説明

表面改質剤としてのシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネート

【課題】表面改質剤としてのシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートの提供
【解決手段】本発明は式I
【化1】


(式中、一般記号は請求項1で定義されたのと同様であり、R1及びR2はそれぞれ他と独立して、シリコン含有基を表す。)で表される新規化合物に関する。式Iで表されるこれらの新規化合物は、ポリカーボネート、ポリエステル又はポリケトン或いはそれらの混合物、ブレンド又はアロイのような有機材料のための表面エネルギーの減少剤として有用である。そのような減少された表面エネルギーを有するポリマーは“洗浄容易性”、“自己洗浄性”、“抗汚染性”、“汚れ−放出性”、“抗落書き性”、“耐油性”、“耐溶剤性”、“化学物質耐性”、“自己潤滑性”、“引っかき抵抗性”、“低水分吸収性”、“耐吸塵性”、“スリップ性”及び“疎水性の表面”;並びにタンパク質に対する抗接着性及び、例えば、細菌、真菌及び藻類のような微生物に対する抗接着性を呈する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートに、有機材料、好ましくはポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはそれらの混合物、ブレンド又はアロイのような合成ポリマーを含む組成物に及び新規な表面改質剤に、同様に、有機材料の表面エネルギーの減少剤としての新規化合物の使用に関する。そのような減少された表面エネルギーを有するポリマーは“洗浄容易性”、“自己洗浄性”、“抗汚染性”、“汚れ−放出性”、“抗落書き性”、“耐油性”、“耐溶剤性”、“化学物質耐性”、“自己潤滑性”、“引っかき抵抗性”、“低水分吸収性”、“耐吸塵性”、“スリップ性”及び“疎水性の表面”;並びにタンパク質に対する抗接着性及び、例えば、細菌、真菌及び藻類のような微生物に対する抗接着性を呈する。
【背景技術】
【0002】
特定の分野における熱可塑性ポリマーから製造される製品のために、熱可塑性ガラス、特にガラス用途において使用されるポリカーボネート透明シート及びフィルムのために、容易な自己洗浄の性質の明確な必要性が存在する。自己洗浄はシートの表面上を雨水が流れることにより引き起こされうる。容易な自己洗浄性は、透明又は半透明シートの高い光透過性を維持するために及びシートの表面上の好ましくない物質の蓄積を最小限にするために重要である。このことはまた、ビルディング、屋根付き歩道、温室、自動車及び輸送用途等における屋根ふき材又はガラスの洗浄の頻度を劇的に減少する。このことはまた、乳白色又はブロンズ色の熱可塑性シートのような装飾性の半透明熱可塑性シートにおいても有利である。
【0003】
国際公開第03/057767号パンフレットは、外面上に、十分な量のヒドロキシ−官能化シリコンで変性されたアクリレートポリマー添加剤を有するコーティング組成物を有するポリカーボネートシートを開示する。これは、基材への固体粒子(汚れ)及び/又は液体の付着を減少させることにより、表面上のそのような粒子及び/又は液体の除去を容易にする。市販で入手可能なポリカーボネートシートにおける水滴の接触角は約66°であり、処理されたシートでは約101°である。
【0004】
国際公開第01/74946号パンフレットは、熱可塑性樹脂(ポリカーボネート樹脂のような)中に添加されたデンドリマー添加剤が熱可塑性樹脂の表面特性を変化させるのに効果的であることを開示する。そのような組成物は製品を製造するために射出成形することができるが、該製品においては、デンドリマー添加剤が製品の表面に濃縮されて樹脂の性質を変化させる。デンドリマー添加剤の種類の選択により、結果として得られる成形品の特性をコントロールし得る。
【特許文献1】国際公開第03/057767号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/74946号パンフレット
【発明の開示】
【0005】
シリコン含有基を末端に有する新規のオリゴ−及びポリ−カーボネートが、有機材料、好ましくは、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはそれらの混合物、ブレンド又はアロイのための表面エネルギーの減少剤のような種々の技術用途のために有用であることが今や見出された。そのような減少された表面エネルギーを有するポリマーは“洗浄容易性”、“自己洗浄性”、“抗汚染性”、“汚れ−放出性”、“抗落書き性”、“耐油性”、“耐溶剤性”、“化学物質耐性”、“自己潤滑
性”、“引っかき抵抗性”、“低水分吸収性”、“耐吸塵性”、“スリップ性”及び“疎水性の表面”;並びにタンパク質に対する抗接着性及び、例えば、細菌、真菌及び藻類のような微生物に対する抗接着性を呈する。
【0006】
シリコン含有基を末端に有する新規のオリゴ−及びポリ−カーボネートはまた、ポリマーの補助的特徴に影響せず且つ殺生物性添加剤の放出を伴わず、ポリマーのための溶融添加剤として有用であることも見出された。
【0007】
本発明は、従って、式I
【化1】

(式中、R0は直接結合、
【化2】

を表し、
1及びR2はそれぞれ他と独立して、シリコン含有基を表し、
3及びR4はそれぞれ他と独立して、水素原子、フッ素原子含有基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は
【化3】

を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、未置換の又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8はそれぞれ他と独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子、
【化4】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン
基を表し、
11、R12及びR13はそれぞれ他と独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表し、
14は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はシリコン含有基を表し、
mは0ないし10000を表し、及び
nは0ないし10000を表す。)で表される化合物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
シリコン含有基は、好ましくは、式II
【化5】

(式中、R17、R18、R19及びR20はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基、ヒドロキシ基若しくはアミノ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;酸素原子で中断された炭素原子数4ないし12のヒドロキシアルキル基;又は
【化6】

を表し、
21は炭素原子数1ないし12のアルキル基又は
【化7】

を表し、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はヒドロキシ基若しくはアミノ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
pは0ないし200を表し、及び
qは0ないし200を表す。)で表される基である。
【0009】
シリコン含有基として特に興味深いものは、R17、R18、R19及びR20がそれぞれ他と独立して、メチル基又は
【化8】

を表し、
21がメチル基又は
【化9】

を表し、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29がメチル基を表し、
p及びqがそれぞれ他と独立して、0ないし100を表す、式IIで表される基である。
【0010】
12個までの炭素原子を有するアルキル基は、分岐の又は未分岐の基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基又はドデシル基が挙げられる。R3及びR4のための一つの好ましい定義は、例えば、炭素原子数1ないし8のアルキル基、例えば、メチル基のような炭素原子数1ないし4のアルキル基である。
【0011】
好ましくは1ないし3個の、特には1又は2個の、分岐の又は未分岐のアルキル基を含む、炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環は、例えば、シクロペンチリデン、メチルシクロペンチリデン、ジメチルシクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、ジメチルシクロヘキシリデン、トリメチルシクロヘキシリデン、第三ブチルシクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン又はシクロオクチリデンである。好ましくはシクロヘキシリデンである。
【0012】
炭素原子数1ないし12のアルキレン基は、分岐の又は未分岐の基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基又はドデカメチレン基である。
1及びX2のための、1つの好ましい定義は、炭素原子数1ないし8のアルキレン基、
例えば、炭素原子数2ないし8のアルキレン基である。X1及びX2のための、特に好ましい定義は、炭素原子数2ないし4のアルキレン基、例えば、エチレン基である。
【0013】
酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基は、分岐の又は未分岐の基、例えば、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2
、−CH2CH2CH2−O−CH2CH2CH2−又は−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−である。
【0014】
3ないし14個の炭素原子を有するアルケニル基は、例えば、プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−2,4−ペンタジエニル基、3−メチル−2−ブテニル基、n−2−オクテニル基、n−2−ドデセニル基又はイソ−ドデセニル基のような分岐の又は未分岐の基である。
【0015】
酸素原子で中断された炭素原子数4ないし12のヒドロキシアルキル基は、例えば、−CH2CH2−O−CH2CH2OH又は−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2OHである。
【0016】
フッ素原子含有基は、少なくとも1個のフッ素原子を含む分岐の又は未分岐の基、例えば、炭素原子数1ないし25のフッ化アルキル基又は−(CF2sF(式中、sは1ないし50を表す。)である。
【0017】
炭素原子数1ないし25のフッ化アルキル基は、例えば、パーフルオロアルキル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロへキシル基、7−フルオロヘプチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロブチル基が挙げられる。
【0018】
興味あるものは、R0
【化10】

を表し、
1及びR2はそれぞれ他と独立して、シリコン含有基を表し、
3及びR4はそれぞれ他と独立して、水素原子、トルフルオロメチル基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は
【化11】

を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、未置換の又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8は水素原子を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子、
【化12】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又はメチレン基を表し、
11、R12及びR13はそれぞれ他と独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数3ないし4のアルケニル基を表し、
14は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
mは0ないし10000を表し、及び
nは0ないし10000を表す、式Iで表される化合物である。
【0019】
特に興味あるものは、R0
【化13】

