説明

複合的なレーザー投影パターニング(LPP)及びセミアディティブパターニング(SAP)を用いた同一層マイクロエレクトロニクス回路パターニング

一部の実施形態において、複合的なレーザー投影パターニング(LPP)及びセミアディティブパターニング(SAP)を用いた同一層マイクロエレクトロニクス回路パターニングが提供される。これに関して紹介される方法は、ラミネートされた基板表面の第1密度領域を、LPPを用いてパターニングし、前記ラミネートされた基板表面の第2密度領域を、SAPを用いてパターニングし、且つ前記ラミネートされた基板表面の第1及び第2密度領域をめっきすることを含み、第1及び第2密度領域に跨って延在する造形部が直接的に結合される。その他の実施形態も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して集積回路パッケージ基板の分野に関し、より具体的には複合的なレーザー投影パターニング(LPP)及びセミアディティブパターニング(SAP)を用いた同一層マイクロエレクトロニクス回路パターニングに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路デバイスのサイズ及びピッチの縮小は、ICパッケージ基板の製造における進歩を必要とする。基板をパターニングすることには、レーザーの使用がますます一般的になりつつある。不都合なことに、基板層をパターニングするためにレーザー投影パターニングを使用することは、セミアディティブパターニングよりコストが掛かる傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一部の実施形態において、複合的なレーザー投影パターニング(LPP)及びセミアディティブパターニング(SAP)を用いた同一層マイクロエレクトロニクス回路パターニングが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様に従った方法は、ラミネートされた基板表面の第1密度領域を、LPPを用いてパターニングし、前記ラミネートされた基板表面の第2密度領域を、SAPを用いてパターニングし、且つ前記ラミネートされた基板表面の第1及び第2密度領域をめっきすることを含み、第1及び第2密度領域に跨って延在する造形部が直接的に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
添付の図面には、本発明が限定としてではなく例として示される。図面は以下の図を含み、似通った参照符号は同様の要素を指し示す。
【図1】本発明の一実施形態例に従ったパッケージ基板表面を示す上面図である。
【図2A】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2B】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2C】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2D】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2E】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2F】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2G】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2H】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2I】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図2J】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3A】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3B】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3C】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3D】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3E】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3F】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3G】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3H】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3I】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3J】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【図3K】本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の記載においては、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために数多くの具体的な詳細事項が説明される。しかしながら、当業者に明らかなように、本発明の実施形態はこれらの具体的な詳細事項を用いずに実施されることが可能である。また、本発明を不明瞭にしないよう、構造及びデバイスをブロック図の形態で示すこととする。
【0007】
本明細書中での“一実施形態”又は“或る実施形態”への言及は、その実施形態に関して説明される特定の機能、構造又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、本明細書全体を通して様々な箇所で“一実施形態において”又は“或る実施形態において”という言い回しが現れることは、必ずしも全てが同一の実施形態に言及しているわけではない。また、そのような特定の機能、構造又は特徴は、1つ以上の実施形態において好適に組み合わされ得る。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態例に従ったパッケージ基板表面の上面図を示している。図示した実施形態例によれば、パッケージ基板100は、ネッキング領域102、主経路領域104、ダイ占有部(ダイシャドー部)及び信号配線108のうちの1つ以上を含んでいる。
【0009】
