説明

複数の追跡方法を用いたプローブ追跡

【課題】被験者の体の内部でプローブの全長に沿って設けられた複数の点の、それぞれの見かけ位置を示す入力を受け取ることと、体内のプローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、プローブの既知の機械的性質のモデルを、それぞれの見かけ位置に適用することとを含む方法を開示する。
【解決手段】この方法は、最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、その形状に応答して、見かけ位置の初期座標を決定することと、見かけ位置と初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化することと、最小化された第2の費用関数に基づいて、プローブの全長に沿った点の修正座標を生成することとを更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には、生体内に置かれた対象の位置を検知することに関し、より具体的には、複数の測定パラメータを用いた、生体内のプローブの位置検知に関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲にわたる医療手技では、センサー、チューブ、カテーテル、分配装置、及び移植片などの物体を体内に置くことが含まれる。これらの手技の間に対象及びその周囲を視覚化する上で医師を支援するために、リアルタイム画像処理法がしばしば用いられる。しかしながら、多くの状況において、リアルタイム3次元画像処理は可能ではないか、あるいは望ましいものではない。その代わり、内部対象のリアルタイム空間座標を取得するためのシステムがしばしば利用される。
【0003】
その内容が参照によって本明細書に組み込まれる、ゴバリ(Govari)らに付与された米国特許出願第2007/0016007号は、磁気式及びインピーダンス式の複合型の位置検知システムが記載されている。このシステムは、被験者の体腔の中に導入されるように適合されたプローブを含んでいる。
【0004】
その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、ギルボア(Gilboa)に付与された米国特許第6,574,498号には、不透明体の空洞内にあるワークピースの位置を判定するためのシステムが記載されている。このシステムは、一次場と相互作用する1つのトランスデューサと、二次場と相互作用する複数のトランスデューサとを使用することを主張するものである。
【0005】
その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、ファイファー(Pfeiffer)らに付与された米国特許第5,899,860号には、患者の体の内部にあるカテーテルの位置を判定するためのシステムが記載されている。受信した位置信号から導出した較正位置と既知の真の較正位置との差から補正関数が決定されると、受信した位置信号から導出したカテーテル位置は、補正関数に従って後の測定段階で修正される。
【0006】
その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、ウィットカンフ(Wittkampf)に付与された米国特許第5,983,126号には、電気インピーダンス法を用いてカテーテル位置を検出するシステムが記載されている。
【0007】
その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、ゴバリ(Govari)らに付与された米国特許出願公開第2006/0173251号、及びオサドシー(Osadchy)に付与された同第2007/0038078号には、プローブ上の電極と体の表面上の複数の位置との間で体に電流を通すことによってプローブの位置を検知する方法が記載されている。これらの方法はみな同様に、プローブ位置を検知する上で体の電気インピーダンスを用いるものである。
【0008】
上記の説明は、当該技術分野における関連技術の総括として提示するものであり、その説明に含まれる情報が本特許出願に対する先行技術をなすことを認めるものと見なされるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある実施形態は、ある方法を提供するものであり、その方法は、
被験者の体の内部でプローブの全長に沿って設けられた複数の点の、それぞれの見かけ位置を示す入力を受け取ることと、
体内のプローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、プローブの既知の機械的性質のモデルを、それぞれの見かけ位置に適用することと、
最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、その形状に応答して、見かけ位置の初期座標を決定することと、
見かけ位置と初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化することと、
最小化された第2の費用関数に基づいて、プローブの全長に沿った点の修正座標を生成することと、を含む。
【0010】
通常、入力を受け取ることは、プローブの全長に沿って設けられた位置トランスデューサから入力を受け取ることを含み、複数の点の各々は、位置トランスデューサのそれぞれの位置に対応する。位置トランスデューサは、インピーダンス測定電極、単軸磁気センサー、三軸磁気センサー、及び超音波センサーからなる群から選択され得る。
【0011】
一実施形態において、複数の点は、プローブの全長に沿って設けられた複数の調査電極をそれぞれ備え、それぞれの見かけ位置を示す入力を受け取ることは、
被験者の体にガルバニック接触させて体電極を配置することと、
被験者の体内に、マッピング電極を有するマッピングツールを配置することと、
体内の種々の位置で、体電極とマッピング電極との間に、1組の較正電流を生成することと、
1組の較正電流と種々の位置との関係を導出することと、
体電極と複数の調査電極との間に、各組の調査ツール電流を生成することと、
その関係及び各組の調査ツール電流に応答して、それぞれの見かけ位置を決定することとを含む。
【0012】
通常、マッピングツールを配置することは、位置測定システムを使用して、種々の位置のマッピングツールを追跡することを含む。それに代わって、あるいはそれに加えて、マッピングツールを配置することは、体内の複数の領域内にマッピングツールを配置することを含み、関係を導出することは、領域ごとに、それぞれの種々の領域の、1組の較正電流と種々の位置との関係を決定することを含む。
【0013】
開示される実施形態において、この方法は、パラメータ化された初期座標を公式化するために、調整パラメータを初期座標に適用することを含み、第2の費用関数を最小化することは、調整パラメータの値を決定するために、見かけ位置とパラメータ化された初期座標との差を算出することを含み、修正座標を生成することは、パラメータ化された修正座標を評価するために、調整パラメータの値を初期座標に適用することを含む。
【0014】
本発明の実施形態によれば、ある装置が更に提供され、その装置は、
プローブの全長に沿って設けられた複数の点を有するプローブと、
プロセッサとを備え、そのプロセッサは、
被験者の体の内部の複数の点のそれぞれの見かけ位置を示す入力を受け取り、
体内のプローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、プローブの既知の機械的性質のモデルを、それぞれの見かけ位置に適用し、
最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、その形状に応答して、見かけ位置の初期座標を決定し、
見かけ位置と初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化し、
最小化された第2の費用関数に基づいて、プローブの全長に沿った点の修正座標を生成するように構成されている。
【0015】
本発明の実施形態によれば、コンピュータプログラム命令が中に記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータソフトウェア製品が更に提供され、その命令がコンピュータに読み取られると、コンピュータは、
被験者の体の内部でプローブの全長に沿って設けられた複数の点のそれぞれの見かけ位置を示す入力を受け取り、
体内のプローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、プローブの既知の機械的性質のモデルを、それぞれの見かけ位置に適用し、
最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、その形状に応答して、見かけ位置の初期座標を決定し、
見かけ位置と初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化し、
最小化された第2の費用関数に基づいて、プローブの全長に沿った点の修正座標を生成する。
【0016】
本開示は、添付の図面と共になされる、本発明の実施形態の以下の詳細な説明によって、更に十分に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明の実施形態による、ハイブリッド型カテーテルを利用する位置検知システムの概略的絵画図。
【図1B】本発明の実施形態による、ハイブリッド型カテーテルの遠位端部を示す概略的詳細図。
【図2A】本発明の実施形態による、自由形状から逸脱した非ハイブリッド型カテーテルを概略的に示す図。
【図2B】本発明の実施形態による、自由形状から逸脱した非ハイブリッド型カテーテルを概略的に示す図。
【図3A】本発明の実施形態による位置検知システムを操作するプロセスを概略的に示す流れ図。
【図3B】本発明の実施形態によるシステムの簡易ブロック図。
【図4】本発明の実施形態による、基準パッチのベクトル関係を示す概略図。
【図5】本発明の実施形態による、パッチ回路の概略図。
【図6】本発明の実施形態による、追跡モジュールの構成要素を示す簡易ブロック図。
【図7】本発明の実施形態による、調査する領域を分割する副ボリュームを規定する上で用いられるパラメータを示す図。
【図8】本発明の実施形態による、電流位置変換マトリクスを生成する工程を示す流れ図。
【図9】本発明の実施形態による、図8の流れ図で生成したマトリクスを用いてカテーテル位置を生成する工程46を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概論
本発明の実施形態において、第1の追跡副システムが、より正確な第2の追跡副システムを使用して較正される。いずれの副システムも、本明細書では一例としてカテーテル先端部であると想定される、患者の体内にあるプローブの位置及び方向の測定に使用されてよい。いずれの副システムも較正段階で操作されるが、追跡段階では第1の副システムのみが使用される。
【0019】
