説明

複数レンズを使用するデジタルカメラ

【課題】電子カメラ及び方法を提供する。
【解決手段】デジタルカメラは、第1の画像センサー、景色の第1の画像を第1の画像センサーに形成する第1の広角レンズ、第2の画像センサー、同一の前記景色の第2の画像を第2の画像センサーに形成するズームレンズ、第1の画像センサーからの第1のセンサー出力又は第2の画像センサーからの第2のセンサー出力の何れかを選択する制御素子、及び選択センサー出力から出力画像を生成する処理部、を有する。当該実施例のある変形では、第1のレンズはズームレンズでもあり、第1のレンズの最大焦点距離は第2のレンズの最小焦点距離より短いか又は等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像ファイルを生成するデジタルカメラ、及びより詳細には複数のレンズと画像センサーを使用し広範なズーム範囲を提供するデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、大部分のデジタルカメラは、ズームレンズ及び単一色画像センサーを使用し、静止及び動画像をキャプチャする。キャプチャされた画像は次に、デジタル画像ファイルを生成するために、デジタルで処理される。デジタル画像ファイルは、カメラ内のデジタルメモリーに格納される。デジタル画像ファイルは次に、コンピューターへ転送され、表示され、及びインターネットを介し共有され得る。デジタルカメラは、携帯電話の部分として含まれ、所謂「カメラ付き携帯電話」を形成し得る。カメラ付き携帯電話は、デジタル画像ファイルを別のカメラ付き携帯電話へ、又はサービスプロバイダーへ、携帯電話ネットワークを介し送信し得る。
【0003】
小さいカメラ寸法及び大きい「光学ズーム範囲」は、デジタルカメラの2つの非常に重要な特徴である。ユーザーは、限られたズーム範囲(例えば3:1以下)よりむしろ、大きいズーム範囲(例えば5:1以上)を有することを好む。残念ながら、キャプチャされた画像の品質を犠牲にせずに大きいズーム範囲のレンズを設けることは、デジタルカメラの大きさを増大する。大きいズームの範囲レンズはまた、より高価である。従って、小さいカメラの大きさ、大きいズーム範囲、及び低いカメラ価格の間には、デジタルカメラの設計時に基本的に相殺が存在する。一眼レフカメラのようなより高価格のカメラでは、これらの問題は、しばしば、2つの3:1ズームレンズ、例えば28−70mmズームと70−210ズームのような複数の交換ズームレンズの使用により解決される。それ自体ユーザーの不便の問題を有するこのような選択は、それにもかかわらず低価格デジタルカメラで利用可能ではない。
【0004】
最も関心のある従来技術は、2つの分類に分けられる。つまり、同一焦点距離を有する複数の、通常は2個のレンズを使用する画像キャプチャシステム、及び異なる焦点距離を有する複数の、通常は2個のレンズを利用する画像キャプチャシステムである。
【0005】
第1の分類を解決するため、一部のデジタルカメラは、複数の画像センサーを使用しカラー画像を形成する。この種類の大部分のカメラでは、単一レンズが使用され景色の画像が提供され、景色の画像は次にプリズム分光器により複数色に分離される。複数のモノクロ画像センサーが使用され、赤、緑、及び青色分解画像をキャプチャする。しかしながら、特許文献1、名称「Digital Cameras Using Multiple Sensors with Multiple Lenses」、2003年8月26日発行、ユー他による、に開示されるように、複数の画像センサー及び複数レンズを使用し色分離を提供することが可能である。しかしながら、特許文献1の開示は、画像の異なる色成分を同時にキャプチャするため、レンズ全てが同一焦点距離を有し、及び全てが一緒に使用されることを教示する。
【0006】
いくつかのデジタル撮像システムはまた、複数の画像センサー及び複数のレンズを使用し、デジタル画像の異なる部分をキャプチャする。このようなシステムは、特許文献2に開示される。特許文献2は、名称「Self−calibrating, Digital, Large Format Camera with Single or Multiple Detector Arrays and Single or Multiple Optical Systems」、2002年11月7日発行、グルーバー他による。特許文献2に開示されたある実施例では、大判デジタルカメラは、複数のレンズシステムを使用し複数の検出器アレイを露光し、広い領域の対象の重なっているサブ領域のサブ画像を取得する。サブ画像は互いに縫い合わされ、大判デジタルマクロ画像を形成する。しかしながら、全てのレンズは同一焦点距離を有し、及び全て同時に使用され画像の異なるサブ領域をキャプチャする。
【0007】
立体フィルムカメラ及び立体電子カメラは、従来知られている。これらのカメラは、標準的に2つの水平に分離された、同一焦点距離のレンズを有する。当該レンズは、景色の僅かに異なる2つの画像を2つの画像センサー又は2つのフィルムのこまに合焦する。このようなシステムは、同一出願人による特許文献3に開示されている。特許文献3は、名称「Still Video Camera for Recording Stereo Images on a Video Disk」、1991年1月21日発行、ケー・ブラッドリー・パクストンによる。2つの画像は、所謂「立体の対」を提供する。「立体の対」は、景色を見る時、人の左右の目に見える僅かに異なる視野を擬態する。前述の特許の開示では、2つのレンズは、同一倍率を設けるよう設計され、及び両レンズは立体効果を達成するために左右の目の画像を画像センサーの対に同時にキャプチャするために使用される。
【0008】
複数レンズを使用し複数の画像を同時にキャプチャするフィルムカメラはまた、従来知られている。例えば、証明写真を生成するために使用されるいくつかのインスタントフィルムカメラは、4個の小さい画像を同時にインスタントフィルムの同一のこまにキャプチャし得る。これらのカメラ内の4個のレンズは同一倍率を設け、及び全てが使用され、4個の画像を同時にキャプチャする。
【0009】
従来技術の第2の分類によると、2つ以上のレンズを有し2つ以上の異なる焦点距離を設けるフィルムカメラはまた、従来知られている。例えば、このようなカメラは、同一のフィルム板の前でスライドされる2つの異なる固定焦点距離レンズを使用し得る。これは、安価な「2点ズーム」機能、つまり例えば対応するズームレンズの広角及び望遠角設定を設ける2つの固定焦点距離レンズを提供する。別の例では、特許文献4は、名称「Multiple Lens Camera Having Lens−position Controlled Focal−length Adjustment」、1978年6月27日発行、エンゲルスマンによる。特許文献4では、「110」サイズのポケットフィルムカメラは、異なる焦点距離の3個以上のレンズを取り付けるキャリアを有し、カメラの光軸を選択的に横移動させ、従ってレンズの任意の1つをフィルム板に対し動作位置に置き得る。
【0010】
2個のレンズを有し2個の異なる焦点距離を設けるデジタルカメラはまた、従来知られている。レンズターレットは、カメラで複数の焦点距離を得るために一般的に使用される。しかしながら、デジタルスチルカメラの場合、又は特に携帯電話のデジタルカメラの場合、レンズモジュールは、レンズモジュールのための限られた空間のため、非常に小型であることが要求される。特許文献5は、名称「Lens Turret with Back Focal Length Adjustment」、2004年10月12日発行、オシマ他による。特許文献5は非常に小型で平坦な大きさでありデジタルスチルカメラ及び携帯電話のデジタルカメラに適すると言われるレンズターレットを開示する。レンズターレットは、軸の周りを回転可能であり、及びレンズターレットに取り付けられた広角レンズ及び望遠角レンズを有する。また駆動機構は、レンズの1つが画像センサーに向かい合う画像撮影位置に設定され得るようレンズターレットを回転する。後方焦点距離調整を用いて、より短い焦点距離を有するレンズの位置は、より長い焦点距離を有するレンズと同一レベルでレンズターレットの上に固定され得る。
【0011】
また、焦点距離の異なる組み合わせを有する2つのレンズが可変サイズ画像をキャプチャするために使用される、フィルムスキャナーの2レンズ装置の使用も知られている。例えば、同一出願人による特許文献6は、名称「Multiposition Lens Mechanism for a Scanner」、1999年7月27日発行、アール・エイチ・キーゾフによる。特許文献6では、コンピューターに繋がれる取り外し可能なデジタルカメラは、単一焦点距離レンズ及びズームレンズを有する多位置レンズ部品の光路にあるフィルムスキャナー内の筐体内に支持される。レンズ部品は、異なる大きさの画像、例えば2つ以上のフィルムフォーマットサイズを走査するためのカメラの光路内にレンズを位置付ける。しかしながら、これらのカメラは、フィルム及びデジタル共に、複数の焦点距離レンズを使用し、単一の「センサー」、つまり単一のフィルム又は単一の電子画像センサーのみを使用する特徴を共有する。
【0012】
特許文献7は、名称「Video Camera Including Multiple Image Sensors」、2001年9月11日発行、アンサリ他による。特許文献7では、テレビ会議で有用なデジタルモーションカメラは、2つのレンズ及び2つの画像センサーを有する。特許文献7に開示されたように、第1のレンズは8mm固定焦点レンズであり、部屋の比較的広角の景色を提供する。また第2のレンズは手動合焦制御を備えた16mmレンズであり、高解像度の文書伝送能力を提供する。第1のレンズは、会議参加者の部屋の景色用であり、テレビ会議中に対面コミュニケーションを提供する。また第2のレンズは、第1のレンズに対し適切な角度に向けられ、例えば机上の文書の閲覧用である。ビデオ会議中、このようなカメラは、第1のレンズを通じて見えるような部屋の画像又は第2のレンズを通じて見えるような文書の画像を、高価で非常に遅い動きのパン/チルト段及び/又は複数の完全なカメラユニットを必要とせず、迅速な切り替えを可能にする。別のカメラ、サンヨーS750UMTS携帯電話のカメラは、類似の種類の二重撮像能力を有する。2重撮像能力では、内部の対面VGA撮像装置は携帯電話を使用して発呼者の画像をキャプチャし、同時に外部の対面1メガピクセル撮像装置は発呼者が見ている景色の画像をキャプチャする。このようなカメラは、しかしながら、レンズが同一の景色からの画像を収集しないので、本発明の環境では有用でない。
【0013】
特許文献8は、名称「Electronic Zoom Feature」、1980年4月22日発行、マッカラ他による。特許文献8では、テレビジョンシステムは、一方のカメラは広角フィールドの視野を備え、他方のカメラは狭角フィールドの視野を備える2つ(以上)の固定焦点距離ビジコンカメラ、及び2つのフィールドの視野の間でズームを行う電子ズーム機能を利用する。カメラは、より小さいフィールドのカメラのフィールドの視野がより大きいフィールドのカメラのフィールドの視野の範囲内にあり及び通常は中央にあるように照準を合わせられる。「ズーム」は、2つのカメラの走査装置を操作し及びズーム量が徐々に増加されるにつれ、より小さいフィールドのカメラからの画像を有するディスプレイの中央部分を拡大することにより達成される。当該システムは、勿論、単一光学ズームレンズの代案である。単一光学ズームレンズは、固定焦点距離レンズより(光学ズーム)が低品質、高価且つ機械的に複雑なので、特許文献8の開示は使用を思いとどまっている。しかしながら、電子ズーム機能の解像度が通常、ズームに利用可能な走査線の数により制限されるので、電子ズームの固有の欠点は低品質でもある。従って、特許文献8の開示は、解像度の有効損失を有さずズームを可能にするよう2つのビジコンカメラの走査線を制御することを扱っている。
【0014】
特許文献9は、名称「Dual Lens System for Electronic Camera」、1991年9月24日発行、ヘスルによる。特許文献9では、二重焦点距離電子カメラ(機上誘導ミサイルで使用される)は、単一レンズシステム構成要素を有する。単一レンズシステム構成要素は、長焦点距離を有する周囲レンズ部の中央に統合された短焦点距離部を有し、各焦点距離部はそれぞれの専用画像アレイセンサーを有する。ここでまた、当該レンズシステムは、大きさ、費用、重さ、固有の複雑性のため、更に光学ズームは「重要なことに、使用に関して非常に遅い」(ヘスルの特許の第2欄、第1行)という点で、特許文献9が過小評価している単一モーター駆動ズームの代用である。
【0015】
これら従来技術のシステムの何れも、及び特に多焦点距離の従来技術のシステムは、小型、軽量且つ比較的安価な消費者デジタルカメラのための、十分に小型、低価格、大きいズーム範囲の光学システムを提供しない。前述のヘスルの特許で特に指摘されたように、ズームの使用に特有な緩慢さを回避すること、及び広いズーム角を素早く移動可能なことが望ましい。従って、デジタルカメラの大きさ又は価格を過度に増大させずに迅速に動作する広範なズーム範囲を提供するデジタルカメラが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6611289号明細書
【特許文献2】米国特許第20020163582 Al号明細書
【特許文献3】米国特許第4989078号明細書
【特許文献4】米国特許第4097882号明細書
【特許文献5】米国特許第6804460号明細書
【特許文献6】米国特許第5929903号明細書
【特許文献7】米国特許第6288742号明細書
【特許文献8】米国特許第4199785号明細書
【特許文献9】米国特許第5051830号明細書
【特許文献10】米国特許第5668597号明細書
【特許文献11】米国特許第5164831号明細書
