数の液晶バリアを開状態にすることにより、表示部に表示された映像が観察者に視認される。その際、液晶バリアには、第1の波形部分もしくは第2の波形部分の直前に第3の波形部分を有するバリア駆動信号が供給される。
【発明の効果】
【0012】
本開示の表示装置、バリア装置、および表示装置の駆動方法によれば、第1の波形部分もしくは第2の波形部分の直前に第3の波形部分を有するバリア駆動信号を用いるようにしたので、液晶バリアの応答時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の実施の形態に係る立体表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した表示駆動部の一構成例を表すブロック図である。
【図3】図1に示した表示部の一構成例を表す説明図である。
【図4】図1に示したバリア部の一構成例を表す説明図である。
【図5】図1に示したバリア部における透明電極の一構成例を表す説明図である。
【図6】図1に示したバリア部における液晶分子の配向を表す説明図である。
【図7】図1に示したバリア駆動信号の波形図である。
【図8】図1に示した他のバリア駆動信号の波形図である。
【図9】図1に示した液晶バリアのグループ構成例を表す説明図である。
【図10】図1に示した表示部およびバリア部の一動作例を表す模式図である。
【図11】図1に示した立体表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図12】図1に示した立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図13】図1に示した立体表示装置の他の動作例を表すタイミング波形図である。
【図14】図1に示した立体表示装置の他の動作例を表すタイミング波形図である。
【図15】比較例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図16】実施の形態の変形例に係るバリア駆動信号の一波形例を表す波形図である。
【図17】実施の形態の他の変形例に係るバリア駆動信号の一波形例を表す波形図である。
【図18】実施の形態の他の変形例に係るバリア駆動信号の一波形例を表すタイミング波形図である。
【図19】実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図20】実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図21】実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図22】実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図23】実施の形態の他の変形例に係る透明電極の一構成例を表す説明図である。
【図24】実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図25】実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[構成例]
(全体構成例)
図1は、第1の実施の形態に係る立体表示装置の一構成例を表すものである。なお、本開示の実施の形態に係るバリア装置、および表示装置の駆動方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。立体表示装置1は、制御部40と、バックライト駆動部42と、バックライト30と、表示駆動部50と、表示部20と、バリア駆動部41と、バリア部10とを備えている。
【0015】
制御部40は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42、表示駆動部50、およびバリア駆動部41に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。具体的には、制御部40は、バックライト駆動部42に対してバックライト制御信号CBLを供給し、表示駆動部50に対して映像信号Sdispに基づく映像信号Sを供給し、バリア駆動部41に対してバリア制御信号CBRを供給するようになっている。ここで、映像信号Sは、後述するように、立体表示装置1が通常表示(2次元表示)を行う場合には、映像信号SSから構成され、立体視表示を行う場合には、それぞれが複数(この例では4つ)の視点映像を含む映像信号SA,SBから構成されるものである。
【0016】
バックライト駆動部42は、制御部40から供給されるバックライト制御信号CBLに基づいてバックライト30を駆動するものである。バックライト30は、面発光した光を表示部20に対して射出する機能を有している。バックライト30は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)などを用いて構成されるものである。
【0017】
表示駆動部50は、制御部40から供給される映像信号Sに基づいて表示部20を駆動するものである。表示部20は、この例では液晶表示部であり、液晶表示素子を駆動して、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行うようになっている。
【0018】
バリア駆動部41は、制御部40から供給されるバリア制御信号CBRに基づいてバリア駆動信号DRVを生成し、バリア部10に供給するものである。バリア部10は、バックライト30から射出し表示部20を透過した光を透過(開状態)または遮断(閉状態)する複数の液晶バリア11,12(後述)を有している。ここで、バリア駆動信号DRVは、後述するように、液晶バリア11を駆動するためのバリア駆動信号DRVSと、液晶バリア12A(後述)を駆動する為のバリア駆動信号DRVAと、液晶バリア12B(後述)を駆動するためのバリア駆動信号DRVBを含むものである。
【0019】
立体表示装置1では、図1に示したように、バックライト30、表示部20、およびバリア部10が、この順に配置されている。つまり、バックライト30から射出した光は、表示部20およびバリア部10を介して、観察者に届くようになっている。
【0020】
(表示駆動部50および表示部20)
図2は、表示駆動部50および表示部20のブロック図の一例を表すものである。表示駆動部50は、タイミング制御部51と、ゲートドライバ52と、データドライバ53とを備えている。タイミング制御部51は、ゲートドライバ52およびデータドライバ53の駆動タイミングを制御するとともに、制御部40から供給された映像信号Sを映像信号S1としてデータドライバ53へ供給するものである。ゲートドライバ52は、タイミング制御部51によるタイミング制御に従って、表示部20内の画素Pixを行ごとに順次選択して、線順次走査するものである。データドライバ53は、表示部20の各画素Pixへ、映像信号S1に基づく画素信号を供給するものである。
【0021】
図3は、表示部20の一構成例を表すものであり、(A)は画素Pixの回路図の一例を示し、(B)は表示部20の断面構成を示す。
【0022】
画素Pixは、図3(A)に示したように、TFT(Thin Film Transistor)素子Trと、液晶素子LCと、保持容量素子Cとを備えている。TFT素子Trは、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)により構成されるものであり、ゲートがゲート線Gに接続され、ソースがデータ線Dに接続され、ドレインが液晶素子LCの一端と保持容量素子Cの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は接地されている。保持容量素子Cは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は保持容量線Csに接続されている。ゲート線Gはゲートドライバ52に接続され、データ線Dはデータドライバ53に接続されている。
【0023】
表示部20は、図3(B)に示したように、駆動基板201と対向基板205との間に、液晶層203を封止したものである。駆動基板201は、上記TFT素子Trを含む画素駆動回路(図示せず)が形成されたものであり、この駆動基板201上には、画素Pix毎に画素電極202が配設されている。対向基板205には、図示しないカラーフィルタやブラックマトリクスが形成されており、更に液晶層203側の面には、対向電極204が各画素Pixに共通の電極として配設されている。表示部20の光入射側(ここでは、バックライト30側)および光出射側(ここでは、バリア部10側)には、偏光板206a,206bが、互いにクロスニコルまたはパラレルニコルとなるように貼り合わせられている。
【0024】
(バリア部10およびバリア駆動部41)
図4は、バリア部10の一構成例を表すものであり、(A)はバリア部10における液晶バリアの配置構成を示し、(B)は(A)のバリア部10のIV−IV矢視方向の断面構成を示す。なお、この例では、バリア部10はノーマリーブラック動作を行うものとする。つまり、バリア部10は、駆動されていない状態では光を遮断するものとする。
【0025】
バリア部10は、いわゆるパララックスバリアであり、図4(A)に示したように、光を透過または遮断する、交互に配置された複数の液晶バリア11,12を有している。これらの液晶バリア11,12は、立体表示装置1が通常表示(2次元表示)および立体視表示のどちらを行うかにより、異なる動作を行う。具体的には、液晶バリア11は、後述するように、通常表示(2次元表示)の際には開状態(透過状態)になり、立体視表示を行う際には、閉状態(遮断状態)となるものである。液晶バリア12は、後述するように、通常表示の際には開状態になり、立体視表示の際には、開状態と閉状態との間で時分割的に切り換わるように動作(開閉動作)するものである。
【0026】
