説明

表示装置および表示方法

【課題】輝度補正の精度を向上すること。
【解決手段】汚れ劣化値決定部1cは、汚れ劣化情報記憶部1aに記憶された汚れ劣化情報と設置時間測定部1bが積算した各表示ユニットの設置時間とに基づいて、各表示ユニットの汚れによる輝度の劣化の度合いを示す汚れ劣化値を決定する。電流劣化値決定部1fは、電流劣化情報記憶部1dに記憶された電流劣化情報と積算電流測定部1eが積算した各表示ユニットの積算電流とに基づいて、各表示ユニットの積算電流による輝度の劣化の度合いを示す電流劣化値を決定する。輝度調整部1gは、各表示ユニットにつき汚れ劣化値決定部1cが決定した汚れ劣化値と電流劣化値決定部1fが決定した電流劣化値とに基づいて、各表示ユニット間の輝度の差を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示方法に関し、特に1つ以上の表示素子を配置した表示ユニットを複数備え、表示素子を発光させて画像を表示する表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外、ホールおよび競技場などで大型の表示盤にニュース映像やイベント映像を表示する表示装置が設置されている。このような表示装置が備える表示盤には、複数の表示素子が設けられる。表示装置は、複数の表示素子を発光させることで、表示盤に画像を表示する。表示素子には、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられる。
【0003】
ここで、複数の表示素子により画像を表示する場合、各表示素子の輝度にばらつきがあると画像が見難くなる。このため、各表示素子の輝度を均一にする必要がある。
例えば、表示素子としてLEDを用いる場合、各LEDを同じ電流で駆動させたとしても素子毎の輝度にばらつきが生じる。これを補正するために、各LEDを個別のドライバにより駆動して、各LEDの輝度を均一にするよう、その駆動電流を補正することが行われる。
【0004】
また、LEDには使用時間に応じて経時的な輝度の劣化(経年劣化)が生じる。このため、各LEDについて所定の輝度を補償するよう各LEDの輝度を調整することが考えられる。このような方法として、例えば、発光素子の発光量を測定し、測定したレベルと装置固有のレベルとを比較して、発光素子の発光量が装置固有のレベルとなるよう調整する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、稼動した時間に応じてLEDの出力許可パルスの時間幅を広げて輝度の経年劣化分を補償する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
更に、LEDの輝度の経年劣化は、表示盤のLEDの一部交換時にも問題となる。交換時には、既存のLEDの中に新品のLEDが設置される。すなわち、経年劣化により輝度が低減した既存のLEDと経年劣化の発生していない新品のLEDとの間で輝度の差が生じる。このため、このような輝度の差を調整する必要がある。これに対し、各LEDの輝度の差を補正するための情報(輝度変換用のパラメータ等)を各LED(交換対象がLEDを複数配列したユニットであれば、各ユニット)に与えて、各LED(交換対象がユニット単位であれば、各ユニット単位)の輝度を調整する方法が知られている(例えば、特許文献3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−216414号公報
【特許文献2】特開2000−351543号公報
【特許文献3】特開平11−344949号公報
【特許文献4】特開2006−267314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、LEDの輝度劣化の原因には、複数のものが考えられる。例えば、電流によりLEDの端子電極が劣化する、LEDの発光熱によりLEDチップを封止する樹脂の透光性が低下する、などが考えられる。このような劣化は、LEDに流した電流に起因するものである。また、例えば、LEDに堆積したホコリなどの汚れに起因する劣化が考えられる。汚れによる劣化は、表示装置を屋外に設置する場合には特に顕著となる。
【0008】
このため、これらの原因を考慮して、精度良くLEDの輝度補正を行うことが望まれていた。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、表示素子の輝度補正の精度を向上することが可能な表示装置および表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、1つ以上の表示素子を配置した表示ユニットを複数備え、表示素子を発光させて画像を表示する表示装置が提供される。この表示装置は、汚れ劣化値決定部、電流劣化値決定部および輝度調整部を有する。汚れ劣化値決定部は、表示ユニットの設置時間と表示ユニットの汚れによる輝度の劣化の度合いを示す汚れ劣化値とを対応付けた汚れ劣化情報を記憶する汚れ劣化情報記憶部に記憶された汚れ劣化情報と、設置時間測定部が積算した各表示ユニットの設置時間と、に基づいて、各表示ユニットの汚れ劣化値を決定する。電流劣化値決定部は、表示ユニットに流れた積算電流と表示ユニットの積算電流による輝度の劣化の度合いを示す電流劣化値とを対応付けた電流劣化情報を記憶する電流劣化情報記憶部に記憶された電流劣化情報と、積算電流測定部が積算した各表示ユニットの積算電流と、に基づいて、各表示ユニットの電流劣化値を決定する。輝度調整部は、各表示ユニットにつき汚れ劣化値決定部が決定した汚れ劣化値と電流劣化値決定部が決定した電流劣化値とに基づいて、各表示ユニット間の輝度の差を補正する。
【0010】
このような表示装置によれば、汚れ劣化値決定部により、表示ユニットの設置時間と表示ユニットの汚れによる輝度の劣化の度合いを示す汚れ劣化値とを対応付けた汚れ劣化情報を記憶する汚れ劣化情報記憶部に記憶された汚れ劣化情報と、設置時間測定部が積算した各表示ユニットの設置時間と、に基づいて、各表示ユニットの汚れ劣化値が決定される。電流劣化値決定部により、表示ユニットに流れた積算電流と表示ユニットの積算電流による輝度の劣化の度合いを示す電流劣化値とを対応付けた電流劣化情報を記憶する電流劣化情報記憶部に記憶された電流劣化情報と、積算電流測定部が積算した各表示ユニットの積算電流と、に基づいて、各表示ユニットの電流劣化値が決定される。輝度調整部により、各表示ユニットにつき汚れ劣化値決定部が決定した汚れ劣化値と電流劣化値決定部が決定した電流劣化値とに基づいて、各表示ユニット間の輝度の差が補正される。
【0011】
また、上記課題を解決するために、上記表示装置と同様の処理を行う表示方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
上記表示装置および表示方法によれば、汚れによる輝度劣化および積算電流による輝度劣化を考慮して表示素子の輝度補正を行うことで、輝度補正の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】表示装置を示す図である。
【図2】表示システムを示す図である。
【図3】制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】表示装置のユニット構成を示す図である。
【図5】制御装置の機能構成を示す図である。
【図6】汚れ輝度劣化テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】汚れによる輝度劣化の計測データ例を示す図である。
【図8】電流輝度劣化テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図9】積算電流による輝度劣化の計測データ例を示す図である。
