説明

複製料金管理システム

【課題】複数のページにわたって著作物が記録された原記録媒体の各ページの著作物を複写する際における、課金の利便性を向上させる。
【解決手段】コピー機210の制御部217は、書籍の非接触式ICタグから書籍情報およびページコードの印刷位置を表わす情報を取得する。また、コピー機210の制御部217は、ページコードの印刷位置の情報に基づいてページコードが表すページ情報を取得する。課金サーバ100の制御部104は、書籍情報とページ情報とに基づいて、記憶部106内の課金データベースDBcを参照しつつ、ユーザが行おうとしている複写に対して請求すべき複写料金を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、それぞれ内容情報を光学的に読み取ることができる1以上のページを含む書籍等の記録媒体から内容情報を複製する際における課金の管理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書籍等に印刷されている文章や写真等の著作物を複写機により複写するに際して、バーコードリーダにより原記録媒体を特定可能な記録媒体特定情報が含まれるバーコードを読み取るとともにコントロールパネルで設定した複写条件を著作権管理サーバへ送信し、著作権管理サーバにおいて著作権情報の管理、複写に対する料金計算、複写に対する認証情報の発行等を一括して行う技術が存在する(たとえば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−270243号公報
【0004】
しかしながら、1冊の書籍において、すべてのページで著作物としての価値が同一というわけではなく、各ページで価値は異なる。たとえば、1冊の書籍において、実験結果の掲載されているページの著作物としての価値は相対的に高くなり、その一方で広告の掲載されているページの価値は相対的に低くなる。また、たとえば、本の中のある章全体や、全体で1枚の図を構成する複数ページの部分図すべてを複写した場合には、1ページ分の料金をページ数倍した値に比べて、高い料金を設定したい場合もある。しかし、上記の従来技術においては、そのような要請に応えることはできない。このような問題は、それぞれ内容情報を光学的に読み取ることができる1以上のページを含む記録媒体の各ページにおける著作物の複写を許可する場合に、広く存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を取り扱うためになされたものであり、複数のページにわたって著作物が記録された原記録媒体の各ページの著作物を複写する際における、課金の利便性を向上させること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の態様として、複数のページにわたって著作物が記録された原記録媒体であって、前記複数のページ中のどのページの著作物が読み出し状態にあるかを識別可能とするページ情報が記録されているページ情報記録部と前記原記録媒体を特定可能な記録媒体特定情報が記録されている特定情報記録部とが付されている原記録媒体から、前記著作物を読み取って複製する際の複製料金を管理する複製料金管理システムにおいて、前記原記録媒体の複製料金に関する課金情報を、前記ページ情報および前記記録媒体特定情報に関連づけて記憶している課金記憶部と、前記著作物を複製する複製部と、前記記録媒体特定情報を取得する記録媒体特定情報取得部と、前記ページ情報を取得するページ情報取得部と、前記記録媒体特定情報および前記ページ情報に関連づけられた前記課金情報に基づいて前記複製料金を決定する課金決定部とを備える。
【0007】
すなわち、課金記憶部には原記録媒体のページ情報および記録媒体特定情報と関連づけられている課金情報が記憶されており、課金決定部によって各ページに対応する複製料金が決定される。したがって、ページ単位で課金額を変動させることができるため、きめ細かい課金が可能となる。つまり、著作物の価値に応じた課金が可能となる。その結果、原記録媒体の各ページの著作物を複製する際における課金の利便性を向上させることができる。
【0008】
第2の態様として、第1の態様において、前記課金記憶部は、さらに、複数組の前記ページ情報と関連づけられた付加料金を表す組課金情報を記憶しており、前記課金決定部は、前記複数組の前記ページ情報に対応する全複写物が、所定期間内に複製された場合には、前記課金情報および前記付加料金に基づいて前記複製料金を決定する。
このような態様とすれば、たとえば複数ページまとまって複製されたときに著作物の価値が向上するような複数ページの著作物の複製について、その価値に応じた課金を行うことができる。なお、複数組のページ情報は、同一の原記録媒体に含まれるページに関するものであってもよく、異なる書籍のページに関するものであってもよい。
【0009】
第3の態様として、第1の態様または第2の態様において、前記複製部は複数備えられている。
このような態様とすれば、たとえば複数ページまとまって複製されたときに著作物の価値が向上するような複数ページの著作物の複製を、複数の複製部を使用して行った場合についても、その複製された著作物の価値に応じた課金を行うことができる。
【0010】
また、第1〜第3の態様のうちいずれか1つの態様において、前記複製部は、著作物の複製を行うユーザを特定することができるユーザ情報を受け取るためのユーザ情報入力部を備える。そして、複製制御部は、前記ユーザ情報入力部を介して前記ユーザ情報が入力されたことを含む所定の条件が満たされた場合に、前記複製部による複製を許諾する。
【0011】
また、課金決定部は、複数組のページ情報に対応する全ページの著作物が、所定期間内に同一のユーザによって読み取られた場合には、組課金情報が表す付加料金に基づいて、著作物の複製に対して複製料金を決定する。
