説明

装置およびそれを用いる方法

二酸化塩素の生成に使用できる装置を提供する。装置は、3つ以上の流体移送デバイス、各流体移送デバイスの入口への導管(21、22、23)、各流体移送デバイスの出口への導管(31、32、33)、デバイスへの水入口(11)、デバイスからの水出口(12)を備える単一の流体定量デバイス(20)を備え、流体移送デバイスは、デバイスを通る水流により比例して作動する。また、二酸化塩素の生成に使用できる方法も提供する。本方法は、流体定量デバイスに水を通流させて下流水を作り出し、且つ流体移送デバイスを作動させる工程;3種類以上の前駆体化学物質をそれぞれ別々の供給源から引き込み、各化学物質を別々に流体移送デバイスの1つに通流させる工程;および、前駆体化学物質を下流水に注入する工程を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、二酸化塩素などの酸化ハロゲン化合物の生成に使用できる装置、方法、および、動物用飲料水を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化ハロゲン化合物は、重要な産業用化学物質である。例えば、二酸化塩素は、漂白剤、消毒剤、酸化剤、薫蒸剤、殺菌剤又は滅菌剤として使用するのに商業的に重要な化学物質であり、従来、このような用途に使用される塩素又は次亜塩素酸塩製品の代わりに使用できるが、それは、有機化合物を含有する原水を処理するのに使用されるとき、二酸化塩素は塩素よりも生成させる塩素化有機化合物の濃度が低いからである。二酸化塩素は、塩素よりも金属に対する腐食性が小さい。二酸化塩素の生成は、当該技術分野で周知である。例えば、米国特許公報(特許文献1)は、それを生成するための方法を多数開示している。しかし、開示されているほとんどの方法には幾つかの欠点がある。また、それに関連して起こり得る安全上の問題のため、二酸化塩素溶液の発生および使用は複雑な可能性があり、且つ、高度な設備を必要とし、それによって不要な製造費用が生じる。このような酸化ハロゲン化合物を安全且つ効率的に生成させる新規な装置および方法の開発は、当該技術分野への大きな貢献となり得る。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,274,009号明細書
【特許文献2】米国特許第4,572,229号明細書
【特許文献3】米国特許第5,433,240号明細書
【特許文献4】米国特許第3,131,707号明細書
【特許文献5】米国特許第3,114,379号明細書
【特許文献6】米国特許第3,213,873号明細書
【特許文献7】米国特許第3,213,796号明細書
【特許文献8】米国特許第3,291,066号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原水を消毒するために塩素化が実施されたが、表面水を塩素化するとき、発癌性があると報告されている、クロロホルムのようなトリハロメタンが生成することが分かった。多くの市水道では、米国環境保護局が定める最大トリハロメタン濃度100ppbを超え、代替の消毒システムに転換することが必要であった。消毒した水は、例えば、鶏、畜牛、羊、鴨、雁、および他の動物などの動物用の飲料水に使用できる。動物用飲料水を安全且つ効率的に製造する新規な方法の開発は、当該技術分野への大きな貢献である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
3つ以上の流体移送デバイス、各流体移送デバイスの入口への導管、各シリンダの出口への導管、デバイスへの水入口、および、デバイスからの水出口を備える流体定量デバイス(fluid proportioning device)を備える、酸化ハロゲン化合物の生成に使用できる装置を提供する。
【0006】
化学物質の生成に使用できる方法を提供する。本方法は、水流を装置に導入し、それに通して下流水を製造する工程;水流に対する速度で前駆体化学物質を比例的に供給する起動力として水流を使用することにより、3種類以上の前駆体化学物質を互いに比例する速度で装置に供給し、それに通す工程;および、前駆体化学物質を下流水と合わせ、それによって前駆体化学物質の2種類以上の間で化学反応が起こる工程を含む。装置は前記に開示されるものと同じものとすることができる。
【0007】
動物用飲料水の製造に使用できる方法を提供する。本方法は、(a)3つ以上の流体移送デバイスを備える流体定量デバイスに水を通流させて、下流水を作り出し、且つ前記流体移送デバイスを作動させる工程;(b)亜塩素酸金属塩、次亜塩素酸金属塩、および酸をそれぞれ別々の供給源から引き込み、それぞれを別々に流体移送デバイスの1つに通流させる工程;および、(c)亜塩素酸金属塩、次亜塩素酸金属塩、および酸を下流水と合わせて、動物の飲用に好適な水を製造する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
