説明

表示装置、光検出方法

【課題】画素回路及び光検出回路を省面積で配置可能としつつ適切な光検出を行う。
【解決手段】
画素アレイ内における画素回路のうちの一部となる複数の画素回路(ダミー画素ブロックを構成する一群の画素回路)に対応して複数の受光素子SLを配置する。そして複数の受光素子SLを一の検出信号出力回路31に共通に接続し、検出信号出力回路31で、複数の受光素子SLにおいて得られる受光光量に応じた出力から光検出信号を生成して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素回路がマトリクス状に配置された画素アレイを有する表示装置と、その表示駆動方法であって、例えば発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた表示装置と、その光検出方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特表2007−501953号公報
【特許文献2】特表2008−518263号公報
【背景技術】
【0003】
有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)発光素子を画素に用いたアクティブマトリクス方式の表示装置では、各画素回路内部の発光素子に流れる電流を、画素回路内部に設けた能動素子(一般には薄膜トランジスタ:TFT)によって制御する。有機ELは電流発光素子のため、EL素子に流れる電流量をコントロールすることで発色の階調を得ている。
即ち有機EL素子を有する画素回路では、与えられた信号値電圧に応じた電流を有機EL素子に流すことで、信号値に応じた階調の発光が行われるようにしている。
【0004】
このような有機EL素子を用いた表示装置など、自発光素子を用いた表示装置では、画素間の発光輝度のばらつきを無くして画面上に生じるムラなどを無くすことが重要である。
有機EL素子は時間経過や温度によって発光効率が低下し輝度劣化が生ずる。つまり同じ信号値を与えて同じ電流を流しても、その発光輝度が時間と共に低下してしまう。例えば図13は、200nitの輝度で発光させた有機EL素子の、時間経過による発光輝度の劣化率を表している。
【0005】
また、輝度劣化量は発光させる輝度によっても変動する。すると、輝度劣化量は表示映像に依存する為、各画素毎に劣化量は異なってしまう。このため例えば相対的に明るい画素、長く表示された画素が焼き付いてしまうという問題がある。
図14(a)は、一例として全体を黒表示とした画面上で、一部分に「BS」という高輝度の固定パターンを表示させた状態を示している。このような表示を長時間行うと、「BS」表示部分の画素が、他の黒表示部分の画素よりも輝度劣化が進行する。
【0006】
その後、例えば図14(b)のように、画面上の全画素に対して同一の高階調の信号値を与えて、全体が白表示となる画面表示を行わせるとする。各画素に与える信号値は全て例えば白レベル階調の値であるため、一面、白の画像となるはずである。
ところが、上記の「BS」部分の画素のみ、輝度劣化が進行していると、図14(c)のように、「BS」部分の画素のみで発光輝度が低下し、画面上、焼き付きが生じた状態となってしまう。
【0007】
このような状況に対処するものとして、上記特許文献1,2では、各画素回路内に光センサを配置して、光センサの検出値をパネル内でフィードバックして発光輝度を補正する方式や、光センサからシステムにフィードバックして補正する方式が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画素の発光輝度を検出する構成として、図15(a)のようなセンサ外付型と、図15(b)のセンサ内蔵型がある。
図15(a)の場合、ガラス基台101上の樹脂層100内に画素回路101及び有機EL素子103が形成される。そして樹脂層103の上面に輝度センサ104が配置されて、有機EL素子103からの光を受光する構成とされる。輝度センサ104はa−Si(アモルファスシリコン)センサーなどで形成される。この場合、画素回路101は表示有効領域外のダミー画素とされる。
【0009】
また図15(b)の場合、ガラス基台101上の樹脂層100内に画素回路101及び有機EL素子103が形成される。そして画素回路101と同一層(有機EL素子103の下方)に輝度センサ104が配置されて、有機EL素子103からの光を受光する構成とされる。輝度センサ104はPINダイオードなどで形成される。
【0010】
しかしながら、図15(a)の場合、ダミー画素との位置合わせ精度の課題があり、製造効率が悪い。
一方、図15(b)のセンサ内蔵型では、例えば画素回路101と輝度センサ104を同一プロセスで形成していくことができ、位置合わせ精度は問題にならない。
ところが、輝度センサ104及びその受光情報を出力する検出信号出力回路を、画素回路と同一平面にレイアウトしていく必要から、1つの画素回路領域に対して必要となる面積が増大する。また1つの画素回路領域にPINダイオードや検出信号出力回路の素子を形成するため、素子数が増大するという問題がある。
【0011】
本発明は、画素回路領域に輝度センサを内蔵する図15(b)のセンサ内蔵型の構成を採る。その上で、画素回路領域における素子数の削減、及びそれによる画素回路領域の省面積を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の表示装置は、入力された信号値に応じて発光駆動される発光素子を有する画素回路が、マトリクス状に配置されて成る画素アレイと、上記画素アレイにおける各画素回路に信号値を与えて、各画素回路で信号値に応じた輝度の発光を行わせる発光駆動部と、上記画素アレイ内における画素回路のうちの一部となる複数の画素回路に対応して配置される複数の受光素子と、該複数の受光素子が接続され、上記複数の受光素子において得られる受光光量に応じた出力から光検出信号を生成して出力する検出信号出力回路と、を有する光検出部とを備える。
【0013】
また上記画素アレイにおける有効表示領域外となる複数の上記画素回路がダミー画素回路とされ、上記光検出部における複数の受光素子は、同一の信号値で発光させる複数のダミー画素回路に対応して配置されている。
また同一の信号値で発光させる一群のダミー画素回路から成るダミー画素ブロックが複数形成されており、上記光検出部は、上記各ダミー画素ブロックに対応して設けられている。
また上記光検出部における各受光素子は各ダミー画素回路の近傍位置に配置され、上記検出信号出力回路は、上記画素アレイの外部に配置されている。
また上記光検出部は、R画素、G画素、B画素としての各色の発光を行うダミー画素回路を含む上記各ダミー画素ブロックに対応して設けられている。
或いは上記光検出部は、R画素、G画素、B画素のうちの1つの色の発光を行うダミー画素回路のみを含む上記各ダミー画素ブロックに対応して設けられている。
【0014】
また上記光検出部における上記検出信号出力回路は、複数の受光素子における受光光量による電流変動に応じて電圧が変動する光検出信号を出力する構成とされている。
或いは、上記光検出部における上記検出信号出力回路は、複数の受光素子における受光光量による電流変動に応じて変動する電圧値をデジタル信号に変換した光検出信号を出力する構成とされている。
また上記光検出部による検出信号に基づいて、上記発光駆動部が上記画素アレイにおける各画素回路に与える信号値を補正する補正処理部をさらに備える。
