説明

複数の表示用フォーマットによるマルチキャスト型のビデオ信号の配信と再生の少なくともいずれかを実行するシステム及び方法

本発明のビデオ配信方法は、第1の画像サイズを有し、かつ、第1のビデオ表示用フォーマットでフォーマットされた第1のビデオデータストリームを提供するステップを含む。送信データストリームは、少なくとも第1及び第2のデータフィールドを含む複数のデータブロックを有して形成される。第1のデータフィールドは、第1のビデオデータストリームから抽出された第2のビデオデータストリームを含み、第2のビデオフォーマットでフォーマットされる。第2のデータフィールドには、第1のビデオデータストリームから抽出された補助データが含まれる。当該補助データは、第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、第3のビデオフォーマットで表示用としてフォーマットされる第3のビデオデータストリームを提供する。送信データストリームは、無線通信送信機から複数の無線通信端末へマルチキャストされた。また、本発明では、無線通信端末及びシステムについても開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び通信方法に関し、特に、ビデオコンテンツの配信と再生の少なくともいずれかを実行するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セルラー方式やPCS方式のネットワークのような大規模な無線通信ネットワークの出現とともに、これらのネットワーク上でのマルチメディアコンテンツの配信が増加する可能性がある。本明細書において使用されているように、用語「マルチメディア」コンテンツは、アナログ音声又はデジタル音声、アナログ画像又はデジタル画像、及び、アナログビデオコンテンツ又はデジタルビデオコンテンツの少なくともいずれかのコンテンツを含むことを示す。
【0003】
セルラー・ハンドセットや、無線RFが装備された携帯情報端末(PDA)等のようなモバイル無線通信端末が特定のネットワークシステムや通信システムで使用されているが、これらのモバイル無線通信端末は、広範囲の機能と特徴の少なくともいずれかを有している場合がある。メーカ及びサービスプロバイダは広範囲の製品群を顧客に提供する。これは、潜在的なマーケットの一部の要求に対してできるかぎり広範囲に応じることを意図して行われるものである。したがって、例えば、ネットワークで使用される無線通信端末によっては高品質のビデオコンテンツをダウンロードし、再生できるものもあるのに対して、同じネットワークの他の無線通信端末については、中品質又は低品質のビデオコンテンツのダウンロードと再生の少なくともいずれかを行うことしかできない場合もある。
【0004】
しかしながら、場合によっては、特定品質のビデオコンテンツの再生を可能とする無線通信端末が、特定のフォーマットを有するコンテンツの再生が可能であったり、特定のフォーマットを有するコンテンツに適していたりすることもある。例えば、ある無線端末が16:9などの特定のアスペクト比を有するDVD品質のビデオストリームを表示するように構成される場合があるのに対して、同じネットワークの他の無線端末は、DVD品質のビデオを4:3のアスペクト比で表示するように構成される場合がある。特に、モバイル端末用には複数の規格のビデオフォーマットが提案されている。このビデオフォーマットには、クォータVGA(QVGA、320×240ピクセル)と、共通中間フォーマット(CIF、360×288ピクセル)と、クォータ共通中間フォーマット(QCIF、180×144ピクセル)とが含まれている。さらに、モバイル端末によっては、異なる表示能力を備えた複数の表示画面を備えるものもある。したがって、モバイル端末は複数の異なる表示用フォーマットでビデオ表示を行う能力を備えるようにすることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビデオ信号のポイント・ツー・ポイント通信は、特に、無線ネットワーク上で必要以上の量の帯域幅を必要とする場合がある。しかし、ビデオコンテンツのポイント・ツー・マルチポイント送信(即ち、マルチキャスティング)は、無線ネットワークが利用可能な限られた帯域幅を効率的に利用するものである。したがって、無線ネットワークを介するビデオデータのマルチキャスティングと放送のための種々のプロトコルが提案されている。例えば、MBMS(モバイル放送サービス/マルチキャストサービス)及びDVB−H(デジタルビデオ放送−ハンドヘルド型)プロトコルが提案されている。特に、DVB−Hは、ヨーロッパにおいて有線ネットワークで実現されているデジタルビデオ放送用のプロトコルである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態はビデオ配信方法を提供するものであり、本方法では、第1の画像サイズを有し、かつ、第1のビデオ表示用フォーマットでフォーマットされた第1のビデオデータストリームが提供される。送信データストリームは、少なくとも第1及び第2のデータフィールドを含む複数のデータブロックを有して形成される。本発明のいくつかの実施形態では、ビデオデータストリームのブロックはビデオフレームに対応する。第1のデータフィールドは、第1のビデオデータストリームから抽出された第2のビデオデータストリームを含み、第2のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされる。第2のデータフィールドには第1のビデオデータストリームから抽出された補助データが含まれる。当該補助データは、第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、第3のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされた第3のビデオデータストリームを提供するように構成される。第1及び第2のデータフィールドは隣接していてもよい。送信データストリームは、無線通信送信機から複数の無線通信端末へマルチキャストされた。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態には、マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックにおける第1のデータフィールドを、メモリを有する無線通信端末で受信し、次いで、このメモリの中に第1のデータフィールドを格納するステップが含まれる。マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックにおける第2のデータフィールドは、無線通信端末で受信され、次いで、第1のデータフィールドと組み合わされて、第3のビデオデータストリームが生成される。第3のビデオデータストリームを無線端末側で表示してもよい。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、無線通信端末は、ブロックの第2のデータフィールドを受信した後に、その無線受信機のスイッチをオフに切り替え、次いで、後続ブロックの受信開始時にその受信機のスイッチをオンに切り替えてもよい。本発明の他の実施形態では、無線通信端末は、ブロックの第1のデータフィールドを受信した後、無線受信機のスイッチをオフに切り替え、次いで、後続ブロックの受信開始時に受信機のスイッチをオンに切り替えてもよい。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、無線通信端末は、第1のデータフィールドと第2のデータフィールドとを組み合わせる前に、第2のデータフィールドをメモリに格納してもよい。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のビデオデータストリームは、1フレーム当たりの第1のライン数と1ライン当たりの第1のピクセル数とを有するビデオデータを含んでもよい。そして、第2のビデオデータストリームは、1フレーム当たりの第1のライン数よりも少ない第2のライン数と、1ライン当たりの第1のピクセル数よりも少ない第2のピクセル数との少なくとも一方を有するビデオデータを含んでもよい。第3のビデオデータストリームは、1フレーム当たりの第2のライン数よりも多い第3のライン数と、1ライン当たりの第2のピクセル数よりも多い第3のピクセル数との少なくとも一方を有するビデオデータを含んでもよい。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のビデオデータストリームは、1ピクセル当たりの第1のビット数を有するビデオデータを含んでもよい。そして第2のビデオデータストリームは、1ピクセル当たりの第1のビット数よりも少ない第2のビット数を有するビデオデータを含んでもよい。第3のビデオデータストリームは、1ピクセル当たりの第2のビット数よりも多い第3のビット数を有するビデオデータを備える。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のビデオデータストリームは毎秒当たりの第1のフレーム数を有するビデオデータを含んでもよい。そして、第2のビデオデータストリームは、毎秒当たりの第1のフレーム数よりも少ない第2のフレーム数を有するビデオデータを含んでもよい。第3のビデオデータストリームは、毎秒当たりの第2のフレーム数よりも多い第3のフレーム数を有するビデオデータを含んでもよい。
【0013】
