説明

複数の光ファイバーを有するデバイス

本デバイス(11)は本体(12)に接合された2本の光ファイバー(20〜31)を具備する。本体は係合端部(16)および接合端部(19)を有する。2本の光ファイバーのそれぞれは、個々の研磨された端部および接続端部を有する。2本の光ファイバーそれぞれの研磨された端部は、本体の係合端部に隣接しかつそれと同一平面をなすよう配置される。2本の光ファイバーの長さは等しく、ここでこの長さは接続端部から研磨された端部までの距離によって規定される。2本の光ファイバーの長さは、本体の係合端部から接続端部までの距離によって規定される本体の長さよりも長い。2本の光ファイバーの長さは50mm未満である。2本の光ファイバーは互いに平行である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ファイバーの分野に関する。特に本発明は、単一フェルール内で複数の光ファイバーの末端を提供するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
1990年代の後半から2000年代初頭へ至る間、光ファイバーベースデータ伝送システムが全盛を極めた。光ファイバーベースシステムは、ビルディング内に、同一の都市のビルディング間に、異なる都市のビルディング間に、そして異なる大陸のビルディング間に設置された。
【0003】
光ファイバーはまた、それほど膨張しないスパンにも設置される。光ファイバーは、たとえば通信またはデータ伝送に使用されるホストデバイスなどの、同一のビルディング内に設置されたデバイス間に延在する。複数のホストデバイスは通常、ラック状構造体に設置される。ラック構造体の背面は多数の光ファイバーによって絡み合った状態となる可能性がある。光ファイバーは、同一ラックに配置されたホストデバイス間および異なるラックに配置されたホストデバイス間に延びる。絡み合った光ファイバーの大きな群の中から単一の光ファイバーを見つけ出すのは、うまくいかないものでありしかも処理に時間を浪費する。さらに、光ファイバーが絡み合うとき、光ファイバーのいくつかは応力を受け、そして許容曲げ半径を超過して曲げられることがある。これは、伝送される信号の光学的パワーロスに、そして潜在的には光ファイバー自体の突発的破砕につながる。
【0004】
この問題を克服するため、あるエンドユーザーは、カラーコード化された光ファイバーによって、そしてさらにある場所においてはタイラップと共にいくつかの光ファイバーをグループ分けすることによって、光ファイバーの系統立てを試みた。光ファイバーの取り扱い対する、さらに論理的でしかも計画されたアプローチは、Advanced Interconnection Technologies, a Stratos Lightwave, Inc., companyによって提供され、しかも通常これは、光学バックプレーンとなり得るフレックス回路として公知である。基本形態において、フレックス回路はフレキシブルな高分子層を具備し、その上にはプリセット装置の光ファイバーが貼り付けられ、続いて光ファイバーの上面に第2のフレキシブルな高分子層が配され、それは第1のフレキシブルな高分子層に固着されて、光ファイバーの配列を包み込み、保護し、そして保持する。光ファイバーは通常、現在よく知られているファイバー光学コネクター、たとえばMT、MP、MTP/MPO、MPX、MAC、HBMT、OGI、および他のコネクター形態要素などの一つまたはその二つ以上の組み合わせを用いて末端部が形成されている。
【0005】
図1のフェルール91はMT型マルチファイバー光学デバイスである。このデバイスは、位置合わせ穴93,94および係合端部101において光ファイバーの末端をなす端部95を収容する孔を持つ本体92と、窓98とを有する。本体92は樹脂を型に流し込むことによって形成される。マルチファイバー光学ケーブル96の光ファイバー97は、その端部が係合端部101とほぼ同一平面をなすまで本体92内に挿入される。その後、エポキシのような接着剤が、基材が剥がされたマルチファイバー光学ケーブル97を本体92に固定するため窓98内に導入される。例として、マルチファイバー光学ケーブル96はフレックス回路から発するものであってもよく、あるいはフェルールはリボンケーブル、あるいは少なくとも2本の光ファイバーが突出しているデバイスの末端をなしていてもよい。
【0006】