【特許文献12】米国出願第2003/0202113号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、カメラの大きさ又は価格を過度に増大させずに、デジタルカメラに広範なズーム範囲を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、複数の別個のレンズ及び対応する画像センサーを用い、デジタルカメラに広範な光学ズーム範囲を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、ユーザーが要求したズーム位置の間の動きが迅速な方法で実行され得る、広範な光学ズーム範囲をデジタルカメラに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上述の問題の1つ以上の克服を対象とする。簡単に纏めると、本発明は、景色の出力画像を生成する電子カメラを有し、前記カメラは、第1のセンサー出力を生成する第1の画像センサー、前記景色の第1の画像を前記画像センサー上に形成する第1のレンズ、第2のセンサー出力を生成する第2の画像センサー、第2の画像を提供するため最小焦点距離と最大焦点距離の間で調整可能であり、同一の前記景色の第2の画像を前記第2の画像センサー上に形成するズームレンズ、前記第1の画像センサーからの第1のセンサー出力又は前記第2の画像センサーからの第2のセンサー出力の何れかを選択し、それにより選択センサー出力を提供する制御素子、及び前記選択センサー出力から出力画像を生成する処理部、を有する。当該実施例のある変形では、第1のレンズはまたズームレンズであり、第1のレンズの最大焦点距離は第2のズームレンズの最小焦点距離より短いか又は等しい。
【0021】
本発明のこれら種々の態様は、重要な技術的利点を提供する。各モードは独特の異なる焦点距離を有するレンズセンサーの組み合わせ又は焦点距離の組み合わせ(つまりズーム)を有する、複数の光学画像キャプチャモードをデジタルカメラ内に設けることにより、大きいズーム倍率、例えば10:1に対するデジタルカメラの消費者の要求により引き起こされる矛盾する要件(つまり、大きい大きさ、高い価格、及び妥協した光学品質)は、従来達成されたより小さい空間に低価格で高品質の光学的成果を有し達成され得る。
【0022】
本発明のこれら及び他の態様、目的、特徴及び利点は、好適な実施例の以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から、及び添付の図面を参照することにより一層明らかに理解及び評価されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による、固定焦点距離、第1の画像センサーを備えた広角レンズ、及び第2の画像センサーを備えたズームレンズを使用するデジタルカメラの第1の実施例のブロック図を示す。
【図2A】図1に示されたデジタルカメラの透視図である。
【図2B】図1に示されたデジタルカメラの透視図である。
【図3】図1に示されたデジタルカメラを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。
【図4】本発明による、第1の画像センサーを備えた第1のズームレンズ、及び第2の画像センサーを備えた第2のズームレンズを使用するデジタルカメラの第2の実施例のブロック図を示す。
【図5A】図4に示されたデジタルカメラの透視図である。
【図5B】図4に示されたデジタルカメラの透視図である。
【図6】図4に示されたデジタルカメラを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。
【図7】本発明による、第1の画像センサーを備えた第1のズームレンズ、及び第2の画像センサーを備えた第2のズームレンズ、及び第3の画像センサーを備えた固定焦点距離レンズを使用するデジタルカメラの第3の実施例のブロック図を示す。
【図8A】図7に示されたデジタルカメラの透視図である。
【図8B】図7に示されたデジタルカメラの透視図である。
【図9】図7に示されたデジタルカメラを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。
【図10A】図1、4、7、19及び21に示された、カメラで使用される画像キャプチャ部品のいくつかの実施例の光学配置の図である。
【図10B】図1、4、7、19及び21に示された、カメラで使用される画像キャプチャ部品のいくつかの実施例の光学配置の図である。
【図10C】図1、4、7、19及び21に示された、カメラで使用される画像キャプチャ部品のいくつかの実施例の光学配置の図である。
【図10D】図1、4、7、19及び21に示された、カメラで使用される画像キャプチャ部品のいくつかの実施例の光学配置の図である。
【図10E】図1、4、7、19及び21に示された、カメラで使用される画像キャプチャ部品のいくつかの実施例の光学配置の図である。
【図10F】図1、4、7、19及び21に示された、カメラで使用される画像キャプチャ部品のいくつかの実施例の光学配置の図である。
【図11】一方は固定焦点距離であり他方はズームである2つの画像キャプチャ部品を利用する、図10A−10Fに示された種類のデジタルカメラの前面図である。
【図12】図11に示されたデジタルカメラの上面図である。
【図13】図11に示されたデジタルカメラの側面図である。
【図14A】両方ともズームである2つの画像キャプチャ部品を利用する、図10A−10Fに示された種類のデジタルカメラの図である。
【図14B】両方ともズームである2つの画像キャプチャ部品を利用する、図10A−10Fに示された種類のデジタルカメラの図である。
【図15A】3個の画像キャプチャ部品を利用する、図10A−10Fに示された種類のデジタルカメラの図である。
【図15B】3個の画像キャプチャ部品を利用する、図10A−10Fに示された種類のデジタルカメラの図である。
【図16A】図10A−10Fの種々の実施例に示された、折り返し光路に沿った画像センサーに関し固定焦点距離レンズを支持する光学リレーサブ部品の図を示す。
【図16B】図10A−10Fの種々の実施例に示された、折り返し光路に沿った画像センサーに関し固定焦点距離レンズを支持する光学リレーサブ部品の図を示す。
【図17】図10A−10Fの種々の実施例に示された、折り返し光路に沿った画像センサーに関しズームレンズを支持する光学リレーサブ部品の図を示す。
【図18】異なるパノラマアスペクト比を有する撮像装置、及びアスペクト比を変化することにより得られる効果を示す。
【図19】第1のセンサーを備えた第1の固定焦点距離レンズ、第2のセンサーを備えた第2の固定焦点距離レンズ、及び第3のセンサーを備えた第3の固定焦点距離レンズを使用するデジタルカメラの更なる実施例のブロック図を示す。
【図20】図19に示されたデジタルカメラを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。
【図21】ある大きさ、例えば3ミクロン画素の画素を有する第1のセンサーを備えた第1のレンズ、及び別の大きさ、例えば5ミクロン画素の画素を有する第2のセンサーを備えた第2のレンズを使用するデジタルカメラの更なる実施例のブロック図を示す。
【図22】急送ズーム機能の説明に有用な図である。
【図23A】複数レンズ及び複数センサーを備えたカメラを有する携帯電話の前面図である。
【図23B】複数レンズ及び複数センサーを備えたカメラを有する携帯電話の背面図である。
【図24A】両方ともズームである2つの画像キャプチャ部品を利用する、図23A−23Bに示された携帯電話で使用される画像キャプチャ部品の図である。
【図24B】両方ともズームである2つの画像キャプチャ部品を利用する、図23A−23Bに示された携帯電話で使用される画像キャプチャ部品の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
撮像装置及び信号処理のための関連回路を利用するデジタルカメラは良く知られているので、本願明細書は、特に本発明による装置の部分を形成する要素、又はより直接的に連携する要素を対象とする。本願明細書に特に示されない又は記載されない要素は、従来知られている要素から選択されて良い。記載されるべき要素の特定の態様は、ソフトウェアで提供されて良い。以下の資料に本発明に従い示され及び記載されたシステムでは、本願明細書に特に示され記載され又は提案されない、本発明の実施に有用であるソフトウェアは、従来型であり及び従来技術分野の通常の技術の範囲内にある。
【0025】
本発明のいくつかの実施例のそれぞれは、広範なズーム範囲を提供するためデジタルカメラ内に取り付けられた複数レンズ及び複数センサーを有する画像キャプチャ部品を有する。これは、単一センサー及び大きい範囲のズームレンズ(例えば10:1ズーム範囲)を有するカメラと比較して、カメラの価格及び大きさを低減し、及び光学性能を向上し得る。互いに対し正確に同軸配置ではないが、複数レンズ及びセンサーは、視野の異なるフィールドを有するにも拘わらず実質的に同一の対象を見ているよう、一般に互いに対し整列している。各画像キャプチャ部品は、画像キャプチャ部品の反対端に配置されたレンズ及び画像センサー、並びにレンズからの光をセンサーへ向ける折り返し光路を有する2つ以上の光学リレーサブ部品を有する。この構成は、光学構成要素の大きさを更に低減し、それにより非常に薄く且つ小型のカメラの設計及び製造を可能にする。折り返し光学系が多くの好適な実施例で使用されるが、折り返し光路は、一般的に本発明の実施に必須ではない。これは特に、そもそも広角レンズの焦点距離が非常に短いので、広角光学部品で真である。また、センサーの大きさ、及び従ってセンサーを満たすために生成されなければならない画像の大きさは、通常の及び短い望遠焦点距離でさえ、焦点距離を許容可能な前後寸法まで減少させるのに十分なほど小さくて良い。
【0026】
各実施例では、カメラは、第1の画像センサーからの第1のセンサー出力又は他の画像センサーの1つからのセンサー出力の何れかを選択する制御素子を有する。それにより、出力画像を生成するため、カメラ内の処理部へ提供され得る選択センサー出力を提供する。更に、各実施例は、いくつかの種類のユーザー制御を有する。ユーザー制御は、ユーザーに、直接に又は焦点距離を示すあるマーク(例えば「パノラマ」又は「肖像」)を介し焦点距離を選択可能にする。前述の制御素子は次に、ユーザー制御に応答し、対応するセンサー出力を選択する。いくつかの実施例では、例えば「広角」設定が広角固定焦点距離レンズを選択し及び「望遠」設定がズームレンズの種々の位置を選択する、単一「ズームレンズ」ユーザー制御が使用される。ユーザー制御出力は次に、出力画像を生成するために使用される画像センサーを選択する制御素子へ提供される。選択されたセンサーがズームレンズ用の場合、ユーザー制御(又は制御素子)はまた、ズームレンズのズーム及び合焦モーターに、選択焦点距離へズームレンズを駆動させる。更に、デジタルズームは、ズームレンズの広角設定から最小焦点距離設定へズーム「アップ」するために使用されて良い。全ては、勿論、「広角」と「望遠」設定の間で「ズームレンズ」ユーザー制御を単に操作するユーザーに対し透過であって良い。
【0027】
最初に図10A−10Fを参照する。画像キャプチャ部品1のいくつかの実施例の光学配置を示すいくつかの図が示される。画像キャプチャ部品1は、(後述される)デジタルカメラの種々の実施例に含まれる。これらの図は、前述の折り返し光学素子を有する光学リレーサブ部品1a、1b、及び1cを有する。図10A−10Fのそれぞれで、円1dは、デジタルカメラの前表面の光学的断面を表す。円1dを通じ、それぞれのレンズが突き出る。光学リレーサブ部品1a、1b、及び1cは、レンズの背後で折り畳まれ、及び示されるようにカメラの前表面により覆われている。
【0028】
本発明の第1の実施例では、デジタルカメラは、第1の画像センサー12を備えた第1の固定焦点距離広角レンズ2、及び第2の画像センサー14を備えたズームレンズ3を利用する。図10Aに示されるように第1の実施例では、画像キャプチャ部品1は、第1の光学リレーサブ部品1aの反対の端に取り付けられた第1のレンズ2及び第1の画像センサー12を有する。第1の光学リレーサブ部品1aは、第1の画像センサー12とレンズ2との間に配置された折り返し光路を有する。第1のレンズ2は、望ましくは固定焦点距離広角レンズであり、景色の第1の画像を第1の画像センサー12に形成する。画像キャプチャ部品1はまた、第2の光学リレーサブ部品1bの反対の端に取り付けられたズームレンズ3及び第2の画像センサー14を有する。第2の光学リレーサブ部品1bは、第2の画像センサー14とズームレンズ3との間に配置された折り返し光路を有する。ズームレンズ3は、最小焦点距離と最大焦点距離との間で調整可能な焦点距離範囲を有し、景色の第2の画像を第2の画像センサー14に形成する。この実施例では、第1のレンズ2は、ズームレンズ3の最小焦点距離より短い、及び望ましくは実質的に短い焦点距離を有する広角レンズである。
【0029】
本発明の第2の実施例では、デジタルカメラは、画像センサー14を備えた第1のズームレンズ3、及び画像センサー16を備えた第2のズームレンズ4を利用する。図10Bに示されるように第2の実施例では、画像センサー14は第1の画像センサー14と見なされ、及び画像センサー16は第2の画像センサー16と見なされる。従って、画像キャプチャ部品1は、第1の光学リレーサブ部品1bの反対の端に取り付けられた第1のズームレンズ3及び第1の画像センサー14を有する。第1の光学リレーサブ部品1bは、第1の画像センサー14と第1のズームレンズ3との間に配置された折り返し光路を有する。第1のズームレンズ3は、最小焦点距離と最大焦点距離との間で調整可能な焦点距離範囲を有し、景色の第1の画像を第1の画像センサー14に形成する。画像キャプチャ部品1はまた、第2の光学リレーサブ部品1cの反対の端に取り付けられた第2のズームレンズ4及び第2の画像センサー16を有する。第2の光学リレーサブ部品1cは、第2の画像センサー16とズームレンズ4との間に配置された折り返し光路を有する。ズームレンズ4は、最小焦点距離と最大焦点距離との間で調整可能な焦点距離範囲を有し、景色の第2の画像を第2の画像センサー16に形成する。当該実施例では、第1のズームレンズ3の最大焦点距離は第2のズームレンズ4の最小焦点距離より短いか又は等しい。
【0030】