第1の副システムは、カテーテル先端部上の電極と体上又は体内に配置された複数の導電要素との間に電流を生成し、それによって電流分布を形成する。電極の位置は、この電流分布から算出される。第2の副システムは、第1の副システムとは異なる原理で動作する任意の位置追跡システムであってよい。較正段階において、2つの副システムの結果の関係式が形成される。
【0020】
追跡段階において、すなわち、プローブを追跡するために第1の副システムがそれ自体で使用されるとき、これらの関係式が、第1の副システムで生成された電流に適用される。関係式を適用することにより、プローブ上の電極の位置の測定精度が向上し、電極に対する位置の値が改善される。
【0021】
追跡段階で行われる測定の精度を更に向上させるために、プローブの機械的モデルが、第1の副システムから得られた結果に適用される。この機械的モデルは、電極の位置の予測値を生成する。2組の位置、すなわち第1の副システムから得られた位置と、機械的モデルから得られた位置に関連する費用関数が公式化され、この費用関数が最小化されて、電極の位置値が改善されて決定される。
【0022】
電極の位置の決定を更に改善するために、2組の位置値が、調整パラメータで別々にパラメータ化される。2組のパラメータ化された位置値を解析することによって調整パラメータの最適値が決定され、この調整パラメータの最適値は、改善された位置値に適用される。
【0023】
システムの説明
図1Aは、本発明の実施形態による、ハイブリッド型カテーテル20を利用する位置検知システム36の概略的絵画図であり、図1Bは、本発明の実施形態による、ハイブリッド型カテーテルの遠位端部を示す概略的詳細図である。このハイブリッド型カテーテルは、医療手技においてプローブとして作用するものであり、本明細書においてはマッピングカテーテルと呼ばれることもある。医療専門家56がシステム36を操作すると想定される。
【0024】
一例として、本明細書の以下の説明で特に明記しない限り、マッピングカテーテル20は、被験者40の心臓38の心室内での侵襲手技において使用されると想定される。別法として、位置検知システム36は、他の体腔において、カテーテル20と類似したプローブと共に使用されてもよい。被験者40は、例えば電磁場発生コイル42を備えた位置確認パッド43を被験者の下方に配置することによって発生した磁場に置かれる。コイル42によって発生された磁場は、カテーテル20の遠位端部に設置された電磁(EM)センサー22のコイル24、24及び28内に電気信号を発生させる。その電気信号は制御ユニット44に伝達され、制御ユニット44は、その信号を解析してカテーテル20の位置及び方向の座標を判定する。別法として、磁場センサー22内のコイルは、磁場を発生させるように駆動されてもよく、その磁場はコイル42によって検出される。
【0025】
制御ユニット44はプロセッサ46を備え、このプロセッサ44は通常、適切な信号処理回路を備えたコンピュータである。このプロセッサはメモリー47を使用するが、メモリー47は通常、揮発性データ記憶装置と不揮発性データ記憶装置の両方を含むものであり、このメモリー47内にオペレーティングシステム36のデータが記憶される。プロセッサは操作卓52を駆動するように結合されており、操作卓52は、カテーテル20の位置の視覚的表示54を提供してもよい。
【0026】
制御ユニット44は、交流駆動器56Iを備えており、プロセッサ46は交流駆動器56Iを使用して、マッピングカテーテル20の遠位端部に設置されたマッピング電極30、カテーテル電極32、及び導電性電極34に電流を供給する。プロセッサ46は、カテーテル20の各電極に供給される電流の交流周波数を種々に設定する。カテーテル電極は、カテーテルの挿入チューブに通されたワイヤーによって、制御ユニット44内の電流及び電圧測定回路に接続されている。
【0027】
制御ユニットは、本明細書において体電極とも呼ばれる体表面電極にワイヤーで接続されており、体表面電極は、ボタン電極、針電極、皮下プローブ、又はパッチ電極など、当該技術分野で既知の任意の種類の体電極であってよい。体電極は通常、被験者40の体表面とガルバニック接触し、被験者から生じる体表面電流を受け取る。以下の説明でパッチ電極又はパッチについて言及する場合、本発明の実施形態が、上述した他の種類の電極を使用し得ることを理解されたい。
【0028】
いくつかの実施形態において、体電極のうちの1つ以上が、被験者40の体にガルバニック接触して、かつ被験者40の体の内部に配置されてもよい。通常、制御ユニット44は、例えば、内部に配置されたこれらの体電極がカテーテル20内のコイル24、26及び28と類似した追跡コイルを有するように構成されることにより、これらの体電極の位置を追跡する。特に明記しない限り、以下の説明は、簡潔にするため、体電極が被験者40の体に設置されることを想定したものである。当業者であれば、必要に応じて、被験者40の体の内部に配置される体電極に対応するように、この説明を適合させることが可能となろう。
【0029】
一例として、体表面電極は本明細書において、接着性皮膚パッチ60、62、64、66、68及び70を備えると想定され、これらの接着性皮膚パッチは、総称的に有効電流位置(ACL)パッチ60Pと呼ばれるか、あるいはiを1〜6の整数としてACLパッチインデックス「i」で示される。ACLパッチ60Pは、プローブの付近で被験者40の体表面上の任意の好都合な位置に置かれてよい。ACLパッチ60Pは通常、カテーテル20内のコイル24、26及び28と類似した、それぞれに関連付けられた追跡コイルを有する。本発明の別の実施形態において、体表面電極は個数において様々であってもよい。体表面電極は、マッピングカテーテルの電極から種々のマッピング電流を受け取り、その種々の電流が解析されて、カテーテル20の位置又は配置が判定される。したがって、カテーテル20はその位置を測定するための2つの構成要素を備え、一方の構成要素はシステム36のEM副システム内で動作するものであり、もう一方の構成要素はシステム36のACL副システム内で動作する。
【0030】
制御ユニット44はまた電圧発生器56Vを備えており、この電圧発生器56Vは接続ワイヤーでACLパッチ「i」に接続されており、プロセッサ46はその接続ワイヤーを使用してACLパッチのインピーダンスを測定する。
【0031】
駆動器56I及び発生器56Vからの電流は、異なる周波数で電流及び電圧を操作するプロセッサ46によって識別される。このようにして、ACLパッチに電圧を供給する発生器に対しては、固有の6つの周波数が、またカテーテルに電流を供給する駆動装置に対しては、他の固有の複数の周波数が存在する。
【0032】
システム36において、概してカテーテル20と類似した1つ以上の他のハイブリッド型カテーテルが存在してもよく、そのハイブリッド型カテーテルは、カテーテル20が追跡されるのと概ね同様にシステムによって追跡される。簡潔にするため、図1Aにおいて他のカテーテルは示されていない。加えて、システム36において、他の非ハイブリッド型カテーテルが存在してもよく、その非ハイブリッド型カテーテルは、電極30、32、及び34と類似した1つ以上の電極を備えるが、センサー22などのセンサーを備えないものである。非ハイブリッド型カテーテルは、本明細書において調査カテーテルとも呼ばれるプローブであり、この調査カテーテルの電極はまた、調査カテーテル導電性電極とも呼ばれる。以下で説明するように、調査カテーテル導電性電極は、インピーダンス測定電極として動作し、また位置トランスデューサとしても作用するものであり、そのため、システム36はこれらの調査カテーテルを追跡することが可能である。一例として、そのような非ハイブリッド型カテーテル21が図1Aに示されている。
【0033】
一実施形態において、電流駆動器56Iに関し、約90種類の周波数が存在し、そのため、最大90個のカテーテル電極がシステム36にて同時に追跡され得る。
【0034】
本明細書では一例として3個の接着性皮膚パッチ80、82、及び84を備えると想定される皮膚パッチが、通常、位置基準として使用するために被験者40の背中上に置かれる。パッチ80、82、及び84は、本明細書において総称的に基準パッチ80Rと呼ばれる。各基準パッチ80RはEMセンサーを有しており、そのEMセンサーは概してセンサー22と類似したものであり、個々のパッチの位置をプロセッサ46に与える。基準パッチ80Rはワイヤーで制御ユニット44に接続される。
【0035】
システム36はまた、内部に置かれるカテーテルなどの基準位置センサーを備えてもよく、その基準位置センサーは、本明細書では心臓38であると想定される、身体40の運動器官の中に挿入され、その運動器官に対して実質的に一定の位置に維持される。ここで、基準センサーは、冠静脈洞基準カテーテル(CSRC)27を備えると想定され、本明細書において基準カテーテル27とも呼ばれるものである。カテーテル27は通常、ハイブリッド型カテーテルである。カテーテル20の位置を基準カテーテル27の位置と比較することにより、カテーテル20の座標が、心臓の運動とは無関係に、心臓に対して正確に決定される。
【0036】
通常、システム36は他の要素及び/又はシステムを備えるが、それらは、簡潔にするため図には示されておらず、必要に応じて以下の説明で言及される。例えば、システム36は、ECGモニター(ECG同期信号を制御ユニット44に与えるために、1個以上の体表面電極から信号を受信するように結合されている)、及び/又は焼灼システムを備えてもよい。
【0037】
図1Aの構成は、単に構想を明確にする目的で選ばれた例示的な構成である。別の実施形態において、任意の他の好適な構成が用いられ得る。
【0038】
例えば、以下で説明する方法は、磁気又は超音波位置センサーなど、電極以外の種類の位置トランスデューサを使用して行われた位置測定を修正する際に適用されてもよい。本明細書で用いられる「位置トランスデューサ」という用語は、プローブ上に装着されたある要素を指し、その要素は、要素の座標を示す信号を制御ユニット44に受信させるものである。位置トランスデューサはしたがって、トランスデューサが受信したエネルギーに基づいて制御ユニットに向けて位置信号を発生させる受信器をプローブ上に備えていてもよく、あるいは、プローブに対して外側にある受信器によって検知されるエネルギーを放出する送信器を備えていてもよい。更に、本明細書にて以下で説明する方法は、心臓内で、また他の体組織及び領域内で、カテーテルだけでなく他の種類のプローブの位置を視覚化する際に同様に適用されてよい。
【0039】
各図の流れ図及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の考えられる実現形態の構造、機能性、及び動作を示すものである。この点で、流れ図又はブロック図における各ブロックは、指定した論理機能を実現する1つ以上の実行命令を備えるモジュール、セグメント、又はコードの一部分を表現し得るものである。
【0040】
