説明

表示装置

【課題】
本発明は、画面に外光が当たって画面が見え難い場合であっても、利用者から画面を見ることができる表示装置を提供する。
【解決手段】
本表示装置は、画面11の前面にタッチパネル12が付設された画像を表示する表示部10と、複数の利用者Aの位置を検出する利用者検出部30と、表示部10に当たる外光を検出する外光検出部40と、利用者Aが外光の影響を受けないように外光の光量を変える制御部60とを備える。
外光の光量が所定値以上のとき、制御部60は、検出された各利用者Aの位置と反射光の向きから、各利用者Aが反射光によって画面11が見難いか否かを判断し、画面11が見難いと判断したとき、制御部60は、外光の光量を変えて、複数の利用者Aに画像を見えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面に画像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型の画面を有する表示装置が開発されている。この大型の画面を有する表示装置は、商品発表や企画説明といったプレゼンテーションで利用されることが多い。
【0003】
しかし、画像を表示する画面が大きいと、照明機器や日光といった外光が画面に当たる可能性が高くなる。例えば、表示装置の前方から照明機器からの光が画面に照らされている場合、その光の当たり具合によっては、画面を見る利用者は、画面が見づらくなることがある。そのため、効果的なプレゼンテーションを行なうことができない問題があった。
【0004】
ところで、特許文献1には、人体検出センサを備え、人の接近を検出すると照明機器の光量を低下させる照明装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−337064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1は、利用者の有無によって外光の光量を変える。そのため、利用者が居るときに外光の光量を低減させることで、画面が見づらくなることを防止する効果はある。
【0006】
しかし、利用者の有無に応じて光量を変えると、画面を正常に見ることができる状態であっても外光の光量を低減させてしまう。そのため、光量を変えるための無駄な制御をする問題がある。また、プレゼンテーションを行なっている場合において、むやみに光量を変えると、手元資料が見にくい状態になり、利用者に不便をもたらす問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、画面に外光が当たって画面が見え難い場合であっても、利用者から画面を見ることができる表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、画像を表示する画面を有する表示部と、前記画面に当たる外光を検出する外光検出部と、前記画面を見る複数の利用者の位置を検出する利用者検出部と、前記利用者が前記外光の影響を受けないように前記外光の光量を変える制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
画面に外光が当たると、その反射光によって利用者は画面が見え難くなる。そこで、制御部は、外光によって前記利用者が影響を受けないように外光の光量を変える。これにより、表示装置は、利用者が外光の反射光によって画面が見え難くなることを防止する。
【0010】
具体的には、外光検出部は、画面に当たる外光があるか否かを検出する。画面に外光が当たることを検出すると、外光検出部は、外光の当たる画面上のピーク位置、すなわち、一番外光があたる位置を検出する。
【0011】
制御部は、検出したピーク位置に当たる外光の入射角を算出する。例えば、外光を受光する複数のラインセンサを備えた外光検出部を、表示部の左右方向の両端に配置する。制御部は、外光検出部のラインセンサに当たる外光のピーク位置から、画面に当たる外光の入射角を算出する。そして、制御部は、算出した入射角から反射光の向きを特定する。
【0012】
利用者検出部は、画面を見る複数の利用者、すなわち、画面の前方にいる複数の利用者の位置を検出する。例えば、利用者検出部は、表示部の前方を撮像する撮像素子を備え、前記撮像素子によって表示部の前方を撮像する。制御部は、複数の利用者を特定するための認識パターンを記憶しておき、撮像された利用者画像とあらかじめ記憶する認識パターンとでパターンマッチングをし、利用者の位置を特定する。
【0013】
制御部は、反射光の向きが利用者の位置に向いているときに、外光の光量を変える。例えば、外光が表示部の前方にある照明機器から照射されている場合、制御部は、前記照明機器の光量を制御する。外光が表示部の前方にある日光から照射されている場合、制御部は、日光から画面までの光の経路にカーテンやフィルム等の遮蔽部材を用いて日光の光量を制御する。具体的には、表示装置は、可動式の遮蔽部材を備えており、反射光の向きが利用者の位置に向いているとき、制御部は、遮蔽部材を可動させて光を遮蔽する。
