説明

製袋充填機

【課題】フィルム接続に伴う良品の排除数を減少させて生産性を高め、製品の無駄を抑制する。
【解決手段】複数の製袋充填部14が並列に配設される。各製袋充填部14に対してフィルム供給部16が夫々配設される。各フィルム供給部16には、使用中のフィルムfが消費されたときに、該フィルムfの終端に予備ロールにおけるフィルムfの始端を接続するフィルム接続手段44およびフィルムfを切断する終端切断手段が配設される。各フィルム供給部16には、フィルムfの終端を検出する検出手段42が配設される。フィルム供給部16の何れか1つの検出手段42がフィルムfの終端を検出したときに、少なくとも他の列の各終端切断手段を作動して使用中のフィルムfを切断すると共に、全列のフィルム接続手段44を作動してフィルム接続を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋充填部を多列で備える製袋充填機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製袋充填機では、使用中のフィルムの消費に伴い、使用中のフィルムの終端と予備フィルムの始端とを貼着テープ等によって接続するフィルム接続装置が設けられる。そして、フィルム接続装置で接続された帯状フィルムが製袋手段によって筒状に成形され、そのフィルム中に供給された物品間において横シールを施すことで包装品が得られる。このようにして得た包装品にフィルム接続部位が存在する場合には、不良包装品として排除するようにしている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−172421号公報
【特許文献2】特開平6−99952号公報
【特許文献3】特開平10−175619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多列の製袋充填部を備えた製袋充填機において、製袋充填部の各列で異なるフィルム供給部を設けたものでは、各列毎のフィルム消費に伴い新旧フィルムの接続を行う必要がある。
【0005】
ここで、全ての列に同時に未使用の原反ロールを装填してそのフィルムを消尽したとしても、フィルム製造上の問題で夫々の原反ロールに巻かれたフィルムの全長が定まっておらず、各列のフィルム接続時期が一定になり得ない。また、各列毎に異なる品種の物品を包装して、それらの包装品を組み合わせて1組とした複数の包装品単位で下流側に接続された箱詰め機等の処理機に送り込むようにすることが求められる場合において、物品が食品等の場合においては、フィルム接続部位が位置する不良包装品と共に良品を含む各組毎の全ての包装品をライン外に排出して、良品のみの組み合わせにより下流側の処理機に向けて搬送することが好ましい。しかるに、前述の如く各列でフィルム接続時期が異なるために、各列でのフィルム接続の度に、他列で得られた良品である複数の包装品が系外に排出されて、生産効率が低下してしまう。
【0006】
なお、不良品と共に排出された良品が、例えば、冷菓の如き食品の包装品である場合には、系外に排出された物品は、良品として取り扱われることはなく処分される。このため、良品が処分されることによる無駄が生じてしまうことになる。
【0007】
すなわち本発明は、フィルム接続に係る前記した問題点に鑑み、良品の排除数を減少させて生産性を高め、製品の無駄を抑制し得る製袋充填機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る製袋充填機は、 原反ロールから引き出されたフィルムを筒状に成形し、該フィルムに横シールを施すと共に切断して包装品を得る多列の製袋充填部と、
該製袋充填部の各列毎に設けられ、前記原反ロールを複数装填したフィルム供給部と、
各フィルム供給部においてフィルムの消費を検出する検出手段と、
前記フィルム供給部に配設され、前記原反ロールから引き出されて使用中のフィルム終端と予備の原反ロールにおけるフィルム始端とを接続するフィルム接続手段と、
該フィルム接続手段におけるフィルム接続位置までのフィルム搬送経路に配設した終端切断手段との夫々を備え、
