説明

表示装置

【課題】ユーザが3次元で表示された3D画像の変化を正しく確認しながら、自然に操作することができる表示装置を提供する。
【解決手段】互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを組み合わせて生成された3次元画像を表示する表示部6と、表示部6の表示画面上に設けられ、外部から接近してくる物体の領域および該表示画面までの距離を検出するとともに、該検出結果に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネル7と、表示部6が表示する3次元画像に対し、タッチパネル7が所定の領域で受け付けた信号に応じて3次元画像が表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に飛び出す距離を設定する飛び出し設定部93と、飛び出し設定部93が設定した3次元画像を表示部6に表示させる制御を行う表示制御部95と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを用いて3次元画像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、同一の被写体に対して異なる位置から複数のデジタルカメラを用いて撮影することによって複数の画像データを取得し、この取得した複数の画像データに含まれる被写体の視差を利用することにより、ユーザが立体的に見ることができる3次元画像(以下、「3D画像」という)を表示する表示装置が知られている。
【0003】
このような表示装置において、ユーザが表示モニタの画面上に設けられたタッチパネルを操作することにより、表示モニタが表示する画像を3D画像と2次元画像(以下、「2D画像」という)とに切換えることができる技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、ユーザによってタッチパネルがタッチされた位置に対応する領域の画像を2D画像または3D画像に切換えて表示モニタに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−108203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の表示装置が備えるタッチパネルは、表示モニタが3D画像を表示しているにも関わらず、ユーザによってタッチされた位置を平面的(平面座標)に検出するものである。このため、タッチパネルをタッチする位置と表示モニタの画面上から仮想的に飛び出した3D画像に触れる位置との間にずれが生じてしまい、ユーザは3D画像を仮想的にタッチしながら3D画像の飛び出しを調整することができなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザが3次元で表示された3D画像の変化を正しく確認しながら、自然に操作することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを組み合わせて生成された3次元画像を表示する表示部と、前記表示部の表示画面上に設けられ、外部から接近してくる物体の領域および該表示画面までの距離を検出するとともに、該検出結果に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネルと、前記表示部が表示する前記3次元画像に対し、前記タッチパネルが所定の領域で受け付けた信号に応じて前記3次元画像が前記表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に飛び出す距離を設定する飛び出し設定部と、前記飛び出し設定部が設定した前記3次元画像を前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る表示装置は、上記発明において、異なる位置から撮影し、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する撮像部と、前記撮像部が生成した前記2つの画像データに対応する2つの画像に対し、所定の縦横比率で切出して前記3次元画像を生成する立体画像生成部と、をさらに備え、前記飛び出し設定部は、前記立体画像生成部による前記2つの画像データの切出し領域を変更することにより、前記3次元画像の前記飛び出す距離を設定し、前記表示制御部は、前記飛び出し設定部が設定した前記2つの画像データに対応する画像を、前記表示画面における水平方向の1画素毎に交互に並べて前記表示部に出力する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、上記発明において、前記飛び出し設定部は、前記タッチパネルが受け付けた信号に応じて、前記立体画像生成部による前記2つの画像データの切出す領域を、前記2つの画像データに含まれる被写体の視差を小さくする方向に向けて段階的に変更することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置は、上記発明において、前記表示部が表示する前記3次元画像に対し、前記タッチパネルが受け付けた信号に応じて前記撮像部の露出を調整する露出調整部をさらに備え、前記表示制御部は、前記露出調整部が調整した前記3次元画像を前記表示部に表示させる制御を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る表示装置は、上記発明において、前記飛び出し設定部が設定した前記3次元画像の飛び出し距離を、前記2つの画像データのヘッダ情報として生成するヘッダ情報生成部と、前記撮像部が生成する複数の画像データと前記ヘッダ情報生成部が生成するヘッダ情報とを対応付けて記憶する記憶部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る表示装置は、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを組み合わせて生成された3次元操作画像を所定の領域に表示する表示部と、前記表示部の表示画面上に設けられ、外部から接近してくる物体の領域および該表示画面までの距離を検出するとともに、該検出結果に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネルと、前記表示部が表示する前記3次元操作画像に対し、前記タッチパネルが受け付けた信号によって指定された前記3次元操作画像の前記表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に飛び出す距離を設定する飛び出し設定部と、前記飛び出し設定部が設定した前記3次元操作画像を前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、前記3次元操作画像の表示変化に応じて、前記表示部が表示する画像の3次元的な表示態様を変更させる制御を行う画像制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る表示装置は、上記発明において、異なる位置から撮影し、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する撮像部をさらに備え、前記表示制御部は、前記撮像部が撮影した前記2つの画像データに対応する画像を、前記表示画面における水平方向の1画素毎に交互に並べて前記表示部に出力し、前記画像制御部は、前記撮像部が撮影した前記2つの画像データに対応する画像の3次元的な表示態様を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る表示装置によれば、タッチパネルが外部から接近してくる物体の領域および表示画面までの距離を検出するとともに、この検出結果に応じた信号の入力を受け付け、飛び出し設定部が表示部によって表示される3D画像に対し、タッチパネルが受け付けた信号に応じて3D画像が表示部の表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に飛び出す距離を設定し、表示制御部が飛び出し設定部によって設定された3D画像を表示部に表示させる制御を行う。