本発明の第3の実施例では、デジタルカメラは、画像センサー14を備えた第1のズームレンズ3、画像センサー16を備えた第2のズームレンズ4、及び画像センサー12を備えた固定焦点距離広角レンズ2を利用する。図10Cに示されるように第3の実施例では、画像センサー14は第1の画像センサー14と見なされ、画像センサー16は第2の画像センサー16と見なされ、及び画像センサー12は第3の画像センサーと見なされる。従って、図10Bの図示及び記載と同様に、第1のズームレンズ3は景色の第1の画像を第1の画像センサー14に形成し、及び第2のズームレンズ4は景色の第2の画像を第2の画像センサー16に形成する。更に、第3のレンズ、固定焦点距離レンズ2、及び第3の画像センサー12は、第3の光学リレーサブ部品1aの反対の端に取り付けられる。第3の光学リレーサブ部品1aは、第3の画像センサー12と第3のレンズ2との間に配置された折り返し光路を有する。当該実施例では、第3のレンズ2は、望ましくは、第1のズームレンズ3の最小焦点距離より短い、及び望ましくは実質的に短い焦点距離を有する固定焦点距離広角レンズである。また第1のズームレンズ3の最小焦点距離は、第2のズームレンズ4の最小焦点距離より短いか又は等しい。
【0031】
第4の実施例では、デジタルカメラは、第1の画像センサー12aを備えた第1の固定焦点距離レンズ2a、及び第2の画像センサー12bを備えた第2の固定焦点距離レンズ2bを利用する。図10Dに示されるように第4の実施例では、画像キャプチャ部品1は、第1の光学リレーサブ部品1a(1)の反対の端に取り付けられた第1の固定焦点距離レンズ2a及び第1の画像センサー12aを有する。第1の光学リレーサブ部品1a(1)は、第1の画像センサー12aと固定焦点距離レンズ2aとの間に配置された折り返し光路を有する。画像キャプチャ部品1はまた、第2の光学リレーサブ部品1a(2)の反対の端に取り付けられた第2の固定焦点距離レンズ2b及び第2の画像センサー12bを有する。第2の光学リレーサブ部品1a(2)は、第2の画像センサー12bと第2の固定焦点距離レンズ2bとの間に配置された折り返し光路を有する。当該実施例では、第1の固定焦点距離レンズ2aは望ましくは広角レンズであり、第2の固定焦点距離レンズ2bは望遠レンズである。
【0032】
第5の実施例では、デジタルカメラは、第1の画像センサー12aを備えた第1の固定焦点距離レンズ2a、第2の画像センサー12bを備えた第2の固定焦点距離レンズ2b、及び第3の画像センサー12cを備えた第3の固定焦点距離レンズ2cを利用する。図10Eに示されるように第5の実施例では、第1のレンズ2a及び第1の画像センサー12aは、第1の光学リレーサブ部品1a(1)の反対の端に取り付けられる。第1の光学リレーサブ部品1a(1)は、第1の画像センサー12aと第1のレンズ2aとの間に配置された折り返し光路を有する。第1のレンズ2aは、望ましくは固定焦点距離超広角レンズであり、景色の第1の画像を第1の画像センサー12aに形成する。第2のレンズ2b及び第2の画像センサー12bは、第2の光学リレーサブ部品1a(2)の反対の端に取り付けられる。第2の光学リレーサブ部品1a(2)は、第2の画像センサー12bと第2のレンズ2bとの間に配置された折り返し光路を有する。第2のレンズ2bは、望ましくは固定焦点距離中角レンズであり、景色の第2の画像を第2の画像センサー12bに形成する。第3のレンズ2c及び第3の画像センサー12cは、第3の光学リレーサブ部品1a(3)の反対の端に取り付けられる。第3の光学リレーサブ部品1a(3)は、第3の画像センサー12cと第3のレンズ2cとの間に配置された折り返し光路を有する。第3のレンズ2cは、望ましくは固定焦点距離狭角(望遠)レンズであり、景色の第3の画像を第3の画像センサー12cに形成する。
【0033】
第6の実施例では、デジタルカメラは、第1の画像センサー12aを備えた第1の固定焦点距離レンズ2a、第2の画像センサー12bを備えた第2の固定焦点距離レンズ2b、第3の画像センサー12cを備えた第3の固定焦点距離レンズ2c、及び第4の画像センサー12dを備えた第4の固定焦点距離レンズ2dを利用する。図10Fに示されるように第6の実施例では、第1のレンズ2a及び第1の画像センサー12aは、第1の光学リレーサブ部品1a(1)の反対の端に取り付けられる。第1の光学リレーサブ部品1a(1)は、第1の画像センサー12aと第1のレンズ2aとの間に配置された折り返し光路を有する。第1のレンズ2aは、望ましくは固定焦点距離超広角レンズであり、景色の第1の画像を第1の画像センサー12aに形成する。第2のレンズ2b及び第2の画像センサー12bは、第2の光学リレーサブ部品1a(2)の反対の端に取り付けられる。第2の光学リレーサブ部品1a(2)は、第2の画像センサー12bと第2のレンズ2bとの間に配置された折り返し光路を有する。第2のレンズ2bは、望ましくは固定焦点距離中角レンズであり、景色の第2の画像を第2の画像センサー12bに形成する。第3のレンズ2c及び第3の画像センサー12cは、第3の光学リレーサブ部品1a(3)の反対の端に取り付けられる。第3の光学リレーサブ部品1a(3)は、第3の画像センサー12cと第3のレンズ2cとの間に配置された折り返し光路を有する。第3のレンズ2cは、望ましくは固定焦点距離狭角(望遠)レンズであり、景色の第3の画像を第3の画像センサー12cに形成する。第4のレンズ2d及び第4の画像センサー12dは、第4の光学リレーサブ部品1a(4)の反対の端に取り付けられる。第4の光学リレーサブ部品1a(4)は、第4の画像センサー12dと第4のレンズ2dとの間に配置された折り返し光路を有する。第4のレンズ2dは、望ましくは固定焦点距離超狭角(超望遠)レンズであり、景色の第4の画像を第4の画像センサー12dに形成する。
【0034】
これらの実施例は明らかに、構成がデジタルカメラの空間的限界内に実用的に可能である限り、可能な限りつまり4個のレンズ、4個のセンサー、及び4個の光学リレーサブ部品より多くを実施して良い。
【0035】
図11は、デジタルカメラの空間的配置を提供し、図10Aに記載された種々の構成要素がデジタルカメラ10Aの限られた空間内にどのように適合しているかを示す。例えば、図11及び12は、図10Aに示された第1の実施例で、画像キャプチャ部品1がデジタルカメラ10Aの横方向寸法201内にどのように配置されているかを示す。図11は、デジタルカメラ10Aの前面図であり、固定焦点距離レンズサブ部品1a及びズームレンズサブ部品1bがレンズ2及び3の片側に電子フラッシュ48の下でどのように位置付けられているかを示す。バッテリー室204は、レンズ2及び3の反対側に位置付けられる。図12は、図11の線12−12に沿って取られたデジタルカメラ10Aの上面図であり、取り外し可能メモリーカード54及びカラーLCD画像ディスプレイ70の位置を更に示す。図13は、図12の線13−13に沿って取られたデジタルカメラ10Aの側面図であり、固定焦点距離レンズサブ部品1a、ズームレンズサブ部品1b、及びフラッシュ48の縦方向の空間を更に示す。特に注目すべき点は、サブ部品1a及び1bで利用される折り畳まれた光学系が、画像キャプチャ部品1をカメラ10Aの小型な前後寸法210内に適合させることである。また注目すべき点は、2個の固定焦点距離レンズサブ部品1a(1)及び1a(2)を利用する図10Dの実施例が、図11に示された配置内に代用され、それにより一層小さい横方向寸法201を備えたカメラを可能にすることである。
【0036】
図14A、14B、及び14Cは、図10Bに示された第2の実施例の構成要素の、デジタルカメラ10B内の配置を示す。図14Bは、図14Aの線14B−14Bに沿って取られた上面図である。また図14Cは、図14Bの線14C−14Cに沿って取られた側面図である。留意すべき点は、第2のズームサブ部品1cの大きさがより大きいので、構成要素の空間的関係が再構成されていることである。バッテリー室204は、フラッシュ48の下へ移動され、それにより折り畳まれた光学系のためにレンズ3及び4の反対側により多くの空間を確保している。同様に、図15A、15B、及び15Cは、図10Cに示された第3の実施例の構成要素の配置を示す。図15Bは、図15Aの線15B−15Bに沿って取られた上面図である。また図15Cは、図15Bの線15C−15Cに沿って取られた側面図である。これらの説明図から明らかなことは、光学システムの前後折り畳みが、1つのシステムに統合された2つの光路を示す従来技術に対し、及び前述のヘスルの文献(特許文献9)に示されたような光学システムに対しても重要な利点を提供することである。狭い前後寸法210は、ポケットサイズのカメラ、及び本発明ではズーム、又はズームに類似の機能を備えたポケットサイズのカメラを実現する。
【0037】
上述の各実施例では、画像キャプチャ部品は、デジタルカメラ製品に統合されて良く、又は例えばカメラ内に挿入するために別個に製造され及びカメラ製造業者に供給される代替可能構成要素として独立型であって良い。画像キャプチャ部品は、センサーを駆動し及び第1の画像センサーからの第1のセンサー出力又は他の画像センサーの1つからのセンサー出力の何れかを選択する制御部を更に有して良い。更に、いくつかの実施例では、画像キャプチャ部品内のセンサーは、互いに隣り合って共通回路基板部品の上に位置付けられて良く、又は共通の集積回路パッケージ内にパッケージされて良い。また画像キャプチャ部品内のレンズは、回路基板又は集積回路パッケージに取り付ける共通レンズ部品内に設けられて良い。いくつかの好適な実施例では、別個の撮像アレイは、同一のCCD又はCMOS集積回路の部分であり、及び2つのレンズは一緒に組み立てられそしてセンサーパッケージと共に配置される。
【0038】
更に、3個以上のセンサー出力を生成する複数の3個以上の画像センサー、及び景色の対応する3個以上の画像を対応する3個以上の画像センサーに形成する複数の3個以上のレンズを設ける前述の実施例では、利用されるレンズは、デジタルカメラの前面光学的断面1d内の異なる空間的配置で設けられる。3個のレンズが利用される場合、3個のレンズは、カメラの光学的断面1d内に三角配置で図10C又は10Eに示されるように設けられて良い。4個のレンズが利用される場合、4個のレンズは、カメラの光学的断面1d内に四角配置で図10Fに示されるように設けられて良い。
【0039】
更に、各実施例では、1つのレンズの固定又は最大焦点距離が次に長い焦点距離のレンズの最小焦点距離より短い場合、2つのレンズの間には焦点距離のギャップが残される。この場合、カメラ内の処理部は、焦点距離のギャップの少なくとも一部にわたり電子的にズームを行う電子ズーム能力を有して良い。従って、単一「ズームレンズ」ユーザー制御が使用される場合、ユーザー制御のある設定の間の遷移は、ズームレンズを特定の光学ズーム位置へ移動させる。またユーザー制御の他の設定の間の遷移は、プロセッサーに広角レンズの光学画像出力からデジタルでズームアップさせる。例えば、電子カメラが広角光学焦点距離及び少なくとも1つの望遠ズームレンズにより提供される光学焦点距離のグループを有する範囲にわたりズーム設定を提供する場合、広角焦点距離と望遠ズームのズーム焦点距離との間のギャップにある介在焦点距離の少なくとも一部は、広角光学焦点距離でキャプチャされた画像からの電子的なズームアップにより提供される。更に、ズームされている広角光学焦点距離は、別の(広角)ズームレンズの最大焦点距離により提供され得る。
【0040】
図16A及び16Bは、図10A及び10C−10Fに示された、折り返し光路に沿って画像センサー12に関し固定焦点距離レンズ2を支持する光学リレーサブ部品1aの図を示す。図16Aは、固定焦点距離レンズ2の外側対物レンズ、画像センサー12及び関連リレーレンズ構成要素7aをミラープリズム8aにより折り返される光路内に支持するレンズ筒6aを示す。更に、レンズ筒6aは、絞りシャッター部品9aを光路内に支持する。図16Bは、図16Aの線16B−16Bに沿って取られた図であり、(一般的に図10Aに示されるような)カメラの正面からの光学サブ部品1aの外観を示す。図17は、図10A、10B及び10Cに示された、折り返し光路に沿って画像センサー14(又は16)に関しズームレンズ3(又は4)を支持する光学リレーサブ部品1b(又は1c)の図を示す。図17Aは、ズームレンズ3(又は4)の外側対物レンズ、第2の画像センサー14(又は第3の画像センサー16)及び可動リレー(ズーム)レンズ構成要素7bをミラープリズム8bにより折り返される光路内に支持する固定具6bを示す。更に、固定具6bは、絞りシャッター部品9bを光路内に支持する。図17はまた、レンズ構成要素7bの動きを制御するズーム及び合焦モーター5aを示す。
【0041】
図1は、本発明の第1の実施例によるデジタルカメラ10Aのブロック図を示す。デジタルカメラ10Aは、画像をキャプチャする時及び閲覧する時、ユーザーにより容易に手に持てるほど小さい、携帯用バッテリー式装置である。好適な実施例では、デジタルカメラ10Aは、取り外し可能メモリーカード54に格納される静止デジタル画像を生成する。デジタルカメラは、メモリーカード54に格納される動デジタル画像を単独に又は静止画像に加えて生成して良い。
【0042】
デジタルカメラ10Aは、図10A及び11に記載された前述の画像キャプチャ部品1を有する。画像キャプチャ部品1は、景色(示されない)の画像を第1の画像センサー12に合焦する固定焦点距離レンズ2、及び景色の画像を第2の画像センサー14に合焦するズームレンズ3を有する。画像キャプチャ部品1は、第1の画像センサー12からの第1の画像出力12e及び第2の画像センサー14からの第2の画像出力14eを提供する。ある好適な実施例では、画像センサー12及び14は、アスペクト比及び画素サイズの両方に関し同一の大きさであり、レンズ2は22mmの「35mmフィルム換算焦点距離」を備えた超広角レンズであり(22mm相当として書かれる。ニューヨーク州NYの米国規格協会から入手可能なANSI/I3A IT10.7000−2004規格に定められたように、22mmは、固定レンズ2が画像センサー12に提供するのと同一の視界を提供する35mm写真用フィルムカメラの焦点距離である。)、及びズームレンズ3は38mm−114mm相当の焦点距離範囲を有する3:1ズームレンズである。