を表し、
3は、水素原子、CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は
【化14】

を表し、
4は、水素原子、CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、未置換の又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8は水素原子を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子、
【化15】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又はメチレン基を表し、
14は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
mは0ないし10000を表し、及び
nは0ないし10000を表す、式Iで表される化合物である。
【0020】
興味あるものはまた、R3及びR4はそれぞれ他と独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン環を形成する、式Iで表される化合物である。
【0021】
好ましいものは、X1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数2ないし8のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表す、式Iで表される化合物である。
【0022】
好ましいものはまた、mが1ないし100を表し、nが0ないし100を表す、式Iで表される化合物である。
【0023】
非常に興味あるものは、R0
【化16】

を表し、
3及びR4はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8は水素原子を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数2ないし4のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子、
【化17】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又はメチレン基を表し、
mは0ないし100を表し、
nは0ないし100を表す、式Iで表される化合物である。
【0024】
式Iで表される化合物は、本質的に公知の方法で製造することができる。典型的な反応手段において、シリコンアルコールがビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)で処理されて系中でシリコンアルコールの2,4ジニトロフェニルカーボネートを与える。この誘導体は容易に単離して、例えば、種々の分子量のヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴマーにより別々に処理することができる。しかし、簡単にするために、該方法は好ましくは、ワンポットで実施される。ブルネラ(Brunella)等は、Macromolecules 1991年、24巻、3035−3044頁において、ビスフェノールAのダイマー及び環状オリゴマーの製造のためのビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネートの使用を開示する。該カップリング反応はまた、例えば、ホスゲン又はカルボニルジイミダゾール(CDI)のようなカーボネート結合形成試剤により実施することができる。
【0025】
特に好ましいシリコン含有基は、式A(p=10)又は式B(p=64)で表されるモノヒドロキシポリシロキサンから誘導されたもの又は式Cで表されるポリアルキレンオキシドで変性されたヘプタメチルトリシロキサン又は式Dで表される3−(ポリオキシエチレン)プロピルヘプタメチルトリシロキサンである。
【化18】

【0026】
好ましいビスフェノール出発物質は、例えば、ビスフェノールAと式1、2及び3で表される化合物である。
【化19】

前記式で表される化合物は、有機材料のための表面エネルギーの減少剤として好適である。そのような減少された表面エネルギーを有するポリマーは“洗浄容易性”、“自己洗浄性”、“抗汚染性”、“汚れ−放出性”、“抗落書き性”、“耐油性”、“耐溶剤性”、“化学物質耐性”、“自己潤滑性”、“引っかき抵抗性”、“低水分吸収性”、“耐吸塵性”、“スリップ性”及び“疎水性の表面”;並びにタンパク質に対する抗接着性及び、例えば、細菌、真菌及び藻類のような微生物に対する抗接着性を呈する。
【0027】
そのような材料の説明に役立つ例は、以下のものである:
1.モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度および高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
【0028】
ポリオレフィン、すなわち前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは、異なった、および特に以下の方法によって製造され得る。
a)ラジカル重合(通常、高圧下および高温で)。
b)通常一種または一種より多くの周期表のIVb、Vb、VIbまたはVIII群の金属原子を含む触媒を使用する触媒重合。これらの金属原子は通常1個または1個より多くの、代表的にはπ−またはσ−配位され得るオキシド、ハライド、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールのような配位子を有する。これらの金属錯体は遊離状態であり得るか、あるいは代表的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素のような基材上に固定され得る。これらの触媒は重合媒体中に可溶または不溶であり得る。触媒は重合において単独で使用されることができ、または代表的には金属アルキル、金属ヒドライド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンのようなさらなる活性化剤が使用されることができ、該金属原子は周期表のIa、IIaおよび/またはIIIa
群の元素である。活性化剤はさらなるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基を用いて都合よく変性され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス(Phillips)、スタンダード オイル インディアナ(Standard Oil Indiana)、チグラー(−ナッタ)(Ziegler(−Natta))、TNZ(デュポン(DuPont))、メタロセンまたはシングルサイト触媒(single site catalyst)(SSC)と命名される。
【0029】
2.1)に記載されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)および異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0030】
3.モノオレフィンおよびジオレフィンの相互または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(ここで、1−オレフィンは、現場で生成される。)、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、またはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレンおよびヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー、およびそのようなコポリマーの相互のおよび上記1)に記載されたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互またはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーおよびそれらと例えばポリアミドのような他のポリマーとの混合物。
【0031】
4.炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)であって、それらの水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含むもの、およびポリアルキレンおよび澱粉の混合物。
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック、またはアタクチックを含む、あらゆる立体構造を有し得る。;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0032】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0033】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0034】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びその混合物から選択される上述された
芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0035】
6b. 6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
【0036】
6c. 6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0037】
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいかなる立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0038】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0039】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコポリマーのようなハロゲン含有ポリマー。
【0040】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0041】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエ
ンターポリマー。
【0042】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;ならびに上の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0043】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0044】
13.ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレンのようなポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0045】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0046】
15.一方はヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、ならびにそれらの前駆体。
【0047】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとの;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0048】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0049】
18.ジカルボン酸とジアルコールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0050】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0051】
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0052】
21.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のような、一方はアルデヒド、他方はフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0053】
22.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0054】
23.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまたその低易燃性のハロゲン含有変性体。
【0055】
24.置換されたアクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
【0056】
25.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0057】
26.酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は促進剤を伴って又は伴わずに架橋された、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物。
【0058】
27.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー及び化学的に変性されたそれらの相同の誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル;ならびにロジン及びその誘導体。
【0059】
28.前述されたポリマーのブレンド及びアロイ(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PC/ポリエステル、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0060】
29.純粋なモノマー化合物又はそのような化合物の混合物である自然に生じる及び合成の有機材料、例えばミネラルオイル、動物及び植物性油脂、オイル及びワックス、又は合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)に基づくオイル、脂肪及びワックス及びまたいかなる質量比におけるミネラルオイルと合成エステルの混合物、典型的に紡糸組成物として使用されるもの、ならびにそのような材料の水性エマルジョン。
【0061】
30.天然又は合成ゴムの水性エマルジョン、例えばカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーの天然ラテックス又はラテックス類。
【0062】
式Iで表される新規化合物はまた、ポリマー産業において有用な1種以上の添加剤を混合又はブレンドすることができる。従って、本発明はまた、(α)式Iで表される化合物、及び(β)フェノール系抗酸化剤、光安定剤、加工安定剤、核剤、殺生物剤、帯電防止剤、難燃剤及び充填剤からなる群より選択される添加剤の1種以上を含む混合物に関する。
特に興味あるものは、成分の質量比(α):(β)が100:0.01ないし0.01
:100である混合物である。
【0063】
本発明の更なる目的は、従って、
a)酸化分解、熱分解又は光誘発分解を受けやすい有機材料、及び
b)式Iで表される化合物の少なくとも1種
からなる組成物である。
【0064】
好ましい有機材料は、天然のポリマー、半合成ポリマー又は、好ましくは、合成ポリマーである。
特に言及される有機材料は、合成ポリマーであり、最も好ましくは、熱可塑性ポリマーである。特に好ましい有機材料は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはそれらの混合物、ブレンド又はアロイである。
【0065】
ポリエステル(PES)は、脂肪族、環式脂肪族又は芳香族ジカルボン酸とジオール又はヒドロキシカルボン酸から構成されるホモ−又はコポリエステルであり得る。
【0066】
脂肪族ジカルボン酸は2ないし40個の炭素原子を含み得、環式脂肪族ジカルボン酸は6ないし10個の炭素原子を含み得、芳香族ジカルボン酸は8ないし14個の炭素原子を含み得、脂肪族ヒドロキシカルボン酸は2ないし12個の炭素原子を含み得、及び芳香族ヒドロキシカルボン酸並びに環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、7ないし14個の炭素原子を含み得る。
【0067】
脂肪族ジオールは2ないし12個の炭素原子を含み得、環式脂肪族ジオールは5ないし8個の炭素原子を含み得、及び芳香族ジオールは6ないし16個の炭素原子を含み得る。
【0068】
芳香族ジオールは2つのヒドロキシル基が1つの又は異なった芳香族炭化水素基に結合されたものである。
【0069】
ポリエステルは、少量の、例えば存在するジカルボン酸に基づいて0.1ないし3mol%の2官能性以上のモノマー(例えば、ペンタエリトリトール、トリメリット酸、1,3,5−トリ(ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸又は2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン)で分岐することも可能である。
【0070】
少なくとも2種のモノマーからなるポリエステルにおいて、これらは不規則に分散されることができるか又はブロックコポリマーであり得る。
【0071】
好適なジカルボン酸は、直鎖の及び分岐した飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び環式脂肪族ジカルボン酸である。
【0072】
脂肪族ジカルボン酸は、好適には、2ないし40個の炭素原子を含むものであり、典型的には、シュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、ピメリン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及び二量体の酸(オレイン酸のような不飽和脂肪族カルボン酸の二量化生成物)、オクタデシルコハク酸のようなアルキル化マロン酸及びコハク酸である。
【0073】
好適な環式脂肪族ジカルボン酸は:1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−及び1,4−(ジカルボキシメチル)シクロヘキサン、4,4´−ジシクロヘキシルジカルボン酸である。
【0074】
好適な芳香族ジカルボン酸は:好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、並びに1,3−、1,4−、2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4´−ベンゾフェノンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシ−3−(p−カルボキシフェニル)インダン、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、ビス−p(カルボキシフェニル)メタン又はビス−p(カルボキシフェニル)エタンである。
【0075】
芳香族ジカルボン酸が好ましく、また、これらの中で特に、テレフタル酸、イソフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0076】
更なる好適なジカルボン酸は−CO−NH基を含むものであり;それらは独国特許出願公開第2414349号明細書中に開示されている。N−へテロ環を含むジカルボン酸もまた好適であり、例えば、カルボキシルアルキル化された、カルボキシルフェニル化された又はカルボキシベンジル化されたモノアミン−s−トリアジンジカルボン酸(独国特許出願公開第2121184号明細書及び独国特許出願公開第2533675号明細書参照)、モノ−又はビスヒダントイン、ハロゲン化されてもよいベンズイミダゾール或いはパラバン酸から誘導されたものが好ましい。カルボキシアルキル基は、この場合、3ないし20個の炭素原子を含むことができる。
【0077】
好適な脂肪族ジオールは直鎖及び分岐の脂肪族グリコールであり、分子中好ましくは2ないし12個、好ましくは2ないし6個の炭素原子の脂肪族グリコール、例えば:エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブタンジオール、ペンチルグリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオールである。好適な環式脂肪族ジオールは、例えば、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンである。更に好適な脂肪族ジオールは、典型的には、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、p−キシリレングリコール又は2,5−ジクロロ−p−キシリレングリコールのような芳香族−脂肪族ジオール、2,2−(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、並びにジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールのようなポリオキシアルキレングリコールである。アルキレンジオールは好ましくは直鎖であり、また、好ましくは2ないし4個の炭素原子を含む。
【0078】
好ましいジオールはアルキレンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンである。エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、並びに1,2−及び1,3−プロピレングリコールが特に好ましい。
【0079】
更なる好適な脂肪族ジオールは2,2−ビス[4´−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのように、β−ヒドロキシアルキル化された、好ましくはβ−ヒドロキシエチル化されたビスフェノールである。更なるビスフェノールは以下に示されたものである。
【0080】
好適な脂肪族ジオールの別の群は独国特許出願公開第1812003、2342432、2342372及び2453326号明細書中に開示されている複素環式ジオールである。説明に役立つ例は:N,N´−ビス(β−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、N,N´−ビス(β−ヒドロキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、メチレンビス[N−(β−ヒドロキシエチル)−5−メチル−5−エチルヒダントイン]、メチレンビス[N−(β−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン]、N,N´−ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾロン、N,N´−ビス(β−ヒドロキシエチル)−(テトラクロロ)ベンズイミダゾロン又はN,N´−ビス(β−ヒ
ドロキシエチル)−(テトラブロモ)ベンズイミダゾロンである。
【0081】
好適な芳香族ジオールは単環性のジフェノール及び好ましくは2環性のジフェノールであり、それらは各芳香環にヒドロキシル基を有する。芳香族は、好ましくはフェニレン又はナフチレンのような芳香族炭化水素を意味するものと理解される。例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール又は1,5−、2,6−及び2,7−ジヒドロキシナフタレンに加えて、それらは下式で表わされ得るビスフェノールが特別な言及に値する:
【化20】

