説明

表示装置及び映像視聴システム

【課題】クロストークを抑制することができる表示装置及び映像視聴システムを提供する。
【解決手段】フレーム画像が表示される表示面を含む液晶パネルと、前記フレーム画像を表示するためのフレーム画像信号に基づき、異なる解像度の画像を表す複数の書込画像信号を生成する生成部と、前記複数の書込画像信号を、前記表示面に亘って走査するN回(Nは2以上の整数)の走査動作を実行し、前記液晶パネルを駆動する液晶駆動部と、を備え、n回(nは1以上N未満の整数)の前記走査動作によって走査された前記書込画像信号は、(n+1)回目の前記走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの前記書込画像信号を含むことを特徴とする表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示する表示装置及び映像視聴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
立体的に知覚される映像を表示する表示装置は、左眼で視聴されるための左眼用フレーム画像(以下、Lフレーム画像と称される)と、右眼で視聴されるための右眼用フレーム画像(以下、Rフレーム画像と称される)とを所定周期(例えば、フィールド周期)で交互に表示する。表示されるLフレーム画像及びRフレーム画像は、視差の分だけ異なる内容を含む。視聴者は、Lフレーム画像及びRフレーム画像の表示周期に同期して駆動される液晶シャッタを備える眼鏡装置を通じて、Lフレーム画像及びRフレーム画像を視聴する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この結果、視聴者は、Lフレーム画像及びRフレーム画像に表現されたオブジェクトを立体的に知覚する。
【0003】
図51は、従来の映像視聴システムのブロック図である。尚、図51に示される映像視聴システムには、60Hzの映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。
【0004】
映像視聴システム900は、60Hzの映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される映像信号処理部901を備える。映像信号処理部901は、入力された映像信号を120Hzの左眼用映像信号と右眼用映像信号とに変換する。変換された左眼用映像信号及び右眼用映像信号は、液晶駆動部902及びバックライト制御部903へ出力される。液晶駆動部902は、120Hzの左眼用映像信号及び右眼用映像信号を液晶パネル904で表示可能な形式に変換する。液晶駆動部902によって変換された左眼用映像信号及び右眼用映像信号は液晶パネル904に出力される。バックライト制御部903は、バックライト905に発光制御信号を出力する。バックライト905は、発光制御信号により液晶パネル904に対し、液晶パネル904の背面から光を照射する。この結果、液晶パネル904に、120HzでLフレーム画像及びRフレーム画像が交互に表示される。
【0005】
眼鏡装置950は、左眼シャッタ951と右眼シャッタ952とを備える。映像信号処理部901によって変換された120Hzの左眼用映像信号及び右眼用映像信号を基準にして、左眼シャッタ951用のシャッタ制御回路906及び右眼シャッタ952用のシャッタ制御回路907は、左眼シャッタ951及び右眼シャッタ952を同期制御する。
【0006】
図52は、従来の映像視聴システム900の制御タイミングチャートである。図52のセクション(A)は、液晶パネル904のLフレーム画像及びRフレーム画像の走査タイミングを示す。図52のセクション(B)は、バックライト905の点灯タイミングを示す。図52のセクション(C)は、眼鏡装置950のシャッタ951,952の開閉タイミングを示す。図51及び図52を用いて、従来の映像視聴システム900が説明される。
【0007】
液晶パネル904に左眼用映像信号及び右眼用映像信号が順次書き込まれる。この間、バックライト905は常時点灯している。シャッタ制御回路906,907は、シャッタ951,952を制御する。液晶パネル904への左右交互の書き込み走査の後、シャッタの開期間がそれぞれの映像期間の半分となるように、シャッタ951,952は、シャッタ制御回路906,907の制御下で開閉する。シャッタ951,952を通じて視聴されるLフレーム画像及びRフレーム画像は、視聴者の左右の眼でそれぞれ視聴される。この結果、視聴者は、脳内で、視覚的な立体像を生成する。
【0008】
図52に示される制御タイミングで動作する映像視聴システムにおいて、視聴者はシャッタ951,952が開かれている期間(立体像の生成に必要な映像を視聴するのに十分な期間)のみLフレーム画像又はRフレーム画像を視聴する。一方、バックライト905は、シャッタ951,952が開かれている期間以外の期間においても常時点灯している。したがって、図52に示される制御タイミングで動作する映像視聴システムは、省電力の観点から好ましくない。
【0009】
図53は、従来の映像視聴システム900の他の制御タイミングチャートである。図53のセクション(A)は、液晶パネル904のLフレーム画像及びRフレーム画像の走査タイミングを示す。図53のセクション(B)は、バックライト905の点灯タイミングを示す。図53のセクション(C)は、眼鏡装置950のシャッタ951,952の開閉タイミングを示す。図51乃至図53を用いて、従来の映像視聴システム900が更に説明される。
【0010】
特許文献2は、Lフレーム画像又はRフレーム画像が視聴される期間のみバックライト905が点灯される制御を開示する。図53に示される制御では、図52に示される制御と異なり、Lフレーム画像又はRフレーム画像が視聴される期間のみバックライト905が発光している。したがって、図53に示される制御は、図52に示される制御よりも省電力の点で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭62−133891号公報
【特許文献2】特開2009−25436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
左眼シャッタ951は、液晶パネル904が左眼で視聴されるように作成されたLフレーム画像を表示した後且つRフレーム画像を表示するための右眼用映像信号が走査される前に開かれる。同様に、右眼シャッタ952は、液晶パネル904が右眼で視聴されるように作成されたRフレーム画像を表示した後且つLフレーム画像を表示するための左眼用映像信号が走査される前に開かれる。
【0013】
図52及び図53に示される如く、左眼用映像信号及び/又は右眼用映像信号は液晶パネル904の上部から走査される。したがって、液晶パネル904の下部における左眼用映像信号及び/又は右眼用映像信号の走査は、液晶パネル904の上部に対して遅れる。
【0014】
左眼用映像信号及び/又は右眼用映像信号に基づく液晶の応答は、表示される映像の種類に応じた時間を要求する。例えば、先行して表示されるフレーム画像を表現する画素の輝度と、後に表示されるフレーム画像を表現する画素の輝度との間で大きさに差異が生ずる場合、比較的長い液晶の応答時間が要求される。
【0015】
Lフレーム画像又はRフレーム画像の表示が完了するのを待って、左眼シャッタ951又は右眼シャッタ952が開かれた場合、液晶の長い応答時間に起因して、左眼シャッタ951又は右眼シャッタ952が開かれている期間が短くなる。この結果、視聴者は液晶パネル904に表示された立体映像を暗く感じる。
【0016】
Lフレーム画像の表示が完了するのを待たずに、左眼シャッタ951が開かれた場合、視聴者は、先行して表示されたRフレーム画像の影響が混在したLフレーム画像を視聴することとなる。同様に、Rフレーム画像の表示が完了するのを待たずに、右眼シャッタ952が開かれた場合、視聴者は、先行して表示されたLフレーム画像の影響が混在したRフレーム画像を視聴することとなる。このようなLフレーム画像とRフレーム画像との混在は、クロストークと称される。液晶パネル904の下部における左眼用映像信号及び/又は右眼用映像信号の走査の遅れ並びに液晶の応答時間に起因して、先行するフレーム画像(Lフレーム画像又はRフレーム画像)の混在量は、液晶パネル904の下部において特に大きくなる。したがって、視聴者は液晶パネル904の下部において表示されたフレーム画像を立体的に知覚しにくくなる。
【0017】
上述のクロストークの課題は、視差の分だけ異なる内容を表すLフレーム画像及びRフレーム画像が時間的に交互に表示される立体映像の表示において、特に顕著となるが、2次元映像においても共通の課題である。先行して表示されるフレーム画像と後続のフレーム画像との間の輝度差が大きな領域が存在するならば、視聴者は、クロストークを知覚しやすい。特に、輝度差が大きな領域が、比較的遅く走査されるならば、視聴者は、クロストークを一層知覚しやすくなる。
【0018】
本発明は、クロストークを抑制することができる表示装置及び映像視聴システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一の局面に係る表示装置は、フレーム画像が表示される表示面を含む液晶パネルと、前記フレーム画像を表示するためのフレーム画像信号に基づき、異なる解像度の画像を表す複数の書込画像信号を生成する生成部と、前記複数の書込画像信号を、前記表示面に亘って走査するN回(Nは2以上の整数)の走査動作を実行し、前記液晶パネルを駆動する液晶駆動部と、を備え、n回(nは1以上N未満の整数)の前記走査動作によって走査された前記書込画像信号は、(n+1)回目の前記走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの前記書込画像信号を含むことを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、液晶パネルは、フレーム画像を表示面に表示する。生成部は、フレーム画像を表示するためのフレーム画像信号に基づき、異なる解像度の画像を表す複数の書込画像信号を生成する。液晶駆動部は、複数の書込画像信号を、表示面に亘って、N回の走査動作を実行し、液晶パネルを駆動する。n回の走査動作によって走査された書込画像信号は、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの書込画像信号を含む。
【0021】
一般的に、副走査方向の輝度変動の周波数が低い画像領域におけるクロストークは、視聴者に知覚されやすく、副走査方向の輝度変動の周波数が高い画像領域におけるクロストークは、視聴者に知覚されにくい。上述の如く、n回の走査動作によって走査された書込画像信号は、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの書込画像信号を含むので、副走査方向の輝度変動の周波数が低い画像領域は、比較的早期に描画される。したがって、比較的遅く走査動作が実行される表示面の領域においても、視聴者はクロストークを知覚しにくい。
【0022】
上記構成において、前記フレーム画像は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを、含み、前記液晶パネルは、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示面に表示することが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、液晶パネルは、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示面に表示する。視聴者は、特に比較的遅く第2走査動作がなされる表示面の領域におけるクロストークが低減された立体画像を視聴することができる。
【0024】
上記構成において、前記液晶駆動部は、前記少なくとも1つの書込画像信号を、前記(n+1)回目の書込画像信号を書き込む期間よりも短い期間で書き込むことが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、液晶駆動部は、少なくとも1つの書込画像信号を、(n+1)回目の書込画像信号を書き込む期間よりも短い期間で書き込むので、複数回の走査動作を実行するための期間が確保されやすくなる。
【0026】
上記構成において、前記Nは、2乃至4のうちいずれかの整数であることが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、フレーム画像信号当たり、2乃至4回の走査動作が実行されるので、副走査方向の輝度変動の周波数が低い画像領域は、比較的早期に描画される。したがって、比較的遅く走査動作が実行される表示面の領域においても、視聴者はクロストークをほとんど知覚しない。
【0028】
上記構成において、前記液晶駆動部は、第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に選択的に副走査するように形成され、前記N回目の走査動作が行われる期間において、前記第1方向への副走査が行われるならば、前記n回の走査動作が行われる期間は、前記第2方向への副走査が行われる少なくとも1つの逆副走査期間を含むことが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、液晶駆動部は、第1方向への副走査と、第1方向とは反対方向の第2副走査と、を選択的に実行する。N回目の走査動作が行われる期間において、第1方向への副走査が行われるならば、n回の走査動作が行われる期間は、第2方向への副走査が行われる少なくとも1つの逆副走査期間を含む。N回目の走査動作が行われる期間において、比較的遅く走査動作が実行される表示面上の領域は、逆副走査期間において、比較的早く予備走査動作を受ける。走査動作のタイミングが遅い領域が変動するので、視聴者は、クロストークの観点から、比較的均質な画像を視聴することができる。
【0030】
上記構成において、前記表示面は、副走査方向に整列した複数の画素を含む画素グループを含み、前記n回目の走査動作によって走査された前記書込画像信号は、前記画素グループ内の前記画素に共通する等価輝度を規定する等価信号を含み、前記n回目の走査動作を実行する液晶駆動部は、前記等価輝度に向けて、前記画素グループ内の前記画素に対応する液晶それぞれを同時に駆動することが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、表示面は、副走査方向に整列した複数の画素を含む画素グループを含む。n回目の走査動作によって走査された書込画像信号は、画素グループ内の画素に共通する等価輝度を規定する等価信号を含む。n回目の走査動作を実行する液晶駆動部は、等価輝度に向けて、画素グループ内の前記画素に対応する液晶それぞれを同時に駆動するので、n回目の走査動作を実行する期間は比較的短くなる。
【0032】
上記構成において、前記等価輝度は、前記フレーム画像信号が前記画素グループ内の前記画素それぞれに対して規定した目標輝度が平均化された平均輝度又は前記画素グループ内の画素それぞれに対する前記目標輝度から選択された選択輝度に基づき設定されることが好ましい。
【0033】
上記構成によれば、等価輝度は、フレーム画像信号が画素グループ内の画素それぞれに対して規定した目標輝度が平均化された平均輝度又は画素グループ内の画素それぞれに対する目標輝度から選択された選択輝度のうち少なくとも1つに基づき設定されるので、副走査方向の輝度変動の周波数が低い画像領域の描画は、適切に行われる。
【0034】
上記構成において、前記生成部は、前記(n+1)回目の前記走査動作によって走査された前記書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す前記少なくとも1つの前記書込画像信号に対応する前記画素グループよりも少ない数の画素を含む前記画素グループに基づき、前記(n+1)回目の走査動作によって走査される前記書込画像信号の生成のために用いられる駆動輝度を設定し、前記液晶駆動部は、前記駆動輝度に向けて、前記画素に対応する液晶を駆動することが好ましい。
【0035】
上記構成によれば、生成部は、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの書込画像信号に対応する前記画素グループよりも少ない数の画素を含む前記画素グループに基づき、(n+1)回目の走査動作によって走査される書込画像信号の生成のために用いられる駆動輝度を設定する。液晶駆動部は、低減された数の画素に基づき設定された駆動輝度に向けて、画素に対応する液晶を駆動するので、(n+1)回目の走査動作によって描画される画像の解像度は比較的高くなる。
【0036】
上記構成において、前記n回目の走査動作は、前記平均輝度に基づき設定された前記等価信号を前記表示面に亘って走査する走査動作及び前記選択輝度に基づき設定された前記等価信号を前記表示面に亘って走査する走査動作のうち一方であることが好ましい。
【0037】
上記構成によれば、n回目の走査動作は、平均輝度に基づき設定された等価信号を表示面に亘って走査する走査動作及び選択輝度に基づき設定された等価信号を表示面に亘って走査する走査動作のうち一方であるので、走査動作の回数に応じて、適切な走査動作が実行される。
【0038】
上記構成において、前記フレーム画像信号は、先行して表示される先行フレーム画像を表示するための先行画像信号と、前記先行フレーム画像の後に表示される後続フレーム画像を表示するための後続画像信号と、を含み、前記生成部は、前記先行画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度と、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度と、に基づき、前記駆動輝度を設定し、前記液晶駆動部は、前記駆動輝度に向けて、前記液晶を駆動し、前記先行画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度が、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも大きいならば、前記駆動輝度は、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも小さくなるように決定され、前記先行画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度が、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも小さいならば、前記駆動輝度は、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも大きくなるように決定されることが好ましい。
【0039】
上記構成によれば、フレーム画像信号は、先行して表示される先行フレーム画像を表示するための先行画像信号と、先行フレーム画像の後に表示される後続フレーム画像を表示するための後続画像信号と、を含む。生成部は、先行画像信号に基づき設定された平均輝度又は選択輝度と、後続画像信号に基づき設定された平均輝度又は選択輝度と、に基づき、駆動輝度を設定する。液晶駆動部は、駆動輝度に向けて、液晶を駆動する。先行画像信号に基づき設定された平均輝度又は選択輝度が、後続画像信号に基づき設定された平均輝度又は選択輝度よりも大きいならば、駆動輝度は、後続画像信号に基づき設定された平均輝度又は選択輝度よりも小さくなるように決定される。また、後続画像信号に基づき設定された平均輝度又は選択輝度よりも小さいならば、駆動輝度は、後続画像信号に基づき設定された平均輝度又は前記選択輝度よりも大きくなるように決定される。したがって、画素は、比較的素早く目標輝度に近づくことができる。
【0040】
上記構成において、前記生成部は、(n+1)回目の走査動作が開始されるときに前記画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データを格納する期待値テーブルを備え、前記駆動輝度は、前記期待値に基づき設定され、前記駆動輝度を設定するための前記期待値は、n回目の走査動作時に設定された前記平均輝度又は前記選択輝度に基づき、決定されることが好ましい。
【0041】
上記構成によれば、生成部は、(n+1)回目の走査動作が開始されるときに画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データを格納する期待値テーブルを備える。駆動輝度を設定するための期待値は、n回目の走査動作時に設定された平均輝度又は選択輝度に基づき、決定される。(n+1)回目の走査動作が開始されるときに画素が達成している輝度が考慮された駆動輝度の設定がなされた(n+1)回目の走査動作によって、適切な液晶の駆動がなされる。
【0042】
上記構成において、N回目の前記走査動作を行う前記液晶駆動部は、前記画素グループの前記画素に対応する液晶を順次駆動することが好ましい。
【0043】
上記構成によれば、画素グループの画素に対応する液晶を順次駆動するN回目の走査動作によって、比較的高い解像度の画像が表示面に描画される。
【0044】
本発明の一の局面に係る映像視聴システムは、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示し、立体的に知覚される画像を提供する表示装置と、前記左眼用フレーム画像が視聴されるように前記左眼へ到達する光量を調整する左眼フィルタと、前記右眼用フレーム画像が視聴されるように前記右眼へ到達する光量を調整する右眼フィルタ、とを含む眼鏡装置と、を備え、前記表示装置は、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、表示面に表示する液晶パネルと、前記複数の書込画像信号を、前記表示面に亘って走査するN回(Nは2以上の整数)の走査動作を実行し、前記液晶パネルを駆動する液晶駆動部と、を備え、n回(nは1以上N未満の整数)の前記走査動作によって走査された前記書込画像信号は、(n+1)回目の前記走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの前記書込画像信号を含むことを特徴とする。
