被成型品の成型方法および成型装置
【課題】簡素な工程で被成型品を成型することができると共に、被成型品Wの厚さを変更することも容易な被成型品の成型方法を提供する。
【解決手段】第1の面P1Aを備えた第1の部材P1と、第2の面P2Aを備え第1の部材P1に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材P2とを用いる被成型品Wの成型方法において、第1の面P1Aと第2の面P2Aとが第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品Wを第1の面P1Aに設置し、この設置後に、第1の面1Aと第2の面P2Aとの間の距離が第2の距離になるように、第2の部材P2を相対的に移動位置決めし、この移動位置決め後に、被成型品Wを硬化する。
【解決手段】第1の面P1Aを備えた第1の部材P1と、第2の面P2Aを備え第1の部材P1に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材P2とを用いる被成型品Wの成型方法において、第1の面P1Aと第2の面P2Aとが第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品Wを第1の面P1Aに設置し、この設置後に、第1の面1Aと第2の面P2Aとの間の距離が第2の距離になるように、第2の部材P2を相対的に移動位置決めし、この移動位置決め後に、被成型品Wを硬化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被成型品の成型方法および成型装置に係り、特に、被成型品をお互いが対向している面で挟み込んで成型するものに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来より行なわれている被成型品Wの成型方法の概略を示す図であり、図11(a)は、従来の被成型品Wの成型方法に使用される箱状の型100と被成型品Wの正面図であり、図11(b)は、従来の被成型品Wの成型方法に使用される箱状の型100と被成型品Wの側面図である。
【0003】
従来の成型方法で矩形な板状の被成型品Wを成型する場合、透明な部材で構成され分解・組み立て自在な箱状の型(ケース)100を使用している。まず、型100を組み立てておいて、この型100の中に液体状の紫外線硬化樹脂W1を入れる。この後、型100に紫外線を照射して樹脂W1を硬化させる。
【0004】
続いて、型100を分解(解体)し、硬化した樹脂W1を取り出し、この取り出した樹脂W1の周辺部を、破線L1に沿ってレーザ加工等により切断して、矩形な板状の被成型品Wを得ている。
【0005】
なお、紫外線硬化樹脂以外に、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用することもある。また、上記得られた被成型品Wは、たとえば、透明であり、厚さtが、0.1mm〜0.3mm程度に形成されており、画像表示装置の前面のパネルとして使用される。
【0006】
なお、従来の技術に関連する文献として、たとえば特許文献1、特許文献2を掲げることができる。
【特許文献1】特開2006−295010
【特許文献2】特開2000−289010
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来の成型方法では、被成型品Wを成型する毎に、型100の分解と組み立てとをしなければならず、被成型品Wの成型工程が煩雑であるという問題がある。すなわち、型100は多数の部材から、ボルトや冶具等を用いて組み立てられているので、型100を分解し組み立てる作業に多くの時間を要している。さらに、被成型品Wの厚さを変えたい場合、型100の形態を変更しなければならず手間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、簡素な工程で被成型品を成型することができると共に、被成型品Wの厚さを変更することも容易な被成型品の成型方法および被成型品の成型装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、第1の面を備えた第1の部材と、前記第1の面に対向する第2の面を備え前記第1の部材に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材とを用いる被成型品の成型方法において、前記第1の面と前記第2の面とが第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品を前記第1の面に設置する被成型品設置工程と、前記被成型品設置工程で被成型品を設置した後に、前記第1の面と前記第2の面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離になるように、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対的に移動位置決めする部材移動位置決め工程と、前記部材移動位置決め工程で移動位置決めした後に、前記被成型品を硬化する被成型品硬化工程とを有する被成型品の成型方法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の被成型品の成型方法において、前記第1の面、前記第2の面の少なくとも一方の面に、凹部、凸部の少なくともいずれかが形成されている被成型品の成型方法である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、第1の成型用プレートを保持自在な第1の成型用プレート保持体と、前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面に対して、第2の成型用プレートの成型用の面が対向するように前記第2の成型用プレートを保持自在であり、前記第1の成型用プレート保持体に対して接近・離反する方向で移動自在な第2の成型用プレートを保持体と、前記第2の成型用プレート保持体を駆動して移動位置決めするプレート保持体駆動位置決め手段と、前記第1の成型用プレート保持体に対する前記第2の成型用プレート保持体の位置を測定する測定手段と、前記各成型用プレートの間に設置された被成型品を硬化させる被成型品硬化手段と、前記被成型品硬化手段で硬化したときの被成型品の厚さを入力する被成型品厚さ入力手段と、前記被成型品厚さ入力手段で被成型品の厚さを入力し、前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面である第1の設置成型面と、前記第2の成型用プレート保持体に保持されている第2の成型用プレートの成型用の面である第2の設置成型面とが離れている状態から、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、各設置成型面がお互いに面接触するまで、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体に近づけ、前記各設置成型面同士が面接触をしたときにおける前記第2の成型用プレート保持体の位置を前記測定手段で測定してこの測定した値を原点とし、この測定後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離れる方向に移動して前記第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離を第1の距離にし、硬化前の被成型品が各成型用プレートの間に設置された後に、前記原点を基準として用い、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離であって前記被成型品厚さ入力手段で入力された被成型品の厚さに応じた第2の距離になるように前記第2の成型用プレート保持体を移動位置決めし、この移動位置決め後に、前記被成型品硬化手段で被成型品を硬化させ、この硬化後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離すように制御する制御手段とを有する被成型品の成型装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡素な工程で被成型品を成型することができると共に、被成型品Wの厚さを変更することも容易になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る被成型品Wの成型装置1の概略構成を示す図であり、図2〜図4は、成型装置1の動作を示す図である。
【0014】
図5は、被成型品Wの形態を示す図であり、図5(a)は、被成型品Wの斜視図であり、図5(b)は、被成型品Wの平面図であり、図5(c)は、被成型品Wの側面図である。
【0015】
図6は、成型装置1の動作を示すフローチャートである。
【0016】
なお、説明の便宜のために、水平な一方向をX軸方向とし、水平な他の一方向であってX軸方向に垂直な方向をY軸方向とし、鉛直方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0017】
被成型品Wの成型装置(以下、「成型装置」という。)1は、板状の被成型品(たとえば、紫外線硬化樹脂W1)Wを挟み込んで成型するときに使用される装置であり、第1の成型用プレート保持体(下側成型用プレート保持体)3と、第2の成型用プレートを保持体(上側成型用プレート保持体)5とを備えて構成されている。
【0018】
下側成型用プレート保持体3は、たとえば、矩形な平板状に形成された第1の成型用プレート(下側成型用プレート;第1の部材)P1を、この第1の成型用プレートP1の厚さ方向の一方の面(下面)を接触させて、真空吸着やボルト等の保持手段(図示せず)を用いて保持自在なように構成されている。
【0019】
上側成型用プレート保持体5も、下側成型用プレート保持体3と同様にして、第1の成型用プレートP1と同様な形状に形成されている第2の成型用プレート(上側成型用プレート;第2の部材)P2を保持自在なように構成されている。すなわち、上側成型用プレート保持体5は、第2の成型用プレートP2を、この第2の成型用プレートP2の厚さ方向の一方の面(上面)を接触させて、真空吸着やボルト等の保持手段(図示せず)を用いて保持自在なように構成されている。なお、上側成型用プレートP2は、紫外線が透過可能な石英ガラス等の透明体で構成されている。