ヒドロキシル基はm−位であり得、好ましくはp−位であり、これらの式中、R´及びR´´は1ないし6個の炭素原子のアルキル基、塩素原子又は臭素原子のようなハロゲン原子であり得、好ましくは水素原子であり得る。Aは直接結合、或いは酸素、硫黄、−SO−、−SO2−、−C(=O)−、−P(O)(炭素原子数1ないし20のアルキル)
−、未置換の若しくは置換されたアルキリデン基、シクロアルキリデン基又はアルキレン基であり得る。
未置換の若しくは置換されたアルキリデン基の典型的な例は、エチリデン基、1,1−又は2,2−プロピリデン基、2,2−ブチリデン基、1,1−イソブチリデン基、ペンチリデン基、ヘキシリデン基、ヘプチリデン基、オクチリデン基、ジクロロエチリデン基、トリクロロエチリデン基である。
【0082】
未置換の又は置換されたアルキレン基の典型的な例は、メチレン基、エチレン基、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基である。シクロアルキリデン基の典型的な例は、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基及びシクロオクチリデン基である。
【0083】
ビスフェノールの説明に役立つ実例は:ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル又はビス(p−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2´−ビフェニル、
フェニルヒドロキノン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、1−フェニル−ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ジフェニル−ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ジフェニル−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス(3´,5´−ジメチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−又は2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−又は1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロペンタンであり、また、好ましくは2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)及び1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールC)である。
【0084】
好適なヒドロキシカルボン酸のポリエステルは、典型的には、ポリカプロラクトン、ポリピバロラクトン又は4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸若しくは4−ヒドロキシ安息香酸のポリエステルである。
【0085】
同様に好適なポリマーは、大部分はエステル結合を含むが、しかし他の結合も含み得るポリマー、例えば、ポリエステルアミド又はポリエステルイミドである。
【0086】
芳香族ジカルボン酸を含むポリエステルは最も重要なものとなり、特にポリアルキレンテレフタレートが最重要である。これらの新規な成形化合物はそのため、ポリエステルが該ポリエステルに基づいて、芳香族ジカルボン酸の少なくとも30モル%、好ましくは少なくとも40モル%で及び好ましくは2ないし12個の炭素原子を含むアルキレンジオールの少なくとも30モル%、好ましくは少なくとも40モル%で構成される場合が好ましい。
【0087】
これらのケースにおいて、アルキレンジオールは好ましくは直鎖で2ないし6個の炭素原子を含み、典型的には、エチレン−、トリ−、テトラ−又はヘキサメチレングリコールであり、また、芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸及び/又はイソフタル酸である。
【0088】
特に好適なポリエステルはPEN、PTT、PET、PETG(グリコール−変性ポリエチレンテレフタレート)又はPBT及び対応するコポリマー又はそれらのブレンドである。PET及びそのコポリマーは特に好ましい。
【0089】
カルボン酸のエステルとしてポリカーボネート(PC)が最も単純なポリエステルである。ポリカーボネートは、例えば縮合によってビスフェノールAとホスゲン若しくはトリクロロメチルクロロホルメート、トリホスゲンのようなホスゲン−類似体又はジフェニルカーボネートから得られ、後者のケースにおいては通常、好適なエステル交換触媒、例えば、水素化ホウ素、アミン、例えば、2−メチルイミダゾール又は4級アンモニウム塩の添加を伴う。ビスフェノールAに加えて、他のビスフェノール化合物もまた使用することができ、また、ベンゼン環がハロゲン化されたモノマーを使用することもできる。特に好適なビスフェノール化合物を言及すると:2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−プロピルフェニル)メタン、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、2,2−ビス(3´,5´−ジメチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3´,5´−ジブロモ−4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3´,5´−ジクロロ−4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(3´,5´−ジメチル−4´−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン又は1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロペンタンである。該ポリカーボネートは2官能性以上のモノマー(上記のような例)の好適な量により分岐されることができる。
【0090】
PESとPCのブレンド、即ち、特にPBT/PC及びPET/PCに加えて、本発明に使用されるポリマーは好適にはまた、PC/ABS及びPBT/PC/ABS、PBT/PET/PC、PBT/PET/PC/ABS又はPBT/PC/ASAのブレンドのような三元ブレンドである。
【0091】
ブレンドは出発ポリマーから慣用の手法で製造される。好ましいPES成分はPBTであり、好ましいPC成分はビスフェノールAをベースとするPCである。PESとPCの比率は、好ましくは95:5ないし5:95であり、1成分を少なくとも70%と規定する比率が特に好ましい。
【0092】
エステル交換反応のせいで、全てのPES/PCブレンドは通常、大体、大部分のブロックコポリマー構造から成る、即ち、ブレンドの一部がPC/PESブロックコポリマーの形態となる。該特性の独創的な増強はポリマー同士の相溶性を増加させる。しかしながら、所謂相溶剤で相溶性を増加させることも可能である。本発明の場合、それらは、例えば、ポリエステル/ポリカーボネートコポリマー又は同様にポリアリーレート(=芳香族ポリエステル)であり得る。
【0093】
特に特筆すべきことは、有機材料の表面エネルギーの減少剤としての式Iで表される新規化合物の効果である。低い表面エネルギーを有する有機材料は本質的に優れた特性、例えば、撥水性及び撥油性、疎水性、バリア特性、洗浄容易性、自己洗浄性、抗落書き性又は耐溶剤性等を有する。
【0094】
式Iで表される化合物は、好ましくは処理される有機材料に対して、前記材料の質量に基づいて、0.1ないし20%、好ましくは0.1ないし10%、典型的には1ないし5%の濃度で添加される。
【0095】
式Iで表される化合物に加えて、本発明の組成物は典型的には以下に示される更なる添加剤を含み得る。
【0096】
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状又は側鎖において分岐したノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1'−メチルウンデシ−1'−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1'−メチルヘプタデシ−1'−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1'−メチルトリデシ−1'−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0097】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0098】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0099】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0100】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2'−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフ
ェノール)、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4'−ビス(2,6−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0101】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2'−メチレンビス[4
−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2'−メチレンビス
(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−ノニル
−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノー
ル)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス[
6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2'−メチレンビス[6−
(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4'−メチレンビス(2
,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4'−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メ
チルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3'−第三ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3'−第三
ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0102】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3',5'−テトラ−第三ブチル−4,4'−ジヒドロキシジベンジルエ
ーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0103】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0104】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0105】
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピ
オニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0106】
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0107】
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0108】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノ
ール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0109】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノ
ール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル。
【0110】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデ
カノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0111】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、
一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデ
カノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0112】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロ
ピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N'−ビス(3,5−ジ−
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N'−ビス[2−
(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤルによって供給されるナウガードXL−1;登録商標:Naugard)。
【0113】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0114】
1.19.アミン系酸化防止剤
例えば、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェ
ニレンジアミン、N,N'−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレン
ジアミン、N,N'−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジ
アミン、N,N'−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル
−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N'−フェニル−p−
フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、
4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p'−ジ−第三オクチルジフェニルアミン
、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N',N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン
、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1',3'−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オク
チルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N',N'−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オール。
【0115】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−第三ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5'−第三ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(
3',5'−ジ−第三ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(3'−第二ブチル−5'−第三ブチル−2'−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−第三アミル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(3',5'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2'−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2
−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−第三ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボ
ニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3'−第三ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−ドデシル−2'−ヒドロキシ
−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキ
シ−5'−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、
2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾト
リアゾール−2−イルフェノール];2−[3'−第三ブチル−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)−2'−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレ
ングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3'−第三ブチル−4'−ヒドロキシ−5'−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO
−CH2CH2−]2−、2−[2'−ヒドロキシ−3'−(α,α−ジメチルベンジル)−
5'−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[
2'−ヒドロキシ−3'−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5'−(α,α−ジ
メチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0116】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2',4'−トリヒドロキシ及び2'−ヒドロ
キシ−4,4'−ジメトキシ誘導体。
【0117】
2.3.置換された及び非置換の安息香酸のエステル
例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4
−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0118】
2.4.アクリレート
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0119】
2.5.ニッケル化合物
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような他の配位子を伴うか又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2'
−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、更なる配位子を伴うか又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0120】
2.6.立体障害アミン
例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1'−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)
、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと
4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg.No.[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg.No.[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N'−ビス−ホルミル−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0121】
2.7.オキサミド、
例えば、4,4'−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'−ジエトキシオキサニリド、2,2'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ−第三ブトキサニリド、2,2'−ジドデシル
オキシ−5,5'−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド、N,N'−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブ
チル−2'−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2'−エチル−5,4'−ジ−第三ブ
トキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0122】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒド
ロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルエトキシ)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン。
【0123】
3.金属奪活剤
例えば、N,N'−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N'−サリチロイルヒドラジン、N,N'−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'−ジアセチ
ルアジポイルジヒドラジド、N,N'−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、
N,N'−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0124】
4.ホスフィット及びホスホニット、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10
−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2',2"−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3',5,5'−テトラ−第三ブチル−1,1'−ビフェニル−2,2'−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3',5,5'−テトラ−第三ブチル−1,1'−ビフェニル−2,
2'−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三
ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0125】
5.ヒドロキシルアミン、
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0126】
6.ニトロン、
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0127】
7.チオ相乗剤、
例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル又はチオジプロピオン酸ジステアリル。
【0128】
8.過酸化物捕捉剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0129】
9.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0130】
10.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0131】
11.核剤
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。とりわけ好ましくは1,3:2,4−ビス(3'
,4'−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベン
ジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0132】
12.充填剤及び強化剤
例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0133】
13.他の添加剤
例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤、発泡剤及び赤外線(IR)吸収剤。
好ましいIR吸収剤は、例えば、顔料、染料又は有機金属化合物である。そのような顔料の例は、例えば、特開2003−221523号公報に開示されている。IR吸収性染料の例は、例えば、特開2003−327865号公報又は欧州特許出願公開第1306404号明細書に開示されている。IR吸収性有機金属化合物は、例えば、欧州特許出願
公開第1266931号明細書又はケミカルアブストラクト117;112529に開示されている。
【0134】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書、欧州特許出願公開第0591102号明細書又は欧州特許出願公開第1291384号明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3'−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−
[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン又は3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラノ−2−オン。
【0135】
更なる添加剤は、典型的には処理される材料の総質量に基づいて0.01ないし10%の濃度において使用される。
【0136】
式Iで表される新規な化合物は特に、フェノール性抗酸化剤、光安定剤及び/又は加工安定剤と伴に使用することができる。
【0137】
成分(b)及び所望による更なる添加剤の合成ポリマーへの混和は、公知の方法、例えば、配合、押出し、共押出しの前又は最中に行われるか、さもなくば、溶解又は分散された化合物を合成ポリマーへ適用し、適当ならばその後緩慢な溶媒蒸発により行われる。
【0138】
本発明はまた、成分(a)を5ないし90質量%の量で及び成分(b)を5ないし80質量%の量で含有するマスターバッチ又は濃縮物の形態の組成物に関する。
【0139】
成分(b)及び所望による更なる添加剤はまた、重合の前又は重合中、或いは架橋の前に添加することができる。
【0140】
更なる添加剤を伴うか又は伴わない成分(b)は、純粋な形態で、或いはワックス、オイル又はポリマー中に封入して合成ポリマー中へ混和することができる。
【0141】
更なる添加剤を伴うか又は伴わない成分(b)は、合成ポリマー上に噴霧することができる。他の添加剤(例えば上述において示された慣用の添加剤)またはその融解物が、該ポリマー上にこれらの添加剤と共に噴霧され得るように、それらを希釈することもできる。重合触媒の不活性化の間の噴霧による添加は特に有利であり、例えば不活性化のために使用される蒸気を使用して噴霧を行うことが可能である。
【0142】
球状重合ポリオレフィンの場合、例えば他の添加剤を伴うか又は伴わない成分(b)を、噴霧によって適用することが有利であり得る。
【0143】
この方法において製造された合成ポリマーは広範囲の形態、例えば、発泡体、フィルム、繊維、テープ、成型用組成物として、形材として、又は、塗装材、特に、粉体塗料のための結合剤、接着剤、パテとして、又は、特に厚く層形成されたポリオレフィン成形品であって抽出媒体との長期間接触にあるもの、例えば液体または気体のための管、フィルム、繊維、ジオメンブラン(geomembrane)、テープ、形材又はタンクとして使用され得る。
【0144】
好ましい厚く層形成されたポリオレフィン成形品は1ないし50mm、特に1ないし30mm、例えば2ないし10mmの層厚を有する。
【0145】
本発明の組成物は、種々の造形品の製造のために有利に使用することができる。例としては以下のものである:
I−1)浮遊装置、海洋用途、平底船、ブイ、甲板用プラスチックランバー、甲板、桟橋、ボート、カヤック、オール及び海岸強化材。
I−2)自動車用途、特に、バンパー、ダッシュボード、バッテリー、リアー及びフロントの内張り、ボンネット下部の形成部品、ハット・シェルフ、トランクの内張り、内装の内張り、エアーバックのカバー、付属品(ライト)のための電子成形物、ダッシュボードの枠、ヘッドランプガラス、機器パネル、外装の裏張り、車内装飾機器、自動車ライト、ヘッドライト、パーキングライト、テールランプ、ストップライト、内装及び外装装備;ドアパネル;ガスタンク、フロントガラス、後部窓;座席裏張り、外装パネル、電線絶縁、密閉のための異形押出物、被覆加工物、ピラーカバー、車台部品、排気装置、燃料フィルター/フィラー、燃料ポンプ、燃料タンク、車体側面成形物、コンバーティブルトップ、外装にある鏡、外装装備、ファスナー/固定具、フロントエンド構成部品、ガラス、ヒンジ、施錠機構、荷物室/天井ラック、押型/型打部分、シール、側面衝突保護用具、消音材/絶縁材及びサンルーフ。
I−3)道路交通装置、特に、標識、道路表示のためのポスト、車付属品、警告三角板、医薬品ケース、ヘルメット、タイヤ。
I−4)備品を含む、飛行機、鉄道、モーターカー(自動車、オートバイ)のための装置。
I−5)宇宙用途、特に、ロケット及び衛星のための装置、例えば、再突入シールド。
I−6)建築及び設計、鉱業用途、騒音除去システム、街路避難所及びシェルターのための装置。
【0146】
II−1)器具、ケース及びカバー一般並びに電気/電子器具(パーソナルコンピューター、電話、携帯電話、プリンター、テレビセット、オーディオ及びビデオ装置)、植木鉢、衛生TVアンテナ及びパネル装置。
II−2)鉄または織物のような他の材質のための被覆。
II−3)電子産業のための装置、特に、プラグ、特に、コンピューターのプラグのための絶縁体、電気及び電子部品のためのケース、プリント基板、及びチップ、チェックカードまたはクレジットカードのような電子データ記憶のための材料。
II−4)電気器具、特に、洗濯機、乾燥機、オーブン(電子レンジ)、食器洗浄機、ミキサー及びアイロン。
II−5)照明器具(例えば、街燈、ランプシェード)のカバー。
II−6)ワイヤー及びケーブルにおける用途(半導体、絶縁及びケーブル被覆)
II−7)コンデンサー、冷蔵庫、加熱装置、エアコン、電子機器の封入、半導体、コヒーマシーン及び電気掃除機のための薄膜。
【0147】
III−1)歯車(ギア)、スライド付属品、スペーサー、スクリュー、ボルト、ハンドル及びノブのような工業製品。
III−2)ローターの歯、換気扇及び風車の羽、ソーラー装置、水泳プール、水泳プー
ルカバー、プールのライナー、池のライナー、押入れ、洋服ダンス、隔壁、薄壁、折り畳み式壁、屋根、シャッター(例えば、ロールシャッター)、付属品、パイプの連結具、スリーブ及びコンベアベルト。
III−3)サニタリー製品、特に、シャワー個室、便座、カバー及びシンク。
III−4)衛生製品、特におしめ(赤ちゃん用、成人失禁用)、女性衛生製品、シャワーカーテン、ブラシ、マット、浴槽、移動トイレ、歯ブラシ及びおまる。
III−5)水、排水及び化学薬品のためのパイプ(交差結合有または無)ワイヤー及びケーブル保護のためのパイプ、ガス、オイル及び下水のためのパイプ、雨樋、竪樋及び排水システム。
III−6)あらゆる形状(窓ガラス)の形材及び外壁
III−7)ガラス代用品、特に、押出又は共押出プレート、ビル用ガラス(一枚の、2枚のまたは多層の壁)、飛行機、学校、押出シート、建築のガラスのための窓フィルム、電車、輸送機関、サニタリー製品及び温室。
III−8)プレート(壁、裁断板)、押出コーティング(写真紙、テトラパック及びパイプコーティング)、サイロ、木材代用品、プラスチックランバー、木材複合材料、壁、表面、家具、化粧紙、フロアーカバー(内装及び外装用途)、フローリング、床板及びタイル。
III−9)吸気及び排気管。
III−10)セメント−、コンクリート−、複合材料−用途及びカバー、外壁及び被覆、手すり、バニスター、台所調理台、屋根材、屋根シート、タイル及び防水シート。
【0148】
IV−1)プレート(壁、裁断板)、トレイ、人工ガラス、人工芝、スタジアム競技場(アスレチック)の人工カバー、スタジアム競技場(アスレチック)の人工フロアー及びテープ。
IV−2)長及び短の織物繊維、繊維(カーペット/衛生製品/ジオテキスタイル/単繊維;フィルター;拭き取り繊維/カーテン(シェード)/医療用途)、バルク繊維(例えばガウン/保護衣服用途)、ネット、ロープ、ケーブル、ひも、コード、スレッド、安全シートベルト、衣服、肌着、手袋;ブーツ;ゴム長靴、下着衣料、衣料品、水着、運動着、雨傘(日傘、サンシェード)、パラシュート、パラグライダー、帆、"バルーン−シル
ク"、キャンピング製品、テント、エアベッド、サンベッド、バルクバッグ及びバッグ。
IV−3)屋根、トンネル、ごみ集積場、池のための膜、断熱材、カバー及びシール、壁被覆膜、ジオメンブレン、水泳プール、カーテン(シェード)/サンシールド、日よけ、天蓋、壁紙、食品パッキング及びラッピング(柔軟及び硬い)、医療用パッキング(柔軟及び硬い)、エアバッグ/安全ベルト、アーム及びヘッドレスト、カーペット、センターコンソール、ダッシュボード、コックピット、ドア、オーバーヘッドコンソールモジュール、ドアトリム、天井の内張り、内装照明、内装鏡、手荷物棚、リアーラゲージカバー、シート、ステアリングコラム、ハンドル、繊維製品及びトランクトリム。
【0149】
V)フィルム(包装、堆積、積層、農業及び園芸、温室、マルチ、トンネル、サイレージ)、梱包外被、水泳プール、くず入れ袋、壁紙、伸縮フィルム、ラフィア、脱塩フィルム、バッテリー及び接続器。
【0150】
VI−1)食品パッキング及びラッピング(柔軟及び硬い)、ボトル。
VI−2)ボックス(枠箱)、ラゲージ、収納箱、家庭用品箱、パレット、棚、トラック、ねじくぎ箱、パック及び缶のような貯蔵システム。
VI−3)カートリッジ、注射器、医療用途、あらゆる輸送機関のためのコンテナー、くずかご及び廃棄物ビン、廃棄物バッグ、ビン、ゴミ箱、ビンライナー、車輪付きゴミ箱、コンテナー一般、水/排水/化学薬品/ガス/オイル/ガソリン/ディーゼルのためのタンク;タンクライナー、ボックス、枠箱、バッテリーケース、餌入れ、ピストン、眼科用途、診断機器及び医薬品のブリスターパッキングのような医療機器。
【0151】
VII−1)押出コーティング(写真紙、テトラパック、パイプコーティング)、あらゆる種類の家庭製品(例えば、電気器具、魔法瓶/衣服ハンガー)、プラグ、ワイヤー及びケーブル止め具、ジッパー、クロージャー、ロック及びスナップ−クロージャーのような留め付け装置。
VII−2)サポート機器、スポーツ及びフィットネス機器のようなレジャータイムのための製品、体育マット、スキーブーツ、インラインスケート、スキー、ビッグフット、アスレチック地面(例えば、テニスグランド);ボトルのためのねじ蓋、蓋、ストッパー及び缶。
VII−3)家具一般、発泡製品(クッション、衝撃吸収剤)、発泡体、スポンジ、ふきん、マット、ガーデンチェアー、スタジアムシート、テーブル、カウチ、おもちゃ、組立用具(ボード、フィギュア、ボール)、プレイハウス、滑り台及び遊具。
VII−4)光及び磁気データ保存のための材料。
VII−5)台所用品(食事、飲水、調理、備蓄)。
VII−6)CD、カセット及びビデオテープのためのボックス;DVD電子機器、あらゆる種類のオフィス供給品(ボールペン、印鑑及びインクパッド、マウス、棚、トラック)、あらゆる容積及び内容物(飲料、洗剤、香水を含む化粧品)のボトル、及び接着テープ。
VII−7)フットウェアー(靴/靴のソール)、インソール、スパッツ、接着剤、構造用接着剤、食品ボックス(果物、野菜、肉、魚)、合成紙、ボトルのラベル、カウチ、人工関節(人間)、印刷プレート(フレキソ印刷)、印刷された回路基板及び表示技術製品。
VII−8)充填された重合体のデバイス(タルク、チョーク、陶土(カオリン)、珪灰石、顔料、黒炭、TiO2、雲母、ナノ複合材料、白雲石、ケイ酸塩、ガラス、アスベス
トで)。
【0152】
従って、本発明の更なる実施態様は、上述の組成物を含む造形品、特に、フィルム、管、形材、瓶、タンクまたはコンテナー、繊維に関する。
【0153】
本発明の更なる実施態様は、上述の組成物を含む成形品に関する。成形は、特に、射出、ブロー、圧縮、回転成形若しくはスラッシュ成形または押出により達成される。
【0154】
本発明はまた、有機材料の表面エネルギーを減少させる方法であって、該材料に少なくとも1種の式Iで表される化合物を混和するか又は適用することからなる方法にも関する。
【0155】
有機材料の表面エネルギーを減少させるための方法において、好ましい式Iで表される化合物及び所望による更なる添加剤は、組成物のために記述されたものと同様である。
【0156】
本発明の好ましい態様はまた、有機材料のための表面エネルギーの減少剤としての、式Iで表される化合物の使用である。
【実施例】
【0157】
以下の実施例は本発明を更に説明する。部及び%は質量に関するものである。
【0158】
実施例1:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=11)及び式Aで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=10)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
【化21】

