表示装置
【課題】FEDにおいてスパークが生じた場合にスパーク電流によって電子源が破壊されることを防止する。
【解決手段】アノード基板2の内側にはストライプ状のメタルバックユニット231が多数形成されている。アノード端子24から供給される高電圧はメタルバック周辺部233を通り、抵抗体232を介してストライプ状のメタルバックユニット231に供給される。ストライプ状のメタルバックユニット231間は抵抗の非常に高い酸化バナジウムを主成分としたガラス材料によるBM22で形成されている。したがって、スパークが生じても、流れる電流は主としてストライプ状のメタルバックユニット231にチャージした電荷になるので、スパーク電流を小さくすることが出来る。その結果、スパークによる電子源の破壊を防止することが出来る。
【解決手段】アノード基板2の内側にはストライプ状のメタルバックユニット231が多数形成されている。アノード端子24から供給される高電圧はメタルバック周辺部233を通り、抵抗体232を介してストライプ状のメタルバックユニット231に供給される。ストライプ状のメタルバックユニット231間は抵抗の非常に高い酸化バナジウムを主成分としたガラス材料によるBM22で形成されている。したがって、スパークが生じても、流れる電流は主としてストライプ状のメタルバックユニット231にチャージした電荷になるので、スパーク電流を小さくすることが出来る。その結果、スパークによる電子源の破壊を防止することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部を真空にし、背面基板に電子放出源をマトリクス状に配置し、前面基板に対応する蛍光体を配置したフラット型表示装置に係り、この表示装置のスパークに対する信頼性の技術に関連する。
【背景技術】
【0002】
フィールドエミッションディスプレイ(FED)は2枚のガラス基板に挟まれた内部を真空にして、一方の基板上に電子放出源をマトリクス状に配置し、対向基板に蛍光体を配置した表示装置である。FEDは電子放出源からの電子が蛍光体に射突して発光することによって画像を形成するもので、明るさ、コントラスト、動画特性等でブラウン管並の優れた性能を得ることが出来るので、将来のTV用ディスプレイとして期待されている。
【0003】
しかし、FEDは陽極に約10KV程度の高電圧を印加することによって、電子を加速して蛍光体を光らせる必要がある。蛍光面が形成されるアノード基板と電子源が形成されるカソード基板との間に約10KV程度の高電圧が印加されるため、表示装置の内部にはかなりの高電界が形成される。したがって、アノード基板とカソード基板との間でスパークが生じ易い。
【0004】
カソード基板には多数の電子源がマトリクス状に形成されている。スパークはアノード基板とカソード基板の間で多く生ずるが、カソード基板に形成された電子源にスパーク電流が流れると電子源を破壊する。FEDの電子源としては、MIM型、SED型、Spindt型、カーボンナノチューブ型等種々なものが開発されているが、スパークによって破壊されることはどの電子源についても共通である。
【0005】
FED内でスパークを生じないような構造とすることがベストであるが、FED内は高電界が形成されているために、スパークをゼロにすることは困難である。したがって、スパークが生じても、スパーク電流が電子源を破壊しない程度にまで小さく抑えることが出来れば、FEDが破壊されることは免れる。
【0006】
スパーク電流は、アノード基板に形成された高電圧が印加されたメタルバックからカソード基板に流れ込むことが多い。「特許文献1」では、高電圧の給電線とメタルバックとの間に高抵抗を設置することによってスパーク電流を抑制する技術が記載されている。「特許文献1」にはまた、メタルバックをユニットに分割し、スパークが生じたときに、カソード基板側に流れる電流を各ユニットにチャージした電荷の放電のみに抑えることによって、スパーク電流を抑える技術も記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−273376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
「特許文献1」に記載の技術はメタルバックをユニットに分割してスパークが生じた場合にスパーク電流を各ユニットからの放電電流のみに抑える技術である。この場合、隣り合ったユニット間の電気的な絶縁が十分でなければ、スパークの放電電流を抑制することは困難である。「特許文献1」では蛍光体と蛍光体の間には隔壁が形成されている。隔壁とガラス基板であるアノード基板との間にブラックマトリクス(BM)が形成されている。「特許文献1」は隔壁の材料については記載が無い。
【0009】
また、メタルバックをユニットに分割する場合、分割数を多くして各ユニットの面積を小さくしたほうが、放電電流を小さくすることが出来るが、「特許文献1」にはメタルバックを細かく分割する技術については記載が無い。したがって、「特許文献1」に記載の技術のみでは、スパーク電流を現実的に小さくすることは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述した従来の課題を解決するためになされたもので、蛍光体と蛍光体の間に形成されるBMの材料を絶縁体または非常に大きな抵抗とすることによって、メタルバックの分割によるスパーク電流を実質的に小さくすることである。また、本発明は、メタルバックの蒸着を複数回に分割することによってメタルバックを多数のユニットに分割することを可能とし、スパーク電流を低減するものである。具体的な構成は次のとおりである。
【0011】
(1)電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、前記ブラックマトリクスは酸化バナジウムを主成分としたガラス材料で形成されていることを特徴とする表示装置。
【0012】
(2)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0013】
(3)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0014】
(4)前記酸化バナジウムを主成分としたガラス材料の抵抗率は108Ωcm以上であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0015】
(5)前記ブラックマトリクスは酸化バナジウムを30%〜40%含むガラス材料であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0016】
(6)前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0017】
(7)前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0018】
(8)前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0019】
(9)電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、前記ブラックマトリクスはダイヤモンドライクカーボンで形成されていることを特徴とする表示装置。
【0020】
(10)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0021】
(11)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0022】
(12)前記ダイヤモンドライクカーボンの抵抗率は1010Ωcm以上であることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0023】
(13)前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0024】
(14)前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0025】
(15)前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0026】
(16)電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記複数のストライプ状のメタルバックは異なるマスクを使用した、複数のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されていることを特徴とする表示装置。
【0027】
(17)前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングおよび第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの2倍であることを特徴とする(16)に記載の表示装置。
【0028】
(18)前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、および、第3のマスクを使用した、第3のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第3のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの3倍であることを特徴とする(16)に記載の表示装置。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、メタルバックを細いストライプ状のユニットに細かく分割し、かつ、ブラックマトリクスを108Ωcm以上の高い抵抗率を有する酸化バナジウムを主成分としたガラス材料、または、1010Ωcm以上の抵抗率を持つダイヤモンドライクカーボンで構成したので、隣接ユニット同士のスパークを抑制できる。そのため、スパークでカソードに流れ込む電荷量をスパークした1ユニット分の電荷量にとどめることが出来る。これによって、スパーク時の電流を実質的に小さくすることが出来る。
【0030】
また、本発明によれば、異なるマスクを用いて、複数回のマスク蒸着あるいはマスクスパッタリングによって、メタルバックを形成するので、非常に細いストライプ状のメタルバックユニットをアノード基板の有効面全面に形成することが出来、効果的にスパーク電流を低減することが出来る。
【0031】
さらに、本発明によれば、多数のストライプ状のメタルバックユニットとその周辺を囲む同じ材料の周辺部をグラファイト等の抵抗体で電気的に接続するので、信頼性の高い接続をすることが出来る。また、ストライプ状のメタルバックユニットと周辺部を2箇所で接続するので、各ユニットは、アノード給電部と並列に接続され、カソード電流によるアノードの電圧降下を抑えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の最良の形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は本発明の第1の実施例を示す平面図である。図1において、カソード基板1の上には封着部3を介してアノード基板2が設置されている。カソード基板1上には横方向には走査線が、縦方向にはデータ信号が延在している。走査線、データ信号線には端子5を介して外部から信号が供給される。走査線と信号線の交差部付近には電子放出源が配置されている。したがって、多数の電子放出源がマトリクス状に配列されている。電子放出源としては、いわゆるMIM方式、SED方式、Spindt方式、カーボンナノチューブ等種々のものが開発されているが、いずれの電子放出源の場合も本発明を適用可能である。