3つ以上の前駆体化学物質又は化合物を反応媒体(例えば、水など)に運び、これらの前駆体化学物質の2つ以上の反応により生成物を生成できる装置を開示する。装置は、水入口;水出口;水駆動式の主駆動アセンブリ;並びに、第1、第2、第3、および任意選択的に追加の流体移送デバイスを備える流体定量デバイスを備えることができる。水入口は、水供源に接続可能であり、流体移送デバイスは移送デバイス入口および移送デバイス出口を備えることができ、それぞれ導管に接続可能である。水源は、水駆動式の主駆動アセンブリに入り、それを通る水流を作り出し、それによって前記水出口を通る下流水を作り出すことができる。流体移送デバイスはそれぞれ、水流により比例して作動し、それによって第1、第2、第3、および任意選択的に追加の流体移送デバイスを通して抜き取り、前駆体化学物質はそれを通してそれぞれ水流の流量とは独立に、比例する量で引き込まれ、例えば、前駆体化学物質は前記下流水に放出される。
【0009】
流体定量デバイスは、入口導管で水源に接続可能な入口端部を備えることができる。定量デバイスは、また、出口導管に接続可能な出口端部も備える。水は入口に流れ、定量デバイスを通り、出口から流出し、それによって下流水を作り出す。出口端部は、出口導管で下流水に接続可能である。
【0010】
水駆動式の主駆動アセンブリは、各流体−流体移送デバイスのそれぞれに直接連結され、そのようにして、駆動水流に対して一定量の化学物質を供給する。
【0011】
第1、第2、第3、および任意の追加の化学物質入口ポートであって、前駆体化学物質はそれらを通り、個々の導管によって、それぞれ流体移送デバイスに引き込まれ、それを通ることができる。流体移送デバイスを通して、定量デバイスは、第1、第2、第3、および任意選択的に追加の化学物質出口ポートを備え、前駆体化学物質はそれらを通り、これらの個々の導管によっておよび個々の導管を通って下流水に引き込まれる。個々の導管は1つ又は複数の位置で、好ましくは2つ以上の位置又は点で下流水に入ることができる。
【0012】
また、各流体移送デバイスは、計量ピストンも備える。
【0013】
また、定量デバイスは、各計量ピストンをそれぞれの流体移送デバイス内で往復運動させるため、ピストンアクチュエータを備えることができる。アクチュエータは、作動流体入口および作動流体出口を有することができる。作動流体入口を入口端部の下流にある導管に接続することができる。作動流体出口を中の前駆体化学物質入口ポートの上流にある導管に接続することができる。アクチュエータは、一般に、導管を通る水流に応答して、関連する流体移送デバイス内で各計量ピストンを往復運動させ、それによってそれぞれ一定量の前駆体化学物質がその供給源から引き込まれ、前記一定量の前駆体化学物質(これはアクチュエータで一定にすることができる又は調節できる)が化学物質入口ポートを通して導管に注入又は導入される。
【0014】
図1を参照すると、装置の流れ図が示されている。装置は、3つの流体移送デバイスを有する状態で本明細書に図示されているが、4つ以上を様々な用途に使用することができる。水は入口11を通り、水流の量を制御する弁13(好ましい弁は、圧力調整弁である)、圧力計14、中を通る水流の量を測定する流量計15、および定量デバイス20を通って流れ、水流はそれを通って出口12に流れる。例えば、次亜塩素酸金属塩、亜塩素酸金属塩、および無機酸などの前駆体化学物質は、下記に開示されるように、ライン又は導管21、22、および23に独立に供給され、それらを通って定量デバイス20の流体移送デバイスに達することができる。導管21、22、および23によって運ばれる化学物質は、独立に、デバイス20の流体移送デバイスから流出し、導管又は導管31、32および33を通る。導管31、32および33は独立に導管36に入る。これらの導管は、例えば、プラスチックおよび耐腐食性金属などの任意の好適な材料から製造することができる。例えば、逆止弁41、42、および43などの制御弁を通して、導管21、22および23によって運ばれる、下記に更に完全に開示される別の化学物質(例えば、酸化ハロゲン化合物など)を生成するのに有用な前駆体化学物質は、導管36に再流入し、導管36内で下流水によって希釈されることができる。2つ以上の前駆体化学物質が合流する所で反応が起こり、酸化ハロゲン化合物が生成し、水溶液を形成することができる。或いは、下流水導管36に注入又は導入する前に、チャンバ又は導管内で3つ以上の前駆体化学物質を予め反応させることができる。例えば、ソレノイド、調節流量制御弁、又は圧力調整弁などの他の手段を弁13の代わりに使用し、水量を制御することができる。
【0015】
定量デバイス20は、前記に開示される任意の好適なデバイスとすることができ、ポンプとすることができる。好ましいポンプは、米国特許公報(特許文献2)又は米国特許公報(特許文献3)に開示されているものなどの定量ポンプであるが、該特許に開示されている3つ以上の追従シリンダを本明細書では流体移送デバイスとして使用することを例外とする。各流体移送デバイスは、米国特許公報(特許文献2)又は米国特許公報(特許文献3)に開示されているものと同じとすることができるが、本明細書で使用する定量デバイスに、接続ロッドを有する追加のシリンダを具備することを例外とする。これらの特許の全開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。使用できる他のデバイスには、米国特許公報(特許文献4)、米国特許公報(特許文献5)、米国特許公報(特許文献6)、米国特許公報(特許文献7)、および、米国特許公報(特許文献8)に開示されているものが挙げられる。
【0016】