【0015】
本発明の光検出方法は、上記画素アレイと上記発光駆動部とを備えた表示装置の光検出方法として、上記画素アレイ内における画素回路のうちの一部となる複数の画素回路に対応して複数の受光素子を配置し、該複数の受光素子を一の検出信号出力回路に共通に接続し、該検出信号出力回路が、上記複数の受光素子において得られる受光光量に応じた出力から光検出信号を生成して出力する光検出方法である。
【0016】
このような本発明では、例えばTFTアクティブマトリックス有機EL表示装置などにおいて、TFT内蔵側のPINダイオードなどの受光素子を用いることが想定される。
例えばそのような場合に、複数の画素回路(例えば複数のダミー画素回路)について、複数の受光素子を配置する。ただし、この複数の受光素子を、一の検出信号出力回路に共通に接続する。即ち1つの受光素子につき1つの検出信号出力回路で、1つの光検出部を構成するのではなく、複数の受光素子と1つの検出信号出力回路で1つの光検出部を構成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の画素回路(例えば複数のダミー画素回路)について、複数の受光素子を配置し、この複数の受光素子を、一の検出信号出力回路に共通に接続する。そして検出信号出力回路は、複数の受光素子で得られる受光光量に応じた出力から光検出信号を生成して出力する。
これにより、画素回路のレイアウトスペースにおいて共に受光素子を配置する際に、各画素回路領域に検出信号出力回路を配置しない構成を採ることができる。従って画素回路領域のレイアウトスペース内での素子数の削減、及びそれによる画素回路領域の省面積を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態の表示装置の構成のブロック図である。
【図2】実施の形態の表示パネル部分の構成のブロック図である。
【図3】実施の形態の画素回路の回路図である。
【図4】実施の形態のダミー画素回路を含む画素アレイの説明図である。
【図5】実施の形態の画素回路の発光動作の説明図である。
【図6】実施の形態の光検出部の検出動作の説明図である。
【図7】実施の形態の補正処理に用いる輝度劣化曲線の説明図である。
【図8】実施の形態の信号値補正処理の説明図である。
【図9】実施の形態の構成例Iの光検出部の回路図である。
【図10】実施の形態の省面積化の説明図である。
【図11】実施の形態の構成例IIの光検出部の回路図である。
【図12】実施の形態の構成例III光検出部の回路図である。
【図13】時間経過による有機EL素子の輝度劣化の説明図である。
【図14】輝度劣化による焼き付きの説明図である。
【図15】センサ構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
<1.表示装置の構成>
<2.画素回路の動作>
<3.光検出部の動作及び補正処理>
<4.実施の形態の光検出部の構成>
[4−1:構成例I]
[4−2:構成例II]
[4−3:構成例III]
<5.変形例>
【0020】
<1.表示装置の構成>

図1に実施の形態の有機EL表示装置の構成を示す。
この有機EL表示装置は、有機EL素子を発光素子とし、アクティブマトリクス方式で発光駆動を行うものである。
【0021】
図1では表示パネル部分の構成として、画素アレイ20、水平セレクタ11、ドライブスキャナ12、ライトスキャナ13を示している。
画素アレイ20には、図2で後述するように画素回路10がマトリクス状に配置される。水平セレクタ11、ドライブスキャナ12、ライトスキャナ13は、画素アレイ20における各画素回路10にそれぞれ信号値を与えて発光させる発光駆動部となる。
【0022】
また画素アレイ20に対して、所要の画素回路、例えば有効表示領域外となるダミー画素領域DMAの画素回路の発光輝度を検出する光検出部30が設けられる。
各光検出部30は、検出動作制御部21の動作制御により、光検出信号を光検出線DETLに出力する。具体的には光検出線DETLの電位を受光光量に応じて変動させる。
電圧検出部22は、光検出部30の光検出信号による光検出線DETLの電位変動を検出し、その電位変動から発光輝度情報値を生成する。そして発光輝度情報値を補正処理部40に与える。
【0023】
補正処理部40は、水平セレクタ11に入力する映像データDVに対して補正処理を行う。例えば図14で説明した焼き付きに対する補正等である。
この補正処理部40には補正演算部41、補正量算出部42、フラッシュメモリ43、DRAM(Dynamic Random Access Memory)44が設けられる。
補正量算出部42は、光検出部30の検出動作により得られる発光輝度情報に基づいて階調値毎の輝度劣化特性(輝度劣化曲線)を求め、その輝度劣化曲線から補正パターンを生成する。
フラッシュメモリ43は、輝度劣化曲線や補正パターンの情報を記憶する。
補正演算部41は、映像データDVの各信号値を、補正パターンの情報を用いて補正する。DRAM44は、補正演算部41の演算処理のための記憶領域として用いられる。
この補正処理部40による補正動作については後述する。
【0024】
補正処理部40で補正された映像データDVは水平セレクタ11に入力される。水平セレクタ11は、映像データDVに基づいた信号値(映像信号電圧Vsig)を、画素アレイ20内の各画素回路に与える。
【0025】
図2により、表示パネル部分(画素アレイ20、水平セレクタ11、ドライブスキャナ12、ライトスキャナ13)の構成を説明する。
図示のように、画素アレイ20には、多数の画素回路10が列方向と行方向(m行×n列)にマトリクス状に配列されている。
なお、画素回路10のそれぞれは、R(赤)、G(緑)、B(青)のいずれかの発光画素となり、各色の画素回路10が所定規則で配列されてカラー表示装置が構成される。
【0026】
上述のように各画素回路10を発光駆動するための構成として、水平セレクタ11、ドライブスキャナ12、ライトスキャナ13が設けられる。
また水平セレクタ11により選択され、映像データとしての輝度信号の信号値(階調値)に応じた電圧を画素回路10に供給する信号線DTL1、DTL2・・・DTL(n)が、画素アレイ上で列方向に配されている。信号線DTL1、DTL2・・・DTL(n)は、画素アレイ20においてマトリクス配置された画素回路10の列数分(n列)だけ配される。
【0027】
また画素アレイ20上において、行方向に書込制御線WSL1,WSL2・・・WSL(m)、電源制御線DSL1,DSL2・・・DSL(m)が配されている。これらの書込制御線WSL及び電源制御線DSLは、それぞれ、画素アレイ20においてマトリクス配置された画素回路10の行数分(m行)だけ配される。
【0028】
書込制御線WSL(WSL1〜WSL(m))はライトスキャナ13により駆動される。
ライトスキャナ13は、設定された所定のタイミングで、行状に配設された各書込制御線WSL1〜WSL(m)に順次、走査パルスWS(WS1,WS2・・・WS(m))を供給して、画素回路10を行単位で線順次走査する。
【0029】
電源制御線DSL(DSL1〜DSL(m))はドライブスキャナ12により駆動される。ドライブスキャナ12は、ライトスキャナ13による線順次走査に合わせて、行状に配設された各電源制御線DSL1〜DSL(m)に電源パルスDS(DS1,DS2・・・DS(m))を供給する。電源パルスDS(DS1,DS2・・・DS(m))は駆動電圧Vccと初期電圧Viniの2値に切り替わるパルス電圧とされる。