また留意されたいこととして、いくつかの別の実現形態において、ブロックに記載した機能は、図に記載した順序に反して生じてもよい。例えば、連続して示す2つのブロックは、実際に、実質的に同時に実行されてもよく、あるいはそれらのブロックは、時には、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行されてもよい。また留意されたいこととして、ブロック図及び/又は流れ図の各ブロック、並びにブロック図及び/又は流れ図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実施する専用のハードウェアベースシステムによって、あるいは、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実現され得る。
【0041】
通常、プロセッサ46は、本明細書で説明する機能を実行するための命令をソフトウェア内に有するようにプログラムされる汎用プロセッサを含む。そのソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形式でプロセッサにダウンロードされてもよく、あるいは、それに代わって、若しくはそれに加えて、磁気的、光学的、又は電子的メモリーなどの非一時的な有形のコンピュータ可読メディア上に提供及び/又は格納されてもよい。
【0042】
図2A及び2Bは、本発明の実施形態による、自由形状23Fから逸脱した非ハイブリッド型カテーテル21を概略的に示す図である。図2Aは心臓38内におけるカテーテル21の実際の形状23Cを示しており、カテーテルは電極100、102、104、106を有している。以下で説明するように、カテーテル21の電極の位置は、電極とパッチ60Pとの間を通る電流を測定することに基づいて導出される。測定された電極100、102、104、106の位置は、それぞれ点M、M、M、Mで表わされる。図2Bは、カテーテル21の幾何学的モデル120の図である。モデル120は、回転(曲げ及び捩り)を可能にする関節128及び130で連結された直線状の剛体区間122、124及び126を備えている。区間122の始点の位置は、位置ベクトルx0で記され、区間122の方向は、方向マトリクスOによって与えられる。区間124は区間122の端部で(すなわち連結関節128で)開始し、その方向はマトリクスOで与えられる。区間126は区間124の端部で(すなわち連結関節130で)開始し、その方向はマトリクスOで与えられる。ベクトルx0及びマトリクスO、O、Oは、プローブのモデルの実際の状態、すなわち形状を表わし、外力によってモデルは、モデルに外力が加えられていない自由状態から逸脱することになる。モデル120は3つの区間を備えているが、別のモデル形状が、2つ以下又は4つ以上の区間を備えてもよい。
【0043】
モデル120において、点E、E、E、Eは、モデルに従って算出された、すなわちモデル上に存在する電極100、102、104、106の位置を表わしている。算出された位置は、点M、M、M、Mの測定位置に、またこれらの測定位置とモデルに付与された機械的性質との関係に基づいたものである。以下で更に詳細に説明するように、プローブの機械的性質に基づいた費用関数が構築される。費用関数が最小化されて、点E、E、E、Eと測定値M、M、M、Mとの間に最良な適合が見出される。
【0044】
図3Aは、本発明の実施形態によるシステム36を操作するプロセスを概略的に示す流れ図200であり、図3Bは、本発明の実施形態によるシステムの簡易ブロック図である。流れ図200のプロセスを実現するために、専門家56又はシステムの別の操作者がまず、較正段階201でシステムを操作し、その後に、システムが追跡段階203で操作される。2つの段階の工程の各々で実施される動作については、以下で詳細に説明する。同様に以下で説明するように、これらの動作のいくつかは、いずれの段階で実施されてもよい。ハイブリッド型カテーテル20を使用して実施される較正段階は、流れ図の工程204及び206を含んでいる。非ハイブリッド型カテーテル21を使用して実施される追跡段階は、流れ図の残りの工程を含んでいる。
【0045】
基準系相関工程204において、EM基準系において測定された座標と、有効電流位置(ACL)基準系において測定された座標とが相関される。EM追跡副システム315は、EM基準系における測定値を生成し、ACL追跡副システム317は、本明細書において体座標系とも称されるACL系における測定値を生成する。EM追跡副システムは、コイル24、26、及び28によって生成された電磁場を用いて位置を測定する。ACL追跡は、ACLパッチ60Pを流れる電流を用いて位置を測定する。
【0046】
特に明記しない限り、以下の流れ図の工程は、中間処理モジュール319において実施されるものであり、中間処理モジュール319は、体座標系モジュール319Aと、パッチ電流較正モジュール319Cと、電流射影モジュール319Dと、パッチ有効面積補正モジュール319Fとを備えている。
【0047】
ACLパッチ較正工程206において、プロセッサ46が、工程204で用いられる電流と同等の電流を用いて、個々のACLパッチインピーダンスの差を決定する。インピーダンスの差は、プロセッサによって測定されるACLパッチの電流に影響を及ぼす。工程206で較正段階201が完結する。
【0048】
追跡段階203の第1の工程をなすパッチ補正工程208において、プロセッサ46は、ACLパッチ有効面積の変化を補正する。これらの変化は通常、一般には、発汗すること、及び患者の皮膚からパッチが部分的に剥がれることを原因とする、パッチの導電性の変化などの要因によって生じる。プロセッサ46は、工程206で生成される電流と同等の電流を用いて、補正係数を決定する。
【0049】
電流射影工程210において、プロセッサは、追跡されているカテーテルに注入された電流によって生成されるACLパッチ内の電流を測定し、工程206及び208で決定された調整を電流に適用する。工程210において、プロセッサはまた、通常、電流の一時的成分、例えば、ドリフト、心拍、及び呼吸成分を補正するために調整を適用する。
【0050】
ACL工程214は、初期の訓練段階を含み、ここでプロセッサは、上記の工程で得た電流データ及び位置データを格納し、その電流データと位置データとを関連付けるマトリクスを生成する。ACL工程214は、ACL追跡モジュール321にて実施される。プロセッサは次いで、心臓の種々の「クラスタ」、つまり領域に対するマトリクスを生成する。クラスタが十分に濃密となるように十分なデータが取得されると、ACL工程を継続する際に、プロセッサ46は、生成されたマトリクスを工程210で得られた電流データに当てはめて、カテーテル21上の電極の明らかな位置の初期座標を算出する。この初期座標は、点M、M、M、Mの「生の」測定位置に対応する。流れ図200の後の第2の費用関数工程に備えて、初期座標は、調整パラメータPAを用いてパラメータ化されるが、この調整パラメータの役割は、測定位置の精度を改善することである。
【0051】
機械的モジュール323を用いて実施されるプローブモデル工程216において、プロセッサ46は、カテーテル21の物理的性質を表わすモデルのパラメータをロードする。このモデルのパラメータは、カテーテルの自由状態形状、すなわち、力を作用されていないときのカテーテルの形状を規定する。通常、このモデルは、カテーテルがそれぞれの端部で互いに連結された複数の直線状区間からなると想定したものである。加えて、このモデルは、連結された直線状区間の各関節の曲げ耐性及び捩り耐性を規定するパラメータを含む。
【0052】
費用関数モジュール325で実施される第1の費用関数工程218において、プロセッサは、3つの項で形成された第1の費用関数を公式化する。各項は、電極の測定位置、及びモデルから導出された電極の算出位置の関数である。第1の項はカテーテルの固有エネルギーを示し、第2の項はカテーテルの要素の位置誤差を示し、第3の項は要素の方向誤差を示す。第1の費用関数が最小化されて、プローブモデルと測定位置との間の最良適合が決定される。最小化された第1の費用関数は、電極のモデル調整位置の座標を与える。
【0053】
モジュール325で実施される第2の費用関数工程219において、プロセッサは、モデル調整位置の座標と、初期位置のパラメータ化座標との差で形成された第2の費用関数を公式化する。
【0054】
最小化工程220において、プロセッサは第2の費用関数を最小化して、パラメータPの最適値を決定する。この最小化は通常、ある位置にあるカテーテルの所与の測定値の組に対して、反復に基づいて実施される。加えて、Pの値は、以前の位置にあるカテーテルから得られた測定値の組を使用することによって、通常は所与の組及び以前の組に適応関数を当てはめることによって決定されてもよい。いくつかの実施形態において、以下で説明するように、重量が測定値の組に当てはめられてもよい。
【0055】
最後の工程222において、プロセッサは、カテーテルの電極の測定位置を改善して公式化するために、工程220で決定されたPの最適値を工程214の初期座標に当てはめる。
【0056】
以下の説明で、流れ図100の工程の各々について詳細に説明する。
【0057】
体座標系
図4は、本発明の実施形態による、基準パッチ80Rのベクトル関係を示す概略図である。パッチの初期位置が、パッチ80、82、及び84として示されている。移動後の位置が、パッチ80’、82’、及び84’として示されている。
【0058】
体座標系モジュール219Aにおいて、プロセッサ46は、流れ図200の基準系相関工程204を実施する際に、この関係を適用する。上述のように、システム36は、2つの追跡副システム、つまり、センサー22などのセンサーを使用するEM追跡副システム315と、パッチ60Pを流れる電流を用いるACL追跡副システム317とを備えている。各副システムは、それぞれの基準系において動作する。EM追跡副システムは、パッド43に対して概ね固定されたEM基準系において動作する。ACL追跡副システムは、パッチ80Rに対して概ね固定されていると想定されるACL基準系、つまり体座標系(BCS)において動作する。パッチ80Rにより、副システムの一方で行われる測定を、もう一方の副システムに変換することが可能となる。較正段階の間、基準パッチ80Rが被験者40の背中に取り付けられ、そのため、パッド43に対する被験者のいかなる運動も基準パッチのEMセンサーにおける信号の変化に反映される。
【0059】
較正段階において、プロセッサ46は、基準パッチ80R上のEMセンサーから得られた信号を解析して、BCSの初期の基準系を決定する。追跡段階の間、プロセッサはEMセンサーから得られた信号を周期的に解析して、BCS基準系の位置及び方向の変化を決定する。プロセッサは、予想される値を超えてシステムパラメータが変化したことを検出することができ、その場合には較正段階に戻ることもできる。
【0060】
較正段階において、プロセッサは、LP座標、すなわち位置確認パッド(LP)43に対して測定される座標におけるパッチ80Rの位置を、通常は約1秒間である時間patchInitTimeにわたって収集することができる。
【0061】
プロセッサは次いで、各パッチに対して、平均位置及び標準偏差を算出する。
【数1】