装置を通流する駆動水は、デバイスの水圧限界内で変動可能とすることができ、その際、各流体移送デバイスを通して移送される化学物質を自動的に定量することができ、それによって、反応する個々の前駆体化学物質を一貫した濃度で送達し、駆動水の流量範囲で、酸化ハロゲン化合物などの所望の化学物質を一貫した濃度で生成することができる。即ち、前駆体化学物質の濃度比を一定に維持することができる。
【0017】
図2は、流入水(駆動水)が局部圧力計54および流量表示器55を通過して流れる装置の一実施形態を表す。水は、圧力下で定量ポンプ60に流入する。本明細書に図示される定量デバイスは、参照番号60で示されるものなどの定量ポンプであり、アイダホ州ボイシ、クラウン・テクノロジー社(Crown Technology Corporation,Boise,Idaho)から市販されている。用語「定量」ポンプは、自動式自蔵動力式デバイスで流体を比例混合するポンプを指す。ポンプ(流体移送デバイス又はポンプシリンダ)内の3つの個々のピストンを作動させるのに使用される、米国特許公報(特許文献2)および米国特許公報(特許文献3)に開示されるような、内部主ピストンアセンブリを駆動させるのに水が使用されるとき、水は「駆動」水と考えることができる。流体移送デバイス又はシリンダピストンが前後に作動し、個々の前駆体化合物は、導管61、62および63から引き込まれた後、ピストンサイクルが完了する毎にポンプシリンダチャンバから送出される。各ポンプシリンダチャンバの容積は一定にすることができるが、外部化学物質供給調節ダイヤル(参照番号64、65、および66)を使用して調節可能である。水流は、ポンプ駆動アセンブリを通って変化し、ピストンの作動頻度は水流に比例した状態を維持する。これは比例した状態を維持し、各前駆体化学物質は様々な流量に比例して供給され、そのようにして、水出口で一定の化学物質濃度が提供される。操作モードにおける安全効果は、ポンプへの水流が停止した場合、前駆体化学物質の注入又は導入も停止することである。
【0018】
駆動水はポンプから流出する時、インライン逆止弁(参照番号81、82および83)を通過する。この逆止弁に続いて、3つの個々の化学物質注入点がある。任意選択的に、これら3つの前駆体化学物質を1つの注入点で同時に注入又は導入することができる。各ポンプサイクルが完了すると、流体移送デバイスから流出する一定量の化学物質をこれらの点のそれぞれに(ピストンサイクルの移動部分によって提供される圧力下で)、又は同じ点で注入又は導入することができる。これらの前駆体化学物質を注入又は導入した後、定量デバイス又は定量ポンプを通過した駆動水で直ぐに希釈することができる。2つ以上の前駆体化学物質は注入又は導入された後、それらはストリーム内で合流して反応し、例えば下記に開示する二酸化塩素(ClO)の希釈溶液などの所望の生成物を形成する。
【0019】
或いは、水の一部をバイパス導管35又は75に迂回させることができる。弁34および74を使用して導管36又は76を通る水量を制御することができ、これは、定量デバイス20又は60から流出し、導管31、32および33(図2では、71、72および73)を介して41、42および43(図2では、81、82および83)で水流に流入する前駆体化合物を希釈するのに使用される。導管35又は75を通って迂回した水は、下流で導管36又は76に再流入する。更に濃度の高い前駆体化学物質を反応させる方法がある。例えば、前駆体化学物質を駆動水流(ポンプの下流)に単に注入又は導入するのではなく、駆動水で更に希釈する直前に前駆体化学物質を小さいチャンバ内で予め反応させることができる。
【0020】
本発明では、酸化ハロゲン化合物の生成に使用できる方法も開示する。本明細書で使用する時、酸化ハロゲン化合物は、分子中に少なくとも1つのハロゲンと1つの酸素を含有する化学化合物を指す。好適な酸化ハロゲン化合物の例には、以下に限定されないが、二酸化塩素、二酸化臭素、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、亜塩素酸、酸性化亜塩素酸ナトリウム、およびこれらの2つ以上の組合せが挙げられる。
【0021】
本方法は、水流を前記に開示される装置に導入し、それに通して下流水を製造する工程;3つ以上の前駆体化学物質を互いに比例する速度で装置に供給し、それに通す工程;および、前駆体化学物質を下流水と合わせる工程であって、前駆体化学物質を水流に対する速度で装置に供給し、それに通す起動力として水流が使用され、それによって前駆体化学物質の2つ以上の間で化学反応が起こる工程を含むことができる。
【0022】
本方法は、また、(a)前記に開示されるようなものとすることができる流体定量デバイスに水を通流させて、下流水を作り出し、且つ流体移送デバイスを作動させる工程;(b)3つ以上の前駆体化合物をそれぞれ別々の供給源から引き込み、各前駆体化合物を別々に流体移送デバイスの1つに通流させる工程;および、(c)前駆体化合物を下流水に注入又は導入し、それによって前駆体化学物質の2つ以上の間に化学反応が起こる工程も含むことができる。
【0023】
