説明

袋製造・充填方法および装置

【課題】費用効率の向上した袋製造・充填方法を提案する。
【解決手段】本発明は、少なくとも4つの縦方向継ぎ目を含む袋の製造・充填の方法および装置に関する。先行技術によれば、前記袋の製造は一般的にはチューブ状セクションを形成するためのフラットフィルムの縦方向溶着を含む。チューブ状セクションは個々のチューブ状部分に切断され、これらのチューブ状部分には追加縦方向継ぎ目が形成される。個々のチューブ部分の運搬も、その後の袋形成・充填工程への個々のチューブ部分の搬入も複雑である。この工程に使用される装置は値段が高く、故障しやすい。本発明の目的は、費用効率の向上した袋製造・充填方法を提案することにある。この目的を達成するために、袋を形成する材料がチューブ状材料(4)の形で巻出し装置(2、3、5)から袋形成装置(1)に供給され、袋形成装置(1)の中で、チューブ状材料(4)に、少なくとも袋(27)の大きな部分にわたってのびている縦方向継ぎ目(29)が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上段による袋製造・充填方法および請求項13の上段による袋製造・充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
袋は特にいわゆる「形成・充填・密封」機(以下、FFS機と呼ぶ)により製造される。
特に特許明細書独第19933486号、欧州第534062号、独第4423964号および独第19936660号に示されたこれらの機械は、チューブが巻付けられている巻出し装置を有する。チューブはこれらの巻出し装置によって巻出され、チューブ部分に分離される。通常は、チューブの底が形成され、充填物が得られた袋に充填され、袋が追加的作業工程において密封される。上記書類に示されたタイプの袋形成・充填は、本書類に開示された内容の一部を構成している。これらの書類で使用されている用語「「形成・充填・密封」機(FFS)と、これらの機械の中へのフィルムチューブ、フィルムセクションおよび袋の運搬についても同じことが言える。通常は、これらの機械を使用して充填されるのはバルク材である。
【0003】
一般に、FFS機による加工の目的のためには、フィルムチューブがインフレーションにより形成され、フィルムチューブ(ここでは、その外周)の規格寸法は形成される袋の規格寸法と同じである。しかしながら、このアプローチの結果として、規格寸法の異なる袋を実現するためには、インフレーションシステムにおいてかなりの頻度で費用のかかる規格寸法変更を行うことが必要になる。さらに、袋の形成に必要とされる規格寸法は比較的小さく、比較的不経済な方法で製造されることになる。規格寸法がもっと大きなインフレーションシステムの場合には、同じフィルムを単位面積あたりの費用を下げて製造することができる。
【0004】
したがって、大きな規格寸法のシステムにおけるフラットフィルム押出しまたはインフレーションによって当初は非常に幅の広いフィルムを製造する試みが数多く行われており、しかもその際、主として経済性という理由から、通常はインフレーションシステムの方が好まれていた。得られる大きな規格寸法のフィルムチューブまたはフィルムウェブは、その規格寸法に合わせて切断することにより、さらにフラットフィルムウェブに加工された。
【0005】
その後に、これらのフラットにされたフィルムウェブの1つがチューブの形に折られ、縦方向溶着継ぎ目により接合され、チューブが形成された。しかしながら、上記の機械の使用は主として染料、プラスチックグラニュール、肥料およびその他のバルク材の袋詰めのような産業用に限定される。
【0006】
小売される消費物資は通常はより高品質の袋に詰めて輸送および流通される。したがって、例えば、7つのフィルムセクションから形成されるチューブ部分から側面ガセット付きバッグまたは側面ガセット付き袋を製造することが公知である。各フィルムセクションの縁はこの目的のために通常は相互に熱密封される。この作業は、熱密封すべき材料を溶着工程中に保持する溶着ジョーの間で行われる。
【0007】
チューブ部分は通常はこの方法で製造され、その長さは後に製造される袋の長さと同じである。製造の直後に、形成されたチューブ部分が後に形成される袋の長さにされ、個別に袋形成・充填装置に供給される場合もある。このタイプの高品質の袋の形成は、例えば、ペットフードの分野では公知である。ここでは、その外側折込みの各々に縁継ぎ目を有する側面ガセット付き袋を中心に説明を行う。これらの袋は特に安定性と外観が従来よりも向上したという評判である。通常は、フラットフィルムの縦方向溶着によってまずチューブを製造することによって、これらの袋は製造される。これらのチューブは個々のチューブ部分に分離され、追加の縦方向溶着継ぎ目が形成される。
