説明

複合溶接装置と複合溶接方法

【課題】複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる複合溶接装置と複合溶接方法を提供する。
【解決手段】制御手段12は、溶接開始時には前記ワイヤ送給手段7と前記溶接電源装置10とを制御することにより溶接アーク11を発生させ、電流検知信号Sdを受けると、直ちにレーザ光5を出力するよう前記レーザ装置1を制御するが、溶接終了時には前記溶接電源装置10を制御することにより溶接ワイヤ9に供給する電力を停止すると共に、前記ワイヤ送給手段7を制御することにより前記溶接ワイヤ9を送給すると共に、レーザ装置1を制御することにより、レーザ光5をパルス状に照射した後、前記レーザ光5と前記溶接ワイヤ9とを停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ワイヤと被溶接物の溶接位置との間にアークを発生させ、さらにレーザ光も用いる複合溶接装置と複合溶接方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接方法は、レーザ溶接の高速性とアーク溶接のギャップ裕度とを同時に得ることのできる方法として使用されている。
【0003】
実際の溶接では、溶接開始時と溶接終了時との溶接品質を向上させねばならないことがしばしばある。
【0004】
複合溶接の溶接開始と溶接終了時の制御方法としては、特許文献1〜特許文献4に開示されたものがある。
【0005】
特許文献1に開示された方法によれば、レーザ照射を開始した後または開始すると同時にアーク放電を行い、且つ、アーク放電を停止した後または停止すると同時にレーザ照射を停止することが有効である。
【0006】
特許文献2に開示された方法によれば、レーザを予め定めた先行照射時間だけ照射した後に、溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を開始することが有効である。
【0007】
特許文献3と特許文献4に開示された方法によれば、溶接終了位置ではレーザの出力を停止あるいは所定値に低下させた後、主にアーク溶接をもって溶接終了処理を行う、または、溶接終了位置の手前でレーザの出力を停止させた後、更に少し溶接を前進させてから主にアーク溶接をもって溶接終了処理を行う、ことが有効である。
【特許文献1】特開2001−276988号公報
【特許文献2】特開2002−248571号公報
【特許文献3】特開2004−322159号公報
【特許文献4】特開2004−337934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記技術にはそれぞれ課題があった。
【0009】
特許文献1に開示された方法では、溶接終了時のレーザ照射がアーク放電より長くなりすぎると、溶接終了時のクレータサイズが大きくなりすぎる可能性があり、溶落ちが発生したり、材料によってはクレータ割れが発生したりする恐れがあった。
【0010】
特許文献2に開示された方法では、アーク放電が開始する前にレーザによる先行照射を必要とするため、溶接点数の多い自動溶接ではタクトタイムが長くなってしまう恐れがあった。
【0011】
特許文献3と特許文献4に開示された方法では、いずれもクレータ処理は主にアーク溶接で行われるため、クレータの凹みあるいはその過大成長を防ぐことが可能であるものの、レーザ出力の急停止によって溶接終了部の溶込みが十分に成長しない恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る発明は、レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段と、前記溶接ワイヤと溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して溶接位置に照射するレーザ装置と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置と前記レーザ装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接開始時には前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置とを制御することによってアークを発生させ、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号を前記溶接電源装置から受けると、直ちに前記レーザ光を出力するよう前記レーザ装置を制御し、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と前記溶接ワイヤの送給とを停止させるものである。
【0013】
このように、複合溶接の終了時に先ずアーク溶接を終了し、このアーク溶接時に発生するクレータの処理をレーザ光とワイヤ送給によって行い、その際にパルス状にレーザ光を出力するので、キーホールをつくることもなく、確実にクレータ処理を行うことが出来る。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明は、溶接開始時には溶接ワイヤと被溶接物の溶接位置との間にアークを発生させ、溶接電流が流れたことを検知してから直ちにレーザ光を出力するが、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、所定時間だけ、レーザ光をパルス状に照射すると共に、溶接ワイヤをパルス状に送給した後、レーザ光と溶接ワイヤとを停止させることによって、複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における複合溶接装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図において、レーザ溶接手段となるレーザ装置1は、レーザ発振器2とレーザ伝送手段3と集光光学系4とからなり、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に照射する。レーザ伝送手段3は、光ファイバーであってもよく、レンズより組み合わせた伝送系であってもよい。集光光学系4は、単数あるいは複数のレンズより構成されてもよい。
【0017】
また、ワイヤ送給手段7は、溶接用のトーチ8を通して前記被溶接物6の溶接位置に溶接ワイヤ9を送るようにしている。
【0018】
アーク溶接手段となる溶接電源装置10は、前記溶接ワイヤ9と前記被溶接物6の溶接位置との間に溶接アーク11を発生させ、それを維持するための溶接電力(溶接電流と溶接電圧と)を供給するようにしている。
【0019】
また、制御手段12には、溶接起動手段13からの溶接起動信号Wsと時間設定手段14からの時間信号Tcと、第1時間設定手段15からの時間信号Tp1と第2時間設定手段16からの時間信号Tp2と前記溶接電源装置10からの電流検知信号Sdとを入力し、溶接出力信号Iaを前記溶接電源装置10に、ワイヤ送給速度信号Wfを前記ワイヤ送給手段7に、レーザ出力信号Pwを前記レーザ装置1に出力し、これらを制御するようにしている。
【0020】
この制御手段12には第1パルス条件設定手段17からのレーザ出力信号Pw1と、第2パルス条件設定手段18からのレーザ出力信号Pw2を入力するようにしている。
【0021】
また、図2と図3は、本発明の実施の形態1の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図であり、図2は溶接開始時に溶接ワイヤ9と被溶接物6とが接触していない場合、図3は溶接開始時に溶接ワイヤ9と被溶接物6とが既に接触している場合の動作を示す。
【0022】
以下に、本発明の実施の形態1の動作について、図2と図3を用いて説明する。
【0023】
まず、溶接起動手段13が操作され、溶接開始を選択する時の動作について説明する。
【0024】
はじめに、溶接開始時に溶接ワイヤ9と被溶接物6とが接触していない場合について、図2を用いて説明する。
【0025】
溶接開始t1時点において、制御手段12は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのONタイミングをもって溶接出力信号Iaを溶接電源装置10に出力し、溶接ワイヤ9への溶接電力の供給を開始させると共に、ワイヤ送給速度信号Wf0をワイヤ送給手段7に出力し、被溶接物6に向かって溶接ワイヤ9を送給するよう制御する。
【0026】
t2時点において、前記溶接ワイヤ9が前記被溶接物6に接触すると、溶接電流が流れアークが発生するので、前記溶接電源装置10は、前記溶接電流が流れたことを検知し、電流検知信号Sdを前記制御手段12に出力する。前記制御手段12は、前記電流検知信号SdのONタイミングをもって直ちにレーザ出力信号Pwをレーザ装置1に出力し、レーザ光5を出力するよう制御すると共に、前記溶接出力信号Iaに見合ったワイヤ送給速度信号Wf1をワイヤ送給手段7に出力し、複合溶接を行う。
【0027】
t1時点からt2時点までの時間Tsは、溶接ワイヤ9が被溶接物6に接触するまでの時間であり、溶接電流が流れないが、無負荷電圧と呼ばれる電圧が前記溶接ワイヤ9と前記被溶接物6との間に印加される無負荷電圧時間である。前記無負荷電圧時間Tsは、t1時点における溶接ワイヤ9と被溶接物6との間の距離とワイヤ送給速度信号Wf0とによって変わる。前記ワイヤ送給速度信号Wf0を溶接電流が流れてからのワイヤ送給速度信号Wf1より低くしているが、これは、溶接ワイヤ9が被溶接物6に急激に接触することに起因して、アークスタートが悪くならないようにするためである。
【0028】
t2時点から溶接電流が流れ、複合溶接が始まるが、溶接出力Ia相当の溶接電流が溶接アーク11に流れ、前記溶接アーク11を安定に維持するための溶接電圧が溶接ワイヤ9と被溶接物6との間に印加される。以上の複合溶接は、溶接起動手段13が操作され、溶接終了が選択されるt3時点まで続けられる。
【0029】
次に、溶接開始時に溶接ワイヤ9と被溶接物6とが既に接触している場合について、図3を用いて説明する。なお、図2に示す動作と同様の内容の説明を省略する。
【0030】
溶接開始t1時点において、溶接起動信号WsのONタイミングをもって制御手段12は、溶接出力信号Iaを溶接電源装置10に、ワイヤ送給速度信号Wfをワイヤ送給手段7に出力し、被溶接物6に向かって溶接ワイヤ9を送給するよう制御する。前記溶接ワイヤ9と前記被溶接物6とが既に接触しているため、この動作が開始すると同時に制御手段12は、溶接電源装置10から電流検知信号Sdを受け取るので、直ちにレーザ出力信号Pwをレーザ装置1に出力し複合溶接に移ると共に、ワイヤ送給速度信号Wf1をもってワイヤ送給手段7を制御する。その後の動作は、図2に示すものと同様なので、その説明を省略する。
【0031】
以上の構成と動作によれば、溶接開始時に発生した直後の溶接アーク11がレーザ照射の助けによって安定化される。その原理について、図4を用いて説明する。
【0032】
図4において、(a)は従来アーク溶接の安定したアーク形態、(b)は従来アーク溶接開始時の不安定したアーク形態、(c)は本実施の形態における溶接開始時の安定したアーク形態、を模式的に示したものである。
【0033】
溶接が開始し、溶接ワイヤ9が被溶接物6に接触した瞬間、接触部に高い電流密度の電流が流れ、溶接ワイヤ9の先端が極短い時間に溶融し、溶接アーク11に移行していく。
【0034】
安定した溶接アーク11は、ほぼ溶接ワイヤ9の延長線上に広がった円錐状の形態を呈する(図4(a))。しかし、溶接が開始した直後に発生した溶接アーク11は安定状態になるまでの過渡状態のものであり、必ずしも最初から図4(a)のような、安定したものとは限らない。図4(b)に示すような、溶接ワイヤ9の延長線上から大きく外れた場合もある。この状態が更に続くと、アークが切れてしまう。本実施の形態では、溶接アーク11はレーザ誘起プラズマの作用によって安定化される。
【0035】
その理由について、図4(c)を用いて説明する。
【0036】
レーザ照射によって被溶接物6の表面の局部の温度が急激に上昇し、金属の沸点に達すると、激しい蒸発が発生して金属蒸気が形成される。金属蒸気が更にエネルギーを吸収して電離すると、レーザ誘起プラズマが形成される。前記レーザ誘起プラズマ付近の導電性が増加することによって、短絡から移行した直後の溶接アーク11はその領域を通して放電しやすくなり、安定化される。
【0037】
なお、図1において、溶接電流が流れたことを検知するのに溶接電源装置10では、溶接ワイヤ9に供給する溶接電流の有無を直接に検知してもよく、前記溶接ワイヤ9と被溶接物6との間に供給する溶接電圧をもって間接に検知してもよい。溶接電流を直接に検知する手段として、CT(カレント・トランス)あるいはホール素子などを使用して構成してもよい。