当業者に既知の任意の前駆体化学物質を使用することができる。例えば、二酸化塩素を生成する好適な前駆体化合物が当該技術分野で周知である。説明する例には、酸と接触して二酸化塩素を生成できる亜塩素酸金属塩が挙げられる。また、例えば、(1)亜塩素酸金属塩および(2)次亜塩素酸金属塩を(3)酸と接触させることにより、二酸化塩素を生成することができる。亜塩素酸金属塩は、亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸アルカリ金属塩、又はこれらの組合せとすることができる。亜塩素酸金属塩の例には、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、又はこれらの組合せが挙げられる。同様に、次亜塩素酸金属塩は、次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸アルカリ金属塩、又はこれらの組合せとすることができる。次亜塩素酸金属塩の例には、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、又はこれらの組合せが挙げられる。任意の酸を使用することができる。このような酸の例には、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、又はこれらの組合せとすることができる。亜塩素酸金属塩、対、酸のモル比は、約0.001:1〜約100:1、又は約0.001:1〜約10:1の範囲とすることができ、また、次亜塩素酸金属塩、対、酸のモル比も、約0.001:1〜約100:1、又は約0.001:1〜約10:1の範囲とすることができる。
【0024】
また、好適な前駆体化合物には、塩素酸金属塩、酸化剤、および酸を挙げることもできる。例えば、(1)塩素酸金属塩および(2)酸化剤を(3)酸と接触させることにより、二酸化塩素を生成することができる。塩素酸金属塩は、塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸アルカリ金属塩、又はこれらの組合せとすることができる。塩素酸金属塩の例には、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、又はこれらの組合せが挙げられる。無機酸化剤、有機酸化剤、又はこれらの組合せなどの任意の酸化剤を使用することができる。酸化剤の例には、過酸化水素、過酢酸、窒素酸化物、過酸化ナトリウム、過酸化ベンゾイル、m−クロロ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安息香酸、又はこれらの組合せが挙げられる。前記で開示された任意の酸を使用することができる。塩素酸金属塩、対、酸のモル比は、約0.001:1〜約10:1の範囲とすることができ、また、酸化剤、対、酸のモル比も、約0.001:1〜約10:1の範囲とすることができる。
【0025】
酸化ハロゲン化合物を生成するための他の前駆体化合物には、以下に限定されないが、臭化ナトリウムおよび次亜塩素酸ナトリウム、塩素、有機酸、および無機酸が挙げられる。
【0026】
例えば、メカニカルミキサ又はスタチックミキサで混合することにより、前駆体化合物を合わせることができる。生成は、任意の好適な条件で実施することができる。前記に開示される装置を使用することが好ましい。
【0027】
水中の二酸化塩素などの化学生成物を貯蔵タンクに、又は最終用途(例えば、市浄水場、又は下水処理場の廃棄物処理)に移送することができる。必要に応じて、比色計を使用し二酸化塩素濃度を監視することができる。また、pHメータで溶液を監視することもでき、従って、pHを当業者に既知の任意の手段で約2.0〜10に調節することができる。代替の監視手段には、ORP(酸化還元電位)、残留物モニタ、および分光光度分析計が挙げられる。
【0028】
本方法は、好ましくは、少なくとも約40:1、好ましくは少なくとも約20:1、および更に好ましくは少なくとも10:1のターンダウン比で実施される。用語「ターンダウン」は、装置で達成可能な、酸化ハロゲン化合物(二酸化塩素など)の最大生成速度と最小生成速度の比として定義される。
【0029】
ClO含有水の製造方法も開示する。本方法は、水を流して下流水を製造する工程;および、下流水に3種類以上の前駆体化学物質を水流に対する速度で、および互いに比例する速度で供給し、それによってClO含有水を製造する工程を含み、流水が、前駆体化学物質を下流水に比例的に供給する起動力を提供する。
【0030】
次いで、ClOの希釈溶液を適用する点に導くことができる。例示的な用途には、以下に限定されないが、食品接触衛生、乳業用甘水システム(dairy sweet water systems)、乳業用処理水消毒(冷却水、加熱水、飲用)、乳業用殺菌機、乳業用CIP(所定位置における洗浄)システム、乳業用硬質表面、衛生/消毒、乳業用発酵槽加工助剤、家禽処理場の処理水消毒(浸漬式チラーおよび急速空冷チラー、熱湯消毒器)、家禽処理場CIP衛生/消毒、家禽処理場の硬質表面衛生/消毒、食肉処理場の処理水消毒(冷却水、加熱水、浸漬式チラー、急速空冷チラー、塩水シャワーチラー)、食肉加工屠体水洗い、食肉処理場CIP衛生/消毒、食肉処理場の硬質表面衛生/消毒、果物および野菜加工処理場の処理水消毒(冷却水、加熱水、冷水冷却処理、野菜水洗い、樋水)、果物および野菜プロセッサCIPシステム、果物および野菜加工処理場の硬質表面衛生/消毒、果物および野菜貯蔵処理(貯蔵前処理、増湿システム処理)、きのこ処理衛生/消毒、醸造所/飲料工場の処理水消毒(冷却水、加熱水、飲料水)、醸造所/飲料工場CIPシステム、醸造所/飲料工場の硬質表面衛生/消毒、ペット関連の(pet−bone)処置/消毒、動物用飲料水消毒、豚、家禽、畜牛、犬小屋、飼育・栽培容器(grow out