ネッキング領域102は、ダイシャドー部106を占有することになる集積回路ダイから逃れるように例えば信号配線108などの信号が経路付けられた、基板100の表面領域を意味する。一実施形態において、信号配線108は、集積回路ダイの外部バンプから経路付けられる入力/出力(I/O)信号である。ネッキング領域102は一般的に、主経路領域104より高い密度を有する。一実施形態において、ネッキング領域102は約9μmのライン幅と約12μmのスペースとを有する。一実施形態において、主経路領域104は約14μmより大きいライン幅と約14μmより大きいスペースとを有する。一実施形態において、信号配線108は、数mmのネッキング領域102内の長さを有する。図示のように、ネッキング領域102はダイシャドー部106より僅かに大きい。
【0010】
以降の実施形態にて説明するように、同一層マイクロエレクトロニクス回路パターニングは、ネッキング領域102内でレーザー投影パターニング(LPP)を使用し、主経路領域104内でセミアディティブパターニング(SAP)を使用する。信号配線108は、双方の領域を横切って途切れなく延在する(例えば、連続した銅配線)。
【0011】
図2A−2Jは、本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板の断面図を示している。図2Aは、パッド204を含むコア又は既存のビルドアップ層の上にビルドアップ誘電体202がラミネートされ、それに続いて該誘電体のプリキュア(pre-cure)が行われた後の基板200を示している。誘電体材料は一般的に、ポリマーベースであり、例えば市販のフィラー及び多様なその他の材料などの分散シリカフィラーで充填されている。
【0012】
図2Bは、パターン全体でのレーザービア206ドリリング及びデスミアの後の基板200を示している。デスミア処理は、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を用いてビア206の壁を広げることと、その後に例えば過マンガン酸塩ベースの水溶液などの還元性の高い化学薬品を用いてエッチングすることとを有する。
【0013】
図2Cは、例えばネッキング領域102などのネッキング領域にある誘電体202内にブランクパターン208を形成するLPP切断(アブレーション)の後の基板200を示している。ネッキング領域は通常、ダイシャドー部より少し大きく、I/O信号ルーティング及びファンアウトのための微細なライン・アンド・スペースを含んでいる。
【0014】
図2Dは、無電解銅シード層めっきと、それに続く例えば5−20μmといった特定の厚さへの電解銅めっき210との後の基板200を示している。ネッキング領域は、誘電体頂面の過剰めっき銅212で覆われている。
【0015】
図2Eは、例えばCMP、機械的研磨、化学的エッチング、又はこれらの組み合わせなどの方法から選択したものを用いて過剰めっき銅212を除去した後の基板200を示している。この工程後、ネッキング領域のパターンは完成されている。
【0016】
図2Fは、無電解銅めっき214とドライフィルムレジスト(DFR)216のラミネートとの後の基板200を示している。
【0017】
図2Gは、従来からのリソプロセス(露光及び現像)を用いてDFR216がパターニングされた後の基板200を示している。パターニングされたネッキング領域は、ネッキング領域の外縁部217を除いて、DFR216で覆われている。
【0018】
図2Hは、例えば5−20μmといった特定の厚さへの電解銅218めっきの後の基板200を示している。斯くして、ネッキング領域の外縁部217の頂部に主経路領域がメッキされる。
【0019】
図2Iは、例えば炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液を用いてDFR216が剥離された後の基板200を示している。有機タイプの溶液も使用され得る。
【0020】
図2Jは、無電解銅シード層214を除去して全体パターンを形成する化学的エッチングの後の基板200を示している。
【0021】
一実施形態において、パッケージ基板200は表面220で、例えばフリップチップシリコンダイなどの集積回路ダイと結合される。他の一実施形態において、表面220は、継続ビルドアッププロセスの部分としての別の誘電体層とラミネートされる。
【0022】
図3A−3Kは、本発明の他の一実施形態例に従った、部分的に形成されたICパッケージ基板の断面図を示している。図3Aは、パッド304を含むコア又は既存の層の上にビルドアップ誘電体302がラミネートされ、それに続いて該誘電体のプリキュアが行われた後の基板300を示している。誘電体材料は一般的に、ポリマーベースであり、例えば市販のフィラー及び多様なその他の材料などの分散シリカフィラーで充填されている。
【0023】
図3Bは、ネッキング領域にある誘電体表面307に誘電体突出部306が形成された後の基板300を示している。これは、誘電体の追加層を選択的にラミネートすることによって、あるいは工程1でラミネートされた誘電体層に、形成すべき突出部に対応した窪みを刻み込むことによって行われ得る。
【0024】
図3Cは、パターン全体でのレーザービア308ドリリング及びデスミアの後の基板300を示している。デスミア処理は、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を用いてビア308の壁を広げることと、その後に例えば過マンガン酸塩ベースの水溶液などの還元性の高い化学薬品を用いてエッチングすることとを有する。
【0025】
図3Dは、ネッキング領域にある突出部306内にブランクパターン310を形成するLPPアブレーションの後の基板300を示している。ネッキング領域は通常、ダイシャドー部より少し大きく、I/O信号ルーティング及びファンアウトのための微細なライン・アンド・スペースを含んでいる。
【0026】
図3Eは、パターン全体上への無電解銅シード層312めっきの後の基板300を示している。
【0027】
図3Fは、パターン全体上へのDFR314のラミネート後の基板300を示している。
【0028】
図3Gは、従来からのリソプロセス(露光及び現像)を用いてDFR314がパターニングされた後の基板300を示している。ネッキング領域のパターン310は、リソ後、露出された状態になる。ネッキング領域の外側の主領域パターン316が画成されている。
【0029】
図3Hは、例えば5−20μmといった特定の厚さへのパターン全体の電解めっき318の後の基板300を示している。ネッキング領域は、誘電体層の頂面上の過剰めっき銅320で覆われている。
【0030】
図3Iは、例えば化学的機械的研磨(CMP)、機械的研磨、化学的エッチング、又はこれらの組み合わせなどの方法から選択したものを用いて過剰めっき銅320を除去した後の基板300を示している。この工程後、ネッキング領域のパターンは完成されている。
【0031】
図3Jは、例えば炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液を用いてDFR314が剥離された後の基板300を示している。有機タイプの溶液も使用され得る。
【0032】
