説明

複合機

【課題】印刷済みの用紙の修正に対して、トナーや出力用紙の省資源化するとともに、印刷原稿と遜色ない見栄えの修正結果が得られる複合機を提供する。
【解決手段】この複合機は、用紙搬送路上に搬送される印刷済みの用紙の画像を読み取ってスキャン画像を生成するスキャナ部と、前記スキャン画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されたスキャン画像の修正領域と修正情報を入力する入力設定部と、印刷部と、前記スキャナ部により前記スキャン画像を生成後、前記用紙搬送路に保持された前記印刷済みの用紙を前記修正領域が上書き位置となるように搬送して、前記修正領域を用紙と同色のトナーで上書き印刷して消去し、前記修正領域を消去した後に、再度、前記修正領域の上書き位置に前記印刷済みの用紙を搬送して、前記修正領域に前記修正情報を上書き印刷する上書き修正制御部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷済みの用紙に記録されている印刷情報を修正する複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷した後で修正箇所が見つかった場合、データを修正し、再度印刷し直していた。この場合には、出力用紙の使用量が増加し、省資源、環境保護や都市ゴミ低減等の妨げとなっている。
【0003】
また、印刷済みの用紙にフリーハンドで修正した場合には、出力用紙の使用量は増えないものの、見栄えが悪くなっている。
【0004】
特許文献1では、印刷済み用紙の印字の被覆パターンを生成し、この被覆パターンに白色トナーを重ね、印字を消去して白紙化している。
【特許文献1】特開平9−265249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示される技術では、出力用紙の消費を減らすことはできても、印刷済みの用紙全体を白色トナーで消去するため、白色トナーの消費が増加し、再印刷によるトナーの消費も増加し、十分な省資源化が図れているとはいえない。
【0006】
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであって、印刷済みの用紙の修正に対して、トナーや出力用紙の省資源化するとともに、印刷原稿と遜色ない見栄えの修正結果が得られる複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の複合機は、用紙搬送路上に搬送される印刷済みの用紙の画像を読み取ってスキャン画像を生成するスキャナ部と、前記スキャン画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されたスキャン画像の修正領域と修正情報を入力する入力設定部と、印刷部と、前記スキャナ部により前記スキャン画像を生成後、前記用紙搬送路に保持された前記印刷済みの用紙を前記修正領域が上書き位置となるように搬送して、前記修正領域を用紙と同色のトナーで上書き印刷して消去し、前記修正領域を消去した後に、再度、前記修正領域の上書き位置に前記印刷済みの用紙を搬送して、前記修正領域に前記修正情報を上書き印刷する上書き修正制御部と、を備えている。
【0008】
前記上書き消去するトナーの色は、ユーザから白トナーまたは用紙色のトナーが指定され、この指定された色で前記印刷済み用紙の前記修正領域を上書き印刷して消去する。
【0009】
また、前記入力設定部は、前記修正領域内に文字が存在すると判定した場合、該文字のフォントタイプ情報およびフォントサイズ情報を取得し、前記修正情報の文字情報に適用することによって、前記修正情報を印刷済みの情報と融合させることができる。
また、前記入力設定部は、前記修正情報が画像データの場合には、当該複合機の備える第2のスキャナ部によってスキャンして入力し、該画像データのサイズを変倍することによって、前記修正領域の大きさに適合するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷済みの用紙の修正に対して、トナーや出力用紙の省資源化が図れるとともに、印刷原稿と遜色ない見栄えの修正結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の複合機に係る好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る複合機の主要部の概略構成を表すブロック図である。
複合機1は、従来の複合機の構成を備えるとともに、プリンタ部3の用紙搬送路上にスキャナ部13を新たに設け、複合機1の上書き修正制御部(不図示)は、スキャナ部13を使用して修正したい印刷済みの用紙のスキャン情報を取り込み、操作パネル(不図示)から入力した修正箇所と修正内容に基づいて、プリンタ部3により印刷済みの用紙に上書き修正印刷させる。修正内容は、イメージの場合には、当該複合機1に搭載したスキャナ部2を使用して取り込み、文字の場合には、キーボードや手書きによって取り込まれる。
