説明

視力測定システム,情報処理装置,遠隔操作装置,情報処理方法,遠隔操作方法およびコンピュータプログラム

【課題】 空間的制約のある場所においても,簡易な方法で視力を測定する。
【解決手段】 遠隔操作装置104を操作するユーザの視力を測定する情報処理装置102に,装置間距離を測定する距離測定部122と;装置間距離,視力測定の視標として表示される視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部128と;所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示部134と;遠隔操作装置を介して入力された視力検査画像の認識結果と,表示された視力検査画像とを比較する比較部136と;比較部の比較結果に応じて,画像表示部に表示された視力検査画像の大きさを調整する画像調整部138と;距離測定部により測定された装置間距離と,画像表示部に表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出部126と;を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,視力測定システム,情報処理装置,遠隔操作装置,情報処理方法,遠隔操作方法およびコンピュータプログラムに関し,特に,情報処理装置と遠隔操作装置との距離に応じて,遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定することが可能な視力測定システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,テレビ等の画像を表示するディスプレイを有する情報処理装置では,画像の大きさはディスプレイの大きさで決定される。しかし,テレビを視聴するユーザは,常にテレビから一定距離離れた位置で視聴するとは限らず,表示された画像が見えにくい場合には,ユーザが認識可能な距離まで移動しなければならなかった。
【0003】
そこで,上記問題を解決するために,ユーザとテレビとの距離に応じて,ディスプレイに表示される画像の大きさを変更し,ユーザにとって見やすい画像を提供する技術が開示されている(例えば,特許文献1)。
【0004】
一方,視力を測定する場合には,一般に,視力を測定するための視標をディスプレイに表示させ,ユーザが視標を最も見やすい位置に移動したり,ディスプレイを移動させたりしてユーザが視標を認識可能か否かを調べて行われている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−140630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし,上記方法による視力測定においては,ディスプレイとユーザとの距離を一定以上確保できる空間が必要となる。また,光学レンズを用いて狭い空間でも視力を測定可能な装置が開発されているが,そのような視力測定用の専用装置は,眼科やめがね販売店に備えられ,一般家庭に普及されるものではなかった。
【0007】
昨今,高度情報化社会において,ユーザがディスプレイに向かう時間は長くなり,それによるユーザの視力低下や眼の疲労などが問題となっているため,ディスプレイによる視力への影響を日常的に測定する方法が求められている。
【0008】
上記のような視力測定用の専用装置は,コストの面から一般家庭に普及することは難しいため,一般に広く普及されているテレビなどを用いて日常的に視力を測定する装置が望まれる。また,上記特許文献1に開示されているように,ユーザとディスプレイを有する情報処理装置との距離に応じて,ディスプレイに表示された画像の大きさを変更することにより,空間的制約のある場所においても,視力を測定可能な装置が望まれている。
【0009】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,空間的制約のある場所においても,簡易な方法で視力を測定することが可能な,新規かつ改良された,視力測定システム,情報処理装置,遠隔操作装置,情報処理方法,遠隔操作方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,情報処理装置と,情報処理装置を遠隔操作する遠隔操作装置との距離に基づいて,遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定する視力測定システムが提供される。上記遠隔操作装置は,ユーザの入力に応じて,情報処理装置をして,視力測定を開始せしめる視力測定開始通知を送信する開始通知送信部を備える。
【0011】
上記情報処理装置は,装置間距離,視力測定の視標として表示される視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部と;所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示部と;遠隔操作装置からの開始通知に応じて,装置間距離を測定する距離測定部と;遠隔操作装置を介して入力された視力検査画像の認識結果と,表示された視力検査画像とを比較する比較部と;比較部の比較結果に応じて,画像表示部に表示された視力検査画像の大きさを調整する画像調整部と;距離測定部により測定された装置間距離と,画像表示部に表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出部と;を備える。