【0045】
上記構成によれば、表示装置は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示する。眼鏡装置の左眼フィルタは、左眼用フレーム画像が視聴されるように左眼へ到達する光量を調整する。眼鏡装置の右眼フィルタは、右眼用フレーム画像が視聴されるように右眼へ到達する光量を調整する。液晶パネルは、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて表示面に表示する。したがって、視聴者は、表示装置が提供する画像を立体的に知覚することができる。
【0046】
生成部は、左眼用フレーム画像又は右眼用フレーム画像を表示するためのフレーム画像信号に基づき、異なる解像度の画像を表す複数の書込画像信号を生成する。液晶駆動部は、複数の書込画像信号を、表示面に亘って、N回の走査動作を実行し、液晶パネルを駆動する。n回の走査動作によって走査された書込画像信号は、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの書込画像信号を含む。
【0047】
一般的に、副走査方向の輝度変動の周波数が低い画像領域におけるクロストークは、視聴者に知覚されやすく、副走査方向の輝度変動の周波数が高い画像領域におけるクロストークは、視聴者に知覚されにくい。上述の如く、n回の走査動作によって走査された書込画像信号は、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの書込画像信号を含むので、副走査方向の輝度変動の周波数が低い画像領域は、比較的早期に描画される。したがって、比較的遅く走査動作が実行される表示面の領域においても、視聴者はクロストークをほとんど知覚しない。
【発明の効果】
【0048】
上述の如く、本発明に係る表示装置及び映像視聴システムは、クロストークを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】第1実施形態に係る映像視聴システム及び表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示される映像視聴システムを概略的に示す模式図である。
【図3】図1に示される表示装置の映像信号処理部の概略的なブロック図である。
【図4】図3に示される映像信号処理部が行う平均化処理の概念図である。
【図5】図3に示される映像信号処理部が行う平均化処理の概念図である。
【図6】図3に示される映像信号処理部が行う選択処理の概念図である。
【図7】図3に示される映像信号処理部が行う選択処理の概念図である。
【図8】図3に示される映像信号処理部が行う画像信号の生成処理の概念図である。
【図9】図1に示される表示装置の液晶駆動部による第1走査動作及び第2走査動作を概略的に説明する概念図である。
【図10】図3に示される映像信号処理部中の信号の出力図である。
【図11】図3に示される映像信号処理部が第1走査期間に出力する信号を表す概略的なブロック図である。
【図12】図3に示される映像信号処理部が第2走査期間に出力する信号を表す概略的なブロック図である。
【図13】図3に示される映像信号処理部の第1補正部による第1補正信号の生成処理を概略的に示す概念図である。
【図14】図3に示される映像信号処理部の第2補正部による第2補正信号の生成処理を概略的に示す概念図である。
【図15】先行するLフレーム画像信号が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号が規定する目標輝度との差異が与える画素の輝度変化に対する影響を概略的に示すグラフである。
【図16】画素の位置に起因する走査動作の差異を概略的に説明する模式図である。
【図17】画素の位置が与える画素の輝度変化に対する影響を概略的に示すグラフである。
【図18】図3に示される映像信号処理部中において第1走査期間に出力される信号が含む輝度のデータを示す。
【図19】図3に示される映像信号処理部中において第2走査期間に出力される信号が含む輝度のデータを示す。
【図20】図18及び図19に示される信号処理に基づく画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。
【図21】第2実施形態に係る映像視聴システム及び表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図22】図21に示される表示装置の映像信号処理部の概略的なブロック図である。
【図23】図22に示される映像信号処理部の第1等価部の概略的なブロック図である。
【図24】図22に示される映像信号処理部の第2等価部の概略的なブロック図である。
【図25】図22に示される映像信号処理部の第1等価部及び第2等価部が行う等価処理の概念図である。
【図26】図22に示される映像信号処理部の第2補正部による第2補正信号の生成処理を概略的に示す概念図である。
【図27】図22に示される映像信号処理部の第2補正部による第3補正信号の生成処理を概略的に示す概念図である。
【図28】図22に示される映像信号処理部の第1等価部による選択処理による輝度データの変化を示す概念図である。
【図29】図22に示される映像信号処理部の第2等価部による選択処理による輝度データの変化を示す概念図である。
【図30】図22に示される映像信号処理部の第1補正部の輝度変化を示す概念図である。
【図31】図22に示される映像信号処理部の第2補正部による期待値の算出工程の概念図である。
【図32】図22に示される映像信号処理部の第2補正部による第2補正信号の生成工程の概念図である。
【図33】第3走査期間の駆動輝度を設定するための手法を説明するためのグラフである。
【図34】第3走査期間の駆動輝度を設定するための手法を説明するためのグラフである。
【図35】第3走査期間の駆動輝度を設定するための手法を説明するためのグラフである。
【図36】第3走査期間の駆動輝度を設定するための手法を説明するためのグラフである。
【図37】第1走査動作、第2走査動作及び第3走査動作によって得られる空間スペクトルを概略的に示すグラフである。
【図38】第1走査動作、第2走査動作及び第3走査動作によって描かれるオブジェクトを概略的に示す概念図である。
【図39】単回の走査動作から得られる輝度変化を概略的に示すタイミングチャートである。
【図40】多回の走査動作から得られる輝度変化を概略的に示すタイミングチャートである。
【図41】第3実施形態に係る映像視聴システム及び表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図42】図41に示される表示装置の液晶駆動部の走査動作を概略的に示す模式図である。
【図43】視聴者に知覚されるオブジェクトの差異を概略的に示す概念図である。
【図44】図41に示される表示装置の液晶駆動部の他の走査動作を概略的に示す模式図である。
【図45】第4実施形態に係る映像視聴システム及び表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図46】図45に示される表示装置の映像信号処理部の概略的なブロック図である。
【図47】図46に示される映像信号処理部の第1等価部及び第2等価部の概略的なブロック図である。
【図48】図46に示される映像信号処理部の第1等価部及び第2等価部の概略的なブロック図である。
【図49】図46に示される映像信号処理部の第2補正部による補正信号の生成処理を概略的に示す概念図である。
【図50】図46に示される映像信号処理部の第2補正部による補正信号の生成処理を概略的に示す概念図である。
【図51】従来の映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図52】従来の映像視聴システムの制御を例示する制御タイミングチャートである。
【図53】従来の映像視聴システムの制御を例示する制御タイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、表示装置及び映像視聴システムの様々な実施形態が図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、表示装置及び映像視聴システムの原理はこれらに何ら限定されるものではない。
【0051】
<第1実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図2は、図1に示される映像視聴システムを概略的に示す模式図である。図1及び図2を参照しつつ、映像視聴システムの概略的な構成が説明される。
【0052】
映像視聴システム100は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像(以下、Lフレーム画像と称される)と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像(以下、Rフレーム画像と称される)とを含むフレーム画像を表示する表示装置200と、表示装置200が表示するLフレーム画像及びRフレーム画像の視聴を補助する眼鏡装置300とを備える。眼鏡装置300は、視聴者が左眼でLフレーム画像を視聴し、右眼でRフレーム画像を視聴するように、表示装置200によるLフレーム画像及びRフレーム画像の表示に同期した立体視補助動作を行う。この結果、視聴者は、眼鏡装置300を通じて、表示装置200が表示するフレーム画像(Lフレーム画像及びRフレーム画像)を立体的に知覚する(視聴者は、Lフレーム画像及びRフレーム画像中で表現されたオブジェクトを、Lフレーム画像及びRフレーム画像が映し出される表示面に対して、飛び出たように或いは引っ込んだように知覚する)。
【0053】
視力矯正用の眼鏡と同様の形状をなす眼鏡装置300は、視聴者の左眼前に配設される左眼シャッタ311と、視聴者の右眼前に配設される右眼シャッタ312とを含む光学シャッタ部310を備える。左眼シャッタ311は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに開き、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに閉じる。右眼シャッタ312は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに閉じ、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに開く。表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに、Lフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が開かれる一方で、Lフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は左眼のみでLフレーム画像を視聴する。同様に、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに、Rフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が開かれる一方で、Rフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は右眼のみでRフレーム画像を視聴する。本実施形態において、左眼シャッタ311は、左眼フィルタとして例示される。また、右眼シャッタ312は、右眼フィルタとして例示される。左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、表示装置200が表示する映像から視聴者の左眼へ到達する光の量(以下、左眼光量と称される)及び視聴者の右眼へ到達する光の量(以下、右眼光量と称される)を調整可能に形成された他の光学素子が用いられてもよい。例えば、左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光を偏向する偏向素子(例えば、液晶フィルタ)や光量を調整可能な他の光学素子が好適に用いられる。左眼フィルタは、Lフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を増大させる一方で、Rフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を低減させるように制御される。同様に、右眼フィルタは、Rフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を増大させる一方で、Lフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を低減させるように制御される。
【0054】
表示装置200は、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230、第1制御部250及び第2制御部240を備える。
【0055】
映像信号処理部210には、基本となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。映像信号処理部210は、入力された左眼用映像信号(以下、L信号と称される)と右眼用映像信号(以下、R信号と称される)とを、基本となる垂直同期周波数のK倍(Kは自然数)の周波数で、交互に出力する。本実施形態では、入力された60Hzの映像信号が、120HzのL信号及びR信号に変換される。変換を通じて得られたL信号及びR信号は、液晶駆動部220へ出力される。加えて、映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第1制御部250に制御信号を出力する。
【0056】
表示部230は、バックライト232を備える。第1制御部250は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、表示部230のバックライト232を制御する。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第2制御部240を制御するための制御信号を出力する。第2制御部240は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、光学シャッタ部310を制御する。第1制御部250及び/又は第2制御部240へ出力される制御信号は、映像信号処理部210による変換後のL信号及び/又はR信号自体であってもよい。代替的に、L信号及び/又はR信号の120Hzの垂直同期信号であってもよい。
【0057】
以下の説明において、L信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後続の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、Lフレーム画像信号と称される。また、R信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後続の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、以下の説明において、Rフレーム画像信号と称される。Lフレーム画像信号は、Lフレーム画像を表現するために用いられる。同様に、Rフレーム画像信号は、Rフレーム画像を表現するために用いられる。本実施形態において、Lフレーム画像信号及び/又はRフレーム画像信号は、フレーム画像信号として例示される。
【0058】
表示部230は、上述のバックライト232に加えて、液晶を用いてLフレーム画像とRフレーム画像とを時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示面に表示する液晶パネル231を備える。バックライト232は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、液晶パネル231に光を照射する。液晶駆動部220は、主走査方向及び副走査方向にフレーム画像信号(Lフレーム画像信号又はRフレーム画像信号)を走査し、液晶パネル231の液晶を駆動する。図2に示されるように、液晶パネル231の幅方向は、フレーム画像信号の主走査方向として例示される。液晶パネル231の上下方向は、フレーム画像信号の副走査方向として例示される。以下の説明において、フレーム画像の表示に用いられる副走査方向の区間(液晶パネル231の上端縁から下端縁までの区間)は、副走査区間Sと称される。液晶駆動部220は、Lフレーム画像信号とRフレーム画像信号とを交互に走査する。この結果、液晶パネル231にLフレーム画像及びRフレーム画像が時間的に交互に表示される。
【0059】
映像信号処理部210は、1つのLフレーム画像に対応して、第1画像信号と、第1画像信号に後続する第2画像信号とを液晶駆動部220へ出力する。同様に、映像信号処理部210は、1つのRフレーム画像に対応して、第1画像信号と、第1画像信号に後続する第2画像信号とを液晶駆動部220へ出力する。第1画像信号は、映像信号処理部210に入力されたフレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)より低い解像度の画像を表す。第2画像信号は、第1画像信号よりも高い解像度の画像を表す。本実施形態において、フレーム画像信号に基づき、第1画像信号と第2画像信号とを生成する映像信号処理部210は、生成部として例示される。また、異なる解像度の画像を表す第1画像信号及び第2画像信号それぞれは、書込画像信号として例示される。
【0060】
第1画像信号及び第2画像信号は、液晶駆動部220にそれぞれ入力される。液晶駆動部220は、第1画像信号に基づき、液晶パネル231の表示面に亘って液晶を駆動させる第1走査動作と、第2画像信号に基づき、液晶パネル231の表示面に亘って液晶を駆動させる第2走査動作と、を実行する。尚、第2走査動作は、第1走査動作の後に実行される。上述の如く、第1画像信号は、比較的低い解像度の画像を表すので、液晶駆動部220は、第1走査動作を第2走査動作よりも短期間で実行することができる。この結果、第1走査動作が実行された後であっても、左眼シャッタ311が開く前又は右眼シャッタ312が閉じる前に実行される第2走査動作のための十分に長い時間が確保されることとなる。
【0061】
本実施形態において、液晶駆動部220は、書込画像信号として例示される第1画像信号及び第2画像信号に基づき、2回(N=2)の走査動作を実行する。後述される他の実施形態において、映像信号処理部は、フレーム画像信号に基づき異なる解像度の画像を表す第1乃至第3画像信号を書込画像信号として生成並びに出力する。液晶駆動部は、第1乃至第3画像信号に基づき、3回(N=3)の走査動作を実行する。後述される更に他の実施形態において、映像信号処理部は、フレーム画像信号に基づき異なる解像度の画像を表す第1乃至第N画像信号を書込画像信号として生成並びに出力する。液晶駆動部は、第1乃至第N画像信号に基づき、N回の走査動作を実行する。尚、Nは、2以上の整数であり、液晶駆動部は、例えば、4回或いはそれ以上の走査動作を実行してもよい。以下の説明において、「N」は、液晶駆動部の走査動作の総数を意味する。また、「n」は、1以上N未満の整数を意味する。
【0062】
本実施形態(N=2)において、1回目の走査動作に用いられる第1画像信号は、2回目の走査動作に用いられた第2画像信号が表す画像よりも低い解像度の画像を表す。後述される他の実施形態(N=3)において、1回目の走査動作に用いられる第1画像信号は、2回目の走査動作に用いられた第2画像信号が表す画像よりも低い解像度の画像を表す。また、2回目の走査動作に用いられる第2画像信号は、3回目の走査動作に用いられた第3画像信号が表す画像よりも低い解像度の画像を表す。必要に応じて、第1画像信号及び第2画像信号は、等しい解像度の画像を表してもよい。また、第2画像信号及び第3画像信号は、等しい解像度の画像を表してもよい。液晶駆動部が4回の走査動作を行うならば、1回目の走査動作に用いられる第1画像信号は、2回目の走査動作に用いられた第2画像信号が表す画像よりも低い解像度の画像を表す。また、2回目の走査動作に用いられる第2画像信号は、3回目の走査動作に用いられた第3画像信号が表す画像よりも低い解像度の画像を表す。3回目の走査動作に用いられる第3画像信号は、4回目の走査動作に用いられた第4画像信号が表す画像よりも低い解像度の画像を表す。必要に応じて、第1画像信号及び第2画像信号は、等しい解像度の画像を表してもよい。第2画像信号及び第3画像信号は、等しい解像度の画像を表してもよい。また、第3画像信号及び第4画像信号は、等しい解像度の画像を表してもよい。即ち、n回の走査動作によって走査された書込画像信号は、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの書込画像信号を含めばよい。
【0063】
液晶駆動部220は、第1画像信号及び第2画像信号に含まれる垂直同期信号及び水平同期信号にしたがって、第1画像信号及び第2画像信号を、液晶パネル231が表示可能な形式に変換する。液晶駆動部220は、液晶パネル231上のフレーム画像の表示ごとに変換された第1画像信号及び第2画像信号のフレーム画像信号を用いて、第1走査動作と第2走査動作とをそれぞれ実行する。
【0064】
上述の液晶駆動部220による液晶の駆動によって、液晶パネル231は、入力された第1画像信号と第2画像信号とに応じて、背面から入射する光を変調する。この結果、液晶パネル231は、左眼で視聴されるように作成されたLフレーム画像と、右眼で視聴されるように作成されたRフレーム画像とを交互に表示する。液晶パネル231には、例えば、IPS(In Plane Switching)方式や、VA(Vertical Alignment)方式やTN(Twisted Nematic)方式といった様々な駆動方式が好適に適用される。