これにより、ユーザが3次元で表示された3D画像の変化を正しく確認しながら、自然に操作することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の一実施の形態に係る表示装置が備える表示部の概略構成を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の一実施の形態に係る表示装置が備えるタッチパネルの概略構成を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の一実施の形態に係る表示装置が備える撮像部が互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する際の状況を示す模式図である。
【図5】図5は、図4に示す状況下で撮像部が生成する2つの画像データそれぞれに対応する2つの画像の一例を示す図である。
【図6】図6は、図4に示す状況下で撮像部が生成した右目画像と左目画像とを仮想的に重ねた画像の一例を示す図である。
【図7】図7は、図4に示す状況下で撮像部と被写体との撮影距離の関係を示す図である。
【図8】図8は、本発明の一実施の形態に係る表示装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】図9は、表示部によって表示されるユーザが認識する仮想的な3D画像中に設けられたアイコンを操作する際の模式図である。
【図10】図10は、本発明の一実施の形態に係る表示装置が備えるタッチパネルが検出する検出領域を説明する模式図である。
【図11】図11は、本発明の一実施の形態に係る表示装置が備える飛び出し設定部が行う処理の概要を示す模式図である。
【図12】図12は、飛び出し設定部が立体画像生成部の切出し領域を設定した後の右目画像と左目画像とを仮想的に重ねた画像の一例を示す図である。
【図13】図13は、飛び出し設定部によって設定されたユーザが認識する仮想的な3D画像の一例を示す図である。
【図14】図14は、露出調整部によって調整されたユーザが認識する仮想的な3D画像の一例を示す図である。
【図15】図15は、図8の再生表示処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、表示装置を搭載したデジタルステレオカメラを例に挙げて説明する。図1に示すように、表示装置1は、異なる位置から撮影し、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する撮像部2と、表示装置1の姿勢を検出する姿勢検出部3と、表示装置1の各種情報の入力を受け付ける操作入力部4と、撮影日時の判定機能やタイマー機能を有する時計5と、2D画像または3D画像を表示する表示部6と、外部から接近してくる物体の領域および表示部6の表示画面までの距離を検出するとともに、この検出結果に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネル7と、撮像部2によって生成された画像データを含む各種情報を記憶する記憶部8と、表示装置1の動作を制御する制御部9と、を備える。
【0018】
撮像部2は、第1撮像部21と第2撮像部22とを有する。第1撮像部21および第2撮像部22は、互いの光軸L1,L2が平行または所定の角度をなすように同一平面上に並設される。
【0019】
第1撮像部21は、レンズ部21aと、レンズ駆動部21bと、絞り21cと、絞り駆動部21dと、シャッタ21eと、シャッタ駆動部21fと、撮像素子21gと、信号処理部21hとを有する。レンズ部21aは、フォーカスレンズやズームレンズ等によって構成され、所定の視野領域からの光を集光する。レンズ駆動部21bは、DCモータ等によって構成され、レンズ部21aのフォーカスレンズやズームレンズ等を光軸L1上で移動させることにより、レンズ部21aのピント位置や焦点距離の変更を行う。絞り21cは、レンズ部21aが集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り駆動部21dは、ステッピングモータ等によって構成され、絞り21cを駆動する。シャッタ21eは、撮像素子21gの状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ駆動部21fは、ステッピングモータ等によって構成され、レリーズ信号に応じてシャッタ21eを駆動する。撮像素子21gは、レンズ部21aが集光した光を受光して電気信号(アナログ信号)に変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等によって実現され、変換した電気信号を信号処理部21hに出力する。信号処理部21hは、撮像素子21gから出力される電気信号に増幅等の信号処理を施した後、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データに変換して制御部9に出力する。
【0020】
第2撮像部22は、第1撮像部21と同一の構成によって実現され、レンズ部22aと、レンズ駆動部22bと、絞り22cと、絞り駆動部22dと、シャッタ22eと、シャッタ駆動部22fと、撮像素子22gと、信号処理部22hとを有する。
【0021】
姿勢検出部3は、加速度センサによって構成され、表示装置1の加速度を検出することにより、表示装置1の姿勢状態を検出する。具体的には、姿勢検出部3は、水平面を基準としたときの表示装置1の姿勢を検出する。
【0022】
操作入力部4は、表示装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切換える電源スイッチ41と、静止画撮影の指示を与えるレリーズ信号を入力するレリーズスイッチ42と、表示装置1の各種撮影モードや各種設定を切換える切換スイッチ43と、撮像部2のズーム操作を行うズームスイッチ44とを有する。
【0023】
時計5は、表示装置1の動作の基準となる時間信号を生成する。これにより、制御部9は、画像データの取得時間や撮像素子21g,22gの露光時間等を設定することができる。
【0024】
