説明

製袋充填装置、包装体

【課題】平袋だけでなく、三角錐状の袋に茶葉等を充填した抽出用の所謂三角バッグの横シール部に吊り下げ用の糸を溶着できる製袋充填装置、当該製袋充填装置によって製造される包装体を提供する。
【解決手段】糸送り装置によってリールに巻かれて糸7が引き出されて所定距離送られる。これと同期してエアがホース87へ送り込まれる。これにより糸7の先端部分が一定長さだけガイドパイプ86から送り出される。次いでホルダ69が、包装材23に向かって往路走行する。ホルダ69と共に超音波ホーン71及び受け部材73も往路走行するため、包装材23の下部が横方向にシールアンドカットされ、包装材23の先端部に形成された横シール部11が形成されると共に糸7が横シール部11に溶着される。更に、ティーバッグ3の上側の横シール部13が形成される共に、ティーバッグ3が包装材23から切り離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はティーバッグ等の包装体、この包装体を製造するための製袋充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたティーバッグ製造装置は透水性で熱溶着可能な包装材を幅方向の中心で二つ折にして、この包装材に縦シールと上下二ヶ所の横シールを施して平袋を形成すると共に、この平袋に茶葉を充填してティーバッグ等の包装体を製造するものである。
この種の装置には、包装材に縦シールを施した後に、横シール手段が90°回動して互いに90°回動した位置に横シール部を形成して、三角錐状の袋に茶葉等を充填した包装体(以下、三角バッグという。)を製造するものもある。
この包装体には通常吊り下げ用の糸が取り付けられる。例えば、図19に示すティーバッグ100は茶葉が充填された平袋102と吊り下げ用の糸104とによって構成されている。通水性の包装材から成る平袋102は正面視がほぼ正方形で、折り曲げ部106、縦シール部108及び上下の横シール部110、112を有しており、茶葉が封入されている。また、吊り下げ用の糸104の両端部は縦シール部108に溶着されている。このように吊り下げ用の糸104の両端部を縦シール部108に溶着しているのは、吊り下げ糸をポットの取っ手に掛けて用いるためである。
【0003】
ところで、近年では表面積が大きく茶葉からの抽出を効率よく行うことができる等の理由で上述の三角バッグが多く用いられるようになっている。このため、吊り下げ用の糸の両端部を三角錐状の袋に溶着した包装体の登場が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−123150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように三角バッグでは包装材に縦シールを施して縦シール部を形成した後に横シール手段が90°回動する。そして、横シール手段によって包装材に横シールを施して、包装材に互いに90°回動した位置に横シール部を形成するので、縦シール部に吊り下げ用の糸の両端部を溶着したのでは、横シール時に糸が絡まってしまったり、切断してしまったりするおそれがある。
また、縦シール部に糸を溶着するためには、シール時に糸を横方向へほぼ真っ直ぐに延ばすための機構が必要になるなど、その実現は殆ど不可能である。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、平袋だけでなく、三角錐状の袋に茶葉等を充填した抽出用の所謂三角バッグの横シール部に吊り下げ用の糸を溶着できる製袋充填装置、及び当該製袋充填装置によって製造される包装体を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、包装材の原反から送出され筒状に折返された包装材に縦シールを施して縦シール部を形成して、包装材を筒状とする縦シール手段と、前記包装材に横シールを施す横シール手段と、前記縦シール手段と横シール手段によって形成される袋内に内容物を充填する内容物充填手段とを有する製袋充填装置において、前記横シールが施される部位に前記包装体の吊り下げ用となる糸を位置させる糸配置手段を具備し、前記横シール手段によって包装材に横シールを施して横シール部を形成すると共に、前記糸を包装材に溶着することを特徴とする製袋充填装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した製袋充填装置において、横シールが行われる前に包装材の横シールが施される部分の上側をクランプする一対のクランプ部材と具備し、糸配置手段は前記クランプ部材どうしの間に糸を位置させることを特徴とする製袋充填装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載した製袋充填装置において、横シール手段は包装材の送出