液晶バリア11,12は、XY平面における一方向(ここでは、例えば垂直方向Yから所定の角度θをなす方向)に延在して設けられている。角度θは、例えば18度に設定可能である。このように、液晶バリア11,12を斜め方向に延伸するように形成することにより、表示画面にモアレが発生するおそれを低減するとともに、立体視表示における解像度の低減を抑えることができるようになっている。この例では、液晶バリア11の幅E1と、液晶バリア12の幅E2とは、互いに等しく(E1=E2)なっている。但し、液晶バリア11,12の幅の大小関係はこれに限定されず、幅E1が幅E2よりも大きくてもよいし(E1>E2)、小さくてもよい(E1<E2)。なお、この幅E1,E2は、表示部20における画素Pixの配列ピッチや、表示する視点映像の視点数などにより決定される。
【0027】
バリア部10は、図4(B)に示したように、駆動基板310と、対向基板320との間に液晶層19を備えたものである。
【0028】
駆動基板310は、透明基板13と、透明電極層15とを備えている。透明基板13は、例えばガラス等から構成されるものである。そしてその上には、図示しない平坦化膜を介して透明電極層15が形成されている。透明電極層15は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜により構成されている。そして透明電極層15の上には、図示しない配向膜が形成されている。駆動基板310の、透明電極層15などが形成された面とは反対の面には、偏光板14が貼り付けられている。
【0029】
対向基板320は、透明基板16と、透明電極層17とを備えている。透明基板16は、透明基板15と同様に、例えばガラス等から構成されるものである。この透明基板15の上には、透明電極層17が形成されている。この透明電極層17は、透明電極層15と同様に、例えばITO等の透明導電膜により構成されている。そして、透明電極層17の上には、図示しない配向膜が形成されている。対向基板320の、透明電極層17などが形成された面とは反対の面には、偏光板18が貼り付けられている。偏光板14および偏光板18は、互いにクロスニコルになるように貼り合わせられている。具体的には、例えば、偏光板14は、その透過軸が水平方向Xに沿うように配置され、偏光板18は、その透過軸が垂直方向Yに沿うように配置されている。
【0030】
液晶層19は、例えば、VA(垂直配向)型の液晶分子を含むものである。この液晶分子は、例えば長軸および短軸をそれぞれ中心軸として回転対称な形状をなし、負の誘電率異方性(長軸方向における誘電率が短軸方向よりも小さい性質)を示すものである。
【0031】
透明電極層15は、複数の透明電極110,120を有している。これらの透明電極110,120には、バリア駆動部41によりバリア駆動信号DRVが印加される。透明電極層17は、複数の透明電極110,120に対応する位置にわたって、いわゆる共通電極として設けられており、共通電圧Vcomが印加されている。この例では、共通電圧Vcomは0Vの直流電圧であるが、これに限定されるものではない。透明電極層15の透明電極110と、液晶層19および透明電極層17におけるその透明電極110に対応する部分とは、液晶バリア11を構成している。同様に、透明電極層15の透明電極120と、液晶層19および透明電極層17におけるその透明電極120に対応する部分とは、液晶バリア12を構成している。このような構成により、バリア部10では、透明電極110,120に電圧を選択的に印加し、液晶層19がその電圧に応じた液晶配向になることにより、液晶バリア11,12毎の開閉動作を行うことができるようになっている。
【0032】
図5は、透明電極層15における透明電極110,120の一構成例を表すものである。透明電極110,120は、それぞれ、液晶バリア11,12の延伸方向と同じ方向(垂直方向Yから所定の角度θをなす方向)に延伸する幹部分61を有している。透明電極110,120には、それぞれ、幹部分61の延伸方向に沿ってサブ電極領域70が並設されている。各サブ電極領域70は、幹部分62と、枝部分63とを有している。幹部分62は、幹部分61と交差する方向に延伸するように形成されており、この例では、水平方向Xから所定の角度θをなす方向に延伸している。各サブ電極領域70には、幹部分61および幹部分62により区切られた4つの枝領域(ドメイン)71〜74が設けられている。
【0033】
枝部分63は、各枝領域71〜74において、幹部分61,62から延びるように形成されている。枝部分63のライン幅は、各枝領域71〜74において互いに等しくなっており、同様にスリット幅も、これらの枝領域71〜74において互いに等しくなっている。枝部分63は、枝領域71〜74のそれぞれにおいて同じ方向に延伸している。枝領域71の枝部分63の延伸方向と、枝領域73の枝部分63の延伸方向とは、垂直方向Yを軸として線対称になっており、同様に、枝領域72の枝部分63の延伸方向と、枝領域74の枝部分63の延伸方向とは、垂直方向Yを軸として線対称になっている。また、枝領域71の枝部分63の延伸方向と、枝領域72の枝部分63の延伸方向とは、水平方向Xを軸として線対称になっており、同様に、枝領域73の枝部分63の延伸方向と、枝領域74の枝部分63の延伸方向とは、水平方向Xを軸としては線対称になっている。この例では、具体的には、枝領域71,74の枝部分63は、水平方向Xから反時計まわりに所定の角度φだけ回転させた方向に延伸しており、枝領域72,73の枝部分63は、水平方向Xから時計まわりに所定の角度φだけ回転させた方向に延伸している。角度φは、例えば45度が望ましい。
【0034】
なお、この例では、上述したように、バリア部10の偏光板14,18の透過軸を、水平方向Xおよび垂直方向Yに沿う方向にしたので、角度φは45度が望ましいとしたが、例えば、バリア部10の偏光板14,18の透過軸が水平方向Xおよび垂直方向Yから45度の方向に沿う場合には、角度φは0,90度が望ましい。このケースは、例えば、表示部20がTN(Twisted Nematic)液晶を用いた液晶表示装置である場合などに対応するものである。
【0035】
図6は、液晶層19における、電圧無印加時の液晶分子Mの配向を表すものである。液晶層19では、配向膜との界面近傍の液晶分子Mの長軸方向が、配向膜からの規制により基板面に略垂直となるように配向しており、この界面近傍の液晶分子の配向に倣って他の液晶分子(例えば液晶層19の厚み方向における中央付近の液晶分子)も同等の方向に配向している。
【0036】
この構成により、透明電極110,120および透明電極層17に電圧を印加して、液晶層19の両側の電圧の電位差が大きくなると、液晶層19における光の透過率が増大し、液晶バリア11,12は遮断状態(閉状態)から透過状態(開状態)へ変化する。その際、透明電極110,120の枝部分63により、基板面と平行な方向の電界成分が生じ、電圧の印加に対して液晶分子Mが応答して倒れ、遮断状態から透過状態へ変化する。一方、その電位差が小さくなると、液晶分子Mの長軸方向が基板面の垂直方向に配向するようになり、液晶層19における光の透過率が減少し、液晶バリア11,12は遮断状態(閉状態)となる。
【0037】
図7は、液晶バリア11,12の動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRVの一波形例を示し、(B)は液晶バリア11,12における光の透過率Tを示す。この例では、液晶バリア11,12を、閉状態(遮断状態)から、開状態(透過状態)と閉状態(遮断状態)との間で時分割的に開閉動作する状態(開閉動作状態)に変化させる場合について示している。
【0038】
液晶バリア11,12を閉状態から開閉動作状態に変化させる場合には、バリア駆動部41は、図7(A)に示したように、開閉駆動波形部分Wocと、その直前に配置された準備駆動波形部分Wpreとからなるバリア駆動信号DRVを、液晶バリア11,12に対して供給する。
【0039】
開閉駆動波形部分Wocは、液晶バリア11,12を開状態と閉状態との間で繰り返し切り換えるための波形部分であり、この例では、−Vo,0V,Vo(Voは開駆動電圧)の間で遷移するパルス信号である。すなわち、開閉駆動波形部分Wocは、液晶層19においていわゆる焼き付きが生じるおそれを低減するために、0V(Vcom)を中心とした交流波形になっている。開駆動電圧Voは、液晶バリア11,12が開状態になるために必要な電圧であり、例えば7Vである。液晶バリア11,12に対して−Vo,Voが供給されたときには、液晶バリア11,12では、液晶層19の両側の透明電極15,17の電位差の絶対値はVoとなり、液晶層19の液晶分子Mがこの電圧の印加に応答して倒れる。これにより、液晶バリア11,12は、図7(B)に示したように、その光の透過率Tが上昇し開状態(透過状態)になる。一方、液晶バリア11,12に対して0Vが供給されたときには、液晶層19の両側の透明電極15,17の電位差の絶対値が0Vとなり、液晶分子Mの長軸方向が基板面の垂直方向に配向するようになる。これにより、液晶バリア11,12は、図7(B)に示したように、その光の透過率Tが低下し閉状態(遮断状態)になる。
【0040】
準備駆動波形部分Wpreは、液晶バリア11,12を開閉動作状態にする前段階として、その準備をするための波形部分であり、この例では、プレ電圧Vpreを有する直流波形である。ここで、プレ電圧Vpreは、開駆動電圧Voよりも低い電圧であり、例えば2Vである。この準備駆動波形部分Wpreが印加された液晶バリア11,12では、液晶層19の両側の透明電極15,17の電位差の絶対値はVpreとなる。このとき、液晶層19における液晶分子Mの長軸方向は、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向する。すなわち、各液晶分子の配向方向は、乱れることなく、所定の方位角の方向にほぼ揃った状態になる。なお、この状態でも、液晶バリア11,12における光の透過率Tは、十分に低くなっており、閉状態に近い状態になっている。そして、この準備駆動波形部分Wpreの後に開閉駆動波形部分Wocが印加された際には、液晶分子Mは、短い時間で倒れることができる。