1,2−ジクロロエタン200mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=878g/mol)[チッソコーポレーションからのα−ブチル−ω−[3−(2´−ヒドロキシエトキシ)プロピル]−ポリジメチルシロキサン]25g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)11.22gの溶液に、1,2−ジクロロエタン50mL中のトリエチルアミン4.32mLの溶液を撹拌下、室温において1時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、1,2−ジクロロエタン200mL中のトリエチルアミン4.32mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.2g及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=2700;m=11)34.96gの溶液へ室温で2時間かけてゆっくり滴下した。撹拌を1時間続けた。反応混合物は、200mLまで反応混合物を濃縮することにより後処理され、その後、攪拌しながらメタノール(2L)中に投入し、生成物を沈殿させた。沈殿生成物を濾取し、黄色が消えて白色になるまでメタノールで数回洗浄した。生成物をその後、真空下、60℃で24時間乾燥して恒量とし、51.6gの白色固体を得た。
【0159】
実施例2:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=13)及び式Aで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=10)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
ジクロロメタン100mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=878g/mol)[チッソコーポレーションからのα−ブチル−ω−[3−(2´−ヒドロキシエトキシ)プロピル]−ポリジメチルシロキサン]16g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)7.33gの溶液に、ジクロロメタン30mL中のトリエチルアミン3.0mLの溶液を撹拌下、室温において1時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に20分撹拌し、その後、ジクロロメタン250mL中のトリエチルアミン3.0mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.1g及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=3296;m=13)26.12gの溶液へ、室温で2.5時間かけて滴下した。撹拌を30分間続けた。反応混合物は、250mLまで反応混合物を濃縮することにより後処理され、その後、攪拌しながらメタノール(2.5L)中に投入し、生成物を沈殿させた。沈殿生成物を濾取し、黄色が消えて白色になるまでメタノールで数回洗浄した。生成物をその後、真空下、60℃で24時間乾燥して恒量とし、36.5gの白色固体を得た。
【0160】
実施例3:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=19)及び式Aで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=10)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
ジクロロメタン100mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=878g/mol)[実施例1参照]12.5g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)5.61gの溶液に、ジクロロメタン25mL中のトリエチルアミン2.2mLの溶液を撹拌下、室温において1.4時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン250mL中のトリエチルアミン2.2mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.081g及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=4784;m=19)30.96gの溶液へ室温で1時間かけて滴下した。撹拌を1時間続けた。反応混合物は、200mLまで反応混合物を濃縮することにより後処理され、その後、攪拌しながらメタノール(2L)中に投入し、生成物を沈殿させた。沈殿生成物を濾取し、黄色が消えて白色になるまでメタノールで数回洗浄した。生成物をその後、真
空下、60℃で24時間乾燥して恒量とし、40gの白色固体を得た。
【0161】
実施例4:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=27)及び式Aで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=10)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
ジクロロメタン200mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=878g/mol)[実施例1参照]20g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)9.16gの溶液に、ジクロロメタン40mL中のトリエチルアミン5.0mLの溶液を撹拌下、室温において1.25時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に15分撹拌し、その後、ジクロロメタン500mL中のトリエチルアミン5.0mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.15g及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=6941;m=27)60.82gの溶液へ室温で1.5時間かけて滴下した。撹拌を1時間続けた。反応混合物は、攪拌しながら反応混合物へメタノール2.5Lをゆっくり添加することにより後処理された。沈殿生成物を濾取し、黄色が消えて白色になるまでメタノールで数回洗浄した。生成物をその後、真空下、40℃で24時間乾燥して恒量とし、77gの白色固体を得た。
【0162】
実施例5:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=37)及び式Aで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=10)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
ジクロロメタン1000mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=878g/mol)[実施例1参照]91.4g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)41.87gの溶液に、ジクロロメタン250mL中のトリエチルアミン20.7mLの溶液を撹拌下、室温において1時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン1500mL中のトリエチルアミン20.7mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.64g及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=9458;m=37)100gの溶液へ室温で1.5時間かけて滴下した。撹拌を終夜続けた。反応混合物は、攪拌しながら反応混合物へメタノール3.2Lをゆっくり添加することにより後処理された。沈殿生成物を濾取し、黄色が消えて白色になるまでメタノールで数回洗浄した。生成物をその後、真空下、40℃で6時間乾燥した。この乾燥生成物をヘキサン4.5Lを用い、1.5時間スラリーとした。上層をデカントし、残渣を再び真空下、40℃で24時間乾燥して恒量とし、362gの白色固体を得た。
【0163】
実施例6:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=11)及び式Bで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=64)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
【化22】