方向に直交する平面内にて回動自在であり、クランプ部材は横シール手段と共に回動することを特徴とする製袋充填装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した製袋充填装置において、糸配置手段は糸の送り量を調節する糸送り量調節手段を具備することを特徴とする製袋充填装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した製袋充填装置において、糸配置手段は、糸巻き部に巻かれた糸を繰り出す糸繰出し手段と、前記繰り出される糸をガイドするガイド部材と、前記ガイド部材によってガイドされる糸を送出する糸付勢手段とから構成されていることを特徴とする製袋充填装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載した製袋充填装置において、ガイド部材は可撓性を有するホースによって構成されていることを特徴とする製袋充填装置である。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5に製袋充填装置において、ガイド部材は樋状部材によって構成されていることを特徴とする製袋充填装置である。
【0013】
請求項8の発明は、請求項5から7のいずれかに記載した製袋充填装置において、糸付勢手段はガイド部材へエアを吹き込むエア吹き込み装置から成ることを特徴とする製袋充填装置である。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1から8に記載した製袋充填装置によって製造された袋とこの袋に充填された内容物から成る包装体において、横シール部が2ヶ所形成され、一方の横シール部に糸の一端部が溶着され、他方の横シール部に糸の他端部が溶着されていることを特徴とする包装体である。
【0015】
請求項10の発明は、請求項9に記載した包装体において、一方の横シール部は他方の横シール部に対しほぼ90°回動した位置に備えられていることを特徴とする包装体である。
【0016】
請求項11の発明は、請求項9または10に記載した包装体において、糸にはタグが固定されていることを特徴とする包装体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の製袋充填装置によれば、平袋だけでなく、三角錐状の袋に茶葉等を充填した抽出用の所謂三角バッグの横シール部に吊り下げ用の糸を溶着でき、横シール部に吊り下げ用の糸が溶着された包装体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態1に係る製袋充填装置1、この製袋充填装置1によって製造される包装体としてのティーバッグ3を図1から図13にしたがって説明する。
図1に示すようにティーバッグ3は透水性の材料によって構成される三角錐状の袋、袋5に充填、封入されている茶葉(図示せず)及び袋5に溶着された吊り下げ用の糸7によって構成されている。袋5には一ヶ所の縦シール部9と二箇所に横シール部11、13が形成されており、糸7の一端部は横シール部11に溶着され、他端部は横シール部13に溶着されている。
【0019】
ティーバッグ3を製造する製袋充填装置1の構成について説明する。
装置本体21の上部には繰出しホイール25が備えられ、この繰出しホイール25にロール状に巻かれた包装材23の原反が装着されている。また、装置本体21には包装材23をガイドする複数のガイドローラ27が備えられている。
装置本体21の上部には茶葉Tが収容される茶葉収容部29、この茶葉Tを一定量ずつ送出するための計量送出装置31が備えられている。
【0020】
更に装置本体21にはガイドシュート33が設けられており、このガイドシュート33を挟んで互いに対向する2つの送りローラを一組とするローラ組35、37が上下に配置されている。
ローラ組35とローラ組37との間には縦シール手段としての超音波ホーン39と、この超音波ホーン39に対向して配置された円盤状の受け部材41が備えられている。受け部材41はエアシリンダ42の出入可能なピストンの先端部に取り付けられている。
【0021】
また、装置本体21には横シールを行うための回動ユニット43が備えられている。回動ユニット43の構成について説明する。
符号45は板状の回動ベースを示し、この回動ベース45は支持ベース47上に角度90°の範囲で回動自在に支持されており、図示しない駆動機構によって回動させられる(図10から図13参照)。回動ベース45のほぼ中心には丸穴49が形成され、この丸穴49は支持ベース47の丸穴51に連通している(図4参照)。
【0022】
