説明

表示装置及び表示方法

【課題】記録媒体の数の増加に伴って、記録時と同一の記録媒体が挿入されているか否か、又は記録媒体が正しい記録媒体挿入部に挿入されているか否かを判断できないという課題がある。
【解決手段】表示装置100は、映像データと映像データが記録された記録媒体を識別する記録先識別情報とが記録された複数の記録媒体を挿入可能な複数の記録媒体挿入部120〜136と、記録媒体挿入部120〜136に挿入された記録媒体を識別する識別情報を取得するとともに、記録先識別情報を取得する記録媒体制御部と、記録媒体制御部で取得した識別情報と記録先識別情報とを比較し、記録時に装着された記録媒体と同一の記録媒体が挿入されているかを検出し、不一致の程度に応じて、異なる警告をモニタ110に表示するよう制御する表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の記録媒体を挿入可能な複数の記録媒体挿入部を含む表示装置に関するものであり、特に挿入された記録媒体が適切な記録媒体挿入部に挿入されているかを表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像データのような大量のデータを記録する場合には、転送速度性能と記録容量を向上させるために、データを複数の記録メディアに振り分けて記録するストライピング記録が一般的に知られている。
【0003】
複数の記録メディアに振り分けて記録した映像データを再生する際には、記録時と同一の記録メディアの組を挿入する必要があるが、記録メディアの数の増加に伴い、記録メディアを管理するのが困難であるという課題がある。
【0004】
データを複数の記録メディアに記録する技術として、特許文献1に開示の技術がある。特許文献1において、記録制御装置は、複数の磁気ディスク装置それぞれに、各磁気ディスク装置を識別するための識別情報を記録するとともに、フラッシュメモリに、複数の磁気ディスク装置それぞれに記録した識別情報を記憶させる。そして、複数の磁気ディスク装置それぞれに記録された識別情報と、フラッシュメモリの記憶内容とを比較することにより、磁気ディスク装置が交換されたかどうかを認識することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−212732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、記録媒体が交換されたかどうかを識別することができるものの、記録媒体の数の増加に伴って、記録時と同一の記録媒体が挿入されているか否か、又は記録媒体が正しい記録媒体挿入部に挿入されているか否かを判断できないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するものであり、表示装置は、映像データと前記映像データが記録された記録媒体を識別する記録先識別情報とが記録された複数の記録媒体を挿入可能な複数の記録媒体挿入部と、前記記録媒体挿入部に挿入された記録媒体を識別する識別情報を取得するとともに、前記記録先識別情報を取得する記録媒体制御部と、情報を表示する表示部と、前記記録媒体制御部で取得した前記識別情報と前記記録先識別情報とを比較し、記録時に装着された記録媒体と同一の記録媒体が挿入されているかを検出し、不一致の程度に応じて、異なる警告を前記表示部に表示するよう制御する表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によって、表示装置は、複数の記録媒体について、記録時と同一の記録媒体が挿入されているか否か、又は記録媒体が正しい記録媒体挿入部に挿入されているか否かを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1における表示装置の構成を示す図
【図2】実施の形態1における表示装置の内部構成を示すブロック図
【図3】実施の形態1における表示装置の記録時の動作を示すフローチャート
【図4】実施の形態1における表示装置の再生時の動作を示すフローチャート
【図5】実施の形態1における表示装置で記録媒体を跨って記録された記録媒体の挿入状態を作成するフローチャート
【図6】実施の形態1における表示装置で記録媒体の挿入状態を作成するフローチャート
【図7】実施の形態1における表示装置で記録媒体の挿入状態を示す画面を表す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、表示装置の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