このような態様とすれば、複数ページまとまって複製されたときに著作物の価値が向上するような複数ページの著作物の複製を、同一ユーザが行った場合についても、その複製された著作物の価値に応じた課金を行うことができる。
【0012】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能である。たとえば、複製方法、複製装置、複製管理方法、複製管理装置、課金方法、課金装置、複製料金管理システム、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、およびそのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
A.第1実施例:
図1に示すように、複製料金管理システムは、課金サーバ100と、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークNTを介して課金サーバ100に接続されている複製部としてのコピー機210,220を備える。なお、課金サーバ100に接続されるコピー機は、3台以上(複数)とすることも可能である。
【0014】
課金サーバ100は、通信部102と、制御部104と、課金記憶部としての記憶部106とを有している。課金サーバ100は、通信部102およびネットワークNTを介してコピー機210,220と通信を行うことができる。課金サーバ100の制御部104は、記憶部106内の課金データベースDBcを参照して、コピー機210,220からネットワークNTを介して送信された情報に基づいて、各コピー機で行われようとするコピーに対して請求する複製料金(以下、「複写料金」ともいう。)を決定する。その後、課金サーバ100は、通信部102を介して、その複写料金を表す料金情報をコピー機210,220に送信する。
【0015】
課金サーバ100の記憶部106には、コピーに対して請求する複写料金の情報の一部として、たとえば、記録媒体特定情報(以下、「書籍情報」ともいう。)としての国際標準図書番号(ISBN:International Standard Book Number)およびページ情報としてのページ番号と関連づけられた複写単価の情報が記憶されている。この複写単価の情報は、具体的には記憶部106における課金データベースDBc内の複写単価のデータベースDB1(図1)に記憶されている。
【0016】
また、記憶部106には、コピーに対して請求する複写料金の情報の一部として、所定のページ番号の組み合わせと対応づけられた付加料金の情報が記憶されている。この付加料金の情報は、記憶部106における課金データベースDBc内のデータベースDB2(図1)に記憶されている。
【0017】
また、課金サーバ100の記憶部106におけるユーザデータベースUDBには、複写を許可されたユーザのユーザ情報が記憶されている。課金サーバ100の制御部104は、記憶部106内のユーザデータベースUDBを参照して、コピー機210,220からネットワークNTを介して送信されたユーザ情報に基づいて、各コピー機210,220においてコピーを許可するか否かを決定する。その後、課金サーバ100は、通信部102を介して、その決定の結果を表す情報をコピー機210,220に送信する。
【0018】
コピー機210は、載置部211と、光学センサ212と、印刷部213と、書籍情報読取部214と、ユーザ情報入力部としてのユーザカード読取部215と、通信部216と、制御部217と、記憶部218と、操作部219とを備える。
載置部211は、平板状をなしている。当該載置部211にはコピーを行う際に、コピーする対象である原記録媒体としての書籍M0などが、コピーする側の面を下にして載置される。載置部211のうち、コピー対象が置かれるべき部分は、透明な素材で構成される。
光学センサ212は、載置部211を挟んで逆の側に置かれるコピー対象の表面(すなわち書籍M0の内容が書かれている側の面)を、載置部211を通して光学的に読み取ることができるセンサである。光学センサ212によって読み取られた情報は、画像データとして記憶部218に記憶される。
【0019】
なお、本明細書において、ユーザが書籍M0などの原記録媒体からコピーする著作物としての文字や図形の情報を「内容情報」と呼ぶことがある。なお、書籍の表紙や奥付き等をユーザがコピーする場合は、表紙や奥付きに記載されており、ユーザによってコピーされる書名や著者名の情報は、「内容情報」に含まれる。すなわち、本明細書において、課金管理のための情報であって内容情報を記録している書籍M0などの原記録媒体を特定することができる情報、およびその各ページを特定することができる情報は、課金管理のための情報であって、コピーによってユーザによって入手されない情報を表す。ただし、これらの情報の一部または全部と同じ情報が書籍M0のページから読み取られて「内容情報」に含まれることは妨げない。
【0020】
印刷部213は、記憶部218に記憶された画像データに応じて、2次記録媒体としての印刷用紙M2に印刷を行うことができる。印刷部213は、たとえば、感光ドラムにトナーを付着させるとともに、当該トナーを印刷用紙M2に転写することで印刷を行う構成とすることができる。
【0021】
書籍情報読取部214は、書籍M0の背表紙に貼付された媒体情報記憶部としての非接触式ICタグMi1(図1において図示せず)との間で交信を行い、非接触式ICタグMi1に記憶された書籍情報を読みとる装置である。書籍情報読取部214は、コピー機210を使用してコピーを行う際、コピーの対象を載置部211に押しつけるための蓋部に設けられている。書籍情報読取部214は、様々な大きさの書籍の背表紙に設けられた非接触式ICタグを読み取ることができるように、十分な範囲の非接触式ICタグを読めるように構成および配置されている。
【0022】
ユーザカード読取部215には、接触式ICタグを備えるユーザIDカードUCが挿入され、ユーザIDカードUCに記録されたユーザに関する情報を読みとることができる装置である。
通信部216は、ネットワークNTを介して課金サーバ100と通信を行うための装置である。
