説明

複合操作型入力装置

【目的】 本発明の目的は、ロータリースイッチの外形を小型化することにより、装置を小型化を図ることができる複合操作型入力装置を提供する。
【構成】 基板200に略直交する方向に押下操作可能な操作体300と、操作体300の周囲に基板200と略平行に配置される環状部材であって、4方向に傾動操作可能であると共に、回転操作可能な操作体400と、操作体300に対向配置されるスイッチ手段500Aと、操作体400に対向配置される4つのスイッチ手段500Bと、板体610が操作体400の内壁部420に取り付けられる取付部材600と、操作体400の回転を検出する回転検出手段700とを備え、回転検出手段700は、取付部材600の2つのアーム部620に取り付けられ、本体部210上の操作体300の操作部310の下側であり且つスイッチ手段500Bの内側の空間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押下操作入力、傾動操作入力及び回転操作入力が可能な複合操作型入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の複合操作型入力装置としては、鉛直方向に押下操作可能な第1の操作体と、この第1の操作体の周囲に配置された環状部材であって、傾動操作及び周方向に回転操作可能な第2の操作体と、前記第1の操作体の押下移動により作動する第1のスイッチ手段と、前記第2の操作体の傾動により作動する複数の第2のスイッチ手段と、前記第2の操作体に取り付けられ、当該第2の操作体の回転を検出するロータリースイッチと、第1、第2のスイッチ手段が設けられた第1の基板と、ロータリースイッチの摺動接点パターンが形成された第2の基板とを具備したものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−325859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記第2の操作体は前記第1の操作体の周囲に配置される環状部材である。このため、前記第2の操作体及びこれに取り付けられるロータリースイッチの外形が前記第1の操作体の外形に依存している。そのため、前記第1の操作体の外形を小さくすれば、前記第2の操作体及びロータリースイッチの外形を小さくすることが可能である。
【0005】
ところが、前記第1の操作体は、押下操作入力用の操作体である。そのため、前記第1の操作体の外形を小さくすると、うまく操作できない等の不具合が生じる。このため、前記装置の外形を小さくすることが困難であった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、第1の操作体の外形に関係なく、ロータリースイッチの外形を小型化することができ、その結果、装置を小型化を図ることができる複合操作型入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の複合操作型入力装置は、基板に略直交する方向に押下操作可能な第1の操作体と、この第1の操作体の周囲に前記基板と略平行に配置される環状部材であって、その平行状態から周囲の任意方向に傾動操作可能であると共に、周方向に回転操作可能な第2の操作体と、前記第1の操作体の押下移動に応じて作動する第1のスイッチ手段と、前記第2の操作体の傾動に応じて各々作動する複数の第2のスイッチ手段と、前記第2の操作体の回転を検出する回転検出手段と、を備える複合操作型入力装置であって、外側部が前記第2の操作体に設けられ且つ内側部が前記第1の操作体の押下移動方向側の面に対向する取付部材を更に備え、前記複数の第2のスイッチ手段が前記基板上の第1の操作体対向領域の周りの領域に配設されており、前記回転検出手段は、前記取付部材の内側部に取り付けられ、前記基板上の前記第1の操作体の押下移動方向側であり且つ前記複数の第2のスイッチ手段の内側の空間に配置されるようになっている。
【0008】
このように前記回転検出手段が前記取付部材を介して前記第2の操作体に取り付けられ、前記基板上の前記第1の操作体の押下移動方向側であり且つ前記複数の第2のスイッチ手段の内側の空間に配置されるようになっているので、第1の操作体の外形に関係なく、前記回転検出手段の外形を小型化することができる。
【0009】
前記第1の操作体は、操作部と、この操作部の押下移動方向側の面の一部に凸設されており且つその外形が当該操作部の外形よりも小さい棒状の操作軸部とを有する形状とすることができる。この場合、前記取付部材の内側部は、前記操作部の押下移動方向側の面の残りの部分に対向するようになっている。
【0010】
即ち、前記操作部の押下移動方向側であり且つ前記操作軸部周りの空間に前記取付部材の内側部を配置し、当該空間に前記回転検出手段を配置するようにしている。
【0011】
前記回転検出手段は、高さ方向の一端部が前記取付部材の内側部に取り付けられ、その中心部に前記操作軸部が通される貫通孔が設けられる回転体と、この回転体の高さ方向の他端部に設けられる接触子と、前記基板上の前記周りの領域に設けられており且つ前記接触子が摺動可能な接点パターンとを有する構成とすることができる。
【0012】
前記取付部材は、前記第2の操作体に取り付けられるリング状の板体と、この板体の内面に延設されるアーム部とを有する形状とすることができる。この場合、前記アーム部の先端部の両端には、2つの折曲片が設けられており、前記回転体の一端部には、前記アーム部が嵌まり込む切欠き部が設けられている。
【0013】
このように前記アーム部が前記回転体の切欠き部に嵌まり込むことにより、第2の操作体の回転に応じて折曲片が切欠き部の端面を押圧し、前記回転体を回転させるようになっている。
【0014】