【0014】
ところで、外光の光量の制御は、利用者が画面を見難いと感じるとき、例えば、各種実験により算出して決められた所定値より外光の光量が明るいときに行なう。また、外光の光量の制御は、反射光の向きと各利用者の位置に応じて決定する。例えば、反射光の向きが各利用者の位置と一致しないときは外光の光量を変えない。あるいは、各利用者の位置から前記利用者が存在する存在範囲を特定し、反射光が前記存在範囲外に向いているときは外光の光量を変えない。
【0015】
なお、前記存在範囲は、画像から個々の利用者を認識して利用者の位置を特定し、前記利用者の位置から左右に位置する利用者を基準にして決める。
【0016】
画面に当たる外光の光量が少ない場合、例えば、あらかじめ決められた所定値よりも外光の光量が少ない場合、画面が見え難くなることはない。そこで、外光検出部は、ピーク位置の光量を検出し、前記光量が所定値未満の場合、制御部は、外光の光量を変えない。これにより、制御部は、余計に外光の光量を変える必要が少なくなる。
【0017】
外光としては、太陽光、室内照明等が考えられる。そのため、外光は、外光検出部の上方向から当たる場合が多い。そこで、上方向から当たる外光が外光検出部の中央に集光するように、集光部を備える。これにより、外光検出部は、より画面に当たる外光を検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、画面に当たる外光の反射光の向きに応じて、外光の光量を変えることにより、外光の反射光によって画面が見え難くなることを防止できる。したがって、利用者は、画面上に表示された画像を確実に見ることができる。
【0019】
特に、プレゼンテーションを行なっている場合において、所定値よりも明るい外光の反射光が利用者に当たったときに、外光の光量を変えるので、外光が明るいからといった理由によってむやみに光量を変えることを防止できるので、各利用者に対して、見易い画面を提供するとともに、手元資料が見にくくなる状況をできるだけ軽減する表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の表示装置を詳細に説明する。
【0021】
本発明の表示装置は、指や専用のタッチペンといった入力ツールによって表示部10に入力された画像を表示するものである。表示装置は、商品発表や企画説明といったプレゼンテーションで利用される。そのため、表示装置は、画面に当たる外光、特に室内に備えられる照明機器90からの光の反射光によって、表示部10の画面11に表示された画像が複数の利用者Aから見難くなったときに、照明機器90の光源91の光量を変えて各利用者Aから見えるようにする機能を備える。
【0022】
表示装置は、図1および図2に示すように、画像を表示する表示部10と、前記表示部10を支持する台座20と、複数の利用者Aの位置を検出する利用者検出部30と、照明機器90の光源91を検出する外光検出部40と、光源91の光量を調整する制御信号送信部50と、それら装置を制御する制御装置60とから構成される。
【0023】
表示部10は、画像を表示する画面11と、画面11の表面を覆うように取り付けられたタッチパネル12と、表示部10を支持する土台53と、画面11と土台53とを連結する連結部51とから構成される。表示部10は、台座20の支持台22の上面に配置される。画面11は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等であり、制御装置60からの指示に基づいて、入力された画像を表示する。
【0024】
タッチパネル12は、専用の透明なスクリーンから形成される。タッチパネル12は、図3に示すように、赤外線等の光を投射するLEDアレイ13x,13yと、LEDアレイ13x,13yから投射された光を受光するフォトトランジスタアレイ14x,14yとを備える。LEDアレイ13x,13yおよびフォトトランジスタアレイ14x,14yによって、タッチパネル12に対する入力操作を検出する入力センサが構成される。
【0025】
LEDアレイ13x,13yは、画面11のX方向に光を投射するX方向LEDアレイ13xと、Y方向に光を投射するY方向LEDアレイ13yとから構成される。各LEDアレイ13x,13yは、タッチパネル12の各辺に沿って複数備えられる。X方向LEDアレイ13xは、タッチパネル12の下辺に配置され、Y方向LEDアレイ13yは、タッチパネル12の左辺に配置される。
【0026】