bin)の噴霧およびスプレー、養殖処理、バイオフィルム除去、廃水処理、エマルション、化学分解(以下に限定されないが、フェノール類、酸化窒素(no)、酸化イオウ(SO)、およびシアン化物など)、油井処理、水貯蔵システム、接着剤、製紙および紙再生(白水消毒、スライム制御、パルプ漂白および蛍光除去)、冷却塔、処理水消毒(引き込み原水、冷却水、加熱水、比較的低BODの雑排水(grey water))、空気洗浄機、加熱および換気システム、臭気制御、軟体動物駆除剤、水ろ過システム処理(バイオフィルム除去/消毒)、病院、診療所、歯科医院、ナーシングホーム、実験室、死体保管所、サロン、家庭用水処理、レクリエーション用水消毒(飲用、貯蔵)、海水処理(貯蔵飲用、比較的高BODの雑排水(black water)、比較的低BODの雑排水、貯蔵タンク消毒、バイオフィルム除去)、船舶硬質表面衛生、航空用水処理(貯蔵飲用、タンク消毒、バイオフィルム除去)、商業用水ろ過システム処理(バイオフィルム除去/消毒)、又はこれらの組合せを挙げることができる。
【0031】
また、(a)3つ以上の流体移送デバイスを備える流体定量デバイスに水を通流させて、下流水を作り出し、且つ前記流体移送デバイスを作動させる工程;(b)亜塩素酸金属塩、次亜塩素酸金属塩、および酸をそれぞれ別々の供給源から引き込み、それぞれ別々に流体移送デバイスの1つに通流させる工程;および、(c)亜塩素酸金属塩、次亜塩素酸金属塩、および酸を下流水と合わせ、動物の飲用に好適な水を製造する工程を含む、動物用飲料水を製造する方法も提供する。流体定量デバイス、亜塩素酸金属塩、次亜塩素酸金属塩、酸、およびデバイスを使用する方法は、前記に開示されるものと同じとすることができる。
【実施例】
【0032】
本発明を説明するため以下の実施例を記載するが、それらは本発明の範囲を不当に限定するものと解釈されるべきではない。
【0033】
飲料水は、粒子を除去するためフィルタを通して装置に供給した。加圧揚水ポンプを使用して、使用可能な飲料水ライン圧力より高い試験圧力を発生させた。注入点81および82が比較的近く、スタチックミキサを参照番号82と83の間に配置したこと以外、図2に示されるようなヘッドが3つある計量水圧ポンプを備える装置を使用して、前駆体化学物質(後述の前駆体化学物質)を送給し、注入した。前駆体化学物質の互いに対する、および起動水流に対する流量比は、ポンプの3つの化学物質計量供給シリンダのそれぞれのストローク長を調節することによって操作した。
【0034】
後述の試料採取弁を通して試料を抜き取り、後述のように分析した。幾つかの試験では、装置の構成を下記に詳述するように変更した。
【0035】
(前駆体化学物質)
以下の前駆体化学物質から二酸化塩素を発生させた:(1)亜塩素酸ナトリウム溶液(25%(w/w);米国ロードアイランド州ノースキングスタウン、IDI(IDI,North Kingstown,RI,USA)から入手);(2)次亜塩素酸ナトリウム溶液(10.5%(w/w);米国ロードアイランド州クランストン、RJプール(RJ Pool,Cranston,RI,USA)から購入;12.4%(w/w)次亜塩素酸ナトリウムでヨウ素滴定法により検定);および、(3)塩酸溶液(31.45%(w/w);米国ロードアイランド州ノースキングスタウン、マンシニ・ハードウェア(Mancini Hardware,North Kingstown,RI,USA)から購入)。
【0036】
(試料採取および分析)
試料(各250ml)を試料採取弁を通して抜き取り、茶色のナルジーン(Nalgene)(登録商標)試料瓶に入れた。米国公衆衛生協会(American Public Health Association)、米国水道工事協会(American Water Works Association)、水環境協会(Water Environmental Association)、出版局(Publication Office)、ワシントンDC(Washington D.C.)により、共同で作成および出版された、「水および排水の試験のための標準的方法」20版、1998年(Standard Method for the Examination of Water and Wastewater,20thed.,1998)、方法4500−ClOEに記載のように、試料採取および分析を実施した。ハッチ(Hach)(登録商標)(米国コロラド州ラブランド)DR/2000直読分光光度計を使用して、試料の二酸化塩素濃度を決定した。別途記載しない限り、試料を脱イオン水4部で希釈した。この試験は、ハッチの(Hach’s)(登録商標)DR/2000方法75に従って445nmの波長で実施した。
【0037】
オリオン(Orion)(登録商標)(米国マサチューセッツ州ベヴァリー(Beverly,MA,USA))コンビネーションpHプローブおよびpHメータを使用して、試料のpHを決定した。
【0038】
スパージされる空気で最低15分間、脱ガス処理することにより、試料から二酸化塩素を除去した。
【0039】
ジオネックス(Dionex)(登録商標)(カリフォルニア州サニーベイル(Sunnyvale,CA))DX−120イオン・クロマトグラフ(Ion Chromatograph)を使用して、脱ガスした試料の亜塩素酸イオンおよび塩素酸イオンを決定した。ジオネックス(Dionex)(登録商標)AS40自動サンプラー(Automated Sampler)を使用した。全ての試料を2部ずつ分析した。2ml/分の流量で7〜8mM炭酸水素塩溶離液を用いて、ジオネックス(Dionex)(登録商標)AS9SCカラムおよびASRSサプレンサを使用した。この方法は、EPA方法300と合致した。