なおドライブスキャナ12,ライトスキャナ13は、クロックck及びスタートパルスspに基づいて、走査パルスWS、電源パルスDSのタイミングを設定する。
【0030】
水平セレクタ11は、ライトスキャナ13による線順次走査に合わせて、列方向に配された信号線DTL1、DTL2・・・に対して、画素回路10に対して入力させる信号線電圧を供給する。
本実施の形態では、水平セレクタ11は、各信号線DTLに対し、信号線電圧として、閾値補正基準電圧Vofsと映像信号電圧Vsigを供給する。
映像信号電圧Vsigは、水平セレクタ11に入力される映像データの信号値としての電圧値である。即ち発光させようとする階調値に相当する電圧値である
また閾値補正用基準電圧Vofsは、後述する閾値補正動作に用いる電圧である。
【0031】
図3に画素回路10の構成例を示している。この画素回路10が、図2における画素回路10のようにマトリクス配置される。
なお、図3では簡略化のため、信号線DTLと、書込制御線WSL及び電源制御線DSLが交差する部分に配される1つの画素回路10のみを示している。
【0032】
この画素回路10は、発光素子である有機EL素子1と、保持容量Csと、サンプリングトランジスタTs、駆動トランジスタTdとしてのnチャネルの薄膜トランジスタ(TFT)、補助容量Csubとで構成されている。なお容量Coledは有機EL素子1の寄生容量である。
【0033】
保持容量Csは、一方の端子が駆動トランジスタTdのソース(ノードND2)に接続され、他方の端子が同じく駆動トランジスタTdのゲート(ノードND1)に接続されている。
画素回路10の発光素子は例えばダイオード構造の有機EL素子1とされ、アノードとカソードを備えている。有機EL素子1のアノードは駆動トランジスタTdのソースに接続され、カソードは所定の配線(カソード電位Vcat)に接続されている。
また、有機EL素子1と並列に補助容量Csubが接続されている。
【0034】
サンプリングトランジスタTsは、そのドレインとソースの一端が信号線DTLに接続され、他端が駆動トランジスタTdのゲートに接続される。
またサンプリングトランジスタTsのゲートは書込制御線WSLに接続されている。
駆動トランジスタTdのドレインは電源制御線DSLに接続されている。
【0035】
有機EL素子1の発光駆動は、基本的には次のようになる。
信号線DTLに映像信号電圧Vsigが印加されたタイミングで、サンプリングトランジスタTsが、書込制御線WSLによってライトスキャナ13から与えられる走査パルスWSによって導通される。これにより信号線DTLからの映像信号電圧Vsigが保持容量Csに書き込まれる。
【0036】
駆動トランジスタTdは、ドライブスキャナ12によって駆動電位Vccが与えられている電源制御線DSLからの電流供給により電流Idsを有機EL素子1に流し、有機EL素子1を発光させる。
このとき電流Idsは、駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧Vgsに応じた値(保持容量Csに保持された電圧に応じた値)となり、有機EL素子1はその電流値に応じた輝度で発光する。
つまりこの画素回路10の場合、保持容量Csに信号線DTLからの映像信号電圧Vsigを書き込むことによって、駆動トランジスタTdのゲート印加電圧を変化させ、これにより有機EL素子1に流れる電流値をコントロールして発光の階調を得る。
【0037】
駆動トランジスタTdは、常に飽和領域で動作するように設計されているので、駆動トランジスタTdは次の式1に示した値を持つ定電流源となる。
Ids=(1/2)・μ・(W/L)・Cox・(Vgs−Vth)2・・・(式1)
但し、Idsは飽和領域で動作するトランジスタのドレイン・ソース間に流れる電流、μは移動度、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Coxはゲート容量、Vthは駆動トランジスタTdの閾値電圧を表している。
この式1から明らかな様に、飽和領域ではドレイン電流Idsはゲート・ソース間電圧Vgsによって制御される。駆動トランジスタTdは、ゲート・ソース間電圧Vgsが一定に保持される為、定電流源として動作し、有機EL素子1を一定の輝度で発光させることができる。
【0038】
このように基本的には、各フレーム期間において、画素回路10に映像信号値(階調値)Vsigが保持容量Csに書き込まれる動作が行われ、これにより表示すべき階調に応じて駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧Vgsが決まる。
そして駆動トランジスタTdは飽和領域で動作することで有機EL素子1に対して定電流源として機能し、ゲート・ソース間電圧Vgsに応じた電流を有機EL素子1に流すことで、各フレーム期間に有機EL素子1では映像信号の階調値に応じた輝度の発光が行われる。
【0039】
本実施の形態では、画素アレイ20における一部の画素回路10はダミー画素回路とされている。
図4は画素アレイ20における画素回路10を示しているが、破線で囲った部分が有効表示領域AAであるとする。
この有効表示領域AA外が、ダミー画素回路10dが配置されるダミー画素領域DMAとなる。ダミー画素回路10dは、有効表示領域AA内の画素回路10と同じく、図3の回路構成であり、水平セレクタ11から信号線DTLを介して与えられる映像信号電圧Vsigに基づく発光を行う。
【0040】
本例の場合、複数のダミー画素回路10dの一群がダミー画素ブロックBLとされる。この図4では、ダミー画素ブロックBL1、BL2・・・BL(x)が形成されているとしている。
ダミー画素ブロックBLは、1つの光検出部30に対応するダミー画素回路群である。
例えば図1,図2では複数の光検出部30を示しているが、1つのダミー画素ブロックにつき、1つの光検出部30が設けられる。
そして、1つのダミー画素ブロックBL内の各ダミー画素回路10dは、それぞれが同一の信号値で発光させられる。
例えばダミー画素ブロックBL1内の各ダミー画素回路10dには、常に100nitに相当する映像信号電圧Vsigが供給されて発光駆動される。また例えばダミー画素ブロックBL2内の各ダミー画素回路10dには、常に200nitに相当する映像信号電圧Vsigが供給されて発光駆動される。
【0041】
このように1つのダミー画素ブロックBLとされる一群のダミー画素回路10dは同一輝度の発光が行われ、この各ダミー画素回路10dの発光輝度を、対応する1つの光検出部30で検出するものとなる。
なお、後述するが、光検出部30は、受光素子と検出信号出力回路とから構成され、受光素子は、例えば1つのダミー画素回路10dのそれぞれに対応して設けられる。そして複数の受光素子が1つの検出信号出力回路に接続される構成となる。
【0042】
<2.画素回路の動作>

続いて図5を用いて画素回路10の動作について説明する。なおダミー画素回路10dも同様の動作を行うことになる。
ここで述べる画素回路動作は、各画素回路10の駆動トランジスタTdの閾値、移動度のばらつきによるユニフォミティ劣化を補償するための閾値補正動作、移動度補正動作を含む動作である。
【0043】
なお画素回路動作においては、閾値補正動作、移動度補正動作自体は、従来より行われているが、この必要性について簡単に説明しておく。