【0020】
各成型用プレート保持体3,5が、各成型用プレートP1,P2を保持した状態では、第1の成型用プレートP1の成型用の面(上面;被成型品Wを挟みこむときに被成型品Wが接触する面)P1Aに対して、第2の成型用プレートP2の成型用の面(下面;被成型品Wを挟みこむときに被成型品Wが接触する面)P2Aが、ほぼ平行な状態で対向している。
【0021】
上側成型用プレート保持体5は、下側成型用プレート保持体3に対して接近・離反する方向(Z軸方向)で移動自在になっている。すなわち、上側成型用プレート保持体5は、下側成型用プレート保持体3の上方に設けられており、可動体10に一体的に支持されている。可動体10は、図示しないリニアガイドベアリングを介してベースフレーム9に支持されている。これにより、上側成型用プレート保持体5がZ軸方向で移動自在になっている。下側成型用プレート保持体3は、詳しくは後述するジンバル機構7を介してベースフレーム9に支持されている。
【0022】
なお、すでに理解されるように、上側成型用プレートを保持体5は、上側成型用プレート保持体5に保持されている成型用プレートP2の厚さ方向(Z軸方向)で移動自在になっており、設置されている各成型用プレートP1,P2の厚さ方向(Z軸方向)から見ると、設置されている各成型用プレートP1,P2はお互いに重なっている。
【0023】
また、成型装置1には、上側成型用プレート保持体5(可動体10)をZ軸方向で駆動して移動位置決めするプレート保持体駆動位置決め手段11が設けられている。プレート保持体駆動位置決め手段11は、たとえば、サーボモータ等のアクチュエータ(図示せず)とボールネジを介して、上側成型用プレート保持体5を移動位置決めするように構成されている。
【0024】
なお、成型装置1では、上側成型用プレートを保持体5が移動位置決めされる構成になっているが、上側成型用プレートを保持体5に代えてもしくは加えて下側成型用プレート保持体3がZ軸方向で移動位置決めされる構成であってもよい。すなわち、下側成型用プレート保持体3に対して上側成型用プレートを保持体5が相対的に移動位置決めされる構成になっていてもよい。
【0025】
ジンバル機構7は、上側成型用プレート保持体5に対する下側成型用プレート保持体3の姿勢(X軸まわりの回動角度、Y軸まわりの回動角度)を調節しこの調節後保持自在になっている機構である。ジンバル機構7には、図示しないクランプ機構が設けられており、このクランプ機構が作動したときには、ベースフレーム9に対して下側成型用プレート保持体3が一体的に支持されて、上側成型用プレート保持体5に対する下側成型用プレート保持体3の姿勢が維持されるようになっている。前記クランプ機構が作動していないときには、ベースフレーム9に対して下側成型用プレート保持体3が回動するようになっている。
【0026】
さらに説明すると、下側成型用プレート保持体3が球面軸受13を介してベースフレーム9に支持されていることにより姿勢調整自在になっている。また、球面軸受13の凸面と凹面との間にたとえば空気圧を供給し、または、球面軸受13の凸面と凹面とを真空吸着することができるように構成されている。そして空気を供給したときには、下側成型用プレート保持体3が回動し、真空吸着したときには、ベースフレーム9に対して下側成型用プレート保持体3が一体的に支持されるようになっている。なお、ジンバル機構7を、下側成型用プレート保持体3ではなく、上側成型用プレート保持体5側に設けた構成であってもよい。
【0027】
また、成型装置1には、下側成型用プレート保持体3に対する上側成型用プレート保持体5の位置を測定する測定手段15と、各成型用プレートP1,P2の間に設置された被成型品Wを硬化させる被成型品硬化手段17とが設けられている。
【0028】
測定手段15は、たとえば、リニアエンコーダを用いて、ベースフレーム9に対する上側成型用プレート保持体5の位置を測定するように構成されている。被成型品硬化手段17は、たとえば、紫外線発生装置19を用いて、紫外線硬化樹脂W1で構成されている被成型品Wに紫外線を照射し、被成型品W(紫外線硬化樹脂W1)を硬化するように構成されている。なお、紫外線発生装置19が発した紫外線は、可動体10や上側成型用プレート保持体5に設けられている貫通孔(図示せず)と、透明体で構成されている上側成型用プレートP2とを通って、被成型品Wに照射されるようになっている。
【0029】
また、成型装置1には、各成型用プレート保持体3,5に保持されている各成型用プレートP1,P2で、被成型品Wを成型すべく被成型品Wを挟み込んだときに、被成型品Wおよびこの周辺部を真空状態もしくは減圧状態にするための真空成型室形成手段21が設けられている。真空成型室形成手段21は、カバー部材23と真空ポンプ25とを備えて構成されており、各成型用プレートP1,P2で被成型品Wを挟み込んだときに、カバー部材23と可動体10とベースフレーム9とで、各成型用プレート保持体3,5、各成型用プレートP1,P2、被成型品Wが内部に入る閉空間SP1が形成されるようになっている(図3参照)。そして閉空間SP1内の空気を真空ポンプ25で吸引し大気圧よりも低い圧力に減圧するように構成されている。
【0030】
また、成型装置1には、被成型品硬化手段17で硬化したときの被成型品Wの厚さを入力する被成型品厚さ入力手段28と、成型装置1の動作を制御する制御装置(制御手段)29とが設けられている。
【0031】
成型品厚さ入力手段28は、たとえば、タッチパネルやキーボードで構成されている入力手段27で構成されている。制御装置29は、メモリ31に予め格納されている動作プログラムに基づいて、プレート保持体駆動位置決め手段11、測定手段15、真空成型室形成手段21、被成型品硬化手段17等を制御するようになっている。
【0032】
すなわち、成型装置1は、制御装置29の制御の下、被成型品厚さ入力手段28で被成型品Wの厚さを入力する。続いて、ジンバル機構7によって、所定の状態から、下側成型用プレート保持体3(下側成型用プレートP1)の姿勢を調整し、上側成型用プレート保持体5(上側成型用プレートP2)の原点出しをするようになっている。
【0033】
なお、上記所定の状態とは、ジンバル機構7のクランプ機構が作動していないことによって、上側成型用プレート保持体5に対する下側成型用プレート保持体3の姿勢が変化可能な状態であり、下側成型用プレート保持体3に保持されている下側成型用プレートP1の成型用の面である第1の設置成型面P1Aと、上側成型用プレート保持体5に保持されている上側成型用プレートP2の成型用の面である第2の設置成型面P2Aとが離れている状態であり、さらに、各成型用プレートP1,P2に被成型品Wが設置されていない状態である。
【0034】
また、ここで、ジンバル機構7での、下側成型用プレート保持体3の姿勢調整と上側成型用プレート保持体5の原点出しについて詳しく説明する。まず、プレート保持体駆動位置決め手段11により、各設置成型面P1A,P2Aがお互いに面接触するまで、上側成型用プレート保持体5を下側成型用プレート保持体3に近づけ、ジンバル機構7で各設置成型面P1A,P2A同士が平行になるように、下側成型用プレート保持体3を上側成型用プレート保持体5に倣わせて、下側成型用プレート保持体3の姿勢を調整し、この調整後にジンバル機構7のクランプ機構で下側成型用プレート保持体3の姿勢を保持する。また、各設置成型面P1A,P2A同士が面接触をしたときにおける上側成型用プレート保持体5の位置を測定手段15で測定してこの測定した値を原点とする。
【0035】
前記原点出しをした後に、プレート保持体駆動位置決め手段11により、上側成型用プレート保持体5を下側成型用プレート保持体3から離れる方向(上方)に移動して、設置成型面P1Aと設置成型面P2Aとの間の距離を第1の所定の距離D1にするようになっている(図2参照)。
【0036】
続いて、硬化前の被成型品W(紫外線硬化樹脂W1)が各成型用プレートP1,P2の間(設置成型面P1Aの上)に設置された後に、真空成型室形成手段21で真空成型室SP1を形成すると共に、前記原点を基準として用い、プレート保持体駆動位置決め手段11により、第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aとの間の距離が、第1の距離D1よりも小さい第2の距離であって、被成型品厚さ入力手段28で入力された被成型品Wの厚さに応じた第2の距離D2(たとえば、入力された被成型品Wの厚さと同じ距離)になるように、上側成型用プレート保持体5を移動位置決めするようになっている(図3参照)。
【0037】
この移動位置決め後に、被成型品硬化手段17で(紫外線を照射して)被成型品W(紫外線硬化樹脂W1)を硬化させ、この硬化後に、真空成型室形成手段21によって形成されていた真空成型室SP1を解除すると共に、プレート保持体駆動位置決め手段11により、上側成型用プレート保持体5を下側成型用プレート保持体3から離すようになっている(図4参照)。
【0038】
ここで、成型装置1の動作について説明する。
【0039】
初期状態として、各成型用プレート保持体3,5が各成型用プレートP1,P2を保持しており、各設置成型面P1A,P2Aの距離が所定の距離だけ離れているものとする(図1参照)。
【0040】
なお、上記初期状態にあっては、各成型用プレートP1,P2の面P1A,P2A同士はほぼ平行になっており、Z軸方向から眺めると、各面P1A,P2Aはお互いに重なっている。
【0041】
上記初期状態において、下側成型用プレート保持体3の姿勢の調整を行う(S1)。すなわち、各成型用プレート保持体3,5をお互いに近づけて各面P1A,P2Aをお互いに面接触させ、成型用プレートP1に対する成型用プレートP2の姿勢を相対的に調整し(たとえば、平面P2Aに対して平面P1Aが平行になるように、下側成型用プレート保持体3におけるX軸、Y軸まわりの回動角度を調整し)、この調整した状態をクランプ機構を用いて維持したまま、各成型用プレートP1,P2間の距離が所定の第1の距離D2になるまで下側成型用プレート保持体3を上側成型用プレート保持体5から離す方向(上方向)に移動する。なお、上記姿勢の調整をするときに、上述したように原点出しも行う。
