説明

補助ウインカー

【課題】車両の側方にいる車両や通行人に対して、通行時の安全性を確認するのに有用な情報を提供することができる補助ウインカーを提供する。
【解決手段】車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、この補助ウインカーは、矢印形の表像1aと、この表像1aを発光させるための発光手段とを有し、表像1aは、方向転換前の車両の向きを示す第1の軸4と、この第1の軸に直接又は間接的に連続して形成され方向転換後の車両の向きを示す第2の軸5と、第2の軸5の先端に形成される矢じり6とを備え、表像1aは、車両のウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に取り付けられることを特徴とする補助ウインカー1aによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に取り付けられ車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーおよびそれを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体にはウインカー(方向指示器)が設けられており、車両が右折したり左折したりする際に、対向車や後続車に対して車両の転回方向を伝えることができるよう構成されている。
しかしながら、例えば車両が右折しようとしてウインカーを点滅させた場合、車両の左側にいる他の車両や通行人は、車両が実際に転回を始めるまで、この車両が直進しようとしているのか、あるいは、右折しようとしているのかを判断することができなかった。
この場合、車両が実際に動き始めて転回方向が確認できた後でなければ、この車両の左側にいる他の車両や通行人は次の動作に移ることができず、交通量の多い道路では渋滞の原因にもなっていた。
このような課題を解決する目的で、いくつかの考案や発明が開示されている。
【0003】
特許文献1には「自動車用方向指示器」という名称で、自動車の前後又は側部の適当な位置に取り付けられる方向指示器に関する考案が開示されている。
特許文献1に記載の考案は、上方及び左右を示す矢印で十字を形成した表像を複数に分割して発光部を形成し、それぞれの発光部に電球を配設したことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献1記載の考案によれば、対向車又は後続車、あるいは、通行人に対して自動車の転回方向を矢印で示すことができ、車両が方向転換しようとしているという情報を周囲に分かり易く伝えることができる。
すなわち、例えば、特許文献1に記載の考案を車体の後方に取り付けた場合、自動車が直進をしているときは「自動車用方向指示器」において鉛直下方から上方に向って矢印が点灯する。また、自動車が右折しようとするときは、「自動車用方向指示器」において矢印が鉛直下方から表像の中心に向って点灯し、続いて、表像の中心から右方に向って点灯する。さらに、自動車が左折しようとするときは、「自動車用方向指示器」において矢印が鉛直下方から表像の中心に向って点灯し、続いて、表像の中心から左方に向って点灯する。
この結果、自動車の後方にいる他の車両や通行人に対して車両の転回方向を正確に伝えることができる。
【0004】
特許文献2には「方向指示器を備えた車両」という名称で方向指示器を備えた車両に関する発明が開示されている。
特許文献2に記載の発明は、車両に、通常の第1方向指示器とは別に新たな第2方向指示器を設け、車両が左側に進路を取ることを知らせるために第1方向指示器の左側表示灯を動作させた場合には、車両が左側に進路を取ることを知らせるように第2方向指示器の右側表示灯を動作させ、車両が右側に進路を取ることを知らせるために第1方向指示器の右側表示灯を動作させた場合には車両が右側に進路を取ることを知らせるように第2方向指示器の左側表示灯を動作させるよう構成したことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に記載の発明によれば、車両が、右折あるいは左折するときに、方向表示灯が点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して車両が方向転換しようとしているという情報を伝えることができる。
【0005】
【特許文献1】実公昭8−17485号公報
【特許文献2】特開2002−2372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る「自動車用方向指示器」をウインカーとして自動車の前方に設けた場合、この表像を鉛直下方から上方に向って点灯させると、自動車が後退していることを意味することになり、自動車の右折又は左折の合図は、「自動車用方向指示器」における水平方向の矢印のみを用いて示さねばならなかった。つまり、特許文献1に係る「自動車用方向指示器」をウインカーとして車体の前方に設けた場合、鉛直下方から上方に向って形成される矢印を有効に利用することが出来なかった。
また、特許文献1に係る「自動車用方向指示器」をウインカーとして車体の側面に設けた場合、表像に形成される水平方向の矢印は、車両の前進又は後退を意味し、鉛直下側から上側に向う矢印を点灯することは、ウインカーが点灯しない側に車両の方向転換を意味することになる。従って、特許文献1に係る「自動車用方向指示器」は、車体の側面に取り付けた場合に、ウインカーとして全く機能しないという不具合があった。
さらに、特許文献1に係る「自動車用方向指示器」を仮に、補助ウインカーとしてウインカーとは別に車体の側面に取り付けた場合、ウインカーが点滅する側に車両が方向転換しようとしているという情報は、車体の側面に設けられる「自動車用方向指示器」において、鉛直下側から上側に矢印が点灯することで示される。この場合、点灯する矢印の向きと車体の進行方向が全く異なっているため、見る者はその矢印が方向転換後の車両の進行方向を示していることを瞬時には理解することが極めて困難である。
このため、特許文献1に係る「自動車用方向指示器」を仮に、補助ウインカーとして車体の側面に設けた場合、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、迅速かつ正確に車両の転回方向を伝えるという目的を達することができないという課題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明においては、補助ウインカーである第2の方向指示器を矢印形の発光部で形成される場合、このような第2の方向指示器を車両の側面に設置すると、第1の方向指示器が点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して方向変換後の車両の向きを正確に伝えられないという課題があった。
そして、上述のような第2の方向指示器を、車両の前端又は後端と側面にまたがるように設置した場合、つまり車両の角部に第2の方向指示器を設置した場合も、車両の方向変換後の向きを正確に伝えることが難しいという課題があった。
【0008】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、車両の側方にいる車両や通行人に対して、通行時の安全性を確認するのに有用な情報を的確に、かつ、迅速に伝えることができる補助ウインカー及びそれを備えた車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1記載の補助ウインカーは、車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、この補助ウインカーは、矢印形の表像と、この表像を発光させるための発光手段とを有し、表像は、方向転換前の車両の向きを示す第1の軸と、この第1の軸に直接又は間接的に連続して形成され方向転換後の車両の向きを示す第2の軸と、第2の軸の先端に形成される矢じりとを備え、表像は、車両の前記ウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に取り付けられることを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーにおいて、発光手段は表像を発光させるという作用を有する。また、表像は発光手段により発光することで、他の車両や通行人に対して車方向転換後の車両の向きを正確に伝えるという作用を有する。
さらに、表像における第1の軸は、方向転換前の車両の向きと平行に形成されることで、見る者に方向転換前の車両の向きを示すことを直感的に理解させるという作用を有する。
また、表像における第2の軸は、第1の軸に直接又は間接的に連続し、車体の側面を地表面とみなした場合に方向変換後の車両の向きを示すように形成することで、見る者に直感的に方向転換後の車両の向きを理解させるという作用を有する。
さらに、矢じりは車両の進行方向を示すという作用を有する。
加えて、車両の前記ウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に表像を取り付けることで、ウインカーが点滅しない側(主に車両の側面側)にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向転換しようとしているという情報を確実に伝えるという作用を有する。
なお、車両には通常ウインカーが前後方向及び左右の側面にそれぞれ右折用、左折用として対に設置されるが、本願でいう「ウインカーが点滅しない側」とは、左折用ウインカーが点滅している場合には右の側面側を意味し、右折用ウインカーが点滅している場合には左の側面側を意味している。
