説明

製品、特に化粧製品を包装及び適用するための装置

【課題】塗布要素が容器の内側から絶縁された環境において周囲装置内に収納されることを容易に可能とする、包装及び塗布装置を提供する。
【解決手段】当該包装及び塗布装置は、製品を内蔵している容器と、容器の内側に永続的又は選択的に連通する通路を介して製品が供給されるように構成された塗布要素であって、処理表面に接触するように位置付けられるべく意図された塗布表面を有する塗布要素とを備えて成る。該塗布要素は可動部材によって担持されており、該可動部材は、容器の上方に存在する凹部の外側に塗布要素が存在する第1の位置から、塗布要素が凹部内に包含されている第2の位置へ移動する。第2の位置で可動部材は、凹部を封鎖している部分を有し、可動部材は、さらに、その第2の位置に存在する場合には以下の機能、すなわち、調量要素の作動の防止、及び/又は塗布要素への製品送出し通路の封鎖を遂行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品、具体的に、スキンケア製品を含む化粧製品を包装及び塗布するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、さらに具体的には、製品を塗布するための塗布要素及び製品を内蔵するための容器を備えて成っているタイプの新しい包装及び塗布装置に関する。
【0003】
このような装置は、一般に、塗布要素のための凹部を有しており、該凹部は保管位置では容器の内側に連通している。
【0004】
特許文献1には、例えば、前記タイプの装置が記載されており、この場合、塗布要素は容器の閉鎖要素によって担持され、該閉鎖要素は凹部を有しており、該凹部は、容器が当該容器にねじ留めされている閉鎖要素によって閉鎖される場合には、塗布要素を格納し得るようになっている。凹部は容器の内側に永続的に連通している。
【0005】
特許文献2にも前記タイプの装置が記載されており、塗布要素はこの事例では支持要素と一体的であり、該支持要素は、塗布要素が凹部内に格納されている閉鎖位置と使用位置との間で容器に対して旋回するようになっている。この場合にも、閉鎖位置では、塗布要素を収容する凹部が容器の内側に永続的に連通している。
【0006】
さらに、特許文献3及び特許文献4には製品吹付け装置が記載されており、該装置は使用位置と、製品が吹き付けられ得ない保管位置とを占め得るようになっている。使用位置では、当該装置によって製品がノズルにより吹き付けられ得るようになっており、該ノズルは、製品が吹き付けられる表面に接触するように位置付けられるべく構成されているのではなく、当該装置は、処理すべき表面から間隔を保った状態に保たれる。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1020135号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1193188号明細書
【特許文献3】米国特許第5,085,347号明細書
【特許文献4】米国特許第6,000,633号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
塗布要素が容器の内側から絶縁された環境に収納されることを容易に可能とする、包装及び塗布装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、製品を包装及び塗布するための装置であって、
製品を内蔵する容器と、
容器の内側に永続的又は選択的に連通する通路を介して製品が供給されるように構成された塗布要素であって、処理すべき表面に接触するように位置付けられるべく意図された塗布表面を有している塗布要素とを備えて成っており、
該塗布要素は可動部材によって担持されており、該可動部材は、容器の上方に存在する凹部の外側に塗布要素が存在する第1の位置から、塗布要素が凹部内に包含されている第2の位置へ移動するように構成されており、
該第2の位置で可動部材は、凹部を封鎖している部分を有しており、可動部材は、さらに、当該可動部材がその第2の位置に存在する場合には、以下の機能、すなわち、
容器に嵌合させられた調量要素の作動の防止、及び/又は
塗布要素への製品送出し通路の封鎖を遂行するようになっている、製品を包装及び塗布するための装置を提供することによって、前記必要に応じるものである。
【0009】
したがって、塗布要素は、当該塗布要素を容器の内側から絶縁された環境において外側から保護するように、容易に収納され得る。
【0010】
可動部材は第1の位置と第2の位置との間で回動可能に可動であってよく、第1の位置と第2の位置との間で約180°にわたって変位させられ得るようになっている。
【0011】