例えばポリシリコンTFT等を用いた画素回路では、駆動トランジスタTdの閾値電圧Vthや、駆動トランジスタTdのチャネルを構成する半導体薄膜の移動度μが経時的に変化することがある。また製造プロセスのバラツキによって閾値電圧Vthや移動度μのトランジスタ特性が画素毎に異なったりする。
駆動トランジスタTdの閾値電圧や移動度が画素毎に異なると、画素毎に駆動トランジスタTdに流れる電流値にばらつきが生じる。このため仮に全画素回路10に同一の映像信号値(映像信号電圧Vsig)を与えたとしても、有機EL素子1の発光輝度に画素毎のバラツキが生じ、その結果、画面のユニフォミティ(一様性)が損なわれる。
このことから、画素回路動作においては、閾値電圧Vthや移動度μの変動に対する補正機能を持たせるようにしている。
【0044】
図5に画素回路10の発光サイクル(各フレーム期間)の動作のタイミングチャートを示す。
図5では、水平セレクタ11が信号線DTLに与える信号線電圧を示している。この動作例の場合、水平セレクタ11は信号線電圧として、1水平期間(1H)に、単一の所定の電圧値としての閾値補正基準電圧Vofsと、映像信号電圧Vsigとしてのパルス電圧を信号線DTLに与える。
また図5には、書込制御線WSLを介してライトスキャナ13によってサンプリングトランジスタTsのゲートに与えられる走査パルスWSを示している。nチャネルのサンプリングトランジスタTsは、走査パルスWSがHレベルとされることで導通され、走査パルスWSがLレベルとされることで非導通となる。
また図5には、電源制御線DSLを介してドライブスキャナ12から供給される電源パルスDSを示している。電源パルスDSとしては駆動電圧Vcc又は初期電圧Viniが与えられる。
また図5には、図3に示したノードND1、ND2の電圧として、駆動トランジスタTdのゲート電圧Vgとソース電圧Vsの変化を示している。
【0045】
図5のタイミングチャートにおける時点tsは、発光素子である有機EL素子1が発光駆動される1サイクル、例えば画像表示の1フレーム期間の開始タイミングとなる。
この時点tsに至る前は、前フレームの発光が行われている。
即ち、有機EL素子1の発光状態は、電源パルスDSが駆動電圧Vccであり、サンプリングトランジスタTsがオフした状態である。この時、駆動トランジスタTdは飽和領域で動作するように設定されているため、有機EL素子1に流れる電流Idsは駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧Vgsに応じて、上述した式1に示される値となる。
【0046】
時点tsで今回のフレームの発光のための動作が開始される。
期間LT1として、消光及び閾値補正のための準備が行われる。
まず電源パルスDS=初期電位Viniとされる。
このとき、初期電位Viniが有機EL素子1の閾値電圧Vthelとカソード電圧Vcatの和よりも小さい、つまりVini ≦Vthel+Vcatであることで、有機EL素子1は消光し、非発光期間が開始される。このとき電源制御線DSLが駆動トランジスタTdのソースとなる。また有機EL素子1のアノード(ノードND2)は初期電位Viniに充電される。
また駆動トランジスタTdのゲート電位(ノードND1)は、ソース電位の低下に応じて、或る電位Vg’まで低下する。
【0047】
一定期間後、閾値補正のための準備が行われる
即ち、信号線DTLの電位が閾値補正基準電圧Vofsである時に、走査パルスWSがHレベルとされ、サンプリングトランジスタTsがオンとされる。このため駆動トランジスタTdのゲート(ノードND1)は閾値補正基準電圧Vofsとなる。
駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧Vgs=Vofs−Viniとなる。
このVofs−Viniが駆動トランジスタTdの閾値電圧Vthよりも大きくないと閾値補正動作を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthとなるように、初期電位Vini、基準電圧Vofsが設定されている。
即ち閾値補正の準備として、駆動トランジスタのゲート・ソース間電圧が、その閾値電圧Vthよりも十分広げられることになる。
【0048】
続いて期間LT2として閾値補正(Vth補正)が行われる。
即ち、信号線電圧が閾値補正基準電圧Vofsとなっている間、ライトスキャナ13は走査パルスWSのHレベルを維持する。そしてドライブスキャナ12が電源パルスDSを駆動電圧Vccとする。
この場合、有機EL素子1のアノード(ノードND2)が駆動トランジスタTdのソースとなり電流が流れる。このため、駆動トランジスタTdのゲート(ノードND1)は閾値補正基準電圧Vofsに固定されたまま、ソースノード(ノードND2)が上昇する。
有機EL素子1のアノード電位(ノードND2の電位)が、Vcat+Vthel(有機EL素子1の閾値電圧)以下である限り、駆動トランジスタTdの電流は保持容量Csと寄生容量Coled及び補助容量Csubを充電するために使われる。有機EL素子1のアノード電位がVcat+Vthel以下である限りとは、有機EL素子1のリーク電流が駆動トランジスタTdに流れる電流よりもかなり小さいという意味である。
このためノードND2の電位(駆動トランジスタTdのソース電位)は、時間と共に上昇してゆく。
【0049】
この閾値補正は、駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧を閾値電圧Vthとする動作である。従って駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vthとなるまで、駆動トランジスタTdのソース電位が上昇される。
一定時間経過すると、駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vthとなる。
なお、この例では閾値補正動作を1回行うものとしているが、駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vthとなる時間を確保するため、閾値補正動作が分割して複数回行われることもある。
【0050】
期間LT2の終了時点で、駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vthとなった時、ソース電位(ノードND2:有機EL素子1のアノード電位)=Vofs−Vth≦Vcat+Vthelとなっている。(Vcatはカソード電位、Vthelは有機EL素子1の閾値電圧)
このとき、ライトスキャナ13は走査パルスWSをLレベルとし、サンプリングトランジスタTsがオフとなって閾値補正動作が完了する。
【0051】
その後、信号線電圧が映像信号電圧Vsigとなっている期間LT3に、ライトスキャナ13が走査パルスWSがHレベルとし、映像信号電圧Vsigの書込及び移動度補正が行われる。即ち駆動トランジスタTdのゲートに映像信号電圧Vsigが入力される。
【0052】
駆動トランジスタTdのゲート電位は映像信号電圧Vsigの電位となるが、電源制御線DSLが駆動電圧Vccとなっていることで電流が流れ、ソース電位は時間とともに上昇してゆく。
このとき、駆動トランジスタTdのソース電圧が有機EL素子1の閾値電圧Vthelとカソード電圧Vcatの和を越えなければ、駆動トランジスタTdの電流は保持容量Csと寄生容量Coled及び補助容量Csubを充電するのに使用される。つまり有機EL素子1のリーク電流が駆動トランジスタTdに流れる電流よりもかなり小さければという条件である。