前記複合操作型入力装置は、前記第2の操作体と前記第2のスイッチ手段との間に前記基板に対して略平行に配置される環状部材であって、前記第2の操作体の傾動に応じて傾動し、前記第2のスイッチ手段を各々押下するキートップと、前記第2の操作体のキートップ対向面に設けられる感触子とを更に備える構成とすることができる。この場合、前記キートップの感触子対向面は凸凹面となっており、前記感触子が前記キートップの感触子対向面上を摺動可能になっている。
【0015】
このように前記キートップが、前記第2のスイッチ手段を押下する機能と、前記感触子と共に、前記第2の操作体の回転操作の操作感を発生させる機能とを有している。よって、各機能を実現するための構成部品を別々に備える他の複合操作型入力装置と比べて部品点数を少なくすることができる。よって、装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0016】
前記第2の操作体は、一方の面が操作される操作面である円板状の操作板と、この操作板の他方の面の外縁部に立設された円筒状の外壁部と、前記操作板の他方の面の内縁部に立設された円筒状の内壁部とを有する形状とすることができる。この場合、前記感触子は、前記操作板の他方の面の前記外壁部と前記内壁部との間に取り付けられており、前記取付部材の外側部は、その外側端部が前記操作板の他方の面に対向するように、前記内壁部に取り付けられており、前記キートップは、前記取付部材の外側部の外側端部に支持され、前記外壁部と前記内壁部との間の空間に収容されるようになっている。
【0017】
このようにキートップ及び感触子を前記外壁部と前記内壁部との間の空間に収容することにより、キートップ及び感触子の組み込みの容易化を図ることができると共に、装置高の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の複合操作型入力装置による場合、前記回転検出手段が前記取付部材を介して前記第2の操作体に取り付けられ、前記基板上の第1の操作体の押下移動方向側であり且つ前記複数の第2のスイッチ手段の内側の空間に配置されるようになっているので、前記第1の操作体の外形に関係なく、前記回転検出手段の外形を小型化することができる。しかも、この回転検出手段を前記基板上の前記第1の操作体の押下移動方向側であり且つ前記複数の第2のスイッチ手段の内側の空間(即ち、デッドスペース)に配置しているので、装置の外形を小さくすることができ、当該装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る複合操作型入力装置について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る複合操作型入力装置を示す図であって、(a)が概略的平面図、(b)が概略的斜視図、図2が同装置の図1のA−A断面図、図3が同装置の概略的分解斜視図、図4が同装置のケースを示す概略的斜視図であって、(a)が上側から示した図、(b)が下側から示した図、図5は同装置の第2の操作体を示す概略的斜視図であって、(a)が上側から示した図、(b)が下側から示した図、図6は同装置の基板を示す図であって、(a)が概略的平面図、(b)が概略的底面図である。
【0020】
ここに掲げる複合操作型入力装置は、ケース100と、このケース100の底板部の上面上にセットされる基板200と、基板200に略直交する方向に押下操作可能な第1の操作体300と、この第1の操作体300の周囲に基板200と略平行に配置される環状部材であって、その平行状態から周囲の4方向に傾動操作可能であると共に、周方向に回転操作可能な第2の操作体400と、第1の操作体300に対向するように配設される第1のスイッチ手段500Aと、第2の操作体400の4つの傾動方向に対応するように配設される第2のスイッチ手段500Bと、第2の操作体400に取り付けられる取付部材600と、この取付部材600に取り付けられ、第2の操作体400の回転を検出する回転検出手段700と、第2の操作体400と第2のスイッチ手段500Bとの間に配置されるキートップ800と、第2の操作体400のキートップ対向面に設けられる感触子900と、ケース100の底板部の下面に取り付けられる補強板1000とを備えている。以下、各部を詳しく説明する。
【0021】
ケース100は、図1、図2、図3及び及び図4に示すように、カップ状の樹脂成形品であって、円形の底板部と、この底板部の外周縁部上に立設された円筒状の壁部とを有している。
【0022】
このケース100の底板部の中心部には、第1の操作体300の操作軸部320が通される第1の孔部110が設けられている。
【0023】
また、ケース100の底板部の上面の第1の孔部110の周縁部には、図2、図3及び図4(a)に示すように、3つの支持部材120が等間隔で設けられている。この支持部材120は、外周面が円弧状になっており且つ回転検出手段700の回転体710の回転孔部712aに挿入され、当該回転体710を周方向に回転可能に支持する支持部と、回転検出手段700の回転体710の係止孔部711aに係止される係止爪とを有する。
【0024】
ケース100の底板部の下面の第1の孔部110の周縁部には、図2及び図4(b)に示すように、基板200のサブ基板240及び第1のスイッチ手段500Aを収容する凹状の収容部150が設けられている。この収容部150は、断面視凸字状の円形凹部151と、この円形凹部151に連続する矩形凹部152とを有する。矩形凹部152は、ケース100の底板部の外周面に向けて開放されている。
【0025】
円形凹部151の下面には、図2、図3、図4及び図6に示すように、4つの第1の係合凸部161が第1の孔部110の周りに90°間隔で設けられている。この第1の係合凸部161は、基板200のサブ基板240の4つの係合孔241及び第1の固定シート530Aの4つの係合孔531Aに各々係合され、且つ補強板1000の4つの収容孔部1110に各々嵌まり込む。また、ケース100の底板部の下面の収容部150の周りには、3つの第2の係合凸部162が設けられている。この第2の係合凸部162が補強板1000の3つの係合孔部1120に各々係合される。