【0040】
(計算)
効率%を次のように計算した:
【0041】
【数1】

【0042】
式中、[ClO]=二酸化塩素濃度(mg/l)、および、[ClO]=亜塩素酸イオン濃度(mg/l)である。[ClO]+[ClO]は方法AM−100−07revAで決定するか、又は、[ClO]はDR/2000分光光度計方法75で決定し、且つ[ClO]はイオンクロマトグラフィーで決定した。
【0043】
EPA指導マニュアル:代替の消毒剤および酸化剤、EPA、1999年4月、4〜3頁(EPA Guidance Manual:Alternative Disinfectants and Oxidants, EPA, April 1999, page 4−3)に定義されるように、収率を次のように計算した:
【0044】
【数2】

【0045】
式中、[ClO]=塩素酸イオン濃度(mg/l)、および(67.45/83.45)=ClOとClOの分子量比である。
【0046】
EPA指導マニュアル:代替の消毒剤および酸化剤、EPA、1999年4月、4〜4頁(EPA Guidance Manual:Alternative Disinfectants and Oxidants, EPA, April 1999, pp.4−4)に定義されるように、純度を次のように計算した:
【0047】
【数3】

【0048】
式中、[FAC]=塩素として利用可能な遊離塩素濃度(mg/l)である。
【0049】
(実施例1)
この実施例は、本発明が高効率、高収率、および高純度を提供し、過剰塩素が少ないことを例証する。
【0050】
亜塩素酸ナトリウムを最大速度の85%で供給し、次亜塩素酸ナトリウムを最大速度の100%で供給し、塩酸を最大速度の40%で供給して8つの試料が得られた。起動水入口圧力を調節して二酸化塩素溶液流量を変えた。2つの試料を毎分1.5USガロン(GPM)で、4つを3.0GPMで、2つを6.0GPMで採取した。これは、二酸化塩素生成速度、35〜142PPD(一日当りのポンド数)ClOを表した。
【0051】
EPA指導マニュアル: 代替の消毒剤および酸化剤、EPA、1999年4月、4〜3頁(EPA Guidance Manual:Alternative Disinfectants and Oxidants, EPA, April 1999, pp.4−3)に定義されるように過剰塩素を測定すると、0.1%未満であった。これは、過剰塩素濃度が極めて低いことを表す。
【0052】
二酸化塩素濃度は、1940〜2010mg/l、平均1974mg/lと測定された。亜塩素酸イオン濃度は、1.0mg/l〜6.1mg/l、平均3.3mg/lと測定された。塩素酸イオン濃度は118mg/l〜145mg/l、平均132mg/lと測定された。
【0053】
分光測光法およびイオンクロマトグラフィーにより測定される効率は、99.7%〜99.9%の範囲であり、平均は99.8%であった。
【0054】
分光測光法およびイオンクロマトグラフィーにより測定される収率は、94.2%〜95.3%の範囲であり、平均は94.7%であった。
【0055】
分光測光法およびイオンクロマトグラフィーにより測定される純度は、93.0%〜94.3%の範囲であり、平均は93.6%であった。
【0056】
(実施例2)
この実施例は、二酸化塩素溶液の流量を低減することによる効果を示す。
【0057】
装置を実施例1のように運転したが、更なるターンダウンを実証するため、二酸化塩素溶液の流量を0.75GPM〜0.30GPMに低減した。0.75GPMでは収率93.9%および93.8%が得られた。0.3GPMでは、89.4%および87.8%が得られた。
【0058】
(実施例3)
この実施例は、二酸化塩素溶液中の塩素酸イオンは、一部には、前駆体である次亜塩素酸ナトリウム溶液中の不純物として塩素酸イオンが存在することによるものである、ということを例証する。
【0059】
装置を実施例1のように運転したが、亜塩素酸ナトリウムおよび塩酸供給の代わりに、飲料水を使用した。試料中の塩素酸イオンは平均76mg/lと測定された。これは、実施例1で測定される塩素酸塩の一部が二酸化塩素発生の副生成物として形成されるが、これは次亜塩素酸ナトリウム供給中における不純物であることを示す。このバックグランド塩素酸イオンを補償して収率を計算し直すと、その結果、実施例1では収率97.1%〜98.3%、平均98.7%となった。
【0060】
(実施例4)
この実施例は、塩酸供給速度を変化させることによる効果を実証する。
【0061】
亜塩素酸ナトリウムを最大速度の88%で供給し、次亜塩素酸ナトリウムを最大供給速度の100%で供給し、塩酸を最大速度の30%〜50%で供給して、装置を運転した。二酸化塩素溶液流量は3.0GPMに維持した。
【0062】
【表1】

【0063】
(実施例5)
この実施例は、次亜塩素酸塩/次亜塩素酸と亜塩素酸塩の注入点を分離すると収率が改善することを実証する。
【0064】
2つの試料では、装置は、注入点81、82および83が図2に示されるよりも比較的近く、83の下流にスタチックミキサがあり、次亜塩素酸塩と次亜塩素酸の注入点の直ぐ下流に亜塩素酸塩を注入したこと以外、図2に示されるものと同様であった。得られた収率は91.2%および91.3%であり、次亜塩素酸塩/次亜塩素酸と亜塩素酸塩の注入点の間に滞留時間があった実施例1の平均収率よりも約3.5%低かった。