そしてこのときは、駆動トランジスタTdの閾値補正動作は完了しているため、駆動トランジスタTdが流す電流は移動度μを反映したものとなる。
具体的にいうと、移動度が大きいものはこの時の電流量が大きく、ソースの上昇も早い。逆に移動度が小さいものは電流量が小さく、ソースの上昇は遅くなる。
これによって、走査パルスWSがHレベルとなる期間LT4として、サンプリングトランジスタTsがオンしてから、駆動トランジスタTdのソース電圧Vsは上昇し、サンプリングトランジスタTsがオフしたときには、ソース電圧Vsは移動度μを反映した電圧となる。駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧Vgsは移動度を反映して小さくなり、一定時間経過後に完全に移動度を補正する電圧となる。
【0053】
このように映像信号電圧Vsig書込及び移動度補正を行った後、ゲート・ソース間電圧Vgsを確定させ、ブートストラップ、発光状態へと移行する。
即ち走査パルスWSをLレベルとしてサンプリングトランジスタTsをオフして書き込みが終了し、有機EL素子1を発光させる。
この場合、駆動トランジスタTdのゲート・ソース間電圧Vgsに応じた電流Idsが流れ、ノードND2の電位は、有機EL素子1にその電流が流れる電圧まで上昇し、有機EL素子1は発光する。このときサンプリングトランジスタTsがオフであり、ノードND2の電位の上昇と同時に駆動トランジスタTdのゲート(ノードND1)も同様に上昇するため、ゲート・ソース間電圧Vgsは一定に保たれたままである。(ブートストラップ動作)
【0054】
このように画素回路10は1フレーム期間における1サイクルの発光駆動動作として、閾値補正動作及び移動度補正動作を含んで、有機EL素子1の発光のための動作が行われる。
閾値補正動作によって各画素回路10での駆動トランジスタTdの閾値電圧Vthのバラツキや、経時変動による閾値電圧Vth変動などに関わらず、信号電位Vsigに応じた電流を有機EL素子1に与えることができる。つまり製造上或いは経時変化による閾値電圧Vthのバラツキをキャンセルして、画面上に輝度ムラ等を発生させずに高画質を維持できる。
また、駆動トランジスタTdの移動度によってもドレイン電流は変動するため、画素回路10毎の駆動トランジスタTdの移動度のバラツキにより画質が低下するが、移動度補正により、駆動トランジスタTdの移動度の大小に応じてソース電位Vsが得られる。結果として各画素回路10の駆動トランジスタTdの移動度のバラツキを吸収するようなゲート・ソース間電圧Vgsに調整されるため、移動度のバラツキによる画質低下も解消される。
【0055】
<3.光検出部の動作及び補正処理>

続いて光検出部30の構成及び動作を説明する。
図6は、1つのダミー画素回路10dと、それに対応する光検出部30を示している。
なお、1つの光検出部30は、上述のようにダミー画素ブロックBLとされる一群の複数のダミー画素回路10dに対応するが、ここではあくまでも動作説明のため、1つのダミー画素回路10dに対応する構成として示しているものである。
ダミー画素回路10dの構成は、通常の画素回路10と同様である。
【0056】
図6に示すように光検出部30は、受光素子SL(実際には後述するように複数の受光素子SL)と、検出信号出力回路31を有して構成される。
受光素子SLには、例えばPINダイオードが用いられる。
また検出信号出力回路31は、容量C1と、nチャネルTFTによる検出信号出力用トランジスタT5,スイッチングトランジスタT3,T4を備える。
【0057】
受光素子SLは、電源電圧Vccと検出信号出力用トランジスタT5のゲートの間に接続されている。
この光センサS1は、ダミー画素回路10dの有機EL素子1で発光される光を検出するように配置されている。そして検出光量に応じて、そのリーク電流が増減する。具体的には有機EL素子1の発光光量が多ければ電流増加量は大きく、少なければ電流増加量は小さくなる。
【0058】
容量C1は、電源電圧Vccと検出信号出力用トランジスタT5のゲートの間に接続されている。
検出信号出力用トランジスタT5は、ドレインが電源電圧Vccに接続されている。そしてソースがスイッチングトランジスタT3と接続されている。
スイッチングトランジスタT3は、検出信号出力用トランジスタT5のソースと光検出線DETLの間に接続されている。
このスイッチングトランジスタT3のゲートは、図1に示した検出動作制御部21から与えられる制御パルスpT3によってオン/オフされる。スイッチングトランジスタT3がオンとされることで、検出信号出力用トランジスタT5のソース電位が光検出線DETLに出力される構成となっている。
【0059】
スイッチングトランジスタT4は、そのドレイン及びソースが検出信号出力用トランジスタT5のゲートと検出基準電位Vrの間に接続されている。このスイッチングトランジスタT4のゲートは、図1に示した検出動作制御部21から与えられる制御パルスpT4によってオン/オフされる。
スイッチングトランジスタT4がオンとされることで、検出信号出力用トランジスタT5のゲートに検出基準電位Vrが入力される構成となっている。
【0060】
光検出部30の検出動作は次のようになる。
光検出部30では、まず検出準備のため、制御パルスpT4,pT3によってスイッチングトランジスタT3、T4がオンとされる。
スイッチングトランジスタT4がオンとされることで、検出基準電圧Vrが検出信号出力用トランジスタT5のゲートに入力される。
ここで検出基準電圧Vrは、検出信号出力用トランジスタT5をオンする電圧とされている。このため検出信号出力用トランジスタT5に電流が流れ、スイッチングトランジスタT3もオンとされているため、光検出線DETLに或る電位Vxが出力される。
このように検出準備として、検出信号出力用トランジスタT5のゲート電位=Vr,光検出線DETLの電位=Vxとされる。
【0061】
画素回路10dでは、1フレーム期間毎に図5で説明した動作が行われ、有機EL素子1では入力された映像信号電圧Vsigに応じた発光が行われる。すると受光素子SLでは有機EL素子1からの光を受光し、そのリーク電流が変化することとなる。
【0062】
このような有機EL素子の発光開始後、制御パルスpT4がLレベルとされ、スイッチングトランジスタT4がオフとされる。
スイッチングトランジスタT4がオフとなることで、検出信号出力用トランジスタT5のゲート電位の検出基準電位Vrへの固定が解除される。
そして受光素子SLが有機EL素子1の光を受光し、電源電圧Vccからリーク電流を検出信号出力用トランジスタT5のゲートに流すこととなる。
この動作によって検出信号出力用トランジスタT5のゲート電圧は、検出基準電圧Vrから上昇してゆき、それに伴って光検出線DETLの電位も電位Vxから増加してゆく。この光検出線DETLの電位変化を、電圧検出部22が検出する。
【0063】
この検出電位は、有機EL素子1の発光光量に応じたものとなる。換言すれば、特定の階調表示(例えば100nitの映像信号電圧Vsigによる表示)をダミー画素回路10dで実行させているのであれば、検出電位は、100nit輝度に相当する値となる。そしてこの検出電位の変動は、有機EL素子1の劣化具合を表すものとなる。
【0064】
一定時間経過後、制御パルスpT3がLレベルとされ、スイッチングトランジスタT3がオフとされて検出動作を終了する。
例えば1フレーム期間毎に、以上のような光検出動作が行われる。