本発明の他の実施形態では、あるブロックの第1のデータフィールドと第2のデータフィールドとが組み合わされて、第1のビデオフレームが生成され、そして、後続して受信されるブロックの第1及び第2の所望のフィールドが組み合わされて、第2のビデオフレームが生成される。第1及び第2のビデオフレームは補間されて、第1のビデオフレームと第2のビデオフレームとの中間に位置する第3のビデオフレームが生成される。第1のビデオフレーム、第3のビデオフレーム、第2のビデオフレームは、無線通信端末において順に表示されてもよい。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のビデオ表示用フォーマットでフォーマットされた第1のビデオデータストリームの提供を含むビデオ配信方法であって、第2のビデオ表示用フォーマットで表示用にフォーマットされた第2のビデオデータストリームを提供するための第1のビデオデータストリームの再フォーマットを含むビデオ配信方法が提供される。第2のビデオデータストリームを含む第1のデータフィールドと、補助データを含む第2のデータフィールドとを少なくとも含むビデオ表示データブロックが生成される。補助データは、第1のデータフィールドと組み合わされると、第1及び第2のビデオ表示用フォーマットとは異なる第3のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされた、拡張されたビデオデータストリームを提供するように構成される。ビデオ表示データブロックは無線通信送信機から複数の無線通信端末へマルチキャストされた。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、送信データストリームのブロックには、補助データを含む第3のデータデータフィールドが含まれる。第3の補助データは、第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、拡張されたビデオデータストリームを提供するように構成される。拡張されたビデオデータストリームは、第2及び第3のビデオ表示用フォーマットとは異なる第4のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされたものである。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、メモリと、受信機と、該メモリ及び該受信機と結合されたコントローラとを有する無線通信端末が提供される。このコントローラは、マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックの第1及び第2の所望のフィールドを受信機から受信し、拡張されたビデオデータストリームを生成するために第1のデータフィールドと第2のデータフィールドとを組み合わせる。また、コントローラは、拡張されたビデオデータストリームを再生する。さらに、このコントローラは、第1のデータフィールドと第2のデータフィールドの少なくともいずれかを受信した後に、受信機のスイッチをオフに切り替えてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、コントローラが、第1のビデオデータブロックの第1及び第2の所望のフィールドから第1のビデオフレームを生成し、第2のビデオデータブロックの第1及び第2の所望のフィールドから第2のビデオフレームを生成することもできる。コントローラは、第1のビデオフレームと第2のビデオフレームとを補間して、当該第1のビデオフレームと第2のビデオフレームとの中間に位置する第3のビデオフレームを生成し、そして第1のビデオフレーム、第3のビデオフレーム、第2のビデオフレームの順で再生してもよい。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態に係る無線通信システムはマルチメディアサーバを含む。マルチメディアサーバは、第1のビデオデータストリームから第2のビデオデータストリームを抽出して、少なくとも第1及び第2のデータフィールドを有する複数のデータブロックが含まれる送信データストリームを形成する。その場合、第1のデータフィールドは第2のビデオデータストリームを含み、第2のデータフィールドは補助データを含む。当該補助データは、第1のデータフィールドと組み合わされると、第3のビデオデータストリームを提供するように構成される
本発明のいくつかの実施形態では、第1のビデオデータストリームは第1のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされ、第2のビデオデータストリームは、第1のビデオフォーマットとは異なる第2のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされる。第3のビデオデータストリームは、第1及び第2のビデオ表示用フォーマットとは異なる第3のビデオ表示用フォーマットで表示用にフォーマットされてもよい。第1及び第3のビデオ表示用フォーマットは同じものであってもよい。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、本システムは、メモリと、受信機と、コントローラとを有する複数の無線通信端末をさらに含む。コントローラは、メモリ及び受信機と結合され、送信データストリームのブロックの第1のデータフィールドを受信機から受信し、受信された第1のデータフィールドをメモリに格納し、送信データストリームのブロックにおける第2のデータフィールドを受信し、第1のデータフィールドと第2のデータフィールドとを組み合わせて、拡張されたビデオデータストリームを生成し、第3のビデオデータストリームを再生する。
【0020】
本発明の他の実施形態に係るビデオ配信方法には、第1の画像サイズを有し、かつ、第1のビデオ表示用フォーマットでフォーマットされた第1のビデオデータストリームを提供するステップが含まれる。少なくとも第1、第2及び第3のデータフィールドを有する複数のデータブロックを含む送信データストリームが形成される。第1のデータフィールドは、第1のビデオデータストリームから抽出され、第2のビデオフォーマットでフォーマットされた第2のビデオデータストリームを含む。第2のデータフィールドは第1のビデオデータストリームから抽出されたカラー拡張データを含む。第3のデータフィールドは第1のビデオデータストリームから抽出されたサイズ/解像度拡張データを含む。カラー拡張データは、第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、カラー拡張された第2のビデオデータストリームを提供するように構成される。サイズ/解像度拡張データは、第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、第3のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされた第3のビデオデータストリームを提供するように構成される。送信データストリームは無線通信送信機から複数の無線通信端末へマルチキャストされた。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態では、送信データストリームは、第2のカラー拡張データを含む第4のデータフィールドをさらに含む。第2のカラー拡張データは、第1、第2及び第3のデータフィールドのデータと組み合わされると、第3のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされ、カラー拡張された第3のビデオデータストリームを提供するように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のいくつかの実施形態では無線通信端末が提供される。当該無線通信端末には、無線受信機と、第1のビデオ表示用フォーマットでビデオデータストリームを表示する第1のディスプレイと、第2のビデオ表示用フォーマットでビデオデータストリームを表示する第2のディスプレイとが備えられる。無線通信端末は、さらにコントローラを備え、当該コントローラは、無線受信機と結合されるとともに、マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックにおける第1のデータフィールドを無線受信機から受信し、当該受信された第1のデータフィールドをメモリに格納し、マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックにおける第2のデータフィールドを受信し、第1のデータフィールドと第2のデータフィールドとを組み合わせて、拡張された(enhanced)ビデオデータストリームを生成し、第3のビデオデータストリームを第1のディスプレイ又は第2のディスプレイのうちの一方の装置で再生する。
【0023】
以下では、添付図面を参照して、より詳細に本発明について説明する。しかしながら、本発明は、他の多くの形態で実施することも可能であり、本明細書で説明される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきでない。
【0024】
したがって、本発明は、様々な変形及び他の形式を許容することができ、その特定の実施形態が図面の例示によって示され、また、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、開示される特定の実施形態に本発明を限定する意図はなく、本発明は請求項で定義される発明の精神及び範囲に含まれる、あらゆる変形、等価及び代替構成を含むものであることは明らかである。同一の番号は図面の説明を通じて同じ要素を示すものとする。
【0025】
本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラムの少なくともいずれかを示すブロック図とフローチャートの少なくともいずれかを参照しながら、以下で本発明について説明する。ブロック図とフローチャートの少なくともいずれかのブロックと、ブロック図とフローチャートの少なくともいずれかのブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令により実現してもよいことが理解されるであろう。これらコンピュータプログラム命令は、機器を構成する汎用用途のコンピュータ、特定用途のコンピュータと他のプログラマブルデータ処理装置におけるプロセッサの少なくともいずれかに提供される。コンピュータのプロセッサと他のプログラマブルデータ処理装置の少なくともいずれかにより実行される命令が、ブロック図とフローチャートの単複のブロックの少なくともいずれかにおいて指定される機能/動作を実現する手段を創出する。
