説明

複合シートの製造装置

【課題】所望のピッチや大きさの凸部、特に小ピッチの凸部を有する複合シートを容易に製造し得る装置を提供すること。
【解決手段】周面が凹凸形状となっている第1のロール11と、第1のロール11の凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2のロール12とを備えている。第1のロール11は、該ロールの回転方向に沿って交互に凹凸部を形成するように、複数枚の歯車11aが回転軸に取り付けられてロール状となされている。所定枚数の歯車11aおきに、該歯車間に所定幅の空隙部19が形成されている。空隙部19は、ロールの回転軸方向に延びるようにロール11内に形成された吸引路21と連通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚のシート状物からなり、一方のシート状物が多数の凸部を形成している複合シートの製造装置に関する。また本発明はこの製造装置を用いた複合シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性材料の少なくとも片面にスパンボンド不織布をポイント接合して複合不織布となし、この複合不織布を所定の方向に引っ張って負荷をかけた後、その負荷を除去することでスパンボンド不織布にたるみを生じさせ嵩高にした複合不織布が知られている(特許文献1参照)。この複合不織布はパンツタイプおむつのサイドベルトとして用いられる。多数の凸部を有する複合シートを得る方法としては、特許文献1記載の方法の他に、特許文献2及び3に記載されている方法も知られている。
【0003】
しかし、特許文献1記載の不織布は、スパンボンド不織布の塑性変形を利用してたるみを生じさせているので、たるんだ部分では繊維の毛羽立ちが生じている。従って、そのような不織布を吸収性物品の表面シートとして用いると、毛羽立った繊維が皮膚を刺激してしまい、吸収性物品の装着感が低下してしまう。そもそもこの不織布は、吸収性物品の表面シートとして設計されたものではないので、これを吸収性物品の表面シートとして用いても十分な液漏れ防止効果は期待できない。特に高粘性液である軟便や経血の漏れ防止性は期待できない。
【0004】
また、前記不織布におけるたるみは、スパンボンド不織布の塑性変形で生じたものであるから、常に一定の大きさで再現性良くたるみを生じさせることが容易でない。
【0005】
【特許文献1】特開平5−59655号公報
【特許文献2】特開平10−245757号公報
【特許文献3】特開平2−18036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明は、前述した従来の複合シートを製造する際の欠点を解消する複合シートの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1及び第2の2枚のシート状物が部分的に接合されて多数の接合部が形成されており、第1のシート状物が該接合部以外の部分において突出して、内部が空洞となっている多数の凸部を形成している複合シートの製造装置であって、
前記製造装置は、周面が凹凸形状となっている第1のロールと、該第1のロールの凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2のロールとを備えており、
少なくとも第1のロールは、該ロールの回転方向に沿って交互に凹凸部を形成するように、複数枚の歯車が回転軸に取り付けられてロール状となされており、
所定枚数の歯車おきに、該歯車間に所定幅の空隙部が形成されており、該空隙部は、ロールの回転軸方向に延びるように第1のロール内に形成された吸引路と連通している複合シートの製造装置を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
また本発明は、前記製造装置を用いた複合シートの製造方法であって、
第1のロールと第2のロールとの噛み合わせ部に第1のシート状物を噛み込ませて該シート状物を凹凸賦形し、
