説明

表示装置

【課題】表示装置に信号を入力する端子の信頼性を向上させることが可能な技術を提供することである。
【解決手段】
複数の走査信号線と前記走査信号線に交差する複数の映像信号線とが形成される表示領域と、前記表示領域の外側に形成され、前記複数の走査信号線と前記複数の映像信号線とのうちの何れかに第1の端子配線を介して信号を供給する複数の端子からなる端子群と、を備える表示装置であって、前記端子は、前記第1の端子配線の端部に形成され、面状の端子表面が露出される第1部分と、前記第1部分に隣接し、前記第1部分の周りに形成される第2部分と、で構成されており、前記第2部分は、絶縁膜で覆われる前記第1の端子配線と同層又は前記絶縁膜で覆われる前記第1の端子配線と異なる導電性薄膜からなり、前記第1の端子配線と前記第1の電極との接続部から離間した位置において、前記第1の端子配線と電気的に接続される表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係わり、特に、外部から信号を入力するための端子部に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶を挟持して対向配置される一対の基板のうち、一方の基板の液晶側の面に、X方向に延在しY方向に並設されるゲート線(走査信号線)と、Y方向に延在しX方向に並設されるドレイン線(映像信号線)が形成され、これら各信号線で囲まれた矩形状の領域を画素の領域として構成している。表示領域はこれら各画素の集合体によって形成される。それぞれの画素には、少なくとも、ゲート線からの走査信号によってオンする薄膜トランジスタと、このオンされた薄膜トランジスタを通してドレイン線からの映像信号が供給される画素電極を備えている。これらゲート線及びドレイン線はそれぞれ表示領域の端部において端子配線(引き出し配線)と接続され、該端子配線の他端に形成されるパッドと称される端子と電気的に接続されている。これら端子配線は表示領域を除く周辺領域に配置され、一方の基板の辺部に端子が配置されている
これらの端子は、例えば、特許文献1に示すように、端子配線の上層に配置される絶縁膜の一部に当該端子配線はよりも小さい幅の開口部が形成され、該開口部に対応した導電層を形成することにより、導電層と端子配線とを電気的に接続している。このとき、導電層が配置される領域では、端子配線の延在方向に沿って当該端子配線の辺部に下層の絶縁膜が露出される2つの溝(長孔)が形成され、2つの長孔に挟まれた領域の端子配線の上層にのみ、前記導電層が形成され、長孔の両側(両脇)の端子配線の上層には絶縁膜が形成されている。
【0003】
このような構成からなる端子部では、端子から端子配線を介してドレイン線が接続され、該ドレイン線は各薄膜トランジスタのドレイン電極に接続されている。一方、端子から他端側に延在される端子配線は、基板の辺縁部に近接して配置される配線層CLに電気的に接続され、各端子も同様にして、同じ配線層CLに接続され、全ての端子が短絡されている。この配線層CLは、ガラス基板の切断と共に切り離され、これによりそれぞれの端子が短絡されない、すなわち電気的に分離される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−333673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、表示領域の外側の領域の一部に、ゲート線やドレイン線の断線等を検査するための点灯検査回路が形成されているものが知られている。例えば、点灯検査回路は端子配線と接続されないゲート線及びドレイン線の端部に形成される検査用薄膜トランジスタと、該検査用薄膜トランジスタをオンする検査信号線と、このオンされた検査用薄膜トランジスタを通して検査信号をゲート線あるいはドレイン線に検査信号を供給する検査信号線とからなる。これら各検査信号線も端子配線と共に表示領域を除く周辺領域に配置され、検査信号を入力する端子も、端子配線の端子と共に一方の基板の辺部に配置されている。
【0006】
この点灯検査回路を用いた液晶表示パネルの検査では、液晶表示パネルの切断後に、検査用の端子から検査信号を入力することにより、表示領域内にマトリクス状に配列されるそれぞれの画素の点消灯を検査している。
【0007】
すなわち、検査用の端子は検査信号を入力する場合においてのみ外部より検査信号が入力され、検査終了後は検査信号線のみが使用されている。すなわち、従来の液晶表示パネルでは、検査終了後の通常使用時には端子配線として使用され、検査時には検査用信号線と使用される配線を有しており、この検査用配線にのみ、配線途中に端子部が形成され、通常使用時には、端子部は使用されない構成となっている。
【0008】
しかしながら、前述するように、端子部は外部からの検査信号を入力するために、上層に導電層で形成されるのみで、他の信号線部分と同じように上層に絶縁膜が形成されない構成となっている。さらには、他の端子配線の端子部とは異なり、端子部に駆動回路やフレキシブル配線基板等が接続されない構成となっている。このために、液晶表示パネルが高温高湿の環境下で使用された場合等では、端子配線の上層に形成される導電層等の絶縁膜から露出する個所が、空気中の水分と導電膜に印加される電界との相互作用によって腐食し、この腐食の進行により下層に形成される端子配線にも影響を及ぼして、端子配線が断線してしまうことが懸念されている。
【0009】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、表示装置に信号を入力する端子の信頼性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決すべく、複数の走査信号線と前記走査信号線に交差する複数の映像信号線とが形成される表示領域と、前記表示領域の外側に形成され、前記複数の走査信号線と前記複数の映像信号線とのうちの何れかに第1の端子配線を介して信号を供給する複数の端子からなる端子群と、を備える表示装置であって、前記端子は、前記第1の端子配線の端部に形成され、面状の端子表面が露出される第1部分と、前記第1部分に隣接し、前記第1部分の周りに形成される第2部分と、で構成されており、前記第2部分は、絶縁膜で覆われる前記第1の端子配線と同層又は前記絶縁膜で覆われる前記第1の端子配線と異なる導電性薄膜からなり、前記第1の端子配線と前記第1の電極との接続部から離間した位置において、前記第1の端子配線と電気的に接続される表示装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示装置に信号を入力する端子の信頼性を向上させることができる。