【0038】
溶接電圧を検知することによって溶接電流を間接に検知する方法について、図5を参照しつつ説明する。図5は、溶接開始時の溶接ワイヤ9と被溶接物6との間に発生する電圧及びそのタイミング図を示したものである。(a)と(b)とは、それぞれ図2と図3との状態に対応している。Vnolは無負荷電圧、Vaは溶接電圧、Vsは溶接ワイヤ9が被溶接物6に接触した時の、極わずかな短絡電圧である。Vth1は無負荷電圧Vnolと溶接電圧Vaとの中間電圧であり、Vth2は溶接電圧Vaと短絡電圧Vsとの中間電圧である。これらの電圧を使用して溶接電流の有無を検知する方法について説明する。
【0039】
溶接ワイヤ9と被溶接物6が接触して電流が流れると、(a)では電圧が無負荷電圧Vnolから中間電圧Vth1を経由して溶接電圧Vaに、(b)では電圧が短絡電圧Vsから中間電圧Vth2を経由して溶接電圧Vaに変わっていく。したがって、(a)では電圧が無負荷電圧Vnolから中間電圧Vth1を経過した時点、(b)では短絡電圧Vsから中間電圧Vth2を経過した時点を検知して、それを溶接電流が流れたタイミングと見なすことができる。
【0040】
そして次に、溶接起動手段13が操作され、溶接終了を選択する時の動作について、図2を用いて説明する。
【0041】
t3時点において、制御手段12は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが達するt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に供給し続けるようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御する。
【0042】
そして、t4時点において、制御手段12は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0043】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0044】
また、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、図6に示すように、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0045】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0046】
このように、本発明の実施の形態では、溶接開始時には溶接ワイヤと被溶接物の溶接位置との間にアークを発生させ、溶接電流が流れたことを検知してから直ちにレーザ光を出力するが、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、溶接ワイヤを所定時間だけ送給すると共に、レーザ光をパルス状に出力した後、レーザ光と溶接ワイヤとを停止させることによって複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【0047】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における複合溶接装置の構成を示すブロック図である。また、図8は、本発明の実施の形態2の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図である。
【0048】
本発明の実施の形態2は、図1に示す実施の形態1の時間設定手段14で設定した所定時間Tcの期間はレーザ光5をパルス状に照射しているのを、第1時間設定手段19で設定した第1所定時間Tc1の期間は溶接ワイヤ9を供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射し、続く第2時間設定手段20で設定した第2所定時間Tc2の期間は溶接ワイヤ9の供給を停止し、レーザ光5をパルス状に照射するようにしたもので、実施の形態1と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態2で実施の形態1と異なる部分について、図7および図8を用いて説明する。
【0049】
t3時点において、制御手段22は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、第1所定時間設定手段19で設定した所定時間Tc1が達するt5時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に供給し続けるようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御する。
【0050】
そして、t5時点において、制御手段22は、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止し、さらに、第2所定時間設定手段20で設定した所定時間Tc2が達するt4時点まで、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5をパルス状の出力を続け、t4時点において、制御手段22は、レーザ装置1を制御することによって、レーザ光5の出力を停止するように動作する。
【0051】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tc1におけるワイヤ送給速度を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0052】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0053】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tc1、Tc2におけるワイヤ送給速度の各設定値を所定時間Tc1、Tc2の経過とともに変化するようにしてもよい。
【0054】
このように、本発明の実施の形態2では、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、第1所定時間は溶接ワイヤを送給すると共に、レーザ光をパルス状に照射し、第2所定時間経過後、レーザ光を停止させることによって複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【0055】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図であり、この実施の形態3に用いる構成は、実施の形態2の図7のブロック図と同様のものを用いる。
【0056】
本発明の実施の形態3は、図8に示す実施の形態2の第1所定時間設定手段19で設定した第1所定時間Tc1の間は、レーザ光5の出力をパルス状の出力としないもので、実施の形態2と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態3で実施の形態2と異なる部分について、図7および図9を用いて説明する。
【0057】
t3時点において、制御手段22は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、第1所定時間設定手段19で設定した所定時間Tc1が達するt5時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に供給し続けるようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に照射し続けるようレーザ装置1を制御する。
【0058】
そして、t5時点において、制御手段22は、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止し、さらに、第2所定時間設定手段20で設定した所定時間Tc2が達するt4時点まで、レーザ装置1を制御することによって、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続け、t4時点において、制御手段22は、レーザ装置1を制御することによって、レーザ光5の出力を停止するように動作する。
【0059】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0060】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0061】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tc1、Tc2ワイヤ送給速度の各設定値を所定時間Tc1、Tc2の経過とともに変化するようにしてもよい。
【0062】
このように、本発明の実施の形態3では、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、第1所定時間は溶接ワイヤ送給すると共に、レーザ光を照射し、第2所定時間はレーザ光をパルス状に照射し、第2所定時間経過後、レーザ光を停止させることによって複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【0063】
(実施の形態4)
図10は本発明の実施の形態4における複合溶接装置を示すブロック図である。
【0064】
なお、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図は、実施の形態1の図2と同様である。
【0065】
本発明の実施の形態4は、図1に示す実施の形態1の溶接ワイヤ9の送給動作としてワイヤ送給手段7を制御手段12で制御しているのを、ワイヤ送給手段7を溶接電源装置21で制御し、溶接電源装置21を制御手段22で制御するようにしたものであり、実施の形態1と同様の構成、同様の動作タイミング及び、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態4で実施の形態1と異なる部分について、その動作を、図2および図10を用いて説明する。
【0066】
まず、t1時点において、制御手段22は、溶接起動信号WsのONタイミングをもって溶接出力信号Iaを溶接電源装置21に出力する。溶接電源装置21は、溶接出力信号Iaを受けると、溶接ワイヤ9への溶接電力を供給すると共に、ワイヤ送給速度信号Wf0をもってワイヤ送給手段7を制御し、被溶接物6に向かって溶接ワイヤ9を送給する。
【0067】
次に、t2時点において、溶接電源装置21は、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号Sdを制御手段22に出力すると共に、電流検知信号SdのONタイミングをもってワイヤ送給速度信号Wf1でワイヤ送給手段7を制御する。制御手段22は、電流検知信号SdのONタイミングをもって直ちにレーザ出力信号Pwをレーザ装置1に出力し、レーザ光5を被溶接物6に照射することによって複合溶接を行う。
【0068】
さらに、t3時点において、制御手段22は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接電源装置21への溶接出力信号IaをOFFにする。溶接電源装置21は溶接出力信号IaのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止し、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが経過したt4時点まで、被溶接物6へ溶接ワイヤ9を送給し続ける。
【0069】
また、制御手段22は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御する。
【0070】
そして、t4時点において、制御手段22は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0071】
なお、実施の形態1と同様に、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0072】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0073】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0074】
このように、本発明の実施の形態4では、図10に示す構成を使用することによって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0075】
(実施の形態5)
図11は本発明の実施の形態5における複合溶接装置を示すブロック図である。
【0076】
