説明

複合電極材料の製造方法

複合材料が、Lixy(PO4zを含む第一の相を含み、ここでMは少なくとも一つの金属であり、y及びzは独立に0であり、及びxは1以下である。該材料は、該第一の相の電気及び/又はリチウムイオンの伝導性よりも高い伝導性を有する第二の相を含む。該材料は、リチウム、鉄、ホスフェートイオン及び触媒を含む出発混合物を、還元雰囲気下で加熱することにより調製される。同様に開示されたものは、該材料を取り込んだ電極及びカソードとしてこれら電極を使用した電池である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関係する出願)
この出願は、発明の名称を“複合電極材料の製造方法”とする、2004年11月2日に出願された、米国仮特許出願第60/624,212号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般的に材料の合成方法に関する。より詳細には、本発明は、金属ホスフェート相を含む、複合材料の合成方法に関する。より詳細には、本発明は、伝導性を促進する第二の相を共に有する、リチウム化した金属ホスフェート相を含む、複合材料の合成法法、加えて該材料から製造される電極に関する。
【0003】
(発明の背景)
種々のドープされた及び変更されたバージョンを含む、リチウム化された遷移金属ホスフェート、例えばLiFePO4は、リチウム電池に対するカソード材料としての有用性が増してきたことが伺える。該材料は、とりわけ、米国特許6,730,281;6,855,273;及び6,514,640;加えて公開された米国出願2004/0086445において開示される。該材料は、リチウムイオンに関する非常に良好な容量を有する;及びこれらが良好なイオン伝導性を適度に有する一方で、これらは比較的低い電子伝導性を有し、及びこの要素はこれらの能力及び有用性を限定する。従って、これらの電気及び/又はイオン伝導性を促進するため、ドープ、変更又は他の材料の補足をする種々の試みが着手されている。
以下に説明されるように、本発明は、良好な電気伝導性と高いリチウムイオン容量及び伝導性を兼ね備えた、リチウム化された金属ホスフェートに基づいた複合材料を提供する。本発明の材料は、簡単かつ経済的に合成され、及びリチウム電池に対するカソードとして非常に良好な有用性を有する。
【0004】
(本発明の簡単な説明)
本明細書で開示されるのは、少なくともリチウム、鉄、ホスフェートイオン、並びに電子及び/又はリチウムイオンの該材料中での輸送を促進する1以上の相の形成を促進する触媒を含んだ出発混合物を用いて開始する方法による、複合材料の合成方法である。該出発混合物は還元雰囲気下で加熱され、以下を含む複合材料を生成する:Lixy(PO4zを含む第一の相、ここでMは金属であり、xは1以下であり、y及びzは独立に0より大きい;及び該第一の相よりもより大きい電子及び/又はリチウムイオン伝導性を有する第二の相。特定の態様において、該触媒はホスフェートイオンの還元を促進する。他の例において、該触媒は、炭素含有種の還元を促進して、遊離炭素を発生させる。さらなる他の例において、該触媒は、該第二の相の分配、構造(相)及び形態学を管理できる。いくつかの例において、該第二の相は少なくとも一つの金属M及びリンを含む;及びいくつかの特定の態様において該第二の相はさらに酸素を含み、ここで酸素とリンの原子比率は4:1より少ない。
【0005】
特別の態様において、該少なくとも一つの金属Mは鉄を含み、及び該第二の相は、Fe227;FeP;Fe2P;Fe3P;及びこれらの混合物から成る群から選択されるものを含む。該第二の相は、本明細書で以下に述べるように、炭素も含むことができる。特別な例において、該第一の相は複合材料の80−95モルパーセントを構成し、及び該第二の相は該材料の5−20モルパーセントを構成する。特別な例において、該触媒はバナジウムを含み、これはバナジウムの酸化物の形態におけるものであっても良い。
還元環境下における該混合物の加熱の工程は、還元剤、例えば水素、一酸化炭素、炭化水素又はアンモニアを含むガス状の環境下において、該混合物を加熱することを含むことができる。いくつかの例において、該混合物は、還元雰囲気下で加熱される前に、ボールミルにより粉砕される。
同様に本明細書で開示されるものは、本発明の方法により製造された材料、加えてその材料を取り込んだ電極、及びこれら電極を取り込んだ電池である。
【0006】