【0026】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータで読み取り可能なメモリに格納されてもよい。コンピュータで読み取り可能なメモリに格納された命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に対して特定の方法で機能するように指示を行う。この特定の方法とは、ブロック図とフローチャートの単複のブロックの少なくともいずれかにおいて指定された機能/動作を実現する命令を含む製造品目を製造するような方法である。
【0027】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータや他のプログラマブルデータ処理装置にロードしてもよい。これにより、一連の処理ステップがコンピュータや他のプログラマブル装置上で実行され、コンピュータで実現されるプロセスを生成することができる。その結果、コンピュータや他のプログラマブル装置上で実行される命令がブロック図とフローチャートの単複のブロックの少なくともいずれかにおいて指定される機能/動作を実現するステップを提供することになる。
【0028】
当業者により理解されるように、本発明は、方法、処理システム及びコンピュータプログラムの少なくともいずれかとして実施することができる。したがって、本発明は完全にハードウェアによる実施形態、完全にソフトウェアによる実施形態、又はソフトウェア及びハードウェアによる態様を組み合わせた実施形態という形態を取りうる。これらの形態を、本明細書では集約的に「回路」又は「モジュール」と呼ぶ場合がある。
【0029】
代替の実装構成によれば、ブロックに示されている機能/動作がフローチャートに示されている順序とは異なる順序で実行される場合もあることにも注意が必要である。例えば、連続して示される2つのブロックは実際にはほぼ同時に実行される場合もあれば、関係する機能/動作に応じて、これらのブロックが時として逆の順序で実行される場合もある。
【0030】
本明細書において使用されているように、「通信端末」には端末装置が含まれるが、これのみに限定されるわけではない。上記端末装置は、公衆交換電話網(PSTN)、デジタル加入者回線(DSL)、デジタルケーブル、又は他のデータ接続/ネットワークなどの有線接続を介する場合と、例えばセルラネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と他の通信端末の少なくともいずれかとの無線インタフェースを介する場合の少なくともいずれかを介して通信信号を受信/送信するように構成される。通信端末が無線インタフェースを介して通信を行うように構成されているとき、この通信端末は本明細書では「無線通信端末」と「無線端末」の少なくともいずれかの名称で呼ばれる。無線端末の例に含まれるものとしては、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、ページャと、セルラー電話インタフェース、ブルートゥース(登録商標)インタフェース、無線ローカルエリアネットワークインタフェース(例えば802.11)、他のRF通信用インタフェースと光/赤外線通信用インタフェースの少なくともいずれかを含み得る無線通信インタフェースを介してデータを通信するように構成されたコンピュータの少なくともいずれかが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0031】
図1Aは、無線通信システム50の概略ブロック図である。この無線通信システム50には、1つ以上のセルラー基地局10を経由してデータを通信する2つの無線端末20A、20Bが含まれる。無線端末20A、20Bはさらに、ブルートゥース(登録商標)無線接続のような直接無線接続を介する場合と無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を経由する他の無線通信インタフェースを介する場合の少なくともいずれかを介して相互に通信を行うことも可能である。無線端末20A、20Bは、ユーザインタフェース22、コントローラ26、通信モジュール28及びメモリ25を備える。図1Aに示すように、無線端末20Aによっては、第1のディスプレイ24Aと第2のディスプレイ24Bの両方を含み得るものもある。第1のディスプレイ24Aと第2のディスプレイ24Bは異なる表示特性を有するものであってもよい。例えば、第1のディスプレイ24Aと第2のディスプレイ24Bとは、異なる画面サイズを有するビデオと、異なる解像度、カラー深度、フレームレート、等を有するビデオの少なくともいずれかのビデオを表示できるものであってもよい。無線端末20Bによっては単一のディスプレイ24のみを含み得るものもある。無線端末20Aにおける第1のディスプレイ24Aと、第2のディスプレイ24Bの1つの可能な配置構成とが図1Bと図1Cに例示されている。図1Bと図1Cに示す無線端末20Aは、キーパッド21と、ヒンジ29によって本体23に取り付けられたフリップ27とが設けられた本体23を有するフリップ型モバイル電話機である。第1のディスプレイ24Aは、フリップ29の内側(即ち、フリップが閉じられたとき、キーパッド21に対して折り畳まれるフリップの側面)に配置される。第2の表示装置24Bは、フリップ27が閉じられたとき、当該第2のディスプレイ24Bが見えるようにフリップ29の外側に配置される。図1B及び図1Cに示すように、第1のディスプレイ24Aは第2のディスプレイ24Bよりも広いものであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のディスプレイ24Aはカラー表示であってよい。これに対して、第2のディスプレイ24Bは、白黒表示又は第1のディスプレイ24Aよりも低い解像度とカラー深度の少なくともいずれかを有するカラー表示であってよい。本明細書において使用されているように、「第1の」及び「第2の」という用語は任意の順序であることは理解できよう。したがって、特定の無線端末において、「第1の」ディスプレイが端末の外側に配置されていてもよいし、「第2の」ディスプレイが端末の内側に配置されていてもよい。さらに、無線端末20Aにフリップやヒンジを設けて、複数の表示画面24A、24Bを備えるようにする必要はない。
【0032】
再び図1Aを参照すると、ユーザインタフェース22は、キーパッド、キーボード、タッチパッド、ジョグダイアル及び他のユーザ入力用デバイスの少なくともいずれかを含んでよい。ユーザインタフェース22は、マイクへの入射音に応答して音声データストリームを生成する音声プロセッサと結合されたマイク、及び、入力音声信号に応答して音を生成するスピーカを含んでもよい。通信モジュール28は、有線又は無線リンク56を介してモバイル電話中継局(MTSO)15と通信するセルラー基地局10などの無線インタフェース55を介して遠隔地にあるユニットへデータを送受信する。メモリ25は、通信端末20A、20Bによって生成又は受信されたデジタル音声信号とビデオ信号の少なくともいずれかのようなデジタル情報信号を格納する。
【0033】
通信モジュール28は、セルラー通信モジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール及びWLANモジュールの少なくともいずれかを含むことができる。セルラー通信モジュールを使用して、無線端末20A、20Bは、例えば、最新型のモバイル電話サービス(AMPS)、ANSI−136、グローバル・システム・フォー・モバイル(GSM)通信、汎用パケット無線サービス(GPRS)、次世代GSM用拡張型データレート(EDGE)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域−CDMA、CDMA2000、及び汎用モバイル通信システム(UMTS)のような1つ以上のセルラー通信プロトコルを使用して、基地局10を介して通信を行ってもよい。セルラー基地局10はモバイル電話中継局(MTSO)15と接続され、当該モバイル電話中継局は、順に、電話ネットワーク、(インターネットなどの)コンピュータデータ通信ネットワーク及び他のネットワークの少なくともいずれかと接続される。ブルートゥース(登録商標)モジュールによって、無線端末20A、20Bはアドホックネットワークを介して他の無線通信端末と通信を行ってもよい。WLANモジュールによって、無線端末20A、20Bは、通信プロトコルを使用するWLANルータ(図示せず)を通じて通信を行ってもよい。この通信プロトコルは、802.11a、802.11b、802.11e、802.11g、802.11iを含んでもよいが、これらのみに限定されるわけではない。
【0034】
マルチメディアサーバ12は、基地局10と通信を行う。マルチメディアサーバ12はMTSO15内に存在するものとして図1Aに示されているが、このマルチメディアサーバ12がMTSO15の外側に存在してもよいことは理解されよう。マルチメディアサーバは、MTSO15及び基地局10の少なくともいずれかと通信を行ってもよい。その場合、当該通信は、有線又は無線接続を介して、公衆電話交換網を経由して、インターネット又は他のデータ通信ネットワークを経由する場合と、他のネットワークを経由する場合の少なくともいずれかのネットワークを経由して行われる。しかしながら、いくつかの実施形態では、マルチメディアサーバがMTSO15と全く通信を行わない場合もあることは理解されよう。例えば、汎用パケット無線サービス(GPRS)データはMTSOを介して通信されない。さらに、本発明の実施形態は、DVB−H及び他のネットワークなどを含む様々な種類のネットワークにおいて好適に用いることができる。上記とは別に、マルチメディアサーバ12は1つ以上の基地局10内に存在してもよい。図1Aに示すように、マルチメディアサーバ12は、エンコーダ38及びメモリ45を備える。マルチメディアサーバ12は、MTSO15と、1つ以上の基地局10の少なくともいずれかと有線又は無線接続を介して通信を行う送信機(不図示)をさらに備えてもよい。コントローラ36は、マルチメディアサーバ12のメモリ45内に格納されたデジタルビデオデータ信号を変換して、デジタル情報ストリームに変える。このデジタル情報ストリームは、以下でさらに詳細に説明するように、エンコーダ38により符号化される。コントローラ36が、汎用ハードウェア、特定用途のハードウェア及びソフトウェアのうち少なくともいずれかによって実現されることと、1以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)及びコーダ/デコーダ(コーデック)のうちの少なくともいずれかを備えてもよいことは当業者によって理解されよう。したがって、エンコーダ38、コントローラ36及びメモリ45の少なくともいずれかを、単一のチップ又は処理ユニット、及び複数の関連付けられたユニットの少なくともいずれかに組み込むことが可能となる。