第1の実施態様では、可動部材は、部分的に製品送出し通路を画成している管状壁を中心として回動可能に可動であってよい。可動部材は、管状壁に組み付けられた導管部分を有していてよく、該導管部分は、可動部材が第2の位置に存在する場合には、管状壁に形成された孔を封鎖し得るようになっていて、ひいては通路を封鎖し得るようになっている。導管部分は、調量アパーチャ(dispensing aperture)を介して現われる導管によって延在させられていてよく、該導管は、可動部材が第1の位置に存在する場合には、管状壁における孔に向かって位置付けられ得るようになっている。
【0012】
第2の実施態様では、可動部材は調量要素の作動要素を中心として回動可能に可動であってよく、可動部材は、さらに、下向きに作動要素の軸線に沿って運動するよう構成されており、これにより、当該可動部材が第1の位置に存在する場合には、調量要素が作動させられるようになっている。本実施態様では、可動部材は、当該可動部材が第2の位置に存在する場合に調量要素の支持部に当接するよう構成された壁を有していてよい。
【0013】
可動部材は、可動部材が把持されて旋回させられ得るようにすることを可能にするハンドルを有していてよく、該ハンドルは、さらに、第1及び第2の位置で停止部に当接し得るようになっている。
【0014】
塗布要素は、当該塗布要素が凹部内に包含されている場合には、周囲空気に連通し得るようになっている。凹部は少なくとも1つの通路を有していてよく、該通路は、凹部が閉鎖されている状態で塗布要素が周囲空気に連通することを可能にするものである。したがって、塗布要素は使用してから再び使用するまでの間に乾燥し得る。このことは微生物の成長のリスクを低減し、例えば、特に塗布要素が多孔質材料を有している場合には、製品内の防腐剤の量又は塗布要素内に組み込まれた殺菌剤の量を減少させることを可能にし得る。
【0015】
塗布要素は圧縮可能であってよい。当該塗布要素はフォーム又はエラストマを有していてよい。
【0016】
塗布要素は、ドーム状の塗布表面を有していてよい。
【0017】
製品のための通路は調量アパーチャを介して塗布表面の外側に現われていてよいか、又は、塗布要素が多孔質である場合には当該塗布要素を含浸させるように、塗布要素の内側に現われていてよい。
【0018】
塗布要素は多孔質材料から製造されていてよい。
【0019】
塗布要素は、その塗布表面とは反対の側の面によって可動部材に接着されていてよい。あるいは、塗布要素は取外し可能に可動部材に組み付けられていてよく、これにより、当該塗布要素は、処理すべき表面に適用される前に取り外され得るようになっている。塗布要素は、特に、調量アパーチャを介して現われている導管の周囲への摩擦ばめ(friction fit)によって可動部材に取り付けられていてよい。
【0020】
容器は可撓性の(若しくは柔軟性のある)壁によって画成されていてよく、該壁をユーザが、製品を調量するために押すことができるようになっている。1つの変形実施例として、作動要素が組み込まれているポンプの形状の調量要素は、可動部材が第1の位置に存在する場合には、製品の量を作動コマンドに応じて調量し得るようになっている。
【0021】
製品は化粧製品、例えばファンデーション又は保湿製品であってよい。当該製品は流体、特に液体又は粉体であってよい。
【0022】
本発明は、非限定的な実施態様の以下の詳細な説明から、かつ付属の図面の参照によって、より充分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1〜図6に示された包装及び塗布装置1は、容器10と、可動部材30によって担持された塗布要素20とを備えて成っている。
【0024】
図4からさらに詳しく理解されるように、容器10は軸線X上に長く延在する管の形状を有しており、その第1の端部11はクリンプ圧着されていて、該端部とは反対の側の端部は軸線Xの首部12で終端している。容器は変形可能な壁を有しているのが好ましい。
【0025】
容器10は化粧製品、例えばファンデーション又は保湿製品を内蔵している。当該製品は流体、例えば液体である。
【0026】
管状壁41を担持する支持部40は、漏出密な(すなわち漏れに対して密な)形式で首部12の内側に支承されている組付けスカート部42によって、首部12の開口内に組み付けられている。組付けスカート部42の上方エッジは面取りされていて、軸線Xに対して斜めの横方向壁44によって閉鎖されている。管状壁41は壁44から、該壁44に対して垂直に延在しているので、管状壁41は軸線Xに対して斜めに延在している。管状壁41は壁44の最上位の部分に配置されていて、壁44の外周部に近接している。管状壁41はその上端部が閉鎖されていて、横方向で孔45を介して現われており、該孔は、管状壁41の上端部に近接して位置付けられていて、壁44から外側に向けられている。