ジクロロメタン200mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=5000g/mol)[チッソコーポレーションからのα−ブチル−ω−[3−(2´−ヒドロキシエトキシ)プロピル]−ポリジメチルシロキサン]149.7g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)11.79gの溶液に、ジクロロメタン50mL中のトリエチルアミン4.5mLの溶液を撹拌下、室温において1.5時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン250mL中のトリエチルアミン4.5mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン80mg及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=2605;m=27)30gの溶液へ室温で2.5時間かけて
滴下した。撹拌を2時間続けた。反応混合物を、最初に1N HClで、その後0.05N NaOHで洗浄した。反応混合物をメタノールに投入し、半固体の化合物を得た。生成物をその後、真空下、40℃で24時間乾燥して恒量とし、131gの白色固体を得た。
【0164】
実施例7:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=88)及び式Bで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=64)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
パート1:
1,2−ジクロロエタン200mL中にビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=3168)42.5gを78℃にて溶解した。溶液を60℃まで冷却し、その後、ビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)4.29g及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン84mgを攪拌下で添加した。反応温度を78℃まで上げ、反応混合物を、1,2−ジクロロエタン50mL中のトリエチルアミン5mLの溶液を40分間で滴下して処理した。反応混合物を更に30分間78℃で攪拌し続けた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。
パート2:
1,2−ジクロロエタン200mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=5000g/mol)[実施例6参照]80g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)6.44gの溶液に、1,2−ジクロロエタン50mL中のトリエチルアミン3.5mLの溶液を撹拌下、室温において1時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に50分撹拌し、トリエチルアミン3.5mL及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン105mgで処理し、その後、パート1の反応混合物へ室温で2時間かけて滴下した。添加の1時間後に、更に、ジクロロメタン200mLを反応混合物へ添加した。撹拌を30分間続けた。反応混合物を1N HCl(1L)で洗浄し、続いて反応混合物が無色になるまで5%重炭酸ナトリウム溶液1Lで5回洗浄することにより後処理した。その後、着色不純物を更に除去するために、この溶液を硫酸ナトリウム及び中性アルミナで処理した。反応混合物を溶媒を留去することにより濃縮した。残渣をジクロロメタン500mL中に再度溶解し、メタノール2Lで沈殿させた。生成物を濾取し、真空下、40℃で24時間乾燥して恒量とし、51gの白色固体を得た。
【0165】
実施例8:式Iaで表される炭酸ビス−{4−[1−メチル−1−(4−トリエチルシラニルオキシ−フェニル)−エチル]−フェニル}エステルの製造
【化23】