【0034】
カソード基板1とアノード基板2と周辺を囲む封着部3の内部は真空に保たれる。したがって、大気圧によってアノード基板2、カソード基板1が撓み、カソード基板1とアノード基板2の間隔が確保できなくなる。あるいは、カソード基板1あるいはアノード基板2が破壊してしまう。これを避けるために、カソード基板1とアノード基板2との間にスペーサ4が設置される。このスペーサ4はセラミックまたはガラスで形成され、画像形成の妨げにならないように一般的には走査線上に設置される。
【0035】
スペーサ4はこの有効画面領域の走査線上に設置される。アノード基板2上には電子ビームの射突によって光を発する赤、緑、青の蛍光体21が電子放出源に対応して形成されている。蛍光体21の周囲にはブラックマトリクス(BM22)が形成されており、画像のコントラスを向上させる。ブラックマトリクスを覆ってAlによるメタルバック23が形成されている。メタルバック23には高電圧が印加され、カソードから出射する電子ビームを加速して蛍光体21に射突させる。
【0036】
電子ビームによって蛍光体21から光を発生させるためには電子ビームはある程度のエネルギーをもっていなければならないので、アノード基板2のメタルバック23には8KVから10KVの高電圧が印加される。本実施例では外部から高電圧を供給する高電圧導入端子60はカソード基板1側に設けられ、コンタクトスプリングを介してアノード基板2に高電圧が供給される。表示装置の内部は真空に保たなければならないので、図1における表示装置の裏側に排気孔81および排気管8が設けられている。
【0037】
図2は図1をD方向から見た側面図である。図2において、カソード基板1とアノード基板2は封着部3を介して所定の距離を持って対向している。カソード基板1のほうが端子5等が設置される分大きく形成されている。カソード基板1の下には、排気管8及び高電圧導入端子等を取り付けるための排気基板6が取り付けられている。排気基板6は排気基板封着部を介してカソード基板1に取り付けられている。図2では排気基板6には表示装置の内部を真空にするための排気管8がチップオフされた状態で描かれている。
【0038】
図3は図1のA−A断面図である。図3において、データ信号線12が紙面と垂直方向に延在している。本実施例ではこのデータ信号線12の上に電子放出源14が形成されている。絶縁膜13を介して走査線11がデータ信号線12と直角方向に形成されている。図3において、走査線11は封着部3の外部に延在している。走査線11の上にはカソード基板1とアノード基板2との距離を保つためのスペーサ4が設置されている。スペーサ4はアノード基板2側ではフリットガラス41によってメタルバック23に、カソード基板1側ではフリットガラス41によって走査線上に固着されている。このスペーサ4には107から1011Ω・cm、好ましくは108から109Ω・cm程度の導電性が与えられ、カソード基板1側の走査線とアノード基板2側のメタルバック23との間にわずかに電流を流すことによってスペーサ4の帯電を防止している。
【0039】
表示装置の内部を真空に保つために、アノード基板2と封止枠31がフリットガラス32によって、また、カソード基板1と封止枠31がフリットガラス33によって封止されている。フリットガラス32の接着温度がフリットガラス33の接着温度よりも高い。
【0040】
アノード基板2側では、電子放出源14に対応する場所には、赤、緑、青等の蛍光体21が配置され、この蛍光体21は電子ビームに射突されることによって発光し、画像が形成される。蛍光体21の間はBM22で充填され、画像のコントラストの向上に寄与する。BM22は例えば、クロムおよび酸化クロムの2層構造になっている。蛍光体21およびBM22を覆ってAlによるメタルバック23が形成されている。メタルバック23には約8KVから10KV程度の高電圧が印加され、電子ビームを加速する。加速された電子ビームはメタルバック23を突き抜けて蛍光体21に射突し、蛍光体21を発光させる。
【0041】
図3において、アノード基板2とカソード基板1が封止枠31とフリットガラスを介してシールされた後、排気管を通してFED内部が真空に排気される。カソード基板1の厚さおよびアノード基板2の厚さは3mm程度である。また、カソード基板1とアノード基板2との距離は約2.8mm程度である。この狭い間隔に8KVから10KVの高電圧を印加するために、表示装置の内部には高電界が形成されており、スパークの危険が存在する。スパークを防止するために、スペーサ4およびスペーサ4を固着するフリットガラスには導電性が与えられ、スペーサ4が帯電することを防止している。
【0042】
図4は図1のC−C断面を示す模式図である。図4において、カソード基板1上には横方向にデータ信号線12が延在している。データ信号線12と直角に走査線11が紙面の法線方向に延在している。走査線と走査線の間のデータ信号線12の上には電子源14が配置されている。電子源14はデータ信号線12が下部電極となり、トンネル絶縁膜を介して走査線11と電気的に接続する上部電極によって構成される。本実施例では電子源14としてMIM電子源を使用しているが、本発明はMIM電子源に限らず、他の電子源についても適用できる。
【0043】
アノード基板2には蛍光体21が形成され、蛍光体と蛍光体の間はBM22によって覆われている。蛍光体21およびBM22を覆ってAlをスパッタリングすることによって、メタルバック23が形成される。メタルバック23には約8KVから10KVの高電圧であるアノード電圧が印加されている。このアノード電圧によって電子源14から放出された電子ビームは加速される。電子源14から放出された電子ビームはメタルバック23を突き抜けて蛍光体21に射突することによって蛍光体21を光らせ、カラー画像が形成される。電子ビームは電子源14から放出されると広がるが、蛍光面上では、各蛍光体よりも若干大きくなるように設計されている。
【0044】
アノード基板2とカソード基板1の距離を保つために、図3で説明したように、スペーサ4が設置される。スペーサ4はカソード基板1上の走査線11とアノード基板2上のメタルバック23の間に設置される。この位置であれば、スペーサ4が画像形成の妨げにならない。
【0045】
図5は図1のB‐B断面図である。図5において、カソード基板1には通孔10が形成されており、この通孔10を通して表示装置の排気あるいは高電圧の供給が行なわれる。カソード基板1の通孔10を覆って排気基板6が排気基板用封着部7を介して設置され、表示装置の内部を真空に保つ。排気基板用封着部7はカソード基板1とアノード基板2の封着部3と基本的な構成は同じである。すなわち、排気基板用枠体71がフリットガラス32を介して封着され、排気基板用枠体71はフリットガラス33を介してカソード基板1と封着されている。本実施例においては、フリットガラス32のほうが、フリットガラス33よりも接着温度が高い。本実施例ではアノード基板2とカソード基板1を封着する枠体31とカソード基板1と排気基板6を封着する枠体とは同じ厚さとしているが、必要に応じて枠体の厚さは自由に設定可能である。
【0046】
高電圧導入端子60が外部との気密を保ちながら排気基板6を貫通している。高電圧導入端子60はフリットガラス32によって排気基板6と封着される。
高電圧導入端子60にはFe−Ni合金が使用されるが、FeとNiの比率は排気基板6の熱膨張を考慮して決める。本実施例ではNiが48%である。排気基板6には排気孔81が形成され、この排気孔81には排気管8がフリットガラス32を介して封着されている。排気管8を通して表示装置の内部が真空排気され、その後、排気管8はチップオフされて表示装置の内部は真空に保持される。図5は排気管8がチップオフされた状態を示している。
【0047】
フリットガラス32はフリットガラス33よりも接着温度が高く、その分、排気管および高電圧導入端子の封着の信頼性を上げている。すなわち、排気管および高電圧導入端子の封着は、電子源が形成されたカソード端子のベーキングとは関係なく行われるので、接着温度の高いフリットガラスを使用することによって封着の信頼性を上げている。
【0048】
アノード基板2にはコンタクトスプリング50と接触するためのアノード端子24が形成されている。アノード端子24には比較的大きな電流が流れるために、信頼性が重要である。本実施例ではアノード端子24付近の構造は次のようになっている。アノード基板2上にはBM22が形成され、これを覆ってAlによるメタルバック23が形成されている。これは画面の有効画面と同じ構成である。本実施例ではメタルバック23の上に、アノード端子24としての導電膜が厚さ10μm程度で形成される。
【0049】
本実施例ではアノード端子24は銀ペーストを印刷によって塗布し、その後、焼成することによって形成される。このアノード端子24の焼成は特別なプロセスを設ける必要は無く、例えば、スペーサ4を固着するときの焼成プロセスと同時に行なえばよい。
【0050】
銀ペーストは直径1ミクロンから数μmの銀粒子を粘度の高い有機溶媒に分散させたものである。焼成後、銀粒子同士がつながることによって導電性を持つことになる。導電膜はある程度の抵抗を持ったほうが良い場合もある。このような場合は通常の銀ペーストにさらにフリットガラス用のペーストを混合して抵抗を調整することができる。なお、導電膜の材料としては、銀ペーストに限る必要は無く、Ni粒子を分散させたNiペースト、Al粒子を分散させたAlペースト等を用いることもできる。また、バインダによって結合した黒鉛膜を用いることも出来る。この場合の黒鉛はグラファイトが好適である。黒鉛膜の抵抗は、例えば、黒鉛にベンガラ(酸化鉄)を混合することによって調整することができる。
【0051】
図6は従来例によるアノード基板2の内側の平面図である。図6において、アノード基板2の周辺には封着部3が形成されている。蛍光体が形成されている表示領域を覆ってメタルバックが形成されている。メタルバックとBM22の外形は同一である。図6におけるメタルバックの右上部コーナー部にはアノード端子のための給電部235が形成されている。この給電部235の上にはアノード端子24が形成されている。このアノード端子にカソード基板1側からのコンタクトスプリングが接触して高電圧が供給される。
【0052】
図7は本発明の第1の実施例を示すアノード基板2の内側平面図である。図7において、アノード基板2周辺には封着部3が形成されている。メタルバックは多数のストライプ状メタルバックユニット231に分割されている。ストライプ状メタルバックユニット231とストライプ状メタルバックユニット231の間にはBM22が存在している。図7においては、ストライプ状メタルバックユニット231の幅はわかり易くするために太く描いているが、実際は蛍光体の縦ピッチよりも僅かに小さい程度の細いものである。多数のストライプ状メタルバックユニット231を囲んで、Alのメタルバック周辺部233が形成されている。短辺側2箇所でメタルバック周辺部233と各ストライプ状メタルバックユニット231が抵抗体232によって接続されている。この抵抗体232はグラファイト系の材料で形成され、抵抗値は高く設定される。スパーク電流を抑制するためである。図7においてはメタルバック周辺部233は環状になっているが、環状に限らず、ストライプ状メタルバックユニット231に画面両側から高電圧を供給できる形状であれば良い。