ゆえに、公知の方法およびデバイスよりも、組立てにかかる時間がより少なく、いっそう信頼性が高く、より寸法精度の高い単一フェルールの多数の光ファイバーの末端を形成する方法またはデバイスが求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、本発明の目的は、容易に組み立てられる、複数の光ファイバーを有するデバイスを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、信頼性の高い、複数の光ファイバーを有するデバイスを提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、複数の光ファイバーを有するデバイスを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一形態において、本デバイスは2本の光ファイバーおよび本体を具備する。本体は係合端部および接続端部を有する。2本の光ファイバーのそれぞれは、個々の研磨された端部および接続端部を有する。2本の光ファイバーそれぞれの研磨された端部は、本体の係合端部に隣接しかつそれと同一平面をなすよう配置されている。2本の光ファイバーの長さは同じであり、この長さは接続端部から研磨された端部までの距離によって規定される。2本の光ファイバーのうち第1の光ファイバーは第1の長さを有し、かつ2本の光ファイバーのうち第2の光ファイバーは第2の長さを有する。2本の光ファイバーの長さは本体のそれよりも長い。ここで本体の長さはその係合端部から接続端部までの距離によって規定され、これは第3の長さとして区別される。2本の光ファイバーの長さは50mm未満である。2本の光ファイバーは互いに平行である。2本の光ファイバーは平面を形成する。2本の光ファイバーは本体に接合される。
【0011】
本発明の他の形態においては、本デバイスは2本の光ファイバー、本体および接続プロテクターを具備する。本体は係合端部および接続端部を有する。2本の光ファイバーのそれぞれは、個々の研磨された端部および接続端部を有する。2本の光ファイバーそれぞれの研磨された端部は、本体の係合端部に隣接しかつそれと同一平面をなして配置されている。2本の光ファイバーの長さは同じであり、ここで長さは接続端部から研磨された端部までの距離によって規定される。2本の光ファイバーのうち第1の光ファイバーは第1の長さを有し、かつ2本の光ファイバーのうち第2の光ファイバーは第2の長さを有する。2本の光ファイバーの長さは本体の長さよりも大きなものであり、ここで本体の長さは本体の係合端部から接続端部までの距離によって規定され、これは第3の長さとして区別される。2本の光ファイバーの長さは50mm未満である。2本の光ファイバーは互いに平行である。2本の光ファイバーは平面を形成する。2本の光ファイバーは本体に接合される。接続プロテクターは第1の端部および第2の端部を有する。接続プロテクターの第1の端部は本体と機械的に結合される。接続プロテクターは孔を有する。接続プロテクターの第2の端部は本体の係合端部から第4の長さだけ離間されている。第4の長さは第1の光ファイバーの第1の長さよりも大きなものである。第1および第2の光ファイバーの接続端部は接続プロテクターの孔内に配置される。
【0012】
上記デバイスの変形例において、接続プロテクターは孔の代わりに凹部を具備する。
【0013】
本発明のさらに他の形態において、本デバイスは、以下のステップ、すなわち、係合端部および接続端部を有する本体を形成するステップであって前記本体は第1の孔および第2の孔を有するものであるステップと、第1の光ファイバーを前記本体の前記第1の孔内へ挿入するステップであって、前記第1の光ファイバーはポリシング端部および接続端部を有し、前記第1の光ファイバーの前記ポリシング端部を前記本体の前記係合端部に隣接して配置するステップと、第2の光ファイバーを前記本体の前記第2の孔内へ挿入するステップであって、前記第2の光ファイバーはポリシング端部および接続端部を有し、前記第2の光ファイバーの前記ポリシング端部を前記本体の前記係合端部に隣接して配置するステップと、前記本体の前記係合端部に隣接する前記第1の光ファイバーおよび前記第2の光ファイバーを研磨するステップと、フレックス回路の光ファイバーを接続プロテクターの孔を経て挿入するステップと、前記フレックス回路の前記光ファイバーの端部に隣接して前記第1および前記第2の光ファイバーの接続端部を配置するステップと、接続領域を形成するため前記第1および前記第2の光ファイバーの前記接続端部を前記フレックス回路の前記光ファイバーの前記端部に接続するステップと、前記接続プロテクターの前記孔が前記光ファイバーの前記接続領域を包容するよう前記接続プロテクターを前記本体に機械的に結合させるステップと、によって説明されるように組み立てられる。
【0014】
ゆえに、複数の光ファイバーを有する本デバイスおよびその製造方法は、既存の解決法よりも優れる。なぜなら、得られたデバイスは信頼性が高く、しかも従来のデバイスおよび手法に比べて組立てが容易であるからである。
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明に関する以下の詳細な説明および図面に記載されており、しかもこの詳細な説明および図面から明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のさらに完全な認識およびその多くの付随する利点は、添付図面に関連して鑑みた際、以下の詳細な説明を参照することにより、それがよりよく理解されるように容易に得られるであろう。
【0017】
ここで図面を参照すると、同じ参照数字はいくつかの図面を通して同一または対応する部品を指し示す。さらに詳しくは、図2および図3を参照するとデバイス11が存在する。