【0026】
ケース100の壁部には、図2、図3及び図4(a)に示すように、基板200の導出部220を外部に導出する第1の導出孔131と、基板200の折り返し片230を導出する第2の導出孔132と、キートップ800の4つのガイド凸部をガイドする4つのガイド凹部140とを有している。
【0027】
第1の導出孔131は、2つのガイド凹部140の間に位置している。第2の導出孔132は、残り2つのガイド凹部140の間であり且つ収容部150の矩形凹部152の上方位置に設けられている。
【0028】
基板200は、図2、図3及び図6に示すように、フレキシブル基板であって、ケース100の底板部の上面にセットされる円板状のメイン基板210と、このメイン基板210の外周部の一部に設けられている板状の導出部220と、メイン基板210の外周部の別の部分に設けられている導出部220よりも幅狭な板状の折り返し片230と、この折り返し片230の先端部に設けられた円板状のサブ基板240とを有している。
【0029】
メイン基板210の中心部には、3つの支持部材120が挿入される第2の孔部211が設けられている。この第2の孔部211は、メイン基板210がケース100の底板部の上面にセットされた状態で、第1の孔部110と同心円状に配置される。
【0030】
導出部220は、ケース100の第1の導出孔131からケース100外に導出し、図外の電子機器に接続される。
【0031】
折り返し片230は、後端部がケース100の第2の導出孔132からケース100外に導出し、図2に示すように、断面視横向き略U字状に折り返され、先端部がケース100の収容部150の矩形凹部152に収容される。
【0032】
サブ基板240は、折り返し片230の先端部が収容部150の矩形凹部152に収容された状態で、当該収容部150の円形凹部151に収容される。このサブ基板240には、4つの第1の係合凸部161が通される4つの係合孔241が90°間隔で設けられている。
【0033】
第2の操作体400は、図3及び図5に示すように、ケース100に被せられるカップ状の樹脂成形品である。この第2の操作体400は、操作板410と、この操作板410の下面の内縁部に立設される円筒状の内壁部420と、操作板410の下面の外縁部に立設される円筒状の外壁部430とを有している。
【0034】
操作板410は、中心部に中心孔部411が設けられたリング状の板状体である。この操作板410の外径は、ケース100の底板部の外径よりも大きくなっている。
【0035】
また、操作板410の上面は、操作される操作面であって、操作され易くするために複数の凸部412が当該操作板410の中心から放射状に向けて配設されている。操作板410の下面には、感触子900の2つの取付部930の2つの孔部931に各々挿入され、溶着される4つの凸部413が設けられている。
【0036】
内壁部420の下面には、取付部材600の板体610の複数の孔部611に各々挿入され、溶着される複数の凸部421が設けられている。また、内壁部420と底壁部430との間の空間がキートップ800及び感触子900を収容する収容空間となる。
【0037】
外壁部430は、第2の操作体400がケース100に被せられた状態で、当該ケース100の壁部の外面に沿うようになっている。
【0038】
回転検出手段700は、図2、図3及び図6(a)に示すように、回転体710と、この回転体710の回転に応じて回転する接触子720と、この接触子720が摺動可能な複数の接点パターン730とを有するロータリースイッチである。
【0039】
回転体710は、図2及び図3に示すように、円筒状の上段711と、この上段部711の下面に設けられる当該上段部711よりも外径が大きい円筒状の下段部712とを有している。
【0040】
下段部712の中心部には、ケース100の3つの支持部材120が嵌まり込む回転孔部712aが設けられている。このように3つの支持部材120に下段部712が回転可能に支持されることにより、回転体710がケース100に回転可能に取り付けられる。このようにして回転検出手段700が、基板200のメイン基板210上の第1の操作体300の操作部310の下側(即ち、押下移動方向側)であり且つ第2のスイッチ手段500Bの内側の空間に配置される。
【0041】
また、下段部712(即ち、高さ方向の他端部)の下面には、接触子720を収容する環状の収容凹部712bが設けられている。
【0042】
上段部711の中心部には、下段部712の回転孔部712aに連通する係止孔部711aが設けられている。この係止孔部711aの径は、回転孔部712aの径よりも大きくなっている。即ち、ケース100の3つの支持部材120の係止爪が係止孔部711aの回転孔部712aの周縁部に係止される。これにより、回転体710のケース100からの抜け止めがなされている。なお、回転孔部712a及び係止孔部711aが貫通孔となる。
【0043】
また、上段部711(即ち、高さ方向の一端部)には、相対する2つの箇所に2つの切欠き部711bが各々設けられている。この切欠き部711bに取付部材600の2つのアーム部620が各々嵌まり込む。
【0044】
接触子720は、図2及び図3に示すように、リング状のベース板721と、このベース板721の外周面に連続して設けられた4つの接触アーム722とを有している。
【0045】
ベース板721は収容凹部712bの底面に取り付けられるようになっている。
【0046】
複数の接触アーム722は、第2の操作体400の回転に伴う回転体710の回転に応じて、複数の接点パターン730上を摺動する。
【0047】
複数の接点パターン730は、図6に示すように、基板200のメイン基板210の上面の第2の孔部211の周縁部(即ち、メイン基板210上の第1の操作体300の操作部310の対向領域)に間隔をあけて設けられている。
【0048】