【0053】
各ストライプ状メタルバックユニット231は抵抗体232以外では互いに絶縁されている。また、メタルバック周辺部233と各ストライプ状メタルバックユニット231も抵抗体232以外では絶縁されている。給電部235から高電圧が供給されると、メタルバック周辺部233は高電圧がそのまま供給され、ストライプ状メタルバックユニット231には抵抗体232を介して高電圧が供給される。
【0054】
このようなアノード側の電極の形成方法は、詳しくは実施例2において説明するが、簡単に説明すると、次のとおりである。すなわち、まず、Alをマスク蒸着することによってAlによるストライプ状メタルバックユニット231部とメタルバック周辺部233を形成する。その後、グラファイトによる抵抗体232を両側に印刷によって塗付する。印刷によって形成された抵抗体232の膜厚は50μm程度である。
【0055】
図7のようなアノード基板2の構成によれば、アノード基板2とカソード基板1の間でスパークが生じても、スパーク部分に対応するストライプ状メタルバックユニット231以外からの電流は抵抗体232によって抑えられる。そして、スパーク電流は、各ストライプ状メタルバックユニット231に蓄積された電荷が主として流れるので、スパーク電流は大きくはならない。したがって、電子源の破壊を防止することが出来る。
図8は図7の表示領域における蛍光体、BM22、およびストライプ状メタルバックユニット231の平面方向の配置を示す拡大平面図である。図8において、赤(R)、緑(G)、青(B)蛍光体21が横方向に配列している。各蛍光体がサブピクセルを構成し、R、G、Bの3蛍光体でピクセルを形成している。各サブピクセルの横方向のピッチは0.173mmであり、ピクセルの横方向のピッチは0、519mmである。画面縦方向には同色の蛍光体が配列しており、縦方向の蛍光体のピッチは0.519mmである。したがって、ピクセル単位では正方形である。
【0056】
蛍光体の横方向の配列(行)毎にストライプ状メタルバックユニット231によって覆われている。したがって各ストライプ状メタルバックユニット231は横方向に長いストライプ状となっている。そして、各ストライプは画面両側方向に形成された抵抗体部分を除いては互いに絶縁されている。蛍光体の縦方向寸法は0.2mm程度であり、ストライプ状メタルバックユニット231は蛍光体を完全に覆う必要があるので、ストライプ状メタルバックユニット231の幅は0.3mm程度とする必要がある。そうするとストライプ状メタルバックユニット231とストライプ状メタルバックユニット231の間隔は0.219mm程度確保することが出来る。
【0057】
図9は従来構成のBM22を用いた場合の図8のA−A断面である。図9において、蛍光体が0.519mmの縦ピッチで配列している。蛍光体と蛍光体の間にはBM22が形成されている。BM22は2層構造となっており、アノード基板2側には20nmの厚さのCr2O3が被着され、その上に、厚さ200nmのCrが積層されている。屈折率の異なる物質を積層することによってBM22部分の反射を効果的に防止している。
【0058】
蛍光体およびBM22の一部を覆ってストライプ状メタルバックユニット231が被着されている。ストライプ状メタルバックユニット231は蒸着によって形成される。図9に示すように、各ストライプ状メタルバックユニット231は互いに離隔している。しかし、各ストライプ状メタルバックユニット231は離隔はしているものの、Crの上に積層されている。Crは導電性であるから、各ストライプ状メタルバックユニット231間の絶縁はできず、したがって、従来例のBM22では、メタルバックをストライプ状メタルバックユニット231に分割しても、所定の効果を上げることは出来ない。
【0059】
図10は本発明の構成による図8のA−A断面である。従来例である図9と異なるところは、BM22を酸化バナジウムを主成分としたガラス材料で構成したことである。酸化バナジウムを主成分としたガラス材料は抵抗率が108Ωcm以上と、非常に高い。したがって、スパークが生じた場合、隣のストライプ状メタルバックユニット231にチャージしている電荷が流れ込むことを阻止するには十分な抵抗を形成する。絶縁性の酸化バナジウムを主成分としたガラス材料の成分としては例えば、V2O5:30%〜40%、ZnO:5%、BaO:15%、WO3:5%、TeO2:25%から35%+balanceである。このうち、V2O5の成分が増すと導電性が増す傾向にある。一方、酸化バナジウムを主成分としたガラス材料は黒色であり、BM22として作用させるための十分な光吸収率を有する。
【0060】
酸化バナジウムを主成分としたガラス材料は印刷によってアノード基板2上に形成することが出来る。印刷によれば、蛍光体のためのホールを形成しつつBM22を形成することが出来る。この他に、例えば、酸化バナジウムを主成分としたガラス材料をアノード基板2全面に塗布、焼結したあと、サンドブラストをかけることによって蛍光体が形成されるべき部分にホールを形成することも出来る。
【0061】
本発明でBM22として使用可能な他の材料はダイヤモンドライクカーボンである。ダイヤモンドライクカーボンはグラファイトとダイヤモンドとの中間的な分子構造を持ち、比抵抗は1010Ωcm以上と高い。また、黒色であり、光吸収率も非常に高い。ダイヤモンドライクカーボンはCVD法によってアノード基板2上に被着することが出来る。アノード基板2に被着されたダイヤモンドライクカーボン膜に対してフォトリソグラフィーによって、蛍光体のためのホールを形成する。
【0062】
図11は図8のC−C断面図である。図11において、R、G、Bの各蛍光体はBM22を挟んで並列している。BM22は図10と同様、酸化バナジウムを主成分としたガラス材料かダイヤモンドライクカーボンである。蛍光体およびBM22を覆ってストライプ状メタルバックユニット231が被着されている。図11においては、ストライプ状メタルバックユニット231は連続した膜となっている。
【0063】
以上はストライプ状メタルバックユニット231が蛍光体一行分を覆う場合である。ストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ幅が小さいほどスパークした時の電流の値を小さくすることが出来る。しかし、本発明はストライプ状メタルバックユニット231のストライプの幅が複数の行の蛍光体を覆う場合にも適用することが出来る。図12は2行の蛍光体をストライプ状メタルバックユニット231が覆う場合の実施形態である。この場合のストライプ状メタルバックユニット231間の間隔はストライプ状メタルバックユニット231が1行の蛍光体を覆う場合と同様の0.2mm程度である。
【0064】
図13は図12のA−A断面図である。図13において、同色の蛍光体がBM22を挟んで並列して配置されている。BM22は酸化バナジウムを主成分としたガラス材料またはダイヤモンドライクカーボンで形成されている。蛍光体及びBM22を覆ってストライプ状メタルバックユニット231が形成されている。この場合のストライプ状メタルバックユニット231は蛍光体2個分、すなわち、2行分を覆っている。各ストライプ状メタルバックユニット231はBM22上で互いに分離している。
【0065】
本実施形態においても、抵抗率が108Ω以上のBM22は酸化バナジウムを主成分としたガラス材料またはダイヤモンドライクカーボンで形成されているので、ストライプ状メタルバックユニット231間の電気的絶縁は保つことが出来、スパークが生じたときの電流を抑制することが出来る。
【0066】
以上のように、本発明はストライプ状メタルバックユニット231が複数の蛍光体の行を覆う場合にも適用することが出来る。しかし、あまり多くの蛍光体の行をストライプ状メタルバックユニット231が覆うと発明の目的である、スパーク電流の低減の効果が薄れる。一方、ストライプ状メタルバックユニット231間を分離する幅はストライプ状メタルバックユニット231が覆う蛍光体の行数に関係なく一定である。したがって、好ましくは、ユニトが覆う蛍光体の行の数は5行分程度に抑えておくのがよい。
【実施例2】
【0067】
本発明を実施するには、非常に細かいAlのパターンをマスク蒸着あるいはマスクスパッタリング(以後マスク蒸着と称する)によって、形成する必要がある。本実施例は実施例1において開示した構成を可能とするメタルバックの形成方法を開示するものである。図14は、本発明により、マスク蒸着によってAlパターンが形成された状態を示す模式図である。すなわち、図14は抵抗体232が塗布される前の、Alパターンのみの状態を示している。
【0068】
図14において、表示領域を囲むようにしてAlによるメタルバック周辺部233が枠状に形成されている。表示領域には細いストライプ状のAlのパターンが多数形成されている。右上コーナー部にはコンタクトスプリングから高電圧を供給するための給電部235が形成されている。メタルバック周辺部233が枠状に形成されているために、このようなAlのパターンは1個のマスクのみで形成することは出来ない。
【0069】
図15は蒸着方法の第1の実施形態である。本実施形態では2回の蒸着またはスパッタリング(以後蒸着で代表する)でメタルバックを形成する例である。図15(a)は、第1のマスクMKの形状である。図15(a)に示す231Mはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231に対応するスリット状の孔であり、233Mはアノード基板2に形成されるメタルバック周辺部233に対応する孔である。
【0070】
図15(a)のマクスにはスリット231Mが多数形成されているが、このピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の2倍のピッチである。図15(a)には、アノード基板2のメタルバック周辺部233の一部が蒸着されるように、孔233Mが形成されている。全周に233Mが形成されるとマスクMKの製作が出来ない。但し、アノード基板2に形成されるメタルバック周辺部233を環状に形成しなければ、マスクMKの製作は可能である。
【0071】
図15(b)はメタルバックを形成するための第2のマスクMKである。図15(b)のマスクMKにもアノード基板2のストライプ状メタルバックユニット231に対応するスリット231Mが多数形成されている。このピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の2倍のピッチである。但し、図15(b)におけるマスクMKのスリット状の孔231Mの位置は、図15(a)と互い違いの位置に形成されており、図15(a)のマスクMKと図15(b)のマスクMKの両方のマスクMKを用いて蒸着した後に、蛍光体の縦ピッチに対応したストライプ状メタルバックユニット231が形成される。
【0072】
図15(b)のマスクMKにはアノード基板2のメタルバック周辺部233を形成するための一部の孔233Mが形成されている。図15(a)のマスクMKの孔233Mと図15(b)のマスクMKの孔233Mとでアノード基板2のメタルバック周辺部233が出来上がる。図15(a)のマスクMKと図15(b)のマスクMKに形成された2331Mは蒸着されたAlがオーバーラップする部分である。
【0073】