図2は、表示部6の概略構成を示す模式図である。図2に示すように、表示部6は、バックライト61と、表示パネル62と、視差バリア63とを有する。バックライト61は、LED(Light Emitting Diode)等によって構成され、画像を表示するための光を背面から照射する。表示パネル62は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネルによって構成される。視差バリア63は、液晶等によって構成され、表示パネル62の上面に積層される。視差バリア63は、表示パネル62の各画素の間隔よりも狭い間隔でスリットが設けられ、ユーザの右目O1と左目O2とにそれぞれ対応した画像を分離する。また、本実施の形態では、視差バリア63は、パララックバリア方式が適用される。なお、本実施の形態では、レンティキュラレンズを積層したレンズシートを視差バリア63に換えて表示パネル62の上面に積層するようにしてもよい。
【0025】
以上の構成を有する表示部6は、制御部9から3D画像データが入力された場合、制御部9の制御のもと表示パネル62が左端の画素から水平方向に右目画像と左目画像との順で交互に表示し、視差バリア63が表示パネル62の各画素から出た光を分離する。このため、右目画像が右目O1のみ、左目画像が左目O2のみにそれぞれ届く。これにより、ユーザは、表示部6が表示する3D画像を仮想的に立体視することができる。また、表示部6は、表示態様を3D画像から2D画像に切換える場合、視差バリア63に印加される電圧がオン状態からオフ状態になることによって、視差バリア63が遮光状態から透過状態になり、右目画像または左目画像のどちらか一方が表示パネル62に出力されることで2D画像を表示することができる。
【0026】
図3は、タッチパネル7の概略構成を示す模式図である。図3に示すように、タッチパネル7は、フロントパネル71と、駆動部72と、駆動電極73と、受信電極74と、検出部75とを有する。フロントパネル71は、所定の厚みを有し、平面的に見て矩形状に形成されたガラスまたはPET(Polyethylene Terephthalate)で構成される。駆動部72は、駆動電極73に駆動パルス(たとえば印加電圧5V)を出力し、駆動電極73と受信電極74との間で静電容量を形成させる。駆動電極73および受信電極74は、ITO(Indium Tin Oxide)電極によって構成され、フロントパネル71の下面に対して5mmピッチで交互に設けられる。検出部75は、静電容量センサによって構成され、ユーザの指O3が電界E1に接近することにより、駆動電極73と受信電極74との間で形成された静電容量の微細な変化量、たとえば指O3がフロントパネル71に接触(タッチ)したときの変化量として1pF程度の値を検出する。この検出部75は、たとえば米国特許7148704号明細書に開示されている。この技術を用いることにより、検出部75は、指O3がフロントパネル71に触れる前から駆動電極73と受信電極74との間で形成された静電容量の微細な変化を検出することができる。具体的には、検出部75は、図3に示すように、距離h1(たとえば0.5cm)の位置と距離h2(たとえば1cm)の位置とに指O3があるときのように、微小な距離しか離れていない2箇所を移動する場合の駆動電極73と受信電極74との間で形成された静電容量の変化を検出することができる。
【0027】
以上の構成を有するタッチパネル7は、表示部6の表示画面上に設けられ、外部から接近してくる物体の領域および表示部6の表示画面までの距離を検出するとともに、この検出結果に応じた信号の入力を受け付ける。具体的には、タッチパネル7は、表示部6で表示される2D画像または3D画像に基づいて、ユーザがタッチパネル7の画面に触れる前から表示画面の周辺に形成された電界E1が変化することで生じる静電容量の変化領域および静電容量の変化量に対応する距離を検出し、この変化領域および距離に応じた操作信号の入力を受け付ける。また、本実施の形態では、タッチパネル7は、静電容量方式のタッチパネルを例に説明したが、たとえば光学容量方式や赤外線方式のタッチパネル等であってもよい。
【0028】
記憶部8は、撮像部2が撮影した画像データを記憶する画像データ記憶部81と、表示装置1が実行する各種プログラムを記憶するプログラム記憶部82とを有する。記憶部8は、表示装置1の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリやRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現される。なお、記憶部8に対し、外部から装着されるメモリカード等の記憶媒体に対して情報を記憶する一方、記憶媒体が記憶する情報を読み出す記録媒体インターフェースとしての機能を具備させてもよい。
【0029】
制御部9は、CPU(Central Processing Unit)等によって実現される。制御部9は、操作入力部4およびタッチパネル7からの操作信号等に応じて記憶部8のプログラム記憶部82からプログラムを読み出して実行し、表示装置1を構成する各部に対する指示やデータの転送等を行って表示装置1の動作を統括的に制御する。制御部9は、画像処理部91と、立体画像生成部92と、飛び出し設定部93と、露出調整部94と、表示制御部95と、ヘッダ情報生成部97とを有する。
【0030】
画像処理部91は、信号処理部21h,22hからそれぞれ出力された左目画像データおよび右目画像データに対して各種の画像処理を施して記憶部8の画像データ記憶部81に出力する。具体的には、画像処理部91は、信号処理部21h,22hからそれぞれ出力された左目画像データおよび右目画像データに対してエッジ強調、色補正およびγ補正等の処理を施す。
【0031】
立体画像生成部92は、画像処理部91によって画像処理された左目画像データおよび右目画像データそれぞれに対し、所定の縦横比率、たとえばアスペクト比3:4で切出すことによって3D画像を生成する。なお、立体画像生成部92が左目画像データおよび右目画像データそれぞれから切出す縦横比率は、切換スイッチ43で設定するようにしてもよい。
【0032】
飛び出し設定部93は、表示部6が表示する3D画像に対し、タッチパネル7が所定の領域で受け付けた信号に応じて、3D画像が表示部6の表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に飛び出す距離(以下、「飛び出し距離」という)を設定する。具体的には、飛び出し設定部93は、タッチパネル7が所定の領域で受け付けた信号に応じて、立体画像生成部92が左目画像データおよび右目画像データからそれぞれ切出す領域を変更することにより、3D画像の飛び出し距離を設定する。さらに、飛び出し設定部93は、タッチパネル7が所定の領域で受け付けた信号に応じて、立体画像生成部92が左目画像データおよび右目画像データからそれぞれ切出す領域を、左目画像データおよび右目画像データそれぞれに含まれる被写体の視差を小さくする方向に向けて段階的に変更することにより、3D画像の飛び出し距離を設定する。さらにまた、飛び出し設定部93は、表示部6が表示する複数の3次元操作画像に対し、タッチパネル7が受け付けた信号によって指定された3次元操作画像(以下、「3D操作画像」という)の飛び出し距離を設定する。なお、本実施の形態では、飛び出し設定部93は、タッチパネル7が所定の領域で受け付けた信号に応じて、3D画像が表示部6の表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に引っ込む引っ込み距離(奥行き方向の距離)を調整するようにしてもよい。