図3に示すように回動ベース45の上面の四隅には支柱53、55、57、59が固定されており、支柱53、55には横バー61が渡設され、支柱57、59には横バー63が渡設されている。横バー61、63には一対のガイドシャフト65、67が渡設されており、ガイドシャフト65、67にはほぼU字形の板状部材によって構成されるホルダ69が摺動自在に支持されている。ホルダ69のガイドシャフト65側の腕部には超音波ホーン71が支持され、ホルダ69のガイドシャフト67側の腕部には円盤状の受け部材73が支持されている。これら超音波ホーン71と受け部材73によって横シール手段が構成されている。
【0023】
支柱53、55にはガイドシャフト77が渡設され、支柱57、59にはガイドシャフト75が渡設されている。ガイドシャフト75、77には一対のクランプ部材81、83が支持されており、図示しない駆動機構によってクランプ部材81、83の対向面どうしが接触する状態と離間する状態に動作させられる。
前述のように回動ベース45は支持ベース47上に角度90°の範囲で回動自在に支持されており、図示しない駆動機構によって回動させられるので、超音波ホーン71、受け部材73及び一対のクランプ部材81、83は後述するように包装材23の送出方向に直交する平面内において角度90°の範囲で回動自在である。
【0024】
クランプ部材81の上面には直角に曲げた板状の固定板85が取り付けられており、この固定板85には金属製のガイドパイプ86が固定されている。このガイドパイプ86は下端部開口が一対のクランプ部材81、83の対向面どうしの接合領域に臨んでいる。ガイドパイプ86の上端部には可撓性を有するプラスチック製のホース87の先端部が接続されており、このホース87の基端部の途中には分岐部88が設けられている。またホース87の基端部はエアバルブ92を介して図示しないエアコンプレッサ等から成るエア供給源に接続されている。
【0025】
図5に示すように、装置本体21には糸送り装置89が備えられており、この糸送り装置89は弾性体によって構成される駆動ローラ90、従動ローラ91を有しており、駆動ローラ90と従動ローラ91は外周面が互いに接触する状態で上下に配置されている。駆動ローラ90は図示しないモータによって回転駆動させられる。
符号95は装置本体21に備えられた制御手段を示し、この制御手段95にはエアバルブ92と糸送り装置89が接続されており、これらの動作が制御手段95によって制御されるようになっている。
【0026】
符号93は糸7が巻かれたリールを示し、このリール93に巻かれた位置は引き出されて、糸ガイド94のガイド穴94aを通り、更に分岐部88からホース87へ挿入されており、ホース87の先端部に接続されたガイドパイプ86から出ている。そして糸7は後述するように包装材23の横シール部11、13に溶着される。
糸配置手段は、固定板85、ガイドパイプ86、分岐部88を有するホース87、エアバルブ92、図示しないエア供給源、糸繰出し手段としての糸送り装置89及び制御手段95によって構成されている。糸送り量調節手段は、糸送り装置89と制御手段95とによって構成され、また糸付勢手段は、エアバルブ92、図示しないエア供給源及びホース87の分岐部88から成るエア吹き込み装置によって構成されている。
【0027】
また、装置本体21にはシュート97が設けられており、このシュート97は支持ベース47の丸穴51の下方領域に配置されている、シュート97の先端部は装置本体21の前面に設けられた排出口99に臨んでいる。
以上のように製袋充填装置1は構成されている。
【0028】
次に製袋充填装置1の動作について説明する。
繰出しホイール25に装着された包装材23は、その始端を繰出してガイドローラ27間に巻回した後、ガイドシュート33によってU字状に湾曲させられる。そして、ローラ組35、37によって、その側縁が重ね合わされた状態で保持され筒状となる。
【0029】
この状態でティーバッグ3の高さ寸法に相当する1ピッチ分、ローラ組35、37によって包装材23は下方に送られ、超音波ホーン39と受け部材41とにより包装材23に縦シールが施され、縦シール部9が形成される。更に縦シール部9が形成されて筒状になった包装材23はローラ組35、37によって更に下方に送られ、回動ユニット43に至る。包装材23が回動ユニット43に至ると、クランプ部材81、83が互いに近づく方向へ駆動して、包装材23の横シール部11が形成される部分(仮想線Sで示す部分)のすぐ上側の部分を挟持する。
【0030】
図10に示すように待機していたホルダ69は、包装材23に向かって往路走行する。ホルダ69と共に超音波ホーン71及び受け部材73も往路走行するため、包装材23の下部が横方向にシールアンドカットされる。これにより図6に示すように包装材23の先端部に形成された横シール部11が形成されると共に糸7が横シール部11に溶着される。更に、ティーバッグ3の同図において上側の横シール部13が形成される共に、ティーバッグ3が包装材23から切り離される。そして、切り離されたティーバッグ3は回動ベース45の丸穴49、支持ベース47の丸穴51と通ってシュート97上に落下し、シュート97上を滑って移動し、排出口99から排出される。