このようにして形成されたアノード基板2のメタルバックの形状が図15(c)である。図15(c)において、ストライプ状メタルバックユニット231の縦方向のピッチは図15(a)および図15(b)に示すマスクMKの233Mのピッチの1/2となっている。マスクMKのスリットのピッチが大きい分マスクMKの強度が大きく、マスクMKの取り扱いは容易である。図15(c)のメタルバック周辺部233に部分的に存在する2331はAlが2重に蒸着されている部分である。
【0074】
図16は本発明を実施するメタルバックを形成する第2の実施形態である。本実施形態では図16(a)、図16(b)、図16(c)に示すように、第1のマスクMK、第2のマスクMK、第3のマスクMKを使用して蒸着する。図16(a)に示す第1のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリット231Mが多数形成されている。スリット231Mのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の3倍のピッチである。ピッチが大きい分マスク強度が増し、マスクMKの取り扱いが容易となる。図16(a)に示す第1のマスクMKの右下と左下にはアノード基板2の周縁部の一部を形成するための孔が形成されている。
【0075】
図16(b)に示す第2のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKのスリットの位置とは異なる。また、第2のマスクMKには、アノード基板2のメタルバック周辺部233の辺部を形成するための孔が上下左右4箇所に形成されている。
【0076】
図16(c)に示す第3のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKおよび第2のマスクMKのスリットの位置とは異なる。第3のマスクMKの右上と左上にはアノード基板2の周縁部一部を形成するための孔が形成されている。第1のマスクMK、第2のマスクMK、第3のマスクMKを用いて蒸着するとアノード基板2には環状のメタルバック周辺部233が形成される。
【0077】
第1、第2、第3のマスクを用いてAlが蒸着された状態が図16(d)である。図16(d)において、ストライプ状メタルバックユニット231の縦ピッチは蛍光体の縦ピッチと同じであり、第1、第2、第3のマスクのスリットのピッチの1/3となっている。メタルバック周辺部233は環状となっており、メタルバック周辺部233の一部はAlのオーバーラップ部2331が形成されている。
【0078】
このように、本実施形態では3枚のマスクを用いて蒸着するために、各マスクの強度が強く、その分正確な蒸着が可能になる。
【0079】
図17は本発明を実施するメタルバックを形成する第3の実施形態である。本実施形態では図17(a)、図17(b)、図17(c)、に示すように、第1のマスクMK、第2のマスクMK、第3のマスクMKを使用して蒸着する。図17(a)に示す第1のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリット231Mが多数形成されている。スリット231Mのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の3倍のピッチである。ピッチが大きい分マスク強度が増し、マスクMKの取り扱いが容易となる。図17(a)に示す第1のマスクMKの右側と左側にはアノード基板2の周縁部の短辺を形成するための孔が形成されている。
【0080】
図17(b)に示す第2のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKのスリットの位置とは異なる。また、第2のマスクMKには、アノード基板2のメタルバック周辺部233の上辺と下辺を形成するための長孔が上下に形成されている。
【0081】
図17(c)に示す第3のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKおよび第2のマスクMKのスリットの位置とは異なる。第3のマスクMKにはアノード基板2の周縁部を形成するための孔は形成されていない。
【0082】
第1、第2、第3のマスクを用いてAlが蒸着された状態が図17(d)である。図17(d)において、ストライプ状メタルバックユニット231の縦ピッチは蛍光体の縦ピッチと同じであり、第1、第2、第3のマスクのスリットのピッチの1/3となっている。メタルバック周辺部233は環状となっており、メタルバック周辺部233のコーナー部はAlのオーバーラップ部2331が形成されている。本実施形態の特徴はマスク強度が問題となるメタルバック有効面では3枚のマスクを用いてパターンを形成している点である。
このように、本実施形態でも3枚のマスクを用いて蒸着するために、各マスクの強度が強く、その分正確な蒸着が可能になる。
【0083】
以上のようにしてアノード基板2にAlを形成した後、図18に示すようなマスクSMKを用いてスクリーン印刷によって抵抗体232を形成し、図7に示すようなメタルバックが完成する。抵抗体232にはグラファイトを用いる。グラファイトは印刷後、焼成する。焼成後の膜厚は5μm程度である。焼成後のグラファイトの体積低効率は数Ωcmであるが、メタルバック周辺部233とストライプ状メタルバックユニット231間の抵抗は数キロオームから数十キロオームとなる。導通に寄与する部分はグラファイト膜の下部のみだからである。
【0084】
以上はストライプ状メタルバックユニット231の幅が蛍光体の一行分を覆う場合として説明した。ストライプ状メタルバックユニット231の幅が蛍光体の2行分を覆う場合は、各マスクのスリットの幅をほぼ倍とすればよい。この場合、マスクに形成されるストライプ状のスリットのピッチも倍となる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明のFEDの平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図1のB−B断面図である。
【図6】従来例のアノード基板の内側平面図である。
【図7】本発明のアノード基板の内側平面図である。
【図8】アノード基板の蛍光体部分の拡大平面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】本発明における図8のA−A断面図である。
【図11】本発明における図8のB−B断面図である。
【図12】アノード基板の蛍光体部分の拡大平面図の他の例である。
【図13】図12のA−A断面図である。
【図14】本発明のメタルバックの形状である。
【図15】本発明のメタルバックを形成するマスクの例である。
【図16】本発明のメタルバックを形成するマスクの他の例である。
【図17】本発明のメタルバックを形成するマスクのさらに他の例である。
【図18】抵抗体を形成するスクリーン印刷用マスクの例である。
【符号の説明】
【0086】
1・・・カソード基板、2・・・アノード基板、3・・・封着部、4・・・スペーサ、5・・・端子、6・・・排気基板、8・・・排気管、10・・・通孔、11・・・走査線、12・・・データ信号線、13・・・絶縁膜、14・・・電子源、21・・・蛍光体、22・・・ブラックマトリクス、23・・・メタルバック、24・・・アノード端子、31・・・封止枠、32、33、41・・・フリットガラス、50・・・コンタクトスプリング、231・・・ストライプ状メタルバックユニット、232・・・抵抗体、233・・・メタルバック周辺部、235・・・給電部、MK・・・マスク、SMK・・・スクリーン印刷用マスク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部を真空にし、背面基板に電子放出源をマトリクス状に配置し、前面基板に対応する蛍光体を配置したフラット型表示装置に係り、この表示装置のスパークに対する信頼性の技術に関連する。
【背景技術】
【0002】
フィールドエミッションディスプレイ(FED)は2枚のガラス基板に挟まれた内部を真空にして、一方の基板上に電子放出源をマトリクス状に配置し、対向基板に蛍光体を配置した表示装置である。FEDは電子放出源からの電子が蛍光体に射突して発光することによって画像を形成するもので、明るさ、コントラスト、動画特性等でブラウン管並の優れた性能を得ることが出来るので、将来のTV用ディスプレイとして期待されている。
【0003】
しかし、FEDは陽極に約10KV程度の高電圧を印加することによって、電子を加速して蛍光体を光らせる必要がある。蛍光面が形成されるアノード基板と電子源が形成されるカソード基板との間に約10KV程度の高電圧が印加されるため、表示装置の内部にはかなりの高電界が形成される。したがって、アノード基板とカソード基板との間でスパークが生じ易い。
【0004】
カソード基板には多数の電子源がマトリクス状に形成されている。スパークはアノード基板とカソード基板の間で多く生ずるが、カソード基板に形成された電子源にスパーク電流が流れると電子源を破壊する。FEDの電子源としては、MIM型、SED型、Spindt型、カーボンナノチューブ型等種々なものが開発されているが、スパークによって破壊されることはどの電子源についても共通である。
【0005】
FED内でスパークを生じないような構造とすることがベストであるが、FED内は高電界が形成されているために、スパークをゼロにすることは困難である。したがって、スパークが生じても、スパーク電流が電子源を破壊しない程度にまで小さく抑えることが出来れば、FEDが破壊されることは免れる。
【0006】
スパーク電流は、アノード基板に形成された高電圧が印加されたメタルバックからカソード基板に流れ込むことが多い。「特許文献1」では、高電圧の給電線とメタルバックとの間に高抵抗を設置することによってスパーク電流を抑制する技術が記載されている。「特許文献1」にはまた、メタルバックをユニットに分割し、スパークが生じたときに、カソード基板側に流れる電流を各ユニットにチャージした電荷の放電のみに抑えることによって、スパーク電流を抑える技術も記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−273376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
「特許文献1」に記載の技術はメタルバックをユニットに分割してスパークが生じた場合にスパーク電流を各ユニットからの放電電流のみに抑える技術である。この場合、隣り合ったユニット間の電気的な絶縁が十分でなければ、スパークの放電電流を抑制することは困難である。「特許文献1」では蛍光体と蛍光体の間には隔壁が形成されている。隔壁とガラス基板であるアノード基板との間にブラックマトリクス(BM)が形成されている。「特許文献1」は隔壁の材料については記載が無い。
【0009】
また、メタルバックをユニットに分割する場合、分割数を多くして各ユニットの面積を小さくしたほうが、放電電流を小さくすることが出来るが、「特許文献1」にはメタルバックを細かく分割する技術については記載が無い。したがって、「特許文献1」に記載の技術のみでは、スパーク電流を現実的に小さくすることは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述した従来の課題を解決するためになされたもので、蛍光体と蛍光体の間に形成されるBMの材料を絶縁体または非常に大きな抵抗とすることによって、メタルバックの分割によるスパーク電流を実質的に小さくすることである。また、本発明は、メタルバックの蒸着を複数回に分割することによってメタルバックを多数のユニットに分割することを可能とし、スパーク電流を低減するものである。具体的な構成は次のとおりである。
