説明

複合材料成形品またはフィルムを製造するデバイスおよび方法

【課題】
材料の不均等な分配およびオーバースプレーの発生などの問題点を解消して、複雑な複合材料成形品またはフィルム(スキン)を大規模に製造するため方法およびデバイスを提供する。
【解決手段】
反応性プラスチックによって形成される少なくとも1つの層を有する一層もしくは複層積層フィルムまたは複合材料成形品を製造するための方法であって、スプレー・ノズルから液体の反応性混合物を表面に噴霧することを含み、振動するジェット・スプレーを表面に適用し、噴霧の間にジェット・スプレーの振動の振幅および/または周波数を調節して、ジェット・スプレーによってカバーされる表面領域を変化させることを含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料成形品(compound moldings)またはフィルム(スキン(skins))を製造するためのデバイスおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1つの層が反応性プラスチックを含んでなる一層もしくは複層積層フィルム(スキン)の製造にあたり、反応性プラスチックは基材の上にまたはキャビティの中に噴霧(またはスプレー(splaying))によって適用される。
【0003】
図1および2は、複合材料成形品を製造するための従来技術の方法を、一例として示している。最初に、反応性プラスチックの第1の層が、スプレーミキシング・ヘッド(spray mixing head)を通して、金型(mold)の下部部分のキャビティに適用される。その後、この第1のスプレー層の上に、自動フィーダ(automatic feeder)によって基材が配置され、その基材上にもう1つの反応性プラスチック層が噴霧(スプレー(spray))される。その後、金型の下側半パーツ(lower mold half)と上側半パーツ(upper mold half)とが組み合わせられて、反応性プラスチック混合物が反応して、基材と密接に結合する。「硬化(curing)」後、プレス機を開くと、完成した複合材料成形品を取り出すことができる。
【0004】
この方法の1つの変形例では、キャビティの外部にて、基材の両側に噴霧が行われた後、金型内に配置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動アプリケータの移動速度(traveling speeds)、すなわち、被覆すべき表面に対して相対的に達成されるスプレー・ノズルの速度は限界に直面するので、可能な限り広いスプレー・パターンでスプレー・ジェット(spray jet)を形成することが試みられてきた。これに関連して、種々の技術が試みられている。これらの技術の1つでは、いくらか広いスプレー・パターンを既に有しているフラットなジェット・ノズルを使用して、噴霧すべき表面とスプレー・ノズルとの間の距離を拡大する。しかしながら、この技術は、不十分な材料の分配(poor material distribution)、いわゆる「ボーン・プロファイル(bone profile)」をもたらして、スプレー・ジェットの縁部に材料が堆積する傾向がある。もう1つの不都合な点は、いわゆる「オーバースプレー(またはスプレーしぶき(overspray))」、すなわち製造ルーム全体に飛散する微細なスプレー・ミストが発生することであって、従って、人員を健康被害から保護するためにそのオーバースプレーを吸い出す(sucking out)(または排気する)ことが必要となる。デバイスに関して増大する出費は別にしても、オーバースプレーを排気するということは、材料を損失することや、吸引(または排気)およびフィルタ設備のために、更にメンテナンス時間を伴うことを意味する。
【0006】
もう1つの方法では、円形の(circular)ジェット・ノズルによってスプレー・ジェットが形成された後、そのスプレー・ジェットは横方向から案内されるエアノズルによってフラットな形態に形を変えられる。しかしながら、この操作によれば、材料の不均等な分配(non-uniform distribution)も発生する。この場合、いわゆる「レンズ・プロファイル(lens profile)」(スプレー・ジェットの中央部に材料が堆積すること)が結果として生じる。ここでも、特に空気を供給することによるスプレーしぶきの発生が深刻な問題点である。
【0007】
円形のジェット・ノズルでは、噴霧すべき領域とスプレー・ノズルとの間の距離を増大させたり、反応性混合物の内部に空気を混入したりすることが可能である。このことによって、より広い「スプレー・パターン」が得られるが、「縁部では薄くなる(thinning at the edge)」現象が発生するために、材料の非常に不十分な分配も生じ得る。すなわち、層の縁部に噴霧される(または吹き付けられる)材料が少な過ぎるのである。この場合にも、有害なオーバースプレーが発生する。
【0008】