【0043】
35mmフィルム換算焦点距離(f.l.)は、式:35mm換算f.l.=(実際のレンズのf.l.(単位mm)×43.27mm)/(センサーの対角焦点板距離(単位mm))を使用して計算され得る。例えば、画像センサーが1/2’’型の光フォーマットを使用する場合、画像センサーは6.4mm(幅)×4.8mm(高さ)、対角距離8.0mmの焦点板を有する。この種の画像センサーが実際の焦点距離4.0mmを有するレンズと共に使用される場合、35mm換算焦点距離は22mmである。
【0044】
固定レンズ2の焦点距離が超広角視野、例えば22mm相当を生成するので、固定レンズは、8フィートのレンズ過焦点距離に近い距離に固定焦点を設定し、従って4フィートから無限大までの対象に合焦される。従って、固定レンズ2は焦点調整を有する必要がない。固定焦点距離レンズ2は、(図16A及び16Bに示されるような)調整可能な絞り及びシャッター部品9aを有し、画像センサー12の露光を制御する。ズームレンズ3は、(図17A及び17Bに示されるような)ズーム及び焦点モーター5a並びに調整可能な絞り及びシャッター部品9bにより制御され、画像センサーの露光を制御する。
【0045】
好適な実施例では、画像センサー12及び14は、良く知られたバイエルカラーフィルターパターンを使用してカラー画像をキャプチャする単一チップカラーメガピクセルCCDカメラセンサーである。画像センサー12及び14は、例えば4:3画像アスペクト比、及び2048アクティブ画素列×1536アクティブ画素行を備え全体で3.1有効メガピクセル(百万画素)を有し得る。画像センサー12及び14は、1/2’’型光フォーマットを使用し得る。従って各画素は高さ約3.1ミクロン×幅3.1ミクロンである。制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、クロックドライバ13へ信号を供給することにより第1の画像センサー12を制御し、及びクロックドライバ15へ信号を供給することにより第2の画像センサー14を制御する。
【0046】
制御プロセッサー及びタイミング生成器40はまた、ズーム及び焦点モーター5a、及び景色を照らす光を放出するフラッシュ48を制御する。制御プロセッサー及びタイミング生成器40はまた、自動合焦及び自動露出検出器46から信号を受信する。代案の実施例では、自動合焦及び自動露出検出器46を使用する代わりに、画像センサー14が使用され得、特許文献10に記載されたような露出検出及び「レンズを通した」自動合焦を提供する。同一出願人による特許文献10は、名称「Electronic Camera with Rapid Automatic Focus of an Image upon a Progressive Scan Image Sensor」、1997年9月26日発行、ケネス・エイ・パルルスキー、マサキ・イズミ、セイイチ・ミズコシ、及びノブユキ・モリにより、参照されることにより本願明細書に組み込まれる。ユーザー制御42は、デジタルカメラ10Aの動作を制御するために使用される。
【0047】
第1の画像センサー12からのアナログ出力信号12eは、第1のアナログ信号プロセッサー(ASP 1)22により増幅され、そして制御素子34、例えばアナログマルチプレクサ制御素子の第1の入力へ供給される。第2の画像センサー14からのアナログ出力信号14eは、第2のアナログ信号プロセッサー(ASP 2)24により増幅され、そして制御素子34、例えばアナログマルチプレクサ制御素子の第2の入力へ供給される。制御素子34の機能は、第1の画像センサー12からの第1のセンサー出力12e又は第2の画像センサー14からの第2のセンサー出力14eの何れかを選択し、それにより画像キャプチャ部品1からの選択センサー出力を提供することである。
【0048】
制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、(ASP 1)22又は(ASP 2)24の何れかの出力をアナログデジタル(A/D)変換器回路36へ提供するため、アナログマルチプレクサ制御素子34を制御する。A/D変換器36により供給されたデジタルデータは、DRAMバッファーメモリー38に格納され、そして続いて画像プロセッサー50により処理される。画像プロセッサー50により実行される処理は、フラッシュEPROMメモリーであり得るファームウェアメモリー58に格納されたファームウェアにより制御される。プロセッサー50は、処理段階の間、RAMメモリー56にバッファーされた入力デジタル画像ファイルを処理する。
【0049】
代案の実施例(示されない)では、2個のA/D変換器回路はASP 1(22)及びASP 2(24)の出力と接続され、アナログマルチプレクサ34は使用されない。代わりに、デジタルマルチプレクサが使用され、2個のA/D変換器の出力のどちらの1つがDRAMバッファーメモリー38と接続されるかを選択する。
【0050】
処理されたデジタル画像ファイルは、取り外し可能メモリーカード54にデジタル画像ファイルを格納するメモリーカードインターフェース52へ提供される。取り外し可能メモリーカード54は、ある種の取り外し可能デジタル画像記憶媒体であり、及びいくつかの異なる物理フォーマットで利用可能である。例えば、取り外し可能メモリーカード54は、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック、MMC、SD、又はXDメモリーカードフォーマットのような良く知られたフォーマットに適合するメモリーカードを(限定されることなく)有し得る。磁気ハードドライブ、磁気テープ、又は光ディスクのような他の種類の取り外し可能デジタル画像記憶媒体は、代替に使用され得、静止及び動デジタル画像を格納する。代案として、デジタルカメラ10Aは、内部フラッシュEPROMメモリーのような内部不揮発性メモリー(示されない)を使用し得、処理されたデジタル画像ファイルを格納する。このような実施例では、メモリーカードインターフェース52及び取り外し可能メモリーカード54は、必要ない。
【0051】
画像プロセッサー50は、表示用sRGB画像データを生成するために、種々の状態監視及び後に色及び色調補正が続く色補間を含む画像処理機能を実行する。表示用sRGB画像データは次に、JPEG圧縮され及びJPEG画像ファイルとして取り外し可能メモリーカード54に格納される。表示用sRGB画像データはまた、ホストPC66へ、SCSI接続、USB接続又はFireWire接続のような適切な相互接続を介し通信するホストインターフェース62を介して提供されて良い。JPEGファイルは、「デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット(Exif)」第2.1版、1998年7月、日本電子工業振興会(JEIDA)、日本国東京都、により定められた所謂「Exif」画像フォーマットを使用する。当該フォーマットは、データ/画像がキャプチャされた時間、同様にレンズのf/値及び他のカメラ設定を有する特定の画像メタデータを格納するExifアプリケーション・セグメントを有する。
【0052】
留意すべき点は、画像プロセッサー50、標準的にはプログラム可能な画像プロセッサーが、代案として配線カスタム集積回路(IC)プロセッサー、汎用マイクロプロセッサー、又は配線カスタムIC及びプログラム可能なプロセッサーの組み合わせであり得ることである。
【0053】
画像プロセッサー50はまた、同一出願人による特許文献11に記載されたように低解像度の「サムネイル」大の画像を生成する。特許文献11は、名称「Electronic Still Camera Providing Multi−Format Storage OfFuIl And Reduced Resolution Images」、クフタ他による。特許文献11の開示は参照されることにより本願明細書に組み込まれる。画像はキャプチャされた後、サムネイル画像データを使用することにより、カラーLCD画像ディスプレイ70で迅速に閲覧され得る。カラーLCD画像ディスプレイ70に表示されるグラフィカル・ユーザー・インターフェースは、ユーザー制御42により制御される。
【0054】
本発明のいくつかの実施例では、デジタルカメラ10Aはカメラ付き電話の一部として含まれる。このような実施例では、画像プロセッサー50はまた、携帯電話プロセッサー90と相互作用する。携帯電話プロセッサー90は、携帯電話モデム92を使用し、デジタル画像を、無線通信を使用する携帯電話ネットワーク(示されない)へアンテナ94を介し送信する。本発明のいくつかの実施例では、画像キャプチャ部品1は、レンズ2及び3、画像センサー12及び14、及びズーム及び焦点モーター5aを有する統合部品であって良い。更に、クロックドライバ13及び15、同様にアナログ信号プロセッサー22及び24、アナログマルチプレクサ34、及びA/D変換器36は、統合部品の一部であって良い。
【0055】
図2A及び2Bは、図1に関連して記載されたデジタルカメラ10Aの透視図を示す。図2Aは、カメラ10Aの前面図であり、固定焦点距離レンズ2、ズームレンズ3及びフラッシュ48を示す。固定焦点距離レンズは、望ましくは超広角レンズであり、適切なレンズは22mm相当焦点距離及びf/2最大絞りを有する。ズームレンズは望ましくは超薄型レンズ、例えばプリズムレンズであり、適切なズームは、38−114mm相当焦点距離ズームレンズのような3:1ズーム比レンズである。プリズムレンズは、図16A、16B及び17に示されたような、光路を折り返し、それにより非常に小型の光学構成を作り出すプリズム8a、8bを内蔵したレンズ構成である。明らかに、他のレンズ焦点距離及びレンズ種類の構成は、本発明の範囲内である。図2Bは、カメラ10Aの背面図であり、カラー(LCD)画像ディスプレイ70及び多数のユーザー制御42を示す。ユーザー制御42は、画像キャプチャシーケンスを可能にするシャッターボタン42a、パノラマモードを有効にするパノラマボタン42b、ズーム設定の選択を可能にするズームボタン42c、及びカラーLCD画像ディスプレイ70に表示される画像、メニュー選択等を検索する多位置選択器42dを有する。
【0056】
更なる実施例では、固定焦点距離レンズ2及び画像センサー12により提供された画像のアスペクト比は、ズームレンズ3及び画像センサー14により提供された画像のアスペクト比と異なって良い。例えば、画像センサー12は、16:9画像アスペクト比、2730アクティブ画素列×1536アクティブ画素行を備え全体で4.2有効メガピクセルを有し得る。従って、ディスプレイ70は、望ましくは幅広のアスペクト比(例えば16:9)フォーマットのディスプレイである。図18の(A)及び(B)に示されるように、画像センサー12のアスペクト比(破線で示される)は、パノラマ画像18(例えば図18の(A)に示されるような16:9アスペクト比のパノラマ画像)を表して良い。また画像センサー14のアスペクト比(破線で示される)は、標準的なテレビジョンアスペクト比画像19(例えば図18の(B)に示されるような4:3アスペクト比画像)を表して良い。この場合、ユーザー制御42は、レンズ2の広角から狭角へ向かい遷移しズームレンズ3の4:3アスペクト比の効果へ近付く可変パノラマ効果を得るため、画像センサー12により提供された格納された画像のアスペクト比を変化するユーザーコマンドを制御プロセッサー及びタイミング生成器40へ入力して良い。これは、画像センサー12から提供された画像データの中央サブセットだけが画像プロセッサー50により処理され及び取り外し可能メモリーカード54に格納されるよう、DRAMバッファーメモリーに格納されている画像データをトリミングすることにより達成される。例えば、及び図18の(A)に示されるように、画像の垂直方向マージン18bは、ズームボタン42cの広域制御部を押すことにより、通常の16:9アスペクト比から広いアスペクト比の画像まで連続的に調整されて良い。それに応じて、DRAMバッファーメモリー38内の画像の最上部と最下部は、画像プロセッサー50によりトリミングされ、17:9、18:9(2:1)、19:9等の画像アスペクト比のような次第に広いアスペクト比を生成する。或いは、画像の水平方向マージン18aは、ズームボタン42cの望遠制御部を代わりに押すことにより、通常の16:9アスペクト比から狭いアスペクト比の画像まで調整されて良い。それに応じて、DRAMバッファーメモリー38内の画像の左側と右側は、画像プロセッサー50によりトリミングされ、15:9、14:9、3:2等の画像アスペクト比のような次第に狭いアスペクト比を生成する。このように、可変パノラマ効果は、第1の画像センサー12からの画像データを使用してデジタルで達成されて良い。
【0057】
図3は、図1のデジタルカメラを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。レンズ設定ブロック100では、カメラ10Aが電源スイッチ(示されない)を使用して電源を入れられると、ズームレンズ3は、望ましくは広角位置(例えば38mm位置)である規定位置に設定される。パノラマ決定ブロック102では、ユーザーがパノラマボタン42bを押下する場合(つまりブロック102への肯定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP1)22の出力を使用する(第1のセンサーブロック114)。従って第1の画像センサー12の出力はA/D変換器36へ提供される。その結果、画像センサー12からのプレビュー画像はキャプチャされ、ブレビューブロック116で表示される。この時点で(広角画像が使用されることが指定されている)、ズームボタンが押下される場合、画像のアスペクト比は、広角のレンズ2から可変パノラマ効果を得るよう、アスペクト比調整ブロック118で変更される。次に、シャッターボタンが押下される場合、静止画像は、第1のセンサー12の出力を使用してキャプチャブロック120にキャプチャされる。
【0058】