上式において、iはサンプルのインデックスであり、
Nは時間patchInitTimeにおけるサンプル数であり、
【数2】

はサンプルの値であり、
【数3】

は、各パッチlに対する
【数4】

の平均値であり、
【数5】

の標準偏差である。
【0062】

【数6】

の値が、通常は約1mmである予め定められた数値未満であると仮定すると、この較正が認められ、その場合、すべての平均値のうちの平均
【数7】

がBCSの原点として設定される。
【数8】

【0063】
また、各パッチから原点までの動径ベクトルが算出され、後に用いるために保存される。
【数9】

【0064】
式(2)によって定義される平均ベクトル及び式(3)によって定義される3つのベクトルが図4に示されている。式(2)によって定義される原点に加えて、式(3)の3つのベクトルは、図においてパッチ80、82、及び84の間の破線で示される三角形を平面内に規定する。初期のBCSのx軸、y軸、及びz軸は、この三角形を用いて規定される。
【0065】
システム36の追跡段階の間、パッチ80Rは、パッチ80’、82’、及び84’によって例示されるように移動してもよく、また、プロセッサ46は、パッチの新たな位置を周期的に、通常は約1秒の期間で測定する。本発明の実施形態は、較正段階で規定された軸がおよそ剛体として移動し、プロセッサ46が、追跡段階の間に、新たなパッチ80Rの位置からの軸の平行移動及び回転を決定すると想定したものである。この決定に先立って、新たなパッチ位置がフィルタ処理されてノイズが低減されるが、そのフィルタ処理は通常、以下の種類の低域フィルタを含むものである。
=ayi−1+(1−a)xi (4)
上式において、y、yi−1は、現在及び以前の位置推定値であり、
は現在の位置測定値であり、
aは0〜1の係数である。
【0066】
通常、式(4)の「a」は、現在位置の推定値
【数10】

を決定する際に約0.5sの有効時間定数が存在するように選択される。その結果として、体の動きは一般に緩慢であるので、そのような時間定数がシステム36の性能に重大な影響を及ぼすことはない。
【0067】
フィルタ処理された位置
【数11】

は、実質的に式(3)に関して上述したように、座標
【数12】

の新たな原点ベクトルを決定するために使用される。
【0068】
フィルタ処理された位置
【数13】

から、プロセッサ46はまた、当業者には明らかとなる方法によって回転マトリクスTを決定し、軸の新たな方向を元の軸の方向と関連付ける。プロセッサは次いで、式(5)(以下)を用いて、各カテーテル電極の位置測定値を元のBCS軸に再び変換する。
【数14】

上式において、TはTの転置であり、
【数15】

は、測定されたカテーテル電極の位置を表わすベクトルであり、
【数16】

は、元のBCS軸に対するカテーテル電極のベクトルである。
【0069】
ベクトル
【数17】

は、以下で説明するACL工程214で算出される。
【0070】
パッチ電流較正
理想的には、アースに対して測定される各ACLパッチのインピーダンスはゼロであるが、実際にそうなるとは限らない。インピーダンスがゼロと異なる場合、パッチを流れる測定電流は、カテーテル20などのカテーテルの予想位置の誤差につながることがあり、そのため、そのような誤差を低減するために、プロセッサ46は、パッチ較正工程206(図3A及び3B)で、パッチ電流較正モジュール219Cを使用してACLパッチに対して較正を実施する。この較正により、ゼロでないインピーダンスが、またパッチ間におけるインピーダンスの差が補正される。この較正によってプロセッサ46は、パッチインピーダンスがゼロである場合にパッチ内を流れる電流を推定することができる。
【0071】
ここで図5を参照するが、図5は、本発明の実施形態によるACLパッチ回路の概略図である。
【0072】
すべてのACLパッチは、概ね同じ回路を有している。各ACLパッチiは、除細動保護回路352と焼灼保護回路354とを備えている。これら2つの回路は、パッチとアースとの間で直列に接続されている。図5において、また各パッチiに対する以下の解析に関し、
jは、パッチによって伝達された周波数fを示す周波数インデックスである。
ijは、除細動保護回路352の既知のインピーダンスである。この既知のインピーダンスは通常、パッチボックスの製造業者によって与えられ得るか、あるいは回路352の解析から決定され得る。
ijは、焼灼保護回路354のインピーダンスである。この焼灼保護回路のインピーダンスは、以下で説明するパッチインピーダンス較正プロセスの間に推定される。
は、周波数fでパッチiを駆動する、電圧源56Vからの電圧である。
ijは、周波数fにおける、パッチiを通じて測定される電流である。
ijは、周波数fにおける、パッチi上で測定される電圧である。
ijは、周波数fにおける、パッチi上での実際の電圧である。
【0073】
システム36のパッチインピーダンス較正手順において、プロセッサ46はそれぞれの電圧源56Vを使用して、対応する周波数fにて各パッチiに電流を注入する。注入された電流はまた、以下で説明するパッチ有効面積補正手順でも用いられる。
【0074】
電流は種々の周波数jにて注入され、制御ユニット44はADC(アナログデジタル変換回路)を備え、プロセッサ46はこのADCを多重化して、Vijの値を順次的に、またIijの値を同時に測定する。
【0075】
パッチインピーダンス較正手順において、プロセッサは、通常は、測定周波数全体にわたって、各周波数jにおける比
【数18】

を発見し、最良の適合、典型的には最良の二次適合を発見することによって、Vij及びIijの値からqijの値を推定する。したがって、以下のとおりである。
【数19】

【0076】
追跡段階の間、プロセッサ46は、種々の動作周波数fにおいてIij及び
【数20】

の値を測定する。以下の解析において、式(7)の表式が想定される。
【数21】

上式において、
【数22】

は、周波数fにてすべてのパッチ上で測定された電圧の合計であり、
δijはクロネッカーのデルタである。
【0077】
周波数jで駆動される特定のパッチiに関し、焼灼保護回路354にオームの法則を適用すると、次式が得られる。
ij=Eij+qijijしたがって、
【数23】

これを整理すると、次式が得られる。
【数24】

【0078】
オームの法則と式(8)とを図5の回路すべてに適用すると、特定のパッチiに関し、次式が得られる。
【数25】

上式において、Xijは、周波数jにおけるパッチiの全電圧である。
【0079】
式(9)の値は、体電導度マトリクスσを決定するために用いられ得るものであり、σは以下のマトリクス方程式で定義される。
【数26】

上式において、Iはパッチ電流のマトリクスであり、Xはパッチ電圧のマトリクスである。パッチ電流はまた、ベクトルsとして記述されてもよい。式(10)における負号は、正の電流が体40に流入するという慣習を想定したものであり、正の電流はまた、体から流出するところを測定される。それに代わって、インピーダンスマトリクスImを用いる、式(10)と類似した式が、マトリクスIとXとを関連付けて記述されてもよい。
【0080】
当業者には理解されることであるが、体電導度マトリクスσとパッチ抵抗マトリクスRとの組み合わせであるシステム電導度マトリクスσ’は次式で与えられる。
σ’=(Id+σ・R−1・σ (11a)
上式において、Idは単位行列であり、
σは、式(12)で定義される電導度マトリクスであり、
は、周波数fで送信するカテーテルの、(zik+qik)をith番目の対角要素とするパッチ抵抗の対角行列である。
【0081】
電圧Vがシステムに印加される場合、システム内を流れる電流は次式で与えられる。
【数27】

上式において、Vは電圧ベクトルであり、
【数28】

は、周波数fにおける測定電流ベクトルである。
【0082】
式(11b)は、
【数29】

がパッチ抵抗の影響を受けることを示している。較正された電流は、パッチ抵抗に依存しないものであり、したがって周波数fkに依存しないものであるが、次式で定義され得る。
【数30】

