説明

複数クラッチ式変速機

【課題】ハイブリッド化に対する互換性を有するものでありながら、シフトフィーリングとして充分に実用性のある複数クラッチ式変速機を提供する。
【解決手段】第1伝達経路Pa1上に、エンジン2の回転を伝達自在な第1クラッチC1と前進2速段以外の変速段を形成する第1変速機構TM1とを配置し、第2伝達経路Pa2上に、エンジン2の回転を伝達自在な第2クラッチC2と前進2速段を形成する第2変速機構TM2とを配置する。前進1〜3速段の変速を、第1クラッチC1と第2クラッチC2との掴み換えで行うことができ、実用性のあるシフトフィーリングを確保するものでありながら、第2変速機構TM2が前進2速段だけを形成するコンパクトな機構であるので、第2伝達経路Pa2上にモータ3を配置するスペースを確保でき、ハイブリッド化に対する互換性を持たせることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の車輌に搭載される複数クラッチ式変速機に係り、詳しくは、エンジンの回転を第1伝達経路に伝達自在な第1クラッチと第2伝達経路に伝達自在な第2クラッチとを備えた複数クラッチ式変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、2つのクラッチと2つの入力シャフトを有し、例えば一方のシャフトに対して奇数の変速段(例えば前進1,3,5速段)のギヤ列を配置すると共に、他方のシャフトに対して偶数の変速段(例えば前進2,4,6速段)のギヤ列を配置し、それら2つのクラッチを掴み換えることで変速を行うダブルクラッチギヤボックス(複数クラッチ式変速機)が提案されている。
【0003】
このようなダブルクラッチギヤボックスにあっては、2つのクラッチが同軸上に配置されると、2つのシャフト及び2つのクラッチを多重構造(多重軸)にする必要があるため、外周側の部品の肉厚が厚くなり、コンパクト化や軽量化が難しいという問題がある。そのため、2つの入力シャフト及び2つのクラッチを並列的に配置し、それらが多重構造となることを不要とすることでコンパクト化や軽量化を図ったものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−513707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えばエンジンと変速機構との間に1つのクラッチを設けて構成し、変速時に該クラッチを自動的に係脱するセミオートマチック変速機(いわゆるオートメーティッド・マニュアル・トランスミッション)にあっては、比較的高速段(例えば前進4〜6速段)の変速において、要求される駆動力変化が小幅であることに起因して、変速時間(クラッチを解放し、変速を行い、クラッチを再係合する時間)が多少長くても、もたつき感が少なく、実用性として充分であるが、比較的低速段(例えば前進1〜3速段)の変速においては、変速時間の長さがもたつき感として生じ易く、シフトフィーリングが良好でないという問題がある。
【0006】
その点、上述のような複数クラッチ式変速機にあっては、例えば一方のギヤ列が噛合して走行状態にある際に他方のギヤ列で次の変速段を形成しておき、2つのクラッチの掴み換えだけで変速が終了するので、変速時間が短く、上述のようなもたつき感が生じ難いという利点がある。
【0007】
しかしながら、複数クラッチ式変速機にあっては、奇数の変速段のギヤ列と偶数の変速段のギヤ列とが2列に並列的に配置されている構造上、例えば当該複数クラッチ式変速機をハイブリッド化するためにモータを配置しようとしても、良好な配置スペースがなく、つまりコンパクト性を維持しつつモータを配置してハイブリッド化を達成することは難しいという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、ハイブリッド化に対する互換性を有するものでありながら、シフトフィーリングとして充分に実用性のある複数クラッチ式変速機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は(例えば図1、図2参照)、第1軸(CT1)上に配置され、エンジン(2)の回転を伝達自在な第1クラッチ(C1)と、
前記第1軸(CT1)と平行に配置された第2軸(CT2)に前記エンジン(2)の回転を伝達する伝動機構(例えば7)と、
前記第2軸(CT2)上に配置され、前記エンジン(2)の回転を伝達自在な第2クラッチ(C2)と、
前記第1クラッチ(C1)の係合により前記エンジン(2)の回転の変速を行う第1変速機構(TM1)と、
前記第2クラッチ(C2)の係合により前記エンジン(2)の回転の変速を行う第2変速機構(TM2)と、
前記第1及び第2変速機構(TM1,TM2)の出力を駆動車輪に伝達する出力軸(12)と、を備え、