【0035】
マルチメディアサーバ12により生成されるデジタル情報ストリームは、1つ以上の基地局10によって複数の無線通信端末20A、20Bへマルチキャストされる。いくつかの実施形態では、マルチメディアサーバ12は送信機とアンテナ(図示せず)を備えてもよい。したがって、マルチメディアサーバ12は、複数の無線通信端末20A、20Bへデジタル情報ストリームを直接マルチキャストすることが可能となる。本明細書において使用するように、用語「マルチキャスト」は、ポイント・ツー・マルチポイント送信、即ち、同じデジタル情報信号及びアナログ情報信号の少なくともいずれかの情報信号を複数の受信端末へ送信することを意味する。
【0036】
図2に示すように、無線通信端末20A、20Bの通信モジュール28には、無線通信信号を送信/受信するためのアンテナ30が備えられる。アンテナ30は結合器(コンバイナ)31と作動可能に接続され、当該結合器31によって、アンテナ30を無線通信信号の送信と受信の両方に使用することが可能となる。RF信号のような無線通信信号は、結合器31を通じてアンテナ30と結合された受信機32により受信されてもよい。通信モジュール28はまた、結合器31を通じてアンテナ30を介して符号化済みのデジタル信号39を送信する送信機38を備えてもよい。
【0037】
受信機32は、増幅器、ミキサ、RF、IF、ベースバンドプロセッサなどの複数のエレメント及び他のエレメントを備えてもよい。受信機32はアンテナ30を介して受信された無線RF信号を処理し、受信デジタル信号33を生成する。この受信デジタル信号33は、暗号化してもよい場合と、誤り訂正/検出符号を使用して符号化してもよい場合の少なくともいずれかの場合がある。さらに、受信デジタル信号33はデータのロバスト性のためにインタリーブされてもよい。デコーダ34は、受信デジタル信号33を処理して、例えば、受信信号内のエラーを検出し、訂正するか、受信信号33を復号するか、デインタリーブするかの少なくともいずれかの処理を実行し、復号化されたビデオ信号35を提供する。復号化されたビデオ信号35は、通信端末20A、20Bのコントローラ26へ送信してもよい場合と、通信端末20A、20Bのメモリ25内に格納してもよい場合の少なくともいずれかの場合がある。通信端末20A、20Bは復号化されたビデオ信号35を再生してもよい。本明細書において使用するように、用語「再生する」は、音声の再生とビデオの表示の少なくともいずれかを含む。したがって、無線通信端末20A、20Bのディスプレイ24とスピーカ(図示せず)の少なくともいずれかを使用して復号化されたビデオ信号35を再生することが可能となる。
【0038】
上述したように、特定のネットワークや通信システムで使用される通信端末20A、20Bのような無線通信端末は広範囲の機能と特徴とを有することができる。したがって、例えばネットワーク内の無線通信端末20A、20Bのなかには、高品質のビデオコンテンツを受信し、再生できる場合があるのに対して、同じネットワーク内の他の無線通信端末が、中品質又は低品質のビデオコンテンツの受信と再生の少なくともいずれかしかできない場合もある。
【0039】
しかしながら、場合によっては、特定品質のビデオコンテンツを再生することが可能な無線通信端末20A、20Bが、特定のフォーマットを有するコンテンツの再生が可能であったり、特定のフォーマットを有するコンテンツに適していたりする場合もある。例えば、16:9のような特定のアスペクト比を有するDVD品質のビデオストリームを表示するように無線端末20Aを構成できる場合があるのに対して、同じネットワークの他の無線端末20Bは、DVD品質のビデオを4:3のアスペクト比で表示するように構成できる場合がある。他の例では、第1の無線端末20Aが、例えば1フレーム当たり320×200ピクセルのような第1の画面解像度でビデオを表示できる場合があるのに対して、他の無線端末20Bでは1フレーム当たり180×144ピクセルのみの画面解像度でしかビデオを表示できない場合もある。同様に、第1の無線端末20Aが、256色、即ち、1ピクセル当たり8ビットのカラー深度を有する画像を表示できる場合があるのに対して、他の無線端末20Bは、1024色のカラー深度、即ち、1ピクセル当たり10ビットを有する画像を表示できる場合もある。無線通信端末20A、20Bの表示能力間における他の不均衡を示す例が生じる可能性がある。例えば、無線端末は、特定のフレームレートでビデオ画像を表示するその能力が変動する場合がある。アスペクト比と、画像サイズと、フレームレートの少なくともいずれかとの特定の組み合わせをビデオ表示用フォーマットと呼ぶ場合がある。
【0040】
上述したように、無線端末20Aのなかには、第1のディスプレイ24Aと第2のディスプレイ24Bのような複数の表示画面を備えるものもある。これらA、Bの表示画面は異なる表示能力を備えるものであってもよい。例えば、第1のディスプレイ24Aは、16:9のアスペクト比を有するビデオストリームを表示する構成に対して、第2のディスプレイ24Bは、4:3のアスペクト比でビデオを表示するように構成してもよい。同様に、第1のディスプレイ24Aが1フレーム当たり300×200のピクセルでビデオを表示するのに対して、第2のディスプレイ24Bは単に1フレーム当たり180×144のピクセルを表示できるにすぎないか、第1のディスプレイ24Aが1ピクセル当たり8ビットのカラー深度を有する画像を表示するのに対して、第2のディスプレイ24Bは1ピクセル当たり10ビットのカラー深度を有する画像を表示するかのいずれかとなる。
【0041】
次に、図3の実施形態を参照してわかるように、様々な機能を有する無線端末20A、20Bを適合させるために、第1のビデオ表示用フォーマットで表示用にフォーマットされた第1のビデオデータストリームをマルチメディアサーバ12により処理して、複数のビデオデータブロック110を有する送信データストリーム105が形成される。図3に示すように、送信データストリーム105のブロック110には少なくとも第1のデータフィールド115と第2のデータフィールド125とが含まれる。第1のデータフィールド115は、第1のビデオデータストリームから抽出され、第1のビデオフォーマットとは異なる第2のビデオフォーマットでフォーマットされた第2のビデオデータストリーム120を含む。第2のデータフィールド125には補助データ130が含まれる。当該補助データ130は、第1のビデオデータストリームから抽出され、第1のデータフィールド115のデータと組み合わされると、第3のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされた第3のビデオデータストリームを提供するように構成される。
【0042】
第2のフィールド125は、様々な種類のデータを含むサブフィールドに分けることができる。このデータを使用して第2のビデオデータストリーム120を拡張(エンハンス)することができる。第2のデータフィールド120に含まれ得る補助データ130のいくつかの例が図3に例示されている。例えば、補助データ130は、アスペクト比拡張データ140を含んでもよい。補助データ130は、第1のデータフィールド130内の第2のビデオデータストリーム120と組み合わされると、第2のビデオデータストリーム120とは異なるアスペクト比を有する第3のビデオデータストリームを生成することができる。例えば、第1のビデオデータストリームは、16:9のビデオフォーマットに対応する1.778のアスペクト比を有してもよい。第1のビデオデータストリームから抽出された第2のビデオデータストリーム120は、1.25のアスペクト比を有するようにフォーマットしてもよい。このアスペクト比は、例えば、個々のビデオフレームのエッジから周辺の画像データを取り除くことによって、又は選択されたピクセルを個々のフレームから取り除くことによって1フレーム当たり180×144ピクセルのQCIFビデオフォーマットに対応することができる。第3のビデオデータストリームは、第2のアスペクト比とは異なる第3のアスペクト比を有してもよい。いくつかの実施形態では、第3のアスペクト比が第1のアスペクト比とは異なる場合もある。即ち、第2のデータフィールド125内のアスペクト比拡張データ140が第1のデータフィールド115内の第2のビデオデータストリーム120と組み合わされると、さらに第3のアスペクト比を有する新たなビデオデータストリームを生成することができる。例えば、第3のビデオデータストリームは、4:3のビデオフォーマットに対応する1.333の第3のアスペクト比を有してもよい。いくつかの実施形態では、第3のビデオデータストリームが第1のアスペクト比、即ち1.778に等しい第3のアスペクト比を有してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、補助データは、解像度拡張データ150を含んでもよい。この解像度拡張データは、第1のデータフィールド115内の第2のビデオデータストリーム120と組み合わされると、第2のビデオデータストリーム120とは異なる解像度を有する第3のビデオデータストリームを生成することができる。例えば、第1のビデオデータストリームは、1フレーム当たり640×480ピクセルの解像度を有するものであってもよい。第1のビデオデータストリームから抽出された第2のビデオデータストリーム120は、例えば、選択されたピクセルデータを個々のビデオフレームから取り除くことによって1フレーム当たり180×144ピクセルの解像度を有してもよい。第3のビデオデータストリームは第2の解像度とは異なる第3の解像度を有してもよい。いくつかの実施形態では、第3の解像度は第1の解像度とは異なるものであってもよい。即ち、第2のデータフィールド125内の解像度拡張データ150が第1のデータフィールド115内の第2のビデオデータストリーム120と組み合わされると、さらに第3の解像度を有する新たなビデオデータストリームが生成される。例えば、第3のビデオデータストリームは320×200の第3の解像度を有するものであってもよい。いくつかの実施形態では、第3のビデオデータストリームが第1の解像度、即ち1フレーム当たり640×480ピクセルに等しい第3の解像度を有してもよい。