パノラマ決定ブロック102では、ユーザーがパノラマボタン42bを押下しない場合(つまりブロック102への否定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP2)24の出力を使用する(第2のセンサーブロック104)。従って第2の画像センサー14の出力はA/D変換器36へ提供される。その結果、画像センサー14からのプレビュー画像はキャプチャされ、ブレビューブロック106で表示される。この時点で(ズーム画像が使用されることが指定されている)、ズームボタンが押下される場合、ズームレンズの位置は、ズームレンズ3の最小焦点距離から最大焦点距離へズーム効果を得るよう、ズーム調整ブロック108で調整される。次に、シャッターボタンが押下される場合、静止画像は、第2のセンサー14の出力を使用してキャプチャブロック110でキャプチャされる。
【0059】
この実施例の更なる変形では、パノラマボタン42bが押下された後(従って広角画像が使用されることが指定されている)、又は最初にパノラマボタン42bを押下せずにズームボタン42cが押下された場合(従ってズーム画像が使用されることが指定されている)、使用されていない画像センサーは、任意的に(パワーダウンブロック112で)パワーを弱められ、電力の引き込みを低減し及びバッテリー電源を節約して良い。
【0060】
図4は、本発明の第2の実施例によるデジタルカメラ10Aのブロック図を示す。第2の実施例では、デジタルカメラ10Bは、それぞれ画像を対応する画像センサーへ供給する2個のズームレンズを有する。第1のズームレンズ3は、ズーム及び焦点モーター5aにより制御され、そして画像を第1の画像センサー14へ提供する。第2のズームレンズ4は、ズーム及び焦点モーター5bにより制御され、そして画像を第2の画像センサー16へ提供する。カメラのユーザーズーム制御は、ユーザーズーム制御の設定に依存して、第1の画像センサー14の出力14e又は第2の画像センサー16の出力16eの何れかを選択する。デジタルカメラ10Bの残りの特徴は、図1に示されたデジタルカメラ10Aと同様であり、同一の参照符号を保有する。従ってデジタルカメラ10Bのこれらの特徴の更なる説明は、図1を参照のこと。
【0061】
図5A及び5Bは、図4に関し記載されたデジタルカメラ10Bの透視図である。図5Aは、カメラ10Bの前面図であり、第1のズームレンズ3、第2のズームレンズ4及びフラッシュ48を示す。第1のズームレンズ3は望ましくは超薄型レンズ、例えばプリズムレンズであり、適切なズームは、38−114mm相当焦点距離ズームレンズのような約3:1ズーム比レンズである。第2のズームレンズ4は望ましくは別の超薄型レンズ、例えばプリズムレンズであり、適切なズームは、133−380mm相当焦点距離ズームレンズのような約3:1ズーム比レンズである。望ましくは、約10:1の全体のズーム比は、両方のズームレンズの使用から得られて良い。更に、好適な実施例では、及び電動ズームは連続的よりむしろ標準的に離散ズーム段階の間で行われるので、第1のズームレンズ3と第2のズームレンズ4の間の焦点距離の小さなギャップは、焦点距離のズーム段階に相当する。明らかに、他のレンズ焦点距離及びレンズ種類の構成は、本発明の範囲内である。
【0062】
図5Bは、カメラ10Bの背面図であり、パノラマボタン42bの欠如を除き、図2Bと全ての特徴が同様である。撮像装置がパノラマアスペクト比を有さないので、ディスプレイ70は、望ましくは4:3アスペクト比のディスプレイである。
【0063】
図6は、図4のデジタルカメラを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。レンズ設定ブロック100では、カメラ10Bが電源スイッチ(示されない)を使用して電源を入れられると、第1のズームレンズ3は、望ましくは広角位置(例えば38mm位置)である規定位置に設定される。ズーム位置ブロック122では、ユーザーがズームボタン42cを押下しXを超える位置を得る場合(つまり125mmより大きく及び従ってブロック122への肯定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP1)24の出力を使用する(第2のセンサーブロック134)。従って第2の画像センサー16の出力はA/D変換器36へ提供される。その結果、ブレビューブロック136で、画像センサー16からのプレビュー画像はキャプチャされ及び表示される。次に、キャプチャブロック140で、シャッターボタンが押下される場合、静止画像は第2のセンサー16の出力を使用してキャプチャされる。ズームボタンブロック138で、この時点でズームボタンが押下される場合、制御はズーム位置ブロック122へ戻される。
【0064】
ズーム位置ブロック122では、ユーザーがズームボタン42cを押下し位置Xより短い位置を得る場合(つまり125mmより短く及び従ってブロック122への否定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP2)22の出力を使用する(第2のセンサーブロック124)。従って第1の画像センサー14の出力はA/D変換器36へ提供される。その結果、ブレビューブロック126で、画像センサー14からのプレビュー画像はキャプチャされ及び表示される。次にキャプチャブロック130で、シャッターボタン42aが押下される場合、静止画像は、第1のセンサー16の出力を使用してキャプチャされる。ズームボタンブロック128で、この時点でズームボタンが押下される場合、制御はズーム位置ブロック122へ戻され、そして処理が繰り返される。
【0065】
図7は、本発明の第3の実施例によるデジタルカメラ10Cのブロック図を示す。第3の実施例では、デジタルカメラ10Cは、それぞれ画像を対応する画像センサーへ供給する2個のズームレンズ3及び4並びに固定焦点距離レンズ2を有する。第1のズームレンズ3は、ズーム及び焦点モーター5aにより制御され、そして画像を第1の画像センサー14へ提供する。第2のズームレンズ4は、ズーム及び焦点モーター5bにより制御され、そして画像を第2の画像センサー16へ提供する。固定焦点距離レンズ2は、画像を第3の画像センサー12へ提供する。カメラのユーザーズーム制御は、ユーザーズーム制御の設定に依存して、第1の画像センサー14の出力14e、第2の画像センサー16の出力16e、又は第3の画像センサー12の出力12eの何れかを選択する。デジタルカメラ10Cの残りの特徴は、図4に示されたデジタルカメラ10Bと同様であり、同一の参照符号を保有する。従ってデジタルカメラ10Cのこれらの特徴の更なる説明は、図4を参照のこと。
【0066】
図8A及び8Bは、図7に関し記載されたデジタルカメラ10Cの透視図を示す。図8Aは、カメラ10Cの前面図であり、第1のズームレンズ3、第2のズームレンズ4、固定焦点距離レンズ2、及びフラッシュ48を示す。第1のズームレンズ3は望ましくは超薄型レンズ、例えばプリズムレンズであり、適切なズームは、38−114mm相当焦点距離ズームレンズのような約3:1ズーム比レンズである。第2のズームレンズ4は望ましくは超薄型レンズ、例えばプリズムレンズであり、適切なズームは、133−380mm相当焦点距離ズームレンズのような約3:1ズーム比レンズである。望ましくは、約10:1の全体のズーム比は、両方のズームレンズの使用から得られて良い。更に、好適な実施例では、第1のズームレンズ3と第2のズームレンズ4との間の焦点距離の小さなギャップは、焦点距離ズーム段階に相当する。固定焦点距離レンズは、望ましくは超広角レンズであり、適切なレンズは22mm相当焦点距離及びf/2最大絞りを有する。明らかに、他のレンズ焦点距離及びレンズ種類の構成は、本発明の範囲内である。
【0067】
図8Bは、カメラ10Cの背面図であり、図2Bと全ての特徴が同様である。第3の実施例の更なる(任意的な)変形では、固定焦点距離レンズ2により提供された画像のアスペクト比(例えば16:9)は、ズームレンズ3又は4により提供された画像のアスペクト比と異なって良い。この場合、図2Bに示されたように、ユーザー制御42(例えばズームボタン42c)は、レンズ2の広角から狭角へ向かい遷移しズームレンズ3の4:3アスペクト比の効果へ近付く可変パノラマ効果を得るため、画像センサー12により提供された格納された画像のアスペクト比を変化するユーザーコマンドを入力して良い。
【0068】
図9は、図7のデジタルカメラを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。この図は、大部分が図3及び6のブロックの合成であり、殆どのブロックは同一のブロック機能及び段階の同一の参照符号を有する。レンズ設定ブロック100では、カメラ10Bが電源スイッチ(示されない)を使用して電源を入れられると、第1及び第2のズームレンズ3及び4は、望ましくは各レンズの広角位置(例えばレンズ3では38mm位置、レンズ4では125mm位置)である規定位置に設定される。
【0069】
パノラマ決定ブロック102では、ユーザーがパノラマボタン42bを押下する場合(つまりブロック102への肯定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP1)26の出力を使用する(第3のセンサーブロック115)。従って第3の画像センサー12の出力はA/D変換器36へ提供される。その結果、ブレビューブロック116で、画像センサー12からのプレビュー画像はキャプチャされ表示される。アスペクト比調整ブロック118で、この時点で(広角画像が使用されることが指定されている)、ズームボタンが押下される場合、画像のアスペクト比は、広角のレンズ2から可変パノラマ効果を得るよう変更される。次に、キャプチャブロック120で、シャッターボタンが押下される場合、静止画像は第3のセンサー12の出力を使用してキャプチャされる。
【0070】
パノラマ決定ブロック102が関与しない場合(つまりユーザーはパノラマボタン42bを押下していない)、制御はズーム位置ブロック122へ移される。ズーム位置ブロック122では、ユーザーがズームボタン42cを押下しXを超える位置を得る場合(つまり125mmより大きく及び従ってブロック122への肯定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP1)24の出力を使用する(第2のセンサーブロック134)。従って第2の画像センサー16の出力はA/D変換器36へ提供される。その結果、ブレビューブロック136で、画像センサー16からのプレビュー画像はキャプチャされ及び表示される。次に、キャプチャブロック140で、シャッターボタンが押下される場合、静止画像は第2のセンサー16の出力を使用してキャプチャされる。ズームボタンブロック138で、この時点でズームボタンが押下される場合、制御はズーム位置ブロック122へ戻される。
【0071】
ズーム位置ブロック122では、ユーザーがズームボタン42cを押下し位置Xより短い位置を得る場合(つまり125mmより短く及び従ってブロック122への否定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP2)27の出力を使用する(第1のセンサーブロック124)。従って第1の画像センサー14の出力はA/D変換器36へ提供される。その結果、ブレビューブロック126で、画像センサー14からのプレビュー画像はキャプチャされ及び表示される。次に、キャプチャブロック130で、シャッターボタン42aが押下される場合、静止画像は第1のセンサー16の出力を使用してキャプチャされる。ズームボタンブロック128で、この時点でズームボタンが押下される場合、制御はズーム位置ブロック122へ戻され、そして処理が繰り返される。
【0072】
図19は、更なる実施例を表す。図19では、デジタルカメラ10Dは2個の固定焦点距離レンズを有するか(第4の実施例)、又はデジタルカメラ10Eは3個の固定焦点距離レンズを有し(第5の実施例)、それぞれ対応する撮像アレイへ画像を提供する。図19は、特に第5の実施例によるデジタルカメラ10Eのブロック図を示す。第5の実施例では、デジタルカメラ10Eは、それぞれ画像を対応する画像センサーへ供給する3個の固定焦点距離レンズを有する。第1の固定焦点距離レンズ2aは、画像を第1の画像センサー12aへ提供する。第2の固定焦点距離レンズ2bは、画像を第2の画像センサー12bへ提供する。第3の固定焦点距離レンズ2cは、画像を第3の画像センサー12cへ提供する。カメラのユーザーズーム制御は、ユーザーズーム制御の設定に依存して、第1の画像センサー12aの出力、第2の画像センサー12bの出力、又は第3の画像センサー12cの出力の何れかを選択する。より詳細には、カメラのユーザーズーム制御は、3個の画像センサーの1つの出力を選択し、粗い倍率設定を提供し、及び更に画像プロセッサー50により提供されるデジタルズームを使用し精細な倍率制御を提供する。例えば、第1の焦点距離レンズ2aは30mm相当(35mm換算)の焦点距離を有して良く、第2の固定焦点距離レンズ2bは90mm相当の焦点距離を有して良く、及び第3の固定焦点距離レンズ2cは135mm相当の焦点距離を有して良い。ズームレンズ制御は、30mmから270mmの設定を提供して良い。ユーザーが60mmを選択する場合、例えば、第1のセンサー12aからの出力が2xデジタルズームと共に選択される。ユーザーが270mmを選択する場合、第3のセンサー12cからの出力が2xデジタルズームと共に選択される。
【0073】
第4の実施例では、デジタルカメラ10Dは、それぞれ画像を対応する画像センサーへ供給する2個の固定焦点距離レンズを有する。従って、第4の実施例では、図19は変更され、第3の固定焦点距離レンズ2c及び第3の固定焦点距離レンズ2cの付属構成要素及び回路が削除される。カメラのユーザーズーム制御は、ユーザーズーム制御の設定に依存して、第1の画像センサー12aの出力又は第2の画像センサー12bの出力の何れかを選択する。例えば、第1の焦点距離レンズ2aは30mm相当(35mm換算)の焦点距離を有して良く、第2の固定焦点距離レンズ2bは90mm相当の焦点距離を有して良い。ズームレンズ制御42cは、30mmから270mmの設定を提供して良い。ユーザーが60mmを選択する場合、例えば、第1のセンサー12aからの出力が2xデジタルズームと共に選択される。ユーザーが270mmを選択する場合、第2のセンサー12bの出力が3xデジタルズームと共に選択される。デジタルカメラ10D及び10Eの残りの特徴は、図4に示されたデジタルカメラ10Bと同様であり、同一の参照符号を保有する。従ってデジタルカメラ10D及び10Eのこれらの特徴の更なる説明は、図4を参照のこと。