【図10】積算データテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】輝度補正係数テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図12】積算データ取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】ユニット交換時補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】定期補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】清掃時補正処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、表示装置を示す図である。表示装置1は、汚れ劣化情報記憶部1a、設置時間測定部1b、汚れ劣化値決定部1c、電流劣化情報記憶部1d、積算電流測定部1e、電流劣化値決定部1f、輝度調整部1gおよび表示盤10を有する。
【0015】
ここで、表示盤10は、画像を表示するための表示ユニット11,12,・・・,19を備える。表示ユニット11,12,・・・,19は、縦横3×3に配置される。表示ユニット11,12,・・・,19には、1つ以上の複数の表示素子が配置される。表示素子は、例えばLEDである。この場合、例えば赤緑青の3色のLEDを1セットとし、1つの表示素子を形成する。表示装置1は、表示ユニット11,12,・・・,19に配置された表示素子を発光させることで、表示盤10に画像を表示する。なお、表示ユニットの数は3×3の配列に限らず、m×n(n,mは自然数)の任意の配列とすることができる。
【0016】
汚れ劣化情報記憶部1aは、表示ユニットの設置時間と表示素子の汚れによる輝度の劣化の度合いを示す汚れ劣化値とを対応付けた汚れ劣化情報を記憶する。
設置時間測定部1bは、各表示ユニットの設置時間を積算する。各表示ユニットの設置時間とは、各表示ユニットが表示盤10に取り付けられてから現在時点までに経過した時間である。設置時間測定部1bは、例えば表示ユニット15が新品に交換された場合、表示ユニット15についての設置時間をリセットして再度0から計測する。
【0017】
汚れ劣化値決定部1cは、汚れ劣化情報記憶部1aに記憶された汚れ劣化情報と、設置時間測定部1bが測定した各表示ユニットの設置時間とに基づいて、各表示ユニットの汚れ劣化値を決定する。
【0018】
電流劣化情報記憶部1dは、表示ユニットに流れた積算電流と表示ユニットの積算電流による輝度の劣化の度合いを示す電流劣化値とを対応付けた電流劣化情報を記憶する。
積算電流測定部1eは、各表示ユニットに流れた積算電流を積算する。
【0019】
電流劣化値決定部1fは、電流劣化情報記憶部1dに記憶された電流劣化情報と積算電流測定部1eが測定した各表示ユニットの積算電流とに基づいて、各表示ユニットの電流劣化値を決定する。
【0020】
輝度調整部1gは、各表示ユニットにつき汚れ劣化値決定部1cが決定した汚れ劣化値と電流劣化値決定部1fが決定した電流劣化値とに基づいて、各表示ユニット間の輝度の差を補正する。
【0021】
表示装置1によれば、汚れ劣化情報記憶部1aに記憶された汚れ劣化情報と、設置時間測定部1bが積算した各表示ユニットの設置時間と、に基づいて、各表示ユニットの汚れ劣化値が決定される。また、電流劣化情報記憶部1dに記憶された電流劣化情報と、積算電流測定部1eが積算した各表示ユニットの積算電流と、に基づいて、各表示ユニットの電流劣化値が決定される。そして、各表示ユニットにつき決定された汚れ劣化値と電流劣化値とに基づいて、各表示ユニット間の輝度の差が補正される。
【0022】
これにより、輝度補正の精度を向上することができる。すなわち、各表示ユニットの輝度の劣化に大きく寄与する各要因(汚れおよび積算電流)の影響を個別に評価するので、各表示ユニット間の輝度の差を精度良く取得することができる。そして、取得した輝度の差に基づいて、各表示ユニットの輝度を調整することで、各表示ユニット間の輝度の差を高い精度で均一化して、より見やすい画像表示が可能となる。
【0023】
以下では、このような表示装置1として、屋外に設置されてイベント映像などを表示するものを例に採り、更に具体的に説明する。
図2は、表示システムを示す図である。この表示システムは、制御装置100、表示盤200、管理端末装置300および映像送出装置400を有する。制御装置100は、表示盤200と所定のデータ送受信用ケーブル31および映像信号送受信用ケーブル32により接続される。データ送受信用ケーブル31は、例えば、TP(Twisted Pair)ケーブルやシリアル通信ケーブルである。映像信号送受信用ケーブル32は、例えばSD−SDI(Standard Definition - Serial Digital Interface)信号やHD−SDI(High Definition - SDI)信号の送受信に対応した同軸ケーブルである。また、制御装置100、管理端末装置300および映像送出装置400は、それぞれネットワーク20を介して接続され相互にデータ通信が可能である。
【0024】
制御装置100は、表示盤200に表示させる画像データを映像送出装置400から取得する。制御装置100は、取得した画像データを映像信号送受信用ケーブル32を介して表示盤200に出力する。また、制御装置100は、表示盤200との間でデータ送受信用ケーブル31を介して、各種データを送受信する。
【0025】
更に、制御装置100は、管理端末装置300から受信するコマンドに従って、表示盤200の稼動を制御する。これにより、制御装置100は、例えば表示盤200の起動・停止等を行うことができる。
【0026】
表示盤200は、制御装置100から取得する画像データを画面に表示する。表示盤200の画面には、複数の表示ユニットが備えられる。各表示ユニットには、表示素子として複数のLEDが配列される。表示盤200は、各LEDを発光させることで画像を表示する。
【0027】
管理端末装置300は、オペレータによる表示盤200に対する運用管理を行うためのものである。オペレータは、管理端末装置300の所定のインタフェースを閲覧・操作して、制御装置100に運用管理のためのコマンドを送信できる。
【0028】
映像送出装置400は、表示盤200に表示させる画像データを生成して制御装置100に送信する。映像送出装置400は、例えばデジタルカメラである。また、映像送出装置400は、画像データを蓄積した映像配信用のコンピュータであってもよい。
【0029】
図3は、制御装置のハードウェア構成を示す図である。制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、表示盤用画像処理装置104、モニタ用画像処理装置105、入力インタフェース106、通信インタフェース107,108および映像信号送信装置109を有する。
【0030】
CPU101は、制御装置100全体の動作を制御する。
RAM102は、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションのプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM102は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。
【0031】
HDD103は、OSのプログラム、アプリケーションのプログラムを記憶する。また、HDD103は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。
表示盤用画像処理装置104は、表示盤200に表示させる画像データを映像信号送受信用ケーブル32を介して表示盤200に送信するための信号(例えば、SDI信号)に変換する。
