説明

複合シールド材

【課題】 電磁波シールド性に優れ、電線等に適用可能な材料を提供する。
【解決手段】 導電性芯体の両面に、該導電性芯体を構成している主成分とは異なる成分から構成されているシールド金属層を形成してあり、該シールド金属層の表裏の通電抵抗が40mΩ以下であり、引っ張り伸びが1%以上となる様、材料条件や導電性芯体とシールド金属層との複合条件を選定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波シールド材に関するものであり、より詳細には、シールド性能が著しく向上し、軽量化や薄膜化も可能な電磁波シールド性に優れた複合シールド材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年における携帯電話、パーソナルコンピュータ、電子レンジ等の各種電子機器の普及や高性能化に伴い、電子機器のノイズ防止や電磁波の人体に対する影響防止等の見地から、電磁波シールド材が使用されている。公知の電磁波シールド材としては、金属箔や金属メッシュなど、及び金属材料を種々の形で樹脂基板中に埋設したものなどが知られている(例えば特許文献1参照)。また、電線やケーブルなどには、金属箔やCu編組などを巻いて、シールド性を高めている。
【特許文献1】特開平2−302098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電磁波シールドを目的として盛んに金属箔が使用されているが、単なる金属箔では達成困難な高電磁波シールド性を求められつつある。また、近年における情報技術の発展は、使用周波数帯の高周波化をもたらし、高周波に対するシールド特性のさらなる向上が求められている。金属箔を用いる場合、必ずしもその厚みを大きくすれば、シールド特性を高めることができるとは限らないどころか、金属箔の厚みの増大は、製品の厚膜化や著しい高重量化をもたらすという不都合を生じる。
【0004】
したがって本発明の目的は主には、高周波に対する電磁波シールド効果を向上した複合材を提供すると共に、機械的特性が優れた複合材を提供することにある。さらには条件を選択することにより、大幅な薄膜化や軽量化が可能となる複合電磁波シールド材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、芯体に導電性材料を用い、該導電性芯体の両面に、シールド金属層をそれぞれの面に形成してあり、該シールド金属層の表裏の通電抵抗が40mΩ以下であり、該導電性芯体とシールド金属層が複合されている材料の引っ張り伸びが1%以上の電磁波シールド性が従来材より大幅に優れ、電線等への適用が可能な複合シールド材が提供される。
【0006】
本発明においては、
1.前記導電性芯体が、導電塗膜フィルムあるいはAl、Ni、Feを主体とする金属箔からなること、
2.前記シールド金属層が導電性芯体の主成分とは異なる成分から主に構成された金属層からなること、
3.前記シールド金属層の表裏の通電抵抗が40mΩ以下であること、
4.前記導電性芯体の両面にシールド金属層を形成した材料の引っ張り伸びが1%以上であること、
が好適である。
【発明の効果】
【0007】
概説すると、本発明においては、芯体として導電性材料を用い、該導電性芯体の両面にシールド金属層をそれぞれの面に下記(1)〜(3)の複合シールド材条件を満足できるように材料種類や厚みを選択して形成することにより、電線やケーブル等の電磁波シールド用途に用いた場合、適用時破断することなく、また適用後は顕著な高電磁波シールド性を得ることが可能となったものである。該導電性芯体の厚みについては特に制限するものではないが、一般的には100μm以下である。但し、近年、薄膜化要求が強く、複合シールド材の総厚が40μm以下を求められる場合が多くなっており、その場合は当然、より薄い導電性芯体を用いる必要がある。
<複合シールド材条件>
(1)導電性芯体の両面に、該芯体の主成分とは異なる成分から主に構成されているシ ールド金属層が形成してあること。
(2)シールド金属層の表裏の通電抵抗が40mΩ以下であること。
(3)複合シールド材の引っ張り伸びが1%以上であること。
【0008】