前記第1クラッチ(C1)及び前記第1変速機構(TM1)を第1伝達経路(Pa1)上に配置すると共に、前記第2クラッチ(C2)及び前記第2変速機構(TM2)を第2伝達経路(Pa2)上に配置した複数クラッチ式変速機(1)において、
前記第1変速機構(TM1)は、前進2速段以外の変速段を形成してなり、
前記第2変速機構(TM2)は、前進2速段を形成してなり、
前記第1、第2クラッチ(C1,C2)をそれぞれ切り換えることにより、複数の変速段(例えば前進6速段及び後進段)を達成することを特徴とする。
【0010】
具体的に本発明は(例えば図1参照)、前記第1変速機構(TM1)は、前進1速段及び前進3速段以上を形成してなることを特徴とする。
【0011】
また本発明は(例えば図1参照)、前記第2伝達経路(Pa2)上にあって、前記第2クラッチ(C2)と前記出力軸(12)との間にモータ(3)を配置したことを特徴とする。
【0012】
さらに本発明は(例えば図1参照)、前記伝動機構は、伝動チェーン(7)からなり、
前記エンジン(2)と前記第2クラッチ(C2)とは、前記第1クラッチ(C1)及び前記第1変速機構(TM1)の内側を通る第1駆動軸(5)と、前記第1駆動軸(5)の前記エンジン(2)とは反対側の端部に噛合する伝動チェーン(7)と、前記第1駆動軸(5)と平行に配置されると共に前記伝動チェーン(7)に噛合する第2駆動軸(8)と、により連結されてなることを特徴とする。
【0013】
また本発明は(例えば図1参照)、前記第1クラッチ(C1)は、乾式自動クラッチからなり、
前記第2クラッチ(C2)は、湿式油圧クラッチからなることを特徴とする。
【0014】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0015】
請求項1及び2に係る本発明によると、第1伝達経路上に、エンジンの回転を伝達自在な第1クラッチと前進2速段以外(前進1速段及び前進3速段以上)の変速段を形成する第1変速機構とを配置し、第2伝達経路上に、エンジン2の回転を伝達自在な第2クラッチと前進2速段を形成する第2変速機構とを配置したので、前進1速段と前進2速段との間の変速、前進2速段と前進3速段との間の変速を、第1クラッチと第2クラッチとの掴み換えで変速を行うことができ、これにより、高速段の変速を含めて全ての変速に関し、もたつき感が生じ難く、充分に実用性のあるシフトフィーリングを確保することができるものでありながら、第2変速機構が前進2速段だけを形成するコンパクトな機構であるので、第2伝達経路上にモータを配置するスペースを確保することができ、つまりハイブリッド化に対する互換性を持たせることができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によると、第2伝達経路上にあって、第2クラッチと出力軸との間にモータを配置したので、複数クラッチ式変速機をハイブリッド駆動装置としてハイブリッド化することができる。また、特にモータを第2クラッチと第2変速機構との間に配置した場合には、モータが第2変速機構の前進2速段の変速比を介して駆動車輪に連結されるので、例えば前進1速段の変速比で駆動車輪に連結される場合はモータが必要以上に高速化されてしまうが、前進2速段の変速比であるため、モータの過回転を防止することができ、さらに、例えば前進3速段以上の変速比で駆動車輪に連結される場合はモータの回転が増速され過ぎてモータトルクの低下を招いてしまうが、前進2速段の変速比であるため、モータトルクの低下を防止することができ、つまりモータの駆動車輪に対する変速比として最適な変速比で設定することができる。
【0017】
また、モータが常時駆動車輪に連結されているので、常時モータによる力行又は回生を行うことができ、特に第1及び第2クラッチを解放することでモータのみを用いた走行(いわゆるEV走行)を可能とすると共に、エンジンを切り離して回生することができるので回生効率の向上も図ることができる。また特に変速時においては、第1クラッチや第2クラッチの解放に伴って発生するエンジントルク伝達の低下や各部の回転変化に伴って発生するイナーシャトルク変化を、モータ出力により補填ないし吸収することができるので、変速ショックの防止も図ることができる。
【0018】
請求項4に係る本発明によると、エンジンと第2クラッチとは、第1クラッチ及び第1変速機構の内側を通る第1駆動軸と、第1駆動軸のエンジンとは反対側の端部に噛合する伝動チェーンと、第1駆動軸と平行に配置されると共に伝動チェーンに噛合する第2駆動軸と、により連結されているので、第1クラッチ及び第2クラッチを平行な軸上に配置することを可能とすることができる。また、第1クラッチの軸と第2クラッチの軸とを伝動チェーンによって連結することにより、第2クラッチの軸の配置位置を変速機の対極位置に設定することができるので、特に第2クラッチの軸に対してモータを配置する場合、モータを当該変速機の外縁に沿って配置することができ、モータが当該変速機の内部に配置されてしまうことを防止することができる。これにより、モータの冷却構造や配線構造を簡略化することができ、結果的に複数クラッチ式変速機の簡素化やコンパクト化を可能とすることができる。