【0032】
モニタ用画像処理装置105は、モニタ21と接続される。モニタ用画像処理装置105は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ21の画面に表示させる。
入力インタフェース106は、キーボード22とマウス23と接続される。入力インタフェース106は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をCPU101に出力する。
【0033】
通信インタフェース107,108は、他の情報処理装置と通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース107は、ネットワーク20を介して管理端末装置300および映像送出装置400と接続される。通信インタフェース108は、データ送受信用ケーブル31を介して表示盤200と接続される。
【0034】
映像信号送信装置109は、表示盤用画像処理装置104が生成した信号を映像信号送受信用ケーブル32を介して表示盤200に送信する。
なお、管理端末装置300および映像送出装置400についても制御装置100と同様のハードウェア構成により実現できる。
【0035】
図4は、表示盤のユニット構成を示す図である。表示盤200は、画面がモジュール単位に区分されている。表示盤200は、モジュール210,210a,・・・,210eを有する。モジュール210,210a,・・・,210eは、縦横2×3に配列されている。
【0036】
モジュール210には、モジュールID“M−1”が定義されている。モジュール210aには、モジュールID“M−2”が定義されている。モジュール210bには、モジュールID“M−3”が定義されている。モジュール210cには、モジュールID“M−4”が定義されている。モジュール210dには、モジュールID“M−5”が定義されている。モジュール210eには、モジュールID“M−6”が定義されている。
【0037】
モジュール210,210a,・・・,210eは、板状に形成されており、その表面には複数のユニットが配置される。以下では、モジュール210のユニット構成について説明するが、モジュール210a,210b,・・・,210eに関しても同様である。
【0038】
モジュール210は、表示ユニット211,212,・・・,226を有する。
表示ユニット211,212,・・・,226は、モジュール210の表面に縦横4×4に配列されている。表示ユニット211,212,・・・,226は、それぞれ複数のLEDを配列したものである。
【0039】
表示ユニット211,212,・・・,226は、それぞれモジュール210における位置を示す情報と対応付けられる。例えば、モジュール210の左上側を原点として、水平方向にx軸、鉛直方向にy軸が取られる。そして、原点より右側の原点に近い方から1〜4として位置を示すx座標が定義される。また、原点より下側の原点に近い方から1〜4として位置を示すy座標が定義される。このようにして、表示ユニット211,212,・・・,226のモジュール210における位置を定義することができる。具体的には、表示ユニット211の位置は(x,y)=(1,1)である。表示ユニット212の位置は(x,y)=(2,1)である。以下、同様にして表示ユニット226までの位置を定義する。
【0040】
なお、モジュールの配列は縦横2×3に限らずm×n(n,mは自然数)の任意の配列とすることができる。また、表示ユニットの配列に関しても縦横4×4に限ったものではなく任意の配列とすることができる。
【0041】
表示盤200は、モジュール210,210a,・・・,210eに設けられた表示ユニットのLEDを発光させることで画像を表示する。このとき、表示ユニット毎の輝度にばらつきがあると、画像が見難くなる。このような輝度のばらつきは、例えば表示ユニット単位で交換を行う場合等に特に顕著となる。このため、制御装置100および表示盤200は、このような輝度のばらつきを精度良く補正することができる。以下では、このための構成を説明する。
【0042】
図5は、制御装置の機能構成を示す図である。なお、制御装置100の処理に関連する表示盤200のハードウェア構成も示してある。制御装置100は、通信部110,120、画像処理部130、映像信号送信部140、劣化情報記憶部150、設置時間タイマー160、積算情報記憶部170、輝度補正情報演算部180および輝度補正情報記憶部190を有する。なお、制御装置100のこれらの機能は、CPU101が所定のプログラムを実行することで実現される。ただし、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0043】
通信部110は、制御装置100と管理端末装置300および映像送出装置400との間のデータ通信を行う。
通信部120は、表示盤200との間のデータ通信を行う。
【0044】
画像処理部130は、通信部110が映像送出装置400から画像データを受信した場合、この画像データを取得して映像送信用信号に変換する。画像処理部130は、変換後の信号を映像信号送信部140に出力する。
【0045】
映像信号送信部140は、画像処理部130から取得した信号を表示盤200に送信する。
劣化情報記憶部150は、表示ユニットに堆積したホコリ等の汚れに応じた輝度劣化を示す情報を記憶する。ここで、汚れに応じた輝度劣化は、例えば表示ユニットが現設置環境下でどれだけ時間が経過したかに依存するものと考えることができる。このため、汚れに応じた輝度劣化を示す情報は、表示盤200が該当の設置環境下に置かれた時間に対応付けたものとして定義することができる。また、劣化情報記憶部150は、表示ユニットに流した積算電流に応じた輝度劣化を示す情報を記憶する。
【0046】
設置時間タイマー160は、表示盤200における各表示ユニットについて、各表示ユニットを表示盤200に設置してから現時点までの経過時間(以下、設置時間という)を測定する。
【0047】
積算情報記憶部170は、表示盤200における各表示ユニットについて、各表示ユニットの設置時間と各表示ユニットに流れた積算電流とを含む積算情報を記憶する。各表示ユニットの設置時間としては、設置時間タイマー160により測定された各表示ユニットの設置時間が格納される。また、各表示ユニットの積算電流は表示盤200で測定される。このため、通信部120が表示盤200から各表示ユニットの積算電流のデータを受信すると、このデータが積算情報記憶部170に積算情報として格納される。
【0048】
輝度補正情報演算部180は、モジュール単位で各表示ユニットの輝度を補正するための輝度補正情報を算出する。輝度補正情報は、例えば各表示ユニットの基準となる輝度からどれだけ輝度を低減させれば同一モジュール内の他の表示ユニットとのばらつきが解消されるかを示す指標を表す数値である。輝度補正情報演算部180は、算出した各表示ユニットの輝度補正情報を輝度補正情報記憶部190に格納する。
【0049】
輝度補正情報記憶部190は、輝度補正情報演算部180が算出した各表示ユニットの輝度補正情報を記憶する。
なお、輝度補正情報演算部180による輝度補正情報の算出処理は、例えば通信部110が管理端末装置300から輝度補正指示のコマンドを受け付けた場合に実行される。このとき、輝度補正指示のコマンドには、補正対象とする表示ユニットの位置を示す情報が含まれており、輝度補正情報演算部180は、このコマンドにより、補正対象とする表示ユニットを特定することができる。また、通信部120は、輝度補正情報記憶部190に記憶された輝度補正情報から補正対象となった表示ユニットの輝度補正情報を抽出して、表示盤200に送信する。
【0050】