【0012】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための平面図である。
【図2】本発明の実施形態1の液晶表示装置における端子領域のパターン図である。
【図3】図2中に矩形枠A,Bで示す領域の拡大図である。
【図4】本発明の実施形態1の液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための端子部の拡大図である。
【図5】本発明の実施形態1の液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施形態1の液晶表示装置におけるパッド部の詳細構成を説明するための平面図である。
【図7】図6に示すD−D線での断面図である。
【図8】図6に示すE−E線での断面図である。
【図9】本発明の実施形態1の端子を形成する第1層目の導電性薄膜の概略構成を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態1の端子を形成する第2層目の導電性薄膜の概略構成を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態1の端子を形成する第3層目の導電性薄膜の概略構成を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態2の表示装置である液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態2の液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための模式図である。
【図14】本発明の実施形態3の表示装置である液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための図である。
【図15】本発明の実施形態4の表示装置である液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための図である。
【図16】本発明の実施形態4のパッド部の詳細構成を説明するための図である。
【図17】図16に示すG−G線での断面図である。
【図18】図16に示すH−H線での断面図である。
【図19】本発明の実施形態5の表示装置における端子を構成するシールド線の構成を説明するための図である。
【図20】本発明の実施形態5の表示装置における端子を構成するシールド線の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0015】
〈実施形態1〉
〈全体構成〉
図1は本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための平面図であり、以下、図1に基づいて、実施形態1の表示装置の全体構成を説明する。ただし、以下の説明では、本願発明を非発光型の液晶表示装置に適用した場合について説明するが、これに限定されることはなく、自発光型の有機EL表示装置等の他の表示装置にも適用可能である。また、以下の説明では、図示しない周知の点灯検査回路に検査信号を入力するための検査用の端子QDに本願発明を適用した場合について説明するが、駆動回路の入出力端子が接続される端子やフレキシブル配線基板と接続される端子等の他の端子にも適用可能である。ただし、本願発明は、工場出荷後すなわち通常使用時に端子表面が露出された状態となる検査用の端子に適用した場合に、最も効果的である。
【0016】
図1に示すように、実施形態1の液晶表示装置は、画素電極PXや薄膜トランジスタTFT等が形成される第1基板SUB1と、図示しないカラーフィルタやブラックマトリクスが形成され、第1基板SUB1に対向して配置される第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2とで挟持される図示しない液晶層とで構成される液晶表示パネルを有し、該液晶表示パネルの光源となる図示しないバックライトユニット(バックライト装置)とを組み合わせることにより、液晶表示装置が構成されている。
【0017】
第1基板SUB1と第2基板SUB2との固定及び液晶の封止は、第2基板の周辺部に環状に塗布された図示しないシール材で固定され、液晶も封止される構成となっている。また、第2基板SUB2は、第1基板SUB1よりも小さな面積となっており、第1基板SUB1の図中下側の辺部を露出させるようになっている。この第1基板SUB1の辺部(端子領域TA)には、検査用の端子QDや半導体チップで構成される駆動回路等の出力端子が接続される端子等が形成されている。表示領域ARに配置される各画素は端子を介して入力される駆動信号(走査信号や映像信号等)で駆動される。なお、以下の説明では、液晶表示パネルの説明においても、液晶表示装置と記すことがある。
【0018】
また、実施形態1の液晶表示装置では、液晶が封入された領域の内で表示画素(以下、画素と略記する)の形成される領域が表示領域ARとなる。従って、液晶が封入されている領域内であっても、画素が形成されておらず表示に係わらない領域は表示領域ARとはならない。なお、第1基板SUB1及び第2基板SUB2としては、例えば周知のガラス基板が基材として用いられるのが一般的であるが、ガラス基板に限定されることはなく、石英ガラスやプラスチック(樹脂)のような他の絶縁性基板であってもよい。
【0019】
実施形態1の液晶表示装置では第1基板SUB1の液晶側の面であって表示領域AR内には、図1中X方向に延在しY方向に並設され、駆動回路DRからの走査信号が供給されるゲート線(走査信号線)GLが形成されている。また、図1中Y方向に延在しX方向に並設され、駆動回路からの映像信号(階調信号)が供給されるドレイン線(映像信号線)DLが形成されている。これらゲート線GL及びドレイン線DLは、例えば、アルミニウム等の金属薄膜で形成されているが、他の導電材料で形成した導電膜で形成してもよい。ゲート線GLとドレイン線DLとで囲まれる矩形状の領域は画素が形成される領域(以下、画素領域と記す)を構成し、これにより、各画素は表示領域AR内においてマトリックス状に配置されている。
