説明

複合材料のシートを製造するための方法および装置

【課題】複合ラミネート材料を含んだ複合材料のシートを製造するための方法および装置を提供する。
【解決手段】複合材料を互いに横方向に隣接するように(サイド・バイ・サイド)配置することによって、複合材料の製品シートが製造される。複合材料(36a、36b)は、熱可塑性マトリックス材料の中に繊維を有する。隣接する複合材料は、固着されて複合材料の製品シートを供給する。好ましくは、複合材料のクロス層(60)が複合材料(36a、36b)の上に配置される。クロス層は、例えば単一方向指向性のシートであり、またクロス層の中の繊維は、例えば複合材料の中の繊維に対して横断するような関係で配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ラミネート材料を含んだ複合材料のシートを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂マトリックスの中に繊維を含む複合材料のシートは、複合ラミネートパネルの製造における積層体として有用である。当該繊維は、ポリマー・マトリックス材料の中に配置されて複合シートを形成する。複合材料のシートの中の繊維が、ポリマー・マトリックス材料の中に配置され、もしくは包み込まれるという様々な方法が、この技術分野において知られている。それは、例えばドクター・ブレード・プロセス、ラミネーション、引き抜き成形、押し出し成形等を含む。当該繊維は、例えば長手方向の指向性を備え(すなわち、それらは互いに並び)、層の長手方向に連続的に配置されている。当該繊維はまた、切り刻まれた状態で互いに長手方向に並んでいる場合もある。複合材料のシートは、一般的にその繊維が一様に長手方向を向いていることを指して、「単一方向指向性」として特徴付けられる場合がある。
【0003】
複合材料のシートの幅は一般的に、通常用いられる処理機械の幅や、繊維の分布の制御の困難なといった複数の要素により制限されてきた。それに加えて、複合ラミネートは、複数の積層体を備え、それらが互いに積み重ねられた状態で異なる積層体の繊維が互いに異なる角度の方向性を有するようにすることができる。複合ラミネートは、一般的に、繊維が互いに交わるように複合材料の個々の積層体を積み重ねる処理と、それらの積層体を固着して単一のシートにする処理とを個別に行うことで製造される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、その一側面として、複合ラミネートを製造するための装置を提供することを目的とする。また、本発明は、その他の側面として、互いに隣接する複数の所定の長さの複合材料を配置することによって複合ラミネートを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、その一側面として、複合ラミネートを製造するための装置を提供する。当該装置は、複合材料のロールを回転自在に支持するための少なくとも1以上のロール・サポート・アセンブリを有した第一の巻き解き機構を備える。接着機構は、第一の巻き解き機構の下流側に配置され、接着面を画定する。加熱機構は、接着機構の下流に位置し、ヒーターを通過して移動してくる複合材料に応じて、ロールから搬送されてくる複合材料を熱する。当該装置はまた、加熱機構の下流側に配置される少なくとも1以上のカレンダー・ロール・アセンブリを含む仕上げ処理機構を備えている。
【0006】
本願発明は、その他の側面として、互いに隣接する複数の所定の長さの複合材料を配置することによって複合ラミネートを製造する方法を提供する。複数の所定の長さの複合材料は互いに接着され、加熱される。加熱された複数の所定の長さの複合材料は、カレンダー・ロール・アセンブリを通過することで複合ラミネートに製造される。その後、当該複合材料が収集される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本願発明にかかる一具体例に従って以下に説明されるような製造方法を実行するための装置の概略図である。
【図2A】図2Aは、図1にかかる装置の巻き解き機構の一具体例の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aにかかる巻き解き機構のサポート・ローラー・アセンブリの斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aにかかる巻き解き機構の材料をガイドするためのアセンブリの斜視図である。
【図3】図3は、図1にかかる装置にオプションの第二の層機構を設けた接着機構の斜視図である。
【図3A】図3Aは、第一の層の複合材料とその上に層が交わるように重合される複合材料を伴った図3にかかる接着機構の斜視図である。
【図4】図4は、図1にかかる装置におけるオーブンの機構の概略斜視図である。
【図5A】図5Aは、図1にかかる装置の1以上の仕上げ処理モジュールの正面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aにかかる1以上の仕上げ処理モジュールの加熱時のカレンダー・ロール・アセンブリの斜視図である。
【図5C】図5Cは、図5Aにかかる1以上の仕上げ処理モジュールの加熱時のカレンダー・ロール・アセンブリのためのロール・オーブンの分解斜視図である。
【図5D】図5Dは、図5Aにかかる1以上の仕上げ処理モジュールの冷却時のカレンダー・ロール・アセンブリの斜視図である。
【図6】図6は、図1にかかる装置の巻き取り機構の斜視図である。