表示盤200は、モジュール210,210a,・・・,210eに加え、更に、映像信号受信部230、輝度補正情報受信部240、表示ユニット発光制御部250、ADC(Analog to Digital Converter)260,260a,・・・,260eおよび積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eを有する。なお、モジュール210,210a,・・・,210eに関しては、図4で同一の符号を付して説明した構成と同一であるため説明を省略する。
【0051】
映像信号受信部230は、映像信号送信部140から映像送信用の信号を受信し、表示ユニット発光制御部250に出力する。
輝度補正情報受信部240は、通信部120から輝度補正情報を受信し、表示ユニット発光制御部250に出力する。
【0052】
表示ユニット発光制御部250は、モジュール210,210a,・・・,210eの各表示素子を発光させ、映像信号受信部230から取得した信号に基づく画像を表示させる。表示ユニット発光制御部250は、輝度補正情報受信部240から取得した輝度補正情報に基づいてモジュール210,210a,・・・,210eの各表示ユニットの発光輝度が均一となるよう補正する。輝度の補正の方法としては、例えば対象の表示ユニットを駆動する電流を増減させることが考えられる。
【0053】
ADC260,260a,・・・,260eは、モジュール210,210a,・・・,210eを駆動する電流をアナログ−デジタル変換して、電流値として取得する。ADC260,260a,・・・,260eは、取得した電流値を積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eに出力する。
【0054】
積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eは、ADC260,260a,・・・,260eから取得した電流値を各モジュールにおける表示ユニット数で平均して積算し、各表示ユニットに流れた積算電流を測定する。表示盤200では各モジュールにおける表示ユニット数が16である。このため、積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eは、ADC260,260a,・・・,260eから取得した電流値を16で割って表示ユニット毎に積算することになる。積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eは、所定のタイミングで測定した積算電流を通信部120に送信する。
【0055】
図6は、汚れ輝度劣化テーブルのデータ構造例を示す図である。汚れ輝度劣化テーブル151は、劣化情報記憶部150に予め格納される。汚れ輝度劣化テーブル151には、設置時間を示す項目および汚れ劣化定数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの劣化情報を示す。
【0056】
設置時間を示す項目には、該当の運用環境下における表示ユニットの設置時間を示す情報が格納される。汚れ劣化定数を示す項目には、該当の設置時間に対応する汚れによる輝度の劣化の度合いを示す値が設定される。汚れ劣化定数は、設置当初における輝度から減少した輝度の割合を示す値とすることができる。
【0057】
汚れ輝度劣化テーブル151には、例えば、設置時間が“1ヶ月”、汚れ劣化定数が“0.01”という情報が設定される。これは、表示ユニットを該当の運用環境に“1ヶ月”置いた場合、汚れによって輝度が設置当初を1とし、0.01を掛けた値分輝度が減少する、すなわち輝度が1%減少することを示している。
【0058】
汚れ輝度劣化テーブル151は、検査用の表示ユニットを該当の運用環境、または、これに近い環境に実際に置いて、設置時間に応じた輝度の減少を測定することで予め作成される。
【0059】
図7は、汚れによる輝度劣化の計測データ例を示す図である。グラフ151aは、設置時間に対する汚れによる輝度劣化の度合いを示す。グラフ151aには、横軸に設置時間(年)、縦軸に表示ユニットの輝度(%)が示されている。なお、表示ユニットの輝度は、設置当初を“100%”としている。グラフ151aの例では、設置当初から3年後程度までの輝度劣化が大きく、その後、緩やかに輝度が劣化していくことが分かる。グラフ151aに基づいて、汚れ輝度劣化テーブル151を得ることができる。
【0060】
図8は、電流輝度劣化テーブルのデータ構造例を示す図である。電流輝度劣化テーブル152は、劣化情報記憶部150に予め格納される。電流輝度劣化テーブル152には、積算電流を示す項目および電流劣化定数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの劣化情報を示す。
【0061】
積算電流を示す項目には、表示ユニットの積算電流を示す情報が格納される。電流劣化定数を示す項目には、該当の積算電流による輝度の劣化の度合いを示す値が設定される。電流劣化定数は、設置当初における輝度から減少した輝度の割合を示す値とすることができる。
【0062】
電流輝度劣化テーブル152には、例えば、積算電流が“0.5kAh”、汚れ劣化定数が“0.002”という情報が設定される。これは、表示ユニットの積算電流が“0.5kAh”である場合、輝度が設置当初を1とし、0.002を掛けた値分輝度が減少する、すなわち輝度が0.2%減少することを示している。
【0063】
電流輝度劣化テーブル152は、検査用の表示ユニットに電流を流して実際に測定した積算電流に応じた輝度の減少を測定することで予め作成される。
図9は、積算電流による輝度劣化の計測データ例を示す図である。グラフ152aは、積算電流に対する輝度劣化の度合いを示す。グラフ152aには、横軸に積算電流(kAh)、縦軸に表示ユニットの輝度(%)が示されている。なお、積算電流“0kAh”のときを表示ユニットの輝度“100%”としている。グラフ152aの例では、積算電流が“0〜20kAh”程度までは緩やかに輝度が劣化し、それ以上となると劣化の度合いが大きくなることが分かる。グラフ152aに基づいて、電流輝度劣化テーブル152を得ることができる。
【0064】
図10は、積算データテーブルのデータ構造例を示す図である。積算データテーブル171,172,・・・,176は、モジュール210,210a,・・・,210eそれぞれに対して積算情報記憶部170に格納される。すなわち、積算データテーブル171には、モジュール210(モジュールID“M−1”に対応)の情報が登録される。積算データテーブル172には、モジュール210a(モジュールID“M−2”に対応)の情報が登録される。以下同様であり、積算データテーブル176には、モジュール210e(モジュールID“M−6”に対応)の情報が登録される。
【0065】
なお、以下では、積算データテーブル171に関してのみ説明するが、積算データテーブル172,・・・,176に関しても同様の構造である。
積算データテーブル171には、ユニット位置を示す項目、設置時間を示す項目および積算電流を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのユニットに関する積算情報を示す。
【0066】
ユニット位置を示す項目には、表示ユニットの位置を示す情報(xy座標値)が設定される。設置時間を示す項目には、該当の表示ユニットの設置時間を示す情報が設定される。積算電流を示す項目には、該当の表示ユニットの積算電流を示す情報が設定される。
【0067】
なお、図5で示したように、設置時間を示す項目には設置時間タイマー160が各表示ユニットに関して測定した設置時間が格納される。また、積算電流を示す項目には積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eがモジュール単位で取得した積算電流を各モジュールの表示ユニット数で平均化した値を、各表示ユニットで積算した値が格納される。