【0044】
さらに他の実施形態では、補助データはカラー深度拡張データ160を含んでもよい。このカラー深度拡張データは、第1のデータフィールド115内の第2のビデオデータストリーム120と組み合わされると、第2のビデオデータストリーム120とは異なるカラー深度を有する第3のビデオデータストリームを生成することができる。例えば、第1のビデオデータストリームは1ピクセル当たり10ビットのカラー深度を有するものであってもよい。第1のビデオデータストリームから抽出された第2のビデオデータストリーム120は、例えば、ビデオフレーム内の個々のピクセルにおける4つの最下位ビットを取り除くことによって、1ピクセル当たり6ビットのカラー深度を有するようにフォーマットすることができる。第3のビデオデータストリームは第2のカラー深度とは異なる第3のカラー深度を有するものであってもよい。いくつかの実施形態では、第3のカラー深度は第1のカラー深度とは異なるものであってもよい。即ち、第2のデータフィールド125内のカラー深度拡張データ160が第1のデータフィールド115内の第2のビデオデータストリーム120と組み合わされると、さらに第3のカラー深度を有する新たなビデオデータストリームを生成することができる。例えば、第3のビデオデータストリームは1ピクセル当たり8ビットの第3のカラー深度を有するものであってもよい。いくつかの実施形態では、第3のビデオデータストリームが第1のカラー深度、即ち、1ピクセル当たり10ビットに等しい第3のカラー深度を有してもよい。
【0045】
図3に例示されているように、第2のデータフィールド125内の補助データは、複数の種類の拡張データを含んでもよい。例えば、第2のデータフィールド125は、アスペクト比拡張データ140、解像度拡張データ150、カラー拡張データ160及び、他の種類の補助データの少なくともいずれかを含むことができる。
【0046】
図3に示すように、ブロック110を含む送信データストリーム105を複数の無線通信端末20へマルチキャストすることも可能である。各無線通信端末20は、各ブロックの全て又は各ブロック内のデータのうちのいくつかのみを受信し、処理する。特に、個々の無線通信端末20は、第2のビデオデータストリーム120を含む第1のデータフィールド115を受信し、処理してもよい。個々の無線通信端末20は、例えば、その定められた音声特性と表示特性の少なくともいずれかに基づいて、拡張データを含む第2のデータフィールド125の受信を別々に選択してもよい。
【0047】
さらに、個々の無線通信端末20は、所望のフォーマットを有するビデオデータ信号を生成するために、第2のデータフィールド125の所望する量のみを受信することを選択してもよい。例えば、無線通信端末によっては、第2のビデオデータストリームのアスペクト比とは異なるアスペクト比や、第2のビデオデータストリームの画像サイズとは異なる画像サイズや、第2のビデオデータストリームのカラー深度よりも大きなカラー深度を有するビデオデータ信号を再生できないものもある。したがって、このような無線通信端末20は第2のデータフィールド125を受信する必要がない場合がある。このような場合、無線通信端末20は、データブロック110の第1のデータフィールド115を受信した後、次のデータブロック110の開始までその受信機32のスイッチをオフに切り替え、それによってバッテリ電力の節減を図る。受信機32のスイッチをオフに切り替えるステップは、受信回路全体から電力を取り除くステップや、例えば、信号を受信していないときでさえ比較的多量の電力を消費する可能性がある増幅器チェーン(amplifier chain)のような受信回路の一部から単に電力を取り除くステップを含んでもよいことは理解できよう。
【0048】
上記とは別に、無線通信端末20は、第2のビデオストリーム120のカラー深度よりも大きなカラー深度で画像を表示できる場合もあるが、第3の解像度やアスペクト比ではビデオデータストリームを表示できない場合もある。このような無線通信端末は、第2のビデオデータストリーム120を受信した後、その受信機32のスイッチをオフに切り替えてもよい。そしてカラー拡張データ160のみを受信するために受信機32のスイッチを元のようにオンに切り替える。
【0049】
上記実施例の説明を続けると、第2のカラー深度と、第2のアスペクト比と、第3の解像度とでビデオ画像を表示できる特定の無線通信端末20は、第2のビデオデータストリーム120を受信した後、その受信機32のスイッチをオフに切り替える。無線通信端末20は、解像度拡張データ150を受信するために、その受信機32のスイッチを元のようオンに切り替え、次いで、解像度拡張データ150を受信した後、その受信機32のスイッチを再びをオフに切り替えてもよい。したがって、個々の無線端末の受信機32は、所望のフォーマットでのビデオデータの表示に必要なデータを受信するのに必要な時間の間だけ状態をそのまま維持することになる。所望のフォーマットは、場合によっては、無線通信端末20により表示可能な考え得る最善のフォーマットとなり得る。特定の実施形態では、第2のビデオストリーム120を含む第1のデータフィールド125は、アスペクト比拡張データなどの所定の種類の拡張データを含むフィールドやサブフィールドと隣接している。このように隣接することによって、無線通信端末は、フィールド間で受信機のスイッチをオフに切り替えることなく、第2のビデオストリーム120と拡張データとを受信し、次いで、第2のビデオストリーム120と拡張データとを受信した後、受信機のスイッチをオフに切り替えることができるようになる。
【0050】
所望のデータフィールドやサブフィールドを受信するために、無線通信端末20がブロック内でスイッチのオン/オフを切り替えることが望ましい場合、個々のデータフィールドとサブフィールドの少なくともいずれかには、追加のタイミングコードと信号トレーニングコードの少なくともいずれかのコードが受信開始時点に含まれることが望ましい。これらのコードは、無線通信端末20が個々のデータフィールドとサブフィールドの少なくともいずれかのフィールドの開始と同期する際、この無線通信端末20を補助するためのコードである。
【0051】
無線通信端末20は、第1のデータフィールド115を受信し、この第1のデータフィールドをメモリ25に格納してもよい。無線通信端末20は、第2のデータフィールド125や、当該データフィールドのサブフィールドを受信し、第2のデータフィールド125の上記受信済みデータをメモリに格納してもよい。次いで、無線通信端末20は、第1のデータフィールド115のデータを第2のデータフィールド125から得られる拡張データと組み合わせて、第3のビデオデータストリームを生成してもよい。いくつかの実施形態では、無線通信端末20が拡張データをメモリ25に格納できない場合もある。その代わりに、通信モジュール28は受信済みの拡張データをコントローラ26へ直接提供することができる。当該コントローラはこの受信済み拡張データを格納済みの第2のビデオデータストリーム120と組み合わせて、第3のビデオデータストリームを生成する。
【0052】
送信データストリームの追加の構成が図4の実施形態に示されている。図4に示すように、送信データストリーム205は複数のブロック210を含む。個々のブロック210は、第1のデータフィールド215と、第2のデータフィールド225と、第3のデータフィールド235とを含む。第1のデータフィールド215は、マルチメディアサーバ12側に格納されている第1のビデオデータストリームから抽出された第2のビデオデータストリーム120を含む。第2のデータフィールド225が第1の補助データ230を含むのに対して、第3のデータフィールド235は第2の補助データ240を含む。第1の補助データ230は、第1のサイズ/解像度の拡張データ250と第1のカラー拡張データ260の両方を含んでもよい。第2の補助データフィールド240は、第2のサイズ/解像度の拡張データ270と第2のカラー拡張データ280の両方を含んでもよい。第1の補助データ230は、第2のビデオストリーム220と組み合わされると、第2のビデオストリーム220の表示用フォーマットとは異なる表示用フォーマットを有する第3のビデオストリームを提供するように構成されてもよい。第2の補助データは、第2のビデオストリーム220と組み合わされると、第2のビデオストリームや表示用フォーマットとは異なる表示用フォーマットを有する第4のビデオストリームを提供するように構成されてもよい。
【0053】
ここで、図5Aの実施形態を参照してわかるように、ブロック310は、第1のビデオデータストリームから抽出された第2のビデオデータストリーム320を含む第1のデータフィールド315と、第2の補助データ330を含むデータブロックのデータフィールドとを含む。補助データ330は、第1のカラー拡張データ340、サイズ/解像度拡張データ350及び第2のカラー拡張データ360をこの順に含むサブフィールド335、345、355に編成されてもよい。したがって、無線通信端末20は、隣接しているフィールドとして、第2のビデオデータストリーム320を含む第1のデータフィールド315と、第2のビデオデータストリーム320と組み合わされて、カラー拡張された第2のビデオデータストリーム370を提供できる第1のカラー拡張データ340と、第2のビデオデータストリーム320と組み合わされて、第3のビデオデータストリーム380を提供できるサイズ/解像度拡張データ350とを受信することが可能となる。第1のカラー拡張データ340は、第2のビデオデータストリーム320のカラーを拡張するための十分なデータを含むことができ、しかも拡張された第3のビデオデータストリーム380を含まなくてもよい。したがって、カラー拡張された第3のビデオデータストリーム390を提供するための第1のカラー拡張データ340と共に、第3のビデオデータストリーム380のカラーを拡張するための第2のカラー拡張データ360を提供してもよい。
