表示装置、表示方法、プログラム
【課題】電子ブック等の形態で一端がまとめられて装着され開閉可能とされた複数の表示部を有する表示装置において、ユーザの直感的なページめくり操作に対応して適切な表示制御を行う。
【解決手段】現在の状態(第1状態)の表示部ページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、現在の状態(第1状態)の表示部ページに表示するコンテンツページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、現在の状態(第1状態)と第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値とを用いた演算により、第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する。
【解決手段】現在の状態(第1状態)の表示部ページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、現在の状態(第1状態)の表示部ページに表示するコンテンツページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、現在の状態(第1状態)と第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値とを用いた演算により、第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子ブック等の形態で、複数の表示部が開閉可能とされた表示装置、及びその表示装置における表示方法、プログラムに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2007−333797号公報
【特許文献2】特開2007−333973号公報
【特許文献3】特開2002−287690号公報
【背景技術】
【0003】
複数ディスプレイにより構成される電子ブックが知られている。例えば上記特許文献1のように、電子ペーパー数がコンテンツ数より少ないときに、まず電子ペーパー数分のみコンテンツを表示し、最終ページなどに存在するボタンを押すことで、全電子ペーパーの表示が先程表示していたコンテンツページの次ページ以降に更新する技術がある。
また上記特許文献2のように、回転式の電子ペーパーシートを用いて、ページをめくるたびに次のコンテンツデータに切り替える技術が存在する。
上記特許文献3には、膨大なサイズのデータを電子ペーパで表示するための技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ペーパー状のディスプレイを冊子状に装着して開閉可能のブックタイプとした電子ブックにおいては、通常の紙による書籍のようなユーザの直感的な使用態様が実現できていない。
例えば「この本の終わりの辺りを見たい」、「小説の1/3辺りを読み直したい」などといった場合に、直感的なページめくりで、求めているページ辺りを開くということに対応することが困難であった。
【0005】
そこで本発明では、いわゆる電子ブックタイプの表示装置において、ユーザの直感的なページめくりに適切に対応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部と、開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御部と、を備える。上記表示部は、全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有する。そして上記制御部は、上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値とを用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う。
【0007】
このような本発明では、例えばシート状の表示部、或いは表示部が設けられたシートが、一端がまとめられて冊子状に装着され、開閉可能とされた電子ブックの形態をとる。この場合、各表示部にコンテンツデータを表示することで、ユーザは通常の書籍と同様にページめくりをしながらコンテンツを見たり読んだりすることができる。
一方で、表示部の数(表示部ページの数)と、表示するコンテンツデータの全体のページ数は、必ずしも一致しない。すると、ユーザが例えばコンテンツデータの全体の1/3辺りを見たいと思って、電子ブックの1/3辺りのページ(表示部)を開いたとしても、そこにはコンテンツデータ内容としての1/3辺りの内容が表示されているとは限らない。
そこで本発明では、上記の対象表示部総数、対象コンテンツページ総数、及びページ差分値とを用いた演算により、ユーザが開くページに表示すべきコンテンツページを決定して表示させることで、ユーザの直感的なページめくりに対応した表示を実行する。
より具体的には、対象コンテンツページ総数に対する比が、対象表示部総数に対するページ差分値の比と同等となるコンテンツページの算出に基づいて、次に開状態とされる表示部に表示すべきコンテンツページを決定することで、ユーザの直感的なページめくりに対応できる。
【0008】
例えば現在の状態(第1状態)が、全ての表示部が閉じられた閉状態である場合、表示部の総数を対象表示部総数の値とし、コンテンツデータの総ページ数を対象コンテンツページ総数の値とし、現在の第1状態から次の第2状態で開状態とされる表示部の表示部ページの値をページ差分値とすればよい。
また現在の状態(第1状態)が、或る表示部が開状態であって、次に第2状態で開状態とされる表示部が、現在開状態の表示部よりもページ進み方向の表示部である場合、現在開状態の表示部からみてページ進み方向での表示部の総数を対象表示部総数の値とし、現在開状態の表示部で表示している現コンテンツデータのページからみた、コンテンツデータの最終ページまでのページ数を対象コンテンツページ総数とし、現在の第1状態で開状態の表示部から次の第2状態で開状態とされた表示部までの表示部ページの差分値をページ差分値とすればよい。
さらに、現在の状態(第1状態)が、或る表示部が開状態であって、次に第2状態で開状態とされる表示部が、現在開状態の表示部よりもページ戻し方向の表示部である場合、現在開状態の表示部からみてページ戻し方向での上記表示部の総数を対象表示部総数の値とし、コンテンツデータの先頭ページから現在開状態の表示部で表示している現コンテンツデータのページまでのページ数を対象コンテンツページ総数とし、現在の第1状態から次に第2状態で開状態とされる表示部の表示部ページの値をページ差分値とすればよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、複数の表示部の一端がまとめられて装着され、開閉可能とされた電子ブック型の表示装置において、ユーザの直感的なページめくりに対応した表示を実現でき、電子ブックを通常の紙による書籍に近い使用感で使用可能にできる。これにより電子ブック型の表示装置の使用性を著しく向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態の電子ブックの構造の説明図である。
【図2】実施の形態の電子ブックの表示の説明図である。
【図3】実施の形態の電子ブックの表示の説明図である。
【図4】電子ブックにおいて直感的なページめくりの困難性の説明図である。
【図5】実施の形態の電子ブックの構成のブロック図である。
【図6】実施の形態の電子ブックの制御部の機能構成例の説明図である。
【図7】実施の形態の表示状態管理テーブルの説明図である。
【図8】実施の形態のページ開き検出方式の例の説明図である。
【図9】実施の形態の電子ブックの処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態のコンテンツ表示処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の処理過程での表示状態の説明図である。
【図12】実施の形態の表示更新処理のフローチャートである。
【図13】実施の形態の第1モードでのコンテンツページ演算処理のフローチャートである。
【図14】実施の形態の第2モード〜第4モードでのコンテンツページ演算処理のフローチャートである。
【図15】実施の形態の更新モード選択処理例Iのフローチャートである。
【図16】実施の形態の更新モード選択処理例IIのフローチャートである。
【図17】実施の形態の更新モード選択処理例IIIのフローチャートである。
【図18】実施の形態の制御部の他の機能構成例の説明図である。
【図19】実施の形態の予測更新を行う電子ブックの処理のフローチャートである。
【図20】実施の形態の表示予測更新処理のフローチャートである。
【図21】実施の形態のページ決定の調整を行うコンテンツページ演算処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。なお本発明の表示装置の実施の形態のとして電子ブックを挙げる。
<1.電子ブックの概要>
<2.電子ブックの内部構成>
<3.表示制御処理>
[3−1:全体処理]
[3−2:コンテンツ表示処理]
[3−3:表示更新処理]
(3−3−1 第1モード)
(3−3−2 第2モード)
(3−3−3 第3モード)
(3−3−4 第4モード)
(3−3−5 他の例)
[3−4:更新モード選択処理]
(3−4−1 処理例I)
(3−4−2 処理例II)
(3−4−3 処理例III)
[3−5:更新モード選択及び表示更新処理のまとめ]
<4.予測更新を行う表示制御処理>
<5.コンテンツページ調整を行う表示更新処理>
<6.変形例>
<7.プログラム>
【0012】
<1.電子ブックの概要>
本発明の表示装置の実施の形態となる電子ブックは、複数の表示部の一端がまとめられて冊子状に装着され、開閉可能とされたものである。
図1に、電子ブック1の概要を示す。
なお説明上、「ディスプレイページ」「コンテンツページ」という語を用いる。
「ディスプレイページ」とは、冊子状に装着されているディスプレイ部6に「1」からナンバリングされたページをいう。「ディスプレイ部6」「ディスプレイページ」は、本発明請求項でいう「表示部」「表示部ページ」に相当する例である。コンテンツページとの区別のため、ディスプレイページのページ数は数字の前に「Disp」を付し「Disp1」「Disp2」等と表記する。
「コンテンツページ」とは、コンテンツデータに付与されたページの値である。1つのコンテンツページは、1つのディスプレイ部6に表示される単位として説明する。
【0013】
図1(a)は電子ブック1の或るディスプレイ部6,6を開いた状態、図1(b)は電子ブック1を閉じた状態、図1(c)は電子ブック1を開いた状態で上方から見た状態を、それぞれ模式的に示している。
【0014】
電子ブック1は、多数のディスプレイシート2(以下、「シート2」という)が背表紙部5側の端部が綴じられて冊子型に構成されている。
このシート2の表裏両面、或いは一方の面が、ディスプレイ部6とされている。図の例では、シート2の両面がディスプレイ部6とされることで、図1(a)のように見開きの状態で左右に各ディスプレイ部6が表出することとなる。
例えばこのような構成で、複数のディスプレイ部6が、その一端が背表紙部5側でまとめられて冊子状に装着され、開閉可能とされる。
【0015】
なお、ディスプレイ部6は、液晶パネル、有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示デバイスとされ、これが、シート2の表裏の全体又は一部に固定装着されたものでも良い。或いは、有機ELシート、電子ペーパー等として、ディスプレイ部6自体が薄いシート状とされて、ディスプレイ部6自体がシート2を構成するものとされてもよい。
【0016】
またシート2の背表紙部5の部分での装着形態は特に限定されない。通常の書籍の紙のように各シート2の端部が固定されてもよいし、バインダー形式で個々のシート2を取り外したり追加することが可能とされてもよい。
またシート2が、背表紙部5側を軸として回転自在となるように構成されてもよい。
【0017】
図1(b)(c)に示すように、表紙部3、裏表紙部4が設けられる。表紙部3、裏表紙部4は、ディスプレイ部6として形成されてもよいし、ディスプレイ部6とされないものでもよい。
例えば先頭のシート2の表側が表紙部3、裏側がディスプレイ部6とされてディスプレイページDisp1とされる。もちろん表紙部3側に表紙用或いはディスプレイページDisp1としてのディスプレイ部6が設けられても良い。
また最後のシート2の裏側が裏表紙部4、表側がディスプレイ部6とされて最後のディスプレイページとされる。もちろん表紙部3側に裏表紙用或いは最後のディスプレイページとしてのディスプレイ部6が設けられても良い。
表紙部3や裏表紙部4にディスプレイ部6が設けられていれば、コンテンツデータのタイトル等の表示に用いることができる。
【0018】
実際にはディスプレイ部6の構成や表示方式は多様に考えられるが、以下の説明では、表紙部3にディスプレイ部6が存在するか否かにかかわらず、最初のシート2の裏側(つまり表紙部3の裏面)から、最後のシート2の表側(つまり裏表紙部4の裏面)までが、ディスプレイページDisp1〜DispXとしてコンテンツデータの内容を表示するディスプレイ部6とされるものとする。
【0019】
図1(c)に示すように、例えば背表紙部5の上面側には、ページ更新ボタン7が設けられている。ページ更新ボタン7は、ディスプレイページ数以上のコンテンツページを表示させたいときにユーザ操作する操作子である。
なおページ更新ボタン7は、背表紙部5の下面、或いは表紙部3上、裏表紙部4上など、他の位置に設けられてもよいことは当然である。
【0020】
このような電子ブック1では、コンテンツデータが取り込まれることで、各ディスプレイ部6にコンテンツデータを表示させる。例えば小説、随筆、論文、学術書、絵本、写真集等のコンテンツをロードして表示させる。ユーザは、通常の書籍のように、ページ(ディスプレイページ)をめくりながらコンテンツ内容を閲覧できる。
ここで、複数のディスプレイ部6におけるコンテンツデータの各ページ内容の基本的な表示態様について図2,図3で説明する。
【0021】
図2(a)は、ディスプレイページの総数とコンテンツページの総数が同数である場合を示している。
例えばディスプレイページが50ページあり、コンテンツページ総数が50ページであるとする。
この場合、図のように、コンテンツページの1ページ目が1枚目のディスプレイ部6(ディスプレイページDisp1)に、コンテンツページの2ページ目が2枚目のディスプレイ部6(ディスプレイページDisp2)に、・・・コンテンツページの50ページ目が50枚目のディスプレイ6ディスプレイページDisp50)に、といった形式で表示される。
【0022】
なお、図面上では、各ディスプレイ部6の左上にディスプレイページの値(「Disp1」「Disp2」等)が表示されている例を示しているが、このディスプレイページの表示は実際には無くても良い。説明の便宜上、図2〜図4、図11ではディスプレイページの表示を加えている。
またこれら各図では、コンテンツページの値を、各ディスプレイ部6の右下の数字として示している。通常、ユーザは電子ブック1を用いた読書の際には、このコンテンツページを認識することになる。
【0023】
図2(b)は、コンテンツページの数がディスプレイページの数よりも少ない場合を示している。
例えばディスプレイページが50ページあり、コンテンツページ総数が25ページであるとする。この場合は、図示のように、ディスプレイページDisp1〜Disp25にコンテンツページ1〜25を表示し、以降のディスプレイ(Disp26〜Disp50)には何も表示しない。
【0024】
図3(a)〜(e)は、コンテンツページの数がディスプレイページの数よりも多い場合について示している。
例えばディスプレイページが50ページあるが、コンテンツページ総数が100ページである場合などである。
この場合は、まず図3(a)(b)(c)に示すように、ディスプレイ数分である50ページ目までのコンテンツを表示する。つまりディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50を表示する。
この状態からユーザがページ更新ボタン7を押すと、表示される内容が更新される。即ち、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ51〜100を表示する。図3(d)(e)に示すように、ディスプレイページDisp1、Disp2について見れば、最初コンテンツページ1、2が表示されていたものが、ページ更新ボタン7が押された後は、表示内容がコンテンツページ51,52に切り換えられる。
従ってユーザは、順にページを進めて読んでいく場合、最後のディスプレイページDisp50まで読み進めた後は、ページ更新ボタン7を押すことで、ディスプレイページDisp1から、続きのコンテンツページを読むことができる。
【0025】
実施の形態の電子ブック1は、ディスプレイページの数と、表示するコンテンツデータのページ数の関係に応じて、以上のような表示を基本的に行う。
ところがそれだけでは、ユーザの直感的なページめくりに常には対応できない。そのことについて述べておく。
【0026】
まず、図2(a)のように、ディスプレイページ=コンテンツページの場合のときは、ユーザは、ページめくりに関して、電子ブック1を通常の書籍と同様の使用感で使用できる。直感的なページめくりも可能である。
図4(a)に示すように、例えば電子ブック1が閉じてある状態から、ユーザが、コンテンツデータの4/5辺りを見たいと思ったとする。例えば全体50ページのコンテンツデータについて、40ページあたりを見たいとする。
この場合ユーザは、通常の書籍と同様、全体ページのうちで4/5辺りを直感的にきめて開く。すると、例えば40ページ目あたりを開くことができる。これが見たいページではなかったとしても、前後ページを探すことで、見たいページを比較的容易に見つけることができる。
【0027】
ところが、これは、あくまでディスプレイページ=コンテンツページの場合であって、常にディスプレイページとコンテンツページが一致しているためである。
実際上、ディスプレイページ=コンテンツページとなるのは希で、多様なコンテンツデータを電子ブック1にロードして使用する多くの場合は、ディスプレイページの数とコンテンツページの数は一致しないと想定される。
すると次の各例のような不便が生ずる。
【0028】
例えば図4(b)のようにディスプレイページ数がコンテンツページ数より少ない場合を考える。
まず、一度に数ページ飛ばしたいときに、ディスプレイページ数以上には、めくることのできる先のページが存在しないため、実際の本のように直感的に飛ばすことができないという不便さがある。
例えばディスプレイページ数=50、コンテンツページ数=500のときに、閉じた状態、或いはコンテンツデータの10ページ目辺りを読んでいるときなどに、全体の4/5あたり(例えば400ページ目あたり)を見たいと思ったとする。
この場合、実際に400ページ目としてのディスプレイページは存在しないため、めくることができない。
またユーザが400ページ目あたりを、「本の後ろの方のページ」と直感的に考え、後ろの方のページ(ディスプレイページ)を開いたとしても、そこにはコンテンツページ40〜50辺りが表示されており、見ることができない。
結局、上述したページ更新ボタン7の操作を繰り返すなどして、見たいページを探していくことが必要になる。
【0029】
また、そのようなことから、ディスプレイページ数がコンテンツページ数より少ないとき、ディスプレイページ数以上に離れたページと現在のページを同時に開き、相互に確認することができない。
上記例で、例えばコンテンツデータの10ページ目と400ページ目を同時に見比べたいと思ったような場合でも、ページ更新ボタン7の操作で表示を更新する必要から、同時に見ることができない。これは通常の書籍に比べて甚だ不便となる。
【0030】
また、ディスプレイページ数がコンテンツページ数より少ないと、ディスプレイ数以上のページは表示されていないため、いきなり最終ページ周辺を直感的に開くことができない。この場合も、ページ更新ボタン7の操作を経て最終ページ付近を探す必要がある。
【0031】
一方、図4(c)のようにディスプレイページ数がコンテンツページ数より多い場合も不便がある。
ディスプレイページ数がコンテンツページ数より多いときは、ディスプレイ数以上のページは表示されていないため、いきなり最終ページ付近を直感的に開くことができない。
先に図2(b)で述べたように、この場合、コンテンツページ数を越えるディスプレイページには、何も表示されていない。つまり、図4(c)のように冊子状態とされた電子ブック1の厚みから、コンテンツデータの最終ページ付近を直感的に推定できない。直感的に最終のディスプレイページ辺りを開いても、そこには何も表示されていないこととなる。コンテンツデータの最終ページが「本の裏表紙近くのページ」となっていないからである。
このため、結局最終ページ付近を見つけるのが面倒となる。途中のページを見たい場合も同様である。コンテンツデータの最終ページの位置が推定できないため、「本の殆ど真ん中あたりのページ」を見たいとおもっても、ユーザが見たいコンテンツページは、電子ブック1の厚みの真ん中辺りのディスプレイページとはなっていないからである。
【0032】
これらの例のように、電子ブック1では、単に上述の基本的な表示方式のみでは、通常の紙の書籍のようにユーザの直感的なページめくりに対応した表示ができない。
そこで本実施の形態では、複数のディスプレイ部を一度にめくった際に、めくったディスプレイ数に相当するコンテンツページより先のコンテンツページを表示する。或いは複数のディスプレイ部を一度にページを戻す方向にめくった際に、めくったディスプレイ数に相当するコンテンツページより前のコンテンツページを表示する。
このような表示制御を加えることで、ユーザの直感的なページめくりに対応したコンテンツ表示を実現する。
【0033】
このためには、上述のように複数のディスプレイ部6を備えた電子ブック1は、直感的なページめくりに対応する表示制御を行う制御部(後述する制御部21)を備える。
制御部21は、現在の状態(第1状態)の表示部ページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、現在の状態(第1状態)の表示部ページに表示するコンテンツページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、現在の状態(第1状態)と第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値とを用いた演算により、第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する。
より具体的には、対象コンテンツページ総数に対する比が、対象表示部総数に対するページ差分値の比と同等となるコンテンツページの算出に基づいて、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定する。
そして次に開状態とされるディスプレイ部6に、当該決定したコンテンツページの内容を表示させる制御を行う。
また特に制御部21は、めくりページ数が所定数以上(例えば5ページ以上など)のときに、対象表示部総数、対象コンテンツページ総数、及びページ差分値を用いた演算で、次に開状態とされる表示部に表示すべきコンテンツページを決定する。
【0034】
<2.電子ブックの内部構成>
電子ブック1の内部構成例を図5に示す。なお、以下説明する構成における電気回路部分や、図示しない必要なバッテリー等の電源系は、背表紙部5の内部、或いは表示部3や裏表紙部4を形成するシート2の内部などに配置すればよい。
【0035】
電子ブック1は、例えば図5のように、ディスプレイ部6に対する表示を行うための構成として、制御部21、高速メモリ22、不揮発性メモリ23、コンテンツデータ入力部24、入力部25、表示データ生成部26、操作部27、センサ部28、バスI/F29を有する。
【0036】
制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)により形成され、電子ブック1の動作の全体を制御する。制御部21は図6で後述する機能を備えることで、後述する本実施の形態の表示処理を実行する。
【0037】
高速メモリ22は比較的高速にアクセスが可能なDDR−SDRAM(Double-Data-Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)などにより構成されて、制御部21(CPU)の処理を実行させるためのプログラムを展開したり、各種データの一時保存を行う。
例えば入力されたコンテンツデータや、後述するコンテンツデータの付加情報、ディスプレイ情報、表示状態テーブル等の記憶にも用いられる。
不揮発性メモリ23はフラッシュメモリなどにより構成され、制御部21(CPU)が実行するプログラムの保持を行う。また、入力されたコンテンツデータや付加情報の格納に不揮発性メモリ23を用いても良い。
なお、高速メモリ22や不揮発性メモリ23を構成する記憶媒体としては、DDR−SDRAMやフラッシュメモリに限らない。高速メモリ22は、S−RAM、D−RAM、SDR−SDRAM等の他の種のRAMでもよい。また不揮発性メモリ23としてHDD(Hard Disk Drive)、メモリカード等を用いても良い。またROM(Read Only Memory)を用いてもよい。
【0038】
コンテンツデータ入力部24は、コンテンツデータを電子ブック1内に取り込む部位である。例えばメディアドライブ部や、有線通信又は無線通信に対応する通信部などとして構成される。
コンテンツデータは半導体メモリなどにより構成された取り出し可能なメモリーカードや、ネットワークを通じたサーバー上に存在することが考えられる。さらにコンテンツデータは、電子ブック1と通信接続可能な外部機器や、電子ブック1内に内蔵されるHDDなどの磁気記録装置、半導体メモリ、光ディスクなどに書き込まれていることが考えられる。
【0039】
例えばコンテンツデータ(及びコンテンツデータの付加情報)が、メモリカードや光ディスク等の記録媒体によって提供される場合、コンテンツデータ入力部24は、カード再生装置部やディスク再生装置部として形成されて、メモリカードからコンテンツデータを読み出すものとすればよい。或いはHDDとして構成されることもある。
また、外部機器からの通信やネットワーク通信によってコンテンツデータが供給される場合、コンテンツデータ入力部24は、通信部とされて、送信されてくるコンテンツデータ及び付加情報を受信して取り込むようにすればよい。
このようにコンテンツデータ入力部24での再生や受信によって入力されるコンテンツデータ及び付加情報は、制御部21の制御により、高速メモリ22或いは不揮発性メモリ23に記憶される。
【0040】
コンテンツデータ入力部24で取得したコンテンツデータは、高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納されるが、一度に格納させるのは、コンテンツデータの全体でも良いし、一部でも良い。
例えばコンテンツデータがメモリカード等の記録媒体で提供される場合、コンテンツデータ入力部24は、制御部21の制御により、コンテンツデータのうちで現在表示動作に必要な部分を含む一部を読み出し、それを高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に記憶させても良い。つまり、必要に応じて部分的にコンテンツデータを取得するようにしてもよい。
以降では簡単のため、コンテンツデータ全てが一度にコンテンツデータ入力部24から取得され、高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納されるものとして説明を続ける。
【0041】
なお、コンテンツデータの付加情報とは、コンテンツデータのタイトル情報、管理情報、サイズ情報などに加え、本例の場合、コンテンツデータのページ情報(コンテンツページの情報)や、後述するインデックスページの情報が含まれているとする。
【0042】
入力部25は、操作部27からの入力や、センサ部28からの検出信号入力を受け付け、必要なデコード処理を行い、入力情報(操作情報や検出情報)を制御部21に伝える。
【0043】
操作部27とは、例えば上述のページ更新ボタン7などの操作子に相当する。ページ更新ボタン7以外に、電源ボタン等の他の操作子、各種設定操作のための操作子などが設けられる場合もある。
制御部21は、操作部27を用いたユーザの操作入力情報を入力部25から受け取り、必要な制御処理を行う。
【0044】
センサ部28とは、ユーザによって開かれている(開かれようとしている)ディスプレイページを検出するセンサである。
制御部21は、センサ部28からの検出信号を入力部25を介して受け取り、どのディスプレイページが開かれたかを認識し、開かれたディスプレイページに応じて所要の表示制御を行う。詳しくは後述する。
【0045】
センサ部28の構成は多様に考えられる。
ページ開きの検知方法としては直接開いたディスプレイページを認識する方式の他に、各ディスプレイページ間の接触を検知して、そこから開いたディスプレイページを認識する方式や、背表紙部に接続された連続した各ディスプレイ部6間の角度を検出して、開いたディスプレイページを認識する方式がある。