【0042】
前記姿勢調整の実行後、面P1Aと面P2Aとが所定の第1の距離D1だけ離れているときに、成型前の被成型品Wを面P1Aの上に設置する(S3;図2参照)。なお、被成型品Wとして紫外線硬化樹脂W1を採用しているので、成型前の被成型品Wは、液体状の紫外線硬化樹脂W1ということになるが、半硬化状態(仮硬化状態)の紫外線硬化樹脂を成型前の被成型品Wとして設置してもよい。ここで、半硬化状態の紫外線硬化樹脂とは、ある程度架橋が進んで粘性流動体になっている紫外線硬化樹脂である。
【0043】
被成型品Wを設置した後に、被成型品Wを所定の厚さに成型すべく各平面P1A,P2Aで挟み込んで、各面P1A,P2A間の距離が、第1の距離D1よりも小さい第2の所定の距離D2になるように、成型用プレートP1に成型用プレートP2近づけて移動位置決めする(S5;図3参照)。このように第2の所定の距離D2に位置決めした場合であっても、各平面P1A,P2A(被成型品W)の周辺は外(外気)に通じている。すなわち、被成型品Wは密閉された空間内に存在することはなく、各成型用プレートP1,P2の2つの平面P1A,P2Aで挟まれているだけである。
【0044】
第2の所定の距離D2を確保した後に、この確保した状態を維持したまま(第2の所定の距離D2を維持したまま)、紫外線を照射し被成型品Wを硬化する(S7)。
【0045】
被成型品Wを硬化した後、成型用プレートP2を成型用プレートP1から遠ざけて(図4参照)、被成型品Wを各成型用プレートP1,P2から取り外し(S9)、この取り外しをした後に、被成型品Wを所定の形状にすべく、被成型品Wの外周を切断する(S11)。外周を切断することによって、被成型品Wが矩形な平板状等の形状(所望の形状;製品や半製品として使用するために必要な被成型品の形状)になる。
【0046】
さらに説明すると、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wは、図5に示すように周辺部の形状が、たる状等の形態になっている。これを、図5(b)に示すように矩形な切断線L2のところで切断することにより、矩形な薄い平板状の被成型品(厚さが、たとえば、0.1mm〜0.3mm程度の被成型品)Wを得ることができる。切断は、たとえば、レーザ、シャー、ウォータジェット等を用いてなされる。
【0047】
なお、図5(a)は、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wの形状を示す斜視図であり、図5(b)は、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wの形状を示す平面図であり、図5(c)は、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wの形状を示す側面図である。
【0048】
また、上述した成型方法では、平板状の被成型品(前述したように、たとえば、液晶パネル前面の透明カバーとして使用される被成型品)Wを成型することにしているが、他の板状等の形状やその他の形状の被成型品を成型するようにしてもよい。たとえば、眼鏡のレンズを成型する場合のように、被成型品の厚さ方向の各面が大きな曲率の非平面であってもよい。この場合、被成型品の厚さは、一定でなく徐々に変化している。
【0049】
なお、被成型品Wを成型する際に、被成型品Wに気泡が混入することを防止するために、被成型品Wのまわりには、上述したように真空成型室形成手段21で真空成型室SP1が形成されるようになっている。そして、真空成型室SP1は、上側成型用プレート保持体5が下方に移動を開始した直後から、被成型品Wの硬化を終了し、上側成型用プレート保持体5が上方に移動を開始した直後まで形成されるようになっている。
【0050】
ところで、下側成型用プレートP1の面P1A、上側成型用プレートP2の面P2Aの少なくとも一方に、凹部、凸部の少なくともいずれかが形成されていてもよい。これらの凹部や凸部は、各面P1A,P2Aで被成型品Wを挟み込んで硬化させ成型装置1から取り外した後に、たとえば、被成型品Wを所望の形状に切断するときの基準となるものであり、前記凹部や凸部が被成型品Wに転写されるようになっている。
【0051】
より詳しく説明すると、図8(成型用プレートの変形例を示す図)に示すように、下側成型用プレートP1の面P1Aの周辺に、矩形な環状の溝P1Bが設けられていてもよい。
【0052】
溝P1Bの断面(溝P1Bの延伸方向に垂直な平面による断面)は、たとえば小さな矩形状に形成されている。同様にして、上側成型用プレートP2の面P2Aの周辺にも、矩形な環状の溝P2Bが設けられている。なお、各平面P1A,P2Aに直交する方向から見ると、各溝P1B,P2Bはお互いがほぼ重なっている。そして、被成型品Wを設置して成型するとき(各平面P1A,P2Aの間の距離を第2の所定の距離D2にしたとき)に、余剰な樹脂が各溝P1B,P2Bに流れ込み、図10(a)や図10(b)に示すような断面形状に被成型品Wが形成されるようになっている。このように形成された被成型品Wは、この段差(各溝P1B,P2Bで形成された段差)を基準にして、たとえば、前記段差から離れた二点鎖線L3のところで切断されるようになっている。
【0053】
なお、図9(成型用プレートの変形例を示す図)に示すように、各平面P1A,P2Aの周辺に、矩形な環状の溝に換えて、矩形な環状の凸部P1C,P2Cを設けた構成であってもよい。この場合、各凸部P1C,P2C同士の干渉を避けるために、各凸部P1C,P2Cの高さの合計寸法は、成型される被成型品Wの厚さ寸法よりも小さくなっている。また、矩形な環状の各凸部P1C,P2Cをこの長手方向で櫛歯状に形成し、第1の部材の凸部と第2の部材の凸部とがお互いに干渉しないように各凸部を設ければ、各凸部の高さの合計寸法が、成型される被成型品の厚さ寸法よりも大きくなっていてもよい。さらに、各成型用プレートP1,P2のうちの一方に溝を設け、他方に凸部を設けた構成であってもよい。
【0054】
成型装置1によれば、従来のような型100を用いていないので被成型品Wを成型する毎に型100を分解し組み立てる工程が不要になっており、簡素な工程で被成型品Wを成型することができる。また、各成型用プレートP1,P2間の距離を変更することにより、被成型品Wの厚さを容易に変更することができる。
【0055】
また、各成型用プレートP1,P2の凹部や凸部が被成型品Wに転写されるようにすれば、この転写された凹部、凸部を、被成型品Wのたとえば周辺部を切断するときの基準にすることができ、被成型品Wの切断加工を正確にはやく行うことができる。
【0056】
なお、上記説明では、被成型品として紫外線硬化樹脂を例に掲げて説明したが、紫外線硬化樹脂に換えて、特定の周波数帯域の電磁波を浴びて硬化する材料を採用してもよい。
【0057】
また、被成型品Wとして、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を採用してもよいし、さらに樹脂以外の材料を採用してもよい。
【0058】
被成型品Wとして熱硬化性樹脂を採用した場合は、成型前の被成型品は、液体状の熱硬化性樹脂ということになるが、半硬化状態の熱硬化性樹脂を成型前の被成型品としてもよい。ここで、半硬化状態の紫外線硬化樹脂とは、ある程度架橋が進んで粘性流動体になっている熱硬化性樹脂である。さらに、熱硬化性樹脂を採用した場合は、被成型品硬化手段17として、ヒータを、たとえば、各成型用プレート保持体3,5に設ければよい。
【0059】
また、被成型品Wとして熱可塑性樹脂を採用した場合は、成型前の被成型品は、板状やペレット状の形成されている熱可塑性樹脂ということになる。このように設置された熱可塑性樹脂は、たとえば、各成型用プレート保持体3,5に設けられているヒータで一旦加熱され粘性流動体になった状態で成型されるものとする。
【0060】
さらに、成型前の被成型品として、予め加熱されて粘性流動体になっている熱可塑性樹脂を採用してもよい。さらに、成型前の被成型品として、溶剤に溶けている熱可塑性樹脂を採用してもよい。さらに、成型前の被成型品として、半硬化状態の熱可塑性樹脂を採用してもよい。ここで、半硬化状態の熱可塑性樹脂とは、蒸発等で溶剤がある程度なくなり架橋が進んで粘性流動体になっている熱可塑性樹脂である。
【0061】
熱可塑性樹脂を採用した場合は、被成型品硬化手段17として、熱可塑性樹脂を冷却して硬化させるための冷却装置や、溶剤をとばすためのヒータを、たとえば、各成型用プレート保持体3,5に設ければよい。
【0062】
さらに、図7(成型用プレートに微細な転写パターンを設けた場合を示す図)に示すように、各成型用プレートP1,P2の各面P1A,P2Aの少なくとも一方に、ミクロンサイズもしくはサブミクロンサイズの微細な凹凸で形成される転写パターンP2Dを形成しておいて、被成型品Wを成型するときに微細な転写パターンが被成型品Wに転写されるようにしてもよい。このようにして微細なパターンが転写された被成型品Wは、たとえば、液晶表示装置のバックライトの導光板として使用される。
【0063】
また、成型装置1への被成型品Wの供給や成型装置1からの被成型品Wの取り出しは、人が行うことにしているが、ロボット等で構成される被成型品設置手段を設け、制御装置29の制御の下、成型前の被成型品Wの設置や成型後の被成型品Wの取り外しを自動化して行なってもよい。
【0064】
下側成型用プレートP1(下側成型用プレート保持体3)、上側成型用プレートP2(上側成型用プレート保持体5)の少なくとも一方に、硬化した被成型品Wを各成型用プレートP1,P2から引き離すためのエジェクタピンが設けられていてもよい。
【0065】
エジェクタピンは、たとえば、硬化した被成型品Wの部位のうちで最終的に製品として使用されない部位(たとえば、溝部P1B,P2Bや凸部P1C,P2C)を押して、被成型品Wを各成型用プレートP1,P2から引き離すようになっている。
【0066】
さらに、各成型用プレートP1,P2の両方にエジェクタピンが設けられている場合にあっては、両方のエジェクタピンが同時に稼動するのではなく、時間的にずらして、稼動するようになっているものとする。