【0019】
請求項5に係る本発明によると、第1クラッチは乾式自動クラッチからなり、第2クラッチは湿式油圧クラッチからなるので、例えば第1クラッチをミッションケースの外側にあってエンジンとの間に配置されるハウジングケース内に配置することができ、また、第2クラッチをミッションケース内に配置することができる。また特に第1クラッチを乾式自動クラッチで構成することで、該第1クラッチの解放時における引き摺りトルクを低減することができ、車輌の燃費向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る複数クラッチ式変速機を示すスケルトン図。
【図2】複数クラッチ式変速機の模式側面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態を図1及び図2に沿って説明する。本実施の形態における複数クラッチ式変速機1(以下、単に「変速機1」という)は、エンジン(E/G)2に接続されて該エンジン2の回転を不図示の左右前輪である駆動車輪に変速して出力する、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプの車輌に用いて好適な変速機である。
【0022】
本変速機1は、エンジン2の出力軸(クランク軸)に連結され、エンジン2の爆発振動を吸収するダンパ装置Dを有しており、該ダンパ装置Dの出力側は駆動軸4に連結されている。該駆動軸4は、第1伝達経路Pa1と第2伝達経路Pa2との共通の入力軸となっており、第1クラッチC1の入力側部材と駆動軸(第1駆動軸)5とに連結されている。
【0023】
第1伝達経路Pa1上には、大まかに、第1クラッチC1と、駆動軸6と、駆動軸10を含む第1変速機構TM1とが配置されてなり、また、該第1伝達経路Pa1と伝達経路として並列に配置された形となる第2伝達経路Pa2上には、大まかに、駆動軸5と、伝動チェーン(伝動機構)7と、駆動軸(第2駆動軸)8と、第2クラッチC2と、駆動軸9と、カウンタシャフトCS(駆動軸11)を含む第2変速機構TM2とが配置されてなり、それら第1伝達経路Pa1と第2伝達経路Pa2とは最終的にディファレンシャルギヤ装置DGを介して左右の車軸(出力軸)12,12に接続されて、左右の駆動車輪に接続される。
【0024】
なお、上記ダンパ装置D及び第1クラッチC1は、図示を省略したハウジングケースに収納されており、これら以外の第1伝達経路Pa1及び第2変速機構TM2とディファレンシャルギヤ装置DGとは、図示を省略したミッションケースに収納され、該ミッションケース内の各部材は、飛沫状の潤滑油により潤滑ないし冷却されるように構成されている。
【0025】
上記第1伝達経路Pa1における第1クラッチC1は、エンジン2の回転を伝達自在な乾式自動クラッチからなり、不図示の制御部(ECU)の指令に基づく油圧制御装置からの油圧によって変速タイミングに応じて自動的に係脱制御される。該第1クラッチC1が係合されると、駆動軸4の回転(即ちエンジン2の回転)が駆動軸6に伝達される。該駆動軸6は、駆動軸5を覆うスリーブ状からなり、例えばシンクロメッシュ機構からなる第1変速機構TM1を構成するシンクロナイザー・スリーブ(以下、単に「スリーブ」という)21,22,23が、該駆動軸6の軸方向における3箇所に相対回転不能にかつ軸方向移動自在に配置されている。これらスリーブ21,22,23の軸方向位置は、不図示の制御部(ECU)の指令に基づく油圧制御装置からの油圧によって該制御部により選択された変速段に応じた位置に移動制御される。
【0026】
上記第1変速機構TM1は、第1伝達経路Pa1上に配置されており、上記スリーブ21,22,23の他に、軸方向のエンジン2の反対側から順に、前進1速段の変速比を構成する第1速ギヤ列G1と、前進3速段の変速比を構成する第3速ギヤ列G3と、前進4速段の変速比を構成する第4速ギヤ列G4と、前進5速段の変速比を構成する第5速ギヤ列G5と、前進6速段の変速比を構成する第6速ギヤ列G6と、後進段の変速比を構成する後進ギヤ列Grとを備えて構成されている。つまり第1変速機構TM1は、前進2速段以外の変速段を形成するものであり、言い換えると、前進1速段及び前進3速段以上(本実施の形態では前進6速段まで)を形成するものである。
【0027】