第1のロールに形成された前記吸引路を通じての吸引によって該ロールの周面に第1のシート状物を凹凸賦形された状態のまま保持しつつ第2のシート状物を重ね合わせ、第2のシート状物を、第1のロールにおける凸部上に位置する第1のシートと接合する複合シートの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造装置によれば、所望のピッチや大きさの凸部、特に小ピッチの凸部を有する複合シートを容易に製造することができる。また、多数の小さな凸部を確実に形成することも容易である。また凸部を一定の大きさで再現性良く形成できる。更に、歯車の組み合わせや幅を変更するだけの簡単な操作で、凸部のピッチや大きさを自由に変更できる。本発明の製造装置によって製造される複合シートは特に吸収性物品用の表面シートとして好適に用いられる。表面シートとして用いた場合、該シートは、液漏れ防止性に優れたものとなり、また吸収した液の隠蔽性の高いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。先ず本発明の製造装置を用いて製造される複合シートの一例について説明する。図1には本発明の製造装置を用いて製造される複合シートの一例の要部拡大図が示されている。本実施形態に従い製造される複合シートは、生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の肌当接面に配される表面シート1として好適に用いられる。図1に示す表面シート1は2枚のシート状物から構成されている。表面シート1は、着用者の肌側に向けられる第1のシート状物としての上層2と吸収体側に配される第2のシート状物としての下層3とを有している。上層2及び下層3は典型的には各種不織布やフィルムから構成されている。不織布としては、例えばカード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等が挙げられる。フィルムを使用する場合には、これを穿孔して多数の開孔を設け液透過可能とすることが好ましい。
【0011】
上層2と下層3とは多数の接合部4において部分的に接合されている。上層2は、接合部4以外の部分において着用者の肌側に向けて突出しており凸部5を形成している。凸部5の内部は空洞になっている。
【0012】
本実施形態においては、凸部5はその底面が矩形である。また凸部5は、全体として稜線が丸みを帯びた扁平な直方体又は截頭四角錐体となっている。一方、接合部4も矩形となっている。
【0013】
凸部5及び接合部4は、交互に且つ一方向に列をなすように配置されている。本実施形態においては図1に示すように、同図中X方向に沿って凸部5及び接合部4が交互に配置され列をなしている。この方向は、表面シート1の製造工程における流れ方向と一致し、また表面シート1が吸収性物品に組み込まれたときの該吸収性物品の長手方向又はそれと直交する方向と一致する。凸部5及び接合部4からなる列は、図1中Y方向に亘って多列に配置されている。
【0014】
表面シート1においては、一の列における任意の一つの凸部に着目したときに、該列に隣り合う左右の列においては、該一つの凸部と隣り合う位置に凸部が位置していない。「一つの凸部と隣り合う位置に凸部が位置していない」とは、一つの凸部に着目したときに、隣り合う列の完全に同位置に、凸部が位置していないことを意味している。つまり、図1におけるY方向に関して、隣り合う列間における凸部が完全に連なるように凸部が配置されていないことを意味する。従って、一つの凸部と隣り合う位置には、凸部の一部と接合部の一部の双方が存在していてもよいし、或いは接合部のみが存在していてもよい。Y方向に関して凸部が完全に連なるように配置されていると、見掛け上Y方向に長く延びた凸部が形成されることになり、その場合には液が長く延びた凸部に沿って流れ出しやすくなってしまい、液漏れの原因となる。
【0015】
本実施形態においては、隣り合う2つの列において、接合部は半ピッチずつずれて配置されている。従って、一の列における任意の一つの接合部に着目したときに、該一つの接合部はその前後及び左右が凸部によって取り囲まれて形成された、閉じた凹部となっている。つまり、接合部は千鳥格子状に配置されている。従って、凸部も同様に千鳥格子状に配置されている。
【0016】
凸部5及び接合部4がこのように配置されていることで、表面シート1を具備する吸収性物品においては液漏れが極めて効果的に防止される。詳細には、表面シート1を例えば使い捨ておむつ、特に高粘度の排泄物である軟便を排泄する低月齢児用のおむつの表面シートとして用いた場合には次の効果が奏される。軟便は高粘度であることから、一般に表面シートを速やかに透過しづらく表面シート上に滞留して横流れを起こしやすい。これに対して、本実施形態の表面シートによれば、軟便は、凸部5によって取り囲まれて形成された閉じた凹部内に捕捉されるので横流れが起こりずらくなり、また捕捉されることに起因して下方向(つまり吸収体方向)への移動が促進される。その結果、軟便の漏れが防止される。また、凸部5はその内部が空洞であることから、吸収体に吸収された軟便の色が、表面シート側から見て減殺されるという隠蔽効果もある。これらの効果は、軟便と同様に高粘度の排泄物である経血を吸収するための生理用ナプキンの表面シートとして、本実施形態の表面シート1を用いた場合にも同様に奏される。
【0017】