上式において、sは較正された電流ベクトルである。
【0083】
プロセッサ46は、ベクトルsで与えられる各パッチ内の推定電流値を、以下で説明するパッチ有効面積補正プロセスに渡す。
【0084】
パッチ有効面積補正
この節における説明では、パッチ補正工程208(図2A)について説明するが、パッチ有効面積モジュール319Fにおいて、プロセッサ46は、ACLパッチiの有効面積の変化を補正するプロセスを実施する。この節において、パッチ60Pは、パッチi及びパッチjと呼ぶことによって区別される。ACLパッチの有効面積が変化する原因のいくつかは、一般的には発汗によって、パッチが患者の体40から部分的に剥がれること、及び皮膚の電導度が変化することである。パッチ有効面積補正モデルは、以下を想定したものである。
ij=G・C・C・dij (12)
上式においてRijはパッチiとパッチjとの間のインピーダンスであり、
、Cは、パッチi及びパッチjの有効面積であり、
ijは、パッチiとパッチjとの間の距離であり、
Gは、とりわけ媒質の電導度の関数である比例定数である。
【0085】
面積補正プロセスを実施する際、プロセッサ46は、ソースパッチjから電流Iを生成し、他のパッチ内で受容された電流Iijの各々を測定する。プロセッサ46は、各ACLパッチごとにこのプロセスを実施し、したがって、N個のパッチに対し、プロセッサは合計でN(N−1)回の電流測定を行う。
【0086】
任意の2つのパッチi、jの間の推定インピーダンスmijは次式で与えられる。
【数31】

上式において、Vはパッチjを駆動する電圧である。
【0087】
式(13)から、正規化された推定インピーダンス
【数32】

が次式で与えられる。
【数33】

【0088】
プロセッサ46は、面積補正プロセスを実施する間に、式(14)を用いて
【数34】

の値を算出し、記憶する。
【0089】
パッチjで生成された電流Iは、パッチjと他のパッチとの間のインピーダンスに反比例して、他のパッチの間で分岐する。したがって、ソースパッチjから受信パッチiへ向かう電流Iijは次式で与えられる。
【数35】

【0090】
式(11)を式(15)に代入することにより、次式が与えられる。
【数36】

【0091】
ijの値を式(14)に代入し、単純化することにより、次式が得られる。
【数37】

上式において、nは1〜Nの整数であり、NはACLパッチの個数である。
【0092】
式(17)は以下のように記述されてもよい。
【数38】

【0093】
上述のように、プロセッサ46は、相対インピーダンス
【数39】

の値を決定している。
【0094】
式(18)において、パッチ間距離dijは、それぞれに関連付けられる追跡コイルを使用して(かつ、i=j、dij=0のとき)測定され得る。
【0095】
式(18)は、N個の未知の値、すなわち値C1、C2、...、CNを伴うN(N−1)個の連立方程式である。連立方程式(18)は、Cの相対値を発見するために用いられてもよい。この連立方程式は、
【数40】

となる類のものであり、ここで、Aは、
【数41】

及びdijに依存するN(N−1)×Nマトリクスであり、
【数42】

はN個のCの値を表わすベクトルである。当該技術分野において知られているように、Aの特異値分解(SVD)解析又はN×NマトリクスAAの固有ベクトル解析により、
【数43】

の解が得られる。
【0096】
プロセッサ46がマトリクスAAの固有ベクトル解析を実施すると想定すると、プロセッサは最小の固有値を持つ固有ベクトルを選択する。通常、マトリクスA及びA
【数44】

及びdijの値は、式(4)と類似したフィルタでフィルタ処理され、そのフィルタは、約10秒の時間定数を有するように調整される。最小の固有ベクトルは、本明細書においてEaと称される、6つの面積Cの正規化数に対応する。通常、プロセッサ46は、操作者56によって設定され得る期間で、Eaの値を周期的に算出する。一実施形態において、この期間は約1秒である。
【0097】
式(11c)から導出された推定電流ベクトルsは、ACLパッチ内の電流Iの各6つの値を与える。パッチ有効面積Eaを補正するために、プロセッサ46は、正規化された値の電流をそれぞれ形成する。
【数45】

上式において、(In6)は6次元の電流ベクトルである。
【0098】
この正規化は、電極が組織と接触すること、電極を囲む物質が不均質であること、及び/又はカテーテル電極に電流を注入する電流源が不安定であることなどが原因で生じ得るような、カテーテル電極の領域内における有効抵抗の変化を原因とする影響を除去するものである。
【0099】
電流射影
式(19)で与えられる6つの電流は、それらの合計が常に1であるので、5自由度を有するにすぎない。電流の更なる解析における特異性を防ぐために、電流射影工程210において、これら6つの電流は、射影マトリクスJを用いて、電流射影モジュール119Dにおいて5つの独立した数に変換される。射影マトリクスJは、以下のマトリクスの直交化によって導出される。
【数46】

結果として得られるマトリクスの最後の5つの行ベクトルのみを取る。
【0100】
直交化の後、直交化マトリクスの最後の5行は、次式で与えられる。
【数47】

【0101】
式(19)から得られる電流はしたがって、式(23)による5つの電流等価値に射影される。
(In5)=J・(In6) (21)
【0102】
電流射影工程210で式(21)の正規化を実施することに加えて、プロセッサ46はまた、正規化された電流信号内のドリフト、心拍、及び呼吸などの一時的な成分をも許容し得る。一時的な成分を補正する方法が、米国特許出願第2010/0079158号に示されており、この米国特許出願は、本発明の譲受人に譲渡されており、参照によって本明細書に組み込まれる。簡潔にするため、以下の説明は一時的な成分の許容差を含むものではなく、当業者であれば、そのような成分を許容するように、この説明を必要に応じて適応させることが可能となろう。
【0103】
ACL追跡
ACL工程214において、ACL追跡モジュール321は、工程210で生成された電流測定値を用いて、カテーテル20などのカテーテル及びカテーテル21などのカテーテル電極の位置を算出する。工程210で生成された測定値は、電流位置変換マッピング(CPM)ベクトル
【数48】

に組み込まれる。
【0104】
図6は、本発明の実施形態による、ACL追跡モジュールの構成要素を示す簡易ブロック図であり、図7は、本発明の実施形態による、調査される領域が分割される副ボリュームを規定する際に使用されるパラメータを示す図である。
【0105】
ACL追跡モジュールは2つの構成要素、つまり、適応CPM推定プロセス400と、CPM適応プロセス404とを含む。CPM適用プロセス404は、クラスタ選択モジュール408と、CPM適応モジュール406とを更に含み、それらの機能については以下で説明する。
【0106】
適応CPM推定プロセスは、カテーテル20など、EMセンサーとそれに関連付けられる電極とを有する任意のハイブリッド型カテーテルから得られる、ベクトル
【数49】

に含まれている測定値を用いて、CPMマトリクスを算出する。本発明の実施形態において、調査されている領域の、本明細書ではクラスタボリューム又はクラスタとも呼ばれる各副ボリューム500ごとに、それぞれのマトリクスが算出される。調査されている領域は、特定のクラスタレベルに合わせて設定された分解能に従って、種々のサイズのクラスタに分割される。したがって、低い分解能レベルでは、領域は16個のクラスタに分割されてもよく、各クラスタは1つのマトリクスを有する。より高い分解能では、領域は、それぞれのマトリクスを有する1024個のクラスタに分割されてもよい。
【0107】
CPM推定プロセスで構築されるマトリクスは、時間をかけて構成され、したがって、ACL工程214には初期化期間が存在し、この期間にプロセッサ46が電流射影工程210から初期データを受け取る。特定のクラスタに対し、プロセッサがそのクラスタに関する十分なデータを収集すると、プロセッサはクラスタのマトリクスを生成することができる。生成されたマトリクスは、制御ユニット44(図1A)のメモリー47内にCPMデータ402として記憶される。
【0108】
CPM適用では、生成されたマトリクスを各陰極電極の電流測定値と共に使用して、各電極の位置を実時間で算出する。この算出は、以下の式に従って実施される。
【数50】

上式において、
【数51】

は、電流測定値から構築されたCPMベクトルである。
Aは特定のクラスタに対するマトリクスであり、
【数52】

は、上記の式(5)でも参照した電極の位置ベクトルである。
【0109】
CPMベクトル
【数53】

は通常、式(21)から導出された値に対応する5つの電流要素を含み、また、他の要素、例えば一時的な電流要素を含んでもよい。簡潔にするため、以下の説明は5つの電流要素についてのみ言及しており、当業者であれば、他の要素が考慮されるように、この説明を必要に応じて適応させることが可能となろう。
【0110】
図7は、クラスタ副ボリューム500を規定するために用いられるパラメータを示している。用いられるパラメータは、EM追跡基準系(図4)で測定されたベクトルである。各クラスタ副ボリューム500は、本明細書においてクラスタ原点とも呼ばれる左面・背面・底面の角部502によって参照され、この左面・背面・底面の角部502は、クラスタ内に含まれる任意の点のx、y、及びzのうちの最小値を有するベクトルClpRLである。クラスタ副ボリューム500は、その中心Clc、中心からの直線長さCls、及びクラスタ分解能レベルベクトルClrRLによって規定され、このクラスタ分解能レベルベクトルは、分解能レベルRLにおけるクラスタの側部の長さを規定するものである。
【0111】
mm単位で測定すると、Clc及びCls及びClrRLの典型的なデフォルト値は、分解能レベルRL=1(最も粗い分解能)に対し、以下のとおりである。
Clc=(0,0,280)
Cls=(150,150,200)
ClrRL=(50,20,5)より高度な分解能に対応して、RLの値がより大きくなると、ClrRLの座標値は低下する。
【0112】
Cls及びClrRLのデフォルト値は、300mm×300mm×400mmの寸法を有する箱であるボリュームに対応する。このボリュームは、より小さな寸法を有する同じ大きさのクラスタに分割される。上に示すデフォルト値の場合、6×15×80個のクラスタがボックス内に存在する。
【0113】
所与の位置pに対し、以下の式を計算することによって、関連するクラスタのクラスタインデックスが見出される。
【数54】