【0065】
バックライト232は、液晶パネル231の背面から液晶パネル231の表示面に向けて光を照射する。本実施形態において、バックライト232として、面発光するように二次元配列された複数の発光ダイオード(LED)(図示せず)が用いられている。代替的に、バックライト232として、面発光するように配列された複数の蛍光管が用いられてもよい。バックライト232として用いられる発光ダイオードや蛍光管は、液晶パネル231の縁部に配設され、面発光を生じさせてもよい(エッジタイプ)。
【0066】
第1制御部250は、映像信号処理部210から出力された120Hzの制御信号を基準に発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき明滅可能である。
【0067】
第2制御部240は、眼鏡装置300の光学シャッタ部310を、Lフレーム画像及びRフレーム画像の表示周期に合わせて制御する。第2制御部240は、左眼シャッタ311を制御するための左眼用のフィルタ制御部241(以下、Lフィルタ制御部241と称される)と、右眼シャッタ312を制御するための右眼用のフィルタ制御部242(以下、Rフィルタ制御部242と称される)とを備える。液晶パネル231がLフレーム画像及びRフレーム画像を、例えば、120Hzで交互に表示するとき、Lフィルタ制御部241は、左眼シャッタ311が60Hzの周期で左眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。同様に、Rフィルタ制御部242は、右眼シャッタ312が60Hzの周期で右眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。
【0068】
図2に示される如く、本実施形態において、表示装置200は、Lフレーム画像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、Rフレーム画像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを備える。また、眼鏡装置300は、左眼シャッタ311と右眼シャッタ312との間に配設される受信部320を備える。受信部320は、第1同期信号及び第2同期信号を受信する。第1同期信号の波形は、好ましくは、第2同期信号の波形と異なる。受信部320は、受信された同期信号の波形に基づき、第1同期信号と第2同期信号とを識別する。かくして、眼鏡装置300は、第1同期信号に基づき、左眼シャッタ311を動作させる。また、眼鏡装置300は、第2同期信号に基づき、右眼シャッタ312を動作させる。表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の無線通信並びに眼鏡装置300による同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の内部処理に対して、既知の他の通信技術並びに既知の他の信号処理技術が用いられてもよい。代替的に、表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の通信が、有線式に行われてもよい。また、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを共通化して1つの送信部としてもよい。この場合、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示は、共通化された同期信号の立ち上がりに交互に同期されてもよい。
【0069】
Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、映像信号処理部210からの制御信号を基準とし、左眼シャッタ311による左眼光量の増減周期の位相及び右眼シャッタ312による右眼光量の増減周期の位相を決定する。Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、決定された位相に従い、第1同期信号及び第2同期信号を出力する。左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれは、第1同期信号及び第2同期信号に基づき、Lフレーム画像の表示及びRフレーム画像の表示に同期して、左眼光量及び右眼光量を増減させる。
【0070】
第2制御部240は、液晶パネル231の応答特性並びに表示されるLフレーム画像とRフレーム画像との間のクロストーク(相互干渉)を考慮して、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれが左眼光量及び右眼光量を増大させている期間(以下、光量増大期間と称される)の長さと、光量増大期間のタイミング(位相)を決定する。Lフィルタ制御部241は、左眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。Rフィルタ制御部242は、右眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。
【0071】
映像信号処理部210の120Hzの制御信号に基づき動作する第1制御部250は、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312による光量調整の動作に同期してバックライト232を発光させる発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき、明滅することができる。尚、本実施形態において、バックライト232は、第1制御部250の制御下で、常時点灯している。したがって、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、眼鏡装置300の光学シャッタ部310の動作によって定められる。
【0072】
代替的に、第1制御部は、第2制御部によって調整される光量増大期間中の一部の期間或いは光量増大期間と略一致する期間において、バックライトを点灯させ、他の期間においてバックライトを消灯させてもよい。このような第1制御部によるバックライトの明滅制御下において、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、バックライトの明滅動作によって定められる。
【0073】
(映像信号処理部)
図3は、本実施形態に従う表示装置200の映像信号処理部210の機能構成を概略的に示すブロック図である。図1及び図3を用いて、映像信号処理部210が説明される。
【0074】
映像信号処理部210は、第1等価部211、第1選択部212、第1遅延部213、第2等価部214、第2遅延部215、第3遅延部216、第1補正部217、第2補正部218、第2選択部219及び出力部221を備える。
【0075】
第1等価部211及び第2等価部214は、後述される等価処理を行う。液晶駆動部220は、等価処理を通じて得られた第1画像信号を、比較的短期間で液晶パネル231の表示面に亘って走査する。第1遅延部213,第2遅延部215及び第3遅延部216は、入力された信号をそれぞれ遅延させて出力する。第1補正部217及び第2補正部218は、後述されるオーバードライブ処理を行う。オーバードライブ処理によって、画素の輝度は比較的短期間で変化する。第1選択部212及び第2選択部219は、複数の入力信号を走査期間(第1画像信号が走査される第1走査期間,第2画像信号が走査される第2走査期間)に合わせて選択的に出力する。出力部221は、第1画像信号及び第2画像信号を液晶駆動部220に出力する。
【0076】
(等価処理(平均化処理))
図4は、液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。図5は、等価処理として例示される平均化処理を通じて設定される画素の輝度変化を示す。図1、図3乃至図5を用いて、平均化処理が説明される。
【0077】
液晶パネル231は、主走査方向に延びる複数のゲート線と、副走査方向に延びる複数のデータ線と、を含む。図4には、副走査方向に整列したゲート線L乃至L16及び主走査方向に整列したデータ線M乃至M32が示されている。各ゲート線L乃至L16と各データ線M乃至M32との交点には、画素P及び画素Pに対応する液晶(図示せず)がそれぞれ割り当てられる。各ゲート線L乃至L16と各データ線M乃至M32とに印加される電圧に応じて、液晶の駆動量が定められる。
【0078】
図5には、ゲート線L乃至Lとデータ線M及びMとのそれぞれの交点に対応する画素P1乃至P8が示されている。図3に示される如く、第1等価部211にはフレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)が直接的に入力される。また、フレーム画像信号は、第1遅延部213を介して、第2等価部214に入力される。第1等価部211及び第2等価部214は、副走査方向に整列した複数の画素を含む画素グループ(図5中、点線で囲まれる画素の組)を設定する。図5には、データ線M上に整列した画素P1,P2の組を含む画素グループG1,データ線M上に整列した画素P3,P4の組を含む画素グループG2,データ線M上に整列した画素P5,P6の組を含む画素グループG3及びデータ線M上に整列した画素P7,P8の組を含む画素グループG4が示されている。
【0079】
図5中の各画素内に示された数値は、画素に対して割り当てられた輝度を示す。フレーム画像信号は、例えば、画素P1,P3に対して、「40」の輝度を規定し、画素P2,P4,P6,P8に対して、「60」の輝度を規定し、画素P5,P7に対して、「80」の輝度を規定している。第1等価部211及び第2等価部214は、各画素グループG1,G2,G3,G4内で輝度を平均化する。第1等価部211及び第2等価部214は、画素グループG1中の画素P1,P2に対して規定された「40」の輝度と「60」の輝度とを平均化し、「50」の輝度を画素P1,P2に設定する。第1等価部211及び第2等価部214は、画素グループG2中の画素P3,P4に対して規定された「40」の輝度と「60」の輝度とを平均化し、「50」の輝度を画素P3,P4に設定する。第1等価部211及び第2等価部214は、画素グループG3中の画素P5,P6に対して規定された「80」の輝度と「60」の輝度とを平均化し、「70」の輝度を画素P5,P6に設定する。第1等価部211及び第2等価部214は、画素グループG4中の画素P7,P8に対して規定された「80」の輝度と「60」の輝度とを平均化し、「70」の輝度を画素P7,P8に設定する。図4に示される如く、上述の平均化処理は、ゲート線L乃至L16と各データ線M乃至M32との交点に対応する全ての画素Pに対して実行される。本実施形態において、フレーム画像信号が画素Pそれぞれに対して規定する輝度は、目標輝度として例示される。フレーム画像信号が画素グループ内の画素に対して規定した目標輝度の平均値は、平均輝度として例示される。
【0080】
(等価処理(選択処理))
図6は、液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。図7は、等価処理として例示される選択処理を通じて設定される画素の輝度変化を示す。図1、図3、図6及び図7を用いて、平均化処理が説明される。
【0081】
液晶パネル231は、主走査方向に延びる複数のゲート線と、副走査方向に延びる複数のデータ線と、を含む。図6には、副走査方向に整列したゲート線L乃至L16及び主走査方向に整列したデータ線M乃至M32が示されている。各ゲート線L乃至L16と各データ線M乃至M32との交点には、画素P及び画素Pに対応する液晶(図示せず)がそれぞれ割り当てられる。各ゲート線L乃至L16と各データ線M乃至M32とに印加される電圧に応じて、液晶の駆動量が定められる。
【0082】
図7には、ゲート線L乃至Lとデータ線M及びMとのそれぞれの交点に対応する画素P1乃至P8が示されている。第1等価部211及び第2等価部214は、副走査方向に整列した複数の画素を含む画素グループ(図7中、点線で囲まれる画素の組)を設定する。図7には、データ線M上に整列した画素P1,P2の組を含む画素グループG1,データ線M上に整列した画素P3,P4の組を含む画素グループG2,データ線M上に整列した画素P5,P6の組を含む画素グループG3及びデータ線M上に整列した画素P7,P8の組を含む画素グループG4が示されている。
【0083】
図7中の各画素P1乃至P8内に示された数値は、画素P1乃至P8それぞれに対して割り当てられた輝度を示す。フレーム画像信号は、例えば、画素P1,P3に対して、「40」の輝度を規定し、画素P2,P4,P6,P8に対して、「60」の輝度を規定し、画素P5,P7に対して、「80」の輝度を規定している。第1等価部211及び第2等価部214は、各画素グループG1,G2,G3,G4内で輝度を選択する。第1等価部211及び第2等価部214は、奇数番号のゲート線上の画素P1,P3,P5,P7に対して規定された輝度を選択し、画素グループG1,G2,G3,G4内の他の画素P2,P4,P6,P8に選択された輝度をそれぞれ割り当てる。したがって、画素グループG1内の画素P1,P2並びに画素グループG2内の画素P3,P4内の画素P3,P4の輝度は、「40」に設定される。また、画素グループG3内の画素P5,P6並びに画素グループG4内の画素P7,P8の輝度は、「80」に設定される。代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、フレーム画像信号が画素グループ内の画素に対して定めた輝度のうち、大きい方或いは小さい方を選択してもよい。更に代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、他の適切な基準に基づき、第1画像信号を生成するための輝度を選択してもよい。図6に示される如く、上述の選択処理は、ゲート線L乃至L16と各データ線M乃至M32との交点に対応する全ての画素Pに対して実行される。本実施形態において、第1等価部211及び第2等価部214によって選択された輝度は、選択輝度として例示される。
【0084】
(第1走査動作及び第2走査動作)
第1画像信号を走査するための第1走査動作及び第2画像信号を走査するための第2走査動作が以下に説明される。
【0085】
第1等価部211及び第2等価部214は、フレーム画像信号に対して、上述の平均化処理を行い、平均化信号を出力する。或いは、第1等価部211及び第2等価部214は、フレーム画像信号に対して、上述の選択処理を行い、選択信号を出力する。
【0086】
図3に示される如く、平均化信号又は選択信号は、第1選択部212,第1補正部217及び第2補正部218へ入力される。第1補正部217は、上述の平均輝度又は選択輝度に対する補正値を規定する補正信号を第2選択部219に出力する。第2補正部218は、フレーム画像信号が規定する目標輝度に対する補正値を規定する補正信号を第2選択部219に出力する。
【0087】
本実施形態及び以下に示される一連の他の実施形態の原理は、上述の等価処理によって得られた信号を用いて、比較的短い走査動作を1若しくはそれ以上の回数行うことに特徴付けられる。当該特徴的な原理は、図3のブロック図よりも簡素化された構成で達成可能である。例えば、第1遅延部、第2等価部、第2遅延部、第3遅延部、第1補正部、第2補正部及び第2選択部は省略されてもよい。第1等価部は、走査回数に応じて、画素グループを設定し、平均化信号又は選択信号を第1選択部に出力する。第1選択部は、走査回数に応じて、平均化信号又は選択信号或いはRフレーム画像信号又はLフレーム画像信号を、出力部を介して、液晶駆動部へ出力する。かくして、比較的簡素化された信号処理の下、多回の走査動作が実行される。
【0088】
後述される第1遅延部、第2等価部、第2遅延部、第3遅延部、第1補正部、第2補正部及び第2選択部は、上述の特徴的な原理に加え、より速く液晶を駆動させるためのオーバードライブ処理に寄与する。以下の説明において、オーバードライブ処理を伴う多数回走査が説明される。必要に応じて、オーバードライブ処理は省略されてもよい。
【0089】
図8は、出力部221の処理を概略的に示す。図3及び図8を用いて、出力部221の処理が説明される。尚、図8は、図7に関連して説明された選択処理によって生成された選択信号に対する出力部221の処理を示す。図8に関連して説明される出力部221の処理の原理は、図7に関連して説明された平均化処理によって生成された平均化信号に対する出力部221の処理にも同様に適用される。
【0090】
図8(a)は、第1画像信号を出力する出力部221の処理を示す。図8(b)は、第2画像信号を出力する出力部221の処理を示す。
【0091】
第1画像信号の走査が行われる第1走査期間において、第1選択部212は、選択信号を出力部221に出力し、第2選択部219は、第1補正部217によって生成された補正信号を出力部221に出力する。出力部221は、選択信号が規定する選択輝度と、第1補正部217によって生成された補正信号が規定する補正値とを加算する。
【0092】
図8(a)に示される如く、第1補正部217によって生成された補正信号は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい補正値を規定する。図8(a)において、画素グループG1内の画素P1,P2に対して、「C1」の補正値が規定されている。画素グループG2内の画素P3,P4に対して、「C2」の補正値が規定されている。画素グループG3内の画素P5,P6に対して、「C3」の補正値が規定されている。画素グループG4内の画素P7,P8に対して、「C4」の補正値が規定されている。かくして、出力部221は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に共通する等価輝度を規定する第1画像信号を生成する。本実施形態において、第1画像信号は、等価信号として例示される。また、平均輝度又は選択輝度と第1補正部217によって生成された補正信号が規定する補正値との加算によって規定される輝度は等価輝度として例示される。
【0093】
図3に示される如く、フレーム画像信号は、第1選択部212及び第2補正部218に入力される。第2補正部218は、画素ごとに個別に補正値を設定する。図8(b)に示される如く、画素P1乃至P8に対して、補正値「D1」乃至「D8」がそれぞれ規定されている。補正値「D1」乃至「D8」は、それぞれ異なる輝度値であってもよい。第2補正部218は、補正値「D1」乃至「D8」を規定する補正信号を第2選択部219に出力する。
【0094】
第2画像信号の走査が行われる第2走査期間において、第1選択部212は、フレーム画像信号を出力部221に出力し、第2選択部219は、第2補正部218によって生成された補正信号を出力部221に出力する。出力部221は、フレーム画像信号が規定する目標輝度と、第1補正部217によって生成された補正信号が規定する補正値とを加算する。したがって、第1画像信号と異なり、第2画像信号は、画素ごとに異なる輝度を規定してもよい。図8(a)及び図8(b)それぞれに示される画素P1乃至P8中に示された輝度値は、第1走査期間及び第2走査期間における駆動輝度として例示される。
【0095】
図9は、液晶駆動部220が行う走査動作を示す概略的なグラフである。図9(a)は、第1画像信号に基づく第1走査動作を示す。図9(b)は、第2画像信号に基づく第2走査動作を示す。図9は、ゲート線L乃至L12までの走査動作を示す。図9(a)及び図9(b)の横軸は、ゲート線L乃至L12までの走査動作を行っている時間軸である。図9(a)及び図9(b)の縦軸は、液晶パネル231の副走査方向に位置を表す。図1、図8及び図9を用いて、第1走査動作及び第2走査動作が説明される。
【0096】
第1画像信号は、図8に関連して説明された如く、副走査方向に整列した画素を含む画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい輝度を規定する。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線L2t−1,L2t上に第1画像信号を同時に書き込むことができる。この結果、ゲート線L2t−1,L2t上の画素に対応する液晶は、同時に駆動される。
【0097】
第2画像信号は、図8に関連して説明された如く、画素ごとに異なる輝度を潜在的に規定する。したがって、液晶駆動部220は、ゲート線Lから下端のゲート線に向けて、順次、第2画像信号を書き込む。
【0098】
本実施形態において、第1走査動作を行う液晶駆動部220は、2つのゲート線L2t−1,L2tの組に同時に第1画像信号の書き込みを行うので、ゲート線L12までの書き込みを完了するまでの第1走査動作の期間T1は、ゲート線L12までの書き込みを完了するまでの第2走査動作の期間T2の半分となる。比較的短期間で行われる第1走査動作によって、液晶パネル231の液晶の駆動が表示面全体に亘って早期に開始されるので、特に表示面下部領域におけるクロストークが低減される。
【0099】
図8に関連して説明された第1画像信号の生成の原理並びに図9に関連して説明された走査期間の短縮の原理は、後述される他の実施形態にも同様に適用される。例えば、液晶駆動部が3回の走査動作を行うならば(N=3)、1回目の走査動作に用いられる第1画像信号を生成するために、映像信号処理部は、例えば、副走査方向に整列した4つの画素を含む画素グループを規定する。また、2回目の走査動作に用いられる第2画像信号を生成するために、映像信号処理部は、副走査方向に整列した2つの画素を含む画素グループを規定する。更に、3回目の走査動作に用いられる第3画像信号を生成するために、映像信号処理部は、単一の画素からなる画素グループを規定する。この結果、第1画像信号が走査される第1走査期間は、第2画像信号が走査される第2走査期間の半分の長さとなる。また、第2走査期間は、第3画像信号が走査される第3走査期間の半分の長さとなる。