(発明の詳細な説明)
リチウム化した金属ホスフェート材料の先行技術の合成方法は、典型的には上昇した温度で行われる、先駆体材料の化学反応による。本発明をふまえて、リチウム化した金属ホスフェート化合物は、還元条件下で先駆体材料を反応させることにより調製され、本発明は、金属成分を還元しない方法に関しても利用できるが、典型的には、それらの金属成分が、より高い酸化状態からより低い酸化状態に還元される。いかなる例においても、本発明者らは、このように製造した材料が、先行技術の材料と比較して、リチウム電池に対するカソード材料として顕著に向上した性能特性を有する事を見出した。
調査の結果、発明者らは、還元工程を含む合成方法が、2−相の材料を生成することを見出した。この材料は、電子顕微鏡及びEDXを介して解析され、このように製造した材料が、リチウム化した金属ホスフェートを含む第一の相、及び該第一の相よりも高い電子伝導性、特別な例においてイオン伝導性を有する第二の相を含む事が見出された。いくつかの例において、該第二の相は、少なくとも金属及びリンを含む還元された種であり、及びリン酸より少ないレベルの酸素を含んでも良い。
【0007】
特別な材料において、該第一の相は、一般式Lixy(PO4zのものであり、ここでMは少なくとも一つの金属、例えば鉄であり、xは1以下であり、並びにy及びzは独立に0より大きい;該第二の相は金属ホスフェートの還元された形態である。例えば、該金属が鉄である場合、該第二の相はFe227;FeP;Fe2P及びFe3Pの1以上を含む。該第二の相の電子伝導性は、該第一の相の電子伝導性よりもより高い。該第二の相におけるリチウムイオンの輸送も、該第一の相におけるリチウムイオンの輸送よりも一般的により高い。該第一の相のリチウムイオン容量は、該第二の相の容量よりも一般的には顕著により高く、及びいくつかの例においては、該第二の相はいかなるリチウムイオン容量も有しない。推測に拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、リチウムイオン電池におけるカソード材料としての本発明の材料の使用において、該第二の相が、該第一の相の粒子の間及び/又は種々の粒子及び電池の電解質の間の電気の輸送及び/又はイオンの輸送を提供するのに対して、該第一の相の粒子はリチウムイオンの容量、従って電荷の貯蔵容量を提供すると考える;及びこの様式において、該材料は向上したカソード性能を提供する。
【0008】
該第二の相の少なくとも一部は、該第一の相の粒子から分離した粒子として存在して良く、特別の例において、該第二の相の少なくとも一部はフィラメントを含む。他の例において、該第二の相の少なくとも一部は、該第一の相の粒子上の被覆として存在できる。該第二の相のいくらかの部分は、該第一の相の粒子中に分散された粒子を含むこともできる。該第二の相は、前述の形態学の混合物を含むことができることも意図される。
本発明のさらなる側面をふまえて、本発明者らは、比較的少ない量の触媒を含むことが、おそらくは第二の相の適切な量、相の形態又は分配の形成に有利に働くことにより、結果得られるカソード材料の性能を高めることを見出した。使用しても良い触媒はバナジウムであり、典型的にはバナジウムの酸化物の形態において、出発混合物中に含まれる。該触媒は、該触媒がない場合に調製された比較の材料と比較して、該材料におけるリチウムイオンの輸送を促進することも見出された。
【0009】
該触媒は、ホスフェート成分を直接的に還元し、該第二相を形成することができる;又は該触媒は、他の種、例えば炭素、金属等を還元し、次いでこの種は結果得られたカソード材料の性能を、直接的に又は該第二の相の形成を促進することにより高めることができる。例えば、炭素は反応混合物中に存在する有機分子の還元により発生しても良く、及びこの炭素は、直接の伝導性賦活薬として及び/又は該第二の相の形成を促進する他の触媒として作用できる。同様に、該触媒は、該第二の相の成長を促進する核剤として機能しても良い。従って、該第二の相の形成の促進における該触媒の役割は、幅広く解釈されるべきである。