図12は、本発明の実施の形態5の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図である。
【0077】
本発明の実施の形態5は、図1に示す実施の形態1の溶接電流が流れたことを示す電流検知信号SdのONタイミングをもって溶接ワイヤ9の送給を開始し、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9の送給を停止するように制御手段12で制御しているのを、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9の送給を停止するように制御手段23で制御するようにしたものであり、実施の形態1と同様の構成、同様の動作タイミング及び、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態5について、図11および図12を用いて説明する。
【0078】
t3時点において、制御手段23は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、所定時間Tcが達するt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に送給し続けるようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御する。
【0079】
そして、t4時点において、制御手段23は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0080】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0081】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0082】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0083】
このように、本発明の実施の形態5では、図11に示す構成を使用することによって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0084】
(実施の形態6)
図13は本発明の実施の形態6における複合溶接装置を示すブロック図である。
【0085】
なお、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図は、実施の形態5の図12と同様である。
【0086】
本発明の実施の形態6は、図11に示す実施の形態5の溶接ワイヤ9の送給動作を、ワイヤ送給手段7を制御手段23で制御しているのを、ワイヤ送給手段7を溶接電源装置21で制御し、溶接電源装置21を制御手段24で制御するようにしたものであり、実施の形態5と同様の構成、同様の動作タイミング及び、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態6で実施の形態5と異なる部分について、図13および図12を用いて説明する。
【0087】
t3時点において、制御手段24は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接電源装置21への溶接出力信号IaをOFFにする。溶接電源装置21は溶接出力信号IaのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止し、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが経過したt4時点まで、被溶接物6へ溶接ワイヤ9を送給し続ける。
【0088】
また、制御手段24は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御する。
【0089】
そして、t4時点において、制御手段24は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0090】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0091】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0092】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tcにおけるワイヤ送給速度の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0093】
このように、本発明の実施の形態6では、図13に示す構成を使用することによって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0094】
(実施の形態7)
図14は、本発明の実施の形態7における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図であり、その構成は、実施の形態1の構成と同様のものを用いる。
【0095】
本発明の実施の形態7は、図1および図2に示す実施の形態1の時間設定手段14で設定した所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9を供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射するようにしているのを、所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給すると共に、レーザ光5を照射し続けるようにしたもので、実施の形態1と同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態7で実施の形態1と異なる部分について、その動作を、図1および図14を用いて説明する。
【0096】
t3時点において、制御手段12は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが達するt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したワイヤ送給速度Pw1で供給し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したワイヤ送給速度Pw2で供給することを繰り返すパルス状の供給を続けるようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に照射し続けるようレーザ装置1を制御する。
【0097】
そして、t4時点において、制御手段12は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0098】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるレーザ出力を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0099】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0100】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tc1、Tc2におけるレーザ出力の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0101】
このように、本発明の実施の形態7では、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、溶接ワイヤを所定時間だけパルス状に送給すると共に、レーザ光を出力した後、レーザ光と溶接ワイヤとを停止させることによって複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【0102】
(実施の形態8)
図15は、本発明の実施の形態8における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図であり、その構成は、実施の形態2の構成と同様なものを用いる。
【0103】
本発明の実施の形態8は、図7および図8に示す実施の形態2の第1時間設定手段19で設定した第1所定時間Tc1の期間は溶接ワイヤ9を供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射し、続く第2時間設定手段20で設定した第2所定時間Tc2の期間は溶接ワイヤ9の供給を停止し、レーザ光5をパルス状に照射しているのを、第1所定時間Tc1の期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給すると共に、レーザ光5を照射し続け、続く第2所定時間Tc2の期間は溶接ワイヤ9の供給を停止し、レーザ光5を照射するようにしたもので、実施の形態2と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態8で実施の形態2と異なる部分について、図7および図15を用いて説明する。
【0104】
t3時点において、制御手段22は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、第1所定時間設定手段19で設定した所定時間Tc1が達するt5時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したワイヤ送給速度Pw1で供給し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したワイヤ送給速度Pw2で供給することを繰り返すパルス状に供給するようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に照射し続けるようレーザ装置1を制御する。
【0105】
そして、t5時点において、制御手段22は、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止し、さらに、第2所定時間設定手段20で設定した所定時間Tc2が達するt4時点まで、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を照射し続け、t4時点において、制御手段22は、レーザ装置1を制御することによって、レーザ光5の出力を停止するように動作する。
【0106】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tc1、Tc2におけるレーザ出力を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0107】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0108】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tc1、Tc2におけるレーザ出力の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0109】
このように、本実施の形態8では、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、第1所定時間は溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、レーザ光を照射し、第2所定時間経過後、レーザ光を停止させることによって複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【0110】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9における構成は、実施の形態4と同様なものを用い、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図は、実施の形態8の図14と同様である。
【0111】
本発明の実施の形態9は、図10および図14に示す実施の形態4の時間設定手段14で設定した所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9を供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射しているのを、所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給すると共に、レーザ光5を照射し続けるようにしたもので、実施の形態4と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態9で実施の形態4と異なる部分について、図10および図14を用いて説明する。