【0046】
直接開いたディスプレイページを認識する方式としてはフォトトランジスタやフォトダイオードにより構成される照度センサをページ間に設置することが考えられる。この場合、或るディスプレイページを開くと、照度センサが外光の明るさを検知する。この場合、制御部21は外光を検知した照度センサが配置されている見開きの左右ディスプレイページが開かれたと認識できる。
【0047】
各ディスプレイページ間の接触を検知する方式としては、次のように構成される。例えば図8(a)(b)に示すように、奇数ディスプレイページには、ページ上に凸部10を設け、偶数ディスプレイページには凸部10に対応した凹部12を設ける。凹部12内にはスイッチ11を配置する。そしてディスプレイページが閉じている状態では、このスイッチ303が凸部10によって押される構成とする。
このスイッチ10の状態(スイッチのオン/オフ信号)を監視することで、制御部21は各ディスプレイページの開閉を認識できる。つまりスイッチが押されている見開きの両ディスプレイページは閉状態で、スイッチが押されていない見開きの両ディスプレイページは開状態と判断可能である。
図8(a)(b)の例では奇数ディスプレイページに凸部10、偶数ディスプレイページにスイッチ12が配置される構成であったが、奇数ディスプレイページにスイッチ10、偶数ディスプレイページに凸部10を配置するなど、他の構成をとってもよい。
【0048】
さらに、各ディスプレイ部6間の角度を検出して、ページ開きを検知する方式としては、図3(c)に示す各ディスプレイページ間の角度(θ1,θ2)を測定可能な回転角度センサを背表紙部5に埋め込むことが考えられる。
この回転角度センサの検出情報を入力することで、制御部21は、ある角度以上に開いている見開きの両ディスプレイページが開状態のページと認識することが可能である。
例えばディスプレイページ間の角度θが30度以上ならば開いているとすれば、図8(c)のディスプレイページDispA、DispB間の角度θ2と、ディスプレイページDispC、DispD間の角度θ1が30度以上のため、この両方の見開きのページが開状態とみなせる。
また一番角度θが大きいページを開いているとみなすならば、図8(c)の場合、ディスプレイページDispC、DispDのみが開状態とみなせる。
ただし回転角度センサを用いる場合は各ディスプレイ部6間の数だけの回転角度センサを用意する必要があるため、ディスプレイ部6の数(シート2の数)が多くなると構成が煩雑となるということはある。
【0049】
図5に戻って、表示データ生成部26は、コンテンツデータ入力部24から取得して高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納しているコンテンツデータについて、制御部21の指示に従って、各ディスプレイ部6での表示のための処理を行う。
即ち表示データ生成部26は、制御部21により指定されるコンテンツページを受取り、その表示するべきコンテンツページの表示画面の構成を行う。
例えばコンテンツデータはHTML(Hypertext Markup Language)形式やEPUB(electronic publication )形式、またはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などで保存されているため、それらのデータを表示データ生成部26でデコードし、画面構成を生成する。生成された画面データは各ディスプレイ部6へ転送され、表示される。
【0050】
ディスプレイ部6は、図1で説明したように、多数設けられる。
各ディスプレイ部は1より始まるディスプレイページ番号で制御部21に管理される。そして各ディスプレイ部6は、表示データ生成部26から供給される画面データに応じて表示動作を行う。
ディスプレイ部6としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなど表示が可能な薄型デバイスならばどのような構成でもよい。
【0051】
バスI/F29は、内蔵される調停機能により制御を行いながら各部間の各種データの転送を行う。
【0052】
以上のような構成の本実施の形態の電子ブック1では、後述する表示制御処理を実現するため、制御部21は、図6に示す機能構成を備える。
図6は、制御部21(CPU)がプログラムに基づいた処理を実行することで発現される機能をブロック化して示している。従って、制御部21内でソフトウエアにより形成される機能ブロックとして考えることができる。
なお、ここではソフトウエアにより実現される機能として各ブロックを説明するが、各ブロックをハードウエアによる装置部とし、その全体が制御部21に相当する制御回路を構成するものとして電子ブック1内に設けることも可能である。
【0053】
図6に示すように、制御部21には機能ブロックとして、コンテンツ入力/格納制御部31、表示演算部32、入力検知部33、表示状態管理部34、ディスプレイ情報管理部35を備える。
【0054】
コンテンツ入力/格納制御部31は、上述したコンテンツデータ入力部24からのコンテンツデータ及び付加情報の取得や、その高速メモリ22又は不揮発性メモリ23への格納動作を制御する。
即ちコンテンツ入力/格納制御部31は、コンテンツデータ入力部24での再生又は受信動作の制御、取得したコンテンツデータ及び付加情報のメモリ(22又は23)への転送及び書込の制御を行う。
またコンテンツ入力/格納制御部31は、表示処理のためのコンテンツデータの表示データ生成部26への転送や、付加情報の確認処理なども行う。
コンテンツデータのページ数などの付加情報は表示演算部32での表示コンテンツページ決定の演算に利用される。
【0055】
表示演算部32は、各ディスプレイ部6に表示するコンテンツページを決定する処理を行う。具体的には、電源オン時等に最初に各ディスプレイ部6に表示するコンテンツページの決定や、ページ更新ボタン7の操作に応じての各ディスプレイ部6に表示するコンテンツページの決定を行う。
また特に本実施の形態の場合、ユーザのページめくりに応じた処理として、直感的なページめくりに対応するために、ディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページの決定処理を行う。つまりどのディスプレイページにどのコンテンツページを表示するかの演算を行う。演算の詳細は後述する。
これらの処理のため、表示演算部32は、コンテンツ入力/格納制御部31からのコンテンツデータの付加情報(コンテンツページの総数やページ情報、インデックスページ情報等)や、後述するディスプレイ情報、表示状態管理テーブルの情報を参照する。
表示演算部32は、どのディスプレイページにどのコンテンツページを表示するか決定し、その情報を表示データ生成部26に与えて、表示画像を生成させ、必要な表示更新を実行させる。
【0056】
入力検知部33は、入力部25からの情報、即ちユーザ操作の情報や、センサ28による各ディスプレイページの開閉情報を検知する処理を行う。
【0057】
表示状態管理部34は、表示状態管理テーブルを用いて、現在の各ディスプレイページでの表示内容(コンテンツページ)を管理する。
表示状態管理テーブルの例を図7に示す。
表示状態管理テーブルは、図7(a)に示すように、ディスプレイページと、各ディスプレイページに表示しているコンテンツページを対応させて管理するテーブルとされる。例えばディスプレイページが50ページの場合、ディスプレイページDisp1〜Disp50に対応させて、それぞれコンテンツページ数を記憶する。
この表示状態管理テーブルは、例えば高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納される。そして表示状態管理部34は、必要に応じて表示状態管理テーブルを参照し、また表示演算部32の演算によって表示内容が更新されることに応じて、表示状態管理テーブルの内容の書き換えを行う。
【0058】
例えば図7(a)は初期の表示状態に対応した例である。
例えばディスプレイ部6が50個、つまりディスプレイページが50ページであって、240ページのコンテンツデータの表示を行うことを考える。
電子ブック1の電源オン後に、まずディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50をそれぞれ表示させるとする。
このとき、表示状態管理部34は、図7(a)のように表示状態管理テーブルの内容を設定する。つまりディスプレイページDisp1にコンテンツページ1、Disp2にコンテンツページ2、Disp3にコンテンツページ3、Disp4にコンテンツページ4、・・・Disp48にコンテンツページ48、Disp49にコンテンツページ49、Disp50にコンテンツページ50というようにテーブル情報を設定する。
【0059】
ここで、後述する処理で、ユーザのページめくりに応じて、表示演算部32が、ディスプレイページDisp49、Disp50に、コンテンツページ239,240を表示させるものとしたとする。すると、表示状態管理部34は、表示状態管理テーブルの内容を図7(b)に示すように更新する。つまりディスプレイページDisp49にコンテンツページ239、Disp50にコンテンツページ240というようにテーブル情報を更新する。
【0060】
またさらにユーザがコンテンツページ239,240を開いた状態から前に1ページめくったとする。その場合、後述する処理で、表示演算部32は、ディスプレイページDisp47、Disp48に、コンテンツページ237,238を表示させることになる。その場合、表示状態管理部34は、表示状態管理テーブルの内容を図7(c)に示すように更新する。つまりディスプレイページDisp47、Disp48に対応してコンテンツページ237、238というようにテーブル情報を更新する。
【0061】
このように表示状態管理部34は、常に現在の各ディスプレイページでの表示内容が、表示状態管理テーブルで表せるようにし、これによって制御部21は、常に現在の各ディスプレイページで表示されているコンテンツページを把握できるようにしている。
【0062】
ディスプレイ情報管理部35は、電子ブック1のディスプレイ部6の情報を管理する。ディスプレイ情報の1つとして、ディスプレイ部6の数、つまりディスプレイページの総数を管理する。
電子ブック1の各シート2(ディスプレイ部6)が取り外しや追加が可能な構成とされ、ディスプレイページの総数が変化する可能性がある場合、ディスプレイ情報管理部35は、ディスプレイ部6の取り外しや追加に応じて、ディスプレイページ総数情報を更新する。
例えば背表紙部5に接続されるディスプレイ部6の数は、制御部21が各ディスプレイ部6を1より連続するディスプレイページ番号により管理しているため、最大値を読み出すことで、算出可能である。
なおディスプレイ部6の数が固定の電子ブック1として構成する場合、ディスプレイ情報管理部35は、固定的な値としてディスプレイページ総数を管理していればよい。
【0063】
またディスプレイ情報管理部35は、ディスプレイ情報の1つとして、現在ユーザが見ている(つまり開状態の)ディスプレイページを管理する。
開状態となったディスプレイページは、上述のようにセンサ部28の検出情報を制御部21(入力検知部33)が検知することで把握される。
ディスプレイ情報管理部35は、この検知したセンサ部28からの情報に基づき、現在開状態となっているディスプレイページ番号を判別し、記憶する。
またユーザのページめくりに応じて、次に開状態となるディスプレイページ番号の判別及び記憶も行う。
現在開状態となっているディスプレイページの情報及び次に開状態とされるディスプレイページの情報は、適宜表示演算部32に受け渡され、表示するコンテンツページの決定のための演算処理に用いられる。
【0064】
<3.表示制御処理>
[3−1:全体処理]
上記構成の電子ブック1における表示制御動作について説明していく。
以下、各フローチャートにより説明する処理は、上記図6の機能を備える制御部21がプログラムに基づいて実行する処理である。
【0065】
まず図9で電源オンから電源オフまでの全体処理を説明する。
電子ブック1の電源オン操作が行われると、図9の処理が開始され、制御部21はステップF101で電源オン及び起動処理を行う。なお、電源オンは、例えば操作部27に電源ボタンが設けられる場合は、のユーザの電源操作子による。或いは、例えば電子ブック1が開かれたら電源オンとすることもできる。
【0066】
電源オンとなった後は、制御部21は、ステップF102でコンテンツ表示のための制御処理を行う。ステップF102の詳細については図10で後述するが、例えば初期の表示状態として、図2,図3で説明したような表示を各ディスプレイ部6に実行させる。
例えばディスプレイページ総数=コンテンツページ総数であれば、図2(a)のように、各ディスプレイ部6に各コンテンツページの表示を実行させる。
またディスプレイページ総数>コンテンツページ総数であれば、図2(b)のように、コンテンツページ総数分の各ディスプレイ部6に各コンテンツページの表示を実行させ、残りのディスプレイ部6には何も表示しない。
またディスプレイページ総数<コンテンツページ総数であれば、図3(a)(b)(c)のように、最初に全ディスプレイ部6に表示できるだけのコンテンツページの表示を実行させる。
このステップF102では、主に制御部21内のコンテンツ入力/格納制御部31、表示演算部32、表示状態管理部34の機能による処理が実行される。
【0067】
制御部21は、ステップF103において、ページがめくられたか否かの判断を行う。ページをめくられたか否かは入力部25よりディスプレイ部6の開閉情報を取得し、その結果を制御部21が受け取ることで行われる。
そして制御部21はディスプレイ情報管理部35の機能により、これまで保持されていたディスプレイページ番号(現在開いていたディスプレイページ番号)を取得して、入力検知部33が検知した次のディスプレイページ番号(次に開状態とされたディスプレイページ)と比較を行う。
新たに検知したディスプレイページ番号が、これまで保持されていたディスプレイページ番号と異なれば、ページをめくったと判断してステップF104へ移行する。
新たに検知したディスプレイページ番号が、これまで保持されていたディスプレイページ番号と同じであればページをめくっていないと判断してステップF106へ移行する。
このように、ステップF103の処理は、主に制御部21内の入力検知部33、ディスプレイ情報管理部35の機能による処理となる。
【0068】
制御部21は、ステップF104において、更新モードの選択を行う。
制御部21は、ディスプレイページ総数と、新たに開かれたと検知したディスプレイページ番号と、これまで開かれていたディスプレイページ番号とから、ディスプレイのめくり方に応じて、最適な更新モードを選択する。更新モードの選択の詳細については後述する。更新モードが選択されるとステップF105へ移行する。
このステップF104の処理は、主に制御部21内のディスプレイ情報管理部35、表示演算部32の機能による処理となる。
【0069】
制御部21は、ステップF105において、表示更新を実行する。
制御部21は、上記ステップF104で選択した更新モードに応じたアルゴリズムで演算を行い、その結果、新しく開かれたディスプレイページに対して表示するべき、コンテンツページの算出を行う。そしてそのコンテンツページを表示させるように表示データ生成部26に指示し、ディスプレイ部6における必要な表示更新を実行させる。また更新に応じて表示状態管理テーブルの更新も実行する。
各更新モードに応じた表示更新のための演算処理の例は後述する。
このステップF105の処理は、主に制御部21内の表示演算部32、表示状態管理部34の機能による処理となる。
表示更新制御を実行したら、制御部21はステップF106へ移行する。
【0070】
制御部21は、ステップF106において、入力部25を通じて取得した情報により電源がオフにされたかの判断を行う。ここで電源オフとされたと判断されたらステップF107で処理を終了する。電源オフでなければ、ステップF103へ移行し、引き続き本処理を続行する。
【0071】
なお、図9では省略したが、図3のようにコンテンツページ総数がディスプレイページ総数の場合であって、ユーザがページ更新ボタン7を押した場合は、図3(d)(e)で説明したような表示内容の更新を行うこととなる。
【0072】
[3−2:コンテンツ表示処理]
上記図9のステップF102のコンテンツ表示処理の詳細を図10に示す。
制御部21は、ステップF201としてコンテンツ表示処理を開始する。制御部21は、ステップF202において、コンテンツデータの取得制御を行う。即ち制御部21は、コンテンツデータ入力部24に指示して、コンテンツデータ及び付加情報を取得させ、高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に転送させて格納させる。
【0073】
制御部21はステップF203において、コンテンツページ総数の取得を行う。即ちコンテンツデータの付加情報から、当該コンテンツデータの総ページ数の情報を抽出する。
なお、取得するコンテンツデータの付加情報として必ずしもコンテンツデータの総ページ数の情報自体が含まれていなくても良い。
例えばコンテンツデータのサイズ情報があれば、そのサイズ情報と、1つのディスプレイ部6へ表示するデータ量を用いて、総ページ数を算出することができる。またコンテンツデータ内に個々のページ番号情報が存在すれば、それを参照して総ページ数を算出することも可能である。
制御部21は、このようにコンテンツデータの総ページ数を確認して、その値を保持する。例えば50ページ分のコンテンツデータであれば、総ページ数=50として保持する。
【0074】
続いて制御部21はステップF204において、ディスプレイ部6の数、つまりディスプレイページ総数の取得を行う。
上述したように、ディスプレイ部6が着脱可能であれば、その時点で背表紙部5に接続されているディスプレイ部6の数を数え、そのディスプレイページ総数を把握する。ディスプレイ部6が着脱可能の構成ではない場合、ディスプレイページ総数は、固定値をロードすればよい。
【0075】
制御部21はステップF205において、現在開かれているディスプレイページ番号の取得を行う。この場合、入力部25からのセンサ部28の検出情報を検知し、現在開かれているディスプレイページ番号を確認する。
この処理により電源投入直後に電子ブック1のどのディスプレイページが開かれているかの状態を知ることができる。
例えば図11(a)に示すような場合は、外にみえているのが表紙部3だけで電子ブック1としては閉じている状態なので、現在のディスプレイページ番号=「0」とする。
また図11(b)の場合は、ディスプレイページDisp1とDisp2が開かれた状態であるため、現在のディスプレイページ番号=「1」「2」とする。
【0076】
次に制御部21はステップF206において、表示コンテンツの演算を行う。即ち制御部21は、先に取得したコンテンツデータの総ページ数と、ディスプレイページ総数から、どのディスプレイ部6にどのコンテンツページを表示するかの演算を行う。
そして制御部21はステップF207で演算結果として、各ディスプレイページにどのコンテンツデータページを表示させるかの指示情報を生成する。
例えばディスプレイページ総数=50、コンテンツページ総数=50であれば、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50のそれぞれを表示させるとの指示情報を生成する。
またディスプレイページ総数=50、コンテンツページ総数=25であれば、ディスプレイページDisp1〜Disp25にコンテンツページ1〜25のそれぞれを表示させ、ディスプレイページDisp26〜Disp50には何も表示しないとの指示情報を生成する。
またディスプレイページ総数=50、コンテンツページ総数=100であれば、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツデータの最初の50ページ、つまりコンテンツページ1〜50のそれぞれを表示させるとの指示情報を生成する。
【0077】
ステップF207で制御部21は、このように生成した指示情報を表示データ生成部26に供給する。
これに応じて表示データ生成部26では、表示するべきコンテンツページの生成処理を行う。つまり表示データ生成部26は、各ディスプレイページDisp1〜Disp50についてそれぞれ、制御部21から指定されたコンテンツページによる表示画像(ページデータ)の生成を行う。
高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納されたコンテンツデータは、ページ構成と文字、写真などを含んでおり、そのコンテンツデータのデコードを行い、各ディスプレイページに対応するページデータの生成を行うこととなる。
【0078】
ステップF208で制御部21は、表示データ生成部26に表示実行を指示する。
表示データ生成部26は、作成した各ページデータを、各ディスプレイ部6に転送し、表示を実行させる。これにより、各ディスプレイ部6で、制御部21の演算結果に基づいたコンテンツページの内容が表示されることになる。
つまり、図2,図3で説明したコンテンツページとディスプレイページの総数の関係に応じた表示状態が初期の表示状態として得られる。
【0079】
またこのとき、制御部21は表示状態管理テーブルの更新を行う。例えば図2(a)又は図3のような場合で、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50のそれぞれを表示させた場合は、図7(a)のように、「Disp1」〜「Disp50」に対応してコンテンツページ「1」〜「50」が記憶される状態に、表示状態管理テーブルを更新する。
図2(b)のような場合であって、ディスプレイページDisp1〜Disp25にコンテンツページ1〜25のそれぞれを表示させ、ディスプレイページDisp26〜Disp50には何も表示しないように制御した場合の表示状態管理テーブルは図7(d)のようになる。即ち制御部21は、「Disp1」〜「Disp25」に対応して、コンテンツページ「1」〜「25」が記憶され、「Disp26」〜「Disp50」に対応して、「0」が記憶された状態に表示状態管理テーブルを更新する。「0」は、何も表示していない状態を示す値とする。
【0080】
以上の処理を行ったら、制御部21は、ステップF209で電源オン時のコンテンツ表示処理を終える。
【0081】
[3−3:表示更新処理]
上記図9で述べたように、ユーザがページめくりを行った場合、ステップF104で更新モードが選択され、ステップF105で表示更新処理が行われる。
ここでは更新モード選択後にステップF105で行われる表示更新処理の例を説明する。
本実施の形態では、一例として、ステップF104で選択されうる更新モードとして、第1モード〜第4モードがあるとする。
そしてステップF105では、第1モード〜第4モードのうちいずれかのモードに応じたアルゴリズムで、めくられたディスプレイページに表示すべきコンテンツページが決定され、表示制御が行われる。即ち制御部21は、コンテンツの総ページ数、現在のコンテンツページ、ディスプレイページ総数、現在のディスプレイページ番号、めくり後のディスプレイページ番号のうち一つ、もしくは複数を利用して、めくり後のディスプレイページに表示するコンテンツページを算出している。
どのような場合に各更新モード(第1モード〜第4モード)を使用するかは後述するが、第1モード〜第4モードは次のようになる。
【0082】
第1モードは、1ページ更新動作として、ユーザがめくったページ数に応じてめくられた後のディスプレイページに表示するコンテンツページを決定するモードであり、1〜数ページ等、少数のページめくりを行った場合に適用する。
第2モードは、電子ブック1が閉じられた状態から開けられたときに、ディスプレイページ総数とコンテンツページ総数から、ユーザが直感的に開いたディスプレイページに表示するのに適したコンテンツページを決定するモードである。
第3モードは、現在開いているディスプレイページから、ページ進み方向にページめくりが行われた場合に、現在のディスプレイページ、コンテンツページと、残りのディスプレイページ数、コンテンツページ総数から、直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツを決定するモードである。
第4モードは、現在開いているディスプレイページから、ページ戻し方向にページめくりが行われた場合に、現在のディスプレイページ、コンテンツページと、残りのディスプレイページ数(新たに開いたディスプレイページまでのディスプレイページ数)、コンテンツページ総数から、直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツを決定するモードである。
【0083】
図12で、ユーザによるページめくりが検出された際に、図9のステップF105として行われる表示更新処理の例を示す。
制御部21はステップF301で表示更新処理を開始する。
制御部21はステップF302において、電子ブック1に装着されているディスプレイ部6の総数(ディスプレイページ総数)を取得する。上記図10のステップF202と同様にディスプレイページ総数を確認する。
【0084】
ステップF303において制御部21は、現在のディスプレイページ番号を演算に用いる値として取得する。ここで取得される現在のディスプレイページ番号とは、ページめくりが実行される前に、閲覧していたディスプレイ部6のディスプレイページ番号である。
例えばユーザが、図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2を見開き状態で閲覧しており、図11(d)のようにディスプレイページDisp27、Disp28を見開き状態にしたときを考えると、まず現在のディスプレイページ番号「1」「2」を演算用の値としてセットする。
【0085】
ステップF304において制御部21は、めくり後のディスプレイページ番号を演算に用いる値として取得する。ここで取得されるディスプレイ番号とはページめくりが実行された後に、ユーザが閲覧するディスプレイページの番号である。例えば上記のように図8(b)から図8(d)の状態にページめくりが行われた場合は、めくり後のディスプレイページ番号「27」「28」を演算用の値としてセットする。
【0086】
ステップF305において制御部21は、コンテンツページ総数を演算に用いる値として取得する。図10のステップF203と同様に付加情報等から判別できる値である。例えばコンテンツページ総数=30であれば、制御部21はコンテンツページ総数「30」を演算用の値としてセットする。
【0087】
ステップF306において制御部21は、現在のコンテンツページの値を演算に用いる値として取得する。これは、ページめくり直前にユーザが閲覧していたコンテンツページである。このコンテンツページの値は、表示状態管理テーブルを参照することで得られる。例えばユーザが、ページめくりの前に図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2を見ており、表示状態管理テーブルが図7(a)の状態であったとする。すると、表示状態管理テーブルから、現在(ページめくり直前)のコンテンツページの値を「1」「2」と認識できる。
制御部21は現在のコンテンツページ「1」「2」を演算用の値としてセットする。
【0088】
制御部21はステップF307において、めくり後に表示すべきコンテンツページの演算を行う。
ここでは制御部21は、ステップF302〜F306で演算用の値としてセットした、ディスプレイページ総数、現在のディスプレイページ番号、めくり後のディスプレイページ番号、コンテンツページ総数、現在のコンテンツページを用いて、ページめくり後のディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算を行う。
この演算処理として、上述の第1モード〜第4モードのうちいづれかのモードの演算が行われることとなる。
なお、後述の演算では、見開き状態の2つのページの内、一方を用いればよい。例えば上記の例において偶数ページを演算に用いるとすると、現在のディスプレイページ番号=「2」、めくり後のディスプレイページ番号=「28」、現在のコンテンツページ=「2」を、後述する演算式にあてはめればよい。
【0089】
第1モード〜第4モードのうちいづれかの演算により、ページめくり後のディスプレイページに表示するコンテンツページを決定したら、制御部21はステップF308に進む。ステップF308では、当該決定したコンテンツページが、既に、めくり後のディスプレイページに表示されているか否かを判断する。この判断も、表示状態管理テーブルを参照することでできる。
例えばユーザが、図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2を見開き状態で閲覧しており、図11(c)のようにディスプレイページDisp3、Disp4を見開き状態にしたときを考える。つまり1ページだけめくった場合である。このときにステップF307で、ページめくり後のディスプレイページDisp3、Disp4に表示するコンテンツページは、「3」「4」であると決定したとする。この場合に、ステップF308で図7(a)の状態になっている表示状態管理テーブルを参照する。すると、既に、ディスプレイページDisp3、Disp4にはコンテンツページ「3」「4」が表示されていると記述されている。