本発明のさらに他の側面をふまえて、本発明の方法は、炭素を含む材料の調製を提供し、ここで該複合材料における該炭素の電子状態、形態学及び/又は性質は最適化され、高められた電子の輸送特性及びイオンの輸送特性を有するカソード材料を提供する。炭素は、出発混合物中に、遊離の炭素の形態において、又は該方法の人工物として特に添加されるか又は誘導される炭素含有種として存在しても良い。炭素は、良好な電気伝導性を有することが知られる;比較的少量の炭素の存在でさえ、本発明の実施において使用されるタイプの材料の電気伝導性を促進できる。sp2に調整された炭素の電子特性は、本発明の材料に関してはsp3に調整された炭素の電子特性よりもよりよいことが見出された。推測に拘束されることを望むものではないが、出願人は、本発明の方法の使用は、先行技術における他の方法と比較して、sp2炭素の増加した濃度を有する材料を提供することを主張する。例えば、触媒及び/又は還元工程の存在は、好ましいsp2炭素の量を増加させる。結果として、より高い電気伝導性が達成される。
【0010】
該炭素の形態学及び/又は分配が、本発明の方法を介して最適化される事も提案される。炭素、及び特にsp2炭素が、良好な電気伝導性を有する一方で、本発明の材料がリチウムイオン電池において利用される場合、該炭素はリチウムイオンの輸送において、積極的に参加しない。本発明において、sp2炭素の高い電気伝導性は、より少ない量の炭素の使用を可能として、その結果該材料の特定の容量の向上に利用できる。加えて、本発明の方法は、該炭素の粒子径、形状及び/又は分配を最適化して、イオン輸送のいかなる阻害も最小化する一方で、その電気的な効果を最大限にする。反応先駆体の密に混合された混合物からの炭素原子のその場所での発生は、イオン的に活性な材料の粒子上、又はその粒子の間における該第二の相の非常に小さい粒子及び/又は薄い膜の分配を容易にする。これらの炭素の小さい寸法の物体は、イオン的に活性な粒子の間のイオン輸送に対するいかなる障害も最小限とする一方で、それらの間の良好な電気的な接触を構築する。
従って、本発明のこの粒子の側面をふまえて、触媒、製粉及び混合、及び還元条件下での反応の、1以上の組み込みを含む本発明の工程は、本発明の該材料において含まれても良い炭素の、電子的及び物理的特性を最適化する役目を果たす。この様式において、本発明の材料の電気伝導性並びにイオンの貯蔵及び輸送の特性の両方が、電気化学的な材料、及び特にリチウム電池用のカソード材料としてのそれらの用途に関して最適化される。
【0011】
本発明の態様の1の群において、該第一の相が該複合材料の約80−95モルパーセントを構成し、及び該第二の相が該複合材料の5−20モルパーセントを構成する。材料の特別な群において、該第一の相は該材料の85−90モルパーセントを構成し、及び該第二の相は該材料の10−15モルパーセントを構成する。結果得られる複合材料における触媒材料の典型的な濃度は、一般的にかなり低く、典型的には材料合計の0.1−5原子百分率の範囲に入る。EDX解析は、バナジウム又は他の残存する触媒の濃度が、該第二の相において少々高いことを示唆し、これは該触媒材料が該第二の相の形成を促進することを示唆する。該触媒が、該第二の相の成長のための核生成の点として作用し得ることも可能である。これは、還元剤としてのいかなる活性に加え、又はこれに代えることができる。
本発明の材料の合成のための典型的な方法において、リチウム、1以上の金属、例えば鉄、ホスフェートイオンの供給源、及び触媒を含んだ出発混合物が調製される。この混合物は、例えばボールミル、磨砕機、すり鉢等において粉砕することにより典型的にブレンドされ、及びこの結果得られた混合物は、還元環境下で加熱される。いくつかの例において、粉砕方法は、例えば溶媒から又は粉砕が行われる容器から、有機化合物を該反応混合物中に導入できる。この供給源に由来する炭素は、本発明の材料の形成において有益な効果を有し得る。典型的な還元環境は、水素、アンモニア、炭化水素及び一酸化炭素の1以上を含むガス状の雰囲気を含んでも良く;及び一般的には、等しい結果が各ガスを利用して得られ、その結果いかなる窒素含有相の形成も、本発明の材料の性能に対して必要ではない事を示唆する。他の例において、該還元環境は、混合物中における固形物又は液体の還元剤を含むことにより作り出されても良い。
【0012】
合成の1の群において、リチウムの供給源は、リチウム塩、例えばリチウムカーボネートである。鉄及びホスフェートイオンは、材料、例えば、続いて第一鉄化合物まで還元されるリン酸第二鉄を利用することにより両方を供給しても良い。上記のように、バナジウムは、一つの好ましい触媒材料であり、V25の形態において利用しても良い。上記のように、炭素、特に還元的な合成の間に発生した炭素は、本発明の材料の形成において有利な効果を有し得る。従って、少量の有機材料が、反応混合物に対して、直接的にか又は調製方法の人工物として添加されても良い。この反応混合物は、環境圧で、上記のような還元雰囲気下で、1.5−2.0時間の間約550−600℃の温度まで加熱される。還元に続いて、該材料は、典型的には不活性雰囲気下で室温まで冷却される。このようにして製造した材料は、リチウム電池用のカソード中に取り込まれた場合、優れた性能特性を実証する。