【0067】
具体的には、被成型品Wを硬化させた後、上側成型用プレート保持体5の上方への移動を開始するときに、上側成型用プレートP2に設けられているエジェクタピンのみを稼動させる。これにより、硬化した被成型品Wが上側成型用プレートP2から離れ下側成型用プレートP1の面P1Aに接触している。この後、下側成型用プレートP1に設けられているエジェクタピンを稼動させると、硬化した被成型品Wが、下側成型用プレートP1から離れる。これにより、硬化した被成型品Wの各成型用プレートP1,P2からの取り外しを容易に行うことができる。
【0068】
さらに、被成型品Wが硬化する際の収縮率(変形率)をタッチパネルやキーボード等の入力手段27を介して制御装置29に入力し、被成型品Wを硬化させるときに、この入力した値に基づいて、第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aの間の距離を変えるように、プレート保持体駆動位置決め手段11を制御してもよい。
【0069】
たとえば、ある樹脂が半硬化状態から完全に硬化するときに、その長さが98%(収縮率98%)になるものとし、硬化した被成型品として0.3mmの厚さのものを成型するものとする。このような場合には、半硬化樹脂を設置した後に、第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aとの間の距離を0.306mm(0.3mm÷0.98)に設定する。続いて、半硬化樹脂を完全に硬化させるべく紫外線の照射を開始した時に、上側成型用プレート保持体5の移動(下降)を一定のごく遅い速度で開始し、紫外線照射が終了した時、もしくは、紫外線の照射が終了する少し前に、上側成型用プレート保持体5の移動を停止する。そして、この停止したときにおける第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aとの間の距離が、0.3mmになっているようにしてもよい。
【0070】
なお、収縮率が100%を超える場合には、被成型品Wを硬化させるときに、第2の成型用プレート保持体5を第1の成型用プレート保持体3から離れる方向に移動させるものとする。
【0071】
さらに、制御装置29に設けられているメモリ31に、被成型品Wの種類と収縮率とを対応させて予め記憶しておき、入力手段27で収縮率を入力する代わりに、被成型品Wの種類を入力し、この入力した被成型品Wの種類に対応した収縮率をメモリ31より呼び出して、被成型品Wを硬化させるときに、上述した制御と同様な制御をするようにしてもよい。
【0072】
また、さらに、たとえば上側成型用プレート保持体5に、各成型用プレート保持体3,5で被成型品Wを成型すべく被成型品Wを押圧するきの圧力を検出可能な押圧力検出手段(たとえばロードセル)を設け、被成型品Wの平面精度(図5(c)における被成型品Wの上面と下面の平面精度)として高い精度が要求される場合には、成型用プレートP2の押し付け力を、制御装置29の制御の下一定にして被成型品Wの成型を行うようにしてもよい。
【0073】
また、上記場合(被成型品Wの平面精度として高い精度が要求される場合)において、被成型品Wの厚さ精度として高精度なものがさらに要求される場合には、適宜の所定の押し付け力で被成型品Wを試しに成型し、この試しに成型した被成型品Wの厚さを別途測定し(成型装置1に設けた測定装置で自動的に測定してもよい)、この測定した値に基づいて、樹脂W1の量を調整したり、押し付け力を調整したりして、被成型品Wの成型を行うようにしてもよい。
【0074】
すなわち、試しに成型した被成型品Wが目標値よりも厚い場合には、押し付け力を大きくするか、樹脂W1の量を少なくするかの少なくともいずれかのことを行って次の被成型品Wの成型をし、一方、試しに成型した被成型品Wが目標値よりも薄い場合には、押し付け力を小さくするか、樹脂W1の量を多くするかの少なくともいずれかのことを行って次の被成型品Wの成型をすればよい。
【0075】
また、成型装置1では、各成型用プレート保持体3,5で各成型用プレートP1,P2を保持することにしているが、下側成型用プレート保持体3と下側成型用プレートP1とを一体化し、上側成型用プレート保持体5と上側成型用プレートP2とを一体化した構成であってもよい。
【0076】
なお、成型装置1は、次に掲げる成型方法を実行するために使用される装置の例である。
【0077】
すなわち、成型装置1は、第1の面を備えた第1の部材と、前記第1の面に対向する第2の面を備え前記第1の部材に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材とを用いる被成型品の成型方法において、前記第1の面と前記第2の面とが所定の第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品を前記第1の面に設置する被成型品設置工程と、前記被成型品設置工程で被成型品を設置した後に、前記第1の面と前記第2の面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の所定の距離になるように、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対的に移動位置決めする部材移動位置決め工程と、前記部材移動位置決め工程で移動位置決めした後に、前記被成型品を硬化する被成型品硬化工程とを有する被成型品の成型方法を実行するために使用される装置の例である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係る被成型品Wの成型装置の概略構成を示す図である。
【図2】成型装置の動作を示す図である。
【図3】成型装置の動作を示す図である。
【図4】成型装置の動作を示す図である。
【図5】被成型品の形態を示す図である。
【図6】成型装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】成型用プレートに微細な転写パターンを設けた場合を示す図である。
【図8】成型用プレートの変形例を示す図である。
【図9】成型用プレートの変形例を示す図である。
【図10】被成型品の断面形状を示す図である。
【図11】従来より行なわれている被成型品Wの成型方法の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 成型装置
3 下側成型用プレート保持体
5 上側成型用プレート保持体
11 プレート保持体駆動位置決め手段
15 測定手段
17 被成型品硬化手段
27 入力手段
29 制御装置
P1 下側成型用プレート
P1A 設置成型面
P2 上側成型用プレート
P2A 設置成型面
P1B,P2B 溝
P1C,P2C 凸部
W 被成型品
【技術分野】
【0001】
本発明は、被成型品の成型方法および成型装置に係り、特に、被成型品をお互いが対向している面で挟み込んで成型するものに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来より行なわれている被成型品Wの成型方法の概略を示す図であり、図11(a)は、従来の被成型品Wの成型方法に使用される箱状の型100と被成型品Wの正面図であり、図11(b)は、従来の被成型品Wの成型方法に使用される箱状の型100と被成型品Wの側面図である。
【0003】
従来の成型方法で矩形な板状の被成型品Wを成型する場合、透明な部材で構成され分解・組み立て自在な箱状の型(ケース)100を使用している。まず、型100を組み立てておいて、この型100の中に液体状の紫外線硬化樹脂W1を入れる。この後、型100に紫外線を照射して樹脂W1を硬化させる。
【0004】
続いて、型100を分解(解体)し、硬化した樹脂W1を取り出し、この取り出した樹脂W1の周辺部を、破線L1に沿ってレーザ加工等により切断して、矩形な板状の被成型品Wを得ている。
【0005】
なお、紫外線硬化樹脂以外に、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用することもある。また、上記得られた被成型品Wは、たとえば、透明であり、厚さtが、0.1mm〜0.3mm程度に形成されており、画像表示装置の前面のパネルとして使用される。
【0006】
なお、従来の技術に関連する文献として、たとえば特許文献1、特許文献2を掲げることができる。
【特許文献1】特開2006−295010
【特許文献2】特開2000−289010
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来の成型方法では、被成型品Wを成型する毎に、型100の分解と組み立てとをしなければならず、被成型品Wの成型工程が煩雑であるという問題がある。すなわち、型100は多数の部材から、ボルトや冶具等を用いて組み立てられているので、型100を分解し組み立てる作業に多くの時間を要している。