取付部材600は、図2及び図3に示すように、リング状の板体610(即ち、外側部)と、この板体610の内面に延設され、互いに対向する2つのアーム部620(即ち、内側部)とを有する。
【0049】
板体610には、第2の操作体400の複数の凸部421が各々挿入され、溶着される複数の孔部611が各々設けられている。即ち、板体610が第2の操作体400の内壁部420の下面に溶着固定される。また、板体610の外径は内壁部420の外径よりも大きくなっている。このため、板体610が内壁部420の下面に取り付けられた状態で、当該板体610の外縁部(即ち、外側端部)が内壁部420の外側に突出し、操作板410の下面に対向する。この板体610の外縁部がキートップ800の第1の突起部810を前記収容空間で支持する部位となる。
【0050】
アーム部620は、矩形状の板状体である。このアーム部620は、板体610が内壁部420の下面に取り付けられた状態で、第1の操作体300の操作部310の底面の外周部に対向する。また、アーム部620は、回転検出手段700の回転体710の切欠き部711bに若干遊びを有して嵌まり込む。このアーム部620の先端部の幅方向の両端には、当該アーム部620に対して略直角2つの折曲片621が設けられている。
【0051】
折曲片621は、アーム部620が切欠き部711bに嵌まり込んだ状態で、当該切欠き部711bの端面に対向する。このため、第2の操作体400の回転に伴って取付部材600が回転すると、折曲片621が切欠き部711bの端面に当接し押圧する。このようにして取付部材600の2つのアーム部620に回転体710が取り付けられ、当該回転体710を第2の操作体400の回転に伴って回転可能にしている。
【0052】
また、アーム部620は、切欠き部711bに若干遊びを有して嵌まり込み、折曲片621が切欠き部711bの端面に対向しているだけである。即ち、アーム部620は、第2の操作体400の傾動に伴う取付部材600の傾動に応じて、当該アーム部620の長さ方向に沿う2方向及び当該アーム部620の幅方向に沿う2方向に切欠き部711b内を揺動可能になっている。このとき、2つの折曲片621が回転体710と干渉しないように設定されている。このため、第2の操作体400の傾動方向は、アーム部620の長さ方向に沿う2方向及び前記長さ方向に直交する方向に沿う2方向となる。
【0053】
感触子900は、図2及び図3に示すように、リング状の板バネである感触子本体910と、感触子本体910の互いに対向する2箇所に設けられており且つ円弧状に湾曲する2つの摺動部920と、感触子本体910の2つの摺動部920と各々90°位置ずれした2箇所に設けられる2つの取付部930とを有している。
【0054】
取付部930には、2つの孔部931が設けられている。この2つの孔部931に第2の操作体400の操作板410の2つの凸部413が各々挿入され、溶着される。これにより、取付部930が第2の操作体400の操作板410の下面に取り付けられるようになっている。
【0055】
摺動部920は、第2の操作体400の回転に応じてキートップ800の凸凹面830上を摺動する。これにより、第2の操作体400の回転操作に操作感を発生させるようになっている。
【0056】
キートップ800は、図2及び図3に示すように、リング状の樹脂成形体である。このキートップ800は、その上面の内縁部に設けられる円筒状の第1の突起部810と、前記上面の外縁部に90°間隔で各々設けられる4つの第2の突起部820と、前記上面の残りの領域に設けられた凸凹面830と、下面に第2の突起部820と同間隔で設けられる4つの押下部840と、外周面の第2の突起部820及び押下部840の間の4箇所に外側に向けて各々凸設される4つのガイド凸部850とを有している。
【0057】
第1の突起部810は、図2に示すように、上側だけでなく、内側に向けて凸となっている。この第1の突起部810の内側の凸部が、第2の操作体400の内壁部420に取り付けられた取付部材600の板体610の外縁部に支持される。これにより、キートップ800が第2の操作体400の内壁部420と底壁部430との前記収容空間内で保持される。
【0058】
また、この第1の突起部810の内径は、第2の操作体400の内壁部420の外径よりも若干大きくなっている。このため、第1の突起部810は、キートップ800が前記収容空間内に保持された状態で、内壁部420の外面に沿うようになっている。
【0059】
第2の突起部820は、第1の突起部810よりも若干背高であり、第2の操作体400の操作板410の下面に当接するようになっている。この第2の突起部820が操作板410の下面に当接することにより、当該操作板410との間に感触子900を収容する空間を形成する。また、第2の突起部820は、第2の操作体400の傾動により操作板410に押下される。これにより、キートップ800が第2の操作体400の傾動に伴って傾動する。
【0060】
また、第2の突起部820は、キートップ800が前記収容空間内に保持された状態で、外壁部430との間に隙間を有している。この隙間にケース100の壁部が挿入される。
【0061】
ガイド凸部850は、ケース100の壁部のガイド凹部140に上下動可能にガイドされる。これにより、キートップ800の傾動をガイドすると共に、キートップ800の周方向への回転を防止している。
【0062】
押下部840は、下方に向けて凸の円柱状の突起である。この押下部840は、ガイド凸部850がガイド凹部140にガイドされた状態で、第2の操作体400の傾動方向に対応する位置に配置され、第2のスイッチ手段500Bの4つの第2の可動接点部520B上に載置される。このように押下部840が第2のスイッチ手段500Bの4つの第2の可動接点部520Bに支持されることにより、キートップ800及び第2の操作体400が基板200のメイン基板210に略平行な状態で支持される。
【0063】