【0012】
上記発明によれば,遠隔操作装置は,ユーザの入力に応じて視力測定開始通知を情報処理装置に送信し,情報処理装置は,視力測定開始通知に応じて情報処理装置から遠隔操作装置までの装置間距離を測定する。情報処理装置の画像表示部には,視力検査画像が表示され,表示された視力検査画像の認識結果が遠隔操作装置を介してユーザにより入力される。情報処理装置は,入力された認識結果と表示された視力検査画像の大きさを比較し,比較結果に応じて表示された視力検査画像の大きさを調整する。そして,情報処理装置は,測定した装置間距離と,表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,装置間距離,視力検査画像の大きさおよび視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する。
【0013】
上記構成によれば,視力検査画像の大きさをユーザの認識結果に応じて変更することにより,遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定することができる。装置間距離を測定することにより,遠隔操作装置を操作するユーザが情報処理装置からどれくらい離れた場所に位置しているのかがわかるため,ユーザは,自身の位置する場所を留意することなく,視力を測定することが可能となる。また,装置間距離に応じて表示された視力検査画像の大きさが変化し,装置間距離と視力検査画像との対応関係から視力を測定することが可能となるため,空間的制約のある場所においても,視力を測定することができる。また,情報処理装置をテレビなどで構成し,遠隔操作装置をリモコンなどで構成することができるため,視力を測定するためだけの特殊な装置は不要であるため,一般家庭において,簡易な操作で日常的に視力を測定することが可能となる。
【0014】
上記遠隔操作装置は,ユーザにより,情報処理装置に表示された視力検査画像の認識結果が入力される認識結果入力部を備えてもよい。
【0015】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,遠隔操作装置により遠隔操作され,遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定する情報処理装置であって:情報処理装置から遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定部と;装置間距離,視力測定の視標として表示される視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部と;所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示部と;遠隔操作装置を介して入力された視力検査画像の認識結果と,表示された視力検査画像とを比較する比較部と;比較部の比較結果に応じて,画像表示部に表示された視力検査画像の大きさを調整する画像調整部と;距離測定部により測定された装置間距離と,画像表示部に表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出部と;を備えることを特徴とする,情報処理装置が提供される。
【0016】
上記発明によれば,情報処理装置は,情報処理装置から遠隔操作装置までの装置間距離を測定する。情報処理装置の画像表示部には,視力検査画像が表示され,表示された視力検査画像の認識結果が遠隔操作装置を介してユーザにより入力される。情報処理装置は,入力された認識結果と表示された視力検査画像の大きさとを比較し,比較結果に応じて表示された視力検査画像の大きさを調整する。そして,情報処理装置は,測定した装置間距離と,表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,装置間距離,視力検査画像の大きさおよび視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する。
【0017】
上記構成によれば,視力検査画像の大きさをユーザの認識結果に応じて変更することにより,遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定することができる。装置間距離を測定することにより,遠隔操作装置を操作するユーザが情報処理装置からどれくらい離れた場所に位置しているのかがわかるため,ユーザは,自身の位置する場所を留意することなく,視力を測定することが可能となる。また,装置間距離に応じて表示された視力検査画像の大きさが変化し,装置間距離と視力検査画像との対応関係から視力を測定することが可能となるため,空間的制約のある場所においても,視力を測定することができる。また,情報処理装置をテレビなどで構成し,遠隔操作装置をリモコンなどで構成することができるため,視力を測定するためだけの特殊な装置は不要であるため,一般家庭において,簡易な操作で日常的に視力を測定することが可能となる。
