説明

複合装置

【課題】原稿読取装置の回動動作が容易な複合装置を提供する。
【解決手段】複合装置1Aは、記録用紙に画像を形成するプリンタ部2と、プリンタ部2上に設けられ、原稿を読み取るスキャナ部3と、を備えているプリンタ部2は、上面に開口を有する筐体と、筐体内に設けられた画像形成機構部と、を備え、スキャナ部3は、プリンタ部2の左端部に設けられて前後方向に延びる回動支軸71によって、開口を閉じる位置と、開口を開放する位置と、の間で回動可能に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び原稿読取装置を備えた複合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置及び原稿読取装置を備えた複合装置では、原稿読取装置が画像形成装置の上方に設けられており、画像形成装置の内部保守や消耗品交換を行う際には、原稿読取装置を画像形成装置に対して後方に回動させることによって画像形成装置の上部を開放していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2008−152050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、原稿読取装置を後方に回動させるため、利用者が車椅子を利用している場合等には、回動動作が困難であった。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決すべく創案されたものであり、原稿読取装置の回動動作が容易な複合装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置上に設けられ、原稿を読み取る原稿読取装置と、を備えた複合装置であって、前記画像形成装置は、上面に開口を有する筐体部と、前記筐体部内に設けられた画像形成機構部と、を備え、前記原稿読取装置は、前記画像形成装置の左端部又は右端部に設けられて前後方向に延びる回動支軸によって、前記開口を閉じる位置と、前記開口を開放する位置と、の間で回動可能に支持されていることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によると、原稿読取装置を回動させても、利用者に対する奥行き方向の位置が変わらないため、原稿読取装置の回動動作が容易となる。
【0008】
また、前記原稿読取装置の前記回動支軸は、前記開口よりも外側に設けられていることが望ましい。
【0009】
かかる構成によると、原稿読取装置を回動させて開口を開放した状態において、開口の回動支軸付近における画像形成機構部の内部保守や消耗品交換が容易となる。
【0010】
また、前記画像形成機構部に電力を供給する電源ユニット、前記画像形成機構部を駆動する駆動モータ、及び、前記電源画像形成機構部を制御する制御基板は、前記回動支軸の下方に設けられていることが望ましい。
【0011】
かかる構成によると、幅方向のスペースを有効活用することができる。
【0012】
また、前記筐体部の後部に設けられて左右方向に延びる回動支軸によって、前記筐体部の前記開口を閉塞する位置と、前記筐体部の前記開口を開放する位置と、の間を回動可能なカバーをさらに備えていることが望ましい。
【0013】
かかる構成によると、カバーによって画像形成機構部を保護することができる。
【0014】
また、前記原稿読取装置は、前記画像形成装置に対して回動可能に支持されており、前記原稿を読み取る原稿載置面を有する原稿読取部と、前記原稿読取部上に設けられ、前記原稿載置面に載置された前記原稿を押さえる原稿押さえ部と、を備えており、前記原稿押さえ部は、前記原稿読取部の右端部又は左端部に設けられて前後方向に延びる回動支軸によって、前記原稿載置面を覆って前記原稿を押さえる位置と、前記原稿載置面を開放する位置と、の間で回動可能に支持されており、前記原稿読取部の回動支軸と前記原稿押さえ部の回動支軸とは、それぞれ左右の反対側に設けられていることが望ましい。
【0015】
かかる構成によると、原稿押さえ部が不要に開くことを防ぎつつ原稿読取装置を開くことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、原稿読取装置の回動動作が容易な複合装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、位置、方向等については、複合装置の正面に利用者が立った状態を基準とする。
【0018】
(第一の実施形態)
