説明

表示装置

【課題】 簡単な構造で表示像に動きを持たせることができ、斬新な見栄えを可能とした表示装置を提供する。
【解決手段】表示板5と、光源4が搭載される回路基板3と、光源4の光を表示板5へ導光する導光体6と、導光体6を保持する保持部材8とを備え、光源4が表示板用光源と、第1及び第2の光源4a、4bからなる導光体用光源から構成され、導光体6が、第1の光源4aの出射光を表示板5側へ導光する第1の導光体6aと、第2の光源4bの出射光を表示板5側へ導光する第2の導光体6bとからなる計器装置において、第1の導光体6aは、第1の光源4aからの出射光を拡散させる第1の拡散部61aを有し、第2の導光体6bは、第2の光源4bからの出射光を拡散させる第2の拡散部61bを有し、観察者側から見たときに、第1の拡散部61aと第2の拡散部61bが完全に重なり合わないように配置されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものであって、特に簡単な構造で表示像に動きを持たせることができ、斬新な見栄えを提供することを可能とした表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置は、特許文献1に記載されているように、表示板の透過スペクトルと一致する発光スペクトルを有する光源によって、表示板の背後に配置された導光体で光源の光を表示板へ導き、表示板に形成される指標部を照明する照明装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3084719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような表示装置は状況にあわせて光源を点灯、点滅させるだけの構造であるため、枠状に設けられた指標部が照明されて表示像が発光するのみで、表示部に面白味がなく、商品性に乏しいといった問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、表示板と、光源が搭載される回路基板と、前記光源の光を前記表示板へ導光する導光体と、前記導光体を保持する保持部材とを備え、前記光源が前記表示板用光源と、第1及び第2の光源からなる前記導光体用光源から構成され、前記導光体が、前記第1の光源の出射光を前記表示板側へ導光する第1の導光体と、前記第2の光源の出射光を前記表示板側へ導光する第2の導光体とからなる計器装置において、前記第1の導光体は、前記第1の光源からの出射光を拡散させる第1の拡散部を有し、前記第2の導光体は、前記第2の光源からの出射光を拡散させる第2の拡散部を有し、観察者側から見たときに、前記第1の拡散部と前記第2の拡散部が完全に重なり合わないように配置されているものである。
【0006】
また本発明は、前記第1及び第2の拡散部は、シボ加工が施されたものである。
【発明の効果】
【0007】
簡単な構造で表示像に動きを持たせることが可能な表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明における表示装置の実施例を表す正面図。
【図2】同上のA−A断面図。
【図3】同上の表示部の変化を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を計器装置に適用した実施例を、添付図面を用いて説明する。
【0010】
計器装置は、前面カバー1と、裏カバー2と、裏カバー2に配置固定される回路基板3と、回路基板3上に実装される光源4と、表示板5と、光源4からの光を表示板5に導光するための導光体6と、表示板5を保持するケース材7とから主に構成される。
【0011】
前面カバー1と裏カバー2は、合成樹脂などから形成されるものであって、前面カバー1は計器の前面に装着される透過性カバーであり、裏カバー2は例えば半透過性のカバーである。
【0012】
回路基板3は、例えばガラスエポキシ基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質の回路基板からなり、計器本体(図示せず)と光源4に電力供給を行う回路パターン(図示せず)を有する。
【0013】
光源4は、回路基板3の前方側に配置された例えばチップ型発光ダイオードからなり、本実施形態では、表示板5を照明する表示板用光源(図示せず)と、後述する拡散部を照明するために導光体6の背後に配置された導光体用光源から構成されている。また、本実施形態では、図2に示すように導光体用光源は、第1の光源及び第2の光源4a、4bであって、例えば赤色のLEDを用いた第1の光源4aと緑色のLEDを用いた第2の光源4bとから構成される。
【0014】
表示板5は、例えば透過性合成樹脂からなる薄板状基材にスクリーン印刷を施してなるものであり、表示板5には、指針51の回動軌道に沿って指示対象となる目盛や文字、マークなどが環状に印刷された表示部52を備えている。また、図1に示すように、本実施形態では2つの表示部52の間であって、表示板5の中心部に開口部53が形成されている
【0015】
開口部53は、本実施形態の場合、表示板5に円形の切り抜きをした形状であり、後述する拡散部を観察者側から視認可能なように設けられたものである。