【0112】
t3時点において、制御手段22は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接電源装置21への溶接出力信号IaをOFFにする。溶接電源装置21は溶接出力信号IaのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止し、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが経過したt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したワイヤ送給速度Pw1で供給し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したワイヤ送給速度Pw2で供給することを繰り返すパルス状の供給を続けるようワイヤ送給手段7を制御する。
【0113】
また、制御手段22は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、レーザ光5を照射し続けるようレーザ装置1を制御する。
【0114】
そして、t4時点において、制御手段22は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0115】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるレーザ出力を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0116】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0117】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間におけるレーザ出力の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0118】
このように、本発明の実施の形態9では、図10と図14に示す構成と動作とすることによって、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0119】
(実施の形態10)
図16は、本発明の実施の形態10における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図であり、その構成は、実施の形態5と同様のものを用いる。
【0120】
本発明の実施の形態9は、図11に示す実施の形態5の時間設定手段14で設定した所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9を供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射しているのを、所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給すると共に、レーザ光5を照射し続けるようにしたもので、実施の形態5と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態10で実施の形態5と異なる部分について、図11および図16を用いて説明する。
【0121】
t3時点において、制御手段23は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが達するt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したワイヤ送給速度Pw1で供給し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したワイヤ送給速度Pw2で供給することを繰り返すパルス状の供給を続けるようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に照射し続けるようレーザ装置1を制御する。
【0122】
そして、t4時点において、制御手段23は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0123】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるレーザ出力を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0124】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0125】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tcにおけるレーザ出力の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0126】
このように、本発明の実施の形態10では、図11と図16に示す構成と動作とすることによって、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0127】
(実施の形態11)
本発明の実施の形態11におけるその構成は、実施の形態6と同様のものを用い、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図は、実施の形態10の図16と同様である。
【0128】
本発明の実施の形態11は、図13および図12に示す実施の形態6の時間設定手段14で設定した所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9を供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射しているのを、所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給すると共に、レーザ光5を照射し続けるようにしたもので、実施の形態6と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態11で実施の形態6と異なる部分について、図13および図16を用いて説明する。
【0129】
t3時点において、制御手段24は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接電源装置21への溶接出力信号IaをOFFにする。溶接電源装置21は溶接出力信号IaのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止し、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが経過したt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したワイヤ送給速度Pw1で供給し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したワイヤ送給速度Pw2で供給することを繰り返すパルス状の供給を続けるようワイヤ送給手段7を制御する。
【0130】
また、制御手段24は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、レーザ光5を照射し続けるようレーザ装置1を制御する。
【0131】
そして、t4時点において、制御手段24は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0132】
なお、第1パルス条件設定手段17の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18の設定および、所定時間Tcにおけるレーザ出力を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0133】
また、図6に示す実施の形態1と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16は、周波数設定手段30とパルス比率設定手段31とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0134】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、周波数設定手段30、パルス比率設定手段31、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、所定時間Tcにおけるレーザ出力の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0135】
このように、本発明の実施の形態10では、図13と図16に示す構成と動作とすることによって、実施の形態6と同様の効果を得ることができる。
【0136】
(実施の形態12)
図17は、本発明の実施の形態12における複合溶接装置の構成を示すブロック図である。また、図18は、本発明の実施の形態12の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図である。
【0137】
本発明の実施の形態12は、図1および図2に示す実施の形態1および、図14に示す実施の形態7の時間設定手段14で設定した所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給するか、レーザ光5をパルス状に照射するように制御手段12で制御しているのを、所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給すると共に、レーザ光5をパルス状に照射するように制御手段29で制御するようにしたものであり、実施の形態1および実施の形態7と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態7で実施の形態1と異なる部分について、その動作を、図17および図18を用いて説明する。
【0138】
t3時点において、制御手段29は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが達するt4時点まで、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御すると共に、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第3時間設定手段25で設定した時間Tp3は、第3パルス条件設定手段27で設定したワイヤ送給速度Pw3で供給し、第4時間設定手段26で設定した時間Tp4は、第4パルス条件設定手段28で設定したワイヤ送給速度Pw4で供給することを繰り返すパルス状の供給を続けるようワイヤ送給手段7を制御する。
【0139】
そして、t4時点において、制御手段29は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0140】
なお、第1パルス条件設定手段17および第3パルス条件設定手段27の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18および第4パルス条件設定手段28の設定を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0141】
また、図19に示すように、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16を、第1周波数設定手段36と第1パルス比率設定手段37とし、第3時間設定手段25と第4時間設定手段26を、第2周波数設定手段38と第2パルス比率設定手段39とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0142】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第1周波数設定手段36、第2周波数設定手段38、第1パルス比率設定手段37、第2パルス比率設定手段39、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0143】
また、図26に示すように、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第1周波数設定手段36、第1パルス比率設定手段37、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18の各設定値と、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第2周波数設定手段38、第2パルス比率設定手段39、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値のいずれかが同期するように設定してもよい。