その場合制御部21は、ステップF308で、演算で決定したコンテンツページが、既にめくり後のディスプレイページに表示されていると判断し、その場合は特に表示制御は不要であるため、ステップF310に進み、表示更新処理を終える。
【0090】
一方、表示状態管理テーブルが図7(a)の状態のときに、例えばユーザが、ディスプレイページDisp49、Disp50を見開き状態にし、ステップF307の演算結果として、コンテンツページ「239」「240」を表示すると決定したとする。
この場合、ステップF308で表示状態管理テーブルを確認すると、図7(a)の場合、ディスプレイページDisp49、Disp50に対応して「49」「50」となっている。つまり、そのページめくりの直前までの時点(現時点)で、コンテンツページ「49」「50」が表示状態であることがわかる。
このような場合、表示内容の更新が必要になる。
そこで制御部21はステップF309に進み、表示更新制御を行う。
即ち表示データ生成部26に対し、ディスプレイページDisp49、Disp50についてコンテンツページ「239」「240」を表示するように指示する。
【0091】
これに応じて表示データ生成部26では、コンテンツページの生成処理を行う。つまり表示データ生成部26は、ディスプレイページDisp49、Disp50について、指定されたコンテンツページ「239」「240」の情報内容を高速メモリ22又は不揮発性メモリ23から読み出し、その表示画像(ページデータ)の生成を行う。
そして表示データ生成部26は生成したページデータを、めくり後のディスプレイページNとしてのディスプレイ部6に供給し、表示を実行させる。これによって、例えばディスプレイページDisp49、Disp50に、コンテンツページ「239」「240」の表示が実行されることとなる。
【0092】
またこのとき、制御部21は表示状態管理テーブルの更新を行う。即ち、例えば図7(a)の管理状態であったとしたら、ディスプレイページDisp49、Disp50にコンテンツページ「239」「240」の表示を実行させたことに応じて、図7(b)にように表示状態管理テーブルの内容を更新する。つまりディスプレイページDisp49、Disp50に対応するコンテンツページの値を「239」「240」に更新する。
その後、制御部21の処理はステップF310に進み、表示更新処理を終える。
【0093】
なお、ステップF307の演算では、表示すべきコンテンツページの値として「0」、つまり何も表示しないとの結果が出ることがある。
その場合も、ステップF308の処理は表示状態管理テーブルで、当該ページめくり後のディスプレイページに対応する値が「0」であるか否かを確認する。
「0」であれば、そのままステップF310で処理を終える。「0」でなければ、ステップF309で、表示更新を行う。つまりその場合制御部21は、当該ページめくり後のディスプレイページには、「何も表示しない」との指示を表示データ生成部26に送り、空白ページ状態での表示を実行させる。また制御部21は、表示状態管理テーブルにおいて、当該ページめくり後のディスプレイページに対応するコンテンツページの値を「0」に更新する。
そしてステップF310で表示更新処理を終える。
【0094】
(3−3−1 第1モード)
上記のステップF307の演算として、第1モードの演算処理を説明する。
第1モードの演算は、単純にめくられたディスプレイページ数だけコンテンツページを進める演算である。
【0095】
ここで例として、ディスプレイページ総数が50、コンテンツページ総数が30の場合に、図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2にコンテンツページ「1」「2」が表示されている状態を考える。ここで、ユーザが図11(d)のようにディスプレイページDisp27、Disp28を開いたとする。このときに、もし第1モードで演算が行われるとすると、このディスプレイページDisp27、Disp28に表示するコンテンツページは「27」「28」としての演算結果が得られることとなる。
また図11(b)の状態から、図11(e)のように、ディスプレイページDisp35、Disp36が開かれたとする。このときに、もし第1モードで演算が行われるとすると、このディスプレイページDisp35、Disp36に表示するコンテンツページは「35」「36」となるが、コンテンツページ総数が「30」であり「35」「36」は存在しない。このため演算結果として「0」が得られることとなる。
【0096】
コンテンツページ総数をCa、現在の(ページめくり前の)コンテンツページの値をCn、ディスプレイページ総数をDa、現在のディスプレイページ番号をDn、ページめくり後のディスプレイページ番号をDmとする。
すると、ページめくり後のコンテンツページCmを算出する第1モードの演算は以下になる。
Cm=Dm−Dn+Cn
但し、演算結果Cmがコンテンツページ総数Caよりも大きいときは、ページが存在しないため、Cm=0となる。
【0097】
この第1モードの演算処理を図13に示す。上記図9のステップF104で第1モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図13の処理が行われる。
制御部21はステップF501で第1モードの演算を開始する。
ステップF502で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=Dm−Dn+Cnの演算を行う。
【0098】
ステップF503で制御部21は、演算結果Cm≦コンテンツページ総数Caであるかの判断を行う。
これはめくり後のコンテンツページ番号と、コンテンツページ総数を比較して、めくり後のコンテンツページが存在するか否かの判断である。
ここでCm≦Caであると判断されるとステップF505で処理を終了する。この場合制御部21は、ステップF502で算出したコンテンツページCmを、めくり後のコンテンツページとして決定したことになる。
【0099】
制御部21はCm≦Caでないと判断するとステップF504へ移行する。ステップF504においては、めくり後のコンテンツページが存在しないため、めくり後のコンテンツページCmの値を「0」に更新する。そしてステップF505で処理を終了する。
この場合制御部21は、コンテンツページCm=0、つまり、めくり後のコンテンツページには何も表示しないと決定したことになる。
【0100】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=30のときに、ディスプレイページDisp1、Disp2が見開き状態でコンテンツページ「1」「2」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp15、Disp16を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=16−2+2=16のため、「15」「16」となる。これによりディスプレイページDisp15、Disp16にコンテンツページ「15」「16」が表示される状態に制御される。
【0101】
・例2
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=30のときに、ディスプレイページDisp5、Disp6が見開き状態でコンテンツページ「5」「6」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp33、Disp34を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=34−6+6=34であるが、Ca=30のためCm>CaよりCm=0、つまりはコンテンツページは表示されない。
【0102】
・例3
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=100のときに、ディスプレイページDisp3、Disp4が見開き状態でコンテンツページ「53」「54」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp21、Disp22を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=22−4+54=72となる。このため、ディスプレイページDisp21、Disp22にコンテンツページ「71」「72」が表示される。
【0103】
・例4
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=100のときに、ディスプレイページDisp21、Disp22が見開き状態でコンテンツページ「71」「72」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp3、Disp4を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=4−22+72=54となる。このため、ディスプレイページDisp3、Disp4にコンテンツページ「53」「54」が表示される。
【0104】
以上のように、この第1モードの処理は、現在開状態のディスプレイページに表示しているコンテンツページの値に対して、ディスプレイページのめくり数を加算又は減算した値のコンテンツページを算出する。それを、次に開状態とされるディスプレイページに表示すべきコンテンツページとして決定する処理となる。
【0105】
(3−3−2 第2モード)
上記のステップF307の演算として、第2モードの演算処理を説明する。
第2モードの演算は、ディスプレイページ総数とコンテンツページ総数から、ユーザが直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算である。
【0106】
具体的には、ディスプレイページ総数Da、コンテンツページ総数Caの比より、めくった後のディスプレイページDmに、めくり後のコンテンツページCmを表示する。
Da:Ca=Dm:Cm
より、ページめくり後のコンテンツページCmは
Cm=Dm・Ca/Da
で表すことができる。
【0107】
図14(a)に第2モードの演算処理を示す。 上記図9のステップF104で第2モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図14(a)の処理が行われる。
制御部21はステップF511で第2モードの演算を開始する。
ステップF512で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=Dm・Ca/Daの演算を行う。
ステップF513で制御部21は処理を終える。
【0108】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=30のときに、図11(a)(f)に示すように電子ブック1が閉じた状態であったとする。
この状態からディスプレイページDisp11、Disp12が見開き状態に開かれたとすると、表示されるコンテンツページCm=12×30/50=7のため、コンテンツページ「6」「7」が表示される。
【0109】
・例2
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=100のときに、図11(a)(f)に示すように電子ブック1が閉じた状態であったとする。
この状態からディスプレイページDisp21、Disp22が見開き状態に開かれたとすると、表示されるコンテンツページCm=22×100/50=44のため、コンテンツページ「43」「44」が表示される。
【0110】
以上のように第2モードの演算では、制御部21は、ディスプレイ部6の総数(Da)を対象表示部総数の値とする。
またコンテンツデータの総ページ数(Ca)を対象コンテンツページ総数の値とする。
また現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6のディスプレイページの値(Dm)をページ差分値とする。
そして対象コンテンツページ総数(Ca)に対する比が、対象表示部総数(Da)に対するページ差分値(Dm)の比と同等となるコンテンツページ(Cm)を算出して、それを次に開状態とされる表示ディスプレイページに表示すべきコンテンツページとして決定する。
【0111】
(3−3−3 第3モード)
上記のステップF307の演算として、第3モードの演算処理を説明する。
第3モードの演算は、現在開いているディスプレイページ番号、コンテンツページ番号と、残りのディスプレイページ数、コンテンツページ数から、ユーザがページ進み方向に直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算である。
即ち、この第3モードでは現在開いているディスプレイページ、コンテンツページと、ページ進み方向の残りのディスプレイ数、残りのコンテンツページ数とページを進める方向にめくったディスプレイ数の比の関係によりコンテンツページを算出する。
【0112】
例えば、100枚のディスプレイページの電子ブック1に、1000ページのコンテンツをロードし、ディスプレイページDisp50を開いてコンテンツページ「50」を読んでいるとする。このとき、残りのディスプレイ部6の数は50枚、残りのコンテンツページは950ページである。
その状態で残りのディスプレイ部6の50枚の真ん中の25枚目を開くと、そこには残りのコンテンツページ950ページの真ん中である、475ページ進んだ525ページ目が表示されるようにする。
【0113】
ディスプレイページ総数Da、現在のディスプレイページ番号Dnから、残りのディスプレイページ数はDa−Dnで表される。
またコンテンツページ総数Ca、現在のコンテンツページ番号Cnから、残りのコンテンツページ数はCa−Cnで表される。
ここで、ディスプレイページ番号Dmまでめくったとすると、コンテンツページの進むページ数Cxは、
Da−Dn:Ca−Cn=Dm−Dn:Cx
Cx=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)
つまりは、ディスプレイページ番号Dmまでめくったときに表示されるコンテンツページCmは、
Cm=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)+Cn (但しDm≧Dn)
で表すことができる。
【0114】
図14(b)に第3モードの演算処理を示す。 上記図9のステップF104で第3モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図14(b)の処理が行われる。
制御部21はステップF521で第3モードの演算を開始する。
ステップF522で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)+Cnの演算を行う。
ステップF523で制御部21は処理を終える。
【0115】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイページ総数Da=100、コンテンツページ総数Ca=1000のときに、ディスプレイページDisp49、Disp50が見開き状態でコンテンツページ「49」「50」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp79、Disp80を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=(80−50)×(1000−50)/(100−50)+50=620となる。これにより、コンテンツページ「619」「620」が表示される。
【0116】
・例2
ディスプレイページ総数Da=100、コンテンツページ総数Ca=1000のときに、ディスプレイページDisp21、Disp22が見開き状態でコンテンツページ「321」「322」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp89、Disp90を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=(90−22)×(1000−322)/(100−22)+322=913となる。これにより、コンテンツページ「912」「913」が表示される。
【0117】
このように第3モードでは、制御部21は、現在開状態のディスプレイ部6からみてページ進み方向でのディスプレイ部6の総数(Da−Dn)を、対象表示部総数の値とする。
また現在開状態のディスプレイ部6で表示している現コンテンツデータページからみた、コンテンツデータの最終ページまでの残りのページ数(Ca−Cn)を、対象コンテンツページ総数とする。
また、現在開状態のディスプレイ部6から次に開状態とされたディスプレイ部6までの表示部ページの差分値(Dm−Dn)をページ差分値とする。
そして対象コンテンツページ総数(Da−Dn)に対する比が、対象表示部総数(Da−Dn)に対するページ差分値(Dm−Dn)の比と同等となるコンテンツページ数(Cx)を算出する。そしてそれに基づいて、次に開状態とされるディスプレイページに表示すべきコンテンツページ(Cm)を決定する。
【0118】
(3−3−4 第4モード)
上記のステップF307の演算として、第4モードの演算処理を説明する。
第4モードの演算は、現在開いているディスプレイページ番号、コンテンツページ番号と、残りのディスプレイページ数、コンテンツページ数から、ユーザがページ戻し方向に直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算である。
即ち、この第4モードでは現在開いているディスプレイページ、コンテンツページと、ページ戻し方向にめくったディスプレイ数の比の関係によりコンテンツページを算出する。
【0119】
例えば100枚のディスプレイページの電子ブック1に、1000ページのコンテンツをロードし、ディスプレイページDisp30を開いてコンテンツページ「330」を読んでいるとする。このとき、ディスプレイページDisp30までのうちでの真ん中のディスプレイページDisp15を開くと、そこには現在のコンテンツページ「330」から見ての真ん中である165ページ目が表示されるようにする。
【0120】
現在のディスプレイページ番号Dn、現在のコンテンツページ番号Cnから、めくり後のディスプレイページ番号Dmと、めくり後のコンテンツページ番号Cmの関係は、
Cm=Cn・Dm/Dn (但しDm≦Dn)
で表すことができる。
【0121】
図14(c)に第4モードの演算処理を示す。 上記図9のステップF104で第4モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図14(c)の処理が行われる。
制御部21はステップF531で第4モードの演算を開始する。
ステップF532で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=Cn・Dm/Dnの演算を行う。
ステップF533で制御部21は処理を終える。
【0122】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイページDisp49、Disp50が見開き状態でコンテンツページ「349」「350」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp19、Disp20を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=350×20/50=140となる。これにより、コンテンツページ「139」「140」が表示される。
【0123】
・例2
ディスプレイページDisp97、Disp98が見開き状態でコンテンツページ「897」「898」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp19、Disp20を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=898×20/98=183となる。これにより、コンテンツページ「182」「183」が表示される。
【0124】
このように第4モードの演算では、制御部21は、現在開状態のディスプレイ部6からみてページ戻し方向でのディスプレイ部6の総数(Dn)を、対象表示部総数の値とする。
またコンテンツデータの先頭ページから現在開状態のディスプレイ部6で表示している現コンテンツデータのページまでのページ数(Cn)を、対象コンテンツページ総数とする。
また現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6のディスプレイページの値(Dm)をページ差分値とする。
そして対象コンテンツページ総数(Cn)に対する比が、対象表示部総数(Dn)に対するページ差分値(Dm)の比と同等となるコンテンツページ(Cm)を算出して、それを次に開状態とされる表示ディスプレイページに表示すべきコンテンツページとして決定する。
【0125】
(3−3−5 他の例)
以上の第1モード〜第4モードの演算例においては、見開きで開いた右側のディスプレイ部6(偶数ページ)を基準として演算して、その結果に−1を行うことで、左側ディスプレイ部6(奇数ページ)に表示するコンテンツページを算出する例とした。逆に、左側のディスプレイ部6を基準として演算して、その結果に+1をすることで、右側ディスプレイ部6に表示するコンテンツページを算出してもよい。
【0126】
第1モード〜第4モードの演算例においては、見開きで開いた右側のディスプレイ部6(偶数ページ)を基準として演算して、その結果に−1を行うことで、左側ディスプレイ部6(奇数ページ)に表示するコンテンツページを算出する例とした。これに対し、左側ディスプレイ部6についても右側ディスプレイ部6と同様の独立した演算で表示するコンテンツページを求めてもよい。
しかしその場合は、ディスプレイ数とコンテンツページ数に大きな差がある場合は、見開きで連続ページが見れない場合がある。例えば見開きで左ページは33ページ、右ページは36ページとなるなどである。そのような場合に、連続ページを保つような演算結果の補正を行うことが望ましい。
【0127】
第1モード〜第4モードの演算例においては、演算式で求まった値を素直に表示するコンテンツページとしているが、例えば常に左側には奇数ページとなるなどのように演算結果を調整しても良い。
例えば左側ディスプレイ部6に表示するコンテンツページは常に奇数ページと定義する。そして、見開き左側ディスプレイ部6のコンテンツページが「6」と偶数ページが求まった場合に、−1、もしくは+1したコンテンツページを表示することにする。
右側ディスプレイ部6についても同様に、表示するページは常に偶数ページと定義して、−1もしくは+1したコンテンツページを表示することにしてもよい。
もちろんその逆で左側ディスプレイ部6を常に奇数ページ、右側ディスプレイ部6を常に偶数ページと定義してもよい。
【0128】
第1モード〜第4モードの演算例以外であっても、コンテンツページ総数、現在のコンテンツページ、ディスプレイページ総数、現在のディスプレイページ番号、めくり後のディスプレイページ番号のうち一つ、もしくは複数を利用して、めくり後のコンテンツページを算出する形式であればその他の形式の計算を行ってもよい。
【0129】
[3−4:更新モード選択処理]
以上の更新モードを選択する更新モード選択処理例を説明していく。即ち上記図9のステップF104で実行される処理例である。
本実施の形態の更新モード選択処理は、現在の状態から次に開状態とされるディスプレイ部6までのディスプレイページの差分数が所定数以上であるか否かを判別して更新モードを選択する処理としている。
以下、更新モード選択処理例I〜IIIを説明するが、それらは、ディスプレイページ総数や、現在のディスプレイページとめくり後のディスプレイページから何枚のディスプレイをめくったか、電子ブック1の全ディスプレイページのうちどの辺りの位置のディスプレイページをめくったかなどを判断する。そしてそれらのパタンにより最適な更新モードを選ぶことで、実際の本に近い、ユーザの直感的ページめくりを実現可能とするものである。
【0130】
例えば下記のような状況において各更新モードが選択される。
少ないページをめくった場合(1ページから5ページ程度)では第1モードとする。
第1モードでは、人間がめくった枚数を認識できる程度の少ないページ数をめくった際に実際の本のように確実にページめくりが可能となる。
【0131】
或る状態(例えば閉じている状態)から大まかな位置のディスプレイページを開いた場合、第2モードとする。この場合、直感的なめくりに適した表示として、コンテンツの前の方を開くか、後ろの方を開くか、真ん中辺りを開くかなどを行うことが可能となる。
また、一番後ろのディスプレイページをいきなり開きたい場合に、第1モードの更新だとディスプレイページ数<コンテンツページ数の場合に、最後の方のコンテンツページは表示されていないため、開くことができない。しかしながら第2モードを使用すると、最終ディスプレイページを開くと最終のコンテンツページが表示される。
また一番後ろのページをいきなり開きたい場合に、第1モードだとディスプレイページ数>コンテンツページ数の場合に、最後の方のディスプレイページにはコンテンツページが表示されておらず、どの位置がコンテンツページの最終かを直感的に開くことは困難である。しかしながら第2モードを使用する場合、最終ディスプレイページを開くと最終コンテンツページが表示される。
【0132】
また、或るディスプレイページを開いていて、あるコンテンツページを閲覧中にそこから多ページめくった場合に、第3モード、第4モードとする。
あるページを閲覧中に、前方、もしくは後方の方にあるコンテンツを大まかに見てみたいときに有効である。この手法を使うことで、ある塊ページでめくっていきながら、大まかなページ確認を行うことができる。
【0133】
(3−4−1 処理例I)
図15に更新モード選択の処理例Iを示す。これは、上述した第1モードと、第2モードのいずれかを選択するとした例である。
制御部21は、図9のステップF104の更新モード選択処理を図15のステップF401で開始する。
図9で述べたように、ステップF104の更新モード選択処理が行われるのは、ページめくりが行われた場合である。
図15の処理では、制御部21はステップF402で、今回のページめくりが、多ページめくりか否かを判別する。一例として、多ページめくりとは一度に5ページ以上のディスプレイページがめくられた場合とする。
制御部21は、現在の(ページめくり直前)に開状態とされていたディスプレイページと、ページめくり後に開状態とされるディスプレイページの差分数を確認することで、5ページ以上の多ページめくりか否かを判定できる。
【0134】
制御部21は、多ページめくりでない場合、例えば1ディスプレイページ〜4ディスプレイページのページめくりであった場合は、ステップF403に進んで、第1モードを選択する。なお、1〜4ディスプレイページのページめくりとは、シート2の表裏両面がディスプレイ部6である場合、シート2で言えば1枚又は2枚のページめくりである。
一方、制御部21は、多ページめくりと判別した場合、ステップF404に進んで、第2モードを選択する。
このように更新モード選択を行ったら、ステップF405で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0135】
従ってこの処理例Iによれば、ユーザが5ページ以上のページめくりを行ったときは、第2モードが選択され、次のステップF105の表示更新処理で図14(a)の演算で、ユーザの直感的なページめくりに応じた表示制御が行われる。
一方、4ページ以内のページめくりであれば、第1モードとして、図13の処理でめくりページ数に応じた表示更新制御が行われる。
【0136】
(3−4−2 処理例II)
更新モード選択の処理例IIを図16で説明する。これは、上述した第1〜第4モードのいずれかを選択する例である。
【0137】
制御部21は、図9のステップF104の更新モード選択処理を図16のステップF410で開始する。
制御部21はステップF411で、現在(ページめくり直前)が全てのディスプレイページが閉じた状態であったか否かを判断する。
例えば図11(a)(f)が、全てのディスプレイページが閉じた状態である。
【0138】
全てのディスプレイページが閉じていると判断したら、制御部21はステップF412へ移行する。一方、どこかのディスプレイページが開かれていると判断したら、制御部21はステップF415へ移行する。
【0139】
現在閉状態であった場合は、制御部21はステップF412で、例えばページめくり数が5ページ以上などの多ページめくりであるか否かの判断を行う。
多ページめくりであると判断したら、制御部21はステップF414へ進み、更新モードとして第2モードを選択して、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
多ページめくりではない(5ページ未満)と判断したら、制御部21はステップF413へ移行する。そして更新モードとして第1モードを選択して、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0140】