【0008】
しかしながら、個々のチューブ部分の運搬も、その後の袋形成・充填工程への個々のチューブ部分の搬入も複雑である。これは、通常は、チューブ部分を個別につかみ、袋形成装置に供給する回転フィーダまたはその他の吸引装置を使用して行われる。かかる吸引装置は値段が高く、故障しやすい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、請求項1の上段による費用効率の向上した袋製造・充填方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、
− 袋を形成する材料をチューブ状材料の形で巻出し装置から袋形成装置に供給することと、
− 袋形成装置の中でチューブ状材料に、少なくとも袋(27)の大きな部分にわたってのびている縦方向継ぎ目(29)を形成することと
によって達成される。
【0011】
この文脈における用語「継ぎ目」または「縦方向継ぎ目」は、接合継ぎ目と、縁継ぎ目をも含む全てのその他の継ぎ目を表す総称である。特に、接合継ぎ目のようにフラットフィルムの接合点を保持することは縁継ぎ目の役割ではない。縁継ぎ目の役割は上記袋の安定化にあり、その充填状態においてほぼ立方形の形成を特に助け、したがって、かかる袋の積み重ねを容易にする。
【0012】
さてチューブ状材料を袋に加工するためには、横方向溶着を利用してまず袋の底を形成するのが効果的である。このチューブ状材料はグリッパまたはプライヤまたは類似の保持手段によってその異なる地点をつかむことができるので、まだチューブ状である材料には特に簡単に横方向溶着を形成することができる。
【0013】
同じ理由から、材料が個々のチューブ部分に分離される前に縦方向継ぎ目を形成することも推奨される。縦方向継ぎ目の形成は横方向溶着継ぎ目の形成の前に行うことができる。それに加えて、縦方向継ぎ目の形成の前または後に、後に形成される袋にいわゆる角溶着を形成する対角線溶着をチューブ状材料に形成することができる。前記角溶着がさらに袋の安定性を高めることになる。
【0014】
本発明の効果的な改良形態においては、袋形成装置の中に袋への充填も行われる。縦方向継ぎ目または横方向継ぎ目を形成する目的で保持手段を使用して保持されるチューブ部分は、同じまたは追加保持手段によって充填装置に供給することができる。したがって、チューブ部分の卸し移載、保管および再集積という時間のかかる作業が不要になる。グリッパとして効果的に設計された保持手段は袋形成装置を介して運搬を行う。グリッパはいずれの場合にも数組用意することができ、グリッパは上縁の領域においてチューブ部分の周囲に横方向に係合する。チューブ部分を一組のグリッパから別の組のグリッパに運ぶことが必要になることがある。この目的のために、その二組のグリッパがチューブ部分を一時的に保持する移送位置が設けられている。チューブ部分または袋の運搬は、その経路の少なくとも最初の半分については、水平方向に行われる。すなわち、チューブ部分または袋のあらゆる動きにおいて、水平距離が垂直距離よりも大きい。
【0015】
袋形成装置の中では、間欠的運搬の停止段階中にチューブ状材料に縦方向継ぎ目が形成される。基本的には、チューブ状材料の運搬中に縦方向継ぎ目を適用することもできる。しかしながら、前の事例においては、縦方向継ぎ目は異なる期間にわたって形成することができ、これらの期間は上向きには相互サイクル速度によって限定されるが、その他の点では可変である。縦方向継ぎ目が、例えば、溶着を使用して形成される場合は、溶着時間は、例えば、材料の厚さの関数として選択することができる。
【0016】