【0010】
請求項2記載の発明である補助ウインカーは、車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、この補助ウインカーは、複数の矢印形の表像と、この表像を発光させるための発光手段とを有し、表像は、方向転換前の車両の向きを示す軸を具備する第1の矢印と、方向転換後の車両の向きを示す軸を具備する第2の矢印とを備え、表像は、車両の前記ウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に取り付けられ、第2の矢印は、第1の矢印が発光した後に発光することを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーにおいて、発光手段と、表像と、表像の取付位置はいずれも請求項1記載の発明と同じ作用を有する。
また、表像における第1の矢印は、方向転換前の車両の向きと平行に形成することで、見る者に直感的に方向転換前の車両の向きを理解させるという作用を有する。
さらに、第2の矢印は、車両の側面を地表面とみなした場合に方向変換後の車両の向きを示す軸を備え、かつ、第1の矢印が発光した後に発光させることで、見る者に直感的に方向転換後の車両の向きを理解させるという作用を有する。
【0011】
請求項3記載の発明である補助ウインカーは、請求項1又は請求項2に記載の補助ウインカーであって、補助ウインカーは、ウインカーとは異なる色に発光することを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーは、請求項1又は請求項2に記載の発明と同じ作用に加え、ウインカーと異なる色に発光することで見る者がウインカーの発光と誤認するのを妨げるという作用を有する。
【0012】
請求項4記載の発明である補助ウインカーは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の補助ウインカーであって、前記表像の周囲又は近傍に制動ランプを備えることを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーは、請求項1乃至請求項3に記載のそれぞれの発明と同じ作用に加え、表像に加えて制動ランプを備えることで、車両の側面側にいる他の車両や通行人に対して、車両が制動操作中であるという情報を伝えるという作用を有する。
また、例えば、ブレーキペダルを操作しながらウインカーを作動させると、表像と制動ランプがともに発光する。従って、請求項4記載の補助ウインカーにおける制動ランプは、車両の側面側における表像の視認性を高めるという作用を有する。
【0013】
請求項5記載の発明である車両は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体に備えたことを特徴とするものである。
上記構成の車両は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体に備えたものであり、請求項1乃至請求項4に記載のそれぞれに記載の発明と同じ作用を有する。
【0014】
請求項6記載の発明である車両は、請求項5に記載の車両であって、補助ウインカーは車体の側面に埋設されることを特徴とするものである。
上記構成の車両は、請求項5記載の発明と同じ作用に加えて、補助ウインカーを車体の側面に埋設することで、補助ウインカーから発せられる光が車体の前後方向に拡散するのを妨げるという作用を有する。
【0015】
請求項7記載の発明である車両は、請求項5記載の車両であって、補助ウインカーから発せられる光が車体の前方及び/又は後方に拡散するのを防止するためのフィルター又はカバーを備えることを特徴とするものである。
上記構成の車両は、請求項5記載の発明と同じ作用に加えて、車体に設けられるフィルター又はカバーは、補助ウインカーから発せられる光が車体の前後方向に拡散するのを妨げるという作用を有する。
【0016】
請求項8記載の発明である車両は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体の側面に設けられるバックミラーに備えたことを特徴とするものである。
上記構成の車両は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体の側面に設けられるバックミラーに備えたものであり、請求項1乃至請求項4に記載のそれぞれに記載の発明と同じ作用を有する。
【0017】
請求項9記載の発明である補助ウインカーは、車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、この補助ウインカーは、矢印形の表像と、表像を発光させるための発光手段とを有し、表像は、方向転換後の車両の向きを示す軸と、この軸の先端に形成される矢じりとを備え、表像は、車両においてウインカーが点滅しない側面の前方側から視認できる位置に取り付けられることを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーにおいて、発光手段は表像を発光させるという作用を有する。また、表像は発光手段により発光することで、他の車両や通行人に対して車方向転換後の車両の向きを正確に伝えるという作用を有する。
さらに、表像における軸を方向変換後の車両の向きを示すように形成することで、見る者に直感的に方向転換後の車両の向きを理解させるという作用を有する。
さらに、矢じりは車両の進行方向を示すという作用を有する。
加えて、車両の前記ウインカーが点滅しない側面の前方側から視認できる位置に表像を取り付けることで、ウインカーが点滅しない側(主に車両の前方側面側)にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向転換しようとしているという情報を確実に伝えるという作用を有する。
なお、車両には通常ウインカーが前後方向及び左右の側面にそれぞれ右折用、左折用として対に設置されるが、本願でいう「ウインカーが点滅しない側」とは、左折用ウインカーが点滅している場合には右の側面側を意味し、右折用ウインカーが点滅している場合には左の側面側を意味している。
【0018】
請求項10記載の発明である補助ウインカーは、車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、この補助ウインカーは、矢印形の表像と、表像を発光させるための発光手段とを有し、表像は、方向転換前の車両の向きを示す第1の軸と、この第1の軸に直接又は間接的に連続して形成され方向転換後の車両の向きを示す第2の軸と、第2の軸の先端に形成される矢じりとを備え、表像は、車両においてウインカーが点滅しない側面の前方側から視認できる位置に取り付けられることを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーにおいて、発光手段は表像を発光させるという作用を有する。また、表像は発光手段により発光することで、他の車両や通行人に対して車方向転換後の車両の向きを正確に伝えるという作用を有する。
さらに、表像における第1の軸は、方向転換前の車体の側面に対して平行(略平行の概念を含む。)に形成されることで、見る者に方向転換前の車両の向きを示すことを直感的に理解させるという作用を有する。
また、表像における第2の軸は、第1の軸に直接又は間接的に連続し、表像が形成される面を地表面とみなした場合に方向変換後の車両の向きを示すように形成されることで、見る者に直感的に方向転換後の車両の向きを理解させるという作用を有する。
さらに、矢じりは車両の進行方向を示すという作用を有する。
加えて、車両の前記ウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に表像を取り付けることで、ウインカーが点滅しない側(主に車両の前方側面側)にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向転換しようとしているという情報を確実に伝えるという作用を有する。
【0019】
請求項11記載の発明である補助ウインカーは、請求項9又は請求項10に記載の補助ウインカーであって、補助ウインカーは、ウインカーとは異なる色に発光することを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーは、請求項9又は請求項11に記載の発明と同じ作用に加え、ウインカーと異なる色に発光することで見る者がウインカーの発光と誤認するのを妨げるという作用を有する。
【0020】
請求項12記載の発明である補助ウインカーは、請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の補助ウインカーであって、表像の周囲又は近傍に制動ランプを備えることを特徴とするものである。
上記構成の補助ウインカーは、請求項9乃至請求項11に記載のそれぞれの発明と同じ作用に加え、表像に加えて制動ランプを備えることで、車両の側面側にいる他の車両や通行人に対して、車両が制動操作中であるという情報を伝えるという作用を有する。
また、例えば、ブレーキペダルを操作しながらウインカーを作動させると、表像と制動ランプがともに発光する。従って、請求項12記載の補助ウインカーにおける制動ランプは、車両の側面側における表像の視認性を高めるという作用を有する。
【0021】