【図7】図7は、一具体例に従った方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図において一般的に10という参照番号で示される、複合材料を製造するための装置の一具体例は、巻き解き機構12を有する。そこでは、ロール状の複合材料がロールから搬送もしくは巻き解かれ、装置10における他の処理のために準備される。巻き解き機構12の隣には接着機構14が存在する。そこでは、複合材料の付加的な層が、巻き解き機構12から送られてきた巻き解かれた複合材料の上に接着される。これらの付加的な層は、通常、複合材料の付加的な層の一部分を形成する繊維が、巻き解き機構12から送られてきた巻き解かれた複合材料における繊維に対し異なった角度に向くように接着される。しかしながら、本願発明はこれに限定されず、付加的な層の一部分を形成する繊維が、巻き解き機構12から送られてきた解かれた複合材料の一部分を形成する繊維と実質的に平行となってもよい。装置10はオプションの機構として、接着機構14に隣接する第二の巻き解き機構16を有している。そこでは、複合材料の少なくとも1以上の付加的な層が、複合材料のロールから巻き解かれる。これらの層は、第一の巻き解き機構12から送られてきた解かれた複合材料の上面上に解きほぐされる。このことは、接着機構14において付け加えられるいずれの付加的な層に関しても同様である。巻き解き機構14の下流側には加熱機構18が設けられている。そこでは、複合材料の層が、互いに固着されるように加熱される。また、加熱機構18の下流側には、仕上げ処理機構20が設けられている。仕上げ処理機構20は、以下に詳細に説明されるように、少なくとも1以上のカレンダー・ロール・アセンブリを有する。巻き取り機構22は、仕上げ処理機構20の下流側に配置されており、その上に複合材料のラミネートを巻きつける。巻き解き機構12から巻き取り機構22までの全体のプロセスは、図1の矢印によって示されるように、ここでは「処理の方向」として参照される。「上流」および「下流」という用語は、しばしばここで処理の方向に関する方向もしくは位置に言及するために用いられる。(「下流」が言及する方向は、処理の方向と一致する。)
【0009】
図2Aに示されるように、巻き解き機構12は、巻きを解くためのフレーム24を有する。その上には、5つの同様な形状を有するロール・サポート・アセンブリが設置されている。それらの各々は参照番号26によって示されている。巻き解き機構12は5つのロール・サポート・アセンブリ26を有するが、本願発明はこれに限られず、本願発明の技術的思想の範囲内において、5つより少ない、もしくは多いロール・サポート・アセンブリが巻き解き機構12の一部を構成していてもよい。ロール・サポート・アセンブリ26は、図2Aに示される他のロール・サポート・アセンブリ26のように、サポート・ローラー・アセンブリ28(図2Bにおいても見られる)およびそれに伴う材料ガイド・アセンブリ30(図2Cにおいても見られる)を有している。サポート・ローラー・アセンブリ28は、台座34に回転自在に取り付けられたサポート・ローラー32を有している。台座34は、巻き解き用フレーム24に設置されている。各々のサポート・ローラー32は、図2Aにおける複合材料のロール36a、36b、36cによって示されるように、複合材料のロールを運ぶように構成されている。ロッキング・キャップ38は、サポート・ローラー32の側面上に着脱可能に装着され、そこに複合材料を着脱可能に保持することが可能である。ロッキング・キャップ38は、サポート・ローラー32の側面上に装着することが可能である。しかしながら、本願発明はこれに限られず、本願発明が関連する技術分野における当業者によって知られるような別のやり方で、ロッキング・キャップ38はサポート・ローラー32上に保持されてもよい。例えば、ロッキング・キャップ38は、サポート・ローラー32上に螺子留めされてもよいし、もしくはスナップ・リングを介してその上に保持されてもよい。サポート・ローラー・アセンブリ28は、サポート・ローラー・ドライブ機構(図示されない)もしくはサポート・ローラー・ブレーキング機構(図示されない)を有し、サポート・ローラー32上の複合材料36a等のロールの解きほぐしを加速もしくは減速する構成が採用されてもよい。その結果、複合材料36a等がロールから解きほぐされる際に複合材料36a等の張力の量を変化させたり調節したりすることができる。
【0010】
各々の材料ガイド・アセンブリ30は、垂直ローラー・マウント40、42のペアを有する。それらは、巻き解き用フレーム24にしっかりと取り付けられている。各々の材料ガイド・アセンブリ30はさらに、垂直ローラー・マウント40、42の間に配置され回転自在に取り付けられた第一のローラー44と、同様に配置され回転自在に取り付けられた第二のローラー46とを有している。第一のローラー44および第二のローラー46は48の参照番号によって示される隙間を画定し、複合材料が対応するサポート・ローラー・アセンブリ28を通じて搬送される際に、その隙間の間を通過する。第一のローラー44は、垂直ローラー・マウント40、42に対して垂直方向にスライド可能に構成されてもよい。それは、隙間48の中の複合材料36a等の上の圧力、および/もしくは複合材料36a等の張力、および/もしくは複合材料が対応するサポート・ローラー・アセンブリ28から引き出される速度を、変化および/もしくは調節する調節機構50によって行われる。調節機構50は、空圧式もしくは油圧式のシリンダー、ボール螺子、ステッピング・モーターもしくは他の機械的なアクチュエーターにより実現され得る。しかしながら、本願発明はこれに限られず、本願発明に関連する技術分野における当業者に理解されるであろう数多くの他の調節機構が採用され得る。材料ガイド・アセンブリ30は、対応するサポート・ローラー・アセンブリ28から引き出される複合材料36a等を方向付けて一定の方向へ向かわせる役割を果たす。
【0011】
