説明

複数のプローブを備える分光システム

本発明は、複数の様々な関心体積(110、112)において位置される生物学的構造体又は物体(114、116)の非侵襲性スペクトル分析のための分光システムをもたらす。本発明の分光システムは、分光分析手段(102)及び分光光源(104)をもたらす基地局(100)に接続される多数の様々なプローブヘッド(106、108)を使用する。結合ユニット(132)を更にもたらすことによって、本発明は分光分析を、様々な異なる位置、例えば病院の様々な部屋において利用可能にする分光分析環境を実現することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的構造体(biological structure)の特性を分析するための分光システム(spectroscopic system)の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
分析目的のための光学的分光技術の使用態様は従来技術から知られている。例えば、国際特許出願第WO 02/057758 A1号公報及び国際特許出願第WO 02/057759 A1号公報は、人の毛細血管(capillary vessel)を通じて流れる体液(液体)の成分(組成)の生体内非侵襲性分光分析(in vivo non-invasive spectroscopic analysis)のための分光分析装置を開示している。好ましくは近赤外領域(near infrared (NIR) range)における光ビームが、人の皮膚の表面の下の毛細血管において集束(フォーカス(focus))される。近赤外放射(near infrared radiation)と毛細血管の内側に位置される物体(物質)との間の相互作用(interaction)は主に、弾性及び非弾性散乱プロセス(elastic and inelastic scattering process)によって制御される。通常、ラマン散乱(Raman scattering)のような非弾性散乱プロセスによる非弾性散乱放射(inelastic scattered radiation)は、スペクトル分析(spectral analysis)によって測定され得る周波数シフトを受けやすい。従って、散乱放射のスペクトラムは、それ故に物体、例えば人の毛細血管において位置される血液の様々な特性を示す。非弾性散乱放射のスペクトル分析によって、物体の分子成分が正確に決定され得る。
【0003】
分光信号に対して十分な信号対雑音比(signal to noise ratio)を得るために、励起光ビームが、専用の関心体積(dedicated volume of interest)に正確に集束されることは重要になる。それ故に、分光システムは通常、励起ビーム(excitation beam)が集束されなければならない専用の生物学的構造体を選択すると共に追跡(トラック(track))するために関心領域(area of interest)を光学的に検査することを可能にするある種の画像システム(imaging system)を備えている。よって、分光システムは、少なくとも三つの主要コンポーネント(部品)、すなわち画像システム、好ましくはNIR領域における励起放射(excitation radiation)を発生させるための光源、及び分光分析デバイスを有している。特に、信頼性が高いと共に正確な測定結果をもたらすために、分光分析デバイス及び光源は厳格な要求仕様を満たさなければならない。今日利用可能である好適なデバイスは、より高価であると共に明らかにこのような分光システムの購入の費用を高い領域にもたらす。
【0004】
分光分析システムの機能を、フレキシブルプローブヘッド(flexible probe head)及び基地局のような二つのコンポーネントに分割することも従来技術において知られている。好ましくは、プローブヘッドは、励起放射を関心体積に向けさせるため、且つ分光データをもたらす各反射放射(return radiation)を集めるため、小さな、コンパクト(小型)且つフレキシブル(柔軟)なデバイスとして設計される。プローブヘッドは、分光分析ユニット及び光源をもたらす基地局に接続される。プローブヘッドと基地局とは、プローブヘッドと基地局との間に光信号の双方向伝送をもたらすファイバ光伝送(ファイバオプティカルトランスミッション(fiber optical transmission))手段によって接続される。光源及びより広い分光分析ユニットが基地局によってもたらされるため、プローブヘッドはコンパクト且つフレキシブルな態様で設計され得る。これにより、通常試験(検査)するのが困難になる体の任意領域にアクセスするためにフレキシブルなハンドリング(操作)が可能になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、分光分析ユニット及び光源をより高い効率で使用する分光システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムを提供する。分光システムは、少なくとも第一及び第二のプローブヘッドと基地局とを有する。基地局は光源及び分光分析ユニットを有する。好ましくは、光源は、近赤外線レーザ(near infrared laser)として実現され、分光分析ユニットは、高感度低雑音冷却CCDカメラ(highly sensitive noise reducing cooled CCD camera)及び格子(グレーチング(grating))のような分散要素(dispersive element)に基づいている。少なくとも第一及び第二のプローブヘッドは、少なくとも一つの第一及び第二の励起放射を少なくとも第一及び第二の関心体積に向けさせるため、且つ少なくとも一つの各第一及び第二の反射放射を集めるために基地局に結合される。
【0007】
それ故に本発明は、複数のプローブヘッドの間で、分光分析ユニット、レーザ光源、及び分光分析システムの比較的高価なコンポーネントの機能を共有するために有効な手段を提供する。従って、本発明は、分光分析システムのより経済的なコンポーネントを最も効果的に使用するための汎用的且つモジュール的概念を提供する。