【0033】
露出調整部94は、表示部6が表示する3D画像に対し、タッチパネル7が受け付けた信号に応じて撮像部2の露出を調整する。具体的には、露出調整部94は、タッチパネル7が受け付けた信号に応じて、絞り駆動部21d,22dを駆動して絞り21c,22cの設定値を調整することにより撮像部2の露出調整を行う。
【0034】
表示制御部95は、3D画像または2D画像を表示部6に表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部95は、表示部6に3D画像を表示させる場合、立体画像生成部92が生成した3D画像の左目画像と右目画像とを表示部6の表示画面における水平方向の1画素毎に交互に並べた3D画像を表示部6に出力する制御を行う。これに対して、表示制御部95は、表示部6に2D画像を表示させる場合、表示部6の視差バリア63を遮光状態から透過状態にするため、視差バリア63に印加する電源をオン状態からオフ状態にするとともに、左目画像または右目画像どちらか一方のみを表示パネル62に出力する制御を行う。さらに、表示制御部95は、飛び出し設定部93が設定した3D画像および/または3D操作画像を表示部6に表示させる制御を行う。また、表示制御部95は、露出調整部94が調整した3D画像を表示部6に表示させる制御を行う。
【0035】
画像制御部96は、3D操作画像の表示変化に応じて、表示部6が表示する画像の3次元的な表示態様を変更させる制御を行う。具体的には、画像制御部96は、表示部6が所定の領域に表示する3D操作画像に対し、タッチパネル7が受け付けた信号に応じて飛び出し距離が変化する3D操作画像に対応させて3D画像の飛び出し距離を変更する制御を行う。
【0036】
ヘッダ情報生成部97は、飛び出し設定部93が設定した3D画像の飛び出し距離をヘッダ情報として生成し、このヘッダ情報を撮像部2が生成する画像データに対応付けて画像データ記憶部81に記憶させる。
【0037】
以上の構成を有する表示装置1において、撮像部2が互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する際の状況について説明する。図4は、撮像部2が、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する際の状況を示す模式図である。図5は、図4に示す状況下で撮像部2が生成する2つの画像データそれぞれに対応する2つの画像の一例を示す図である。図5において、図5の画像WR1が、立体画像生成部92が第1撮像部21によって生成された右目画像データに対応する画像から切出して生成した右目画像であり、図5の画像WL1が、立体画像生成部92が第2撮像部22によって生成された左目画像データに対応する画像から切出して生成した左目画像である。図6は、図4に示す状況下で立体画像生成部92が生成した右目画像と左目画像とを仮想的に重ねた画像の一例を示す図である。図7は、図4に示す状況下で撮像部2と被写体との撮影距離の関係を示す図である。図7では、横軸が左端を原点としたときの画像W1内の被写体位置であり、縦軸が撮像部2と被写体との距離である。なお、図5および図6において、破線および一点鎖線が第1撮像部21および第2撮像部22がそれぞれ生成する画像データに対応する画像領域を示す。
【0038】
図4に示すように、撮像部2は、撮像部2からの距離が異なる被写体A1(距離d1)および被写体A2(距離d2)に対して、距離B1離れて並設された第1撮像部21および第2撮像部22で撮影することにより、右目画像データと左目画像データとを生成する。その後、立体画像生成部92が、画像処理部91によって画像処理された右目画像データおよび左目画像データそれぞれを所定の縦横比率で切出して右目画像WR1および左目画像WL1を生成する(図5を参照)。図7に示すように、撮像部2と被写体A2との距離は、撮像部2と被写体A1との距離より大きい。このため、被写体A2の領域がほぼ重なる。具体的には、図6に示すように、画像W1内では、被写体A2の領域がほぼ重なる。これに対して、被写体A1の領域が重ならず、被写体A1に対して視差a1を有する。このように、右目画像WR1および左目画像WL1では、撮像部2からの距離が近い被写体(被写体A1)ほど3D画像内での視差が大きく、撮像部2からの距離が遠い被写体(被写体A2)ほど3D画像内での視差が小さい。
【0039】
つぎに、本実施の形態に係る表示装置1が行う処理について説明する。図8は、表示装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【0040】
図8において、まず、制御部9は、表示装置1の電源がオンになっているか否かを判断する(ステップS101)。表示装置1の電源がオンになっている場合(ステップS101:Yes)、表示装置1はステップS102に移行する。一方、表示装置1の電源がオンになっていない場合(ステップS101:No)、表示装置1は本処理を終了する。
【0041】
続いて、制御部9は、表示装置1が撮影モードに設定されているか否かを判断する(ステップS102)。表示装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS102:Yes)、表示装置1は後述するステップS103に移行する。一方、表示装置1が撮像モードに設定されていない場合(ステップS102:No)、表示装置1は後述するステップS119に移行する。
【0042】
まず、表示装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS102:Yes)について説明する。この場合、表示制御部95は、撮像部2が一定の微小な時間間隔で連続的に生成する画像データに対応する3D画像のスルー画を表示部6に表示させる(ステップS103)。
【0043】
続いて、制御部9は、ユーザによってレリーズスイッチ42が操作されて撮影を指示するレリーズ信号が入力されたか否かを判断する(ステップS104)。撮影を指示するレリーズ信号が入力された場合(ステップS104:Yes)、表示装置1は後述するステップS116に移行する。一方、撮影を指示するレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS104:No)、表示装置1は後述するステップS105に移行する。
【0044】
まず、撮影を指示するレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS104:No)について説明する。この場合、制御部9は、奥行アイコンQ1が操作されたか否かを判断する(ステップS105)。奥行アイコンQ1が操作された場合(ステップS105:Yes)、表示装置1は後述するステップS106に移行する。一方、奥行アイコンQ1が操作されていない場合(ステップS105:No)、表示装置1は後述するステップS112に移行する。
【0045】