そして、この光検出部30の検出信号出力回路31によれば、検出信号出力用トランジスタT5のゲート電圧が変動すればその変動分がソースに出力される構成となっている。つまり受光素子SLのリーク電流変化による検出信号出力用トランジスタT5のゲート電圧の変化がソースから光検出線DETLに出力される。
また、検出信号出力用トランジスタT5のゲート・ソース間電圧Vgsは、その閾値電圧Vthよりも大きくなるように設定されている。このため受光素子SLのリーク電流値が小さくても、検出信号出力用トランジスタT5を介することで光検出線DETLに出力される電流値は比較的大きく、これにより発光光量の検出情報を精度良く電圧検出部22に出力することが可能となっている。
【0065】
このように光検出部30による光検出出力は、光検出線DETLの電位変動として表れる。
電圧検出部22は、光検出線DETLの電位変動量を検出することで、ダミー画素回路10dの発光輝度情報を得る。
図1に示したように、電圧検出部22は、輝度情報を補正処理部40に供給する。
【0066】
先に述べたように、有機EL素子は時間経過によって発光効率が低下してしまう。つまり同じ電流を流してもその発光輝度が時間と共に低下してしまうこととなる。その結果、例えば図14のように焼き付きが発生してしまう。
そこで本例の表示装置は、ダミー画素回路10dの発光光量を検出し、これによって発光輝度の劣化を判定する。そして劣化具合に応じて映像データDVを補正する。つまり各画素回路10に与える映像信号電圧Vsigを補正することとなる。
【0067】
この補正動作について説明する。
上述のように、ダミー画素回路10dは、ダミー画素ブロックBL毎に所定の輝度で発光される。
例えば図4のダミー画素ブロックBL1の各ダミー画素回路10dでは100nit相当の映像信号電圧Vsigが与えられて発光動作が行われる。
またダミー画素ブロックBL2の各ダミー画素回路10dでは200nit相当の映像信号電圧Vsigが与えられて発光動作が行われる。
またダミー画素ブロックBL3の各ダミー画素回路10dでは400nit相当の映像信号電圧Vsigが与えられて発光動作が行われる。
【0068】
このように各ダミー画素回路10dを発光駆動させた状態で、各光検出部30が各ダミー画素ブロックBLにおける発光輝度を検出する。
そして検出された輝度情報値が、図1に示した補正処理部40における補正量算出部42に供給される。
補正量算出部42は、図7のような輝度劣化曲線を求める。例えば或る程度の期間、100nit、200nit、400nit・・・での各輝度情報値を蓄積していく。そして実測による輝度劣化量を求めると共に、さらなる時間経過に応じた劣化率の推定を行い、図7のような各輝度に応じた輝度劣化曲線を生成する。
この輝度劣化曲線の情報は例えばフラッシュメモリ43に保存される。
また、補正量算出部42は、この輝度劣化曲線と映像データDVを元に、画素回路毎の補正量の情報である補正パターンを作成する。
この輝度劣化曲線及び補正パターンの情報は例えばフラッシュメモリ43に保存される。
【0069】
表示データとしての映像データDVは、補正演算部41に供給される。
補正演算部41は、映像データDVの各信号値、即ち各画素回路10に与える階調値を、補正パターンの情報に基づいて補正し、補正後の映像データDVを水平セレクタ11に出力する。つまり各画素回路10毎の輝度劣化分の補正値を、各画素回路10に対する信号値に与える。
【0070】
図8で、図14で説明した焼き付きに対応する補正動作を説明する。
図8(a)は、図14(a)と同様、黒表示内に「BS」という固定パターンを表示させた状態を示している。
このような固定パターン表示を長時間行った後、図14(b)のような全面白表示の映像データDVが供給された場合、補正しなければ、図14(c)のような焼き付きが発生する。ここで、図14(b)のような全面白表示の映像データDVが供給された場合に、焼き付き補正を行うとする。
【0071】
補正量算出部42が焼き付き補正のため補正パターンを生成するためには、図8(b)のように輝度劣化曲線を参照する。
「BS」部分が例えば200nitでの表示であったとすると、「BS」部分の画素回路10については、200nitでの輝度劣化曲線を参照する。
そして輝度劣化曲線から、各画素回路10の劣化率を推定し、推定した劣化率に応じた図8(c)のような補正パターンを作成する。
つまりこの場合は「BS」の部分の画素回路10が輝度劣化が生じていることに応じて、「BS」部分の画素回路のみ、他の画素回路よりも高輝度階調とする補正パターンを生成する。
【0072】
そして図14(b)のような全面白表示の映像データDVが供給された場合の補正処理としては、補正演算部41が、入力された映像データDV(つまり全画素に共通の高階調値)に対し、図8(c)の補正パターンを合成する。それが補正された映像データDVとなる。
この補正後の映像データDVが水平セレクタ11に供給され、水平セレクタ11が各画素回路10に対して映像データDVの信号値に基づく映像信号電圧Vsigを与える。すると、表示映像は図8(d)のようになる。つまり焼き付きが補正された映像が得られる。
【0073】
以上の補正動作は一例であるが、例えばこのような補正を行うことで、焼き付きのない表示映像を実現できる。
そして、このような補正を行うために、光検出部30を設け、画素回路10(ダミー画素回路10d)の発光輝度の検出を行うことが必要になる。
ところが、仮に図6のように、1つのダミー画素回路10dに1つの光検出部30を対応して設けることは、画素回路領域に配置する素子数の増加が問題となる。
そこで本実施の形態では、以下の構成例I,II,IIIのように、複数のダミー画素回路10dから成るダミー画素ブロックBLに1つの光検出部30が対応される構成を採る。
【0074】
<4.実施の形態の光検出部の構成>
[4−1:構成例I]

図9に本実施の形態の構成例Iとしての光検出部30を示す。
図9では、多数のダミー画素回路10dで形成される1つのダミー画素ブロックBLと、これに対応する1つの光検出部30を示している。
ダミー画素ブロックBL内の各ダミー画素回路10dは、例えば100nitなど、所定の輝度の発光が行われるように、水平セレクタ11から固定且つ共通の映像信号電圧Vsigが入力される。
なお、この例では、ダミー画素ブロックBLは、R画素、G画素、B画素としての各色の発光を行うダミー画素回路10dを含むものとしている。
【0075】
このようなダミー画素回路10dのそれぞれに対して、有機EL素子1の光を受光できるように受光素子SLが配置されている。
この複数の受光素子SL(PINダイオード)は、検出信号出力回路31に対して並列に接続される。即ち各受光素子SLのカソードは電源Vccのラインに接続され、各受光素子SLのアノードは検出信号出力用トランジスタT5のゲートに接続される。
検出信号出力回路31の動作は、図6で説明したとおりである。
【0076】
従って、この場合、複数の各受光素子SLが受光によって生じさせるリーク電流の和によって検出信号出力用トランジスタT5のゲート電位が変動する。
そしてそのゲート電位変動に応じて、スイッチングトランジスタT3を介して光検出線DETLに出力される検出信号出力用トランジスタT5のソース電位が変動する。
この光検出線DETLの電位変動が電圧検出部22で検出され、発光輝度の情報が補正量算出部42に供給される。