【0027】
可動部材30は、互いに離間するように配置された、互いに平行な2つの壁31,32を有している。2つの壁31,32は、側壁33によってその外周部の一部でのみ互いに結合されている。ハンドル34が、当該可動部材を操作するために前記2つの壁の間に設けられている。2つの壁のうちの一方の壁31は、さらに、導管35を有しており、該導管は、当該壁31の中央部分を貫通して延在していて、当該壁31の両側で当該壁に対して垂直に延在している。導管35は、壁31の外側で、調量アパーチャ36を介して現われていて、2つの壁31,32の間で、両壁31,32に対して平行な導管部分37によって延在している。該導管部分37は、製品に対して漏密な形式で、管状壁41にわたって嵌合するよう構成されている。したがって、管状壁41は可動部材のための回動軸線として働き、該軸線を中心として可動部材は旋回し得るようになっている。管状壁41の外表面に設けられたリング46が、対応溝38に係合しており、該対応溝は導管37の内表面に形成されている。これにより、管状壁41への可動部材30の取付けが確実化されている。
【0028】
可動部材30は塗布要素20を担持しており、該塗布要素は平面21によって壁31に接着されている。塗布要素20は多孔質である。該塗布要素は例えば連続気泡ポリウレタンフォームから形成されている。塗布要素20は半球状の形状であり、そのドーム状の面は塗布表面22を構成している。前記フォームはその面21における中央部分が、壁31を越えて突出している導管35にわたって嵌合するように空洞化されている。フォームに形成された中空部23は、当該フォームが導管35に密に嵌合するが該導管の端部、すなわち調量アパーチャ36から幾分間隔を保つように形状付与されているのが好ましく、これにより、製品が現われることが可能になる。さらに、塗布表面22は導管35から間隔を保って配置されており、これにより、処理すべき表面への導管35の接触が防止され、ひいては塗布の間のいかなる負傷も回避される。
【0029】
キャップ50が位置固定スカート部51を介して、軸線Xに対して平行に容器に組付けられており、該位置固定スカート部51は、容器の首部12に形成されたビード13にスナップ嵌合されている。位置固定スカート部51は面取りされた上方エッジを有しており、該上方エッジは、軸線Xに対して斜めの横方向壁52によって閉鎖されている。該横方向壁52は管状壁41のための通路53を有している。
【0030】
シェル54を形成している外壁が、位置固定スカート部51をその全周及び全高にわたって包囲しており、シェル54は位置固定スカート部51の上方エッジにその外周部の前部で結合されている。シェル54は、塗布要素20に嵌合させられた可動部材30を収容するように前面が部分的に開放していることによって、横方向壁52の上方に延在している。シェルの開口58を画成している当該シェルのエッジ55は、可動部材の形状に対応する形状を有しているので、可動部材は当該開口を封鎖し得るようになっている。さらに、2つのノッチ56が、ハンドル34を収容するために、開口58の両側でエッジ55に形成されている。
【0031】
したがって、凹部57は、シェル54の上部、横方向壁52及び可動部材30によって画成されており、当該凹部は、保管位置で塗布要素20を格納し得るようになっている。
【0032】
図1及び図5に示された使用位置では、可動部材30は第1の位置にあり、すなわち、塗布要素20を担持している壁31は、シェルにおける開口58内へ延在している。この場合、塗布要素20はシェルの外側に位置していて、処理すべき表面に適用され得るようになっている。
【0033】
この使用位置では、壁31を貫通している導管35は、管状壁41における側方の孔45に向かっている。これにより、容器10の内側と調量アパーチャ36との間に製品送出し通路60が形成され、該通路60は管状壁41及び導管35によって画成されている。
【0034】
導管35が有効に孔45に向かって位置決めされることを保証するために、ハンドル34が当該位置でシェルのエッジ55に当接していると有利であり、当該ハンドルはノッチ56内に配置されている。したがって、ユーザは通路60が適当に形成されることが保証されている。
【0035】
チューブ10の壁を押圧することによって、製品はチューブから通路60を通って調量アパーチャ36に向かって押し出される。製品は塗布要素20に到達し、該塗布要素は製品が塗布表面22に到達するまで含浸させられる。塗布表面はこの場合にしか、製品を塗布するために処理すべき表面に接触するように位置付けられる必要はない。
【0036】
塗布が完了した時、ユーザは塗布要素20を収納することができ、これにより、当該塗布要素は、使用してから再び使用するまでの間の汚損が防止される。
【0037】