図9は、表示部6によって表示されるユーザが認識する仮想的な3D画像中に設けられたアイコンを操作する際の模式図である。図9に示すように、制御部9は、表示部6が表示する画像W2の中に設けられ、3D画像の飛び出し距離の設定を指示する指示信号を入力する奥行アイコンQ1が操作されたか否かを判断する。この場合、タッチパネル7は、外部から接近してくるユーザの指O3の領域および表示部6の表示画面と指O3との距離を検出するとともに、この検出結果に応じた信号の入力を受け付けて制御部9に出力する(図9(a)→(b))。また、図10(a)に示すように、ユーザが表示部6によって表示される3D画像を操作する場合、たとえば表示部6とユーザの右目O1との間に指O3が入り込み、ユーザが3D画像を認識しにくくなり、所望の操作ができない場合がある。このように、両目に入るそれぞれの画像からユーザが3D画像を知覚する3次元表示の場合、一方の画像のみが遮られたりすると、ユーザは正しい立体の知覚がなされなくなってしまう。すなわち、図10(a)に示す状態では、ユーザは3次元で表示された3D画像の変化を正しく確認しながら、自然に操作することができなかった。このため、本実施の形態では、図10(b)に示すように、タッチパネル7は、3D画像、たとえば奥行アイコンQ1の飛び出し距離ΔZに基づいて、検出する検出領域をΔx(Δx=ΔZ/tanθ)だけ右側または左側に広げて検出する。これにより、ユーザは、3D画像である奥行アイコンQ1を仮想的にタッチしながら3D画像の変化を確認しながら自然に調整することができる。
【0046】
ステップS106において、制御部9は、その時点で表示部6によって表示されている3D画像の引っ込み距離が限界であるか否かを判断する。具体的には、制御部9は、図6に示すように、右目画像WR1と左目画像WL1とを仮想的に重ねた画像W1に含まれる被写体A1の視差a1がない状態を3D画像の引っ込み距離が限界であると判断する。3D画像の引っ込み距離が限界である場合(ステップS106:Yes)、表示装置1はステップ101に戻る。一方、3D画像の引っ込み距離が限界でない場合(ステップS106:No)、表示装置1はステップS107に移行する。
【0047】
続いて、制御部9は、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第1の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS107)。具体的には、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量が0.2pF以下であるか否かを判断する。タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第1の閾値以下である場合(ステップS107:Yes)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を1/100移動させる変更を行い(ステップS108)、表示装置1はステップS101に戻る。
【0048】
図11は、飛び出し設定部93が行う処理の概要を示す模式図である。図11において、図11(a)の画像WR21および図11(b)の画像WR22が、立体画像生成部92が第1撮像部21によって生成された右目画像データから所定の縦横比率で切出した右目画像である。また、図11(a)の画像WL21および図11(b)の画像WL22が、立体画像生成部92が第2撮像部22によって生成された左目画像データから所定の縦横比率で切出した左目画像である。図12の画像W3が、飛び出し設定部93が立体画像生成部92の切出し領域を設定した後の右目画像と左目画像とを仮想的に重ねた画像の一例である。図13は、飛び出し設定部93によって設定されたユーザが認識する仮想的な3D画像の一例を示す図である。図13において、図13(a)の画像W4が、飛び出し設定部93による設定前の3D画像であり、図13(b)の画像W5が、飛び出し設定部93による設定後の3D画像である。なお、図11および図12において、破線および一点鎖線が第1撮像部21および第2撮像部22がそれぞれ生成する画像データに対応する画像領域を示す。
【0049】
図11に示すように、飛び出し設定部93は、表示部6が表示する3D画像に対し、タッチパネル7が奥行アイコンQ1の領域で受け付けた信号に応じて、立体画像生成部92が右目画像データおよび左目画像データからそれぞれ切出して生成する右目画像および左目画像の切出し領域を変更して3D画像の飛び出し距離を設定する。具体的には、飛び出し設定部93は、表示部6の表示画面と直交する垂直な方向に仮想的に飛び出した被写体A1を表示部6の表示画面側に引っ込ませる場合、立体画像生成部92による右目画像データの切出し領域を1/100移動させて変更し(図11(a)→図11(b))、右目画像WR22と左目画像WL22とに含まる被写体A1の視差(領域の重なり具合)を小さくすることにより(図12の画像W3を参照)、被写体A1の飛び出し距離を設定する(図13(a)→(図13(b))。さらに、飛び出し設定部93は、表示部6が表示する奥行アイコンQ1(3D操作画像)に対し、タッチパネル7が受け付けた信号に応じて奥行アイコンQ1の飛び出し距離を設定する(図13(a)→(図13(b))。具体的には、ユーザが仮想的に奥行アイコンQ1を押し込んだ量(距離)に応じて奥行アイコンQ1の飛び出し距離を設定する。
【0050】
このように、飛び出し設定部93は、タッチパネル7が奥行アイコンQ1の領域で受け付けた信号に応じて、立体画像生成部92が右目画像データおよび左目画像データからそれぞれ切出して生成する右目画像および左目画像の切出す領域を変更して3D画像の飛び出し距離を設定する。その後、表示制御部95は、飛び出し設定部93が設定した3D画像および/または3D操作画像を表示部6に表示させる制御を行う。これにより、ユーザは、表示部6が表示する3D画像の中に設けられた奥行アイコンQ1を仮想的にタッチしながら3D画像の飛び出し距離の変化を確認しながら自然に調整することができる。なお、図11では、飛び出し設定部93は、右目画像の切出し領域のみ移動させて変更しているが、右目画像および左目画像それぞれ同期させながら、右目画像および左目画像それぞれの切出し領域を移動させて変更し、3D画像の飛び出し距離を設定してもよい。また、飛び出し設定部93は、左目画像の切出し領域のみ移動させて変更し、3D画像の飛び出し距離を設定してもよい。
【0051】
ここで、図8に戻り、ステップS107において、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第1の閾値以下でない場合(ステップS107:No)について説明する。この場合、制御部9は、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第2の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS109)。具体的には、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量が0.5pF以下であるか否かを判断する。タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第2の閾値以下である場合(ステップS109:Yes)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を1/20移動させる変更を行い(ステップS110)、表示装置1はステップS101に戻る。
【0052】