【0018】
図2はデバイス11の斜視図であり、それは、本体12と、光ファイバー20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30および31とを具備する。本体12は係合端部16および接続端部19を具備する。係合端部16は位置合わせ穴13,14を具備し、ここでこの位置合わせ穴13,14は、図1に示すデバイス91の位置合わせ穴93,94と同じ目的に役立つ。図2のデバイス11は係合端部16において、規格MT型フェルールに見出される寸法と同じである寸法を有する。光ファイバー20〜31の端部15は、本体12に形成された孔を通って本体12の係合端部16において末端をなしている。
【0019】
端部15は光ファイバー20〜31のポリシング端部である。いったん光ファイバー20〜31が接着剤によって本体12に接合されると、光ファイバーの端部15は切断され、続いて本体12の係合端部16と実質的に同一平面をなすよう研磨される。さらに本体12は窓18を具備し、この窓を経て、接着剤を窓18内に配置した光ファイバーに塗布できる。数字指示子17は窓18の領域に配置された光ファイバー20〜31の1本を指し示す。ポリシング端部すなわち研磨された端部を持つことに加えて、各光ファイバー20〜31は接続端部を有し、ここで光ファイバーの長さは、接続端部を提供するよう好適な位置で光ファイバーを機械的に切断あるいは切除(ablation)することにより、あるいはそれに他の切断処理を施すことによって与えられる。例として、光ファイバー20,21の接続端部をそれぞれ数字指示子32,33によって指し示す。通常、光ファイバー20〜31はガラスから製造され、複モードまたは単一モード光ファイバーのいずれであってもよい。本体12は通常、高分子素材から製造される。
【0020】
図3は図2のデバイス11の平面図である。光ファイバー20〜31の長さは実質的に等しい。第1の光ファイバー20および第2の光ファイバー21はアルファベット文字Fによって示される長さを持つように示されている。長さFは、第1の光ファイバー20のポリシング端部15から接続端部32までを測ったものである。第2の光ファイバー21も同様にして計測される。光ファイバー20〜31は実質的に互いに平行でありかつそれらは平面をなす。本体12の長さは係合端部16から接続端部19までを測ったものであり、かつアルファベット文字Bによって示される。図3に示すように、光ファイバー20〜31の長さFは本体12の長さBよりも大きなものである。通常、光ファイバー20〜31の長さFは50mm未満である。
【0021】
図2および図3のデバイス11は量産に適する。デバイス11は製造されそして試験される。各光ファイバー20〜31は光学的受容性(optical acceptability)に関して試験され、かつ一端が研磨され、かつ容易に接続される面を形成するため他端が切断される。本体12は寸法精度に関して試験される。こうしてデバイス11は大量に製造し保管できる。市場が、事前に製造されたデバイス11を有するさらに多くの端子を要求するとき、デバイス11は保管場所から取り出され、そしてデバイス11の光ファイバー20〜31の接続端部32,33に沿って他のデバイスの光ファイバーに対して接続される。ゆえに、デバイス11は、従来、製造に時間を要しかつ高くついている高品質端子の低コストでの製造を可能にする。
【0022】
図4〜図6はデバイス40の他実施形態の構成要素を示す。デバイス40は、本体11、および図2および図3に示すデバイス11の光ファイバー20〜31を具備し、かつ図4に示す接続プロテクター30をそれに含める。図4は接続プロテクター30の斜視図である。接続プロテクター30は、第1の端部32、第2の端部34、および第1の端部32から第2の端部34へと延在する孔35を有する。好ましくは、接続プロテクター30は高分子素材から製造され、ここでこの高分子素材は紫外線を通すものである。さらに、接続プロテクター30は一体品であるように示されている。だが、接続プロテクター30はいくつかの部品片から形成できる。
【0023】
図5は、図2および図3のデバイス11、ならびにデバイス40の次なる実施形態を形成するため図2および図3のデバイス11の本体12と機械的に結合される接続プロテクター30の斜視図である。接続プロテクター30は、本体12の接続端部19近傍で本体12に対して直接取り付けることができる。あるいは接続プロテクター30は、たとえばスリーブまたは隔離絶縁器(図示せず)のような媒介デバイスを用いて本体12に対して間接的に取り付けることができる。光ファイバー20〜31の接続端部32,33は接続プロテクター30の孔35内に位置させられる。
【0024】
図6は図5のデバイス40の平面図である。デバイス40の長さは本体12の係合端部16から接続プロテクター30の第2の端部34までを計測したものであり、そしてアルファベット文字Tによって示される。デバイス40の長さTは光ファイバー20〜31の長さFよりも大きなものである。ゆえに、光ファイバー20〜31の接続端部32,33は接続プロテクター30の第2の端部34を越えて突出しない。