第1速ギヤ列G1は、駆動軸6に対して相対回転自在に配置されると共にスリーブ21が軸方向に移動制御されて図示を省略したクラッチギヤに噛合された際に該駆動軸6と一体回転する第1速ドライブギヤG1aと、該第1速ドライブギヤG1aに常時噛合すると共に駆動軸10に相対回転不能に支持された第1速ドリブンギヤG1bとから構成される。また、第3速ギヤ列G3は、駆動軸6に対して相対回転自在に配置されると共にスリーブ21が軸方向に移動制御されて図示を省略したクラッチギヤに噛合された際に該駆動軸6と一体回転する第3速ドライブギヤG3aと、該第3速ドライブギヤG3aに常時噛合すると共に駆動軸10に相対回転不能に支持された第3速ドリブンギヤG3bとから構成される。
【0028】
同様に、第4速ギヤ列G4は、駆動軸6に対して相対回転自在に配置されると共にスリーブ22が軸方向に移動制御されて図示を省略したクラッチギヤに噛合された際に該駆動軸6と一体回転する第4速ドライブギヤG4aと、該第4速ドライブギヤG4aに常時噛合すると共に駆動軸10に相対回転不能に支持された第4速ドリブンギヤG4bとから構成される。また、第5速ギヤ列G5は、駆動軸6に対して相対回転自在に配置されると共にスリーブ22が軸方向に移動制御されて図示を省略したクラッチギヤに噛合された際に該駆動軸6と一体回転する第5速ドライブギヤG5aと、該第5速ドライブギヤG5aに常時噛合すると共に駆動軸10に相対回転不能に支持された第5速ドリブンギヤG5bとから構成される。
【0029】
同様に、第6速ギヤ列G6は、駆動軸6に対して相対回転自在に配置されると共にスリーブ23が軸方向に移動制御されて図示を省略したクラッチギヤに噛合された際に該駆動軸6と一体回転する第6速ドライブギヤG6aと、該第6速ドライブギヤG6aに常時噛合すると共に駆動軸10に相対回転不能に支持された第6速ドリブンギヤG6bとから構成される。そして、後進ギヤ列Grは、駆動軸6に対して相対回転自在に配置されると共にスリーブ23が軸方向に移動制御されて図示を省略したクラッチギヤに噛合された際に該駆動軸6と一体回転する後進ドライブギヤGraと、該後進ドライブギヤGraに常時噛合すると共に図示を省略したアイドラ軸によって回転自在に支持されたアイドラギヤGrbと、該アイドラギヤGrbに常時噛合すると共に駆動軸10に相対回転不能に支持された後進ドリブンギヤGrbとから構成される。
【0030】
これら各ドリブンギヤG1b,G3b,G4b,G5b,G6b,Grcが相対回転不能に配置された駆動軸10には、軸方向のエンジン2側の端部に出力ギヤGaが相対回転不能に配置されており、該出力ギヤGaはディファレンシャルギヤ装置DGのデフリングギヤDrに常時噛合されている。そして、該デフリングギヤDrに伝達された回転は、詳示を省略したディファレンシャルギヤ装置DGによって左右の回転数差を吸収し得る形で左右の車軸12,12に伝達され、最終的に不図示の左右の駆動車輪に伝達される。
【0031】
一方、上記第2伝達経路Pa2における駆動軸5は、上記第1クラッチC1及び上記第1変速機構TM1の内側を通ってエンジン2とは軸方向反対側まで延設されており、そのエンジン2とは反対側の端部にスプロケット5aが相対回転不能に配置されていると共に、該スプロケット5aに伝動チェーン7が噛合されている。該伝動チェーン7は、上記駆動軸5と平行に配置された駆動軸8の端部に相対回転不能に配置されたスプロケット8aに噛合しており、さらに、該駆動軸8は第2クラッチC2の入力側部材に連結されている。つまり伝動チェーン(伝動機構)7は、第1軸CT1に入力されるエンジン2の回転を、該第1軸CT1」と平行に配置された第2軸CT2に伝達する。
【0032】
第2クラッチC2は、ミッションケース内に配置されると共にエンジン2の回転を伝達自在な湿式油圧クラッチからなり、不図示の制御部(ECU)の指令に基づく油圧制御装置からの油圧によって変速タイミングに応じて自動的に係脱制御される。該第2クラッチC2が係合されると、駆動軸8の回転(即ちエンジン2の回転)が駆動軸9に伝達される。駆動軸9上には、モータ(E/M)3を配置し得るスペースが確保されており、本変速機1をハイブリッド駆動装置として用いる場合には、モータ3のロータが駆動軸9に相対回転不能に連結される。従って、本変速機1は、ハイブリッド化が容易であり、つまりハイブリッド化に対する互換性を有していることになる。
【0033】
上記駆動軸9の軸方向エンジン2側の端部には、第2伝達経路Pa2上に配置された第2変速機構TM2としての第2速ギヤ列G2が配置されている。該第2速ギヤ列G2は、駆動軸9に対して相対回転不能に配置される第2速ドライブギヤG2aと、該第2速ドライブギヤG2aに常時噛合すると共に駆動軸11に相対回転不能に支持された第2速ドリブンギヤG2bとから構成される。
【0034】