制御部217は、載置部211、光学センサ212、印刷部213、書籍情報読取部214、ユーザカード読取部215、通信部216、操作部219を制御して、各種の処理を行う。
【0023】
記憶部218は、光学センサ212、書籍情報読取部214、ユーザカード読取部215、通信部216などを介して取得された情報や、制御部217によって加工された情報を記憶することができる。記憶部218は、半導体メモリや固定ディスクなどの記憶媒体で構成することができる。
【0024】
操作部219は、ユーザからの指示を受け取ることができるとともに、制御部217に制御されてコピー機210の状態をユーザに示すことができる、タッチパネル機能を有する液晶パネルである。制御部217は、操作部219を介してユーザからの指示情報を受け取り、操作部219を介してユーザにコピー機210の状態を報知する。
【0025】
一方、もう1台のコピー機220は、載置部221と、光学センサ222と、印刷部223と、書籍情報読取部224と、ユーザカード読取部225と、通信部226と、制御部227と、記憶部228とを備える。コピー機220の各部の構成および作用は、コピー機210の対応する各部の構成および作用と同じである。なお、コピー機210,220の互いに対応する構成は、末尾の番号が同じ符号が付されている。
【0026】
次に、複写単価のデータベースDB1の内容について説明する。
たとえば、あるISBN978−4−7693−XXXX−Yを有する書籍については、広告が掲載されている第10ページ、第15ページ、第16ページ、および第22ページについては、複写単価を通常より安価な値(たとえば1ページあたりの実費である10円)とする。
【0027】
次に、付加料金のデータベースDB2の内容について説明する。
たとえば、あるISBN978−4−7693−PPPP−Qを有する住宅地図については、あるアパートを含む地図が掲載されている第5ページと、そのアパートの部屋ごとの住居者名リストが記載されている第102〜104ページと、の組み合わせについては、付加料金として20円を設定することができる。
【0028】
次に、本複製料金管理システムにおいて使用される書籍M0について説明する。
図2に示すように、書籍M0は、各種著作物が印刷された複数ページからなる刊行物である。その背表紙にはRFID(Radio Frequency Identification System)の一種である特定情報記録部としての非接触式ICタグMi1が貼付されている。非接触式ICタグMi1には、その書籍の国際標準図書番号(ISBN:International Standard Book Number)と、後述するページ情報記録部としてのページコードMi2の印刷位置を表わす情報とが記憶されている。非接触式ICタグMi1によって記録媒体に関する各種情報を特定することができる。
【0029】
図3に示すように、書籍M0には、各ページにページ番号を表わすページコードMi2が記録されている。ページコードMi2は、微小領域における印刷の有無により全体として情報を表す模様である。ページコードMi2は、たとえば、光学的に読み取り可能なバーコードやQRコード(登録商標)である。ページコードMi2は、複数のページ中のどのページの著作物が読み出し状態にあるかを識別可能とする情報である。
【0030】
ページコードMi2には、書籍M0において、当該ページコードMi2が付されているページのページ番号に関する情報が含まれている。ページコードMi2は、各ページの前小口M01よりも綴じ部(のど)M02に近い位置に配されている。また、図3に示すように、ページコードMi2は、天M03および地M04の方向については、書籍M0の各ページを天地方向に3等分したときの中央の部分に配されている。
【0031】
これは、たとえば、ページコードMi2を各ページの端に設けると、ページの一部を折り曲げたり、破ったりするなどして、コピーの際に、異なるページのページコードをそのページのページコードであるかのように見せかける不正行為が行われるおそれがあるという理由による。一方、本実施例においては上述した書籍M0の位置にページコードMi2を設けることにより、そのような不正行為を防止することができる。なお、背表紙に貼付された非接触式ICタグMi1には、このページコードMi2の印刷位置に関する情報も記録されている。
【0032】
次に、コピー機210で書籍M0の複写を行う際の、コピー機210と課金サーバ100とにおける処理を図4に基づいて説明する。なお、コピー機220で書籍M0の複写を行う場合も勿論同様の処理が行われる。
コピー機210で書籍M0の複写を行う際には、まず、ユーザによってコピー機210のユーザカード読取部215にユーザIDカードUCが挿入される。すると、図4に示すようにコピー機210の制御部217は、ユーザカード読取部215を介してユーザIDカードUC内に記憶されているユーザ情報を取得する(ステップS210)。ユーザ情報は、各ユーザに固有に与えられた情報である。なお、ステップS210の機能を奏する制御部217の機能部を、ユーザ情報取得部410として図1に示す。
【0033】
次に、制御部217は、通信部216を介してユーザ情報を課金サーバ100に送信する(ステップS220)。すると、課金サーバ100の制御部104は、通信部102を介して、ユーザ情報を受信する(ステップS110)。
【0034】
課金サーバ100の制御部104は、ユーザIDカードUCから読み出されたユーザ情報で表わされるユーザが、複写を許可されたユーザであるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、課金サーバ100の記憶部106には、複写を許可されたユーザのユーザ情報がユーザデータベースUDBとして記憶されている。課金サーバ100の制御部104は、ユーザデータベースUDB内の複写を許可されたユーザのユーザ情報と、ユーザIDカードUCから読み出されたユーザ情報とを照合する(ステップS120)。そして、ユーザの判定を行う。なお、ステップS120の機能を奏する制御部104の機能部を、ユーザ照合部310として図1に示す。