【0041】
図8は、液晶バリア11,12の他の動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRVの他の波形例を示し、(B)は液晶バリア11,12における光の透過率Tを示す。この例では、液晶バリア11,12を、閉状態(遮断状態)から、開状態(透過状態)に変化させる場合について示している。
【0042】
液晶バリア11,12を閉状態から開状態に変化させる場合には、バリア駆動部41は、図8(A)に示したように、開駆動波形部分Woと、その直前に配置された準備駆動波形部分Wpreとからなるバリア駆動信号DRVを、液晶バリア11,12に対して供給する。
【0043】
開駆動波形部分Woは、液晶バリア11,12を開状態に維持するための波形部分であり、この例では、−VoとVo(Voは開駆動電圧)との間で遷移する交流波形のパルス信号である。液晶バリア11,12に対して−Vo,Voが供給されたときには、液晶バリア11,12では、液晶層19の両側の透明電極15,17の電位差の絶対値はVoとなり、液晶層19の液晶分子Mがこの電圧の印加に応答して倒れる。これにより、液晶バリア11,12は、図8(B)に示したように、その光の透過率Tが上昇し開状態(透過状態)になる。この開駆動波形部分Woの前に位置する準備駆動波形部分Wpreは、図7の場合と同様に、液晶バリア11,12を開閉動作状態にする前段階として、その準備をするための波形部分である。
【0044】
このように、立体表示装置1では、準備駆動波形部分Wpreを設けることにより、その後の開状態への移行時間を短くすることができ、液晶バリア11,12の応答時間を短くすることができるようになっている。また、立体表示装置1では、準備駆動波形部分Wpreを設けることにより、液晶分子Mの配向方向(方位角)の乱れを低減することができるので、液晶バリア11,12が開状態になったときの透過率をより高くすることができる。
【0045】
バリア部10では、複数の液晶バリア12はグループを構成し、同じグループに属する複数の液晶バリア12は、立体視表示を行う際、同じタイミングで開動作および閉動作を行うようになっている。以下に、液晶バリア12のグループについて説明する。
【0046】
図9は、液晶バリア12のグループ構成例を表すものである。液晶バリア12は、この例では2つのグループを構成している。具体的には、並設された複数の液晶バリア12が、交互にグループAおよびグループBを構成するようになっている。なお、以下では、グループAに属する液晶バリア12の総称として液晶バリア12Aを適宜用い、同様に、グループBに属する液晶バリア12の総称として液晶バリア12Bを適宜用いるものとする。
【0047】
立体視表示を行う際には、同じグループに属する複数の液晶バリア12は、同じタイミングで開閉動作を行う。具体的には、グループAに属する複数の液晶バリア12(液晶バリア12A)と、グループBに属する複数の液晶バリア(液晶バリア12B)は、時分割的に交互に開状態(透過状態)になるように開閉動作を行う。その際、液晶バリア11は閉状態(遮断状態)となる。また、通常表示(2次元表示)を行う際には、液晶バリア11,12(12A,12B)の全てが開状態となる。
【0048】
図10は、立体視表示および通常表示(2次元表示)を行う場合のバリア部10の状態を、断面構造を用いて模式的に表すものであり、(A)は立体視表示を行う一状態を示し、(B)は立体視表示を行う他の状態を示し、(C)は通常表示を行う状態を示す。この例では、液晶バリア12Aは、表示部20の4つの画素Pixに1つの割合で設けられている。同様に、液晶バリア12Bは、表示部20の4つの画素Pixに1つの割合で設けられている。以下の説明では、画素Pixは、3つのサブピクセル(RGB)から構成されたピクセルとするが、これに限定されるものではなく、例えば、画素Pixがサブピクセルであってもよい。また、バリア部10において、光が遮断される部分は斜線で示している。
【0049】
立体視表示を行う場合には、表示駆動部50に映像信号SA,SBが交互に供給され、表示部20はそれらに基づいて表示を行う。そして、バリア部10では、液晶バリア12(液晶バリア12A,12B)が時分割的に開閉動作を行い、液晶バリア11が閉状態(遮断状態)を維持する。具体的には、映像信号SAが供給された場合には、図10(A)に示したように、液晶バリア12Aが開状態になるとともに、液晶バリア12Bが閉状態になる。表示部20では、後述するように、この液晶バリア12Aに対応した位置に配置された互いに隣接する4つの画素Pixが、映像信号SAに含まれる4つの視点映像に対応する表示を行う。これにより、観察者は、後述するように、例えば左眼と右眼とで異なる視点映像を見ることにより、表示された映像を立体的な映像として感じるようになっている。同様に、映像信号SBが供給された場合には、図10(B)に示したように、液晶バリア12Bが開状態になるとともに、液晶バリア12Aが閉状態になる。表示部20では、後述するように、この液晶バリア12Bに対応した位置に配置された互いに隣接する4つの画素Pixが、映像信号SBに含まれる4つの視点映像に対応する表示を行う。これにより、観察者は、後述するように、例えば左眼と右眼とで異なる視点映像を見ることにより、表示された映像を立体的な映像として感じるようになっている。立体表示装置1では、このように、液晶バリア12Aと液晶バリア12Bを交互に開放して映像を表示することにより、後述するように、表示装置の解像度を高めることができるようになっている。
【0050】
一方、通常表示(2次元表示)を行う場合には、バリア部10では、図10(C)に示したように、液晶バリア11および液晶バリア12(液晶バリア12A,12B)はともに開状態(透過状態)を維持するようになっている。これにより、観察者は、映像信号SSに基づいて表示部20に表示された通常の2次元映像をそのまま見ることができる。
【0051】
ここで、開駆動波形部分Woは、本開示における「第1の波形部分」の一具体例に対応する。開閉駆動波形部分Wocは、本開示における「第2の波形部分」の一具体例に対応する。準備駆動波形部分Wpreは、本開示における「第3の波形部分」の一具体例に対応する。液晶バリア12(12A,12B)は、本開示における「第1系列の液晶バリア」の一具体例に対応し、液晶バリア11は、本開示における「第2系列の液晶バリア」の一具体例に対応する。幹部分61は、本開示における「第1の幹部分」の一具体例に対応し、幹部分62は、本開示における「第2の幹部分」の一具体例に対応する。枝領域71は、本開示における「第1の枝領域」の一具体例に対応し、枝領域72は、本開示における「第2の枝領域」の一具体例に対応し、枝領域73は、本開示における「第3の枝領域」の一具体例に対応し、枝領域74は、本開示における「第4の枝領域」の一具体例に対応する
【0052】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の立体表示装置1の動作および作用について説明する。
【0053】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、立体表示装置1の全体動作概要を説明する。制御部40は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、表示駆動部50、バックライト駆動部42、およびバリア駆動部41に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。バックライト駆動部42は、制御部40から供給されるバックライト制御信号CBLに基づいてバックライト30を駆動する。バックライト30は、面発光した光を表示部20に対して射出する。表示駆動部50は、制御部40から供給される映像信号Sに基づいて表示部20を駆動する。表示部20は、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行う。バリア駆動部41は、制御部40から供給されるバリア制御命令CBRに基づいてバリア駆動信号DRVを生成し、バリア部10に供給する。バリア部10の液晶バリア11,12(12A,12B)は、バリア制御命令CBRに基づいて開閉動作を行い、バックライト30から射出し表示部20を透過した光を透過または遮断する。
【0054】
(立体視表示の詳細動作)
次に、いくつかの図を参照して、立体視表示を行う場合の詳細動作を説明する。
【0055】
図11は、表示部20およびバリア部10の動作例を表すものであり、(A)は、映像信号SAが供給された場合を示し、(B)は映像信号SBが供給された場合を示す。
【0056】
映像信号SAが供給された場合には、図11(A)に示したように、表示部20の画素Pixのそれぞれは、映像信号SAに含まれる4つの視点映像のそれぞれに対応する画素情報P1〜P4を表示する。このとき、画素情報P1〜P4は、液晶バリア12A付近に配置された画素Pixにそれぞれ表示される。映像信号SAが供給された場合には、バリア部10では、液晶バリア12Aが開状態(透過状態)になるとともに、液晶バリア12Bが閉状態(遮断状態)になるように制御されている。表示部20の各画素Pixから出た光は、液晶バリア12Aによりそれぞれ角度が制限されて出力される。観察者は、例えば左眼で画素情報P2を、右眼で画素情報P3を見ることにより、立体的な映像を見ることができる。
【0057】
映像信号SBが供給された場合には、図11(B)に示したように、表示部20の画素Pixのそれぞれは、映像信号SBに含まれる4つの視点映像のそれぞれに対応する画素情報P1〜P4を表示する。このとき、画素情報P1〜P4は、液晶バリア12B付近に配置された画素Pixにそれぞれ表示される。映像信号SBが供給された場合には、バリア部10では、液晶バリア12Bが開状態(透過状態)になるとともに、液晶バリア12Aが閉状態(遮断状態)になるように制御されている。表示部20の各画素Pixから出た光は、液晶バリア12Bによりそれぞれ角度が制限されて出力される。観察者は、例えば左眼で画素情報P2を、右眼で画素情報P3を見ることにより、立体的な映像を見ることができる。