また、押下部840は、第2の操作体400の傾動に伴うキートップ800の傾動に応じて第2のスイッチ手段500Bの第2の可動接点部520Bを押下するようになっている。
【0064】
第2のスイッチ手段500Bは、図3及び図6(a)に示すように、基板200のメイン基板210の上面上の複数の接点パターン730の周りの第2の操作体400の4つの傾動方向に対応する4箇所(即ち、基板200のメイン基板210上の第1の操作体300対向領域の周りの領域)に各々設けられた4つの一対の第2の固定接点部510Bと、4つの一方の第2の固定接点部510B上に各々載置される断面視略円弧状の4つの第2の可動接点部520Bと、この第2の可動接点部520Bをメイン基板210に固定する第2の固定テープ530Bと、第2の可動接点部520Bの頂部上に各々載置される4つの第2のスペーサ540Bとを有する。
【0065】
第2の可動接点部520Bは、第2のスペーサ540Bを介してキートップ800の押下部840を支持している。この第2の可動接点部520Bの頂部が、第2の操作体400の傾動に応じてキートップ800の押下部840に押下されると、当該第2の可動接点部520Bが弾性変形して他方の固定接点部510Bに接触する。また、第2の可動接点部520Bは、前記押下から開放されると、復元し、押下部840を押し上げる。これにより、第2の操作体400が平衡状態に復帰する。
【0066】
一対の第2の固定接点部510Bは、図6(b)に示すように、基板200のメイン基板210、導出部220の下面上の配線パターンに各々接続されている。
【0067】
第1の操作体300は、図2及び図3に示すように、操作部310と、この操作部310の底面(即ち、押下移動方向側の面)の中心部に下方に向けて立設された柱状の操作軸部320とを有している。
【0068】
操作部310は、円形の下向きカップ状の樹脂成形品であって、その外径が第2の操作体400の中心孔部411の径よりも若干小さくなっている。即ち、操作部310が第2の操作体400の中心孔部411に嵌まり込み、その外側に操作可能に露出する。
【0069】
この操作部310の外周縁部には、外側に向けてフランジ部311が設けられている。このフランジ部311が第2の操作体400の中心孔部411の内縁部に当接することにより、第1の操作体300の第2の操作体400のからの抜け止めをなしている。
【0070】
また、操作部310の上面は、操作される操作面であって、操作され易くするための凹部が設けられている。
【0071】
操作軸部320は、ケース100の3つの支持部材120の間及び第1の孔部110に通される円柱状の操作軸部本体321と、この操作軸部本体321の上端部の外周面に設けられた凸部322とを有している。
【0072】
凸部322は、3つの支持部材120のうち2つの支持部材120の間に嵌まり込み、上下方向にガイドされると共に、第1の操作体300の周方向への回転を防止する。
【0073】
操作軸部本体321は、3つの支持部材120の間及び第1の孔部110を通じてケース100の収容部150の円形凹部151に臨み、第1のスイッチ手段500A上に載置される。これにより、第1の操作体300が初期状態で保持される。この操作軸部本体321は、第1の操作体300が押下操作されることにより、第1のスイッチ手段500Aを押下する。
【0074】
第1のスイッチ手段500Aは、サブ基板240の下面上に設けられた一対の第1の固定接点部510Aと、一方の第1の固定接点部510A上に載置される断面視略円弧状の第1の可動接点部520Aと、この第1の可動接点部520Aをサブ基板240に固定する第1の固定シート530Aと、第1の可動接点部520Aの頂部上に載置される第1のスペーサ540Aとを有する。
【0075】
一対の第1の固定接点部510Aは、基板200の折り返し片230、メイン基板210及び導出部220の下面上の配線パターンに各々接続されている。
【0076】
第1の可動接点部520Aは、第1のスペーサ540Aを介して第1の操作体300の操作軸部320の操作軸部本体321を支持している。この第1の可動接点部520Aの頂部が第1のスペーサ540Aを介して操作軸部本体321に押下されると、当該第1の可動接点部520Aが弾性変形して他方の固定接点部510Aに接触する。また、第1の可動接点部520Aは、前記押下から開放されると、復元し、第1の操作体300を初期状態に押し上げる。
【0077】
補強板1000は、絶縁性を有する板状体である。この補強板1000の中央部には、ケース100の4つの第1の係合凸部161を各々収容する4つの収容孔部1110が設けられている。補強板1000の4つの収容孔部1110の周りには、ケース100の3つの第2の係合凸部162を各々係合する3つの係合孔部1120が設けられている。この係合孔部1120がケース100の第2の係合凸部162を係合することにより、補強板1000がケース100の底板部の下面に取り付けられる。
【0078】
以下、このような構成の複合操作型入力装置の組み立て手順について説明する。まず、第2の操作体400の操作板410の下面に感触子900の取付部930を取り付ける。そして、第1の操作体300の操作部310を第2の操作体400の中心孔部411に挿入する。
【0079】
この状態で、第2の操作体400の内壁部420と外壁部430との間の収容空間にキートップ800を挿入する。そして、内壁部420の下面に取付部材600の板体610を溶着固定する。これにより、キートップ800の第1の突起部810が板体610の外縁部に支持され、前記収容空間に収容される。このようにして第1の操作体300、第2の操作体400、感触子900、キートップ800及び取付部材600をユニット化する。
【0080】
その後、4つの第2の可動接点部520Bを基板200のメイン基板210上の4つの一方の第2の固定接点部510B上に各々載置する。そして、第2の固定テープ530Bで基板200のメイン基板210上に取り付ける。
【0081】