【0068】
積算データテーブル171には、例えば、ユニット位置が“(x,y)=(1,1)”、設置時間が“36ヶ月”、積算電流が“50kAh”という情報が設定される。これは、表示ユニット211の設置時間が“36ヶ月”であり、積算電流が“50kAh”であることを示している。
【0069】
なお、積算データテーブル171には、例えば、表示ユニット213(位置(x,y)=(3,1))に関して、設置時間が“2ヶ月”、積算電流が“2.5kAh”という情報が設定される。設置時間が他の表示ユニットより短く、積算電流が小さいのは、表示ユニット213が過去に交換されたものであることを示す。また、設置時間が同じであっても、積算電流値が異なるのは、表示部に表示される内容により表示ユニットの点灯が多い部分と表示ユニットの点灯が少ない部分とが生じるためである。
【0070】
輝度補正情報演算部180は、劣化情報記憶部150に記憶された汚れ輝度劣化テーブル151、電流輝度劣化テーブル152および積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171に基づいて、各表示ユニットの輝度補正情報を生成する。
【0071】
図11は、輝度補正係数テーブルのデータ構造例を示す図である。輝度補正係数テーブル191,192,・・・,196は、モジュール210,210a,・・・,210eそれぞれに対して輝度補正情報記憶部190に格納される。すなわち、輝度補正係数テーブル191には、モジュール210(モジュールID“M−1”に対応)の情報が登録される。輝度補正係数テーブル192には、モジュール210a(モジュールID“M−2”に対応)の情報が登録される。以下同様であり、輝度補正係数テーブル196には、モジュール210e(モジュールID“M−6”に対応)の情報が登録される。
【0072】
以下では、輝度補正係数テーブル191に関してのみ説明するが、輝度補正係数テーブル192,・・・,196に関しても同様の構造である。
輝度補正係数テーブル191には、ユニット位置を示す項目および輝度補正係数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのユニットに関する補正係数情報を示す。
【0073】
ユニット位置を示す項目には、表示ユニットの位置を示す情報(xy座標値)が設定される。輝度補正係数を示す項目には、該当の表示ユニットの現在の輝度に乗じて輝度を均一化するための補正係数が設定される。
【0074】
輝度補正係数テーブル191には、例えば、ユニット位置が“(x,y)=(3,1)”、輝度補正係数が“0.89×Z3”という情報が設定される。なお、基準係数Zn(n=1,2,・・・,16)は各表示ユニットが劣化を伴わない場合に各表示ユニット間で生じる輝度のばらつきをモジュール210の基準の輝度に調整するためのパラメータである。基準係数Znは、各表示ユニットについて適正な値が予め定められる。この場合、表示ユニット213の現在の輝度(基準の輝度)よりモジュール210の他の表示ユニットの輝度が11%だけ小さく、表示ユニット213の基準の輝度に補正定数“0.89×Z3”を乗じた輝度(劣化輝度)とすることでモジュール210の各表示ユニットの輝度を、この劣化輝度に均一化できることを示している。
【0075】
なお、輝度補正係数テーブル191は、積算データテーブル171に対応している。すなわち、輝度補正係数テーブル191では、設置時間および積算電流による輝度劣化の最も大きいユニットが表示ユニット226(ユニット位置“(x,y)=(4,4)”)である場合を例示している。この場合、表示ユニット211〜225は、輝度が表示ユニット226と合うように輝度補正係数が決定されることになる。
【0076】
次に、以上のような構成を有する制御装置100の処理に関して説明する。まず、設置時間および積算電流の情報を取得する処理に関して説明する。
図12は、積算データ取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0077】
[ステップS11]管理端末装置300は、制御装置100に表示盤200を起動するよう指示する。このような起動指示は、例えば、日次のシステム運用開始時に行われる。なお、管理端末装置300や制御装置100がオペレータによるシステム起動の操作入力を受け付けて表示盤200を起動するようにしてもよい。
【0078】
[ステップS12]積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eが起動し、積算電流の測定を開始する。積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eは、各モジュールに流れた電流値を各モジュールの表示ユニット数で平均し、各表示ユニットについて積算して積算電流を測定する。なお、設置時間タイマー160は設置時間のカウントを常時行っている。
【0079】
[ステップS13]表示盤200へ各種画像を表示する運用が行われる。
[ステップS14]管理端末装置300は、制御装置100に表示盤200を停止するよう指示する。
【0080】
[ステップS15]通信部120は、積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eに積算電流の測定を停止するよう指示する。
[ステップS16]設置時間タイマー160は、各表示ユニットの設置時間を積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171に記録する。
【0081】
[ステップS17]積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eは、測定した各表示ユニットの積算電流を通信部120に送信する。通信部120は、受信した各表示ユニットの積算電流を積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171に記録する。
【0082】
[ステップS18]制御装置100は、表示盤200を停止する。これにより、表示システムが停止状態となる。
このように、積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eは、表示システムの運用時にのみ積算電流の測定を行う。また、設置時間タイマー160は、設置時間の測定を常時行う。そして、制御装置100は、システム停止のタイミングで設置時間を積算データテーブル171に記録する。また、制御装置100は、このタイミングで表示盤200から各表示ユニットの積算電流を取得して積算データテーブル171に記録する。
【0083】
次に、表示ユニットの輝度補正処理に関して説明する。まず、表示ユニットを交換した場合の輝度補正処理について説明する。なお、以下では、モジュール210で表示ユニット216の交換が行われた場合を想定して説明するが、他のモジュール、他の表示ユニットに関しても同様の処理となる。
【0084】
図13は、ユニット交換時補正処理の手順を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]管理端末装置300は、オペレータの操作入力により輝度補正の実行指示、補正対象とするモジュールおよび表示ユニットの位置情報を取得すると、これらを含むコマンドを生成して、制御装置100に送信する。なお、ここでは、補正対象のモジュールとしてモジュール210(モジュールID“M−1”)が指定され、そのうち交換対象が表示ユニット216として指定されるものとする。輝度補正情報演算部180は、このコマンドを通信部110を介して取得する。
【0085】
[ステップS22]輝度補正情報演算部180は、取得したコマンドに含まれる対象モジュールの情報(例えば、モジュールID“M−1”)に基づいて、積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171を取得する。