(1.表示装置の構成)
図1は、実施の形態1における表示装置の外観構成を模式的に示す図である。本実施の形態の表示装置100は、モニタ110と記録媒体挿入部120〜136と操作パネル140で構成される。記録媒体挿入部120〜136は、それぞれ、記録媒体を挿入できるスロットを2つ有している。
【0012】
図2は表示装置の内部構成を示すブロック図である。ユーザーが各種操作を行うため操作パネル140と、各種情報を表示するためのモニタ110と、記録するための映像信号が入力される映像入力I/F206と、記録媒体挿入部120〜136と、映像入力I/F206から入力される映像信号や関連情報の記録媒体224〜257への記録・再生を制御する記録媒体制御部207〜223と、各種操作に対応するプログラムが保存されるROM(Read−Only Memory)202と、ROM202に保存されているプログラムを読出し実行するCPU(Central Processing Unit)201と、各種データを一時的に保管しておくRAM(Random−Access Memory)203で構成される。記録媒体挿入部120〜136は、それぞれ記録媒体制御部207〜223に対応する。
【0013】
モニタ110は、液晶パネルで構成される。モニタ110は液晶パネルに限らず、CRT(Cathode Ray Tube)でもよいし、プラズマディスプレイであってもよい。
【0014】
操作パネル140は、複数の操作キーや、操作ボタンや、操作ダイヤルにより構成される。
【0015】
記録媒体挿入部120〜136に挿入される記録媒体224〜257は、半導体メモリカードである。記録媒体224〜257は、半導体メモリカードに限らず、データを記録でき、記録媒体を一意に識別する情報を保持するものであればよく、光ディスクや、ハードディスク等であってもよい。
【0016】
(2−1.表示装置の記録時の動作)
図3は本実施の形態の表示装置を用いて記録を行う処理の手順を示すフローチャートである。S301にて、映像入力I/F206より入力される映像信号がモニタ110に表示される。S302にて、ユーザーにより所望のタイミングで操作パネル140を用いて記録開始の操作が行われると、操作パネル140は記録開始コマンドをCPU201に伝える。
【0017】
S303にて、CPU201は、記録開始コマンドに応じたプログラムをROM202から読出して実行する。CPU201は、映像入力I/F206から入力される映像信号を一旦RAM203に溜めた後、分割して記録媒体制御部208〜223へ送る。各記録媒体制御部は、CPU201にて分割送信されてきた映像信号を記録媒体挿入部121〜136の第1のスロットに挿入された記録媒体226〜241にクリップとして記録を開始すると同時に、記録媒体のIDを記録媒体224〜257から読出しRAM203に保存する。ただし、第1のスロットに挿入された記録媒体226〜241が一杯になった場合は、自動的に第2のスロットに挿入されている記録媒体242〜257に対して記録を継続する。ここで、クリップは記録開始から記録終了までの一連の映像信号を称したものである。
【0018】
S304にて、ユーザーにより所望のタイミングで、操作パネル140を用いて記録停止の操作が行われると、操作パネル140は記録終了コマンドをCPU201に伝える。CPU201は、記録停止コマンドに応じたプログラムをROM202から読出して実行を開始する。CPU201は、映像入力I/F206から入力される映像信号を各記録媒体制御部へ分割送信するのをやめ、クリップとしての記録を停止するよう各記録媒体制御部へ指示する。
【0019】
S305にて、CPU201は、各記録媒体制御部に対して、記録に用いた記録媒体のIDを問い合わせる。各記録媒体制御部は、CPU201の問い合わせに対し、S303にてRAM203に保存していた記録媒体のIDとその記録媒体が挿入されていたスロット番号と各記録媒体制御部に対応する機器番号を一組の記録媒体情報としてCPU201に通知する。
【0020】
CPU201は全ての記録媒体制御部から記録媒体情報を集め終わると、記録媒体制御部207に保存するよう指示し、記録媒体制御部207に全記録媒体情報を送信する。記録媒体制御部207は送られた全記録媒体情報をクリップ関連情報として記録媒体224又は225に記録する。
【0021】
(2−2.表示装置の再生時の動作)
図4は本実施の形態の表示装置を用いて再生を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【0022】
S401にて、ユーザーがプロパティ表示したいクリップを操作パネル140にて選択してプロパティ表示の操作を行うと、操作パネル140はプロパティ表示コマンドをCPU201に通知する。