現在どこかのディスプレイページが開かれている場合は、制御部21はステップF415で、多ページめくりであるか否かの判断を行う。
多ページめくりではない(5ページ未満)と判断したら、制御部21はステップF413へ移行して更新モードとして第1モードを選択し、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0141】
ステップF415で多ページめくりと判断したら、制御部21はステップF416で、ページめくり方向を判断する。つまり次に開かれるディスプレイページと、現在のディスプレイページのページ番号の大小を比較する。
ページめくりがページ進み方向であったら、制御部21はステップF417へ移行して更新モードとして第3モードを選択し、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
ページめくりがページ戻り方向であったら、制御部21はステップF418へ移行して更新モードとして第4モードを選択し、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0142】
従ってこの処理例IIによれば、ユーザが5ページ以上のページめくりを行ったときは、第2モード〜第4モードのいずれかが選択され、次のステップF105の表示更新処理で図14(a)(b)(c)のいずれかの演算で、ユーザの直感的なページめくりに応じた表示制御が行われる。
即ち電子ブック1を閉じた状態から開いたのであれば第2モード、開いた状態から進み方向へページめくりを行った場合は第3モード、開いた状態から戻り方向へページめくりを行った場合は第4モードとされる。
一方、4ページ以内のページめくりであれば、第1モードとして、図13の処理でめくりページ数に応じた表示更新制御が行われる。
【0143】
(3−4−3 処理例III)
更新モード選択の処理例IIIを図17で説明する。これは、上述した第1,第3,第4モードのいずれかを選択する例である。
【0144】
制御部21は、図9のステップF104の更新モード選択処理を図17のステップF421で開始する。
制御部21はステップF422で、現在(ページめくり直前)が全てのディスプレイページが閉じた状態であったか否かを判断する。
全てのディスプレイページが閉じていると判断したら、制御部21はステップF425へ移行する。一方、どこかのディスプレイページが開かれていると判断したら、制御部21はステップF423へ移行する。
【0145】
現在閉状態であった場合は、制御部21はステップF425で、更新モードとして第1モードを選択して、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0146】
現在どこかのディスプレイページが開かれている場合は、制御部21はステップF423で、多ページめくりであるか否かの判断を行う。
多ページめくりではないと判断したら、制御部21はステップF425へ移行して更新モードとして第1モードを選択し、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0147】
ステップF423で多ページめくりと判断したら、制御部21はステップF424で、ページめくり方向を判断する。つまり次に開かれるディスプレイページと、現在のディスプレイページのページ番号の大小を比較する。
ページめくりがページ進み方向であったら、制御部21はステップF426へ移行して更新モードとして第3モードを選択し、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
ページめくりがページ戻り方向であったら、制御部21はステップF427へ移行して更新モードとして第4モードを選択し、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0148】
従ってこの処理例IIIによれば、ユーザが開状態から5ぺージ以上のページめくりを行ったときは、第3モード、第4モードのいずれかが選択され、次のステップF105の表示更新処理で図14(b)(c)のいずれかの演算で、ユーザの直感的なページめくりに応じた表示制御が行われる。
一方、4ページ以内のページめくりであったり、電子ブック1が閉じられた状態から開かれた場合は、第1モードとして、図13の処理でめくりページ数に応じた表示更新制御が行われる。
【0149】
[3−5:更新モード選択及び表示更新処理のまとめ]
本実施の形態では、以上の例のように更新モード選択処理、表示更新処理が行われる。
即ち、更新モード選択は、ページめくり直前の状態が閉状態であるか開状態であるかの条件や、めくりページ数(多ページめくりであるか否か)の条件により行われる。
【0150】
例えば現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6までのページめくり数が所定数以上のときに、更新モードとして、第2モード、第3モード、第4モードが選択される。
その場合に、対象表示部総数、対象コンテンツページ総数、及びページ差分値を用いた演算で、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページが決定される。
一方、現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6までのページめくり数が所定数未満のときは、第1モードとして、現在開状態のディスプレイ部6に表示しているコンテンツページの値に対して、ページめくり数を加算又は減算した値のコンテンツページを算出して、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定する。
制御部21は、このようなコンテンツページの決定のための演算を、センサ部28からの検出情報によって、次に開状態とされるディスプレイ部6が検出された際に行い、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示させる制御を行う。
【0151】
このような実施の形態の電子ブック1では、次の利点が得られる。
まず、ディスプレイページ総数がコンテンツページ総数より少ないときも、ディスプレイページ総数、現在開いて閲覧しているディスプレイページ、残りのディスプレイページ数、全コンテンツページ数、現在閲覧しているコンテンツページ、残りのコンテンツ量の関係を踏まえた演算で表示させるコンテンツページが選択される。つまりユーザが直感的に開いたディスプレイページに適したコンテンツページが演算されて次に開かれたディスプレイページに表示される。これにより、実際の本のように直感的にディスプレイ部6の数以上のページ飛ばしが可能になる。
【0152】
また、ディスプレイページ総数がコンテンツページ総数より少ないときも、全ディスプレイページ総数、現在開いて閲覧しているディスプレイページ、残りのディスプレイページ数、全コンテンツページ数、現在閲覧しているコンテンツページ、残りのコンテンツ量の関係を踏まえた演算で、次に開かれたディスプレイページに表示させるコンテンツページが選択される。
このことから、ユーザは、コンテンツ内で、ディスプレイページ数以上に離れたページと現在のページを同時に確認することができる。
【0153】
また、ディスプレイページ数がコンテンツページ数よりも多いときは、途中のページが最終ページとなっているため、最終ページ周辺を直感的に開くにはそこを見つける必要があり困難であった。
これに対し、ディスプレイページ総数、現在開いて閲覧しているディスプレイページ、残りのディスプレイページ数、全コンテンツページ数、現在閲覧しているコンテンツページ、残りのコンテンツ量の関係から、直感的に開いたディスプレイ位置に表示するべきコンテンツ位置を演算することで、直感的な後方ページ閲覧が可能になる。
【0154】
<4.予測更新を行う表示制御処理>
上記の実施の形態では、各ディスプレイ部6の表示コンテンツページの更新は、ページめくりにより次のディスプレイ部6が開かれた瞬間に行うことを想定した例となっている。
実際の実装として、例えば背表紙部5にて図5のような表示制御回路系が配置され、背表紙部5内から開かれたディスプレイ部6に対して表示データを伝送する仕組みの場合、表示データのデータ量が多いと転送速度が間に合わない場合もあり得る。その場合、或るディスプレイ部6が開ききってもコンテンツページが表示されていない現象が起こる可能性がある。
そこで、あらかじめ想定されるディスプレイページに対して、閉じられている状態でも表示するコンテンツページを算出し、表示しておく構成をとってもよい。
【0155】
即ち制御部21は、センサ部28からの検出情報によって、次に開状態とされるディスプレイ部6が検出されていない期間に逐次、上記の第1〜第4モードの演算により、各ディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定し、各ディスプレイ部6に表示させる制御を行うようにしてもよい。
【0156】
例えばディスプレイページDisp21、Disp22でコンテンツページ「21」「22」を閲覧中を考える。
この場合、現在のディスプレイページDisp21、Disp22に近いページ、例えばディスプレイDisp15〜Disp28には、第1モードのアルゴリズムで演算したコンテンツページを表示させる。例えば上述の「多ページめくり」とならないディスプレイページである。
一方、ディスプレイページDisp29よりも先のディスプレイページには、第3モードのアルゴリズムで演算したコンテンツページを表示させる。
またディスプレイページDisp14より手前のディスプレイページには、第4モードのアルゴリズムで演算したコンテンツページを表示させる。
このような処理(表示予測更新)を、ユーザによって次のページめくりが行われる前から実行しておけば、開いてすぐにユーザがコンテンツページを閲覧できるようになる。
【0157】
この場合の構成及び処理を図18〜図20で説明する。
図18は制御部21の機能構成を示している。図6と異なるのはタイマー部36が設けられている点である。このタイマー部36は、予測更新処理を割り込み処理として実行するタイミングを得るためのタイマー機能である。
他の機能ブロックは図6と同様であるため説明を省略する。
【0158】
図19に、電源オンから電源オフまでの制御部21の処理を示している。なお、図9と同一ステップについては、同一のステップ番号を付し、重複した詳細な説明は避ける。
【0159】
ステップF101で電源オン、ステップF102でコンテンツ表示(初期表示)を行ったら、制御部21は、ステップF150としてタイマー部36によるタイムカウントを開始する。
【0160】
その後、ステップF103でページめくりを監視し、ページめくりが行われた場合、ステップF104で更新モード選択、ステップF105で表示更新処理を行うことは、上述した実施の形態と同様である。
【0161】
この図19の処理例の場合、ページめくりが行われていない期間に、ステップF151〜F153の処理が実行される。
即ち制御部21は、ステップF151で、タイマー部36でのカウント値を確認する。例えばタイマー値が1sec経過する毎に、制御部21は、ステップF152の表示予測更新処理を実行する。
表示予測更新処理を行った場合は、ステップF153でタイマー値をゼロにリセットし、スタートさせる。
この図19の処理により、ページめくりが行われていない期間に、約1sec毎に、表示予測更新処理が行われることになる。
【0162】
ステップF152で制御部21が実行する表示予測更新処理の詳細を図20に示す。
制御部21は、ステップF601で表示予測更新処理を開始すると、まずステップF602で、現在開かれているディスプレイページ(Dn)を確認する。これはその時点でディスプレイ情報管理部35が把握しているディスプレイページである。
次にステップF602で、現在開かれているディスプレイページ(Dn)に表示されているコンテンツページ(Cn)を確認する。これは表示状態管理テーブルから把握できる。
【0163】
制御部21は、ステップF604で、まず現在のディスプレイページDnの周辺のディスプレイページ(Dn−1−X)〜(Dn+X)について、表示させるべきコンテンツページの割当を行う。この割当は第1モードの演算で行う。
例えばディスプレイページDisp21、Disp22でコンテンツページ「21」「22」を閲覧中を考え、X=6とする。
現在のディスプレイページDnを、見開きの右側の偶数ページ=Disp22とする。
すると、ディスプレイページ(Dn−1−X)〜(Dn+X)はDisp15〜Disp28となる。
第1モードの演算によって、Disp15〜Disp28には、コンテンツページ「15」〜「28」がそれぞれ割り当てられることとなる。
【0164】
次に制御部21は、ステップF605で、ディスプレイページ(Dn+X)より後ろのディスプレイページについて、表示させるべきコンテンツページの割当を、第3モードの演算で行う。
上記例の場合、Disp29以降、最後のディスプレイページまでのそれぞれについて、上述した、
Cm=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)+Cn
の演算で求められるコンテンツページCmを割り当てる。
【0165】
次に制御部21は、ステップF606で、ディスプレイページ(Dn−1−X)より前のディスプレイページについて、表示させるべきコンテンツページの割当を、第4モードの演算で行う。
上記例の場合Disp1〜Disp14まで以降の各ディスプレイページについて、上述した、
Cm=Cn・Dm/Dn
の演算で求められるコンテンツページCmを割り当てる。
【0166】
このように、全てのディスプレイページについてコンテンツページを割り当てたら、ステップF607で、その割当状態と実際の表示状態を確認する。即ち全てのディスプレイページで、今回割り当てたコンテンツページが表示状態になっているか否かを確認する。
これは、割当結果と、表示状態管理テーブルの内容を比較すればよい。
【0167】
即ち全てのディスプレイページで、今回割り当てたコンテンツページが表示状態になっていれば、更新は必要ないので、ステップF609で表示予測更新処理を終える。
一方、表示内容が、今回割り当てたコンテンツページとは異なるディスプレイページが存在した場合は、そのディスプレイページについて、表示更新制御を行う。即ち表示データ生成部26に指示して、該当のディスプレイページについて、今回割り当てたコンテンツページの表示を実行させる。
この表示更新制御を行ったら、制御部21はステップF609で表示予測更新処理を終える。
【0168】
例えばこのような表示予測更新処理が逐次実行されることで、あらかじめユーザの直感的なページめくりに対応した表示を実行させておくことができる。
【0169】
<5.コンテンツページ調整を行う表示更新処理>
ここまでの実施の形態の説明では、ユーザの直感的なページめくりに対応した表示として、第2モード〜第4モードの演算の結果で、ページめくり後のディスプレイページに表示させるコンテンツページを決定していた。
しかし、よりユーザの利便性を考慮して、演算結果のコンテンツページを調整することも考えられる。
【0170】
まず、コンテンツデータの付加情報として、インデックスページ情報が存在するとする。
インデックスページ情報とは、コンテンツ内容のインデックスポイント(内容の区切れ目)となるページを示す情報である。
例えば小説や論文等における章、節や、日記、アルバム等における日時の区切り(週、月の区切り)など、内容的な区切りとなる先頭ページの情報である。
コンテンツデータの総ページの中で、いくつかのコンテンツページが、インデックスページとしてあらかじめ指定されているとする。
制御部21は、図6又は図18のコンテンツ入力/格納制御部31の機能で、インデックスページ情報を認識しておく。
【0171】
なお、インデックスページは、コンテンツデータの形式等を解析して、制御部21がインデックスページを自動設定しても良い。またユーザがインデックスページを指定して入力するようにしてもよい。
【0172】
ユーザが直感的に本を開いたり多数枚のページめくりを行う場合、めくり後に、インデックスページが見られると便利である。
そこで、図12のステップF307において、第2モード〜第4モードのいずれかで演算を行う場合には、例えば図21のような処理を行うようにする。
【0173】
制御部21はステップF551で、図12のステップF307の処理を開始する。
ステップF552で制御部21は、第2モード〜第4モードのうちで選択された更新モードの演算で、次に開状態とされるディスプレイページに表示するコンテンツページCmを算出する。つまり図14(a)(b)(c)のいずれかの処理を行う。
【0174】
この時点で、表示させるコンテンツページが求められたが、制御部21は、以降の処理で演算結果の調整を行う。
まずステップF553で制御部21は、求めたコンテンツページCmの周辺(±wページの区間)に、インデックスページCidxが存在するか否かを確認する。例えばw=10ページなどとする。或いはコンテンツデータの総ページ数の所定%のページ数などとしてもよい。
【0175】
インデックスページCidxが存在しなければ、ステップF554からF558に進み、ステップF307の処理を終了する。この場合、ステップF552で求めたコンテンツページCmが、そのまま表示コンテンツページとして決定される。
【0176】
一方、求めたコンテンツページCmの周辺にインデックスページCidxが存在したら、ステップF554からF555に進み、制御部21は、複数のインデックスページCidxが存在したか否かを確認する。
複数のインデックスページCidxが存在した場合、制御部21はステップF556で1つのインデックスページCidxを選択する。例えばコンテンツページCmに近い方のページのインデックスページCidxを選択する。或いは、より若いページ、或いはより後ろのページなどを選択しても良い。
【0177】
インデックスページCidxが1つ存在した場合、及び複数のインデックスページCidxから1つを選択した場合は、制御部21はステップF557で、算出結果のコンテンツページCmを、当該インデックスページCidxのページ番号に修正する。
そしてステップF558で処理を終える。
【0178】
図12のステップF307で、この図21のような処理が行われるようにすると、ユーザが直感的にページを開いたときに、そのページがコンテンツデータの或る章の先頭などとなる確率を高めることができる。
すると、ユーザは直感的に開いたページの内容的位置が分かりやすくなり、見たい部分を探し易くなる。
【0179】
<6.変形例>
以上、実施の形態の構成や処理例を述べてきたが、本発明としての変形例は多様に考えられる。
【0180】
実施の形態では、閉じているディスプレイ部6についても常時表示を行っているものとして説明したが、開いた状態のディスプレイページのみで表示をおこなうようにしてもよい。
例えば液晶パネルや有機ELパネルをディスプレイ部6として用いた場合、開いた状態のディスプレイ部6のみ、実際の表示を実行させ、閉じているディスプレイ部6では表示自体はオフとする。例えばコンテンツページの割当及び表示データ供給だけ行っておき、表示(発光)のみオフとする。液晶パネルの場合は、バックライトをオフとする。有機ELパネルでは自発光動作のみを休止させておく。
このようにすれば、電子ブック1の消費電力を削減できる。
但し、ディスプレイ部6として、表示更新時のみ電力を消費する電子ペーパーを用いる場合、常時表示による電力消費は殆ど無いため、常時表示で問題ない。
【0181】
更新モード選択については、第1モード〜第4モードを図15〜図17の処理例で選択するようにしたが、もちろん選択処理例は他にも多様に考えられる。
また表紙部3などにスイッチを用意して、スイッチにより、ユーザが更新モードの指定を行うことができるようにしてもよい。
【0182】
実施の形態では、見開きの左右両ページにディスプレイ部6が設けられるものとしたが、一方のページのみにディスプレイ部6が設けられる形態もあり得る。
また、背表紙部5を中心軸として、いくつかのシート2が無限に回転してページが進んでいくような形態もあり得る。
【0183】
第1モード〜第4モードとしてのページ演算は、ディスプレイページ、コンテンツページに関して、見開きで左右2ページの場合で説明したが、見開きで1ページとして扱って演算を行うことも当然可能である。
また表紙部3、裏表紙部4にディスプレイ部6を設け、1ページ目、最終ページ目として扱うこともできる。
【0184】
<7.プログラム>
実施の形態のプログラムは、制御部21(CPU)に上述した各処理を実行させるプログラムである。
例えば電子ブック1の電源がオンとなると、不揮発性メモリ23に記録された本実施の形態のプログラムを制御部21が読み込みを開始し、高速メモリ22へ書込みを行う。高速メモリ22へプログラムの転送が完了すると、制御部21は、高速メモリ22上に展開されたプログラムを順次読出しながら各処理を実行する。
【0185】
このプログラムは、現在の状態からページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにおいて次に開状態とされ得るディスプレイ部6の総数である対象表示部総数、現在の状態からページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにおいて次に閲覧状態とされ得る対象コンテンツページ総数、及び次に開状態とされた表示部ページについてのページ差分値とを用いた演算により、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定するステップを演算処理装置である制御部21に実行させる。(図12のステップF307の処理)
また該プログラムは、決定したコンテンツページを、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示させる制御を行うステップを演算処理装置である制御部21に実行させる。(図12のステップF309の処理)
具体的には該プログラムは、制御部21に、図9(又は図19)、図10、図12、図13、図14、図15(又は図16、図17)の処理を実行させる。また図20、図21の処理を実行させる場合もある。
このような実施の形態のプログラムにより、本発明の表示装置(電子ブック1)を実現できる。
【0186】
このようなプログラムは、パーソナルコンピュータ等の機器に内蔵されている記録媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROMやフラッシュメモリ等に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet optical)ディスク、DVD、ブルーレイディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【符号の説明】
【0187】
1 電子ブック、2 シート、3 表紙部、4 裏表紙部、5 背表紙部、6 ディスプレイ部、7 ページ更新ボタン、21 制御部、22 高速メモリ、23 不揮発性メモリ、24 コンテンツデータ入力部、25 入力部、26 表示データ生成部、27 操作部 28 センサ部、31 コンテンツ入力/格納制御部、32 表示演算部、33 入力検知部、34 表示状態管理部、35 ディスプレイ情報管理部、36 タイマー部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子ブック等の形態で、複数の表示部が開閉可能とされた表示装置、及びその表示装置における表示方法、プログラムに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2007−333797号公報
【特許文献2】特開2007−333973号公報
【特許文献3】特開2002−287690号公報
【背景技術】
【0003】
複数ディスプレイにより構成される電子ブックが知られている。例えば上記特許文献1のように、電子ペーパー数がコンテンツ数より少ないときに、まず電子ペーパー数分のみコンテンツを表示し、最終ページなどに存在するボタンを押すことで、全電子ペーパーの表示が先程表示していたコンテンツページの次ページ以降に更新する技術がある。
また上記特許文献2のように、回転式の電子ペーパーシートを用いて、ページをめくるたびに次のコンテンツデータに切り替える技術が存在する。
上記特許文献3には、膨大なサイズのデータを電子ペーパで表示するための技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ペーパー状のディスプレイを冊子状に装着して開閉可能のブックタイプとした電子ブックにおいては、通常の紙による書籍のようなユーザの直感的な使用態様が実現できていない。
例えば「この本の終わりの辺りを見たい」、「小説の1/3辺りを読み直したい」などといった場合に、直感的なページめくりで、求めているページ辺りを開くということに対応することが困難であった。
【0005】
そこで本発明では、いわゆる電子ブックタイプの表示装置において、ユーザの直感的なページめくりに適切に対応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部と、開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御部と、を備える。上記表示部は、全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有する。そして上記制御部は、上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値とを用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う。
【0007】
このような本発明では、例えばシート状の表示部、或いは表示部が設けられたシートが、一端がまとめられて冊子状に装着され、開閉可能とされた電子ブックの形態をとる。この場合、各表示部にコンテンツデータを表示することで、ユーザは通常の書籍と同様にページめくりをしながらコンテンツを見たり読んだりすることができる。
一方で、表示部の数(表示部ページの数)と、表示するコンテンツデータの全体のページ数は、必ずしも一致しない。すると、ユーザが例えばコンテンツデータの全体の1/3辺りを見たいと思って、電子ブックの1/3辺りのページ(表示部)を開いたとしても、そこにはコンテンツデータ内容としての1/3辺りの内容が表示されているとは限らない。
そこで本発明では、上記の対象表示部総数、対象コンテンツページ総数、及びページ差分値とを用いた演算により、ユーザが開くページに表示すべきコンテンツページを決定して表示させることで、ユーザの直感的なページめくりに対応した表示を実行する。
より具体的には、対象コンテンツページ総数に対する比が、対象表示部総数に対するページ差分値の比と同等となるコンテンツページの算出に基づいて、次に開状態とされる表示部に表示すべきコンテンツページを決定することで、ユーザの直感的なページめくりに対応できる。
【0008】
例えば現在の状態(第1状態)が、全ての表示部が閉じられた閉状態である場合、表示部の総数を対象表示部総数の値とし、コンテンツデータの総ページ数を対象コンテンツページ総数の値とし、現在の第1状態から次の第2状態で開状態とされる表示部の表示部ページの値をページ差分値とすればよい。
また現在の状態(第1状態)が、或る表示部が開状態であって、次に第2状態で開状態とされる表示部が、現在開状態の表示部よりもページ進み方向の表示部である場合、現在開状態の表示部からみてページ進み方向での表示部の総数を対象表示部総数の値とし、現在開状態の表示部で表示している現コンテンツデータのページからみた、コンテンツデータの最終ページまでのページ数を対象コンテンツページ総数とし、現在の第1状態で開状態の表示部から次の第2状態で開状態とされた表示部までの表示部ページの差分値をページ差分値とすればよい。
さらに、現在の状態(第1状態)が、或る表示部が開状態であって、次に第2状態で開状態とされる表示部が、現在開状態の表示部よりもページ戻し方向の表示部である場合、現在開状態の表示部からみてページ戻し方向での上記表示部の総数を対象表示部総数の値とし、コンテンツデータの先頭ページから現在開状態の表示部で表示している現コンテンツデータのページまでのページ数を対象コンテンツページ総数とし、現在の第1状態から次に第2状態で開状態とされる表示部の表示部ページの値をページ差分値とすればよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、複数の表示部の一端がまとめられて装着され、開閉可能とされた電子ブック型の表示装置において、ユーザの直感的なページめくりに対応した表示を実現でき、電子ブックを通常の紙による書籍に近い使用感で使用可能にできる。これにより電子ブック型の表示装置の使用性を著しく向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態の電子ブックの構造の説明図である。
【図2】実施の形態の電子ブックの表示の説明図である。
【図3】実施の形態の電子ブックの表示の説明図である。
【図4】電子ブックにおいて直感的なページめくりの困難性の説明図である。
【図5】実施の形態の電子ブックの構成のブロック図である。
【図6】実施の形態の電子ブックの制御部の機能構成例の説明図である。
【図7】実施の形態の表示状態管理テーブルの説明図である。