【0054】
本システムにおいて所望の機能を提供できるように、補助データ内で種々の拡張データが配置されている順序を所望のように修正してもよいことは理解できよう。例えば、図5Bの実施形態では、第1のサブフィールド435は第1のサイズ/解像度拡張データ430を含んでいてもよく、第2のサブフィールド445は第1のカラー拡張データ440を含んでいてもよく、さらに第3のサブフィールド455は第2のカラー拡張データ450を含んでいてもよい。これらサブフィールドのいくつか又はその全ては、第2のビデオデータストリーム420と組み合わされて、第3のビデオデータストリーム460と、カラー拡張された第2のビデオデータストリーム470と、カラー拡張された第3のビデオデータストリーム480との少なくともいずれかを例示のように生成することができる。
【0055】
図6は、本発明のいくつかの実施形態に係るマルチメディア配信システムにおいてマルチメディアサーバによって実行される処理を示すフローチャートである。第1のビデオデータストリームが提供される(ブロック610)。例えば、第1のビデオデータストリームから第2のビデオデータストリームを抽出し、この第2のビデオデータストリームと組み合わされると、第3のビデオデータストリームを形成することができる補助データが生成される。そして第2のビデオデータストリームと補助データとをブロックに編成することによって、送信データストリームが形成される(ブロック620)。次いで、この送信データストリームは無線通信端末のグループへマルチキャストされた(ブロック630)。
【0056】
図7は、送信データストリームの生成を示すフローチャートである。第2のビデオデータストリームが第1のビデオデータストリームから抽出される(ブロック710)。第1のデータフィールドが第2のビデオデータストリームを使用して生成される(ブロック720)。補助データが第1のビデオデータストリームから抽出され(ブロック730)、次いで第2のデータフィールドが補助データを使用して生成される(ブロック740)。
【0057】
図8は、本発明のいくつかの実施形態に係る無線通信端末により実行できる処理を示すフローチャートである。第1のデータフィールドが受信され(ブロック810)、次いでメモリに格納される(ブロック820)。第2のデータフィールドが受信される(ブロック830)。第1のデータフィールドと第2のデータフィールドの少なくともいずれかのデータフィールドを受信した後、オプションとして無線通信端末の受信機のスイッチをオフに切り替える(ブロック840)。次いで、第1及び第2のデータフィールドは組み合わされて、第3のビデオデータストリームが生成され(ブロック850)、次いで、第3のビデオデータストリームが無線通信端末で再生される(ブロック860)。
【0058】
図9は、本発明のいくつかの実施形態に係る無線通信端末により実行できる他の処理を示す図である。無線通信端末がより高いフレームレートでビデオデータを表示できる場合もあるという事実にもかかわらず、いくつかのシステムにおける帯域制限に起因して、減少したフレームレート(即ち、毎秒当たりのフレーム数)でビデオデータを送信することが望ましい場合がある。このような場合、信号の見かけの品質を改善するためと、画像フリッカを減らすためとの少なくともいずれかの目的のために無線通信端末が追加のビデオフレームを生成し、表示することが望ましい場合がある。本発明のいくつかの実施形態では、送信データストリームの個々のブロックはビデオフレームに対応してもよい。したがって、実施形態によっては、送信データストリームの第1のブロックにおける第1及び第2の所望のフィールドを無線通信端末で受信するものもある(ブロック910)。第1のビデオフレームが受信されたデータフィールドを使用して生成される(ブロック920)。次いで、第2のブロックの第1及び第2の所望のフィールドが受信され(ブロック930)、次いで第2のビデオフレームが第2のブロックの所望のフィールドを使用して生成される(ブロック940)。第1及び第2のビデオフレームが補間(内挿)されて、第3のビデオフレームが生成される(ブロック950)。次いで、第1、第3及び第2のフレームがこの順に無線通信端末で再生される(ブロック960)。
【0059】
図10は、無線通信端末で実行できる他の処理を示す図である。送信データストリームのブロックにおける第1のデータフィールドが無線通信端末で受信される(ブロック1010)。無線通信端末は、受信された第1のデータフィールドが所望の再生用フォーマットを提供するかどうかを判定する(ブロック1020)。提供する場合には、受信機のスイッチがオフに切り替えられ(ブロック1080)、無線通信端末は次のブロックデータを待機することになる(ブロック1090)。追加の解像度又は拡張を所望する場合には、無線通信端末は、ブロック内の次のデータフィールドが必要かどうかを判定する(ブロック1030)。必要であれば、無線通信端末は次のデータフィールドを受信する(ブロック1070)。必要でなければ、受信機のスイッチがオフに切り替えられ(ブロック1040)、無線通信端末は所望のフィールドを待機する(ブロック1050)。所望のフィールドが送信されると、無線通信端末はスイッチをオンに切り替え(ブロック1060)、所望のフィールドを受信する(ブロック1070)。
【0060】
データフィールドを受信した後、(ブロック1070)、無線通信端末は、受信されたフィールドが所望のフォーマットに対して十分なデータを提供しているかどうかを再び判定し(ブロック1020)、その時点から十分なデータを受信するまで、所望の再生フォーマットを有するビデオデータストリームの生成を続ける。
【0061】
本明細書において使用されているように、用語「デコーダ」は、符号化メディアファイルの出力信号への変換に限定される用語ではなく、ファイル管理と、本明細書に記載の2組のデータを組み合わせる能力と、格納済みファイルのストリーミングと、再生の少なくともいずれかを管理する能力などを含みうる用語であることは理解されよう。また本明細書において使用されているように、用語「サーバ」は、固定位置においてネットワークと接続されているパーソナルコンピュータ又は類似のデバイスに限定される用語ではない。本明細書に記載の再生デバイスは「サーバ」機能を備えることも可能であり、本明細書に記載のファイル配信の分散又はピアツーピア・トポロジを許容するものである。
【0062】
セルラー電話通信網に関連して本発明の実施形態について説明した。しかし、例えば、DABネットワーク、DVBネットワーク及びその他のネットワークを含む他のデジタル送信ネットワークにおいて本発明の実施形態を好適に用いることができることは当業者によって理解されるであろう。
【0063】
ビデオデータストリームが関連する音声データストリームを含むことができ、かつ、一般に音声データストリームを含むものであることがさらに理解されよう。したがって、ビデオデータ及びビデオデータストリームについての本明細書での言及には、音声データ及び音声データストリームが含まれ、この言及は音声のみの成分を有する信号を包含してもよい。
【0064】
図面及び明細書において本発明の実施形態を開示した。特定の用語が使用されてはいるが、これらの用語は一般的な意味で、また、説明するための意味でのみ使用されるものであって、本発明を限定することを目的とするものではない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により示される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】本発明の種々の実施形態に係るビデオの配信方法と再生方法の少なくともいずれかと、システムとの少なくともいずれかを示すブロック図である。
【図1B】、
【図1C】本発明の実施形態に係るビデオコンテンツの受信と再生の少なくともいずれかを行うモバイル電話機を示す図である。
【図2】、
【図3】、
【図4】、
【図5A】、
【図5B】本発明の実施形態に係るビデオの配信方法と再生方法の少なくともいずれかと、システムとの少なくともいずれかを示すブロック図である。
【図6】、
【図7】、
【図8】、
【図9】、
【図10】本発明の種々の実施形態に係るビデオコンテンツの配信と再生の少なくともいずれかを行うために実行される処理を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ配信方法であって、
第1のビデオ表示用フォーマットでフォーマットされた第1のビデオデータストリームを提供するステップと、
前記第1のビデオデータストリームから抽出され、第2のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされた第2のビデオデータストリームを生成するステップと、
前記第1のビデオデータストリームから抽出された補助データであって、前記第2のビデオデータストリームと組み合わされると、第3のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされた第3のビデオデータストリームを提供することになる前記補助データを生成するステップと、
前記第2のビデオデータストリームと前記補助データとを含む複数のデータブロックを有する送信データストリームを形成するステップと、
前記送信データストリームを複数の通信端末へマルチキャストするステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックにおける第1のデータフィールドを、無線エアインタフェースを介して前記複数の通信端末のうちの1つ通信端末で受信するステップと、