【0012】
次に、図1を用いて、印刷済みの用紙に上書き修正印刷するときの本実施形態に係る複合機の動作を説明する。
【0013】
(1)片面印刷の場合:
(1−1)修正箇所の白紙化:
修正したい印刷済みの用紙(以降、「原稿」という)の搬送路は、プリンタ、コピー等で両面印刷を実施する際に印刷用紙が通る搬送路と同じ搬送路を使用する。
まず、ユーザは、片面印刷された原稿17をその修正したい印刷済面を下にして複合機1の給紙トレイ16に載置する。
【0014】
複合機1の上書き修正制御部は、原稿17を搬送路18、19、20、21、22の順に送り、搬送路22に到達した時点で搬送を停止し、原稿17を逆方向に向かって送る。
上書き修正制御部は、搬送路切替ガイド14を切り替えて、原稿17を搬送路22、23、24の順に送り、スキャナ部13でスキャンして原稿17のスキャン情報を取り込む。
その後、上書き修正制御部は、搬送路切替ガイド15を切り替えて、原稿17を搬送路25で停止させる。
【0015】
次に、上書き修正制御部は、原稿17が白色の用紙を使用している場合、白色トナー5Eを感光ドラム7Eに上書き印刷する位置および形状に形成して、転写ベルト10に転写し、原稿17の修正したい位置に転写タイミングを合わせて、原稿17を搬送路25より搬送路20に送り、白色トナーを原稿17の修正箇所に転写し、定着部12で原稿17の白色トナーを定着させて、搬送路21、22へと搬送させる。
【0016】
あるいは、上書き修正制御部は、原稿17が色付きの用紙を使用している場合、用紙と同じ色またはそれに近い色をシアン、マゼンタ、イエロー等のトナーを使用して転写ベルト10に色再現し、上書き印刷する位置および形状に形成し、原稿17の修正したい位置に転写タイミングを合わせて、原稿17を搬送路25より搬送路20に送り、色再現トナーを原稿17の修正箇所に転写し、定着部12で原稿17の色再現トナーを定着させて、搬送路21、22へと搬送させる。
【0017】
(1−2)修正箇所への印字:
次に、上書き修正制御部は、搬送路22に到達した時点で原稿17の搬送を停止し、逆方向に送り、搬送路切替ガイド14を切り替えて搬送路22、23、24の順に原稿を送り、スキャナ部13は動作させずに原稿17を搬送し、搬送路切替ガイド15を切り替えて搬送路25、21、22に原稿17を搬送する。
【0018】
そして、上書き修正制御部は、搬送路22に到達した時点で原稿17の搬送を停止し、逆方向に向かって原稿17を送り、搬送路切替ガイド14を切り替えて搬送路22、23、24の順に原稿17を送り、スキャナ部13は動作させず、搬送路切替ガイド15を切り替えて搬送路25に到達した時点で原稿17を停止させる。
【0019】
次に、上書き修正制御部は、修正情報(文字、イメージ等)のトナーを印刷位置の転写ベルト10に形成し、原稿17の修正したい位置に転写タイミングを合わせて、原稿17を搬送路25より搬送路20に送り、修正情報(文字、イメージ等)のトナーを原稿17の修正箇所に転写し、定着部12で定着させて、搬送路21、22へと搬送させ、原稿17を排紙トレイ26に排出させて、片面原稿の上書き修正が終了する。
【0020】
(2)両面印刷の場合:
(2−1)修正箇所の白紙化:
両面印刷された原稿17の表面を下にして複合機1の給紙トレイ16に載置する。
複合機1の上書き修正制御部は、原稿17を搬送路18、19、20、21、22の順に送り、搬送路22に到達した時点で搬送を停止し、原稿17を逆方向に向かって送る。
上書き修正制御部は、搬送路切替ガイド14を切り替えて、原稿17を搬送路22、23、24の順に送り、スキャナ部13でスキャンして原稿17の表面のスキャン情報を取り込む。
その後、上書き修正制御部は、搬送路切替ガイド15を切り替えて、原稿17を搬送路25で停止させる。
【0021】
次に、上書き修正制御部は、原稿17が白色の用紙を使用している場合、白色トナー5Eを感光ドラム7Eに上書き印刷する位置および形状に形成して、転写ベルト10に転写し、原稿17の表面の修正したい位置に転写タイミングを合わせて、原稿17を搬送路25より搬送路20に送り、白色トナーを原稿17の修正箇所に転写し、定着部12で原稿17の白色トナーを定着させて、搬送路21、22へと搬送させる。
【0022】
あるいは、上書き修正制御部は、原稿17が色付きの用紙を使用している場合、用紙と同じ色またはそれに近い色をシアン、マゼンタ、イエロー等のトナーを使用して転写ベルト10に色再現し、上書き印刷する位置および形状に形成し、原稿17の表面の修正したい位置に転写タイミングを合わせて、原稿17を搬送路25より搬送路20に送り、色再現トナーを原稿17の修正箇所に転写し、定着部12で原稿17の色再現トナーを定着させて、搬送路21、22へと搬送させる。