請求項13記載の発明である車両は、請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体の側面に設けられるバックミラーに備えたことを特徴とするものである。
上記構成の車両は、請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体の側面に設けられるバックミラーに備えたものであり、請求項9乃至請求項12に記載のそれぞれに記載の発明と同じ作用を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1記載の発明によれば、車両の側面側から視認できる位置に補助ウインカーを設けることで、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向変換しようとしているという情報を伝えることができるという効果を有する。
また、補助ウインカーを矢印形の表像とし、この表像を、車両が方向転回する前の状態を示す第1の軸と、車両が方向転換した後の状態を示す第2の軸と、車両の進行方向を示す矢じりにより形成することで、車両の側面側にいる他の車両や通行人に対して車両の方向転換後の向きを直感的に正確に伝えることができるという効果を有する。
この結果、車両の側面側にいる他の車両や通行人は、車両が実際に動き出す前に、車両がどの方向に方向転換しようとしているかを判断することができるので、路上における判断待ち時間を短縮して交通渋滞を緩和することができる。
すなわち、請求項1記載の発明によれば通行時の安全性を高めるのに有用な情報を提供することができるという効果を有する。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、車両の側面側から視認できる位置に補助ウインカーを設けることで、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向変換しようとしているという情報を伝えることができるという効果を有する。
また、補助ウインカーを複数の矢印形の表像により形成し、その第1の矢印で方向変換する前の車両の向きを示し、第2の矢印で方向転換後の車両の向きを示し、さらに、発光手段により第1の矢印を発光させた後に第2の矢印を発光させることで、車両の側面側にいる他の車両や通行人に直感的に車両の方向転換後の車両の向きを正確に伝えることができるという効果を有する。
この結果、請求項1記載の発明と同様の効果を有する。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明と同じ効果に加えて、車両の側面側にいる他の車両や通行人が、補助ウインカーの作動をウインカーの作動と誤って認識するのを防止するという効果を有する。
よって、車両の側面側にいる他の車両や通行人に対して一層正確に車両が展開しようとしているという情報を伝えることができるという効果を有する。
この結果、交通渋滞の緩和効果や、通行人の安全性を一層向上することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3に記載のそれぞれの発明と同じ効果に加え、車両の側面にいる他の車両や通行人に対して車両が制動操作中であるという情報を提供することができる。
また、制動ランプを備えることで、請求項4に記載の補助ウインカーを構成する表像の視認性を高めることができるという効果を有する。
この結果、車両の側面にいる他の車両や通行人は、より正確に通行時の安全性を確認したり判断したりすることができるという効果を有する。
従って路上における車両や通行人の流れを一層スムースにすることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体に備えた車両であり、請求項1乃至請求項4に記載のそれぞれに記載の発明と同じ効果を有する。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明と同じ効果に加え、請求項5に記載の車両が補助ウインカーを発光させた際に、その前後方向にいる他の車両や通行人が補助ウインカーの発光をウインカーの作動と誤認するのを防止することができるという効果を有する。
この結果、補助ウインカーの誤認に伴う交通事故等の発生を防止することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の発明と同じ効果を有する。
【0029】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載のそれぞれの発明と同じ効果に加えて、補助ウインカーをバックミラーに設けることで、車体への補助ウインカーの後付けを容易にすることができるという効果を有する。
この結果、既存の車両への補助ウインカーの取付作業やそのための費用の発生を軽減することができ、補助ウインカーの普及に寄与することができるという効果を有する。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、車両の前方側面側から視認できる位置に補助ウインカーを設けることで、ウインカーが点滅しない側(主に車両の前方側面側)にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向変換しようとしているという情報を伝えることができるという効果を有する。
また、補助ウインカーを矢印形の表像とし、この表像を、車両が方向転換した後の状態を示す軸と、車両の進行方向を示す矢じりとにより形成することで、車両の前方側面側にいる他の車両や通行人に対して車両が方向転換しようとしている意志や、車両の方向転換後の向きを直感的に正確に伝えることができるという効果を有する。
この結果、車両の前方側面側にいる他の車両や通行人は、車両が実際に動き出す前に、車両がどの方向に方向転換しようとしているかを判断することができるので、路上における判断待ち時間を短縮して交通渋滞を緩和することができる。
すなわち、請求項9記載の発明によれば通行時の安全性を高めるのに有用な情報を提供することができるという効果を有する。
【0031】
請求項10に記載の発明は、表像が、車両が方向転換した後の状態を示す第2の軸に加え、車両が方向転回する前の状態を示す第1の軸を備えものである。
この場合、請求項9記載の発明と同様の効果に加え、表像が第1の軸を備えることで、車両の前方側面側にいる他の車両や通行人に対して車両が方向転換しようとしていることや、車両の方向転換後の向きを一層正確に、かつ、的確に伝えることができるという効果を有する。
この結果、路上における車両や通行人の往来を一層スムースにすることができるという効果を有する。
【0032】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の発明と同じ効果に加えて、車両の前方側面側にいる他の車両や通行人が、補助ウインカーの作動をウインカーの作動と誤って認識するのを防止するという効果を有する。
よって、車両の側面側にいる他の車両や通行人に対して一層正確に車両が展開しようとしているという情報を伝えることができるという効果を有する。
この結果、交通渋滞の緩和効果や、通行人の安全性を一層向上することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明は、請求項9乃至請求項11に記載のそれぞれの発明と同じ効果に加え、車両の前方側面側にいる他の車両や通行人に対して車両が制動操作中であるという情報を提供することができる。
また、制動ランプを備えることで、請求項12に記載の補助ウインカーを構成する表像の視認性を高めることができるという効果を有する。
この結果、車両の前方側面側にいる他の車両や通行人は、より正確に通行時の安全性を確認したり判断したりすることができるという効果を有する。
従って路上における車両や通行人の流れを一層スムースにすることができる。
【0034】
請求項13に記載の発明は、請求項9乃至請求項12に記載のそれぞれの発明と同じ効果に加えて、補助ウインカーをバックミラーに設けることで、車両の前方側面側から補助ウインカーを視認可能にすると同時に、車体への補助ウインカーの後付けを容易にすることができるという効果を有する。
この結果、既存の車両への補助ウインカーの取付作業やそのための費用の発生を軽減することができ、補助ウインカーの普及を促進することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る補助ウインカー及びそれを用いた車両について実施例1乃至4に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0036】
本発明の実施例1に係る補助ウインカーについて図1を参照しながら説明する。(特に、請求項1に対応。)
図1は実施例1に係る補助ウインカーの平面図である。
図1に示すように、実施例1に係る補助ウインカー1aは、例えば、LED等の点状光源を複数配置してなる発光体を平面状に配置して矢印形の表像2aを形成したものであり、ウインカーが点滅しない側において、表像2a全体を図示しない発光手段により、ウインカーに連動させて点灯又は点滅するよう構成したものである。この発光手段とは、補助ウインカー1aを採用する車両に搭載されるバッテリー及びこのバッテリーと補助ウインカー1aを点灯又は点滅させるための配線回路を意味する。なお、以下の複数の実施の形態において説明される一定の条件の下に点灯あるいは点滅させるための制御回路を含む概念である。この発光手段の意味や概念は下記のすべての実施例において共通するものであり、特にそれぞれ説明することは省略する。