1,2−ジクロロエタン2000mL中に、4−[1−メチル−1−(4−トリエチルシラニルオキシ−フェニル)−エチル]−フェノール250g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)129.2gを溶解した。反応混合物に、ジクロロメタン500mL中のトリエチルアミン90.75mLの溶液を、窒素雰囲気下、0ないし5℃で1時間かけて攪拌下で滴下添加した。その後、4−(ジメチルアミノ)ピリジン4.0gを反応混合物に添加し、更に1時間攪拌を続けた。反応混合物を1N HCl(1L)で洗浄し、続いて0.5N 水酸化ナトリウム溶液1.5Lで2回洗浄することにより後処理した。その後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、粗化合物を得た。残渣を、溶離液として酢酸エチル/ヘキサンを用い、シリカゲルを通して濾過して、白色固体70gを得た。
【0166】
実施例9:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=11)及び式Cで表されるポリアルキレンオキシドで変性されたヘプタメチルトリシロキサンからのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
【化24】

ジクロロメタン400mL中の式Cで表されるポリアルキレンオキシドで変性されたヘプタメチルトリシロキサン[C.A.67674−67−3]58.7g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)39.33gの溶液に、ジクロロメタン100mL中のトリエチルアミン14.95mLの溶液を撹拌下、室温において1時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン500mL中のトリエチルアミン14.95mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン270mg及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=2605)100gの溶液へ2.5時間かけて滴下添加した。反応混合物を終夜攪拌した。
反応混合物を1N HCl溶液 1Lで洗浄し、続いて、反応混合物が無色になるまで0.5N 水酸化ナトリウム溶液0.5Lで4回洗浄することにより後処理した。その後、この溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。その後、メタノール500mLをゆっくり添加した。沈殿した生成物を濾取し、真空下、40℃で24時間乾燥して恒量とし、133gの白色固体を得た。
【0167】
実施例10:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=11)及び式Dで表される3−(ポリオキシエチレン)プロピルヘプタメチルトリシロキサンからのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
【化25】

ジクロロメタン400mL中の式Dで表される3−(ポリオキシエチレン)プロピルヘプタメチルトリシロキサン45.59g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)39.33gの溶液に、ジクロロメタン100mL中のトリエチルアミン14.95mLの溶液を撹拌下、室温において1時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン500mL中のトリエチルアミン14.95mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン270mg及びビスフェノールAオリゴマー(Mn=2605)100gの溶液へ2.5時間かけて滴下添加した。反応混合物を終夜攪拌した。
反応混合物を1N HCl溶液 1Lで洗浄し、続いて、反応混合物が無色になるまで0.5N 水酸化ナトリウム溶液0.5Lで4回洗浄することにより後処理した。その後、この溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。その後、メタノール500mLをゆっくり添加した。沈殿した生成物を濾取し、真空下、40℃で24時間乾燥して恒量とし、110gの白色固体を得た。
【0168】
実施例11:式Ibで表される1,1,1−トリス{炭酸−4−[1−メチル−1−(4−トリエチルシラニルオキシフェニル)エチル]フェニルエステル}−1−エチルの製造
【化26】