このために、ユーザは可動部材30を、図2から理解され得るようにハンドル34が180°回動させられるまで当該ハンドルを把持することによって旋回させる。こうして、装置はその保管位置、すなわち、図3及び図6に示されているように塗布要素20が完全に凹部57内に閉じ込められている位置に来る。凹部57は可動部材の壁32によって、塗布器が完璧に保護されるような形式で閉鎖される。
【0038】
しかしながら、この保管位置では、凹部57は空気に対して密閉されておらず、空気の通流が、可動部材30の外周部又はシェル54の下方エッジを介して可能である。したがって、塗布要素20は凹部が閉鎖された状態で周囲空気に連通し得るので、当該塗布要素は、使用してから再び使用するまでの間に乾燥し得るようになっている。このことは微生物の成長のリスクを低減し、例えば、製品内の防腐剤の量又は塗布要素内に組み込まれた殺菌剤の量を減少させることを可能にする。
【0039】
保管位置では、導管35はもはや孔45に向かって位置決めされておらず、孔45に向かって位置付けられているのは導管部分37であり、これにより、孔45は封鎖されている。したがって、製品送出し通路60は封鎖されているので、容器からの放出製品は、たとえユーザがチューブの壁を押し潰して製品を押し出そうとしてしまった場合であっても、もはや調量アパーチャ36に到達し得ない。
【0040】
この場合にも、導管35がもはや孔に向かって位置決めされないことが保証される。なぜならば、この位置ではハンドルはシェルのエッジ55に第2のノッチ56内で当接しており、第1のノッチ56は可動部材の側壁33によって閉鎖されているからである。
【0041】
包装及び塗布装置の第2の実施形態は、図7〜図11に示されている。
【0042】
さらに、装置100は、容器110と、可動部材130によって担持された塗布要素120とを有している。
【0043】
本事例では、容器110はポットの形状を備えており、その第1の端部は基部111によって閉鎖されており、かつ該端部とは反対の側の端部は、軸線Xの首部112で終端している。本発明の範囲は、ポット以外の容器、例えばボトル又はチューブの使用によって逸脱されることはない。
【0044】
製品を押し出すために、ポンプの形状の調量要素170が首部112内に組付け支持部140を介して組み付けられている。ポンプ170は、首部を越えて突出していて軸線X上に延在している作動ロッド171を有している。該作動ロッド171は中空であって、製品がポンプから現われることを可能にする。
【0045】
組付け支持部140は位置固定ラグ141を有しており、該位置固定ラグは、容器の首部に形成されたビード113にスナップ嵌合されている。封止スカート部142が、漏出密な形式で、首部112の内側表面に支承されており、これにより、容器の内側と支持部140との間の封止が提供される。封止スカート部142と位置固定ラグとはその上部で横方向環状壁143によって結合されている。該壁143は封止スカート部の半径方向内側に向かって延在する中央部分144を有しており、該中央部分は横方向壁の残りの部分に比べて隆起させられている。ポンプは中央部分144の内側に位置固定されており、該中央部分は、ポンプの作動ロッド171によって貫通された中央開口145を有している。
【0046】
2つの軸方向壁によって画成された溝146が、環状壁143を包囲しており、当該溝自体は外側被覆スカート部147によって包囲されている。所定の角度を成すように互いに離間して配置された3つの開口149が溝146の底部に形成されていて、最も外側にある溝を画成する軸方向壁の高さの一部にわたって延在している。
【0047】
停止部148(その機能については後述する)が横方向壁143に中央部分144に沿って設けられている。停止部148はT形状を成していて、該T字の横棒が前記中央部分に対して接線方向に延在している状態で、軸線Xに対して平行に延在している。
【0048】
さらに、案内壁146aが溝146内で軸線Xに対して平行に延在している。
【0049】
前記可動部材130は、互いに離隔するように離間配置された互いに平行な2つの壁131,132を有している。これら2つの壁131,132はその外周部の一部でのみ側壁133によって互いに結合されている。ハンドル134が、可動部材を操作するために前記2つの壁の間に設けられている。両壁のうちの一方の壁131は、さらに、導管135を有しており、該導管は当該壁の中央部分を貫通していて、壁131に対して垂直に該壁の両側に延在している。導管135は、壁131の外側に、調量アパーチャ136を介して現われていて、前記2つの壁131,132の間で、これら壁131,132に対して平行な導管部分137によって延在している。導管はポンプの作動ロッド171の上方に嵌合するよう構成されている。該作動ロッドは導管部分137の下部内に現われている。本事例では、作動ロッド171は可動部材のための回動の軸線として働き、該軸線を中心として可動部材は旋回し得るようになっている。導管137の上部はスパイク138(その機能については後述する)によって延在している。