【0023】
同様にして、上書き修正制御部は、スキャナ部13で原稿17の裏面をスキャンし、裏面の修正したい範囲を白紙化する。
【0024】
(2−2)修正箇所への印字:
次に、上書き修正制御部は、搬送路22に到達した時点で原稿17の搬送を停止し、逆方向に向かって原稿17を送り、搬送路切替ガイド14を切り替えて搬送路22、23、24の順に原稿17を送り、スキャナ部13は動作させず、搬送路切替ガイド15を切り替えて搬送路25に到達した時点で原稿17を停止させる。
【0025】
次に、上書き修正制御部は、原稿17の表面の修正情報(文字、イメージ等)のトナーを印刷位置の転写ベルト10に形成し、原稿17の修正したい表面の位置に転写タイミングを合わせて、原稿17を搬送路25より搬送路20に送り、転写ベルト10に形成した表面の修正情報(文字、イメージ等)のトナーを原稿17の表面に転写し、定着部12で原稿17の表面の修正情報(文字、イメージ等)のトナーを定着させて、搬送路21、22へと搬送させる。
【0026】
同様に、上書き修正制御部は、搬送路22に到達した時点で原稿17の搬送を停止し、逆方向に向かって原稿17を送り、搬送路切り替えガイド14を切り替えて搬送路22、23、24の順に原稿17を送り、スキャナ部13は動作させず、搬送路切り替えガイド15を切り替えて搬送路25に到達した時点で原稿17を停止させる。
【0027】
次に、上書き修正制御部は、原稿17の裏面の修正情報(文字、イメージ等)のトナーを印刷位置の転写ベルト10に形成し、原稿17の修正したい裏面の位置に転写タイミングを合わせて、原稿17を搬送路25より搬送路20に送り、転写ベルト10に形成した裏面の修正情報(文字、イメージ等)のトナーを原稿17の裏面に転写し、定着部12で原稿17の裏面の修正情報(文字、イメージ等)のトナーを定着させて、搬送路21、22と搬送させ、原稿17を排紙トレイ26に出力させて、両面原稿の上書き修正が終了する。
【0028】
次に、複合機1における原稿の上書き修正の処理手順について説明する。
図2は、本実施形態に係る複合機の印刷済み用紙に上書き修正するときの上書き修正制御部の処理手順を示すフローチャートであり、図3乃至図6は、操作パネルおよび操作画面の一例を表す図である。
【0029】
図3は、複合機1の操作パネルAの詳細を示す図で、テンキー、スタートキー(カラー、白黒)や解除キー等が配置された基本操作部A1、プリンタキー、FAX/イメージ送信キー、コピーキー、修正キーより各モードを選択するファンクション選択キーA2、各モードを選択・実行したときの選択画面および実行結果の表示画面のタッチパネルとディスプレイとを重ね合わせたLCDタッチパネル部A3である。
【0030】
まず、複合機1が電源投入により起動すると、イニシャル処理が始まり、アイドル状態になる。このアイドル状態、あるいは、イニシャル処理中に、ユーザは、原稿17を複合機1の給紙トレイ16に載置し、ファンクション選択キーA2中からいずれかのキーを選択する。
【0031】
プリンタキー、FAX/イメージ送信キー、コピーキーのいずれかが押されたと判定すると(ステップS11)、キーに対応するプリンタ処理、FAX/イメージ送信処理、コピー処理のいずれかのモード処理(ステップS27)に移行し、処理が終了するとステップS11に戻りアイドル状態に移行する。
【0032】
一方、修正キーが選択されたと判定すると(ステップS11)、図3に示したLCDタッチパネル部A3に修正処理初期画面D1を表示する(ステップS12)。
【0033】
この修正処理初期画面D1における各タッチキーは、次のような意味であり、各タッチキーの右の色付きの領域は各タッチキーについての選択値を表わしている。
各種設定の濃度タッチキーは、原稿17のスキャン時の濃度調整、解像度タッチキーは原稿17のスキャナ解像度調整、カラータッチキーは原稿17をスキャンする時のモード(カラー、グレイスケール、白黒など)の調整、原稿タッチキーは原稿17について片面原稿、両面横綴じ原稿、両面縦綴じ原稿、用紙の向き(ランドスケープ、ポートレート)などの調整を設定する。また、プリンタタッチキーは原稿17の修正データをPC(複合機1に接続したパーソナルコンピュータ)より受取り、修正処理してアイドル状態に移行する。
【0034】
原稿トレイタッチキーは、原稿17の表面を下向きに載置する給紙トレイの選択設定、原稿スキャンタッチキーは原稿17をスキャン処理の実行、白色消去タッチキーは原稿17の修正箇所を白色トナーで上書き消去する設定、消去色指定設定タッチキーは原稿17が色付きの用紙である場合、修正箇所を上書き消去する色の設定を行う。
スキャン画像は、原稿スキャンタッチキーによって原稿17をスキャナ部13でスキャンしたときの画像を表示する。OKタッチキーは、修正箇所指定設定画面D2に移行する。CANCELタッチキーは修正処理をキャンセルしてアイドル状態に移行する。