1,2−ジクロロエタン250mL中の、4−[1−メチル−1−(4−トリエチルシラニルオキシフェニル)エチル]フェノール(MW=342.55g/mol)25g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)27.79gの溶液に、1,2−ジクロロエタン50mL中のトリエチルアミン11.22mLの溶液を、攪拌下室温で40分間かけて滴下添加した。反応混合物を更に20分間攪拌し、その後、1,2−ジクロロエタン250mL中の、トリエチルアミン11.22mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン150mg及び1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(MW=306.355)6.58gの溶液へ、室温で1.25時間かけて滴下した。攪拌を1.25時間継続した。反応混合物を1N HCl溶液(2L)で洗浄し、続いて反応混合物が無色になるまで飽和重炭酸ナトリウム溶液の各2Lで複数回洗浄することにより後処理した。溶媒を留去し、残渣を、溶離液として酢酸エチル/ヘキサンを用い、シリカゲルを通して濾過して、白色固体15.2gを得た。
【0169】
実施例12:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=19)及び式Eで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=5)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
【化27】

ジクロロメタン100mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=662g/mol)16g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)12.87gの溶液に、ジクロロメタン25mL中のトリエチルアミン4.7mLの溶液を撹拌下、室温において1.4時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン250mL中のトリエチルアミン4.7mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.1052g及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=4805;m=19)59.14gの溶液へ室温で1時間かけて滴下した。攪拌を1時間続けた。反応混合物を0.5N HCl溶液 500mLで2回洗浄し、続いて、反応混合物が無色になるまで0.5N 水酸化ナトリウム溶液500mLで4回洗浄することにより後処理した。最後に有機層を水で洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下で濃縮した後、メタノール500mLをゆっくり添加した。沈殿した生成物を濾取し、真空下、60℃で24時間乾燥して恒量とし、69gの白色固体を得た。
【0170】
実施例13:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールAオリゴカーボネート(m=20)及び式Fで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=3)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
【化28】

ジクロロメタン100mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=662g/mol)8g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)6.43gの溶液に、ジクロロメタン25mL中のトリエチルアミン6.36mLの溶液を撹拌下、室温において1.4時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン150mL中のトリエチルアミン6.36mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.097g及びビスフェノールAオリゴカーボネート(Mn=4932.65;m=20)28.18gの溶液へ室温で1時間かけて滴下した。攪拌を18時間続けた。反応混合物を0.5N HCl溶液 250mLで2回洗浄し、続いて、反応混合物が無色になるまで0.5N 水酸化ナトリウム溶液250mLで4回洗浄することにより後処理した。最後に有機層を水で洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下で濃縮した後、メタノール250mLをゆっくり添加した。沈殿した生成物を濾取し、真空下、60℃で24時間乾燥して恒量とし、30gの白色固体を得た。
【0171】
実施例14:ヒドロキシ末端を有するビスフェノールZオリゴカーボネート(m=9)及び式Fで表されるモノヒドロキシポリシロキサン(p=3)(構造は実施例13参照)からのポリシロキサン末端を有するオリゴカーボネートの製造
ジクロロメタン150mL中のモノヒドロキシポリシロキサン(Mn=662g/mol)26g及びビス(2,4−ジニトロフェニル)カーボネート(DNPC)20.91gの溶液に、ジクロロメタン25mL中のトリエチルアミン7.75mLの溶液を撹拌下、室温において1.4時間かけて滴下添加した。反応混合物を更に30分撹拌し、その後、ジクロロメタン175mL中のトリエチルアミン7.75mL、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.054g及びビスフェノールZオリゴカーボネート(Mn=2490.64;m=9)50gの溶液へ室温で1時間かけて滴下した。攪拌を18時間続けた。反応混合物を0.5N HCl溶液 250mLで2回洗浄し、続いて、反応混合物が無色になるまで0.5N 水酸化ナトリウム溶液250mLで4回洗浄することにより後処理した。最後に有機層を水で洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下で濃縮した後、メタノール300mLをゆっくり添加した。沈殿した生成物を濾取し、真空下、40℃で24時間乾燥して恒量とし、43.3gの白色固体を得た。
【0172】
実施例15:表面改質剤として、シリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを含有するポリカーボネートテープの加工
ポリカーボネートテープ中の式Iで表される新規化合物の表面特性を評価するために、それらは以下に示す手順に従ってポリマー中に混和された:
ポリカーボネート粉末[バイエル社からのマクロロン(Makrolon)3108FBL(登録商標:Makrolon 3108 FBL)]を真空オーブンにおいて120℃で8時間乾燥した。それぞれの式Iで表される化合物の適量を乾燥ポリカーボネート粉末に添加して、式Iで表される化合物を10質量%まで含有する製剤を得た。該製剤をターボミキサーで混合し、平ダイを備えた2軸スクリュー押出機(サーモ エレクトロン
コーポレーションからのPoly−Lab押出機)で押出した。この方法により、ポリカーボネートテープは幅20mm、厚さ約1mmで製造された。加工温度は約280℃であった。全ての製造されたテープは透明な外観を有していた。
製造されたポリカーボネートテープの接触角は液適法及び測定液として水を使用して、データフィジックス(Dataphysics)OCA 30接触角装置を用いて測定された。得られた結果を表1に纏めた。
【表1】

【0173】
実施例16:表面改質剤としてシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを含有するポリカーボネート押出シートの加工
微生物に対する抗接着性を評価するために、式Iで表されるシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートが以下に示す手順に従ってポリカーボネート押出シート中に混和された:
ポリカーボネート粉末[バイエル社からのマクロロン(Makrolon)3108FBL(登録商標:Makrolon 3108 FBL)]を真空オーブンにおいて120℃で8時間乾燥した。それぞれの式Iで表される化合物の適量を乾燥ポリカーボネート粉末に添加して、式Iで表される化合物を10質量%まで含有する製剤を得た。該製剤をGrindo Mix CM 200で混合し、2軸スクリュー押出機(サーモ エレクトロン コーポレーションからのハーク(Haake)DS16−L/D25)で混合してペレットにし、更に、平ダイ(Collin CR−136/350)を備えた1軸スクリュー押出機を使用して幅110mmで厚さ0.2mmでシートを押出した。加工温度は、約280℃であった。全ての製造されたテープは透明な外観を有していた。
ポリマー表面への微生物の減少された接着性を測定するために、以下に示す試験方法を用いた:
試験系はマイクロタイタープレートをベースとし、Nature Medicine、第6巻、第8号、1053−1056頁中に記載された方法に従って行われた。活性化合物を備えた試料と未処理の対照試料が、最大7×4mmの同一の試料サイズが得られるよう調製された。これらの試験片は、細菌(例えば、スタフィロコッカス アウレウス)又は酵母菌株の懸濁液中、1ウェル当り1試料で、マイクロタイタープレート中で60分間保温され、その後、PBS緩衝液ですすがれた。試験片に接着した微生物細胞は、試験菌株に対する特異抗体を用いる免疫アッセイで検出されたが、それらはその後、比色分析で検出された。活性化合物を備えた試料における結果は、未処理の対照試料の結果と比較された。結果を対照試料に対する相対残留接着パーセントとして報告したが、100%という値は、対照試料において観察された値を示す。結果を表2に纏めた。値が低いほど優れていることを示す。
【表2】

【0174】
実施例17:ポリカーボネート表面上への藻類の接着減少
この試験の目的は実施例16に従って調製したポリカーボネート薄片の藻類に対する抗接着効果を決定し、前記薄片の表面上での藻類の増殖を防止又は減少することである。抗接着添加剤を用いていないブランクポリカーボネート薄片及び増殖対照(研磨紙で粗面化したスライドガラス)に関する増殖は、約4週間の試験期間に亘って決定され、従って藻類の数世代に亘る。
水槽1にはヘマトコッカス プルビアリス(Haematococcus pluvialis)(Hp)及びクレブソルミディウム フラシダム(Klebsormidium flaccidum)(Kf)[ドイツ国、37073 ゲッチンゲンの“Sammlung von Algenkulture,Pfanzenphysiologisches Institut der Universitat Gottingen”により提供された。]を植え付けた。
水槽2には養魚の水槽のガラス壁から直接単離した藻株を植え付けた。
対照水槽は水性植物を有する水槽に由来する。
6日間の培養の後、薄片を表3に記載した藻類X−AAP媒体中に入れた(薄片の2/
3が水中で、1/3が水の外)。スライドガラスを水槽の底の上に設置した。
【表3】

試験条件は以下の通り:水温 20℃±2℃、照明状況 明16時間:暗8時間、照明強度 15000−20000ルクス(キセノン植物用ランプ)。
藻類の増殖は以下の方法で目視的に評価した。
3は大量に増殖したことを示す。
2は増殖したことを示す。
1は僅かに増殖し、辛うじて目視可能であることを示す。
0は増殖しなかったことを示す。
水槽1での結果をを表4に纏めた。水槽2での結果をを表5に纏めた。
【表4】