【0144】
このように、本発明の実施の形態12では、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、溶接ワイヤを所定時間だけパルス状に送給すると共に、レーザ光をパルス状に出力した後、レーザ光と溶接ワイヤとを停止させることによって複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【0145】
(実施の形態13)
図20は、本発明の実施の形態13における複合溶接装置の構成を示すブロック図である。また、図21は、本発明の実施の形態13の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図である。
【0146】
本発明の実施の形態13は、図17および図18に示す実施の形態12の時間設定手段14で設定した所定時間Tcの期間は溶接ワイヤ9をパルス状に供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射するように制御手段29で制御しているのを、第1所定時間設定手段19で設定した所定時間Tc1の期間は、溶接ワイヤ9をパルス状に供給し続けると共に、レーザ光5をパルス状に照射し、所定時間Tc1経過後、溶接ワイヤ9の供給を停止し、第2所定時間設定手段20で設定した所定時間Tc2の期間は、レーザ光5をパルス状に照射するよう制御手段32で制御するようにしたものであり、実施の形態12と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態13で実施の形態12と異なる部分について、その動作を、図20および図21を用いて説明する。
【0147】
t3時点において、制御手段32は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、第1所定時間設定手段19で設定した所定時間Tc1が達するt5時点まで、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御すると共に、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第3時間設定手段25で設定した時間Tp3は、第3パルス条件設定手段27で設定したワイヤ送給速度Pw3で供給し、第4時間設定手段26で設定した時間Tp4は、第4パルス条件設定手段28で設定したワイヤ送給速度Pw4で供給することを繰り返すパルス状の供給を続けるようワイヤ送給手段7を制御する。
【0148】
そして、t5時点において、制御手段32は、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9の供給を停止し、さらに、第2所定時間設定手段20で設定した所定時間Tc2が達するt4時点まで、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5をパルス状に照射し続け、t4時点において、制御手段32は、レーザ装置1を制御することによって、レーザ光5の出力を停止するように動作する。
【0149】
なお、第1パルス条件設定手段17および第3パルス条件設定手段27の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18および第4パルス条件設定手段28の設定を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0150】
また、図19に示す実施の形態12と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16を、第1周波数設定手段36と第1パルス比率設定手段37とし、第3時間設定手段25と第4時間設定手段26を、第2周波数設定手段38と第2パルス比率設定手段39とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0151】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第1周波数設定手段36、第2周波数設定手段38、第1パルス比率設定手段37、第2パルス比率設定手段39、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0152】
また、図26に示す実施の形態12と同様に、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第1周波数設定手段36、第1パルス比率設定手段37、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18の各設定値と、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第2周波数設定手段38、第2パルス比率設定手段39、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値のいずれかが同期するように設定してもよい。
【0153】
このように、本実施の形態13では、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を止め、第1所定時間は溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、レーザ光をパルス状に照射し、第2所定時間経過後、レーザ光を停止させることによって複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができる。
【0154】
(実施の形態14)
図22は、本発明の実施の形態14における複合溶接装置の構成を示すブロック図である。また、本発明の実施の形態14の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図は、実施の形態12の図18と同様である。
【0155】
本発明の実施の形態14は、図17および図18に示す実施の形態12の溶接ワイヤ9の送給動作において、ワイヤ送給手段7を制御手段29で制御しているのを、ワイヤ送給手段7を溶接電源装置21で制御し、溶接電源装置21を制御手段33で制御するようにしたものであり、実施の形態12と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態14で実施の形態12と異なる部分について、その動作を、図22および図18を用いて説明する。
【0156】
まず、t1時点において、制御手段33は、溶接起動信号WsのONタイミングをもって溶接出力信号Iaを溶接電源装置21に出力する。溶接電源装置21は、溶接出力信号Iaを受けると、溶接ワイヤ9への溶接電力を供給すると共に、ワイヤ送給速度信号Wf0をもってワイヤ送給手段7を制御し、被溶接物6に向かって溶接ワイヤ9を送給する。
【0157】
次に、t2時点において、溶接電源装置21は、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号Sdを制御手段35に出力すると共に、電流検知信号SdのONタイミングをもってワイヤ送給速度信号Wf1でワイヤ送給手段7を制御する。制御手段33は、電流検知信号SdのONタイミングをもって直ちにレーザ出力信号Pwをレーザ装置1に出力し、レーザ光5を被溶接物6に照射することによって複合溶接を行う。
【0158】
さらに、t3時点において、制御手段33は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接電源装置21への溶接出力信号IaをOFFにする。溶接電源装置21は溶接出力信号IaのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止し、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが経過したt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第3時間設定手段25で設定した時間Tp3は、第3パルス条件設定手段27で設定したワイヤ送給速度Pw3で供給し、第4時間設定手段26で設定した時間Tp4は、第4パルス条件設定手段28で設定したワイヤ送給速度Pw4で供給することを繰り返すパルス状の供給を続ける。
【0159】
また、制御手段33は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御する。
【0160】
そして、t4時点において、制御手段33は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0161】
なお、第1パルス条件設定手段17および第3パルス条件設定手段27の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18および第4パルス条件設定手段28の設定を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0162】
また、図19に示す実施の形態12と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16を、第1周波数設定手段36と第1パルス比率設定手段37とし、第3時間設定手段25と第4時間設定手段26を、第2周波数設定手段38と第2パルス比率設定手段39とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0163】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第1周波数設定手段36、第2周波数設定手段38、第1パルス比率設定手段37、第2パルス比率設定手段39、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0164】
また、図26に示すように、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第1周波数設定手段36、第1パルス比率設定手段37、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18の各設定値と、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第2周波数設定手段38、第2パルス比率設定手段39、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値のいずれかが同期するように設定してもよい。
【0165】
このように、本発明の実施の形態14では、図22に示す構成を使用することによって、実施の形態12と同様の効果を得ることができる。
【0166】
(実施の形態15)
図23は、本発明の実施の形態15における複合溶接装置の構成を示すブロック図である。また、図24は、本発明の実施の形態15の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図である。
【0167】
本発明の実施の形態15は、図17に示す実施の形態12の溶接電流が流れたことを示す電流検知信号SdのONタイミングをもって溶接ワイヤ9の送給を開始し、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9の送給を停止するように制御手段29で制御しているのを、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9の送給を停止するように制御手段34で制御するようにしたものであり、実施の形態12と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態15について、その動作を、図23および図24を用いて説明する。
【0168】
t3時点において、制御手段34は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止するよう溶接電源装置10を制御する。その後、所定時間Tcが達するt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したワイヤ送給速度Pw1で供給し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したワイヤ送給速度Pw2で供給することを繰り返すパルス状の供給を続けるようワイヤ送給手段7を制御すると共に、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に照射し続けるようレーザ装置1を制御する。