後述する実施例及び比較例での実験結果を示す表1を参照されたい。即ち、実施例1は、芯体として、SBRに東海カーボン株式会社製カーボンブラックを配合してなる導電樹脂層(厚み20μm)を用い、該芯体の表裏に各々Cuをスパッタにより0.1μm形成してメッキ下地層とし、さらに表裏の該メッキ下地層上に電解メッキにより2.9μmのCu層を形成することにより、該芯体の表裏に各々総厚が3μmのCu層を形成し、複合シールド材を得たものである。比較例1は、絶縁体である樹脂フィルムを芯体に用いたものであり、その芯体の表裏に前記と同様にして各々総厚が3μmのCu層を形成したものである。表1は、これらのシールド材について、3GHzの周波数での電磁波シールド効果を記したものである。
これらの結果から、芯体が導電体である実施例1の場合と絶縁体である比較例1の場合ではシールド金属層が同じであっても電磁波シールド性は大きく異なることが判る。
【0009】
この原因ははっきり判らないが、実施例1のシールド金属層を除いた芯体だけでは、あまり電磁波シールド効果が認められないことを考慮すると、実施例1の材料が高電磁波シールド性を有し、比較例1の材料が低電磁波シールド性しか有さないのは、導電性芯体の両面に芯体と異なる材料からなるシールド金属層を形成することにより、シールド金属の単層からなる場合は、反射面が2面しかないが、本発明の場合は該芯体とシールド金属層の界面が新たに反射面として加わり4面となり、反射による電磁波のシールド効果がシールド金属が単層である場合に比べ2倍に高められていること、及び芯体が絶縁体である場合と異なり表裏の金属メッキ層が電気的に接続されており、表裏通電抵抗が低減されており、このため、表裏の金属層の通電が迂回せず直になされ易く、電磁波の反射が効率的に作用し、電磁波シールド効果が一層高められていると考えられる。また、適用形態だが、目的や他の特性を損なわない範囲で、最も電磁波シールド性が得られる形態を選ぶことが好ましい。例えば電線用シールド材の場合、該シールド材を適用する方法として一般的にはスパイラル巻きと縦添え方法があるが、最も良好な電磁波シールド性を得やすいのはスパイラル巻きで且つ表裏を重ねながら巻く方法である。縦添え方法でも表裏を重ねながら行う方が良好な電磁波シールド性を得やすい。
【0010】
また、本発明の複合シールド材は、電線やケーブルのシールド材として用いるためには、少なくとも1%以上の引っ張り伸びを有することが必要である。より好ましくは6%以上の引っ張り伸びを有することである。該複合シールド材の引っ張り伸びが1%未満では電線やケーブル作成時に切断して適用困難である。
【0011】
尚、本発明において、引っ張り伸びとは、テンシロンにて2mm幅でチャック間隔が10cm長のサンプルフィルムを、20mm/分の速度で引っ張り、フィルム或いは金属メッキ層が破断するまでの伸びをチャック間隔距離に対する百分率で示したものである。また、本発明でいう表裏通電抵抗とは、1cm×1cmのサイズの+端子を1.5cm×1.5cmにカットした電磁波シールド材の片面に、1cm×1cmのサイズの−端子を、+端子がある位置と同位置の他の面にいずれも1kg/cmの荷重を掛けて充分接触させて電気抵抗を測定した値である。ここでは該抵抗が1Ω以上である場合を絶縁、40mΩ以下の場合を導通しているとした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を、詳細に説明する。
本発明の複合シールド材は芯体に1〜100μmの厚みの導電性材料を用い、該導電性芯体の両面に、シールド金属層をそれぞれの面に0.3〜15μmの厚みで形成してあり、該シールド金属層の表裏の通電抵抗が40mΩ以下であり、該導電性芯体とシールド金属層が複合されている材料の引っ張り伸びが1%以上、好ましくは6%以上確保できるように材料種類や厚みを選択してあり、電線やケーブル等に適用しやすく、また電線やケーブル等に適用すると顕著に良好な電磁波シールド効果が得られることを特徴としている。
【0013】
(導電性芯体)