【0035】
次に、課金サーバ100の制御部104は、通信部102を介して、ユーザ情報の照合結果を、コピー機210に送信する(ステップS130)。コピー機210の制御部217は、通信部216を介して照合結果を受信する(ステップS230)。
【0036】
コピー機210の制御部217は、ユーザIDカードUCから読み出されたユーザ情報が表すユーザが、複写を許可されたユーザであった否かを判定する(ステップS235)。複写を許可されたユーザであった場合には、制御部217は、操作部219を使用して、コピーが可能である旨の表示を行う。一方、複写を許可されたユーザではなかった場合には、制御部217は、操作部219を使用して、コピーが許可されない旨の表示を行う。その後、処理は終了する。
【0037】
ステップS235において、操作部219上でコピーが可能である旨の表示が行われた後、ユーザによって、操作部219を介してコピー機210を操作して、書籍M0のコピーが行われる。その間、制御部217は、ステップS240〜S260の処理を行う。なお、その間、光学センサ212による読み取りは行われるが、印刷部213による印刷は行われない。
【0038】
コピー機210の制御部217は、書籍情報読取部214を介して、書籍M0の非接触式ICタグMi1から、書籍M0の書籍情報を取得する(ステップS240)。より具体的には、書籍情報としてのISBNと、ページコードMi2の印刷位置(図3参照)の情報とが取得される。取得されたISBNと、ページコードMi2の印刷位置の情報とは、記憶部218に記憶される。なお、ステップS240の機能を奏する制御部217の機能部を、書籍情報取得部420として図1に示す。
【0039】
コピー機210の制御部217は、操作部219を介したユーザからの指示を受けて、光学センサ212を使用して、書籍M0の表面を光学的に読み取る(ステップS250)。その結果、生成される画像データは、記憶部218に記憶される。なお、図4のステップS250の機能を奏する制御部217の機能部を、画像データ取得部430として図1に示す。
【0040】
コピー機210の制御部217は、ステップS240で得たページコードMi2の印刷位置の情報に基づいて、ステップS250で得た画像データのうちのページコードMi2に相当する部分を解析し、ページコードMi2が表すページ情報を取得する(ステップS260)。より具体的には、光学センサ212を介して読み込まれたページのページ番号が取得される。取得されたページ番号は、記憶部218に記憶される。なお、OCR(Optical Character Reader)処理(ステップS260)によってページ番号を取得する機能を奏する制御部217の機能部を、ページ番号取得部440として図1に示す。
【0041】
本実施例においては、ページコードMi2の印刷位置の情報が非接触式ICタグMi1から予め取得されている。このため、画像データの一部を解析することでページ番号の情報を得ることができる。よって、ページコードMi2の印刷位置が不明であり、画像データの全部を解析する必要がある態様に比べて、ページ情報を取得する処理(ステップS260)の負荷が軽減される。
【0042】
コピー機210の制御部217は、操作部219を使用して、コピーを終了するか否かを問い合わせる(ステップS265)。操作部219を介してユーザからコピーを終了する旨の指示があった場合には、処理は、ステップS270に進む。操作部219を介してユーザからコピーを行う(続ける)旨の指示があった場合には、読み取り処理を実行する(ステップS250)。
コピー機210の制御部217は、光学センサ212を介して読み込まれたページのページ番号を表すページ情報と、ISBNとを、通信部216を介して課金サーバ100に送信する(ステップS270)。
【0043】
課金サーバ100の制御部104は、ISBNと、読み込まれたページのページ情報とを、通信部102を介して受信する(ステップS140)。
課金サーバ100の制御部104は、ISBNと、読み込まれたページのページ情報とに基づいて、記憶部106内の課金データベースDBcを参照しつつ、ユーザが行おうとしている複写に対して請求する複写料金を計算する(ステップS150)。
【0044】
たとえば、あるISBN978−4−7693−XXXX−Yを有する書籍について、第1〜10ページがコピーされた場合には、課金データベースDBcに基づいて、たとえば、広告が掲載されている第10ページについては、(1ページあたり)10円を課金する。また、実験結果が掲載されている第4〜6ページについては、1ページあたり50円を課金し、第1〜3ページ、および第7〜9ページについては、1ページあたり30円を課金することができる。
【0045】
課金サーバ100の制御部104は、それらの合計金額を、ユーザが行おうとしている複写に対して請求する複写料金とする(ステップS150)。このような態様とすれば、1冊の書籍中のページごとに異なる複写料金を設定して、複写を行う者に対して、複写料金を請求することができる。なお、ステップS150の機能を奏する制御部104の機能部を、料金計算部320として図1に示す。
【0046】
課金サーバ100の制御部104は、ステップS150で計算した複写料金を表す料金情報を、通信部102を介して、コピー機210に送信する(ステップS160)。
コピー機210の制御部217は、通信部216を介して、料金情報を受信する(ステップS280)。そして、料金情報に基づいて、操作部219において、複写料金の表示を行う。
【0047】
その後、ステップS285において、操作部219を介して出力を行うべき旨の指示がユーザからあった場合には、処理は、ステップS290に進む。コピー機210の制御部217は、記憶部218に記憶された画像データに基づいて、印刷部213を使用して印刷用紙M2に印刷を行う(ステップS290)。ステップS290の機能を奏する制御部217の機能部を、印刷制御部450として図1に示す。