前記フィルム供給部の何れか1つの検出手段による検出信号に応じて、少なくとも他の列の各フィルム供給部における使用中のフィルムを切断すると共に、各列のフィルム供給部において使用中のフィルム終端と予備の原反ロールにおけるフィルム始端とを接続するよう前記終端切断手段とフィルム接続手段とを作動制御するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記フィルム接続手段におけるフィルム接続位置からフィルムに横シールを施す位置までのフィルム引出し長が異なるように前記フィルム供給部の夫々が配設され、該フィルム供給部の何れか1つの検出手段による検出信号に応じて、他の列のフィルムの切断および接続の時期を、前記フィルム引出し長の差に応じてずらすよう前記終端切断手段と前記フィルム接続手段とを作動制御するようにしたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、前記製袋充填部における下流側に排出手段を配設し、前記フィルム接続手段で接続したフィルム接続部位を含む不良包装品と、該不良包装品と同時期に排出手段に達する他の列の包装品とを合わせて系外に排出するよう排出手段を作動制御するようにしたことを要旨とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、前記フィルムを横シールする横シール手段と、該横シール手段で横シールしたフィルムを切断する切断手段との夫々が配設され、前記フィルム接続手段で接続したフィルム接続部位が、切断手段における切断位置に達する時期にフィルムの切断を一時休止するよう切断手段を切替作動するようにしたことを要旨とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、前記切断手段の作動休止時には、前記横シール手段による横シール動作を一時休止するようにしたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本願発明に係る製袋充填機によれば、多列のフィルム供給部の内の何れか1つのフィルムの消費が検出された際に、全列で同時期にフィルム切断および接続を行うようにしたので、例えば、品種の異なる包装品を1組毎に処理する場合において、フィルム接続部位を含む包装品を不良品として系外に排出する時期を合わせることにより、不良品と共に処分される良品数を減少して生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例に係る製袋充填機を示す概略側面図である。
【図2】実施例に係る製袋充填機を示す概略平面図である。
【図3】実施例に係るフィルム接続手段を示す要部拡大側面図である。
【図4】実施例に係る製袋充填機の主要な制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る製袋充填機につき、好適な実施例として、縦形製袋充填機に適用した態様について、以下添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0016】
図1に示す縦形製袋充填機は、物品10として冷菓等からなる食品をフィルム包装して包装品12を得る製袋充填部14が複数(実施例では4つ)並列に配設されると共に、製袋充填部14に向けて帯状のフィルムfを引き出して供給するフィルム供給部16が各製袋充填部14に対応して夫々配設されている。
【0017】
前記製袋充填部14は、フィルム供給部16から引き出された帯状のフィルムfが製袋手段18によって筒状に成形され、送りローラ等からなる搬送手段20によって下方へ連続的に搬送される。搬送手段20の下方位置には、筒状成形されたフィルムfの重合部に縦シールを施す縦シール手段22が配設される。また、縦シール手段22の下方に所定間隔離間する位置(横シール・切断位置)には、フィルムの搬送方向と交差する方向に向けて横シールを施す横シール手段24が配設される。横シール手段24は、シリンダ等の駆動手段によりカッタを作動する切断手段25(図4参照)を備え、該横シール手段24によりフィルムを横シールする際に切断手段25を作動してフィルムを切り離し、1袋分の包装品12を得ることができる。
【0018】
前記横シール手段24の下方には、包装品12を下流側へ搬送する排出コンベヤ28との間に、横シール手段24により横シール・切断されて落下する包装品12を系外に排出可能な排出手段30が配設される。排出手段30は、図1に示す如く、エアシリンダからなる駆動手段30bによって回動するシュート30aを備え、該シュート30aは上方から落下する包装品12を、排出コンベヤ28に向けて案内し得る案内位置と、該排出コンベヤ28へ移送することなく系外に排出する排出位置との夫々に位置決め設定されるよう構成される。