【0020】
各画素は、例えば図1中丸印Aの等価回路図A’に示すように、ゲート線GLからの走査信号によってオン/オフ駆動される薄膜トランジスタTFTと、このオンされた薄膜トランジスタTFTを介してドレイン線DLからの映像信号が供給される画素電極PXと、少なくとも表示領域の全面に形成され、X方向の左右(第1基板SUB1の端部)の両側又は一端からコモン線CLを介して、映像信号の電位に対して基準となる電位を有する共通信号が供給される共通電極CTとを備えている。ただし、薄膜トランジスタTFTは、いわゆる逆スタガ構造の薄膜トランジスタであり、そのバイアスの印加によってドレイン電極とソース電極が入れ替わるように駆動するが、本明細書中においては、便宜上、映像信号線DLと接続される側をドレイン電極DT、画素電極PXと接続される側をソース電極STと記す。
【0021】
画素電極PXと共通電極CTとの間には、第1基板SUB1の主面に平行な成分を有する電界が生じ、この電界によって液晶の分子を駆動させるようになっている。このような液晶表示装置は、いわゆる広視野角表示ができるものとして知られ、液晶への電界の印加の特異性から、IPS(In-Plane Switching)方式あるいは横電界方式と称される。また、このような構成の液晶表示装置において、液晶に電界が印加されていない場合に光透過率を最小(黒表示)とし、電界を印加することにより光透過率を向上させていくノーマリブラック表示形態で表示を行うようになっている。なお、TN(Twisted Nematic)方式やVA(Vertical Alignment)方式等の他の駆動方式の液晶表示装置であってもよい。
【0022】
各ゲート線GL及びドレイン線DLは、表示領域ARを超えて伸延されており、表示領域ARと第1基板SUB1の辺縁部との間の領域である、いわゆる額縁領域に形成される端子配線SIGを介して、第1基板SUB1の端子領域TAに形成される端子とそれぞれ接続されている。なお、以下の説明では、ゲート線GL又はドレイン線DLと端子配線SIGとが同一の工程で同層に形成される場合であっても、額縁領域に形成される信号線は、端子配線SIGと記す。また、以下の説明では、端子配線SIGとして、金属薄膜を用いる場合について説明するが、他の導電性薄膜で形成してもよい。
【0023】
図2は本発明の実施形態1の液晶表示装置における端子領域のパターン図であり、図3は図2中に矩形枠A,Bで示す領域の拡大図である。特に、図3(a)は図2に示す矩形枠Aの拡大図であり、図3(b)は図2に示す矩形枠Bの拡大図である。
【0024】
図2に示すように、検査用の端子QDは端子領域TAの両側に配置され、他の端子よりも端子面積が大きく形成されている。これは、検査用の端子QDは外部から信号を入力する際に、端子QDに検査用のプローブピンを当接させ、該プローブピンを介して所望の検査信号を端子QDに入力するためである。このような構成とすることにより、例えば、駆動回路やフレキシブル配線基板等の比較的に高価なモジュール部材を液晶表示パネルに取り付ける前に検査を行うことにより、不良品である液晶表示パネルへのモジュール部材の取り付けに要する工数(時間)や、取り付けたモジュール部材を取り外して再利用する際の工数を低減させることができる。
【0025】
また、実施形態1の端子QDは、配線SIGの途中に形成されており、検査信号が入力されないすなわち通常の表示動作時等には、他の端子から入力された表示用の駆動信号等が導通される。さらには、実施形態1の液晶表示装置においては、検査用の端子QDの外形形状が正方形に形成され、隣接する端子QDが第1基板SUB1の端子領域TA内において、図中上下方向にずれて形成されている。
【0026】
図3(a),(b)から明らかなように、実施形態1の液晶表示装置では、端子QDに入力される信号に応じて端子QDに接続される端子配線(以下、単に配線と記す)SIGの配線幅が異なる構成となっている。例えば、電源や共通信号線等に係わる配線SIGでは、配線抵抗による電圧降下を小さくするために、配線SIGの幅を大きく形成している。例えば、このような配線SIGに接続される端子QDでは、後に詳述するシールド線の配線幅を、他の端子QDのシールド線の幅よりも広く(大きく)形成する等の構成としてもよい。このように、シールドの幅を大きくすることによって、信号線としても機能するシールド線の抵抗を低減させることが可能となるためである。
【0027】
また、配線SIGの途中に端子QDが形成される構成となっているが、後に詳述するように、検査用のプローブピンの当接されるパッド部と、端子QDを介して配置される図中上下の配線SIGを電気的に接続する信号線(シールド線)とは、別々の構成部材で形成される構成となっている。
【0028】
〈端子部の詳細構成〉
図4は本発明の実施形態1の液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための端子部の拡大図であり、図5は本発明の実施形態1の液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための模式図である。以下、図4及び図5に基づいて、実施形態1の端子の構成について詳細に説明する。ただし、図4の記載においては、パッド電極M3の下層に形成されるコンタクトホールCH1,CH2とパッド電極M3との位置を明確するために、パッド電極M3に重畳してコンタクトホールCH1,CH2を記載している。また、以下の説明では、端子配線SIGの内で、端子(パッド電極M3)よりも図中上側に形成される端子配線を配線SIG1と記し、端子よりも図中下側に形成される端子配線を配線SIG2と記す。また、端子QDを構成するシールド線SHと配線SIGとを同層の金属薄膜で形成する場合について説明するが、これに限定されることはなく、他の層に形成される導電膜で形成してもよい。
【0029】