【図8】実施の形態のページ開き検出方式の例の説明図である。
【図9】実施の形態の電子ブックの処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態のコンテンツ表示処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の処理過程での表示状態の説明図である。
【図12】実施の形態の表示更新処理のフローチャートである。
【図13】実施の形態の第1モードでのコンテンツページ演算処理のフローチャートである。
【図14】実施の形態の第2モード〜第4モードでのコンテンツページ演算処理のフローチャートである。
【図15】実施の形態の更新モード選択処理例Iのフローチャートである。
【図16】実施の形態の更新モード選択処理例IIのフローチャートである。
【図17】実施の形態の更新モード選択処理例IIIのフローチャートである。
【図18】実施の形態の制御部の他の機能構成例の説明図である。
【図19】実施の形態の予測更新を行う電子ブックの処理のフローチャートである。
【図20】実施の形態の表示予測更新処理のフローチャートである。
【図21】実施の形態のページ決定の調整を行うコンテンツページ演算処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。なお本発明の表示装置の実施の形態のとして電子ブックを挙げる。
<1.電子ブックの概要>
<2.電子ブックの内部構成>
<3.表示制御処理>
[3−1:全体処理]
[3−2:コンテンツ表示処理]
[3−3:表示更新処理]
(3−3−1 第1モード)
(3−3−2 第2モード)
(3−3−3 第3モード)
(3−3−4 第4モード)
(3−3−5 他の例)
[3−4:更新モード選択処理]
(3−4−1 処理例I)
(3−4−2 処理例II)
(3−4−3 処理例III)
[3−5:更新モード選択及び表示更新処理のまとめ]
<4.予測更新を行う表示制御処理>
<5.コンテンツページ調整を行う表示更新処理>
<6.変形例>
<7.プログラム>
【0012】
<1.電子ブックの概要>
本発明の表示装置の実施の形態となる電子ブックは、複数の表示部の一端がまとめられて冊子状に装着され、開閉可能とされたものである。
図1に、電子ブック1の概要を示す。
なお説明上、「ディスプレイページ」「コンテンツページ」という語を用いる。
「ディスプレイページ」とは、冊子状に装着されているディスプレイ部6に「1」からナンバリングされたページをいう。「ディスプレイ部6」「ディスプレイページ」は、本発明請求項でいう「表示部」「表示部ページ」に相当する例である。コンテンツページとの区別のため、ディスプレイページのページ数は数字の前に「Disp」を付し「Disp1」「Disp2」等と表記する。
「コンテンツページ」とは、コンテンツデータに付与されたページの値である。1つのコンテンツページは、1つのディスプレイ部6に表示される単位として説明する。
【0013】
図1(a)は電子ブック1の或るディスプレイ部6,6を開いた状態、図1(b)は電子ブック1を閉じた状態、図1(c)は電子ブック1を開いた状態で上方から見た状態を、それぞれ模式的に示している。
【0014】
電子ブック1は、多数のディスプレイシート2(以下、「シート2」という)が背表紙部5側の端部が綴じられて冊子型に構成されている。
このシート2の表裏両面、或いは一方の面が、ディスプレイ部6とされている。図の例では、シート2の両面がディスプレイ部6とされることで、図1(a)のように見開きの状態で左右に各ディスプレイ部6が表出することとなる。
例えばこのような構成で、複数のディスプレイ部6が、その一端が背表紙部5側でまとめられて冊子状に装着され、開閉可能とされる。
【0015】
なお、ディスプレイ部6は、液晶パネル、有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示デバイスとされ、これが、シート2の表裏の全体又は一部に固定装着されたものでも良い。或いは、有機ELシート、電子ペーパー等として、ディスプレイ部6自体が薄いシート状とされて、ディスプレイ部6自体がシート2を構成するものとされてもよい。
【0016】
またシート2の背表紙部5の部分での装着形態は特に限定されない。通常の書籍の紙のように各シート2の端部が固定されてもよいし、バインダー形式で個々のシート2を取り外したり追加することが可能とされてもよい。
またシート2が、背表紙部5側を軸として回転自在となるように構成されてもよい。
【0017】
図1(b)(c)に示すように、表紙部3、裏表紙部4が設けられる。表紙部3、裏表紙部4は、ディスプレイ部6として形成されてもよいし、ディスプレイ部6とされないものでもよい。
例えば先頭のシート2の表側が表紙部3、裏側がディスプレイ部6とされてディスプレイページDisp1とされる。もちろん表紙部3側に表紙用或いはディスプレイページDisp1としてのディスプレイ部6が設けられても良い。
また最後のシート2の裏側が裏表紙部4、表側がディスプレイ部6とされて最後のディスプレイページとされる。もちろん表紙部3側に裏表紙用或いは最後のディスプレイページとしてのディスプレイ部6が設けられても良い。
表紙部3や裏表紙部4にディスプレイ部6が設けられていれば、コンテンツデータのタイトル等の表示に用いることができる。
【0018】
実際にはディスプレイ部6の構成や表示方式は多様に考えられるが、以下の説明では、表紙部3にディスプレイ部6が存在するか否かにかかわらず、最初のシート2の裏側(つまり表紙部3の裏面)から、最後のシート2の表側(つまり裏表紙部4の裏面)までが、ディスプレイページDisp1〜DispXとしてコンテンツデータの内容を表示するディスプレイ部6とされるものとする。
【0019】
図1(c)に示すように、例えば背表紙部5の上面側には、ページ更新ボタン7が設けられている。ページ更新ボタン7は、ディスプレイページ数以上のコンテンツページを表示させたいときにユーザ操作する操作子である。
なおページ更新ボタン7は、背表紙部5の下面、或いは表紙部3上、裏表紙部4上など、他の位置に設けられてもよいことは当然である。
【0020】
このような電子ブック1では、コンテンツデータが取り込まれることで、各ディスプレイ部6にコンテンツデータを表示させる。例えば小説、随筆、論文、学術書、絵本、写真集等のコンテンツをロードして表示させる。ユーザは、通常の書籍のように、ページ(ディスプレイページ)をめくりながらコンテンツ内容を閲覧できる。
ここで、複数のディスプレイ部6におけるコンテンツデータの各ページ内容の基本的な表示態様について図2,図3で説明する。
【0021】
図2(a)は、ディスプレイページの総数とコンテンツページの総数が同数である場合を示している。
例えばディスプレイページが50ページあり、コンテンツページ総数が50ページであるとする。
この場合、図のように、コンテンツページの1ページ目が1枚目のディスプレイ部6(ディスプレイページDisp1)に、コンテンツページの2ページ目が2枚目のディスプレイ部6(ディスプレイページDisp2)に、・・・コンテンツページの50ページ目が50枚目のディスプレイ6ディスプレイページDisp50)に、といった形式で表示される。
【0022】
なお、図面上では、各ディスプレイ部6の左上にディスプレイページの値(「Disp1」「Disp2」等)が表示されている例を示しているが、このディスプレイページの表示は実際には無くても良い。説明の便宜上、図2〜図4、図11ではディスプレイページの表示を加えている。
またこれら各図では、コンテンツページの値を、各ディスプレイ部6の右下の数字として示している。通常、ユーザは電子ブック1を用いた読書の際には、このコンテンツページを認識することになる。
【0023】
図2(b)は、コンテンツページの数がディスプレイページの数よりも少ない場合を示している。
例えばディスプレイページが50ページあり、コンテンツページ総数が25ページであるとする。この場合は、図示のように、ディスプレイページDisp1〜Disp25にコンテンツページ1〜25を表示し、以降のディスプレイ(Disp26〜Disp50)には何も表示しない。
【0024】
図3(a)〜(e)は、コンテンツページの数がディスプレイページの数よりも多い場合について示している。
例えばディスプレイページが50ページあるが、コンテンツページ総数が100ページである場合などである。
この場合は、まず図3(a)(b)(c)に示すように、ディスプレイ数分である50ページ目までのコンテンツを表示する。つまりディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50を表示する。
この状態からユーザがページ更新ボタン7を押すと、表示される内容が更新される。即ち、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ51〜100を表示する。図3(d)(e)に示すように、ディスプレイページDisp1、Disp2について見れば、最初コンテンツページ1、2が表示されていたものが、ページ更新ボタン7が押された後は、表示内容がコンテンツページ51,52に切り換えられる。
従ってユーザは、順にページを進めて読んでいく場合、最後のディスプレイページDisp50まで読み進めた後は、ページ更新ボタン7を押すことで、ディスプレイページDisp1から、続きのコンテンツページを読むことができる。
【0025】
実施の形態の電子ブック1は、ディスプレイページの数と、表示するコンテンツデータのページ数の関係に応じて、以上のような表示を基本的に行う。
ところがそれだけでは、ユーザの直感的なページめくりに常には対応できない。そのことについて述べておく。
【0026】
まず、図2(a)のように、ディスプレイページ=コンテンツページの場合のときは、ユーザは、ページめくりに関して、電子ブック1を通常の書籍と同様の使用感で使用できる。直感的なページめくりも可能である。
図4(a)に示すように、例えば電子ブック1が閉じてある状態から、ユーザが、コンテンツデータの4/5辺りを見たいと思ったとする。例えば全体50ページのコンテンツデータについて、40ページあたりを見たいとする。
この場合ユーザは、通常の書籍と同様、全体ページのうちで4/5辺りを直感的にきめて開く。すると、例えば40ページ目あたりを開くことができる。これが見たいページではなかったとしても、前後ページを探すことで、見たいページを比較的容易に見つけることができる。
【0027】
ところが、これは、あくまでディスプレイページ=コンテンツページの場合であって、常にディスプレイページとコンテンツページが一致しているためである。
実際上、ディスプレイページ=コンテンツページとなるのは希で、多様なコンテンツデータを電子ブック1にロードして使用する多くの場合は、ディスプレイページの数とコンテンツページの数は一致しないと想定される。
すると次の各例のような不便が生ずる。
【0028】
例えば図4(b)のようにディスプレイページ数がコンテンツページ数より少ない場合を考える。
まず、一度に数ページ飛ばしたいときに、ディスプレイページ数以上には、めくることのできる先のページが存在しないため、実際の本のように直感的に飛ばすことができないという不便さがある。
例えばディスプレイページ数=50、コンテンツページ数=500のときに、閉じた状態、或いはコンテンツデータの10ページ目辺りを読んでいるときなどに、全体の4/5あたり(例えば400ページ目あたり)を見たいと思ったとする。
この場合、実際に400ページ目としてのディスプレイページは存在しないため、めくることができない。
またユーザが400ページ目あたりを、「本の後ろの方のページ」と直感的に考え、後ろの方のページ(ディスプレイページ)を開いたとしても、そこにはコンテンツページ40〜50辺りが表示されており、見ることができない。
結局、上述したページ更新ボタン7の操作を繰り返すなどして、見たいページを探していくことが必要になる。
【0029】
また、そのようなことから、ディスプレイページ数がコンテンツページ数より少ないとき、ディスプレイページ数以上に離れたページと現在のページを同時に開き、相互に確認することができない。
上記例で、例えばコンテンツデータの10ページ目と400ページ目を同時に見比べたいと思ったような場合でも、ページ更新ボタン7の操作で表示を更新する必要から、同時に見ることができない。これは通常の書籍に比べて甚だ不便となる。
【0030】
また、ディスプレイページ数がコンテンツページ数より少ないと、ディスプレイ数以上のページは表示されていないため、いきなり最終ページ周辺を直感的に開くことができない。この場合も、ページ更新ボタン7の操作を経て最終ページ付近を探す必要がある。
【0031】
一方、図4(c)のようにディスプレイページ数がコンテンツページ数より多い場合も不便がある。
ディスプレイページ数がコンテンツページ数より多いときは、ディスプレイ数以上のページは表示されていないため、いきなり最終ページ付近を直感的に開くことができない。
先に図2(b)で述べたように、この場合、コンテンツページ数を越えるディスプレイページには、何も表示されていない。つまり、図4(c)のように冊子状態とされた電子ブック1の厚みから、コンテンツデータの最終ページ付近を直感的に推定できない。直感的に最終のディスプレイページ辺りを開いても、そこには何も表示されていないこととなる。コンテンツデータの最終ページが「本の裏表紙近くのページ」となっていないからである。
このため、結局最終ページ付近を見つけるのが面倒となる。途中のページを見たい場合も同様である。コンテンツデータの最終ページの位置が推定できないため、「本の殆ど真ん中あたりのページ」を見たいとおもっても、ユーザが見たいコンテンツページは、電子ブック1の厚みの真ん中辺りのディスプレイページとはなっていないからである。
【0032】
これらの例のように、電子ブック1では、単に上述の基本的な表示方式のみでは、通常の紙の書籍のようにユーザの直感的なページめくりに対応した表示ができない。
そこで本実施の形態では、複数のディスプレイ部を一度にめくった際に、めくったディスプレイ数に相当するコンテンツページより先のコンテンツページを表示する。或いは複数のディスプレイ部を一度にページを戻す方向にめくった際に、めくったディスプレイ数に相当するコンテンツページより前のコンテンツページを表示する。
このような表示制御を加えることで、ユーザの直感的なページめくりに対応したコンテンツ表示を実現する。
【0033】
このためには、上述のように複数のディスプレイ部6を備えた電子ブック1は、直感的なページめくりに対応する表示制御を行う制御部(後述する制御部21)を備える。
制御部21は、現在の状態(第1状態)の表示部ページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、現在の状態(第1状態)の表示部ページに表示するコンテンツページを基準としてページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、現在の状態(第1状態)と第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値とを用いた演算により、第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する。
より具体的には、対象コンテンツページ総数に対する比が、対象表示部総数に対するページ差分値の比と同等となるコンテンツページの算出に基づいて、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定する。
そして次に開状態とされるディスプレイ部6に、当該決定したコンテンツページの内容を表示させる制御を行う。
また特に制御部21は、めくりページ数が所定数以上(例えば5ページ以上など)のときに、対象表示部総数、対象コンテンツページ総数、及びページ差分値を用いた演算で、次に開状態とされる表示部に表示すべきコンテンツページを決定する。
【0034】
<2.電子ブックの内部構成>
電子ブック1の内部構成例を図5に示す。なお、以下説明する構成における電気回路部分や、図示しない必要なバッテリー等の電源系は、背表紙部5の内部、或いは表示部3や裏表紙部4を形成するシート2の内部などに配置すればよい。
【0035】
電子ブック1は、例えば図5のように、ディスプレイ部6に対する表示を行うための構成として、制御部21、高速メモリ22、不揮発性メモリ23、コンテンツデータ入力部24、入力部25、表示データ生成部26、操作部27、センサ部28、バスI/F29を有する。
【0036】
制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)により形成され、電子ブック1の動作の全体を制御する。制御部21は図6で後述する機能を備えることで、後述する本実施の形態の表示処理を実行する。
【0037】
高速メモリ22は比較的高速にアクセスが可能なDDR−SDRAM(Double-Data-Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)などにより構成されて、制御部21(CPU)の処理を実行させるためのプログラムを展開したり、各種データの一時保存を行う。
例えば入力されたコンテンツデータや、後述するコンテンツデータの付加情報、ディスプレイ情報、表示状態テーブル等の記憶にも用いられる。
不揮発性メモリ23はフラッシュメモリなどにより構成され、制御部21(CPU)が実行するプログラムの保持を行う。また、入力されたコンテンツデータや付加情報の格納に不揮発性メモリ23を用いても良い。
なお、高速メモリ22や不揮発性メモリ23を構成する記憶媒体としては、DDR−SDRAMやフラッシュメモリに限らない。高速メモリ22は、S−RAM、D−RAM、SDR−SDRAM等の他の種のRAMでもよい。また不揮発性メモリ23としてHDD(Hard Disk Drive)、メモリカード等を用いても良い。またROM(Read Only Memory)を用いてもよい。
【0038】
コンテンツデータ入力部24は、コンテンツデータを電子ブック1内に取り込む部位である。例えばメディアドライブ部や、有線通信又は無線通信に対応する通信部などとして構成される。
コンテンツデータは半導体メモリなどにより構成された取り出し可能なメモリーカードや、ネットワークを通じたサーバー上に存在することが考えられる。さらにコンテンツデータは、電子ブック1と通信接続可能な外部機器や、電子ブック1内に内蔵されるHDDなどの磁気記録装置、半導体メモリ、光ディスクなどに書き込まれていることが考えられる。
【0039】
例えばコンテンツデータ(及びコンテンツデータの付加情報)が、メモリカードや光ディスク等の記録媒体によって提供される場合、コンテンツデータ入力部24は、カード再生装置部やディスク再生装置部として形成されて、メモリカードからコンテンツデータを読み出すものとすればよい。或いはHDDとして構成されることもある。
また、外部機器からの通信やネットワーク通信によってコンテンツデータが供給される場合、コンテンツデータ入力部24は、通信部とされて、送信されてくるコンテンツデータ及び付加情報を受信して取り込むようにすればよい。
このようにコンテンツデータ入力部24での再生や受信によって入力されるコンテンツデータ及び付加情報は、制御部21の制御により、高速メモリ22或いは不揮発性メモリ23に記憶される。
【0040】
コンテンツデータ入力部24で取得したコンテンツデータは、高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納されるが、一度に格納させるのは、コンテンツデータの全体でも良いし、一部でも良い。
例えばコンテンツデータがメモリカード等の記録媒体で提供される場合、コンテンツデータ入力部24は、制御部21の制御により、コンテンツデータのうちで現在表示動作に必要な部分を含む一部を読み出し、それを高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に記憶させても良い。つまり、必要に応じて部分的にコンテンツデータを取得するようにしてもよい。
以降では簡単のため、コンテンツデータ全てが一度にコンテンツデータ入力部24から取得され、高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納されるものとして説明を続ける。
【0041】
なお、コンテンツデータの付加情報とは、コンテンツデータのタイトル情報、管理情報、サイズ情報などに加え、本例の場合、コンテンツデータのページ情報(コンテンツページの情報)や、後述するインデックスページの情報が含まれているとする。
【0042】
入力部25は、操作部27からの入力や、センサ部28からの検出信号入力を受け付け、必要なデコード処理を行い、入力情報(操作情報や検出情報)を制御部21に伝える。
【0043】
操作部27とは、例えば上述のページ更新ボタン7などの操作子に相当する。ページ更新ボタン7以外に、電源ボタン等の他の操作子、各種設定操作のための操作子などが設けられる場合もある。
制御部21は、操作部27を用いたユーザの操作入力情報を入力部25から受け取り、必要な制御処理を行う。
【0044】
センサ部28とは、ユーザによって開かれている(開かれようとしている)ディスプレイページを検出するセンサである。
制御部21は、センサ部28からの検出信号を入力部25を介して受け取り、どのディスプレイページが開かれたかを認識し、開かれたディスプレイページに応じて所要の表示制御を行う。詳しくは後述する。
【0045】
センサ部28の構成は多様に考えられる。
ページ開きの検知方法としては直接開いたディスプレイページを認識する方式の他に、各ディスプレイページ間の接触を検知して、そこから開いたディスプレイページを認識する方式や、背表紙部に接続された連続した各ディスプレイ部6間の角度を検出して、開いたディスプレイページを認識する方式がある。
【0046】
直接開いたディスプレイページを認識する方式としてはフォトトランジスタやフォトダイオードにより構成される照度センサをページ間に設置することが考えられる。この場合、或るディスプレイページを開くと、照度センサが外光の明るさを検知する。この場合、制御部21は外光を検知した照度センサが配置されている見開きの左右ディスプレイページが開かれたと認識できる。
【0047】
各ディスプレイページ間の接触を検知する方式としては、次のように構成される。例えば図8(a)(b)に示すように、奇数ディスプレイページには、ページ上に凸部10を設け、偶数ディスプレイページには凸部10に対応した凹部12を設ける。凹部12内にはスイッチ11を配置する。そしてディスプレイページが閉じている状態では、このスイッチ303が凸部10によって押される構成とする。
このスイッチ10の状態(スイッチのオン/オフ信号)を監視することで、制御部21は各ディスプレイページの開閉を認識できる。つまりスイッチが押されている見開きの両ディスプレイページは閉状態で、スイッチが押されていない見開きの両ディスプレイページは開状態と判断可能である。
図8(a)(b)の例では奇数ディスプレイページに凸部10、偶数ディスプレイページにスイッチ12が配置される構成であったが、奇数ディスプレイページにスイッチ10、偶数ディスプレイページに凸部10を配置するなど、他の構成をとってもよい。
【0048】
さらに、各ディスプレイ部6間の角度を検出して、ページ開きを検知する方式としては、図3(c)に示す各ディスプレイページ間の角度(θ1,θ2)を測定可能な回転角度センサを背表紙部5に埋め込むことが考えられる。
この回転角度センサの検出情報を入力することで、制御部21は、ある角度以上に開いている見開きの両ディスプレイページが開状態のページと認識することが可能である。
例えばディスプレイページ間の角度θが30度以上ならば開いているとすれば、図8(c)のディスプレイページDispA、DispB間の角度θ2と、ディスプレイページDispC、DispD間の角度θ1が30度以上のため、この両方の見開きのページが開状態とみなせる。
また一番角度θが大きいページを開いているとみなすならば、図8(c)の場合、ディスプレイページDispC、DispDのみが開状態とみなせる。
ただし回転角度センサを用いる場合は各ディスプレイ部6間の数だけの回転角度センサを用意する必要があるため、ディスプレイ部6の数(シート2の数)が多くなると構成が煩雑となるということはある。
【0049】
図5に戻って、表示データ生成部26は、コンテンツデータ入力部24から取得して高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納しているコンテンツデータについて、制御部21の指示に従って、各ディスプレイ部6での表示のための処理を行う。
即ち表示データ生成部26は、制御部21により指定されるコンテンツページを受取り、その表示するべきコンテンツページの表示画面の構成を行う。
例えばコンテンツデータはHTML(Hypertext Markup Language)形式やEPUB(electronic publication )形式、またはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などで保存されているため、それらのデータを表示データ生成部26でデコードし、画面構成を生成する。生成された画面データは各ディスプレイ部6へ転送され、表示される。
【0050】
ディスプレイ部6は、図1で説明したように、多数設けられる。
各ディスプレイ部は1より始まるディスプレイページ番号で制御部21に管理される。そして各ディスプレイ部6は、表示データ生成部26から供給される画面データに応じて表示動作を行う。
ディスプレイ部6としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなど表示が可能な薄型デバイスならばどのような構成でもよい。
【0051】
バスI/F29は、内蔵される調停機能により制御を行いながら各部間の各種データの転送を行う。
【0052】
以上のような構成の本実施の形態の電子ブック1では、後述する表示制御処理を実現するため、制御部21は、図6に示す機能構成を備える。
図6は、制御部21(CPU)がプログラムに基づいた処理を実行することで発現される機能をブロック化して示している。従って、制御部21内でソフトウエアにより形成される機能ブロックとして考えることができる。
なお、ここではソフトウエアにより実現される機能として各ブロックを説明するが、各ブロックをハードウエアによる装置部とし、その全体が制御部21に相当する制御回路を構成するものとして電子ブック1内に設けることも可能である。
【0053】
図6に示すように、制御部21には機能ブロックとして、コンテンツ入力/格納制御部31、表示演算部32、入力検知部33、表示状態管理部34、ディスプレイ情報管理部35を備える。
【0054】
コンテンツ入力/格納制御部31は、上述したコンテンツデータ入力部24からのコンテンツデータ及び付加情報の取得や、その高速メモリ22又は不揮発性メモリ23への格納動作を制御する。
即ちコンテンツ入力/格納制御部31は、コンテンツデータ入力部24での再生又は受信動作の制御、取得したコンテンツデータ及び付加情報のメモリ(22又は23)への転送及び書込の制御を行う。
またコンテンツ入力/格納制御部31は、表示処理のためのコンテンツデータの表示データ生成部26への転送や、付加情報の確認処理なども行う。
コンテンツデータのページ数などの付加情報は表示演算部32での表示コンテンツページ決定の演算に利用される。
【0055】
表示演算部32は、各ディスプレイ部6に表示するコンテンツページを決定する処理を行う。具体的には、電源オン時等に最初に各ディスプレイ部6に表示するコンテンツページの決定や、ページ更新ボタン7の操作に応じての各ディスプレイ部6に表示するコンテンツページの決定を行う。
また特に本実施の形態の場合、ユーザのページめくりに応じた処理として、直感的なページめくりに対応するために、ディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページの決定処理を行う。つまりどのディスプレイページにどのコンテンツページを表示するかの演算を行う。演算の詳細は後述する。
これらの処理のため、表示演算部32は、コンテンツ入力/格納制御部31からのコンテンツデータの付加情報(コンテンツページの総数やページ情報、インデックスページ情報等)や、後述するディスプレイ情報、表示状態管理テーブルの情報を参照する。
表示演算部32は、どのディスプレイページにどのコンテンツページを表示するか決定し、その情報を表示データ生成部26に与えて、表示画像を生成させ、必要な表示更新を実行させる。
【0056】
入力検知部33は、入力部25からの情報、即ちユーザ操作の情報や、センサ28による各ディスプレイページの開閉情報を検知する処理を行う。
【0057】
表示状態管理部34は、表示状態管理テーブルを用いて、現在の各ディスプレイページでの表示内容(コンテンツページ)を管理する。
表示状態管理テーブルの例を図7に示す。
表示状態管理テーブルは、図7(a)に示すように、ディスプレイページと、各ディスプレイページに表示しているコンテンツページを対応させて管理するテーブルとされる。例えばディスプレイページが50ページの場合、ディスプレイページDisp1〜Disp50に対応させて、それぞれコンテンツページ数を記憶する。