まず、本発明の第一の実施形態に係る複合装置について、図1〜図8を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る複合装置を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る複合装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。図3は、図2のA1−A1断面図である。図4は、図1のA2−A2断面図である。図5は、図1のA3−A3断面図である。図6は、本発明の第一の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はドキュメントカバーユニットを開いた状態を示す左側面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。図7は、本発明の第一の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はスキャナ部を開いた状態を示す正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。図8は、本発明の第一の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、スキャナ部を開いた状態を示す斜視図である。
【0019】
図1(a)及び図2(a)に示すように、本発明の第一の実施形態に係る複合装置1Aは、画像形成装置の一例としてのプリンタ部2と、原稿読取装置の一例としてのスキャナ部3と、を備えたコピー機である。以下の説明において、プリンタ部2はLEDタンデムカラー方式によって記録用紙上に画像を形成して記録するものとしたが、プリンタ部2は、レーザ方式、インクジェット方式、ドットマトリクスインパクト方式等によって記録用紙上に画像を形成して記録するものであってもよい。
【0020】
<プリンタ部2>
図3に示すように、プリンタ部2は、記録媒体の一例としての記録用紙上に画像を形成するものであり、給紙部10と、画像形成機構部20と、を備えている。
【0021】
≪給紙部10≫
給紙部10は、プリンタ部2の筐体2aに対して前方に引き出し可能に設けられており、給紙カセット11と、給紙ローラ12と、ワンウェイクラッチ13と、を備えている。給紙カセット11は、その内部に記録用紙(図示せず)を収納しており、給紙ローラ12は、制御基板34の制御に基づいて、記録用紙を画像形成機構部20へ供給する。ワンウェイクラッチ13は、記録用紙を給紙カセット11から画像形成機構部20へと一方向へ搬送する。
【0022】
≪画像形成機構部20≫
画像形成機構部20は、給紙部10から供給された記録用紙上に公知の電子写真方式を用いて画像を形成する装置であり、給紙部10の上方に設けられている。画像形成機構部20は、記録用紙が搬送される上流側から下流側へと順に、レジストローラ21と、搬送ローラ22と、画像形成ユニット23と、定着ユニット24と、排出ユニット25と、を備えている。
【0023】
レジストローラ21は、記録用紙の斜行を矯正し、正しい姿勢で下流側へと搬送する斜行矯正手段を備えたローラである。搬送ローラ22は、記録用紙を画像形成ユニット23へ搬送するローラである。
【0024】
画像形成ユニット23は、印字プロセスカートリッジ23aと、搬送部23bと、転写ローラ23cと、を備えている。
【0025】
印字プロセスカートリッジ23aは、4種類のトナーに対応して4つ設けられており、トナーカートリッジ23a1と、チャージローラ23a2と、感光ドラム23a3と、を備えている。トナーカートリッジ23a1は、トナーを収納しており、感光ドラム23a3にトナーを供給する。チャージローラ23a2は、感光ドラム23a3を帯電するためのローラである。感光ドラム23a3は、チャージローラ23a2によって帯電されるとともに印字ヘッド(図示せず)から照射されたLED光を受けることによって当該感光ドラム23a3の表面上に静電潜像を形成する。
【0026】
搬送部23bは、印字プロセスカートリッジ23aの下方に設けられており、一対の搬送ローラ23b1,23b1と、搬送ベルト23b2と、を備えている。一対の搬送ローラ23b1,23b1は、搬送ベルト23b2を駆動するためのローラである。搬送ベルト23b2は、一対の搬送ローラ23b1,23b1に巻回された無端ベルトであり、記録用紙を搬送する。
【0027】
転写ローラ23cは、印字プロセスカートリッジ23aの下方に、感光ドラム23a3に対応して設けられている。転写ローラ23cは、感光ドラム23a3の表面上に形成された静電潜像を記録用紙に転写する。
【0028】
定着ユニット24は、記録用紙上に転写された静電潜像を、熱及び圧力によって記録媒体上に定着させる。排出ユニット25は、記録用紙をプリンタ部2外、ここでは、プリンタ部2の筐体2aの開口を覆うように設けられたトップカバー2f(図4参照)上に排出する。
【0029】
また、画像形成機構部20は、給紙ローラ12によって記録用紙が画像形成機構部20内に供給されたことを検出するセンサ26aと、記録用紙がレジストローラ21を通過したことを検出するセンサ26bと、記録用紙が画像形成ユニット23に供給されることを検出するセンサ26cと、を備えている。センサ26a〜26cの検出結果は制御基板34に出力される。