一方、ステップS285において、操作部219を介して出力を行わない旨の指示がユーザからあった場合には、処理は終了する。
【0048】
本実施例のような態様とすれば、ページ単位で著作物を読み取ることができる書籍M0の各ページの著作物を複写する際における課金を、ページ単位で、きめ細かく行うことができる。その結果、ページ単位で著作物を読み取ることができる書籍M0の各ページの著作物を複写する際の課金の利便性を向上させることができる。
【0049】
なお、上記実施例では、複写料金に関して、書籍のページごとに異なる複写単価を設定する例について説明した。しかし、複写単価のデータベースDB1が記憶する情報は、以下のようなものとすることもできる。たとえば、複写料金の一部を広告主が負担するようなシステムとしてもよい。また、実験結果が掲載されている第4〜6ページについては通常よりも高価な額(たとえば1ページあたり50円)とすることができる。そして、他のページについては通常の額(たとえば1ページあたり30円)とすることができる。
【0050】
また、上記実施例では、付加料金に関して、住宅地図と住居者名リストの一例について簡単に説明した。しかし、付加料金のデータベースDB2が記憶する付加料金は、他の態様とすることもできる。たとえば、住宅地図と住居者名リスト例において、アパートを含む地図と、住居者名リストとは、上記のように同じ本に収録されていてもよいが、異なる本に収録されていてもよい。
【0051】
また、あるISBN978−4−7693−PPPP−Qを有する住宅地図について、全体で一つの市の地図を構成する部分地図が掲載されている複数のページの組み合わせについては、付加料金として50円を設定することができる。さらに、あるISBN978−4−7693−XXXX−Yを有する書籍については、各章ごとに、章を構成するすべてのページの組について、付加料金として100円を設定することができる。
【0052】
書籍情報読取部214および書籍情報取得部420が、「記録媒体特定情報取得部」に相当する。ページ番号取得部440が、「ページ情報取得部」に相当する。料金計算部320が、「課金決定部」に相当する。また、本実施例において、複写単価のデータベースDB1が記憶している情報が、「課金情報」に相当する。付加料金のデータベースDB2が記憶している情報が、「組課金情報」に相当する。
【0053】
B.第2実施例:
第1実施例では、図4のステップS150の処理においては、あるユーザが1台のコピー機(たとえばコピー機210)を使用してコピーを行おうとする際に、そのコピー機から送信された書籍情報およびページ情報に基づいて、複写料金が計算される。一方、第2実施例においては、過去の一定期間に複数台のコピー機から送信された書籍情報およびページ情報に基づいて、複写料金が計算される。具体的には、第2実施例においては、図4のステップS110,S140,S150の処理が第1実施例とは異なる。第2実施例の他の点については、第1実施例と同じである。
【0054】
課金サーバ100の制御部104は、図1のステップS110で受信したユーザ情報、ならびにステップS140で受信した書籍情報およびページ情報を、記憶部106に記憶するとともに、所定の期間分(たとえば、3日間分)だけ保持する。これらの情報を含むデータを複写履歴データCHDと呼ぶ(図1参照)。複写履歴データCHDは、課金サーバ100に接続された複数のコピー機210,220からのユーザ情報、書籍情報およびページ情報の受信(図4のステップS110,S140)に応じて更新される。第2実施例における料金の計算処理では、この複写履歴データCHDを使用して付加料金の計算が行われる。
【0055】
次に、第2実施例における料金の計算処理(図1のステップS150に相当)について説明する。
図5に示すように、課金サーバ100の制御部104は、ユーザが行おうとしている複写に対して請求する複写料金のうち、ページ単位の課金のみに基づく複写料金を計算する(ステップS152)。具体的な処理は、第1実施例においてステップS150について説明した内容と同じである。
【0056】
すなわち、たとえば、あるISBN978−4−7693−XXXX−Yを有する書籍について、第1〜10ページがコピーされた場合には、課金データベースDBcに基づいて、たとえば、広告が掲載されている第10ページについては、(1ページあたり)10円を課金する。また、実験結果が掲載されている第4〜6ページについては、1ページあたり50円を課金し、第1〜3ページ、および第7〜9ページについては、1ページあたり30円を課金することができる。
【0057】
課金サーバ100の制御部104は、記憶部106に記憶された複写履歴データCHDが、直前のステップS110(図4参照)で受信したユーザ情報のユーザによるコピーの記録を含むか否かを判定する(図5のステップS154)。複写履歴データCHDが、直前に受信したユーザ情報におけるユーザのコピーの記録を含む場合には、処理はステップS156に進む。一方、複写履歴データCHDが、直前に受信したユーザ情報のユーザの記録を含まない場合には、処理を終了する。その場合には、ページ単位の課金のみに基づく複写料金(ステップS152参照)が、ユーザが行おうとしている複写に対して請求する複写料金となる。
【0058】
課金サーバ100の制御部104は、記憶部106内の複写履歴データCHDと課金データベースDBcとに基づいて、以下の判定を行う(ステップS156)。すなわち、課金データベースDBcに登録されている、付加料金と対応づけられた所定のページ番号における組み合わせのうち、今回のコピーによって、新たにすべてのページがコピーされた組み合わせが存在するか否かが判定される。そのようなページ番号の組み合わせが存在する場合には、処理はステップS158に進む。そのようなページ番号の組み合わせが存在しない場合には、処理は終了する。その場合には、ページ単位の課金のみに基づく複写料金(ステップS152参照)が、ユーザが行おうとしている複写に対して請求する複写料金となる。