【0114】
式(23)において、
Cldimはベクトル(Cldim,Cldim,Cldim)であり、このベクトルの座標は、各次元におけるクラスタの個数に対応している。
【0115】
例えば、
【数55】

となるように、ベクトル分子の各要素を、ベクトル分母の対応する要素で除算することによって、ベクトル除算が評価される。
【0116】
最後の式のベクトル乗算は、ドット積又はスカラー積である。
【0117】
クラスタインデックスClxi,RLが与えられると、以下の式を帰納的に適用することによって、クラスタ原点が見出される。
【数56】

上式において、Clinxは初期値Clxi,RLを有する。
【0118】
上記で参照される更新ホルダーは、クラスタCPMマトリクスを更新するために用いられた位置にフラグを立てるインデックスである。このインデックスは、マトリクスを算出するために用いられた位置から複数回、測定されることを防止するものである。更新ホルダーインデックス(Uhl)は以下のように算出される。
【数57】

【0119】
図8は、本発明の実施形態による、CPMマトリクスを生成するためにプロセッサ46が行う工程を示す流れ図600である。この流れ図の工程は、各測定値がハイブリッド型カテーテル20で生成されるときに、適応CPM推定プロセス400(図6)で実施される。
【0120】
最初の工程602において、上述のように、測定値が任意のハイブリッド型カテーテルから受け取られ、プロセッサはそれらの測定値をCPMベクトル
【数58】

に加工する。
【0121】
最初の更新ホルダー工程604において、測定値の更新ホルダーインデックスが、式(25)を用いて算出される。
【0122】
第1の条件606において、プロセッサは、更新ホルダーインデックスがメモリー47に保存されているか否かを確認することによって、そのインデックスが既に存在するか否かを確認する。インデックスが既に存在する場合、測定値は破棄され、流れ図は終了する。
【0123】
インデックスが存在しない場合、保存工程608において、そのインデックス及び測定値がメモリー47内のバッファー410(図6)に保存される。測定値はベクトル
【数59】

として保存される。
【0124】
クラスタ関連付け工程610において、測定値は対応するクラスタに関連付けられる。この関連付けは、式(23)に従って、対応するクラスタインデックスを測定値から算出することによって実施される。測定値は、このクラスタインデックスと関連付けられる。
【0125】
次いで、式(24)を用いてクラスタ原点
【数60】

が算出される。この時点から、存在するすべての最近傍の隣接クラスタのクラスタ原点が(そのうち合計で最大26個が見出され得る)、式(26)を用いて見出される。
【数61】

【0126】
【数62】

の値から、すべての最近傍の隣接クラスタのクラスタインデックスが式(23)によって算出される。
【0127】
この工程における算出は、RLのすべての値に対して適用される。
【0128】
第2の更新ホルダー工程612において、隣接クラスタの更新ホルダーインデックスが、工程602で受け取られた測定値及び式(25)を用いて算出される。更新インデックスがまだ占有されていない場合、測定値がバッファー310(図6)に置かれ、そのインデックスが保存される。インデックスが既に占有されている場合、処理は行われない。
【0129】
第2の条件614において、各クラスタClxにおける更新インデックスの個数Mが評価される。Mが、通常は約40である予め定められた数よりも大きい場合、クラスタマトリクス工程616において、クラスタのCPMマトリクスAが式(27)を用いて算出される。
【数63】

上式において、更新インデックスnをn=1,2,...Mとして、
【数64】

はハイブリッド型カテーテルの測定位置であり、
【数65】

は、式(22)に関連して上述したCPMベクトルである。
【0130】
通常、CSRC27などの基準カテーテルが使用される場合、2つのCPMマトリクスAが、一方は基準カテーテルでの測定値を用いて、もう一方は基準カテーテルの測定値を用いずに、各クラスタごとに算出され、次いで流れ図600が終了する。
【0131】
条件614において、Mが予め定められた数以下である場合、流れ図600は終了する。
【0132】
通常、算出された結果が自己矛盾しないことを確かめるために、流れ図600における計算は、様々な段階で確認される。例えば、クラスタ関連付け工程610において、既存の隣接クラスタの数が、予め定められた数、例えば4よりも少ない場合、誤差が想定され、工程602の測定値は認められない。流れ図の動作に関する他の自己一致性の確認は、当業者には明らかとなろう。
【0133】
図9は、本発明の実施形態による、流れ図600で生成されたCPMマトリクスを用いてカテーテル位置を生成するために、プロセッサ46が行う工程を示す流れ図700である。この流れ図は、CPMマトリクスを生成するためにも用いられる測定値を用いている。
【0134】
最初の工程702は、最初の工程602(図8)と概ね類似しており、測定値がハイブリッド型カテーテルから受け取られ、プロセッサは測定値をCPMベクトル
【数66】

に加工する。
【0135】
測定値
【数67】

が、カテーテルから得られる第1の測定値である場合、位置算出工程704において、クラスタ選択モジュール408内で、最低のクラスタ分解能であるRL=1が選択される。この位置の推定値
【数68】

が式(28)に従って作られる。
【数69】

上式において、Clxは、1〜Mへと変動すると想定される、CPMマトリクスAClx,1のクラスタインデックスであり、
【数70】

は、式(23)に従って算出された、インデックスClxを持つクラスタのクラスタ原点である。
【0136】
第1の条件703において、式(28)から得られた値がクラスタボリューム(クラスタインデックスClxを持つ)内になるように、以下を確認することによって、その値が確認される。
【数71】

式(28)及び(29)は、式(29)が成立し、第1の有効位置推定値
【数72】

が得られるまで、到達する測定値に適用される。
【0137】
次の測定値
【数73】

に対し、すなわち、次の測定工程705において、直前の先行する位置推定値同士の間の差を評価し、その差が、予め定められた値を超えないことを確認することにより、規定された位置の有効性が確認される。この差が超過した場合、測定値は破棄される。
【0138】
分解能レベル工程706において、すべての分解能レベルRLのクラスタインデックスが、式(23)を用いて算出される。加えて、隣接クラスタインデックスnが、式(26)に関連して上述したプロセスを用いて識別される。
【0139】
複数位置確認工程708において、工程706で識別されたクラスタに対して有効であるCPMマトリクスAが用いられて、式(30)に従って測定値
【数74】

に対する推定位置
【数75】

が決定される。
【数76】

【0140】
位置推定工程710において、式(30)で決定された値は、ガウスの重み係数を用いて重み付けされる。
【数77】

【0141】
プロセッサ46は、この重み係数を用いてすべてのレベルにおけるすべてのクラスタの最終重み付き合計を生成し、式(32)に従って各電極の初期位置を生成する。
【数78】

【0142】
式(32)から得られる初期位置は、電極100、102、104、及び104に対するものであり、これらの電極とパッチ60Pとの間の測定電流に基づいている。推定位置は、位置M、M、M、M(図2A)に対応する。費用関数工程219(図3A)に備えて、初期位置は、式(33)に従って、パラメータ化された初期位置に変換される。
【数79】

上式において、
【数80】

はパラメータ化された初期位置であり、Pはパラメータマトリクスである。パラメータPは、プロセッサ46によって決定される最終位置を改善するために、初期位置に適用される。以下で説明するように、プロセッサは、Pの最適値を評価し、その最適値を適用して電極の最終位置を決定する。
【0143】
機械的プローブモデル
再び図2A及び2B並びにこれらの図の説明を参照すると、本発明の実施形態は、点E、E、E、Eと、測定値M、M、M、Mとの間の最良適合、すなわち式(32)で決定される
【数81】

の値を、プローブモデルの制約の中で決定する。算出された点E、E、E、Eの位置は、区間122、124及び126上に存在するようにモデルによって拘束を受けるが、実際の位置のトランスデューサ(すなわち電極100、102、104及び106)は、正確にこれらの点上に存在しなくてもよい。
【0144】
流れ図200のプローブモデル工程216において、プロセッサ46は、プローブ21の物理的性質を規定する物理モデルのパラメータをロードする。自由状態における物理的性質は、パラメータ
【数82】

によって規定され、ここで、
N−区間の数であり、kは区間のインデックスである。
−区間長さ(等しいものである必要はない)であり、0≦k<Nである。
(d)−偏向パラメータdの関数とした、偏向可能なプローブの回転マトリクス(又は、予め付形されたプローブの定数マトリクス)であり、1≦k<Nである。このマトリクスは、外力が加えられていないとき(すなわち、フォースフリー形状)の区間kと区間(k−1)との間の相対回転を表わす。
dは、偏向可能なプローブに適用可能な、フォースフリー形状からの偏向を表わすパラメータの値である。
−区間k上の位置トランスデューサ、すなわち電極のリストであり、0≦k<Nである。各位置トランスデューサは、区間の始点からの距離及びその相対的重要性(費用関数を算出する際の重みであり、
【数83】