この表面シート1の製造方法を図2〜図5に示す製造装置を参照しながら説明する。図2に示すように、本実施形態の製造装置は、周面が凹凸形状となっている第1のロール11と、第1のロール11の凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2のロール12と、アンビルロール14とを備えている。第1のロール11と第2のロール12とは、それぞれのロール周面の凹凸部が噛み合うように配置されている。また第1のロール11とアンビルロール14とは、第1のロール11の周面の凸部の頂部がアンビルロール14の周面と当接するように配置されている。
【0018】
図3には第1のロール11の要部斜視図が示されており、図4にはその一部の分解斜視図が示されている。第1のロール11は、同モジュールの平歯車からなる第1の歯車11a及び第2の歯車11bを複数枚組み合わせ、これらの歯車を回転軸15に同心状に取り付けてロール状に形成したものである。各歯車11a,11bは何れも同じ歯幅を有している。各歯車11a,11bはその中心が開口しており、その開口部に回転軸15が挿入される。各歯車11a,11b及び回転軸15にはそれぞれ切り欠き部(図示せず)が形成されており、該切り欠き部にキー(図示せず)が挿入される。これによって各歯車11a,11bの空回りが防止される。
【0019】
第1の歯車11aと第2の歯車11bとは歯先円直径が同径となっている。また第1の歯車11aの歯数は第2の歯車11bの歯数の整数倍となっている。具体的には、本実施形態に用いられる第2の歯車11bの歯数が7であるのに対して、第1の歯車11aの歯数はその整数倍である21になっている。
【0020】
第1のロール11においては、1枚の第2の歯車11bに対してその両側にそれぞれ1枚ずつの第1の歯車11aが配されて、これらの3枚の歯車を一組とした歯車群16が複数組配されている。各歯車群16においては、第1の歯車11a及び第2の歯車11bは、各歯車11a,11bの歯がロールの回転軸方向に並列するように配されている。これによって各歯車群16においては、ロール11の回転方向に沿って凸部17と凹部18とが交互に形成される。凸部17は、3枚の歯車(つまり2枚の第1の歯車11aと1枚の第2の歯車11b)それぞれの歯がロール11の回転軸方向に並列して形成されたものであるか(図3中、符号17aで示す)、或いは2枚の第1の歯車11aの歯がロールの回転軸方向に並列して形成されたものである(図3中、符号17bで示す)。一方、凹部18は、2枚の第1の歯車11aの歯間で形成されたものである。凸部17の幅は、表面シート1の凸部5におけるY方向の寸法を決定する。
【0021】
歯車群16は二組以上用いられる。各歯車群16は、隣り合う歯車群16,16における凹凸部のピッチが互いに異なるように配される。本実施形態においては、隣り合う歯車群16,16は凹凸部が半ピッチずれている。
【0022】
各歯車群16においては、2枚の第1の歯車11a間に、ロール11の回転方向に沿って、一定の間隔をおいて空隙部19が複数形成されている。各空隙部19は、2枚の第1の歯車11aと、これらの間に位置する第2の歯車11bとで形成されている。更に詳細には、各空隙部19は、2枚の第1の歯車11aの相対向する側面と、第2の歯車11bにおける隣り合う2つの歯によって画定される。従って空隙部19は、第2の歯車11bの歯数と同数形成されることになる。空隙部19は、先に述べた凹部18において外部に向かって開口している。
【0023】
第1の歯車11aには、回転軸15が挿入される中心の開口部を取り囲むように複数の開口部20が形成されている。各開口部20は同径であり、歯車の中心からそれぞれ等距離の位置に形成されている。隣り合う開口部20,20と歯車の中心とがなす角度は何れも等しくなっている。各歯車11aにおける開口部20の個数は、第2の歯車11bの歯数と同数になっている。そして、各歯車群16を組み付ける場合には、各開口部20が、第2の歯車11bにおける隣り合う歯間にそれぞれ位置するように、第1及び第2の歯車11a,11bを配置する。このように各歯車群16を組み付け、更にそれぞれの歯車群16を凹凸部のピッチが互いに異なるように配した状態においては、それぞれの第1の歯車11aの開口20が、ロール11の回転軸方向に連なって、該回転軸方向に延びる複数の吸引路21がロール11の内部に形成される。そして各吸引路21は、先に述べた空隙部19と連通する。
【0024】
吸引路21の少なくとも一端は、ブロワや真空ポンプなどの吸引源(図示せず)に通じている。従って、吸引源を作動させて吸引操作を行うと、空隙部19から吸引路21を通じて空気が吸引される。
【0025】