【0008】
少なくとも第一及び第二のプローブヘッドのうちの各々の一つは、励起放射を各関心体積に集束させると共に分光分析のために適切な反射放射を集める。複数のプローブヘッドが互いに関係付けられることはない。当該プローブヘッドは別々(個別)に利用され得ると共に、分光分析の汎用的な適用を考慮し得る。通常、プローブヘッドは、フレキシブルファイバ光コンポーネントによって基地局に接続される。例えば様々なプローブヘッドは人の体の異なる部分に付けされることが可能であり、それによって、各体の異なる領域において位置される物体の効率的な分光検査が可能になる。
【0009】
本発明の分光システムが、例えば血液のような人体における物体の生体内分析に限定されることはない。更に当該システムは例えば血液サンプルの試験管内分析(in vitro analysis)を含む様々な分析及び測定シナリオに全般的に適用可能である。
【0010】
更に、様々なプローブヘッドの利用が、一人の人に限定されることはない。異なるプローブヘッドが、異なる部屋においてさえ位置されている異なる人に適用されなければならない分光分析のために使用され得る様々なシナリオは考えられる。更に、プローブヘッドは完全に別々な態様で動作させられ得る。当該プローブヘッドは、様々な関心体積における異なる物体の異なる特性を決定するために使用され得る。また、専用の用途に依存して、少なくとも第一及び第二の励起放射の周波数及び輝度が別々に修正されてもよい。たとえ本発明の分光システムが、専ら医療診断の枠組み(フレームワーク)における用途に向けられていても、当該システムは、複数のプローブヘッド及び基地局のモジュールの部品を見込むいかなる他の分光分析システムにも適用され得る。
【0011】
更に、本発明によれば、関心体積は人又は動物の体の体積を特定するのみでなくてもよい。概して、関心体積は、各分光分析に適したいかなる種類の材料、物体、又は物質を指す。従って、本発明の分光システムは、生物学的構造体及び生物学的組織(構成体)の枠組み内の分光分析の用途に限定されるものではない。例えば本発明の分光システムは、爆薬又は薬物の検出及び分析並びに血液サンプルの試験管内分析に対して適用されてもよい。
【0012】
本発明の更なる好ましい実施例によれば、分光システムは、少なくとも一つの第一の関心領域の第一の画像及び第二の関心領域の第二の画像をもたらす画像ユニットを更に有する。画像ユニットは、比較的高い励起放射の、対応する関心体積への適用に先行して関心領域の視覚画像(ビジュアルイメージ)を効果的に得ることが可能である。関心領域の視覚検査(visual inspection)は、例えば分光分析に対して特定の関心がある血管のような特定の生物学的構造体を効果的に割り当てると共に追跡することが可能である。ある種のアライメント(位置合わせ)又はポジショニング(位置決め)手段と共に画像ユニットを使用することにより、特定の生物学的構造体が取り込まれる(抽出される)ことは可能になると共に、光アライメント手段及び/又は様々なポジショニング手段を使用することによって励起放射が生物学的構造体に効果的に集束されることは可能になる。
【0013】
画像システムは基本的に、直交偏光スペクトル画像(Orthogonal Polarized Spectral Imaging (OPSI)), 共焦点ビデオ顕微鏡(Confocal Video Microscopy (CVM)), 光コヒーレントトモグラフィ(光コヒーレント断層撮影装置)(Optical Coherence Tomography (OCT), 共焦点レーザ走査顕微鏡(Confocal Laser Scanning Microscopy (CLSM), ドップラによる画像(Doppler based imaging)、超音波による画像(ultrasound based imaging)、及びレーザスペックル画像(laser speckle imaging)のような様々な異なる技術に基づいている。画像ユニットは基本的に、複数の異なる方法で実現され得る。画像ユニットは例えば、別個のデバイスとして、基地局のコンポーネントとして実現され得るか、又は少なくとも第一及び第二のプローブヘッドの各々の一つに組み込まれ得る。
【0014】
好ましくは、プローブヘッドは、分光分析ユニットと画像ユニットとの両方のための共通(万能)光コンポーネントとしての役割を果たす。通常、プローブヘッドは、励起放射の集束のため、反射放射の収集のため、及び画像ユニットによって処理されるべき関心領域の視覚情報を集めるための対物レンズ(objective lens)を有する。様々な光信号、分光信号及び画像信号の分離は、分光分析及び画像化に対して異なる波長を使用することによって、且つ波長選択透過及び反射特性を特徴付けるダイクロイックミラー(dichroic mirror)要素を実現することによって効果的に実現され得る。
【0015】
本発明の更なる好ましい実施例によれば、分光システムは、基地局と少なくとも第一及び第二のプローブヘッドの何れかとの間の結合部をもたらす結合ユニットを更に有する。結合ユニットは、一種の光マルチプレクサ(multiplexer)、ルータ(router)、又はスイッチとしての役割を果たす。好ましくは、マルチプレクサは、ある種のファイバ光伝送媒体によって少なくとも第一及び第二のプローブヘッドの全てに接続され、少なくとも一つの光伝送媒体を使用することによって基地局に更に接続される。
【0016】
結合ユニットの使用は、異なる適用シナリオの完全な多様性及び実に様々な可能な実現態様をもたらす。これにより、分光分析は、異なる位置に対して汎用的に利用可能になり、異なる人又は体の異なる領域を同時に分析することが可能になる。例えば、本発明の分光システムは、専用の検査室において基地局を設置すると共に基地局に接続される結合デバイスを備える全ての他の部屋をもたらすことによって病院において実現され得る。フレキシブルプローブヘッドとそれの対応するファイバ光伝送媒体とをプラグ差し込み可能なデバイスとして実現すると、分光分析は、プローブヘッドを適切な結合ユニットに差し込むことによって病院のほとんど全ての部屋において効果的に実行され得る。従って、結合ユニットは、特に分光及び画像光信号の伝送のためのファイバ光ネットワークの実現を可能にする。