【0059】
コピーに対して請求する複写料金の情報の一部として、所定のページ番号の組み合わせと対応づけられた付加料金が計算され、ステップS152で得られた複写料金に加算される(ステップS158)。なお、付加料金と対応づけられた所定のページ番号における組み合わせのうち、今回のコピーによって、新たにすべてのページのコピーが完了した組み合わせが複数、存在する場合には、それらすべてのページ番号における組み合わせの付加料金が加算される。すなわち、ステップS158の処理が行われる場合には、ページ単位の課金のみに基づく複写料金(ステップS152参照)と、過去のコピー履歴を考慮して定められる付加料金(ステップS158参照)とが、ユーザが行おうとしている複写に対して請求する複写料金に含まれる。
【0060】
たとえば、あるISBN978−4−7693−PPPP−Qを有する住宅地図については、あるアパートを含む地図が掲載されている第5ページと、そのアパートの部屋ごとの住居者名が記載されている第103ページと、がコピー機210による今回のコピーにおいてコピーされた場合には、1ページごとの課金(たとえば、1ページあたり30円)に加えて、付加料金として20円が課金される。また、全体で一つの市の地図を構成する部分地図が掲載されている複数のページのすべてが今回のコピーにおいてコピーされた場合には、1ページごとの課金に加えて、付加料金として50円が課金される。
【0061】
また、あるユーザが、まず、コピー機210で、あるISBN978−4−7693−XXXX−Yを有する書籍の第4章のうち、先頭の120ページから155ページまでをコピーし、3日後に他のコピー機220で、156ページから第4章の最終ページである182ページまでコピーしたとする。そのような場合には、コピー機220を使用した後のコピーにおいて、120ページから155ページまでのコピーについて、1ページあたり30円が課金される(ステップS152)。そして、第4章全体をコピーしたことに起因する付加料金100円が加算される(ステップS158)。
【0062】
このような態様とすれば、異なるコピー機で、時間をあけてコピーが行われた場合であっても、まとめてコピーすることによって情報としての価値が上昇するページについて、複写を行う者に対して請求する料金として、その価値に見合った料金を設定することができる。
なお、本実施例における制御部104が、「課金制御部」に相当する。制御部217が、「複製制御部」に相当する。
【0063】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。たとえば次のような変形も可能である。
【0064】
・上記実施例においては、書籍M0に関連づけられており、当該書籍M0を特定することができる書籍情報として、国際標準図書番号(ISBN)が採用されている。このほかにも、書籍M0に関連づけられ書籍M0を特定することができる書籍情報としては、他の情報を採用することもできる。たとえば、書名、著者名、出版社名、版形(たとえば、新書版)、版の番号(たとえば、第3版)、刷の番号(たとえば、第2刷)の少なくとも一部を組み合わせて、書籍情報とすることもできる。また、URI(Uniform Resource Identifier)を書籍情報とすることもできる。すなわち、書籍M0に関連づけられた書籍情報は、ある書籍M0を、他の書籍M0と区別して、特定することができる情報(たとえば、文字、数字、記号の組み合わせなどで表される情報)であればよい。
【0065】
・書籍情報を記録した媒体情報記憶部としての非接触式ICタグMi1は、他の態様で構成することもできる。たとえば、バーコードやQRコード(登録商標)などの、各部分の印刷の有無により全体として情報を表す2次元コードとすることもできる。そのような態様においては、非接触式ICタグMi1は、光学的に読み取ることができる。よって、そのような態様においては、記録媒体特定情報取得部も光学的手段を介して書籍情報を取得できるように構成することが好ましい。
【0066】
また、上記実施例においては、非接触式ICタグMi1は、原記録媒体としての書籍M0の背表紙に貼付されている。このほか、非接触式ICタグMi1は、書籍M0のどこかに設けられていればよい。たとえば、表紙や裏表紙に貼付されていてもよい。また、表紙や裏表紙、背表紙に埋め込まれていてもよい。さらに、各ページに設けられていてもよい。たとえば、書籍情報を記録した非接触式ICタグMi1と、ページ情報を記録したページコードMi2とを一体として、光学的に情報を記録した一つの模様(たとえば、バーコードなど)として、各ページに記録することもできる。
【0067】
上記実施例においては、書籍情報読取部214は、コピー機210を使用してコピーを行う際、コピーの対象を載置部211に押しつけるための蓋部に設けられている。このほか、記録媒体特定情報取得部としての書籍情報読取部214は、たとえば、載置部211など他の場所に設けることもできる。ただし、入力部を介して書籍のページを光学的に読み取る際に、書籍情報を取得できるように構成されることが好ましい。そして、書籍に設けられた非接触式ICタグMi1から、非接触で書籍情報を取得できることが好ましい。
【0068】
・上記実施例では、ページ情報はページ番号である。このページ番号は、その書籍内における通し番号であってもよいが、他の法則性にしたがって付されたページ番号であってもよい。たとえば、雑誌であれば、各年の第1号の第1ページから通し番号として各ページに付された番号であってもよい。また、その雑誌自体の創刊号の第1ページから通し番号として各ページに付された番号であってもよい。すなわち、ページ情報は、少なくともその書籍M0内において、あるページを他のページと区別できる情報(たとえば、文字、数字、記号の組み合わせなどで表される情報)であればよい。