【0100】
液晶駆動部が4回の走査動作を行うならば、1回目の走査動作に用いられる第1画像信号を生成するために、映像信号処理部は、例えば、副走査方向に整列した8つの画素を含む画素グループを規定する。また、2回目の走査動作に用いられる第2画像信号を生成するために、映像信号処理部は、副走査方向に整列した4つの画素を含む画素グループを規定する。更に、3回目の走査動作に用いられる第3画像信号を生成するために、映像信号処理部は、副走査方向に整列した2つの画素を含む画素グループを規定する。また、4回目の走査動作に用いられる第4画像信号を生成するために、映像信号処理部は、単一の画素を含む画素グループを規定する。この結果、第1画像信号が走査される第1走査期間は、第2画像信号が走査される第2走査期間の半分の長さとなる。また、第2走査期間は、第3画像信号が走査される第3走査期間の半分の長さとなる。更に、第3走査期間は、第4画像信号が走査される第4走査期間の半分の長さとなる。即ち、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す書込画像信号は、図9に関連して説明された原理に従って、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号よりも短い時間で書き込まれる。また、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号は、(n+1)回目の走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す書込画像信号の生成に用いられた画素グループの画素の数よりも少ない数の画素を含む画素グループを用いて生成される。
【0101】
(信号出力)
図10は、映像信号処理部210中の信号の出力図である。図11は、第1走査期間における映像信号処理部210中の信号の出力を表す概略的なブロック図である。図12は、第2走査期間における映像信号処理部210中の信号の出力を表す概略的なブロック図である。図4乃至図8並びに図10乃至図12を用いて、映像信号処理部210中の信号の出力が説明される。
【0102】
図10には、X番目のLフレーム画像を表示するための左眼期間、X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間、(X+1)番目のLフレーム画像を表示するための左眼期間及び(X+1)番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間が示されている。以下の説明において、X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間における信号の出力が説明される。尚、他の期間においても、X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間における信号の出力の原理は同様に適用される。以下の説明において、X番目のLフレーム画像は、先行フレーム画像として例示される。また、X番目のRフレーム画像は、後続フレーム画像として例示される。
【0103】
図11に示される如く、X番目のRフレーム画像信号SRx(2)が映像信号処理部210に入力されると、第1走査期間において、第1等価部211は、図6及び図7に関連して説明された選択処理を実行し、選択信号SRx(1)を生成並びに出力する。選択信号SRx(1)は、第1選択部212、第1補正部217及び第2遅延部215へ入力される。図10乃至図12に関連する説明において、第1等価部211及び第2等価部214は、図6及び図7に関連して説明された選択処理を行う。代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、図4及び図5に関連して説明された平均化処理を行ってもよい。
【0104】
第1遅延部213は、直前のX番目のLフレーム画像を表示するための左眼期間において、X番目のLフレーム画像信号SLx(2)を取得している。第1遅延部213は、Lフレーム画像信号SLx(2)を遅延させ、後続のX番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間の第1走査期間に第2等価部214及び第2補正部218へ出力する。本実施形態において、X番目のLフレーム画像を表示するためのLフレーム画像信号SLx(2)は、先行フレーム画像信号として例示される。X番目のRフレーム画像を表示するためのRフレーム画像信号SRx(2)は、後続フレーム画像信号として例示される。
【0105】
第2等価部214は、図6及び図7に関連して説明された選択処理を実行し、選択信号SLx(1)を生成並びに出力する。選択信号SLx(1)は、第1補正部217及び第3遅延部216へ入力される。
【0106】
第1補正部217は、選択信号SRx(1)及び選択信号SLx(1)に基づき、第1補正信号CRx(1)を生成する。図8に関連して説明された如く、第1補正信号CRx(1)が画素グループ内の画素に対して規定する補正値は等しい。第1補正信号CRx(1)は、第2選択部219へ出力される。
【0107】
第1選択部212及び第2選択部219は、同期して、選択信号SRx(1)及び第1補正信号CRx(1)をそれぞれ出力部221へ出力する。図8に関連して説明された如く、出力部221は、選択信号SRx(1)が規定する選択輝度と第1補正信号CRx(1)が規定する補正値とを加算し、第1画像信号IRx(1)を生成する。第1画像信号IRx(1)は、液晶駆動部220へ出力される。
【0108】
図12に示される如く、X番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、第1等価部211だけでなく、第1選択部212へ入力される。第2走査期間において、第1選択部212は、Rフレーム画像信号SRx(2)を出力する。
【0109】
X番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、更に、第2補正部218に入力される。第2遅延部215は、第1走査期間において取得された選択信号SRx(1)を遅延させ、第2走査期間において、遅延された選択信号SRx(1d)として、第2補正部218へ出力する。第3遅延部216は、第1走査期間において取得された選択信号SLx(1)を遅延させ、第2走査期間において、遅延された選択信号SLx(1d)として、第2補正部218へ出力する。第2補正部218には、第1遅延部213からLフレーム画像信号SLx(2)が更に入力される。第2補正部218は、Rフレーム画像信号SRx(2),Lフレーム画像信号SLx(2),選択信号SRx(1d)及び選択信号SLx(1d)を用いて、図8に関連して説明された補正値を決定し、第2補正信号CRx(2)を第2選択部219に出力する。
【0110】
第1選択部212及び第2選択部219は、同期して、Rフレーム画像信号SRx(2)及び第2補正信号CRx(2)をそれぞれ出力部221へ出力する。図8に関連して説明された如く、出力部221は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度と第2補正信号CRx(2)が規定する補正値とを加算し、第2画像信号IRx(2)を生成する。第2画像信号IRx(2)は、液晶駆動部220へ出力される。
【0111】
(オーバードライブ処理)
第1補正部217及び第2補正部218による補正値の算出並びに出力部221による加算処理は、オーバードライブ処理として例示される。図11に関連して説明された如く、第1補正部217は、第1画像信号IRx(1)の走査が行われる第1走査期間におけるオーバードライブ処理に寄与する。図12に関連して説明された如く、第2補正部218は、第2画像信号IRx(2)の走査が行われる第2走査期間におけるオーバードライブ処理に寄与する。
【0112】
(第1補正部)
図13は、第1補正部217が格納する第1補正テーブルの概念図である。図1、図7、図8、図11及び図13を用いて、第1補正部217が説明される。尚、以下の説明において、第1等価部211及び第2等価部214は、選択処理を行っている。代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、平均化処理を行っていてもよい。
【0113】
第1補正部217は、第1補正信号CRx(1)を生成するための第1補正テーブル222を格納する。第1補正部217には、上述の如く、第1等価部211からの選択信号SRx(1)及び第2等価部214からの選択信号SLx(1)が入力される。上述の如く、第2等価部214は、第1遅延部213によって遅延されたフレーム画像信号に基づき、選択信号SLx(1)を出力する。図13に示される第1補正テーブル222中の第1等価部211からの入力に対応する座標軸は、第1等価部211からの選択信号SRx(1)が規定する現行選択輝度を示す。第1補正テーブル222中の第2等価部214からの入力に対応する座標軸は、第2等価部214からの選択信号SLx(1)が規定する先行選択輝度を示す。
【0114】
第1補正部217は、第1等価部211からの選択信号SRx(1)に規定される現行選択輝度と、第2等価部214からの選択信号SLx(1)に規定される先行選択輝度と、に基づき、画素P1乃至P8それぞれに対して、第1補正値を決定し、第1補正値の情報を含む第1補正信号CRx(1)を第2選択部219へ出力する。尚、図8に関連して説明された如く、第1補正部217は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい値の第1補正値を規定する。第1補正値の絶対値は、例えば、現行選択輝度と先行選択輝度との差が大きいほど、大きくなるように設定される。また、現行選択輝度が先行選択輝度よりも大きいならば、第1補正値は、正の値に設定される。現行選択輝度が先行選択輝度より小さいならば、第1補正値は負の値に設定される。後述されるように、選択された第1補正値に応じて、第1走査期間中に達成される画素P1乃至P8の輝度が変動する。
【0115】
図11に示される如く、第1走査期間において、出力部221には、第1等価部211によって生成された選択信号SRx(1)及び第1補正部217によって生成された第1補正信号CRx(1)が入力される。
【0116】
出力部221は、第1等価部211によって生成された選択信号SRx(1)が規定する現行選択輝度と、第1補正信号CRx(1)が規定する第1補正値と、を加算する。上述の如く、現行選択輝度が先行選択輝度よりも大きいならば、第1補正値は、正の値に設定されるので、出力部221によって算出された加算値は、現行選択輝度よりも大きくなる。現行選択輝度が先行選択輝度よりも小さいならば、第1補正値は、負の値に設定されるので、出力部221によって算出された加算値は、現行選択輝度よりも小さくなる。上述の如く、第1等価部211は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい値の現行選択輝度を規定している。また、第1補正部217は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して、等しい値の第1補正値を規定している。したがって、画素グループG1,G2,G3,G4内の現行選択輝度と第1補正値との加算値は等しい値となる。第1走査動作が行われる第1走査期間において、出力部221は、算出された加算値の情報を含む第1画像信号IRx(1)を液晶駆動部220へ出力する。本実施形態において、現行選択輝度と第1補正値との加算値は、第1走査期間における駆動輝度として例示される。尚、第1等価部211及び第2等価部214が、選択処理に代えて、平均化処理を行うならば、第1等価部211が出力する平均化信号が規定する現行平均輝度と第2等価部214が出力する平均化信号が規定する平均輝度とに基づいて、第1補正値が決定される。また、第1補正値と現行平均輝度とに基づいて、駆動輝度が決定される。
【0117】
液晶駆動部220は、第1画像信号IRx(1)に基づき、液晶パネル231の液晶を駆動する。上述の如く、第1画像信号IRx(1)が画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対して規定する駆動輝度は等しい値である。第1走査期間において、液晶駆動部220は、画素グループG1内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P1,P2それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。また、液晶駆動部220は、画素グループG3内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P5,P6それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。ゲート線L,Lに対応する水平同期信号に基づき、ゲート線L,Lに対応する画素に対する液晶の駆動が開始される。この結果、液晶駆動部220は、画素グループG2内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P3,P4それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。また、液晶駆動部220は、画素グループG4内で等しく設定された駆動輝度に向けて、画素P7,P8それぞれに対応する液晶を同時に駆動する。本実施形態において、第1補正値と現行平均輝度とに基づいて決定された駆動輝度は、等価輝度として例示される。
【0118】
(第2補正部)
図14は、第2補正部218が格納する第2補正テーブルの概念図である。図1、図12乃至図14を用いて、第2補正部218が説明される。尚、以下の説明において、第1等価部211及び第2等価部214は、選択処理を行っている。代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、平均化処理を行っていてもよい。
【0119】
第2補正部218は、第2補正信号を生成するための第2補正テーブル223を格納する。第2補正テーブル223は、第2走査動作が開始されるときに画素が達成している輝度に対する期待値を決定するための期待値テーブル224と、期待値とフレーム画像信号とに基づき、第2走査が行われるときの駆動輝度を決定するための決定テーブル225と、を含む。本実施形態において、液晶駆動部220は、2回の走査動作を行う(N=2)。したがって、期待値テーブル224は、2回目の走査動作が開始されるときに画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データを格納する。後述される実施形態の如く、液晶駆動部が2回以上の走査動作を行うならば、期待値テーブルは、(n+1)回目の走査動作が行われるときに画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データを格納してもよい。
【0120】
期待値テーブル224は、第1遅延部213からのLフレーム画像信号SLx(2)、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が入力される入力テーブル226と、駆動輝度が決定される画素の副走査方向に位置に基づき、入力テーブル226からの出力値を調整するための調整テーブル227と、を含む。
【0121】
入力テーブル226には、上述の如く、第1遅延部213からのLフレーム画像信号SLx(2)、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が入力される。図14に示される入力テーブル226中の第2遅延部215からの入力に対応する座標軸は、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)が規定する現行選択輝度を示す。入力テーブル226中の第3遅延部216からの入力に対応する座標軸は、第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が規定する先行選択輝度を示す。尚、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)が規定する現行選択輝度及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が規定する先行選択輝度は、図13に関連して説明された現行選択輝度及び先行選択輝度と等しい値である。
【0122】
図15は、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が与える画素の輝度変化に対する影響を概略的に示すグラフである。図7、図14及び図15を用いて、入力テーブル226が更に説明される。
【0123】
図15中、水平方向に延びる直線HLは、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度を示す。図15中の曲線CV1は、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が小さいときの画素の輝度変化を表す。図15中の曲線CV2は、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が大きいときの画素の輝度変化を表す。尚、時間「0」における曲線CV1,CV2の値は、それぞれ、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度に相当する。図15に示される如く、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が小さいとき、画素の輝度は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度に比較的早期に到達する。一方、先行するLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度と後続のRフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度との差異が大きいとき、画素の輝度がRフレーム画像信号SRx(2)の目標輝度に到達するまでの期間は長くなる。
【0124】
図14に示される如く、入力テーブル226は、第1遅延部213から入力される先行のLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度に対応する座標軸を備える。
【0125】
第2補正部218は、第1遅延部213から入力されるLフレーム画像信号SLx(2)が規定する目標輝度、第2遅延部215からの選択信号SRx(1d)が規定する現行選択輝度及び第3遅延部216からの選択信号SLx(1d)が規定する先行選択輝度に基づき、画素P1乃至P8それぞれに対して、仮期待値を決定する。
【0126】
図16は、画素の位置に起因する走査動作の差異を概略的に説明する模式図である。図1、図9、図12、図13及び図16を用いて、画素の位置に起因する走査動作の差異が説明される。
【0127】
図9に関連して説明された如く、第1走査動作は、第2走査動作よりも短期間で行われる。第1走査動作の後、第2走査動作が開始されるまでの期間において、液晶は、図12及び図13に関連して説明された駆動輝度(等価輝度)に向けて駆動される。
【0128】
図16には、等価輝度に向けて液晶が駆動される期間SP1,SP2が示されている。期間SP1は、比較的早期に駆動される液晶パネル231の上部の液晶が等価輝度に向けて駆動されている期間を示す。期間SP2は、比較的遅く駆動される液晶パネル231の下部の液晶が等価輝度に向けて駆動されている期間を示す。図16に示される如く、期間SP2は、期間SP1より長くなる。
【0129】
図17は、画素の位置が与える画素の輝度変化に対する影響を概略的に示すグラフである。図1、図8、図12乃至図14並びに図16及び図17を用いて、入力テーブル226が更に説明される。
【0130】
図17中、水平方向に延びる直線HLは、等価輝度を示す。図17中の曲線CVは、図12及び図13に関連して説明された等価輝度に向けて変動する画素の輝度を表す。上述の如く、液晶パネル231の上部の液晶は、期間SP1の間、等価輝度に向けて駆動される。この結果、液晶パネル231の上部の画素は、「AB1」の輝度を達成する。一方、液晶パネル231の下部の液晶は、期間SP2の間、等価輝度に向けて駆動される。この結果、液晶パネル231の下部の画素は、「AB2」の輝度を達成する。液晶パネル231の下部の画素は、液晶パネル231の上部の画素よりも等価輝度に近い値となっている。
【0131】
図14に示される如く、期待値テーブル224は、調整テーブル227を含む。第2補正部218は、調整テーブル227を用いて、図17に関連して説明された画素の位置に起因する達成輝度の差異を減少させるように仮期待値を調整し、期待値を決定する。本実施形態において、第2補正部218は、第1等価部211及び第2等価部214が規定した選択輝度、先行するフレーム画像信号が規定する目標輝度並びに画素に位置に基づき、期待値を決定する。代替的に、第2補正部218は、選択輝度に代えて、第1等価部211及び第2等価部214が規定した平均輝度に基づき、期待値を決定してもよい。第2補正部は、更に代替的に、画素の輝度に影響する他の因子(例えば、液晶パネル231の温度分布)に基づき、期待値を決定してもよい。
【0132】