各々の材料ガイド・アセンブリ30は、ブレーキ機構(図示されない)および/もしくはドライブ機構(図示されない)を有してもよい。当該ブレーキ機構は、第一のローラー44の回転に対する抑制を与える。その結果として、複合材料36a等が参照番号48によって示される隙間を通して引っ張られる際に、複合材料36a等の中において望ましい張力が維持されることとなる。一方、材料をガイドするドライブ機構は、複合材料36a等が参照番号48によって示される隙間を通過することを容易にするために第一のローラー44をドライブする。このようにして、調節機構50は、複合材料36a等が参照番号48によって示される隙間を通して進行する際に生じる抵抗を低減する。サポート・ローラー32上の複合材料36a等のロールの回転の慣性は当該ロールから複合材料36a等が引き出されるに応じて変化するので、調節機構50は装置10の運転の間、複合材料36a等における適切な張力を維持するように調節される。
【0012】
5つのロール・サポート・アセンブリ26は、巻き解き用フレーム24の上に配置される。その結果として、複合材料36a等が長手方向に各々のロールから引き出される時に、複合材料36a等はその長手方向に巻き解き用フレーム24におけるウェブ開口部52を通過し、横方向に並んだ状態で巻き解き用フレーム24の下から現れ、多数の複合材料のロールにより画定される幅Wの全域としてウェブ54(図2A、図4)を画定する。幅Wは、複合材料36a等のロールのいずれか一つと比べてもその幅が広い。以下に詳細に説明されるように、ウェブ54は、複合ラミネート200の少なくとも長手方向の所定の長さに渡る第一の層を提供する。
【0013】
接着機構14は、巻き解き機構12の下流側に配置され、接着用フレーム58の上に設置される接着用プラットフォーム56を有する。図示された具体例における接着用フレーム58は、巻き解き用フレーム24の幅とほぼ等しい幅を有する。接着用プラットフォーム56は実質的に平面状の接着面56aを画定し、その上に隣接する所定の長さの複合材料36a、36b等が並べられ互いに接着され、複合ラミネート200の第一の層を形成する。そして、複合材料の第二の層が、複合材料36a、36b等の第一の層の上に配置される。複合材料36a等の種類およびそれらの繊維の方向性に応じて、複合材料の第二の層は長手方向を一致させるか、交わるように重合させるか、あるいはその他の構成となるように、接着される。
【0014】
一つの具体例において、複合材料36a、36b等は、複合材料のクロス層60を複合材料36a、36b等の上に配置した状態で接着される。クロス層60は、隣接する少なくとも2つの複合材料36a、36bを覆い、好ましくはウェブ54の幅W全体を横断するように延伸する。クロス層60は、複合材料36a、36b等の上に接着され、ウェブ54を形成する。接着は、ウェブ54が装置10を通過中に、ヒートガン、極超音速の溶着具、接着剤、もしくはその他の手段により実行され得る。接着は、望ましい位置で複合材料の隣接および/もしくは層状のシートを互いに接着するための比較的速く容易な方法である。
【0015】
クロス層60は、単一方向指向性のシートであってもよい。すなわち、そこにおける繊維は互いに並列に並んでいてもよい。一具体例において、クロス層60における繊維は、複合材料36a等の中の繊維に対して横断する方向に配置される。この場合、クロス層60はクロス・シートとして言及されるかもしれないし、最終的に製造される複合ラミネート200はクロス・ラミネートとして言及されるかもしれない。クロス・シートは、複合材料36a、36b等における繊維に対して様々な角度で配置され得る。
【0016】
クロス層60は、処理方向に対して所定の限られた幅60wを有する。一具体例において、複数のクロス層60が、複合材料36a、36b等の層の上で互いに隣接するように配置され、複合ラミネート200に対して一連の第二の層を提供する。
【0017】
一具体例において、工業用ロボットが用いられ、クロス層60を複合材料36a、36b等の上に配置し、オプションとして、それらをクロス層60の上に接着してもよい。そのようなロボットは、クロス層材料が例えばロールの形状でもしくは事前にカットされたシートとして供給される際に、一緒に供給されるかもしれない。当該ロボットは、ウェブ54の上にクロス層の材料を配置するように構成されているかもしれない。これは、例えば、クロス層の材料を供給されたロールから引き出して望ましい長さにカットすることによって、もしくは予めカットされたシートを用いることによって行われる。当該ロボットは、ヒートガン、音速の溶着角部、もしくはその他の適切な接着のための装置を備え、クロス層の材料をウェブ54に接着するとともに、複合材料36a、36b等を一緒に接着する接着用アームを装備していてもよい。当該ロボットは、クロス層の材料をウェブ54に対して直角に、もしくは他の任意の適切な角度で引き出したり配置したりすることができるように構成されていてもよい。
【0018】
オプションとして備えられる第二の巻き解き機構16は、接着機構14の上方かつ下流側に設けられ、付加的な複合材料のロールが配置されるロール・サポート・アセンブリ62を有している。第二の巻き解き機構16は、一般的に第一の巻き解き機構12と同じ形状を有しており、幅Wにほぼ等しい幅を有する複合材料のウェブを供給することができる。すなわち、第二の巻き解き機構16は、第一の巻き解き機構12のロール・サポート・アセンブリ26等の機構に対応するように配置されるロール・サポート・アセンブリ62を有している。第二の巻き解き機構16は、ウェブ54がその下を通過し、付加的な細長い複合材料の層を第二の巻き解き機構16から引き出してウェブ54の上に加えることが可能なように構成されている。このように、第二の巻き解き機構16は、複合ラミネート200に対して第二の細長い複合材料の層を供給する。装置10における第二の巻き解き機構16を示し説明してきたが、本願発明はこれに限定されるものではない。他の具体例において、複合ラミネートを製造するための装置は、第二の巻き解き機構を有していなくてもよい。さらに別の具体例において、複合ラミネートを製造する装置は、2つより多い数の巻き解き機構を有してもよい。その場合、当該装置は、2つより多い数の複合材料の細長い層を有する複合ラミネートを製造することが可能である。
【0019】