【0018】
また,上記情報処理装置は,遠隔操作装置を介して入力された視力測定開始通知を受信する開始通知受信部;を備え,上記距離測定部は,開始通知受信部が視力測定開始通知を受信した場合に装置間距離を測定するようにしてもよい。これにより,ユーザにより遠隔操作装置のボタン等が押下されて視力測定開始通知を受信した場合に視力測定を開始することができ,ユーザは,情報処理装置からの位置に留意することなく,任意の場所でいつでも視力測定を開始することができる。
【0019】
また,上記視力測定結果抽出部により抽出された視力測定結果を記憶する視力測定結果記憶部を備え,画像表示部はユーザ所望の表示画像を表示し,画像調整部は,距離測定部により測定された装置間距離と,記憶された視力測定結果とに応じて,表示画像の大きさを調整してもよい。これにより,遠隔操作装置を操作するユーザの視力に適した画像の大きさを表示して,ユーザに見やすい適切な表示を行うことができる。
【0020】
また,上記距離測定部により測定された装置間距離の測定値を,該測定値が距離測定部により測定された時点を特定する時間情報と関連付けて記憶する測定距離記憶部をさらに備え,画像調整部は,測定距離記憶部に記憶された2以上の測定値および該測定値に関連付けられた時間情報に応じて表示画像を変更してもよい。これにより,装置間距離の測定値の変化や測定された時間間隔に応じて,視力検査画像を表示して視力測定を促す表示や,休憩を促す表示をして,視力低下や目の疲れを防止することが可能となる。
【0021】
また,上記画像調整部は,測定距離記憶部に記憶された2以上の測定値の変化量が生じていない場合に,視力検査画像を画像表示部に表示させてもよいし,測定距離記憶部に記憶された2以上の測定値の測定時間が所定時間以上であった場合に,視力検査画像を画像表示部に表示させてもよい。
【0022】
また,上記距離測定部は,遠隔操作装置にパケットを送信し,送信したパケットに対応する返送パケットを遠隔操作装置から受信し,パケットの送信から返送パケットを受信するまでの所要時間に基づいてパケットの往復伝送時間を求めるセンサ部と;往復伝送時間に基づいて装置間距離を算出する距離算出部と;を含むようにしてもよい。これにより,情報処理装置は,高い精度で高速に装置間距離を測定することができる。
【0023】
また,上記情報処理装置は,ユーザ所望の音声を再生する音声再生部と;距離測定部により測定された距離に応じて音声再生部により再生される音声の大きさを調整する音声調整部と;を備えてもよい。これにより,測定して装置間距離に応じて,情報処理装置で再生される音声の大きさを調整することが可能となる。
【0024】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,遠隔操作装置により遠隔操作され,遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定する情報処理装置の情報処理方法が提供される。本情報処理方法は,情報処理装置から遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定ステップと;所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示ステップと;遠隔操作装置を介して入力された視力検査画像の認識結果と,表示された視力検査画像とを比較する比較ステップと;比較部の比較結果に応じて,表示された視力検査画像の大きさを調整する画像調整ステップと;距離測定ステップにより測定された装置間距離と表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,装置間距離,視力検査画像の大きさおよび視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出ステップと;を含む。
【0025】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,コンピュータに上記の情報処理装置として機能させるコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは,コンピュータが備える記憶部に格納され,コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより,そのコンピュータを上記の情報処理装置として機能させる。また,コンピュータプログラムが記録された,コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は,例えば,磁気ディスク,光ディスクなどである。