【0035】
この修正処理初期画面D1において、ユーザは原稿17が載置されているトレイの選択設定、原稿17のスキャナ濃度、スキャナ解像度、スキャナカラーモード、スキャナ原稿などの各種設定処理を行う。
【0036】
次に、修正処理初期画面D1の原稿スキャンタッチキーがタッチされたと判定すると、スキャナ部13で原稿17のスキャン処理を行い、修正処理初期画面D1にスキャン画像として表示する(ステップS13)。
ユーザが修正処理初期画面D1で白色消去タッチキーまたは消去色指定設定タッチキーで修正箇所の消去色を選択すると、選択した消去色に設定する(ステップS14)。
【0037】
次に、ユーザは修正処理初期画面D1のOKタッチキーまたはCANCELタッチキーをタッチする。
CANCELタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS15)、これまでに選択して設定したトレイ選択設定、各種設定処理、スキャン処理した原稿17、スキャン画像表示、修正箇所の消去色設定処理をキャンセルし、ステップS11に戻ってアイドル状態に移行する。
【0038】
一方、OKタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS15)、LCDタッチパネル部A3に図4に示したような修正箇所指定設定画面D2を表示し、ユーザに原稿17の修正したい場所を指定設定させる(ステップS16)。
【0039】
この修正箇所指定設定画面D2の画面中央に原稿17のスキャン画像が表示され、画面右側に修正箇所領域指定タッチキー、修正文字設定タッチキー、修正イメージ設定タッチキー、OKタッチキーおよびCANCELタッチキーが配置され、画面左側に修正箇所位置調整十字タッチキーおよび縦・横の修正領域サイズ調整スライダーが配置されている。
修正箇所領域指定タッチキーにて、修正領域タイプである矩形、楕円、フリーフォームなどのいずれかを選択し、修正箇所位置調整の十字タッチキーで修正領域の位置を調整し、修正領域サイズ調整スライダーで修正領域の縦のサイズおよび横のサイズを調整する。
【0040】
修正文字設定タッチキーは、修正文字入力設定画面D3に移行し、修正イメージ設定タッチキーは修正イメージ入力設定画面D4に移行する。
OKタッチキーは、修正箇所を設定した領域を上書き消去して終了すると、アイドル状態に移行する。
CANCELタッチキーは、修正箇所指定設定画面D2で設定した修正箇所指定のすべての設定をキャンセルしてアイドル状態に移行する。
【0041】
ユーザは、修正箇所指定設定画面D2で修正箇所を指定した後、修正文字設定タッチキー、修正イメージ設定タッチキー、OKタッチキーまたはCANCELタッチキーをタッチする。
CANCELタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS17)、修正箇所設定処理をキャンセルし、ステップS12に戻って修正処理初期画面D1を表示する。
また、OKタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS17)、原稿17の修正箇所の上書き消去処理(ステップS18)のみを実施して終了すると、ステップS11に戻ってアイドル状態に移行する。
【0042】
また、修正文字設定タッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS17)、修正文字の入力処理を行う(ステップS19)。
この修正文字の入力処理は、公知の技術によって、原稿17の修正箇所の文字の文字・フォント認識処理を実施して、フォントタイプ、フォントサイズを決定し、図5に示すような修正文字入力設定画面D3を表示する。ここで、決定されたフォントタイプおよびフォントサイズは、修正文字入力設定画面D3におけるフォントタイプおよびフォントサイズの既定値となる。
【0043】
この修正文字入力設定画面D3の画面中央に原稿17の修正プレビュー画像が表示され、画面右側に修正文字位置調整タッチキー、OKタッチキーおよびCANCELタッチキーが配置され、画面左側の上段にフォントタイプおよびフォントサイズの選択タッチキー、下段に、キーボード、手書き領域、文字コード一覧、文字コード入力等の入力設定手段が配置されている。このフォントタイプおよびフォントサイズの選択タッチキーでは、自動、または、手動で選択設定することができる。
【0044】
修正文字位置調整の十字タッチキーは、入力設定手段により入力された文字または文字列の文字位置を修正箇所領域内で調整するのに使用する。
OKタッチキーは、修正箇所を設定した領域を設定された色で上書き消去し、修正文字を修正箇所に上書き処理して終了すると、アイドル状態に移行する。
CANCELタッチキーは、修正文字入力設定処理をキャンセルして修正箇所指定設定画面D2に移行する。