【0169】
そして、t4時点において、制御手段34は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0170】
なお、第1パルス条件設定手段17および第3パルス条件設定手段27の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18および第4パルス条件設定手段28の設定を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0171】
また、図19に示す実施の形態12と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16を、第1周波数設定手段36と第1パルス比率設定手段37とし、第3時間設定手段25と第4時間設定手段26を、第2周波数設定手段38と第2パルス比率設定手段39とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0172】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第1周波数設定手段36、第2周波数設定手段38、第1パルス比率設定手段37、第2パルス比率設定手段39、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0173】
また、図26に示す実施の形態14と同様に、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第1周波数設定手段36、第1パルス比率設定手段37、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18の各設定値と、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第2周波数設定手段38、第2パルス比率設定手段39、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値のいずれかが同期するように設定してもよい。
【0174】
このように、本発明の実施の形態15では、図23に示す構成を使用することによって、実施の形態12と同様の効果を得ることができる。
【0175】
(実施の形態16)
図25は、本発明の実施の形態16における複合溶接装置の構成を示すブロック図である。また、本発明の実施の形態16の構成における、溶接起動信号Wsとワイヤ送給速度信号Wfと溶接出力信号Iaと電流検知信号Sdとレーザ出力信号Pwとを示すタイミング図は、実施の形態15の図24と同様である。
【0176】
本発明の実施の形態16は、図17および図18に示す実施の形態15の溶接ワイヤ9の送給動作において、ワイヤ送給手段7を制御手段29で制御しているのを、ワイヤ送給手段7を溶接電源装置21で制御し、溶接電源装置21を制御手段35で制御するようにしたものであり、実施の形態15と同様の構成、同様の動作を示すタイミング、また、同様の作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、以下に、本発明の実施の形態16で実施の形態15と異なる部分について、その動作を、図25および図24を用いて説明する。
【0177】
t3時点において、制御手段35は、溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって溶接電源装置21への溶接出力信号IaをOFFにする。溶接電源装置21は溶接出力信号IaのOFFタイミングをもって溶接ワイヤ9に供給する電力を停止し、時間設定手段14で設定した所定時間Tcが経過したt4時点まで、溶接ワイヤ9を被溶接物6に、第3時間設定手段25で設定した時間Tp3は、第3パルス条件設定手段27で設定したワイヤ送給速度Pw3で供給し、第4時間設定手段26で設定した時間Tp4は、第4パルス条件設定手段28で設定したワイヤ送給速度Pw4で供給することを繰り返すパルス状の供給を続ける。
【0178】
また、制御手段35は、溶接起動手段13からの溶接起動信号WsのOFFタイミングをもって、レーザ光5を被溶接物6の溶接位置に、第1時間設定手段15で設定した時間Tp1は、第1パルス条件設定手段17で設定したレーザ出力Pw1で照射し、第2時間設定手段16で設定した時間Tp2は、第2パルス条件設定手段18で設定したレーザ出力Pw2で照射することを繰り返すパルス状の出力を続けるようレーザ装置1を制御する。
【0179】
そして、t4時点において、制御手段35は、レーザ装置1を制御することによってレーザ光5を、ワイヤ制御手段7を制御することによって溶接ワイヤ9を停止するよう動作する。
【0180】
なお、第1パルス条件設定手段17および第3パルス条件設定手段27の設定を0としても、また、第2パルス条件設定手段18および第4パルス条件設定手段28の設定を電力供給停止前の設定値以下としても同様の結果が得られる。
【0181】
また、図19に示す実施の形態12と同様に、第1時間設定手段15と第2時間設定手段16を、第1周波数設定手段36と第1パルス比率設定手段37とし、第3時間設定手段25と第4時間設定手段26を、第2周波数設定手段38と第2パルス比率設定手段39とし、パルス状の出力の設定を行うようにしても同様の結果が得られる。
【0182】
さらに、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第1周波数設定手段36、第2周波数設定手段38、第1パルス比率設定手段37、第2パルス比率設定手段39、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値を所定時間Tcの経過とともに変化するようにしてもよい。
【0183】
また、図26に示す実施の形態14と同様に、第1時間設定手段15、第2時間設定手段16、第1周波数設定手段36、第1パルス比率設定手段37、第1パルス条件設定手段17、第2パルス設定手段18の各設定値と、第3時間設定手段25、第4時間設定手段26、第2周波数設定手段38、第2パルス比率設定手段39、第3パルス条件設定手段27、第4パルス条件設定手段28の各設定値のいずれかが同期するように設定してもよい。
【0184】
このように、本発明の実施の形態16では、図25に示す構成を使用することによって、実施の形態15と同様の効果を得ることができる。
【0185】
なお、本発明は、レーザ装置として、半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバレーザ、ディスクレーザなどの固体レーザ装置またはCO2レーザなどのガスレーザ装置を使用してもよい。また、固体レーザまたはガスレーザの出力は、パルス状の出力であってもよい。
【0186】
また、本発明は、溶接電源装置として、MAG溶接電源装置またはMIG溶接電源装置を使用してもよく、MAG溶接装置のシールドガスとしては、CO2あるいはCO2とアルゴンの混合ガスを使用し、MIG溶接装置のシールドガスとしては、アルゴンガスあるいは少量のCO2、O2を添加したアルゴン混合ガスを使用してもよい。また、MAG溶接装置あるいはMIG溶接装置の出力は、パルス状の出力であってもよい。そして、溶接アークに対するレーザの照射位置については、溶接ワイヤが被溶接物に当たる位置付近とし、アーク発生手段で生じた溶融池の溶接方向の前方付近としてもよい。
【0187】
さらに、本発明は、制御手段として、多関節マニピュレータを備えた溶接ロボット装置を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0188】
以上のように本発明に係る複合溶接装置と複合溶接方法は、複合溶接の溶接開始時には安定した溶接品質を得ると共に、溶接終了時にはクレータの凹みと過大成長を防ぎ十分な溶込みを確保することができ、複合溶接装置と複合溶接方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】本発明の実施の形態1および実施の形態7における複合溶接装置を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1および実施の形態4における動作を示すタイミング図
【図3】本発明の実施の形態1における動作を示すタイミング図
【図4】(a)従来アーク溶接の安定したアーク形態を示す模式図、(b)従来アーク溶接開始時の不安定したアーク形態を示す模式図、(c)同実施の形態1における溶接開始時の安定したアーク形態を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態1おける溶接電圧を示すタイミング図
【図6】本発明の実施の形態1における複合溶接装置を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2、実施の形態3および実施の形態8における複合溶接装置を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2における動作を示すタイミング図
【図9】本発明の実施の形態3における動作を示すタイミング図
【図10】本発明の実施の形態4および実施の形態9における複合溶接装置を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態5および実施の形態10における複合溶接装置を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態5および実施の形態6における動作を示すタイミング図
【図13】本発明の実施の形態6および実施の形態11における複合溶接装置を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態7および実施の形態9における動作を示すタイミング図
【図15】本発明の実施の形態8における動作を示すタイミング図
【図16】本発明の実施の形態10および実施の形態11における動作を示すタイミング図
【図17】本発明の実施の形態12における複合溶接装置を示すブロック図
【図18】本発明の実施の形態12および実施の形態14における動作を示すタイミング図
【図19】本発明の実施の形態12における複合溶接装置を示すブロック図
【図20】本発明の実施の形態13における複合溶接装置を示すブロック図
【図21】本発明の実施の形態13における動作を示すタイミング図
【図22】本発明の実施の形態14における複合溶接装置を示すブロック図
【図23】本発明の実施の形態15における複合溶接装置を示すブロック図
【図24】本発明の実施の形態15および実施の形態16における動作を示すタイミング図
【図25】本発明の実施の形態16における複合溶接装置を示すブロック図
【図26】本発明の実施の形態12における動作を示すタイミング図
【符号の説明】
【0190】
1 レーザ発生手段
2 レーザ発振器
3 レーザ伝送手段
4 集光光学系
5 レーザ光
6 被溶接物
7 ワイヤ送給手段
8 トーチ
9 溶接ワイヤ
10 溶接電源装置
11 溶接アーク
12 制御手段
13 溶接起動手段
14 時間設定手段
15 第1時間設定手段
16 第2時間設定手段
17 第1パルス条件設定手段
18 第2パルス条件設定手段
19 第1所定時間設定手段
20 第2所定時間設定手段
21、22、23、24、29、32、33、34、35 制御手段
25 第3時間設定手段
26 第4時間設定手段
27 第3パルス条件設定手段
28 第4パルス条件設定手段
30 周波数設定手段
31 パルス比率設定手段
36 第1周波数設定手段
37 第1パルス比率設定手段
38 第2周波数設定手段
39 第2パルス比率設定手段
Ws 溶接起動信号
Wf、Wf0、Wf1 ワイヤ送給速度信号
Ia 溶接出力信号
Sd 電流検知信号
Pw レーザ出力信号
Pw1、Pw2 レーザ出力またはワイヤ送給速度
Pw3、Pw4 ワイヤ送給速度
Ts 無負荷電圧時間
Tb、Tc 所定時間
Tc1 第1所定時間
Tc2 第2所定時間
Tp1 第1期間
Tp2 第2期間
Tp3 第3期間
Tp4 第4期間
Ti 空走時間
Vnol 無負荷電圧
Va 溶接電圧
Vs 短絡電圧