決定テーブル225は、第2走査期間に出力される第2補正値のデータを格納する。決定テーブル225中のフレーム画像信号(Rフレーム画像信号SRx(2))の入力に対応する座標軸は、フレーム画像信号(Rフレーム画像信号SRx(2))が規定する目標輝度を示す。決定テーブル225中の期待値テーブル224からの入力に対応する座標軸は、期待値テーブル224から抽出された輝度の期待値(即ち、第1走査期間中に達成すると期待される画素の輝度)を示す。第2補正部218は、目標輝度と輝度の期待値と、に基づき、画素P1乃至P8それぞれに対して、第2補正値を決定し、第2補正値の情報を含む第2補正信号CRx(2)を第2選択部219へ出力する。
【0133】
図12に示される如く、第2走査期間において、出力部221には、Rフレーム画像信号SRx(2)及び第2補正部218によって生成された第2補正信号CRx(2)が入力される。
【0134】
出力部221は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度と、第2補正信号CRx(2)が規定する第2補正値と、を加算し、第2走査期間で用いられる駆動輝度を決定する。第2走査動作が行われる第2走査期間において、出力部221は、算出された駆動輝度の情報を含む第2画像信号IRx(2)を液晶駆動部220へ出力する。
【0135】
液晶駆動部220は、第2画像信号IRx(2)に基づき、液晶パネル231の液晶を駆動する。第2画像信号IRx(2)に基づく液晶の駆動の結果、画素P1乃至P8の輝度は、駆動輝度に向けて変動する。
【0136】
(輝度データの変動)
図18は、第1走査期間に出力される信号が含む輝度のデータを示す。図7、図13及び図18を用いて、第1走査期間中の輝度のデータの変化が説明される。図18中の表は、データ線Mに沿って整列した画素の輝度を表す。尚、以下の説明において、第1等価部211及び第2等価部214は、選択処理を行っている。代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、平均化処理を行っていてもよい。
【0137】
第1等価部211に入力されるX番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、「80」の輝度を示している。また、Rフレーム画像信号SRx(2)は、偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2tに対応する画素に対して、「60」の輝度を示している。
【0138】
第1等価部211は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素の輝度を基準に、図7に関連して説明された選択処理を行い、選択信号SRx(1)を生成する。この結果、選択信号SRx(1)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2tに対応する画素の両方に対して、「80」の輝度を示す。選択信号SRx(1)は、第1選択部212及び第1補正部217に出力される。第1選択部212は、出力部221へ選択信号SRx(1)を出力する。
【0139】
X番目のRフレーム画像を表示するための右眼期間の第1走査期間において、第1遅延部213は、直前のX番目のLフレーム画像を表示するために左眼期間において取得されたLフレーム画像信号SLx(2)を出力する。Lフレーム画像信号SLx(2)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、「40」の輝度を示している。また、Lフレーム画像信号SLx(2)は、偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2tに対応する画素に対して、「0」の輝度を示している。Lフレーム画像信号SLx(2)は、第2等価部214へ入力される。
【0140】
第2等価部214は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素の輝度を基準に、図7に関連して説明された選択処理を行い、選択信号SLx(1)を生成する。この結果、選択信号SLx(1)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2tに対応する画素の両方に対して、「40」の輝度を示す。選択信号SLx(1)は、第1補正部217に出力される。
【0141】
図13に関連して説明された如く、第1補正部217は、選択信号SRx(1),SLx(1)に基づき、第1補正テーブル222を用いて、第1補正信号CRx(1)を生成する。第1補正部217は、選択信号SRx(1)が示す現行選択輝度と、選択信号SLx(1)が示す先行選択輝度とに基づき、画素それぞれに対して第1補正値を決定する。図18に示される選択信号SRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「80」の現行選択輝度を示し、選択信号SLx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「40」の先行選択輝度を示しているので、第1補正部217は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「5」の第1補正値を定め、第1補正信号CRx(1)を生成する。第1補正信号CRx(1)は、その後、第2選択部219を介して、出力部221へ出力される。
【0142】
出力部221は、選択信号SRx(1)が指し示す輝度と、第1補正信号CRx(1)が指し示す第1補正値と、を画素それぞれについて加算する。図18に示される選択信号SRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「80」の輝度を示し、第1補正信号CRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「5」の第1補正値を示しているので、出力部221から出力される第1画像信号IRx(1)は、データ線Mに沿う全ての画素に対し、「85」の輝度を規定する。
【0143】
図19は、第2走査期間に出力される信号が含む輝度のデータを示す。図1及び図19を用いて、第2走査期間中の輝度のデータの変化が説明される。図19中の表は、データ線Mに沿って整列した画素の輝度を表す。尚、以下の説明において、第1等価部211及び第2等価部214は、選択処理を行っている。代替的に、第1等価部211及び第2等価部214は、平均化処理を行っていてもよい。
【0144】
X番目のRフレーム画像信号SRx(2)は、第1選択部212及び第2補正部218に入力される。第1選択部212は、第2走査期間に、Rフレーム画像信号SRx(2)を出力部221へ出力する。
【0145】
第1走査期間において、第1等価部211が出力した選択信号SRx(1)は、第2遅延部215に入力される。第2遅延部215は、選択信号SRx(1)を遅延させ、第2走査期間において、選択信号SRx(1d)として、出力する。尚、選択信号SRx(1)が画素それぞれに規定する輝度及び選択信号SRx(1d)が画素それぞれに規定する輝度は等しい。
【0146】
第1走査期間において、第2等価部214が出力した選択信号SLx(1)は、第3遅延部216に入力される。第3遅延部216は、選択信号SLx(1)を遅延させ、第2走査期間において、選択信号SLx(1d)として、出力する。尚、選択信号SLx(1)が画素それぞれに規定する輝度及び選択信号SLx(1d)が画素それぞれに規定する輝度は等しい。
【0147】
第2遅延部215は、選択信号SRx(1d)を第2補正部218へ出力する。選択信号SRx(1d)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2tに対応する画素に対して、「80」の輝度をそれぞれ示している。
【0148】
第3遅延部216は、選択信号SLx(1d)を第2補正部218へ出力する。選択信号SLx(1d)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素及び偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2tに対応する画素に対して、「40」の輝度をそれぞれ示している。
【0149】
上述の如く、第1遅延部213は、第2走査期間において、X番目のLフレーム画像信号SLx(2)を第2補正部218に出力する。Lフレーム画像信号SLx(2)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対して、「40」の輝度を規定し、偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して、「0」の輝度を規定している。
【0150】
図14に関連して説明された如く、第2補正部218は、第1等価部211及び第2等価部214が規定した選択輝度、先行するフレーム画像信号が規定する目標輝度並びに画素に位置に基づき、期待値を決定する。Lフレーム画像信号SLx(2)が偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して規定する輝度は、Lフレーム画像信号SLx(2)が奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対して規定する画素を大きく下回るので、偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2t(tは自然数)上の画素が第2走査動作開始時において達成している輝度は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素が第2走査動作開始時において達成している輝度よりも低いことが予想される。したがって、第2補正部218は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対して決定された期待値よりも小さな期待値を偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して決定する。
【0151】
また、第2補正部218は、図14に関連して説明された如く、画素の位置に応じた調整を期待値に対して行う。したがって、第2補正部218は、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素に対して「50」の期待値を設定し、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素に対して「65」の期待値を設定する。尚、本実施形態において、説明の明瞭化のため、第2補正部218は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素全てに対して、「75」の期待値を設定している。第2補正部218は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素に対しても、画素の位置に応じた調整を行ってもよい。
【0152】
上述の如く、Rフレーム画像信号SRx(2)は、偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2t(tは自然数)上の画素に対して、「60」の輝度を規定している。また、第2補正部218は、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素に対して「50」の期待値を設定している。したがって、第2補正部218は、「60」の輝度と「50」の期待値とを比較し、「+5」の第2補正値を、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素に対して決定する。
【0153】
上述の如く、第2補正部218は、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素に対して「65」の期待値を設定している。したがって、第2補正部218は、「60」の輝度と「65」の期待値とを比較し、「−5」の第2補正値を、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素に対して決定する。
【0154】
第2補正部218は、上述の如く、第2補正値の情報を含む第2補正信号CRx(2)を、第2選択部219を介して、第2選択部219へ出力する。出力部221は、Rフレーム画像信号SRx(2)が指し示す輝度と、第2補正信号CRx(2)が指し示す第2補正値と、を画素それぞれについて加算し、第2画像信号IRx(2)を生成並びに出力する。生成された第2画像信号IRx(2)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1(tは自然数)上の画素全てに対して、「80」の駆動輝度を規定している。また、第2画像信号IRx(2)は、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素に対して「65」の駆動輝度を規定している。更に、第2画像信号IRx(2)は、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素に対して「55」の駆動輝度を規定している。
【0155】
図20は、図18及び図19に関連して説明された信号処理に基づく画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。図1、図7乃至図9、図18乃至図20を用いて、画素の輝度変化が説明される。
【0156】
図20のセクション(A)には、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間及び(X+1)番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間が示されている。以下の説明において、右眼期間における画素の輝度変化が説明される。
【0157】
図20のセクション(B)には、第1走査動作及び第2走査動作が示される。右眼期間の第1走査期間において、液晶駆動部220は、第1画像信号IRx(1)を用いて、第1走査動作を実行する。図9に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、1つの奇数番号のゲート線に対応する画素と、1つの偶数番号のゲート線に対応する画素の液晶と、を1つの組として、同時に駆動する。この結果、第1画像信号IRx(1)は、ゲート線(L,L)の組、ゲート線(L,L)の組、・・・・、ゲート線(L2t−1,L25)の組に順次書き込まれる。右眼期間の第2走査期間において、液晶駆動部220は、第2画像信号IRx(2)を用いて、第2走査動作を実行する。図9に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、ゲート線L,L,L,L,・・・L2t−1,L25に順次、第2画像信号IRx(2)を書き込む。本実施形態において、液晶駆動部220は、2回の走査動作を行うので、2回目の走査動作を行う液晶駆動部220は、画素グループG1,G2,G3,G4内の画素に対応する液晶を順次駆動する。液晶駆動部がN回の走査動作を行うならば、N回目の走査動作を行う液晶駆動部は、画素グループ内の画素に対応する液晶を順次駆動してもよい。
【0158】
図20のセクション(C)は、光学シャッタ部310の開閉動作を示す。左眼シャッタ311は、第2走査動作の完了後、且つ、右眼期間が開始される前までの期間において開く。また、右眼シャッタ312は、第2走査動作の完了後、且つ、左眼期間が開始される前までの期間において開く。
【0159】
図20のセクション(D)は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する画素の輝度の変化を表す。図20のセクション(E)は、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する画素の輝度の変化を表す。図20のセクション(F)は、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2tとデータ線Mとの交点に位置する画素の輝度の変化を表す。
【0160】
図18及び図19に関連して説明された如く、直前の左眼期間においてLフレーム画像の表示に用いられたLフレーム画像信号SLx(2)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、「40」の目標輝度を規定している。したがって、セクション(D)に示される画素の輝度は、「40」から変動を開始する。Lフレーム画像信号SLx(2)は、偶数番号のゲート線L,L,・・・,L2tに対応する画素に対して、「0」の目標輝度を規定している。したがって、セクション(E)及びセクション(F)に示される画素の輝度は、「0」からそれぞれ変動を開始する。
【0161】
図18に関連して説明された如く、第1画像信号IRx(1)は、データ線Mに沿う画素全てに対して、「85」の駆動輝度を設定する。したがって、第1走査動作がなされると、データ線Mに沿う画素の輝度は、「85」の駆動輝度に向けて、変動を開始する。
【0162】
第1走査動作の結果、第2走査動作が開始される直前には、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素の輝度は、第2補正部218の決定テーブル225を用いて決定された「75」の輝度の期待値に到達する、或いは、「75」の輝度の期待値に近似する。第1走査動作の結果、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素は、第2走査動作が開始されるとき、「50」の駆動輝度を達成している。一方、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素に対応する液晶は、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素に対応する液晶よりも長い期間に亘って「85」の駆動輝度に向けて駆動されるので、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素は、第2走査動作が開始されるとき、「65」の駆動輝度を達成している。
【0163】
図20に関連して説明された如く、第2画像信号IRx(2)は、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素に対して、「80」の駆動輝度を設定する。したがって、第2走査動作がなされると、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素は、「80」の駆動輝度に向けて、変動を開始する。上述の如く、奇数番号のゲート線L,L,・・・,L2t−1に対応する画素の輝度は、第1走査動作の結果、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度に十分に近づけられているので、右眼シャッタ312が開かれるときには、目標輝度に到達している。
【0164】
第2画像信号IRx(2)は、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素に対して「65」の駆動輝度を規定しているので、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素は、第2走査期間において、輝度を増大させる。この結果、液晶パネル231の上部に位置する偶数番号のゲート線L上の画素は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度「60」に近づく。
【0165】
第2画像信号IRx(2)は、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素に対して「55」の駆動輝度を規定しているので、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素は、第2走査期間において、輝度を減少させる。この結果、液晶パネル231の下部に位置する偶数番号のゲート線L2t上の画素は、Rフレーム画像信号SRx(2)が規定する目標輝度「60」に近づく。
【0166】
<第2実施形態>
図21は、第2実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図21を用いて、第2実施形態に係る映像視聴システムの概略的な構成が説明される。尚、第1実施形態に関連して説明された要素と同様の要素に対しては、同様の符号が付されている。以下の説明において、第1実施形態との相違点が主に説明される。第1実施形態と同様の特徴に対して、第1実施形態に関連する説明が援用される。
【0167】
(映像視聴システム)
映像視聴システム100Aは、第1実施形態に関連して説明された眼鏡装置300に加えて、表示装置200Aを備える。表示装置200Aは、第1実施形態に関連して説明された表示装置200と同様に、Lフレーム画像とRフレーム画像とを交互に表示する。
【0168】
表示装置200Aは、第1実施形態に関連して説明された表示部230、第1制御部250、第2制御部240に加えて、映像信号処理部210A及び液晶駆動部220Aを備える。
【0169】
第1実施形態に関連して説明された映像信号処理部210と同様に、映像信号処理部210Aには、基本となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。映像信号処理部210Aから第1制御部250及び第2制御部240への制御信号の出力処理は、第1実施形態に関連して説明された信号処理と同様である。
【0170】