さらに、被成型品Wの厚さを変えたい場合、型100の形態を変更しなければならず手間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、簡素な工程で被成型品を成型することができると共に、被成型品Wの厚さを変更することも容易な被成型品の成型方法および被成型品の成型装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、第1の面を備えた第1の部材と、前記第1の面に対向する第2の面を備え前記第1の部材に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材とを用いる被成型品の成型方法において、前記第1の面と前記第2の面とが第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品を前記第1の面に設置する被成型品設置工程と、前記被成型品設置工程で被成型品を設置した後に、前記第1の面と前記第2の面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離になるように、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対的に移動位置決めする部材移動位置決め工程と、前記部材移動位置決め工程で移動位置決めした後に、前記被成型品を硬化する被成型品硬化工程とを有する被成型品の成型方法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の被成型品の成型方法において、前記第1の面、前記第2の面の少なくとも一方の面に、凹部、凸部の少なくともいずれかが形成されている被成型品の成型方法である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、第1の成型用プレートを保持自在な第1の成型用プレート保持体と、前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面に対して、第2の成型用プレートの成型用の面が対向するように前記第2の成型用プレートを保持自在であり、前記第1の成型用プレート保持体に対して接近・離反する方向で移動自在な第2の成型用プレートを保持体と、前記第2の成型用プレート保持体を駆動して移動位置決めするプレート保持体駆動位置決め手段と、前記第1の成型用プレート保持体に対する前記第2の成型用プレート保持体の位置を測定する測定手段と、前記各成型用プレートの間に設置された被成型品を硬化させる被成型品硬化手段と、前記被成型品硬化手段で硬化したときの被成型品の厚さを入力する被成型品厚さ入力手段と、前記被成型品厚さ入力手段で被成型品の厚さを入力し、前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面である第1の設置成型面と、前記第2の成型用プレート保持体に保持されている第2の成型用プレートの成型用の面である第2の設置成型面とが離れている状態から、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、各設置成型面がお互いに面接触するまで、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体に近づけ、前記各設置成型面同士が面接触をしたときにおける前記第2の成型用プレート保持体の位置を前記測定手段で測定してこの測定した値を原点とし、この測定後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離れる方向に移動して前記第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離を第1の距離にし、硬化前の被成型品が各成型用プレートの間に設置された後に、前記原点を基準として用い、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離であって前記被成型品厚さ入力手段で入力された被成型品の厚さに応じた第2の距離になるように前記第2の成型用プレート保持体を移動位置決めし、この移動位置決め後に、前記被成型品硬化手段で被成型品を硬化させ、この硬化後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離すように制御する制御手段とを有する被成型品の成型装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡素な工程で被成型品を成型することができると共に、被成型品Wの厚さを変更することも容易になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る被成型品Wの成型装置1の概略構成を示す図であり、図2〜図4は、成型装置1の動作を示す図である。
【0014】
図5は、被成型品Wの形態を示す図であり、図5(a)は、被成型品Wの斜視図であり、図5(b)は、被成型品Wの平面図であり、図5(c)は、被成型品Wの側面図である。
【0015】
図6は、成型装置1の動作を示すフローチャートである。
【0016】
なお、説明の便宜のために、水平な一方向をX軸方向とし、水平な他の一方向であってX軸方向に垂直な方向をY軸方向とし、鉛直方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0017】
被成型品Wの成型装置(以下、「成型装置」という。)1は、板状の被成型品(たとえば、紫外線硬化樹脂W1)Wを挟み込んで成型するときに使用される装置であり、第1の成型用プレート保持体(下側成型用プレート保持体)3と、第2の成型用プレートを保持体(上側成型用プレート保持体)5とを備えて構成されている。
【0018】
下側成型用プレート保持体3は、たとえば、矩形な平板状に形成された第1の成型用プレート(下側成型用プレート;第1の部材)P1を、この第1の成型用プレートP1の厚さ方向の一方の面(下面)を接触させて、真空吸着やボルト等の保持手段(図示せず)を用いて保持自在なように構成されている。
【0019】
上側成型用プレート保持体5も、下側成型用プレート保持体3と同様にして、第1の成型用プレートP1と同様な形状に形成されている第2の成型用プレート(上側成型用プレート;第2の部材)P2を保持自在なように構成されている。すなわち、上側成型用プレート保持体5は、第2の成型用プレートP2を、この第2の成型用プレートP2の厚さ方向の一方の面(上面)を接触させて、真空吸着やボルト等の保持手段(図示せず)を用いて保持自在なように構成されている。なお、上側成型用プレートP2は、紫外線が透過可能な石英ガラス等の透明体で構成されている。
【0020】
各成型用プレート保持体3,5が、各成型用プレートP1,P2を保持した状態では、第1の成型用プレートP1の成型用の面(上面;被成型品Wを挟みこむときに被成型品Wが接触する面)P1Aに対して、第2の成型用プレートP2の成型用の面(下面;被成型品Wを挟みこむときに被成型品Wが接触する面)P2Aが、ほぼ平行な状態で対向している。
【0021】
上側成型用プレート保持体5は、下側成型用プレート保持体3に対して接近・離反する方向(Z軸方向)で移動自在になっている。すなわち、上側成型用プレート保持体5は、下側成型用プレート保持体3の上方に設けられており、可動体10に一体的に支持されている。可動体10は、図示しないリニアガイドベアリングを介してベースフレーム9に支持されている。これにより、上側成型用プレート保持体5がZ軸方向で移動自在になっている。下側成型用プレート保持体3は、詳しくは後述するジンバル機構7を介してベースフレーム9に支持されている。
【0022】
なお、すでに理解されるように、上側成型用プレートを保持体5は、上側成型用プレート保持体5に保持されている成型用プレートP2の厚さ方向(Z軸方向)で移動自在になっており、設置されている各成型用プレートP1,P2の厚さ方向(Z軸方向)から見ると、設置されている各成型用プレートP1,P2はお互いに重なっている。
【0023】
また、成型装置1には、上側成型用プレート保持体5(可動体10)をZ軸方向で駆動して移動位置決めするプレート保持体駆動位置決め手段11が設けられている。プレート保持体駆動位置決め手段11は、たとえば、サーボモータ等のアクチュエータ(図示せず)とボールネジを介して、上側成型用プレート保持体5を移動位置決めするように構成されている。
【0024】
なお、成型装置1では、上側成型用プレートを保持体5が移動位置決めされる構成になっているが、上側成型用プレートを保持体5に代えてもしくは加えて下側成型用プレート保持体3がZ軸方向で移動位置決めされる構成であってもよい。すなわち、下側成型用プレート保持体3に対して上側成型用プレートを保持体5が相対的に移動位置決めされる構成になっていてもよい。
【0025】
ジンバル機構7は、上側成型用プレート保持体5に対する下側成型用プレート保持体3の姿勢(X軸まわりの回動角度、Y軸まわりの回動角度)を調節しこの調節後保持自在になっている機構である。ジンバル機構7には、図示しないクランプ機構が設けられており、このクランプ機構が作動したときには、ベースフレーム9に対して下側成型用プレート保持体3が一体的に支持されて、上側成型用プレート保持体5に対する下側成型用プレート保持体3の姿勢が維持されるようになっている。前記クランプ機構が作動していないときには、ベースフレーム9に対して下側成型用プレート保持体3が回動するようになっている。
【0026】
さらに説明すると、下側成型用プレート保持体3が球面軸受13を介してベースフレーム9に支持されていることにより姿勢調整自在になっている。また、球面軸受13の凸面と凹面との間にたとえば空気圧を供給し、または、球面軸受13の凸面と凹面とを真空吸着することができるように構成されている。そして空気を供給したときには、下側成型用プレート保持体3が回動し、真空吸着したときには、ベースフレーム9に対して下側成型用プレート保持体3が一体的に支持されるようになっている。なお、ジンバル機構7を、下側成型用プレート保持体3ではなく、上側成型用プレート保持体5側に設けた構成であってもよい。
【0027】
また、成型装置1には、下側成型用プレート保持体3に対する上側成型用プレート保持体5の位置を測定する測定手段15と、各成型用プレートP1,P2の間に設置された被成型品Wを硬化させる被成型品硬化手段17とが設けられている。
【0028】
測定手段15は、たとえば、リニアエンコーダを用いて、ベースフレーム9に対する上側成型用プレート保持体5の位置を測定するように構成されている。被成型品硬化手段17は、たとえば、紫外線発生装置19を用いて、紫外線硬化樹脂W1で構成されている被成型品Wに紫外線を照射し、被成型品W(紫外線硬化樹脂W1)を硬化するように構成されている。なお、紫外線発生装置19が発した紫外線は、可動体10や上側成型用プレート保持体5に設けられている貫通孔(図示せず)と、透明体で構成されている上側成型用プレートP2とを通って、被成型品Wに照射されるようになっている。
【0029】