【0026】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,情報処理装置を遠隔操作して,情報処理装置を遠隔操作するユーザの視力を測定する遠隔操作装置であって:情報処理装置から遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定部と;情報処理装置に視力測定の視標として表示された視力検査画像の画像情報を取得する画像情報取得部と;装置間距離,視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部と;ユーザにより,情報処理装置に表示された視力検査画像の認識結果が入力される認識結果入力部と;認識結果入力部からの認識結果と,取得された視力検査画像とを比較する比較部と;比較部の比較結果に応じて,情報処理装置に表示された視力検査画像の大きさの調整を指示する画像調整指示部と;距離測定部により測定された装置間距離と,視力検査画像取得部により取得された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出部と;を備えることを特徴とする,遠隔操作装置が提供される。
【0027】
上記発明によれば,遠隔操作装置は,遠隔操作装置から情報処理装置までの装置間距離を測定する。情報処理装置には視力検査画像が表示され,表示された視力検査画像の画像情報を取得する。そして,ユーザにより入力された視力検査画像の認識結果と,取得した視力検査画像の大きさとを比較し,比較結果に応じて表示された視力検査画像の大きさを調整するように情報処理装置に指示する。遠隔操作装置は,測定した装置間距離と,表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,装置間距離,視力検査画像の大きさおよび視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する。
【0028】
上記構成によれば,視力検査画像の大きさをユーザの認識結果に応じて変更することにより,遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定することができる。装置間距離を測定することにより,遠隔操作装置を操作するユーザが情報処理装置からどれくらい離れた場所に位置しているのかがわかるため,ユーザは,情報処理装置からの位置に留意することなく,視力を測定することが可能となる。また,装置間距離に応じて表示された視力検査画像の大きさが変化し,装置間距離と視力検査画像との対応関係から視力を測定することが可能となるため,空間的制約のある場所においても,視力を測定することができる。また,情報処理装置をテレビなどで構成し,遠隔操作装置をリモコンなどで構成することができ,視力を測定するためだけの特殊な装置は不要であるため,一般家庭において,簡易な操作で日常的に視力を測定することが可能となる。
【0029】
また,上記遠隔操作装置は,ユーザの入力に応じて,視力測定の開始を指示する視力測定開始指示部を備え,距離測定部は,視力測定開始指示部からの指示を受けて装置間距離を測定するようにしてもよい。
【0030】
上記遠隔操作装置は,視力測定結果抽出部により抽出された視力測定結果を記憶する視力測定結果記憶部を備え,画像調整指示部は,距離測定部により測定された装置間距離と,記憶された視力測定結果とに応じて,情報処理装置に表示されるユーザ所望の表示画像の大きさの調整を指示するようにしてもよい。
【0031】
上記遠隔操作装置は,距離測定部により測定された装置間距離の測定値を,該測定値が距離測定部により測定された時点を特定する時間情報と関連付けて記憶する測定距離記憶部をさらに備え,画像調整指示部は,測定距離記憶部に記憶された2以上の測定値および該測定値に関連付けられた時間情報に応じて表示画像の変更を指示するようにしてもよい。
【0032】
上記画像調整指示部は,測定距離記憶部に記憶された2以上の測定値の変化量が生じていない場合に,視力検査画像の表示を指示してもよいし,測定距離記憶部に記憶された2以上の測定値の測定時間が所定時間以上であった場合に,視力検査画像の表示を指示してもよい。
【0033】
上記遠隔操作装置は,ユーザが手に持って片眼の視野を遮蔽する遮眼具であってもよい。これにより,ユーザの目の位置と情報処理装置との距離を測定することができ,リモコン等を用いて視力を測定する場合に比べ,より正確にユーザの視力を測定することが可能となる。また,片目を遮蔽して視力を測定することができるため,右目の視力と,左目の視力とを別々に測定することが可能となる。