【0023】
S402にて、CPU201はプロパティ表示コマンドに応じたプログラムをROM202から読出して実行する。CPU201は、S401にて選択されたクリップに対応した記録媒体情報を取得するよう記録媒体制御部207に通知する。記録媒体制御部207は選択されたクリップに対応するクリップ関連情報を記録媒体224又は225から読出し、CPU201に通知する。
【0024】
S403にて、CPU201は、各記録媒体制御部に対して、現在挿入されている記録媒体のIDを問い合わせる。各記録媒体制御部は、CPU201の問い合わせに対し、現在挿入されている記録媒体のIDを読出し、挿入されていたスロット番号と各記録媒体制御部に対応する機器番号を一組の記録媒体情報として、CPU201に通知する。
【0025】
S404にて、CPU201は、ユーザーの選択したクリップの関連情報と、現在挿入されている記録媒体224〜257の記録媒体情報を基に、図5もしくは図6に示すフローチャートに従って、プロパティ表示画面を作成する(後述)。
【0026】
S405にて、CPU201は、S404にて作成したプロパティ表示画面をモニタ110に表示するよう指示する。図7に、プロパティ表示画面の一例を示す。図7において、ClipNameは選択したクリップを識別する情報であり、AAK09E0001等で示される情報は、記録時の記録媒体のIDである。記録媒体のIDを表示するにあたって、その文字色と背景色とを、以下に示すフローチャートに従って変更する。
【0027】
図5は2枚の記録媒体に跨ってクリップが記録されている場合の、プロパティ表示画面作成のフローチャートである。
【0028】
S501にて、CPU201は、記録時に使用した記録媒体IDが現在挿入されている記録媒体情報の中に含まれるならば、記録媒体IDの文字色を黒にし、含まれないなら、記録媒体IDの文字色を赤色にする。
【0029】
S502にて、CPU201は、現在挿入されている記録媒体IDが、クリップ関連情報の中に含まれないなら背景色を橙に、含まれるならS503に進む。
【0030】
S503にて、現在挿入されている記録媒体は、記録時に挿入されていた機器番号と一致していないなら、S504へ進み、一致しているならS505に進む。
【0031】
S504にて、現在挿入されている記録媒体ともう一つのスロットに挿入されている記録媒体の組合せが、記録時と同じであれば、背景色を緑にし、異なるのであれば、背景色を黄色にする。
【0032】
S505にて、記録時に挿入されていたスロットと一致しているなら、背景色を白にし、異なるなら、背景色を青にする。
【0033】
図6は1枚の記録媒体にクリップが記録されている場合のプロパティ表示画面作成のフローチャートである。
【0034】
S601にて、CPU201は、記録時に使用した記録媒体IDが現在挿入されている記録媒体情報の中に含まれるならば、記録媒体IDの文字色を黒にし、含まれないなら、記録媒体IDの文字色を赤色にする。
【0035】
S602にて、CPU201は、現在挿入されている記録媒体IDが、クリップ関連情報の中に含まれるならばS604に進み、含まれないならば、S603に進む。
【0036】
S603にて、CPU201は、現在挿入されている記録媒体の別スロットにも記録時に使用した記録媒体が挿入されているなら背景色を白にし、挿入されていないなら背景色を赤にする。
【0037】
S604にて、現在挿入されている記録媒体は記録時に挿入されていた機器番号と一致しないならS605に進み、一致しているならS606に進む。
【0038】
S605にて、現在挿入されている記録媒体ともう一つのスロットに挿入されている記録媒体が記録媒体情報の中に含まれるなら背景色を黄に、含まれないなら背景色を緑にする。
【0039】
S606にて、記録時に挿入されていたスロットと一致しているなら、背景色を白にし、異なるなら、背景色を青にする。
【0040】
ユーザーは、図5又は図6のフローチャートに従って表示されるプロパティ表示画面を基に、記録媒体の差し替えを行い、それぞれのスロットに記録時と同じ記録媒体が挿入された状態に変更する。
【0041】
背景色が橙色のスロットに挿入された記録媒体は、スロットからはずす。その後、ユーザーは文字色が赤色のIDを持つ記録媒体を、スロットに挿入されていない記録媒体の中から探し、その記録媒体をスロットに挿入する。これにより、本来スロットに挿入されるべき記録媒体が全てスロットに挿入された状態となる。
【0042】