前記マルチキャストされたビデオデータストリームの前記ブロックにおける第2のデータフィールドを前記通信端末で受信するステップと、
前記第3のビデオデータストリームを生成するために、前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせるステップと、
前記第3のビデオデータストリームを前記通信端末で表示するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビデオデータストリームのブロックは、ビデオフレームに対応することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2のデータフィールドは、前記送信データストリーム内で隣接していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1及び第2のデータフィールドは、前記送信データストリーム内で隣接しており、
前記通信端末は、前記送信データストリームを受信する無線受信機を備え、
前記送信データストリームの第1ブロックにおける前記第2のデータフィールドを受信した後に、前記無線受信機のスイッチをオフに切り替えるステップと、
前記送信データストリームの後続ブロックの受信開始時に前記受信機のスイッチをオンに切り替えるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記通信端末は、前記送信データストリームを受信する無線受信機を備え、
前記送信データストリームの第1のブロックにおける前記第1のデータフィールドを受信した後に、前記無線受信機のスイッチをオフに切り替えるステップと、
後続ブロックの受信開始時に前記受信機のスイッチを再びオンに切り替えるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のデータフィールド及び前記第2のデータフィールドを組み合わせる前に、前記第2のデータフィールドを前記通信端末内のメモリに格納するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のビデオデータストリームは、1フレーム当たりの第1のライン数と、1ライン当たりの第1のピクセル数と、を有するビデオデータを含み、
前記第2のビデオデータストリームは、1フレーム当たりの前記第1のライン数よりも少ない第2のライン数と1ライン当たりの前記第1のピクセル数よりも少ない第2のピクセル数の少なくともいずれかを有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3のビデオデータストリームは、1フレーム当たりの前記第2のライン数よりも多い第3のライン数、及び、1ライン当たりの前記第2のピクセル数よりも多い第3のピクセル数の少なくともいずれかを有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のビデオデータストリームは、1ピクセル当たりの第1のビット数を有するビデオデータを含み、
前記第2のビデオデータストリームは、1ピクセル当たりの前記第1のビット数よりも少ない第2のビット数を有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第3のビデオデータストリームは、1ピクセル当たりの前記第2のビット数よりも大きい第3のビット数を有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のビデオデータストリームは、毎秒当たりの第1のフレーム数を有するビデオデータを含み、
前記第2のビデオデータストリームは、毎秒当たりの前記第1のフレーム数よりも少ない第2のフレーム数を有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第3のビデオデータストリームは、毎秒当たりの前記第2のフレーム数よりも大きい第3のフレーム数を有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記送信データストリームのブロックは、ビデオフレームに対応し、
前記マルチキャストされたビデオデータのブロックにおける前記第1のデータフィールドを受信するステップは、前記マルチキャストされたビデオデータの前記第1のデータフィールドを受信するステップを含み、
前記第1のブロックにおける前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせるステップは、第1のビデオフレームを生成するステップを含み、
前記マルチキャストされたビデオデータストリームの第2のブロックにおける第1のデータフィールドを前記通信端末で受信するステップと、
前記第2のブロックにおける前記第1のデータフィールドをメモリに格納するステップと、
前記マルチキャストされたビデオデータストリームの前記第2のブロックにおける第2のデータフィールドを前記通信端末で受信するステップと、
前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせて、第2のビデオフレームを生成するステップと、
前記第1のビデオフレームと前記第2のビデオフレームとの間に第3のビデオフレームを生成するために、前記第1のビデオフレームと、前記第2のビデオフレームとを補間するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のビデオフレーム、前記第3のビデオフレーム、前記第2のビデオフレームの順で前記受信用無線端末に表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
オーディオビジュアル配信方法であって、
第1の表示用フォーマットでフォーマットされた第1のオーディオビジュアルデータストリームを提供するステップと、
前記第1のオーディオビジュアルデータストリームを再フォーマットして、第2の表示用フォーマットで表示用にフォーマットされた第2のオーディオビジュアルデータストリームを提供するステップと、
前記第2のオーディオビジュアルデータストリームを含む第1のデータフィールドと、前記第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、前記第1及び第2の表示用フォーマットとは異なる第3のフォーマットで表示用にフォーマットされた、拡張されたオーディオビジュアルデータストリームを提供する補助データを含む第2のデータフィールドとの少なくとも1つを有する送信データストリームのブロックを準備するステップと、
前記送信データストリームを複数の通信端末へマルチキャストするステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記マルチキャストされたオーディオビジュアルデータストリームのブロックにおける前記第1のデータフィールドを通信端末で受信するステップと、
前記マルチキャストされたオーディオビジュアルデータストリームの前記ブロックにおける前記第2のデータフィールドを前記通信端末で受信するステップと、
前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせて、拡張されたオーディオビジュアルデータストリームを提供するステップと、
前記拡張されたオーディオビジュアルデータストリームを前記通信端末で再生するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記送信データストリームのブロックは、前記第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、前記第2及び第3の表示用フォーマットとは異なる第4の表示用フォーマットで表示用にフォーマットされる、拡張されたオーディオビジュアルデータストリームを提供する第3の補助データを含むデータブロックにおけるデータフィールドを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記通信端末は、無線受信機を含み、
前記第2のデータフィールドを受信した後に、前記無線受信機のスイッチをオフに切り替えるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のオーディオビジュアルデータストリームは、1フレーム当たりの第1のライン数と、1ライン当たりの第1のピクセル数と、1ピクセル当たりの第1のビット数と、毎秒当たりの第1のフレーム数と、を有するビデオデータを含み、
前記第2のビデオデータストリームは、1フレーム当たりの前記第1のライン数よりも少ない第2のライン数と、1ライン当たりの前記第1のピクセル数よりも少ない第2のピクセル数と、1ピクセル当たりの前記第1のビット数よりも少ない第2のビット数と、毎秒当たりの前記第1のフレーム数よりも少ない第2のフレーム数との少なくともいずれかを有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記拡張されたオーディオビジュアルデータストリームは、1フレーム当たりの前記第2のライン数よりも大きい第3のライン数と、1ライン当たりの前記第2のピクセル数よりも大きい第3のピクセル数と、1ピクセル当たりの前記第2のビット数よりも大きい第3のビット数と、毎秒当たりの前記第2のフレーム数よりも大きい第3のフレーム数との少なくともいずれかを有するビデオデータを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記オーディオビジュアルデータストリームのブロックは、ビデオフレームに対応し、
前記マルチキャストされたオーディオビジュアルデータのブロックにおける前記第1のデータフィールドを受信するステップは、前記マルチキャストされたオーディオビジュアルデータの前記第1のデータフィールドを受信するステップを含み、
前記第1のブロックにおける前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせるステップは、第1のビデオフレームを生成するステップを含み、