なお、表像2aを発光させるために必ずしも点状光源を用いる必要はなく、表像2aを半透明の板材で構成し、その背後から単数又は複数の光源で表像2aを照らし出したり、表像2a自体を発光させるような従来公知の技術を用いてもよい。
また、ここでは、実施例1に係る補助ウインカー1aの表像2aを単に連続的に発光させることを「補助ウインカー1aを点灯させる」と呼び、断続的に発光、すなわち点灯と消灯を繰り返すことを「補助ウインカー1aを点滅させる」と呼ぶことにする。現行の乗用車などのウインカーは、「点滅」することになる。
そして、このような実施例1に係る補助ウインカー1aを車両の側面側から視認できる位置に取り付けることで、車両が進路変更をする際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向転換しようとしていること及び、車両の方向転換後の向きを同時に知らせることができる。
【0037】
さらに、実施例1に係る表像2aは、図示しない車両の進路変更前の向きと平行に形成される第1の軸4と、車両の側面を地表面とみなした場合に、進路変更後の車両の向きを示す第2の軸5とを直接又は間接的につないで、第2の軸5の先端に矢じり6を形成したものである。
なお、第1の軸4と第2の軸5を直接つないだ場合、表像2aは角(かど)を有する矢印となる。また、第1の軸4と第2の軸5は、多角形の一部や、図1に示すような円弧を介して接続してもよい。このように本願明細書では、第1の軸4と第2の軸5を円弧等を介して接続することを「間接的に接続する」と表現する。
【0038】
そして、図1に示すように実施例1に係る表像2aを、第1の軸4と第2の軸5の2種類の軸により形成することで、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、進路変更後の車両の向きを正確に伝えることができるという効果を有する。
つまり、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人にとって、表像2aの第1の軸4が方向転換前の車両の向きを示していることは明白であり、このような第1の軸4に、矢じり6を備えた第2の軸5が直接又は間接的につなげられることで、見る者にとって、第2の軸5が進路変更後の車両の向きを示しているということも明白になる。
従って、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人は、実施例1に係る表像2aが点灯又は点滅するのを見ることで、直感的に車両が方向転換しようとしているということ、および、方向転換後の車両の向きと同時に理解することができるのである。
そして、このような情報を得ることで、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人が、路上において次の行動に移ろうとする際に、安全性に関する判断を下すのに必要な時間を短くすることができるという効果を有する。
この結果、路上における車両等の流れをスムースにすることができるのである。
【0039】
さらに、現在の道路交通法では、方向指示器を用いる以外の方向指示方法として、手による方向指示が認められており、運転手が車窓から手の平を地表面に向けて右手を一旦水平に伸ばしてから、ひじから下の手を垂直上向きに折り曲げる動作をすることで、車両が直進から反対側の向こうに進路を取ろうとしていることを、すなわち、車両が左折しようとしているという意思を伝えることができる。
また、路上において左折路又は右折路の存在を運転者や通行人に知らせるために、白色塗料等で進行可能な方向を矢印状に大きく表示しており、つまり、路上に後述の変形例1に係る表像2bからエリア3fを除いた形状の道路標識が設けられており、実施例1に係る表像2aの形状は運転者や通行人にとって全くなじみのないものではない。
従って、このような理由からも実施例1に係る表像2aは、第1の軸4と第2の軸5を備えることで、車両に側面側にいる他の車両や通行人に対して正確に車両が方向転換しようとしている意思を伝えることができるのである。
【0040】
また、実施例1に係る補助ウインカー1aにおいては、表像2aを複数のエリアに分割しておき、表像2aを発光させる際に第1の軸4から第2の軸5を経て矢じり6に向うよう順次表像2aを発光させても良い。
具体的には、図1に示すように、実施例1に係る表像2aを、例えば3つのエリア3a〜3cに分割しておき、エリア3a、エリア3b、エリア3cの順に発光させてもよい。
なお、ここでは、実施例1に係る補助ウインカー1aの表像2aを構成するエリア3a〜3cを、エリア3a、エリア3b、エリア3cの順に発光させることを「補助ウインカー1aを点灯させる」と呼び、この一連の動作を繰り返すことを「補助ウインカー1aを点滅させる」と呼ぶことにする。すなわち、エリア3aがまず発光し、その後にエリア3aが発光したままエリア3bが発光し、その後にエリア3a及びエリア3bが発光したままエリア3cが発光する状態に加えて、既に発光したエリアの発光を停止して次のエリアを発光させる状態も含めて「点灯」と呼び、また、点灯の後に全体が発光を停止して消え、その後に一連の点灯の動作の繰り返しを「点滅」と呼ぶのである。
この場合、補助ウインカー1aの発光エリアの変化という視覚効果により、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向転換しようとしていること、及び、方向転換後の車両の向きに関する情報をより的確に伝えることができるという効果を有する。
また、図1では、表像2aを3つのエリア3a〜3cに明確に分割して順次発光させる場合を例に挙げて説明しているが、これ以外にも、表像2aを複数のエリアに明確に分割することなく、表像2aの第1の軸4から矢じり6に向って徐々に表像2aを発光させてもよい。この場合も同様の効果を有する。
【0041】
ここで、実施例1に係る補助ウインカー1aの変形例について図2を参照しながら説明する。
図2は本発明の変形例1に係る補助ウインカーの平面図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2に示すように、変形例1に係る補助ウインカー1bは、上記実施例1に係る補助ウインカー1aに記載される表像2a(エリア3a〜3c)に加え、第1の軸4上にエリア3aの一部と重なりを有する直線状のエリア3dと、このエリア3dの両端にそれぞれ矢じり6となるエリア3e,3fを形成したものである。
このような変形例1に係る補助ウインカー1bによれば、実施例1に係る補助ウインカー1aと同じ作用・効果に加えて、例えば、エリア3dとエリア3eとを同時に発光させたり、あるいは、エリア3dの端部からエリア3eの先端に向って徐々に発光させることで、車両の側方にいる他の車両や通行人に対して、例えば、一旦停車した車が右折や左折をすることなく直進しようとしているという情報や、例えば、車両が制動操作中であるという情報を伝えることができる。
また、例えば、エリア3dとエリア3fとを同時に発光させたり、あるいは、エリア3dの端部からエリア3fの先端に向って徐々に発光させることで、車両の側方にいる他の車両や通行人に対して、車両が後退しようとしているという情報を伝えることができる。
この結果、他の車両や通行人の安全性を高めると同時に、通行時の安全性を判断するのに要する時間を短くすることができるので、路上における車両等の流れをスムースにすることができるという効果を有する。
【実施例2】
【0042】
次に本発明の実施例2に係る補助ウインカーについて図3及び図4を参照しながら詳細に説明する。(特に、請求項2に対応。)
図3は本発明の実施例2に係る補助ウインカーの平面図である。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る補助ウインカー1cは、例えば、LED等の点状光源からなる複数の発光体を平面状に配置した複数の矢印7a〜7cにより表像2cを形成し、ウインカーが点滅しない側において、図示しない発光手段により表像2cを、ウインカーに連動させて点灯又は点滅するよう構成したものである。
そして、実施例2に係る補助ウインカー1cを車両のウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に取り付けることで、車両が進路変更をする際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向転換しようとしていること及び、車両の方向転換後の向きを同時に知らせることができる。
【0043】
さらに、実施例2に係る表像2cは、図3に示すように、複数の矢印7a〜7cからなり、矢印7aは方向転換前の車両の向きと平行な軸エリア8aを、矢印7cは車両の側面を地表面とみなした場合に方向転換後の車両の方向を示す軸エリア8cを、そして、矢印7bは車両が方向転換をしている最中の任意の車両の方向を示す軸エリア8bを有している。
なお、図3では、表像2cが、車両が方向転換をしている最中の任意の車両の方向を示す軸エリア8bを有する矢印7bを1つだけ有する場合を例に挙げて説明しているが、軸エリア8bの傾斜角度を変えた7bを複数設けてもよい。
また、図3において矢印7aの軸エリア8aは、図1中の第1の軸4と平行であり、矢印7cの軸エリア8cの一部は、図1中の第2の軸5と平行である。さらに、図3においては、矢印7cの軸エリア8cを第1の軸4と第2の軸5を組み合わせて形成した場合を例に挙げて説明しているが、軸エリア8aは方向転換後の車両の向きを示す第2の軸5のみにより形成されてもよい。
【0044】