以上の構成を有する製造装置を用いた複合シートの製造方法について説明する。先ず図2に示すように、上層2の原反2’から上層2を繰り出す。これとは別の下層3の原反3’から下層3を繰り出す。繰り出された上層2を、第1のロール11と第2のロール12との噛み合わせ部に噛み込ませて上層2を凹凸賦形する。この場合、第1のロール11を先に述べたように吸引しておく。吸引は、第1のロール11と第2のロール12との噛み合い部から上層2と下層3との合流部までの間で行われる様に制御されている。従って、第1のロール11と第2のロール12との噛み合いによって凹凸賦形された上層2は、第1のロール11に形成された空隙部19による吸引力によって図5に示すように該ロールの周面に密着し、その凹凸賦形された状態が保持される。吸引を行わない場合には、上層2が第1のロール11の周面から浮き上がってしまい、結果として所望の凹凸形状を有するシートを得ることができない。
【0026】
次いで、上層2を第1のロール11の周面に引き続き密着させた状態下に(図5参照)、図2に示すように、別に繰り出されている下層3を重ね合わせ、その重ね合わせたものを第1のロール11とアンビルロール14との間で挟圧する。このとき、第1のロール11とアンビルロール14の両方又はアンビルロール14のみを所定温度に加熱しておく。これによって、第1のロール11における凸部上、つまり各歯車の歯の上に位置する上層2が下層3と熱融着によって接合される。
【0027】
上層2と下層3とを熱融着によって接合することに代えて、接着剤による接着や超音波接合によってこれらの層を接合してもよい。
【0028】
以上の方法によって、図1に示す表面シート1が得られる。本実施形態の製造装置によれば従来技術の項で述べた特許文献1に記載の技術と異なり、凸部を所望のピッチで且つ一定の大きさで再現性良く形成できるという利点がある。また、歯車間に空隙部19を設けることにより使用する凹凸ロールの周面形状を損なわないため、特に小ピッチで多数の小さな凸部を確実に形成できるという利点もある。更に、歯車の組み合わせや幅を変更するだけの簡単な操作で、凸部のピッチや大きさを自由に変更できる。小ピッチの小凸部を多数形成できることは、肌触りが良好で、クッション感が高く、視覚的な印象の良い表面シートを得る点から有利である。
【0029】
このようにして得られた表面シート1は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品に用いられる。吸収性物品は一般に液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を有して構成されている。また得られたシートは、吸収性物品の表面シート以外の用途、例えば吸収性物品の裏面シート、ファスニングテープを備えた使い捨ておむつにおける該ファスニングテープの基材シートや該ファスニングテープが係合するランディングテープ用シート、ウイングを備えた生理用ナプキンにおける該ウイングの基材シート、メカニカルファスナのループ部材用パネル材、清掃用シート、清拭シート等としても用いることができる。
【0030】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、第1のロール11における各歯車群16は、該歯車群における凹凸部のピッチが互いに半ピッチずれるように配置されていたが、半ピッチ以外のピッチで配置されていてもよい。或いは、第1のロール11は、第1の歯車11a及び第2の歯車11bの歯がロールの回転軸方向に並列して、ロールの回転方向に沿う凹凸部が交互に且つロールの幅方向全域にわたり連続して形成されているものであってもよい。この場合には、それぞれ同一方向に延びる凸部及び凹部が交互に形成された複合シートが得られる。
【0031】
また前記実施形態においては、2枚の第1の歯車11aと、これらの間に位置する1枚の第2の歯車11bとで一組の歯車群が構成されていたが、歯車群の構成はこれに限られず、少なくとも1枚の第2の歯車11bの少なくとも一方の側に、少なくとも1枚の第1の歯車11aを配し、これを以て一組の歯車群となすことができる。
【0032】
また前記実施形態においては、2枚の第1の歯車11a間に第2の歯車11bを介在させることで空隙部19を形成していたが、空隙部の形成方法はこれに限られない。例えば第2の歯車11bを第1の歯車11aと一体化した形状の歯車を用いて空隙部を形成してもよい。
【0033】
また前記実施形態においては、第1のロール11の構造に関して説明したが、第2のロール12も第1のロール11と同様の構造となっていてよい。勿論、第1のロール11と噛み合い形状であれば、該ロール11と異なる構造となっていてもよい。但し、何れの場合においても第2のロール12では吸引操作は行われない。