第1実施形態に関連して説明された映像信号処理部210と異なり、映像信号処理部210Aは、第1画像信号、第2画像信号及び第3画像信号を液晶駆動部220Aに順次出力する。液晶駆動部220Aは、第1画像信号、第2画像信号及び第3画像信号を液晶パネル231の表示面に亘って順次走査する。以下の説明において、第1画像信号を用いた液晶駆動部220Aの走査動作は、第1走査動作と称される。第2画像信号を用いた液晶駆動部220Aの走査動作は、第2走査動作と称される。第3画像信号を用いた液晶駆動部220Aの走査動作は、第3走査動作と称される。また、液晶駆動部220Aが第1走査動作を行っている期間は、第1走査期間と称される。液晶駆動部220Aが第2走査動作を行っている期間は、第2走査期間と称される。液晶駆動部220Aが第3走査動作を行っている期間は、第3走査期間と称される。
【0171】
(映像信号処理部)
図22は、本実施形態に従う表示装置200Aの映像信号処理部210Aの機能構成を概略的に示すブロック図である。図21及び図22を用いて、映像信号処理部210Aが説明される。
【0172】
映像信号処理部210Aは、第1実施形態に関連して説明された第1遅延部213及び第1補正部217に加えて、第1等価部211A、第1選択部212A、第2等価部214A、第2遅延部215A、第3遅延部216A、第2補正部218A、第2選択部219A及び出力部221Aを備える。
【0173】
図23は、第1等価部211Aの概略的なブロック図である。図24は、第2等価部214Aの概略的なブロック図である。図5、図7、図22乃至図24を用いて、第1等価部211A及び第2等価部214Aが説明される。
【0174】
図23に示される如く、第1等価部211Aには、フレーム画像信号が入力される。図23において、フレーム画像信号として、X番目のRフレーム画像信号SRx(3)が第1等価部211Aに入力されている。
【0175】
第1等価部211Aは、等価演算部261とカウンタ262とを備える。Rフレーム画像信号SRx(3)は、等価演算部261に入力される。等価演算部261は、図5及び図7に関連して説明された平均化処理又は選択処理を実行する。カウンタ262は、等価演算部261の演算回数をカウントする。
【0176】
図24に示される如く、第2等価部214Aには、フレーム画像信号が入力される。図24において、フレーム画像信号として、X番目のLフレーム画像信号SLx(3)が第2等価部214Aに入力されている。
【0177】
第1遅延部213は、第1実施形態に関連して説明された如く、X番目のRフレーム画像信号SRx(3)に先行するX番目のLフレーム画像信号SLx(3)を保持している。図24に示される如く、X番目のRフレーム画像を表示するための第1走査期間において、第1遅延部213は、第2等価部214Aに、Lフレーム画像信号SLx(3)を出力する。
【0178】
第2等価部214Aは、等価演算部263とカウンタ264とを備える。Rフレーム画像信号SRx(3)は、等価演算部263に入力される。等価演算部263は、図5及び図7に関連して説明された平均化処理又は選択処理を実行する。カウンタ264は、等価演算部263の演算回数をカウントする。
【0179】
図25は、第1等価部211A及び第2等価部214Aが行う等価処理の概念図である。図5、図7、図22乃至図25を用いて、第1等価部211A及び第2等価部214Aが行う等価処理が説明される。
【0180】
図25には、データ線M上に整列する画素P1乃至P4が示されている。画素P1は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P2は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P3は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P4は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。
【0181】
カウンタ262,264のデフォルト値は、例えば、「0」に設定されている。等価演算部261,263は、カウンタ262,264のカウント値を参照し、カウント値が「0」ならば、副走査方向に整列した4つの画素P1乃至P4を含む画素グループG11を設定する。その後、等価演算部261は、設定された画素グループG11内の画素P1乃至P4に対してRフレーム画像信号SRx(3)がそれぞれ規定する輝度に対して、等価処理を行う。また、等価演算部263は、設定された画素グループG11内の画素P1乃至P4に対してLフレーム画像信号SLx(3)がそれぞれ規定する輝度に対して、等価処理を行う。尚、等価処理は、図5及び図7に関連して説明された平均化処理又は選択処理の原理に従う。
【0182】
等価演算部261は、画素グループG11に対して行った等価処理に基づき、第1走査期間に用いられる平均化信号又は選択信号を出力する。図23には、等価演算部261から出力された選択信号SRx(1)が示されている。
【0183】
等価演算部263は、画素グループG11に対して行った等価処理に基づき、第1走査期間に用いられる平均化信号又は選択信号を出力する。図24には、等価演算部261から出力された選択信号SLx(1)が示されている。
【0184】
カウンタ262,264は、等価演算部261,263が画素グループG11に対する等価処理を終えると、カウント値を「0」から「1」に繰り上げる。
【0185】
等価演算部261,263は、カウンタ262,264のカウント値を参照し、カウント値が「1」ならば、副走査方向に整列した2つの画素P1及びP2を含む画素グループG21及び副走査方向に整列した2つの画素P3及びP4を含む画素グループG22を設定する。その後、等価演算部261は、設定された画素グループG21内の画素P1及びP2に対してRフレーム画像信号SRx(3)がそれぞれ規定する輝度に対して、等価処理を行う。また、等価演算部261は、設定された画素グループG22内の画素P3及びP4に対してRフレーム画像信号SRx(3)がそれぞれ規定する輝度に対して、等価処理を行う。等価演算部263は、設定された画素グループG21内の画素P1及びP2に対してLフレーム画像信号SLx(3)がそれぞれ規定する輝度に対して、等価処理を行う。また、等価演算部263は、設定された画素グループG22内の画素P3及びP4に対してLフレーム画像信号SLx(3)がそれぞれ規定する輝度に対して、等価処理を行う。尚、等価処理は、図5及び図7に関連して説明された平均化処理又は選択処理の原理に従う。
【0186】
等価演算部261は、画素グループG21,G22に対して行った等価処理に基づき、第2走査期間に用いられる平均化信号又は選択信号を出力する。図23には、等価演算部261から出力された選択信号SRx(2)が示されている。
【0187】
等価演算部263は、画素グループG21,G22に対して行った等価処理に基づき、第2走査期間に用いられる平均化信号又は選択信号を出力する。図24には、等価演算部261から出力された選択信号SLx(2)が示されている。
【0188】
カウンタ262,264は、等価演算部261,263が画素グループG21,G22に対する等価処理を終えると、カウント値を「1」から「0」に繰り下げる。
【0189】
図22乃至図24を用いて、第1選択部212A,第2遅延部215A及び第3遅延部216Aが説明される。以下の説明において、第1等価部211A及び第2等価部214Aはともに、等価処理として、選択処理を行い、選択信号SRx(1),SRx(2),SLx(1),SLx(2)を出力している。代替的に、第1等価部211A及び第2等価部214Aはともに、等価処理として、平均化処理を行い、平均化信号を出力してもよい。
【0190】
図23に示される如く、第1選択部212Aには、Rフレーム画像信号SRx(3)が入力される。また、第1選択部212Aには、第1等価部211Aから選択信号SRx(1),SRx(2)が順次入力される。第1選択部212Aは、第1走査期間において、選択信号SRx(1)を出力する。第1走査期間に後続する第2走査期間において、第1選択部212Aは、選択信号SRx(2)を出力する。第2走査期間に後続する第3走査期間において、第1選択部212Aは、Rフレーム画像信号SRx(3)を出力する。かくして、第1選択部212Aは、選択信号SRx(1),SRx(2)及びRフレーム画像信号SRx(3)を、走査期間に応じて、順次、出力部221Aに出力することができる。
【0191】
第2遅延部215Aには、第1等価部211Aから選択信号SRx(1),SRx(2)が順次入力される。第2遅延部215Aは、選択信号SRx(1),SRx(2)を所定期間保持する。第2遅延部215Aは、第1走査期間に後続する第2走査期間において、選択信号SRx(1d)を第2補正部218Aに出力する。第2遅延部215Aは、第2走査期間に後続する第3走査期間において、選択信号SRx(2d)を第2補正部218Aに出力する。尚、選択信号SRx(1d)が保持する輝度データは、選択信号SRx(1)が保持する輝度データと等しい。また、選択信号SRx(2d)が保持する輝度データは、選択信号SRx(2)が保持する輝度データと等しい。
【0192】
第3遅延部216Aには、第2等価部214Aから選択信号SLx(1),SLx(2)が順次入力される。第3遅延部216Aは、選択信号SLx(1),SLx(2)を所定期間保持する。第3遅延部216Aは、第1走査期間に後続する第2走査期間において、選択信号SLx(1)を第2補正部218Aに出力する。第3遅延部216Aは、第2走査期間に後続する第3走査期間において、選択信号SLx(2)を第2補正部218Aに出力する。尚、選択信号SLx(1d)が保持する輝度データは、選択信号SLx(1)が保持する輝度データと等しい。また、選択信号SLx(2d)が保持する輝度データは、選択信号SLx(2)が保持する輝度データと等しい。
【0193】
図13、図22乃至図25を用いて、第1補正部217が説明される。
【0194】
第1等価部211Aの等価演算部261は、選択信号SRx(1)を第1補正部217に出力する一方で、選択信号SRx(2)を第1補正部217に出力しない。同様に、第2等価部214Aの等価演算部263は、選択信号SLx(1)を第1補正部217に出力する一方で、選択信号SLx(2)を第1補正部217に出力しない。等価演算部261,263の信号出力の切り替えは、例えば、カウンタ262,264のカウント値に基づくものであってもよい。
【0195】
第1補正部217は、図13に関連して説明された原理に従って、選択信号SRx(1),SLx(1)に基づいて、画素グループG11内の画素に共通する駆動輝度(等価輝度)を決定する。その後、第1補正部217は、第1補正信号CRx(1)を出力する。
【0196】
図22乃至図25を用いて、第2補正部217が説明される。
【0197】
第1等価部211Aの等価演算部261は、選択信号SRx(2)を第2補正部218Aに出力する一方で、選択信号SRx(1)を第2補正部218Aに出力しない。同様に、第2等価部214Aの等価演算部263は、選択信号SLx(2)を第2補正部218Aに出力する一方で、選択信号SLx(1)を第2補正部218Aに出力しない。等価演算部261,263の信号出力の切り替えは、例えば、カウンタ262,264のカウント値に基づくものであってもよい。
【0198】
図26及び図27は、第2補正部218Aが格納する第2補正テーブルの概念図である。図26は、第2走査期間における第2補正テーブルを示す。図27は、第3走査期間における第2補正テーブルを示す。図14、図22乃至図24並びに図26及び図27を用いて、第2補正部218Aが説明される。尚、以下の説明において、第1等価部211A及び第2等価部214Aは、選択処理を行っている。代替的に、第1等価部211A及び第2等価部214Aは、平均化処理を行っていてもよい。
【0199】
第2補正部218Aは、第2補正信号を生成するための第2補正テーブル223Aを格納する。第2補正テーブル223Aは、第2走査動作及び第3走査動作が開始されるときに画素が達成している輝度に対する期待値をそれぞれ決定するための期待値テーブル224Aと、期待値とフレーム画像信号とに基づき、第2走査が行われるときの駆動輝度を決定するための決定テーブル225Aと、を含む。
【0200】
期待値テーブル224Aは、第1実施形態と同様の調整テーブル227に加えて、入力テーブル226Aを含む。第2補正部218Aは、カウンタ265を備える。入力テーブル226A及び決定テーブル225Aは、カウンタ265のカウント値に基づき、座標軸の切り替えを行う。
【0201】
カウンタ265のデフォルト値は、例えば、「0」に設定される。したがって、第2走査期間に出力される第2補正信号CRx(2)が生成されるときのカウンタ265のカウント値は、「0」に設定される。
【0202】
第2補正部218Aは、カウンタ265のカウント値が「0」であるとき、3次元マトリックス状の構成された入力テーブル226Aの第1座標軸AX1を第2等価部214Aから直接的に入力された選択信号SLx(2)に対応させる。また、第2補正部218Aは、入力テーブル226Aの第2座標軸AX2を第2遅延部215Aから出力された選択信号SRx(1d)に対応させる。更に、第2補正部218Aは、入力テーブル226Aの第3座標軸AX3を第3遅延部216Aから出力された選択信号SLx(1d)に対応させる。
【0203】
第2補正部218Aは、図14に関連して説明された原理に従って、入力テーブル226Aを用いて、仮期待値を決定する。その後、第2補正部218Aは、調整テーブル227を用いて、仮期待値を画素の位置に応じて調整し、期待値を決定する。
【0204】
第2走査期間において、決定テーブル225Aは、第1座標軸BX1と第2座標軸BX2とを備える。第1座標軸BX1は、専ら、期待値テーブル224Aを用いて決定された期待値に対応する。
【0205】
第2補正部218Aは、カウンタ265のカウント値が「0」であるとき、決定テーブル225Aの第2座標軸BX2を第1等価部211Aから直接的に出力された選択信号SRx(2)に対応させる。第2補正部218Aは、図14に関連して説明された原理に従って、決定テーブル225Aを用いて、第2補正値を決定し、第2補正信号CRx(2)を出力する。
【0206】
カウンタ265は、第2補正部218Aが第2補正信号CRx(2)を出力すると、カウント値を「0」から「1」に繰り上げる。
【0207】
入力テーブル226Aの第2座標軸AX2及び第3座標軸AX3は、専ら、第2遅延部215A及び第3遅延部216Aからの出力それぞれに対応する。したがって、カウンタ265のカウント値が「1」であるとき(即ち、第3走査期間において)、第2座標軸AX2には、選択信号SRx(1d)に続いて、選択信号SRx(2d)が入力される。また、第3座標軸AX3には、選択信号SLx(1d)に続いて、選択信号SLx(2d)が入力される。更に第2座標軸AX2は、前回入力された選択信号SRx(1d)のデータを保持する。また、第3座標軸AX3は、前回入力された選択信号SLx(1d)を保持する。
【0208】
第2補正部218Aは、カウンタ265のカウント値が「1」であるとき、入力テーブル226Aの第1座標軸AX1を切り替え、第1遅延部213から出力されたLフレーム画像信号SLx(3)に対応させる。第2補正部218Aは、図14に関連して説明された原理に従って、入力テーブル226Aを用いて、仮期待値を決定する。その後、第2補正部218Aは、調整テーブル227を用いて、仮期待値を画素の位置に応じて調整し、期待値を決定する。
【0209】
第2補正部218Aは、カウンタ265のカウント値が「1」であるとき、決定テーブル225Aの第2座標軸BX2を切り替え、Rフレーム画像信号SRx(3)に対応させる。第2補正部218Aは、図14に関連して説明された原理に従い、決定テーブル225Aを用いて、第2補正値を決定し、第3補正信号CRx(3)を出力する。
【0210】
図21乃至図24を用いて、第1選択部212A、第2選択部219A及び出力部221Aが説明される。
【0211】
第1選択部212Aには、第1等価部211Aから出力された選択信号SRx(1),SRx(2)及びRフレーム画像信号SRx(3)が入力される。第1選択部212Aは、第1走査期間に、選択信号SRx(1)を出力部221Aに出力する。第1選択部212Aは、第2走査期間に、選択信号SRx(2)を出力部221Aに出力する。第1選択部212Aは、第3走査期間に、Rフレーム画像信号SRx(3)を出力部221A出力する。
【0212】
第2選択部219Aには、第1補正部217から出力された第1補正信号CRx(1)並びに第2補正部218Aから出力された第2補正信号CRx(2)及び第3補正信号CRx(3)が入力される。第2選択部219Aは、第1走査期間に第1補正信号CRx(1)を出力部221Aに出力する。第2選択部219Aは、第2走査期間に第2補正信号CRx(2)を出力部221Aに出力する。第2選択部219Aは、第3走査期間に第3補正信号CRx(3)を出力部221Aに出力する。
【0213】
出力部221Aは、第1走査期間において、第1選択部212Aから出力された選択信号SRx(1)の輝度データと第1補正信号CRx(1)の補正データとを加算し、第1画像信号を生成する。第1画像信号は、液晶駆動部220Aに出力される。
【0214】
出力部221Aは、第2走査期間において、第1選択部212Aから出力された選択信号SRx(2)の輝度データと第2補正信号CRx(2)の補正データとを加算し、第2画像信号を生成する。第2画像信号は、液晶駆動部220Aに出力される。
【0215】
出力部221Aは、第3走査期間において、第1選択部212Aから出力されたRフレーム画像信号SRx(3)の輝度データと第3補正信号CRx(3)の補正データとを加算し、第3画像信号を生成する。第3画像信号は、液晶駆動部220Aに出力される。
【0216】
液晶駆動部220Aは、第1走査期間において、第1画像信号を走査する。液晶駆動部220Aは、第2走査期間において、第2画像信号を走査する。液晶駆動部220Aは、第3走査期間において、第3画像信号を走査する。かくして、Rフレーム画像信号SRx(3)に対応して、3回の走査動作が行われる。
【0217】
(輝度データ)
図28は、第1等価部211Aによる選択処理による輝度データの変化を例示する。図29は、第2等価部214Aによる選択処理による輝度データの変化を例示する。図22乃至図24並びに図28及び図29を用いて、輝度データの変化が説明される。
【0218】
図28及び図29には、データ線M上に整列する画素P1乃至P4が示されている。画素P1は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P2は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P3は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P4は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。
【0219】
図28に示される如く、X番目のRフレーム画像信号SRx(3)は、画素P1に対して、「80」の輝度を規定している。Rフレーム画像信号SRx(3)は、画素P2に対して、「70」の輝度を規定している。Rフレーム画像信号SRx(3)は、画素P3に対して、「60」の輝度を規定している。Rフレーム画像信号SRx(3)は、画素P4に対して、「50」の輝度を規定している。
【0220】
第1等価部211Aは、画素P1乃至画素P4を含む画素グループG11を設定する。第1等価部211Aは、Rフレーム画像信号SRx(3)が画素P1に対して規定した「80」の輝度を選択し、画素グループG11中の画素P1乃至P4全てに対して「80」の輝度を設定する。この結果、第1等価部211Aは、画素グループG11内の画素P1乃至P4に対して「80」の輝度を規定する選択信号SRx(1)を出力する。
【0221】
第1等価部211Aは、画素P1及び画素P2を含む画素グループG21を設定する。第1等価部211Aは、Rフレーム画像信号SRx(3)が画素P1に対して規定した「80」の輝度を選択し、画素グループG21中の画素P1及び画素P2に対して「80」の輝度を設定する。第1等価部211Aは、画素P3及び画素P4を含む画素グループG22を設定する。第1等価部211Aは、Rフレーム画像信号SRx(3)が画素P3に対して規定した「60」の輝度を選択し、画素グループG22中の画素P3及び画素P4に対して「60」の輝度を設定する。この結果、第1等価部211Aは、画素グループG21内の画素P1,P2に対して「80」の輝度を規定し、画素グループG22内の画素P3,P4に対して「60」の輝度を規定する選択信号SRx(2)を出力する。
【0222】
図29に示される如く、X番目のLフレーム画像信号SLx(3)は、画素P1に対して、「30」の輝度を規定している。Lフレーム画像信号SLx(3)は、画素P2に対して、「40」の輝度を規定している。Lフレーム画像信号SLx(3)は、画素P3に対して、「70」の輝度を規定している。Lフレーム画像信号SLx(3)は、画素P4に対して、「80」の輝度を規定している。
【0223】
第2等価部214Aは、画素P1乃至画素P4を含む画素グループG11を設定する。第2等価部214Aは、Lフレーム画像信号SLx(3)が画素P1に対して規定した「30」の輝度を選択し、画素グループG11中の画素P1乃至P4全てに対して「30」の輝度を設定する。この結果、第2等価部214Aは、画素グループG11内の画素P1乃至P4に対して「30」の輝度を規定する選択信号SLx(1)を出力する。
【0224】
第2等価部214Aは、画素P1及び画素P2を含む画素グループG21を設定する。第2等価部214Aは、Lフレーム画像信号SLx(3)が画素P1に対して規定した「30」の輝度を選択し、画素グループG21中の画素P1及び画素P2に対して「30」の輝度を設定する。第2等価部214Aは、画素P3及び画素P4を含む画素グループG22を設定する。第2等価部214Aは、Lフレーム画像信号SLx(3)が画素P3に対して規定した「70」の輝度を選択し、画素グループG22中の画素P3及び画素P4に対して「70」の輝度を設定する。この結果、第1等価部211Aは、画素グループG21内の画素P1,P2に対して「30」の輝度を規定し、画素グループG22内の画素P3,P4に対して「70」の輝度を規定する選択信号SRx(2)を出力する。