【0030】
図4に示すように、プリンタ部2は、その左端部に、電源ユニット31と、駆動モータ32と、ギヤ33a〜33eと、制御基板34と、高圧基板35と、ケーブル36a,36bと、を備えている。
【0031】
電源ユニット31は、外部から供給された電力を複合装置1A内の各種機器に供給する。駆動モータ32は、ギヤ33a〜33eを介して感光ドラム23a3を回転駆動させる。ギヤ33a〜33eは、互いに歯合することによって駆動モータ32の駆動力を伝達するものであり、ギヤ33aは駆動モータ32に連結されており、ギヤ33eは感光ドラム23a3に連結されている。
【0032】
制御基板34は、複合装置1A内の各種機器を制御するための制御信号を出力する。高圧基板35は、印字プロセスカートリッジ23aに高電圧を付与するための基板である。電源ユニット31、制御基板34及び高圧基板35は、ケーブル36a,36bによって電気的に接続されている。
【0033】
また、プリンタ部2は、その右端部に、トナーセンサ基板37を備えている。トナーセンサ基板37は、印字プロセスカートリッジ23a内のトナー量を検出するためのトナーセンサ37aを備えている。トナーセンサ37aの検出結果は、制御基板34に出力される。
【0034】
また、プリンタ部2の筐体2aは、サイドカバー2b,2cと、カセットガイド2d,2eと、トップカバー2fと、を備えて構成されている。サイドカバー2b,2cは、それぞれプリンタ部2の左右側面を構成する部材であり、カセットガイド2d,2eは、それぞれサイドカバー2b,2cの内側に設けられ、給紙カセット11をガイドする部材である。
【0035】
トップカバー2fは、筐体2aの後部を回動支軸2f1(図7及び図8参照)として、筐体2aの上部に設けられた開口を閉塞する位置と、筐体2aの上部に設けられた開口を開放する位置と、の間を回動可能に設けられている。ここで、回動支軸2f1は、筐体2aの左右方向に延びる軸である。また、トップカバー2fは、排出ユニット25によって排出された記録用紙を当該トップカバー2fの上面で受ける記録用紙受け部である。
【0036】
また、プリンタ部2の筐体2aは、その上部に一対のステー2g,2hを備えている。ステー2gは、筐体2aの左端部に設けられており、スキャナ部3を回動可能に軸支するための回動支軸用溝74を備えている。ステー2hは、筐体2bの右端部に設けられており、スキャナ部3が閉じられた状態において、スキャナ部3の右端部底面と当接する。
【0037】
ステー2gは、強度を考慮して、ステー2hよりも左右方向の厚みを有している。本実施形態においては、電源ユニット31、駆動モータ32、ギヤ33a〜33c、制御基板34、高圧基板35及びケーブル36a,36bは、回動支軸71(図2参照)の下方、本実施形態では、回動支軸71が設けられたステー2gの下方に設けられている。かかる配置構造によって、複合装置1Aは、ステー2gの強度を確保しつつ幅方向のスペースを有効活用することができる。
【0038】
<スキャナ部3>
スキャナ部3は、プリンタ部2上に設けられている。図5に示すように、スキャナ部3は、原稿読取部の一例であるフラットベッドユニット40と、原稿押さえ部の一例であるドキュメントカバーユニット50と、を備えている。また、フラットベッド40の前側には、操作パネル3aが設けられている。利用者が操作パネル3aを操作することによる入力は、制御基板34に出力される。
【0039】
フラットベッドユニット40は、原稿載置面41と、キャリッジ42と、を備えている。原稿載置面41は、読み取るべき原稿(図示せず)を載置するための面である。キャリッジ42は、原稿載置面41に載置された原稿を、副走査線方向に往復移動しながら読み取る。キャリッジ42は、冷陰極管42aと、ミラー42b,42bと、イメージセンサユニット42cと、を備えている。
【0040】
冷陰極管42aは、原稿を読み取るための光を照射する光源である。ミラー42b,42bは、冷陰極管42aから照射された光を所定の角度で反射させ、イメージセンサユニット42cに入射させる。冷陰極管42a、ミラー42b,42b及びイメージセンサユニット42cは、光の光路長が所定の長さになるように配置されている。
【0041】
イメージセンサユニット42cは、入射した光を集光するためのレンズ42c1と、集光された光をデジタル信号に変換して制御基板34に出力するCCDイメージセンサ42c2と、を備えている。制御基板34は、イメージセンサ42c2から出力されたデジタル信号に基づいてプリンタ部2を駆動し、記録用紙に画像を形成することができる。なお、イメージセンサユニット42cとしては、レンズ42c1及びCCDイメージセンサ42c2に代えて密着方式のイメージセンサを採用することもできる。
【0042】