【0069】
また、上記実施例では、課金サーバ100は、データベースDB1として、ISBNおよびページ番号と対応づけられた複写単価の情報を有している(図1参照)。課金サーバ100は、データベースDB2として、所定のページ番号の組み合わせと対応づけられた付加料金の情報を有している(同)。そして、このデータベースDB1,DB2を含む課金データベースDBcを参照して、コピーの複写料金が決定される(図4のステップS150)。
【0070】
このほか、各ページに設けられたページコードMi2が、ページ情報の少なくとも一部として、そのページの複写単価の情報を含んでいてもよい。また、ページコードMi2が、ページ情報の少なくとも一部として、そのページと関連づけられた複数のページ(他の書籍のページでもよい)の情報と、それらすべてがコピーされたときの付加料金の情報を含んでいてもよい。すなわち、ページコードMi2は、ページコードMi2が設けられているページと関連づけられた、所定のページ情報を記憶するものとすることができる。
【0071】
また、上記実施例においては、複写単価の情報は、書籍情報としてのISBNと、ページ情報としてのページ番号とに対応づけられて記憶されている。このほか、複写単価の情報は、書籍情報のみと対応づけられて記憶されていてもよい。たとえば、ページごとの複写単価が一定である書籍については、複写単価は、書籍情報のみと対応づけられて記憶されていてもよい。また、ページ番号と対応づけられて記憶されていてもよい。
【0072】
・上記実施例においては、ページ情報を記録したページコードMi2は、微小領域における印刷の有無により全体として情報を表す模様である。このほか、ページコードMi2は、たとえば、磁気によってページ情報を記録する磁気記録媒体や、ICタグなどの他の態様で構成することもできる。ただし、ページコードMi2は、光学的に情報を記録した記憶部とすることが好ましい。たとえば、ページコードMi2は、可視光以外の光を当てることで情報を読み取ることができる態様であってもよい。
【0073】
また、上記実施例においては、ページコードMi2は、各ページの前小口M01よりも綴じ部M02に近い位置に配されている。また、ページコードMi2は、天地方向については、書籍M0の各ページを天地方向に3等分したときの中央の部分に含まれる。このほか、ページ情報を記録したページコードMi2は、各ページの任意の位置に設けることができる。また、ページコードMi2は、各ページの表面に設けられる態様に限らず、たとえば、各ページ内に埋め込まれていてもよい。ただし、ページコードMi2は、原記録媒体としての書籍M0の内容情報とともに、ページ情報を光学的に読み取ることができるように構成され、配されていることがさらに好ましい。
【0074】
・上記実施例においては、記憶部218に記憶された画像データに基づいて、印刷部213を使用して印刷用紙M2に複写(印刷)が行われる。もっとも、書籍M0から読み取った情報に基づいて印刷用紙M2等の2次記録媒体に複製を行う処理は、紙や樹脂製のシートなどの人間が直接情報を読み取ることができる物理的な媒体への記録に限られない。つまり、2次記録媒体には、半導体メモリやハードディスク等も含まれる。したがって、書籍M0から読み取った情報に基づいて所定のフォーマットのデータ(たとえば、gif形式、jpeg形式、PDF形式のデータファイルなど)を生成して、2次記憶媒体に複製する処理とすることもできる。
【0075】
・上記実施例では言及していないが、たとえば、複写したページ数が所定数以上となった場合や、複写料金が一定値以上となった場合には、複写料金を低減する態様とすることもできる。複写したページ数や複写料金は、図4のステップS240,S140のページ情報に基づいて得られるそのときのコピーに基づいて計算することができる。また、複写履歴データCHDを参照して、過去の所定期間内で複写されたページ数や課金された複写料金に基づいて定めることもできる。複写料金を低減する態様としては、ページ単価を減額する、合計料金を所定割合だけ減額する、合計料金から所定の金額を低減する、など、様々な態様とすることができる。なお、所定期間については、複製料金管理システムの管理者が所望の期間に予め設定しておくことが可能である。
【0076】
・複製料金管理システムは、記憶部106内に著作権情報を記憶する著作権データベースを備える態様とすることができる。この著作権データベースは、著作者が複製料金管理システムのユーザに含まれる場合には、その著作者のユーザ情報を記憶している。また、著作権データベースは、書籍情報(ISBN)と対応づけて著作者情報を記憶している。さらに、著作権データベースは、著作権の存否についての情報も記憶している。
【0077】
そのような態様においては、図4のステップS150の処理において、ステップS110で得たユーザ情報と、著作権データベースを参照してISBNから得られる著作者情報とを照合する。そして、ユーザ情報のユーザと著作者が一致する場合には、複写料金を、一般ユーザの場合よりも低額な、実費に相当する複写料金とする(ステップS150)。
【0078】
また、そのような態様においては、図4のステップS150の処理において、著作権データベースを参照し、ISBNに基づいて著作権の存否を確認する。すでに著作権が消滅している場合には、複写料金は、著作権が存続している書籍に比べて低額な、実費に相当する複写料金とする。
このような態様とすれば、著作権の存否、および著作者か否かに応じた適切な複写料金設定を行うことができる。
【0079】
・上記実施例においては、操作部219を介して出力を行うべき旨の指示がユーザからあった場合には、印刷を実行する(図4のステップS285,S290参照)。このほか、他の処理を経て情報の記録を行う態様とすることもできる。
たとえば、コピー機が現金処理機を備える態様とし、計算された料金以上の紙幣や貨幣が現金処理機に実際に投入されたことを確認して、情報の記録を行う態様とすることもできる。また、ユーザIDカードUCはプリペイドカード機能を備えるカードとし、ユーザIDカードUCから計算された料金を引き落とした後に、情報の記録を行う態様とすることもできる。