【表5】

【化29】

【0175】
実施例18:バルク材料としてシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを使用する押出テープの加工
バルク材料又は添加剤としての式Iで表される新規化合物の表面特性を評価するために、以下に示す手順を用いた:
それぞれの式Iで表される化合物の適量を真空オーブンにおいて120℃で8時間乾燥した。それらを平ダイを備えた2軸スクリュー押出機(サーモ エレクトロンコーポレーション(Thermo Electron Corporation)からのMiniLab押出機)で押出した。この方法において、テープは幅5mm、厚さ約0.5mmで製造された。加工温度は約280℃であった。全ての製造されたテープは透明な外観を有していた。
製造されたテープの接触角は液適法及び測定液として水を使用して、データフィジックス(Dataphysics)OCA 30接触角装置を用いて測定された。結果を表6に纏めた。
【表6】

【0176】
実施例19:表面改質剤としてシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを含有するポリカーボネート射出成形プラークの加工
これらの表面特性を評価するために、式Iで表されるシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを以下に示す手順に従って、ポリカーボネート射出成形プラーク中に混和した:
ポリカーボネート粉末[バイエル社からのマクロロン(Makrolon)3108FBL(登録商標:Makrolon 3108 FBL)]を真空オーブンにおいて120℃で8時間乾燥した。それぞれの式Iで表される化合物の適量を乾燥ポリカーボネート粉末に添加して、式Iで表される化合物を10質量%まで含有する製剤を得た。該製剤をターボミキサーで混合し、2軸スクリュー押出機(サーモエレクトロンコーポレーション(Thermo Electron Corporation)からのMiniLab)で混合してペレットにし、更にマイクロ−射出成形機(クロノプラスト(CronoPlast)社からのBabyPlast)を用いて幅30mm、長さ40mm及び厚さ2mmのプラークに射出成形した。加工温度は約280℃であった。全ての製造されたプラークは透明な外観を有していた。
製造されたテープの接触角は液適法及び測定液として水を使用して、データフィジックス(Dataphysics)OCA 30接触角装置を用いて測定された。得られた結果を表7に纏めた。
【表7】

【0177】
実施例20:表面改質剤としてシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを含有するPET射出成形プラークの加工
PET中におけるこれらの加工性を評価するために、式Iで表されるシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを以下に示す手順に従って、ポリエステル射出成形プラーク中に混和した:
ポリエステル粉末[ポリクリア(Polyclear)1101(Kasa社)又はイースター(Eastar)6763(イーストマン社)]を真空オーブンにおいて120℃で8時間乾燥した。それぞれの式Iで表される化合物の適量を乾燥ポリカーボネート粉末に添加して、式Iで表される化合物を10質量%まで含有する製剤を得た。該製剤をターボミキサーで混合し、2軸スクリュー押出機(サーモエレクトロンコーポレーション(Thermo Electron Corporation)からのMiniLab)で混合してペレットにし、更にマイクロ−射出成形機(クロノプラスト(CronoPlast)社からのBabyPlast)を用いて幅30mm、長さ40mm及び厚さ2mmのプラークに射出成形した。加工温度は約260℃であった。全ての製造されたプラークは表8に纏められたように透明な外観を有していた。
【表8】

【0178】
実施例21:ポリプロピレン中の表面改質剤としてのシリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートの撥水特性
サンプルの準備:式Iで表される化合物の反発(repellency)特性を決定する
ために、繊維質量:40g/m2であるポリプロピレン不織布の工業製品サンプルが試験
化合物の1%THF溶液に浸漬され、同時に0.5分間超音波エネルギーが適用された。その後、サンプルを室温で1晩乾燥した。
反発(repellency)特性:処理された不織布サンプルはINDA試験法80.8(99)と同様の撥水性試験において評価された。不織布のぬれ挙動は一連の水/イソプロパノール混合物を用いて試験された。ぬれ挙動の観察は0(水湿潤、非撥水性)ないし10(最適撥水性)で評価された。結果を表9に纏めた。
【表9】

【0179】
実施例22:表面改質剤として、シリコン含有基を末端に有するオリゴ−及びポリ−カーボネートを含有するポリカーボネート押出シートの表面特性
表面特性は、液適法及び測定液として水を使用して、データフィジックス(Dataphysics)OCA 30接触角装置を用いて実施例16に記載されたポリカーボネートシートの接触角を測定することにより、評価した。結果を表10に纏めた。
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(式中、R0は直接結合、
【化2】

を表し、
1及びR2はそれぞれ他と独立して、シリコン含有基を表し、
3及びR4はそれぞれ他と独立して、水素原子、フッ素原子含有基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は
【化3】

を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、未置換の又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8はそれぞれ他と独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子
【化4】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン
基を表し、
11、R12及びR13はそれぞれ他と独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数3ないし12のアルケニル基を表し、
14は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はシリコン含有基を表し、
mは0ないし10000を表し、及び
nは0ないし10000を表す。)で表される化合物。
【請求項2】
0
【化5】

を表し、
1及びR2はそれぞれ他と独立して、シリコン含有基を表し、
3及びR4はそれぞれ他と独立して、水素原子、トルフルオロメチル基、シリコン含有基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は
【化6】

を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、未置換の又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8は水素原子を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子
【化7】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又はメチレン基を表し、
11、R12及びR13はそれぞれ他と独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数3ないし4のアルケニル基を表し、
14は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
mは0ないし10000を表し、及び
nは0ないし10000を表す
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
シリコン含有基が式II
【化8】

(式中、R17、R18、R19及びR20はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基、ヒドロキシ基若しくはアミノ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;酸素原子で中断された炭素原子数4ないし12のヒドロキシアルキル基;又は
【化9】

を表し、
21は炭素原子数1ないし12のアルキル基又は
【化10】

を表し、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はヒドロキシ基若しくはアミノ基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
pは0ないし200を表し、及び
qは0ないし200を表す。)で表される基である請求項1記載の化合物。
【請求項4】
17、R18、R19及びR20はそれぞれ他と独立して、メチル基又は
【化11】

を表し、
21はメチル基又は
【化12】

を表し、
22、R23、R24、R25、R26、R27、R28及びR29はメチル基を表し、
p及びqはそれぞれ他と独立して、0ないし100を表す
請求項3記載の化合物。
【請求項5】
0
【化13】

を表し、
3は、水素原子、CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基、フェニル基又は
【化14】

を表し、
4は、水素原子、CF3、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、未置換の又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8は水素原子を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし12のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子、
【化15】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又はメチレン基を表し、
14は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
mは0ないし10000を表し、及び
nは0ないし10000を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
3及びR4はそれぞれ他と独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を
表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数2ないし8のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
mが0ないし100を表し、nが0ないし100を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
0
【化16】

を表し、
3及びR4はそれぞれ他と独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか;又はR3及びR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロヘキシリデン環を形成し、
5、R6、R7及びR8は水素原子を表し、
1及びX2はそれぞれ他と独立して、炭素原子数2ないし4のアルキレン基又は酸素原子で中断された炭素原子数4ないし25のアルキレン基を表し、
1及びY2はそれぞれ他と独立して、直接結合、酸素原子、
【化17】

を表し、
9及びR10はそれぞれ他と独立して、直接結合又はメチレン基を表し、
mは0ないし100を表し、
nは0ないし100を表す、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
(α)請求項1記載の式Iで表される化合物、及び
(β)フェノール系抗酸化剤、光安定剤、加工安定剤、核剤、殺生物剤、帯電防止剤、難燃剤及び充填剤からなる群より選択される添加剤の1種以上を含む混合物。
【請求項11】
成分の質量比(α):(β)が100:0.01ないし0.01:100である請求項10記載の混合物。
【請求項12】
a)酸化分解、熱分解又は光誘発分解を受け易い有機材料、及び
b)請求項1記載の、式Iで表される少なくとも1種の化合物
を含む組成物。
【請求項13】
成分(a)が合成ポリマーである請求項12記載の組成物。
【請求項14】
成分(a)がポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート又はポリメタクリレート或いはそれらの混合物、ブレンド又はアロイである請求項12記載の組成物。
【請求項15】
成分(b)が、成分(a)の質量に基づいて0.1ないし20%の量で存在する請求項1
2記載の組成物。
【請求項16】
成分(a)及び成分(b)に加え、更なる添加剤を含む請求項12記載の組成物。
【請求項17】
更なる添加剤として、フェノール系抗酸化剤、光安定剤及び/又は加工安定剤を含む請求項16記載の組成物。
【請求項18】
有機材料の表面エネルギーを減少させる方法であって、該材料に請求項1記載の式Iで表される化合物を混和するか又は適用することを含む方法。
【請求項19】
有機材料のための表面エネルギーの減少剤としての、請求項1記載の式Iで表される化合物の使用。

【公表番号】特表2008−544002(P2008−544002A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516280(P2008−516280)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062954
【国際公開番号】WO2006/134045
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】