次に背景色が黄色のスロットに挿入された記録媒体をはずす。その後、はずした記録媒体が記録時にペアリングされていた記録媒体のIDをプロパティ表示画面で確認する。記録時のペアリングが再現されるように、ペアリングされていた記録媒体のIDが現在挿入されているスロットとペアとなる、もう片方のスロットに挿入されている記録媒体と、はずした記録媒体とを入れ替える。この操作を背景色が黄色のスロットがなくなるまで続ける。
【0043】
次に、背景色が緑色のスロットに挿入された記録媒体は、記録時の機器番号と一致するように、他の緑色のスロットに挿入された記録媒体とペアリングを保ちながら入れ替える。この操作を背景色が緑色のスロットがなくなるまで続ける。
【0044】
次に、背景色が青色のスロットに挿入された記録媒体は、ペアリングを保ちながら、お互いのスロットを入れ替える。この操作を背景色が青色のスロットがなくなるまで続ける。これにより、記録時における記録媒体の挿入状態が復元する。
(3.まとめ)
複数の記録媒体に対し、ストライピング記録する機器において、記録媒体の挿入状態を記録時と同じ状態をユーザーが保つことは困難であり、間違った状態で挿入してしまい、再生出来ない状態に陥っても、本実施の形態の表示装置を用いることによって、容易に記録時の状態を再現することが可能である。
【0045】
(その他の実施の形態)
本実施の形態では、記録媒体挿入部を17個、文字色を赤と黒、背景色を青、緑、黄、橙、白として説明しているが、これは説明を簡単にするためであり、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本実施の形態にかかる表示装置は、複数の記録媒体について、記録時と異なる記録媒体が挿入されているか否か、正しい記録媒体挿入部に挿入されているか否かを表示することができ、業務用の映像データの再生装置等に適用することができ、有用である。
【符号の説明】
【0047】
100 表示装置
110 モニタ
120〜136 記録媒体挿入部
140 操作パネル
201 CPU
202 ROM
203 RAM
206 映像入力I/F
207〜223 記録媒体制御部
224〜257 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データと前記映像データが記録された記録媒体を識別する記録先識別情報とが記録された複数の記録媒体を挿入可能な複数の記録媒体挿入部と、
前記記録媒体挿入部に挿入された記録媒体を識別する識別情報を取得するとともに、前記記録先識別情報を取得する記録媒体制御部と、
情報を表示する表示部と、
前記記録媒体制御部で取得した前記識別情報と前記記録先識別情報とを比較し、記録時に装着された記録媒体と同一の記録媒体が挿入されているかを検出し、不一致の程度に応じて、異なる警告を前記表示部に表示するよう制御する表示制御部と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
記録時とは異なる記録媒体の挿入、及び記録時とは異なる記録媒体挿入部への記録媒体の挿入を検出し、前記表示部に異なる警告を表示するよう制御する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記記録媒体挿入部は、
ペアリングされた2つの記録媒体毎に挿入可能であり、
前記表示制御部は、
記録時とは異なるペアリングの記録媒体の前記記録媒体挿入部への挿入を検出し、前記表示部に異なる警告を表示するよう制御する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
映像データと前記映像データが記録された記録媒体を識別する記録先識別情報とが記録された複数の記録媒体を挿入可能な複数の記録媒体挿入部を含む表示装置における、挿入された記録媒体の適否を表示する表示方法であって、
前記記録媒体挿入部に挿入された記録媒体を識別する識別情報を取得するとともに、前記記録先識別情報を取得する記録媒体制御工程と、
前記記録媒体制御工程で取得した前記識別情報と前記記録先識別情報とを比較し、記録時に装着された記録媒体と同一の記録媒体が挿入されているかを検出し、不一致の程度に応じて、異なる警告を表示部に表示するよう制御する表示工程と、
を含む表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−204100(P2011−204100A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71965(P2010−71965)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】