【0034】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,情報処理装置を遠隔操作して,情報処理装置を遠隔操作するユーザの視力を測定する遠隔操作装置の遠隔操作方法が提供される。本遠隔操作方法は,情報処理装置から遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定ステップと;情報処理装置に視力測定の視標として表示された視力検査画像の画像情報を取得する画像情報取得ステップと;ユーザにより,情報処理装置に表示された視力検査画像の認識結果が入力される認識結果入力ステップと;認識結果入力部からの認識結果と,取得された視力検査画像とを比較する比較ステップと;比較部の比較結果に応じて,情報処理装置に表示された視力検査画像の大きさの調整を指示する画像調整指示ステップと;距離測定部により測定された装置間距離と視力検査画像取得部により取得された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,装置間距離,視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出ステップと;を含む。
【0035】
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,コンピュータに上記の遠隔操作装置として機能させるコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは,コンピュータが備える記憶部に格納され,コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより,そのコンピュータを上記の情報処理装置として機能させる。また,コンピュータプログラムが記録された,コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は,例えば,磁気ディスク,光ディスクなどである。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように本発明によれば,空間的制約のある場所においても,簡易な方法で視力を測定することが可能な,視力測定システム,情報処理装置,遠隔操作装置,情報処理方法,遠隔操作方法およびコンピュータプログラムを提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0038】
以下では,本発明にかかる視力測定システムを,情報処理装置102と,情報処理装置102を遠隔操作する遠隔操作装置104を含む視力測定システム100に適用して説明する。ユーザが,遠隔操作装置104を手にして移動することにより,情報処理装置102と遠隔操作装置104の距離が変わる。情報処理装置102は,遠隔操作装置104との装置間距離を測定する。情報処理装置102は,ディスプレイなどの画像を表示する画像表示部を有し,測定した装置間距離に応じて,画像表示部に表示された画像の大きさを変化させる。また,ユーザが,遠隔操作装置104を介して情報処理装置102に表示された画像を認識可能か否かを入力し,その入力に応じて画像を調整することができる。さらに,情報処理装置102は,調整した画像の大きさと装置間距離とに対応する視力測定結果を抽出することにより,遠隔操作装置104を操作するユーザの視力を測定することができる。また,情報処理装置102は,視力測定結果と,ユーザが手にする遠隔操作装置104との距離とから,ユーザの視力に適した画像を表示させる。
【0039】
図1は,本実施形態にかかる視力測定システム100の概略を示した説明図である。例えば,図1に示したように,遠隔操作装置104をユーザ50が手にしており,遠隔操作装置104と情報処理装置102との距離がXであるとする。情報処理装置102の画像表示部には,視力測定用の視標60が表示されている。情報処理装置102は,情報処理装置102と遠隔操作装置104との距離Xを測定する。ユーザ50は,遠隔操作装置104を介して,情報処理装置102の画像表示部に表示された視標60が認識可能か否かの入力を行う。情報処理装置102は,ユーザによる認識結果の入力に応じて視標60の大きさを調整する。そして,調整した結果,画像表示部に表示された視標60の大きさと,測定した距離Xとから,視力測定結果を抽出することにより,ユーザ50の視力を測定する。
【0040】
以下で,情報処理装置102と遠隔操作装置104との間の距離を情報処理装置102が測定する場合を第1実施形態として説明し,遠隔操作装置104が測定する場合を第2実施形態として説明する。
【0041】
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる視力測定システム100では,情報処理装置102が,情報処理装置102から遠隔操作装置104までの距離を測定し,測定された距離等に応じて情報処理装置102に表示された画像の大きさを変更したり,表示された画像の大きさから視力を測定したりする。まず,図2に基づいて,情報処理装置102および遠隔操作装置104の機能構成について説明する。
【0042】
遠隔操作装置104は,情報処理装置102を遠隔操作することができる機器である。遠隔操作装置104としては,ユーザが持ち運び可能で,容易に移動させることができる程度の大きさ,重さの機器であることが望ましく,例えば,テレビ等の操作を行うリモートコントローラ(リモコンとも称す。),携帯電話,PDA(Personal Digital Assistant),携帯型音楽プレーヤなどを例示できる。
【0043】