【0050】
円弧の形状の突出部139が、塗布要素120を担持している可動部材の面131に設けられている。当該突出部は前記面131の外周部で、その下部に形成されている。
【0051】
可動部材130は、本事例では可動部材130に取外し可能に組み付けられている塗布要素120を担持している。塗布要素120は例えば独立気泡フォームである。塗布要素120は、本事例では、2つの平面121,122を備えたディスクの形状を備えており、両平面のうちの一方の平面は塗布表面122を構成している。フォームはその中央部分が全厚さにわたって、壁131を越えて突出する導管135に被せて嵌合されるように、空洞化されている。フォームに形成された開口123は、当該フォームが密に導管135を包囲するような形状を有しているので、当該フォームはこの位置で可動部材に保持される。導管135の端部は塗布表面122を越えて突出しているので、調量アパーチャ136は塗布要素の外側に現われている。さらに、導管135の端部はビード135aで終端しており、該ビードによって塗布要素120を正確な位置、すなわち、アパーチャが有効に塗布表面の外側に現われるような位置で緊締することが容易になる。
【0052】
キャップ150が、容器に対して軸方向で変位させられ得るように容器に組み付けられている。
【0053】
キャップ150は軸線Xに対して平行なスカート部151を有しており、該スカート部は支持部140における溝146の内側で摺動するよう構成されている。所定の角度を成すように互いに離間して配置された3つのラグ151aが、スカート部151の底部端部に形成されており、各ラグはその外表面に突出部151bを有している。該突出部は、前記溝に形成された対応開口149を画成する下端部の下方に配置されるよう構成されている。したがって、キャップの軸方向変位は制限されており、特に、キャップ150が支持部140から緩解してしまうことが回避されている。
【0054】
さらに、スロット151cがスカート部151の端部に設けられている。当該スロット151cは、スカート部151が溝146内で下向きに運動することを可能にするように、案内壁146aに向かって位置決めされており、キャップ150の、軸線X上以外のいかなる運動も回避されている。
【0055】
ポンプ作動ロッド171のための通路153を有している横方向壁152が、スカート部151の上部に直径に沿って延在している。
【0056】
半球状シェル154が横方向壁152の上方に設けられており、当該シェルは前面が、塗布要素120に嵌合された可動部材130を収容するように開放している。シェルの開口158を画成している当該シェルのエッジ155は、可動部材の形状に対応する形状を有している。これにより、可動部材は当該開口を封鎖し得るようになっている。さらに、2つのノッチ156が、可動部材のハンドル134を収容するために、開口158の各側で1つずつエッジ155に形成されている。
【0057】
したがって、凹部157がシェル154、横方向壁152及び可動部材130によって画成されており、当該凹部は、保管位置で塗布要素を格納し得るようになっている。
【0058】
シェルはその上部にアパーチャ159を有しており、該アパーチャ内に前記スパイク138の上端部が挿入されている。これにより、ポンプが作動させられる際の、可動部材に対するシェルのいかなる揺動運動も防止される。
【0059】
図7及び図10に示された使用位置では、可動部材130は第1の位置に存在し、すなわち、塗布要素を担持している壁131は、シェルにおける開口158内へ延在している。この場合、塗布要素120はシェルの外側に位置していて、処理すべき表面に製品を塗布するために使用され得るようになっている。
【0060】
この使用位置では、可動部材の平滑壁132は凹部の内側で、停止部148の側に、しかも該停止部から間隔を保って位置付けられている。
【0061】
シェル154を軸線Xに沿って押すことによって、キャップ150は作動ロッドの下向きの運動につれて下向きに運動し、スカート部151は下向きに溝146内へ運動する。したがって、製品は容器から作動ロッドを介して、導管部分137及び導管135によって形成された通路を通って、調量アパーチャ136まで押し出される。こうして、製品は塗布表面122に到達する。したがって、ユーザは、容器による装置の保持によって塗布表面122を、製品を塗布するために前記処理すべき表面に接触するよう位置付けることができるか、又は取外し可能な塗布要素120を取り外すことができ、該塗布要素を単なるスポンジとして使用することができる。
【0062】