フォトトランジスタアレイ14x,14yは、X方向LEDアレイ13xから投射された光を受光するX方向フォトトランジスタアレイ14xと、Y方向LEDアレイ13yから投射された光を受光するY方向フォトトランジスタアレイ14yとから構成される。各フォトトランジスタアレイ14x,14yは、タッチパネル12の各辺に沿って複数備えられる。X方向フォトトランジスタアレイ14xは、タッチパネル12の上辺に配置され、Y方向フォトトランジスタアレイ14yは、タッチパネル12の右辺に配置される。
【0027】
入力センサは、入力ツールで触れた位置を赤外線遮断方式によって検出する。具体的には、利用者Aが入力ツールによってタッチパネル12の表面に触れると、LEDアレイ13x,13yから投射された光が、入力ツールにより遮断される。そのため、一部のフォトトランジスタアレイ14x,14yでは、光を受光することができない。LEDアレイ13x,13yから投射される光を受光しなかったフォトトランジスタアレイ14x,14yの座標を確認し、その座標を入力ツールが触れた位置の座標と特定する。
【0028】
台座20は、床面と接触する基台21と、表示部10を載置する支持台22と、基台21と支持台22を連結する2つの脚部23とを備える。
【0029】
基台21の底面には、表示装置の移動を容易にするための移動用車輪(キャスタ)24と、地震や移動の際に表示装置が転倒しないようにするための転倒防止脚とを備える。基台21の上面には、画面11に表示した画像をプリントするプリンタ70が配設される。
【0030】
支持台22の下面には、画面11に表示するための画像を取り込むためのスキャナ80が配設される。
【0031】
利用者検出部30は、表示部10に対向する位置にいる複数の利用者A、例えば、画面11に表示されている画像を見ている複数の利用者Aの位置を検出する。具体的には、利用者検出部30は、表示部10の前方を撮像する撮像素子を備える。利用者検出部30は、表示部10の中央の上方に設置される。利用者検出部30は、所定のタイミングで撮像する。例えば、定期的、あるいは、制御部60からの指示に基づいて撮像する。利用者検出部30は、撮像した利用者画像を制御部60に出力する。
【0032】
外光検出部40は、画面に当たる照明機器90からの光を検出する。外光検出部40は、照明機器90からの光を受光する2つのラインセンサ40L,40Rと、各ラインセンサ40L,40Rに対して照明機器90からの光を集光する集光部41とを備える。
【0033】
2つのラインセンサ40L,40Rは、複数の感光部が1列に配置されたものである。各ラインセンサ40L,40Rは、表示部10の長手方向に沿って設けられる。各ラインセンサ40L,40Rは、表示部10の左右両端の上方にそれぞれ設置される。
【0034】
感光部は、光を受光するものであって、それぞれに番号が決められている。本実施形態では、ラインセンサL40Lは、ラインセンサL40Lに向かって左からSL0、SL1、SL2・・・SL100と決められている。ラインセンサR40Rは、ラインセンサR40Rに向かって左からSR0、SR1、SR2・・・SR100と決められている。
【0035】
外光検出部40は、照明機器90からの光の有無を検出する。照明機器90からの光が有ることを検出すると、外光検出部40は、照明機器90からの光が当たった各ラインセンサ40L,40Rの感光部の番号を検出し、制御部60に出力する。また、外光検出部40は、各ラインセンサ40L,40Rに当たった照明機器90からの光の光量を検出する。外光検出部40は、検出した光量を制御部60に出力する。
【0036】
照明機器90からの光は、外光検出部40の前側上方向から来る場合が多い。集光部41は、図4に示すように、前側上方向から来る外光をラインセンサ40L,40Rの中央に集光するためのレンズである。例えば、ラインセンサ40L,40Rの長手方向に延びるシリンドリカルレンズである。集光部41は、各ラインセンサ40L,40Rの表面を覆うように取り付けられ。
【0037】
制御信号送信部50は、制御部60からの指示に基づいて、照明機器90に備えられた光源91の光量を制御する光源制御部92と通信する。具体的には、制御信号送信部50は、光源制御部92とケーブルあるいは無線によって接続される。記憶部62は、あらかじめ照明機器90の機種毎の通信周波数のデータテーブルを記憶する。制御信号送信部50は、通信周波数のデータテーブルから照明機器90に対応した通信周波数を抽出して、送受信可能に設定する。
【0038】
制御部60が検出した光量から光源91の光量を変える必要があると判断したとき、制御信号送信部50は、制御部60からの指示に基づいて制御信号を生成し、光源制御部92に送信する。そして、光源制御部92は、受信した制御信号に基づいて、光源91の光量を制御する。なお、外光検出部40が検出した光量が所定値未満のとき、制御信号送信部50は、光源91の光量を変えない。
【0039】
制御部60は、RAM、ROMといったデータを一時的に記憶するメモリ62と、制御プログラムやデータを記憶する記憶部63と、画面11に画像を表示させるLCDコントローラ64と、これら装置を制御するCPU61とを有するマイクロコンピュータからなる。