これに対して、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第2の閾値以下でない場合(ステップS109:No)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を1/10移動させる変更を行い(ステップS111)、表示装置1はステップS101に戻る。
【0053】
つぎに、ステップS105において、奥行アイコンQ1が操作されていない場合(ステップS105:No)について説明する。この場合、制御部9は、戻しアイコンQ2が操作されたか否かを判断する(ステップS112)。具体的には、図9に示すように、制御部9は、表示部6が表示する画像W2の中に設けられ、3D画像の飛び出し距離を初期状態に戻す指示信号を入力する戻すアイコンQ2が操作されたか否かを判断する。この場合、制御部9は、タッチパネル7が検出する静電容量が変化した場合、戻すアイコンQ2が操作されたと判断する。ここで、初期位置とは、3D画像の飛び出し距離が最大になる右目画像および左目画像それぞれの切出し領域の位置である。具体的には、立体画像生成部92が生成する右目画像および左目画像それぞれに含まれる被写体A1の視差が最大になる切出し領域の位置である(図6を参照)。戻すアイコンQ2が操作された場合(ステップS112:Yes)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を初期位置に戻し(ステップS113)、表示装置1はステップS101に戻る。
【0054】
つぎに、ステップS112において、戻しアイコンQ2が操作されていない場合(ステップS112:No)について説明する。この場合、制御部9は、EV(露出)アイコンQ3が操作されたか否かを判断する(ステップS114)。具体的には、図9に示すように、制御部9は、表示部6が表示する画像W2の中に設けられ、撮像部2の露出を調整する指示信号を入力するEVアイコンQ3が操作されたか否かを判断する。EVアイコンQ3が操作されていない場合(ステップS114:No)、表示装置1はステップS101に戻る。一方、EVアイコンQ3が操作された場合(ステップS114:Yes)、露出調整部94は、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離に応じて撮像部2の露出を調整し(ステップS115)、表示装置1はステップS101に戻る。具体的には、露出調整部94は、図14に示すように、タッチパネル7が検出する静電容量の変化量に対応する距離に応じて、撮像部2の露出を調整する(図14(a)→図14(b))。この際、図14に示すように、表示制御部95は、表示部6の画面上に絞り値F1(+0.3)を表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、3D画像であるEVアイコンQ3を仮想的にタッチしながら変化させた際の変化量を容易に知ることができる。
【0055】
つぎに、ステップS104において、ユーザによってレリーズスイッチ42が操作されて撮影を指示するレリーズ信号が入力された場合(ステップS104:Yes)について説明する。この場合、撮像部2は、表示部6が現在表示している画像に対して撮影を行い、撮像した画像データを記憶部8の画像データ記憶部81に記憶する(ステップS116)。
【0056】
続いて、表示制御部95は、撮像部2が撮影した画像データに対応する3D画像を表示部6にレックビュー表示させる(ステップS117)。これにより、ユーザは、撮影した画像の奥行き感を確認することができる。
【0057】
その後、制御部9は、表示部6による3D画像のレックビュー表示を行ってから所定時間経過したか否かを判断する(ステップS118)。具体的には、表示部6による3D画像のレックビュー表示を行ってから1分間経過したか否かを判断する。制御部9が判断した結果、表示部6による3D画像のレックビュー表示を行ってから所定時間経過していない場合(ステップS118:No)、表示装置1はステップS117に戻る。一方、制御部9が判断した結果、表示部6による3D画像のレックビュー表示を行ってから所定時間経過している場合(ステップS118:Yes)、表示装置1はステップS101に戻る。
【0058】
ここで、ステップS102において、表示装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS102:No)について説明する。この場合、表示装置1は、撮影した画像データを表示部6に表示する再生表示処理を実行し(ステップS119)、表示装置1はステップS101に戻る。
【0059】
つぎに、図8のステップS119の再生表示処理について説明する。図15は、再生表示処理の概要を示すフローチャートである。図15において、まず、表示制御部95は、画像データ記憶部81に記憶された複数の画像データをまとめて表示した画像選択画面を表示部6に表示させる(ステップS201)。
【0060】
続いて、制御部9は、ユーザがタッチパネル7を操作することによって表示部6が表示する画像選択画面の中から画像が選択されたか否かを判断する(ステップS202)。ユーザによって画像選択画面の中から画像が選択された場合(ステップS202:Yes)、表示装置1は後述するステップS203に移行する。一方、ユーザによって画像選択画面の中から画像が選択されない場合(ステップS202:No)、表示装置1は後述するステップS210に移行する。
【0061】
まず、ユーザによって画像選択画面の中から画像が選択された場合(ステップS202:Yes)について説明する。この場合、表示制御部95は、ユーザによって選択された画像を表示部6に全画面表示させ(ステップS203)、制御部9は、表示部6が表示する画像が3D画像であるか否かを判断する(ステップS204)。具体的には、制御部9は、表示部6が表示している画像のヘッダ情報を参照して3D画像であるか否かを判断する。表示部6が表示する画像が3D画像である場合(ステップS204:Yes)、表示装置1は後述するステップS205に移行する。一方、表示部6が表示する画像が3D画像でない場合(ステップS204:No)、表示装置1は後述するステップS210に移行する。
【0062】
ステップS205において、制御部9は、奥行アイコンQ1が操作されたか否かを判断する。奥行アイコンQ1が操作されていない場合(ステップS205:No)、表示装置1はステップS210に移行する。一方、奥行アイコンQ1が操作された場合(ステップS205:Yes)、表示装置1はステップS206に移行する。
【0063】
ステップS206において、制御部9は、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第1の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS206)。タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第1の閾値以下である場合(ステップS206:Yes)、制御部9は、その時点で表示部6によって表示されている3D画像の引っ込み距離が限界であるか否かを判断する(ステップS207)。3D画像の引っ込み距離が限界でない場合(ステップS207:No)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を1/100移動させる変更を行い(ステップS208)、表示装置1はステップS209に移行する。