上述した方法は全て、「エッジ・シャープネス(edge sharpness)」が失われるという更に重大な問題点、すなわち、キャビティの縁部では正確な輪郭でのスプレーができないので、縁部を越えてシーリング・フェイス(sealing face)がスプレーされるという問題点を伴っている。
【0009】
サイクル時間(cycle times)を最小にするという要件に加えて、スプレー層の中に材料の分配を、すなわち単位面積あたりの噴霧層の厚みを、所望の程度に確立することができるという更なる目的も存在する。このことは、噴霧すべき領域の全体にわたり、同じ層厚みを形成するか、または成形品もしくはスプレースキン((skin)または外皮層)の所定の部分に、より大きな厚みを形成するということを意味し得る。
【0010】
この更なる要件を満足するためには、スプレーミキシング・ヘッドの移動速度および/またはスプレーの量を変化させることとは別に、スプレー操作の間に、スプレー・ジェットの幅を調節し得るということも必要である。
【0011】
上述したような手段:例えば、空気の供給を変化させたりまたはスプレー距離を変えたりする手段によって、この目的を達成しようという試みが、これまでになされている。しかしながら、それらは、上述したような問題点、例えば、材料の不均等な分配、不明確なエッジ・シャープネスおよびオーバースプレーの発生などの問題点を生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の概要)
本発明の目的は、上述した問題点を防止して、広い面積を有し、複雑な複合材料成形品またはフィルム(スキン)を大規模に製造するための簡単で経済的な方法およびデバイスを見出すことである。
【0013】
この目的は、スプレーの際にジェット・スプレーを振動(oscillating)させ、スプレーの際の振動の振幅および/または周波数を調節することによって達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、液体の反応性混合物がスプレー・ジェットを有するスプレー・ノズルから表面に噴霧されて形成される、一層もしくは複層積層フィルムまたは複合材料成形品を製造するための方法に関する。スプレー・ジェットは振動するように設定されており、その振動の振幅および周波数は噴霧操作の間に調節され、それによって噴霧領域が変化する。
【0015】
噴霧される表面は、金型の一部またはコーティングすべき基材、例えば、ツールの一方の部材または下側の金型等であってよい。反応性プラスチックとして、ポリウレタンが好ましく用いられる。
【0016】
図3、4、および5は、本発明を示している。これらの図は、スプレー適用操作の間に、スプレー・ジェットが振動するように設定すること、および振動の振幅および/または周波数を調節することによって、スプレー適用操作の間にスプレーの幅(spray width)またはスプレーの領域(spray area)を変化させることができる方法を示している。
【0017】
ドイツ国特許出願公開(DE OS−35 30 702)は、下流側に穿孔を有する隆起部を有するスプレー・デバイスを開示しており、これによって非常に微細な散乱されたエアゾールを排除し、穿孔を有する隆起部はバイブレート(vibrate)するように設定されており、噴霧するフォーム層の(厚み)均等性が向上している。
【0018】
しかしながら、このデバイスは、スプレー操作の間に、振動を変化させること、すなわち振動の振れ幅の振幅および/または周波数の変化を提供しない。特に、DE OS−35 30 702は、その手段によって種々のスプレー幅を達成し得るということを開示していない。
【0019】
スプレー・ジェットを振動するように設定するプロセス、および振動の振幅および/または周波数を調節することによって、スプレー適用操作の間にスプレー・ジェット幅またはスプレー領域を変化させるプロセスは、従来技術には開示されていない。
【0020】
本件発明の方法は、スプレー距離を変化させることなく、種々のスプレー・ジェット幅を形成することができるという重要な利点を提供する。したがって、例えば、3次元的空間において、幾何学的形状の拘束に由来するその他の製造要件について、スプレー距離の重要な製造パラメーターは自由なままである。従って、スプレープロセスについて、追加的な自由度が得られる。
【0021】
本発明の方法において、空気の供給を伴うスプレー・ジェットの操作は不要である。したがって、スプレープロセスにおけるスプレーしぶきの量は、極めて最小限である。
【0022】
本発明の方法によれば、1000mmまでの最大スプレー幅が可能である。一般に、スプレー・ジェットは、0mm〜500mmの調節可能な振幅、好ましくは0.1〜400mm、最も好ましくは0.5〜300mmの調節可能な振幅にて振動して、スプレー領域に当たる。
【0023】
振動の周波数は、5〜400Hz、好ましくは10Hz〜300Hz、最も好ましくは20Hz〜200Hzの範囲に設定することができる。
【0024】