上記駆動軸11には、軸方向のエンジン2側の端部に出力ギヤGcが相対回転不能に配置されており、これら第2速ドリブンギヤG2b、駆動軸11、及び出力ギヤGcによりカウンタシャフトCSを構成している。そして、該カウンタシャフトCSの出力ギヤGcは上述したディファレンシャルギヤ装置DGのデフリングギヤDrに常時噛合されており、該デフリングギヤDrに伝達された回転は、詳示を省略したディファレンシャルギヤ装置DGによって左右の回転数差を吸収し得る形で左右の車軸12,12に伝達され、最終的に不図示の左右の駆動車輪に伝達される。
【0035】
以上説明したエンジン2のクランク軸、第1クラッチC1、駆動軸4,5,6、スリーブ21,22,23、及び各ドライブギヤG1a,G3a,G4a,G5a,G6a,Graは、第1軸CT1上に配置され、第2クラッチC2、駆動軸8,9、及びモータ3は、第2軸CT2上に配置され、各ドリブンギヤG1b,G3b,G4b,G5b,G6b,Grc、駆動軸10、及び出力ギヤGaは、第3軸CT3上に配置され、カウンタシャフトCSは、第4軸CT4上に配置され、ディファレンシャルギヤ装置DG、及び車軸12は、第5軸CT5上に配置され、アイドラギヤGrbは、第6軸CT6上に配置されている。
【0036】
即ち、図2に示すように、第6速ドライブギヤG6aが最大径となる第1軸CT1は、エンジン2のクランク軸上にあって、車輌の進行方向前方側に配置される。また、第1速ドリブンギヤG1bが最大径となる第3軸CT3は、後方側上方に配置され、アイドラギヤGrbである第6軸CT6が、それら第1軸CT1及び第3軸CT3の中間に介在する形で、第1軸CT1の上方に配置される。一方、スプロケット5a及び伝動チェーン7を介して第1軸CT1からスプロケット8aに駆動力が伝達される第2軸CT2は、進行方向後方側の端部に配置され、第2速ドリブンギヤG2bが最大径となる第4軸CT4は、第2軸CT2の下方に配置される。そして、デフリングギヤDrが最大径となる第5軸CT5は、左右のアスクルシャフト(不図示)上にあって、変速機1の前後方向中間の下方に配置される。なお、車輌の進行方向に対する前後位置は、車輌の搭載方向によって反対となっても構わない。
【0037】
上記第2軸CT2は、第1軸CT1に対して動チェーンによって連結されるので、第2軸CT2の配置位置を第1軸CT1に対して対極位置に設定することができ、特に第2軸CT2にモータ3を配置する場合、モータ3を当該変速機1の外縁に沿って配置することができて、モータ3が当該変速機1の内部に配置されてしまうことを防止することが可能となる。このため、モータ3の冷却構造や配線構造を簡略化することが可能となり、変速機1の簡素化やコンパクト化が可能となる。
【0038】
ついで、本変速機1の動作を図1に沿って説明する。例えば不図示のシフトレバーにより前進レンジ(Dレンジ)が選択された状態にあって、不図示の制御部(ECU)が例えばアクセル開度と車速とに基づき変速段を判断し、前進1速段が選択されると、油圧制御によりスリーブ21が第1速ドライブギヤG1aに噛合され、第1クラッチC1が係合される。すると、エンジン2の回転は、ダンパ装置D及び第1クラッチC1を介して駆動軸6に伝達され、さらに、該駆動軸6からスリーブ21及び第1速ドライブギヤG1aを介して第1速ドリブンギヤG1b及び駆動軸10に前進1速段の変速比で伝達され、そして、出力ギヤGaからディファレンシャルギヤ装置DGに伝達される。つまり、エンジン2の回転は、第1伝達経路Pa1を介して、第1変速機構TM1の前進1速段の変速比で不図示の駆動車輪に伝達される。
【0039】
不図示の制御部により例えばアクセル開度と車速とに基づき前進2速段が選択され、前進1速段から前進2速段への変速が判断されると、油圧制御により、第1クラッチC1を解放しつつ第2クラッチC2を係合する、いわゆる掴み換えが行われる。該第2クラッチC2が係合されると、エンジン2の回転は、ダンパ装置D、駆動軸5、伝動チェーン7、駆動軸8、第2クラッチC2を介して駆動軸9に伝達され、さらに、該駆動軸9から第2速ドライブギヤG2aを介して第2速ドリブンギヤG2b及び駆動軸11に前進2速段の変速比で伝達され、そして、出力ギヤGcからディファレンシャルギヤ装置DGに伝達される。つまり、エンジン2の回転は、第2伝達経路Pa2を介して、第2変速機構TM1の前進2速段の変速比で不図示の駆動車輪に伝達される。
【0040】
なお、この前進2速段での走行中に、不図示の制御部は油圧制御によりスリーブ21を移動駆動し、該スリーブ21を第1速ドリブンギヤG1bから離間させると共に第3速ドリブンギヤG3bに噛合させておく。
【0041】