【0025】
図7は、本体12、光ファイバー20〜31、接続プロテクター30、およびたとえばフレックス回路から延びるマルチファイバー光学セグメントすなわちケーブル45の分解組立斜視図であり、デバイス50のさらに他の実施形態を形成する。実際には、基材がマルチファイバー光学ケーブル45の一部から除去され、その中に存在している光ファイバー60〜71の自由端が露出される。光ファイバー60〜71は続いて接続プロテクター30の孔35に通される。光ファイバー60〜71の自由端は続いて、光ファイバー20〜31の接続端部32,33に隣接して配置される。光ファイバー20〜31は続いて光ファイバー60〜71に接続される。接続手法は機械的なものとすることができ、あるいはレーザー処理装置を用いて熱を加えるものであってもよい。いったん接続ステップが完了すると、接続プロテクター30は本体12に向かって移動させられ、ここで、接続プロテクター30は、デバイス50を形成するため本体12と機械的に結合される。接続プロテクター30は、接着剤を塗布することにより、あるいは押圧嵌め込みにより、あるいは従来よく知られた他の取付け手法により、直接または間接的に本体12に取り付けることができる。
【0026】
図8は組み立てられた図7のデバイス50の斜視図である。本体12の係合端部16から接続プロテクター30の第2の端部34までの長さTが、光ファイバー20〜31の長さFよりも大きなものであるので、接続プロテクター30は、接続場所を取り囲む領域を過度に曲げられかつ引っ張られることから保護する。
【0027】
好ましくは、光ファイバー20〜31のガラス素材の熱膨張率は、本体12の高分子素材の熱膨張率と実質的に同一である。さらに、本体12の高分子素材の熱膨張率は、接続プロテクター30の高分子素材の熱膨張率と実質的に同一であることが好ましい。さらに本体12の高分子素材の熱膨張率は、接着物質の熱膨張率と実質的に同一であることが好ましい。
【0028】
図9は、本体12、光ファイバー20〜31、接続プロテクター30、およびたとえばフレックス回路から延びるマルチファイバー光学セグメントすなわちケーブル45の分解組立図であり、デバイス80のさらに他の実施形態を形成する。図9のデバイス80は図7のデバイス50と同じ部品を採用する。二つのデバイス50,80は、図9のデバイス80が光ファイバー20〜31のうちの2本の順序すなわちシーケンスを変更している点で異なる。図9に示すように、本体12の係合端部において、3本の光ファイバー31,30,29は、最も外側の光ファイバーから、より内側に配置された光ファイバーに向かって始まるシーケンスで示されている。本体12における光ファイバー20〜31の接続端部において、図12は、光ファイバーのシーケンスが30,31,29であるように3本の光ファイバー31,30,29のシーケンスが変更されたことを示す。ゆえに、第1および第2の光ファイバーはシーケンスが変更されている。いったん光ファイバー20〜31が適切に整列させられると、それらは光ファイバー60〜71に接続される。この場合、光ファイバー31は光ファイバー70に接続され、そして光ファイバー30は光ファイバー71に接続される。
【0029】
これに反して、図7のデバイス50においては、光ファイバー31は光ファイバー71に対して接続され、そして光ファイバー30は光ファイバー70に対して接続される。交差したすなわちルートが変更された光ファイバー30,31は他のシーケンスで結合でき、かつ残りの光ファイバー20〜29もまた他のシーケンスでルートを変更できる。光ファイバー20〜31がクロスオーバー可能であっても、光ファイバー20〜31は概ね同じ長さを持つ。デバイス80の組立てはゆえに、図7のデバイス50と同様になされる。デバイス80の光ファイバー20〜31のルート変更によって与えられる融通性は、製造業者が、エンドユーザーによって指示された光ファイバーの出力シーケンスを持つことができる特独のデバイスを作ることを可能にする。
【0030】
図10〜図12はデバイス120の他実施形態の構成要素を示す。デバイス120は、図2に示すような本体11を具備し、かつ図10に示すような接続プロテクター110を含む。接続プロテクター110は図4に示す接続プロテクター30に類似している。図4に示す接続プロテクター30は孔35を具備する。これに対して、接続プロテクター110は凹部115を具備する。接続プロテクター110は第1の端部112および第2の端部114を具備する。図11は、本体11、接続プロテクター110、およびマルチファイバー光学セグメントの分解組立斜視図である。図12は組み立てられた図11のデバイス120の斜視図である。デバイス120の組立ては、上述したように、デバイス50,80の組立てに類似する。接続プロテクター110は凹部115を有するので、接続された光ファイバー20〜31,60〜71は、接続された光ファイバー20〜31,60〜71および凹部115に対して塗布された接着物質によって、接続プロテクター110の凹部115内に保持できる。