また、成型装置1には、各成型用プレート保持体3,5に保持されている各成型用プレートP1,P2で、被成型品Wを成型すべく被成型品Wを挟み込んだときに、被成型品Wおよびこの周辺部を真空状態もしくは減圧状態にするための真空成型室形成手段21が設けられている。真空成型室形成手段21は、カバー部材23と真空ポンプ25とを備えて構成されており、各成型用プレートP1,P2で被成型品Wを挟み込んだときに、カバー部材23と可動体10とベースフレーム9とで、各成型用プレート保持体3,5、各成型用プレートP1,P2、被成型品Wが内部に入る閉空間SP1が形成されるようになっている(図3参照)。そして閉空間SP1内の空気を真空ポンプ25で吸引し大気圧よりも低い圧力に減圧するように構成されている。
【0030】
また、成型装置1には、被成型品硬化手段17で硬化したときの被成型品Wの厚さを入力する被成型品厚さ入力手段28と、成型装置1の動作を制御する制御装置(制御手段)29とが設けられている。
【0031】
成型品厚さ入力手段28は、たとえば、タッチパネルやキーボードで構成されている入力手段27で構成されている。制御装置29は、メモリ31に予め格納されている動作プログラムに基づいて、プレート保持体駆動位置決め手段11、測定手段15、真空成型室形成手段21、被成型品硬化手段17等を制御するようになっている。
【0032】
すなわち、成型装置1は、制御装置29の制御の下、被成型品厚さ入力手段28で被成型品Wの厚さを入力する。続いて、ジンバル機構7によって、所定の状態から、下側成型用プレート保持体3(下側成型用プレートP1)の姿勢を調整し、上側成型用プレート保持体5(上側成型用プレートP2)の原点出しをするようになっている。
【0033】
なお、上記所定の状態とは、ジンバル機構7のクランプ機構が作動していないことによって、上側成型用プレート保持体5に対する下側成型用プレート保持体3の姿勢が変化可能な状態であり、下側成型用プレート保持体3に保持されている下側成型用プレートP1の成型用の面である第1の設置成型面P1Aと、上側成型用プレート保持体5に保持されている上側成型用プレートP2の成型用の面である第2の設置成型面P2Aとが離れている状態であり、さらに、各成型用プレートP1,P2に被成型品Wが設置されていない状態である。
【0034】
また、ここで、ジンバル機構7での、下側成型用プレート保持体3の姿勢調整と上側成型用プレート保持体5の原点出しについて詳しく説明する。まず、プレート保持体駆動位置決め手段11により、各設置成型面P1A,P2Aがお互いに面接触するまで、上側成型用プレート保持体5を下側成型用プレート保持体3に近づけ、ジンバル機構7で各設置成型面P1A,P2A同士が平行になるように、下側成型用プレート保持体3を上側成型用プレート保持体5に倣わせて、下側成型用プレート保持体3の姿勢を調整し、この調整後にジンバル機構7のクランプ機構で下側成型用プレート保持体3の姿勢を保持する。また、各設置成型面P1A,P2A同士が面接触をしたときにおける上側成型用プレート保持体5の位置を測定手段15で測定してこの測定した値を原点とする。
【0035】
前記原点出しをした後に、プレート保持体駆動位置決め手段11により、上側成型用プレート保持体5を下側成型用プレート保持体3から離れる方向(上方)に移動して、設置成型面P1Aと設置成型面P2Aとの間の距離を第1の所定の距離D1にするようになっている(図2参照)。
【0036】
続いて、硬化前の被成型品W(紫外線硬化樹脂W1)が各成型用プレートP1,P2の間(設置成型面P1Aの上)に設置された後に、真空成型室形成手段21で真空成型室SP1を形成すると共に、前記原点を基準として用い、プレート保持体駆動位置決め手段11により、第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aとの間の距離が、第1の距離D1よりも小さい第2の距離であって、被成型品厚さ入力手段28で入力された被成型品Wの厚さに応じた第2の距離D2(たとえば、入力された被成型品Wの厚さと同じ距離)になるように、上側成型用プレート保持体5を移動位置決めするようになっている(図3参照)。
【0037】
この移動位置決め後に、被成型品硬化手段17で(紫外線を照射して)被成型品W(紫外線硬化樹脂W1)を硬化させ、この硬化後に、真空成型室形成手段21によって形成されていた真空成型室SP1を解除すると共に、プレート保持体駆動位置決め手段11により、上側成型用プレート保持体5を下側成型用プレート保持体3から離すようになっている(図4参照)。
【0038】
ここで、成型装置1の動作について説明する。
【0039】
初期状態として、各成型用プレート保持体3,5が各成型用プレートP1,P2を保持しており、各設置成型面P1A,P2Aの距離が所定の距離だけ離れているものとする(図1参照)。
【0040】
なお、上記初期状態にあっては、各成型用プレートP1,P2の面P1A,P2A同士はほぼ平行になっており、Z軸方向から眺めると、各面P1A,P2Aはお互いに重なっている。
【0041】
上記初期状態において、下側成型用プレート保持体3の姿勢の調整を行う(S1)。すなわち、各成型用プレート保持体3,5をお互いに近づけて各面P1A,P2Aをお互いに面接触させ、成型用プレートP1に対する成型用プレートP2の姿勢を相対的に調整し(たとえば、平面P2Aに対して平面P1Aが平行になるように、下側成型用プレート保持体3におけるX軸、Y軸まわりの回動角度を調整し)、この調整した状態をクランプ機構を用いて維持したまま、各成型用プレートP1,P2間の距離が所定の第1の距離D2になるまで下側成型用プレート保持体3を上側成型用プレート保持体5から離す方向(上方向)に移動する。なお、上記姿勢の調整をするときに、上述したように原点出しも行う。
【0042】
前記姿勢調整の実行後、面P1Aと面P2Aとが所定の第1の距離D1だけ離れているときに、成型前の被成型品Wを面P1Aの上に設置する(S3;図2参照)。なお、被成型品Wとして紫外線硬化樹脂W1を採用しているので、成型前の被成型品Wは、液体状の紫外線硬化樹脂W1ということになるが、半硬化状態(仮硬化状態)の紫外線硬化樹脂を成型前の被成型品Wとして設置してもよい。ここで、半硬化状態の紫外線硬化樹脂とは、ある程度架橋が進んで粘性流動体になっている紫外線硬化樹脂である。
【0043】
被成型品Wを設置した後に、被成型品Wを所定の厚さに成型すべく各平面P1A,P2Aで挟み込んで、各面P1A,P2A間の距離が、第1の距離D1よりも小さい第2の所定の距離D2になるように、成型用プレートP1に成型用プレートP2近づけて移動位置決めする(S5;図3参照)。このように第2の所定の距離D2に位置決めした場合であっても、各平面P1A,P2A(被成型品W)の周辺は外(外気)に通じている。すなわち、被成型品Wは密閉された空間内に存在することはなく、各成型用プレートP1,P2の2つの平面P1A,P2Aで挟まれているだけである。
【0044】
第2の所定の距離D2を確保した後に、この確保した状態を維持したまま(第2の所定の距離D2を維持したまま)、紫外線を照射し被成型品Wを硬化する(S7)。
【0045】
被成型品Wを硬化した後、成型用プレートP2を成型用プレートP1から遠ざけて(図4参照)、被成型品Wを各成型用プレートP1,P2から取り外し(S9)、この取り外しをした後に、被成型品Wを所定の形状にすべく、被成型品Wの外周を切断する(S11)。外周を切断することによって、被成型品Wが矩形な平板状等の形状(所望の形状;製品や半製品として使用するために必要な被成型品の形状)になる。
【0046】
さらに説明すると、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wは、図5に示すように周辺部の形状が、たる状等の形態になっている。これを、図5(b)に示すように矩形な切断線L2のところで切断することにより、矩形な薄い平板状の被成型品(厚さが、たとえば、0.1mm〜0.3mm程度の被成型品)Wを得ることができる。切断は、たとえば、レーザ、シャー、ウォータジェット等を用いてなされる。
【0047】
なお、図5(a)は、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wの形状を示す斜視図であり、図5(b)は、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wの形状を示す平面図であり、図5(c)は、各成型用プレートP1,P2から取り外した直後の被成型品Wの形状を示す側面図である。
【0048】
また、上述した成型方法では、平板状の被成型品(前述したように、たとえば、液晶パネル前面の透明カバーとして使用される被成型品)Wを成型することにしているが、他の板状等の形状やその他の形状の被成型品を成型するようにしてもよい。たとえば、眼鏡のレンズを成型する場合のように、被成型品の厚さ方向の各面が大きな曲率の非平面であってもよい。この場合、被成型品の厚さは、一定でなく徐々に変化している。
【0049】
なお、被成型品Wを成型する際に、被成型品Wに気泡が混入することを防止するために、被成型品Wのまわりには、上述したように真空成型室形成手段21で真空成型室SP1が形成されるようになっている。そして、真空成型室SP1は、上側成型用プレート保持体5が下方に移動を開始した直後から、被成型品Wの硬化を終了し、上側成型用プレート保持体5が上方に移動を開始した直後まで形成されるようになっている。
【0050】
ところで、下側成型用プレートP1の面P1A、上側成型用プレートP2の面P2Aの少なくとも一方に、凹部、凸部の少なくともいずれかが形成されていてもよい。これらの凹部や凸部は、各面P1A,P2Aで被成型品Wを挟み込んで硬化させ成型装置1から取り外した後に、たとえば、被成型品Wを所望の形状に切断するときの基準となるものであり、前記凹部や凸部が被成型品Wに転写されるようになっている。
【0051】
より詳しく説明すると、図8(成型用プレートの変形例を示す図)に示すように、下側成型用プレートP1の面P1Aの周辺に、矩形な環状の溝P1Bが設けられていてもよい。
【0052】
溝P1Bの断面(溝P1Bの延伸方向に垂直な平面による断面)は、たとえば小さな矩形状に形成されている。同様にして、上側成型用プレートP2の面P2Aの周辺にも、矩形な環状の溝P2Bが設けられている。なお、各平面P1A,P2Aに直交する方向から見ると、各溝P1B,P2Bはお互いがほぼ重なっている。そして、被成型品Wを設置して成型するとき(各平面P1A,P2Aの間の距離を第2の所定の距離D2にしたとき)に、余剰な樹脂が各溝P1B,P2Bに流れ込み、図10(a)や図10(b)に示すような断面形状に被成型品Wが形成されるようになっている。このように形成された被成型品Wは、この段差(各溝P1B,P2Bで形成された段差)を基準にして、たとえば、前記段差から離れた二点鎖線L3のところで切断されるようになっている。