導電性芯体としては、導電性ポリマーを主体とした導電塗膜でも良いし、ポリマー自体には導電性がなくても、銀粉やカーボン粉の様な添加剤とのブレンドにより導電性を付与した導電塗膜でも良い。又、使用される時、芯体の幅方向で片端のみ、あるいは両端のみ導電性を有した芯体(ここでは複合導電塗膜と呼ぶ)であっても良い。該複合導電塗膜は、例えば絶縁性フィルムの両面にそれぞれ金属層を有している材料の絶縁性フィルム断面の片側あるいは両側に導電性塗膜を形成した場合を示し、表裏の金属層と充分な通電が取れる様、該絶縁性フィルム断面に形成する導電性塗膜の種類や厚みだけでなく、複合芯体の構成材の一つである絶縁性フィルムの厚みや幅等についても考慮を払う必要がある。また、本発明の芯体は必ずしもポリマーを構成成分とする必要はなく、金属箔でも良い。本発明の芯体に用いる金属箔として、特に限定するものではないが、導電性、経済性あるいは透磁性の観点からAlを主成分とする箔やNiあるいはFeを主成分とする箔であることが好ましい。前記した様に、導電性芯体は導電塗膜でも金属箔でも良いが、重要なのは該導電性芯体の両面に形成したシールド金属層の表裏の通電抵抗が40mΩ以下で、該導電性芯体とシールド金属層が複合されている材料の引っ張り伸びが1%以上となる様、シールド金属層の特性を勘案して、該芯体の材料条件やシールド金属層との複合条件を決定することである。また、該芯体は多種成分の複合物で良いだけでなく複層物でも良い。例えば表面にシールド金属層との密着性の良い導電プライマー層を形成した密着下地層等が挙げられる。さらに、パーマロイの様な軟磁性金属粉を樹脂に配合し、必要により他の導電剤を添加した材料は、前記した様に芯体の導電効果によるシールド性向上だけでなく、該材料自体が電磁波吸収効果を有しており、優れたシールド効果が得られ好ましい。
【0014】
(シールド金属層)
シールド金属層としては、前記導電性芯体の表裏に主に電磁波シールド機能を得るために形成される。形成方法は特に拘るものでなく、メッキでもクラッド等のメッキ以外の方法でも良い。本発明で重要なのは該導電性芯体を介して表裏のシールド金属層間の通電抵抗が40mΩ以下となるように、シールド金属層の種類や厚み等のシールド金属層形成条件を選択しなければならないことであり、また該導電性芯体の表裏にシールド金属層を形成した複合シールド材の引っ張り伸びが1%以上、好ましくは6%以上になるようにシールド金属層形成条件を選択しなければならないことである。通電抵抗が40mΩを越えると、通電化により認められた電磁波シールド性向上効果があまり認められなくなってくるようになり好ましくない。また、複合シールド材の引っ張り伸びが1%未満になると、本開発の用途の一つである電線等に適用時、該複合材が破断し好ましくない。さらに、重要なことはシールド金属層が前記導電性芯体を構成している主成分とは異なる成分から主に構成されていることである。例えば導電性芯体とシールド金属層が同じ成分で構成されているとすれば、基本的には単層の金属層と同じこととなり、複合による電磁波シールド性向上効果は期待できない。また、表裏のシールド金属層の成分や厚みは必ずしも同じである必要はなく、製造上の都合や要求性能等を考慮して決定すればよい。また、シールド金属層は多種の成分から構成されて良いだけでなく、複層物でも良い。例えば、主なシールド金属層を電解メッキで形成するためにCuやNiをスパッタや蒸着で導電性芯体上に薄く形成したメッキ下地層等が挙げられる。
【0015】
本発明の目的は高電磁波シールド性を有した材料を提供することである。さらにシールド材の大きなニーズの一つである薄膜軽量化を達成しつつ高電磁波シールド性を有した材料を提供することにある。薄膜をここでは総厚が40μm以下と定義するが、本発明の効果を充分に発揮するには、導電性芯体の両面に形成するシールド金属層がCuの場合、該シールド金属層の各々の厚みは0.3〜15μmであることが好ましい。該厚みが0.3μm未満ではシールド性が劣り、15μmを越えても電磁波シールド性が向上しない反面、重くなるので好ましくない。導電性芯体に導電塗膜やAl等の軽量な材料を選択し、同厚のシールド金属であるCu単体の時に比べ30%以上、好ましくは50%以上の軽量化を行うことが好ましい。本発明によってはじめて従来材より、軽量薄膜で電磁波シールド性の顕著に優れた材料が提供できる。本発明の構成に類似の構成は他の用途にあるかも知れないが、電磁波シールド用途に適用して初めて従来技術にない顕著な効果を得ることが出来る等により、非常に有用な材料となる。また、非電磁波シールド用途では、構成の適正範囲は自ずと異なる。従って、表裏のシールド金属層を導電性芯体により通電化させれば顕著な電磁波シールド性が得られることを見出した本発明でしか、安定して高電磁波シールド性を有した材料は得られないものである。