【0058】
このように、観察者は、左眼と右眼とで、画素情報P1〜P4のうちの異なる画素情報を見ることとなり、観察者は立体的な映像として感じることができる。また、液晶バリア12Aと液晶バリア12Bを時分割的に交互に開放して映像を表示することにより、観察者は、互いにずれた位置に表示される映像を平均化して見ることとなる。よって、立体表示装置1は、液晶バリア12Aのみをもつ場合に比べ、2倍の解像度を実現することが可能となる。言い換えれば、立体表示装置1の解像度は、2次元表示の場合に比べ1/3(=1/6×2)で済むこととなる。
【0059】
立体表示装置1では、液晶バリア11,12の応答時間を短くするために、バリア駆動部41は、液晶バリア11,12に対して、バリア駆動信号DRVとして準備駆動波形部分Wpreを供給する。具体的には、バリア駆動部41は、電源起動後や、立体視表示と通常表示(2次元表示)との間での表示モード切り換えの際に、液晶バリア11,12に対して、バリア駆動信号DRVとして準備駆動波形部分Wpreを供給する。次に、いくつかの例を参照して、立体表示装置1における表示動作を説明する。
【0060】
まず、立体視表示の表示モードでの電源起動の例を説明する。
【0061】
図12は、電源起動後における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)はバリア駆動信号DRVAの波形を示し、(D)は液晶バリア12Aにおける光の透過率Tを示し、(E)はバリア駆動信号DRVBの波形を示し、(F)は液晶バリア12Bにおける光の透過率Tを示す。なお、この例では、バリア駆動信号DRVSは0Vであり、液晶バリア11は閉状態(遮断状態)である。
【0062】
図12(A)の縦軸は、表示部20の線順次走査方向(Y方向)の位置を示している。つまり、図12(A)は、ある時刻の、Y方向における各位置での表示部20の動作状態を示している。図12(A)において、“SA”は表示部20が映像信号SAに基づく表示を行っている状態を示し、“SB”は表示部20が映像信号SBに基づく表示を行っている状態を示している。
【0063】
立体表示装置1は、電源起動後において、タイミングt0からt1の期間において、立体視表示動作の準備を行い、タイミングt1以降に、バックライト30、表示部20、バリア部10が同期して動作することにより、立体視表示動作を開始する。以下に、その詳細を説明する。
【0064】
まず、タイミングt0からt1の期間において、バリア駆動部41は、液晶バリア12Aに対して、バリア駆動信号DRVAとして準備駆動波形部分Wpreを供給するとともに(図12(C))、液晶バリア12Bに対して、バリア駆動信号DRVBとして準備駆動波形部分Wpreを供給する(図12(E))。これにより、液晶バリア12(12A,12B)の液晶層19では、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向する。このとき、液晶バリア12における光の透過率Tは、十分に低い状態を維持する(図12(D),(F))。
【0065】
その後、タイミングt1以降において、立体視表示動作が開始する。この立体視表示動作では、走査周期T1で行われる線順次走査により、液晶バリア12Aにおける表示(映像信号SAに基づく表示)と液晶バリア12Bにおける表示(映像信号SBに基づく表示)とを時分割的に行う。そして、表示周期T0ごとにこれらの表示を繰り返す。ここで、表示周期T0は、例えば、16.7[msec](60[Hz]の一周期分)にすることが可能である。この場合、走査周期T1は、4.2[msec](表示周期T0の4分の1)である。
【0066】
まず、タイミングt1〜t2の期間において、表示部20では、表示駆動部50から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、映像信号SAに基づく表示が行われる(図12(A))。バリア駆動部41は、バリア駆動信号DRVAとして、電圧Voを液晶バリア12Aに印加する(図12(C))。これにより、バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが上昇する(図12(D))。その際、液晶バリア12Aの液晶層19では、前段階において、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向しているため、この電圧Voの印加によって素早く倒れ、光の透過率Tは素早く上昇する。
【0067】
そして、タイミングt2〜t3の期間において、表示部20では、表示駆動部50から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、映像信号SAに基づく表示が再度行われる(図12(A))。すなわち、表示部20では、映像信号SAに基づく同じフレーム画像が2回繰り返して表示される。バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが十分に高くなって開状態となる(図12(D))。そして、バックライト30は、このタイミングt2〜t3の期間において点灯(ON)する(図12(B))。これにより、観察者は、タイミングt2〜t3の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。また、液晶バリア12Bにおける光の透過率Tが十分に低いため、映像信号SA,SBに基づく表示が混ざりにくくなり、いわゆるクロストークによる画質劣化を低減することができる。
【0068】
次に、タイミングt3〜t4の期間において、表示部20では、表示駆動部50から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、映像信号SBに基づく表示が行われる(図12(A))。バリア駆動部41は、バリア駆動信号DRVAとして、0Vを液晶バリア12Aに印加するとともに(図12(C))、バリア駆動信号DRVBとして、電圧Voを液晶バリア12Bに印加する(図12(E))。これにより、バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが低下するとともに(図12(D))、液晶バリア12Bの光の透過率Tが上昇する(図12(F))。その際、液晶バリア12Bの液晶層19では、前段階において、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向しているため、この電圧Voの印加によって素早く倒れ、光の透過率Tは素早く上昇する。バックライト30は、このタイミングt3〜t4の期間において消灯する(図12(B))。これにより、観察者は、表示部20における、映像信号SAに基づく表示から映像信号SBに基づく表示への過渡的な変化、および液晶バリア12における光の透過率Tの過渡的な変化を見ることがないので、画質劣化を低減することができる。
【0069】
そして、タイミングt4〜t5の期間において、表示部20では、表示駆動部50から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、映像信号SBに基づく表示が再度行われる(図12(A))。すなわち、表示部20では、映像信号SBに基づく同じフレーム画像が2回繰り返して表示される。バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが十分に低くなって閉状態になるとともに(図12(D))、液晶バリア12Bの光の透過率Tが十分に高くなって開状態となる(図12(F))。そして、バックライト30は、このタイミングt4〜t5の期間において点灯(ON)する(図12(B))。これにより、観察者は、タイミングt2〜t3の期間において、表示部20の映像信号SBに基づく表示を見ることができる。また、液晶バリア12Aにおける光の透過率Tが十分に低いため、映像信号SA,SBに基づく表示が混ざりにくくなり、いわゆるクロストークによる画質劣化を低減することができる。
【0070】
次に、タイミングt5〜t6の期間において、表示部20では、タイミングt1〜t2の期間と同様に、映像信号SAに基づく表示が行われる(図12(A))。バリア駆動部41は、バリア駆動信号DRVAとして、電圧(−Vo)を液晶バリア12Aに印加するとともに、バリア駆動信号DRVBとして、0Vを液晶バリア12Bに印加する(図12(C),(E))。これにより、バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが上昇するとともに、液晶バリア12Bの光の透過率Tが低下する(図12(D),(F))。その際、液晶バリア12Aの液晶層19では、タイミングt5において、液晶分子Mの長軸方向は、基板面の垂直方向には完全には戻っておらず、その垂直方向からやや傾いた方向(ある方位角の方向)に配向しているため、液晶分子Mは、電圧(−Vo)の印加によってこの方位角の方向から素早く倒れ、光の透過率Tは素早く上昇する。バックライト30は、このタイミングt5〜t6の期間において消灯する(図12(B))。
【0071】
そして、タイミングt6〜t7の期間において、表示部20では、タイミングt2〜t3の期間と同様に、映像信号SAに基づく表示が再度行われる(図12(A))。バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが十分に高くなって開状態になるとともに、液晶バリア12Bの光の透過率Tが十分に低くなって閉状態となる(図12(D),(F))。そして、バックライト30は、このタイミングt6〜t7の期間において点灯(ON)する(図12(B))。
【0072】