前記キャップが下向きに運動し得ることを保証するために、ハンドル134がこの位置でシェルのエッジ155に当接していると有利であり、当該ハンドルはノッチ156内に配置されている。
【0063】
塗布が完了した時、ユーザは塗布要素120を、使用してから再び使用するまでの間の汚損を防止するために収納することができるが、これは、塗布要素が取り外されているならば該塗布要素を可動部材に再び位置付けた後に行われる。
【0064】
このために、ユーザは可動部材130を、ハンドル134が180°回動するまで当該ハンドルをつまむことによって旋回させる。こうして、装置はその保管位置、すなわち、図8及び図11に示されているように塗布要素120が凹部157内に完全に閉じ込められている位置に来る。凹部157は、塗布器が完璧に保護されるように可動部材の壁132によって閉鎖されているが、同時に、空気が可動部材130の外周部を介して進入することは可能である。
【0065】
保管位置では、突出部139を有している可動部材の壁131は、前記凹部の内側で、停止部148の側にかつ該停止部に向かって配置されている。これにより、圧力がシェル154に加わった時にキャップ150は下向きに運動し得なくなる。なぜならば、突出部139が停止部148に支承されるからである。ポンプは作動させられ得ず、かつ製品が容器から出てしまうことは起こり得ない。
【0066】
詳細な説明では、上記は本発明の好ましい実施態様を参照するものである。特許請求の範囲に記載の発明から逸脱することなく本発明に対する変形実施例が提案され得ることは、明白である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による包装及び塗布装置の第1の例を1つの位置で示す斜視図である。
【図2】本発明による包装及び塗布装置の第1の例を別の位置で示す斜視図である。
【図3】本発明による包装及び塗布装置の第1の例をさらに別の位置で示す斜視図である。
【図4】図1における装置を示す分解図である。
【図5】図1における装置を使用位置で示す軸方向断面図である。
【図6】図1における装置を閉鎖位置で示す軸方向断面図である。
【図7】本発明による包装及び塗布装置の第2の例を1つの位置で示す斜視図である。
【図8】本発明による包装及び塗布装置の第2の例を別の位置で示す斜視図である。
【図9】図7における装置を示す分解図である。
【図10】図7における装置を使用位置で示す軸方向断面図である。
【図11】図7における装置を閉鎖位置で示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
【0068】
10 容器
11 第1の端部
12 首部
13 ビード
20 塗布要素
21 平面
22 塗布表面
23 中空部
30 可動部材
31,32 壁
33 側壁
34 ハンドル
35 導管
36 調量アパーチャ
37 導管部分
38 対応溝
40 支持部
41 管状壁
42 組付けスカート部
43 上方エッジ
44 横方向壁
45 孔
46 リング
50 キャップ
51 位置固定スカート部
52 横方向壁
53 通路
54 シェル
55 エッジ
56 ノッチ
57 凹部
58 開口
60 通路
100 装置
110 容器
111 基部
112 首部
113 ビード
120 塗布要素
121 平面
122 平面
123 開口
130 可動部材
131 壁
132 壁
133 側壁
134 ハンドル
135 導管
135a ビード
136 調量アパーチャ
137 導管部分
138 スパイク
139 突出部
140 組付け支持部
141 位置固定ラグ
142 封止スカート部
143 横方向環状壁
144 中央部分
145 中央開口
146 溝
146a 案内壁
147 外側被覆スカート部
148 停止部
149 開口
150 キャップ
151 スカート部
151a ラグ
151b 突出部
151c スロット
152 横方向壁
153 通路
154 半球状シェル
155 エッジ
156 ノッチ
157 凹部
158 開口
160 通路
170 調量要素
171 ポンプ作動ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品、特に化粧製品を包装及び塗布するための装置(1;100)であって、
製品を内蔵している容器(10;110)と、
容器の内側に永続的又は選択的に連通する通路(60;160)を介して製品が供給されるように構成された塗布要素(20;120)であって、処理すべき表面に接触するように位置付けられるべく意図された塗布表面(22;122)を有している塗布要素とを備えて成っており、