【0086】
[ステップS23]輝度補正情報演算部180は、積算データテーブル171および劣化情報記憶部150に記憶された汚れ輝度劣化テーブル151、電流輝度劣化テーブル152に基づいて、輝度劣化が最大のユニットを特定する。具体的には、以下の(1)〜(4)の処理となる。(1)輝度補正情報演算部180は、汚れ輝度劣化テーブル151と積算データテーブル171を参照して、表示ユニット211,212,・・・,226の汚れ劣化定数を取得する。(2)輝度補正情報演算部180は、劣化情報記憶部150に記憶された電流輝度劣化テーブル152および積算データテーブル171に基づいて表示ユニット211,212,・・・,226の電流劣化定数を取得する。(3)輝度補正情報演算部180は、表示ユニット211,212,・・・,226それぞれに関して、取得した汚れ劣化定数と電流劣化定数とを合計した合計劣化定数を算出する。合計劣化定数は、表示ユニット211,212,・・・,226それぞれの汚れと積算電流とによる劣化の度合いを示す値である。(4)輝度補正情報演算部180は、各合計劣化定数のうち、値が最大のものを特定する。なお、このときの最大の合計劣化定数を与える汚れ劣化定数をX0、電流劣化定数をY0とする。
【0087】
[ステップS24]輝度補正情報演算部180は、輝度劣化が最大のユニットについて、その汚れ劣化定数X0と電流劣化定数Y0とを取得する。
[ステップS25]輝度補正情報演算部180は、取得した汚れ劣化定数X0と電流劣化定数Y0とを用いて輝度補正係数Z0を算出する。具体的には、Z0=Z×(1−X0−Y0)の演算を行う。ここで、Zは、図11で説明した基準定数であり、以下では添え字を省略するが表示ユニット216に関する値を示す。輝度補正情報演算部180は、算出した輝度補正係数Z0を表示ユニット216(位置(x,y)=(2,2))に対応する輝度補正係数として輝度補正係数テーブル191に格納する。
【0088】
[ステップS26]通信部120は、輝度補正情報記憶部190に格納された情報が更新されると、その情報を取得して表示盤200に送信する。ここでは、通信部120は、輝度補正情報記憶部190から輝度補正係数テーブル191を取得して、これを表示盤200に送信する。
【0089】
[ステップS27]通信部120は、表示盤200で表示ユニット216の輝度補正が正常に実行されたか否かを判定する。この判定は、例えば、表示盤200から表示ユニット発光制御部250が輝度補正係数テーブル191により表示ユニット216の輝度補正の成否を示す情報を受信し、その内容を確認することで実行できる。輝度補正が正常に実行された場合、処理がステップS28に移される。輝度補正が正常に実行されなかった場合、処理がステップS22に移される。
【0090】
[ステップS28]通信部120は、積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171を操作して、表示ユニット216の設置時間を“0”にリセットする。このとき、設置時間タイマー160の表示ユニット216に関する設置時間も“0”にリセットされる。
【0091】
[ステップS29]通信部120は、積算データテーブル171を操作して、表示ユニット216の積算電流を“0”にリセットする。このとき、積算電流カウンタ270の表示ユニット216に関する積算電流も“0”にリセットされる。
【0092】
このように、表示ユニットを交換した場合、制御装置100は該当の表示ユニットを含むモジュールのうち、汚れおよび積算電流による輝度劣化が最大である表示ユニット(すなわち、現時点で輝度が最小の表示ユニット)を特定する。そして、交換した新品の表示ユニットの輝度を輝度劣化が最大である表示ユニットの輝度に合わせる。
【0093】
これにより、ユニット交換後、新品の表示ユニットが既存の表示ユニットに含まれたとしても、新品の表示ユニットの輝度を既存の表示ユニットの輝度と均一となるよう精度良く調整できる。
【0094】
このようなケースとして、次のような例が考えられる。
表示盤200を新規に設置して、3年後に表示ユニット216を交換する場合を考える。ここで、説明を簡単にするため、モジュール210の表示ユニット216以外の他の表示ユニットの積算電流は“50kAh”であるとする。このとき、他の表示ユニットでは、汚れ劣化定数が“0.08(8%)”であり、電流劣化定数が“0.06(6%)”であるとすると、合計劣化定数は“0.14”となる。これは、設置当初から“14%”の輝度劣化が生じていることを示す。このため、表示ユニット216を交換すると、表示ユニット216と他の表示ユニットとの間で“14%”の輝度の差が生じる。図13に示した処理により、新品の表示ユニットの輝度を低減してこの差を補償する。具体的には、表示ユニット216の輝度補正係数をZ0=Z×(1−0.08−0.06)=Z×0.86とする。
【0095】
このように、汚れおよび積算電流による輝度劣化を考慮して補正を行うことで、新品の表示ユニットと既存の表示ユニットとの輝度を精度良く調整することができる。
なお、ユニット交換直後の輝度補正係数が、それ以後の補正に関しても最適であるとは限らない。なぜなら、新品の表示ユニットにも設置以後、汚れおよび積算電流による輝度劣化が生じるためである。このため、ユニット交換直後の輝度補正係数で新品の表示ユニットの輝度を低減させたままとすると、汚れおよび積算電流による輝度劣化も加わって、他の表示ユニットよりも新品の表示ユニットの輝度の方が小さくなり、輝度の差が生じることが考えられる。そこで、新品の表示ユニットの輝度補正係数を定期的に更新して、このような輝度の差を補正する。
【0096】
図14は、定期補正処理の手順を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、モジュール210の表示ユニット216で交換が行われた場合を想定する。ただし、他のモジュール、他の表示ユニットに関しても同様の処理となる。
【0097】
[ステップS31]輝度補正情報演算部180は、輝度補正の実行指示、補正対象とするモジュールおよび表示ユニットの位置情報を含む定期補正コマンドを管理端末装置300から通信部110を介して取得する。管理端末装置300は、この定期補正コマンドを所定の周期で制御装置100に送信している。
【0098】
[ステップS32]輝度補正情報演算部180は、取得したコマンドに含まれる対象モジュールの情報(例えば、モジュールID“M−1”)に基づいて、積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171を取得する。
【0099】
[ステップS33]輝度補正情報演算部180は、積算データテーブル171から表示ユニット216の設置時間を取得する。
[ステップS34]輝度補正情報演算部180は、取得した設置時間と劣化情報記憶部150に記憶された汚れ輝度劣化テーブル151とに基づいて、表示ユニット216の汚れ劣化定数X1を取得する。
【0100】
[ステップS35]輝度補正情報演算部180は、積算データテーブル171から表示ユニット216の積算電流を取得する。
[ステップS36]輝度補正情報演算部180は、取得した積算電流と劣化情報記憶部150に記憶された電流輝度劣化テーブル152とに基づいて、表示ユニット216の電流劣化定数Y1を取得する。
【0101】
[ステップS37]輝度補正情報演算部180は、積算データテーブル171および劣化情報記憶部150に記憶された汚れ輝度劣化テーブル151、電流輝度劣化テーブル152に基づいて、輝度劣化が最大のユニットを特定する。具体的には、図13のステップS23の(1)〜(4)の処理が実行される。
【0102】