次に、タイミングt7〜t8の期間において、表示部20では、タイミングt3〜t4の期間と同様に、映像信号SBに基づく表示が行われる(図12(A))。バリア駆動部41は、バリア駆動信号DRVAとして、0Vを液晶バリア12Aに印加するとともに、バリア駆動信号DRVBとして、電圧(−Vo)を液晶バリア12Bに印加する(図12(C),(E))。これにより、バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが低下するとともに、液晶バリア12Bの光の透過率Tが上昇する(図12(D),(F))。その際、液晶バリア12Bの液晶層19では、タイミングt7において、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向に完全には戻っておらず、その垂直方向からやや傾いた方向(ある方位角の方向)に配向しているため、液晶分子Mは、電圧(−Vo)の印加によってこの方位角の方向から素早く倒れ、光の透過率Tは素早く上昇する。バックライト30は、このタイミングt7〜t8の期間において消灯する(図12(B))。
【0073】
そして、タイミングt8〜t9の期間において、表示部20では、タイミングt4〜t5の期間と同様に、映像信号SBに基づく表示が再度行われる(図12(A))。バリア部10では、液晶バリア12Aの光の透過率Tが十分に低くなって閉状態になるとともに、液晶バリア12Bの光の透過率Tが十分に高くなって開状態となる(図12(D),(F))。そして、バックライト30は、このタイミングt8〜t9の期間において点灯(ON)する(図12(B))。
【0074】
以後、上述したタイミングt1〜t9の期間の動作を繰り返すことにより、立体表示装置1は、映像信号SAに基づく表示(液晶バリア12Aにおける表示)と、映像信号SBに基づく表示(液晶バリア12Bにおける表示)とを交互に繰り返して行う。
【0075】
次に、通常表示(2次元表示)の表示モードでの電源起動の例を説明する。
【0076】
図13は、電源起動後における通常表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)はバリア駆動信号DRVSの波形を示し、(D)は液晶バリア11における光の透過率Tを示し、(E)はバリア駆動信号DRVAの波形を示し、(F)は液晶バリア12Aにおける光の透過率Tを示し、(G)はバリア駆動信号DRVBの波形を示し、(H)は液晶バリア12Bにおける光の透過率Tを示す。
【0077】
立体表示装置1は、電源起動後において、タイミングt20からt21の期間において、通常表示動作の準備を行い、タイミングt21以降に、表示部20、バリア部10が同期して動作することにより、通常表示動作を開始する。以下に、その詳細を説明する。
【0078】
まず、タイミングt20〜t21の期間において、バリア駆動部41は、液晶バリア11,12に対して、バリア駆動信号DRVとして準備駆動波形部分Wpreを供給する。具体的には、バリア駆動部41は、液晶バリア11に対して、バリア駆動信号DRVSとして準備駆動波形部分Wpreを供給し(図13(C))、液晶バリア12Aに対して、バリア駆動信号DRVAとして準備駆動波形部分Wpreを供給し(図13(E))、液晶バリア12Bに対して、バリア駆動信号DRVBとして準備駆動波形部分Wpreを供給する(図13(G))。これにより、液晶バリア11,12(12A,12B)の液晶層19では、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向する。このとき、液晶バリア11,12における光の透過率Tは、十分に低い状態を維持する(図13(D),(F),(G))。
【0079】
その後、タイミングt21以降において、通常表示動作が開始する。具体的には、バリア駆動部41が、液晶バリア11,12に対して、バリア駆動信号DRVとして開駆動波形部分Woを供給することにより、液晶バリア11,12が開状態になり、観察者が、これらの液晶バリア11,12を介して表示部20の表示を観察する。
【0080】
まず、タイミングt21〜t22の期間において、表示部20では、表示駆動部50から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、映像信号SSに基づく表示が行われる(図13(A))。バリア駆動部41は、バリア駆動信号DRVSとして、電圧Voを液晶バリア11に印加し、バリア駆動信号DRVAとして、電圧Voを液晶バリア12Aに印加し、バリア駆動信号DRVBとして、電圧Voを液晶バリア12Bに印加する(図13(C),(E),(G))。これにより、バリア部10では、液晶バリア11,12(12A,12B)の光の透過率Tが上昇する(図13(D),(F),(H))。その際、液晶バリア11,12の液晶層19では、前段階において、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向しているため、この電圧Voの印加によって素早く倒れ、光の透過率Tは素早く上昇する。そして、バックライト30は、タイミングt21以降、点灯(ON)する(図13(B))。
【0081】
そして、タイミングt22〜t23の期間において、表示部20では、映像信号SSに基づく表示が再度行われる(図13(A))。すなわち、立体表示装置1では、同じフレーム画像が2回繰り返して表示される。バリア部10では、液晶バリア11,12の光の透過率Tが十分に高くなって開状態となる(図13(D),(F),(H))。これにより、観察者は、表示部20の映像信号SSに基づく表示を見ることができる。
【0082】
次に、タイミングt23〜t24の期間において、表示部20では、映像信号SSに基づく次のフレーム画像の表示が行われる(図13(A))。バリア駆動部41は、バリア駆動信号DRVSとして、電圧(−Vo)を液晶バリア11に印加し、バリア駆動信号DRVAとして、電圧(−Vo)を液晶バリア12Aに印加し、バリア駆動信号DRVBとして、電圧(−Vo)を液晶バリア12Bに印加する(図13(C),(E),(G))。バリア部10では、液晶バリア11,12(12A,12B)の光の透過率Tが高いまま維持される。そして、タイミングt24〜t25の期間において、表示部20では、映像信号SSに基づく表示が再度行われる(図13(A))。このように、液晶バリア11,12の光の透過率Tが高いまま維持されるため、観察者は、表示部20の映像信号SSに基づく表示を見ることができる。
【0083】
以後、上述したタイミングt21〜t25の期間の動作を繰り返すことにより、立体表示装置1は、映像信号SSに基づく表示を行う。
【0084】
次に、立体視表示の表示モードから、通常表示(2次元表示)の表示モードにモードを切り換える場合の例を説明する。
【0085】
図14は、表示モード切り換え時における表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)はバリア駆動信号DRVSの波形を示し、(D)は液晶バリア11における光の透過率Tを示し、(E)はバリア駆動信号DRVAの波形を示し、(F)は液晶バリア12Aにおける光の透過率Tを示し、(G)はバリア駆動信号DRVBの波形を示し、(H)は液晶バリア12Bにおける光の透過率Tを示す。
【0086】
立体表示装置1では、例えば、ユーザからの指示に基づいて立体視表示から通常表示(2次元表示)へ表示モードを切り換える際、タイミングt31〜t32の期間において、通常表示の準備を行った後に、タイミングt32から、通常表示(2次元表示)を開始する。以下に、その詳細を説明する。
【0087】
まず、タイミングt31において、バリア駆動部41は、液晶バリア11に対して、バリア駆動信号DRVSとして準備駆動波形部分Wpreを供給する(図14(C))。これにより、液晶バリア11の液晶層19では、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向する。このとき、液晶バリア11における光の透過率Tは、十分に低い状態を維持する(図14(D))。
【0088】
次に、タイミングt32において、立体表示装置1は、立体視表示から通常表示に表示モードを切り換える。具体的には、まず、表示部20では、映像信号SA,SBに基づく表示から映像信号SSに基づく表示へ、表示が切り換わる(図14(A))。そして、バリア駆動部41は、バリア駆動信号DRVSとして、電圧Voを液晶バリア11に印加し、バリア駆動信号DRVAとして、電圧Voを液晶バリア12Aに印加し、バリア駆動信号DRVBとして、電圧Voを液晶バリア12Bに印加する(図14(C),(E),(G))。これにより、バリア部10では、液晶バリア11,12(12A,12B)の光の透過率Tが上昇する(図14(D),(F),(H))。その際、液晶バリア11の液晶層19では、前段階において、液晶分子Mの長軸方向が、基板面の垂直方向から傾いた方向に配向しているため、この電圧Voの印加によって素早く倒れ、光の透過率Tは素早く上昇する。
【0089】
このように、立体表示装置1では、液晶バリア11,12を開閉動作状態もしくは開状態にする前に、液晶バリア11,12に対して、バリア駆動信号DRVとして準備駆動波形部分Wpreを印加するようにしたので、液晶バリア11,12の応答時間を短くすることができる。
【0090】
(比較例)
次に、比較例と対比して、本実施の形態の作用を説明する。本比較例に係る立体表示装置1Rは、液晶バリア11,12を開閉動作状態もしくは開状態にする前に、液晶バリア11,12に対して、バリア駆動信号DRVとして準備駆動波形部分Wpreを印加しないバリア駆動部41Rを用いて構成したものである。その他の構成は、本実施の形態(図1)と同様である。
【0091】
図15は、立体表示装置1Rに係る、電源起動後における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)はバリア駆動信号DRVAの波形を示し、(D)は液晶バリア12Aにおける光の透過率Tを示し、(E)はバリア駆動信号DRVBの波形を示し、(F)は液晶バリア12Bにおける光の透過率Tを示す。すなわち、この図15は、本実施の形態の立体表示装置1に係るタイミング図(図12)に対応するものである。