この表示状態管理テーブルは、例えば高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納される。そして表示状態管理部34は、必要に応じて表示状態管理テーブルを参照し、また表示演算部32の演算によって表示内容が更新されることに応じて、表示状態管理テーブルの内容の書き換えを行う。
【0058】
例えば図7(a)は初期の表示状態に対応した例である。
例えばディスプレイ部6が50個、つまりディスプレイページが50ページであって、240ページのコンテンツデータの表示を行うことを考える。
電子ブック1の電源オン後に、まずディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50をそれぞれ表示させるとする。
このとき、表示状態管理部34は、図7(a)のように表示状態管理テーブルの内容を設定する。つまりディスプレイページDisp1にコンテンツページ1、Disp2にコンテンツページ2、Disp3にコンテンツページ3、Disp4にコンテンツページ4、・・・Disp48にコンテンツページ48、Disp49にコンテンツページ49、Disp50にコンテンツページ50というようにテーブル情報を設定する。
【0059】
ここで、後述する処理で、ユーザのページめくりに応じて、表示演算部32が、ディスプレイページDisp49、Disp50に、コンテンツページ239,240を表示させるものとしたとする。すると、表示状態管理部34は、表示状態管理テーブルの内容を図7(b)に示すように更新する。つまりディスプレイページDisp49にコンテンツページ239、Disp50にコンテンツページ240というようにテーブル情報を更新する。
【0060】
またさらにユーザがコンテンツページ239,240を開いた状態から前に1ページめくったとする。その場合、後述する処理で、表示演算部32は、ディスプレイページDisp47、Disp48に、コンテンツページ237,238を表示させることになる。その場合、表示状態管理部34は、表示状態管理テーブルの内容を図7(c)に示すように更新する。つまりディスプレイページDisp47、Disp48に対応してコンテンツページ237、238というようにテーブル情報を更新する。
【0061】
このように表示状態管理部34は、常に現在の各ディスプレイページでの表示内容が、表示状態管理テーブルで表せるようにし、これによって制御部21は、常に現在の各ディスプレイページで表示されているコンテンツページを把握できるようにしている。
【0062】
ディスプレイ情報管理部35は、電子ブック1のディスプレイ部6の情報を管理する。ディスプレイ情報の1つとして、ディスプレイ部6の数、つまりディスプレイページの総数を管理する。
電子ブック1の各シート2(ディスプレイ部6)が取り外しや追加が可能な構成とされ、ディスプレイページの総数が変化する可能性がある場合、ディスプレイ情報管理部35は、ディスプレイ部6の取り外しや追加に応じて、ディスプレイページ総数情報を更新する。
例えば背表紙部5に接続されるディスプレイ部6の数は、制御部21が各ディスプレイ部6を1より連続するディスプレイページ番号により管理しているため、最大値を読み出すことで、算出可能である。
なおディスプレイ部6の数が固定の電子ブック1として構成する場合、ディスプレイ情報管理部35は、固定的な値としてディスプレイページ総数を管理していればよい。
【0063】
またディスプレイ情報管理部35は、ディスプレイ情報の1つとして、現在ユーザが見ている(つまり開状態の)ディスプレイページを管理する。
開状態となったディスプレイページは、上述のようにセンサ部28の検出情報を制御部21(入力検知部33)が検知することで把握される。
ディスプレイ情報管理部35は、この検知したセンサ部28からの情報に基づき、現在開状態となっているディスプレイページ番号を判別し、記憶する。
またユーザのページめくりに応じて、次に開状態となるディスプレイページ番号の判別及び記憶も行う。
現在開状態となっているディスプレイページの情報及び次に開状態とされるディスプレイページの情報は、適宜表示演算部32に受け渡され、表示するコンテンツページの決定のための演算処理に用いられる。
【0064】
<3.表示制御処理>
[3−1:全体処理]
上記構成の電子ブック1における表示制御動作について説明していく。
以下、各フローチャートにより説明する処理は、上記図6の機能を備える制御部21がプログラムに基づいて実行する処理である。
【0065】
まず図9で電源オンから電源オフまでの全体処理を説明する。
電子ブック1の電源オン操作が行われると、図9の処理が開始され、制御部21はステップF101で電源オン及び起動処理を行う。なお、電源オンは、例えば操作部27に電源ボタンが設けられる場合は、のユーザの電源操作子による。或いは、例えば電子ブック1が開かれたら電源オンとすることもできる。
【0066】
電源オンとなった後は、制御部21は、ステップF102でコンテンツ表示のための制御処理を行う。ステップF102の詳細については図10で後述するが、例えば初期の表示状態として、図2,図3で説明したような表示を各ディスプレイ部6に実行させる。
例えばディスプレイページ総数=コンテンツページ総数であれば、図2(a)のように、各ディスプレイ部6に各コンテンツページの表示を実行させる。
またディスプレイページ総数>コンテンツページ総数であれば、図2(b)のように、コンテンツページ総数分の各ディスプレイ部6に各コンテンツページの表示を実行させ、残りのディスプレイ部6には何も表示しない。
またディスプレイページ総数<コンテンツページ総数であれば、図3(a)(b)(c)のように、最初に全ディスプレイ部6に表示できるだけのコンテンツページの表示を実行させる。
このステップF102では、主に制御部21内のコンテンツ入力/格納制御部31、表示演算部32、表示状態管理部34の機能による処理が実行される。
【0067】
制御部21は、ステップF103において、ページがめくられたか否かの判断を行う。ページをめくられたか否かは入力部25よりディスプレイ部6の開閉情報を取得し、その結果を制御部21が受け取ることで行われる。
そして制御部21はディスプレイ情報管理部35の機能により、これまで保持されていたディスプレイページ番号(現在開いていたディスプレイページ番号)を取得して、入力検知部33が検知した次のディスプレイページ番号(次に開状態とされたディスプレイページ)と比較を行う。
新たに検知したディスプレイページ番号が、これまで保持されていたディスプレイページ番号と異なれば、ページをめくったと判断してステップF104へ移行する。
新たに検知したディスプレイページ番号が、これまで保持されていたディスプレイページ番号と同じであればページをめくっていないと判断してステップF106へ移行する。
このように、ステップF103の処理は、主に制御部21内の入力検知部33、ディスプレイ情報管理部35の機能による処理となる。
【0068】
制御部21は、ステップF104において、更新モードの選択を行う。
制御部21は、ディスプレイページ総数と、新たに開かれたと検知したディスプレイページ番号と、これまで開かれていたディスプレイページ番号とから、ディスプレイのめくり方に応じて、最適な更新モードを選択する。更新モードの選択の詳細については後述する。更新モードが選択されるとステップF105へ移行する。
このステップF104の処理は、主に制御部21内のディスプレイ情報管理部35、表示演算部32の機能による処理となる。
【0069】
制御部21は、ステップF105において、表示更新を実行する。
制御部21は、上記ステップF104で選択した更新モードに応じたアルゴリズムで演算を行い、その結果、新しく開かれたディスプレイページに対して表示するべき、コンテンツページの算出を行う。そしてそのコンテンツページを表示させるように表示データ生成部26に指示し、ディスプレイ部6における必要な表示更新を実行させる。また更新に応じて表示状態管理テーブルの更新も実行する。
各更新モードに応じた表示更新のための演算処理の例は後述する。
このステップF105の処理は、主に制御部21内の表示演算部32、表示状態管理部34の機能による処理となる。
表示更新制御を実行したら、制御部21はステップF106へ移行する。
【0070】
制御部21は、ステップF106において、入力部25を通じて取得した情報により電源がオフにされたかの判断を行う。ここで電源オフとされたと判断されたらステップF107で処理を終了する。電源オフでなければ、ステップF103へ移行し、引き続き本処理を続行する。
【0071】
なお、図9では省略したが、図3のようにコンテンツページ総数がディスプレイページ総数の場合であって、ユーザがページ更新ボタン7を押した場合は、図3(d)(e)で説明したような表示内容の更新を行うこととなる。
【0072】
[3−2:コンテンツ表示処理]
上記図9のステップF102のコンテンツ表示処理の詳細を図10に示す。
制御部21は、ステップF201としてコンテンツ表示処理を開始する。制御部21は、ステップF202において、コンテンツデータの取得制御を行う。即ち制御部21は、コンテンツデータ入力部24に指示して、コンテンツデータ及び付加情報を取得させ、高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に転送させて格納させる。
【0073】
制御部21はステップF203において、コンテンツページ総数の取得を行う。即ちコンテンツデータの付加情報から、当該コンテンツデータの総ページ数の情報を抽出する。
なお、取得するコンテンツデータの付加情報として必ずしもコンテンツデータの総ページ数の情報自体が含まれていなくても良い。
例えばコンテンツデータのサイズ情報があれば、そのサイズ情報と、1つのディスプレイ部6へ表示するデータ量を用いて、総ページ数を算出することができる。またコンテンツデータ内に個々のページ番号情報が存在すれば、それを参照して総ページ数を算出することも可能である。
制御部21は、このようにコンテンツデータの総ページ数を確認して、その値を保持する。例えば50ページ分のコンテンツデータであれば、総ページ数=50として保持する。
【0074】
続いて制御部21はステップF204において、ディスプレイ部6の数、つまりディスプレイページ総数の取得を行う。
上述したように、ディスプレイ部6が着脱可能であれば、その時点で背表紙部5に接続されているディスプレイ部6の数を数え、そのディスプレイページ総数を把握する。ディスプレイ部6が着脱可能の構成ではない場合、ディスプレイページ総数は、固定値をロードすればよい。
【0075】
制御部21はステップF205において、現在開かれているディスプレイページ番号の取得を行う。この場合、入力部25からのセンサ部28の検出情報を検知し、現在開かれているディスプレイページ番号を確認する。
この処理により電源投入直後に電子ブック1のどのディスプレイページが開かれているかの状態を知ることができる。
例えば図11(a)に示すような場合は、外にみえているのが表紙部3だけで電子ブック1としては閉じている状態なので、現在のディスプレイページ番号=「0」とする。
また図11(b)の場合は、ディスプレイページDisp1とDisp2が開かれた状態であるため、現在のディスプレイページ番号=「1」「2」とする。
【0076】
次に制御部21はステップF206において、表示コンテンツの演算を行う。即ち制御部21は、先に取得したコンテンツデータの総ページ数と、ディスプレイページ総数から、どのディスプレイ部6にどのコンテンツページを表示するかの演算を行う。
そして制御部21はステップF207で演算結果として、各ディスプレイページにどのコンテンツデータページを表示させるかの指示情報を生成する。
例えばディスプレイページ総数=50、コンテンツページ総数=50であれば、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50のそれぞれを表示させるとの指示情報を生成する。
またディスプレイページ総数=50、コンテンツページ総数=25であれば、ディスプレイページDisp1〜Disp25にコンテンツページ1〜25のそれぞれを表示させ、ディスプレイページDisp26〜Disp50には何も表示しないとの指示情報を生成する。
またディスプレイページ総数=50、コンテンツページ総数=100であれば、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツデータの最初の50ページ、つまりコンテンツページ1〜50のそれぞれを表示させるとの指示情報を生成する。
【0077】
ステップF207で制御部21は、このように生成した指示情報を表示データ生成部26に供給する。
これに応じて表示データ生成部26では、表示するべきコンテンツページの生成処理を行う。つまり表示データ生成部26は、各ディスプレイページDisp1〜Disp50についてそれぞれ、制御部21から指定されたコンテンツページによる表示画像(ページデータ)の生成を行う。
高速メモリ22又は不揮発性メモリ23に格納されたコンテンツデータは、ページ構成と文字、写真などを含んでおり、そのコンテンツデータのデコードを行い、各ディスプレイページに対応するページデータの生成を行うこととなる。
【0078】
ステップF208で制御部21は、表示データ生成部26に表示実行を指示する。
表示データ生成部26は、作成した各ページデータを、各ディスプレイ部6に転送し、表示を実行させる。これにより、各ディスプレイ部6で、制御部21の演算結果に基づいたコンテンツページの内容が表示されることになる。
つまり、図2,図3で説明したコンテンツページとディスプレイページの総数の関係に応じた表示状態が初期の表示状態として得られる。
【0079】
またこのとき、制御部21は表示状態管理テーブルの更新を行う。例えば図2(a)又は図3のような場合で、ディスプレイページDisp1〜Disp50にコンテンツページ1〜50のそれぞれを表示させた場合は、図7(a)のように、「Disp1」〜「Disp50」に対応してコンテンツページ「1」〜「50」が記憶される状態に、表示状態管理テーブルを更新する。
図2(b)のような場合であって、ディスプレイページDisp1〜Disp25にコンテンツページ1〜25のそれぞれを表示させ、ディスプレイページDisp26〜Disp50には何も表示しないように制御した場合の表示状態管理テーブルは図7(d)のようになる。即ち制御部21は、「Disp1」〜「Disp25」に対応して、コンテンツページ「1」〜「25」が記憶され、「Disp26」〜「Disp50」に対応して、「0」が記憶された状態に表示状態管理テーブルを更新する。「0」は、何も表示していない状態を示す値とする。
【0080】
以上の処理を行ったら、制御部21は、ステップF209で電源オン時のコンテンツ表示処理を終える。
【0081】
[3−3:表示更新処理]
上記図9で述べたように、ユーザがページめくりを行った場合、ステップF104で更新モードが選択され、ステップF105で表示更新処理が行われる。
ここでは更新モード選択後にステップF105で行われる表示更新処理の例を説明する。
本実施の形態では、一例として、ステップF104で選択されうる更新モードとして、第1モード〜第4モードがあるとする。
そしてステップF105では、第1モード〜第4モードのうちいずれかのモードに応じたアルゴリズムで、めくられたディスプレイページに表示すべきコンテンツページが決定され、表示制御が行われる。即ち制御部21は、コンテンツの総ページ数、現在のコンテンツページ、ディスプレイページ総数、現在のディスプレイページ番号、めくり後のディスプレイページ番号のうち一つ、もしくは複数を利用して、めくり後のディスプレイページに表示するコンテンツページを算出している。
どのような場合に各更新モード(第1モード〜第4モード)を使用するかは後述するが、第1モード〜第4モードは次のようになる。
【0082】
第1モードは、1ページ更新動作として、ユーザがめくったページ数に応じてめくられた後のディスプレイページに表示するコンテンツページを決定するモードであり、1〜数ページ等、少数のページめくりを行った場合に適用する。
第2モードは、電子ブック1が閉じられた状態から開けられたときに、ディスプレイページ総数とコンテンツページ総数から、ユーザが直感的に開いたディスプレイページに表示するのに適したコンテンツページを決定するモードである。
第3モードは、現在開いているディスプレイページから、ページ進み方向にページめくりが行われた場合に、現在のディスプレイページ、コンテンツページと、残りのディスプレイページ数、コンテンツページ総数から、直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツを決定するモードである。
第4モードは、現在開いているディスプレイページから、ページ戻し方向にページめくりが行われた場合に、現在のディスプレイページ、コンテンツページと、残りのディスプレイページ数(新たに開いたディスプレイページまでのディスプレイページ数)、コンテンツページ総数から、直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツを決定するモードである。
【0083】
図12で、ユーザによるページめくりが検出された際に、図9のステップF105として行われる表示更新処理の例を示す。
制御部21はステップF301で表示更新処理を開始する。
制御部21はステップF302において、電子ブック1に装着されているディスプレイ部6の総数(ディスプレイページ総数)を取得する。上記図10のステップF202と同様にディスプレイページ総数を確認する。
【0084】
ステップF303において制御部21は、現在のディスプレイページ番号を演算に用いる値として取得する。ここで取得される現在のディスプレイページ番号とは、ページめくりが実行される前に、閲覧していたディスプレイ部6のディスプレイページ番号である。
例えばユーザが、図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2を見開き状態で閲覧しており、図11(d)のようにディスプレイページDisp27、Disp28を見開き状態にしたときを考えると、まず現在のディスプレイページ番号「1」「2」を演算用の値としてセットする。
【0085】
ステップF304において制御部21は、めくり後のディスプレイページ番号を演算に用いる値として取得する。ここで取得されるディスプレイ番号とはページめくりが実行された後に、ユーザが閲覧するディスプレイページの番号である。例えば上記のように図8(b)から図8(d)の状態にページめくりが行われた場合は、めくり後のディスプレイページ番号「27」「28」を演算用の値としてセットする。
【0086】
ステップF305において制御部21は、コンテンツページ総数を演算に用いる値として取得する。図10のステップF203と同様に付加情報等から判別できる値である。例えばコンテンツページ総数=30であれば、制御部21はコンテンツページ総数「30」を演算用の値としてセットする。
【0087】
ステップF306において制御部21は、現在のコンテンツページの値を演算に用いる値として取得する。これは、ページめくり直前にユーザが閲覧していたコンテンツページである。このコンテンツページの値は、表示状態管理テーブルを参照することで得られる。例えばユーザが、ページめくりの前に図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2を見ており、表示状態管理テーブルが図7(a)の状態であったとする。すると、表示状態管理テーブルから、現在(ページめくり直前)のコンテンツページの値を「1」「2」と認識できる。
制御部21は現在のコンテンツページ「1」「2」を演算用の値としてセットする。
【0088】
制御部21はステップF307において、めくり後に表示すべきコンテンツページの演算を行う。
ここでは制御部21は、ステップF302〜F306で演算用の値としてセットした、ディスプレイページ総数、現在のディスプレイページ番号、めくり後のディスプレイページ番号、コンテンツページ総数、現在のコンテンツページを用いて、ページめくり後のディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算を行う。
この演算処理として、上述の第1モード〜第4モードのうちいづれかのモードの演算が行われることとなる。
なお、後述の演算では、見開き状態の2つのページの内、一方を用いればよい。例えば上記の例において偶数ページを演算に用いるとすると、現在のディスプレイページ番号=「2」、めくり後のディスプレイページ番号=「28」、現在のコンテンツページ=「2」を、後述する演算式にあてはめればよい。
【0089】
第1モード〜第4モードのうちいづれかの演算により、ページめくり後のディスプレイページに表示するコンテンツページを決定したら、制御部21はステップF308に進む。ステップF308では、当該決定したコンテンツページが、既に、めくり後のディスプレイページに表示されているか否かを判断する。この判断も、表示状態管理テーブルを参照することでできる。
例えばユーザが、図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2を見開き状態で閲覧しており、図11(c)のようにディスプレイページDisp3、Disp4を見開き状態にしたときを考える。つまり1ページだけめくった場合である。このときにステップF307で、ページめくり後のディスプレイページDisp3、Disp4に表示するコンテンツページは、「3」「4」であると決定したとする。この場合に、ステップF308で図7(a)の状態になっている表示状態管理テーブルを参照する。すると、既に、ディスプレイページDisp3、Disp4にはコンテンツページ「3」「4」が表示されていると記述されている。
その場合制御部21は、ステップF308で、演算で決定したコンテンツページが、既にめくり後のディスプレイページに表示されていると判断し、その場合は特に表示制御は不要であるため、ステップF310に進み、表示更新処理を終える。
【0090】
一方、表示状態管理テーブルが図7(a)の状態のときに、例えばユーザが、ディスプレイページDisp49、Disp50を見開き状態にし、ステップF307の演算結果として、コンテンツページ「239」「240」を表示すると決定したとする。
この場合、ステップF308で表示状態管理テーブルを確認すると、図7(a)の場合、ディスプレイページDisp49、Disp50に対応して「49」「50」となっている。つまり、そのページめくりの直前までの時点(現時点)で、コンテンツページ「49」「50」が表示状態であることがわかる。
このような場合、表示内容の更新が必要になる。
そこで制御部21はステップF309に進み、表示更新制御を行う。
即ち表示データ生成部26に対し、ディスプレイページDisp49、Disp50についてコンテンツページ「239」「240」を表示するように指示する。
【0091】
これに応じて表示データ生成部26では、コンテンツページの生成処理を行う。つまり表示データ生成部26は、ディスプレイページDisp49、Disp50について、指定されたコンテンツページ「239」「240」の情報内容を高速メモリ22又は不揮発性メモリ23から読み出し、その表示画像(ページデータ)の生成を行う。
そして表示データ生成部26は生成したページデータを、めくり後のディスプレイページNとしてのディスプレイ部6に供給し、表示を実行させる。これによって、例えばディスプレイページDisp49、Disp50に、コンテンツページ「239」「240」の表示が実行されることとなる。
【0092】
またこのとき、制御部21は表示状態管理テーブルの更新を行う。即ち、例えば図7(a)の管理状態であったとしたら、ディスプレイページDisp49、Disp50にコンテンツページ「239」「240」の表示を実行させたことに応じて、図7(b)にように表示状態管理テーブルの内容を更新する。つまりディスプレイページDisp49、Disp50に対応するコンテンツページの値を「239」「240」に更新する。
その後、制御部21の処理はステップF310に進み、表示更新処理を終える。
【0093】
なお、ステップF307の演算では、表示すべきコンテンツページの値として「0」、つまり何も表示しないとの結果が出ることがある。
その場合も、ステップF308の処理は表示状態管理テーブルで、当該ページめくり後のディスプレイページに対応する値が「0」であるか否かを確認する。
「0」であれば、そのままステップF310で処理を終える。「0」でなければ、ステップF309で、表示更新を行う。つまりその場合制御部21は、当該ページめくり後のディスプレイページには、「何も表示しない」との指示を表示データ生成部26に送り、空白ページ状態での表示を実行させる。また制御部21は、表示状態管理テーブルにおいて、当該ページめくり後のディスプレイページに対応するコンテンツページの値を「0」に更新する。
そしてステップF310で表示更新処理を終える。
【0094】
(3−3−1 第1モード)
上記のステップF307の演算として、第1モードの演算処理を説明する。
第1モードの演算は、単純にめくられたディスプレイページ数だけコンテンツページを進める演算である。
【0095】
ここで例として、ディスプレイページ総数が50、コンテンツページ総数が30の場合に、図11(b)のようにディスプレイページDisp1、Disp2にコンテンツページ「1」「2」が表示されている状態を考える。ここで、ユーザが図11(d)のようにディスプレイページDisp27、Disp28を開いたとする。このときに、もし第1モードで演算が行われるとすると、このディスプレイページDisp27、Disp28に表示するコンテンツページは「27」「28」としての演算結果が得られることとなる。
また図11(b)の状態から、図11(e)のように、ディスプレイページDisp35、Disp36が開かれたとする。このときに、もし第1モードで演算が行われるとすると、このディスプレイページDisp35、Disp36に表示するコンテンツページは「35」「36」となるが、コンテンツページ総数が「30」であり「35」「36」は存在しない。このため演算結果として「0」が得られることとなる。
【0096】
コンテンツページ総数をCa、現在の(ページめくり前の)コンテンツページの値をCn、ディスプレイページ総数をDa、現在のディスプレイページ番号をDn、ページめくり後のディスプレイページ番号をDmとする。
すると、ページめくり後のコンテンツページCmを算出する第1モードの演算は以下になる。
Cm=Dm−Dn+Cn
但し、演算結果Cmがコンテンツページ総数Caよりも大きいときは、ページが存在しないため、Cm=0となる。
【0097】
この第1モードの演算処理を図13に示す。上記図9のステップF104で第1モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図13の処理が行われる。
制御部21はステップF501で第1モードの演算を開始する。
ステップF502で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=Dm−Dn+Cnの演算を行う。
【0098】
ステップF503で制御部21は、演算結果Cm≦コンテンツページ総数Caであるかの判断を行う。
これはめくり後のコンテンツページ番号と、コンテンツページ総数を比較して、めくり後のコンテンツページが存在するか否かの判断である。
ここでCm≦Caであると判断されるとステップF505で処理を終了する。この場合制御部21は、ステップF502で算出したコンテンツページCmを、めくり後のコンテンツページとして決定したことになる。
【0099】
制御部21はCm≦Caでないと判断するとステップF504へ移行する。ステップF504においては、めくり後のコンテンツページが存在しないため、めくり後のコンテンツページCmの値を「0」に更新する。そしてステップF505で処理を終了する。
この場合制御部21は、コンテンツページCm=0、つまり、めくり後のコンテンツページには何も表示しないと決定したことになる。
【0100】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=30のときに、ディスプレイページDisp1、Disp2が見開き状態でコンテンツページ「1」「2」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp15、Disp16を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=16−2+2=16のため、「15」「16」となる。これによりディスプレイページDisp15、Disp16にコンテンツページ「15」「16」が表示される状態に制御される。
【0101】
・例2
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=30のときに、ディスプレイページDisp5、Disp6が見開き状態でコンテンツページ「5」「6」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp33、Disp34を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=34−6+6=34であるが、Ca=30のためCm>CaよりCm=0、つまりはコンテンツページは表示されない。