【0031】
デバイス11,40,50,80および120の全ては、MT型規格に適合した本体12を備える。だが、デバイス11,40および50それぞれの本体12の係合端部16は、MP、MTP/MPO、MPX、MAC、OGI、およびHBMTを含むがそれらには限定されない、いかなる規格コネクターサイズにも適合できる。
【0032】
明らかに、本発明の数多くの改変および変形が上記内容に鑑みて可能である。それゆえ、特許請求の範囲内において本発明は本明細書に特に開示したもの以外にも実施可能であることを理解されたい。
【0033】
本明細書に開示された目下の好ましい実施形態に対するさまざまな変更および改変が当業者には明白であろうことを理解されたい。そうした変更および改変は本発明の精神および範囲から逸脱することなく、しかもその意図する利益を減ずることなくなし得ることができる。それゆえ、そうした変更および改変が特許請求の範囲に包含されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】複数の光ファイバーを有する従来型デバイスの斜視図である。
【図2】複数の光ファイバーを有するデバイスの斜視図である。
【図3】図2のデバイスの平面図である。
【図4】接続プロテクターの斜視図である。
【図5】図2の本体、および図4の接続プロテクターの斜視図である。
【図6】図5のデバイスの平面図である。
【図7】図2の本体、図4の接続プロテクター、およびフレックス回路から延在するマルチファイバー光学セグメントの斜視図である。
【図8】組み立てられた図7のデバイスの斜視図である。
【図9】光ファイバーの交差を含む、本発明の他実施形態の斜視図である。
【図10】凹部を有する接続プロテクターの斜視図である。
【図11】図2の本体、図10の接続プロテクター、およびマルチファイバー光学セグメントの斜視図である。
【図12】組み立てられた図11のデバイスの斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
11,40,50,80,120 デバイス
12 本体
13,14 位置合わせ穴
15 光ファイバーの端部
16 係合端部
18 窓
19 接続端部
20〜31 光ファイバー
32,33 光ファイバーの接続端部
35 孔
45 ケーブル
60〜71 光ファイバー
110 接続プロテクター
112 第1の端部
114 第2の端部
115 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨された端部および接続端部を有する第1の光ファイバーであって、この第1の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第1の長さだけ離間されている第1の光ファイバーと、
研磨された端部および接続端部を有する第2の光ファイバーであって、この第2の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第2の長さだけ離間されている第2の光ファイバーと、
係合端部および接続端部を有する本体であって、この本体の前記係合端部および前記接続端部は第3の長さだけ離間されている本体と、を具備してなるデバイスであって、
前記第2の光ファイバーの前記第2の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さと実質的に同じであり、前記第2の光ファイバーは前記第1の光ファイバーと実質的に平行であり、前記第2の光ファイバーおよび前記第1の光ファイバーは平面を形成し、前記第2の光ファイバーの前記第2の長さは50mm未満であり、
前記第1の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第2の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第1の光ファイバーの研磨された端部および前記第2の光ファイバーの研磨された端部は実質的に前記本体の前記係合端部と同一平面をなし、前記本体の前記第3の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さ未満であることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記第1の光ファイバーを前記本体に接合するため、および前記第2の光ファイバーを前記本体に接合するため、前記第1の光ファイバーと前記本体との間、および前記第2の光ファイバーと前記本体との間に配された接着物質をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記本体は第1の孔を有し、前記第1の孔は前記係合端部から前記接続端部まで延在し、前記第1の光ファイバーの第1の部分は前記第1の孔内に配置されると共に、前記本体は第2の孔を有し、前記第2の孔は前記係合端部から前記接続端部まで延在し、前記第2