図4及び図5に示すように、実施形態1の端子QDは、平面的に、矩形状に形成され基板面から露出されるパッド電極(第3の電極)M3を有するパッド部(第1部分)PADと、該パッド部PADの外周を囲むようにして環状(四角環状)に形成されるシールド線(第2部分)SHとから構成される。このとき、実施形態1の端子QDでは、配線SIGとシールド線SHとは同層に形成される導電性の金属薄膜で形成され、図4中丸印Cに示す個所(図5中に示す接続部CN1に相当する)において、図4中上側に伸延する配線SIG1とシールド線SHとが電気的に接続されている。また、図中丸印C’で示す個所(図5中に示す接続部CN2に相当する)において、図4中下方に伸延する配線SIG2とシールド線SHとが接続されている。このように、実施形態1の端子QDでは、パッド部PADを環状(四角環状)に囲むようにして形成されるシールド線SHを介して、配線SIG1と配線SIG2とを電気的に接続している。
【0030】
一方、パッド部PADの上面に露出されるパッド電極M3は、後に詳述する絶縁膜に形成されるコンタクトホール(接続孔)CH1,CH2を介して、配線SIG1と電気的に接続されている。また、パッド電極M3は、例えば、酸化インジウム系のITO(Indium Tin Oxide)で形成されている。ただし、パッド電極M3はITOに限定されることはなく、例えば、酸化亜鉛系(ZnO)のAZO(Aluminum doped Zinc Oxide)やGZO(Gallium doped Zinc Oxide)等、及び酸化スズ系等の透明導電膜材料を用いた構成であってもよい。
【0031】
実施形態1の端子QDは、パッド部PADが形成される面内方向すなわち第1基板SUB1の面内方向において、隣接する配線SIGとシールド線SHとの間隔よりも、該シールド線SHとパッド電極M3との間隔の方が小さく形成されている。このように、パッド電極M3の近傍にシールド線SHを形成することにより、その表面が露出されるパッド電極M3に隣接する配線SIGから印加される電界をシールド線SHで保護する構成としている。このとき、後に詳述するように、シールド線SHの上層には絶縁膜が形成されており、この絶縁膜により水分等の侵入から保護されている。
【0032】
すなわち、平面内において、環状(四角環状)のシールド線SHでパッド電極M3を囲む構成とする。この構成により、このシールド線SHの電界シールド効果により隣接する配線SIGとパッド電極M3との間の電界を遮蔽することが可能となる。このとき、シールド線SHとパッド電極M3とは配線SIG1を介して電気的に接続されているので、シールド線SHとパッド電極M3との間に電界が生じることはない。従って、水分に電界が加わることによって進行するパッド電極M3の腐食を大幅に抑制することが可能となり、端子QDの信頼性を向上させることが可能となる。
【0033】
一方、隣接する配線SIGとシールド線SHとの間には電界が生じることとなるが、後に詳述するように、配線SIG及びシールド線SHの上層には絶縁膜が形成され、この絶縁膜にそれぞれが覆われており水分の侵入が防止されるので、シールド線SH及び配線SIGの腐食を共に防止できる。
【0034】
また、 実施形態1の端子QDは、パッド電極M3の辺部にコンタクトホールCH1,CH2が形成されると共に、その形状もパッド電極M3の辺縁部に沿った長形としている。このようなコンタクトホールCH1,CH2の形状及び配置とすることにより、パッド電極M3の中央部に実線で示す領域SMに、平坦な領域を形成し、プローブピンとの接触性能を向上させる構成としている。なお、実施形態1では正方形のパッド電極M3の4つの辺部にそれぞれ一対のコンタクトホールCH1,CH2が形成されているので、正方形となっているが、パッド電極M3の形状は任意であり、コンタクトホールCH1,CH2の形成位置及びその形状も任意であるので、平坦な領域SMの形状も正方形に限定されない。
【0035】
〈パッドの詳細構成〉
次に、図6に本発明の実施形態1の液晶表示装置におけるパッド部の詳細構成を説明するための平面図、図7に図6に示すD−D線での断面図、図8に図6に示すE−E線での断面図を示す。また、図9に本発明の実施形態1の端子を形成する第1層目の導電性薄膜の概略構成を説明するための図、図10に本発明の実施形態1の端子を形成する第2層目の導電性薄膜の概略構成を説明するための図、図11に本発明の実施形態1の端子を形成する第3層目の導電性薄膜の概略構成を説明するための図を示し、以下、図6〜図11に基づいて、実施形態1の端子を構成するパッド部の詳細構成を説明する。
【0036】
図7及び図8に示すように、実施形態1の端子を構成するパッド部は、絶縁膜INT1,INT2を介して重畳配置される3層の導線性薄膜により構成されている。第1基板SUB1の上面に配置される第1層目の導電性薄膜層は、図9に示すように、パッド電極M3の辺部に沿った正方形であり、かつ環状に形成される四角環状の第1の環状電極(第1の電極)M1である。該第1の環状電極M1は薄膜トランジスタのゲート電極を形成するための金属薄膜の形成工程で形成されており、配線SIG1,SIG2やシールド線SHと同層に形成されている。従って、新たな工程を追加することなく、シールド線SHと共に第1の環状電極M1を形成することが可能となる。
【0037】
また、第1の環状電極M1は配線SIG1の端部に形成されており、図中下側の配線SIG2とは配線SIG1及びシールド線SHを介して電気的に接続されることとなる。すなわち、実施形態1においては、シールド線SHと2つの配線SIG1,SIG2とがパッド部PADのそれぞれ異なる辺部において電気的に接続されると共に、シールド線SHと2つの配線SIG1、SIG2とが接続される辺部はパッド部PADの辺部の内で対向する位置に形成される辺部となっている。ただし、第1の環状電極M1と配線SIGとが電気的に接続される接続部CN1は、シールド線SHと配線SIGとが接続される2つの辺部の内のいずれか一方の辺部であり、実施形態1では図中上側の辺部となる。
【0038】
図7及び図8に示すように、第1の環状電極M1の上層には絶縁膜(第1の絶縁膜)INT1が形成され、該絶縁膜INT1の上層に第2の環状電極(第2の電極)M2が形成されている。このとき、第2の環状電極M2は絶縁膜INT1を介して第1の環状電極M1と重畳して形成されており、絶縁膜INT1に形成されるコンタクトホール(第1のコンタクトホール)CH1を介して第1の環状電極M1と第2の環状電極M2とが電気的に接続される構成となっている。このとき、実施形態1においては、配線SIGとシールド線SHとが接続される辺部(図6中の上下)とは異なる辺部(図6中の左右)であり、対向する辺部にそれぞれコンタクトホールCH1が形成されている。この構成により、第2の環状電極M2に腐食が生じた場合であっても、この腐食が接続部CN1に到達するまでの期間、すなわち、配線SIG1とシールド線SHとの断線及びシールド線SHを介した配線SIG1と配線SIG2との断線に至るまでの期間を延ばすことができる。