遠隔操作装置104は,例えば,指示入力部110と開始通知送信部112と認識結果入力部114などを備える。指示入力部110は,視力測定開始指示部の一例であり,ユーザからの視力測定開始指示を入力し,入力された視力測定開始指示を開始通知送信部112に提供する。例えば,遠隔操作装置104にボタンなどを備え,指示入力部110は,ボタンが押下された場合に,ユーザからの視力測定開始指示として開始通知送信部112に入力するようにしてもよい。
【0044】
開始通知送信部112は,指示入力部110から視力測定開始指示を受けて,情報処理装置102に装置間距離の測定を開始させる開始通知を送信する。認識結果入力部114は,ユーザからの視力検査画像の認識結果を入力し,入力された認識結果を情報処理装置102に送信する機能を有する。認識結果入力は,遠隔操作装置104に備えられたボタンにより入力される。例えば,情報処理装置102に表示された視力検査画像が,円の一部が欠けた画像であった場合に,円のどの部分が欠けているのかを認識した結果をボタンにより入力するようにしてもよい。リモコンに十字ボタンが備えられている場合には,ユーザが円の右側が欠けていると認識した場合には,十字ボタンの右側を押下し,円の上側が欠けていると認識した場合には,十字ボタンの上側を押下するようにしてもよい。また,情報処理装置102に文字や数字を表示させるようにして,リモコンの数字キーなどにより,文字や数字の認識結果を入力させるようにしてもよい。
【0045】
情報処理装置102は,例えば,開始通知受信部120と,距離測定部122と,測定距離記憶部124と,視力測定結果抽出部126と,視力換算情報記憶部128と,視力測定結果記憶部130と,認識結果受信部132と,画像表示部134と,比較部136と,画像調整部138などを備える。
【0046】
開始通知受信部120は,遠隔操作装置104からの視力測定開始通知を受信し,受信した視力測定開始通知を距離測定部122に提供する。遠隔操作装置104の開始通知送信部112と開始通知受信部120との間の通信は,赤外線通信,Bluetooth,UWB(Ultra Wide Band)などの無線通信であってもよいし,有線通信であってもよい。
【0047】
距離測定部122は,開始通信受信部120からの視力測定開始通知に応じて,情報処理装置102から遠隔操作装置104までの距離を測定する機能を有する。つまり,ユーザにより視力測定開始指示が入力されると,距離測定部122により,装置間距離が測定される。距離測定部122は,視力測定開始を通知された後,所定の間隔ごとに装置間距離を測定するようにしてもよい。これにより,視力測定中にユーザが移動したとしても,常に正確な視力を測定することが可能となる。
【0048】
距離測定部122が行う装置間距離の測定方法として,複数の方法が挙げられる。例えば,距離測定部122をレーダとして構成し,電磁波を遠隔操作装置104に向けて発してその反射波を測定することにより遠隔操作装置104までの距離を取得することができる。また,距離測定部122は,電磁波を利用して電磁波の強度から装置間距離を取得することや,音波を利用して距離を測定することもできる。本実施形態では,距離測定部122は,UWB通信を遠隔操作装置104と行うことにより,装置間距離を測定する。図3を参照してUWB通信による装置間距離の測定について詳細に説明する。
【0049】
図3は,距離測定部122を詳細に示した図面である。図3に示すように,距離測定部122は,センサ部150および距離算出部152を含んで構成される。センサ部150は,遠隔操作装置104に設けられる受信側センサ部(図示せず)との間でUWB通信を行い,情報処理装置102と遠隔操作装置104との間で電波が空間を飛んだ時間を求める。
【0050】
UWB通信による測距の方法は,例えば特開2004−258009に開示されている方法を用いることができる。つまり,センサ部150はまず,パケット(パケットの中身は何でもよく,空であってもよいし,ビーコンなどであってもよい)を遠隔操作装置104の受信側センサ部に送信する。センサ部150はカウンタを有し,パケットの送信とともにカウンタを始動させて時間の計測を開始する。受信側センサ部は,センサ部150から送信されたパケットを検出し,検出時から所定の単位時間の整数倍の時間経過後にパケットをセンサ部150に返送する。センサ部150は,返送されたパケットを検出するとカウンタをとめる。そしてセンサ部150は,カウンタにより計測された,パケットを送信してから返送パケットを受信するまでの所要時間から上記所定の単位時間の整数倍を除去してパケットの往復伝送時間を求める。なお,上述の所定の単位時間は,センサ部150の通信可能距離を無線信号(パケット)の伝送速度で割った値から求める。距離算出部152は,センサ部150によって求められた往復伝送時間に基づいて,装置間距離を算出する。通常,時間と距離は線形的に比例するので,距離をY,時間をXとした場合に,Y=X*a+b(a,bは任意の値)で表すことができる。また,測定誤差が生じた場合に備えて,距離算出部152は,キャリブレーションなどにより誤差を吸収できるようにするとよい。
【0051】