【0017】
本発明の更なる好ましい実施例によれば、結合ユニットは、基地局の光源によって生成される放射を少なくとも第一及び第二の励起放射に分割する。更に、結合ユニットは、少なくとも第一及び第二の励起放射を少なくとも第一及び第二のプローブヘッドに更に結合する。このように、結合ユニットは、基地局の近赤外レーザによって生成される放射の、様々なプローブヘッドに結合される複数の光ビームへの効果的な分割をもたらす。よって、基地局から結合デバイスへの光の伝送のために、たった一つの光ファイバだけが必要とされる。
【0018】
受信放射の分割は、例えばビームスプリッタ(ビーム分配器(beam splitter))、専用のフィルタ、又は他の屈折(refractive)若しくは回折(diffractive)光コンポーネントによって実現され得る。様々なプローブヘッドの特定用途に依存して、基地局の光源から受信される放射は、同じ輝度又は異なる輝度のコンポーネントに分割され得る。それからこれらのコンポーネントは、結合ユニットに接続される様々なプローブヘッドに光伝送をもたらす様々な光ファイバ伝送媒体に結合される。
【0019】
本発明の更なる好ましい実施例によれば、結合ユニットは、少なくとも第一及び第二のプローブヘッドによって収集される少なくとも第一及び第二の反射放射を、基地局に接続される少なくとも第一及び第二のファイバ伝送媒体に更に結合する。この実施例において、少なくとも第一及び第二のファイバ伝送媒体は、結合ユニットから基地局、特に基地局の分光分析ユニットに反射放射の一方向の伝搬をもたらす。従って、基地局から結合ユニットへの励起放射の伝送は、一つの光ファイバによって実現され得るが、様々なプローブヘッドの収集された反射放射の伝送は、結合ユニット又は代わりに直接基地局に別個にもたらされなければならない。
【0020】
本発明の更なる好ましい実施例によれば、分光システムは、少なくとも第一及び第二の励起放射の、少なくとも第一及び第二のプローブヘッドへの結合を制御すると共に、少なくとも第一及び第二の反射放射の、基地局への結合を制御する制御モジュールを有する。従って、制御モジュールは、基地局、結合ユニット、及び様々なプローブヘッドの間の相互作用を制御する。制御モジュールによって、分光システムのユーザは、特定のプローブヘッド又は各関心体積に位置される物体の分光分析を選択すると共に活性化してもよい。制御モジュールによって、必要とされる励起放射は、選択されたプローブヘッドに結合され、対応する反射放射は基地局の分光分析ユニットに伝えられる。
【0021】
更に、制御モジュールは画像ユニットも制御する。特に、画像ユニットが、基地局において、又は別個のデバイスとして実現されるとき、制御モジュールは、画像ユニットのディスプレイによって第一の関心領域の画像をもたらし、第一のプローブヘッドを使用することによって第一の励起放射を第一の関心体積に集束させ、第一の反射放射を収集し、収集された反射放射を分光分析ユニットに伝えるために必要になる分光システムの全てのコンポーネントを適切に構成する。従って、制御モジュールは、収集された分光データと画像信号との間に正確なマッピングをもたらす。
【0022】
他の態様において、本発明は、少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムの結合ユニットをもたらす。分光システムは、基地局を有すると共に少なくとも第一及び第二のプローブヘッドを有する。本発明の結合ユニットは、基地局と分光システムの少なくとも第一及び第二のプローブヘッドとの間の結合部をもたらすための結合手段を有する。結合ユニットは、基地局への光結合のための少なくとも一つの第一の光結合要素を有し、少なくとも第一及び第二のプローブヘッドへの光結合のための少なくとも一つの第二及び第三の結合要素を更に有する。
【0023】
結合ユニットの結合手段は、基地局から受信される励起放射を少なくとも第一及び第二のプローブヘッドの一つ又は二つの何れかに結合する。それによって、光結合要素は、光ビーム又は放射の結合のための効果的な手段をファイバ伝送媒体にもたらす。従って、第一の結合要素は、基地局の光源によって生成される放射の効率的な結合を結合ユニットにもたらし、第二及び第三の結合要素は、少なくとも第一及び第二のプローブヘッドに接続される光ファイバへの光の結合のためにもたらされる。好ましくは、光結合要素は、結合ユニットへの異なるプローブヘッドの容易且つ効果的に再構成可能な差込み(プラギング)を可能にするプラグ差し込み可能な要素として実現される。
【0024】
本発明の更なる好ましい実施例によれば、結合手段は、少なくとも第一及び第二のプローブヘッドのうちの第一の方に、第一の励起放射として基地局から受信される放射を更に結合し、第一のプローブヘッドによって集められる第一の反射放射を基地局に更に結合する。ここで、結合は、第一のプローブヘッド及び基地局への光信号並びに第一のプローブヘッド及び基地局からの光信号の伝送をもたらす各ファイバ光伝送媒体への放射の結合のことを指す。この実施例において、結合ユニットは、ルータとしての役割を果たし、基地局と特定のプローブヘッドとの間の光信号の双方向伝送のためのものである。
【0025】
他の態様において、本発明は、少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムの基地局をもたらす。基地局は光源及び分光分析ユニット並びに基地局を少なくとも第一及び第二のプローブヘッドに結合するための手段を有する。少なくとも第一及び第二のプローブヘッドは、第一及び第二の励起放射を第一及び第二の関心体積に向けさせると共に、少なくとも一つの各第一及び第二の反射放射を集める。
【0026】