【0080】
さらに、ユーザ情報とユーザの銀行の口座とを関連づけておき、ユーザの銀行の口座からの料金の引き落としを行った後に、情報の記録を行う態様とすることもできる。また、ユーザIDカードUCはクレジットカード機能を備えたカードとし、または、ユーザ情報とユーザのクレジットカード番号とを関連づけておく。そして、クレジットカードのアカウントが有効であることを確認した後に、情報の記録を行う態様とすることもできる。すなわち、料金を計算した後、情報の記録を行うきっかけとする処理は、様々な処理とすることができる。
【0081】
・上記第2実施例では、2台のコピー機からの情報に基づいて複写履歴データCHDが更新されるが、過去の所定の期間にユーザがコピーした書籍の書籍情報およびページのページ情報は、1台のみのコピー機からの情報に基づいて更新される態様とすることもできる。そのような態様としても、1台のコピー機で間をあけて関連する複数ページをコピーした場合に、付加料金を課することができる。
【0082】
・上記実施例においては、ユーザIDカードUCから読み出されたユーザ情報が表すユーザが、複写を許可されたユーザであることを確認した後に、記載に内容の読み取りを行う(図4のステップS120,S250参照)。このほか、複写を許可されたユーザであることを確認せずに、記載に内容の読み取りを行う態様とすることもできる。そのような対応とすれば、広く一般ユーザを対象にコピーを行わせ、課金を行うことができる。また、たとえば、図書館における取り決めとして、ある章全体の複写を禁じている場合などには、そのような態様として、コピーを行うユーザを特定せずに、ページ単位の課金のみを行うことができる。
【0083】
・上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。たとえば、制御部217,227(図1)の機能の一部をホストコンピュータとしての課金サーバ100の制御部104が実行するようにすることもできる。
【0084】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0085】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0086】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施例の複製料金管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】本複製料金管理システムにおいて使用される書籍M0を背表紙側から見た状態を示す斜視図。
【図3】本複製料金管理システムにおいて使用される書籍M0をページの側から見た状態を示す斜視図。
【図4】コピー機210で書籍M0の複写を行う際の、コピー機210と課金サーバ100における処理を示すフローチャート。
【図5】第2実施例における料金の計算処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0088】
100…課金サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
210,220…コピー機
211,221…載置部
212,222…光学センサ
213,223…印刷部
214,224…書籍情報読取部
215,225…ユーザカード読取部
216,226…通信部
217,227…制御部
218,228…記憶部
219,229…操作部
310…ユーザ照合部
320…料金計算部
410…ユーザ情報取得部
420…書籍情報取得部
430…画像データ取得部
440…ページ番号取得部
450…印刷制御部
CHD…複写履歴データ
DBc…課金データベース
M0…書籍
M01…前小口
M02…綴じ部
M03…天
M04…地
M2…印刷用紙
Mi1…非接触式ICタグ
Mi2…ページコード
NT…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページにわたって著作物が記録された原記録媒体であって、前記複数のページ中のどのページの著作物が読み出し状態にあるかを識別可能とするページ情報が記録されているページ情報記録部と前記原記録媒体を特定可能な記録媒体特定情報が記録されている特定情報記録部とが付されている原記録媒体から、前記著作物を読み取って複製する際の複製料金を管理する複製料金管理システムにおいて、
前記原記録媒体の複製料金に関する課金情報を、前記ページ情報および前記記録媒体特定情報に関連づけて記憶している課金記憶部と、
前記著作物を複製する複製部と、
前記記録媒体特定情報を取得する記録媒体特定情報取得部と、
前記ページ情報を取得するページ情報取得部と、
前記記録媒体特定情報および前記ページ情報に関連づけられた前記課金情報に基づいて前記複製料金を決定する課金決定部と
を備える複製料金管理システム。
【請求項2】
前記課金記憶部は、さらに、複数組の前記ページ情報と関連づけられた付加料金を表す組課金情報を記憶しており、
前記課金決定部は、前記複数組の前記ページ情報に対応する全複写物が、所定期間内に複製された場合には、前記課金情報および前記付加料金に基づいて前記複製料金を決定する請求項1記載の複製料金管理システム。
【請求項3】
前記複製部は複数備えられている請求項1または請求項2記載の複製料金管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−28616(P2010−28616A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189542(P2008−189542)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】