【0034】
また前記実施形態においては、第1の歯車11aと第2の歯車11bは同じ歯幅で構成されていたが、異なる歯幅であってもよい。さらに、一の歯車群における歯車の歯幅を、他の歯車群における歯車の歯幅と異ならせてもよい。
【0035】
また前記実施形態においては、第1の歯車11aと第2の歯車11bは歯先円直径が同形で構成されていたが、第2の歯車11bの歯先円直径は第1の歯車11aのそれよりも小さくてもよい。
【0036】
また前記実施形態においては、第1の歯車11aの歯数は第2の歯車11bの歯数の整数倍で構成されていたが、必ずしも整数倍でなくともよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の製造装置を用いて製造される複合シートの一例の要部を拡大して示す斜視図である。
【図2】本発明の製造装置の一実施形態を示す模式図である。
【図3】図2における第1のロールの要部を示す斜視図である。
【図4】図3に示すロールの一部の分解斜視図である。
【図5】第1のシート状物が凹凸賦形されたまま第1のロール保持されている状態を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 表面シート(複合シート)
2 上層(第1のシート状物)
3 下層(第2のシート状物)
4 接合部
5 凸部
11 第1のロール
11a 第1の歯車
11b 第2の歯車
12 第2のロール
15 回転軸
16 歯車群
17 凸部
18 凹部
19 空隙部
20 開口部
21 吸引路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の2枚のシート状物が部分的に接合されて多数の接合部が形成されており、第1のシート状物が該接合部以外の部分において突出して、内部が空洞となっている多数の凸部を形成している複合シートの製造装置であって、
前記製造装置は、周面が凹凸形状となっている第1のロールと、該第1のロールの凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2のロールとを備えており、
少なくとも第1のロールは、該ロールの回転方向に沿って交互に凹凸部を形成するように、複数枚の歯車が回転軸に取り付けられてロール状となされており、
所定枚数の歯車おきに、該歯車間に所定幅の空隙部が形成されており、該空隙部は、ロールの回転軸方向に延びるように第1のロール内に形成された吸引路と連通している複合シートの製造装置。
【請求項2】
複数枚の歯車は第1の歯車と第2の歯車とを含み、前記空隙部が2枚の第1の歯車と、これらの間に位置する第2の歯車とで形成されている請求項1記載の複合シートの製造装置。
【請求項3】
少なくとも1枚の第2の歯車の少なくとも一方の側に、少なくとも1枚の第1の歯車を配し、これを以て一組の歯車群となし、
前記歯車群においては、各歯車の歯がロールの回転軸方向に並列してロールの回転方向に沿う凹凸部が交互に形成されており、
二組以上の歯車群が、隣り合う歯車群における凹凸部のピッチが互いに異なるように配されている請求項2記載の複合シートの製造装置。
【請求項4】
第1の歯車及び第2の歯車の歯がロールの回転軸方向に並列して、ロールの回転方向に沿う凹凸部が交互に且つロールの幅方向全域にわたり連続して形成されている請求項2記載の複合シートの製造装置。
【請求項5】
それぞれの第1の歯車に開口が形成されており、該開口がロールの回転軸方向に連なって前記吸引路が形成されている請求項3又は4記載の複合シートの製造装置。
【請求項6】
請求項1記載の複合シートの製造装置を用いた複合シートの製造方法であって、
第1のロールと第2のロールとの噛み合わせ部に第1のシート状物を噛み込ませて該シート状物を凹凸賦形し、
第1のロールに形成された前記吸引路を通じての吸引によって該ロールの周面に第1のシート状物を凹凸賦形された状態のまま保持しつつ第2のシート状物を重ね合わせ、第2のシート状物を、第1のロールにおける凸部上に位置する第1のシートと接合する複合シートの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−106420(P2008−106420A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276679(P2007−276679)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【分割の表示】特願2003−351691(P2003−351691)の分割
【原出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】