【0225】
図30は、第1補正部217中の輝度変化を示す。図22乃至図24並びに図30を用いて、第1補正部217中の輝度変化が説明される。
【0226】
図30には、データ線M上に整列する画素P1乃至P4が示されている。画素P1は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P2は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P3は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P4は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。
【0227】
第1補正部217は、第1等価部211Aが出力した選択信号SRx(1)と第2等価部214Aが出力した選択信号SLx(1)とを比較する。上述の如く、選択信号SRx(1)が画素グループG11内の画素P1乃至P4に規定する輝度は「80」であり、選択信号SLx(1)が画素グループG11内の画素P1乃至P4に規定する輝度は「30」であるので、第1補正部217は、例えば、「10」の第1補正値を決定し、画素グループG11内の画素P1乃至P4に対して「10」の第1補正値を規定する第1補正信号CRx(1)を出力する。
【0228】
出力部221Aは、第1選択部212Aから出力された選択信号SRx(1)が規定する輝度データと、第2選択部219Aから出力された第1補正信号CRx(1)が規定する第1補正値のデータとを加算する。上述の如く、選択信号SRx(1)が画素グループG11内の画素P1乃至P4に規定する輝度は「80」であり、第1補正信号CRx(1)が画素グループG11内の画素P1乃至P4に対して規定する第1補正値は「10」であるので、出力部221Aは、画素グループG11内の画素P1乃至P4に対して「90」の駆動輝度(等価輝度)を規定する第1画像信号IRx(1)を出力する。
【0229】
図31は、第2走査期間における期待値の算出工程の概念図である。図26及び図31を用いて、第2走査期間における期待値の算出工程が説明される。
【0230】
図31には、データ線M上に整列する画素P1乃至P4が示されている。画素P1は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P2は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P3は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P4は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。
【0231】
第2走査期間において、第2補正部218Aの入力テーブル226Aには、第2遅延部215Aから出力された選択信号SRx(1d)、第3遅延部216Aから出力された選択信号SLx(1d)及び第2等価部214Aから出力された選択信号SLx(2)が入力される。上述の如く、選択信号SRx(1d)の輝度データは、選択信号SRx(1)の輝度データと等しいので、選択信号SRx(1d)は、画素P1乃至P4に対して、「80」の輝度を規定している。また、選択信号SLx(1d)の輝度データは、選択信号SLx(1)の輝度データと等しいので、選択信号SLx(1d)は、画素P1乃至P4に対して、「30」の輝度を規定している。上述の如く、第2等価部214Aから出力された選択信号SLx(2)は、画素グループG21に含まれる画素P1,P2に対して、「30」の輝度を規定する。また、選択信号SLx(2)は、画素グループG22に含まれる画素P3,P4に対して、「70」の輝度を規定する。
【0232】
第2補正部218Aは、選択信号SLx(2)の輝度データに基づき、画素グループG21内の画素P1,P2は、第1走査期間開始時において「30」の輝度を有すると判定する。また、選択信号SRx(1d),SLx(1d)間の画素P1,P2の輝度差と第1走査期間開始時における画素P1,P2の輝度(「30」の輝度)とに基づき、第2走査期間が開始するときに、画素グループG21内の画素P1,P2の輝度が、例えば、「65」の輝度を達成すると、第2補正部218Aは判定する。したがって、第2補正部218Aは、画素グループG21内の画素P1,P2に対して、「65」の仮期待値を決定する。
【0233】
第2補正部218Aは、選択信号SLx(2)の輝度データに基づき、画素グループG22内の画素P3,P4は、第1走査期間開始時において「70」の輝度を有すると判定する。また、選択信号SRx(1d),SLx(1d)間の画素P3,P4の輝度差と第1走査期間開始時における画素P3,P4の輝度(「70」の輝度)とに基づき、第2走査期間が開始するときに、画素グループG22内の画素P3,P4の輝度が、例えば、「85」の輝度を達成すると、第2補正部218Aは判定する。したがって、第2補正部218Aは、画素グループG22内の画素P3,P4に対して、「85」の仮期待値を決定する。
【0234】
尚、以下の説明において、説明を明瞭化のため、画素P1乃至P4は、比較的早期に走査され、調整テーブル227による仮期待値の調整量は「0」である。したがって、仮期待値の値は、期待値と同値である。
【0235】
図32は、第2補正信号CRx(2)の生成工程の概念図である。図26及び図32を用いて、第2補正信号CRx(2)の生成工程が説明される。
【0236】
図32には、データ線M上に整列する画素P1乃至P4が示されている。画素P1は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P2は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P3は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。画素P4は、ゲート線Lとデータ線Mとの交点に位置する。
【0237】
第2補正部218Aは、第1等価部211Aが出力した選択信号SRx(2)と期待値テーブル224Aを用いて取得された期待値とを比較する。上述の如く、選択信号SRx(2)が画素グループG21内の画素P1,P2に規定する輝度は「80」であり、画素P1,P2が第2走査期間の開始時に達成している輝度に対する期待値は、「65」であるので、第2補正部218Aは、例えば、「10」の第2補正値を決定する。また、選択信号SRx(2)が画素グループG22内の画素P3,P4に規定する輝度は「60」であり、画素P3,P4が第2走査期間の開始時に達成している輝度に対する期待値は、「85」であるので、第2補正部218Aは、例えば、「−10」の第2補正値を決定する。かくして、第2補正部218Aは、画素グループG21内の画素P1,P2に対して「10」の第2補正値を規定し、画素グループG22内の画素P3,P4に対して「−10」の第2補正値を規定する第2補正信号CRx(2)を出力する。
【0238】
出力部221Aは、第1選択部212Aから出力された選択信号SRx(2)が規定する輝度データと、第2選択部219Aから出力された第2補正信号CRx(2)が規定する第2補正値のデータとを加算する。上述の如く、選択信号SRx(2)が画素グループG21内の画素P1,P2に規定する輝度は「80」であり、第1補正信号CRx(1)が画素グループG21内の画素P1,P2に対して規定する第2補正値は「10」であるので、出力部221Aは、画素グループG21内の画素P1,P2に対して「90」の駆動輝度(等価輝度)を規定する第2画像信号IRx(2)を出力する。
【0239】
図33乃至図36は、第3走査期間における駆動輝度の設定を説明するグラフである。図33は、画素P1の輝度の変動を表すグラフである。図34は、画素P2の輝度の変動を表すグラフである。図35は、画素P3の輝度の変動を表すグラフである。図36は、画素P4の輝度の変動を表すグラフである。図21、図23及び図24、図27乃至図29並びに図33乃至図36を用いて、第3走査期間における駆動輝度の設定が説明される。
【0240】
図27に関連して説明された如く、入力テーブル226Aは、第2走査期間に入力された選択信号SRx(1d),SLx(1d)のデータを保持する。また、入力テーブル226Aには、第3走査期間において、第1遅延部213からのLフレーム画像信号SLx(3)、第2遅延部215Aからの選択信号SRx(2d)及び第3遅延部216Aからの選択信号SLx(2d)が入力される。これらの信号(選択信号SRx(1d),SLx(1d),SRx(2d),SLx(2d)並びにLフレーム画像信号SLx(3))に基づいて、第2補正部218Aは、第1走査期間及び第2走査期間における画素P1乃至P4の輝度の変動を把握することができる。
【0241】
図33に示される如く、第2補正部218Aは、選択信号SRx(1d),SLx(1d),SRx(2d),SLx(2d)並びにLフレーム画像信号SLx(3)が含むデータに基づいて、画素P1は、第1走査期間において、「30」から「65」へ輝度を変え、その後、第2走査期間において、「65」から「85」へ輝度を変えることを推定する。かくして、期待値テーブル224Aは、「85」の輝度の期待値を出力する。
【0242】
決定テーブル225Aには、「85」の輝度の期待値に加えて、Rフレーム画像信号SRx(3)が入力される。図28に示される如く、Rフレーム画像信号SRx(3)は、画素P1に対して「80」の目標輝度を規定する。第2補正部218Aは、「85」の輝度の期待値と「80」の目標輝度とを比較し、第3画像信号が「75」の駆動輝度を規定するように第3補正値を決定する。この結果、第3補正信号CRx(3)は、画素P1に対して、「−5」の補正値を規定する。
【0243】
図34に示される如く、第2補正部218Aは、選択信号SRx(1d),SLx(1d),SRx(2d),SLx(2d)並びにLフレーム画像信号SLx(3)が含むデータに基づいて、画素P2は、第1走査期間において、「40」から「65」へ輝度を変え、その後、第2走査期間において、「65」から「85」へ輝度を変えることを推定する。かくして、期待値テーブル224Aは、「85」の輝度の期待値を出力する。
【0244】
決定テーブル225Aには、「85」の輝度の期待値に加えて、Rフレーム画像信号SRx(3)が入力される。図28に示される如く、Rフレーム画像信号SRx(3)は、画素P2に対して「70」の目標輝度を規定する。第2補正部218Aは、「85」の輝度の期待値と「70」の目標輝度とを比較し、第3画像信号が「60」の駆動輝度を規定するように第3補正値を決定する。この結果、第3補正信号CRx(3)は、画素P2に対して、「−10」の補正値を規定する。
【0245】
図35に示される如く、第2補正部218Aは、選択信号SRx(1d),SLx(1d),SRx(2d),SLx(2d)並びにLフレーム画像信号SLx(3)が含むデータに基づいて、画素P3は、第1走査期間において、「70」から「85」へ輝度を変え、その後、第2走査期間において、「85」から「65」へ輝度を変えることを推定する。かくして、期待値テーブル224Aは、「65」の輝度の期待値を出力する。
【0246】
決定テーブル225Aには、「65」の輝度の期待値に加えて、Rフレーム画像信号SRx(3)が入力される。図28に示される如く、Rフレーム画像信号SRx(3)は、画素P3に対して「60」の目標輝度を規定する。第2補正部218Aは、「65」の輝度の期待値と「60」の目標輝度とを比較し、第3画像信号が「60」の駆動輝度を規定するように第3補正値を決定する。この結果、第3補正信号CRx(3)は、画素P3に対して、「0」の補正値を規定する。
【0247】
図36に示される如く、第2補正部218Aは、選択信号SRx(1d),SLx(1d),SRx(2d),SLx(2d)並びにLフレーム画像信号SLx(3)が含むデータに基づいて、画素P4は、第1走査期間において、「80」から「85」へ輝度を変え、その後、第2走査期間において、「85」から「65」へ輝度を変えることを推定する。かくして、期待値テーブル224Aは、「65」の輝度の期待値を出力する。
【0248】
決定テーブル225Aには、「65」の輝度の期待値に加えて、Rフレーム画像信号SRx(3)が入力される。図28に示される如く、Rフレーム画像信号SRx(3)は、画素P3に対して「50」の目標輝度を規定する。第2補正部218Aは、「65」の輝度の期待値と「50」の目標輝度とを比較し、第3画像信号が「45」の駆動輝度を規定するように第3補正値を決定する。この結果、第3補正信号CRx(3)は、画素P3に対して、「−5」の補正値を規定する。
【0249】
図33乃至図36に示されるように、第3走査期間の終了時には、画素P1乃至P4の輝度は、Rフレーム画像信号SRx(3)が規定する目標輝度に近似する値となる。第3走査期間の後、右眼シャッタ312が開かれる。かくして、視聴者は、クロストークが少ない映像を視聴することができる。
【0250】
図37は、第1走査動作、第2走査動作及び第3走査動作によって得られる空間スペクトルを概略的に示すグラフである。図38は、第1走査動作、第2走査動作及び第3走査動作によって描かれるオブジェクトを例示する。図38(a)は、第1走査動作によって描かれるオブジェクトを示す。図38(b)は、第1走査動作によって描かれるオブジェクトを示す。図38(c)は、第1走査動作によって描かれるオブジェクトを示す。
【0251】
第1実施形態及び第2実施形態に共通する原理は、先行して描かれるオブジェクトよりも後続の走査動作によって描かれるオブジェクトの解像度が高い点に特徴づけられる。オブジェクトの解像度が高いならば、空間周波数は高くなる。オブジェクトの解像度が低いならば、空間周波数は低くなる。
【0252】
一般的に、空間周波数が低い領域ほど、クロストークが視聴者に知覚されやすい。図38に示されるように、早期に行われる第1走査動作によって、低い空間周波数の領域の描画が達成される。後続の第2走査動作及び第3走査動作によって、高い空間周波数の領域の描画が順次なされる。したがって、液晶の応答が不十分であっても、クロストークが知覚されやすい領域の描画は、早期に完了しているので、視聴者はほとんどクロストークを知覚しない。かくして、クロストークを生じにくい液晶パネル231の駆動が達成される。
【0253】
(単回走査と多回走査との比較)
図39は、従来技術と同様の単回走査動作から得られる輝度変化を示す。図40は、第2実施形態に関連して説明された3回の走査動作から得られる輝度変化を示す。図39及び図40のセクション(a)は、Rフレーム画像を表示するための走査動作及び右眼シャッタの開期間を示す。図39及び図40のセクション(b)は、液晶パネルの上部の画素グループの輝度変化を示す。図39及び図40のセクション(c)は、液晶パネルの下部の画素グループの輝度変化を示す。尚、Lフレーム画像信号は、画素グループ内の画素それぞれに対して、「0」の輝度を規定している。Rフレーム画像信号は、画素グループ内の最上位の画素に対して、「100」の目標輝度を規定し、2番目に上方に位置する画素に対して「90」の目標輝度を規定し、3番目に上方に位置する画素に対して「80」の目標輝度を規定し、最下位の画素に対して、「70」の目標輝度を規定している。
【0254】
図39及び図40に示される如く、単回の走査動作及び多回の走査動作を通じて、上部の画素グループの画素は、右眼シャッタが開かれるまでに、Rフレーム画像信号が規定する目標輝度に略到達している。しかしながら、単回の走査動作では、下部の画素グループに対する走査動作が遅すぎるため、下部の画素グループの輝度は、目標輝度から大きく逸脱している。一方、多回の走査動作では、下部の画素グループに対応する液晶の駆動は、第2回目の走査動作が開始される直前で開始されるので、下部の画素グループの輝度は、目標輝度に近似した値となる。したがって、多回の走査動作の結果、視聴者に知覚されるクロストークは低減される。
【0255】
<第3実施形態>
図41は、第3実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図41を用いて、第3実施形態に係る映像視聴システムの概略的な構成が説明される。尚、第2実施形態に関連して説明された要素と同様の要素に対しては、同様の符号が付されている。以下の説明において、第1実施形態及び第2実施形態との相違点が主に説明される。第1実施形態及び第2実施形態と同様の特徴に対して、第1実施形態及び第2実施形態に関連する説明が援用される。
【0256】
(映像視聴システム)
映像視聴システム100Bは、第1実施形態に関連して説明された眼鏡装置300に加えて、表示装置200Bを備える。表示装置200Bは、第2実施形態に関連して説明された表示装置200Aと同様に、Lフレーム画像とRフレーム画像とを交互に表示する。
【0257】
表示装置200Bは、第2実施形態に関連して説明された表示装置200Aと同様に、表示部230、第1制御部250、第2制御部240及び映像信号処理部210Aを備える。表示装置200Bは、液晶駆動部220Bを更に備える。
【0258】
第2実施形態と同様に、映像信号処理部210Aは、第1画像信号、第2画像信号及び第3画像信号を、順次、出力する。液晶駆動部220Bは、第1画像信号、第2画像信号及び第3画像信号を液晶パネル231の表示面に亘って順次走査する。以下の説明において、第1画像信号を用いた液晶駆動部220Bの走査動作は、第1走査動作と称される。第2画像信号を用いた液晶駆動部220Bの走査動作は、第2走査動作と称される。第3画像信号を用いた液晶駆動部220Bの走査動作は、第3走査動作と称される。また、液晶駆動部220Bが第1走査動作を行っている期間は、第1走査期間と称される。液晶駆動部220Bが第2走査動作を行っている期間は、第2走査期間と称される。液晶駆動部220Bが第3走査動作を行っている期間は、第3走査期間と称される。
【0259】
(液晶駆動部)
図42は、液晶駆動部220Bの走査動作を概略的に示す。図41及び図42を用いて、液晶駆動部220Bの走査動作が説明される。
【0260】
液晶駆動部220Bは、下方に向けて画像信号を副走査する副走査動作と、上方へ向けて画像信号を副走査する副走査動作と、を実行する。図42に示されるように、例えば、液晶駆動部220Bは、第1走査期間及び第3走査期間において、下方に向けて画像信号を副走査し、第2走査期間において、上方に向けて画像信号を副走査してもよい。代替的に、液晶駆動部220Bが、第3走査期間において、下方に向けて画像信号(第3画像信号)を副走査するならば、第1走査期間及び第2走査期間のうち少なくとも一方の期間において、液晶駆動部220Bは、上方に向けて画像信号(第1画像信号及び/又は第2画像信号)を副走査してもよい。液晶駆動部220Bが、第3走査期間において、上方に向けて画像信号(第3画像信号)を副走査するならば、第1走査期間及び第2走査期間のうち少なくとも一方の期間において、液晶駆動部220Bは、下方に向けて画像信号(第1画像信号及び/又は第2画像信号)を副走査してもよい。本実施形態において、第3走査期間における液晶駆動部220Bの副走査動作の方向は、第1方向として例示される。また、第3走査期間における液晶駆動部220Bの副走査動作の方向と反対の副走査動作の方向は第2方向として例示される。第3走査期間における液晶駆動部220Bの副走査動作の方向と反対の副走査動作が行われている期間は、逆副走査期間として例示される。例えば、図42に示される第2走査期間は、逆副走査期間として例示される。
【0261】
(第2実施形態と第3実施形態との比較)
図43は、視聴者に知覚されるオブジェクトの差異を概略的に示す概念図である。図43(a)は、本実施形態の原理に従って、描画され、視聴者に知覚されるオブジェクトを例示する。図43(a)は、第2実施形態の原理に従って、描画され、視聴者に知覚されるオブジェクトを例示する。図21、図41乃至図43を用いて、視聴者に知覚されるオブジェクトの差異が説明される。
【0262】
第2実施形態の表示装置200Aの液晶駆動部220Aは、第1走査期間、第2走査期間及び第3走査期間を通じて、下方に向けて副走査動作を行う。一方、第3実施形態の表示装置200Bの液晶駆動部220Bは、第1走査期間及び第3走査期間において、下方に向けて第1画像信号及び第3画像信号を副走査し、第2走査期間において、上方に向けて第2画像信号を副走査する。
【0263】
第2実施形態の原理に従うと、液晶パネル231の下部領域は、第1走査期間、第2走査期間及び第3走査期間を通じて、遅れて、画像信号の走査がなされる。この結果、液晶パネル231の上部領域におけるクロストークと比べて、液晶パネル231の下部領域におけるクロストークは知覚されやすくなる。また、液晶パネル231の上部領域におけるオブジェクトの解像度と比べて、液晶パネル231の下部領域におけるオブジェクトの解像度は低くなりやすい。
【0264】
本実施形態の原理に従うと、液晶駆動部220Bの走査動作が遅れる領域は、変動する。この結果、液晶パネル231の上部領域と下部領域との間での画質の差異は、比較的小さくなる。
【0265】
図44は、液晶駆動部220Bの他の走査動作を概略的に示す概念図である。図41乃至図44を用いて、液晶駆動部220Bの他の走査動作が説明される。
【0266】
液晶駆動部220Bの走査動作が行われる液晶パネル231の表示面は、上部領域と下部領域とに分割して概念付けられてもよい。液晶駆動部220Bは、各走査期間において、上部領域及び下部領域のうち一方に対して、走査動作を行った後、他方の領域に対して走査動作を行う。上部領域に対する走査動作に対して、好ましくは、少なくとも1つの逆走査期間が設定される。同様に、下部領域に対する走査動作に対して、好ましくは、少なくとも1つの逆副走査期間が設定される。液晶パネル231の表示面を概念的に分割し、本実施形態の原理に従う走査動作が行われることにより、図43に関連して説明された走査動作の遅延領域の分散効果が高められる。この結果、視聴者は、より均質な映像を視聴することができる。