本発明の更なる好ましい実施例によれば、基地局の分光分析ユニットは更に、少なくとも第一及び第二の反射放射を同時にスペクトル分析する。第一及び第二の反射放射は、人の体の異なる部分において位置されてもよい第一及び第二の関心体積から収集される。代わりに、少なくとも第一及び第二の関心体積は、例えば病院の異なる部屋において位置される異なる人に属していてもよい。よって、様々な分光信号の同時分析は、離れた位置にさえあってもよい様々な生物学的構造体の同時且つ独立の分光検査をもたらす。この意味において、同時分析は、オーバラップする時間インタバル(間隔)内で実行される分析のことも指す。このように、第一の人の第一の関心体積は、第二の人の第二の関心体積における物体の進行中のスペクトル分析にかかわらずスペクトル分析され得る。従って、スペクトル分析は、複数の異なる態様で、すなわち同時若しくは後続モードにおいて、又は部分的にオーバラップする時間インタバル内においての何れかで実行され得る。このことは、システムの高い柔軟性(フレキシビリティ)を考慮すると共に広範囲の異なる適用シナリオをもたらす。
【0027】
更に他の態様において、本発明は、少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムのためのコンピュータプログラムを提供する。分光システムは基地局を有すると共に少なくとも一つの第一のプローブヘッド及び少なくとも一つの第二のプローブヘッドを有する。コンピュータプログラムは、少なくとも第一及び第二のプローブヘッドのうちの少なくとも第一のプローブヘッドを選択するためのプログラム手段と、励起放射を少なくとも第一及び第二のプローブヘッドに向けさせるためのプログラム手段と、少なくとも第一のプローブヘッドによって収集される各反射放射を分析するためのプログラム手段とを有する。
【0028】
好ましくは、コンピュータプログラムは基地局の制御モジュールによって実行される。代わりに、制御モジュールは基地局と、特に基地局の分光分析ユニット、結合ユニット及びプローブヘッドとの間の相互作用を制御するパーソナルコンピュータ又は同等の計算デバイスによって実現され得る。
【0029】
更に、コンピュータプログラムは画素ユニットの機能を制御する。このように、コンピュータプログラムは、本発明の分光システムの全体的な機能を制御するためのユーザフレンドリなプラットフォームをもたらす。従って、コンピュータプログラムは、特定のプローブヘッドの選択をもたらし、各反射放射を分光分析ユニットに伝えると共に、選択されたプローブヘッドに励起放射を伝えるために、適切な制御信号を結合ユニットに転送する役割を果たす。更にコンピュータプログラムによって、選択されたプローブヘッドによって収集される対応する視覚画像が、画像ユニットによって分光システムのユーザに表示される。
【0030】
本発明が、例えばラマン分光(Raman spectroscopy)として特定の種類の分光技術に限定されることはないが、他の光分光技術も使用され得ることは注意されるべきである。このことは、(i) コヒーレントアンチ(反)ストークスラマン分光(coherent anti-Stokes Raman spectroscopy (CARS))及びシミュレートされたラマン分光を含むラマン散乱(Raman scattering)に基づく他の方法, (ii) 赤外線分光(infra-red spectroscopy), 特に赤外吸収分光(infra-red absorption spectroscopy), フーリエ変換赤外分光(Fourier transform infra-red (FTIR) spectroscopy), 及び近赤外拡散反射分光(near infra-red (NIR) diffusive reflection spectroscopy), (iii)他の散乱分光技術, 特に蛍光分光(fluorescence spectroscopy), マルチフォトン蛍光分光(multi-photon fluorescence spectroscopy), 及び反射率分光(reflectance spectroscopy), (iv) 光音響分光(photo-acoustic spectroscopy), 偏光分析(polarimetry), 及び励起プローブ分光(pump-probe spectroscopy)のような他の分光技術を含む。本発明に対する適用のために好ましい分光技術はラマン分光及び蛍光分光である。
【0031】
更に、本願の請求項におけるいかなる参照符号も本発明の範囲を限定するものではないことが注意されるべきである。
【0032】
以下、本発明の好ましい実施例が、図面を参照することによって詳細に記載されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明の分光システムのブロック図を示す。分光システムは、第一のプローブヘッド106及び第二のプローブヘッド108に接続される基地局100を有する。基地局100自体は光源104及び分光分析システム102を有する。第一及び第二のプローブヘッド106及び108は、第一及び第二の励起放射120及び122を第一及び第二の関心体積110及び112に向けさせる。第一のプローブヘッド106は、第一の励起放射120を第一の関心体積110に集束させると共に関心体積110から発する各反射放射124を集める。
【0034】
同様に、第二のプローブヘッド108は、第二の励起放射122を第二の関心体積112に集束させる。更に、第二のプローブヘッド108は、第二の関心体積112から発する第二の各反射放射126を集める。概して、本発明の分光システムは、様々な関心体積110及び112に共通に適用され得る。好ましくは、本発明の分光システムは、内側に位置されるか、又は第一及び第二の関心体積110及び112において各々位置される一つの特定の生物学的構造体若しくは様々な特定の生物学的構造体を形成する一つの物体若しくは様々な物体をスペクトル分析するために使用される。
【0035】