【0011】
(1)電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、前記ブラックマトリクスは酸化バナジウムを主成分としたガラス材料で形成されていることを特徴とする表示装置。
【0012】
(2)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0013】
(3)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0014】
(4)前記酸化バナジウムを主成分としたガラス材料の抵抗率は108Ωcm以上であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0015】
(5)前記ブラックマトリクスは酸化バナジウムを30%〜40%含むガラス材料であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0016】
(6)前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0017】
(7)前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0018】
(8)前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
【0019】
(9)電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、前記ブラックマトリクスはダイヤモンドライクカーボンで形成されていることを特徴とする表示装置。
【0020】
(10)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0021】
(11)前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0022】
(12)前記ダイヤモンドライクカーボンの抵抗率は1010Ωcm以上であることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0023】
(13)前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0024】
(14)前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0025】
(15)前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする(9)に記載の表示装置。
【0026】
(16)電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記複数のストライプ状のメタルバックは異なるマスクを使用した、複数のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されていることを特徴とする表示装置。
【0027】
(17)前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングおよび第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの2倍であることを特徴とする(16)に記載の表示装置。
【0028】
(18)前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、および、第3のマスクを使用した、第3のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第3のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの3倍であることを特徴とする(16)に記載の表示装置。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、メタルバックを細いストライプ状のユニットに細かく分割し、かつ、ブラックマトリクスを108Ωcm以上の高い抵抗率を有する酸化バナジウムを主成分としたガラス材料、または、1010Ωcm以上の抵抗率を持つダイヤモンドライクカーボンで構成したので、隣接ユニット同士のスパークを抑制できる。そのため、スパークでカソードに流れ込む電荷量をスパークした1ユニット分の電荷量にとどめることが出来る。これによって、スパーク時の電流を実質的に小さくすることが出来る。
【0030】
また、本発明によれば、異なるマスクを用いて、複数回のマスク蒸着あるいはマスクスパッタリングによって、メタルバックを形成するので、非常に細いストライプ状のメタルバックユニットをアノード基板の有効面全面に形成することが出来、効果的にスパーク電流を低減することが出来る。
【0031】
さらに、本発明によれば、多数のストライプ状のメタルバックユニットとその周辺を囲む同じ材料の周辺部をグラファイト等の抵抗体で電気的に接続するので、信頼性の高い接続をすることが出来る。また、ストライプ状のメタルバックユニットと周辺部を2箇所で接続するので、各ユニットは、アノード給電部と並列に接続され、カソード電流によるアノードの電圧降下を抑えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の最良の形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は本発明の第1の実施例を示す平面図である。図1において、カソード基板1の上には封着部3を介してアノード基板2が設置されている。カソード基板1上には横方向には走査線が、縦方向にはデータ信号が延在している。走査線、データ信号線には端子5を介して外部から信号が供給される。走査線と信号線の交差部付近には電子放出源が配置されている。したがって、多数の電子放出源がマトリクス状に配列されている。電子放出源としては、いわゆるMIM方式、SED方式、Spindt方式、カーボンナノチューブ等種々のものが開発されているが、いずれの電子放出源の場合も本発明を適用可能である。
【0034】
カソード基板1とアノード基板2と周辺を囲む封着部3の内部は真空に保たれる。したがって、大気圧によってアノード基板2、カソード基板1が撓み、カソード基板1とアノード基板2の間隔が確保できなくなる。あるいは、カソード基板1あるいはアノード基板2が破壊してしまう。これを避けるために、カソード基板1とアノード基板2との間にスペーサ4が設置される。このスペーサ4はセラミックまたはガラスで形成され、画像形成の妨げにならないように一般的には走査線上に設置される。
【0035】
スペーサ4はこの有効画面領域の走査線上に設置される。アノード基板2上には電子ビームの射突によって光を発する赤、緑、青の蛍光体21が電子放出源に対応して形成されている。蛍光体21の周囲にはブラックマトリクス(BM22)が形成されており、画像のコントラスを向上させる。ブラックマトリクスを覆ってAlによるメタルバック23が形成されている。メタルバック23には高電圧が印加され、カソードから出射する電子ビームを加速して蛍光体21に射突させる。
【0036】
電子ビームによって蛍光体21から光を発生させるためには電子ビームはある程度のエネルギーをもっていなければならないので、アノード基板2のメタルバック23には8KVから10KVの高電圧が印加される。本実施例では外部から高電圧を供給する高電圧導入端子60はカソード基板1側に設けられ、コンタクトスプリングを介してアノード基板2に高電圧が供給される。表示装置の内部は真空に保たなければならないので、図1における表示装置の裏側に排気孔81および排気管8が設けられている。
【0037】
図2は図1をD方向から見た側面図である。図2において、カソード基板1とアノード基板2は封着部3を介して所定の距離を持って対向している。カソード基板1のほうが端子5等が設置される分大きく形成されている。カソード基板1の下には、排気管8及び高電圧導入端子等を取り付けるための排気基板6が取り付けられている。排気基板6は排気基板封着部を介してカソード基板1に取り付けられている。図2では排気基板6には表示装置の内部を真空にするための排気管8がチップオフされた状態で描かれている。
【0038】
図3は図1のA−A断面図である。図3において、データ信号線12が紙面と垂直方向に延在している。本実施例ではこのデータ信号線12の上に電子放出源14が形成されている。絶縁膜13を介して走査線11がデータ信号線12と直角方向に形成されている。図3において、走査線11は封着部3の外部に延在している。走査線11の上にはカソード基板1とアノード基板2との距離を保つためのスペーサ4が設置されている。スペーサ4はアノード基板2側ではフリットガラス41によってメタルバック23に、カソード基板1側ではフリットガラス41によって走査線上に固着されている。このスペーサ4には107から1011Ω・cm、好ましくは108から109Ω・cm程度の導電性が与えられ、カソード基板1側の走査線とアノード基板2側のメタルバック23との間にわずかに電流を流すことによってスペーサ4の帯電を防止している。
【0039】
表示装置の内部を真空に保つために、アノード基板2と封止枠31がフリットガラス32によって、また、カソード基板1と封止枠31がフリットガラス33によって封止されている。フリットガラス32の接着温度がフリットガラス33の接着温度よりも高い。
【0040】
アノード基板2側では、電子放出源14に対応する場所には、赤、緑、青等の蛍光体21が配置され、この蛍光体21は電子ビームに射突されることによって発光し、画像が形成される。蛍光体21の間はBM22で充填され、画像のコントラストの向上に寄与する。BM22は例えば、クロムおよび酸化クロムの2層構造になっている。蛍光体21およびBM22を覆ってAlによるメタルバック23が形成されている。メタルバック23には約8KVから10KV程度の高電圧が印加され、電子ビームを加速する。加速された電子ビームはメタルバック23を突き抜けて蛍光体21に射突し、蛍光体21を発光させる。
【0041】
図3において、アノード基板2とカソード基板1が封止枠31とフリットガラスを介してシールされた後、排気管を通してFED内部が真空に排気される。カソード基板1の厚さおよびアノード基板2の厚さは3mm程度である。また、カソード基板1とアノード基板2との距離は約2.8mm程度である。この狭い間隔に8KVから10KVの高電圧を印加するために、表示装置の内部には高電界が形成されており、スパークの危険が存在する。スパークを防止するために、スペーサ4およびスペーサ4を固着するフリットガラスには導電性が与えられ、スペーサ4が帯電することを防止している。
【0042】
図4は図1のC−C断面を示す模式図である。図4において、カソード基板1上には横方向にデータ信号線12が延在している。データ信号線12と直角に走査線11が紙面の法線方向に延在している。走査線と走査線の間のデータ信号線12の上には電子源14が配置されている。電子源14はデータ信号線12が下部電極となり、トンネル絶縁膜を介して走査線11と電気的に接続する上部電極によって構成される。本実施例では電子源14としてMIM電子源を使用しているが、本発明はMIM電子源に限らず、他の電子源についても適用できる。
【0043】