[ステップS38]輝度補正情報演算部180は、輝度劣化が最大のユニットについて、その汚れ劣化定数X0と電流劣化定数Y0とを取得する。
[ステップS39]輝度補正情報演算部180は、取得した汚れ劣化定数X0,X1と電流劣化定数Y0,Y1とを用いて輝度補正係数Z0を算出する。具体的には、Z0=Z×(1−(X0−X1)−(Y0−Y1))を算出する。輝度補正情報演算部180は、算出した輝度補正係数Z0を表示ユニット216(位置(x,y)=(2,2))に対応する輝度補正係数として輝度補正係数テーブル191に格納する。
【0103】
[ステップS40]通信部120は、輝度補正情報記憶部190から輝度補正係数テーブル191を取得して、これを表示盤200に送信する。
[ステップS41]通信部120は、表示盤200で表示ユニット216の輝度補正が正常に実行されたか否かを判定する。この判定は、図13のステップS27と同様に、表示盤200から表示ユニット発光制御部250が輝度補正係数テーブル191による表示ユニット216の輝度補正の成否を示す情報を受信し、その内容を確認することで実行できる。輝度補正が正常に実行された場合、処理が完了する。輝度補正が正常に実行されなかった場合、処理がステップS32に移される。
【0104】
このように、制御装置100は交換して新たに設置された表示ユニットに関して定期的に汚れおよび積算電流に基づく輝度の補正を行う。これにより、新たに設置した表示ユニットに、交換直後の補正による輝度低減に加えて汚れおよび積算電流による輝度劣化が生じ、他の表示ユニットの輝度よりも小さくなったとしても、その輝度の差を精度良く補正することができる。
【0105】
このようなケースとして、次のような例が考えられる。
表示ユニット216の交換直後にモジュール210の他の表示ユニットと輝度を合わせるため、表示ユニット216の輝度を基準の輝度から“14%”だけ低減する補正をしたとする。そして、それから1年後、積算電流が各表示ユニットで“10kAh”積算された場合を考える。このとき、他の表示ユニットの設置時間は“6年”、これに対応する汚れ劣化定数は“0.09(9%)”であり、積算電流が“60kAh”、これに対応する電流劣化定数は“0.08(8%)”であるとする。更に、表示ユニット216に関しては、その設置時間“1年”に対応する汚れ劣化定数は“0.07(7%)”であり、積算電流“10kAh”に対応する電流劣化定数は“0.01(1%)”であるとする。この場合、他の表示ユニットそれぞれの合計劣化定数は“0.09+0.08=0.17”となる。すなわち、基準の輝度から“17%”の輝度劣化が生じていることになる。これに対し、表示ユニット216では、交換直後の低減補正分も含めると“0.14+0.07+0.01=0.22”となる。すなわち、基準の輝度から“22%”の輝度劣化(ただし、交換直後の低減分も含まれる)が生じていることになる。このため、表示ユニット216は、他の表示ユニットよりも“5%”だけ輝度が小さくなる。したがって、制御装置100は、各表示ユニットの輝度を均一とするために、この分だけ表示ユニット216の低減補正を緩めればよい。具体的には、表示ユニット216の輝度補正係数をZ0=Z×(1−(0.09−0.07)−(0.08−0.01))=Z×0.91に更新する。このようにして、制御装置100は表示ユニットに交換が発生しても、各表示ユニットの輝度を均一に保つことができる。
【0106】
また、交換されていない表示ユニットに関しても、積算データテーブル171で示したように積算電流にはバラツキが発生する。このため、表示ユニット216以外の表示ユニットに関しても定期的に図14の定期補正処理を行うことで、輝度補正係数テーブル191に示すように各表示ユニットの輝度補正係数を求めることができる。このように、全ての表示ユニットについて定期的に輝度補正処理を行うと、各表示ユニットの輝度をより均一に保つことができる。
【0107】
なお、汚れによる輝度劣化は、例えば表示ユニットの清掃が行われることで解消する。このため、表示ユニットの清掃が行われた場合にも、交換のあった表示ユニットに関しては輝度の補正を行う必要がある。以下では、表示ユニットの清掃直後の輝度の補正処理に関して説明する。
【0108】
図15は、清掃時補正処理の手順を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、モジュール210の表示ユニット216で過去に交換が行われた場合を想定する。ただし、他のモジュール、他の表示ユニットに関しても同様の処理となる。
【0109】
[ステップS51]管理端末装置300は、表示盤200の清掃が行われると、オペレータによる所定の操作入力を受け付け、設置時間のリセットコマンドを含む清掃完了通知を制御装置100に送信する。設置時間タイマー160は、このリセットコマンドを通信部110を介して受け付けて、全表示ユニットの設置時間を“0”にリセットする。また、設置時間タイマー160は、積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171の全表示ユニットの設置時間を“0”に更新する。
【0110】
[ステップS52]輝度補正情報演算部180は、輝度補正の実行指示、補正対象とするモジュールおよび表示ユニットの位置情報を含むコマンドを管理端末装置300から通信部110を介して取得する。
【0111】
[ステップS53]輝度補正情報演算部180は、取得したコマンドに含まれる対象モジュールの情報(例えば、モジュールID“M−1”)に基づいて、積算情報記憶部170に記憶された積算データテーブル171を取得する。
【0112】
[ステップS54]輝度補正情報演算部180は、積算データテーブル171から表示ユニット216の積算電流を取得する。
[ステップS55]輝度補正情報演算部180は、取得した積算電流と劣化情報記憶部150に記憶された電流輝度劣化テーブル152とに基づいて、表示ユニット216の電流劣化定数Y1を取得する。
【0113】
[ステップS56]輝度補正情報演算部180は、積算データテーブル171および劣化情報記憶部150に記憶された電流輝度劣化テーブル152に基づいて、各表示ユニットの電流劣化定数のうち最大の電流劣化定数Y0を取得する。
【0114】
[ステップS57]輝度補正情報演算部180は、取得した電流劣化定数Y0,Y1を用いて輝度補正係数Z0を算出する。具体的には、Z0=Z×(1−(X0−X1))を算出する。輝度補正情報演算部180は、算出した輝度補正係数Z0を表示ユニット216(位置(x,y)=(2,2))に対応する輝度補正係数として輝度補正係数テーブル191に格納する。
【0115】
[ステップS58]通信部120は、輝度補正情報記憶部190から輝度補正係数テーブル191を取得して、これを表示盤200に送信する。
[ステップS59]通信部120は、表示盤200で表示ユニット216の輝度補正が正常に実行されたか否かを判定する。この判定は、図13のステップS27と同様に、表示盤200から表示ユニット発光制御部250が輝度補正係数テーブル191による表示ユニット216の輝度補正の成否を示す情報を受信し、その内容を確認することで実行できる。輝度補正が正常に実行された場合、処理が完了する。輝度補正が正常に実行されなかった場合、処理がステップS52に移される。
【0116】
このように、表示盤200の清掃が行われた際には、積算データテーブル171の設置時間をリセットし、交換のあった表示ユニットに関して輝度の補正を行う。これにより、表示盤200の清掃後にも各表示ユニットの輝度を精度良く均一に保つことができる。
【0117】
このようなケースとして、次のような例が考えられる。