【0031】
次いで、クランプ部材81、83が開いて包装材23に対するクランプが解除され、クランプ部材81、83どうしの間に隙間が開く(図13参照)。
また、回動ユニット43は、超音波ホーン71、受け部材73及びクランプ部材81、83と共に図10に示す状態から90°回動して、図11に示す状態となる。
そして、図6に示す糸7の先端部が包装材23の先端部に形成された横シール部11に溶着された状態から、図7に示すように包装材23がティーバッグ3の高さ寸法に相当する1ピッチ分、ローラ組35、37によって包装材23は下方へ送られる。
【0032】
また、図5に示すように制御手段95の指令によって駆動ローラ90と共に従動ローラ91が所定時間だけ回転して、駆動ローラ90と従動ローラ91に挟まれている糸7が走行し、リール93に巻かれて糸7が引き出されて所定距離送られる。制御手段95の指令によって糸7が送られる動作に同期して、平生は閉じているエアバルブ92が所定時間だけ開いてエアがホース87へ送り込まれる。即ち、糸7が分岐部88からホース87へ送られる動作に同期して、開放されたエアバルブ92を介してエア供給源からホース87へエアが送り込まれる。従って、糸7はホース87内をスムーズに進行し、図7に示すように糸7の先端部分が一定長さだけガイドパイプ86から送り出されて、クランプ部材81、83どうしの間の隙間を通過して下方へ送られる。これにより、超音波ホーン71、受け部材73によって図7において仮想線Sで示す横シールが施される部位に糸7が位置させられる。
【0033】
そして、計量送出装置31によって計量された所定量の茶葉Tがガイドシュート33を通って、包装材23の先端部に充填される。
次いで待機していたホルダ69が、図12に示すように包装材23に向かって往路走行する。ホルダ69と共に超音波ホーン71及び受け部材73も往路走行するため、包装材23の下部が横方向にシールアンドカットされる。これにより図8に示すように包装材23の先端部に形成された横シール部11が形成されると共に糸7が横シール部11に溶着される。更に、ティーバッグ3の同図において上側の横シール部13が形成される共に、ティーバッグ3が包装材23から切り離される。そして、切り離されたティーバッグ3は回動ベース45の丸穴49、支持ベース47の丸穴51と通ってシュート97上に落下し、シュート97上を滑って移動し、排出口99から排出される。
【0034】
また、図11示すようにクランプ部材81、83による包装材23に対するクランプが解除されてから同図において反時計回りの方向へ回動して、図13に示す状態となる。そして、上記と同様にして糸送り装置89、エアバルブ92が動作して、糸7の先端部分が一定長さだけガイドパイプ86から送り出されて、クランプ部材81、83どうしの間に隙間を通過して下方へ送られる。これにより、超音波ホーン71、受け部材73によって図7において仮想線Sで示す横シールが施される部位に糸7が位置させられる。これにより、図9に示すように、超音波ホーン71、受け部材73によって同図において仮想線Sで示す横シールが施される部位に糸7が位置させられる。更に上記した動作が繰り返されて、ティーバッグ3が連続して製造される。
【0035】
上記のように回動ユニット43のクランプ部材81、83は、超音波ホーン71、受け部材73と共に回動し、クランプ部材81、83に糸7の送出口を有するガイドパイプ86が備えられているので、糸7はクランプ部材81、83どうしの隙間を確実に通過できて、糸7がクランプ部材81、83に絡まったり、横シールの際に横シール部11、13に溶着されることなく、途中から切断されてしまったりするのを確実に防止することができる。
なお、吊り下げ用の糸7を長くしたい場合には、糸送り装置89の駆動時間、即ち駆動ローラ90の回転時間を長くし、且つエアバルブ92が開放時間、即ちエアをホース87へ送り込む時間を長くし、これとは逆に吊り下げ用の糸7を短くしたい場合には、糸送り装置89の駆動時間を短くし、且つエアバルブ92が開放時間を短くする。
【0036】
本発明の実施の形態2を図14から図17によって説明する。
実施の形態2のティーバッグ120は実施の形態1のティーバッグ3と同じ構成部分を有し、ティーバッグ120を製造する実施の形態2の製袋充填装置も実施の形態1の製袋充填装置1と同じ構成部分を有するので、実施の形態2については実施の形態1と異なる構成部分についてのみ説明する。
【0037】
図14に示すようにティーバッグ120の吊り下げ用の糸7の横シール部11に近い位置にはタグ121が溶着されている。このティーバッグ120では図15に示すように糸7の横シール部11の溶着された部分を外して、タグ121を持って、袋5を吊下げるようにしてポット等に入れ、袋5内の茶葉Tの抽出を行う。
【0038】
