説明

表面に凹凸しわの模様が形成される自然繊維のラインキルティング織物の製造方法

【課題】表面織物と裏面織物の裁縫線方向と裁縫線の間隔間に凹凸しわの模様が形成される自然繊維ラインキルティング織物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、キルティング原反が進行する方向に対して70〜85°にした対角線方向にミシン装置用支持台(51)を固定してミシン針(52a)を3〜4cm間隔に並んで配置したキルティング機を用い、上板の長さ方向にキルティング原反を通過させて裁縫線の間隔を5〜10mm間隔に裁縫することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面と裏面に裁縫線に沿って凹凸しわの模様が豊かに形成されて肌触りが良く、保温及び通気性が良好で吸収力が良い自然繊維のラインキルティング織物を作ることができる製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のキルティング織物は、表面織物と裏面織物が純粋自然繊維ではないポリエステル繊維織物を用いており、中間材としても純粋自然繊維ではないポルリエステル綿やスポンジを内蔵していた。これらを積層して縦横方向にキルティングや縞模様にキルティングして、キルティング織物にした後、これを服地や布団、枕の製造に使っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、表面織物と裏面織物が合成繊維織物であるため、純粋自然繊維のような感触や保温性を発揮することができなく、また、裁縫線間隔を5〜10mmと狭く裁縫することができないため、花模様や図形模様をキルティングすると、裁縫線を中心に通気性がある凹凸しわの模様を形成させることが不可能な問題点があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために開発し、表面織物と裏面織物の間に保温材を介入した原反を5〜10mmの狭い間隔に並んで裁縫して裁縫線に沿った凹凸しわの模様が形成されることができるように製造方法を改善した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような本発明は、30〜60番手の綿糸を使って織った自然繊維綿織物(1)(2)を表面と裏面に配置して、その間に木花原綿をニードルパンチングして厚さ2〜5mm、重さ190から210g/m2になるようにした木花綿板(3)を介入してキルティング原反を構成することで必要な厚さのキルティング原反を構成し、綿織物間に木花綿板を介入させながらキルティング作業をする時、織物進行方向に対して70〜85°にした対角線方向に設置した支持台に電動ミシンを配置してミシンの針が3〜4cm間隔に配置されるようにして、狭い間隔に最大のミシンを配置することができるようにし、ミシンが装着された支持台を70〜85°角の対角で設置して裁縫するので裁縫線の間隔を5〜10mmと狭くすることができ、裁縫したラインキルティング織物を洗浄液が満たされたロータリー型洗浄機の洗浄槽の中に入れて洗浄槽を前後方向に交互に回転させながら15〜30分間処理すれば綿織物と木花綿板が濡れて縮小して繊維が柔軟化され、表面と裏面に配置された綿織物よりも木花綿板がもっとたくさん縮小されるので収縮率差によって綿織物の裁縫線方向と裁縫線の間隔が腫れ上がってしわの凹凸を形成するようになり、凹凸しわの模様(1a)(2a)を自然に作れ、それを乾燥させればその状態が残留するようになる。
【0006】
したがって、本発明のラインキルティング織物は表面に形成された凹凸しわの模様によって独特の表面感触と綿織物特有の柔軟さと柔らかさを感じることができるし、自然繊維特有の保温性と吸水性を発揮するようにされるのみならず裁縫線に沿って通気が良好になりながら裁縫線両側に形成された凹凸しわの模様の間に空気の通りが活発に行なって通風性の良好なラインキルティング織物が作られるので、布団や敷布団、枕、枕カバーなどのような寝装品や保温衣類製造に広く使うことができる長所があり、自然繊維なので人体の健康に有効な利点を与える効果を出すことができる。
【0007】
そして綿織物と木花綿板で作った原反はラインキルティング織物を構成して洗浄液に浸して充分に縮小したため、洗濯過程で、これ以上の収縮と変形が発生しない安定した形態のラインキルティング織物を得ることができ、水洗濯でも変形がない効果を出すことができ、乾燥段階で高温処理をしないで乾燥させることができるので織維損傷を防止することができ、安定した製品を量産することができる長所がある。
【0008】