例えば、図9に示すダミー画素ブロックBLの各ダミー画素回路10dが、100nit相当の映像信号電圧Vsigで発光される場合、100nit発光画素における輝度劣化曲線を生成するための発光輝度の情報が補正量算出部42に供給されることになる。
【0077】
この図9のような光検出部30の構成により、次のような利点が得られる。
まず、各ダミー画素回路10dに対応して配置されるのは受光素子SLのみである。例えば図10(b)のように1つのダミー画素回路10dに対して、その有機EL素子1の光を受光できるように1つの受光素子SLが配置される。
このため、各ダミー画素回路10dの形成領域には、図10(a)に模式的に示すように、受光素子SLのみを配置すればよい。そして検出信号出力回路31の部分は、画素回路領域外にレイアウトすることができる。
これにより、画素回路形成領域の省面積化が可能となる。
【0078】
また、同一輝度で発光される複数のダミー画素回路10dの光を複数の受光素子SLで受光し、これらの受光素子SLのリーク電流の総和で、検出信号出力用トランジスタT5のゲート電位を変動させる構成である。
このため、受光素子SLの素子サイズを小さくすることができる。
つまり、精度良く発光輝度検出を行うには、光検出線DETLの電位変動が発光輝度の変化に応じて大きいことが必要である。仮に、1つの受光素子SLのリーク電流に基づいて、光検出線DETLの電位変動を生じさせるとすると、受光素子SLのリーク電流量として比較的大きな電流量が必要になる。そのため、受光素子SLのサイズを或る程度大きくしなければならない。
しかし本例の場合は、多数の受光素子SLのリーク電流の総和に基づいて光検出線DETLの電位変動を生じさせる構成である。すると、1つ1つの受光素子SLのリーク電流量は小さくてもよいことになる。そのため、本例では受光素子SLの素子サイズを小さくできる。
例えば、ダミー画素ブロックBLが10×10の100個のダミー画素回路10dからなるとする。光検出感度を同一に保つのであれば、受光素子SLのサイズは、1つの画素回路に1つの光検出部30を設ける場合に比べて1/100で良くなる。
【0079】
以上のことから本実施の形態では、光検出部30のレイアウトスペースを大幅に縮小し、画素回路領域の省面積を実現しつつ、検出感度を従前以上に保つことが可能となる。
【0080】
なお、実際には図1のように、複数のダミー画素ブロックBLに対応してそれぞれ図9のような光検出部30が設けられるが、各光検出部30が共通の光検出線DETLに接続される場合、各光検出部30の検出動作を時分割的に行えばよい。
もちろん、各光検出部30のそれぞれに対応して光検出線DETL及び電圧検出部22を設けるようにしてもよい。
【0081】
[4−2:構成例II]

構成例IIとしての光検出部30を図11で説明する。
上記構成例Iの場合は、ダミー画素ブロックBLは、R画素、G画素、B画素のそれぞれのダミー画素回路10dを含むものとした。これに対し構成例IIは、ダミー画素ブロックBLを、各色毎のダミー画素回路10dで構成するようにする。
即ち図11に示すダミー画素回路10dのうち、R画素のみで、ダミー画素ブロックBL−Rを形成する。またG画素のみで、ダミー画素ブロックBL−Gを形成し、B画素のみで、ダミー画素ブロックBL−Bを形成する。
【0082】
そして光検出部30は、R画素、G画素、B画素のうちの1つの色の発光を行うダミー画素回路のみを含む各ダミー画素ブロックに対応して設ける。
つまりダミー画素ブロックBL−Rに対して光検出部30Rを設け、またダミー画素ブロックBL−Gに対して光検出部30Gを設け、またダミー画素ブロックBL−Bに対して光検出部30Bを設ける。
【0083】
光検出部30Rは、R画素としての多数のダミー画素回路10dのそれぞれに対応して配置される複数の受光素子SLと、検出信号出力回路31Rで形成される。
光検出部30Gは、G画素としての多数のダミー画素回路10dのそれぞれに対応して配置される複数の受光素子SLと、検出信号出力回路31Gで形成される。
光検出部30Bは、B画素としての多数のダミー画素回路10dのそれぞれに対応して配置される複数の受光素子SLと、検出信号出力回路31Bで形成される。
検出信号出力回路31R、31G、31Bの構成は図9の検出信号出力回路31と同様である。
【0084】
このような構成とすることで、構成例Iと同様の効果に加え、各色の波長特性に最適な受光素子SLを配置することが可能となり、各色に対応した精度の良い発光輝度検出が可能となる。
【0085】
なお、図11の例では、各光検出部30R、30G、30Bが共通の光検出線DETLに接続されている構成を示しているが、この場合、各光検出部30R、30G、30Bは時分割的に光検出動作を行い、電圧検出部22が時分割的にR光、G光、B光についての発光輝度情報の検出を行っても良い。
もちろん、R画素、G画素、B画素で区別せずに例えば100nitなどの所定輝度の発光についての輝度検出を行う場合、当該光検出部30R、30G、30Bについての時分割的な処理は必要ない。
また、光検出部30R、30G、30Bにそれぞれ対応して光検出線DETLを配し、個別に各光検出線DETLに接続された電圧検出部22で電圧検出を行っても良い。
【0086】
[4−3:構成例III]

構成例IIIとしての光検出部30を図12で説明する。
これは光検出部30の構成としてA/D変換器としての構成を採る例である。図12の例では、ダミー画素ブロックBLは、図9の例と同様、R画素、G画素、B画素のそれぞれのダミー画素回路10dを含むものとしているが、図11のようにダミー画素ブロックBLが、各色毎のダミー画素回路10dで構成するものであってもよい。
【0087】
この構成例IIIとしての光検出部30は、検出信号出力回路31が、容量C1,C2、nチャネルFETとしてのトランジスタT6,T7,T8,T9、及びインバータINを有する構成とされている。
トランジスタT6,T7,T8,T9は、それぞれ図1に示した検出動作制御部21からの制御パルスpT6,pT7,pT8,pT9によってオン/オフされる。
【0088】
各受光素子SLは、電源電圧Vccラインと、トランジスタT6,T9の接続点の間に並列に接続される。各受光素子SLによるリーク電流の検出時にはトランジスタT9はオフとされる。
トランジスタT6,T7の一端は接続されている(ノードA)。そしてトランジスタT7の他端には検出動作制御部21からスイープパルスSPPが供給される。
トランジスタT6,T7の接続点(ノードA)は、容量C2を介してインバータINに接続される。インバータINの出力が光検出線DETLに供給される。
トランジスタT8はインバータINの入力点と出力点の間に接続されている。
【0089】
このような検出信号出力回路31による検出動作は次のようになる。
各ダミー画素回路10dの発光時に、トランジスタT6,T8をオンとし、トランジスタT7,T9はオフとする。
この状態で、各受光素子SLのリーク電流により変動する電圧(センサ出力電圧という)がノードAに保持される。
次に、トランジスタT6,T8をオフし、トランジスタT7をオンとする。するとトランジスタT7を介してスイープパルスSPPがノードAに入力される。
このとき、スイープパルスSPPの電圧が、センサ出力電圧より高いときは、インバータINの出力がLとなり、逆にスイープパルスSPPの電圧が、センサ出力電圧より低いときはインバータINの出力がHとなる。
このインバータINのL、Hのパルス出力が光検出線DETLに出力される。
【0090】
電圧検出部22では、光検出線DETLに表れるインバータINの出力パルスの周期を検出する。