図4に示されるように、加熱機構18の一具体例は、複合材料のウェブ54の受け入れに適するように構成された入口(図示されない)およびウェブ54がオーブン64を通り抜けて移動することを可能とする出口66を有するオーブン64を備えている。オーブン64は、対流式オーブンおよび/もしくは電気反射による加熱要素、赤外線による加熱要素、電気式のヒーター、ホット・オイル・ヒーター、圧搾空気式のヒーター、それらの組み合わせ、およびウェブ54に加熱する同様のもの等のその他適切ないかなる加熱要素を有してもよい。オーブン64は、流体式もしくは空気式のシリンダー、送り螺子、モーターおよびその他の同様のもの等のアクチュエーター70を介して上昇された位置および下降された位置の間を移動することが可能なカバー68を有している。ただし、アクチュエーター70は、それらに限られるものではない。
【0020】
仕上げ処理機構20は、加熱機構18の下流側に配置される。図5Aに示されるように、一具体例において、仕上げ処理機構20は、カレンダー・ロール・アセンブリ72、74を有する。カレンダー・ロール・アセンブリ72、74の各々は、2つのカレンダー・ロール76、78を支持するフレーム80を有している。各々のロールに対するドライブ機構82は、ドライブ・ベルト82bを介してカレンダー・ロール76もしくは78に取り付けられているドライブ・モーター82aを有している。ベルト・ドライブを示し説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、ダイレクト・ドライブもしくはモーター、およびギア減速機の組み合わせ等が用いられてもよい。カレンダー・ロール・アセンブリ72、74におけるカレンダー・ロール76および78のうちの一方もしくは両方は、熱移動のための流体(例えば、油もしくは水)がロール内を流れることによって、使用中に望ましい温度となるように当該ロールを加熱したり冷却したりすることを可能にする回転機構が装備されていてもよい。
【0021】
図5Bにおいて最もよく示されているように、加熱されるカレンダー・ロール・アセンブリ72は、それらの間に隙間を有するカレンダー・ロール76、78と、カレンダー・ロール78を加熱するための2つのロール・オーブン84、86とを有する。ロール・オーブン84は、カレンダー・ロール78の一部分を加熱するために、また二番目のロール・オーブン86は、カレンダー・ロール78を全長に渡って加熱するために設けられている。しかしながら、本願発明はこれに限られるものではなく、他の具体例において、単一のロール・オーブンがカレンダー・ロール78の全長を加熱する構成が採用されてもよい。もしくは、単一のロール・オーブンによって、カレンダー・ロール78の選ばれた一部分のみに加熱が行われる構成が採用されてもよい。カレンダー・ロール・アセンブリ72は、カレンダー・ロール・アセンブリ72の上に設置され支持されるサポート・フォロワー88を有する。そして、サポート・フォロワー88は、カレンダー・ロール76の上の中央部分に位置する。サポート・フォロワー88は、カレンダー・ロール76、78が中央部分において互いに撓んでしまうことを回避する。図5Cに示されるように、ロール・オーブン86は、電気反射加熱要素90を有する。電気反射加熱要素90は、カレンダー・ロール78の曲線に一致するように整形されている。ロール・オーブン84(図5B)は、ロール・オーブン86と同様に整形されている。それに代えて、もしくはそれに加えて、カレンダー・ロール76、78の一方もしくは両方に空洞を設け、熱移動のための流体の入口および出口をつなぐ流路を形成するようにしてもよい。その場合、熱移動のための流体は貯液槽から供給され、またその貯液層に戻される。カレンダー・ロール76およびもしくは78には、高温となった熱移動のための流体がカレンダー・ロール76およびもしくは78の中を通って流れることによって熱を供給するように、回転機構が取り付けられていてもよい。
【0022】
図5Dは、加熱されないカレンダー・ロール・アセンブリ74の斜視図を示している。それは、ロール・オーブン84、86を備えていない点を除いて、カレンダー・ロール・アセンブリ72と同様の構成を備えている。ロール・オーブン84および86は無いが、カレンダー・ロール・アセンブリ74は、カレンダー・ロール・アセンブリ72における場合と同様に、カレンダー・ロール76、78上の中央部分に位置する2つのサポート・フォロワー88を有する。カレンダー・ロール78には空洞が設けられ、熱移動のための流体の入口および出口をつなぐ流路を形成している。そして、熱移動のための流体は貯液槽から供給され、またその貯液層に戻される。図示された具体例において、カレンダー・ロール78には、回転機構92が取り付けられていてもよい。その場合、カレンダー・ロール78を通して熱移動のための流体が流れ、それと接触するウェブ54から熱を奪う。必要に応じて、回転機構92は高熱の流体を供給しカレンダー・ロール78に加熱するために用いられてもよい。
【0023】
仕上げ処理機構20が図5Aにおいて示されている。仕上げ処理機構20は、4つのカレンダー・ロール・アセンブリ72、74を有している。しかしながら、本願発明はこれに限られることなく、他の具体例においては仕上げ処理機構20が4つよりも多い、もしくは少ないカレンダー・ロール・アセンブリを有しているかもしれない。また、仕上げ処理機構20は、冷却用のカレンダー・ロール・アセンブリおよび/もしくは加熱用のカレンダー・ロール・アセンブリを有していてもよく、またそれらを有していなくてもよい。例えば、一具体例において、冷却用のカレンダー・ロール・アセンブリを供給するよりもむしろ、巻き取り機構22を通過する前のウェブ54の上に冷たい空気を吹き付けるファンを用いることによってウェブ54を冷却すれば十分であるかもしれない。もしくは、加熱されたカレンダー・ロール・アセンブリ72に続き1以上の加熱されていないカレンダー・ロール・アセンブリを設けることによってウェブ54を冷却することで事足りるかもしれない。ここで、加熱されていないカレンダー・ロール・アセンブリは、熱がウェブ54から大気中へ発散可能なように、加熱されたカレンダー・ロール・アセンブリ72から十分な距離だけ離されている。