不図示の制御部により例えばアクセル開度と車速とに基づき前進3速段が選択され、前進2速段から前進3速段への変速が判断されると、油圧制御により、第2クラッチC2を解放しつつ第1クラッチC1を係合する掴み換えが行われる。第1クラッチC1が係合されると、エンジン2の回転は、ダンパ装置D及び第1クラッチC1を介して駆動軸6に伝達され、さらに、該駆動軸6からスリーブ21及び第3速ドライブギヤG3aを介して第3速ドリブンギヤG3b及び駆動軸10に前進3速段の変速比で伝達され、そして、出力ギヤGaからディファレンシャルギヤ装置DGに伝達される。つまり、エンジン2の回転は、第1伝達経路Pa1を介して、第1変速機構TM1の前進3速段の変速比で不図示の駆動車輪に伝達される。
【0042】
不図示の制御部により例えばアクセル開度と車速とに基づき前進4速段が選択され、前進3速段から前進4速段への変速が判断されると、油圧制御により、一旦、第1クラッチC1を解放し、油圧制御によりスリーブ21を移動駆動し、該スリーブ21を第3速ドリブンギヤG3bから離間させると共に、スリーブ22を移動駆動し、第4速ドリブンギヤG4bに噛合させた後、第1クラッチC1を再係合する。第1クラッチC1が再係合されると、エンジン2の回転は、ダンパ装置D及び第1クラッチC1を介して駆動軸6に伝達され、さらに、該駆動軸6からスリーブ22及び第4速ドライブギヤG4aを介して第4速ドリブンギヤG4b及び駆動軸10に前進4速段の変速比で伝達され、そして、出力ギヤGaからディファレンシャルギヤ装置DGに伝達される。つまり、エンジン2の回転は、第1伝達経路Pa1を介して、第1変速機構TM1の前進4速段の変速比で不図示の駆動車輪に伝達される。
【0043】
不図示の制御部により例えばアクセル開度と車速とに基づき前進5速段が選択され、前進4速段から前進5速段への変速が判断されると、油圧制御により、一旦、第1クラッチC1を解放し、油圧制御によりスリーブ22を移動駆動し、該スリーブ22を第4速ドリブンギヤG4bから離間させると共に第5速ドリブンギヤG5bに噛合させた後、第1クラッチC1を再係合する。第1クラッチC1が再係合されると、エンジン2の回転は、ダンパ装置D及び第1クラッチC1を介して駆動軸6に伝達され、さらに、該駆動軸6からスリーブ22及び第5速ドライブギヤG5aを介して第5速ドリブンギヤG5b及び駆動軸10に前進5速段の変速比で伝達され、そして、出力ギヤGaからディファレンシャルギヤ装置DGに伝達される。つまり、エンジン2の回転は、第1伝達経路Pa1を介して、第1変速機構TM1の前進5速段の変速比で不図示の駆動車輪に伝達される。
【0044】
不図示の制御部により例えばアクセル開度と車速とに基づき前進6速段が選択され、前進5速段から前進6速段への変速が判断されると、油圧制御により、一旦、第1クラッチC1を解放し、油圧制御によりスリーブ22を移動駆動し、該スリーブ22を第4速ドリブンギヤG4bから離間させると共に、スリーブ23を移動駆動し、第6速ドリブンギヤG6bに噛合させた後、第1クラッチC1を再係合する。第1クラッチC1が再係合されると、エンジン2の回転は、ダンパ装置D及び第1クラッチC1を介して駆動軸6に伝達され、さらに、該駆動軸6からスリーブ23及び第6速ドライブギヤG6aを介して第6速ドリブンギヤG6b及び駆動軸10に前進6速段の変速比で伝達され、そして、出力ギヤGaからディファレンシャルギヤ装置DGに伝達される。つまり、エンジン2の回転は、第1伝達経路Pa1を介して、第1変速機構TM1の前進6速段の変速比で不図示の駆動車輪に伝達される。
【0045】
なお、例えば不図示のシフトレバーにより後進レンジ(Rレンジ)が選択された状態にあって、不図示の制御部(ECU)が後進段を判断すると、油圧制御によりスリーブ23が後進ドライブギヤGraに噛合され、第1クラッチC1が係合される。すると、エンジン2の回転は、ダンパ装置D及び第1クラッチC1を介して駆動軸6に伝達され、さらに、該駆動軸6からスリーブ23及び後進ドライブギヤGra、アイドラギヤGrbを介して後進ドリブンギヤGrc及び駆動軸10に後進段の変速比(即ち逆転回転)で伝達され、そして、出力ギヤGaからディファレンシャルギヤ装置DGに伝達される。つまり、エンジン2の回転は、第1伝達経路Pa1を介して、第1変速機構TM1の後進段の変速比で不図示の駆動車輪に伝達される。
【0046】
以上説明したように本変速機1によると、第1伝達経路Pa1上に、エンジン2の回転を伝達自在な第1クラッチC1と前進2速段以外の変速段を形成する第1変速機構TM1とを配置し、第2伝達経路Pa2上に、エンジン2の回転を伝達自在な第2クラッチC2と前進2速段を形成する第2変速機構TM2とを配置したので、前進1速段と前進2速段との間の変速、前進2速段と前進3速段との間の変速を、第1クラッチC1と第2クラッチC2との掴み換えで変速を行うことができ、これにより、高速段の変速を含めて全ての変速に関し、もたつき感が生じ難く、充分に実用性のあるシフトフィーリングを確保することができるものでありながら、第2変速機構TM2が前進2速段だけを形成するコンパクトな機構であるので、第2伝達経路Pa2上にモータ3を配置するスペースを確保することができ、つまりハイブリッド化に対する互換性を持たせることができる。