図16に実施の形態2の製袋充填装置の一部構成部分を示す。この製袋充填装置では、実施の形態1の製袋充填装置1のホース87とガイドパイプ86の代わりにガイド部材としての樋状部材125が備えられている。この樋状部材125はポリ四フッ化エチレン系の合成樹脂等の摩擦係数の小さい材料によって構成され、底部126が平板状となっている。底部126の左右の端部には立ち上げ部127が設けられており、左右の立ち上げ部127は互いに対向して底部126に沿って延びている。凸部128は互いに対向する二面が傾斜しており、これら二つの傾斜する面が交わる部位が尖っている。
【0039】
この製袋充填装置では、タグ121が一定間隔で溶着された糸7が糸送り装置によって送られて、樋状部材125にガイドされる。このときタグ121が底部126上を滑走するので、スムーズにタグ121付きの糸7を送ることができる。
また、タグ121は、立ち上げ部127によって左右両側へずれるのを規制され、しかも凸部128で底部126から離間するのを規制されるため、底部126上を確実に滑走して、糸7を真っすぐ、且つスムーズに送ることができる。
【0040】
図18に実施の形態3のティーバッグ130を示す。このティーバッグ130は袋131が平袋状で、折り曲げ部135に対向する辺に縦シール部133が設けられている。そして、横シール部137、139に糸7の一端部と他端部がそれぞれ溶着されている。
このティーバッグ130は実施の形態1の製袋充填装置1によって製造されるもので、回動ユニット43を回転させないで図10に示した状態で静止したまま、ホルダ69が超音波ホーン71と受け部材73と共に往復動作させて横シール部137、139を形成して製造される。なお、ティーバッグ130を製造する場合において、製袋充填装置1の動作は上記回動ユニット43が回転しない点を除き、ティーバッグ3を製造する場合と同じである。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、縦シール手段、横シール手段を超音波ホーンと受け部材から成る超音波シール装置によって構成したが、電熱等を用いたヒートシール装置によって構成してもよい。
糸付勢手段は、エアバルブ92、図示しないエア供給源及びホース87の分岐部88から成るエア吹き込み装置によって構成したが、エア以外の例えば糸を把持する状態とこの把持を解除する状態に動作する把持部材と、この把持部材を駆動する駆動手段とによって構成してもよい。
また、内容物は茶葉に限定されるものでなく、コーヒー、削り節等の他の食品、更に食品以外の薬品等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の製袋充填装置、包装体はティーバッグ製造業等の産業において広く利用される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態1に係る製袋充填装置によって製造されるティーバッグの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る製袋充填装置の斜視図である。
【図3】図2の製袋充填装置に備えられる回動ユニットの斜視図である。
【図4】図3の回動ユニットの正面図である。
【図5】図2の製袋充填装置に備えられる糸送り装置等の糸を送るための装置の構成図である。
【図6】図2の製袋充填装置によって吊上げ糸を有するティーバッグを製造する工程を説明するための斜視図である。
【図7】図2の製袋充填装置によって吊上げ糸を有するティーバッグを製造する工程を説明するための斜視図である。
【図8】図2の製袋充填装置によって吊上げ糸を有するティーバッグを製造する工程を説明するための斜視図である。
【図9】図2の製袋充填装置によって吊上げ糸を有するティーバッグを製造する工程を説明するための斜視図である。
【図10】回動ユニット、回動ユニットに備えられる横シール手段とクランプ部材の動作を説明するための平面図である。
【図11】回動ユニット、回動ユニットに備えられる横シール手段とクランプ部材の動作を説明するための平面図である。
【図12】回動ユニット、回動ユニットに備えられる横シール手段とクランプ部材の動作を説明するための平面図である。
【図13】回動ユニット、回動ユニットに備えられる横シール手段とクランプ部材の動作を説明するための平面図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る製袋充填装置によって製造されるティーバッグの斜視図である。
【図15】図14のティーバッグの使用方法を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る製袋充填装置の実施の形態1の製袋充填装置と異なる構成部分を示す図である。