上述のような実施例2に係る補助ウインカー1cにより、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両及び通行人に対して、車両が方向転換しようとしていること、及び、方向転換後の車両の向きを伝えるには、表像2cを構成する矢印7a〜7cを、矢印7a,矢印7b,矢印7cの順に発光させればよい。
なお、ここでは、実施例2に係る補助ウインカー1cの表像2cを構成する矢印7a〜7cを、矢印7a,矢印7b,矢印7cの順に発光させることを「補助ウインカー1cを点灯させる」と呼び、この動作を繰り返すことを「補助ウインカー1cを点滅させる」と呼ぶことにする。点灯と点滅の考え方は、先に説明した実施例1に係る補助ウインカー1aの表像2aを構成するエリア3a〜3cの発光と同様である。
このよう、実施例2に係る補助ウインカー1cによれば、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両及び通行人は、最初に矢印7aの発光を目にすることで矢印7aが方向転換前の車両の向きを示していることを認識し、次いで、矢印7bと7cの発光を目にすることで車両が方向転換しようとしていることを理解し、最終的に矢印7cの発光を目にすることで方向転換後の車両の向きを認識することができるのである。
このように実施例2に係る補助ウインカー1cにおいては、表像2cが第1の軸4と第2の軸5とを同時に有することで、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に直感的に、車両が方向転換しようとしていること、及び、方向転換後の車両の向きに関する情報を同時に伝えることができるという効果を有する。
この結果、実施例2に係る補助ウインカー1cによれば、実施例1に係る補助ウインカー1aの場合と同様に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人が、安全性に関する判断を下すための時間を短くすることができる。よって、路上における車両等の流れをスムースにすることができるという効果を有する。
【0045】
ここで、実施例2に係る補助ウインカー1cの変形例について図4を参照しながら説明する。
図4は本発明の変形例2に係る補助ウインカーの平面図である。なお、図1乃至3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図4に示すように、変形例2に係る補助ウインカー1dは、上記実施例2に係る補助ウインカー1cの矢印7aに代えて、第1の軸4上に矢印7b,7cと同じ位置を始端とする矩形状のエリア9を備え、その長手方向両端のそれぞれに矢じり6となるエリア10a,10bを有するものである。
このような変形例2に係る補助ウインカー1dにおいては、上述の変形例2に係る補助ウインカー1cの矢印7aの代わりに、エリア9及びエリア10aを発光させることで、上述の変形例2に係る補助ウインカー1cと同じ作用・効果が発揮される。
また、変形例2に係る補助ウインカー1dにおけるエリア9及びエリア10aのみを発光させたり、エリア9の右端部からエリア10aの先端に向って徐々に発光させることで、車両の側方にいる他の車両や通行人に対して、例えば、一旦停車した車両が右折や左折をすることなく直進しようとしているという情報や、例えば、車両が制動操作中であるという情報を伝えることができる。
さらに、エリア9及びエリア10bのみを発光させたり、エリア9の右端部からエリア10aの先端に向って徐々に発光させることで、車両の側方にいる他の車両や通行人に対して、車両が後退しようとしているという情報を伝えることができる。
この結果、変形例2に係る補助ウインカー1dは、変形例1に係る補助ウインカー1bと同じ効果を有する。
【0046】
なお、上述の実施例1,2に係る補助ウインカーにおいては、発光時の色を特に規定していないが、車体に設けられるウインカーと異なる色に発光するよう構成してもよい。(特に請求項3に対応。)見る者が上述の実施例1,2に係る補助ウインカーの点灯又は点滅をウインカーの点滅と誤認するのを防止することができる。
この結果、実施例1,2に係る補助ウインカーが交通事故の原因となるのを確実に防止することができる。
【実施例3】
【0047】
本発明の実施例3に係る車両について図5乃至図9を参照しながら説明する。(特に請求項5乃至請求項8に対応。)
図5は本発明の実施例3に係る車両の斜視図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例3に係る車両11aは、車体12の両側面のドアに補助ウインカー13を備えたものである。
なお、補助ウインカー13は、先に述べた実施例1又は2、変形例1又は2に係る補助ウインカーのいずれでもよく、図5では、その一例として車体12のドアに変形例1に係る補助ウインカー1bを備えた場合を示している。
このような実施例3に係る車両11aにおいては、車体12に設けられる左又は右側のウインカーが点滅すると、これに伴ってウインカーが点滅しない側の補助ウインカー13が点灯又は点滅する。
この結果、実施例3に係る車両11aは、先に述べた実施例1又は2、変形例1又は2に係る補助ウインカーと同じ作用・効果を発揮する。
【0048】
図6は本発明の変形例3に係る車両の斜視図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図6に示すように、補助ウインカー13は車体12のドア以外の側面に設けてもよい。
この場合、変形例3に係る車両11bは実施例3に係る車両11aと同じ作用・効果を有する。
また、特に図示しないが、補助ウインカー13をバックミラー33のミラー部を保持するカバー部35に設けても良い。
この場合、既存の車両への補助ウインカー13の取付が部分的な補修で済むため容易かつ安価にすることができ、補助ウインカー13の普及を促進することができるという効果を有する。
なお、このバックミラー33に設けられる補助ウインカー13も先に説明した実施例1とその変形例及び実施例2とその変形例に係る補助ウインカー1a〜1dのいずれであってもよい。
【0049】
なお、実施例3及び変形例3に係る車両において、補助ウインカー13は車体12のドア又は側面に埋設されてもよい。
すなわち、車体12の側面又はドアの表面に補助ウインカー13と符合する形状の凹部を形成しておき、この凹部内に補助ウインカー13を、補助ウインカー13の表面が車体12の側面又はドアの表面よりも低くなる、あるいは略同一面を形成するように収容してもよい。
この場合、車両11a又は車両11bに設けられる補助ウインカー13が発光又は点滅した際に、補助ウインカー13から発せられる光が車体12の前方又は後方に拡散するのを防止することができる。
従って、車体12の前後方向からは補助ウインカー13が発光を認識することができないので、車体12の前後方向にいる他の車両や通行人が補助ウインカー13の発光をウインカーの発光と誤認するのを防止することができるという効果を有する。
【0050】
図7は本発明の変形例4に係る車両の斜視図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
ウインカーの点滅と、補助ウインカー13の点灯又は点滅との誤認を防止する目的で、補助ウインカー13を車体12のドアや側面に埋設する代わりに、図7に示す車両11cように、補助ウインカー13の両脇に突状のカバー14,14を設けても良い。
この場合も、補助ウインカー13から発せられた光が車体12の前方又は後方に拡散するのを防止することができる。
あるいは、特に図示しないが、補助ウインカー13の表面を、車体12の前後方向への光の拡散を抑制するような偏光フィルターで被覆してもよい。
この場合も、補助ウインカー13を車体12の側面やドアに埋設したり、補助ウインカー13の表面に偏光フィルターを設けた場合と同様の効果を有する。
【実施例4】
【0051】
これまで、補助ウインカー13を車体12のドア又は側面に設置する場合を例に挙げて説明してきたが、補助ウインカー13は車体12に別体として設置してもよい。
図8は本発明の実施例4に係る車両の斜視図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図8に示すように、実施例4に係る車両11dは、筐体16の両側面にウインカーと連動して点灯又は点滅する表像17を形成した補助ウインカー15を、車体12のウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置、すなわち、車体12のボンネット上、屋根上、トランク上のいずれかに設置したものである。また、筐体16の両側面は、車両11dの側面に平行に形成されている。
なお、補助ウインカー15に形成する表像17は、先に述べた実施例1又は2、変形例1又は2に係る表像のいずれでもよく、図8では、その一例として筐体16の両側面に変形例1に係る補助ウインカー1bの表像2bを備えた場合を示した。
さらに、補助ウインカー15は図8に示される形状に限定される必要はなく、車体12の窓枠部に掛着できるよう構成されてもよい。
図8に示すように、実施例4に係る車両11dにおいては、表像17を備えた補助ウインカー15を車体12と別体に構成することで、既存の車体12に補助ウインカー15を後付けすることができるという効果を有する。
【0052】
図9は本発明の実施例4に係る車両の平面図である。なお、図1乃至図8に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例4に係る補助ウインカー15は、図9に示すように、その平面形状が車体12の前方に向って狭まる形状となるよう構成してもよい。