この基板200の導出部220を、ケース100の第1の導出孔131に位置合わせをしつつ挿入する。これと共に、基板200の折り返し片230の後端部を、ケース100の第2の導出孔132に位置合わせをしつつ挿入する。すると、ケース100の底板部上に基板200のメイン基板210がセットされる。このとき、ケース100の3つの支持部材120がメイン基板210の第2の孔部211に嵌まり込む。
【0082】
その後、回転検出手段700の回転体710の収容凹部712bの底面に接触子720のベース板721を取り付ける。この回転体710の回転孔部712aに、ケース100の3つの支持部材120を挿入する。すると、3つの支持部材120の係止爪が回転体710の回転孔部712aの周縁部に当接し、当該支持部材120の支持部が内側に向けて弾性変形する。そして、支持部材120の係止爪が回転体710の係止孔部711aの回転孔部712aの周縁部に係止される。このようにして回転検出手段700がメイン基板210上の第1の操作体300の操作軸部320周りの空間(即ち、第1の操作体300の操作部310の下側であり且つ第2のスイッチ手段500Bの内側の空間)に周方向に回転可能に取り付けられる。
【0083】
その後、4つの第2の可動接点部520B上に4つの第2のスペーサ520Bを各々載置する。そして、上述の如くユニット化した第2の操作体400をケース100に被せる。すると、ケース100の壁部が、第2の操作体400とキートップ800の第2の突起部820との間の隙間に挿入される。これと共に、4つの第2のスペーサ520B上にキートップ800に4つの押下部840が各々載置される。このようにして4つの第2のスペーサ520Bが4つの第2の可動接点部520Bとキートップ800に4つの押下部840との間で各々保持される。
【0084】
このとき、第1の操作体300の操作軸部本体321をケース100の3つの支持部材120の間及び第1の孔部110に位置合わせをしつつ挿入する。これにより、第1の操作体300の凸部322が2つの支持部材120の間に嵌まり込む。
【0085】
その後、第1のスペーサ520Aをケース100の第1の孔部110にケース100の下面側から挿入する。すると、第1のスペーサ520Aが第1の操作体300の操作軸部本体321の先端面に当接する。
【0086】
その後、第1の可動接点部520Aを基板200のサブ基板240の下面上の一方の第1の固定接点部510A上に載置する。そして、第1の固定シート530Aを、第1の可動接点部520Aに被せ、サブ基板240の下面上にセットする。
【0087】
この状態で、基板200の折り返し片230の後端部を折り返し、当該折り返し片230の先端部をケース100の収容部150の矩形凹部152に、サブ基板240、第1の可動接点部520A及び第1の固定シート530Aを円形凹部151に収容する。このとき、円形凹部151の下面の4つの第1の係合凸部161に、サブ基板240の4つの係合孔241及び第1の固定シート530Aの4つの係合孔531Aが各々係合される。このようにして第1の可動接点部520Aが、第1の固定シート530Aとサブ基板240との間で保持される。また、第1のスペーサ520Aが第1の操作体300の操作軸部本体321と第1の可動接点部520Aとの間で保持される。
【0088】
その後、補強板1000の3つの係合孔部1120を、ケース100の底板部の3つの第2の係合凸部162に係合させる。すると、補強板1000の4つの収容孔部1110にケース100の4つの第1の係合凸部161が嵌まり込む。
【0089】
以下、このようにして組み立てられる複合操作型入力装置の使用方法及び各部の動作について説明する。まず、第1の操作体300が初期状態から押下操作されると、第1の操作体300の凸部322がケース100の2つの支持部材120の間でガイドされ、当該第1の操作体300が下方に移動する。すると、第1の操作体300の操作軸部本体321が第1のスペーサ520Aを介して第1の可動接点部520Aの頂部を押下する。これにより、第1の可動接点部520Aが弾性変形し、当該第1の可動接点部520Aの頂部が他方の固定接点部510Aに接触する。これにより、第1の操作体300が押下操作されたことを示す信号が基板200を通じて上記電子機器に出力される。
【0090】
その後、第1の操作体300が開放されると、第1の可動接点部520Aが復元する。これにより、第1の可動接点部520Aが第1のスペーサ520Aを介して第1の操作体300の操作軸部本体321を押し上げ、当該第1の操作体300を初期状態に復帰させる。
【0091】
第2の操作体400が平衡状態からアーム部620の長さ方向に沿う2方向のいずれか一方に傾動操作されると、第2の操作体400の操作板410がキートップ800の傾動方向側の第2の突起部820を押下する。これにより、キートップ800のガイド凸部850がケース100の壁部のガイド凹部140にガイドされつつ、第2の操作体400、キートップ800及び取付部材600が傾動する。すると、キートップ800の傾動方向側の押下部840が第2のスペーサ520Bを介して第2の可動接点部520Bの頂部を押下する。すると、第2の可動接点部520Bが弾性変形し、当該第2の可動接点部520Bの頂部が他方の固定接点部510Bに接触する。これにより、第2の操作体400が傾動操作されたことを示す信号が基板200を通じて上記電子機器に出力される。
【0092】
このとき、取付部材600の2つのアーム部620が、回転体710の2つの切欠き部711b内を、当該アーム部620の長さ方向に沿って揺動する。
【0093】
第2の操作体400が開放されると、傾動方向側の第2の可動接点部520Bが復元する。これにより、傾動方向側の第2の可動接点部520Bが第1のスペーサ520Aを介して傾動方向側の押下部840を押し上げる。これにより、第2の操作体400が平衡状態に復帰する。
【0094】