【0039】
また、実施形態1においては、第1の環状電極M1と第2の環状電極M2とを2つのコンタクトホールCH1でそれぞれ接続する、すなわち、異なる層に形成される導電性薄膜を2個所以上で接続する構成としている。このような冗長構成とすることにより、導電性薄膜材料によって異なることとなる腐食条件を有する導電性薄膜をパッド部PADに用いた場合であっても、腐食耐性を向上させることが可能となる。
【0040】
また、図10に示すように、第2の環状電極M2は四角環状の導電性薄膜で形成されており、実施形態1においては、例えば、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極を形成する金属薄膜の形成工程で形成される。
【0041】
第2の環状電極M2の上層には絶縁膜(第2の絶縁膜)INT2が形成され、該絶縁膜INT2の上層に図11に示す平板状のパッド電極M3が形成されている。このとき、パッド電極M3は絶縁膜INT2を介して第2の環状電極M2と重畳して形成され、絶縁膜INT2に形成されるコンタクトホール(第2のコンタクトホール)CH2を介して第2の環状電極M2とパッド電極M3とが電気的に接続されている。このとき、コンタクトホールCH2は、配線SIGとシールド線SHとが接続される辺部(図6中の上下)と同じ辺部に形成されている。従って、パッド電極M3に腐食が生じ、この腐食がコンタクトホールCH2を介して下層の第2の環状電極M2に至り、該第2の環状電極M2に腐食が発生した場合であっても、この腐食が第1の環状電極M1に到達するまでの期間を大きくできる。すなわち、コンタクトホールCH1とコンタクトホールCH2とは90°回転した位置に形成されると共に、第1の環状電極M1と第2の環状電極M2とは絶縁膜INT1を介して形成され、さらには第1の環状電極M1及び第2の環状電極M2の形状が環状となっているので、第2の環状電極M2に沿って進行する腐食がコンタクトホールCH2を介して第1の環状電極M1に容易に到達することを防止できるからである。
【0042】
このように、実施形態1の液晶表示装置では、第1基板SUB1の対向面側に露出されるパッド電極M3と配線SIG1,SIG2とを電気的に接続する際に、配線SIG1,SIG2及びパッド電極M3とは異なる層に形成される第2の環状電極M2を介して接続する構成としている。さらには、配線SIG1,SIG2と第2の環状電極M2、及び第2の環状電極M2とパッド電極M3との接続をそれぞれ平面的に異なる位置に形成するコンタクトホールCH1,CH2を介して行う構成としているので、高温高湿の環境下で使用した場合等にパッド電極M3に生じる腐食が配線SIG1,SIG2に容易に到達してしまうことを防止できる。すなわち、パッド電極M3に生じた腐食が配線SIG1とシールド線SHとの接続部に到達する速度を遅延させることができ、配線SIG1と配線SIG2との断線を遅延させることができるので、信頼性を向上させることができる。
【0043】
すなわち、実施形態1の液晶表示装置においては、端子QDが配置される配線(図6中上側の配線)SIG1を3つに分岐させ、両側に分岐した配線でシールド線SHを形成する。このとき、2つのシールド線SHの間にパッド部PADを形成し、分岐した残りの配線SIG1をパッド部に接続すると共に、分岐させシールド線SHとした2つの配線(シールド線SH)でパッド部PADを環状に囲むようにし、その後に2つのシールド線SHを結合させて配線SIG2と接続する。この構成により、パッド部PADを平面的にシールド線SHで環状に囲むことができるので、隣接する配線SIG1からパッド部PADに印加される電界をシールド線SHで遮蔽することが可能となり、高温高湿の環境下で使用した場合等にパッド電極M3に生じる腐食を抑制することができる。
【0044】
また、実施形態1の構成からなる端子QDを備える配線が、隣接する他の配線よりも高い電圧が印加される配線とする、すなわち、隣接する他の配線よりも高い電圧が印加される配線に実施形態1の構成の端子QDを設ける。その結果、金属薄膜で形成される配線に対して、アノード熔解に起因する配線の腐食の防止効果を向上させることができるという格別の効果を得ることができる。
【0045】
〈実施形態2〉
図12は本発明の実施形態2の表示装置である液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための図、図13は本発明の実施形態2の液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための模式図である。以下、図12及び図13に基づいて、実施形態2の端子について説明する。ただし、実施形態2の端子QDはシールド線SHと配線SIG1との接続位置及びシールド線SHの形状を除く他の構成は実施形態1と同様の構成である。従って、以下の説明では、シールド線SHについて詳細に説明する。
【0046】
図12及び図13に示すように、実施形態2の端子QDは、図中上側から伸延される配線SIG1の端部である丸印Jで示す個所において、配線SIG1とパッド部とが接続される。また、丸印Kで示す個所すなわち接続部CN1において、シールド線SHと配線SIG1とが電気的に接続される。さらには、丸印K’で示す個所すなわち接続部CN2において、シールド線SHと配線SIG2とが接続される。また、実施形態2のシールド線SHも、配線SIG1との接続領域を除く他の領域においては、実施形態1と同様に、パッド部PADを囲む四角環状に形成されている。従って、実施形態2の端子QDにおいても、実施形態1と同様の効果を得られる。
【0047】
特に、実施形態2の端子QDでは、配線SIG1とシールド線SHとの接続部CN1が、第1基板SUB1の面内方向にパッド部から所定の距離L2だけ離間した位置に形成される構成となっている。すなわち、パッド電極M3の辺縁部からシールド線SHの内側の辺縁部までの距離L1よりも大きな距離L2だけ離間した接続部CN1において、配線SIG1とシールド線SHとが接続される構成となっている。