本発明の方法について必要とされる周波数は、(1)スプレー・ノズルおよびミキシング・ヘッドを移動させる、従ってスプレー・ジェットを移動させる自動アプリケータの移動速度、ならびに(2)スプレーミキシング・ヘッドの振動の面に対して垂直なスプレー領域に当たるスプレー・ジェットの幅に依存する。この点に関して、振動の転換点と転換点との間に、スプレー・ジェットによって濡らされない(スプレーが当たらない)領域が残らないように、周波数が選択されることが好ましい。従って、必要とされる周波数は、自動アプリケータの移動速度に比例しており、振動の面に対して垂直なスプレー・ジェットの幅に反比例する。
【0025】
スプレー適用操作の間における振動の振幅および/または周波数の変化は、一定であってもよいし、傾斜関数的(ramp functional)であってもよい。
【0026】
本発明の方法の更なる態様例では、スプレー・ジェットの幅または領域を変化させる際に、噴霧する反応性混合物の量を変えることができる。このことによって、スプレー層の厚みを所望に応じて確立する可能性が提供される。
【0027】
スプレー・ジェットの幅または領域を変化させる際に、自動アプリケータの移動速度を変化させることも可能である。例えば、狭い湾曲部では、最高速度と比較して移動速度を低下させることが必要とされることもある。
【0028】
本発明の方法の更なる態様例では、位置に応じて特定の調節が行われ、特にプログラム制御によって自動的に調節が行われる。
【0029】
スプレー・ジェットを振動するように設定することには種々の可能性(態様)がある。したがって、例えば、スプレーミキシング・ヘッド全体またはスプレー・ノズルのみまたはミキシング・ヘッドおよび絡するスプレー・ノズルのみに振動を生じさせることもできる。
【0030】
スプレー・ノズルに従属する偏向エレメントを振動させることも可能である。
【0031】
円形のスプレー・ノズルおよびフラットなスプレー・ノズルはいずれもスプレー・ノズルとして好適である。
【0032】
この本発明の方法の更なる態様例では、振動は、0°以上の角度、好ましくは40°〜90°の角度、より好ましくは70°〜90°の角度、最も好ましくは90°の角度だけずらして、次の振動と重ならせることができる。2つの振動の振幅は互いに独立して制御することができる。
【0033】
制御プログラムによって、2つの振動のより大きな振動を、自動アプリケータの移動方向に対して垂直に設定することも可能である。
【0034】
角度について互いにずらされた振動の2つの面を有するプロセス変数(process variant)は、上述したプロセスにとって特に重要である。それは、そのことによってスプレー適用時間を極めて短くすることが可能となるからである。この点に関して、角度は40〜90°であることが好ましい。それは、移動させるべきスプレー経路(spray track)の転換点でミキシング・ヘッドを回転させることがもはや必要ではなくなるため、スプレー適用の間に自動アプリケータのダウンタイム(down time)がなくなるからである。
【0035】
本発明は、少なくとも1つの反応性プラスチックの層を有する一層もしくは複層積層フィルムまたは複合材料成形品を製造するためのデバイスであって、反応成分のための貯蔵容器、反応成分のための計量デバイスならびにミキシング・ヘッドおよびスプレー・ノズルを有してなり、スプレー・ノズルは振動ジェネレータ(oscillation generator)に連絡し、振動ジェネレータはスプレー・ノズルを振動させるように設定することができ、振動ジェネレータは振動の振幅および/または周波数を調節することができるデバイスにも関する。
【0036】
振動ジェネレータとして例えば電磁石を使うことができる。この場合、振幅の調節は、電圧を変えることによって行うことができる。また、振動の形成に、偏心配置した機械的ギヤも好適である。
【0037】
この点に関して、スプレー・ノズルは振動ジェネレータに対して、直接的に接続することもできるし、または間に配置される装置部品を介して接続することもできる。
【0038】
デバイスの1つの態様例では、ミキシング・ヘッドとスプレー・ノズルとの間に、弾性部材(elastic member)、ボール・ジョイントまたはベローズが配置される。
【0039】
以下、図1〜5を参照して、本発明についてより詳細に説明する。
【0040】
図1は、従来技術による複合材料成形品を製造するためのデバイス1を示している。反応性混合物の第1の層は最初に、金型の下側半パーツ2のキャビティの表面にスプレー・ノズル3によって適用される。そのスプレー・ノズル3は、ミキシング・ヘッド4の下流側に直接配置されている。
【0041】
反応性成分は、原料貯槽6から計量装置7へ割り当てられたラインを通して送られる。反応性成分は、計量装置7から、それらは、順番に、ミキシング・ヘッド・ガイドのための自動ユニット8を通る更に割り当てられたラインによってミキシング・ヘッド4へ送られ、そこで互いに混合され、その後、スプレー・ノズル3を通して反応性混合物として噴霧されることによって適用される。