【0024】
図6に示されるように、巻き取り機構22は巻き取り用フレーム94の上に配置された巻き取りロール96を有している。巻き取り機構22は、巻き取りロール96に対するモーター・ドライブ(図示されない)を有しており、ウェブ54の適切な張力を維持する。巻き取りロール96に対するモーター・ドライブは、巻き取りロール96が仕上げ処理機構20から出てくる最終製品である複合ラミネート200を収集することを可能とする。
【0025】
上述した装置10の様々な部分は、望ましい状態を実現するために図1に示されるレイアウトから再構成され得る。例えば、装置10を通して処理の方向に移動する材料が遭遇する様々な機構のシーケンスを変える、特定のプロセスに対して必要とされる機構を省略する、もしくは巻き解き機構12と巻き取り機構22の間に付加的な機構を加える、などである。それに加えて、様々な機構の要素は移動可能であり、さらに各々の機構の範囲内において再配置することも可能である。例えば、もし望ましければ、1以上のロール・サポート・アセンブリ26が巻き解き機構12に付加されてもよいし、取り除かれてもよい。さらに、ロール・サポート・アセンブリ26は、巻き解き用フレーム24の上で再配置されて、ウェブ54における隣接する複合材料36a、36b等の重複部分の程度が様々に異なるものや、望ましい幅が様々に異なるウェブ54を提供するように構成されてもよい。同様に、仕上げ処理機構20のカレンダー・ロール・アセンブリ72、74は、カレンダー・ロール・フレーム80の上でその位置を変更してもよく、またカレンダー・ロール・フレーム80から取り外してもよい。すなわち、仕上げ処理機構20におけるカレンダー・ロール・アセンブリ72、74の数、種類、シーケンス、および/もしくは位置取りは、最終製品である複合ラミネート200において望まれる特性を有するように変更され得る。単一の製品もしくはプロセスに対しては、単一のカレンダー・ロール・アセンブリ72もしくは74で十分であるかもしれない。ただし、それ以外の場合には、3つもしくは4つのカレンダー・ロール・アセンブリ(もしくはそれ以上)が利用されるかもしれない。さらに、カレンダー・ロール・アセンブリ72、74は、様々な加熱用のカレンダー・ロール・アセンブリおよび冷却用のカレンダー・ロール・アセンブリの望ましいシーケンスを提供するために、再配置されてもよい。すなわち、加熱の後に冷却する、冷却の後に加熱して冷却する、加熱の後に冷却して再度加熱する、加熱の後に冷却して再度加熱した後にさらに冷却する、などである。装置おけるそのような柔軟性により、様々な製品を製造するために採用されるべきプロセスにおける柔軟性を持たせることができる。
【0026】
装置10は、装置10の主制御機構と通信を行うプロセス・コントローラー(図示されない)を備えていてもよい。その場合、当該プロセス・コントローラーは、オペレーターが装置10の1以上の操作状況を管理するための集中管理ポイントを提供する。例えば、ウェブ54が装置10を通り抜けるスピード、ウェブ54の中の張力、様々な隙間に加えられる圧力、加熱機構18の温度、加熱されたカレンダー・ロール・アセンブリ72によって供給される熱量、クロス層を配置しウェブ54を接着するための工業用ロボットの操作等である。
【0027】
一具体例において、装置10は、複合ラミネート200を製造するための図7において全体として100の参照番号で示される方法を実行することができる。方法100は、例えば複合材料36a、36b等のロールから供給され、巻き解き機構12のロール・サポート・アセンブリ26の上に設置される所定の長さの複合材料36a、36b等を供給する第1のステップ102から始まる。所定の長さの複合材料36a等は、引き出されて接着機構14へと伸びるウェブ54の中へ取り込まれる。接着のためのステップ104においては、複合材料36a等は例えばクロス層60を用いて接着機構14において一緒に接着されてウェブ54を形成する。
【0028】
オプションである積層のためのステップ106において、所定の長さの付加的な複合材料36a等がウェブ54に付け加えられてもよい。例えば、複合材料36a等の付加的なロールが、第二の巻き解き機構16の上に配置されてもよい。また、複合材料36a等の付加的なロールが、第二の巻き解き機構16において解かれて第一の層を形成する複合材料36a等の上に、そしてクロス層60の上に配置されてもよい。この場合、方法100は、2つの連続した積層体(各々は巻き解き機構12、16から来ている)およびそれらの間のクロス層60を有する複合ラミネート200(図6)を生産することができる。
【0029】
接着のステップ104の後、さらにステップ106においてウェブ54の上に付加的な複合材料の層をオプションとして配置した後に、ウェブ54は加熱のステップ108において、所定の長さの複合材料36a等と、その上の任意のクロス層60との貼り合わせに関与する。この目的のために、ウェブ54は加熱機構18を通り抜け、そこで、隣接する第一の層の複合材料36a等が加熱され、その高分子材料が柔らかくなり、様々なシートが互いに接着可能な状態となる。加熱のステップ108の後に、ウェブ54は、仕上げ処理のステップ110に晒される。そこでは、所定の長さの複合材料36a等が複合ラミネート200に作りかえられて収集される。例えば、1つの仕上げ処理のステップ110において、ウェブ54は仕上げ処理機構20を通過する。そこでは、複合材料36a等は、1以上のカレンダー・ロール・アセンブリ72およびもしくは74において、圧力およびオプションとして加熱および/もしくは冷却に晒される。カレンダー・ロール・アセンブリ72および/もしくは74の熱および/もしくは圧力は、隣接する複合材料36a、36b等(およびその上にある他のいかなる複合材料)を一緒に固着させる。