【0048】
この構成とするために、実施形態2の端子QDでは、配線SIG1の近傍においてシールド線SHを屈曲させて配線SIG1の延在方向に伸延させた後に、再度、配線SIG1の方向へ屈曲させてシールド線SHを配線SIG1に接続する構成となっている。また、配線SIG1が延在する方向への伸延部をシールド線SHにも設けることにより、実施形態2の端子QDでは、パッド電極M3に腐食が生じた場合であっても、その腐食がシールド線SHと配線SIG1との接続部CN1に到達し、配線SIG1とシールド線SHとの電気的接続を破壊するまでの期間を実施形態よりも大きくすることができるので、さらに信頼性を向上できるという格別の効果を得られる。
【0049】
〈実施形態3〉
図14は本発明の実施形態3の表示装置である液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための図であり、以下、図14に基づいて、実施形態3の端子について説明する。ただし、実施形態3の端子はシールド線に接続される配線の構成を除く他の構成は実施形態1と同様の構成である。従って、以下の説明では、シールド線及び配線の構成について詳細に説明する。
【0050】
図14に示すように、実施形態3の端子QDは、図中上側から伸延される配線SIG1の端部にパッド部が形成されると共に、丸印Mで示す領域においてのみシールド線SHと配線SIG1とが電気的に接続されている。すなわち、実施形態3においては、シールド線SHにはパッド電極M3又は配線SIG1からの信号が入力されるのみで、シールド線SHを介して他の配線に信号が入出力されない、すなわちシールド線SHは電気的経路を形成しない構成となっている。
【0051】
このとき、シールド線SHは第1基板SUB1の面内方向に対してパッド部PADを囲むように四角環状に形成されているので、実施形態1と同様の効果を得られる。
【0052】
なお、パッド部の構成を実施形態に示す構成とした場合も、実施形態2と同様に、配線SIG1とシールド線SHとが接続される領域Mを、第1基板SUB1の面内方向にパッド部から大きく離間した位置に形成する構成としてもよい。
【0053】
〈実施形態4〉
図15は本発明の実施形態4の表示装置である液晶表示装置における端子の詳細構成を説明するための図、図16は本発明の実施形態4のパッド部の詳細構成を説明するための図であり、以下、図15及び図16に基づいて、実施形態4の端子について説明する。ただし、実施形態4の端子はパッド部の構成を除く他の構成は実施形態1と同様の構成である。従って、以下の説明では、パッド部の構成について詳細に説明する。
【0054】
図15に示すように、実施形態4の端子においても四角環状のシールド線SHに囲まれる領域内にパッド部が形成されており、パッド電極M3が第1基板SUB1の対向面側に露出され、配線SIG1,SIG2及びシールド線SHは絶縁膜INT1,INT2の下層に形成され、保護される構成となっている。また、配線SIG1,SIG2とシールド線SHとは同層の金属薄膜で形成され、パッド部の図中の上部において配線SIG1とシールド線SHとが接続されると共に、パッド部の図中の下部において配線SIG2とシールド線SHとが接続される。
【0055】
一方、パッド電極M3の辺部の内で、シールド線SHと配線SIG1,SIG2との接続部F,F’が配置されないパッド電極M3の辺部にはコンタクトホールCH1が形成されると共に、パッド電極M3の中央領域を含む領域において、下層の電極とパッド電極M3とを電気的に接続するためのコンタクト領域(第3のコンタクトホール)として機能する開口部OPが形成されている。
【0056】
次に、図17に図16に示すG−G線での断面図、図18に図16に示すH−H線での断面図を示し、以下、図15〜図18に基づいて、実施形態4のパッド部の詳細構成を説明する。
【0057】
図17及び図18に示すように、実施形態4のパッド部においても、第1基板SUB1の表面に形成される四角環状の第1の環状電極M1と、絶縁膜INT1を介して第1の環状電極M1に重畳して形成される第2の環状電極M2とを有する構成となっている。また、実施形態4のパッド部は、第2の環状電極M2の上層に形成され、その辺部が第2の環状電極M2に重畳するように形成される面状の面状電極(第4の電極)M4と、絶縁膜INT2を介して面状電極M4と重畳して形成されるパッド電極M3とを有する構成となっている。
【0058】
このとき、図17に示すように、第1の環状電極M1に重畳する領域に形成されるコンタクトホールCH1を介して、第1の環状電極M1と第2の環状電極M2とが電気的に接続されている。また、図17及び図18に示すように、面状電極M4は第2の環状電極M2の上層に形成されているので、第2の環状電極M2と面状電極M4とが重畳される領域すなわち面状電極M4の辺部において、第2の環状電極M2と面状電極M4とは電気的に接続されている。さらには、面状電極M4の上層には絶縁膜INT2が形成され、この絶縁膜INT2に形成される開口部OP3を介して、絶縁膜INT2の上層に形成されるパッド電極M3と面状電極M4とが電気的に接続されている。
【0059】
ただし、面状電極M4はパッド電極M3と同様の透明導電膜材料であるITOで形成されているが、面状電極M4とパッド電極M3とは異なる工程で形成される。例えば、IPS方式の液晶表示パネルの形成では、薄膜トランジスタのドレイン電極及びソース電極の形成に続く画素電極の形成工程で面状電極M4を形成し、共通電極の形成工程でパッド電極M3を形成できるので、製造工程を増加させることなく、パッド部を形成できる。なお、面状電極M4及びパッド電極M3の形成工程は、これに限定されることはなく、他の工程で形成する場合であってもよい。また、面状電極M4はITOに限定されることはなく、他の酸化物化合物からなる導電性薄膜材料で形成してもよい。
【0060】
この構成からなる実施形態4の液晶表示装置では、第1の環状電極M1は実施形態1と同様に絶縁膜INT1で保護されることとなり、一方、第2の環状電極M2は面状電極M4で保護されることとなる。また、面状電極M4の辺部は絶縁膜INT2で保護されると共に、パッド電極M3は面状電極M4の中央部と共に辺部も保護する。
【0061】