【0065】
(実施例6)
この実施例は、スタチックミキサの使用により収率が改善することを示す。
【0066】
4つの試料では、装置は、スタチックミキサの代わりに当業者に周知のスケジュール80管を使用すること以外、実施例1〜4に開示されているものと同じであった。得られた収率は、93.7%〜約94.0%であり、平均93.8%であった。この平均は、実施例1の平均収率より0.9%低く、スタチックミキサによって収率が改善することが実証された。
【0067】
(実施例7)
次亜塩素酸塩/次亜塩素酸と亜塩素酸塩の注入点の間にスタチックミキサを使用することを例証する。
【0068】
6つの試料では、装置は実施例6で使用したものと同じであった。得られた収率は93.0%〜95.9%、平均94.1%であった。この平均は、実施例1の平均収率より0.6%低く、注入点間のスタチックミキサによって収率が改善することが実証された。また、収率は実施例6よりも高く、亜塩素酸塩注入点の後のスタチックミキサにより収率が改善することが実証された。
【0069】
(実施例8)
この実施例は、ClO濃度ターンダウンの効果を示す。
【0070】
これらの試料では、装置は実施例6で使用したものと同じであった。前駆体の互いの比は一定に維持されたが、起動水流に対する比は低減した。
【0071】
【表2】

【0072】
二酸化塩素溶液の流量を調節することによる実施例1で実証されるターンダウン比と、少なくとも40:1である二酸化塩素生成速度におけるターンダウンを実証するこの実施例を組み合わせることこと。
【0073】
(実施例9)
この実施例は、鶏用飲料水のために本発明で生成される溶液の使用を例証する。
【0074】
テキサス北東部、米国の商業用養鶏場で飼育されたブロイラー鶏を研究に使用した。典型的な養鶏場は、約10〜12の鶏舎からなり、それぞれに鶏が約15,000羽飼育されていた。運転に用いるブロイラーは全て(試験用の群れと対照の群れ)、同じ遺伝子材料に由来した。毎分約2ガロン(7.57リットル)の速度で鶏に水を与えた。水ラインは全て、直径約1/8インチ(0.32cm)であり、鶏に与えるため、製造業者の使用説明書に従い、最初に十分なバイオセントリー・アクア・マックス(Biosentry Aqua Max)(登録商標)洗浄溶液を用いて洗浄した。対照運転では、鶏に普通の水道水を与えた。実験運転では、水を鶏舎に入れる前に、前記で開示された装置に通流させた。亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、およびリン酸は、それぞれ、装置の入口から引き込んだ。亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムは水ラインの消毒に使用し、リン酸はpHを約4〜約6の範囲に調節するのに使用した。必要とされる各化学物質の量は、水のpHを前記に開示されたpHより高く、若しくは、水中の遊離塩素を約3〜10ppm(重量基準)に、若しくは水中のin−situ生成される二酸化塩素を約0.5〜約0.8ppmに維持する量、又は、送水管又は導管内でのバイオフィルムの形成が制御される量であった。鶏には全て、典型的には50日間、同じ市販の餌を与えた。その後、本発明で発生した水と水道水を与えた鶏の致死率を決定した。成長サイクルの終わりの生存率は、対照の群れが94.58%であったのに対し、試験の群れでは96.69%であった。更に、飼料要求は、対照の群れが1.93であったのに対して、試験の群れでは1.89であった。飼料要求が低いほど、同じ鶏の重量を達成するのに必要な餌が少ないことを意味する。これらの結果は、本発明により製造した飲料水が鶏の生存率を増加させるだけでなく、飼料要求も改善したことを実証している。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】装置の流れ図である。
【図2】装置の前側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水入口;水出口;水駆動式の主駆動アセンブリ;並びに、第1、第2、第3、および任意選択的に追加の流体移送デバイスを備える流体定量デバイスを備える装置であって、
前記水入口が水源に接続可能であり;前記流体移送デバイスが移送デバイス入口と移送デバイス出口を備え、それぞれが導管に接続可能であり;
前記水源は、前記水駆動式の主駆動アセンブリに入り、それを通る水流を作り出すことができ、それによって前記水出口を通る下流水を作り出し、
前記定量デバイスが、作動流体入口および作動流体出口を備えるピストンアクチュエータを備え;それぞれの前記流体移送デバイスが、入口ポート、出口ポート、およびそれらの中に計量ピストンを備え、前記アクチュエータが前記流体移送デバイス内で前記計量ピストンを往復運動させ、
それぞれの前記流体移送デバイスが、前記水流により比例して作動し、および
前記装置が単一の定量デバイスを備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