アノード基板2には蛍光体21が形成され、蛍光体と蛍光体の間はBM22によって覆われている。蛍光体21およびBM22を覆ってAlをスパッタリングすることによって、メタルバック23が形成される。メタルバック23には約8KVから10KVの高電圧であるアノード電圧が印加されている。このアノード電圧によって電子源14から放出された電子ビームは加速される。電子源14から放出された電子ビームはメタルバック23を突き抜けて蛍光体21に射突することによって蛍光体21を光らせ、カラー画像が形成される。電子ビームは電子源14から放出されると広がるが、蛍光面上では、各蛍光体よりも若干大きくなるように設計されている。
【0044】
アノード基板2とカソード基板1の距離を保つために、図3で説明したように、スペーサ4が設置される。スペーサ4はカソード基板1上の走査線11とアノード基板2上のメタルバック23の間に設置される。この位置であれば、スペーサ4が画像形成の妨げにならない。
【0045】
図5は図1のB‐B断面図である。図5において、カソード基板1には通孔10が形成されており、この通孔10を通して表示装置の排気あるいは高電圧の供給が行なわれる。カソード基板1の通孔10を覆って排気基板6が排気基板用封着部7を介して設置され、表示装置の内部を真空に保つ。排気基板用封着部7はカソード基板1とアノード基板2の封着部3と基本的な構成は同じである。すなわち、排気基板用枠体71がフリットガラス32を介して封着され、排気基板用枠体71はフリットガラス33を介してカソード基板1と封着されている。本実施例においては、フリットガラス32のほうが、フリットガラス33よりも接着温度が高い。本実施例ではアノード基板2とカソード基板1を封着する枠体31とカソード基板1と排気基板6を封着する枠体とは同じ厚さとしているが、必要に応じて枠体の厚さは自由に設定可能である。
【0046】
高電圧導入端子60が外部との気密を保ちながら排気基板6を貫通している。高電圧導入端子60はフリットガラス32によって排気基板6と封着される。
高電圧導入端子60にはFe−Ni合金が使用されるが、FeとNiの比率は排気基板6の熱膨張を考慮して決める。本実施例ではNiが48%である。排気基板6には排気孔81が形成され、この排気孔81には排気管8がフリットガラス32を介して封着されている。排気管8を通して表示装置の内部が真空排気され、その後、排気管8はチップオフされて表示装置の内部は真空に保持される。図5は排気管8がチップオフされた状態を示している。
【0047】
フリットガラス32はフリットガラス33よりも接着温度が高く、その分、排気管および高電圧導入端子の封着の信頼性を上げている。すなわち、排気管および高電圧導入端子の封着は、電子源が形成されたカソード端子のベーキングとは関係なく行われるので、接着温度の高いフリットガラスを使用することによって封着の信頼性を上げている。
【0048】
アノード基板2にはコンタクトスプリング50と接触するためのアノード端子24が形成されている。アノード端子24には比較的大きな電流が流れるために、信頼性が重要である。本実施例ではアノード端子24付近の構造は次のようになっている。アノード基板2上にはBM22が形成され、これを覆ってAlによるメタルバック23が形成されている。これは画面の有効画面と同じ構成である。本実施例ではメタルバック23の上に、アノード端子24としての導電膜が厚さ10μm程度で形成される。
【0049】
本実施例ではアノード端子24は銀ペーストを印刷によって塗布し、その後、焼成することによって形成される。このアノード端子24の焼成は特別なプロセスを設ける必要は無く、例えば、スペーサ4を固着するときの焼成プロセスと同時に行なえばよい。
【0050】
銀ペーストは直径1ミクロンから数μmの銀粒子を粘度の高い有機溶媒に分散させたものである。焼成後、銀粒子同士がつながることによって導電性を持つことになる。導電膜はある程度の抵抗を持ったほうが良い場合もある。このような場合は通常の銀ペーストにさらにフリットガラス用のペーストを混合して抵抗を調整することができる。なお、導電膜の材料としては、銀ペーストに限る必要は無く、Ni粒子を分散させたNiペースト、Al粒子を分散させたAlペースト等を用いることもできる。また、バインダによって結合した黒鉛膜を用いることも出来る。この場合の黒鉛はグラファイトが好適である。黒鉛膜の抵抗は、例えば、黒鉛にベンガラ(酸化鉄)を混合することによって調整することができる。
【0051】
図6は従来例によるアノード基板2の内側の平面図である。図6において、アノード基板2の周辺には封着部3が形成されている。蛍光体が形成されている表示領域を覆ってメタルバックが形成されている。メタルバックとBM22の外形は同一である。図6におけるメタルバックの右上部コーナー部にはアノード端子のための給電部235が形成されている。この給電部235の上にはアノード端子24が形成されている。このアノード端子にカソード基板1側からのコンタクトスプリングが接触して高電圧が供給される。
【0052】
図7は本発明の第1の実施例を示すアノード基板2の内側平面図である。図7において、アノード基板2周辺には封着部3が形成されている。メタルバックは多数のストライプ状メタルバックユニット231に分割されている。ストライプ状メタルバックユニット231とストライプ状メタルバックユニット231の間にはBM22が存在している。図7においては、ストライプ状メタルバックユニット231の幅はわかり易くするために太く描いているが、実際は蛍光体の縦ピッチよりも僅かに小さい程度の細いものである。多数のストライプ状メタルバックユニット231を囲んで、Alのメタルバック周辺部233が形成されている。短辺側2箇所でメタルバック周辺部233と各ストライプ状メタルバックユニット231が抵抗体232によって接続されている。この抵抗体232はグラファイト系の材料で形成され、抵抗値は高く設定される。スパーク電流を抑制するためである。図7においてはメタルバック周辺部233は環状になっているが、環状に限らず、ストライプ状メタルバックユニット231に画面両側から高電圧を供給できる形状であれば良い。
【0053】
各ストライプ状メタルバックユニット231は抵抗体232以外では互いに絶縁されている。また、メタルバック周辺部233と各ストライプ状メタルバックユニット231も抵抗体232以外では絶縁されている。給電部235から高電圧が供給されると、メタルバック周辺部233は高電圧がそのまま供給され、ストライプ状メタルバックユニット231には抵抗体232を介して高電圧が供給される。
【0054】
このようなアノード側の電極の形成方法は、詳しくは実施例2において説明するが、簡単に説明すると、次のとおりである。すなわち、まず、Alをマスク蒸着することによってAlによるストライプ状メタルバックユニット231部とメタルバック周辺部233を形成する。その後、グラファイトによる抵抗体232を両側に印刷によって塗付する。印刷によって形成された抵抗体232の膜厚は50μm程度である。
【0055】
図7のようなアノード基板2の構成によれば、アノード基板2とカソード基板1の間でスパークが生じても、スパーク部分に対応するストライプ状メタルバックユニット231以外からの電流は抵抗体232によって抑えられる。そして、スパーク電流は、各ストライプ状メタルバックユニット231に蓄積された電荷が主として流れるので、スパーク電流は大きくはならない。したがって、電子源の破壊を防止することが出来る。
図8は図7の表示領域における蛍光体、BM22、およびストライプ状メタルバックユニット231の平面方向の配置を示す拡大平面図である。図8において、赤(R)、緑(G)、青(B)蛍光体21が横方向に配列している。各蛍光体がサブピクセルを構成し、R、G、Bの3蛍光体でピクセルを形成している。各サブピクセルの横方向のピッチは0.173mmであり、ピクセルの横方向のピッチは0、519mmである。画面縦方向には同色の蛍光体が配列しており、縦方向の蛍光体のピッチは0.519mmである。したがって、ピクセル単位では正方形である。
【0056】
蛍光体の横方向の配列(行)毎にストライプ状メタルバックユニット231によって覆われている。したがって各ストライプ状メタルバックユニット231は横方向に長いストライプ状となっている。そして、各ストライプは画面両側方向に形成された抵抗体部分を除いては互いに絶縁されている。蛍光体の縦方向寸法は0.2mm程度であり、ストライプ状メタルバックユニット231は蛍光体を完全に覆う必要があるので、ストライプ状メタルバックユニット231の幅は0.3mm程度とする必要がある。そうするとストライプ状メタルバックユニット231とストライプ状メタルバックユニット231の間隔は0.219mm程度確保することが出来る。
【0057】
図9は従来構成のBM22を用いた場合の図8のA−A断面である。図9において、蛍光体が0.519mmの縦ピッチで配列している。蛍光体と蛍光体の間にはBM22が形成されている。BM22は2層構造となっており、アノード基板2側には20nmの厚さのCr2O3が被着され、その上に、厚さ200nmのCrが積層されている。屈折率の異なる物質を積層することによってBM22部分の反射を効果的に防止している。
【0058】
蛍光体およびBM22の一部を覆ってストライプ状メタルバックユニット231が被着されている。ストライプ状メタルバックユニット231は蒸着によって形成される。図9に示すように、各ストライプ状メタルバックユニット231は互いに離隔している。しかし、各ストライプ状メタルバックユニット231は離隔はしているものの、Crの上に積層されている。Crは導電性であるから、各ストライプ状メタルバックユニット231間の絶縁はできず、したがって、従来例のBM22では、メタルバックをストライプ状メタルバックユニット231に分割しても、所定の効果を上げることは出来ない。
【0059】
図10は本発明の構成による図8のA−A断面である。従来例である図9と異なるところは、BM22を酸化バナジウムを主成分としたガラス材料で構成したことである。酸化バナジウムを主成分としたガラス材料は抵抗率が108Ωcm以上と、非常に高い。したがって、スパークが生じた場合、隣のストライプ状メタルバックユニット231にチャージしている電荷が流れ込むことを阻止するには十分な抵抗を形成する。絶縁性の酸化バナジウムを主成分としたガラス材料の成分としては例えば、V2O5:30%〜40%、ZnO:5%、BaO:15%、WO3:5%、TeO2:25%から35%+balanceである。このうち、V2O5の成分が増すと導電性が増す傾向にある。一方、酸化バナジウムを主成分としたガラス材料は黒色であり、BM22として作用させるための十分な光吸収率を有する。
【0060】
酸化バナジウムを主成分としたガラス材料は印刷によってアノード基板2上に形成することが出来る。印刷によれば、蛍光体のためのホールを形成しつつBM22を形成することが出来る。この他に、例えば、酸化バナジウムを主成分としたガラス材料をアノード基板2全面に塗布、焼結したあと、サンドブラストをかけることによって蛍光体が形成されるべき部分にホールを形成することも出来る。
【0061】
本発明でBM22として使用可能な他の材料はダイヤモンドライクカーボンである。ダイヤモンドライクカーボンはグラファイトとダイヤモンドとの中間的な分子構造を持ち、比抵抗は1010Ωcm以上と高い。また、黒色であり、光吸収率も非常に高い。ダイヤモンドライクカーボンはCVD法によってアノード基板2上に被着することが出来る。アノード基板2に被着されたダイヤモンドライクカーボン膜に対してフォトリソグラフィーによって、蛍光体のためのホールを形成する。