【0042】
この操作において、スプレー・ノズル3が取り付けられているミキシング・ヘッド4は自動ユニット8によって案内されて、キャビティ全体の表面に一様な厚さのスプレー層が形成される。その後、スプレー操作を終了して、スプレー・ノズル3が取り付けられているミキシング・ヘッド4は自動ユニット8の側まで旋回させられる。
【0043】
次に、前記第1のスプレー層5の上側に、自動フィーダー9によって基材10が配置される。
【0044】
図2は、図1と同じデバイスであって、本発明の方法において異なる時点、例えば、基材10の上に第2のスプレー層を適用する際のデバイスを示している。
この操作が終了すると、スプレー・ノズル3が取り付けられているミキシング・ヘッド4は自動ユニット8の側まで旋回させられ、下側半パーツ2と上側半パーツ11とはプレス12によって組み合わされ、プラスチックの実際の反応プロセスが開始し、液体の状態である反応性プラスチック混合物が反応して、基材10に密接に接着される。
【0045】
いわゆる硬化の後で、プレス12は再び開かれて、出来上がった成形品を取り出すことができる。
【0046】
図3、4および5は本発明の方法を示している。
図3は、第1の位置(図3の上側部分に示しており、図3aと称する)および第2の位置(図3の下側部分に示しており、図3bと称する)にあるスプレー・ノズル3が取り付けられているミキシング・ヘッド4を摸式的に示す図である。スプレー・ノズル3とミキシング・ヘッド4との間に、弾性部材13が配されている。スプレー・ノズルおよび従ってスプレー・ジェット14は、振動ジェネレータ(図示せず)によって振動するように設定されている。振動の様子は、両矢印15によって摸式的に示されている。
【0047】
スプレー・ノズル3と噴霧されるべき表面16との間のスプレー間隔H1およびH2は、図3aおよび図3bの両者では同じに設定されている。第1の位置(図3a)において、噴霧されるべき表面16に当たるスプレー・ジェット14は幅(width)A1を有しており、第2の位置(図3b)において、噴霧されるべき表面16に当たるスプレー・ジェット14は幅A2を有している。
【0048】
第1の位置(図3a)におけるスプレー幅A1から第2の位置(図3b)におけるスプレー幅A2への移行は、例えば、スプレー・ジェットが振動する振幅を定常的に(又は一定の割合で)低下させることによって行うことができる。スプレー層の厚みd1およびd2がどこでも一様な厚みとなるように、材料のストリームもそれに応じて同時に変化する。第1の位置(図3a)において反応性混合物の材料m1のストリームはスプレー幅A1に対して比例しており、材料m2のストリームはスプレー幅A2に対する。
【0049】
材料のストリームを適応させることの別法には、自動ユニット8によるミキシング・ヘッド4およびスプレー・ノズル3の移動速度を適応させる方法、特にスプレー幅に反比例するように適応させる方法がある。
【0050】
図4は、図5に示されている成形品20、すなわち、キャビティ(図示せず)内で反応性プラスチックにより形成されており、全体の領域にわたって同じ厚みの層を有しているスキンである成形品20の断面図を示している。
【0051】
図5は、同じ成形品20、すなわち、本発明の方法によって製造される反応性プラスチックから形成されたフィルムまたはスキンである成形品20を示している。全体のスプレー操作は、この領域を1回のパス(one pass)のみで十分に覆う(カバーする)ように行われる。この領域全体のどの部分でも層厚みがほぼ同じとなるように、隣接するスプレー軌跡(adjacent spray tracks)の狭い重なり(overlapping)が規定されていることが重要である。この理由から、スプレー・ジェット幅およびそれに対応して吹き付けられる(噴霧される)反応性混合物の量は、成形品の幾何学的形状に応じてプログラム制御により定常的に変化させられる。第1の位置(図3a)ではスプレー軌跡は幅A1を有しており、第2の位置(図3b)ではスプレー軌跡は幅A2を有している。
【0052】
一点鎖線(dash-dot line)21は、ミキシング・ヘッドおよびスプレー・ノズル(いずれも図示せず)がキャビティ(図示せず)上を案内されて、それらの上を移動する経路(traveling route)を示している。破線22は、スプレー適用操作の間はまだ液体の状態である反応性混合物が、隣り合うスプレー領域どうしで合わさる(合一化する又は重なる)ラインを示している。
【0053】
以上、本発明について説明を目的として、詳細な事項を記載したが、そのような詳細な事項は説明を目的とするものであって、当業者は、特許請求の範囲によって規定されることを除いて、本発明の範囲および精神から離れることなく、種々の変更を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、基材が下側モールド・ハーフに載置されて、第1のスプレー層が形成される従来技術の方法による複合材料成形品を製造するためのデバイスを示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示すデバイスと同じデバイスであって、基材に第2の層が適用される状態を示す模式図である。