隣接する複合材料36a、36b等が熱可塑性マトリックス材料からなる場合、カレンダー・ロール・アセンブリ72およびもしくは74の熱およびもしくは圧力は、マトリックス材をもたらすのに十分であるかもしれない。しかしながら、隣接する複合材料36a、36b等の一方もしくは両方が熱硬化性マトリックス材からなる場合は、複合材料36a、36b等を一緒に固着させるために、接着剤や当業者に知られているような他の付加的な手段を用いることが望ましいかもしれない。ウェブ54は、仕上げ処理のステップ110の一部分において冷却され、収集のステップ112において複合ラミネート200製品が巻き取り機構22で巻き取り用ロール96に向かって収集される。仕上げ処理のステップ110において実行される冷却により、ウェブ54が隣接する巻かれたものが互いに固着すること無しに複合ラミネート200としてロール状に収集されることが可能となる。
【0030】
図1および5Aから5Dまでの具体例において、ウェブ54は加熱されたカレンダー・ロール・アセンブリ72と、その後、冷却用のカレンダー・ロール・アセンブリ74を通過して処理の方向へと前進する。加熱されたカレンダー・ロール・アセンブリ72は、隣接する複合材料が一緒に固着するように、複合材料に熱を加える。カレンダー・ロール・アセンブリ72および74の両方はまた、固着させるプロセスを強めるために、複合材料を圧縮する。冷却用のカレンダー・ロール・アセンブリ74は、その後、隣接する複合ラミネート200の層がまとまって一つにならないように、ウェブ54から熱を取り除く。その結果、複合ラミネート200の貯蔵および取り扱いが容易となる。例えば、複合ラミネート200は、隣接する巻かれたものが互いに固着すること無しに、巻き取り機構22において巻き取り用ロール96に向かって収集されるかもしれない。
【0031】
製品であるシートが巻き上げ用ロール96に向かって巻かれながら、複合ラミネート200が巻き解き機構12から巻き解かれている状態が維持されるように、十分な長さの複合材料36a等のロールが供給されるため、ここで説明されるプロセスおよび装置は「連続的な」プロセスとして説明され得る。
【0032】
複合材料としては様々種類の繊維が用いられ得る。それらの繊維の例としては、EガラスおよびSガラスの繊維がある。Eガラスとは、優れた電気的および機械的な特性並びに優れた化学的抵抗性を有するアルカリ性のホウケイ酸塩である。この種類のガラスは、強化プラスチック用の繊維において最も広く用いられる。
【0033】
Sガラスは、Eガラスと比較してより高い強度およびより高い費用を持つ材料である。Sガラスは、航空宇宙の分野で用いられる高い張力を伴ったマグネシア・アルミナ・ケイ酸塩のガラスである。元々「S」は、高い強度を意味している。EガラスおよびSガラスのいずれも本願発明における好適な繊維である。
【0034】
Eガラスの繊維は、広い範囲内の繊維重量を有する複合材料および熱可塑性ポリマー・マトリックス材料に取り込まれ得る。Eガラスは、平方ヤード当たり約10から約40オンス(oz./sq.yd.)の範囲内に、より好ましくは19から30、最も好ましくは21.4から28.4oz./sq.yd.までの範囲内に含まれる強度を有するように構成され得る。
【0035】
複合材料等の層におけるSガラスもしくはEガラスの繊維の量は、オプションとして、約40から約90までの重量パーセント(wt%)の範囲内に入る熱可塑性マトリックス、より好ましくは約50から約90wt%までの範囲内に入る、最も好ましくは約60から約80wt%までの範囲内に入る層内の熱可塑性マトリックスとなるように調整されている。その重量パーセントは、熱可塑性マトリックスと繊維とを合わせた重量に基づいている。
【0036】
また、その他の繊維が、好ましくはEガラスおよびもしくはSガラスとの組み合わせにおいて、包含されてもよい。しかし、オプションとしてEガラスおよび/もしくはSガラスの代わりに他のものが用いられてもよい。そのような他の繊維としては、例えばエクジソン受容体(ECR)、AガラスおよびCガラス並びにその他のガラス繊維がある。その他のガラス繊維としては、石英から作られる繊維、マグネシア・アルムニノ・ケイ酸塩、非アルカリ性アルミノボロ・ケイ酸塩、ソーダ・ボロ・ケイ酸塩、ソーダ・ライム・アルミノ・ケイ酸塩、ケイ酸鉛、非アルカリ性アイロン・アルミノ・ケイ酸塩、カドミウム・ホウ酸塩、アルミナ繊維、アスベスト、ホウ素、シリコン・カーバイド、グラファイト、およびポリエチレン、ポリビニールアルコール、サラン、アラミド、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリオクサディアゾール、ポリフィニレン、PPR、石油、および石炭のピッチ等に由来する炭素(等方性の)、メソフェーズのピッチ、セルロース、およびポリアクリロニトリル、セラミックの繊維、例えばスチール、アルミニウム・メタル・アロイ、のような金属の繊維、その他のものがある。
【0037】
好ましい有機ポリマー繊維は、ケブラーによって例示されるアラミドから形成される。その他の好ましい高性能で単一方向指向性の繊維束は、一般的に単位デニール当たり7グラムより大きい張力を有する。これらの束状の高性能繊維は、より好ましくはアラミド、引き伸ばされた鎖の極超分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリ「P-フェニレン-2、6-ベンゾビスオキサゾール」(PBO)、およびポリ「ダイイミダゾピリディニレン(2個の水酸基を持つ)フェニレン」(M5)のうちの一つ、もしくはそれらの組み合わせであるかもしれない。これらの非常に高い張力を有する材料の使用は、殊に戦車の板および非常に高い弾道特性を要求される同様な適用範囲に用いられる複合材料を作るために有用である。
【0038】