【0040】
CPU61は、HDD(Hard Disk Drive)からなる記憶部63に格納されている制御プログラムをメモリ63に読み出して、制御プログラムを実行する。各装置は、制御プログラムにしたがって動作する。
【0041】
制御部60は、図5に示すように、ニューラルネットワークを利用したパターンマッチング方式にて複数の利用者が存在する存在範囲を特定する。
【0042】
具体的には、記憶部63には、データベースとして各利用者Aの顔画像を記憶部63にあらかじめ記憶しておく。制御部60は、撮像した利用者画像を受信すると、所定サイズのマトリックスで、撮像した利用者画像(図5(a)参照)を記憶部63に記憶した顔画像に基づいて、X方向およびY方向に順次パターンマッチングの判定を行なう。利用者画像の中に、顔画像にマッチングした画像の存在を検出すると、制御部60は、その画像を含むマトリックスの位置が各利用者Aの顔の位置であると判定する。
【0043】
制御部60は、図5(b)に示すように、判定した利用者の顔の位置から、表示部10に対する複数の利用者Aの存在する範囲を特定する。具体的には、図6に示すように、撮影した利用者画像のX座標に対応した表示部10からの角度β1,β2を示すテーブルを、あらかじめ記憶部63に記憶しておく。制御部60は、判定した座標X1,X2から、表示部10に対する利用者Aが存在する存在範囲の一番左端までの角度β1と右端までの角度β2をテーブルから読み出す。すなわち、制御部60は、特定した顔の位置の一番左側の撮影した利用者画像のX座標であるX1を検出し、検出したX1に対応する角度β1をテーブルから読み出す。角度β2も同様にして求める。
【0044】
これにより、制御部60は、角度β1から角度β2を各利用者Aの存在範囲と特定することができる。複数の利用者Aがいる場合、個々に利用者Aの位置を特定しても、利用者Aが移動すると、その都度、利用者Aを検出しなければならない。しかし、複数の利用者Aの存在範囲を1人の利用者Aの位置とみなすことにより、各利用者Aの移動を考慮しなくても良くなり、制御部60での処理を素早くできる。そのため、利用者全体の存在範囲だけを検出すればよく、この存在範囲が変化したときだけ対処すればよい。
【0045】
制御部60は、表示部10に当たる照明機器90からの光の入射角αから反射光の向きを特定し、その向きが存在範囲内か否かを判定する。
【0046】
先ず、制御部60は、照明機器90からの光の入射角αを算出する。各ラインセンサ40L,40Rは、図7に示すように、SL0からSL100の101個の感光部を有する。記憶部63には、各ラインセンサ40L,40Rの感光部の番号に対応した照明機器90からの光の入射角αL,αRのデータベースをあらかじめ記憶する。
【0047】
各ラインセンサ40L,40Rは、照明機器90からの光が当たったことを検出すると、感光部からの出力のうち最も高い出力(SLmax,SRmax)となる感光部を検出する。すべての感光部の中で、11番目の感光部SL10、31番目の感光部SR30が最も高い出力である場合、その感光部をピーク位置として、感光部の番号を制御部60に出力する。
【0048】
制御部60は、あらかじめ記憶した入射角αL,αRのデータテーブルを参照して、感光部SL10,SR10の番号から照明機器90からの光の入射角αL,αRを特定する。そして、制御部60は、入射角αLと入射角αRの平均値((αL+αR)÷2)から照明機器90からの光の入射角αを算出する。
【0049】
次に、制御部60は、算出された入射角αから照明機器90からの光の反射光の向き、具体的には、図8に示すように、反射光の反射角θを算出し、その反射角θが各利用者Aの存在範囲内にあるか否かを判定する。反射角θは次式で求められる。
【0050】
θ=180−α ・・・(1)
【0051】
そこで、制御部60は、この反射角θが各利用者Aの存在範囲、すなわち、角度β1から角度β2の間に位置するかを判定する。
【0052】
β2<180−α<β1 ・・・(2)
【0053】
反射角θが(2)式を満たす角度であれば、各利用者Aに照明機器90からの光の反射光が当たっておらず、表示部10の向きを調整する必要がない。しかし、反射角θが(2)式を満たさない角度であれば、いずれかの利用者Aに照明機器90からの光の反射光が当たっており、利用者は画面11が見えづらい状態となっている。
【0054】
そこで、制御部60は、照明機器90の光源91の光量を調整する必要がある。具体的には、制御部60は、図9に示すように、外光検出部40に当たった照明機器90の光源91の光量から、光源91の光量を変えるか否かを判断する。外光検出部40から入力された照明機器90の光源91の光量が、あらかじめに記憶された所定値より大きい場合は、制御信号送信部50を介して照明機器90の光源制御部92に光源91の光量を低減するように指示し、光源91の光量を変える。所定値より小さい場合は、光源91の光量を変えない。