この場合、補助ウインカー15の車体12の斜め後方Pからの視認性を高めることができるという効果を有する。
【0053】
最後に本発明に係る補助ウインカーとウインカーの連動の様子を、図10及び11を参照しながら詳細に説明する。
なお、ここでは本発明に係る補助ウインカーとして、変形例1及び変形例2に係る補助ウインカーを用いた場合を例に挙げて説明する。
図10は車両における補助ウインカー等の位置関係を示す平面図である。また、図11は変形例1及び変形例2に係る補助ウインカーとウインカー等の作動の状態をまとめた表である。なお、図1乃至図9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図10に示すように、車両11は、前方Aに右前ウインカー18aと左前ウインカー18bを、右側Cに右ウインカー19aと右補助ウインカー21aを、左側Dに左ウインカー19bと左補助ウインカー21bを、後方Bには右後ウインカー20a、左後ウインカー20bに加えて制動ランプ22,22及び後退ランプ23を備えている。
なお、図10に示す車両11は、ブレーキペダルを踏込んだ際に、右補助ウインカー21a,左補助ウインカー21bにおいて前進を示す矢印形の表像が発光するように設定されているとする。
【0054】
(1)車両11に設けられる右補助ウインカー21aと左補助ウインカー21bが変形例1に係る補助ウインカー1bである場合
図11に示すように、車両11が右折しようとして、右前ウインカー18aと右ウインカー19aと右後ウインカー20aを点滅させると、この動作に連動して、左補助ウインカー21bが点灯又は点滅するので、すなわち、図2に示すエリア3a〜3cが順次発光するので、車両11の左側Dにいる他の車両及び通行人に対して車両11が右折しようとしていることを伝えることができる。
また、車両11が左折しようとして、左前ウインカー18bと左ウインカー19bと左後ウインカー20bを点滅させると、この動作に連動して、右補助ウインカー21aが点灯又は点滅するので、すなわち、図2に示すエリア3a〜3cが順次発光するので、車両11の左側Dにいる他の車両及び通行人に対して車両11が右折しようとしていることを伝えることができる。
さらに、車両11が一旦停止してから前進する場合や、車両11がブレーキを作動させながら前進する場合は、右補助ウインカー21a及び左補助ウインカー21bの直進を示す矢印が点灯又は点滅することで、車両11の両側にいる他の車両や通行人に対して、車両11が制動操作中であることを伝えることができる。
そして、車両11が後退する場合、車両11のギアを「後退」に移動させた際に、後退ランプ23が点灯すると同時に右補助ウインカー21aと左補助ウインカー21bの後退を示す矢印が点灯又は点滅することで、車両11の両側にいる他の車両や通行人に対して、車両11が後退しようとしている又は後退していることを伝えることができる。
【0055】
(2)車両11に設けられる右補助ウインカー21aと左補助ウインカー21bが変形例2係る補助ウインカー1dである場合
図11に示すように、車両11が右折しようとして、右前ウインカー18aと右ウインカー19aと右後ウインカー20aを点滅させると、この動作に連動して、左補助ウインカー21bが点灯又は点滅するので、すなわち、図4に示すエリア9とエリア10aからなる矢印と、矢印7b及び矢印7cが順次発光するので、車両11の左側Dにいる他の車両及び通行人に対して車両11が右折しようとしていることを伝えることができる。
また、車両11が左折しようとして、左前ウインカー18bと左ウインカー19bと左後ウインカー20bを点滅させると、この動作に連動して、右補助ウインカー21aが点灯又は点滅するので、すなわち、図4に示す表像2dを鏡像化した表像のエリア9とエリア10aからなる矢印と、矢印7b及び矢印7cが順次発光するので、車両11の右側Cにいる他の車両及び通行人に対して車両11が左折しようとしていることを伝えることができる。
さらに、車両11が一旦停止してから前進する場合や、車両11がブレーキを作動させながら前進する場合は、右補助ウインカー21a及び左補助ウインカー21bの直進を示す矢印が点灯又は点滅することで、車両11の両側にいる他の車両や通行人に対して、車両11が制動操作中であることを伝えることができる。
そして、車両11が後退する場合、車両11のギアを「後退」に移動させた際に、後退ランプ23が点灯すると同時に右補助ウインカー21aと左補助ウインカー21bの後退を示す矢印が点灯又は点滅することで、車両11の両側にいる他の車両や通行人に対して、車両11が後退しようとしている又は後退していることを伝えることができる。
【0056】
従って、車両11が右補助ウインカー21a及び左補助ウインカー21bを備えることで、車両11の側方にいる車両や通行人に対して、通行時の安全性を確認するのに有用な情報を提供することができる。
この結果、路上における交通事故の発生を防止しながら、車両や通行人の流れをスムースにすることができるという効果を有する。
【0057】
ここで、実施例1に係る補助ウインカー1aの他の変形例について図12,13を参照しながら詳細に説明する。(特に請求項1に対応。)
図12は実施例1に係る補助ウインカーの変形例3を示す平面図である。
実施例1に係る補助ウインカーの表像2aは、図12に示すように、傾斜した直線状の軸エリア25aの上端に矢じり6が、その下端に円弧を描くように湾曲部26が形成された表像24aでもよい。
そして、このような変形例3に係る表像24aは、軸エリア25aの中心軸上に形成される方向軸E1と、湾曲部26の始点と終点を結ぶように形成されるF1により形成されると考えることができる。
さらに、上述の方向軸E1を紙面上においてx方向成分とy方向成分に分解した際にE1y>E1xが成り立ち、かつ、方向軸F1を紙面上においてx方向成分とy方向成分に分解した際にF1x>F1yが成り立つ場合、車両11の側面側にいる他の車両や歩行者に対して車両11が方向転換しようとしているという情報を確実に伝達ができるという効果を有する。
この結果、表像24aを備えた車両11は、実施例1に係る補助ウインカー1aを備えた車両11と同様の作用効果を有する。
なお、上述の方向軸E1及びF1の成分は絶対値で示されており、これは図13を参照しながら説明する場合も同様である。
【0058】
図13は実施例1に係る補助ウインカーの変形例4を示す平面図である。
実施例1に係る表像2aは、図13に示すように、傾斜した直線状の軸エリア25bの上端に矢じり6が、下端に角部を備えて折れ曲がる屈曲部27が形成された表像24bでもよい。
この場合も、表像24aが軸エリア25bの中心軸上に形成される方向軸E2と、屈曲部27の始点と終点を結ぶように形成されるF2により形成されると考えると、方向軸E2のx方向成分とy方向成分がE2y>E2xを満たし、かつ、方向軸F2のx方向成分とy方向成分がF2x>F2yを満たす場合、やはり、車両11の側面側にいる他の車両や歩行者に対して車両11が方向転換しようとしているという情報を確実に伝達ができるという効果を有する。
従って、図13に示す表像24bを用いた場合も、実施例1に係る補助ウインカー1aを備えた車両11と同様の作用・効果を有する。
【0059】
つまり、実施例1に係る補助ウインカー1aにおける表像2aを、例えば図12,13に示すように、傾斜した直線と湾曲部26又は屈曲部27により構成する場合、直線をなす部分から方向転換後の車両11の向きを示す方向軸(E1,E2)が形成され、湾曲部26又は屈曲部27から車両11の方向転換前の向きを示す方向軸(F1,F2)が形成されるとすると、車両11の方向転換前の向きを示す方向軸のx方向成分がy方向成分よりも大きく、かつ、車両11の方向転換後の向きを示す方向軸のy方向成分がx方向成分よりも大きくなるよう構成されていれば、車両11の側面側にいる他の車両や歩行者に対して車両11が方向転換しようとしているという情報を確実に伝達することができると言える。
従って、実施例1に記載の発明(特に請求項1)における、「表像が方向転換前の車両の向きを示す第1の軸を有する」とは、「車両11の現在の向きを示す方向軸(F1,F2)のx方向成分がy方向成分よりも大きい場合」を包含し、「表像が方向転換後の前記車両の向きを示す第2の軸を有する」とは、「車両11の方向転換後の向きを示す方向軸(E1,E2)のy方向成分がx方向成分よりも大きい場合」を包含すると言える。
すなわち、図12,13に示す表像24a,24bにおいて、方向転換前の車両11の向きを示す第1の軸は方向軸E1,E2のy方向成分であり、方向転換後の車両11の向きを示す第2の軸は方向軸F1,F2のx方向成分であると言える。
言い換えると、実施例1に係る表像1aにおいて、第1の軸4の傾斜は、水平線に対して0〜45°の範囲内であり、第2の軸5の傾斜は水平線に対して45〜90°の範囲内であり、かつ、第1の軸4の傾斜と第2の軸5の傾斜が一致しないよう構成された場合に、車両11の側面側にいる他の車両や歩行者に対して車両11が方向転換しようとしているという情報を確実に伝達することができる。
つまり、好ましくは、実施例1かかる補助ウインカーの表像は、L字形(略L字形の概念を含む。)又はJ字形(略J字形の概念を含む。)、あるいは、これらの鏡像と同一形状であることが望ましい。
【0060】
なお、本実施の形態においては、実施例1,2、変形例1〜4にも示すように、補助ウインカーを表像のみで構成しているが、表像とこの表像と別体に形成される制動ランプとを組み合せたものを補助ウインカーとしてもよい。(特に請求項4に対応。)