このように、実施形態4の液晶表示装置においても、配線SIG1の端部に第1基板SUB1の面内方向に延在する第1の環状電極M1が形成され、該第1の環状電極M1を覆う絶縁膜INT1を介して第1基板SUB1の面内方向に延在する第2の環状電極M2が形成される構成となっている。また、第2の環状電極M2の上層には第1基板SUB1の面内方向に延在する面状電極M4が形成され、該面状電極M4を覆う絶縁膜INT2を介してパッド電極M3が形成される構成となっている。このとき、絶縁膜INT1を介して重畳される第1の環状電極M1と第2の環状電極M2とを電気的に接続するコンタクトホールCH1の形成位置と、絶縁膜INT2を介して重畳される面状電極M4とパッド電極M3とを電気的に接続する開口部OP3とが、第1基板SUB1の面内方向に対してずれた位置に形成されているので、前述する実施形態1の効果に加えて、高温高湿の環境下で使用した場合等に生じるパッド電極M3に生じる腐食が配線SIG1,SIG2に到達するまでの期間をさらに遅らせることができる。その結果、信頼性をさらに向上させることができる。
【0062】
〈実施形態5〉
図19及び図20は本発明の実施形態5の表示装置における端子を構成するシールド線の構成を説明するための図であり、特に、図19及び図20に示す端子はC字状に形成されるシールド線の一方の端部に配線が接続される端子構成を説明する図である。なお、図19及び図20は実施形態1,2の図5及び図13に対応する実施形態5の端子の詳細構成を説明するための模式図である。
【0063】
前述する実施形態1〜4では、パッド部の外形形状に沿った環状のシールド線SHでパッド部の周りを環状に囲む構成としているが、実施形態5の端子では、パッド部の周囲に形成されるシールド線SHの一部が連続しない非環状すなわちC字状に形成され、該C字状のシールド線SHでパッド部の周りを囲む構成としている。すなわち、実施形態1〜4のシールド線SHでは、配線SIG1からシールド線SHを介して配線SIG2に至る線路が2つの線路を有する構成となっているが、実施形態5のシールド線SHでは、配線SIG1からシールド線SHを介して配線SIG2に至る配線の線路が1つとなっている。
【0064】
図19(a)に示す構成では、シールド線SHはパッド部PADの辺縁部から所定距離だけ離間して形成され、図中下側の辺部において当該シールド線SHの一部が欠落した四角形をなすC字状に形成されている。すなわち、実施形態1の四角環状に形成されるシールド線SHの一部が欠落した形状となっており、特に、配線SIG2が形成される側にシールド線SHの開放端が形成されている。特に、図19(a)に示す構成では、C字状のシールド線SHの一端が配線SIG2に接続部CN2で接続され、当該シールド線SHの延在部の途中の接続部CN1で配線SIG1と電気的に接続され、さらに延在した後に他端は接続部CN2の近傍に形成され、他端でシールド線SHが開放される構成となっている。ただし、配線SIG2とシールド線SHとを接続する接続部CN2はシールド線SHの端部に限定されることはなく、シールド線SHの延在部分であってもよい。
【0065】
このような構成からなる端子においても、パッド部PADと隣接する配線SIGとの間にシールド線SHが配置されると共に、シールド線SHの電圧はパッド部PADの電圧と同じ電圧となるので、実施形態1と同様の効果を得ることができる。ただし、図19(a)に示すシールド線SHの構成では、配線SIG1と配線SIG2とはパッド部PADの図中左側のシールド線SHのみで電気的に接続される。
【0066】
また、図19(b)に示すシールド線SHは、図19(a)と同様にC字状の形状であり、特に、配線SIG1が形成される側にシールド線SHの一部が欠落する開放端が配置されている。すなわち、図19(b)に示す構成では、C字状のシールド線SHの一端が配線SIG1に接続部CN1で接続され、延在部の途中の接続部CN2で配線SIG2と電気的に接続され、さらに延在した後に他端が接続部CN1の近傍で開放される構成となっている。この構成においても、パッド部PADと隣接する配線SIGとの間にシールド線SHが配置されると共に、シールド線SHの電圧はパッド部PADの電圧と同じ電圧となるので、実施形態1と同様の効果を得ることができる。ただし、配線SIG1とシールド線SHとを接続する接続部CN1はシールド線SHの端部に限定されることはなく、シールド線SHの延在部分であってもよい。
【0067】
一方、図20(a)〜図20(c)に示す端子の構成では、シールド線SHがパッド部PADの辺部に沿った四角形のC字状に形成されると共に、パッド部PADの角部で配線SIG1と接続される構成となっている。
【0068】
図20(a)に示す端子は、配線SIG1とパッド部PADとは当該パッド部PADの角部で電気的に接続されると共に、この角部を共有するパッド部PADの2つの辺縁部の内で、配線SIG1の延在方向と一致しないすなわち配線SIG1と交差する辺縁部に対向して配置されるシールド線SHの一端とが接続部CN1で電気的に接続され、他端はこの角部の近傍で開放される構成となっている。このとき、図20(a)に示す端子では、配線SIG1とパッド部PADが接続される角部において、この角部を共有するパッド部PADの辺縁部の延長線上を超えないように、シールド線SHの一端及び他端が形成されている。この構成においても、パッド部PADと隣接する配線SIGとの間にシールド線SHが配置されると共に、シールド線SHはパッド部PADの電圧と同じ電圧が印加されることとなるので、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、図20(b)に示す端子は、配線SIG1に接続しない側の他方の端部が、配線SIG1とパッド部PADが接続される角部を共有するパッド部PADの辺縁部の延長線上を超えて形成されている構成が異なるのみとなる。従って、図20(b)に示す端子においても、前述する図20(a)に示す端子と同様に、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また、図20(c)に示す端子は、配線SIG1とパッド部PADとは当該パッド部PADの角部で電気的に接続されている。また、図20(c)に示す端子においても、シールド線SHはパッド部PADを囲むようにしてその周囲に形成されると共に、配線SIG1が配置される側の辺部に開口端が形成される構成となっている。このシールド線SHの開口端の内で、パッド部PADと配線SIG1との接続位置に近い側の開口端である一方の端部が配線SIG1と接続部CN1で電気的に接続され、他方の端部は接続部CN1の近傍で開放される構成となっている。このとき、図20(c)に示すように、図中下側の辺部の中央部分の接続部CN2でシールド線SHと配線SIG2とを接続する場合、接続部CN1と接続部CN2との距離を短くすることが可能となるので、前述する実施形態1の効果に加えて、配線SIG1と配線SIG2とを電気的に接続するために用いるシールド線SHの部分を短くできるという効果を得ることもできる。