Vth1、Vth2 中間電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段と、前記溶接ワイヤと溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して溶接位置に照射するレーザ装置と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置と前記レーザ装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接開始時には前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置とを制御することによってアークを発生させ、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号を前記溶接電源装置から受けると、直ちに前記レーザ光を出力するよう前記レーザ装置を制御し、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と前記溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項2】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段を制御し、前記溶接ワイヤと溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して溶接位置に照射するレーザ装置と、前記レーザ装置と前記溶接電源装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接開始時には前記溶接電源装置を制御することによりアークを発生させ、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号を前記溶接電源装置から受けると、直ちに前記レーザ光を出力するよう前記レーザ装置を制御し、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と前記溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項3】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段と、前記溶接ワイヤと溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して溶接位置に照射するレーザ装置と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置と前記レーザ装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と前記溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項4】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段を制御し、前記溶接ワイヤと溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して溶接位置に照射するレーザ装置と、前記レーザ装置と前記溶接電源装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と前記溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項5】
前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接ワイヤに供給する電力を停止した後、第1所定時間は、前記ワイヤ送給手段または前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力し、前記第1所定時間経過後は前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに第2所定時間は、レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項6】
前記制御手段は、溶接終了時に前記は溶接ワイヤに供給する電力を停止した後、第1所定時間は、前記ワイヤ送給手段または前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによって前記レーザ光を出力し、前記第1所定時間経過後は、前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに第2所定時間は、レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項7】
前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接ワイヤへの電力供給を停止した後、前記所定時間および前記第1所定時間の前記溶接ワイヤを送給するワイヤ送給速度と、前記所定時間および前記第1所定時間と第2所定時間の前記レーザ光の出力との少なくとも1つ以上を前記溶接ワイヤへの電力供給停止前と異なった値とすることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記レーザ光のパルス状の出力に、所定のレーザ光を出力する第1期間と、0または前記第1期間より低いレーザ光を出力する第2期間とを繰り返し出力するように制御することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記レーザ光のパルス状の出力の周波数とパルス比率とレーザ出力の少なくとも1つ以上を、前記所定時間の経過とともに変化するように制御することを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項10】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段と、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置と前記レーザ装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接開始時には前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置とを制御することによってアークを発生させ、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号を前記溶接電源装置から受けると、直ちに前記レーザ光を出力するよう前記レーザ装置を制御し、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項11】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段を制御し、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記レーザ装置と前記溶接電源装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接開始時には前記溶接電源装置を制御することによりアークを発生させ、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号を前記溶接電源装置から受けると、直ちに前記レーザ光を出力するよう前記レーザ装置を制御し、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項12】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段と、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置と前記レーザ装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項13】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段を制御し、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記レーザ装置と前記溶接電源装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項14】
前記制御手段は、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止した後、第1所定時間は、前記ワイヤ送給手段または前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによって前記レーザ光を出力し、前記第1所定時間経過後は前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに第2所定時間経過後に前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項10から請求項13の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項15】
前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接ワイヤへの電力供給を停止した後、前記所定時間および前記第1所定時間の前記溶接ワイヤを送給するワイヤ送給速度と、前記所定時間および前記第1所定時間と第2所定時間の前記レーザ光の出力との少なくとも1つ以上を前記溶接ワイヤへの電力供給停止前と異なった値とすることを特徴とする請求項10から請求項14の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項16】
前記制御手段は、前記溶接ワイヤのパルス状の送給に、所定の送給速度で前記溶接ワイヤを送給する第1期間と、0または前記第1期間より低い送給速度で前記溶接ワイヤを送給する第2期間とを繰り返すように制御することを特徴とする請求項10から請求項15の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項17】
前記制御手段は、前記溶接ワイヤのパルス状の送給の周波数とパルス比率と送給速度の少なくとも1つ以上を、前記所定時間の経過とともに変化するように制御することを特徴とする請求項10から請求項16の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項18】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段と、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置と前記レーザ装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接開始時には前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置とを制御することによってアークを発生させ、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号を前記溶接電源装置から受けると、直ちに前記レーザ光を出力するよう前記レーザ装置を制御し、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項19】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段を制御し、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記レーザ装置と前記溶接電源装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接開始時には前記溶接電源装置を制御することによりアークを発生させ、溶接電流が流れたことを示す電流検知信号を前記溶接電源装置から受けると、直ちに前記レーザ光を出力するよう前記レーザ装置を制御し、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項20】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段と、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記ワイヤ送給手段と前記溶接電源装置と前記レーザ装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記ワイヤ送給手段を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項21】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接装置において、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給手段を制御し、前記溶接ワイヤと前記溶接位置との間にアークを発生させる溶接電源装置と、レーザ光を発生して前記溶接位置に照射するレーザ装置と、前記レーザ装置と前記溶接電源装置とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力と溶接ワイヤの送給とを停止させる複合溶接装置。