この場合、表像の周囲又は近傍に制動ランプを備えることで、車両11の側面側にいる他の車両又は歩行者に対して、車両11が制動操作中であるという情報を知らせることができる。また、車両11の制動操作中に補助ウインカーの制動ランプが発光することで、車体の側面への注目が集まり易くなり、表像の視認性を高めることができる。本願において、周囲に制動ランプを備えるとは、表像を囲むように制動ランプが設けられることを意味し、近傍に制動ランプを備えるとは、表像を囲むことなく表像の寸法と略同一寸法の距離以内に制動ランプが設けられることを意味する。
この結果、車両11の側面側にいる他の車両や歩行者が通行時に安全を確認するのに必要な時間を短くすることができるので、路上における通行をスムースにすることができるという効果を有する。
なお、上述の実施例1,2、変形例1〜4に係るそれぞれの表像において、鉛直上向きに形成される、あるいは、鉛直斜め上向きに形成される軸エリア及び矢じり部分の幅を太くすることで、走行中の車両11における補助ウインカー13や補助ウインカー15の視認性を高めることができるという効果が期待できる。
【実施例5】
【0061】
本発明の実施例5に係る補助ウインカーについて図14を参照しながら説明する。(特に、請求項9、請求項11乃至請求項13に対応。)
図14(a)は本発明の実施例5に係る補助ウインカーの部分概念図であり、(b)は図14(a)中の符号Eで示す方向からの矢視図である。なお、図1乃至図13に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図14(a),(b)に示すように、実施例4に係る補助ウインカー28aは、図示しない車両11において前方側の側面から視認できる位置に、例えば、LED等の点状光源を複数配置してなる発光体を平面状に配置して矢印形の表像29aを形成したものであり、ウインカーが点滅しない側において、表像29a全体を図示しない発光手段により、ウインカーに連動させて点灯又は点滅するよう構成したものである。
なお、表像29aを発光させるために必ずしも点状光源を用いる必要はなく、表像29aを半透明の板材で構成し、その背後から単数又は複数の光源で表像29aを照らし出したり、表像29a自体を発光させるような従来公知の技術を用いてもよい。
また、ここでは、実施例5に係る補助ウインカー28aの表像29aを単に連続的に発光させることを「補助ウインカー1aを点灯させる」と呼び、断続的に発光、すなわち点灯と消灯を繰り返すことを「補助ウインカー1aを点滅させる」と呼ぶことにする。現行の乗用車などのウインカーは、「点滅」することになる。
そして、このような実施例5に係る補助ウインカー1aを車両の前方側の側面から視認できる位置に取り付けることで、より具体的には、バックミラー33のミラー部34を保持するカバー部35に取り付けることで、車両が進路変更をする際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して、車両が方向転換しようとしていること及び、車両の方向転換後の向きを同時に知らせることができる。
【0062】
さらに、実施例5に係る表像29aは、車体12の前方側面側から見た場合に、エリア30a〜30cにより形成され、進路変更後の車両の向きを示す第2の軸38の先端に車両の進行方向を示す矢じり6が形成されるものである。
そして、図14(a)に示すように実施例5に係る表像29aが進路変更後の車両の向きを示す第2の軸38を有することで、ウインカーが点滅しない側で、かつ、車両11の前方側面側にいる他の車両や通行人に対して、進路変更後の車両の向きを正確に伝えることができるという効果を有する。
つまり、ウインカーが点滅しない側(車体12の前方側面側)にいる他の車両や通行人にとって、第2の軸38が進路変更後の車両の向きを示しているということは明白になる。
従って、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人は、実施例5に係る表像28aが点灯又は点滅するのを見ることで、直感的に車両が方向転換しようとしているということ、および、方向転換後の車両の向きとを同時に理解することができるのである。
そして、このような情報を得ることで、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人が、路上において次の行動に移ろうとする際に、安全性に関する判断を下すのに必要な時間を短くすることができるという効果を有する。
この結果、路上における車両等の流れをスムースにすることができる。
【0063】
また、特に実施例5に係る補助ウインカー28aを、車体12の側面に設けられるバックミラー33のミラー部34の反対側に形成されるカバー部35に設けることで、特に車体12の前方側面側にいる他の車両や通行人からの視認性を高めることができる。また、車体12への補助ウインカー28aの取付作業を軽減することができるという効果を有する。
この場合、図14(b)に示すように、バックミラー33のカバー部35の断面が三角形状を成すように形成することで、ミラー部34の機能を損なわず、かつ、車体12のデザイン性を損なわず、かつ、車体12の前方側面側(図14(b)中の符号Fで示す方向)からの視認性を特に高めることができる。このとき、表像29aを形成するバックミラー33のカバー部35の表面は必ずしも平面である必要はなく、緩やかに湾曲した形状であってもよい。
そして、例えば、実施例5に係る補助ウインカー28aをバックミラー33に備えた車両11が、T字路や十字路で右折待ちあるいは左折待ちをしている場合、この車両11が停車している車道に交わる車道を通行している他の車両又は通行人は、ウインカーが点滅していない側にいたとしても、車両11がどの方向に方向転換しようとしているのかという情報を補助ウインカー28aから得ることができるのである。
【0064】
加えて、補助ウインカー28aをバックミラー33に設けた場合、バックミラー33の交換作業のみで既存の車両11に補助ウインカー28aを取り付けることができる。
この場合、実施例5に係る補助ウインカー28aの取付作業が簡易かつ安価になり、補助ウインカー28aの普及を促進することができるという効果を有する。
また、補助ウインカー28aが点灯又は点滅する際の色を、ウインカーの色と異なる色にすることで、補助ウインカー28aの発光がウインカーの発光と誤認されるのを防止することができる。
さらに、実施例5に係る補助ウインカー28aにおいては、表像29aの近くに制動ランプ32を設けても良い。
この場合、車両11の前方側面側にいる他の車両や通行人に対して車両11が制動動作中であるという情報も併せて提供できる上、制動ランプ32を設けることで補助ウインカー28aの視認性を高めることができるという効果も有する。
また、実施例5に係る補助ウインカー28aにおいては、第2の軸38を複数に分割された、例えばエリア30a〜30cにより構成してもよい。
この場合、表像29aをエリア30cから矢じり6に向って順次点灯させながら表像29aを発光又は点灯させることで、実施例5に係る補助ウインカー28aの視認性を一層高めることができるという効果を有する。
なお、図14(a)においては、第2の軸38が3つのエリア30a〜30cに分割された場合を例に挙げて説明しているが、第2の軸38は2つのエリアから構成されても良いし、3以上に細かく分割されたエリアにより構成されてもよい。
また、実施例5に記載される第2の軸38は、上述の実施例1又は実施例2に記載の補助ウインカーにおける記載の第2の軸5と同じ作用・効果を有する。
【実施例6】
【0065】
本発明の実施例6に係る補助ウインカーについて図15を参照しながら説明する。(特に、請求項10乃至請求項13に対応。)
実施例6に係る補助ウインカー28bは、実施例5に係る補助ウインカー28aと設置位置も含めてほぼ同じ構成を有するものであるが、表像の構成が異なっている。ここでは、実施例5に係る補助ウインカー28aとの相違点を主に説明する。
図15は本発明の実施例6に係る補助ウインカーの部分概念図である。なお、図1乃至図14に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例6に係る補助ウインカー28bは、上記図14(a)に示す実施例5に係る補助ウインカー28aと同じ構成に加えて、エリア31a,31bにより形成される第2の軸38の矢じり6が形成されない側の端部に、直接又は間接的に、エリア31cにより形成され方向転換前の車両11の向きを示す第1の軸39が設けられるものである。
実施例6に係る補助ウインカー28bは、主として車両11の前方側面側にいる他の車両や通行人に対して情報を発信するものであり、この方向にいる他の車両や通行人に表像29bが理解され易いよう、第1の軸39は車両11の側面に添うように形成されている。すなわち、第1の軸39は車両11の側面と略平行で、かつ、車両11の前方側面側から見た場合に鉛直上下方向となるように形成されている。
【0066】
このように、表像29bがエリア31cからなる第1の軸39を備えることで、車両11の前方側面側にいる他の車両や通行人に対して、車両11が方向転換しようとしているという情報を一層正確に伝えることができるという効果を有する。
この結果、路上における車両や通行人の往来をスムースにすると同時に、交通事故等の発生を防止することができる。
なお、図15においては第1の軸39がエリア31cのみで構成される場合を例に挙げて説明しているが、エリア31cは複数に分割されていてもよい。