の光ファイバーの第2の部分は前記第2の孔内に配置されることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記本体は高分子素材からなることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の光ファイバーはガラス素材からなると共に前記第2の光ファイバーはガラス素材からなることを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の光ファイバーの前記ガラス素材の熱膨張率は実質的に前記本体の前記高分子素材の熱膨張率と同一であると共に、前記接着物質の熱膨張率は実質的に前記本体の前記高分子素材の熱膨張率と同一であることを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
MT、MP、MTP/MPO、MPX、MAC、OGI、およびHBMT型コネクターからなる群から選ばれたコネクターのレセプタクルに適合し、かつ前記レセプタクルと係合可能であることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
研磨された端部および接続端部を有する第1の光ファイバーであって、この第1の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第1の長さだけ離間されている第1の光ファイバーと、
研磨された端部および接続端部を有する第2の光ファイバーであって、この第2の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第2の長さだけ離間されている第2の光ファイバーと、
係合端部および接続端部を有する本体であって、この本体の前記係合端部および前記接続端部は第3の長さだけ離間されている本体と、
第1の端部および第2の端部を有する接続プロテクターであって、この接続プロテクターの第1の端部は前記本体と機械的に結合された接続プロテクターと、を具備してなるデバイスであって、
前記第2の光ファイバーの前記第2の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さと実質的に同じであり、前記第2の光ファイバーは前記第1の光ファイバーと実質的に平行であり、前記第2の光ファイバーおよび前記第1の光ファイバーは平面を形成し、前記第2の光ファイバーの前記第2の長さは50mm未満であり、
前記第1の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第2の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第1の光ファイバーの研磨された端部および前記第2の光ファイバーの研磨された端部は実質的に前記本体の前記係合端部と同一平面をなし、前記本体の前記第3の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さ未満であり、
前記接続プロテクターは孔を有し、前記接続プロテクターの前記第2の端部は前記本体の前記係合端部から第4の長さだけ離間され、前記第4の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さよりも大きなものであり、前記第1の光ファイバーの前記接続端部は前記接続プロテクターの前記孔内に配置され、前記第2の光ファイバーの前記接続端部は前記接続プロテクターの前記孔内に配置されていることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
前記第1の光ファイバーを前記本体に接合するため、および前記第2の光ファイバーを前記本体に接合するため、前記第1の光ファイバーと前記本体との間、および前記第2の光ファイバーと前記本体との間に配された接着物質をさらに具備してなることを特徴とする請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記本体は第1の孔を有し、前記第1の孔は前記係合端部から前記接続端部まで延在し、前記第1の光ファイバーの第1の部分は前記第1の孔内に配置されると共に、前記本体は第2の孔を有し、前記第2の孔は前記係合端部から前記接続端部まで延在し、前記第2の光ファイバーの第2の部分は前記第2の孔内に配置されることを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記本体は高分子素材からなることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記接続プロテクターは紫外線を通す高分子素材からなることを特徴とする請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の光ファイバーはガラス素材からなると共に前記第2の光ファイバーはガラス素材からなることを特徴とする請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の光ファイバーの前記ガラス素材の熱膨張率は実質的に前記本体の前記高分子素材の熱膨張率と同一であると共に、前記接着物質の熱膨張率は実質的に前記本体の前記高分子素材の熱膨張率と同一であることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