【0016】
また、本発明においては、前記したシールド金属層の表面には、必要により他の特性をあまり損なわない範囲で、防錆等を目的として適当な保護皮膜を形成することも可能である。
【実施例】
【0017】
以下の実施例及び比較例において、クロストーク法によるシールド性は、以下の方法で測定した。
クロストーク法によるシールド性評価方法:
1)図1に示すように、中央部に外部導体を剥いた部分(30cm長を有す1m長のマイクロ波ケーブル1に3GHzの高周波を入力し、マイクロ波ケーブル1に近接して置かれた、前記ケーブルと同様のマイクロ波ケーブル2に乗り移った高周波の出力(P1)を測定する。
2)次に上記1)と同様にして、マイクロ波ケーブル2に15mm幅のサンプルを剥き出し部(但し、左右の外部導体はリード線で電気的に接合されている)を中心に、少なくともCu層を内側に且つ表裏の約1/3の面積が互いに重なるようにスパイラル状に剥き出し部の15cm手前から60cm長(40回巻き)巻いたケーブルに乗り移った高周波の出力(P2)を測定する。
3)下記式によりシールド効果を算出し、マイクロ波ケーブル2に巻いたサンプルのシールド性を評価し、シールド効果の値が大きいほど電磁波シールド性は良好とした。
シールド効果(dB)=−10Log(P2/P1)
【0018】
(実施例1)
芯体として、日本ゼオン株式会社製SBR(商品名:Nipol1712)50重量部に東海カーボン株式会社製カーボンブラック粉(商品名:トーカブラック#5500)50重量部を配合してなる導電樹脂層(厚み20μm)を用い、該芯体の表裏に各々Cuをスパッタにより厚み0.1μm形成してめっき下地層とし、さらに表裏の該メッ下地層上に電解メッキにより厚み2.9μmのCu層を形成することにより、該芯体上に総厚が3μmのシールド金属層I及びシールド金属層IIを形成し、複合シールド材を得た。
該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、良好なシールド性が得られた。
【0019】
(実施例2)
芯体として、日本ゼオン株式会社製SBR(商品名:Nipol1712)50重量部に平均粒径が5μmのパーマロイ粉(Ni含有量=75%)を50重量部、さらに東海カーボン株式会社製カーボンブラック粉(商品名:トーカブラック#5500)10重量部を配合してなる導電樹脂層(厚み20μm)を用いた他は実施例1と同様にして複合シールド材を得た。
該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、良好なシールド性が得られた。
【0020】
(実施例3)
シールド金属層IIとして厚み3μmのNi箔を用い、該Ni箔上に銀粉を導電剤とした日本アチソン株式会社製導電塗料(Electrodag 976SS HV)を乾燥厚みで6μm塗布し、乾燥して芯体とし、さらに非Ni箔面にCuをスパッタにより厚み0.1μm形成してメッキ下地層とし、該メッキ下地層上に電解メッキにより厚み2.9μmのCu層を形成することにより、該芯体上に総厚が3μmのCuよりなるシールド金属層Iとシールド金属層IIを有した複合シールド材を得た。
該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、良好なシールド性が得られた。
【0021】
(実施例4)
芯体として厚み6μmのAl箔を用い、該芯体の表裏に各々Cuをスパッタにより厚み0.05μm形成してメッキ下地層とし、さらに表裏の該メッキ下地層上に電解メッキにより厚み2.95μmのCu層を形成することにより、該芯体上に総厚が3μmのシールド金属層I及びシールド金属層IIを形成し、複合シールド材を得た。
該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、良好なシールド性が得られた。
【0022】
(実施例5)
芯体の表裏に各々Niをスパッタにより厚み0.1μm形成してメッキ下地層とし、さらに表裏の該メッキ下地層上に電解メッキにより厚み2.9μmのCu層を形成する以外は実施例4と同様にして複合シールド材を得た。
該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、良好なシールド性が得られた。
【0023】
(実施例6)