【0055】
制御部60は、検出した光量と所定値の差に応じて、光源91の光量を変える。具体的には、制御部60は、検出した光源91の光量と所定値とを比較する。制御部60は、算出した光量の差から、光源91の光量の低減量を特定する。例えば、記憶部63に、検出した光量と所定値の差に対応した光源91の低減量のデータベースをあらかじめ記憶する。制御部60は、あらかじめ記憶した光源91の低減量のデータテーブルを参照して、光源91の低減量を特定する。そして、制御部60は、特定した低減量に基づいて、制御信号送信部50に制御信号を生成させ、光源91の光量を低減させる。そして、制御部60は、低減した後の光量から、更に低減させる必要があるかを判断する。更に低減する必要がある場合は、光源91の低減量のデータテーブルを参照して光量を低減させる。更に低減する必要がない場合は、光量調整を終了する。
【0056】
なお、光源91の光量は、段階的に所定量だけ低減させても良い。具体的には、あらかじめ決めた所定量だけ低減させ、低減した後に測定し、所定値以下になったかを判断する。所定値以下になっていない場合は、更に所定量だけ光量を低減させて測定する。これを、所定値以下になるまで行なっても良い。
【0057】
または、光源91の光量は、連続的に光量を低減させる。この場合、制御部60は、外光検出部40から常に検出した光量を受信する。制御部60は、受信した光量が所定値以下になるまで、光量を低減させていく。制御部60は、受信した光量が諸定値以下になったときに、光量調整を終了する。
【0058】
所定値は、画面11の光量から決められる。画面11の光量よりも大きい光量の照明機器90からの光が当たると、その光によって画面11の光が飛んでしまい、見えなくなる可能性が高い。逆に、画面11の光量よりも少ない光量の照明機器90からの光が当たると、画面11の光は、その光で飛んでしまうことはない。そこで、所定値は、画面11の光量とし、その所定値を記憶部63に記憶しておく。この所定値は、利用者Aによって変更することができる。例えば、画面の光量を変更したときに、変更した光量を所定値とする。あるいは、製品の平均的な光量を所定値としても良い。
【0059】
次に、図10に基づいて、表示装置の動作について説明する。
【0060】
利用者Aによって、表示装置の電源がONされる。制御部60は、画面11に画像を表示させる。これと同時に、ラインセンサ40L,40Rは、外光が当たるか否かを検出する。外光が当たることを検出すると、制御部60は、照明機器90の光源91の光量調整を開始する(S100)。
【0061】
先ず、制御部60は、照明機器90の光源91の光量を特定する(S105)。照明機器90の光源91の光量が所定値より小さい場合は、光源91の光量を変える必要がないので、照明機器90の光源91の光量調整は終了する(S105のN)。
【0062】
光源91の光量が所定値より大きい場合は、複数の利用者Aの存在範囲を特定する。利用者検出部30は、表示装置の前方を撮影し(S110)、撮像した利用者画像を制御部60に出力する。制御部60は、撮像した利用者画像と記憶部6に記憶した顔画像とでパターンマッチングをし、個々の利用者Aの顔の位置を特定する(S120)。そして、特定した個々の利用者Aの顔の位置から、存在範囲に係る角度β1,β2を特定する(S130)。
【0063】
制御部60は、角度β1,β2を特定すると同時に、画面11に当たる照明機器90から光の入射角αを算出する。そして、制御部60は、算出した入射角αから反射角θを算出する。
【0064】
制御部60は、算出した反射角θから各利用者Aに反射光が当たらないか判定する(S135)。反射光が角度β1,β2の範囲、すなわち、存在範囲に当たっていない場合は、光源91の光量を変える必要がないので、照明機器90の光源91の光量調整は終了する(S135のN)。
【0065】
反射光が存在範囲に当たっている場合は(S135のY)、照明機器90の光源91の光量を変える必要があるので、制御部60は、光源91の低減量のデータテーブルを参照して、光源91の光量が所定値未満となるように光源91の光量を調整する。
【0066】
制御部60は、所定値に基づき、制御信号送信部50を制御して、光源91の光量を低減させる(S140)。そして、制御部60は、照明機器90の光源91の光量調整を終了する。
【0067】
これにより、表示装置は、光源91の光量によって画面11が複数の利用者Aから見難くなった場合であっても、光源91の光量を変えて各利用者Aに反射光が当たらないようにするため、常に画像を各利用者Aに対して見せることができる。
【0068】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。
【0069】