【0047】
また、第1クラッチC1が第1軸CT1上に配置され、第2クラッチC2が第1軸CT1と平行な第2軸CT2上に配置されているので、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが多重構造になることを防止することができ、コンパクト化や軽量化を図ることができる。
【0048】
ところで、上記駆動軸9にモータ3が配置されて本変速機1がハイブリッド化された場合には、上述した前進1速段から前進6速段の何れの変速段が形成されているかに拘らず、モータ3は前進2速段の変速比を有する第2変速機構TM2を介して駆動車輪に連結される。
【0049】
ここで、本変速機1のように前進6速段を達成するものにあって、車輌の走行性能として一般的な設計上、前進5速段にあってエンジン2の総出力(馬力)が最大となる回転(例えばエンジン回転数が5000rpm)の際に最高車速に到達することになる。この場合、仮に前進1速段の変速比でモータ3が駆動車輪に連結されていると、その最高車速付近では該モータ3が必要以上に高回転(15000rpm以上)となってしまうが、本変速機1ではモータ3が前進2速段の変速比で駆動車輪に接続されているため、最高車速付近で最高回転数が許容回転数(15000rpm)以下となる。一方で、仮に前進3速段の変速比でモータ3が駆動車輪に連結されていると、モータ3の回転の減速比が小さく、駆動車輪に伝達されるモータトルクが小さくなってしまうが、本変速機1ではモータ3が前進2速段の変速比で駆動車輪に接続されているため、駆動車輪に伝達されるモータトルクが適宜な大きさとなる。従って、本変速機1では、モータ3が前進2速段の変速比であるため、モータ3の過回転を防止することができ、さらに、モータトルクの低下を防止することができ、つまりモータの駆動車輪に対する変速比として最適な変速比で設定されていると言える。
【0050】
また、モータ3が第2変速機構TM2を介して常時駆動車輪に連結されているので、常時モータ3による力行(アシスト)又は回生を行うことが可能であり、特に第1クラッチC1及び第2クラッチC2を解放することでモータ3のみを用いた走行(いわゆるEV走行)を可能とすると共に、エンジン2を切り離して回生することができるので回生効率の向上も図れる。また変速時においては、第1クラッチC1や第2クラッチC2の解放に伴って発生するエンジントルク伝達の低下や各部の回転変化に伴って発生するイナーシャトルク変化を、モータ出力により補填ないし吸収することも可能となり、変速ショックの防止も図ることができる。
【0051】
さらに、エンジン2と第2クラッチC2とは、第1クラッチC1及び第1変速機構TM1の内側を通る駆動軸5と、駆動軸5のエンジン2とは反対側の端部に噛合する伝動チェーン7と、駆動軸5と平行に配置されると共に伝動チェーン7に噛合する駆動軸8と、により連結されているので、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を平行な軸上に配置することを可能とすることができる。また、第1軸CT1と第2軸CT2とを伝動チェーン7によって連結することにより、第2軸CT2の配置位置を変速機1の対極位置に設定することができるので、特に第2軸CT2に対してモータ3を配置する場合、モータ3を当該変速機1の外縁に沿って配置することができ、モータ3が当該変速機1の内部に配置されてしまうことを防止することができる。これにより、モータ3の冷却構造や配線構造を簡略化することができ、結果的に本変速機1の簡素化やコンパクト化を可能とすることができる。
【0052】
また、第1クラッチC1は乾式自動クラッチからなり、第2クラッチC2は湿式油圧クラッチからなるので、例えば第1クラッチC1をミッションケースの外側にあってエンジン2との間に配置されるハウジングケース内に配置することができ、また、第2クラッチC2をミッションケース内に配置することができる。また特に第1クラッチC1を乾式自動クラッチで構成することで、該第1クラッチC1の解放時における引き摺りトルクを低減することができ、車輌の燃費向上を図ることができる。
【0053】
なお、以上説明した本実施の形態においては、本変速機1が前進6速段及び後進段を達成するものとして説明したが、前進段の段数はどのような数であっても良く、例えば第1変速機構TM1に前進7速段や前進8速段のギヤ列を追加しても良く、反対に、例えば前進6速段や前進5速段のギヤ列を取り除いても構わず、つまり第1変速機構TM1は、前進1速段及び前進3速段以上を形成するものであれば、どのような構成でもよい。