ドキュメントカバーユニット50は、原稿載置面41に載置された原稿を、当該ドキュメントカバーユニットの底面によって押さえる原稿押さえ部でり、原稿トレイ51と、原稿幅ガイド52と、自動原稿搬送装置53と、原稿受け54と、を備えている。
【0043】
原稿トレイ51は、複数枚の原稿を載置するためのトレイである。原稿幅ガイド52は、原稿トレイ51に載置された原稿を幅方向において整列させて、原稿搬送時に斜行することを防止するためのガイドであり、原稿の幅方向において一対に設けられている。自動原稿搬送装置53は、原稿トレイに載置された原稿を一枚ずつ原稿載置面41に搬送する。原稿受け54は、自動原稿搬送装置53によって搬送された原稿を受ける部材である。
【0044】
<ドキュメントカバーユニット50の回動動作>
ここで、ドキュメントカバーユニット50をフラットベッドユニット40に対して回動させる動作について、図1及び図6を参照して説明する。ここで、図1(a)は、ドキュメントカバーユニットを閉じた状態を示す左側面図、図1(b)は、図1(a)の部分拡大断面図、図6(a)は、ドキュメントカバーユニットを開いた状態を示す左側面図、図6(b)は、図6(a)の部分拡大断面図である。
【0045】
図1(a)(b)に示すように、ドキュメントカバーユニット50は、左右方向に延びる回動支軸61によって、フラットベッドユニット40の後部に対して回動可能に軸支されている。本実施形態において、回動支軸61は、ドキュメントカバーユニット50に対して固定されており、フラットベッドユニット40に設けられた回動支軸用溝64に挿通されて回動可能に支持されている。そして、図1(a)(b)に示すように、ドキュメントカバーユニット50を閉じた状態では、複合装置1Aは、自動原稿搬送装置53を用いて原稿を原稿載置面41に搬送することによって、原稿を読み取ることができる。
【0046】
そして、図6(a)に示すように、ドキュメントカバーユニット50を開いた状態では、図6(b)に示すように、ドキュメントカバーユニット50に設けられたストッパ壁62とフラットベッドユニット40に設けられたストッパ壁63とが当接することによって、ドキュメントカバーユニット50の回動範囲が90度(フラットベッドユニット40に対して平行〜垂直)に規制されている。このように、ドキュメントカバーユニット50を開いた状態では、複合装置1Aは、原稿載置面41に原稿を載置することが可能となっている。
【0047】
<スキャナ部3の回動動作>
続いて、スキャナ部3をプリンタ部2に対して回動させる動作について、図2、図7及び図8を参照して説明する。ここで、図2(a)は、スキャナ部を閉じた状態を示す正面図、図2(b)は、図2(a)の部分拡大断面図、図7(a)は、スキャナ部を開いた状態を示す正面図、図7(b)は、図7(a)の部分拡大断面図、図8は、スキャナ部を開いた状態を示す斜視図である。
【0048】
図2(a)(b)に示すように、スキャナ部3は、前後方向に延びる回動支軸71によって、プリンタ部2(ステー2g)の左端部に対して回動可能に軸支されている。本実施形態において、回動支軸71は、スキャナ部3に対して固定されており、ステー2gに設けられた回動支軸用溝74に挿通されて回動可能に支持されている。
【0049】
そして、図7(a)に示すように、スキャナ部3を開いた状態では、図7(b)に示すように、フラットベッドユニット40に設けられたストッパ壁72とステー2gに設けられたストッパ壁73とが当接することによって、スキャナ部3の回動範囲が90度(プリンタ部2に対して平行〜垂直)に規制されている。このように、スキャナ部3を開いた状態では、図8に示すように、複合装置1Aは、トップカバー2fを回動させることによって、筐体2aの上部開口から画像形成機構部20にアクセスすることが可能となり、画像形成機構部20の内部保守や消耗品(印字プロセスカートリッジ23a)交換が可能となる。
【0050】
本実施形態では、スキャナ部3の回動支軸71が画像形成機構部20よりも左方に設けられているとともにスキャナ部3がプリンタ部2に対して垂直(鉛直)となる位置まで回動することができるので、スキャナ部3がトップカバー2fの開放動作の妨げにならない。また、自動原稿搬送装置52が回動支軸71側に配置されているので、スキャナ部3の重心位置が回動支軸71に近くなっている。そのため、スキャナ部3の回動支軸71まわりの負荷モーメントが小さくなっており、操作性が向上している。
【0051】
また、本実施形態に係る複合装置1Aは、回動支軸71を左側に設けているので、スキャナ部3を開放した状態では利用者の右手側に広いスペースが生じ、内部保守や消耗品交換の作業を行い易くなっている。また、本実施形態に係る複合装置1Aは、スキャナ部3を開放した状態であっても操作パネル3aが利用者側に向いており、操作パネル3aの操作が可能となっている。
【0052】
(第二の実施形態)