【0102】
・例3
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=100のときに、ディスプレイページDisp3、Disp4が見開き状態でコンテンツページ「53」「54」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp21、Disp22を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=22−4+54=72となる。このため、ディスプレイページDisp21、Disp22にコンテンツページ「71」「72」が表示される。
【0103】
・例4
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=100のときに、ディスプレイページDisp21、Disp22が見開き状態でコンテンツページ「71」「72」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp3、Disp4を開いた場合に表示されるコンテンツページは、Cm=4−22+72=54となる。このため、ディスプレイページDisp3、Disp4にコンテンツページ「53」「54」が表示される。
【0104】
以上のように、この第1モードの処理は、現在開状態のディスプレイページに表示しているコンテンツページの値に対して、ディスプレイページのめくり数を加算又は減算した値のコンテンツページを算出する。それを、次に開状態とされるディスプレイページに表示すべきコンテンツページとして決定する処理となる。
【0105】
(3−3−2 第2モード)
上記のステップF307の演算として、第2モードの演算処理を説明する。
第2モードの演算は、ディスプレイページ総数とコンテンツページ総数から、ユーザが直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算である。
【0106】
具体的には、ディスプレイページ総数Da、コンテンツページ総数Caの比より、めくった後のディスプレイページDmに、めくり後のコンテンツページCmを表示する。
Da:Ca=Dm:Cm
より、ページめくり後のコンテンツページCmは
Cm=Dm・Ca/Da
で表すことができる。
【0107】
図14(a)に第2モードの演算処理を示す。 上記図9のステップF104で第2モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図14(a)の処理が行われる。
制御部21はステップF511で第2モードの演算を開始する。
ステップF512で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=Dm・Ca/Daの演算を行う。
ステップF513で制御部21は処理を終える。
【0108】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=30のときに、図11(a)(f)に示すように電子ブック1が閉じた状態であったとする。
この状態からディスプレイページDisp11、Disp12が見開き状態に開かれたとすると、表示されるコンテンツページCm=12×30/50=7のため、コンテンツページ「6」「7」が表示される。
【0109】
・例2
ディスプレイ総数Da=50、コンテンツページ総数Ca=100のときに、図11(a)(f)に示すように電子ブック1が閉じた状態であったとする。
この状態からディスプレイページDisp21、Disp22が見開き状態に開かれたとすると、表示されるコンテンツページCm=22×100/50=44のため、コンテンツページ「43」「44」が表示される。
【0110】
以上のように第2モードの演算では、制御部21は、ディスプレイ部6の総数(Da)を対象表示部総数の値とする。
またコンテンツデータの総ページ数(Ca)を対象コンテンツページ総数の値とする。
また現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6のディスプレイページの値(Dm)をページ差分値とする。
そして対象コンテンツページ総数(Ca)に対する比が、対象表示部総数(Da)に対するページ差分値(Dm)の比と同等となるコンテンツページ(Cm)を算出して、それを次に開状態とされる表示ディスプレイページに表示すべきコンテンツページとして決定する。
【0111】
(3−3−3 第3モード)
上記のステップF307の演算として、第3モードの演算処理を説明する。
第3モードの演算は、現在開いているディスプレイページ番号、コンテンツページ番号と、残りのディスプレイページ数、コンテンツページ数から、ユーザがページ進み方向に直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算である。
即ち、この第3モードでは現在開いているディスプレイページ、コンテンツページと、ページ進み方向の残りのディスプレイ数、残りのコンテンツページ数とページを進める方向にめくったディスプレイ数の比の関係によりコンテンツページを算出する。
【0112】
例えば、100枚のディスプレイページの電子ブック1に、1000ページのコンテンツをロードし、ディスプレイページDisp50を開いてコンテンツページ「50」を読んでいるとする。このとき、残りのディスプレイ部6の数は50枚、残りのコンテンツページは950ページである。
その状態で残りのディスプレイ部6の50枚の真ん中の25枚目を開くと、そこには残りのコンテンツページ950ページの真ん中である、475ページ進んだ525ページ目が表示されるようにする。
【0113】
ディスプレイページ総数Da、現在のディスプレイページ番号Dnから、残りのディスプレイページ数はDa−Dnで表される。
またコンテンツページ総数Ca、現在のコンテンツページ番号Cnから、残りのコンテンツページ数はCa−Cnで表される。
ここで、ディスプレイページ番号Dmまでめくったとすると、コンテンツページの進むページ数Cxは、
Da−Dn:Ca−Cn=Dm−Dn:Cx
Cx=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)
つまりは、ディスプレイページ番号Dmまでめくったときに表示されるコンテンツページCmは、
Cm=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)+Cn (但しDm≧Dn)
で表すことができる。
【0114】
図14(b)に第3モードの演算処理を示す。 上記図9のステップF104で第3モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図14(b)の処理が行われる。
制御部21はステップF521で第3モードの演算を開始する。
ステップF522で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)+Cnの演算を行う。
ステップF523で制御部21は処理を終える。
【0115】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイページ総数Da=100、コンテンツページ総数Ca=1000のときに、ディスプレイページDisp49、Disp50が見開き状態でコンテンツページ「49」「50」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp79、Disp80を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=(80−50)×(1000−50)/(100−50)+50=620となる。これにより、コンテンツページ「619」「620」が表示される。
【0116】
・例2
ディスプレイページ総数Da=100、コンテンツページ総数Ca=1000のときに、ディスプレイページDisp21、Disp22が見開き状態でコンテンツページ「321」「322」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp89、Disp90を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=(90−22)×(1000−322)/(100−22)+322=913となる。これにより、コンテンツページ「912」「913」が表示される。
【0117】
このように第3モードでは、制御部21は、現在開状態のディスプレイ部6からみてページ進み方向でのディスプレイ部6の総数(Da−Dn)を、対象表示部総数の値とする。
また現在開状態のディスプレイ部6で表示している現コンテンツデータページからみた、コンテンツデータの最終ページまでの残りのページ数(Ca−Cn)を、対象コンテンツページ総数とする。
また、現在開状態のディスプレイ部6から次に開状態とされたディスプレイ部6までの表示部ページの差分値(Dm−Dn)をページ差分値とする。
そして対象コンテンツページ総数(Da−Dn)に対する比が、対象表示部総数(Da−Dn)に対するページ差分値(Dm−Dn)の比と同等となるコンテンツページ数(Cx)を算出する。そしてそれに基づいて、次に開状態とされるディスプレイページに表示すべきコンテンツページ(Cm)を決定する。
【0118】
(3−3−4 第4モード)
上記のステップF307の演算として、第4モードの演算処理を説明する。
第4モードの演算は、現在開いているディスプレイページ番号、コンテンツページ番号と、残りのディスプレイページ数、コンテンツページ数から、ユーザがページ戻し方向に直感的に開いたディスプレイページに表示するコンテンツページを決定する演算である。
即ち、この第4モードでは現在開いているディスプレイページ、コンテンツページと、ページ戻し方向にめくったディスプレイ数の比の関係によりコンテンツページを算出する。
【0119】
例えば100枚のディスプレイページの電子ブック1に、1000ページのコンテンツをロードし、ディスプレイページDisp30を開いてコンテンツページ「330」を読んでいるとする。このとき、ディスプレイページDisp30までのうちでの真ん中のディスプレイページDisp15を開くと、そこには現在のコンテンツページ「330」から見ての真ん中である165ページ目が表示されるようにする。
【0120】
現在のディスプレイページ番号Dn、現在のコンテンツページ番号Cnから、めくり後のディスプレイページ番号Dmと、めくり後のコンテンツページ番号Cmの関係は、
Cm=Cn・Dm/Dn (但しDm≦Dn)
で表すことができる。
【0121】
図14(c)に第4モードの演算処理を示す。 上記図9のステップF104で第4モードが選択され、ステップF105の表示更新処理として上記図12の処理が行われる場合に、そのステップF307で、この図14(c)の処理が行われる。
制御部21はステップF531で第4モードの演算を開始する。
ステップF532で制御部21は、めくり後のコンテンツページCmの算出を行う。つまり上記のCm=Cn・Dm/Dnの演算を行う。
ステップF533で制御部21は処理を終える。
【0122】
いくつかのパタンにおいて、実際の値を代入して説明する。
・例1
ディスプレイページDisp49、Disp50が見開き状態でコンテンツページ「349」「350」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp19、Disp20を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=350×20/50=140となる。これにより、コンテンツページ「139」「140」が表示される。
【0123】
・例2
ディスプレイページDisp97、Disp98が見開き状態でコンテンツページ「897」「898」が表示されていたとする。
このときにディスプレイページDisp19、Disp20を開いた場合に表示されるコンテンツページCmは、Cm=898×20/98=183となる。これにより、コンテンツページ「182」「183」が表示される。
【0124】
このように第4モードの演算では、制御部21は、現在開状態のディスプレイ部6からみてページ戻し方向でのディスプレイ部6の総数(Dn)を、対象表示部総数の値とする。
またコンテンツデータの先頭ページから現在開状態のディスプレイ部6で表示している現コンテンツデータのページまでのページ数(Cn)を、対象コンテンツページ総数とする。
また現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6のディスプレイページの値(Dm)をページ差分値とする。
そして対象コンテンツページ総数(Cn)に対する比が、対象表示部総数(Dn)に対するページ差分値(Dm)の比と同等となるコンテンツページ(Cm)を算出して、それを次に開状態とされる表示ディスプレイページに表示すべきコンテンツページとして決定する。
【0125】
(3−3−5 他の例)
以上の第1モード〜第4モードの演算例においては、見開きで開いた右側のディスプレイ部6(偶数ページ)を基準として演算して、その結果に−1を行うことで、左側ディスプレイ部6(奇数ページ)に表示するコンテンツページを算出する例とした。逆に、左側のディスプレイ部6を基準として演算して、その結果に+1をすることで、右側ディスプレイ部6に表示するコンテンツページを算出してもよい。
【0126】
第1モード〜第4モードの演算例においては、見開きで開いた右側のディスプレイ部6(偶数ページ)を基準として演算して、その結果に−1を行うことで、左側ディスプレイ部6(奇数ページ)に表示するコンテンツページを算出する例とした。これに対し、左側ディスプレイ部6についても右側ディスプレイ部6と同様の独立した演算で表示するコンテンツページを求めてもよい。
しかしその場合は、ディスプレイ数とコンテンツページ数に大きな差がある場合は、見開きで連続ページが見れない場合がある。例えば見開きで左ページは33ページ、右ページは36ページとなるなどである。そのような場合に、連続ページを保つような演算結果の補正を行うことが望ましい。
【0127】
第1モード〜第4モードの演算例においては、演算式で求まった値を素直に表示するコンテンツページとしているが、例えば常に左側には奇数ページとなるなどのように演算結果を調整しても良い。
例えば左側ディスプレイ部6に表示するコンテンツページは常に奇数ページと定義する。そして、見開き左側ディスプレイ部6のコンテンツページが「6」と偶数ページが求まった場合に、−1、もしくは+1したコンテンツページを表示することにする。
右側ディスプレイ部6についても同様に、表示するページは常に偶数ページと定義して、−1もしくは+1したコンテンツページを表示することにしてもよい。
もちろんその逆で左側ディスプレイ部6を常に奇数ページ、右側ディスプレイ部6を常に偶数ページと定義してもよい。
【0128】
第1モード〜第4モードの演算例以外であっても、コンテンツページ総数、現在のコンテンツページ、ディスプレイページ総数、現在のディスプレイページ番号、めくり後のディスプレイページ番号のうち一つ、もしくは複数を利用して、めくり後のコンテンツページを算出する形式であればその他の形式の計算を行ってもよい。
【0129】
[3−4:更新モード選択処理]
以上の更新モードを選択する更新モード選択処理例を説明していく。即ち上記図9のステップF104で実行される処理例である。
本実施の形態の更新モード選択処理は、現在の状態から次に開状態とされるディスプレイ部6までのディスプレイページの差分数が所定数以上であるか否かを判別して更新モードを選択する処理としている。
以下、更新モード選択処理例I〜IIIを説明するが、それらは、ディスプレイページ総数や、現在のディスプレイページとめくり後のディスプレイページから何枚のディスプレイをめくったか、電子ブック1の全ディスプレイページのうちどの辺りの位置のディスプレイページをめくったかなどを判断する。そしてそれらのパタンにより最適な更新モードを選ぶことで、実際の本に近い、ユーザの直感的ページめくりを実現可能とするものである。
【0130】
例えば下記のような状況において各更新モードが選択される。
少ないページをめくった場合(1ページから5ページ程度)では第1モードとする。
第1モードでは、人間がめくった枚数を認識できる程度の少ないページ数をめくった際に実際の本のように確実にページめくりが可能となる。
【0131】
或る状態(例えば閉じている状態)から大まかな位置のディスプレイページを開いた場合、第2モードとする。この場合、直感的なめくりに適した表示として、コンテンツの前の方を開くか、後ろの方を開くか、真ん中辺りを開くかなどを行うことが可能となる。
また、一番後ろのディスプレイページをいきなり開きたい場合に、第1モードの更新だとディスプレイページ数<コンテンツページ数の場合に、最後の方のコンテンツページは表示されていないため、開くことができない。しかしながら第2モードを使用すると、最終ディスプレイページを開くと最終のコンテンツページが表示される。
また一番後ろのページをいきなり開きたい場合に、第1モードだとディスプレイページ数>コンテンツページ数の場合に、最後の方のディスプレイページにはコンテンツページが表示されておらず、どの位置がコンテンツページの最終かを直感的に開くことは困難である。しかしながら第2モードを使用する場合、最終ディスプレイページを開くと最終コンテンツページが表示される。
【0132】
また、或るディスプレイページを開いていて、あるコンテンツページを閲覧中にそこから多ページめくった場合に、第3モード、第4モードとする。
あるページを閲覧中に、前方、もしくは後方の方にあるコンテンツを大まかに見てみたいときに有効である。この手法を使うことで、ある塊ページでめくっていきながら、大まかなページ確認を行うことができる。
【0133】
(3−4−1 処理例I)
図15に更新モード選択の処理例Iを示す。これは、上述した第1モードと、第2モードのいずれかを選択するとした例である。
制御部21は、図9のステップF104の更新モード選択処理を図15のステップF401で開始する。
図9で述べたように、ステップF104の更新モード選択処理が行われるのは、ページめくりが行われた場合である。
図15の処理では、制御部21はステップF402で、今回のページめくりが、多ページめくりか否かを判別する。一例として、多ページめくりとは一度に5ページ以上のディスプレイページがめくられた場合とする。
制御部21は、現在の(ページめくり直前)に開状態とされていたディスプレイページと、ページめくり後に開状態とされるディスプレイページの差分数を確認することで、5ページ以上の多ページめくりか否かを判定できる。
【0134】
制御部21は、多ページめくりでない場合、例えば1ディスプレイページ〜4ディスプレイページのページめくりであった場合は、ステップF403に進んで、第1モードを選択する。なお、1〜4ディスプレイページのページめくりとは、シート2の表裏両面がディスプレイ部6である場合、シート2で言えば1枚又は2枚のページめくりである。
一方、制御部21は、多ページめくりと判別した場合、ステップF404に進んで、第2モードを選択する。
このように更新モード選択を行ったら、ステップF405で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0135】
従ってこの処理例Iによれば、ユーザが5ページ以上のページめくりを行ったときは、第2モードが選択され、次のステップF105の表示更新処理で図14(a)の演算で、ユーザの直感的なページめくりに応じた表示制御が行われる。
一方、4ページ以内のページめくりであれば、第1モードとして、図13の処理でめくりページ数に応じた表示更新制御が行われる。
【0136】
(3−4−2 処理例II)
更新モード選択の処理例IIを図16で説明する。これは、上述した第1〜第4モードのいずれかを選択する例である。
【0137】
制御部21は、図9のステップF104の更新モード選択処理を図16のステップF410で開始する。
制御部21はステップF411で、現在(ページめくり直前)が全てのディスプレイページが閉じた状態であったか否かを判断する。
例えば図11(a)(f)が、全てのディスプレイページが閉じた状態である。
【0138】
全てのディスプレイページが閉じていると判断したら、制御部21はステップF412へ移行する。一方、どこかのディスプレイページが開かれていると判断したら、制御部21はステップF415へ移行する。
【0139】
現在閉状態であった場合は、制御部21はステップF412で、例えばページめくり数が5ページ以上などの多ページめくりであるか否かの判断を行う。
多ページめくりであると判断したら、制御部21はステップF414へ進み、更新モードとして第2モードを選択して、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
多ページめくりではない(5ページ未満)と判断したら、制御部21はステップF413へ移行する。そして更新モードとして第1モードを選択して、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0140】
現在どこかのディスプレイページが開かれている場合は、制御部21はステップF415で、多ページめくりであるか否かの判断を行う。
多ページめくりではない(5ページ未満)と判断したら、制御部21はステップF413へ移行して更新モードとして第1モードを選択し、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0141】
ステップF415で多ページめくりと判断したら、制御部21はステップF416で、ページめくり方向を判断する。つまり次に開かれるディスプレイページと、現在のディスプレイページのページ番号の大小を比較する。
ページめくりがページ進み方向であったら、制御部21はステップF417へ移行して更新モードとして第3モードを選択し、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
ページめくりがページ戻り方向であったら、制御部21はステップF418へ移行して更新モードとして第4モードを選択し、ステップF419で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0142】
従ってこの処理例IIによれば、ユーザが5ページ以上のページめくりを行ったときは、第2モード〜第4モードのいずれかが選択され、次のステップF105の表示更新処理で図14(a)(b)(c)のいずれかの演算で、ユーザの直感的なページめくりに応じた表示制御が行われる。
即ち電子ブック1を閉じた状態から開いたのであれば第2モード、開いた状態から進み方向へページめくりを行った場合は第3モード、開いた状態から戻り方向へページめくりを行った場合は第4モードとされる。
一方、4ページ以内のページめくりであれば、第1モードとして、図13の処理でめくりページ数に応じた表示更新制御が行われる。
【0143】
(3−4−3 処理例III)
更新モード選択の処理例IIIを図17で説明する。これは、上述した第1,第3,第4モードのいずれかを選択する例である。
【0144】
制御部21は、図9のステップF104の更新モード選択処理を図17のステップF421で開始する。
制御部21はステップF422で、現在(ページめくり直前)が全てのディスプレイページが閉じた状態であったか否かを判断する。
全てのディスプレイページが閉じていると判断したら、制御部21はステップF425へ移行する。一方、どこかのディスプレイページが開かれていると判断したら、制御部21はステップF423へ移行する。
【0145】
現在閉状態であった場合は、制御部21はステップF425で、更新モードとして第1モードを選択して、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0146】
現在どこかのディスプレイページが開かれている場合は、制御部21はステップF423で、多ページめくりであるか否かの判断を行う。
多ページめくりではないと判断したら、制御部21はステップF425へ移行して更新モードとして第1モードを選択し、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0147】
ステップF423で多ページめくりと判断したら、制御部21はステップF424で、ページめくり方向を判断する。つまり次に開かれるディスプレイページと、現在のディスプレイページのページ番号の大小を比較する。
ページめくりがページ進み方向であったら、制御部21はステップF426へ移行して更新モードとして第3モードを選択し、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
ページめくりがページ戻り方向であったら、制御部21はステップF427へ移行して更新モードとして第4モードを選択し、ステップF428で更新モード選択処理(F104)を終える。
【0148】
従ってこの処理例IIIによれば、ユーザが開状態から5ぺージ以上のページめくりを行ったときは、第3モード、第4モードのいずれかが選択され、次のステップF105の表示更新処理で図14(b)(c)のいずれかの演算で、ユーザの直感的なページめくりに応じた表示制御が行われる。
一方、4ページ以内のページめくりであったり、電子ブック1が閉じられた状態から開かれた場合は、第1モードとして、図13の処理でめくりページ数に応じた表示更新制御が行われる。
【0149】
[3−5:更新モード選択及び表示更新処理のまとめ]
本実施の形態では、以上の例のように更新モード選択処理、表示更新処理が行われる。
即ち、更新モード選択は、ページめくり直前の状態が閉状態であるか開状態であるかの条件や、めくりページ数(多ページめくりであるか否か)の条件により行われる。
【0150】
例えば現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6までのページめくり数が所定数以上のときに、更新モードとして、第2モード、第3モード、第4モードが選択される。
その場合に、対象表示部総数、対象コンテンツページ総数、及びページ差分値を用いた演算で、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページが決定される。
一方、現在の状態から次に開状態とされたディスプレイ部6までのページめくり数が所定数未満のときは、第1モードとして、現在開状態のディスプレイ部6に表示しているコンテンツページの値に対して、ページめくり数を加算又は減算した値のコンテンツページを算出して、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定する。
制御部21は、このようなコンテンツページの決定のための演算を、センサ部28からの検出情報によって、次に開状態とされるディスプレイ部6が検出された際に行い、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示させる制御を行う。
【0151】
このような実施の形態の電子ブック1では、次の利点が得られる。
まず、ディスプレイページ総数がコンテンツページ総数より少ないときも、ディスプレイページ総数、現在開いて閲覧しているディスプレイページ、残りのディスプレイページ数、全コンテンツページ数、現在閲覧しているコンテンツページ、残りのコンテンツ量の関係を踏まえた演算で表示させるコンテンツページが選択される。つまりユーザが直感的に開いたディスプレイページに適したコンテンツページが演算されて次に開かれたディスプレイページに表示される。これにより、実際の本のように直感的にディスプレイ部6の数以上のページ飛ばしが可能になる。
【0152】
また、ディスプレイページ総数がコンテンツページ総数より少ないときも、全ディスプレイページ総数、現在開いて閲覧しているディスプレイページ、残りのディスプレイページ数、全コンテンツページ数、現在閲覧しているコンテンツページ、残りのコンテンツ量の関係を踏まえた演算で、次に開かれたディスプレイページに表示させるコンテンツページが選択される。
このことから、ユーザは、コンテンツ内で、ディスプレイページ数以上に離れたページと現在のページを同時に確認することができる。
【0153】
また、ディスプレイページ数がコンテンツページ数よりも多いときは、途中のページが最終ページとなっているため、最終ページ周辺を直感的に開くにはそこを見つける必要があり困難であった。
これに対し、ディスプレイページ総数、現在開いて閲覧しているディスプレイページ、残りのディスプレイページ数、全コンテンツページ数、現在閲覧しているコンテンツページ、残りのコンテンツ量の関係から、直感的に開いたディスプレイ位置に表示するべきコンテンツ位置を演算することで、直感的な後方ページ閲覧が可能になる。
【0154】
<4.予測更新を行う表示制御処理>
上記の実施の形態では、各ディスプレイ部6の表示コンテンツページの更新は、ページめくりにより次のディスプレイ部6が開かれた瞬間に行うことを想定した例となっている。
実際の実装として、例えば背表紙部5にて図5のような表示制御回路系が配置され、背表紙部5内から開かれたディスプレイ部6に対して表示データを伝送する仕組みの場合、表示データのデータ量が多いと転送速度が間に合わない場合もあり得る。その場合、或るディスプレイ部6が開ききってもコンテンツページが表示されていない現象が起こる可能性がある。