【0013】
一の特定の手順において、第一の材料を以下を含む出発混合物から調製した:Li2CO3が0.02M(1.4780g)及びFePO4xH2Oが0.04M(31.9%のFe含量を有する7.0031g)。第二の材料を、以下を含む混合物から調製した:Li2CO3が0.02M(1.4780g);FePO4xH2Oが0.95x0.04M(31.9%のFe含量を有する6.6530g)及びV25が0.05x0.02M(0.1819g)。該混合物を、それぞれ2mm及び5mmのYSZボールを用いてアセトン中で96時間ボールミルで粉砕した。該アセトンスラリーを瓶から出し、空気中で乾燥した。次いで、該粉末をすり鉢及び乳棒を用いてすりつぶし、還元反応にプログラムされた温度のための石英ボートに移した。
【0014】
該反応において、該混合物を水素雰囲気下で、1.26/minの流速で、以下のスケジュールに従って加熱した:RT→350℃、2時間;350℃→350℃、2時間;350℃→600℃、3時間;600℃→600℃、1.5時間。その後、該試料を100℃まで冷却し、O2/He雰囲気下で不動態化した。
バナジウムを含まない試料において、粒子の大きさは50nmから数μmの範囲にあり、該ミクロンサイズの粒子は、ナノメーターサイズの特徴を有した。200nmサイズの2つの粒子のEDX解析は、29.4:28:42.6及び25.8:28.5:45.7の比率のFe:P:Oの原子百分率を示し、ホスフェート及び部分的に還元されたホスフェートの存在を示した。ミクロンサイズのウィスカー構造のEDX解析は、49.1:48.9:2.0の比率のFe:P:Oに関する原子百分率を示し、FePの存在を示した。ミクロンサイズのウィスカーにおける1つのスポットのEDXは、11.6の原子百分率を有したNaのピークを示した。異なるスポットの全ての他のEDXは、1.6〜49.5のOの原子百分率を有した、約1のFe:P比率を示し、ホスフェート、部分的に還元されたホスフェート及びFePの存在を示したが、Fe2P又はFe3Pの表示は存在しなかった。
【0015】
V含有材料の同様の解析は、該ミクロンサイズの粒子において、ナノメーターサイズの特徴を有する50nmから数μmの範囲の粒子サイズを示した。150nmの一つの粒子のEDXは、2.68:25.1:47.2:1.0の比率のFe:P:O:V原子百分率を示し、ホスフェート及び部分的に還元されたホスフェートの存在を示した。30nmの粒子のEDXは、59.4:33.9:3.9:2.9の比率のFe:P:O:V原子百分率を示し、Vの存在を伴うFe2Pの形成を示した。150nmロングウィスカーのEDXは、68.8:30.5:0.6:0.1の比率のFe:P:O:V原子百分率を示し、Vの存在を伴わないFe2P及びFe3Pの形成を示した。3つの異なるサイズのウィスカーのEDXは、Fe2Pの存在を示した。円形の粒子のEDXは、バルクにおける及び端でのホスフェートの形成において、全く違いを示さなかった。LiFePO4の偏向パターンは、橄欖石結晶構造を示す。
【0016】
前記は、第一に鉄含有材料に向けられる;しかしながら、他の金属に基づいた複合材料が、同様に本発明の原理をふまえて製造することができることが理解されなければならない。また、本発明の材料は、リチウム電池のためのカソード材料としてのその用途にまず言及して記載された。この材料が、その良好な電子及びイオン特性のために、他の電気化学的な適用、例えば化学反応器、他の電池システム、電子機器等においても有用性を有することが、理解されなければならない。さらに、本発明の材料は、電子触媒及び非電子触媒の両方としての種々の触媒的な適用において有用性を有するであろう。従って、前の記述及び論議は本発明の特定の態様の実例となるが、本発明の実施における制限を意味するものではないことが理解されなければならない。本発明の範囲を定義するのは、全ての均等物を含む添付の特許請求の範囲である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、複合材料の合成方法:
リチウム、少なくとも一つの金属M、ホスフェートイオン、及び電子及び/又はリチウムイオンの輸送を促進する相の形成を促進する触媒を含む出発混合物を準備する工程;
還元環境下で前記混合物を加熱し、以下を含む複合材料を生成する工程:Lixy(PO4zを含む第一の相、ここでMは前記少なくとも一つの金属であり、y及びzは独立に0より大きく、及びxは1以下である;及び該第一の相よりも大きな電子及び/又はリチウムイオンの輸送を有する第二の相。
【請求項2】
xが0より大きい、請求項1の方法。
【請求項3】
前記触媒が、該ホスフェートイオンの還元を促進する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第二の相がM及びリンを含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前記第二の相が、さらに酸素を含み、及び酸素とリンの原子比率が4:1より少ない、請求項4の方法。
【請求項6】
前記少なくとも一つの金属Mが鉄を含む、請求項1の方法。
【請求項7】
前記第二の相が、Fe227;FeP;Fe2P;Fe3P及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含む、請求項6の方法。
【請求項8】
前記第一の相が、前記複合材料の80−95モルパーセントを構成し、及び前記第二の相が前記複合材料の5−20モルパーセントを構成する、請求項1の方法。
【請求項9】
前記触媒がバナジウムを含む、請求項1の方法。
【請求項10】
前記バナジウムが、V25の形態において出発混合物中に導入される、請求項9の方法。
【請求項11】
前記触媒が、炭素含有種の還元を促進して、遊離の炭素を発生する、請求項1の方法。
【請求項12】
前記炭素が、少なくとも部分的にsp2結合され、及び前記触媒の存在下において発生したsp3結合した炭素に対するsp2結合した炭素の比率が、前記触媒がない場合よりも大きい、請求項11の方法。
【請求項13】
前記還元環境が、水素、一酸化炭素及びアンモニアの1以上を含むガス状の環境を含む、請求項1の方法。
【請求項14】
前記出発混合物における鉄が、Fe+3イオンの形態にある、請求項6の方法。
【請求項15】
還元環境下において前記混合物を加熱する前に、前記混合物を粉砕する工程をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項16】
前記混合物を粉砕する工程が、ボールミル中で前記混合物を粉砕することを含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記混合物を加熱する工程が、300−600℃の範囲における温度まで前記混合物を加熱することを含む、請求項1の方法。
【請求項18】
該触媒が、該第二の相の成長を促進する核剤である、請求項1の方法。
【請求項19】
前記出発混合物が、炭素の供給源を含む、請求項1の方法。
【請求項20】
前記炭素の供給源が、有機化合物である、請求項19の方法。
【請求項21】
該複合材料におけるリチウムイオンの輸送が、前記触媒のない場合の同じ方法において調製された同じ材料におけるリチウムイオンの輸送よりも大きい、請求項1の方法。
【請求項22】
該第二の相におけるリチウムイオンの輸送が、前記触媒のない場合における同じ方法により調製された同じ材料の第二の相におけるリチウムイオンの輸送よりも大きい、請求項1の方法。
【請求項23】
前記触媒が炭素である、請求項1の方法。
【請求項24】
請求項1に従って製造された複合材料。
【請求項25】
請求項24の複合材料を含む電極。

【公表番号】特表2008−518880(P2008−518880A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540397(P2007−540397)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/039625
【国際公開番号】WO2006/050422
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(500539848)ティ/ジェイ テクノロジーズ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】