【0045】
また、上記では入力設定手段で表示したキーボード等で文字データを入力していたが、当該複合機1に接続したPCから入力してもよい。
この場合には、例えば、当該複合機1で原稿の上書き修正処理を実行させる前に、この原稿の上書き修正処理と連携する専用のアプリケーションをPCで実行しておき、さらに、予めプリンタタッチキー(図3参照)を「OFF」から「ON」に操作しておくことによって、PCから入力した文字データを当該複合機1に入力することができる。
【0046】
ユーザは、修正箇所へ上書きする文字または文字列の入力と設定を終了すると、OKタッチキーまたはCANCELタッチキーをタッチする。
CANCELタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS20)、修正文字設定処理をキャンセルして、ステップS16に戻って修正箇所指定設定画面D2を表示する。
また、OKタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS20)、原稿17の修正箇所を上書き消去処理(ステップS21)し、原稿17の上書き消去した位置に修正文字入力処理で設定した修正文字を上書き修正処理して終了すると(ステップS22)、ステップS11に戻ってアイドル状態に移行する。
【0047】
一方、修正箇所指定設定画面D2の修正イメージ設定タッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS17)、修正イメージの入力設定処理を行う(ステップS23)。
この修正イメージの入力設定処理は、図6に示すような修正イメージ入力設定画面D4を表示し、修正用の入力イメージのスキャン、イメージサイズ、イメージ位置調整の処理を実施する。
【0048】
この修正イメージ入力設定画面D4の画面中央右側に原稿17の修正プレビュー画像が表示され、画面中央左側に修正用のイメージ画像が表示され、画面右側に修正イメージ位置調整タッチキー、OKタッチキーおよびCANCELタッチキーが配置され、画面左側に修正用のイメージ画像を取り込むスキャン実行タッチキーおよびイメージサイズの選択タッチキーが配置されている。イメージサイズの選択タッチキーは、自動、または、手動でサイズを選択する。
【0049】
修正イメージ位置調整の十字タッチキーは、スキャン実行タッチキーにより入力されたイメージの位置を修正箇所領域内で調整するのに使用する。
OKタッチキーは、修正箇所を設定した領域を設定された色で上書き消去し、修正イメージを修正箇所に上書き処理して終了すると、アイドル状態に移行する。
CANCELタッチキーは、修正イメージ入力設定処理をキャンセルして修正箇所指定設定画面D2に移行する。
【0050】
また、上記では複合機1のスキャナ部2から修正イメージを取り込んでいたが、当該複合機1に接続したPCから取り込んでもよい。
この場合には、例えば、当該複合機1で原稿の上書き修正処理を実行させる前に、この原稿の上書き修正処理と連携する専用のアプリケーションをPCで実行しておき、さらに、予めプリンタタッチキー(図3参照)を「OFF」から「ON」に操作しておくことによって、PCで入力した修正イメージを当該複合機1に取り込むことができる。
【0051】
ユーザは、修正イメージ入力設定画面D4が表示されると、スキャナ実行タッチキーをタッチする。
スキャナ実行タッチキーが押されると、修正用イメージをスキャン処理し、スキャン画像をイメージ画像へ表示する。このスキャン処理は、複合機1のスキャナ部2で修正用のイメージをスキャンする場合と、複合機1に接続したPCから修正用のイメージを取得する場合とを選択することができる。
ユーザは、修正イメージ入力設定画面D4に表示された修正用のイメージを修正プレビュー画像を見ながらイメージの調整やイメージサイズの調整を行って、OKタッチキーまたはCANCELタッチキーのいずれかをタッチする。
【0052】
CANCELタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS24)、修正イメージ入力処理をキャンセルし、ステップS16に戻って修正箇所指定設定画面D2を表示する。
OKタッチキーがタッチされたと判定すると(ステップS24)、原稿17の修正箇所を設定された色で上書き消去処理(ステップS25)し、原稿17の上書き消去した位置に修正イメージ入力処理で設定した修正イメージを上書き修正処理して終了すると(ステップS26)、ステップS11に戻ってアイドル状態に移行する。
【0053】
以上のように本実施形態を構成することによって、印刷済みの用紙の修正に対して、修正箇所のみ用紙の色と同じ色のトナーにより上書き消去して、修正したい内容で上書き修正するので、トナーおよび出力用紙の省資源、環境保護や都市ゴミ低減等が図れるとともに、再印刷するので印刷原稿と遜色ない見栄えの修正結果を得ることができる。