好ましくは、本発明の分光システムと少なくとも第一及び第二のプローブヘッド106及び108とは、一人の人の体の様々な部分又は様々な人々の様々な部分に適用される。この場合、第一及び第二の関心体積110及び112は、特定の人又は様々な人々の皮膚114及び116の表面の下に位置される。特に理想的なことに、本発明の分光システムは、関心体積110又は112内に位置される例えば血管を通じて流れる人の血液の非侵襲性分析に適している。これにより、人の血液の成分の効果的且つ非侵襲的な分析が考慮される。例えば、血液酸素、グルコースの濃度、及び様々な他の血液パラメータが効果的に決定され得る。
【0036】
通常、第一及び第二のプローブヘッド106及び108はフレキシブルファイバ光伝送手段によって基地局に接続される。これらのファイバ伝送手段は、第一及び第二の励起放射を第一及び第二のプローブヘッド106及び108に各々伝送する役割を果たすと共に、収集された反射放射124及び126を基地局100の分光分析ユニット102に伝送する役割を果たす。基地局100の光源104は通常、NIRレーザ光源として実現される。分光分析ユニット102は好ましくは商用利用可能な分光器(スペクトロメータ(spectrometer))として実現される。当該ユニットは格子と冷却高精度CCDカメラ(cooled high precision CCD camera)との結合に基づいていてもよい。
【0037】
様々な関心体積110及び112の正確且つ信頼性が高いスペクトル分析を保証するためにレーザ光源104及び分光分析ユニット102は厳格な要求仕様を満たさなければならないため、適切な光源104及び分光分析ユニット102はより高価になる。
【0038】
それ故に複数のプローブヘッド106及び108の使用は、基地局100の経済的なコンポーネントの性能全体を効果的に利用することを可能にする。更に本発明は、血液化合物決定(blood compound determination)における位置依存効果(position dependent effect)を除外するために有用になり得る人の体の様々な部分の検査をもたらす。非侵襲性血液分析測定が行われる人体の部位(位置)の選択は、血液組成の測定及びそれ故に決定に主な影響を及ぼし得るので、これらの可能な効果を低減させるために人体の複数の部位を同時にモニタ(監視)することが必要になる。それ故に複数のプローブヘッド106及び108を使用することは、各々が別個の光源及び別個の分光分析ユニットを有する複数の完全な分光システムを使用することと同じ効果を有する。
【0039】
図2は、基地局100と第一及び第二のプローブヘッド106及び108との間の励起及び反射放射の結合をもたらす結合ユニット130を更に実現する分光システムのブロック図を示す。結合ユニット130は光ファイバ140を介して基地局100に接続されると共に光ファイバ142を介して第一のプローブヘッド106に別個に接続される。結合ユニット130は更に、光ファイバ144を介して第二のプローブヘッド108に接続される。
【0040】
全ての図示された光ファイバ140、142、及び144は、光信号、すなわち励起及び反射放射の双方向伝送をもたらす。記載の実施例において、結合ユニットは、対応する関心体積における物体の分光分析に対して一つの特定のプローブヘッドの選択を可能にする。例えば、第一のプローブヘッド106を選択することによって、光ファイバ140及び142は、プローブヘッド106と基地局100との間に反射放射122及び励起放射120の伝送をもたらす。光ファイバ140のみが単一の広帯域光信号の伝送を可能にするため、第一のプローブヘッド106が選択されている間、プローブヘッド106によって集められる反射放射124のみは分光分析ユニット102に効果的に伝送され得る。それ故に、プローブヘッド106が選択されている間、プローブヘッド108によって集められる第二の反射放射126のみは光ファイバ140を介して分光分析ユニット102に伝送され得ない。
【0041】
記載の実施例において、結合ユニット130は、分光分析ユニット102によってスペクトル分析され得る特定の反射放射を選択するためのスイッチとしての役割を果たす。
【0042】
概して、光源104が基地局100に実現される必要はない。代わりに、別個のユニットとして実現されてもよく、適用可能なとき、基本的にプローブヘッド106及び108にも組み込まれ得る。これにより、分光システムのずっとより大きな柔軟性が考慮される。
【0043】
図3は、結合ユニット132の好ましい実施例のブロック図を示す。図2において既述された記載と同様に、結合ユニット132は、光ファイバ142を介して第一のプローブヘッド106に接続され、更に光ファイバ144を介して第二のプローブヘッド108に接続される。図2に記載の実施例と異なり、結合ユニット132は複数の光ファイバ146、148、及び150を介して基地局100に接続される。光ファイバ146は、光源104によって生成される励起放射を結合ユニット132にもたらす。結合ユニット132はそれから、受信された励起放射を光ファイバ142、又は光ファイバ144の何れかに結合する。代わりに、結合ユニット132は、受信された励起放射を、ファイバ142及び144にそれぞれ同時に結合される第一及び第二の励起放射に分割してもよい。
【0044】
このように、光源104によって生成されると共に結合ユニット132に伝送される励起放射は、各プローブヘッドに別個に結合される励起ビーム又は複数の別個の励起放射に分割され得る。このように、様々な関心体積110及び112が同時にスペクトル分析され得る。
【0045】
第一及び第二の反射放射124及び126は別個にスペクトル分析されるため、結合ユニット132は、光ファイバ142を介して受信される第一の反射放射124を光ファイバ148に結合する役割を果たす。同様に、第二の反射放射126は光ファイバ150に結合され得る。従って、光ファイバ148及び150を介して分光分析ユニット102によって受信される分光信号は、第一及び第二の関心体積110及び112においてそれぞれ位置される物体の分子構成を示している。このように、様々な関心体積110及び112における異なる物体が、基地局100の分光分析ユニット102によって同時にスペクトル分析され得る。
【0046】