一方、第2の操作体400が平衡状態からアーム部620の幅方向に沿う2方向のいずれか一方に傾動操作されると、上記傾動操作と同様に、第2の操作体400、キートップ800及び取付部材600が揺動し、第2の操作体400が傾動操作されたことを示す信号が基板200を通じて上記電子機器に出力される。
【0095】
このとき、取付部材600の2つのアーム部620が、回転体710の2つの切欠き部711b内を、当該アーム部620の幅方向に沿って揺動する。
【0096】
第2の操作体400が開放されると、上記傾動操作と同様に、第2の操作体400が平衡状態に復帰する。
【0097】
第2の操作体400が回転操作されると、当該第2の操作体400、感触子900及び取付部材600が回転する。すると、取付部材600の2つのアーム部620の一方の折曲片621が回転体710の2つの切欠き部711bの一方の端面に各々当接し押圧する。これにより、回転体710及び接触子720が第2の操作体400の回転に伴って回転する。すると、接触子720の4つの接触アーム722が基板200のメイン基板210上の複数の接点パターン730上を摺動する。これにより、第2の操作体400の回転量及び回転方向を示す信号が基板200を通じて上記電子機器に出力される。
【0098】
このとき、感触子900の2つの摺動部920がキートップ800の凸凹面830上を摺動する。これにより、第2の操作体400の回転操作の操作感が生じる。
【0099】
このような複合操作型入力装置による場合、回転検出手段700が取付部材600を介して第2の操作体400の内壁部420の下面に取り付けられ、基板200のメイン基板210上の第1の操作体300の操作部310の下側であり且つ第2のスイッチ手段500Bの内側の空間に配置されるようになっている。このため、回転検出手段700の外形を小さくすることができる。また、この回転検出手段700をデッドスペースである前記空間に配置するようにしたことから、装置の小型化を図ることができる。
【0100】
しかも、キートップ800に、4つの第2のスイッチ手段500Bを押下する機能と、感触子900と共に第2の操作体400の回転操作の操作感を発生させる機能とを持たせるようにしたことから、この点で、各機能を別々に実現するための構成部品を備える他の複合操作型入力装置と比べて部品点数を低減することができ、且つ装置の小型化を図ることができる。また、キートップ800及び感触子900が、第2の操作体400の内壁部420と外壁部430との間の空間に収容されているため、装置の厚みを低減することができる。よって、この点でも装置の小型化を図ることができる。
【0101】
なお、ケース100の形状については、上記構成部材を収容することができるものであれば、どのように設計変更しても構わない。従って、第1のスイッチ手段を前記ケースに収容させるように設計変更すること可能である。
【0102】
基板200の形状についても、スイッチ手段の接点及び回転検出手段の接点パターン等が形成されうるものであれば、どのような形状のものを用いても構わない。
【0103】
第1の操作体300の形状については、基板に略直交する方向に押下移動可能であり且つ第1のスイッチ手段を作動させ得る形状のものであれば良い。第1の操作体300が、操作部と、操作軸部とを有する形状である場合には、前記操作部の形状は任意に設定可能であり、前記操作軸部の形状は、前記操作部の押下移動方向側の面の一部に凸設されており且つその外形が当該操作部の外形よりも小さい棒状であればよい。
【0104】
第2の操作体400の形状については、第1の操作体の周囲に前記基板と略平行に配置される環状部材であれば良い。この第2の操作体は、4方向に傾動操作可能であるとしたが、周囲の任意方向に傾動操作可能とすることができる。
【0105】
キートップ800については、省略することが可能である。この場合、少なくとも押下部840に相当する部材を前記第2の操作体の押下移動方向側の面に設ける。また、キートップ800を省略して前記第2の操作体の回転操作の操作感を生じる機能を実現する場合には、押下移動方向側の面に凸凹面830を設け、感触子900を前記ケース等に固定して凸凹面上を摺動させる。
【0106】
感触子900についても、省略することが可能である。また、感触子900を省略して前記第2の操作体の回転操作の操作感を生じる機能を実現する場合には、前記第2の操作体の押下移動方向側の面に凸部を設け、キートップ800の凸凹面830上を摺動させる。
【0107】
取付部材600については、外側部が前記第2の操作体に設けられ且つ内側部が前記第1の操作体の押下移動方向側の面に対向し、後述するような回転検出手段取り付け得るものであればどのようなものを用いても構わない。
【0108】
例えば、前記取付部材を矩形状の板体とし、複数の当該取付部材の一端部(外側部)を前記第2の操作体に設ける一方、他端部を第1の操作体の押下移動方向側の面に対向させるようにしても良い。なお、前記取付部材は、前記第2の操作体に取り付けるようにしても良いし、一体的に設けるようにしても良い。
【0109】
なお、回転検出手段と取付部材の内側部との取り付けという概念は、完全に固定される状態のものに限定されず、上記実施例のように、アーム部620が切欠き部711bに嵌まり込む係止状態を含むものである。
【0110】
回転検出手段700については、ロータリースイッチであるとしたが、これに限定されるものではなく、接点パターン730を抵抗パターンに代えて可変抵抗器とすることもできるし、接点パターン730を磁気検出素子に代えると共に、接触子720を磁石に代えてロータリーエンコーダとすることもできる。その他、光学式のロータリーエンコーダを用いることも可能である。
【0111】
回転体710については、省略することが可能である。この場合、接触子720を取付部材600に取り付けるようにすれば良い。
【0112】
第1のスイッチ手段500Aについては、第1の操作体の押下移動に応じて作動し得るものであればどのようなものを用いても構わない。例えば、第1の操作体の押下移動方向側の面に可動接点を設け、固定接点部に接触させるようにしても良い。