【0062】
図11は図8のC−C断面図である。図11において、R、G、Bの各蛍光体はBM22を挟んで並列している。BM22は図10と同様、酸化バナジウムを主成分としたガラス材料かダイヤモンドライクカーボンである。蛍光体およびBM22を覆ってストライプ状メタルバックユニット231が被着されている。図11においては、ストライプ状メタルバックユニット231は連続した膜となっている。
【0063】
以上はストライプ状メタルバックユニット231が蛍光体一行分を覆う場合である。ストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ幅が小さいほどスパークした時の電流の値を小さくすることが出来る。しかし、本発明はストライプ状メタルバックユニット231のストライプの幅が複数の行の蛍光体を覆う場合にも適用することが出来る。図12は2行の蛍光体をストライプ状メタルバックユニット231が覆う場合の実施形態である。この場合のストライプ状メタルバックユニット231間の間隔はストライプ状メタルバックユニット231が1行の蛍光体を覆う場合と同様の0.2mm程度である。
【0064】
図13は図12のA−A断面図である。図13において、同色の蛍光体がBM22を挟んで並列して配置されている。BM22は酸化バナジウムを主成分としたガラス材料またはダイヤモンドライクカーボンで形成されている。蛍光体及びBM22を覆ってストライプ状メタルバックユニット231が形成されている。この場合のストライプ状メタルバックユニット231は蛍光体2個分、すなわち、2行分を覆っている。各ストライプ状メタルバックユニット231はBM22上で互いに分離している。
【0065】
本実施形態においても、抵抗率が108Ω以上のBM22は酸化バナジウムを主成分としたガラス材料またはダイヤモンドライクカーボンで形成されているので、ストライプ状メタルバックユニット231間の電気的絶縁は保つことが出来、スパークが生じたときの電流を抑制することが出来る。
【0066】
以上のように、本発明はストライプ状メタルバックユニット231が複数の蛍光体の行を覆う場合にも適用することが出来る。しかし、あまり多くの蛍光体の行をストライプ状メタルバックユニット231が覆うと発明の目的である、スパーク電流の低減の効果が薄れる。一方、ストライプ状メタルバックユニット231間を分離する幅はストライプ状メタルバックユニット231が覆う蛍光体の行数に関係なく一定である。したがって、好ましくは、ユニトが覆う蛍光体の行の数は5行分程度に抑えておくのがよい。
【実施例2】
【0067】
本発明を実施するには、非常に細かいAlのパターンをマスク蒸着あるいはマスクスパッタリング(以後マスク蒸着と称する)によって、形成する必要がある。本実施例は実施例1において開示した構成を可能とするメタルバックの形成方法を開示するものである。図14は、本発明により、マスク蒸着によってAlパターンが形成された状態を示す模式図である。すなわち、図14は抵抗体232が塗布される前の、Alパターンのみの状態を示している。
【0068】
図14において、表示領域を囲むようにしてAlによるメタルバック周辺部233が枠状に形成されている。表示領域には細いストライプ状のAlのパターンが多数形成されている。右上コーナー部にはコンタクトスプリングから高電圧を供給するための給電部235が形成されている。メタルバック周辺部233が枠状に形成されているために、このようなAlのパターンは1個のマスクのみで形成することは出来ない。
【0069】
図15は蒸着方法の第1の実施形態である。本実施形態では2回の蒸着またはスパッタリング(以後蒸着で代表する)でメタルバックを形成する例である。図15(a)は、第1のマスクMKの形状である。図15(a)に示す231Mはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231に対応するスリット状の孔であり、233Mはアノード基板2に形成されるメタルバック周辺部233に対応する孔である。
【0070】
図15(a)のマクスにはスリット231Mが多数形成されているが、このピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の2倍のピッチである。図15(a)には、アノード基板2のメタルバック周辺部233の一部が蒸着されるように、孔233Mが形成されている。全周に233Mが形成されるとマスクMKの製作が出来ない。但し、アノード基板2に形成されるメタルバック周辺部233を環状に形成しなければ、マスクMKの製作は可能である。
【0071】
図15(b)はメタルバックを形成するための第2のマスクMKである。図15(b)のマスクMKにもアノード基板2のストライプ状メタルバックユニット231に対応するスリット231Mが多数形成されている。このピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の2倍のピッチである。但し、図15(b)におけるマスクMKのスリット状の孔231Mの位置は、図15(a)と互い違いの位置に形成されており、図15(a)のマスクMKと図15(b)のマスクMKの両方のマスクMKを用いて蒸着した後に、蛍光体の縦ピッチに対応したストライプ状メタルバックユニット231が形成される。
【0072】
図15(b)のマスクMKにはアノード基板2のメタルバック周辺部233を形成するための一部の孔233Mが形成されている。図15(a)のマスクMKの孔233Mと図15(b)のマスクMKの孔233Mとでアノード基板2のメタルバック周辺部233が出来上がる。図15(a)のマスクMKと図15(b)のマスクMKに形成された2331Mは蒸着されたAlがオーバーラップする部分である。
【0073】
このようにして形成されたアノード基板2のメタルバックの形状が図15(c)である。図15(c)において、ストライプ状メタルバックユニット231の縦方向のピッチは図15(a)および図15(b)に示すマスクMKの233Mのピッチの1/2となっている。マスクMKのスリットのピッチが大きい分マスクMKの強度が大きく、マスクMKの取り扱いは容易である。図15(c)のメタルバック周辺部233に部分的に存在する2331はAlが2重に蒸着されている部分である。
【0074】
図16は本発明を実施するメタルバックを形成する第2の実施形態である。本実施形態では図16(a)、図16(b)、図16(c)に示すように、第1のマスクMK、第2のマスクMK、第3のマスクMKを使用して蒸着する。図16(a)に示す第1のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリット231Mが多数形成されている。スリット231Mのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の3倍のピッチである。ピッチが大きい分マスク強度が増し、マスクMKの取り扱いが容易となる。図16(a)に示す第1のマスクMKの右下と左下にはアノード基板2の周縁部の一部を形成するための孔が形成されている。
【0075】
図16(b)に示す第2のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKのスリットの位置とは異なる。また、第2のマスクMKには、アノード基板2のメタルバック周辺部233の辺部を形成するための孔が上下左右4箇所に形成されている。
【0076】
図16(c)に示す第3のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKおよび第2のマスクMKのスリットの位置とは異なる。第3のマスクMKの右上と左上にはアノード基板2の周縁部一部を形成するための孔が形成されている。第1のマスクMK、第2のマスクMK、第3のマスクMKを用いて蒸着するとアノード基板2には環状のメタルバック周辺部233が形成される。
【0077】
第1、第2、第3のマスクを用いてAlが蒸着された状態が図16(d)である。図16(d)において、ストライプ状メタルバックユニット231の縦ピッチは蛍光体の縦ピッチと同じであり、第1、第2、第3のマスクのスリットのピッチの1/3となっている。メタルバック周辺部233は環状となっており、メタルバック周辺部233の一部はAlのオーバーラップ部2331が形成されている。
【0078】
このように、本実施形態では3枚のマスクを用いて蒸着するために、各マスクの強度が強く、その分正確な蒸着が可能になる。
【0079】
図17は本発明を実施するメタルバックを形成する第3の実施形態である。本実施形態では図17(a)、図17(b)、図17(c)、に示すように、第1のマスクMK、第2のマスクMK、第3のマスクMKを使用して蒸着する。図17(a)に示す第1のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリット231Mが多数形成されている。スリット231Mのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231の3倍のピッチである。ピッチが大きい分マスク強度が増し、マスクMKの取り扱いが容易となる。図17(a)に示す第1のマスクMKの右側と左側にはアノード基板2の周縁部の短辺を形成するための孔が形成されている。
【0080】
図17(b)に示す第2のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKのスリットの位置とは異なる。また、第2のマスクMKには、アノード基板2のメタルバック周辺部233の上辺と下辺を形成するための長孔が上下に形成されている。
【0081】
図17(c)に示す第3のマスクMKにはストライプ状メタルバックユニット231を形成するストライプ状のスリットが多数形成されている。スリットのピッチはアノード基板2に形成されるストライプ状メタルバックユニット231のピッチの3倍である。但し、スリットの位置は第1のマスクMKおよび第2のマスクMKのスリットの位置とは異なる。第3のマスクMKにはアノード基板2の周縁部を形成するための孔は形成されていない。
【0082】
第1、第2、第3のマスクを用いてAlが蒸着された状態が図17(d)である。図17(d)において、ストライプ状メタルバックユニット231の縦ピッチは蛍光体の縦ピッチと同じであり、第1、第2、第3のマスクのスリットのピッチの1/3となっている。メタルバック周辺部233は環状となっており、メタルバック周辺部233のコーナー部はAlのオーバーラップ部2331が形成されている。本実施形態の特徴はマスク強度が問題となるメタルバック有効面では3枚のマスクを用いてパターンを形成している点である。
このように、本実施形態でも3枚のマスクを用いて蒸着するために、各マスクの強度が強く、その分正確な蒸着が可能になる。
【0083】
以上のようにしてアノード基板2にAlを形成した後、図18に示すようなマスクSMKを用いてスクリーン印刷によって抵抗体232を形成し、図7に示すようなメタルバックが完成する。抵抗体232にはグラファイトを用いる。グラファイトは印刷後、焼成する。焼成後の膜厚は5μm程度である。焼成後のグラファイトの体積低効率は数Ωcmであるが、メタルバック周辺部233とストライプ状メタルバックユニット231間の抵抗は数キロオームから数十キロオームとなる。導通に寄与する部分はグラファイト膜の下部のみだからである。