代わりに、光ファイバ146を介して受信される励起放射を分割すると共に、励起放射を伝送する役割のみを果たしてもよい光ファイバ142及び144に、分割されたコンポーネントを結合するために、制限された機能を備えるスプリッタ(分割器)として実現されてもよい。この場合、反射放射を伝送する光ファイバ148及び150は、プローブヘッド106及び108に更に直接接続されてもよい。このような実施例において、各々のプローブヘッド106及び108が光ファイバ148及び150を介して基地局100に直接かつ別個に接続されなければならないことを犠牲にして、光ファイバ142及び144は、励起放射を様々なプローブヘッド106及び108に伝送すればよい。
【0047】
図4は、画像ユニット162及び制御モジュール160を含む本発明の実施例のブロック図を示す。この特定の実施例において、画像ユニット162は、結合ユニット132及び基地局100に接続される別個のデバイスとして実現される。制御モジュール160は基地局100のモジュールとして実現される。画像ユニット162は、第一及び第二の関心領域の視覚画像をもたらすように働く。
【0048】
第一及び第二の関心領域は、関心体積よりもかなり大きくなる断面図を描写する。関心領域を映像化(視覚化)することにより、分光分析にかけられる特定の物体又は生物学的構造体を識別することが可能になる。識別された生物学的構造体はそれから、関心体積として実効的に規定される。必要とされる関心体積のオーバラップ、すなわち専用の生物学的構造体及び分光システムの分光検査体積は、ある種の適切な置換(変位)及び位置合わせ(アライメント)手段によって効果的に実現され得る。
【0049】
通常、関心領域の画像化は、基地局100の分光光源104と異なる波長領域で動作する別個の光源を使用する画像システムに基づいている。しかしながら、プローブヘッド106及び108は、それぞれ関心体積及び関心領域の視覚画像化と共に両方の分光分析をサポートする。制御モジュール160は、光源140と分光分析ユニット102と結合ユニット132と画像ユニット162との間の相互作用を制御する。制御モジュール160によって、特定のプローブヘッド106が分光システムのユーザによって効果的に選択され得る。プローブヘッド106のユーザ規定選択に応じて、制御モジュール160は、励起放射をプローブヘッド106に向けさせると共に各反射放射124を分光分析ユニット102に伝えるように結合ユニット132を制御する。更に、制御モジュール160は、関心体積110に対応する関心領域の視覚画像をもたらす画像ユニット162に、対応する制御信号をもたらす。従って、制御モジュール160は、本発明の分光システムの様々なコンポーネントの機能を調整する。
【0050】
代わりに、画像ユニット162は基地局100に実現され得る。他の代わりの実施例において、各々のプローブヘッド106及び108は、別個の画像ユニット162を備え得る。様々なプローブヘッド106及び108が、病院の異なる部屋内のように空間的に分離された環境において動作させられるとき、このことは特に有利になる。異なる関心体積110及び112を適切に割り当てると共に、異なる関心体積110及び112に対する分光分析の適用を別個に開始又は制御するために、複数のプローブヘッド106及び108の様々なオペレータ又はユーザはそれから、複数の画像ユニットによってもたらされる異なる関心領域の異なる視覚画像を別個に使用してもよい。
【0051】
図5は、図2において概略的に示されているような本発明の分光システムに組み込まれ得る結合ユニット130の実施例を示す。結合ユニット130は、光ファイバ140を介して基地局に結合され、更に光ファイバ142及び144を介して第一及び第二のプローブヘッド106及び108にそれぞれ結合される。全ての光ファイバ140、142、及び144は、プローブヘッド106及び108と基地局100との間に励起及び反射放射の双方向伝送をもたらす。この実施例において、結合ユニット130は、複数のプローブヘッド106及び108のうちの一つを選択する一種のスイッチとしての役割を果たす。それ故に、結合ユニット130は、限定された数の機能コンポーネントで実現され得る。この場合、光ファイバ140と142との間又は140と144との間の光信号の結合は、可動ミラー要素(部品)164によって効果的に実現され得る。好ましくは、可動ミラー要素164は、矢印によって示されているようにミラー164の水平の動きをもたらす変換ステージ(translation stage)上に取り付けられる。ミラー164が位置Iにもたらされているとき、光信号は光ファイバ140と142との間に効果的に結合される。これにより、光ファイバ142に接続される第一のプローブヘッド106の活性化及び選択が効果的にもたらされる。
【0052】
位置IIへの、可動ミラー164の移動は、光ファイバ140を介して受信される励起放射を光ファイバ144に結合することを効果的に可能にする。このように、光ファイバ144に接続されるプローブヘッド108は効果的に選択される。よって、プローブヘッド108によって集められる反射放射126は、基地局100の分光分析ユニット102への反射放射126の伝送をもたらす光ファイバ140に効果的に結合される。
【0053】
この実施例において、結合ユニットは、対応する関心体積110及び112の分光分析のために第一のプローブヘッド106又は第二のプローブヘッド108の何れかを選択する。
【0054】
図6は、可動ミラー164の代わりに、回転(可能)ミラー166を使用する結合ユニット130の代わりの実施例を示す。ここで、ミラー166を適切に回転させることによって、光信号は、光ファイバ140と光ファイバ142との間、又は光ファイバ140と光ファイバ144との間に結合され得る。
【0055】