本実施形態では、外光が照明機器の場合で説明しているが、特にこの限りではなく、日光であっても良い。この場合、例えば、日光と画面との間にフィルタやカーテンといった遮蔽部材を配置させ、光量が所定値以上のときに、前記遮蔽物を制御して日光の子量を調整する。これにより、利用者に反射光が当たらないようにすることができ、常に画像を利用者に対して見せることができる。
【0070】
本実施形態では、外光角度を正確に特定するために、2つのラインセンサを設けるよう構成しているが、ラインセンサを中央に一つ設けて、その1つで検出した角度により、外光角度を特定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る表示装置を示す全体正面図
【図2】表示装置を示すブロック図
【図3】タッチパネルの構成図
【図4】外光検出部の概略側面図
【図5】利用者検出部で撮像した画像データであって、(a)は撮影画像を示す図、(b)は特定した利用者の顔の位置の認識結果の例を示す図
【図6】特定した利用者の顔の位置の座標と表示部に対する存在範囲の角度の関係を示す図
【図7】利用者検出部が外光を受光したときの概略側面図
【図8】照明機器からの光の反射光の向きを示す図
【図9】照明機器の光源の光量の強弱を示す図であって、(a)は光量が大の場合の反射光の向きを示す図、(b)は光量が小の場合の反射光の向きを示す図
【図10】表示装置の動作のフローチャート
【符号の説明】
【0072】
10 表示部
11 画面
12 タッチパネル
13x X方向LEDアレイ
13y Y方向LEDアレイ
14x X方向フォトトランジスタアレイ
14y Y方向フォトトランジスタアレイ
20 台座
21 基台
22 支持台
23 脚部
30 利用者検出部
40 外光検出部
40L ラインセンサL
40R ラインセンサR
41 集光部
50 制御信号送信部
60 制御部
61 CPU
62 メモリ
63 記憶部
64 LCDコントローラ
70 プリンタ
80 スキャナ
90 照明機器
91 光源
92 光源制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画面を有する表示部と、前記画面に当たる外光を検出する外光検出部と、前記画面を見る複数の利用者の位置を検出する利用者検出部と、前記利用者が前記外光の影響を受けないように前記外光の光量を変える制御部とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
制御部は、画面に対する外光の入射光から反射光の向きを算出し、前記反射光の向きが利用者の位置に向いているとき、前記外光の光量を変えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
外光は、表示部の前方にある照明機器から照射され、
制御部は、前記照明機器の光量を制御することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
制御部は、複数の利用者の位置から前記利用者が存在する存在範囲を特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
利用者検出部は、表示部の前方を撮像する撮像素子を備え、
制御部は、画像から個々の利用者を認識して利用者の位置を特定し、前記利用者の位置から左右に位置する利用者を基準にして存在範囲を決めることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
外光検出部は、外光の当たる画面上のピーク位置を検出し、
制御部は、前記ピーク位置から前記外光の入射角を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
外光検出部は、ピーク位置の光量を検出し、
制御部は、前記光量が所定値以上のときに外光の光量を変え、前記光量が所定値未満のときに外光の光量を変えることを中止することを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
外光検出部は、外光を受光する複数のラインセンサを備え、
前記ラインセンサは、表示部の左右方向の両端に配置されたことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
外光検出部は、画面の上方から当たる外光をラインセンサに集光させる集光部を有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−100117(P2009−100117A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268109(P2007−268109)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】