【0084】
以上はストライプ状メタルバックユニット231の幅が蛍光体の一行分を覆う場合として説明した。ストライプ状メタルバックユニット231の幅が蛍光体の2行分を覆う場合は、各マスクのスリットの幅をほぼ倍とすればよい。この場合、マスクに形成されるストライプ状のスリットのピッチも倍となる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明のFEDの平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図1のB−B断面図である。
【図6】従来例のアノード基板の内側平面図である。
【図7】本発明のアノード基板の内側平面図である。
【図8】アノード基板の蛍光体部分の拡大平面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】本発明における図8のA−A断面図である。
【図11】本発明における図8のB−B断面図である。
【図12】アノード基板の蛍光体部分の拡大平面図の他の例である。
【図13】図12のA−A断面図である。
【図14】本発明のメタルバックの形状である。
【図15】本発明のメタルバックを形成するマスクの例である。
【図16】本発明のメタルバックを形成するマスクの他の例である。
【図17】本発明のメタルバックを形成するマスクのさらに他の例である。
【図18】抵抗体を形成するスクリーン印刷用マスクの例である。
【符号の説明】
【0086】
1・・・カソード基板、2・・・アノード基板、3・・・封着部、4・・・スペーサ、5・・・端子、6・・・排気基板、8・・・排気管、10・・・通孔、11・・・走査線、12・・・データ信号線、13・・・絶縁膜、14・・・電子源、21・・・蛍光体、22・・・ブラックマトリクス、23・・・メタルバック、24・・・アノード端子、31・・・封止枠、32、33、41・・・フリットガラス、50・・・コンタクトスプリング、231・・・ストライプ状メタルバックユニット、232・・・抵抗体、233・・・メタルバック周辺部、235・・・給電部、MK・・・マスク、SMK・・・スクリーン印刷用マスク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、
前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、
前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、
前記ブラックマトリクスは抵抗率が108Ωcm以上の酸化バナジウムを主成分としたガラス材料で形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記酸化バナジウムを主成分としたガラス材料の抵抗率は108Ωcm以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ブラックマトリクスは酸化バナジウムを30%〜40%含むガラス材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、
前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、
前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、
前記ブラックマトリクスは抵抗率が1010Ωcm以上のダイヤモンドライクカーボンで形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ダイヤモンドライクカーボンの抵抗率は1010Ωcm以上であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項15】
前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項16】
電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、
前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、
前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、
前記複数のストライプ状のメタルバックは異なるマスクを使用した、複数のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、および第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、
前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの2倍であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、および第3のマスクを使用した、第3のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、
前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第3のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの3倍であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記周辺部は、複数のマスク蒸着またはマスクスパッタリングによって、前記複数のストライプ状のメタルバックを周回するように形成されており、
前記複数のマスク蒸着またはマスクスパッタリングによって形成された膜は、互いに重なりを有していることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項1】
電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、
前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、
前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、
前記ブラックマトリクスは抵抗率が108Ωcm以上の酸化バナジウムを主成分としたガラス材料で形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記酸化バナジウムを主成分としたガラス材料の抵抗率は108Ωcm以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ブラックマトリクスは酸化バナジウムを30%〜40%含むガラス材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、
前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、
前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、前記ストライプ状のメタルバックと前記周辺部とは抵抗体によって接続されており、
前記ブラックマトリクスは抵抗率が1010Ωcm以上のダイヤモンドライクカーボンで形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチよりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記ストライプ状のメタルバックの幅は前記蛍光体の縦ピッチの5倍よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ダイヤモンドライクカーボンの抵抗率は1010Ωcm以上であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記周辺部は前記有効画面を囲む環状であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
前記抵抗体は画面の左右に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項15】
前記抵抗体はグラファイトで形成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項16】
電子源がマトリクス状に形成されたカソード基板と、前記カソード基板と対向し、前記電子源と対応する場所に蛍光体が形成されて有効画面を形成したアノード基板を備えた表示装置であって、
前記蛍光体は横方向ピッチと縦方向ピッチを有し、前記蛍光体の間はブラックマトリクスが形成され、前記蛍光体および前記ブラックマトリクスを覆ってアノード電圧が印加される画面横方向に長い複数のストライプ状のメタルバックが形成され、前記複数のストライプ状のメタルバックは前記ブラックマトリクス上において、互いに離間しており、
前記ストライプ状のメタルバックの周辺には前記メタルバックにアノード電圧を供給するための周辺部がメタルバックと同じ材料で形成されており、
前記複数のストライプ状のメタルバックは異なるマスクを使用した、複数のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、および第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、
前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの2倍であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記複数のストライプ状のメタルバックは第1のマスクを使用した、第1のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、第2のマスクを使用した、第2のマスク蒸着又は、マスクスパッタリング、および第3のマスクを使用した、第3のマスク蒸着又は、マスクスパッタリングによって形成されており、
前記第1のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第2のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチと、前記第3のマスクに形成された前記ストライプ状のメタルバックを形成するためのスリットのピッチは、前記ストライプ状のメタルバックのピッチの3倍であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記周辺部は、複数のマスク蒸着またはマスクスパッタリングによって、前記複数のストライプ状のメタルバックを周回するように形成されており、
前記複数のマスク蒸着またはマスクスパッタリングによって形成された膜は、互いに重なりを有していることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−134929(P2009−134929A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308787(P2007−308787)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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