【0019】
前記各排出コンベヤ28の下流側には集合部26が接続され、図2に示す如く、各製袋充填部14からシュート30aを介して案内された包装品12が集合部26において左右間隔が相互に縮まるように、前記各排出コンベヤ28の搬送始端部から搬送終端部に向かうにつれて相互の間隔が狭くなるよう傾斜して配置される。このような構成によって、各排出コンベヤ28における前記集合部26までの搬送長が異なることとなり、該搬送長に応じて各排出コンベヤ28の搬送速度を設定して前記集合部26に各列の包装品12が同時に到達し得るよう構成される。
【0020】
前記各列におけるフィルム供給部16は、製袋充填部14までの離間距離が列毎に異なるように配設されて、実施例では図2に示すように階段状に配設され、隣接するフィルム供給部16,16の間のフィルム案内長の差は、1包装に要するフィルム長さ(カットピッチ)とした場合の2カットピッチ分に設定されており、各フィルム供給部16から前記製袋充填部14までに至るフィルム案内長の差も、その差と夫々同等となるよう設定されている。なお、以下の説明において、前記離間距離が異なるフィルム供給部16によって列を区別する場合は、各列に属するものについて、名称の前に離間距離が短い方から順に第1、第2、第3および第4と付すものとする。
【0021】
前記フィルム供給部16は、図1または図3に示す如く、複数の原反ロール34を装填可能な装填手段が配設されるようになっており、本例では上下の関係で設けた2本の支持部32,32を備え、各支持部32に原反ロール34が装填される。一方の支持部32に装填された原反ロール34から引き出された帯状のフィルムfは、案内ローラ36およびフィルム接続手段44を経て製袋充填部14に供給される。また、案内ローラ36に巻き掛けられた位置でフィルム終端を検出する検出手段42が配設されている。更に、フィルム接続手段44と製袋充填部14との間には繰出しローラを備えた給送手段38が配設され、該給送手段38によって原反ロール34から引き出された帯状のフィルムfを前記製袋手段18に向けて供給するよう構成されている。前記繰出しローラにはエンコーダ40(図4参照)が配設され、製袋充填部14に供給されるフィルム搬送量を検出可能に構成されている。
【0022】
前記上下の支持部32,32の間のフィルム接続位置に、新旧フィルムの接続を行うフィルム接続手段44が配設される。フィルム接続手段44は、所要の駆動手段によって一対の圧着ロール46a,46aを近接・離間移動するよう構成された圧着手段46を備えている。また、前記原反ロール34から圧着手段46に向けたフィルムの搬送経路には、フィルムfを幅方向に切断する終端切断手段48が配設されている。そして、何れか一方の原反ロール34から引き出されたフィルムfが、図3に示す如く、開放している圧着ロール46aの一方に巻き掛けられて両圧着ロール46a,46aの間を経て対応する製袋充填部14に向けて供給されるよう構成される。これに対し、予備ロールとなる他方の原反ロール34から引き出された新しいフィルムfのフィルム先端は、他方の圧着ロール46aに巻き掛けられて両圧着ロール46a,46aを越える所定位置まで引き出し案内されており、また圧着ロール46aの上流側に近接した水平案内部におけるフィルムの幅方向に向けて両面テープ等の貼着部材が貼着されている。そして、両圧着ロール46a,46aの作動によって使用中のフィルムfと新しいフィルムfとが挟持されて搬送され、新しいフィルムfにおける貼着部材の貼着部位が圧着ロール46a,46aを通過することで新旧フィルムが圧着されて両フィルムf,fが接続される。
【0023】
前記終端切断手段48は、対応する検出手段42が原反ロール34から引き出されるフィルムfの終端を検出した際に作動されて、使用中のフィルムfを圧着ロール46aの上流側で切断するよう構成される。なお、フィルム接続手段44の下流側にテンションローラ50が配設され、前記圧着ロール46aの作動によって一時的にフィルムfにバックテンションが作用した際にもフィルムfの搬送を安定して行うことができる。
【0024】
前記給送手段38の下流側に、フィルムに付されたレジマークを検出するマークセンサ52が配設されている。このマークセンサ52によるレジマークの検出信号に基づき、フィルムの搬送位置が補正制御されると共に、前記フィルム接続手段44による新旧フィルムの接続時に前記圧着ロール46a,46aの作動タイミングが制御されて、それら両フィルムの搬送位置合わせが行われる。