【0092】
本比較例に係る立体表示装置1Rでは、バリア駆動部41Rは、立体表示装置1の場合(図12)とは異なり、電源起動後に、液晶バリア12に対して準備駆動波形部分Wpreを印加することなく、開閉駆動波形部分Wocを印加する。このとき、液晶バリア12の各液晶分子Mは、印加された電圧に応じて素早く倒れることができないため、液晶バリア12における光の透過率Tは素早く上昇することができない。また、各液晶分子Mは、配向方向が乱れたまま、印加された電圧に応答しようとするため、透過率Tを、開状態における所望の透過率Topenにまで十分に高くすることができない。
【0093】
一方、本実施の形態に係る立体表示装置1では、バリア駆動部41は、液晶バリア12に対して準備駆動波形部分Wpreを印加した後に、開閉駆動波形部分Wocを印加する。これにより、液晶バリア12の液晶層19では、液晶分子Mは、配向方向(方位角)が揃った後で開閉駆動波形部分Wocとして印加された電圧に応じて素早く倒れることができ、より短い応答時間で応答するとともに、開状態においてより高い透過率Tを実現することができる。
【0094】
なお、この例では、立体視表示の表示モードでの電源起動を例に説明したが、通常表示(2次元表示)の表示モードでの電源起動や、表示モードの切り換えでも同様であり、本実施の形態に係る立体表示装置1では、液晶バリア11,12の応答時間を短くすることができる。
【0095】
[効果]
以上のように本実施の形態では、準備駆動波形部分を設けるようにしたので、その後に開駆動波形部分もしくは開閉駆動波形部分が印加された場合における液晶バリアの応答時間を短くすることができる。さらに、この準備駆動波形部分により、液晶分子の配向方向の乱れを低減することができるので、液晶バリアが開状態になったときの透過率をより高くすることができる。
【0096】
また、本実施の形態では、準備駆動波形部分を印加することにより液晶分子を基板面の垂直方向から傾けるようにしたので、PSAなどによりあらかじめプレチルトを設ける場合に比べて、製造工程をよりシンプルにすることができる。
【0097】
また、本実施の形態では、プレチルトを設けないようにしたので、コントラストを高めることができる。すなわち、プレチルトを設けた場合には、液晶層19の両側の電位差が0Vである場合でも、液晶分子の長軸方向が基板面の垂直方向からややずれた向きに配向しているため、若干光を透過するおそれがあり、この場合にはコントラストが低下してしまう。一方、本実施の形態では、プレチルトを設けないようにしたので、コントラストを高めることができる。
【0098】
また、本実施の形態では、プレチルトを設けずに準備駆動波形部分を設けるようにしたので、液晶分子の応答時間を短くすることができる。すなわち、一般にプレチルトを設けた場合には、液晶分子には、そのプレチルトの方向に配向させるための力がかかることとなり、電圧印加に対する応答時間が長くなるおそれがある。一方、本実施の形態では、このプレチルトを設けずに、準備駆動波形部分を印加することにより液晶分子の配向方向をそろえるようにしたので、液晶分子の応答時間を短くすることができる。
【0099】
[変形例1]
上記実施の形態では、準備駆動波形部分Wpreは、プレ電圧Vpreを有する直流波形としたが、これに限定されるものではなく、上記実施の形態で示した図16(A)の他、例えば、図16(B)〜(G)に示した波形であってもよい。例えば、図16(B)に示したように、図16(A)における準備駆動波形部分Wpre全体を反転させてもよいし、図16(C)に示したように、0Vから複数回(この例では2回)にわたって段階的に上昇するパルス波形であってもよいし、図16(D)に示したように、図16(C)における準備駆動波形部分Wpreのうちの一部(この例では後半部分)を反転させてもよい。また、例えば、図16(E),(F)に示したように、電圧Voと0Vとの間で遷移する矩形波形であってもよい。この場合、実際に液晶層19に印加される実効的な電圧Veffを、図16(E),(F)に示したように、その矩形波形のデューティ比によって設定することができる。また、図16(G)に示したように、その矩形波形の周期を途中で変化させてもよい。
【0100】
また、準備駆動波形部分Wpreは、例えば図17(A)〜(C)に示したように、その平均電圧が0V(共通電圧Vcom)と等しくなるようにしてもよい。具体的には、例えば、図17(A)に示したように、図16(A)における準備駆動波形部分Wpreのうちの半分(この例では後半の半分)を反転してもよいし、図17(B)に示したように、図16(C)における準備駆動波形部分Wpreの各段を、途中で反転してもよい。また、例えば、図17(C)に示したように、図16(E)における準備駆動波形Wpreのうちの半分(この例では後半の半分)を反転してもよい。このように、準備駆動波形部分Wpreのうちの一部を反転して、その平均電圧を0V(共通電圧Vcom)と等しくすることにより、液晶層19のいわゆる焼きつきの影響を低減することができる。
【0101】
[変形例2]
また、上記実施の形態では、準備駆動波形部分Wpreは同じ波形パターンとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図18に示したように、液晶バリア11,12に対して準備駆動波形部分Wpreを印加するたびに、その極性を反転させるようにしてもよい。この例では、立体視表示の表示モードと、通常表示(2次元表示)の表示モードとの間で、複数回表示モードの切り換えをしている。立体視表示から通常表示に表示モードを切り換える際、バリア駆動部41は、図14の場合と同様に、液晶バリア11に対してバリア駆動信号DRVSとして準備駆動波形部分Wpreを供給する。このとき、準備駆動波形部分Wpreは、立体視表示から通常表示に表示モードを切り換えるたびに極性反転する。すなわち、本変形例に係るバリア駆動部は、液晶バリア11に対して、正のプレ電圧Vpreを準備駆動波形部分Wpreとして印加した場合には、次に準備駆動波形部分Wpreを印加する際には、負のプレ電圧Vpreを印加する。これにより、液晶層19のいわゆる焼きつきの影響を低減することができる。なお、ここでは、表示モードを切り換えるたびに極性反転する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、電源起動のたびに極性反転するようにしてもよい。
【0102】
[変形例3]
また、上記実施の形態等では、同じフレーム画像を2回ずつ繰り返して表示したが、これに限定するものではなく、これに代えて、例えば、図19に示したように、黒画像とフレーム画像とを交互に表示してもよい。ここで、図19(A)における“B”は、黒画像表示を行っている状態を示している。本変形例に係る立体表示装置1Bでは、表示部20Bは、黒画像Bと、映像信号SA,SBに基づくフレーム画像とを交互に表示する。具体的には、表示部20Bは、黒画像の表示と、映像信号SAに基づく表示と、黒画像の表示と、映像信号SBに基づく表示とを、この順番で繰り返して行う。そして、バックライト30は、表示部20Bが、映像信号SA,SBに基づくフレーム画像を表示している期間に対応する期間において点灯する。なお、ここでは、立体視表示動作を例に説明したが、同様に、通常表示動作において、黒画像とフレーム画像とを交互に表示してもよい。
【0103】
[変形例4]
また、上記実施の形態等では、立体視表示において、バリア駆動部41は、液晶バリア12(12A,12B)に対して、電圧Voあるいは電圧(−Vo)のいずれかを供給することにより、液晶バリア12を開状態にしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図20に示したように、電圧Voと電圧(−Vo)の間で変化するパルスを供給することにより、液晶バリア12を開状態にしてもよい。
【0104】
[変形例5]
また、上記実施の形態等では、立体視表示において、液晶バリア12が時分割的に開閉動作したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、液晶バリア12が時分割的な開閉動作を行わず、常に開状態にしてもよい。以下に、その詳細を示す。
【0105】
図21は、本変形例に係る立体表示装置1Cにおける立体視表示の動作例を表すものである。立体表示装置1Cのバリア部10Cでは、この例では、3つの液晶バリア11と1つの液晶バリア12とが、交互に並んでいる。そして立体視表示を行う場合には、液晶バリア12が開状態となり、液晶バリア11が閉状態となる。表示駆動部50には、制御部40から立体視表示のための映像信号STが供給される。そして、表示部20は、その映像信号STに基づいて、液晶バリア12に対応する位置に画素情報P1〜P4を表示する。
【0106】
図22は、立体表示装置1Cの、電源起動後における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は本変形例に係る表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)は液晶バリア12を駆動するためのバリア駆動信号DRVTの波形を示し、(D)は液晶バリア12における光の透過率Tを示す。なお、この例では、バリア駆動信号DRVSは0Vであり、液晶バリア11は閉状態(遮断状態)である。この例では、タイミングt60〜t61の期間において、バリア駆動部41が、液晶バリア12に対して、準備駆動波形部分Wpreをバリア駆動信号DRVTとして供給する。そして、タイミングt61以降において、バリア駆動部41が、液晶バリア12に対して開駆動波形部分Woをバリア駆動信号DRVTとして供給する。
【0107】
[変形例6]