図7は、図3及び図4において示されているような分光システムの実施例に実装され得る結合ユニット132の典型的な実施例を示す。結合ユニット132は光ファイバ146、148、及び150を介して基地局100に接続され、更に光ファイバ142を介して第一のプローブヘッド106に接続されると共に光ファイバ144を介して第二のプローブヘッド108に接続される。結合ユニット132は、複数のビームスプリッタ168及びダイクロイックミラー(dichroic mirror)170を有する。光ファイバ146を介して基地局100の光源104から受信される励起放射は、ビームスプリッタ168によって少なくとも二つの光ビームに分割される。ビームスプリッタ168の透過及び/又は反射特性に依存して、光ファイバ142及び144に結合される第一及び第二の励起放射の強度は任意に修正され得る。光ファイバ142及び144を介して結合ユニット132に入る第一及び第二の反射放射はダイクロイックミラー170によって反射され、それ故に光ファイバ148及び150に別個に結合される。このように、第一及び第二の反射放射124及び126は、分光分析ユニット102によって別個且つ同時の分光分析を考慮して光ファイバ148及び150に別個に結合される。
【0056】
ダイクロイックミラー170は、周波数シフトされた反射放射及び励起放射の波長に対して空間的に設計される。好ましくは、ダイクロイックミラー170は、励起放射に対して周波数シフトされる反射放射に対する高い反射特性及び励起放射に対する高い透過特性で特徴付けられる。
【0057】
各々のプローブヘッドが反射放射の伝送のための基地局に別個に接続される代わりの実施例において、プローブヘッドの各々は、励起放射と反射放射とを適切に空間的に分離するための別個のダイクロイックミラー要素を組み込まなければならない。
【0058】
図8は、電気光学又は音響光学変調器(acoustooptic modulator)172を使用する結合ユニット130の他の代わりの実施例を示す。結合ユニット130の記載の実施例は、図5及び図6に記載の結合ユニットの実施例と同じ機能をもたらす。光ファイバ140を介して基地局100の光源104から受信される励起放射は電気光学変調器172に向けられ、そこで当該励起放射は回折及び/又は空間偏向(spatial deflection)を受ける。例えば、電気光学変調器は、光ファイバ144及び142のうちの何れか一つへの励起放射の十分な転送をもたらす調整可能な格子を生成する。同様に、光ファイバ142及び144を介して受信される反射放射は、分光分析ユニットへの反射放射の伝送をもたらすファイバ140に結合され得る。
【0059】
図5乃至8における結合ユニットの様々な実施例の記載は、様々な結合ユニットの結合機構(メカニズム)を示すために概略的であるにすぎない。当該結合ユニットは、光ビームを様々な光ファイバに適切に集束させると共に結合させるためのレンズのような追加の光整形光学要素(light shaping optical element)を更に有していてもよい。
【0060】
図9は、分光分析ユニット102の機能を概略的に示す。上部の記載において、光ファイバ140を介して伝送される反射放射は格子174に向けられる。格子174によって、反射放射の様々なスペクトルコンポーネント(成分)は、空間的に分離され、CCDチップ176に映される。反射放射の様々なスペクトルコンポーネントはそれから、スペクトラム180として空間的に分離される。
【0061】
図9の下部に記載は、複数の分光信号のスペクトル分析及び同時検出のための分光分析ユニット102の代わりの実施例を示す。この場合、別個の光ファイバ148及び150によってもたらされる二つの分光信号は両方とも、異なる垂直位置における格子に向けられる。結果としてもたらされるスペクトラム180及び182はそれから、CCDチップ176の異なる垂直位置において投影される。このように、二つの異なるスペクトラム180及び182は同時に効果的に分析され得る。同時に分析され得るスペクトラムの数は、CCDチップ176の垂直サイズ並びにスペクトラム180及び182の垂直サイズによって制限される。
【0062】
好ましくは、図9の下部の記載は、理想的なことに第一及び第二の反射放射の伝送のための二つの別個の光ファイバ148及び150をもたらす結合ユニットに結合され得る。このような結合ユニットは例えば、図7において記載されている。図7の結合ユニットは、分光分析ユニット102への第一及び第二の反射放射の伝送のための光ファイバ148及び150への第一及び第二の反射放射の効率的な結合をもたらす。このように、異なっていると共に空間的に分離された関心体積110及び112から得られる反射放射は図9の下部の記載及び図7に記載の実施例を組み合わせることによって同時にスペクトル分析され得る。
【0063】
本発明は、分光分析システムの経済的且つ高精度のコンポーネントを共有することを効果的に可能にする複数のプローブを備える分光システムをもたらす。高精度分光分析ユニット及びレーザ光源をもたらす基地局に複数のプローブを適用することは、人の体の異なる部分、又は更には空間的に分離されている様々な人の異なる部分においてさえ位置される様々な生物学的構造体を同時にスペクトル分析することを効果的に可能にする。それ故に本発明は、理想的なことに分光分析能力を効果的に共有するための病院に適している。特に、専用の結合ユニットを使用することは、分光システムの柔軟且つ再構成可能な実現を考慮する。
【符号の説明】
【0064】
100 基地局
102 分光分析ユニット
104 光源
106 プローブヘッド
108 プローブヘッド
110 関心体積
112 関心体積
114 皮膚
116 皮膚
120 励起放射
122 励起放射
124 反射放射
126 反射放射
130 結合ユニット
132 結合ユニット
140 光ファイバ
142 光ファイバ
144 光ファイバ
146 光ファイバ
148 光ファイバ
150 光ファイバ
160 制御モジュール
162 画像ユニット
164 可動ミラー
166 回転ミラー
168 ビームスプリッタ
170 ダイクロイックミラー
172 光変調器
174 格子
176 CCDチップ
180 スペクトラム
182 スペクトラム
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】二つのプローブヘッドを有する分光システムのブロック図を示す。