図14で説明したケースで定期補正が実行された直後に表示盤200の清掃が行われたとする。この場合、設置時間がリセットされて、モジュール210の各表示ユニットの設置時間は“0”にリセットされる。すると、表示ユニット216以外の他の表示ユニットでは、積算電流“60kAh”による輝度劣化のみとなる。すなわち、このときの合計劣化定数は“0.08”となり、基準の輝度から“8%”の輝度劣化が生じていることになる。これに対し、表示ユニット216では、積算電流“10kAh”による輝度劣化と、定期補正された低減補正分(1−0.91=0.09)とを合計しただけ基準の輝度よりも輝度が小さい。すなわち、表示ユニット216の輝度劣化分は“0.09+0.01=0.10”となり、基準の輝度よりも“10%”の輝度劣化が生じていることになる。このため、表示ユニット216は、他の表示ユニットよりも“2%”だけ輝度が小さくなる。したがって、制御装置100は、各表示ユニットの輝度を均一とするために、この分だけ表示ユニット216の低減補正を緩めればよい。具体的には、表示ユニット216の輝度補正係数をZ0=Z×(1−(0.08−0.01))=Z×0.93に更新する。このようにして、制御装置100は、表示盤200で清掃が行われた場合にも、各表示ユニットの輝度を均一に保つことができる。
【0118】
このように、制御装置100は、汚れによる輝度劣化と積算電流による輝度劣化とを個別に評価して、各表示ユニットの輝度を周囲の表示ユニットと均一になるよう補正する。
これにより、輝度補正の精度を向上することができる。
【0119】
例えば、従来では、表示ユニットの輝度劣化を求める際に、表示盤200を稼動した時間によって求めていた。しかし、表示盤200は常に画像を表示しているとは限らない。このため、従来の方法では、実際に表示ユニットに通電が行われていない時間も考慮されてしまい、実際の輝度劣化との間に誤差が生じてしまっていた。
【0120】
一方、制御装置100では、表示盤200の積算電流カウンタ270,270a,・・・,270eで測定された各表示ユニットの積算電流により電流輝度劣化を求めることとしている。このため、輝度劣化の算出に積算電流に起因する劣化分を適正に反映することができ、より正確に輝度劣化を求めることができる。
【0121】
また、表示盤200を屋外に設置する場合には、表示ユニットの表面に堆積したホコリ等の汚れによる輝度劣化が大きい。このため、このような汚れによる輝度劣化を適正に評価することが輝度補正に際して重要となる。
【0122】
すなわち、制御装置100では、各表示ユニットの輝度の劣化に大きく寄与するこれらの要因(汚れおよび積算電流)の影響を個別に評価することで、各表示ユニット間の輝度の差を精度良く取得することができる。これにより、表示ユニットに交換が生じたとしても、各表示ユニット間の輝度の差を精度良く補正することができる。
【0123】
また、制御装置100は、表示ユニットの交換後、新たに設置された表示ユニットに対して定期的に輝度補正を行う。これにより、新たに設置された表示ユニットに対して、交換後に汚れや積算電流による輝度劣化が生じたとしても、新たに設置された表示ユニットの輝度が既存の表示ユニットの輝度よりも小さくなることを防止できる。
【0124】
更に、制御装置100は、表示盤200の清掃が行われた場合には、各表示ユニットの設置時間をリセットする。そして、制御装置100は、交換して新たに設置された表示ユニットに関して、設置時間リセット後の情報により輝度補正を実行する。これにより、交換して新たに設置された表示ユニットとそれ以外の表示ユニットとの間で清掃によって生じ得る輝度の差を補償することができる。
【0125】
以上、本発明の表示装置および表示方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 表示装置
1a 汚れ劣化情報記憶部
1b 設置時間測定部
1c 汚れ劣化値決定部
1d 電流劣化情報記憶部
1e 積算電流測定部
1f 電流劣化値決定部
1g 輝度調整部
10 表示盤
11,12,13,14,15,16,17,18,19 表示ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の表示素子を配置した表示ユニットを複数備え、前記表示素子を発光させて画像を表示する表示装置であって、
前記表示ユニットの設置時間と当該表示ユニットの汚れによる輝度の劣化の度合いを示す汚れ劣化値とを対応付けた汚れ劣化情報を記憶する汚れ劣化情報記憶部に記憶された前記汚れ劣化情報と、設置時間測定部が積算した前記各表示ユニットの前記設置時間と、に基づいて、前記各表示ユニットの前記汚れ劣化値を決定する汚れ劣化値決定部と、
前記表示ユニットに流れた積算電流と当該表示ユニットの前記積算電流による輝度の劣化の度合いを示す電流劣化値とを対応付けた電流劣化情報を記憶する電流劣化情報記憶部に記憶された前記電流劣化情報と、積算電流測定部が積算した前記各表示ユニットの前記積算電流と、に基づいて、前記各表示ユニットの前記電流劣化値を決定する電流劣化値決定部と、
前記各表示ユニットにつき前記汚れ劣化値決定部が決定した前記汚れ劣化値と前記電流劣化値決定部が決定した前記電流劣化値とに基づいて、前記各表示ユニット間の前記輝度の差を補正する輝度調整部と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記輝度調整部は、前記各表示ユニットの前記汚れ劣化値と前記電流劣化値とを合計した合計劣化値を算出し、当該合計劣化値に基づき前記各表示ユニットの劣化後の輝度を示す劣化輝度を算出し、当該各劣化輝度のうち最小値を特定して、前記各表示ユニットの前記輝度が前記最小値となるよう補正することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記輝度調整部は、前記各表示ユニットの少なくとも1つが交換された場合、当該交換により新たに設置された表示ユニットを対象として所定の周期で前記輝度の差を補正することを特徴とする請求項1または2の何れか1項記載の表示装置。
【請求項4】
前記各表示ユニットの清掃が行われると、所定の操作入力を受け付けて当該清掃が行われたことを示す清掃完了通知を出力する操作部を更に備え、
前記輝度調整部は、前記操作部が出力した前記清掃完了通知を取得すると、前記設置時間測定部が積算した前記設置時間をリセットする、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の表示装置。
【請求項5】
1つ以上の表示素子を配置した表示ユニットを複数備え、前記表示素子を発光させて画像を表示する表示装置の表示方法であって、
汚れ劣化値決定部が、前記表示ユニットの設置時間と当該表示ユニットの汚れによる輝度の劣化の度合いを示す汚れ劣化値とを対応付けた汚れ劣化情報を記憶する汚れ劣化情報記憶部に記憶された前記汚れ劣化情報と、設置時間測定部が積算した前記各表示ユニットの前記設置時間と、に基づいて、前記各表示ユニットの前記汚れ劣化値を決定し、
電流劣化値決定部が、前記表示ユニットに流れた積算電流と当該表示ユニットの前記積算電流による輝度の劣化の度合いを示す電流劣化値とを対応付けた電流劣化情報を記憶する電流劣化情報記憶部に記憶された前記電流劣化情報と、積算電流測定部が積算した前記各表示ユニットの前記積算電流と、に基づいて、前記各表示ユニットの前記電流劣化値を決定し、
輝度調整部が、前記各表示ユニットにつき前記汚れ劣化値決定部が決定した前記汚れ劣化値と前記電流劣化値決定部が決定した前記電流劣化値とに基づいて、前記各表示ユニット間の前記輝度の差を補正する、
ことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−197631(P2010−197631A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41597(P2009−41597)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】