上記のUWB通信を用いた測距方法によれば,距離測定部122は,他の測距方法に比べて装置間の正確な距離を高速に取得することができる。また,開始通信受信部120により行われる視力測定開始の受信等をセンサ部150が行うこともできるため,1つのUWB通信手段を情報処理装置102に設ければ済むという利点がある。
【0052】
図2に戻り,距離測定部122は,装置間距離の測定値(以後,単に測定値とも称する。)を,測定値が測定された時点を特定する時間情報と関連付けて測定距離記憶部124に記録する。また,測定値を視力測定結果抽出部126に提供する。測定距離記憶部124は,RAMやフラッシュメモリなどを含んで構成され,上述のように,装置間距離の測定値を,測定値が距離測定部により測定された時点を特定する時間情報と関連付けて記憶する。
【0053】
視力測定結果抽出部126は,距離測定部122により測定された装置間距離の測定値と,画像表示部134に表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,視力換算情報記憶部128から抽出する機能を有する。図4に視力換算情報記憶部128の記憶内容の一例を示した。図4に示したように,視力換算情報記憶部128には,装置間距離1280,視力測定の指標として表示される視力検査画像の大きさ1282,および視力測定結果1284が対応付けられて記憶されている。例えば,装置間距離1280が1m,視力検査画像の大きさ1282が6ドットの場合には,視力測定結果は1.5となる。また,装置間距離1280が3m,視力検査画像の大きさ1282が10ドットの場合には,視力測定結果は1.5となる。
【0054】
図5に,装置間距離と視力検査画像の大きさを説明する説明図を示した。図5(a)は,情報処理装置102と,遠隔操作装置104との距離が1mの場合,つまり,遠隔操作装置104を操作するユーザが情報処理装置102に近づいて視力測定を行う場合の図である。図5(b)は,情報処理装置102と,遠隔操作装置104の距離が3mの場合,つまり,遠隔操作装置104を操作するユーザが情報処理装置102から離れた位置で視力測定を行う場合の図である。図5(a)の情報処理装置102に表示された視力検査画像61は,図5(b)の情報処理装置102に表示された視力検査画像52よりも相対的に小さく表示される。
【0055】
例えば,図4に示したように,装置間距離が1mの場合,0.1〜1.5までの視力測定結果を得るためには,視力検査画像の大きさは6〜24ドットであるが,装置間距離が3mの場合,0.1〜1.5までの視力測定結果を得るためには,視力検査画像の大きさは10〜48ドットとなる。従来,ユーザは,視力検査装置からの距離,つまり,自身の位置に留意して視力を測定しなければならなかった。しかし,本実施形態にかかる視力測定システムにおいては,ユーザが情報処理装置102からの自身の位置を留意せずとも,装置間距離に応じて視力検査画像を変化させて,視力を測定することが可能となる。
【0056】
図2に戻り,視力測定結果抽出部126は,視力換算情報記憶部128から抽出した視力測定結果を視力測定結果記憶部130に記録する。視力測定結果記憶部130には,遠隔操作装置104を操作するユーザの視力となる視力測定結果が記憶される。複数のユーザが遠隔操作装置104を操作する場合には,各ユーザの視力測定結果を記憶するようにしてもよい。また,1のユーザの視力測定結果を時間情報と関連付けて記憶して,視力測定結果を時系列で記憶するようにしてもよい。これにより,ユーザは,過去に測定した視力と,現在測定された視力とを対比することが可能となる。
【0057】
認識結果受信部132は,遠隔操作装置104の認識結果入力部114に入力された視力検査画像の認識結果を受信する機能を有する。上述したように,遠隔操作装置104に入力される認識結果は,ユーザにより表示された視力検査画像の認識結果であり,円のどの部分が欠けているかが入力されたり,表示された数字や文字を認識した結果が入力されたりするようにしてもよい。認識認識結果受信部132は,受信した視力検査画像の認識結果を比較部136に提供する。
【0058】
画像表示部134は,ディスプレイなどの画像を表示する表示装置であって,所定の大きさの視力検査画像を表示する機能を有する。画像表示部134は,後述する画像調整部138の指示により,表示された画像の大きさを縮小,拡大する。画像表示部134に表示されている画像の画像情報(画像の大きさ等)は,視力測定結果抽出部126および比較部136に提供される。上述したように,視力測定結果抽出部126は,測定された装置間距離と,画像表示部134から提供された画像情報に対応付けられた視力測定結果を視力換算情報記憶部128から抽出する。
【0059】