MT、MP、MPX、MU、MAC、OGI、およびHBMT型コネクターからなる群から選ばれたコネクターのレセプタクルに適合し、かつ前記レセプタクルと係合可能であることを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
フレックス回路の第3の光ファイバーをさらに具備し、前記第3の光ファイバーは自由端を有し、前記第3の光ファイバーの前記自由端は前記第1の光ファイバーの前記接続端部に接続されると共に、前記フレックス回路の第4の光ファイバーをさらに具備し、前記第4の光ファイバーは自由端を有し、前記第4の光ファイバーの前記自由端は前記第2の光ファイバーの前記接続端部に接続されることを特徴とする請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
研磨された端部および接続端部を有する第1の光ファイバーであって、この第1の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第1の長さだけ離間されている第1の光ファイバーと、
研磨された端部および接続端部を有する第2の光ファイバーであって、この第2の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第2の長さだけ離間されている第2の光ファイバーと、
係合端部および接続端部を有する本体であって、この本体の前記係合端部および前記接続端部は第3の長さだけ離間されている本体と、
第1の端部および第2の端部を有する接続プロテクターであって、この接続プロテクターの第1の端部が前記本体と機械的に結合された接続プロテクターと、を具備してなるデバイスであって、
前記第2の光ファイバーの前記第2の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さと実質的に同じであり、前記第2の光ファイバーは前記第1の光ファイバーと実質的に平行であり、前記第2の光ファイバーおよび前記第1の光ファイバーは平面を形成し、前記第2の光ファイバーの前記第2の長さは50mm未満であり、
前記第1の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第2の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第1の光ファイバーの研磨された端部および前記第2の光ファイバーの研磨された端部は実質的に前記本体の前記係合端部と同一平面をなし、前記本体の前記第3の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さ未満であり、
前記接続プロテクターは凹部を有し、前記接続プロテクターの前記第2の端部は前記本体の前記係合端部から第4の長さだけ離間され、前記第4の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さよりも大きなものであり、前記第1の光ファイバーの前記接続端部は前記接続プロテクターの前記凹部内に配置され、前記第2の光ファイバーの前記接続端部は前記接続プロテクターの前記凹部内に配置されていることを特徴とするデバイス。
【請求項18】
デバイスを製造するための方法であって、
係合端部および接続端部を有する本体を形成するステップであって、前記本体は第1の孔および第2の孔を有するものであるステップと、
第1の光ファイバーを前記本体の前記第1の孔内へ挿入するステップであって、前記第1の光ファイバーはポリシング端部および接続端部を有し、前記第1の光ファイバーの前記ポリシング端部を前記本体の前記係合端部に隣接して配置するステップと、
第2の光ファイバーを前記本体の前記第2の孔内へ挿入するステップであって、前記第2の光ファイバーはポリシング端部および接続端部を有し、前記第2の光ファイバーの前記ポリシング端部を前記本体の前記係合端部に隣接して配置するステップと、
前記本体の前記係合端部に隣接する前記第1の光ファイバーおよび前記第2の光ファイバーを研磨するステップと、
フレックス回路の光ファイバーを接続プロテクターの孔を経て挿入するステップと、
前記フレックス回路の前記光ファイバーの端部に隣接して前記第1および前記第2の光ファイバーの接続端部を配置するステップと、
接続領域を形成するため前記第1および前記第2の光ファイバーの前記接続端部を前記フレックス回路の前記光ファイバーの前記端部に接続するステップと、
前記接続プロテクターの前記孔が前記接続領域を包容するよう前記接続プロテクターを前記本体に機械的に結合させるステップと、を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