【0053】
なお、図9(成型用プレートの変形例を示す図)に示すように、各平面P1A,P2Aの周辺に、矩形な環状の溝に換えて、矩形な環状の凸部P1C,P2Cを設けた構成であってもよい。この場合、各凸部P1C,P2C同士の干渉を避けるために、各凸部P1C,P2Cの高さの合計寸法は、成型される被成型品Wの厚さ寸法よりも小さくなっている。また、矩形な環状の各凸部P1C,P2Cをこの長手方向で櫛歯状に形成し、第1の部材の凸部と第2の部材の凸部とがお互いに干渉しないように各凸部を設ければ、各凸部の高さの合計寸法が、成型される被成型品の厚さ寸法よりも大きくなっていてもよい。さらに、各成型用プレートP1,P2のうちの一方に溝を設け、他方に凸部を設けた構成であってもよい。
【0054】
成型装置1によれば、従来のような型100を用いていないので被成型品Wを成型する毎に型100を分解し組み立てる工程が不要になっており、簡素な工程で被成型品Wを成型することができる。また、各成型用プレートP1,P2間の距離を変更することにより、被成型品Wの厚さを容易に変更することができる。
【0055】
また、各成型用プレートP1,P2の凹部や凸部が被成型品Wに転写されるようにすれば、この転写された凹部、凸部を、被成型品Wのたとえば周辺部を切断するときの基準にすることができ、被成型品Wの切断加工を正確にはやく行うことができる。
【0056】
なお、上記説明では、被成型品として紫外線硬化樹脂を例に掲げて説明したが、紫外線硬化樹脂に換えて、特定の周波数帯域の電磁波を浴びて硬化する材料を採用してもよい。
【0057】
また、被成型品Wとして、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を採用してもよいし、さらに樹脂以外の材料を採用してもよい。
【0058】
被成型品Wとして熱硬化性樹脂を採用した場合は、成型前の被成型品は、液体状の熱硬化性樹脂ということになるが、半硬化状態の熱硬化性樹脂を成型前の被成型品としてもよい。ここで、半硬化状態の紫外線硬化樹脂とは、ある程度架橋が進んで粘性流動体になっている熱硬化性樹脂である。さらに、熱硬化性樹脂を採用した場合は、被成型品硬化手段17として、ヒータを、たとえば、各成型用プレート保持体3,5に設ければよい。
【0059】
また、被成型品Wとして熱可塑性樹脂を採用した場合は、成型前の被成型品は、板状やペレット状の形成されている熱可塑性樹脂ということになる。このように設置された熱可塑性樹脂は、たとえば、各成型用プレート保持体3,5に設けられているヒータで一旦加熱され粘性流動体になった状態で成型されるものとする。
【0060】
さらに、成型前の被成型品として、予め加熱されて粘性流動体になっている熱可塑性樹脂を採用してもよい。さらに、成型前の被成型品として、溶剤に溶けている熱可塑性樹脂を採用してもよい。さらに、成型前の被成型品として、半硬化状態の熱可塑性樹脂を採用してもよい。ここで、半硬化状態の熱可塑性樹脂とは、蒸発等で溶剤がある程度なくなり架橋が進んで粘性流動体になっている熱可塑性樹脂である。
【0061】
熱可塑性樹脂を採用した場合は、被成型品硬化手段17として、熱可塑性樹脂を冷却して硬化させるための冷却装置や、溶剤をとばすためのヒータを、たとえば、各成型用プレート保持体3,5に設ければよい。
【0062】
さらに、図7(成型用プレートに微細な転写パターンを設けた場合を示す図)に示すように、各成型用プレートP1,P2の各面P1A,P2Aの少なくとも一方に、ミクロンサイズもしくはサブミクロンサイズの微細な凹凸で形成される転写パターンP2Dを形成しておいて、被成型品Wを成型するときに微細な転写パターンが被成型品Wに転写されるようにしてもよい。このようにして微細なパターンが転写された被成型品Wは、たとえば、液晶表示装置のバックライトの導光板として使用される。
【0063】
また、成型装置1への被成型品Wの供給や成型装置1からの被成型品Wの取り出しは、人が行うことにしているが、ロボット等で構成される被成型品設置手段を設け、制御装置29の制御の下、成型前の被成型品Wの設置や成型後の被成型品Wの取り外しを自動化して行なってもよい。
【0064】
下側成型用プレートP1(下側成型用プレート保持体3)、上側成型用プレートP2(上側成型用プレート保持体5)の少なくとも一方に、硬化した被成型品Wを各成型用プレートP1,P2から引き離すためのエジェクタピンが設けられていてもよい。
【0065】
エジェクタピンは、たとえば、硬化した被成型品Wの部位のうちで最終的に製品として使用されない部位(たとえば、溝部P1B,P2Bや凸部P1C,P2C)を押して、被成型品Wを各成型用プレートP1,P2から引き離すようになっている。
【0066】
さらに、各成型用プレートP1,P2の両方にエジェクタピンが設けられている場合にあっては、両方のエジェクタピンが同時に稼動するのではなく、時間的にずらして、稼動するようになっているものとする。
【0067】
具体的には、被成型品Wを硬化させた後、上側成型用プレート保持体5の上方への移動を開始するときに、上側成型用プレートP2に設けられているエジェクタピンのみを稼動させる。これにより、硬化した被成型品Wが上側成型用プレートP2から離れ下側成型用プレートP1の面P1Aに接触している。この後、下側成型用プレートP1に設けられているエジェクタピンを稼動させると、硬化した被成型品Wが、下側成型用プレートP1から離れる。これにより、硬化した被成型品Wの各成型用プレートP1,P2からの取り外しを容易に行うことができる。
【0068】
さらに、被成型品Wが硬化する際の収縮率(変形率)をタッチパネルやキーボード等の入力手段27を介して制御装置29に入力し、被成型品Wを硬化させるときに、この入力した値に基づいて、第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aの間の距離を変えるように、プレート保持体駆動位置決め手段11を制御してもよい。
【0069】
たとえば、ある樹脂が半硬化状態から完全に硬化するときに、その長さが98%(収縮率98%)になるものとし、硬化した被成型品として0.3mmの厚さのものを成型するものとする。このような場合には、半硬化樹脂を設置した後に、第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aとの間の距離を0.306mm(0.3mm÷0.98)に設定する。続いて、半硬化樹脂を完全に硬化させるべく紫外線の照射を開始した時に、上側成型用プレート保持体5の移動(下降)を一定のごく遅い速度で開始し、紫外線照射が終了した時、もしくは、紫外線の照射が終了する少し前に、上側成型用プレート保持体5の移動を停止する。そして、この停止したときにおける第1の設置成型面P1Aと第2の設置成型面P2Aとの間の距離が、0.3mmになっているようにしてもよい。
【0070】
なお、収縮率が100%を超える場合には、被成型品Wを硬化させるときに、第2の成型用プレート保持体5を第1の成型用プレート保持体3から離れる方向に移動させるものとする。
【0071】
さらに、制御装置29に設けられているメモリ31に、被成型品Wの種類と収縮率とを対応させて予め記憶しておき、入力手段27で収縮率を入力する代わりに、被成型品Wの種類を入力し、この入力した被成型品Wの種類に対応した収縮率をメモリ31より呼び出して、被成型品Wを硬化させるときに、上述した制御と同様な制御をするようにしてもよい。
【0072】
また、さらに、たとえば上側成型用プレート保持体5に、各成型用プレート保持体3,5で被成型品Wを成型すべく被成型品Wを押圧するきの圧力を検出可能な押圧力検出手段(たとえばロードセル)を設け、被成型品Wの平面精度(図5(c)における被成型品Wの上面と下面の平面精度)として高い精度が要求される場合には、成型用プレートP2の押し付け力を、制御装置29の制御の下一定にして被成型品Wの成型を行うようにしてもよい。
【0073】
また、上記場合(被成型品Wの平面精度として高い精度が要求される場合)において、被成型品Wの厚さ精度として高精度なものがさらに要求される場合には、適宜の所定の押し付け力で被成型品Wを試しに成型し、この試しに成型した被成型品Wの厚さを別途測定し(成型装置1に設けた測定装置で自動的に測定してもよい)、この測定した値に基づいて、樹脂W1の量を調整したり、押し付け力を調整したりして、被成型品Wの成型を行うようにしてもよい。
【0074】
すなわち、試しに成型した被成型品Wが目標値よりも厚い場合には、押し付け力を大きくするか、樹脂W1の量を少なくするかの少なくともいずれかのことを行って次の被成型品Wの成型をし、一方、試しに成型した被成型品Wが目標値よりも薄い場合には、押し付け力を小さくするか、樹脂W1の量を多くするかの少なくともいずれかのことを行って次の被成型品Wの成型をすればよい。
【0075】
また、成型装置1では、各成型用プレート保持体3,5で各成型用プレートP1,P2を保持することにしているが、下側成型用プレート保持体3と下側成型用プレートP1とを一体化し、上側成型用プレート保持体5と上側成型用プレートP2とを一体化した構成であってもよい。
【0076】
なお、成型装置1は、次に掲げる成型方法を実行するために使用される装置の例である。
【0077】
すなわち、成型装置1は、第1の面を備えた第1の部材と、前記第1の面に対向する第2の面を備え前記第1の部材に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材とを用いる被成型品の成型方法において、前記第1の面と前記第2の面とが所定の第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品を前記第1の面に設置する被成型品設置工程と、前記被成型品設置工程で被成型品を設置した後に、前記第1の面と前記第2の面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の所定の距離になるように、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対的に移動位置決めする部材移動位置決め工程と、前記部材移動位置決め工程で移動位置決めした後に、前記被成型品を硬化する被成型品硬化工程とを有する被成型品の成型方法を実行するために使用される装置の例である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係る被成型品Wの成型装置の概略構成を示す図である。