【0071】
また、実施形態1〜4の端子構成においても、配線SIG1とパッド部とを当該パッド部の角部において電気的に接続する構成としてもよい。
【0072】
なお、実施形態1〜5の表示装置においては、第1の環状電極M1及び第2の環状電極M2として四角環状の導電性薄膜で形成する場合について説明したが、実施形態5のシールド線SHと同様に、第1の環状電極M1及び/又は第2の環状電極M2はその一部が欠落したC字状に形成される線状の電極であってもよい。
【0073】
また、実施形態1〜5の表示装置においては、配線SIGとシールド線SHとを同層の金属薄膜で形成する構成としたが、これに限定されることはなく、配線SIGとは異なる層に形成される導電性薄膜でシールド線SHを形成する構成であってもよい。ただし、本実施形態では、シールド線SHを介して、配線SIG1と配線SIG2とを電気的に接続する構成となっているので、シート抵抗の小さい金属薄膜でシールド線SHを形成することが好ましい。金属薄膜でシールド線SHを形成することにより、シールド線SHを介して電気的に接続される配線全体の抵抗値を低減させことができ、信号遅れ等を低減できるからである。
【0074】
さらには、実施形態1〜5の表示装置を適宜、組み合わせた構成であってもよい。
【0075】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0076】
SUB1……第1基板、SUB2……第2基板、PX……画素電極、TA……端子領域
SIG,SIG1,SIG2……端子配線、DL……ドレイン線(映像信号線)
GL……ゲート線(走査信号線)、TFT……薄膜トランジスタ、CL……コモン線
CT……共通電極、AR……表示領域、QD……端子、SM……平坦な領域
CH1,CH2……コンタクトホール、SH……シールド線、M3……パッド電極
CN1,CN2……接続部、PAD……パッド部、INT1,INT2……絶縁膜
M1……第1の環状電極、M2……第2の環状電極、M4……面状電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査信号線と前記走査信号線に交差する複数の映像信号線とが形成される表示領域と、前記表示領域の外側に形成され、前記複数の走査信号線と前記複数の映像信号線とのうちの何れかに第1の端子配線を介して信号を供給する複数の端子からなる端子群と、を備える表示装置であって、
前記端子は、前記第1の端子配線の端部に形成され、面状の端子表面が露出される第1部分と、
前記第1部分に隣接し、前記第1部分の周りに形成される第2部分と、で構成されており、
前記第2部分は、絶縁膜で覆われる前記第1の端子配線と同層又は前記絶縁膜で覆われる前記第1の端子配線と異なる導電性薄膜からなり、
前記第1の端子配線と前記第1の電極との接続部から離間した位置において、前記第1の端子配線と電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1の端子配線と電気的に接続される第2の端子配線を備え、
前記第2の端子配線は、前記第1の端子配線が接続される接続部とは異なる位置で、前記第2部分に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1部分は、前記第1の端子配線の端部に形成される第1の電極と、
第1の絶縁膜を介して前記第1の電極の上層に重畳して形成され、前記第1の絶縁膜に形成される第1のコンタクトホールを介して前記第1の電極と電気的に接続される線状の第2の電極と、
第2の絶縁膜を介して前記第2の電極の上層に重畳して形成され、前記第2の絶縁膜に形成される第2のコンタクトホールを介して前記第2の電極と電気的に接続される面状の第3の電極と、からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の電極及び/又は前記第2の電極は、前記第3の電極の辺部に沿った環状の導電性薄膜からなることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1のコンタクトホールと前記第2のコンタクトホールは、重畳しない位置に形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1部分は、前記第1の端子配線の端部に形成される環状の第1の電極と、
第1の絶縁膜を介して前記第1の電極の上層に重畳して形成され、前記第1の絶縁膜に形成される第1のコンタクトホールを介して前記第1の電極と電気的に接続される面状の第4の電極と、
第2の絶縁膜を介して前記第4の電極の上層に重畳して形成され、前記第2の絶縁膜に形成される第3のコンタクトホールを介して前記第4の電極と電気的に接続される面状の第3の電極と、からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の絶縁膜と前記第4の電極との間に形成される環状の第2の電極を備えることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2部分は、前記第1部分の全周を囲む環状の電極からなることを特徴とする請求項1乃至7の内のいずれかに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−173481(P2012−173481A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34805(P2011−34805)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】