【請求項19】
前記接続ステップはレーザー処理装置によって実施されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
研磨された端部および接続端部を有する第1の光ファイバーであって、この第1の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第1の長さだけ離間されている第1の光ファイバーと、
研磨された端部および接続端部を有する第2の光ファイバーであって、この第2の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第2の長さだけ離間されている第2の光ファイバーと、
研磨された端部および接続端部を有する第3の光ファイバーであって、この第3の光ファイバーの前記研磨された端部および前記接続端部は第3の長さだけ離間されている第3の光ファイバーと、
係合端部および接続端部を有する本体であって、この本体の前記係合端部および前記接続端部は第4の長さだけ離間されている本体と、
第1の端部および第2の端部を有する接続プロテクターであって、この接続プロテクターの前記第1の端部が前記本体と機械的に結合された接続プロテクターと、を具備してなるデバイスであって、
前記第2の光ファイバーの前記第2の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さと実質的に同じであり、
前記第3の光ファイバーの前記第3の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さと実質的に同じであり、前記第3の光ファイバーの前記第3の長さは50mm未満であり、前記第1の光ファイバー、前記第2の光ファイバー、および前記第3の光ファイバーは平面を形成し、
前記第1の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第2の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第3の光ファイバーは前記本体に接合され、前記第1の光ファイバーの研磨された端部、前記第2の光ファイバーの研磨された端部、および前記第3の光ファイバーの研磨された端部は実質的に前記本体の前記係合端部と同一平面をなし、前記本体の前記第4の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さ未満であり、前記第1の光ファイバーの研磨された端部および前記第3の光ファイバーの研磨された端部は前記第2の光ファイバーの研磨された端部を跨いでおり、
前記接続プロテクターは孔を有し、前記接続プロテクターの前記第2の端部は前記本体の前記係合端部から第5の長さだけ離間され、前記第5の長さは前記第1の光ファイバーの前記第1の長さよりも大きなものであり、前記第1の光ファイバーの前記接続端部は前記接続プロテクターの前記孔内に配置され、前記第2の光ファイバーの前記接続端部は前記接続プロテクターの前記孔内に配置され、前記第3の光ファイバーの前記接続端部は前記接続プロテクターの前記孔内に配置され、前記第2の光ファイバーの前記接続端部および前記第3の光ファイバーの前記接続端部は前記第1の光ファイバーの前記接続端部を跨いでいることを特徴とするデバイス。
【請求項21】
フレックス回路の第4の光ファイバーをさらに具備し、前記第4の光ファイバーは自由端を有し、前記第4の光ファイバーの前記自由端は前記第2の光ファイバーの前記接続端部に接続されると共に、前記フレックス回路の第5の光ファイバーをさらに具備し、前記第5の光ファイバーは自由端を有し、前記第5の光ファイバーの前記自由端は前記第1の光ファイバーの前記接続端部に接続されると共に、前記フレックス回路の第6の光ファイバーをさらに具備し、前記第6の光ファイバーは自由端を有し、前記第6の光ファイバーの前記自由端は前記第3の光ファイバーの前記接続端部に接続され、前記第4の光ファイバーの前記自由端および前記第6の光ファイバーの前記自由端は前記第5の光ファイバーの前記自由端を跨いでいることを特徴とする請求項20に記載にデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−505825(P2006−505825A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551557(P2004−551557)
【出願日】平成15年10月21日(2003.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/033562
【国際公開番号】WO2004/044623
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(500438736)ストラトス・インターナショナル・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】