また、上記実施の形態等では、液晶バリア11,12は、垂直方向Yから所定の角度θをなす方向に延伸するように形成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、垂直方向Yに延伸するように形成してもよい。この場合には、透明電極110D,120Dは、図23に示したように、液晶バリア11,12の延伸方向と同じ垂直方向Yに延伸するように形成される。
【0108】
[変形例7]
また、上記実施の形態等では、バックライト30、表示部20、バリア部10は、この順に配置したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、図24に示したように、バックライト30、バリア部10、表示部20の順に配置してもよい。
【0109】
図25は、本変形例に係る表示部20およびバリア部10の動作例を表すものであり、(A)は、映像信号SAが供給された場合を示し、(B)は映像信号SBが供給された場合を示す。本変形例では、バックライト30から射出した光は、まずバリア部10に入射する。そして、その光のうち、液晶バリア12A,12Bを透過した光が表示部20において変調されるとともに、4つの視点映像を出力するようになっている。
【0110】
[変形例8]
上記実施の形態等では、バックライト30は、面発光を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、垂直方向Yに分割された複数のサブ発光部を有するバックライトを用い、表示部20における表示走査に同期して各サブ発光部を時分割的に発光させるようにしてもよい。
【0111】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0112】
例えば、上記実施の形態等では、立体視表示の表示モードでの電源起動の際、図12等に示したように、バリア駆動部41が、液晶バリア12A,12Bの両方に対して同時に準備駆動波形部分Wpreを供給し始めたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、その供給開始タイミングがずれていてもよい。同様に、通常表示(2次元表示)の表示モードでの電源起動の際、図13等に示したように、バリア駆動部41が、液晶バリア11,12(12A,12B)に対して同時に準備駆動波形部分Wpreを供給し始めたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、その供給開始タイミングがずれていてもよい。
【0113】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0114】
(1)表示部と、
開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアを含むバリア部と、
1または複数のバリア駆動信号により、前記バリア部を駆動するバリア駆動部と
を備え、
前記バリア駆動信号は、
複数フレームにわたって、前記液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または前記液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、
前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の直前に位置し、前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分と
を含む信号である
表示装置。
【0115】
(2)3次元映像表示モードおよび2次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記バリア部は、複数の第1系列の液晶バリアと複数の第2系列の液晶バリアを有し、
前記バリア駆動部は、
前記2次元映像表示モードでは、前記第2系列の液晶バリアに前記第1の波形部分を供給し、
前記3次元映像表示モードでは、前記第2系列の液晶バリアに直流電圧を供給する
前記(1)に記載の表示装置。
【0116】
(3)前記3次元映像表示モードから前記2次元映像表示モードへのモード切り換えの直前に、前記2系列の液晶バリアに前記第3の波形部分を供給する
前記(2)に記載の表示装置。
【0117】
(4)前記バリア駆動部は、前記2次元映像表示モードでの起動時に、前記第2系列の液晶バリアに前記第3の波形部分を供給する
前記(2)または(3)に記載の表示装置。
【0118】
(5)前記複数の第1系列の液晶バリアは、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記バリア駆動部は、
前記2次元映像表示モードでは、前記第1系列の液晶バリアに前記第1の波形部分を供給し、
前記3次元映像表示モードでは、前記第1系列の液晶バリアに、グループ間で互いに位相がずれた前記第2の波形部分を供給する
前記(2)から(4)のいずれかに記載の表示装置。
【0119】
(6)前記バリア駆動部は、前記2次元映像表示モードおよび前記3次元映像表示モードでは、前記第1系列の液晶バリアに前記第1の波形部分を供給する
前記(2)から(4)のいずれかに記載の表示装置。
【0120】
(7)前記バリア駆動部は、起動時に、前記第1系列の液晶バリアに前記第3の波形部分を供給する
前記(2)から(6)のいずれかに記載の表示装置。
【0121】
(8)前記第3の波形部分は、前記直流電圧と異なる電圧を有する直流波形である
前記(2)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0122】
(9)前記第3の波形部分は、パルス波形である
前記(2)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0123】
(10)前記第3の波形部分は、前記第1の波形部分もしくは前記第2の波形部分の波高値の最大値と等しい最大波高値を有する
前記(9)に記載の表示装置。
【0124】
(11)前記第3の波形部分は、極性が交番する波形である
前記(2)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0125】
(12)前記第3の波形部分は、正電圧となる時間と負電圧となる時間とが互いに等しい
前記(11)に記載の表示装置。
【0126】
(13)前記バリア駆動部は、前記第3の波形部分を前記液晶バリアに印加する際、前回に印加した前記第3の波形部分を反転して印加する
前記(2)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0127】
(14)各液晶バリアは、第1の方向に延在するように形成され、液晶層と、前記第1の方向に並設された複数のサブ電極を含み、
各サブ電極は、
前記第1の方向に延伸する第1の幹部分と、
前記第1の幹部分と交差する方向に延伸する第2の幹部分と、
前記第1の幹部分および前記第2の幹部分の両方から遠ざかる方向に延伸する複数の枝部分と
を有し、
前記複数の枝部分は、
前記第1の幹部分の片側において、前記第2の幹部分を挟んで配置された第1の枝領域および第2の枝領域と、
前記第1の幹部分に対して、前記第1の枝領域の反対側に配置された第3の枝領域と、
前記第1の幹部分に対して、前記第2の枝領域の反対側に配置された第4の枝領域
の各領域内において、同じ方向に延伸している
前記(1)に記載の表示装置。
【0128】
(15)前記液晶層の一方の側に設けられ、前記表示部の表示面内における垂直方向および水平方向のうちの一方の方向に偏光した光を通過させる第1の偏光板と、
前記液晶層の、前記第1の偏光板が設けられた側とは反対側に設けられ、前記垂直方向および前記水平方向のうちの他方の方向に偏光した光を通過させる第2の偏光板と
をさらに備え、
前記第1の枝領域における枝部分および前記第4の枝領域における枝部分は、前記水平方向から反時計まわりに45度傾いた方向に延伸し、
前記第2の枝領域における枝部分および前記第3の枝領域における枝部分は、前記水平方向から時計まわりに45度傾いた方向に延伸している
前記(14)に記載の表示装置。
【0129】
(16)前記バリア部は、
前記液晶層を挟んで前記サブ電極の反対側に、前記複数の液晶バリアに対応する領域にわたり共通に形成された共通電極を有する
前記(14)に記載の表示装置。
【0130】
(17)前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記液晶表示部は、前記バックライトと前記バリア部との間に配置されている
前記(1)に記載の表示装置。
【0131】
(18)前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記バリア部は、前記バックライトと前記液晶表示部との間に配置されている
前記(1)に記載の表示装置。
【0132】
(19)開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアを含むバリア部と、
1または複数のバリア駆動信号により、前記バリア部を駆動するバリア駆動部と
を備え、
前記バリア駆動信号は、
複数フレームにわたって、前記液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または前記液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、
前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の直前に位置し、前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分と
を含む信号である
バリア装置。
【0133】
(20)開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアに対して、
複数フレームにわたって、前記液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または前記液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、