そこで、あらかじめ想定されるディスプレイページに対して、閉じられている状態でも表示するコンテンツページを算出し、表示しておく構成をとってもよい。
【0155】
即ち制御部21は、センサ部28からの検出情報によって、次に開状態とされるディスプレイ部6が検出されていない期間に逐次、上記の第1〜第4モードの演算により、各ディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定し、各ディスプレイ部6に表示させる制御を行うようにしてもよい。
【0156】
例えばディスプレイページDisp21、Disp22でコンテンツページ「21」「22」を閲覧中を考える。
この場合、現在のディスプレイページDisp21、Disp22に近いページ、例えばディスプレイDisp15〜Disp28には、第1モードのアルゴリズムで演算したコンテンツページを表示させる。例えば上述の「多ページめくり」とならないディスプレイページである。
一方、ディスプレイページDisp29よりも先のディスプレイページには、第3モードのアルゴリズムで演算したコンテンツページを表示させる。
またディスプレイページDisp14より手前のディスプレイページには、第4モードのアルゴリズムで演算したコンテンツページを表示させる。
このような処理(表示予測更新)を、ユーザによって次のページめくりが行われる前から実行しておけば、開いてすぐにユーザがコンテンツページを閲覧できるようになる。
【0157】
この場合の構成及び処理を図18〜図20で説明する。
図18は制御部21の機能構成を示している。図6と異なるのはタイマー部36が設けられている点である。このタイマー部36は、予測更新処理を割り込み処理として実行するタイミングを得るためのタイマー機能である。
他の機能ブロックは図6と同様であるため説明を省略する。
【0158】
図19に、電源オンから電源オフまでの制御部21の処理を示している。なお、図9と同一ステップについては、同一のステップ番号を付し、重複した詳細な説明は避ける。
【0159】
ステップF101で電源オン、ステップF102でコンテンツ表示(初期表示)を行ったら、制御部21は、ステップF150としてタイマー部36によるタイムカウントを開始する。
【0160】
その後、ステップF103でページめくりを監視し、ページめくりが行われた場合、ステップF104で更新モード選択、ステップF105で表示更新処理を行うことは、上述した実施の形態と同様である。
【0161】
この図19の処理例の場合、ページめくりが行われていない期間に、ステップF151〜F153の処理が実行される。
即ち制御部21は、ステップF151で、タイマー部36でのカウント値を確認する。例えばタイマー値が1sec経過する毎に、制御部21は、ステップF152の表示予測更新処理を実行する。
表示予測更新処理を行った場合は、ステップF153でタイマー値をゼロにリセットし、スタートさせる。
この図19の処理により、ページめくりが行われていない期間に、約1sec毎に、表示予測更新処理が行われることになる。
【0162】
ステップF152で制御部21が実行する表示予測更新処理の詳細を図20に示す。
制御部21は、ステップF601で表示予測更新処理を開始すると、まずステップF602で、現在開かれているディスプレイページ(Dn)を確認する。これはその時点でディスプレイ情報管理部35が把握しているディスプレイページである。
次にステップF602で、現在開かれているディスプレイページ(Dn)に表示されているコンテンツページ(Cn)を確認する。これは表示状態管理テーブルから把握できる。
【0163】
制御部21は、ステップF604で、まず現在のディスプレイページDnの周辺のディスプレイページ(Dn−1−X)〜(Dn+X)について、表示させるべきコンテンツページの割当を行う。この割当は第1モードの演算で行う。
例えばディスプレイページDisp21、Disp22でコンテンツページ「21」「22」を閲覧中を考え、X=6とする。
現在のディスプレイページDnを、見開きの右側の偶数ページ=Disp22とする。
すると、ディスプレイページ(Dn−1−X)〜(Dn+X)はDisp15〜Disp28となる。
第1モードの演算によって、Disp15〜Disp28には、コンテンツページ「15」〜「28」がそれぞれ割り当てられることとなる。
【0164】
次に制御部21は、ステップF605で、ディスプレイページ(Dn+X)より後ろのディスプレイページについて、表示させるべきコンテンツページの割当を、第3モードの演算で行う。
上記例の場合、Disp29以降、最後のディスプレイページまでのそれぞれについて、上述した、
Cm=(Dm−Dn)・(Ca−Cn)/(Da−Dn)+Cn
の演算で求められるコンテンツページCmを割り当てる。
【0165】
次に制御部21は、ステップF606で、ディスプレイページ(Dn−1−X)より前のディスプレイページについて、表示させるべきコンテンツページの割当を、第4モードの演算で行う。
上記例の場合Disp1〜Disp14まで以降の各ディスプレイページについて、上述した、
Cm=Cn・Dm/Dn
の演算で求められるコンテンツページCmを割り当てる。
【0166】
このように、全てのディスプレイページについてコンテンツページを割り当てたら、ステップF607で、その割当状態と実際の表示状態を確認する。即ち全てのディスプレイページで、今回割り当てたコンテンツページが表示状態になっているか否かを確認する。
これは、割当結果と、表示状態管理テーブルの内容を比較すればよい。
【0167】
即ち全てのディスプレイページで、今回割り当てたコンテンツページが表示状態になっていれば、更新は必要ないので、ステップF609で表示予測更新処理を終える。
一方、表示内容が、今回割り当てたコンテンツページとは異なるディスプレイページが存在した場合は、そのディスプレイページについて、表示更新制御を行う。即ち表示データ生成部26に指示して、該当のディスプレイページについて、今回割り当てたコンテンツページの表示を実行させる。
この表示更新制御を行ったら、制御部21はステップF609で表示予測更新処理を終える。
【0168】
例えばこのような表示予測更新処理が逐次実行されることで、あらかじめユーザの直感的なページめくりに対応した表示を実行させておくことができる。
【0169】
<5.コンテンツページ調整を行う表示更新処理>
ここまでの実施の形態の説明では、ユーザの直感的なページめくりに対応した表示として、第2モード〜第4モードの演算の結果で、ページめくり後のディスプレイページに表示させるコンテンツページを決定していた。
しかし、よりユーザの利便性を考慮して、演算結果のコンテンツページを調整することも考えられる。
【0170】
まず、コンテンツデータの付加情報として、インデックスページ情報が存在するとする。
インデックスページ情報とは、コンテンツ内容のインデックスポイント(内容の区切れ目)となるページを示す情報である。
例えば小説や論文等における章、節や、日記、アルバム等における日時の区切り(週、月の区切り)など、内容的な区切りとなる先頭ページの情報である。
コンテンツデータの総ページの中で、いくつかのコンテンツページが、インデックスページとしてあらかじめ指定されているとする。
制御部21は、図6又は図18のコンテンツ入力/格納制御部31の機能で、インデックスページ情報を認識しておく。
【0171】
なお、インデックスページは、コンテンツデータの形式等を解析して、制御部21がインデックスページを自動設定しても良い。またユーザがインデックスページを指定して入力するようにしてもよい。
【0172】
ユーザが直感的に本を開いたり多数枚のページめくりを行う場合、めくり後に、インデックスページが見られると便利である。
そこで、図12のステップF307において、第2モード〜第4モードのいずれかで演算を行う場合には、例えば図21のような処理を行うようにする。
【0173】
制御部21はステップF551で、図12のステップF307の処理を開始する。
ステップF552で制御部21は、第2モード〜第4モードのうちで選択された更新モードの演算で、次に開状態とされるディスプレイページに表示するコンテンツページCmを算出する。つまり図14(a)(b)(c)のいずれかの処理を行う。
【0174】
この時点で、表示させるコンテンツページが求められたが、制御部21は、以降の処理で演算結果の調整を行う。
まずステップF553で制御部21は、求めたコンテンツページCmの周辺(±wページの区間)に、インデックスページCidxが存在するか否かを確認する。例えばw=10ページなどとする。或いはコンテンツデータの総ページ数の所定%のページ数などとしてもよい。
【0175】
インデックスページCidxが存在しなければ、ステップF554からF558に進み、ステップF307の処理を終了する。この場合、ステップF552で求めたコンテンツページCmが、そのまま表示コンテンツページとして決定される。
【0176】
一方、求めたコンテンツページCmの周辺にインデックスページCidxが存在したら、ステップF554からF555に進み、制御部21は、複数のインデックスページCidxが存在したか否かを確認する。
複数のインデックスページCidxが存在した場合、制御部21はステップF556で1つのインデックスページCidxを選択する。例えばコンテンツページCmに近い方のページのインデックスページCidxを選択する。或いは、より若いページ、或いはより後ろのページなどを選択しても良い。
【0177】
インデックスページCidxが1つ存在した場合、及び複数のインデックスページCidxから1つを選択した場合は、制御部21はステップF557で、算出結果のコンテンツページCmを、当該インデックスページCidxのページ番号に修正する。
そしてステップF558で処理を終える。
【0178】
図12のステップF307で、この図21のような処理が行われるようにすると、ユーザが直感的にページを開いたときに、そのページがコンテンツデータの或る章の先頭などとなる確率を高めることができる。
すると、ユーザは直感的に開いたページの内容的位置が分かりやすくなり、見たい部分を探し易くなる。
【0179】
<6.変形例>
以上、実施の形態の構成や処理例を述べてきたが、本発明としての変形例は多様に考えられる。
【0180】
実施の形態では、閉じているディスプレイ部6についても常時表示を行っているものとして説明したが、開いた状態のディスプレイページのみで表示をおこなうようにしてもよい。
例えば液晶パネルや有機ELパネルをディスプレイ部6として用いた場合、開いた状態のディスプレイ部6のみ、実際の表示を実行させ、閉じているディスプレイ部6では表示自体はオフとする。例えばコンテンツページの割当及び表示データ供給だけ行っておき、表示(発光)のみオフとする。液晶パネルの場合は、バックライトをオフとする。有機ELパネルでは自発光動作のみを休止させておく。
このようにすれば、電子ブック1の消費電力を削減できる。
但し、ディスプレイ部6として、表示更新時のみ電力を消費する電子ペーパーを用いる場合、常時表示による電力消費は殆ど無いため、常時表示で問題ない。
【0181】
更新モード選択については、第1モード〜第4モードを図15〜図17の処理例で選択するようにしたが、もちろん選択処理例は他にも多様に考えられる。
また表紙部3などにスイッチを用意して、スイッチにより、ユーザが更新モードの指定を行うことができるようにしてもよい。
【0182】
実施の形態では、見開きの左右両ページにディスプレイ部6が設けられるものとしたが、一方のページのみにディスプレイ部6が設けられる形態もあり得る。
また、背表紙部5を中心軸として、いくつかのシート2が無限に回転してページが進んでいくような形態もあり得る。
【0183】
第1モード〜第4モードとしてのページ演算は、ディスプレイページ、コンテンツページに関して、見開きで左右2ページの場合で説明したが、見開きで1ページとして扱って演算を行うことも当然可能である。
また表紙部3、裏表紙部4にディスプレイ部6を設け、1ページ目、最終ページ目として扱うこともできる。
【0184】
<7.プログラム>
実施の形態のプログラムは、制御部21(CPU)に上述した各処理を実行させるプログラムである。
例えば電子ブック1の電源がオンとなると、不揮発性メモリ23に記録された本実施の形態のプログラムを制御部21が読み込みを開始し、高速メモリ22へ書込みを行う。高速メモリ22へプログラムの転送が完了すると、制御部21は、高速メモリ22上に展開されたプログラムを順次読出しながら各処理を実行する。
【0185】
このプログラムは、現在の状態からページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにおいて次に開状態とされ得るディスプレイ部6の総数である対象表示部総数、現在の状態からページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにおいて次に閲覧状態とされ得る対象コンテンツページ総数、及び次に開状態とされた表示部ページについてのページ差分値とを用いた演算により、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示すべきコンテンツページを決定するステップを演算処理装置である制御部21に実行させる。(図12のステップF307の処理)
また該プログラムは、決定したコンテンツページを、次に開状態とされるディスプレイ部6に表示させる制御を行うステップを演算処理装置である制御部21に実行させる。(図12のステップF309の処理)
具体的には該プログラムは、制御部21に、図9(又は図19)、図10、図12、図13、図14、図15(又は図16、図17)の処理を実行させる。また図20、図21の処理を実行させる場合もある。
このような実施の形態のプログラムにより、本発明の表示装置(電子ブック1)を実現できる。
【0186】
このようなプログラムは、パーソナルコンピュータ等の機器に内蔵されている記録媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROMやフラッシュメモリ等に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet optical)ディスク、DVD、ブルーレイディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【符号の説明】
【0187】
1 電子ブック、2 シート、3 表紙部、4 裏表紙部、5 背表紙部、6 ディスプレイ部、7 ページ更新ボタン、21 制御部、22 高速メモリ、23 不揮発性メモリ、24 コンテンツデータ入力部、25 入力部、26 表示データ生成部、27 操作部 28 センサ部、31 コンテンツ入力/格納制御部、32 表示演算部、33 入力検知部、34 表示状態管理部、35 ディスプレイ情報管理部、36 タイマー部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部と、
開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御部と、
を備え、
上記表示部は、
全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有し、
上記制御部は、
上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、
上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、
上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値と、
を用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う表示装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記演算として、
上記対象コンテンツページ総数に対する比が、上記対象表示部ページ総数に対する上記ページ差分値の比と同等となるコンテンツページの算出に基づいて、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記制御部は、
上記第1状態が、全ての表示部ページが閉じている閉状態である場合、
上記表示部ページの総数を上記対象表示部ページ総数の値とし、
コンテンツデータの総ページ数を上記対象コンテンツページ総数の値とし、
上記第2状態で開状態の表示部ページの値を上記ページ差分値として、
上記演算を行う請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記第1状態が或る表示部ページが開状態であって、上記第2状態で開状態の表示部ページが、上記第1状態で開状態の表示部ページよりもページ進み方向の表示部ページである場合、
上記第1状態で開状態の表示部ページからみてページ進み方向にある全ての表示部ページの総数を、上記対象表示部ページ総数の値とし、
上記第1状態で開状態の表示部ページに表示するコンテンツページからみてページ進み方向にある全てのコンテンツページの総数を、上記対象コンテンツページ総数とし、上記演算を行う請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
上記制御部は、
上記第1状態が或る表示部ページが開状態であって、上記第2状態で開状態の表示部ページが、上記第1状態で開状態の表示部ページよりもページ戻し方向の表示部ページである場合、
上記第1状態で開状態の表示部ページからみてページ戻し方向にある全ての表示部ページの総数を、上記対象表示部ページ総数の値とし、
上記第1状態で開状態の表示部ページに表示するコンテンツページからみてページ戻し方向にある全てのコンテンツページの総数を、上記対象コンテンツページ総数として、上記演算を行う請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記ページ差分値が所定数以上のときに、上記対象表示部ページ総数、上記対象コンテンツページ総数、及び上記ページ差分値を用いた演算で、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
上記制御部は、
上記ページ差分値が所定数未満のときは、上記第1状態で開状態の表示部ページに表示するコンテンツページの値に対して、上記ページ差分値を加算又は減算した値のコンテンツページを算出して、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページとして決定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
上記制御部は、上記演算で求めたコンテンツページを中心とした所定ページ範囲内でインデックスページであるコンテンツページが存在する場合、当該インデックスページであるコンテンツページを、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページとして決定する請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
開状態の表示部ページを検出する検出部をさらに有し、
上記制御部は、上記検出部によって、上記第2状態で開状態の表示部ページが検出された際に、上記演算により、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
開状態の表示部ページを検出する検出部をさらに有し、
上記制御部は、上記検出部によって、上記第2状態で開状態の表示部ページが検出されていない期間に逐次、上記演算により、各表示部に表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部を備え、全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有する表示装置の表示方法として、
上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数、上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数、上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値を用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定するステップと、
上記決定したコンテンツページを、上記第2状態で開状態の表示部に表示させる制御を行うステップと、
を備えた表示方法。
【請求項12】
一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部を備え、全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有する表示装置の演算処理装置のプログラムとして、
上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数、上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数、上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値を用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定するステップと、
上記決定したコンテンツページを、上記第2状態で開状態の表示部に表示させる制御を行うステップと、
を演算処理装置に実行させるプログラム。
【請求項1】
一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部と、
開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御部と、
を備え、
上記表示部は、
全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有し、
上記制御部は、
上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数と、
上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数と、
上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値と、
を用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う表示装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記演算として、
上記対象コンテンツページ総数に対する比が、上記対象表示部ページ総数に対する上記ページ差分値の比と同等となるコンテンツページの算出に基づいて、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記制御部は、
上記第1状態が、全ての表示部ページが閉じている閉状態である場合、
上記表示部ページの総数を上記対象表示部ページ総数の値とし、
コンテンツデータの総ページ数を上記対象コンテンツページ総数の値とし、
上記第2状態で開状態の表示部ページの値を上記ページ差分値として、
上記演算を行う請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記第1状態が或る表示部ページが開状態であって、上記第2状態で開状態の表示部ページが、上記第1状態で開状態の表示部ページよりもページ進み方向の表示部ページである場合、
上記第1状態で開状態の表示部ページからみてページ進み方向にある全ての表示部ページの総数を、上記対象表示部ページ総数の値とし、
上記第1状態で開状態の表示部ページに表示するコンテンツページからみてページ進み方向にある全てのコンテンツページの総数を、上記対象コンテンツページ総数とし、上記演算を行う請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
上記制御部は、
上記第1状態が或る表示部ページが開状態であって、上記第2状態で開状態の表示部ページが、上記第1状態で開状態の表示部ページよりもページ戻し方向の表示部ページである場合、
上記第1状態で開状態の表示部ページからみてページ戻し方向にある全ての表示部ページの総数を、上記対象表示部ページ総数の値とし、
上記第1状態で開状態の表示部ページに表示するコンテンツページからみてページ戻し方向にある全てのコンテンツページの総数を、上記対象コンテンツページ総数として、上記演算を行う請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記ページ差分値が所定数以上のときに、上記対象表示部ページ総数、上記対象コンテンツページ総数、及び上記ページ差分値を用いた演算で、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
上記制御部は、
上記ページ差分値が所定数未満のときは、上記第1状態で開状態の表示部ページに表示するコンテンツページの値に対して、上記ページ差分値を加算又は減算した値のコンテンツページを算出して、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページとして決定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
上記制御部は、上記演算で求めたコンテンツページを中心とした所定ページ範囲内でインデックスページであるコンテンツページが存在する場合、当該インデックスページであるコンテンツページを、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページとして決定する請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
開状態の表示部ページを検出する検出部をさらに有し、
上記制御部は、上記検出部によって、上記第2状態で開状態の表示部ページが検出された際に、上記演算により、上記第2状態で開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
開状態の表示部ページを検出する検出部をさらに有し、
上記制御部は、上記検出部によって、上記第2状態で開状態の表示部ページが検出されていない期間に逐次、上記演算により、各表示部に表示すべきコンテンツページを決定し、表示させる制御を行う請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部を備え、全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有する表示装置の表示方法として、
上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数、上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数、上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値を用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定するステップと、
上記決定したコンテンツページを、上記第2状態で開状態の表示部に表示させる制御を行うステップと、
を備えた表示方法。
【請求項12】
一端がまとめられて装着され、表と裏の少なくとも一方に表示部ページを持つ開閉可能な複数の表示部を備え、全ての表示部ページが閉じている閉状態又は或る表示部ページが開状態である第1状態と、上記第1状態からページめくり方向としてページ進み方向又はページ戻し方向のいずれかにページめくりが行われて或る表示部ページが開状態である第2状態とを有する表示装置の演算処理装置のプログラムとして、
上記第1状態の表示部ページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全ての表示部ページの総数である対象表示部ページ総数、上記第1状態の表示部ページに表示するコンテンツページを基準として上記ページめくり方向と同じ方向にある全てのコンテンツページの総数である対象コンテンツページ総数、上記第1状態と上記第2状態とのそれぞれの表示部ページのページ差分値を用いた演算により、上記第2状態の開状態の表示部ページに表示すべきコンテンツページを決定するステップと、
上記決定したコンテンツページを、上記第2状態で開状態の表示部に表示させる制御を行うステップと、
を演算処理装置に実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−137929(P2012−137929A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289767(P2010−289767)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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