【図17】図16の樋状部材の斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係るティーバッグの正面図である。
【図19】従来例に係るティーバッグの正面図である。
【符号の説明】
【0044】
1…製袋充填装置 3…ティーバッグ 5…袋
7…吊り下げ用の糸 9…縦シール部 11、13…横シール部
21…装置本体 23…包装材 25…繰出しホイール
27…ガイドローラ 29…茶葉収容部 31…計量送出装置
33…ガイドシュート 35、37…ローラ組 39…超音波ホーン
41…受け部材 42…エアシリンダ 43…回動ユニット
45…回動ベース 47…支持ベース 49…丸穴 51…丸穴
53、55、57、59…支柱 61、63…横バー
65、67…ガイドシャフト 69…ホルダ 71…超音波ホーン
73…受け部材 75、77…ガイドシャフト
81、83…クランプ部材 85…固定板 86…ガイドパイプ
87…ホース 88…分岐部 89…糸送り装置
90…駆動ローラ 91…従動ローラ 92…エアバルブ
93…リール 94…糸ガイド 94a…ガイド穴
95…制御手段 97…シュート 99…排出口
T…茶葉
121…タグ 125…樋状部材 126…底部
127…立ち上げ部 128…凸部
130…ティーバッグ 133…縦シール部 135…折り曲げ部
137、139…横シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材の原反から送出され筒状に折返された包装材に縦シールを施して縦シール部を形成して、包装材を筒状とする縦シール手段と、前記包装材に横シールを施す横シール手段と、前記縦シール手段と横シール手段によって形成される袋内に内容物を充填する内容物充填手段とを有する製袋充填装置において、前記横シールが施される部位に前記包装体の吊り下げ用となる糸を位置させる糸配置手段を具備し、前記横シール手段によって包装材に横シールを施して横シール部を形成すると共に、前記糸を包装材に溶着することを特徴とする製袋充填装置。
【請求項2】
請求項1に記載した製袋充填装置において、横シールが行われる前に包装材の横シールが施される部分の上側をクランプする一対のクランプ部材と具備し、糸配置手段は前記クランプ部材どうしの間に糸を位置させることを特徴とする製袋充填装置。
【請求項3】
請求項2に記載した製袋充填装置において、横シール手段は包装材の送出方向に直交する平面内にて回動自在であり、クランプ部材は横シール手段と共に回動することを特徴とする製袋充填装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した製袋充填装置において、糸配置手段は糸の送り量を調節する糸送り量調節手段を具備することを特徴とする製袋充填装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した製袋充填装置において、糸配置手段は、糸巻き部に巻かれた糸を繰り出す糸繰出し手段と、前記繰り出される糸をガイドするガイド部材と、前記ガイド部材によってガイドされる糸を送出する糸付勢手段とから構成されていることを特徴とする製袋充填装置。
【請求項6】
請求項5に記載した製袋充填装置において、ガイド部材は可撓性を有するホースによって構成されていることを特徴とする製袋充填装置。
【請求項7】
請求項5に製袋充填装置において、ガイド部材は樋状部材によって構成されていることを特徴とする製袋充填装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載した製袋充填装置において、糸付勢手段はガイド部材へエアを吹き込むエア吹き込み装置から成ることを特徴とする製袋充填装置。
【請求項9】
請求項1から8に記載した製袋充填装置によって製造された袋とこの袋に充填された内容物から成る包装体において、横シール部が2ヶ所形成され、一方の横シール部に糸の一端部が溶着され、他方の横シール部に糸の他端部が溶着されていることを特徴とする包装体。
【請求項10】
請求項9に記載した包装体において、一方の横シール部は他方の横シール部に対しほぼ90°回動した位置に備えられていることを特徴とする包装体。
【請求項11】
請求項9または10に記載した包装体において、糸にはタグが固定されていることを特徴とする包装体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−52738(P2010−52738A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216434(P2008−216434)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(391024744)不双産業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】