つまりセンサ出力電圧が高いほど出力パルスのH期間が長くなるため、出力パルスの周期検出で、センサ出力電圧を測定でき、つまりダミー画素ブロックBLでの発光輝度情報を得ることができる。
【0091】
本実施の形態では、各ダミー画素回路10dに対して受光素子SLを配置する一方、検出信号出力回路31は、画素領域外に配置することができることは先の構成例Iで述べた。すると、検出信号出力回路31の構成(素子数)は、画素領域のレイアウトを考慮する必要がないことにもなる。
そこで、図12の構成のように、検出信号出力回路31を、複数の受光素子SLにおける受光光量による電流変動に応じて変動する電圧値をデジタル信号に変換した光検出信号を出力する構成とすることも可能となる。つまりA/D変換器内蔵型の回路構成を採ることが可能である。
このような検出信号出力回路31とすれば、光検出線DETLにデジタル出力として検出信号を出力でき、出力のバラツキやノイズが大幅に軽減され、検出精度の向上が可能となる。
【0092】
<5.変形例>

以上の実施の形態では、ダミー画素回路10dについての光検出を行う光検出部30について各例を説明したが、上記各例は、有効表示領域AA内の画素回路10に対する光検出部としても、そのまま適用できることは言うまでもない。
例えば表示動作実行中に、各画素回路10の発光輝度検出を行い、映像信号電圧Vsigの補正などを行うことも可能である。
【0093】
また、上記例では焼き付き補正のための光検出を行う例で述べたが、その他の画質悪化要因に対する補正処理のための光検出動作にも適用できる。
さらには、補正処理の目的以外の光検出にも本発明は適用できる。例えば外部からのパネル表面へのレーザポインタ等による光を検出したり、ユーザのパネル表面へのタッチを、画素回路10の発光の指等の反射光で検出する場合の光検出部としても適用できる。即ち、ユーザの入力操作を実現するための構成としても適用できる。
【0094】
また、図9,図11,図12の各例では、1つのダミー画素回路10dに対して1つの受光素子SLを配置した例であるが、例えば複数の画素回路10(10d)に対応して1つの受光素子SLを配置してもよい。例えば1つの受光素子SLが、隣接する2つの画素回路10(10d)の光を受光するような配置構成である。従って図9等のダミー画素ブロックBL内では、ダミー画素回路10dの数よりも、少ない数の受光素子SLが配置される構成も考えられる。
【0095】
実施の形態における画素回路10(ダミー画素回路10d)の構成は図3に示したが、画素回路10の構成はそれに限定されない。例えば3以上のトランジスタを有する画素回路であってもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 有機EL素子、10 画素回路、11 水平セレクタ、12 ドライブスキャナ、13 ライトスキャナ、20 画素アレイ、21 検出動作制御部、22 電圧検出部、22a 電圧検出部、30 光検出部、31 検出信号出力回路、40 補正処理部、41 補正演算部、42 補正量算出部、SL 受光素子、T5 検出信号出力用トランジスタ、DETL 光検出線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された信号値に応じて発光駆動される発光素子を有する画素回路が、マトリクス状に配置されて成る画素アレイと、
上記画素アレイにおける各画素回路に信号値を与えて、各画素回路で信号値に応じた輝度の発光を行わせる発光駆動部と、
上記画素アレイ内における画素回路のうちの一部となる複数の画素回路に対応して配置される複数の受光素子と、該複数の受光素子が接続され、上記複数の受光素子において得られる受光光量に応じた出力から光検出信号を生成して出力する検出信号出力回路と、を有する光検出部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
上記画素アレイにおける有効表示領域外となる複数の上記画素回路がダミー画素回路とされ、
上記光検出部における複数の受光素子は、同一の信号値で発光させる複数のダミー画素回路に対応して配置されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
同一の信号値で発光させる一群のダミー画素回路から成るダミー画素ブロックが複数形成されており、
上記光検出部は、上記各ダミー画素ブロックに対応して設けられている請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
上記光検出部における各受光素子は各ダミー画素回路の近傍位置に配置され、上記検出信号出力回路は、上記画素アレイの外部に配置されている請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
上記光検出部は、R画素、G画素、B画素としての各色の発光を行うダミー画素回路を含む上記各ダミー画素ブロックに対応して設けられている請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
上記光検出部は、R画素、G画素、B画素のうちの1つの色の発光を行うダミー画素回路のみを含む上記各ダミー画素ブロックに対応して設けられている請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
上記光検出部における上記検出信号出力回路は、複数の受光素子における受光光量による電流変動に応じて電圧が変動する光検出信号を出力する構成とされている請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
上記光検出部における上記検出信号出力回路は、複数の受光素子における受光光量による電流変動に応じて変動する電圧値をデジタル信号に変換した光検出信号を出力する構成とされている請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
上記光検出部による検出信号に基づいて、上記発光駆動部が上記画素アレイにおける各画素回路に与える信号値を補正する補正処理部をさらに備えた請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
入力された信号値に応じて発光駆動される発光素子を有する画素回路が、マトリクス状に配置されて成る画素アレイと、
上記画素アレイにおける各画素回路に信号値を与えて、各画素回路で信号値に応じた輝度の発光を行わせる発光駆動部と、
を備えた表示装置の光検出方法として、
上記画素アレイ内における画素回路のうちの一部となる複数の画素回路に対応して複数の受光素子を配置し、該複数の受光素子を一の検出信号出力回路に共通に接続し、該検出信号出力回路が、上記複数の受光素子において得られる受光光量に応じた出力から光検出信号を生成して出力する光検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図8】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−209369(P2011−209369A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74630(P2010−74630)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】