【0025】
縦形製袋充填機の制御手段54には、図4に示す如く、各列の前記横シール手段24、切断手段25、排出手段30、圧着手段46、終端切断手段48の夫々が駆動制御可能に接続され、また各列の前記検出手段42およびマークセンサ52の検出信号が入力されるように接続されると共に、前記給送手段38に配設されたエンコーダ40からの発信パルスが入力されてフィルムの搬送量を得ることができる。
【0026】
前記制御手段54では、前記した1包装に要するフィルム長さとしての「カットピッチ」や圧着手段46により新旧フィルムを接続するフィルム接続位置から前記横シール手段24によりフィルムに横シールを施す横シール位置までの値としての「フィルム引出し長」に対応した数値データ等の各種制御用のデータが入力手段(図示せず)によって予め設定される。そして制御手段54は、フィルムが1カットピッチ搬送される1包装サイクル毎に、前記横シール手段24および切断手段25を作動してフィルムを横シール・切断するよう作動制御する。また制御手段54は、複数の検出手段42の内の何れか1つの検出手段42からフィルムfの終端を検出した信号が入力されることで、全列のフィルム供給部16において使用中のフィルムfと予備ロールのフィルムfとを切り替えるためのフィルムfの切断と接続とを行うよう各終端切断手段48および各フィルム接続手段44を作動制御する。このとき制御手段54は、全列のフィルム接続部位が同時期に横シール部に達するように、検出手段42でフィルムfの終端を検出した列に対する他の列の夫々の「フィルム引出し長」の差について各終端切断手段48によるフィルム切断時期と各フィルム接続手段44によるフィルム接続時期とをずらすように制御すると共に、フィルム接続部位を含む不良包装品を系外に排出するよう前記排出手段30を作動制御する。なお、前記フィルム接続部位が横シール部に達する期間を包装サイクル数として換算した場合、その「包装サイクル数」Aは、前記「フィルム引出し長」をLとして、前記「カットピッチ」をPとすると、A=P/Lとして算出することができる。本例の如く、新旧フィルムの接続部位が両フィルムに接続代を有する接続形態でカットピッチが短い包装品12を得る場合等において、前記フィルム接続部位が横シール部に達する包装サイクル数A±1の期間について不良包装品として3個の包装品12を連続して系外に排出するよう前記排出手段30を作動制御するようにしている。
【0027】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る縦形製袋充填機の作用につき説明する。
【0028】
各列のフィルム供給部16は前記した如く、製袋充填部14までの離間距離が列毎に異なり、従って前記検出手段42でフィルムfの終端を検出した列と他列のフィルム引出し長の夫々の差に基づき、前記終端切断手段48による各列のフィルム終端の切断時期と前記フィルム接続手段44における圧着ロール46aを作動してフィルム接続を行う時期をずらすよう制御する。すなわち、(A)フィルム引出し長が最長の列の検出手段42でフィルムfの終端が検出された際には、その検出列からフィルム引出し長の差が大きくなる第3〜第1の順でフィルムfの切断時期および接続時期を順次遅らせて行い、(B)前記フィルム引出し長が最短の列の検出手段42によってフィルムfの終端が検出された際には、全列のフィルム供給部16において同時にフィルムfの切断と接続とを行い、(C)フィルム引出し長が中間の列の検出手段42でフィルム終端が検出された際には、その検出列よりフィルム引出し長が長い列のフィルム供給部16では同時にフィルムfの切断と接続とを行うのに対し、当該検出列よりフィルム引出し長が短かい列のフィルム供給部16においては、前記フィルム引出し長の差が大きくなる順でフィルムfの切断時期および接続時期を順次遅らせて行うよう各終端切断手段48および各フィルム接続手段44を作動制御する。
【0029】
なお、前記フィルム引出し長は、各列のフィルム供給部16の配設位置に対応した既知の値であり、フィルム終端が検出された列のフィルム引出し長に対してフィルム引出し長が短かい列のフィルム供給部16でのフィルムfの切断時期および接続時期は、各列のフィルム引出し長に関して前記の如く算出した各列の包装サイクル数Aの差として夫々設定される。また前記制御手段54は、フィルム接続手段44で接続したフィルム接続部位が各列のフィルム引出し長から得た前記所定包装サイクル数に至った時期に横シール部に達する際に、前記切断手段25におけるカッタの作動を一時休止し、更に、横シール手段24による横シール動作を休止するよう制御し、フィルムの横シールと切断を行わないようにしてもよい。