【図3】図3は、振動するスプレー・ジェットを2つの異なる状態で示す模式図である。スプレー・ジェットの幅は、第1の幅A1から第2の幅A2へ調節される。
【図4】図4は、図5に示す成形品の断面図を示している。
【図5】図5は、本発明の方法によってキャビティ内で製造された成形品を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性プラスチックによって形成される少なくとも1つの層を有する一層もしくは複層積層フィルムまたは複合材料成形品を製造するための方法であって、スプレー・ノズルから液体の反応性混合物を表面に噴霧することを含んでなり、振動するジェット・スプレーを表面に適用し、噴霧の間にジェット・スプレーの振動の振幅および/または周波数を調節して、ジェット・スプレーによってカバーされる表面領域を変化させる方法。
【請求項2】
振動するジェット・スプレーは、0mm〜500mmの振幅で振動する請求項1記載の方法。
【請求項3】
振動するジェット・スプレーは、0.1mm〜400mmの振幅で振動する請求項1記載の方法。
【請求項4】
振動するジェット・スプレーは、0.5mm〜300mmの振幅で振動する請求項1記載の方法。
【請求項5】
ジェット・スプレーは5Hz〜400Hzの周波数で振動する請求項1記載の方法。
【請求項6】
ジェット・スプレーは10Hz〜300Hzの周波数で振動する請求項1記載の方法。
【請求項7】
ジェット・スプレーは20Hz〜200Hzの周波数で振動する請求項1記載の方法。
【請求項8】
振幅および周波数が連続的に調節される請求項1記載の方法。
【請求項9】
振幅および/または周波数が傾斜関数的に調節される請求項1記載の方法。
【請求項10】
ジェット・スプレーの周波数および/または振幅が調節される間、スプレー・ノズルとスプレーされる表面との間の距離は一定に保たれる請求項1記載の方法。
【請求項11】
ジェット・スプレーの周波数および/または振幅が調節される間、スプレーされる反応性混合物の量が変化する請求項1記載の方法。
【請求項12】
ジェット・スプレーの周波数および/または振幅が調節される間、スプレーされる表面領域に対するスプレー・ノズルの相対的な速度が変化する請求項1記載の方法。
【請求項13】
ジェット・スプレーの周波数および/または振幅の調節を、制御プログラムによって、位置に応じて自動的に行う請求項1記載の方法。
【請求項14】
スプレー・ノズルおよび該スプレー・ノズルに連絡するミキシング・ヘッドが振動するように設定されている請求項1記載の方法。
【請求項15】
スプレー・ノズルのみまたはミキシング・ヘッドおよび連絡するスプレー・ノズルが振動するように設定されている請求項1記載の方法。
【請求項16】
1つの振動が次の振動と0度以上の角度でずれて重ねられる請求項1記載の方法。
【請求項17】
90度ずらした振動の振幅を、互いに独立して制御する請求項16記載の方法。
【請求項18】
制御プログラムによって自動的に、2つの振動のより大きな振幅がスプレー・ノズルの移動方向に対して垂直に設定される請求項16記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの反応性プラスチックの層を有する一層もしくは複層積層フィルムまたは複合材料成形品を製造するためのデバイスであって、
a)反応成分のための少なくとも1つの貯蔵容器、
b)反応成分のための少なくとも1つの計量デバイス、
c)ミキシング・ヘッド、
d)スプレー・ノズル、ならびに
e)スプレー・ノズルに振動を生じさせる手段であって、振幅および/または周波数を調節することができる手段
を有してなるデバイス。
【請求項20】
請求項19記載のデバイスであって、
f)ミキシング・ヘッドとスプレー・ノズルとの間に配される弾性部材
を更に有してなるデバイス。
【請求項21】
ミキシング・ヘッドとスプレー・ノズルとの間に配されるボール・ジョイントを更に有する請求項19記載のデバイス。
【請求項22】
ミキシング・ヘッドとスプレー・ノズルとの間に配されるベローズを更に有する請求項19記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−159192(P2006−159192A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−354429(P2005−354429)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(500013614)ヘンネケ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (5)
【氏名又は名称原語表記】Hennecke GmbH
【Fターム(参考)】