【0074】
デジタルカメラ10D及び10Eの透視図は、実質的に図5A及び5Bの透視図と同様であるので示されないが、デジタルカメラ10Eでは別の光学リレーサブ部品が含まれていることが異なる。
【0075】
図20は、図20のデジタルカメラ10Eを使用してデジタル画像をキャプチャする方法を示すフロー図を示す。パワーアップブロック300では、カメラ10Eは電源スイッチ(示されない)を使用して電源を入れられる。ズーム位置ブロック302では、ユーザーがズームボタン42cを押下しXを超える位置を得る場合(例えば90mm相当と等しいか又は大きく及び従ってブロック302への肯定の応答)、制御は、第2のズーム位置ブロック314へ移される。ズームボタン42cが位置Yを超える位置を示している場合(例えば135mm相当と等しいか又は大きく及び従ってブロック314への肯定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP3)26の出力を使用する(第3のセンサーブロック318)。従って第3の画像センサー12cの出力はA/D変換器36へ提供される。ズーム制御42cが光学135mm相当以外の焦点距離を要求している場合、ズームブロック306でデジタルズームは画像に適用され、画像を要求された焦点距離まで持って行く。その結果、ブレビューブロック308で、画像センサー12cからのプレビュー画像はキャプチャされ及び表示される。次に、キャプチャブロック312で、シャッターボタンが押下される場合、静止画像は第3のセンサー12cの出力を使用してキャプチャされる。ズームボタンブロック310で、この時点でズームボタンが押下される場合、制御は代わりにズーム位置ブロック302へ戻される。
【0076】
ズームボタン42cが位置Yより短い位置を示している場合(つまり135mm相当より短く及び従ってブロック314への否定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP2)24の出力を使用する(第2のセンサーブロック316)。従って第2の画像センサー12bの出力はA/D変換器36へ提供される。ズーム制御42cが光学90mm相当以外の焦点距離を要求している場合、ズームブロック306でデジタルズームは画像に適用され、画像を要求された焦点距離まで持って行く。その結果、ブレビューブロック308で、画像センサー12bからのプレビュー画像はキャプチャされ及び表示される。次に、キャプチャブロック312で、シャッターボタンが押下される場合、静止画像は、第2のセンサー12bの出力を使用してキャプチャされる。ズームボタンブロック310で、この時点でズームボタンが押下される場合、制御は代わりにズーム位置ブロック302へ戻される。
【0077】
ズーム位置ブロック302では、ユーザーがズームボタン42cを押下し位置Xより短い位置を得る場合(つまり90mmより短く及び従ってブロック302への否定の応答)、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、アナログマルチプレクサ34を制御しアナログ信号プロセッサー(ASP1)22の出力を使用する(第1のセンサーブロック304)。従って第1の画像センサー12aの出力はA/D変換器36へ提供される。ズーム制御42cが光学30mm相当以外の焦点距離を要求している場合、ズームブロック306でデジタルズームは画像に適用され、画像を要求された焦点距離まで持って行く。その結果、画像センサー12aからのプレビュー画像はキャプチャされ、ブレビューブロック308で表示される。次に、キャプチャブロック312で、シャッターボタン42aが押下される場合、静止画像は第1のセンサー12aの出力を使用してキャプチャされる。ズームボタンブロック310で、この時点でズームボタンが押下される場合、制御はズーム位置ブロック302へ戻され、そして処理が繰り返される。
【0078】
多数の利点が、固定焦点距離レンズの使用により第4及び第5の実施例で得られて良い。各レンズの絞りは、非常に大きく保たれ得(例えば最も広角のレンズで少なくともf/2.8)、それにより高速、低光量レンズを供給する。更に、画像品質は、同程度のズームレンズの場合より高く保たれ得る。デジタルズームが利用される場合、2個(又は3個)の光学設定があっても、ズームのための可動部分はなく、及びズームは完全に音がせず且つズーム焦点距離遷移時に比較的速い。
【0079】
第6の実施例(別のブロック図として示されない)では、デジタルカメラ10Fは、それぞれ画像を対応する画像センサーへ供給する4個の固定焦点距離レンズを有する。従って、第6の実施例では、図19は変更され、第4の固定焦点距離レンズ2dの付属構成要素及び回路が追加される。カメラのユーザーズーム制御は、ユーザーズーム制御の設定に依存して、第1の画像センサー12aの出力、第2の画像センサー12bの出力、第3のセンサー12cの出力、又は第4のセンサー12dの出力の何れかを選択する。例えば、第1の焦点距離レンズ2aは30mm相当(35mm換算)の焦点距離を有して良く、第2の固定焦点距離レンズ2bは60mm相当の焦点距離を有して良く、第3の固定焦点距離レンズ2bは120mm相当の焦点距離を有して良く、及び第4の固定焦点距離レンズ2bは270mm相当の焦点距離を有して良い。ズームレンズ制御42cは、30mmから400mmの設定を設けて良い。ユーザーが45mmを選択する場合、例えば、第1のセンサー12aからの出力が1.5xデジタルズームと共に選択される。ユーザーが90mmを選択する場合、例えば、第2のセンサー12bからの出力が1.5xデジタルズームと共に選択される。ユーザーが240mmを選択する場合、例えば、第3のセンサー12cからの出力が2xデジタルズームと共に選択される。ユーザーが400mmを選択する場合、第4のセンサー12dの出力が1.5xデジタルズームと共に選択される。デジタルカメラ10Fの残りの特徴は、図19に示されたデジタルカメラ10Eと同様であり、同一の参照符号を保有する。及び従ってデジタルカメラのこれらの特徴の詳細は図19を参照のこと。デジタルカメラ10Fのフロー図及び透視図は、実質的に図5A及び5Bの透視図及び図20のフロー図と同様であるので示されないが、デジタルカメラ10Fでは更に別の光学リレーサブ部品、及び第4のセンサー12cのための別のフローの列が図20に含まれていることが異なる。
【0080】
多くの前述の実施例では、デジタルズームが使用される。デジタルズームは良く知られた処理であり、任意の種々の技術が使用されて良い。このようなデジタルズーム能力の1つは、同一出願人による特許文献12に記載されている。特許文献12は、名称「Electronic Still Camera and Image Processing Method」、2002年8月1日発行、スミト・ヨシカワによる。特許文献12は参照されることにより本願明細書に組み込まれる。継続特許出願の特許文献12に開示された種類のシステムでは、本発明によるシステムと同様に、画像センサーは、カラーフィルターアレイ(CFA)パターンと重ね合わせられた離散感光画像素子を有し、CFAパターンに対応するカラー画像データを生成する。画像センサーからの出力データは、アナログ信号処理(ASP)及びカラー画像データからデジタルCFAデータを生成するアナログ/デジタル(A/D)変換部へ適用される。
【0081】
結果として生じるデジタルデータは、画像プロセッサー50(本開示の図1を参照のこと)のような、カラー画像センサーの全ての画素に対し赤、緑及び青(RGB)カラー画像データを補間するデジタル信号プロセッサーへ適用される。CFA画像データは、2048画素列×1536画素行のような固定の大きさの画像を表す。デジタルでズームされた画像は、CFA画像データの中央部を取り、及び画像センサーにより提供された画素の間に同調する追加の画素を補間することにより提供される。例えば、2:1デジタルズームは、CFA画像データの中央1024列×768行だけを使用することにより、及び画像の中央を拡大するように1つの追加の行及び列を中央CFA画像データの行及び列のそれぞれの間に補間することにより提供される。画像プロセッサー50の出力は、カラー補間され及びデジタルでズームされ、2048列及び1356行のRGBデータを有し、CFA画像データの中央1024列×768行から提供された画像である。
【0082】
前述のヨシカワの特許文献12による現在の画像システムの動作では、ユーザーはデジタルカメラ、例えばデジタルカメラ10E(図19)を動作し、カラーLCD画像ディスプレイ70で画像を観察しながら写真を撮る。プレビュー段階(例えば、図20の段階308)で、キャプチャした画像のそれぞれのデジタルCFA画像は、画像プロセッサー50により処理され、「サムネイル」又は二段抽出フォーマットで表示される。ズーム選択/トリミング段階(例えば図20の段階302、314)で、観察されたズーム量が望ましくない場合、ユーザーは次に、ズームボタン42cを使用することによりズーム/トリミング設定を変更する。デジタルズームの量は、制御プロセッサー及びタイミング生成器40により決定され、そして画像プロセッサー50へ提供される。制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、(アナログマルチプレクサ34を制御することにより)使用する画像センサー出力、及び組み合わせて所望の全体ズーム設定を提供する必要なデジタルズームの量を選択する。例えば、2.5:1の全体ズーム設定は、(アナログマルチプレクサ34を使用して)レンズ及び2:1光学ズームを提供する画像センサーを選択することにより、及びまた画像プロセッサー50に(2048列×1536行のCFA画像データから)中央の1638列×1230行を使用する5:4デジタルズーム設定を提供するよう命令することにより提供される。
【0083】
図21に示された本発明の更なる実施例では、2個(又は3個)のレンズは同一の焦点距離を有し、及び撮像アレイは異なる大きさである(例えば両方のセンサーが、例えば2048列×1536行の画素を備えた3.1有効メガピクセルセンサーである。しかし第1の画像センサー412aは3.1ミクロン平方画素を有し、第2の画像センサー412bは6.2ミクロン平方画素を有し、従って第2の画像センサーの対角は第1の画像センサーより2倍大きい。)。異なる大きさの撮像アレイでは、各レンズは撮像アレイの領域を満たすよう設計され、及び各レンズアレイの組み合わせは実質的に同一の実際の焦点距離、つまりアレイ間隔に対し同一のレンズを有し得る。しかしながら、各レンズの35mm換算は、アレイの対角の大きさの違いに比例して異なる。従って、各レンズは異なる視野を有する。図21では、この更なる実施例では、デジタルカメラ10Gは、画像を3.1ミクロン画素を有する第1の画像センサー412aへ提供する第1の固定焦点距離レンズ402aを有する。第2の固定焦点距離レンズ402bは、画像を、6.2ミクロン画素を有する第2の画像センサー412bへ提供する。カメラのユーザーズーム制御42は、ユーザーズーム制御の設定に依存して、第1の画像センサー412aの出力又は第2の画像センサー412bの出力の何れかを選択する。より詳細には、カメラのユーザーズーム制御は、2個の画像センサーの1つの出力を選択し、レンズ402a及び402bの35mm換算焦点距離に基づき粗い倍率設定を提供し、及び更に画像プロセッサー50により提供されるデジタルズームを使用し精細な倍率制御を提供する。例えば、画素が3.1mmであり、従って対角の大きさは約8mmなので、第1の焦点距離レンズ402aは、35mm換算焦点距離約80mmを提供する実際の焦点距離16mmを有して良い。画素が6.2mmであり、従って対角の大きさは約16mmなので、第2の固定焦点距離レンズ402bも実際の焦点距離16mmを有して良い。しかし第2の固定焦点距離レンズ402bは、35mm換算焦点距離約40mmを提供する。ズームレンズ制御は、40mmから160mmの設定を提供して良い。ユーザーが60mmを選択する場合、例えば、第2のセンサー412bからの出力が1.5xデジタルズームと共に選択される。ユーザーが160mmを選択する場合、例えば、第1のセンサー412aからの出力が2xデジタルズームと共に選択される。
【0084】
デジタルカメラ10Gの残りの特徴は、図4に示されたデジタルカメラ10Bと同様であり、同一の参照符号を保有する。従ってデジタルカメラ10Gのこれらの特徴の更なる説明は、図4を参照のこと。
【0085】
本発明の更なる利点は、2重ズームの使用が、ユーザーが要求したズーム位置の間の動きが迅速な方法で実行され得る広範な光学ズーム範囲を、デジタルカメラに提供することである。電動ズームは標準的に連続的というよりむしろ離散ズーム段階の間で行われるので、ズームシステムの全範囲は、有限数の離散段階に分割される。例えば、図22に示されるように、本発明による2つのズームシステムは、30mm−114mm相当のズームレンズ範囲を提供する第1のズーム範囲500及び133mm−380mm相当のズームレンズ範囲を提供する第2のズーム範囲502に分割されて良い。このような構成は、図4に示されるデジタルカメラ10Bにより提供されて良い。この構成によると、ズーム及び焦点モーター5a及び5bは、有限の連続する離散段階を通じてそれぞれのズームレンズ3及び4を駆動する。ここで各段階は、図22に示された例では、より低いズーム範囲にわたり0.5xズーム段階を、及びより高いズーム範囲にわたり1xズーム段階を表す。より詳細には、ズーム及び焦点モーター5aは、ズームレンズ3を38mmから114mmへ、1x(38mm)、1.5x(57mm)、2x(76mm)、2.5x(95mm)及び3x(114mm)ズーム段階を有する5個の離散段階で駆動する。ズーム及び焦点モーター5bは、ズームレンズ4を133mmから380mmへ、3.5x(133mm)、4x(152mm)、5x(190mm)、6x(228mm)及び7x(266mm)、8x(304mm)、9x(342mm)及び10x(380mm)ズーム段階を有する7個の離散段階で駆動する。2個のレンズは、1つの段階ギャップ503だけ(つまり、3xズーム焦点距離と3.5xズーム焦点距離との間の0.5xギャップにより19mmだけ)焦点距離の隔たりがある。