続いて、本発明の第二の実施形態に係る複合装置について、第一の実施形態に係る複合装置1Aとの相違点を中心に、図9〜図11を参照して説明する。図9は、本発明の第二の実施形態に係る複合装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)(c)は(a)の部分拡大断面図である。図10は、本発明の第二の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はドキュメントカバーユニットを開いた状態を示す正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。図11は、本発明の第二の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はスキャナ部を開いた状態を示す正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【0053】
<ドキュメントカバーユニット50の回動動作>
まず、ドキュメントカバーユニット50をフラットベッドユニット40に対して回動させる動作について、図9及び図10を参照して説明する。ここで、図9(a)は、ドキュメントカバーユニットを閉じた状態を示す正面図、図9(b)は、図9(a)の部分拡大断面図、図10(a)は、ドキュメントカバーユニットを開いた状態を示す正面、図10(b)は、図10(a)の部分拡大断面図である。
【0054】
第二の実施形態に係る複合装置1Bにおいては、図9(a)(b)に示すように、ドキュメントカバーユニット50は、第一の実施形態に係る回動支軸61に代えて、前後方向に延びる回動支軸81によって、フラットベッドユニット40の右端部に対して回動可能に軸支されている。本実施形態において、回動支軸81は、ドキュメントカバーユニット50に対して固定されており、フラットベッドユニット40に設けられた回動支軸用溝84に挿通されて回動可能に支持されている。そして、図9(a)(b)に示すように、ドキュメントカバーユニット50を閉じた状態では、複合装置1Bは、自動原稿搬送装置53を用いて原稿を原稿載置面41に搬送することによって、原稿を読み取ることができる。
【0055】
そして、図10(a)に示すように、ドキュメントカバーユニット50を開いた状態では、図10(b)に示すように、ドキュメントカバーユニット50に設けられたストッパ壁82とフラットベッドユニット40に設けられたストッパ壁83とが当接することによって、ドキュメントカバーユニット50の回動範囲が90度(フラットベッドユニット40に対して平行〜垂直)に規制されている。このように、ドキュメントカバーユニット50を開いた状態では、複合装置1Bは、原稿載置面41に原稿を載置することが可能となっている。
【0056】
<スキャナ部3の回動動作>
続いて、スキャナ部3をプリンタ部2に対して回動させる動作について、図9及び図11を参照して説明する。ここで、図9(a)は、スキャナ部を閉じた状態を示す正面図、図9(c)は、図9(a)の部分拡大断面図、図11(a)は、スキャナ部を開いた状態を示す正面図、図11(b)は、図12(a)の部分拡大断面図である。
【0057】
第二の実施形態に係る複合装置1Bにおいては、図9(a)(b)に示すように、スキャナ部3は、前後方向に延びる回動支軸71によって、プリンタ部2(ステー2g)の左端部に対して回動可能に軸支されている。
【0058】
そして、図11(a)に示すように、スキャナ部3を開いた状態では、図11(b)に示すように、フラットベッドユニット40に設けられたストッパ壁72とステー2gに設けられたストッパ壁73とが当接することによって、スキャナ部3の回動範囲が90度(プリンタ部2に対して平行〜垂直)に規制されている。
【0059】
本実施形態に係る複合装置1Bは、スキャナ部3の回動支軸71とドキュメントカバーユニット50の回動支軸81とは、それぞれ左右の反対側に設けられているので、ドキュメントカバーユニット50が不要に開くことを防ぎつつスキャナ部3を開くことができる。したがって、ドキュメントカバーユニット50の不要な回動を規制する回動規制部材を廃止することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更可能である。例えば、本発明をモノクロコピー機に適用する場合には、印字プロセスカートリッジ23a及び転写ローラ23cを一つとすることができる。また、トップカバー2fの形状や、回動支軸61,71,81の形状も適宜変更可能である。また、本発明の複合装置は、コピー機に限定されず、ファクシミリ、オフィス用複合機(MFP:Multi Function Products)等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る複合装置を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る複合装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【図3】図2のA1−A1断面図である。