【0030】
前記(A)〜(C)の場合について、以下に具体的に説明する。
【0031】
(A) 第4フィルム供給部のフィルムが終了した場合
フィルム接続位置から横シール部までのフィルム引出し長が最長に設定されている前記第4フィルム供給部16において、前記制御手段54は、使用中のフィルムfの終端が前記検出手段42で検出された信号を入力することによって、終端切断手段48を作動して使用中のフィルムfを切断すると共に、製袋充填部14に向けて搬送されるフィルムfのレジマークが前記マークセンサ52により検出された入力信号を受けて新旧フィルムf,fの印刷位置が合致するように前記エンコーダ40から得られるフィルム搬送量との関係による所定のタイミングで、圧着手段46を作動して前記終端切断手段48で切断した使用中のフィルムfのフィルム終端と予備ロールにおけるフィルム始端とが圧着ロール46a,46aに挟持されて搬送されることで新しいフィルムfの始端に貼着された貼着部材が使用中のフィルム終端に貼付されて新旧フィルムf,fが接続される。これに対し、第4フィルム供給部16とフィルム引出し長の差が少ない順、すなわち第3フィルム供給部16、第2フィルム供給部16、第1フィルム供給部16の順でフィルムfの切断時期と接続時期との夫々を2包装サイクル数づつ遅らせる。すなわち、フィルムfの切断および接続時期を遅らすタイミングは、前述したように各列のフィルム引出し長の差に応じた包装サイクル数経過時における所定タイミングに夫々設定され、前記同様に各列の終端切断手段48およびフィルム接続手段44を順次作動して新旧フィルムf,fの印刷位置が一致するよう使用中のフィルムfの終端と新しいフィルムfの始端とが夫々接続される。これにより、第4フィルム供給部16を含む全列のフィルム接続手段44で接続したフィルム接続部位が横シール部に達する時期を一致させることができる。
【0032】
そして、前記全列の製袋充填部14で横シール・切断して得た各包装品12の夫々には、何れもフィルム接続部位が位置しており、それらは前記横シール・切断後において前記排出手段30へ達する時期にシュート30aを排出位置へ回動するよう排出手段30を作動制御して、全列の包装品12を不良包装品として同時に系外に排出する。
【0033】
前記排出手段30は、フィルム接続部位が横シール部に達する包装サイクルの直前の包装サイクルにおいて筒状フィルムfが切断されるまでの間において排出位置へ回動し、フィルム接続部位が横シール部に達する包装サイクルの直後の包装サイクルが終了して次の包装サイクルにおいて筒状フィルムfが切断されるまでの間に案内位置に戻るように作動制御され、これによって各列においてフィルム接続部位が位置する包装品12の前後に連続する包装品12,12を含む合計3包装品が不良包装品として排出される。
【0034】
(B) 第1フィルム供給部のフィルムが終了した場合
フィルム接続位置から横シール部までのフィルム引出し長が最短に設定されている前記第1フィルム供給部16において、使用中のフィルムfの終端が前記検出手段42で検出されると、前記制御手段54は、全列のフィルム供給部16において前記終端切断手段48を同時作動すると共に、前記同様にフィルム接続を同時に行うようにフィルム接続手段44を制御する。
【0035】
第1フィルム供給部16で接続したフィルム接続部位が所定包装サイクル数経過時に横シール部に達した包装サイクルから、フィルム引出し長が最長に設定された列である第4フィルム供給部16におけるフィルム接続部位が横シール部に達するまでの包装サイクル数の間に横シール・切断して得た全列の包装品12の夫々は、前記排出手段30におけるシュート30aの排出位置への回動によって系外に排出される。なお、各列の排出手段30は、第1フィルム供給部16で接続したフィルム接続部位が横シール部に達する包装サイクルの直前の包装サイクルから、第4フィルム供給部16におけるフィルム接続部位が横シール部に達した包装サイクルの直後の包装サイクルまでの期間について排出位置に保持されて、複数の包装品12が連続して系外に排出される。
【0036】