本発明のその他の実施態様は本明細書および特許請求の範囲に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この装置1は、チューブ状フィルム4のロール3が載せられた支持アーム2を含む。チューブ状フィルム4は不図示の側面ガセットを有する。部分的にも駆動することができる運搬ローラ5が通常は連続的なチューブ状フィルムの巻出しを確実に行う。ピストン・シリンダユニットにより荷重をかけられ、偏向ローラ6を有し、全体がダンサー装置と呼ばれることが多いレバー9と、運搬ローラ7、8と一組の送りローラ15とによって、公知の方法で、確実にチューブ状材料4がその運搬経路上をさらに周期間欠的に移動させられる。その以降の経路においては、チューブ状フィルム4は縦方向継ぎ目を適用するためのステーション28を通過する。縦方向継ぎ目は詳細には説明しない方法によってチューブ状フィルム4の側面ガセットの外縁に適用され、ステーション28の作業長さは少なくとも後に形成される袋の長さに等しい。縦方向継ぎ目は通常は間欠的運搬の停止段階中に溶着を適用することにより形成される。縦方向継ぎ目を形成されたチューブ状フィルム4は追加運搬ローラ8を使用して角溶着ステーション11と冷却ステーション12とに運ばれる。
【0018】
一組の送りローラ15を使用して、チューブ状フィルムは横方向溶着ステーション13の溶着ジョーの間と横方向切断ステーション16中とを押し通される。横方向溶着ステーション13と横方向切断ステーション16との工具は、例えば、チューブ状フィルム4の送り方向に対して直交する平面において平行四辺形配置14を使用することにより、詳細には記載しない方法で、チューブ状フィルム4に対して往復運動することができる。グリッパ17がチューブ状フィルム4をつかんだ後に、チューブ部分18が横方向切断ステーション17においてグリッパ17の上方のチューブ状フィルム4から切離される。同時に、横方向溶着ステーション13において、横方向溶着がチューブ状フィルムの切断縁の上方に追加される。この溶着は、装置1の次の作業サイクルにおいて形成すべきチューブ部分18の底を示すものである。横方向溶着が好ましいが、それだけが底の形成のための唯一の選択肢ではない。例えば、接着のような、その他の接合技術も実行可能である。
【0019】
グリッパ17は、追加グリッパ19がチューブ部分18をつかんで、充填ステーション20に運ぶ移送地点にチューブ部分18を運ぶ。そこでは、チューブ部分18は静止グリッパ21に移送され、吸引装置22により開かれ、その結果、充填管23により案内される充填物がチューブ部分18の中に入ることが可能になる。その際に、チューブ部分18はその下端がコンベヤベルト24上にあり、その結果、チューブ部分18が充填工程中にその縦方向縁に沿って過剰な荷重を受けるのが防止される。追加グリッパ25が充填済みチューブ部分をヘッド継ぎ目溶着ステーション26に運び、このステーション26では、チューブ部分18がヘッド溶着継ぎ目により密封され、完成した袋27が形成される。チューブ部分18のヘッド領域の密封には、その他の接合方法の使用も可能である。完成した袋27はコンベヤベルト24により装置1の外に案内される。
【0020】
図2および3は、本発明の方法による縦方向継ぎ目を備えたチューブ状材料4の横断面を示したものである。図2に示した材料4は通常はチューブ状フィルムとして製造され、側面ガセット30を備えられた後にロール3に巻かれる。縦方向継ぎ目を適用するためのステーション28において、チューブ状材料4はその外縁31に縁継ぎ目29を形成される。図3に示したチューブ状材料4は縦方向継ぎ目が図2に示したもの4とは異なっており、フラットフィルムの両縁領域はチューブを形成する目的のために相互に接合される。一般に、接合工程は熱密封により行われる。しかしながら、密封または接着剤またはホットメルト接着剤の塗布のようなその他の接合技術も実際には使用される。同様に側面ガセット30を形成することができるチューブ状材料4のかかる形成の後に、チューブ状材料4はロールに巻かれる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による方法を実行することができる袋製造・充填装置を示す図。
【図2】本発明の方法による縦方向継ぎ目が形成されたチューブ状材料の断面図。
【図3】本発明の方法によるもう1つの縦方向継ぎ目が形成されたチューブ状材料の断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4つの縦方向継ぎ目(29)を有する袋(27)の製造・充填方法であって、
− 袋を形成する材料(4)がチューブ状材料の形で巻出し装置(2、3、5)から袋形成装置(1)に供給され、
− 袋形成装置(1)の中でチューブ状材料(4)に縦方向継ぎ目(29)が形成され、これらの継ぎ目(29)が少なくとも袋(27)の大きな部分にわたってのびていること
とを特徴とする前記方法。
【請求項2】