図3Kは、無電解銅シード層312を除去して全体パターンを形成する化学的エッチングの後の基板300を示している。
【0033】
一実施形態において、パッケージ基板300は表面322で、例えばフリップチップシリコンダイなどの集積回路ダイと結合される。他の一実施形態において、表面322は、継続ビルドアッププロセスの部分としての別の誘電体層とラミネートされる。
【0034】
以上の記載においては、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために数多くの具体的な詳細事項を説明した。しかしながら、当業者に明らかなように、本発明はこれらの具体的な詳細事項の一部を用いずに実施されてもよい。
【0035】
方法の多くはその最も基本的な形態で説明されたが、本発明の基本的な概念を逸脱することなく、方法の何れかに対して処理が追加あるいは削除されることができ、また、説明した記載の何れかに対して情報が追加あるいは削除されることができる。独創的な概念の如何なる数の変更も、本発明の範囲及び精神の範囲内にあることが見込まれる。この点において、図示した特定の実施形態例は、本発明を限定するためではなく、単に本発明を例示するために提供されたものである。故に、本発明の範囲は、上述の具体例によって決定されるべきではなく、平易な言葉での以下の請求項によってのみ決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネートされた基板表面の第1密度領域を、レーザー投影パターニング(LPP)を用いてパターニングする工程;
前記ラミネートされた基板表面の第2密度領域を、セミアディティブパターニング(SAP)を用いてパターニングする工程;及び
前記ラミネートされた基板表面の前記第1及び第2密度領域をめっきする工程であり、前記第1及び第2密度領域に跨って延在する造形部が直接的に結合される工程;
を有する方法。
【請求項2】
前記第1密度領域は、集積回路ダイからのI/O信号が出て行くネッキング領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2密度領域は、より低密度の主経路領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2密度領域をめっきする工程は、同一の銅めっき工程で前記第1及び第2密度領域をめっきすることを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1及び第2密度領域をめっきする工程は、別々の銅めっき工程で前記第1及び第2密度領域をめっきすることを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1密度領域は数mmの長さを有する造形部を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
レーザー投影パターニング(LPP)を用いて、ラミネートされた基板表面にネッキング領域をアブレーション形成する工程;
前記ネッキング領域を銅でめっきする工程;
前記ラミネートされた基板表面の主経路領域及び前記ネッキング領域をドライフィルムレジスト(DFR)でパターニングする工程;
前記主経路領域をめっきする工程;及び
前記DFRを除去する工程;
を有する方法。
【請求項8】
前記ネッキング領域はダイ占有部より僅かに大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ネッキング領域を銅でめっきする工程は、約5μmと約20μmとの間の厚さへの電解銅めっきを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記主経路領域をDFRでパターニングする工程は、めっきされたネッキング領域の一部を露出させることを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記主経路領域をめっきする工程は、めっきされたネッキング領域内の配線の頂部をめっきすることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記DFRを除去する工程は、アルカリ溶液を用いて前記DFRを剥離することを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
無電解銅シード層を除去するために化学的エッチングを行う工程、を更に有する請求項7に記載の方法。
【請求項14】
ラミネートされた基板表面に誘電体突出部を形成する工程;
レーザー投影パターニング(LPP)を用いて、前記誘電体突出部にネッキング領域をアブレーション形成する工程;
前記ラミネートされた基板表面の主経路領域をドライフィルムレジスト(DFR)でパターニングする工程;
前記主経路領域及び前記ネッキング領域をめっきする工程;及び
前記DFRを除去する工程;
を有する方法。
【請求項15】
ラミネートされた基板表面に誘電体突出部を形成する工程は、誘電体の追加層を選択的にラミネートすることを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ラミネートされた基板表面に誘電体突出部を形成する工程は、形成すべき前記突出部に対応した窪みを前記基板表面に刻み込むことを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記主経路領域及び前記ネッキング領域をめっきする工程は、前記ネッキング領域を過剰めっきすることを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記ネッキング領域の頂部に過剰めっきされた銅を除去する工程、を更に有する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記主経路領域及び前記ネッキング領域をめっきする工程は、約5μmと約20μmとの間の厚さへの電解銅めっきを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記主経路領域及び前記ネッキング領域をめっきする工程は、前記主経路領域及び前記ネッキング領域に跨って延在する造形部を同一の電解めっき工程でめっきすることを有する、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【公表番号】特表2012−507043(P2012−507043A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533223(P2011−533223)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060216
【国際公開番号】WO2010/047977
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】