(C) 第2または第3のフィルム供給部のフィルムが終了した場合
フィルム接続位置から横シール部までのフィルム引出し長が中間に設定されている列のフィルム供給部16でフィルム終端が検出された場合について、第3フィルム供給部16の場合で説明する。第3フィルム供給部16において、使用中のフィルムfの終端が前記検出手段42で検出されると、前記制御手段54は、当該第3フィルム供給部16と他列とのフィルム引出し長の差に応じて他の各列のフィルム供給部16におけるフィルムfの切断時期と接続時期をずらすように終端切断手段48とフィルム接続手段44との夫々を作動制御する。すなわち、フィルム引出し長が長い第4フィルム供給部16と同時にフィルムfの切断および接続を行い、またフィルム引出し長が短かい第2フィルム供給部16と第1フィルム供給部16とについては前記した如く、第3フィルム供給部16に対するフィルム引出し長の差に応じてその差が少ない順にフィルムfの切断時期と接続時期とを遅らすように終端切断手段48およびフィルム接続手段44を作動制御する。これにより、フィルム引出し長が短かい列となる第1、第2フィルム供給部16,16によるフィルム接続部位は、第3フィルム供給部16のフィルム接続部位が横シール部に達する時期と同じ包装サイクルとなる時期に夫々横シール部に到達する。
【0037】
そして、第1〜第3フィルム供給部16のフィルム接続部位が同時に横シール部に達してから第4フィルム供給部16のフィルム接続部位が横シール部に達する包装サイクル数までの間に横シール・切断された4列全ての包装品12が前記と同様に排出手段30を介して同時に系外に排出される。なお、各列の排出手段30は、第1〜第3フィルム供給部16のフィルム接続部位が同時に横シール部に達する包装サイクルの直前の包装サイクルから第4フィルム供給部16のフィルム接続部位が横シール部に達した包装サイクルの直後の包装サイクルまでの期間について排出位置に保持されて、複数の包装品12が連続して系外に排出される。
【0038】
実施例では、第1〜第4フィルム供給部16において隣接する各列のフィルム引出し長の差は何れも2カットピッチ分に設定されており、また前述の如く各列においてフィルム接続部位が位置する包装品12の前後に連続する包装品12,12を含む合計3包装品を不良包装品として排出する対象としている。従って、第1〜第4フィルム供給部16までの全列の不良包装品を所定の包装サイクル数に亘り連続して排出したとしても、それによって良品の排出数が増加してしまうことはない。
【0039】
前述したフィルムが終了した場合の夫々において、第1〜第4のフィルム供給部16の何れかのフィルム接続部位が最初に横シール位置に達してからその他の全ての列のフィルム接続部位が横シール位置に到達するまでの包装サイクル数の期間において、全列の横シール手段24における切断手段25の作動を所定期間づつ一時休止するよう制御するようにすることができる。それにより、各列の製袋充填部14では、同期間内において横シール手段24でフィルムに対する横シールのみが行なわれる包装サイクルが所定期間づつ実施されて、各包装品12に分断されずに複数の袋が連なった状態として排出される。連続包装袋として排出する際には、前記シュート30aを回動する排出手段30での排出詰まり等を招来しないようにするために、切断手段25の作動休止を1包装サイクルおきとして2連袋としたり、あるいは2包装サイクルおきとして3連袋とすることが好ましく、最も好ましいのは2連袋として排出することである。
【0040】
また、前記切断手段25が作動を一時休止する包装サイクル数と同期間内の全てまたは所定期間づつ、あるいは、前記フィルム接続部位における貼着部材が貼着されているフィルム接合位置が横シール手段24による横シール位置と合致する場合において、その包装サイクル数について、前記横シール手段24による横シール動作を休止させるようにしてもよい。横シール手段24の作動休止は、切断手段25の休止と同様に2〜3袋分の包装長となる包装品12として排出し得るよう1〜2包装サイクルおきの休止が好ましく、最も好ましいのは1包装サイクルおきの休止であって、前記切断手段25の作動休止と同様の効果を得ることができる。また、横シール位置と前記フィルム接合位置とが合致した包装サイクルだけ休止させることで、横シール手段24のシール体24a,24aのシール面に貼着部材が融着してシール目づまりが発生したり、包装サイクルにおいて包装不良が発生するのは未然に防止される。