で表され、以下で議論される)によって表される。各区間のリストには、ゼロ個を含めて任意の個数の位置トランスデューサが含まれ得る。
【0145】
プローブ21の物理的性質は、パラメータ
【数84】

によって表され、このパラメータはそれぞれ、曲げ及び捩りに対する区間kと区間(k−1)との間の関節の抵抗力を表す。
【0146】
第1の費用関数
この節では、流れ図200の工程218で公式化される費用関数について説明する。プローブ21の状態、すなわち種々の区間長さの位置及び方向は、以下の変数の組で与えられる。
【数85】

ここで、rは、0<k<Nの区間k−1に対する区間kの方向であり、k=0の第1の区間の全体的な方向である。
【数86】

【0147】
項X(ベクトル)及びO(マトリクス)は、図2Bに関連して上で定義されている。
【0148】
モデル化されたプローブの調整区間に対し、実際の相対的方向と現在の偏向との方向の差は以下のとおりである。
【数87】

【0149】
プロセッサはこの方向の差を、曲げ及び捩り角度に変換する。
【数88】

rは回転を表す3×3の単位マトリクスであり、関数Angles(r)は以下のように定義される。
【数89】

【0150】
プロセッサは、式(39)に従って、プローブモデルパラメータ
【数90】

を用いて、固有エネルギースコアを費用関数の第1項として算出する。
【数91】

【0151】
プロセッサは、重み付き位置誤差スコアを費用関数の第2項として算出する。このスコアは、プローブモデルによって与えられる位置トランスデューサE、E、E、Eの位置と、実際の測定位置M、M、M、M(図2B)との位置の差を表す。重み付き位置誤差スコアは、式(40)で与えられる。
【数92】

上式において、Nは位置トランスデューサの個数であり、
【数93】

は、各位置jの適応重みである。
【0152】
プロセッサは、重み付き方向誤差スコアを費用関数の第3項として算出する。このスコアは、位置トランスデューサE、E、E、Eの位置から導出される方向
【数94】

と、実際の測定位置M、M、M、Mから導出される方向
【数95】

との差を表す。この2組の方向を導出した後、プロセッサは、式(41)を用いて、それぞれの方向の間の角度の差を算出する。
【数96】

【0153】
プロセッサは、式(42)に従って、全体的な方向誤差スコアを生成する。
【数97】

上式において、
【数98】

は、各方向の適応重みである。
【0154】
上記の3つの項を用いて、プロセッサは式(43)に従って第1の費用関数を公式化する。
【数99】

上式において、
【数100】

は、位置誤差及び方向誤差と比較した、自由形状からのプローブ21の逸脱の相対的重要性を表す。
【0155】
工程218において、式(43)の費用関数が最小化されて、本明細書で電極のモデル調整位置
【数101】

と呼ばれるE、E、E、Eの最良値が決定される。
【0156】
第2の費用関数
工程219において、プロセッサは、式(43)のモデル調整位置と式(33)のパラメータ化初期位置との差の第2の費用関数を公式化する。第2の費用関数は式(44)に従って公式化される。
【数102】

上式において、
【数103】

は費用関数を表す。
【0157】
工程220において、式(44)の費用関数は、カテーテル上の電極のすべての位置を用いて最小化される。通常、この最小化は、カテーテルの種々の位置の測定値の組に対し、電極の位置を用いて実施される。所望により、通常は式(4)と同じ一般式のフィルタに従って、重みが測定値の組に付与されてもよい。この最小化は式(45)に対して実施される。
【数104】

ここで、Lは種々のカテーテルの位置を表すインデックスである。
【0158】
プロセッサは、式(46)に従って、式(45)の最小化によって与えられるPAの最適値を決定する。
【数105】