前記マルチキャストされたオーディオビジュアルデータストリームの第2のブロックにおける第1のデータフィールドを前記受信用無線端末で受信するステップと、
前記第2のブロックにおける前記第1のデータフィールドをメモリに格納するステップと、
前記マルチキャストされたオーディオビジュアルデータストリームの前記第2のブロックにおける第2のデータフィールドを前記受信用無線端末で受信するステップと、
前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせて、第2のビデオフレームを生成するステップと、
前記第1のビデオフレームと前記第2のビデオフレームとの間に第3のビデオフレームを生成するために、前記第1のビデオフレームと前記第2のビデオフレームとを補間するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
無線通信端末であって、
無線受信機と、
前記無線受信機と結合されたコントローラであって、マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックにおける第1のデータフィールドを前記無線受信機から受信し、前記受信された第1のデータフィールドをメモリに格納し、前記マルチキャストされたビデオデータストリームの前記ブロックにおける第2のデータフィールドを受信し、前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせて、拡張されたビデオデータストリームを生成し、前記第3のビデオデータストリームを再生するコントローラと
を備え、
前記コントローラは、前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドの少なくともいずれかを受信した後に、前記無線受信機のスイッチをオフに切り替えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項24】
前記コントローラは、
前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとから第1のビデオフレームを生成し、
前記マルチキャストされたビデオデータストリームの第2のブロックにおける第1及び第2の所望のフィールドを受信し、
前記ビデオデータストリームの前記第2のブロックにおける前記第1及び第2の所望のフィールドを組み合わせて、第2のビデオフレームを生成し、
前記第1のビデオフレームと前記第2のビデオフレームとの中間に位置する第3のビデオフレームを生成するために、前記第1のビデオフレームと前記第2のビデオフレームとを補間することを特徴とする請求項23に記載の無線通信端末。
【請求項25】
前記コントローラは、前記第1のビデオフレーム、前記第3のビデオフレーム、前記第2のビデオフレームの順で再生することを特徴とする請求項24に記載の無線通信端末。
【請求項26】
前記コントローラは、前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせる前に、前記無線通信端末内の前記第2のデータフィールドをメモリに格納することを特徴とする請求項23に記載の無線通信端末。
【請求項27】
無線通信システムであって、
第1のビデオデータストリームから第2のビデオデータストリームを抽出するマルチメディアサーバであって、少なくとも第1及び第2のデータフィールドを有する複数のデータブロックを有する送信データストリームを形成する前記マルチメディアサーバを備え、
前記第1のデータフィールドは、前記第2のビデオデータストリームを含み、
前記第2のデータフィールドは、前記第1のデータフィールドと組み合わされると、第3のビデオデータストリームを提供する補助データを含むことを特徴とする無線通信システム。
【請求項28】
前記第1のビデオデータストリームは、第1のビデオフォーマットで表示用にフォーマットされ、
前記第2のビデオデータストリームは、前記第1のビデオフォーマットとは異なる第2のビデオフォーマットでフォーマットされることを特徴とする請求項27に記載の無線通信システム。
【請求項29】
前記第3のビデオデータストリームは、前記第1及び第2のビデオ表示用フォーマットとは異なる第3のビデオ表示用フォーマットで表示用にフォーマットされることを特徴とする請求項28に記載の無線通信システム。
【請求項30】
前記第1及び第3のビデオ表示用フォーマットは、同じものであることを特徴とする請求項29に記載の無線通信システム。
【請求項31】
複数の無線通信端末をさらに備え、
前記複数の無線通信端末のそれぞれは、メモリと、受信機と、前記メモリ及び前記受信機と結合されたコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記送信データストリームのブロックにおける第1のデータフィールドを前記受信機から受信し、
前記受信された第1のデータフィールドを前記メモリに格納し、
前記送信データストリームの前記ブロックの第2のデータフィールドを受信し、
前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせて、拡張されたビデオデータストリームを生成し、
前記第3のビデオデータストリームを再生することを特徴とする請求項27に記載の無線通信システム。
【請求項32】
ビデオ配信方法であって、
第1の画像サイズを有し、かつ、第1のビデオ表示用フォーマットでフォーマットされた第1のビデオデータストリームを提供するステップと、
少なくとも第1、第2及び第3のデータフィールドを有する複数のデータブロックを有する送信データストリームを形成するステップと、
送信機から複数の受信側無線端末へ前記送信データストリームをマルチキャストするステップと
を含み、
前記第1のデータフィールドは、前記第1のビデオデータストリームから抽出され、かつ、第2のビデオフォーマットでフォーマットされた第2のビデオデータストリームを含み、
前記第2のデータフィールドは、前記第1のビデオデータストリームから抽出されたカラー拡張データを含み、
前記第3のデータフィールドは、前記第1のビデオデータストリームから抽出されたサイズ/解像度拡張データを含み、
前記カラー拡張データは、前記第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、カラー拡張された第2のビデオデータストリームを提供するように構成され、
前記サイズ/解像度拡張データは、前記第1のデータフィールドのデータと組み合わされると、第3のビデオフォーマットで表示用としてフォーマットされた第3のビデオデータストリームを提供するように構成されることを特徴とするビデオ配信方法。
【請求項33】
前記送信データストリームは、第2のカラー拡張データを含む第4のデータフィールドをさらに含み、
前記第2のカラー拡張データは、前記第1、第2及び第3のデータフィールドのデータと組み合わされると、前記第3のビデオフォーマットで表示用としてフォーマットされた、カラー拡張された第3のビデオデータストリームを提供するように構成されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
無線通信端末であって、
無線受信機と、
第1のビデオ表示用フォーマットでビデオデータストリームを表示する第1のディスプレイと、
第2のビデオ表示用フォーマットでビデオデータストリームを表示する第2のディスプレイと、
マルチキャストされたビデオデータストリームのブロックにおける第1のデータフィールドを前記無線受信機から受信し、前記受信された第1のデータフィールドを前記メモリに格納し、前記マルチキャストされたビデオデータストリームの前記ブロックにおける第2のデータフィールドを受信し、前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせて、拡張されたビデオデータストリームを生成し、前記第1のディスプレイ又は前記第2のディスプレイのうちの一方で、前記第3のビデオデータストリームを再生する前記無線受信機と結合されたコントローラと
を備えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項35】
前記コントローラは、
前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとから第1のビデオフレームを生成し、
前記マルチキャストされたビデオデータストリームの第2のブロックにおける第1及び第2の所望のフィールドを受信し、
前記ビデオデータストリームの前記第2のブロックにおける前記第1及び第2の所望のフィールドを組み合わせて、第2のビデオフレームを生成し、
前記第1のビデオフレームと前記第2のビデオフレームとの中間に位置する第3のビデオフレームを生成するために、前記第1のビデオフレームと前記第2のビデオフレームとを補間することを特徴とする請求項34に記載の無線通信端末。
【請求項36】
前記コントローラは、前記第1のビデオフレーム、前記第3のビデオフレーム、前記第2のビデオフレームの順で再生することを特徴とする請求項35に記載の無線通信端末。
【請求項37】
前記コントローラは、前記第1のデータフィールドと前記第2のデータフィールドとを組み合わせる前に、前記無線通信端末内の前記第2のデータフィールドをメモリに格納することを特徴とする請求項34に記載の無線通信端末。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−506630(P2009−506630A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527897(P2008−527897)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/011822
【国際公開番号】WO2007/024275
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】