本発明は、より具体的には、30〜60番手の綿糸を使って織った綿織物を表面織物と裏面織物として準備し、木花原綿をニードルパンチングして作った一定厚さの木花綿板を中間材として準備して表面織物と裏面織物の間に木花綿板を介入させながらキルティング機に投入して裁縫線の間隔が5〜10mmになるように並んで裁縫することができるように裁縫方法を改善してラインキルティング織物を製造した後、これを洗浄液が満たされたロータリー型洗浄機に入れて縮小柔軟化処理をして引き出して遠心分離機に入れて脱水した後、脱水されたラインキルティング織物を循環式熱風乾燥器に入れて70〜90℃に60〜90分間乾燥させて、ラインキルティング織物の裁縫線方向と裁縫線の間隔間に沿って凹凸しわの模様が自然に形成されて柔らかくて柔軟な肌触りを出すのみならず保温性と吸水性が良くて通風性が良好な凹凸しわの模様織物が製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明で用いるキルティング機の一例を示した平面図。
【図2】本発明で用いるキルティング機の一例を示した側面一部拡大図。
【図3】本発明で用いる綿織物と木花綿板の積層状態の一例を示す斜視図。
【図4】本発明で用いるラインキルティング織物の一例を示す外観斜視図。
【図5】本発明の製造方法による凹凸しわの模様が形成されたラインキルティング織物の一例を示す外観斜視図。
【図6】図5のラインキルティング織物を上方から俯瞰した図。
【図7】本発明で用いるロータリー型洗浄機の例示図。
【図8】本発明で用いる遠心分離機の例示図。
【図9】本発明で用いる循環式熱風乾燥器の例示図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は30〜60番手の綿糸を使ってあや織りまたは平織りの中で選択した一つの組職に織った綿織物(1)(2)を表面織物と裏面織物として準備し、木花原綿をニードルパンチングして厚さ2〜5mm、重さ190〜210g/m2になるように作った木花綿板(3)を中間材として準備して綿織物(1)(2)間に木花綿板(3)を介入させるキルティング原反(A)準備段階と、
【0011】
綿織物(1)(2)間に木花綿板(3)を挿入しながらキルティング機に投入して裁縫線(4)間隔が5〜10mmになるように並んで裁縫するラインキルティング織物製造段階と、
【0012】
上記ラインキルティング織物を洗浄液が満たされたロータリー型洗浄機(10)の洗浄槽の中に入れて洗浄槽を前後方向に交互に回転させながら15〜30分間処理して縮小柔軟化させる段階と、
【0013】
縮小柔軟化されたラインキルティング織物を引き上げて遠心分離機(20)に入れて脱水する脱水処理段階と、
【0014】
脱水されたラインキルティング織物を循環式熱風乾燥器(40)の回転槽の中に入れて回転槽を回転させながら70〜90℃の熱気の下で60〜90分間乾燥させる乾燥段階を順次的に実施して表面織物と裏面織物の裁縫線方向と裁縫線の間隔間に凹凸しわの模様(1a)(2a)が形成されるようにする自然繊維ラインキルティング織物の製造方法において、
【0015】
キルティング機は上板(50a)上にキルティング原反が進行する方向に対して70〜85°にした対角線方向にミシン装置用支持台(51)を固定して支持台上に電動装置で作動するミシン(52)を一定間隔に装着してミシン針(52a)が3〜4cm間隔に並んで下向き配置されるようにし、支持台(51)下端とキルティング機上板の間にキルティング原反(A)が通過することができるように間隔を置いて裁縫案内板(52b)を設置し、そこにミシン針が上下に出入する案内孔(52c)を形成し、上板の底部に下糸供給装置(52d)を設置してミシン針が案内孔を昇降しながら裁縫糸(S)を供給してキルティング原反を裁縫することができるように構成し、裁縫案内板内側に位置したパイプ状で原反投入部側の末端を紐(53a)で支持台にぶら下げた押し台(53)を装着して裁縫される原反(A)を安定的に進行するようにし、キルティング機の上板投入部側に織物展開ローラー(54)と案内ローラー(55)を設置し、排出部側に引き出しローラー(56)(57)を装着したキルティング機(50)を構成して、キルティング原反を上板の上に移動させながら裁縫線の間隔が5〜10mm間隔になるように裁縫したラインキルティング織物を製造することができる。
【0016】
本発明のロータリー洗浄機(10)は、洗浄液保存部(10a)に孔が形成された回転槽(10b)を装着し、これが前後方向に反復回転するので、回転槽の中に洗浄液を満たしてラインキルティング織物を入れて前後方向に交互に回転させると、綿織物と木花綿板が洗浄液と接触して洗浄されながら柔軟化されて、この過程で縦横方向に10〜20%の収縮が行なわれて綿織物と木花綿板の伸縮率差によってラインキルティング織物の表面織物と裏面織物に裁縫線に沿って凹凸しわの模様を作ることができる。
【0017】
遠心分離機(20)は、外枠体(20a)内部に、主壁を沿って多数の通水孔を形成した回転槽(20b)が装着され、これが電動装置により回転する。回転槽内部に、洗浄段階で水に濡れたラインキルティング織物を入れた後、閉じて回転槽を回転させることでライン模様織物に含有された水気が遠心力を受けて回転槽主壁に形成された多数の孔から排出されてラインキルティング織物に含有された水気を脱水することができる。