袋形成装置(1)が横方向溶着によりチューブ状材料(4)に袋の底を形成することによって袋の形成を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
チューブ状材料(4)が個々のチューブ部分(18)に分離される前に縦方向継ぎ目(29)が形成されることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
袋形成装置(1)が袋(27)に充填物を充填することによって袋(27)の充填も行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
チューブ部分(18)または袋(27)が袋形成装置(1)の中の少なくとも経路の一部においてはグリッパ(17、19、25)によって運搬されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
グリッパ(17、19、25)はその外縁(31)の領域がチューブ部分(18)または袋(27)の周囲に係合しており、チューブ部分(18)または袋(27)が垂れ下がっていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
チューブ部分(18)または袋(27)が少なくともその経路の一部について水平に運搬されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
間欠的運搬の停止段階中に、袋形成装置(1)の中でチューブ状材料(4)に縦方向継ぎ目(29)が形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
袋(27)が充填される前に縦方向継ぎ目(29)が冷却されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
たとえ袋形成装置(1)の中での縦方向継ぎ目(29)の適用の前であっても、チューブ状材料(4)は少なくとも1つの縦方向溶着部(32)を有しており、この縦方向継ぎ目(29)を使用して少なくとも1つのフラットフィルムウェブが接合され、チューブ状材料を形成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
− チューブ状材料(4)が側面ガセット付きチューブであることと、
− 溶着継ぎ目が側面ガセット付きチューブの外側折込みに適用されることと
を特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
チューブ状材料(4)には、縦方向継ぎ目(29)が形成される前に、対角線溶着部が形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも4つの縦方向継ぎ目を有する袋の製造・充填装置(1)であって、
− 袋を形成する材料(4)をチューブ状材料(4)の形で袋形成装置(1)に供給する巻出し装置(2、3、5)と、
− 袋形成装置(1)の中でチューブ状材料(4)に、少なくとも袋(27)の大きな部分にわたってのびている縦方向継ぎ目(29)を形成する縦方向溶着装置(28)と
を特徴とする前記装置。
【請求項14】
巻出し装置(2、3、5)と縦方向溶着装置(28)との間のダンサー装置(6,9、10)を特徴とする請求項13に記載の装置(1)。
【請求項15】
チューブ状材料(4)の運搬方向における長さが少なくとも30cmである縦方向継ぎ目用冷却装置(12)を特徴とする請求項13〜14のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項16】
チューブ状材料(4)の運搬方向における長さが少なくとも45cmである縦方向継ぎ目用冷却装置(12)を特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−513299(P2008−513299A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520706(P2007−520706)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007157
【国際公開番号】WO2006/007960
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(590002909)ヴィントメーラー ウント ヘルシャー コマンディトゲゼルシャフト (33)
【Fターム(参考)】