芯体として厚み6μmのFe箔を用いた以外は実施例4と同様にして複合シールド材を得た。該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、良好なシールド性が得られた。
【0024】
(実施例7)
芯体として厚み6μmのNi箔を用いた以外は実施例4と同様にして複合シールド材を得た。該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、良好なシールド性が得られた。
【0025】
(比較例1)
芯体として厚み5.8μmの二軸延伸PETフィルム(日本マグファン(株)製,5.8RM)を使用し、各々Cuをスパッタにより厚み0.1μm形成してメッキ下地層とし、さらに表裏の該メッキ下地層上に電解メッキにより厚み2.9μmのCu層を形成することにより、該芯体上に総厚が3μmのシールド金属層I及びシールド金属層IIを形成し、複合シールド材を得た。
該シールド材の表裏通電抵抗、引っ張り伸び、3GHzの周波数でのクロストーク法によるシールド効果は表1に示す通りであり、実施例に比べシールド性は極端に劣った。
【0026】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によれば、導電性芯体の両面に、該芯体の主成分とは異なる成分からなるシールド金属層を形成してあり、該表裏のシールド金属層の通電抵抗が40mΩ以下で、電線やケーブル用等のシールド材として非常に有用な材料が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のクロストーク法によるシールド性測定装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性芯体の両面に、該導電性芯体を構成している主成分とは異なる成分から構成されているシールド金属層を形成してあり、該シールド金属層の表裏の通電抵抗が40mΩ以下であり、引っ張り伸びが1%以上であることを特徴とする複合シールド材。
【請求項2】
導電性芯体が導電塗膜フィルムからなることを特徴とする請求項1に記載の複合シールド材。
【請求項3】
導電塗膜フィルムは添加剤として、銀粉あるいはカーボン粉を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の複合シールド材。
【請求項4】
導電塗膜フィルムは添加剤として、軟磁性金属粉を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の複合シールド材。
【請求項5】
軟磁性金属粉がパーマロイからなることを特徴とする請求項4に記載の複合シールド材。
【請求項6】
導電性芯体が金属箔からなることを特徴とする請求項1に記載の複合シールド材。
【請求項7】
導電性芯体がAlを主成分とする箔からなることを特徴とする請求項6に記載の複合シールド材。
【請求項8】
導電性芯体がNiあるいはFeを主成分とする箔からなることを特徴とする請求項6に記載の複合シールド材。
【請求項9】
シールド金属層がCuを主成分とすることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の複合シールド材。
【請求項10】
シールド金属層がNiを主成分とすることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の複合シールド材。
【請求項11】
0.3〜15μm厚みのシールド金属層が導電性芯体の両面に形成してあり、総厚みが40μm以下で、総厚みが同厚のシールド金属層のみで構成されている場合より30%以上の軽量であることを特徴とする請求項1〜10に記載の複合シールド材。

【図1】
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【公開番号】特開2006−319076(P2006−319076A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139213(P2005−139213)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(390003193)東洋鋼鈑株式会社 (265)
【Fターム(参考)】