【0018】
循環式熱風乾燥器(30)は、直方体に形成したチャンバ(30a)天井に電気ヒーター(30b)が装着され、70〜90℃の熱気を放出し、チャンバ(30a)の中の主壁には通気孔(30d)と突出羽(30e)とを形成した回転槽(30c)が装着され、強制回転し、チャンバ(30a)下側背面には排気管(30f)が形成され、熱風乾燥器(40)と連結される構成にされ、回転槽(30c)の中に、脱水したラインキルティング織物を入れて投入口を閉めた後、回転槽を強制回転させれば回転槽が回転しながら風を起こして電気ヒーター(30b)で放出される熱気をチャンバ内側全体に循環させることができ、回転槽の中に吸排出する作用を通じてラインキルティング織物に含有された水気を乾燥することができ、比較的低い温度である70〜90℃で60〜90分間で乾燥させることができ、キルティング織物の変形を防止しながら繊維損傷なしに乾燥することができる。
【符号の説明】
【0019】
1、2:綿織物、1a、2a:凹凸しわの模様、3:木花綿板、4:裁縫線
10:ロータリー洗浄機、10a:洗浄液保存部、10b:回転槽、
20:遠心分離機、20a:外枠体、20b:回転槽、30:熱風乾燥器、
30a:チャンバ、30b:電気ヒーター、30c:回転槽、30d:通気孔
30e:突出羽、30f:排気管、40:熱風乾燥器、50:キルティング機、
50a:上板、51:支持台、52:ミシン、52aミシン針、52b:裁縫案内板、52c:案内孔、52d:下糸供給装置、53:押し台、53a:紐
54:織物展開ローラー、55:案内ローラー、56、57:引き出しローラー、
A:キルティング原反、S:裁縫糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
30〜60番手の綿糸を使ってあや織りまたは平織りの中で選択した一つの組職に織った綿織物(1)(2)を表面織物と裏面織物として準備し、木花原綿をニードルパンチングして厚さ2〜5mm、重さ190〜210g/m2になるように作った木花綿板(3)を中間材として準備して綿織物(1)(2)間に木花綿板(3)を介入させるキルティング原反(A)準備段階と、
綿織物(1)(2)間に木花綿版(3)を挿入しながらキルティング機に投入して裁縫線(4)間隔が5〜10mmになるように並んで裁縫するラインキルティング織物製造段階と、
上記ラインキルティング織物を洗浄液が満たされたロータリー型洗浄機(10)の洗浄槽の中に入れて洗浄槽を前後方向に交互に回転させながら15〜30分間処理して縮小柔軟化させる段階と、
縮小柔軟化されたラインキルティング織物を引き上げて遠心分離機(20)に入れて脱水する脱水処理段階と、
脱水されたラインキルティング織物を循環式熱風乾燥器(40)の回転槽の中に入れて回転槽を回転させながら70〜90℃の熱気の下で60〜90分間乾燥させる乾燥段階を順次的に実施して表面織物と裏面織物の裁縫線方向と裁縫線の間隔間に凹凸しわの模様(1a)(2a)が形成されるようにする自然繊維ラインキルティング織物の製造方法において、
キルティング機は、上板(50a)上にキルティング原反が進行する方向に対して70〜85°にした対角線方向にミシン装置用支持台(51)を固定させ、支持台上に電動装置で作動するミシン(52)を一定間隔に装着してミシン針(52a)が3〜4cm間隔に並んで下向き配置するようにし、支持台(51)下端とキルティング機上板の間にキルティング原反(A)が通過することができるように間隔を置いて裁縫案内板(52b)を設置し、案内板(52b)にミシン針が上下に出入する案内孔(52c)を形成し、支持台(51)の底部に下糸供給装置(52d)を設置してミシン針が案内孔を昇降しながら裁縫糸(S)を供給してキルティング原反を裁縫することができるように構成し、裁縫案内板内側でパイプ状に形成し、原反投入部側の末端を紐(53a)で支持枠にぶら下げた押し台(53)を装着して裁縫される原反(A)が安定的に進行するようにし、キルティング機の上板投入部側に織物展開ローラー(54)と案内ローラ(55)を設置し、排出部側に引き出しローラー(56)(57)を装着した構成としてキルティング原反を上板の上に移動させながら裁縫線の間隔が5〜10mm間隔になるように裁縫してラインキルティング織物を製造することができることを特徴にした表面に凹凸しわの模様が形成される自然織維のラインキルティング織物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−12752(P2012−12752A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179200(P2010−179200)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(510218375)東進寝装株式会社 (1)
【Fターム(参考)】