【0054】
また、本実施の形態においては、第1クラッチC1を乾式自動クラッチで構成すると共に第2クラッチC2を湿式油圧クラッチで構成したものを説明したが、例えば第1クラッチC1及び第2クラッチC2を両方とも湿式油圧クラッチで構成しても良く、反対に、第2クラッチC2をミッションケース内で隔離し、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を両方とも乾式自動クラッチで構成しても良い。
【0055】
さらに、本実施の形態においては、駆動軸5と駆動軸8とを伝動チェーン7により駆動連結したものを説明したが、伝動チェーンに限らず、例えば伝動ベルトやギヤ列で駆動連結しても構わない。
【0056】
また、本実施の形態においては、第1変速機構TM1に後進段のギヤ列Grを備えたものを説明したが、例えば本変速機1にモータ3を追加してハイブリッド化した場合は、モータ3の逆転回転により駆動車輪に逆転回転を出力することができるので、後進段のギヤ列Grを省略することもできる。
【0057】
そして、本実施の形態においては、モータ3を第2クラッチC2と第2変速機構TM2との間に配置したものを説明したが、例えばカウンタシャフトCS上に配置したり、左右の車軸12にそれぞれ2つのモータを配置しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る複数クラッチ式変速機は、乗用車、トラック等の変速機として用いることが可能であり、特にハイブリッド化が容易に行え、かつシフトフィーリングとして充分な実用性が求められる変速機に用いて好適である。
【符号の説明】
【0059】
1 複数クラッチ式変速機
2 エンジン
3 モータ
5 第1駆動軸
7 伝動機構、伝動チェーン
8 第2駆動軸
12 出力軸(車軸)
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
CT1 第1軸
CT2 第2軸
Pa1 第1伝達経路
Pa2 第2伝達経路
TM1 第1変速機構
TM2 第2変速機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸上に配置され、エンジンの回転を伝達自在な第1クラッチと、
前記第1軸と平行に配置された第2軸に前記エンジンの回転を伝達する伝動機構と、
前記第2軸上に配置され、前記エンジンの回転を伝達自在な第2クラッチと、
前記第1クラッチの係合により前記エンジンの回転の変速を行う第1変速機構と、
前記第2クラッチの係合により前記エンジンの回転の変速を行う第2変速機構と、
前記第1及び第2変速機構の出力を駆動車輪に伝達する出力軸と、を備え、
前記第1クラッチ及び前記第1変速機構を第1伝達経路上に配置すると共に、前記第2クラッチ及び前記第2変速機構を第2伝達経路上に配置した複数クラッチ式変速機において、
前記第1変速機構は、前進2速段以外の変速段を形成してなり、
前記第2変速機構は、前進2速段を形成してなり、
前記第1、第2クラッチをそれぞれ切り換えることにより、複数の変速段を達成する、
ことを特徴とする複数クラッチ式変速機。
【請求項2】
前記第1変速機構は、前進1速段及び前進3速段以上を形成してなる、
ことを特徴とする請求項1記載の複数クラッチ式変速機。
【請求項3】
前記第2伝達経路上にあって、前記第2クラッチと前記出力軸との間にモータを配置した、
ことを特徴とする請求項1または2記載の複数クラッチ式変速機。
【請求項4】
前記伝動機構は、伝動チェーンからなり、
前記エンジンと前記第2クラッチとは、前記第1クラッチ及び前記第1変速機構の内側を通る第1駆動軸と、前記第1駆動軸の前記エンジンとは反対側の端部に噛合する前記伝動チェーンと、前記第1駆動軸と平行に配置されると共に前記伝動チェーンに噛合する第2駆動軸と、により連結されてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の複数クラッチ式変速機。
【請求項5】
前記第1クラッチは、乾式自動クラッチからなり、
前記第2クラッチは、湿式油圧クラッチからなる、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の複数クラッチ式変速機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−214645(P2011−214645A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82532(P2010−82532)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】