(a)請求項1に記載の流体定量デバイスに水を通流させて、前記下流水を作り出し、且つ前記流体移送デバイスを作動させる工程;(b)3種類以上の前駆体化学物質をそれぞれ別々の供給源から引き込み、前記化学物質をそれぞれ別々に前記流体移送デバイスの1つに通流させる工程;および、(c)前記前駆体化学物質を前記下流水に混入させ、酸化ハロゲン化合物溶液を生成する工程であって、前記酸化ハロゲン化合物溶液が、好ましくは二酸化塩素溶液、酸性化亜塩素酸塩、亜塩素酸、又はこれらの組合せであり、更に好ましくは二酸化塩素溶液である工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
好ましくは、食物との接触、乳製品加工、家禽処理場での加工、家禽肉加工、果物および野菜加工、醸造又は飲料加工、又はこれらの組合せを含む、食物加工設備と前記酸化ハロゲン化合物溶液とを接触させる工程を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸化ハロゲン溶液を(1)油井、および、そのための設備、それと共に用いる設備、又はその設備;(2)製紙設備;(3)冷却塔に使用される水;(4)ヒトの摂取に好適な飲料水を形成するように処理される水;(5)排水;(6)空気洗浄;(7)化学分解;又は(8)これらの2つ以上の組合せと接触させることを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記水流が、調節制御弁又は可変加圧ポンプを使用して、生成される酸化ハロゲン溶液若しくは二酸化塩素溶液の速度を調節することにより自動的に調節されるか、又は外部制御信号で調節されることを特徴とする請求項2、3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記前駆体化学物質が、(1)臭化物金属塩、次亜塩素酸金属塩、若しくは酸化剤、および酸;又は(2)亜塩素酸金属塩、若しくは塩素酸金属塩、次亜塩素酸金属塩、若しくは酸化剤、および酸;又は(3)亜塩素酸アルカリ金属塩、若しくは亜塩素酸アルカリ性金属塩、若しくはこの両方;次亜塩素アルカリ金属酸塩、若しくは次亜塩素酸アルカリ性金属塩、若しくはこの両方;および、酸;又は(4)(1)、(2)および(3)の任意の2つ以上の組合せのいずれかを含むことを特徴とする請求項2、3、4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記前駆体化学物質が、
(1)前記塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸アルカリ性金属塩、若しくはこれらの組合せ;(2)無機酸化剤、有機酸化剤、若しくはこれらの組合せ、および(3)酸;又は
(1)亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、若しくはこの両方;(2)次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、若しくはこの両方;および(3)硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、若しくは他の無機酸、若しくは有機酸、若しくはこれらの組合せ;又は
(1)塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、若しくはこの組合せ;(2)過酸化水素、過酢酸、窒素酸化物、過酸化ナトリウム、過酸化ベンゾイル、m−クロロ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安息香酸、若しくはこれらの組合せ;および(3)硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、若しくはこれらの組合せ、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の定量デバイスに水を流入および通流させて下流水を製造する工程;および、前記下流水に3種類以上の前駆体化学物質を前記水流に対する速度で、および互いに比例する速度で供給し、それによって前記ClO含有水が製造される工程を含み、前記の流れが、前記下流水に前記前駆体化学物質を比例的に供給する起動力を提供することを特徴とする、ClO含有水を製造する方法。
【請求項9】
流体定量デバイスに水を通流させて下流水を製造する工程、および、前記下流水に亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、およびリン酸をそれぞれ前記水流に対する速度で、および互いに比例する速度で供給する工程を含み、前記定量デバイスが請求項1に記載されるものと同じであり、前記水の流れが、前記化学物質を前記下流水に比例的に供給する起動力を提供し、前記飲料水のpHが好ましくは約4〜約6であることを特徴とする、鶏用飲料水などの動物用飲料水を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−534455(P2007−534455A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520298(P2006−520298)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/022560
【国際公開番号】WO2005/007281
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】