さらに当業者によって知られるその他の種類の繊維が、本願発明の技術的思想の範囲内において代替物として採用可能である。例えば、とりわけタワロン(Twaron)、およびテクノラ(Technora)等のトレード・ネームの下に販売されているアラミド繊維、トライ(Tray)、フォータフィル(Fortafil)、およびゾルテック(Zoltek)等のトレード・ネームの下に販売されている玄武岩、炭素繊維、並びにベクトラン(Vectran)等のトレード・ネームの下に販売されている液晶高分子(LCP)が考えられるが、それらに限られるものではない。上述したことに基づいて、本願発明は、有機的、無機的、および金属の繊維の単独での、もしくはそれらの組み合わせにおいての使用が意図されている。
【0039】
本願発明の複合積層体は、オプションとして、連続的な、断片に切り刻まれた、ランダムな、混ぜ合わされた、およびもしくは織物にされた繊維を含み得る。特定の具体例において、ここで述べた複合積層体は、実質的に長手方向ではない方向に向いている繊維を含まず、全て長手方向に向いている繊維を含むように構成されてもよい。
【0040】
ポリマー・マトリックスの材料は、熱硬化性ポリマーおよびもしくは熱可塑性ポリマーを有してもよい。熱可塑性ポリマー樹脂の材料としては、例えば、高い分子量の熱可塑性ポリマーや、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、PEI(ポリエーテルイミド)、および共重合体、より好ましくはポリプロピレンおよびポリエチレンの共重合体がある。重量当たりの熱可塑性の負荷は、製品であるシートの意図された使用における物理的な特性の要求に応じて、様々に変更し得る。
【0041】
複合材料は、約60から約10重量パーセントまでの範囲内に入る熱可塑性マトリックス、より好ましくは約50から約15重量パーセントまでの範囲内に入る、そして最も好ましくは約40から約20重量パーセントまでの範囲内に入る熱可塑性マトリックス材料を有する。それらの重量パーセントは、熱可塑性マトリックスと繊維とを足し合わせた重量に基づいている。
【0042】
上述の「第一」、「第二」といったような用語は、ここではいかなる順番、量、もしくは重要性も意味せず、単に一つの要素を他の要素と区別するために用いられている。また、「a」、「an」という用語は、ここでは量の限定を意味せず、言及されている要素が少なくとも1つ存在するということを意味する。
【0043】
本願発明は、特定の具体例を参照しつつ説明されているが、上述したことを読んで理解することによって、様々な変形や代替が本願発明の技術的思想の範囲内および本明細書に付随する特許請求の範囲内において行われ得ることが、当業者によって理解されるだろう。
【0044】
本出願は、2008年3月26日に出願された米国の仮特許出願番号61/039,556によって出願日の遡及効が与えられることを主張する。本出願は、当該出願を参照することにより完全にその内容を包含している。
【符号の説明】
【0045】
10…装置、12…巻き解き機構、14…接着機構、16…巻き解き機構、18…加熱機構、20…仕上げ処理機構、22…巻き取り機構、24…巻き解き用フレーム、26…ロール・サポート・アセンブリ、28…サポート・ローラー・アセンブリ、30…材料ガイド・アセンブリ、32…サポート・ローラー、34…台座、36a…複合材料、36b…複合材料、36c…複合材料、38…ロッキング・キャップ、40…ローラー・マウント、42…ローラー・マウント、44…ローラー、46…ローラー、48…隙間、50…調節機構、52…開口部、54…ウェブ、56…プラットフォーム、56a…表面、58…接着用フレーム、60…クロス層、60w…幅、62…ロール・サポート・アセンブリ、64…オーブン、66…出口、68…カバー、70…アクチュエーター、72…カレンダー・ロール・アセンブリ、74…カレンダー・ロール・アセンブリ、76…カレンダー・ロール、78…カレンダー・ロール、80…カレンダー・ロール・フレーム、82…ドライブ機構、82a…ドライブ・モーター、82b…ドライブ・ベルト、84…ロール・オーブン、86…ロール・オーブン、88…サポート・フォロワー、90…加熱要素、92…結合機構、94…巻き取り用フレーム、96…巻き取り用ロール、100…方法、102…複合材料を供給するステップ、104…接着のステップ、106…積層のためのステップ、108…加熱のステップ、110…仕上げ処理のステップ、112…収集のステップ、200…複合ラミネート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料のロールを回転自在に支持する少なくとも1以上のロール・サポート・アセンブリを有する第一の巻き解き機構と、
前記第一の巻き解き機構の下流側に位置し、接着面を画定する接着機構と、
前記接着機構の下流側に位置し、前記ロールから搬送されてくる前記複合材料がヒーターを通過する際に熱を加える加熱機構と、
前記加熱機構の下流側に位置し、1以上のカレンダー・ロール・アセンブリを有する仕上げ処理機構と
を備える
複合ラミネートを製造するための装置。
【請求項2】
前記少なくとも1以上のカレンダー・ロール・アセンブリは、サポート・フレームに回転自在に設置される2つのローラーを有し、前記2つのローラーは運転中に隙間を通して搬送される前記複合材料に圧力が加えられるように前記隙間を画定する
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記2つのローラーの少なくとも一方が加熱される
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記2つのローラーの少なくとも一方が冷却される
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記2つローラーの少なくとも一方は、隔離位置と近接位置との間で、前記2つのローラーの他方に対して移動が可能であり、