【図4】図1のA2−A2断面図である。
【図5】図1のA3−A3断面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はドキュメントカバーユニットを開いた状態を示す左側面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はスキャナ部を開いた状態を示す正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【図8】本発明の第一の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、スキャナ部を開いた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第二の実施形態に係る複合装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)(c)は(a)の部分拡大断面図である。
【図10】本発明の第二の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はドキュメントカバーユニットを開いた状態を示す正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【図11】本発明の第二の実施形態に係る複合装置の動作例を説明するための図であり、(a)はスキャナ部を開いた状態を示す正面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1A,1B 複合装置
2 プリンタ部(画像形成装置)
2f トップカバー
2g ステー
3 スキャナ部(原稿読取装置)
20 画像形成機構部
31 電源ユニット
32 駆動モータ
34 制御基板
40 フラットベッドユニット(原稿読取部)
50 ドキュメントカバーユニット(原稿押さえ部)
61,71,81 回動支軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置上に設けられ、原稿を読み取る原稿読取装置と、
を備えた複合装置であって、
前記画像形成装置は、上面に開口を有する筐体部と、前記筐体部内に設けられた画像形成機構部と、を備え、
前記原稿読取装置は、前記画像形成装置の左端部又は右端部に設けられて前後方向に延びる回動支軸によって、前記開口を閉じる位置と、前記開口を開放する位置と、の間で回動可能に支持されている
ことを特徴とする複合装置。
【請求項2】
前記原稿読取装置の前記回動支軸は、前記開口よりも外側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の複合装置。
【請求項3】
前記画像形成機構部に電力を供給する電源ユニット、前記画像形成機構部を駆動する駆動モータ、及び、前記電源画像形成機構部を制御する制御基板は、前記回動支軸の下方に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合装置。
【請求項4】
前記回動支軸は、前記筐体部の上部に設けられたステーに設けられており、
前記筐体部の後部に設けられて左右方向に延びる回動支軸によって、前記筐体部の前記開口を閉塞する位置と、前記筐体部の前記開口を開放する位置と、の間を回動可能なカバーをさらに備えている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の複合装置。
【請求項5】
前記原稿読取装置は、
前記画像形成装置に対して回動可能に支持されており、前記原稿を読み取る原稿載置面を有する原稿読取部と、
前記原稿読取部上に設けられ、前記原稿載置面に載置された前記原稿を押さえる原稿押さえ部と、
を備えており、
前記原稿押さえ部は、前記原稿読取部の右端部又は左端部に設けられて前後方向に延びる回動支軸によって、前記原稿載置面を覆って前記原稿を押さえる位置と、前記原稿載置面を開放する位置と、の間で回動可能に支持されており、
前記原稿読取部の回動支軸と前記原稿押さえ部の回動支軸とは、それぞれ左右の反対側に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の複合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−136051(P2010−136051A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309365(P2008−309365)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】