【図2】結合ユニットを備える分光システムのブロック図を示す。
【図3】結合ユニットを備える分光システムの代わりのブロック図を示す。
【図4】画像ユニットを使用する分光システムのブロック図を示す。
【図5】可動ミラーを使用する結合ユニットの好ましい実施例を示す。
【図6】回転ミラーを使用する結合ユニットの他の好ましい実施例を示す。
【図7】励起放射を分割するための結合ユニットの他の好ましい実施例を示す。
【図8】電気光学変調器を使用する結合ユニットのブロック図を示す。
【図9】複数の分光信号の同時検出を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムであって、前記分光システムは、
− 光源及び分光分析ユニットを有する基地局と、
− 少なくとも一つの第一の励起放射及び少なくとも一つの第二の励起放射を前記少なくとも第一及び第二の関心体積に向けさせると共に少なくとも一つの各第一及び第二の反射放射を集めるための前記基地局に結合される少なくとも一つの第一のプローブヘッド及び少なくとも一つの第二のプローブヘッドと
を有する分光システム。
【請求項2】
第一の関心領域の少なくとも一つの第一の画像及び第二の関心領域の少なくとも一つの第二の画像をもたらす画像ユニットを更に有する請求項1に記載の分光システム。
【請求項3】
前記基地局と前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドの何れかとの間の結合部をもたらす結合ユニットを更に有する請求項1に記載の分光システム。
【請求項4】
前記結合ユニットは、前記光源によって生成される放射を前記少なくとも第一及び第二の励起放射に分割し、前記結合ユニットは、前記少なくとも第一及び第二の励起放射を前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドに更に結合する請求項3に記載の分光システム。
【請求項5】
前記結合ユニットは、前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドによって集められる前記少なくとも第一及び第二の反射放射を、前記基地局に接続される少なくとも一つの第一のファイバ伝送媒体及び少なくとも一つの第二のファイバ伝送媒体に結合する請求項3に記載の分光システム。
【請求項6】
前記少なくとも第一及び第二の、前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドへの励起放射の結合を制御すると共に、前記少なくとも第一及び第二の反射放射の、前記基地局への結合を制御する制御モジュールを更に有する請求項3に記載の分光システム。
【請求項7】
少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムのための結合ユニットであって、前記分光システムは、基地局を有すると共に少なくとも一つの第一のプローブヘッド及び少なくとも一つの第二のプローブヘッドを有し、前記結合ユニットは、
− 前記基地局と前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドとの間の結合部をもたらすための結合手段と、
− 前記基地局への光結合のための少なくとも一つの第一の光結合要素と、
− 前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドへの光結合のための少なくとも一つの第二の結合要素及び少なくとも一つの第三の結合要素と
を有する結合ユニット。
【請求項8】
前記結合手段は、第一の励起放射として前記基地局から受信される放射を、前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドのうちの前記第一のプローブヘッドに結合すると共に、前記結合手段は、前記第一のプローブヘッドによって集められる第一の反射放射を前記基地局に更に結合する請求項7に記載の結合ユニット。
【請求項9】
少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムのための基地局であって、
− 光源及び分光分析ユニットと、
− 前記基地局を少なくとも一つの第一のプローブヘッド及び少なくとも一つの第二のプローブヘッドに結合し、前記少なくとも一つの第一のプローブヘッド及び少なくとも一つの第二のプローブヘッドは第一及び第二の励起放射を前記第一及び第二の関心体積に向けさせると共に各第一及び第二の反射放射を集めるための手段と
を有する基地局。
【請求項10】
前記分光分析ユニットは、前記少なくとも第一及び第二の反射放射を同時にスペクトル分析する請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
少なくとも第一及び第二の関心体積における物体の特性の決定のための分光システムのためのコンピュータプログラムであって、前記分光システムは、基地局を有すると共に少なくとも一つの第一のプローブヘッド及び少なくとも一つの第二のプローブヘッドを有し、前記コンピュータプログラムは、
− 前記少なくとも第一及び第二のプローブヘッドのうちの前記少なくとも第一のプローブヘッドを選択するためのプログラム手段と、
− 励起放射を前記少なくとも第一のプローブヘッドに向けさせるためのプログラム手段と、
− 前記少なくとも第一のプローブヘッドによって集められる反射放射を分析するためのプログラム手段と
を有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−504552(P2008−504552A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518754(P2007−518754)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052045
【国際公開番号】WO2006/003551
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】