【0041】
このように実施例では、複数列の何れか1つのフィルム供給部16において使用中のフィルムfの終端が検出されたときには、全列のフィルム供給部16においてフィルム接続を同時期に行うようにしたから、各列毎のフィルム終了の度にフィルム接続を個別で行う場合に比べ、フィルム接続部位を含む不良包装品と共にフィルム接続部位を含まない良品である包装品12を系外に排出する数を低減することができ、生産性を高めることができる。特に、実施例のように各列毎にフィルム接続位置から横シール部までの経路中のフィルム引出し長が異なる構成では、フィルム引出し長の差に応じてフィルム接続時期を変えて横シール部に各列のフィルム接続部位を同時期に到達させることができ、フィルム接続部位を含む不良包装品を良品と共に全列を一括で排出する際の良品処分数の無駄を抑制することができる。また、全列の包装品12を1組としてその組単位で全ての包装品12を系外に排出しているから、品種が異なる複数の物品を組合わせて下流側に搬送する構成において、1組で一部の品種の包装品が欠落状態で下流側の処理機に搬送される事態を回避し得る。
【0042】
切断手段25の作動を一時休止してフィルム接続部位を含む包装品12を、複数の袋を連ねた連続包装袋として排出することで不良包装品であることを一目で識別することができ、不良品と良品との識別を確実に行うことができる。切断手段25の作動休止と共に横シール手段24の動作を一時休止することで得られる包装品12の袋長さが倍以上となり、不良品と良品との識別を行うことができる。また、フィルム接続部位が横シール位置に合致したものに対して横シールを休止することで、横シール手段24のシール体24a,24aのシール面に貼着部材が融着してシール目づまりが発生したり、包装サイクルにおいて包装不良が発生するのは未然に防止される。更に、縦形製袋充填機の横シール手段24で横シール・切断して得た包装品12を、製袋充填部14における下方に設けた排出手段30のシュート30aによって系外に排出するようにしたので、フィルム接続部位を含む連続包装袋を縦形製袋充填機より下流側に送り込むことなく確実に系外に排出できる。
【0043】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されず、以下のようにも変更可能である。
(1) 実施例では、製袋充填機として縦形製袋充填機を例示したが、横形製袋充填機等、その他の製袋充填機に適用することができる。
(2) 製袋充填部14の数は実施例の4列に限るものではなく、少なくとも2以上の多列の製袋充填部を備えたものに適用することができる。
(3) 実施例では、複数列の製袋充填部14の夫々に設けたフィルム供給部16を階段状に配置して各フィルム供給部16から横シール部までに至るフィルム引出し長が異なるものとしたが、例えば、製袋充填部14に至るフィルム案内長を異ならせる等によって前記フィルム引出し長を各列同一に設定したり、あるいは、フィルム供給部16を同位置で横並びに配置して前記フィルム引出し長を夫々同一とする等の構成を採用し得る。そのようにすることで、何れの列でフィルムの消費が検出されたとしても、フィルムfの切断と接続とを多列同時に行ってフィルム接続部位を全列同時期に横シール部に到達させることができるので、不良品が含まれる組の排出回数を減少して、良品の排出による無駄を最小限に留めることができる。
(4) フィルムfの接続部位が横シール部に達するタイミングに合わせて物品の供給を休止するように制御するものであってもよい。そのようにすることで、空袋の包装品が得られて良品との判別が容易となる。
(5) 原反ロール34の終端部は、フィルムメーカの製造上の問題等で、端縁処理形状が一様とはなっていない。実施例では、最も好ましい形態としてフィルムfの消費が検出された使用中のフィルムfを切断して、そのフィルム終端と新しいフィルム始端とを接続するようにしたが、原反ロール34に巻き取られたフィルムfの端縁の処理形状等、必要に応じてフィルム終端を検出したフィルム供給部16について新旧フィルムの接続に際して終端切断手段48によるフィルムfの切断を省略することもできる。
(6) 実施例では、横シール手段24に切断手段25を配設したが、横シール手段24とは別体の切断手段25を横シール位置より下方に設け、横シール位置で横シールが施された後のフィルムfを切断する構成を採用し得る。