このように、第2の軸38や第1の軸39が複数に分割されたエリア31a〜31cにより構成される場合、第1の軸39を形成するエリア31cから矢じり6に向って順次点灯させてもよい。この場合、表像29bの視認性を高めることができるという効果を有する。
また、実施例6に係る補助ウインカー28bは、図示しない車両11のウインカーと異なる色に発光させても良いし、表像29bの近傍に制動ランプ32を設けてもよい。この場合、実施例5に係る補助ウインカー28aの場合と同様の作用・効果を有する。
なお、実施例6に係る補助ウインカー28bにおける、第1の軸39や、第2の軸38はいずれも、実施例1又は実施例2に係る補助ウインカーにおける第1の軸4や第2の軸5と同じ作用・効果を有する。
【実施例7】
【0067】
図16は本発明の実施例7に係る車両の斜視図である。なお、図1乃至図15に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図16に示すように、実施例7に係る車両37は、車体12の側面に設けられるバックミラー33の図示しないミラー部34を保持するカバー部35に補助ウインカー40を備えたものである。
なお、図16においては、補助ウインカー40が実施例6に係る補助ウインカー28bである場合を例に挙げて説明しているが、補助ウインカー40は実施例5に係る補助ウインカー28aであってもよい。
実施例7に係る車両37は、上述の実施例5,6に記載の補助ウインカーと同じ作用・効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明は車両の側方にいる車両や通行人に対して、通行時の安全性を確認するのに有用な情報を提供することができる補助ウインカー及びそれを備えた車両であり、自動車や輸送設備に関する分野において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例1に係る補助ウインカーの平面図である。
【図2】本発明の変形例1に係る補助ウインカーの平面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る補助ウインカーの平面図である。
【図4】本発明の変形例2に係る補助ウインカーの平面図である。
【図5】本発明の実施例3に係る車両の斜視図である。
【図6】本発明の変形例3に係る車両の斜視図である。
【図7】本発明の変形例4に係る車両の斜視図である。
【図8】本発明の実施例4に係る車両の斜視図である。
【図9】本発明の実施例4に係る車両の平面図である。
【図10】車両における補助ウインカー等の位置関係を示す平面図である。
【図11】変形例1及び変形例2に係る補助ウインカーとウインカー等の作動の状態をまとめた表である。
【図12】本発明の変形例3に係る補助ウインカーの平面図である。
【図13】本発明の変形例4に係る補助ウインカーの平面図である。
【図14】(a)は本発明の実施例5に係る補助ウインカーの部分概念図であり、(b)図14(a)中の符号Eで示す方向からの矢視図である。
【図15】本発明の実施例6に係る補助ウインカーの部分概念図である。
【図16】本発明の実施例7に係る車両の斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
1a〜1d…補助ウインカー 2a〜2d…表像(発光部) 3a〜3f…エリア 4…第1の軸 5…第2の軸 6…矢じり 7a〜7c…矢印 8a〜8c…軸エリア 9…エリア 10a,10b…エリア 11,11a〜11d…車両 12…車体 13…補助ウインカー 14…カバー 15…補助ウインカー 16…筐体 17…表像 18a…右前ウインカー 18b…左前ウインカー 19a…右ウインカー 19b…左ウインカー 20a…右後ウインカー 20b…左後ウインカー 21a…右補助ウインカー 21b…左補助ウインカー 22…制動ランプ 23…後退ランプ 24a,24b…表像 25a,25b…軸エリア 26…湾曲部 27…屈曲部 28a,28b…補助ウインカー 29a,29b…表像 30a〜30c…エリア 31a〜31c…エリア 32…制動ランプ 33…バックミラー 34…ミラー部 35…カバー部 36…取付軸 37…車両 38…第2の軸 39…第1の軸 40…補助ウインカー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して前記車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、
この補助ウインカーは、矢印形の表像と、前記表像を発光させるための発光手段とを有し、
前記表像は、方向転換前の前記車両の向きを示す第1の軸と、この第1の軸に直接又は間接的に連続して形成され方向転換後の前記車両の向きを示す第2の軸と、前記第2の軸の先端に形成される矢じりとを備え、
前記表像は、前記車両の前記ウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に取り付けられることを特徴とする補助ウインカー。
【請求項2】
車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して前記車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、
この補助ウインカーは、複数の矢印形の表像と、前記表像を発光させるための発光手段とを有し、
前記表像は、方向転換前の前記車両の向きを示す軸を具備する第1の矢印と、方向転換後の前記車両の向きを示す軸を具備する第2の矢印とを備え、
前記表像は、前記車両の前記ウインカーが点滅しない側面側から視認できる位置に取り付けられ、
前記第2の矢印は、前記第1の矢印が発光した後に発光することを特徴とする補助ウインカー。
【請求項3】
前記補助ウインカーは、前記ウインカーとは異なる色に発光することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補助ウインカー。
【請求項4】
前記表像の周囲又は近傍に制動ランプを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の補助ウインカー。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補助ウインカーを前記車体に備えたことを特徴とする車両。
【請求項6】
前記補助ウインカーは前記車体の側面に埋設されることを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記補助ウインカーから発せられる光が前記車体の前方及び/又は後方に拡散するのを防止するためのフィルター又はカバーを備えることを特徴とする請求項5記載の車両。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体の側面に設けられるバックミラーに備えたことを特徴とする車両。
【請求項9】
車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して前記車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、
この補助ウインカーは、矢印形の表像と、前記表像を発光させるための発光手段とを有し、
前記表像は、方向転換後の前記車両の向きを示す軸と、前記軸の先端に形成される矢じりとを備え、
前記表像は、前記車両において前記ウインカーが点滅しない側面の前方側から視認できる位置に取り付けられることを特徴とする補助ウインカー。
【請求項10】
車体に取り付けられ、車両が方向転換する際に、ウインカーが点滅しない側にいる他の車両や通行人に対して前記車両の方向転換後の向きを知らせるための補助ウインカーであって、
この補助ウインカーは、矢印形の表像と、前記表像を発光させるための発光手段とを有し、
前記表像は、方向転換前の前記車両の向きを示す第1の軸と、この第1の軸に直接又は間接的に連続して形成され方向転換後の前記車両の向きを示す第2の軸と、前記第2の軸の先端に形成される矢じりとを備え、
前記表像は、前記車両において前記ウインカーが点滅しない側面の前方側から視認できる位置に取り付けられることを特徴とする補助ウインカー。
【請求項11】
前記補助ウインカーは、前記ウインカーとは異なる色に発光することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の補助ウインカー。
【請求項12】
前記表像の周囲又は近傍に制動ランプを備えることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の補助ウインカー。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の補助ウインカーを車体の側面に設けられるバックミラーに備えたことを特徴とする車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−13080(P2010−13080A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190331(P2008−190331)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(596028446)防長企業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】