【請求項22】
前記制御手段は、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止した後、第1所定時間は、前記ワイヤ送給手段または前記溶接電源装置を制御することによって前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによって前記レーザ光をパルス状に出力し、前記第1所定時間経過後は前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに第2所定時間は、レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項18から請求項21の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項23】
前記制御手段は、溶接終了時には前記溶接ワイヤへの電力供給を停止した後、前記所定時間の前記溶接ワイヤを送給するワイヤ送給速度と、前記所定時間の前記レーザ光の出力との少なくとも1つ以上を溶接ワイヤへの電力供給停止前と異なった値とすることを特徴とする請求項18から請求項22の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項24】
前記制御手段は、前記レーザ光のパルス状の出力に、所定のレーザ光を出力する第3期間と、0または前記第3期間より低いレーザ光を出力する第4期間とを繰り返し出力するように制御し、また前記溶接ワイヤのパルス状の送給に、所定の送給速度で前記溶接ワイヤを送給する第5期間と、0または前記第5期間より低い送給速度で前記溶接ワイヤを送給する第6期間とを繰り返し出力するように制御することを特徴とする請求項18から請求項23の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項25】
前記制御手段は、前記レーザ光のパルス状の出力と前記溶接ワイヤのパルス状の送給の周波数とパルス比率と送給速度の少なくとも1つ以上を、前記所定時間の経過とともに変化するように制御することを特徴とする請求項18から請求項24の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項26】
前記制御手段は、前記第3期間と前記第5期間または、前記第4期間と前記第6期間とを同期させて制御することを特徴とする請求項24または請求項25記載の複合溶接装置。
【請求項27】
レーザ装置として、半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバレーザ、ディスクレーザなどの固体レーザ装置またはCO2レーザなどのガスレーザ装置を使用する請求項1から請求項26の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項28】
溶接電源装置として、CO2溶接電源装置、MAG溶接電源装置またはMIG溶接電源装置などの消耗電極式溶接電源装置を使用する請求項1から請求項26の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項29】
制御手段として、多関節マニピュレータを備えた溶接ロボット装置を使用する請求項1から請求項26の何れかに記載の複合溶接装置。
【請求項30】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接方法において、溶接開始時にはアークが発生したことを検知してから直ちにレーザ光を出力するが、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光と前記溶接ワイヤとを停止させる複合溶接方法。
【請求項31】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接方法において、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接ワイヤを送給すると共に、レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光と前記溶接ワイヤとを停止させる複合溶接方法。
【請求項32】
前記所定時間が第1所定時間と第2所定時間で構成され、前記第1所定時間は、前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ光をパルス状に出力し、前記第1所定時間経過後は、前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに前記第2所定時間は、前記レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項30または請求項31記載の複合溶接方法。
【請求項33】
前記所定時間は第1所定時間と第2所定時間で構成され、第1所定時間は、前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ光を出力し、前記第1所定時間経過後は、前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに第2所定時間は、前記レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項30または請求項31記載の複合溶接方法。
【請求項34】
前記所定時間および前記第1所定時間の前記溶接ワイヤを送給するワイヤ送給速度と、前記所定時間および前記第1所定時間と第2所定時間の前記レーザ光の出力との少なくとも1つ以上を前記溶接ワイヤへの電力供給停止前と異なった値とすることを特徴とする請求項30から請求項33の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項35】
前記レーザ光のパルス状の出力は、所定のレーザ光を出力する第1期間と、0または前記第1期間より低いレーザ光を出力する第2期間とを繰り返し出力することを特徴とする請求項30から請求項34の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項36】
前記レーザ光のパルス状の出力の周波数とパルス比率とレーザ出力の少なくとも1つ以上が、前記所定時間の経過とともに変化することを特徴とする請求項30から請求項35の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項37】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接方法において、溶接開始時にはアークが発生したことを検知してから直ちにレーザ光を出力するが、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接ワイヤをパルス状に送給した後、前記レーザ光と前記溶接ワイヤとを停止させる複合溶接方法。
【請求項38】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接方法において、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに前記所定時間は、前記溶接ワイヤをパルス状に送給した後、レーザ光と前記溶接ワイヤとを停止させる複合溶接方法。
【請求項39】
前記所定時間が第1所定時間と第2所定時間で構成され、前記第1所定時間は、パルス状に前記溶接ワイヤを送給すると共に、前記レーザ光を出力し、前記第1所定時間経過後は、前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに前記第2所定時間経過後に前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項37または請求項38記載の複合溶接方法。
【請求項40】
前記所定時間および前記第1所定時間の前記溶接ワイヤを送給するワイヤ送給速度と、前記所定時間および前記第1所定時間と第2所定時間の前記レーザ光の出力との少なくとも1つ以上を前記溶接ワイヤへの電力供給停止前と異なった値とすることを特徴とする請求項37から請求項39の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項41】
前記溶接ワイヤをパルス状に送給は、所定の送給速度で前記溶接ワイヤを送給する第1期間と、0または前記第1期間より低い送給速度で前記溶接ワイヤを送球する第2期間とを繰り返すことを特徴とする請求項37から請求項40の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項42】
前記溶接ワイヤをパルス状に送給の周波数とパルス比率と送給速度の少なくとも1つ以上が、前記所定時間の経過とともに変化することを特徴とする請求項37から請求項41の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項43】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接方法において、溶接開始時にはアークが発生したことを検知してから直ちにレーザ光を出力するが、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに所定時間は、前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによって前記レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光と前記溶接ワイヤとを停止させる複合溶接方法。
【請求項44】
レーザ溶接手段と、アーク溶接手段を有し、被溶接物の溶接位置を同時に溶接する複合溶接方法において、溶接終了時には溶接ワイヤに供給する電力を停止し、さらに前記所定時間は、前記溶接ワイヤをパルス状に送給すると共に、前記レーザ装置を制御することによってレーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光と溶接ワイヤとを停止させる複合溶接方法。
【請求項45】
前記所定時間が第1所定時間と第2所定時間で構成され、前記第1所定時間は、パルス状に送給すると共に、前記レーザ光をパルス状に出力し、前記第1所定時間経過後は、前記溶接ワイヤの送給を停止し、さらに第2所定時間は、前記レーザ光をパルス状に出力した後、前記レーザ光の出力を停止させることを特徴とする請求項43または請求項44記載の複合溶接方法。
【請求項46】
前記所定時間の前記溶接ワイヤを送給するワイヤ送給速度と、前記所定時間の前記レーザ光の出力との少なくとも1つ以上を前記溶接ワイヤへの電力供給停止前と異なった値とすることを特徴とする請求項43から請求項45の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項47】
前記レーザ光のパルス状の出力は、所定のレーザ光を出力する第3期間と、0または前記第3期間より低いレーザ光を出力する第4期間とを繰り返しし、また前記溶接ワイヤのパルス状の送給は、所定の送給速度で前記溶接ワイヤを送給する第5期間と、0または前記第5期間より低い送給速度で前記溶接ワイヤを送給する第6期間とを繰り返すことを特徴とする請求項43から請求項46の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項48】
前記レーザ光のパルス状の出力と前記溶接ワイヤのパルス状の送給の周波数とパルス比率と送給速度の少なくとも1つ以上を、前記所定時間の経過とともに変化するように制御することを特徴とする請求項43から請求項47の何れかに記載の複合溶接方法。
【請求項49】
前記第3期間と前記第4期間と前記第5期間と前記第6期間とを同期させることを特徴とする請求項47または請求項48記載の複合溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−207880(P2010−207880A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57710(P2009−57710)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】