(7) 実施例では、フィルム接続部位が横シール部まで達する期間を、包装サイクル数として算出するようにしたが、給送手段38に設けたエンコーダ40からの発信パルスを積算して求める等、その他各種の検出手段によって得るようにすることができる。
(8) 実施例では、フィルムfの終端が検出手段42を通過することでフィルムfの消費を検出するようにしたが、原反ロール34のロール径をセンサで検出してフィルム残量を検出する形態や、ロール径を演算して得た結果でフィルム消費を検出する等の各種方式を採用することができ、このようにすることで、多列のフィルム供給部16において最初に消費されるフィルム供給部16を事前に算出して、その列との関係でフィルム引出し長が異なる各列とのフィルム切断や接続について、フィルム接続部位が全列同時期に横シール部に達するよう各列に対する終端切断手段48とフィルム接続手段44との動作時期を適切に制御することができる。
【符号の説明】
【0044】
12 包装品,14 製袋充填部,16 フィルム供給部,24 横シール手段
25 切断手段,30 排出手段,34 原反ロール,42 検出手段
44 フィルム接続手段,48 終端切断手段,f フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反ロール(34)から引き出されたフィルム(f)を筒状に成形し、該フィルム(f)に横シールを施すと共に切断して包装品(12)を得る多列の製袋充填部(14)と、
該製袋充填部(14)の各列毎に設けられ、前記原反ロール(34)を複数装填したフィルム供給部(16)と、
各フィルム供給部(16)においてフィルム(f)の消費を検出する検出手段(42)と、
前記フィルム供給部(16)に配設され、前記原反ロール(34)から引き出されて使用中のフィルム終端と予備の原反ロール(34)におけるフィルム始端とを接続するフィルム接続手段(44)と、
該フィルム接続手段(44)におけるフィルム接続位置までのフィルム搬送経路に配設した終端切断手段(48)との夫々を備え、
前記フィルム供給部(16)の何れか1つの検出手段(42)による検出信号に応じて、少なくとも他の列の各フィルム供給部(16)における使用中のフィルム(f)を切断すると共に、各列のフィルム供給部(16)において使用中のフィルム終端と予備の原反ロール(34)におけるフィルム始端とを接続するよう前記終端切断手段(48)とフィルム接続手段(44)とを作動制御するようにした
ことを特徴とする製袋充填機。
【請求項2】
前記フィルム接続手段(44)におけるフィルム接続位置からフィルム(f)に横シールを施す位置までのフィルム引出し長が異なるように前記フィルム供給部(16)の夫々が配設され、該フィルム供給部(16)の何れか1つの検出手段(42)による検出信号に応じて、他の列のフィルム(f)の切断および接続の時期を、前記フィルム引出し長の差に応じてずらすよう前記終端切断手段(48)と前記フィルム接続手段(44)とを作動制御するようにした請求項1記載の製袋充填機。
【請求項3】
前記製袋充填部(14)における下流側に排出手段(30)を配設し、前記フィルム接続手段(44)で接続したフィルム接続部位を含む不良包装品(12)と、該不良包装品(12)と同時期に排出手段(30)に達する他の列の包装品(12)とを合わせて系外に排出するよう排出手段(30)を作動制御するようにした請求項1または2記載の製袋充填機。
【請求項4】
前記フィルム(f)を横シールする横シール手段(24)と、該横シール手段(24)で横シールしたフィルム(f)を切断する切断手段(25)との夫々が配設され、前記フィルム接続手段(44)で接続したフィルム接続部位が、切断手段(25)における切断位置に達する時期にフィルム(f)の切断を一時休止するよう切断手段(25)を切替作動するようにした請求項1〜3の何れか一項に記載の製袋充填機。
【請求項5】
前記切断手段(25)の作動休止時には、前記横シール手段(24)による横シール動作を一時休止するようにした請求項4記載の製袋充填機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−126551(P2011−126551A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284328(P2009−284328)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】