【0016】
導光体6は、透明な合成樹脂で形成され、図2に示すように、開口部53に対応する箇所が2枚重なり合った板状の導光板からなり、回路基板3に実装配置された第1の光源4aからの出射光を表示板5の開口部12へと導光するために、表示板5側から第1の光源4aへと延設された第1の導光体6aと、第2の光源4bからの出射光を開口部12へと導光するために、表示板5側から第2の光源4bへと延設された第2の導光体6bとを有している。
【0017】
また、第1の導光体6aと第2の導光体6bは、第1及び第2の光源4a、4bから導かれた光が、開口部を抜けて、視認者に向けて反射されるように、導光板にシボ加工を施した拡散部61を有している。
【0018】
ケース体7は、例えば白色系の合成樹脂にてケース状に形成されたもので、回路基板3と表示板5との間に配置され、表示板5を保持する。
【0019】
本実施形態の拡散部61は、図3にあるように、それぞれ八等分に分けられた領域を等間隔空けてシボ加工などで表面加工した第1の拡散部61aと第2の拡散部61bとが用いられる。第1の光源4aからの光は、第1の拡散部61aにて反射され、第2の光源4bからの光は、第2の拡散部61bにて反射される。
【0020】
また、第1の導光体51と第2の導光体52とは、本実施形態の場合、第1の導光体51が表示板5側になるように重ね合わせてケース体7に配置されるが、第1の拡散部51aと第2の拡散部52aとが観察者からの視線上で完全に重なり合わないように、少なくとも一部分をずらして配置されている。
【0021】
第1の光源4aが点灯している時は、第1の導光板6aの第1の拡散部61aのみ照明され、第2の光源4bが点灯している時は、第2の導光板6bの第2の拡散部61bのみ照明されるように構成されてあり、光源を交互に点灯することで、開口部12から見える表示像に動きを付加している。
【0022】
このように、本発明は、表示板5と、光源4が搭載される回路基板3と、光源4の光を表示板5へ導光する導光体6と、導光体6を保持する保持部材8とを備え、光源4が表示板用光源と、第1及び第2の光源4a、4bからなる導光体用光源から構成され、導光体6が、第1の光源4aの出射光を表示板5側へ導光する第1の導光体6aと、第2の光源4bの出射光を表示板5側へ導光する第2の導光体6bとからなる計器装置において、第1の導光体6aは、第1の光源4aからの出射光を拡散させる第1の拡散部61aを有し、第2の導光体6bは、第2の光源4bからの出射光を拡散させる第2の拡散部61bを有し、観察者側から見たときに、第1の拡散部61aと第2の拡散部61bが完全に重なり合わないように配置されていることによって、2つの光源を順次点灯させ、拡散部が交互に照明されて表示像に動きを加えることが可能となり、商品性の向上に有効である。
【0023】
また本発明は、前記第1及び第2の拡散部は、シボ加工が施されたことによって、光源からの出射光を効率よく視認者側へ反射させる事ができる。
【0024】
なお、本実施形態では拡散部がシボ加工によって構成された例を説明したが、
導光体を通過した光源からの光が視認者に向けて反射されればよく、シボ加工の他に、例えば白印刷などを用いることもできる。
【0025】
また、本実施例では第1の導光体51及び第2の導光体52を保持部8上に配置することで保持していたが、例えば前面カバー1と裏カバー2との間で狭持さるなど、保持方法は任意である。
【符号の説明】
【0026】
3 回路基板
4 光源
4a 第1の光源
4b 第2の光源
5 表示板
6a 第1の導光体
6b 第2の導光体
7 ケース体
53 開口部
61a 第1の拡散部
62a 第2の拡散部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示板と、光源が搭載される回路基板と、前記光源の光を前記表示板へ導光する導光体と、前記導光体を保持する保持部材とを備え、前記光源が前記表示板用光源と、第1及び第2の光源からなる前記導光体用光源から構成され、前記導光体が、前記第1の光源の出射光を前記表示板側へ導光する第1の導光体と、前記第2の光源の出射光を前記表示板側へ導光する第2の導光体とからなる計器装置において、
前記第1の導光体は、前記第1の光源からの出射光を拡散させる第1の拡散部を有し、
前記第2の導光体は、前記第2の光源からの出射光を拡散させる第2の拡散部を有し、
観察者側から見たときに、前記第1の拡散部と前記第2の拡散部が完全に重なり合わないように配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の拡散部は、シボ加工が施されたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−99806(P2011−99806A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255747(P2009−255747)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】