【0064】
これに対して、3D画像の引っ込み距離が限界である場合(ステップS207:Yes)、表示装置1はステップS209に移行する。
【0065】
ステップS209において、ヘッダ情報生成部97は、その時点で表示部6が表示している3D画像の飛び出し距離を3D画像データのヘッダ情報として生成し、この生成したヘッダ情報と3D画像データとを対応付けて画像データ記憶部81に記憶させる。
【0066】
続いて、制御部9は、画像再生の終了操作が行われたか否かを判断する(ステップS210)。具体的には、制御部9は、ユーザによって切換スイッチ43が操作され、画像再生を終了する指示信号が入力されたか否かを判断する。画像再生の終了操作が行われていない場合(ステップS210:No)、表示装置1はステップS201に戻る。一方、画像再生の終了操作が行われた場合(ステップS210:Yes)、表示装置1は図8のメインルーチンに戻る。
【0067】
つぎに、ステップS206において、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第1の閾値でない場合(ステップS206:No)について説明する。この場合、制御部9は、タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第2の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS211)。タッチパネル7が検出した静電容量の変化量に対応する距離が第2の閾値以下である場合(ステップS211:Yes)、制御部9は、その時点で表示部6によって表示されている3D画像の引っ込み距離が限界であるか否かを判断する(ステップS212)。3D画像の引っ込み距離が限界である場合(ステップS212:Yes)、表示装置1はステップS209に移行する。これに対して、3D画像の引っ込み距離が限界でない場合(ステップS212:No)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を1/20移動させる変更を行い(ステップS213)、表示装置1はステップS209に移行する。
【0068】
つぎに、ステップS211において、タッチパネル7が検出する静電容量の変化量に対応する距離が第2の閾値以下でない場合(ステップS211:No)について説明する。この場合、制御部9は、その時点で表示部6によって表示されている3D画像の引っ込み距離が限界であるか否かを判断する(ステップS214)。3D画像の引っ込み距離が限界である場合(ステップS214:Yes)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を初期位置に戻す変更を行い(ステップS215)、表示装置1はステップS209に移行する。
【0069】
これに対して、3D画像の引っ込み距離が限界でない場合(ステップS214:No)、飛び出し設定部93は、立体画像生成部92が右目画像データから切出す領域を1/10移動させる変更を行い(ステップS216)、表示装置1はステップS209に移行する。
【0070】
以上説明した本実施の形態によれば、タッチパネル7が外部から接近してくる物体の領域および表示部の表示画面までの距離を検出するとともに、この検出結果に応じた信号の入力を受け付け、飛び出し設定部93が表示部6によって表示される3D画像に対し、タッチパネル7が所定の領域で受け付けた信号に応じて3D画像の飛び出す距離を設定し、表示制御部95が飛び出し設定部93によって設定された3D画像を表示部6に表示させる制御を行う。これにより、ユーザは、3D画像である奥行アイコンQ1を仮想的にタッチしながら3D画像の変化を確認しながら自然に調整することができるという効果を奏する。
【0071】
また、上述した本実施の形態では、撮像部2が互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成していたが、たとえば、一つの撮像部のみを有する構成とし、この撮像部で連続的に撮影することにより、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成するようにしてもよい。
【0072】
また、上述した本実施の形態では、撮像部2が互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成していたが、たとえば、一つの撮像素子のみを有する構成とし、この1つの撮像素子の撮影領域内に2つの光学系によって集光した2像に対応する2つの画像データを用いることにより、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成するようにしてもよい。
【0073】
また、姿勢検出部3は、表示装置1の姿勢状態を検出していたが、たとえば、ユーザが表示部6の表示画面をタップした際に生じる加速度を検出することにより、表示装置1の各種撮影モードや各種設定を切換えるタップ操作の操作信号を受け付け、この操作信号を制御部9に出力するようにしてもよい。
【0074】
また、上述した本実施の形態では、飛び出し設定部93は、表示部6が表示する3D画像に設けられた奥行アイコンQ1が操作された場合に立体画像生成部92が生成する右目画像データおよび左目画像データからそれぞれ切出す領域を変更し、3D画像の飛び出し距離を設定していたが、たとえばレンズ駆動部21b,22bをそれぞれ同期させながら駆動し、第1撮像部21および第2撮像部22それぞれの視野領域を変更することにより、3D画像の飛び出し距離を設定するようにしてもよい。
【0075】
また、上述した本実施の形態では、飛び出し設定部93は、表示部6が表示する3D画像に設けられた奥行アイコンQ1が操作された場合に立体画像生成部92が生成する右目画像データおよび左目画像データからそれぞれ切出す領域を段階的に変更していたが、たとえばタッチパネル7が受け付けた信号に応じて連続的に切出す領域を変更してもよい。
【0076】
また、上述した本実施の形態では、ユーザが奥行アイコンQ1を操作した場合に3D画像の飛び出し距離を変更する設定を行っていたが、たとえばユーザが3D画像内に含まれる被写体A1を操作することにより、3D画像の飛び出し距離を変更する設定を行ってもよい。この場合、飛び出し設定部93は、タッチパネル7が受け付けた信号によって指定された被写体に対し、右目画像および左目画像における被写体の重なり具合(視差)を調整することによって3D画像の飛び出し距離を設定するようにしてもよい。
【0077】
また、上述した本実施の形態では、タッチパネル7の検出部75が静電容量の変化に対応する距離を検出していたが、たとえばバックライト61による照射光の表示部6の外部からの反射光を検出する光センサを設け、この光センサが検出する時間に応じて、飛び出し設定部93は、3D画像の飛び出し距離を設定してもよい。この場合、タッチパネルとしては光電方式のタッチパネルを用いればよい。
【0078】