前記2つのローラーの少なくとも一方を、前記隔離位置と近接位置との間で、コントローラーから与えられる命令に従って、前記2つのローラーの他方に対して移動させる機構を備える
請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1以上のカレンダー・ロール・アセンブリは、コントローラーから与えられる命令に従って、前記2つのローラーの少なくとも一方を回転させる第1のドライブ機構を有する
請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記2つのローラーの少なくとも一方に隣接する位置に配置される1以上のロール・カバーと、
前記2つのローラーの少なくとも一方に熱を加える前記1以上のロール・カバーに結合されたロール・ヒーターと
を備える
請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記ロール・ヒーターは、前記ロール・カバーに結合される1以上の加熱要素を有し、
コントローラーから与えられる命令に従って、前記1以上のカレンダー・ロール・アセンブリの運転中に、前記1以上のカレンダー・ロール・アセンブリの前記2つのローラーの少なくとも一方に熱を加えられる
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記2つのローラーの少なくとも一方は、熱移動のための流体が内部を通過するための入口を伴った流路と、前記流路に前記熱移動のための流体を供給するための回転機構とを有する
請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記ヒーターは、
複合ラミネートのウェブを受け入れ可能なように調整された入口と、
前記複合ラミネートのウェブを前記ヒーターから排出可能なように調整された出口と、
開いた位置と閉じた位置との間で移動可能なカバーと、
前記複合ラミネートのウェブが前記入口と前記出口との間を移動する間に前記複合ラミネートのウェブに熱を加えるための熱源と
を有する
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ヒーターは、赤外線放射を行う
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記熱源は、前記カバーに結合されておりコントローラーから与えられる命令に従って制御される、複数の電気的な加熱を行う要素を有する
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記熱源は、前記複合ラミネートのウェブの面上に直接吹きつけられる、加熱された空気である
請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記接着機構と前記ヒーターとの間に配置される第二の巻き解き機構を備え、
前記第二の巻き解き機構は、前記複合材料のロールを回転自在に支持する1以上のロール・サポート・アセンブリを有する
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
複数の前記カレンダー・ロール・アセンブリを備え、
前記複数のカレンダー・ロール・アセンブリの各々は、サポート・フレームに対して回転自在に設置される2つのローラーを有し、前記2つのローラーは運転中に隙間を通して搬送される前記複合材料に圧力が加えられるように前記隙間を画定する
請求項1に記載の装置。
【請求項16】
1以上の加熱された前記カレンダー・ロール・アセンブリを備える
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1以上の冷却用の前記カレンダー・ロール・アセンブリを備える
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第一の巻き解き機構は、巻きを解くためのフレームを有し、
前記巻きを解くためのフレームに設置された複数のサポート・ロール・アセンブリを備え、
前記複数のサポート・ロール・アセンブリは、運転中に前記サポート・ロール・アセンブリに設置された前記複合材料のロールから引き出された前記複合材料が前記複合材料の幅より広い幅のシートを形成するように、当該シートの一方の端から他方の端までの範囲内に配置されるように、互いに相対的な位置に配置される
請求項1に記載の装置。
【請求項19】
所定の長さの複数の複合材料を互いに隣接するように配置するステップと、
前記所定の長さの複数の複合材料を接着するステップと、
前記所定の長さの複数の複合材料に加熱するステップと、
前記加熱された所定の長さの複数の複合材料をカレンダー・ロール・アセンブリの中に通して複合ラミネートを生産するステップと、
前記複合ラミネートを収集するステップと
を備える
複合ラミネートを製造する方法。
【請求項20】
前記所定の長さの複数の複合材料を接着するステップは、前記所定の長さの複数の複合材料にクロス層を重合する処理を含む
請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−515255(P2011−515255A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502002(P2011−502002)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/038173
【国際公開番号】WO2009/120736
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(508125564)ポリストランド インコーポレイティッド (3)
【氏名又は名称原語表記】POLYSTRAND, INC.
【住所又は居所原語表記】2370 Air Park Way, Montrose, Colorado 81401, United States of America
【Fターム(参考)】