【0113】
第2のスイッチ手段500Bについても第1のスイッチ手段500A同様である。また、この第2のスイッチ手段は、前記基板上の前記第1の操作体の押下移動方向側の領域の周りの領域の第2の操作体の傾動に対応する位置に配設されていれば良い。よって、前記第2のスイッチ手段は上記実施例の4つに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態に係る複合操作型入力装置を示す図であって、(a)が概略的平面図、(b)が概略的斜視図である。
【図2】同装置の図1のA−A断面図である。
【図3】同装置の概略的分解斜視図である。
【図4】同装置のケースを示す概略的斜視図であって、(a)が上側から示した図、(b)が下側から示した図である。
【図5】同装置の第2の操作体を示す概略的斜視図であって、(a)が上側から示した図、(b)が下側から示した図である。
【図6】同装置の基板を示す図であって、(a)が概略的平面図、(b)が概略的底面図である。
【符号の説明】
【0115】
200 基板
300 第1の操作体
310 操作部
320 操作軸部
400 第2の操作体
410 操作板
420 内壁部
430 外壁部
500A 第1のスイッチ手段
500B 第2のスイッチ手段
600 取付部材
610 板体
620 アーム部
621 折曲部
700 回転検出手段
710 回転体
711b 切欠き部
720 接触子
730 接点パターン
800 キートップ
830 凸凹面
900 感触子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に略直交する方向に押下操作可能な第1の操作体と、
この第1の操作体の周囲に前記基板と略平行に配置される環状部材であって、その平行状態から周囲の任意方向に傾動操作可能であると共に、周方向に回転操作可能な第2の操作体と、
前記第1の操作体の押下移動に応じて作動する第1のスイッチ手段と、
前記第2の操作体の傾動に応じて各々作動する複数の第2のスイッチ手段と、
前記第2の操作体の回転を検出する回転検出手段と、を備える複合操作型入力装置において、
外側部が前記第2の操作体に設けられ且つ内側部が前記第1の操作体の押下移動方向側の面に対向する取付部材を更に備え、
前記複数の第2のスイッチ手段が前記基板上の第1の操作体対向領域の周りの領域に配設されており、
前記回転検出手段は、前記取付部材の内側部に取り付けられ、前記基板上の前記第1の操作体の押下移動方向側であり且つ前記複数の第2のスイッチ手段の内側の空間に配置されることを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項2】
請求項1記載の複合操作型入力装置において、
前記第1の操作体は、操作部と、この操作部の押下移動方向側の面の一部に凸設されており且つその外形が当該操作部の外形よりも小さい棒状の操作軸部とを有し、
前記取付部材の内側部は、前記操作部の押下移動方向側の面の残りの部分に対向するようになっていることを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項3】
請求項1記載の複合操作型入力装置において、
前記回転検出手段は、高さ方向の一端部が前記取付部材の内側部に取り付けられ、その中心部に前記操作軸部が通される貫通孔が設けられる回転体と、この回転体の高さ方向の他端部に設けられる接触子と、前記基板上の前記周りの領域に設けられており且つ前記接触子が摺動可能な接点パターンとを有することを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項4】
請求項3記載の複合操作型入力装置において、
前記取付部材は、前記第2の操作体に取り付けられるリング状の板体と、この板体の内面に延設されるアーム部とを有し、このアーム部の先端部の両端には、2つの折曲片が設けられており、
前記回転体の一端部には、前記アーム部が嵌まり込む切欠き部が設けられていることを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項5】
請求項1記載の複合操作型入力装置において、
前記第2の操作体と前記第2のスイッチ手段との間に前記基板に対して略平行に配置される環状部材であって、前記第2の操作体の傾動に応じて傾動し、前記第2のスイッチ手段を各々押下するキートップと、前記第2の操作体のキートップ対向面に設けられる感触子とを更に備えており、
前記キートップの感触子対向面は凸凹面となっており、
前記感触子が前記キートップの感触子対向面上を摺動可能になっていることを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項6】
請求項5記載の複合操作型入力装置において、
前記第2の操作体は、一方の面が操作される操作面である円板状の操作板と、この操作板の他方の面の外縁部に立設された円筒状の外壁部と、前記操作板の他方の面の内縁部に立設された円筒状の内壁部とを有しており、
前記感触子は、前記操作板の他方の面の前記外壁部と前記内壁部との間に取り付けられており、
前記取付部材の外側部は、その外側端部が前記操作板の他方の面に対向するように、前記内壁部に取り付けられており、
前記キートップは、前記取付部材の外側部の外側端部に支持され、前記外壁部と前記内壁部との間の空間に収容されるようになっていることを特徴とする複合操作型入力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−269871(P2008−269871A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109098(P2007−109098)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】