【0054】
また、両面印刷機能を備えた既存の複合機に、両面印刷する際に用紙が通る搬送路に印刷済みの用紙を読み取るスキャナ部を追加するだけで、上書き修正専用機を開発する必要がなく、本発明の複合機を安価に製造することができる。
【0055】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機の主要部との概略構成を表すブロック図である。
【図2】実施形態に係る複合機の印刷済み用紙に上書き修正するときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】複合機の操作パネルで初期修正画面の一例を表す図である。
【図4】複合機の操作パネルのLCDタッチパネル部で修正箇所設定の一例を表す図である。
【図5】複合機の操作パネルのLCDタッチパネル部で修正文字設定の一例を表す図である。
【図6】複合機の操作パネルのLCDタッチパネル部で修正イメージ設定の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0057】
1…複合機、2…スキャナ部(修正用イメージ取り込み用)、3…プリンタ部、4A〜4E…LSU(レーザースキャンユニット(光学系書込みユニット))、5A〜5E…トナーボックス(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、BK:黒、WH:白)、6A〜6E…現像槽(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、BK:黒、WH:白)、7A〜7E…感光ドラム(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、BK:黒、WH:白)、8A〜8E…帯電装置(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、BK:黒、WH:白)、9A〜9E…除電クリーナー(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、BK:黒、WH:白)、10…転写ベルト、11…クリーナー(転写ベルト用)、12…定着ユニット、13…スキャナ部(印刷済み用紙の画像取込み用)、14…搬送路切替ガイド、15…搬送路切替ガイド、16…給紙トレイ、17…原稿(印刷済みの用紙)、18〜25…搬送路、26…排紙トレイ、A…操作パネル、A1…基本操作部、A2…ファンクション選択キー、A3…LCDタッチパネル部、D1…修正処理初期画面、D2…修正箇所設定画面、D3…修正文字設定画面、D4…修正イメージ入力設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙搬送路上に搬送される印刷済みの用紙の画像を読み取ってスキャン画像を生成するスキャナ部と、前記スキャン画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されたスキャン画像の修正領域と修正情報を入力する入力設定部と、印刷部と、前記スキャナ部により前記スキャン画像を生成後、前記用紙搬送路に保持された前記印刷済みの用紙を前記修正領域が上書き位置となるように搬送して、前記修正領域を用紙と同色のトナーで上書き印刷して消去し、前記修正領域を消去した後に、再度、前記修正領域の上書き位置に前記印刷済みの用紙を搬送して、前記修正領域に前記修正情報を上書き印刷する上書き修正制御部と、を備えることを特徴とする複合機。
【請求項2】
請求項1記載の複合機において、前記上書き消去するトナーの色がユーザによって指定されることを特徴とする複合機。
【請求項3】
請求項1に記載の複合機において、前記入力設定部は、前記修正領域内に文字が存在すると判定した場合、該文字のフォントタイプ情報およびフォントサイズ情報を取得し、前記修正情報の文字情報に適用することを特徴とする複合機。
【請求項4】
請求項1に記載の複合機において、前記修正情報は、当該複合機の備える第2のスキャナ部によってスキャンして画像データとして入力することを特徴とする複合機。
【請求項5】
請求項4に記載の複合機において、前記入力設定部は、前記第2のスキャナ部により入力された画像データのサイズを前記修正領域の大きさに適合するように変倍することを特徴とする複合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−93528(P2010−93528A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261279(P2008−261279)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】