前記第1の波形部分もしくは前記第2の波形部分の直前に位置し、前記第1の波形部分もしくは前記第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分と
を含む、1または複数のバリア駆動信号を供給し、
表示部に映像を表示する
表示装置の駆動方法。
【符号の説明】
【0134】
1…立体表示装置、10…バリア部、11,12,12A,12B…液晶バリア、13…透明基板、14…偏光板、15…透明電極層、16…透明基板、17…透明電極層、18…偏光板、19…液晶層、20…表示部、30…バックライト、40…制御部、41…バリア駆動部、42…バックライト駆動部、50…表示駆動部、51…タイミング制御部、52…ゲートドライバ、53…データドライバ、61,62…幹部分、63…枝部分、70…サブ電極領域、71〜74…枝領域、110,120…透明電極、201…駆動基板、202…画素電極、203…液晶層、204…対向電極、205…対向基板、206a,206b…偏光板、310…駆動基板、320…対向基板、A,B…グループ、C…保持容量、CBL…バックライト制御信号、CBR…バリア制御信号、Cs…保持容量線、D…データ線、DRV,DRVA,DRVB,DRVS…バリア駆動信号、E1,E2…幅、G…ゲート線、LC…液晶素子、M…液晶分子、P1〜P4…画素情報、P2D…通常表示期間、P3D…立体視表示期間、Pix…画素、S,S1,SA,SB,SS,Sdisp…映像信号、Tr…TFT素子、Vcom…共通電圧、Vo…開駆動電圧、Vpre…プレ電圧、Wo…開駆動波形部分、Woc…開閉駆動波形部分、Wpre…準備駆動波形部分、θ,φ…角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアを含むバリア部と、
1または複数のバリア駆動信号により、前記バリア部を駆動するバリア駆動部と
を備え、
前記バリア駆動信号は、
複数フレームにわたって、前記液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または前記液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、
前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の直前に位置し、前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分と
を含む信号である
表示装置。
【請求項2】
3次元映像表示モードおよび2次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記バリア部は、複数の第1系列の液晶バリアと複数の第2系列の液晶バリアを有し、
前記バリア駆動部は、
前記2次元映像表示モードでは、前記第2系列の液晶バリアに前記第1の波形部分を供給し、
前記3次元映像表示モードでは、前記第2系列の液晶バリアに直流電圧を供給する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記3次元映像表示モードから前記2次元映像表示モードへのモード切り換えの直前に、前記2系列の液晶バリアに前記第3の波形部分を供給する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記バリア駆動部は、前記2次元映像表示モードでの起動時に、前記第2系列の液晶バリアに前記第3の波形部分を供給する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の第1系列の液晶バリアは、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記バリア駆動部は、
前記2次元映像表示モードでは、前記第1系列の液晶バリアに前記第1の波形部分を供給し、
前記3次元映像表示モードでは、前記第1系列の液晶バリアに、グループ間で互いに位相がずれた前記第2の波形部分を供給する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記バリア駆動部は、前記2次元映像表示モードおよび前記3次元映像表示モードでは、前記第1系列の液晶バリアに前記第1の波形部分を供給する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記バリア駆動部は、起動時に、前記第1系列の液晶バリアに前記第3の波形部分を供給する
請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3の波形部分は、前記直流電圧と異なる電圧を有する直流波形である
請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第3の波形部分は、パルス波形である
請求項2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3の波形部分は、前記第1の波形部分もしくは前記第2の波形部分の波高値の最大値と等しい最大波高値を有する
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第3の波形部分は、極性が交番する波形である
請求項2に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第3の波形部分は、正電圧となる時間と負電圧となる時間とが互いに等しい
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記バリア駆動部は、前記第3の波形部分を前記液晶バリアに印加する際、前回に印加した前記第3の波形部分を反転して印加する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項14】
各液晶バリアは、第1の方向に延在するように形成され、液晶層と、前記第1の方向に並設された複数のサブ電極を含み、
各サブ電極は、
前記第1の方向に延伸する第1の幹部分と、
前記第1の幹部分と交差する方向に延伸する第2の幹部分と、
前記第1の幹部分および前記第2の幹部分の両方から遠ざかる方向に延伸する複数の枝部分と
を有し、
前記複数の枝部分は、
前記第1の幹部分の片側において、前記第2の幹部分を挟んで配置された第1の枝領域および第2の枝領域と、
前記第1の幹部分に対して、前記第1の枝領域の反対側に配置された第3の枝領域と、
前記第1の幹部分に対して、前記第2の枝領域の反対側に配置された第4の枝領域
の各領域内において、同じ方向に延伸している
請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記液晶層の一方の側に設けられ、前記表示部の表示面内における垂直方向および水平方向のうちの一方の方向に偏光した光を通過させる第1の偏光板と、
前記液晶層の、前記第1の偏光板が設けられた側とは反対側に設けられ、前記垂直方向および前記水平方向のうちの他方の方向に偏光した光を通過させる第2の偏光板と
をさらに備え、
前記第1の枝領域における枝部分および前記第4の枝領域における枝部分は、前記水平方向から反時計まわりに45度傾いた方向に延伸し、
前記第2の枝領域における枝部分および前記第3の枝領域における枝部分は、前記水平方向から時計まわりに45度傾いた方向に延伸している
請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記バリア部は、
前記液晶層を挟んで前記サブ電極の反対側に、前記複数の液晶バリアに対応する領域にわたり共通に形成された共通電極を有する
請求項14に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記液晶表示部は、前記バックライトと前記バリア部との間に配置されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記バリア部は、前記バックライトと前記液晶表示部との間に配置されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアを含むバリア部と、
1または複数のバリア駆動信号により、前記バリア部を駆動するバリア駆動部と
を備え、
前記バリア駆動信号は、
複数フレームにわたって、前記液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または前記液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、
前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の直前に位置し、前記第1の波形部分または前記第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分と
を含む信号である
バリア装置。
【請求項20】
開状態と閉状態とを切り換え可能な複数の液晶バリアに対して、
複数フレームにわたって、前記液晶バリアを開状態に保持するための一連の波形からなる第1の波形部分、または前記液晶バリアの開閉を切り換えるための一連の波形からなる第2の波形部分と、
前記第1の波形部分もしくは前記第2の波形部分の直前に位置し、前記第1の波形部分もしくは前記第2の波形部分の波高値の最大値よりも小さい平均波高値を有する第3の波形部分と
を含む、1または複数のバリア駆動信号を供給し、
表示部に映像を表示する
表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−242673(P2012−242673A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113894(P2011−113894)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】