【0086】
動作中、ユーザーは、ズーム設定を選択するためユーザー制御42を動作する。それによりズーム及び焦点モーター5a及び5bは、第1のズームレンズ3に対し第1の複数の離散ズーム位置500を通じて、及び第2のズームレンズ4に対し第2の複数の離散ズーム位置502を通じてズームレンズを調整するユーザー制御42に応答する。制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、ズーム制御装置として動作し、ズーム及び焦点モーター5a及び5bを制御し、そしてユーザーが起動したユーザー制御の変化がある範囲の複数の離散ズーム位置の1つのうちの現在のズーム設定から、他の範囲の他の複数の離散ズーム位置のうちの目標ズーム設定へズーム遷移を指定する場合、高速モードを可能にする。制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、目標位置を有するレンズのズーム及び焦点モーターに、対応するズームレンズを目標ズーム位置へ、他のズーム及び位置モーターに如何なる介在離散ズーム位置を通じても電力供給することなく、直ちに移動させ、それにより目標位置を有さないレンズのズーム及び焦点モーターが現在のズーム設定と目標ズーム設定との間の全ての介在するズーム位置を横断しない高速ズームシーケンスを可能にする。
【0087】
図22に例が示される。パワーアップモードでは、両方のズームレンズはそれらの最小焦点距離位置へ持って行かれる。つまりズームレンズ3は38mm位置へ駆動され、及びズームレンズ4は133mm位置へ駆動される。ユーザーが最初に最も広角の位置、仮に38mm相当で被写体を見ることを選択した場合、ズームレンズ3はズームレンズ3の最も広角の画像を画像センサー14(図4)へ提供し、及びアナログマルチプレクサ34は第1の画像センサー14から第1の画像出力14eを選択する。ユーザーが次に望遠位置、仮に228mm相当までズームボタン42cを押下した場合、範囲38mm乃至228mmに渡る単一ズームレンズの通常の応答は、ズームレンズを図22に示される8段階シーケンス504を通じて駆動する。しかしながら、本発明による高速モードでは、制御プロセッサー及びタイミング生成器40は、ズーム及び焦点モーター5bに、レンズ4を3段階シーケンス506を通じて133mmから228mmへ駆動するよう直ちに指示する。その間に、ズームレンズ3はズームレンズ3の最も広角の設定のままである。従って、5段階の動きが節約され、及びユーザーが要求したズーム位置の間の動きは、従来技術の状況と比較して迅速な方法で実行される。明らかに、図22は単なる例であり、及び段階長及びズーム範囲の多くの他の変形が本発明の範囲内にある。例えば、パワーアップモードでは、レンズ4は、最も広角の焦点距離(133mm)というよりむしろ最大焦点距離(380mm)に設定され得る。次に、カメラは、単にアナログマルチプレクサ34を切り替え第2の画像センサー16の出力を提供することにより、広角位置(38mm相当)から最大望遠位置(380mm相当)へ直ちに切り替え得る。
【0088】
複数レンズ及び複数センサーの概念、及び統合画像キャプチャ部品の使用は、撮像能力を有する種類の携帯電話における使用に適用されて良い。従って、及び図23Aに示されるように、携帯電話600は、発呼者の音声をキャプチャするマイクロホン602、発呼者及び電話をかけられた人の音声信号を処理する関連電子機器(示されない)、電話をかけられた人の音声を再生するスピーカー604を有する電話段を有する。キーパッド606は、電話番号及び画像キャプチャコマンドを入力するために設けられる。また(LCD)ディスプレイ608は、電話に関連するデータを示すため、及び電話によりキャプチャされた又は携帯電話ネットワークを介し受信した画像を再生するために設けられる。図23Bに示される携帯電話600の背面図は、画像プロセッサー50(図1に示される)を介し、携帯電話プロセッサー90及びモデム92を有する携帯電話処理段と接続される携帯電話画像キャプチャ部品610を有するいくつかの内部構成要素を示す。携帯電話プロセッサー90は、画像プロセッサー50からの画像データ、及びマイクロホン602によりキャプチャされた音声データを受信し及び処理し、そして画像及び音声データを携帯電話モデム92へ送信する。携帯電話モデム92は、デジタル画像及び音声データを、アンテナ94により携帯電話ネットワークへ送信するため、適切な形式に変換する。
【0089】
携帯電話画像キャプチャ部品610は、図24A及び24Bに示される。図24Bは、図24Aの線24B−24Bに沿って取られた部品610の上面図である。部品610は、共通基板620上に光学及び画像構成要素の統合パッケージを有する。より詳細には、部品610は、第1の固定焦点距離レンズ612及び第1の画像センサー614、及び第2の固定焦点距離レンズ616及び第2の画像センサー618を有する。第1のレンズ612は、望ましくは(40mm相当レンズのような)固定焦点距離広角レンズであり、画像を第1の画像センサー614に形成する。また第2のレンズ616は、望ましくは(100mm相当レンズのような)固定焦点距離望遠レンズであり、画像を第2の画像センサー618に形成する。両方のレンズは、異なる視野にも拘わらずそれらレンズの前にある景色全体の同一の部分の画像を形成するため、同一の方向に向けられる。
【0090】
各レンズ612及び616並びに各関連付けられた画像センサー614及び618は、画素へのIR輻射の入射を低減するため間にIRカットフィルターを備えた基板620に取り付けられる。抵抗、キャパシター及び電源管理構成要素のような電子構成要素624はまた、基板620に取り付けられる。画像信号は、基板620から屈曲コネクタ626を介し取り込まれる。部品610から取り込まれたデータは、生画像データであって良い。又は適切なプロセッサー(示されない)が基板、基板620上にある場合、データはYUV画像データ又はJPEG画像データであり得る。更に、画像プロセッサー50は、広角及び望遠焦点距離の間でデジタルズームを提供する。ユーザーは、このようなズームを(LCD)ディスプレイ608に表示されるユーザーインターフェースを介して、及びキーパッド606の適切なボタンを入力することにより起動して良い。更に、広角画像センサー614は、デジタルズームのためにより高い品質の元画像を提供するため、例えば望遠画像センサー618の解像度より高い高解像度を有して良い。
【0091】
ある実施例では、広角レンズ612は、広角レンズ612の過焦点距離に設定される。これは、ユーザーによる如何なる焦点調整も必要とせず、広角レンズ612が数フィートから無限大まで焦点が合っていることを意味する。望遠レンズ616は、自動合焦システム628により自動的に合焦される。これは、焦点距離が増大するにつれ過焦点距離が増大するので、及び従って標準的な距離(例えば4’乃至12’)で対象のための適正な焦点を得るため焦点が調整される必要があるので、必要とされる。望遠レンズ616のためにただ1つの合焦サブシステム628を使用することにより、価格及び大きさが低減され得る。
【0092】
この実施例の重要な制約は、「z」寸法630である。「z」寸法630は、携帯電話レイアウト及び構造に調和する非常に小さい形状を固守しなければならない。これは、望遠焦点距離及びセンサーの大きさを注意深く選択することにより得られて良い。例えば、センサー616の大きさ、及び従ってセンサーを満たすために生成されなければならない画像の大きさは、焦点距離を許容可能なz寸法630まで減少させるのに十分なほど小さく作られて良い。
【0093】
更なる実施例では、図21と関連して議論されたように、2個のレンズは、ほぼ同一の焦点距離を有し、異なる大きさである撮像アレイを備えて良い。異なる大きさの撮像アレイでは、各レンズは撮像アレイの領域を満たすよう設計され、及び各レンズアレイの組み合わせは実質的に同一の実際の焦点距離、つまりアレイの距離と同一のレンズを有する。しかしながら、各レンズの35mm換算は異なり、従って各レンズは異なる視野を有する。
【0094】
図24A及び24Bに詳細に示されないが、図1と関連して説明されたのと同様に、第1の画像センサー614からのアナログ出力信号は、第1のアナログ信号プロセッサーにより増幅され、そして制御素子、例えば基板620上の電子構成要素624の1つとして設けられたアナログマルチプレクサ制御素子の第1の入力へ供給される。第2の画像センサー618からのアナログ出力信号は、第2のアナログ信号プロセッサーにより増幅され、そして制御素子の第2の入力へ供給される。制御素子の機能は、ズーム選択に関するキーパッド606からのユーザー入力に依存して、第1の画像センサー614からの第1のセンサー出力又は第2の画像センサー618からの第2のセンサー出力の何れかを選択し、それにより携帯電話画像キャプチャ部品600からの選択センサー出力を画像プロセッサー50へ提供することである。
【0095】
本発明は、特定の好適な実施例を特に参照して詳細に記載された。しかし、変形及び変更が本発明の精神と範囲の範囲内で実行され得ることが理解されるだろう。
【0096】
[付記]
付記(1):
電子カメラであって、景色の出力画像を生成し、前記電子カメラは:
第1のセンサー出力を生成する第1の画像センサー;
前記景色の第1の画像を前記第1の画像センサーに形成する第1のレンズ;
第2のセンサー出力を生成する第2の画像センサー;
前記第1のレンズと同一の方向に向けられ及び同一の前記景色の第2の画像を前記第2の画像センサーに形成し、前記第2の画像を提供するために最小焦点距離と最大焦点距離の間で調整可能であるズームレンズ;
前記第1の画像センサーからの第1のセンサー出力又は前記第2の画像センサーからの第2のセンサー出力の何れかを選択し、それにより選択センサー出力を提供する制御素子;及び
前記選択センサー出力から前記出力画像を生成する処理部、を有する電子カメラ。
【0097】
付記(2):
前記第1のレンズは固定焦点距離を有する、付記(1)に記載の電子カメラ。
【0098】
付記(3):
ユーザーに焦点距離を選択可能にするユーザー制御を更に有し、及び前記制御素子は、前記ユーザー制御に応答し対応するセンサー出力を選択する、付記(2)に記載の電子カメラ。
【0099】
付記(4):
前記第1のレンズの固定焦点距離は前記ズームレンズの最小焦点距離より短く、それにより間に焦点距離ギャップが残される、付記(3)に記載の電子カメラ。
【0100】
付記(5):
前記処理部は、焦点距離ギャップの少なくとも一部にわたり電子的にズームを行う電子ズーム能力を有する、付記(4)に記載の電子カメラ。
【0101】
付記(6):
前記ユーザー制御はズーム位置の選択を可能にし、それにより前記ズーム位置は、(a)前記ズーム位置が前記第1のレンズの固定焦点距離であるか又は前記ズームレンズの焦点距離の範囲内である場合、光学焦点距離として見なされ、及び(b)前記第1のレンズの固定焦点距離と前記ズームレンズの最小焦点距離との間のギャップの範囲内である場合、電子ズーム量として見なされる、付記(5)に記載の電子カメラ。
【0102】
付記(7):
前記第1の画像センサーにより提供された画像はパノラマ画像である、付記(2)に記載の電子カメラ。
【0103】
付記(8):
前記第1及び第2の画像センサーに形成された前記第1及び第2の画像は、前記第1の画像センサーのパノラマアスペクト比を有する異なるアスペクト比を有する、付記(2)に記載の電子カメラ。
【0104】
付記(9):
前記第1の画像センサーのパノラマアスペクト比は調整可能である、付記(8)に記載の電子カメラ。
【0105】
付記(10):
パノラマモードを有効にする第1のユーザー制御及び前記カメラのズーム位置を設定する第2のユーザー制御、を更に有する付記(9)に記載の電子カメラ。
【0106】
付記(11):
前記パノラマモードが有効にされた場合、前記第2のユーザー制御の設定は、処理段に、前記第1のセンサーによりキャプチャされた前記第1の画像のアスペクト比を変更させる、付記(10)に記載の電子カメラ。
【0107】
付記(12):
前記第1及び第2の画像センサーは異なる大きさであり、及び各レンズの間の光路距離と各レンズの画像センサーは実質的に同一であり、それにより同一の光路距離に対し異なる有効焦点距離を有する1対のレンズシステムを提供する、付記(1)に記載の電子カメラ。
【0108】
付記(13):
前記第1のレンズは、前記第1の画像を提供するために最小焦点距離と最大焦点距離との間で調整可能な追加ズームレンズであり、前記第1のレンズの最大焦点距離は、前記ズームレンズの最小焦点距離より短いか又は等しい、付記(1)に記載の電子カメラ。
【0109】
付記(14):
前記第1のレンズの最大焦点距離は前記ズームレンズの最小焦点距離より短く、それにより間に焦点距離ギャップが残され、及び前記処理部は前記焦点距離ギャップの少なくとも一部にわたり電子的にズームを行う電子ズーム能力を有する、付記(13)に記載の電子カメラ。
【0110】
付記(15):
対応する複数の追加センサー出力を生成する複数の追加画像センサー;及び
前記景色の対応する複数の追加画像を前記複数の追加画像センサーに形成する複数の追加レンズ、を更に有し、前記制御素子は、前記第1の画像センサーからの第1のセンサー出力、前記第2の画像センサーからの第2のセンサー出力、又は前記複数の追加画像センサーからの複数の追加センサー出力の何れか1つ、の何れかを選択し、それにより選択画像出力を提供する、付記(1)に記載の電子カメラ。
【0111】
付記(16):
前記追加レンズの少なくとも1つはズームレンズである、付記(15)に記載の電子カメラ。
【0112】
付記(17):
前記第1のレンズの固定焦点距離は、25mmより短い35mm換算焦点距離を有する、付記(2)に記載の電子カメラ。
【0113】
付記(18):
前記ズームレンズの最小焦点距離は、30mmより長い35mm換算焦点距離を有する、付記(17)に記載の電子カメラ。
【0114】
付記(19):
電子カメラであって、景色の出力画像を生成し、前記電子カメラは:
第1のセンサー出力を生成する第1の画像センサー;
前記景色の第1の画像を前記第1の画像センサーに形成する、固定焦点距離を有する第1のレンズ;
第2のセンサー出力を生成する第2の画像センサー;
前記第1のレンズと同一の方向に向けられ及び同一の前記景色の第2の画像を前記第2の画像センサーに形成し、前記第2の画像を提供するために最小焦点距離と最大焦点距離との間の焦点距離の第1のセットを通じて調整可能である広角ズームレンズ;
第3のセンサー出力を生成する第3の画像センサー;
前記第1のレンズと同一の方向に向けられ及び同一の前記景色の第3の画像を前記第3の画像センサーに形成し、前記第3の画像を提供するために最小焦点距離と最大焦点距離との間の焦点距離の第2のセットを通じて調整可能である望遠ズームレンズ;
前記第1の画像センサーからの第1のセンサー出力、前記第2の画像センサーからの第2のセンサー出力、又は前記第3の画像センサーからの第3のセンサー出力の何れかを選択し、それにより選択センサー出力を提供する制御素子;及び
前記選択センサー出力から前記出力画像を生成する処理部、を有する電子カメラ。
【0115】
付記(20):
ユーザーに適切な焦点距離を選択可能にするユーザー制御を更に有し、及び前記制御素子は、対応する画像出力を選択する前記ユーザー制御に応答する、付記(19)に記載の電子カメラ。
【0116】
付記(21):
前記第1のレンズの固定焦点距離は前記広角ズームレンズの最小焦点距離より短く、それにより間に焦点距離ギャップが残され、及び前記処理部は前記焦点距離ギャップの少なくとも一部にわたり電子的にズームを行う電子ズーム能力を有する、付記(20)に記載の電子カメラ。
【0117】
付記(22):
電子カメラであって、広角光学焦点距離及び少なくとも1つの望遠ズームレンズにより提供される光学焦点距離のグループを有する範囲にわたりズーム設定を提供し、前記広角焦点距離と前記望遠ズームのズーム焦点距離との間のギャップにある介在焦点距離の少なくとも一部は、前記広角光学焦点距離でキャプチャされた画像から電子ズームアップにより提供される、電子カメラ。
【0118】
付記(23):
前記広角焦点距離は、固定焦点距離レンズにより提供される、付記(22)に記載の電子カメラ。
【0119】
付記(24):
前記広角光学焦点距離は追加ズームレンズにより提供され、及び前記広角焦点距離と前記ズーム焦点距離との間のギャップにある前記介在焦点距離は、前記追加ズームレンズの最大焦点距離でキャプチャされた画像から電子ズームアップを行うことにより提供される、付記(22)に記載の電子カメラ。
【0120】
付記(25):
電子カメラであって、複数レンズから景色の処理された画像を形成し、前記カメラは:
第1のレンズにより形成された第1の画像をキャプチャする手段;
ズームレンズにより形成された第2の画像をキャプチャする手段;
ズーム設定を入力する手段;
前記ズーム設定に応答し前記第1の画像又は前記第2の画像の何れかを選択し、それにより選択画像出力を提供する手段;及び
前記選択画像から前記処理された画像を生成する手段、を有する電子カメラ。
【0121】
付記(26):
前記第1のレンズと前記ズームレンズとの間の少なくとも1つのズーム設定に対し、電子ズームを提供する手段、を更に有する付記(25)に記載の電子カメラ。
【0122】
付記(27):
前記第1のレンズはまたズームレンズである、付記(25)に記載の電子カメラ。
【0123】
付記(28):
方法であって、電子カメラ内で処理された画像を形成し、前記方法は:
第1のレンズにより形成された第1の画像をキャプチャする段階;
ズームレンズにより形成された第2の画像をキャプチャする段階;
ズーム設定を入力する段階;
前記ズーム設定に応答し前記第1の画像又は前記第2の画像の何れかを選択し、それにより選択画像出力を提供する段階;及び
前記選択画像から前記処理された画像を生成する段階、を有する方法。
【0124】
付記(29):
前記第1のレンズと前記ズームレンズとの間の少なくとも1つのズーム設定に対し、電子ズームを提供する段階、を更に有する付記(28)に記載の方法。
【0125】
付記(30):
前記第1のレンズはまたズームレンズである、付記(28)に記載の方法。
【符号の説明】
【0126】
1 画像キャプチャ部品
1a 光学リレーサブ部品
1b 光学リレーサブ部品
1c 光学リレーサブ部品
1a(1) 第1の光学リレーサブ部品
1a(2) 第2の光学リレーサブ部品
1a(3) 第3の光学リレーサブ部品
1a(4) 第4の光学リレーサブ部品
1d カメラの前面光学断面
2 固定焦点距離レンズ
2a 第1の固定焦点距離レンズ
2b 第2の固定焦点距離レンズ
2c 第3の固定焦点距離レンズ
2d 第4の固定焦点距離レンズ
2e 第1の画像センサー出力
3 第1のズームレンズ
4 (第2の)ズームレンズ
5a ズーム及び焦点モーター
5b ズーム及び焦点モーター
5c 接続ギア列
6a レンズ筒
6b 固定具
7a リレーレンズ構成要素
7b 可動リレー(ズーム)レンズ構成要素
8a ミラープリズム
8b ミラープリズム
9a 絞りシャッター部品
9b 絞りシャッター部品
10A デジタルカメラ(第1の実施例)
10B デジタルカメラ(第2の実施例)
10C デジタルカメラ(第3の実施例)
10D デジタルカメラ(第4の実施例)
10E デジタルカメラ(第5の実施例)
10F デジタルカメラ(第6の実施例)
10G デジタルカメラ(第7の実施例)
12 第1の画像センサー
12a 第1の画像センサー
12b 第2の画像センサー
12c 第3の画像センサー
12d 第4の画像センサー
12e 第1の画像出力
13 クロックドライバ
14 第2の画像センサー
14e 第2の画像出力
15 クロックドライバ
16 第3の画像センサー
16e 第3の画像出力
17 クロックドライバ
18 16:9アスペクト比パノラマ画像
18a 水平マージン
18b 垂直マージン
19 4:3アスペクト比画像
22 第1のアナログ信号プロセッサー(ASP1)
24 第2のアナログ信号プロセッサー(ASP2)
26 第3のアナログ信号プロセッサー(ASP3)
34 制御素子(アナログマルチプレクサ)
36 アナログデジタル変換器
38 DRAMバッファーメモリー
40 制御プロセッサー及びタイミング生成器
42 ユーザー制御
42a シャッターボタン
42b パノラマボタン
42c ズームボタン
42d 多位置セレクタ
46 自動合焦及び自動露光検出器
48 電子フラッシュ
50 画像プロセッサー
52 メモリーカードインターフェース
54 取り外し可能メモリーカード
56 RAMメモリー
58 ファームウェアメモリー
62 ホストインターフェース
64 相互接続
66 ホストPC
70 カラーLCD画像ディスプレイ
90 携帯電話プロセッサー
92 携帯電話モデム
94 アンテナ
100 レンズ設定ブロック
102 パノラマ決定ブロック
104 第2のセンサーブロック
106 プレビューブロック
108 ズーム調整ブロック
110 キャプチャブロック
112 パワーダウンブロック
114 第1のセンサーブロック
115 第3のセンサーブロック
116 プレビューブロック
118 アスペクト比調整ブロック
120 キャプチャブロック
122 ズーム位置ブロック
124 第1のセンサーブロック
126 プレビューブロック
128 ズームボタンブロック
130 キャプチャブロック
134 第2のセンサーブロック
136 プレビューブロック
138 ズームボタンブロック
140 キャプチャブロック
201 横方向寸法
204 バッテリー
210 前後寸法
300 パワーアップブロック
302 ズーム位置Xブロック
304 第1のセンサーブロック
306 デジタルズームブロック
308 プレビューブロック
310 ズームボタンブロック
312 キャプチャブロック
314 ズーム位置Yブロック
316 第2のセンサーブロック
318 第3のセンサーブロック
320 削除された部分
322 肯定応答
402a 第1のレンズ
402b 第2のレンズ
412a 第1の(より小さい)センサー
412b 第2の(より大きい)センサー
500 第1のズーム範囲
502 第2のズーム範囲
503 1段階ギャップ
504 17段階ズームシーケンス
506 9段階ズームシーケンス
600 携帯電話
602 マイクロホン
604 スピーカー
606 キーパッド
608 (LCD)ディスプレイ
610 携帯電話画像キャプチャ部品
612 第1の固定焦点距離レンズ
614 第1の画像センサー
616 第2の固定焦点距離レンズ
618 第2の画像センサー
620 基板
622 IRカットフィルター
624 電子構成要素
626 屈曲コネクタ
628 自動合焦サブシステム
630 z寸法


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーンの出力イメージを生じさせるための電子的なカメラであって、
上記電子的なカメラは、
第一のセンサー出力を発生させるための第一のイメージセンサー、
前記第一のイメージセンサーに前記シーンの第一のイメージを形成するための第一のレンズ、前記第一のレンズが固定された焦点距離を有すること、
第二のセンサー出力を発生させるための第二のイメージセンサー、
前記第一のレンズと同じ方向に向くと共に前記第二のイメージセンサーに同じシーンの第二のイメージを形成するズームレンズ、前記ズームレンズが前記第二のイメージを提供するために最小の焦点距離及び最大の焦点距離の間に調節可能なものであること、前記第一の及び第二のイメージセンサーに形成された前記第一の及び第二のイメージが前記第一のイメージセンサーについてのパノラマのアスペクト比を含む異なるアスペクト比を有すること、及び前記第一のイメージセンサーの前記パノラマのアスペクト比が調節可能なものであること、
前記第一のイメージセンサーからの前記第一のセンサー出力又は前記第二のイメージセンサーから前記第二のセンサー出力のいずれかを選択するための制御素子、それによって選択されたセンサー出力を提供すること、
パノラマのモードを可能とするための第一のユーザー制御及び前記カメラについてのズーム位置を設定するための第二のユーザー制御、並びに、
前記選択されたセンサー出力から前記出力イメージを生じさせるための処理するセクション
を具備する、カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子的なカメラにおいて、
前記第二のユーザー制御は、ユーザーが焦点距離を選択することを許容すると共に、
前記制御素子は、対応するセンサー出力を選択するために前記第二のユーザー制御に対して応答性のものである、
電子的なカメラ
【請求項3】
請求項2に記載の電子的なカメラにおいて、
前記第一のレンズの前記固定された焦点距離は、前記ズームれンズの最小の焦点距離と比べてより少ないものであると共に、それによってそれらの間における焦点距離の間隙をそのままにする、電子的なカメラ。
【請求項4】
請求項3に記載の電子的なカメラにおいて、
前記処理するセクションは、前記焦点距離の間隙の少なくとも一部分にわたって電子的にズームするための電子的なズーミングの性能を含む、
電子的なカメラ。
【請求項5】
シーンの出力イメージを生じさせるための電子的なカメラであって、
上記の電子的なカメラは、
第一のセンサー出力を発生させるための第一のイメージセンサー、
前記第一のイメージセンサーに前記シーンの第一のイメージを形成するための、少なくとも一つの焦点距離を有する、第一のレンズ、
第二のセンサー出力を発生させるための第二のイメージセンサー、
前記第一のレンズと同じ方向に向くと共に前記第二のイメージセンサーに同じシーンの第二のイメージを形成するズームレンズ、前記ズームレンズが前記第二のイメージを提供するために最小の焦点距離及び最大の焦点距離の間において調節可能なものであるズーム設定をすることを有すること、
前記第一のイメージセンサーからの前記第一のセンサー出力又は前記第二のイメージセンサーからの前記第二のセンサー出力のいずれかを選択するための制御素子、それによって選択されたセンサー出力を提供すること、
ユーザーがそれぞれのレンズの焦点距離の一つに対応するズーム設定をすることを選択することを許容するためのユーザー制御、前記制御素子がそれにおいて対応するセンサー出力を選択するために前記ユーザー制御に対して応答性のものであること、それによって前記第一のレンズ及び前記ユーザーに対して透明なものである前記ズームレンズのズーム設定をすることの間における移行を提供すること、並びに、
前記選択されたセンサー出力から前記出力イメージを生じさせるための処理するセクション
を具備する、電子的なカメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子的なカメラにおいて、
前記第一のレンズは、固定された焦点距離を有する、
電子的なカメラ。
【請求項7】
請求項6に記載の電子的なカメラであって、
ユーザーが焦点距離を選択することを許容するものであるユーザー制御をさらに具備する、電子カメラにおいて、
前記制御素子は、対応するセンサー出力を選択するために前記ユーザー制御に対して応答性のものである、
電子的なカメラ。
【請求項8】
請求項6に記載の電子的なカメラにおいて、
前記第一のレンズの前記固定された焦点距離は、前記ズームレンズの最小の焦点距離と比べてより少ないものであると共に、それによってそれらの間における焦点距離の間隙をそのままにする、電子的なカメラ。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【公開番号】特開2011−257770(P2011−257770A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169398(P2011−169398)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【分割の表示】特願2007−556203(P2007−556203)の分割
【原出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】