【0267】
本実施形態に関連して説明された原理は、3回の走査動作だけでなく、2回或いは3を超える回数の走査動作にも適用される。
【0268】
<第4実施形態>
第4実施形態において、上述の一連の実施形態の原理の拡張手法が説明される。上述の一連の実施形態の原理に基づき、多数回(例えば、4回或いはそれ以上)の走査動作を1つのフレーム画像に対して行うことができる。
【0269】
図45は、第4実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図45を用いて、第4実施形態に係る映像視聴システムの概略的な構成が説明される。尚、上述の一連の実施形態に関連して説明された要素と同様の要素に対しては、同様の符号が付されている。以下の説明において、上述の一連の実施形態の原理の拡張手法が主に説明される。上述の一連の実施形態と同様の特徴に対して、上述の一連の実施形態に関連する説明が援用される。
【0270】
(映像視聴システム)
映像視聴システム100Cは、第1実施形態に関連して説明された眼鏡装置300に加えて、表示装置200Cを備える。表示装置200Cは、第1実施形態に関連して説明された表示装置200と同様に、Lフレーム画像とRフレーム画像とを交互に表示する。
【0271】
表示装置200Cは、第1実施形態に関連して説明された表示部230、第1制御部250、第2制御部240に加えて、映像信号処理部210C及び液晶駆動部220Cを備える。
【0272】
第1実施形態に関連して説明された映像信号処理部210と同様に、映像信号処理部210Cには、基本となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。映像信号処理部210Cから第1制御部250及び第2制御部240への制御信号の出力処理は、第1実施形態に関連して説明された信号処理と同様である。
【0273】
映像信号処理部210Cは、1つのフレーム画像信号に対して、第1画像信号乃至第N画像信号を液晶駆動部220Cに順次出力する(Nは、2以上の整数)。液晶駆動部220Cは、第1画像信号乃至第N画像信号を液晶パネル231の表示面に亘って順次走査する。以下の説明において、第n画像信号を用いた液晶駆動部220Cの走査動作は、第n走査動作と称される(nは、1以上N未満の整数)。第N画像信号を用いた液晶駆動部220Aの走査動作は、第N走査動作と称される。また、液晶駆動部220Aが第n走査動作を行っている期間は、第n走査期間と称される。液晶駆動部220Aが第N走査動作を行っている期間は、第N走査期間と称される。
【0274】
第3実施形態の原理に従い、液晶駆動部220Cが、第N走査期間において、下方への走査動作を行うならば、第n走査期間において、上方への副走査を行ってもよい。また、液晶駆動部220Cが、第N走査期間において、上方への走査動作を行うならば、第n走査期間において、下方への副走査を行ってもよい。
【0275】
(映像信号処理部)
図46は、本実施形態に従う表示装置200Cの映像信号処理部210Cの機能構成を概略的に示すブロック図である。図45及び図46を用いて、映像信号処理部210Cが説明される。
【0276】
映像信号処理部210Cは、第1実施形態に関連して説明された第1遅延部213及び第1補正部217に加えて、第1等価部211C、第1選択部212C、第2等価部214C、第2遅延部215C、第3遅延部216C、第2補正部218C、第2選択部219C及び出力部221Cを備える。
【0277】
(等価部)
図47及び図48は、第1等価部211C及び第2等価部214Cの概略的なブロック図である。図47(a)及び図48(a)は、第1等価部211Cのブロック図である。図47(b)及び図48(b)は、第2等価部214Cのブロック図である。
【0278】
図47に示される第1等価部211C及び第2等価部214Cは、平均化信号を出力している。図48に示される第1等価部211C及び第2等価部214Cは、平均化信号を出力している。平均化信号及び選択信号の生成は、第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された原理に従う。
【0279】
図47に示される第1等価部211C及び第2等価部214Cが、例えば、第(n+1)走査期間における走査動作のために平均化信号を出力しているならば、図48に示される第1等価部211C及び第2等価部214Cは、第1乃至第n走査期間のいずれかの走査期間における走査動作のために選択信号を出力している。或いは、図48に示される第1等価部211C及び第2等価部214Cが、例えば、第(n+1)走査期間における走査動作のために選択信号を出力しているならば、図47に示される第1等価部211C及び第2等価部214Cは、第1乃至第n走査期間のいずれかの走査期間における走査動作のために平均化信号を出力している。かくして、液晶駆動部220Cは、平均輝度に基づき設定された等価信号と、選択輝度に基づき設定された等価信号とに基づき走査動作を実行することができる。
【0280】
第1等価部211Cは、等価演算部261Cとカウンタ262Cとを備える。また、第2等価部214Cは、等価演算部263Cとカウンタ264Cとを備える。カウンタ262C,264Cは、等価演算部261C,263Cの演算回数をカウントする。等価演算部261C,263Cは、カウンタ262C,264Cのカウント値に応じて、平均化処理及び選択処理を選択的に行ってもよい。代替的に、等価演算部261C,263Cは、他の条件(入力されたフレーム画像信号が規定する輝度のばらつきといった条件)に応じて、平均化処理と選択処理とを切り替えてもよい。
【0281】
上述の一連の実施形態に関連して説明された如く、平均化処理及び選択処理で用いられる画素の数に応じて、液晶パネル231に描画される画像の解像度は変動する。本実施形態において、第1走査期間乃至第N走査期間の間に描かれる画像の解像度は、常に、増大しなくともよい。例えば、第(n+1)走査期間に描かれる画像の解像度は、第n走査期間に描かれる画像の解像度と等しくてもよい。
【0282】
第1等価部211C及び第2等価部214Cは、第2実施形態に関連して説明された原理に従って、カウンタ262C,264Cのカウント値に従って、平均化信号又は選択信号の出力先を切り替えてもよい。
【0283】
(遅延部)
図46を用いて、第2遅延部215C及び第3遅延部216Cが説明される。
【0284】
第2遅延部215Cには、第1等価部211Cからの出力信号(平均化信号又は選択信号)が順次入力される。第2遅延部215Cは、第n走査期間に第1等価部211Cから出力された出力信号を第(n+1)走査期間に出力する。
【0285】
第3遅延部216Cには、第2等価部214Cからの出力信号(平均化信号又は選択信号)が順次入力される。第3遅延部216Cは、第n走査期間に第2等価部214Cから出力された出力信号を第(n+1)走査期間に出力する。
【0286】
(補正処理)
図46を用いて、補正処理が説明される。
【0287】
(第1走査期間)
上述の一連の実施形態と同様に、第1補正部217は、第1走査期間に用いられる第1画像信号の生成のための第1補正信号を生成する。
【0288】
(第2乃至第(N−1)走査期間)
図49は、第2補正部218Cが有する第2補正テーブル223Aを示す。図46及び図49を用いて、第2乃至第(N−1)走査期間における補正信号の生成が説明される。
【0289】
第2乃至第N走査期間における第2乃至第(N−1)補正信号の生成は、第2実施形態に関連して説明された第2補正部218Aの原理に従う。本実施形態の液晶処理部218Cは、第2実施形態の第2補正部218Aと同様に第2補正テーブル223Aを備える。
【0290】
第2実施形態に関連して説明された如く、入力テーブル226Aは、第n走査期間までに第2遅延部215C,第3遅延部216Cから入力された信号が含む情報を逐次格納する。第(n+1)走査期間において、第2等価部214Cから(n+1)回目の出力信号を受けると、第n走査期間までに蓄積された情報と第(n+1)走査期間において入力された情報とに基づき、期待値テーブル224Aは、期待値を出力する。第2補正部218Cは、その後、決定テーブル225Aを用いて、第2乃至第(n+1)補正信号を順次出力する。尚、入力テーブルは、第n走査期間までに第2遅延部215C,第3遅延部216Cから入力された信号全てを格納しなくてもよい。例えば、(n+1)回目の走査動作時において、第2遅延部及び第3遅延部から入力された信号(n回目の走査動作時に設定された平均輝度又は選択輝度の情報を含む信号)に基づき、第2補正部は、(n+1)回目の走査動作用の駆動輝度を設定してもよい。
【0291】
(第N走査期間)
図50は、第2補正部218Cが有する第2補正テーブル223Aを示す。図46及び図50を用いて、第N走査期間における補正信号の生成が説明される。
【0292】
第N走査期間における第N補正信号の生成は、第2実施形態に関連して説明された第2補正部218Aの原理に従う。本実施形態の第2補正部218Cは、第2実施形態の第2補正部218Aと同様に第2補正テーブル223Aを備える。
【0293】
第2実施形態に関連して説明された如く、入力テーブル226Aは、第(N−1)走査期間までに第2遅延部215C,第3遅延部216Cから入力された信号が含む情報を逐次格納する。第N走査期間において、第1遅延部213から先行して表示されるフレーム画像を表す先行フレーム画像信号を受けると、第(N−1)走査期間までに蓄積された情報と第N走査期間において入力された先行フレーム画像信号の情報とに基づき、期待値テーブル224Aは、期待値を出力する。第2補正部218Cは、その後、決定テーブル225Aを用いて、第N補正信号を出力する。
【0294】
(選択部)
図46を用いて、第1選択部212C及び第2選択部219Cが説明される。
【0295】
第1選択部212Cには、フレーム画像信号及び第1等価部211Cによって生成された平均化信号又は選択信号が入力される。第1選択部212Cは、第1走査期間に、第1の平均化信号又は選択信号(第1走査期間に第1等価部211Cが生成した信号)を出力し、第n走査期間に第nの平均化信号又は選択信号(第n走査期間に第1等価部211Cが生成した信号)を出力する。第N走査期間に、フレーム画像信号を出力する。
【0296】
第2選択部219Cには、第1補正部217からの補正信号及び第2補正部218Cからの補正信号が入力される。第2選択部219Cは、第1走査期間に第1補正部217によって生成された補正信号を出力する。第2選択部219Cは、第2乃至第N走査期間に第2補正部218Cによって生成された補正信号を順次出力する。
【0297】
(出力部)
図46を用いて、出力部221Cが説明される。
【0298】
上述の如く、第1選択部212C及び第2選択部219Cは、出力部221Cに順次信号を入力する。第1走査期間において、出力部は、第1等価部211Cによって生成された平均化信号又は選択信号が含む輝度データと第1補正部217によって生成された補正信号が含む補正値データとを加算し、第1画像信号(等価信号)を生成する。第2乃至第(N―1)走査期間において、出力部221Cは、第1等価部211Cによって生成された平均化信号又は選択信号が含む輝度データと、第2補正部218Cによって生成された補正信号が含む補正値データとを加算し、第2乃至第(N−1)画像信号(等価信号)を順次生成する。第N走査期間において、出力部221Cは、フレーム画像信号と第2補正部218Cによって生成された補正信号が含む補正値データとを加算し、第N画像信号を生成する。
【0299】
出力部221Cは、第1乃至第N画像信号を、順次、液晶駆動部220Cへ出力する。液晶駆動部は、第1乃至第N画像信号を、順次、走査する。
【0300】
上述の様々な実施形態において、先行するフレーム画像の輝度レベルや画素の位置といった様々な要素に基づき、液晶を駆動するための駆動輝度が設定される。駆動輝度の設定に用いられた様々な要素に加えて、他の要素が考慮されてもよい。例えば、液晶パネルの温度分布及び/又は液晶の応答速度や画素の輝度に影響する他の要素が、駆動輝度を設定するために用いられてもよい。
【0301】
上述の一連の実施形態において、オーバードライブ処理に基づき、駆動輝度が設定されている。代替的に、オーバードライブ処理を行うことなく、駆動輝度が設定されてもよい。
【0302】
オーバードライブ処理がなされないならば、オーバードライブ処理に用いられる第1遅延部、第2等価部、第2遅延部、第3遅延部、第1補正部、第2補正部及び第2選択部は省略されてもよい。例えば、第1等価部は、走査回数に応じて、画素グループを設定し、平均化信号又は選択信号を第1選択部に出力する。第1選択部は、走査回数に応じて、平均化信号又は選択信号或いはRフレーム画像信号又はLフレーム画像信号を、出力部を介して、液晶駆動部へ出力する。かくして、比較的簡素化された信号処理の下、多回の走査動作が実行される。
【0303】
上述の一連の実施形態において、Lフレーム画像とRフレーム画像とが交互に表示される立体映像のクロストークが説明されている。2次元的に映像を知覚させるための複数のフレーム画像に対しても、上述の一連の実施形態に関連して説明された原理は適用される。先行するフレーム画像と後続のフレーム画像との輝度差に起因する2次元映像上でのクロストークは、上述の一連の実施形態に関連して説明された原理によって、好適に低減される。
【産業上の利用可能性】
【0304】
本発明は、クロストークの低減が可能な表示装置及び映像視聴システムとして好適である。
【符号の説明】
【0305】
100,100A,100B,100C・・・映像視聴システム
200,200A,200B,200C・・・表示装置
210,210A,210C・・・・・・・・映像信号処理部
220,220A,220B,220C・・・液晶駆動部
224,224A・・・・・・・・・・・・・期待値テーブル
231・・・・・・・・・・・・・・・・・・液晶パネル
300・・・・・・・・・・・・・・・・・・眼鏡装置
311・・・・・・・・・・・・・・・・・・左眼シャッタ
312・・・・・・・・・・・・・・・・・・右眼シャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム画像が表示される表示面を含む液晶パネルと、
前記フレーム画像を表示するためのフレーム画像信号に基づき、異なる解像度の画像を表す複数の書込画像信号を生成する生成部と、
前記複数の書込画像信号を、前記表示面に亘って走査するN回(Nは2以上の整数)の走査動作を実行し、前記液晶パネルを駆動する液晶駆動部と、を備え、
n回(nは1以上N未満の整数)の前記走査動作によって走査された前記書込画像信号は、(n+1)回目の前記走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの前記書込画像信号を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記フレーム画像は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを、含み、
前記液晶パネルは、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示面に表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記液晶駆動部は、前記少なくとも1つの書込画像信号を、前記(n+1)回目の書込画像信号を書き込む期間よりも短い期間で書き込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記Nは、2乃至4のうちいずれかの整数であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記液晶駆動部は、第1方向及び該第1方向とは反対の第2方向に選択的に副走査するように形成され、
前記N回目の走査動作が行われる期間において、前記第1方向への副走査が行われるならば、前記n回の走査動作が行われる期間は、前記第2方向への副走査が行われる少なくとも1つの逆副走査期間を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示面は、副走査方向に整列した複数の画素を含む画素グループを含み、
前記n回目の走査動作によって走査された前記書込画像信号は、前記画素グループ内の前記画素に共通する等価輝度を規定する等価信号を含み、
前記n回目の走査動作を実行する液晶駆動部は、前記等価輝度に向けて、前記画素グループ内の前記画素に対応する液晶それぞれを同時に駆動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記等価輝度は、前記フレーム画像信号が前記画素グループ内の前記画素それぞれに対して規定した目標輝度が平均化された平均輝度又は前記画素グループ内の画素それぞれに対する前記目標輝度から選択された選択輝度に基づき設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記(n+1)回目の前記走査動作によって走査された前記書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す前記少なくとも1つの前記書込画像信号に対応する前記画素グループよりも少ない数の画素を含む前記画素グループに基づき、前記(n+1)回目の走査動作によって走査される前記書込画像信号の生成のために用いられる駆動輝度を設定し、
前記液晶駆動部は、前記駆動輝度に向けて、前記画素に対応する液晶を駆動することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記n回目の走査動作は、前記平均輝度に基づき設定された前記等価信号を前記表示面に亘って走査する走査動作及び前記選択輝度に基づき設定された前記等価信号を前記表示面に亘って走査する走査動作のうち一方であることを特徴とする請求項7又は8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記フレーム画像信号は、先行して表示される先行フレーム画像を表示するための先行画像信号と、前記先行フレーム画像の後に表示される後続フレーム画像を表示するための後続画像信号と、を含み、
前記生成部は、前記先行画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度と、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度と、に基づき、前記駆動輝度を設定し、
前記液晶駆動部は、前記駆動輝度に向けて、前記液晶を駆動し、
前記先行画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度が、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも大きいならば、前記駆動輝度は、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも小さくなるように決定され、
前記先行画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度が、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも小さいならば、前記駆動輝度は、前記後続画像信号に基づき設定された前記平均輝度又は前記選択輝度よりも大きくなるように決定されることを特徴とする請求項7乃至9いずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記生成部は、(n+1)回目の走査動作が開始されるときに前記画素が達成している輝度に対する期待値に関する期待値データを格納する期待値テーブルを備え、
前記駆動輝度は、前記期待値に基づき設定され、
前記駆動輝度を設定するための前記期待値は、n回目の走査動作時に設定された前記平均輝度又は前記選択輝度に基づき、決定されることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
N回目の前記走査動作を行う前記液晶駆動部は、前記画素グループの前記画素に対応する液晶を順次駆動することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示し、立体的に知覚される画像を提供する表示装置と、
前記左眼用フレーム画像が視聴されるように前記左眼へ到達する光量を調整する左眼フィルタと、前記右眼用フレーム画像が視聴されるように前記右眼へ到達する光量を調整する右眼フィルタ、とを含む眼鏡装置と、を備え、
前記表示装置は、
前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、表示面に表示する液晶パネルと、
前記複数の書込画像信号を、前記表示面に亘って走査するN回(Nは2以上の整数)の走査動作を実行し、前記液晶パネルを駆動する液晶駆動部と、を備え、
n回(nは1以上N未満の整数)の前記走査動作によって走査された前記書込画像信号は、(n+1)回目の前記走査動作によって走査された書込画像信号と比べて低い解像度の画像を表す少なくとも1つの前記書込画像信号を含むことを特徴とする映像視聴システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate


【公開番号】特開2012−137630(P2012−137630A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290204(P2010−290204)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】