【0159】
工程222において、式(46)で決定されるPの最適値が、式(33)のパラメータ化初期位置に適用されて、カテーテルの電極の改善された位置が与えられる。プロセッサは通常、カテーテルの画像をディスプレイ54に提示する際に、この改善された位置を用いる。
【0160】
いくつかの実施形態において、工程220に関連して上述した重みは、式(46)に従って導出されるPの値が更に最適化されるように決定されてもよい。この場合の重みの決定は、ハイブリッド型カテーテル20(図1A及び1B)と類似したプローブ内の1つ以上のセンサー22を使用することなど、電極の位置を測定するための別のプロセスで式(33)から得られる結果を比較することによるものであってもよい。それに代わって、あるいはそれに加えて、電極が視認可能かつ/又はアクセス可能である模擬装置内でプローブを操作することによって、電極の位置が見出され、重みが決定されてもよい。
【0161】
上述した実施形態は一例として記載されたものであり、本発明は、本明細書において上に具体的に図示及び説明した内容に限定されないことが明らかとなろう。むしろ、本発明の範囲には、上で説明した様々な特徴の組み合わせと部分的組み合わせの両方、並びにそれらの変形形態及び修正形態が含まれ、これらは、上述の説明を読むことによって当業者には想到されるであろうものであり、先行技術では開示されていないものである。
【0162】
〔実施の態様〕
(1) 被験者の体の内部でプローブの全長に沿って設けられた複数の点の、それぞれの見かけ位置を示す入力を受け取ることと、
前記体内の前記プローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、前記プローブの既知の機械的性質のモデルを、前記それぞれの見かけ位置に適用することと、
前記最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、前記形状に応答して、前記見かけ位置の初期座標を決定することと、
前記見かけ位置と前記初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化することと、
前記最小化された第2の費用関数に基づいて、前記プローブの前記全長に沿った前記点の修正座標を生成することと、を含む、方法。
(2) 前記入力を受け取ることは、前記プローブの前記全長に沿って設けられた位置トランスデューサから入力を受け取ることを含み、前記複数の点の各々は、位置トランスデューサのそれぞれの位置に対応する、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記位置トランスデューサは、インピーダンス測定電極、単軸磁気センサー、三軸磁気センサー、及び超音波センサーからなる群から選択される、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記複数の点は、前記プローブの前記全長に沿って設けられた複数の調査電極をそれぞれ備え、前記それぞれの見かけ位置を示す前記入力を受け取ることは、
前記被験者の前記体にガルバニック接触させて体電極を配置することと、
前記被験者の前記体内に、マッピング電極を有するマッピングツールを配置することと、
前記体内の種々の位置で、前記体電極と前記マッピング電極との間に、1組の較正電流を生成することと、
前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を導出することと、
前記体電極と前記複数の調査電極との間に、各組の調査ツール電流を生成することと、
前記関係及び前記各組の調査ツール電流に応答して、前記それぞれの見かけ位置を決定することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記マッピングツールを配置することは、位置測定システムを使用して、前記種々の位置の前記マッピングツールを追跡することを含む、実施態様4に記載の方法。
(6) 前記マッピングツールを配置することは、前記体内の複数の領域内に前記マッピングツールを配置することを含み、前記関係を導出することは、領域ごとに、それぞれの種々の領域の、前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を決定することを含む、実施態様4に記載の方法。
(7) パラメータ化された初期座標を公式化するために、調整パラメータを前記初期座標に適用することを含み、前記第2の費用関数を最小化することは、前記調整パラメータの値を決定するために、前記見かけ位置と前記パラメータ化された初期座標との差を算出することを含み、前記修正座標を生成することは、前記パラメータ化された修正座標を評価するために、前記調整パラメータの前記値を前記初期座標に適用することを含む、実施態様1に記載の方法。
(8) プローブの全長に沿って設けられた複数の点を有するプローブと、
プロセッサと、を備える装置であって、前記プロセッサは、
被験者の体の内部の前記複数の点のそれぞれの見かけ位置を示す入力を受け取り、
前記体内の前記プローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、前記プローブの既知の機械的性質のモデルを、前記それぞれの見かけ位置に適用し、
前記最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、前記形状に応答して、前記見かけ位置の初期座標を決定し、
前記見かけ位置と前記初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化し、
前記最小化された第2の費用関数に基づいて、前記プローブの前記全長に沿った前記点の修正座標を生成するように構成されている、装置。
(9) 前記入力を受け取ることは、前記プローブの前記全長に沿って設けられた位置トランスデューサから入力を受け取ることを含み、前記複数の点の各々は、位置トランスデューサのそれぞれの位置に対応する、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記位置トランスデューサは、インピーダンス測定電極、単軸磁気センサー、三軸磁気センサー、及び超音波センサーからなる群から選択される、実施態様9に記載の装置。
【0163】
(11) 前記複数の点は、前記プローブの前記全長に沿って設けられた複数の調査電極をそれぞれ備え、前記それぞれの見かけ位置を示す前記入力を受け取ることは、
前記被験者の前記体にガルバニック接触させて体電極を配置することと、
前記被験者の前記体内に、マッピング電極を有するマッピングツールを配置することと、
前記体内の種々の位置で、前記体電極と前記マッピング電極との間に、1組の較正電流を生成することと、
前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を導出することと、
前記体電極と前記複数の調査電極との間に、各組の調査ツール電流を生成することと、
前記関係及び前記各組の調査ツール電流に応答して、前記それぞれの見かけ位置を決定することと、を含む、実施態様8に記載の装置。
(12) 前記マッピングツールを配置することは、位置測定システムを使用して、前記種々の位置の前記マッピングツールを追跡することを含む、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記マッピングツールを配置することは、前記体内の複数の領域内に前記マッピングツールを配置することを含み、前記関係を導出することは、領域ごとに、それぞれの種々の領域の、前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を決定することを含む、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記プロセッサは、パラメータ化された初期座標を公式化するために、調整パラメータを前記初期座標に適用するように構成されており、前記第2の費用関数を最小化することは、前記調整パラメータの値を決定するために、前記見かけ位置と前記パラメータ化された初期座標との差を算出することを含み、前記修正座標を生成することは、前記パラメータ化された修正座標を評価するために、前記調整パラメータの前記値を前記初期座標に適用することを含む、実施態様8に記載の装置。
(15) コンピュータプログラム命令が中に記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータソフトウェア製品であって、前記命令がコンピュータに読み取られると、前記コンピュータは、
被験者の体の内部でプローブの全長に沿って設けられた複数の点のそれぞれの見かけ位置を示す入力を受け取り、
前記体内の前記プローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、前記プローブの既知の機械的性質のモデルを、前記それぞれの見かけ位置に適用し、
前記最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、前記形状に応答して、前記見かけ位置の初期座標を決定し、
前記見かけ位置と前記初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化し、
前記最小化された第2の費用関数に基づいて、前記プローブの前記全長に沿った前記点の修正座標を生成する、コンピュータソフトウェア製品。
(16) 前記入力を受け取ることは、前記プローブの前記全長に沿って設けられた位置トランスデューサから入力を受け取ることを含み、前記複数の点の各々は、位置トランスデューサのそれぞれの位置に対応する、実施態様15に記載の製品。
(17) 前記位置トランスデューサは、インピーダンス測定電極、単軸磁気センサー、三軸磁気センサー、及び超音波センサーからなる群から選択される、実施態様16に記載の製品。
(18) 前記命令により、前記コンピュータは、パラメータ化された初期座標を公式化するために、調整パラメータを前記初期座標に適用し、前記第2の費用関数を最小化することは、前記調整パラメータの値を決定するために、前記見かけ位置と前記パラメータ化された初期座標との差を算出することを含み、前記修正座標を生成することは、前記パラメータ化された修正座標を評価するために、前記調整パラメータの前記値を前記初期座標に適用することを含む、実施態様15に記載の製品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の体の内部でプローブの全長に沿って設けられた複数の点の、それぞれの見かけ位置を示す入力を受け取ることと、
前記体内の前記プローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、前記プローブの既知の機械的性質のモデルを、前記それぞれの見かけ位置に適用することと、
前記最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、前記形状に応答して、前記見かけ位置の初期座標を決定することと、
前記見かけ位置と前記初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化することと、
前記最小化された第2の費用関数に基づいて、前記プローブの前記全長に沿った前記点の修正座標を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記入力を受け取ることは、前記プローブの前記全長に沿って設けられた位置トランスデューサから入力を受け取ることを含み、前記複数の点の各々は、位置トランスデューサのそれぞれの位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置トランスデューサは、インピーダンス測定電極、単軸磁気センサー、三軸磁気センサー、及び超音波センサーからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の点は、前記プローブの前記全長に沿って設けられた複数の調査電極をそれぞれ備え、前記それぞれの見かけ位置を示す前記入力を受け取ることは、
前記被験者の前記体にガルバニック接触させて体電極を配置することと、
前記被験者の前記体内に、マッピング電極を有するマッピングツールを配置することと、
前記体内の種々の位置で、前記体電極と前記マッピング電極との間に、1組の較正電流を生成することと、
前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を導出することと、
前記体電極と前記複数の調査電極との間に、各組の調査ツール電流を生成することと、
前記関係及び前記各組の調査ツール電流に応答して、前記それぞれの見かけ位置を決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マッピングツールを配置することは、位置測定システムを使用して、前記種々の位置の前記マッピングツールを追跡することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マッピングツールを配置することは、前記体内の複数の領域内に前記マッピングツールを配置することを含み、前記関係を導出することは、領域ごとに、それぞれの種々の領域の、前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を決定することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
パラメータ化された初期座標を公式化するために、調整パラメータを前記初期座標に適用することを含み、前記第2の費用関数を最小化することは、前記調整パラメータの値を決定するために、前記見かけ位置と前記パラメータ化された初期座標との差を算出することを含み、前記修正座標を生成することは、前記パラメータ化された修正座標を評価するために、前記調整パラメータの前記値を前記初期座標に適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プローブの全長に沿って設けられた複数の点を有するプローブと、
プロセッサと、を備える装置であって、前記プロセッサは、
被験者の体の内部の前記複数の点のそれぞれの見かけ位置を示す入力を受け取り、
前記体内の前記プローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、前記プローブの既知の機械的性質のモデルを、前記それぞれの見かけ位置に適用し、
前記最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、前記形状に応答して、前記見かけ位置の初期座標を決定し、
前記見かけ位置と前記初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化し、
前記最小化された第2の費用関数に基づいて、前記プローブの前記全長に沿った前記点の修正座標を生成するように構成されている、装置。
【請求項9】
前記入力を受け取ることは、前記プローブの前記全長に沿って設けられた位置トランスデューサから入力を受け取ることを含み、前記複数の点の各々は、位置トランスデューサのそれぞれの位置に対応する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記位置トランスデューサは、インピーダンス測定電極、単軸磁気センサー、三軸磁気センサー、及び超音波センサーからなる群から選択される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の点は、前記プローブの前記全長に沿って設けられた複数の調査電極をそれぞれ備え、前記それぞれの見かけ位置を示す前記入力を受け取ることは、
前記被験者の前記体にガルバニック接触させて体電極を配置することと、
前記被験者の前記体内に、マッピング電極を有するマッピングツールを配置することと、
前記体内の種々の位置で、前記体電極と前記マッピング電極との間に、1組の較正電流を生成することと、
前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を導出することと、
前記体電極と前記複数の調査電極との間に、各組の調査ツール電流を生成することと、
前記関係及び前記各組の調査ツール電流に応答して、前記それぞれの見かけ位置を決定することと、を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記マッピングツールを配置することは、位置測定システムを使用して、前記種々の位置の前記マッピングツールを追跡することを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記マッピングツールを配置することは、前記体内の複数の領域内に前記マッピングツールを配置することを含み、前記関係を導出することは、領域ごとに、それぞれの種々の領域の、前記1組の前記較正電流と前記種々の位置との関係を決定することを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、パラメータ化された初期座標を公式化するために、調整パラメータを前記初期座標に適用するように構成されており、前記第2の費用関数を最小化することは、前記調整パラメータの値を決定するために、前記見かけ位置と前記パラメータ化された初期座標との差を算出することを含み、前記修正座標を生成することは、前記パラメータ化された修正座標を評価するために、前記調整パラメータの前記値を前記初期座標に適用することを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
コンピュータプログラム命令が中に記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータソフトウェア製品であって、前記命令がコンピュータに読み取られると、前記コンピュータは、
被験者の体の内部でプローブの全長に沿って設けられた複数の点のそれぞれの見かけ位置を示す入力を受け取り、
前記体内の前記プローブによって想定され得る形状に関する第1の費用関数を最小化するために、前記プローブの既知の機械的性質のモデルを、前記それぞれの見かけ位置に適用し、
前記最小化された第1の費用関数に応答して、ある形状を選択し、前記形状に応答して、前記見かけ位置の初期座標を決定し、
前記見かけ位置と前記初期座標との差に関する第2の費用関数を最小化し、
前記最小化された第2の費用関数に基づいて、前記プローブの前記全長に沿った前記点の修正座標を生成する、コンピュータソフトウェア製品。
【請求項16】
前記入力を受け取ることは、前記プローブの前記全長に沿って設けられた位置トランスデューサから入力を受け取ることを含み、前記複数の点の各々は、位置トランスデューサのそれぞれの位置に対応する、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
前記位置トランスデューサは、インピーダンス測定電極、単軸磁気センサー、三軸磁気センサー、及び超音波センサーからなる群から選択される、請求項16に記載の製品。
【請求項18】
前記命令により、前記コンピュータは、パラメータ化された初期座標を公式化するために、調整パラメータを前記初期座標に適用し、前記第2の費用関数を最小化することは、前記調整パラメータの値を決定するために、前記見かけ位置と前記パラメータ化された初期座標との差を算出することを含み、前記修正座標を生成することは、前記パラメータ化された修正座標を評価するために、前記調整パラメータの前記値を前記初期座標に適用することを含む、請求項15に記載の製品。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−125579(P2012−125579A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−272107(P2011−272107)
【出願日】平成23年12月13日(2011.12.13)
【出願人】(511099630)バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド (50)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
【住所又は居所原語表記】4 Hatnufa Street, Yokneam 20692, Israel
【Fターム(参考)】