【図2】成型装置の動作を示す図である。
【図3】成型装置の動作を示す図である。
【図4】成型装置の動作を示す図である。
【図5】被成型品の形態を示す図である。
【図6】成型装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】成型用プレートに微細な転写パターンを設けた場合を示す図である。
【図8】成型用プレートの変形例を示す図である。
【図9】成型用プレートの変形例を示す図である。
【図10】被成型品の断面形状を示す図である。
【図11】従来より行なわれている被成型品Wの成型方法の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 成型装置
3 下側成型用プレート保持体
5 上側成型用プレート保持体
11 プレート保持体駆動位置決め手段
15 測定手段
17 被成型品硬化手段
27 入力手段
29 制御装置
P1 下側成型用プレート
P1A 設置成型面
P2 上側成型用プレート
P2A 設置成型面
P1B,P2B 溝
P1C,P2C 凸部
W 被成型品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を備えた第1の部材と、前記第1の面に対向する第2の面を備え前記第1の部材に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材とを用いる被成型品の成型方法において、
前記第1の面と前記第2の面とが第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品を前記第1の面に設置する被成型品設置工程と;
前記被成型品設置工程で被成型品を設置した後に、前記第1の面と前記第2の面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離になるように、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対的に移動位置決めする部材移動位置決め工程と;
前記部材移動位置決め工程で移動位置決めした後に、前記被成型品を硬化する被成型品硬化工程と;
を有することを特徴とする被成型品の成型方法。
【請求項2】
請求項1に記載の被成型品の成型方法において、
前記第1の面、前記第2の面の少なくとも一方の面に、凹部、凸部の少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする被成型品の成型方法。
【請求項3】
第1の成型用プレートを保持自在な第1の成型用プレート保持体と;
前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面に対して、第2の成型用プレートの成型用の面が対向するように前記第2の成型用プレートを保持自在であり、前記第1の成型用プレート保持体に対して接近・離反する方向で移動自在な第2の成型用プレートを保持体と;
前記第2の成型用プレート保持体を駆動して移動位置決めするプレート保持体駆動位置決め手段と;
前記第1の成型用プレート保持体に対する前記第2の成型用プレート保持体の位置を測定する測定手段と;
前記各成型用プレートの間に設置された被成型品を硬化させる被成型品硬化手段と;
前記被成型品硬化手段で硬化したときの被成型品の厚さを入力する被成型品厚さ入力手段と;
前記被成型品厚さ入力手段で被成型品の厚さを入力し、前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面である第1の設置成型面と、前記第2の成型用プレート保持体に保持されている第2の成型用プレートの成型用の面である第2の設置成型面とが離れている状態から、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、各設置成型面がお互いに面接触するまで、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体に近づけ、前記各設置成型面同士が面接触をしたときにおける前記第2の成型用プレート保持体の位置を前記測定手段で測定してこの測定した値を原点とし、この測定後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離れる方向に移動して前記第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離を第1の距離にし、硬化前の被成型品が各成型用プレートの間に設置された後に、前記原点を基準として用い、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離であって前記被成型品厚さ入力手段で入力された被成型品の厚さに応じた第2の距離になるように前記第2の成型用プレート保持体を移動位置決めし、この移動位置決め後に、前記被成型品硬化手段で被成型品を硬化させ、この硬化後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離すように制御する制御手段と;
を有することを特徴とする被成型品の成型装置。
【請求項1】
第1の面を備えた第1の部材と、前記第1の面に対向する第2の面を備え前記第1の部材に対して接近・離反する方向で相対的に移動位置決め自在な第2の部材とを用いる被成型品の成型方法において、
前記第1の面と前記第2の面とが第1の距離だけ離れているときに、成型前の被成型品を前記第1の面に設置する被成型品設置工程と;
前記被成型品設置工程で被成型品を設置した後に、前記第1の面と前記第2の面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離になるように、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対的に移動位置決めする部材移動位置決め工程と;
前記部材移動位置決め工程で移動位置決めした後に、前記被成型品を硬化する被成型品硬化工程と;
を有することを特徴とする被成型品の成型方法。
【請求項2】
請求項1に記載の被成型品の成型方法において、
前記第1の面、前記第2の面の少なくとも一方の面に、凹部、凸部の少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする被成型品の成型方法。
【請求項3】
第1の成型用プレートを保持自在な第1の成型用プレート保持体と;
前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面に対して、第2の成型用プレートの成型用の面が対向するように前記第2の成型用プレートを保持自在であり、前記第1の成型用プレート保持体に対して接近・離反する方向で移動自在な第2の成型用プレートを保持体と;
前記第2の成型用プレート保持体を駆動して移動位置決めするプレート保持体駆動位置決め手段と;
前記第1の成型用プレート保持体に対する前記第2の成型用プレート保持体の位置を測定する測定手段と;
前記各成型用プレートの間に設置された被成型品を硬化させる被成型品硬化手段と;
前記被成型品硬化手段で硬化したときの被成型品の厚さを入力する被成型品厚さ入力手段と;
前記被成型品厚さ入力手段で被成型品の厚さを入力し、前記第1の成型用プレート保持体に保持されている第1の成型用プレートの成型用の面である第1の設置成型面と、前記第2の成型用プレート保持体に保持されている第2の成型用プレートの成型用の面である第2の設置成型面とが離れている状態から、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、各設置成型面がお互いに面接触するまで、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体に近づけ、前記各設置成型面同士が面接触をしたときにおける前記第2の成型用プレート保持体の位置を前記測定手段で測定してこの測定した値を原点とし、この測定後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離れる方向に移動して前記第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離を第1の距離にし、硬化前の被成型品が各成型用プレートの間に設置された後に、前記原点を基準として用い、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、第1の設置成型面と前記第2の設置成型面との間の距離が、前記第1の距離よりも小さい第2の距離であって前記被成型品厚さ入力手段で入力された被成型品の厚さに応じた第2の距離になるように前記第2の成型用プレート保持体を移動位置決めし、この移動位置決め後に、前記被成型品硬化手段で被成型品を硬化させ、この硬化後に、前記プレート保持体駆動位置決め手段により、前記第2の成型用プレート保持体を前記第1の成型用プレート保持体から離すように制御する制御手段と;
を有することを特徴とする被成型品の成型装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−754(P2010−754A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163374(P2008−163374)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】
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