また、上述した本実施の形態では、タッチパネル7の検出部75が静電容量の変化に対応する距離を検出していたが、たとえば赤外線センサを設け、この赤外センサがフロントパネル71に向けて赤外線を照射することにより、ユーザがフロントパネル71に触れた領域の面積に応じて、飛び出し設定部93は、3D画像の飛び出し距離を設定してもよい。この場合、タッチパネルとしては赤外線方式のタッチパネルを用いればよい。
【0079】
また、上述した本実施の形態では、飛び出し設定部93は、表示部6が表示するスルー画像または画像データ記憶部81に記憶された画像データに対して本処理を行っていたが、たとえば撮影直後に表示部6がレックビュー表示する画像に対して本処理を行ってもよい。
【0080】
また、上述した本実施の形態では、表示部6が表示する画像W3に設けられたEVアイコンQ3が操作された場合に、露出調整部94が撮像部2の露出を調整していたが、たとえば画像W2にズームアイコンを設け、このズームアイコンがユーザによって操作された場合に撮像部2のズーム倍率を変更するようにしてもよい。さらに、撮像モードを切換えるモード切換えアイコン等を表示部6が表示する画像W2に設けてもよい。
【0081】
また、上述した本実施の形態では、表示装置1をデジタルステレオカメラとして説明していたが、たとえばデジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等の撮影機能および表示機能を備えた各種電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 表示装置
2 撮像部
3 姿勢検出部
4 操作入力部
5 時計
6 表示部
7 タッチパネル
8 記憶部
9 制御部
21 第1撮像部
21a,22a レンズ部
21b,22b レンズ駆動部
21c,22c 絞り
21d,22d 絞り駆動部
21e,22e シャッタ
21f,22f シャッタ駆動部
21g,22g 撮像素子
21h,22h 信号処理部
22 第2撮像部
41 電源スイッチ
42 レリーズスイッチ
43 切換スイッチ
44 ズームスイッチ
61 バックライト
62 表示パネル
63 視差バリア
71 フロントパネル
72 駆動部
73 駆動電極
74 受信電極
75 検出部
81 画像データ記憶部
82 プログラム記憶部
91 画像処理部
92 立体画像生成部
93 飛び出し設定部
94 露出調整部
95 表示制御部
96 画像制御部
97 ヘッダ情報生成部
L1,L2 光軸
O1 右目
O2 左目
O3 指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを組み合わせて生成された3次元画像を表示する表示部と、
前記表示部の表示画面上に設けられ、外部から接近してくる物体の領域および該表示画面までの距離を検出するとともに、該検出結果に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネルと、
前記表示部が表示する前記3次元画像に対し、前記タッチパネルが所定の領域で受け付けた信号に応じて前記3次元画像が前記表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に飛び出す距離を設定する飛び出し設定部と、
前記飛び出し設定部が設定した前記3次元画像を前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
異なる位置から撮影し、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する撮像部と、
前記撮像部が生成した前記2つの画像データに対応する2つの画像に対し、所定の縦横比率で切出して前記3次元画像を生成する立体画像生成部と、
をさらに備え、
前記飛び出し設定部は、前記立体画像生成部による前記2つの画像データの切出す領域を変更することにより、前記3次元画像の前記飛び出す距離を設定し、
前記表示制御部は、前記飛び出し設定部が設定した前記2つの画像データに対応する画像を、前記表示画面における水平方向の1画素毎に交互に並べて前記表示部に出力する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記飛び出し設定部は、前記タッチパネルが受け付けた信号に応じて、前記立体画像生成部による前記2つの画像データの切出す領域を、前記2つの画像データに含まれる被写体の視差を小さくする方向に向けて段階的に変更することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部が表示する前記3次元画像に対し、前記タッチパネルが受け付けた信号に応じて前記撮像部の露出を調整する露出調整部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記露出調整部が調整した前記3次元画像を前記表示部に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記飛び出し設定部が設定した前記3次元画像の飛び出し距離を、前記2つの画像データのヘッダ情報として生成するヘッダ情報生成部と、
前記撮像部が生成する複数の画像データと前記ヘッダ情報生成部が生成するヘッダ情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項6】
互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを組み合わせて生成された3次元操作画像を所定の領域に表示する表示部と、
前記表示部の表示画面上に設けられ、外部から接近してくる物体の領域および該表示画面までの距離を検出するとともに、該検出結果に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネルと、
前記表示部が表示する前記3次元操作画像に対し、前記タッチパネルが受け付けた信号によって指定された前記3次元操作画像の前記表示画面と直交する垂直な方向へ仮想的に飛び出す距離を設定する飛び出し設定部と、
前記飛び出し設定部が設定した前記3次元操作画像を前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、
前記3次元操作画像の表示変化に応じて、前記表示部が表示する画像の3次元的な表示態様を変更させる制御を行う画像制御部と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
異なる位置から撮影し、互いの視野の左右方向の一端部同士が重なりを有する2つの画像データを生成する撮像部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記撮像部が撮影した前記2つの画像データに対応する画像を、前記表示画面における水平方向の1画素毎に交互に並べて前記表示部に出力し、
前記画像制御部は、前記撮像部が撮影した前記2つの画像データに対応する画像の3次元的な表示態様を変更することを特徴とする請求項6に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−32964(P2012−32964A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171148(P2010−171148)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】