該塗布要素が可動部材(30;130)によって担持されており、該可動部材は、容器の上方に存在する凹部(57;157)の外側に塗布要素が存在する第1の位置から、塗布要素が凹部内に包含されている第2の位置へ移動するように構成されており、該第2の位置で可動部材が、凹部を封鎖している部分を有しており、可動部材は、さらに、当該可動部材がその第2の位置に存在する場合には、以下の機能、すなわち、
容器に嵌合させられた調量要素(170)の作動の防止、及び/又は
塗布要素への製品送出し通路(60)の封鎖を遂行するようになっていることを特徴とする、製品を包装及び塗布するための装置。
【請求項2】
可動部材(30;130)が第1の位置と第2の位置との間で回動可能に可動であり、当該可動部材(30;130)が第1の位置と第2の位置との間で、例えば約180°にわたって、変位させられるようになっている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
可動部材(30)が、部分的に製品送出し通路(60)を画成している管状壁(41)を中心として回動可能に可動である、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
可動部材(30)が、管状壁(41)に被せて嵌合された導管部分(37)を有している、請求項3記載の装置。
【請求項5】
可動部材(30)が第2の位置に存在する場合には、導管部分(37)は前記通路(60)を封鎖するように、管状壁(41)に形成された孔(45)を封鎖している、請求項4記載の装置。
【請求項6】
導管部分(37)が、調量アパーチャ(36)を介して現われる導管(35)によって延在させられており、該導管(35)は、可動部材(30)が第1の位置に存在する場合には、孔(45)に向かって位置決めされている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
可動部材(130)が調量要素(170)の作動要素(171)を中心として回動可能に可動である、請求項1又は2記載の装置。
【請求項8】
可動部材(130)が下向きに作動要素(171)の軸線に沿って運動するよう構成されており、これにより、当該可動部材が第1の位置に存在する場合には、調量要素(170)が作動させられるようになっている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
塗布要素(20;120)は、当該塗布要素が凹部(57;157)内に包含されている場合には、周囲空気に連通している、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
塗布要素(20;120)が圧縮可能とされかつ/又は多孔質材料から製造されており、当該塗布要素が例えばフォーム又はエラストマを有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
製品のための通路(60)が調量アパーチャ(136)を介して塗布表面(122)の外側に現われている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
製品のための前記通路(60)が調量アパーチャ(36)を介して塗布要素(20)の内側に現われている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
塗布要素(12)が取外し可能に可動部材(130)に組み付けられており、これにより、当該塗布要素は、処理すべき表面に適用される前に取り外され得るようになっている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
塗布要素(120)が、調量アパーチャ(136)を介して現われている導管(135)の周囲に嵌合することによって、可動部材(130)に取り付けられている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
容器が可撓性の壁によって画成されており、該壁をユーザが、製品を調量するために押すことができるようになっている、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
調量要素(170)が、作動要素(171)が組み込まれているポンプであり、これにより、可動部材が第1の位置に存在する場合には、製品の量が作動コマンドに応じて調量されるようになっている、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−314799(P2006−314799A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−132924(P2006−132924)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】