比較部136は,認識結果受信部132から提供された視力検査画像の認識結果と,画像表示部134から提供された画像情報とを比較する機能を有する。ユーザにより入力された視力検査画像の認識結果と表示された画像情報とが対応している場合には,ユーザの認識結果が正しいと判断し,対応していない場合には,ユーザの認識結果が誤っていると判断する。例えば,リモコンに十字ボタンが備えられており,画像表示部134には,円の一部が欠けた画像が表示されていたとする。画像表示部134に表示された視力検査画像は,円の右側が欠けており,ユーザにより十字ボタンの右側が押下されれば,ユーザの認識結果は正しいと判断される。また,画像表示部134に表示された円の下側が欠けており,ユーザにより十字ボタンの左側が押下されれば,ユーザの認識結果は誤っていると判断される。比較部136は,ユーザにより入力された視力検査画像の認識結果と表示された画像情報とを比較した結果を画像調整部138に提供する。
【0060】
画像調整部138は,比較部136から提供された比較結果に応じて,画像表示部134に表示された視力検査画像の大きさを調整する機能を有する。画像調整部138は,画像表示部134に表示させる画像の大きさなどの画像情報を画像表示部134に提供する。画像表示部134は,画像調整部138に提供された画像情報に基づいて,表示された視力検査画像の大きさを変更する。例えば,比較部136の比較の結果,ユーザの認識が正しいと判断された場合には,表示された視力検査画像を変更せず,表示された視力検査画像から視力を測定するようにしてもよいし,表示された視力検査画像をさらに小さくするようにして,再度ユーザに認識結果を入力させるようにしてもよい。比較部136の比較の結果,ユーザの認識が誤っていると判断された場合には,表示された視力検査画像を大きくして,再度ユーザに認識結果を入力させるようにしてもよいし,直前に表示された視力検査画像から視力を測定するようにしてもよい。
【0061】
このように,視力検査画像の大きさをユーザの認識結果に応じて変更することにより,視力を測定することができる。装置間距離を測定することにより,遠隔操作装置104を操作するユーザが情報処理装置102からどれくらい離れた場所に位置しているのかがわかるため,ユーザは,自身の位置する場所を留意することなく,視力を測定することが可能となる。また,上述したように,装置間距離に応じて表示された視力検査画像の大きさが変化し,装置間距離と視力検査画像との対応関係から視力を測定することが可能となるため,空間的制約のある場所においても,視力を測定することができる。また,本実施形態にかかる視力測定システムにおいては,テレビなどの情報処理装置102とリモコンなどの遠隔操作装置104を用いて実現でき,視力を測定するためだけの特殊な装置は不要であるため,一般家庭において,簡易な操作で日常的に視力を測定することが可能となる。
【0062】
画像調整部138は,測定された装置間距離と,視力測定結果記憶部130に記憶された視力測定結果とに応じて,表示画像の大きさを調整するようにしてもよい。図7に,装置間距離と表示画像を説明する説明図を示した。図7に示したように,画像表示部134に表示された文字情報63の大きさを変更するようにしてもよい。図7に示したように,情報処理装置102は,情報処理装置102と遠隔操作装置104との距離Xを測定し,距離Xとユーザ50の視力測定結果から,文字情報63の大きさを決定する。装置間距離と,文字情報の大きさと,視力測定結果の対応関係は,視力換算情報記憶部128に記憶された対応関係を用いることができる。
【0063】
図8に,装置間距離と文字情報の大きさを説明する説明図を示した。例えば,ユーザ50の視力測定結果が1.5であったとする。図8(a)に示したように情報処理装置102と遠隔操作装置104との装置間距離が1mであり,ユーザ50の視力測定結果が1.5である場合には,文字情報64を例えば6ドットとする。そして,図8(b)に示したように,装置間距離が3mであり,ユーザの視力測定結果が1.5である場合には,文字情報65を例えば10ドットとする。
【0064】
このように,視力測定結果に応じて表示された文字情報等を変化させることにより,ユーザが任意の場所に位置していても,ユーザに見やすい適切な表示を行うことが可能となる。また,ユーザ所望の文字情報の大きさを設定し,装置間距離に応じて設定された文字情報の大きさを相対的に変化させるようにしてもよい。この場合,画像表示部134のディスプレイの大きさに対して文字情報の大きさが必要以上に大きい場合には,文字情報以外の映像を覆わない程度に文字情報の大きさを設定するようにしてもよい。
【0065】
画像調整部138は,測定距離記憶部124に記憶された2以上の装置間距離の測定値および測定値に関連付けられた時間情報に応じて,表示画像を変更するようにしてもよい。例えば,所定の間隔で装置間距離を測定し,装置間距離が一定時間以上変化している場合には,ユーザが連続的に同じ位置にいると判断して,表示画面に休憩を促す表示をしたり,視力測定を促す表示をしたりする。また,所定の間隔でそのような表示を行うようにしてもよい。これにより,視力低下や目の疲れを防止することが可能となる。さらに,ユーザが,画像表示部134のディスプレイの大きさに比べて,近い距離にいると判断した場合には,離れた位置に移動するよう促す表示を行ってもよい。
【0066】
図9に,情報処理装置102における表示画像の変更を説明するフローチャートを示した。まず,画像表示部134に画像が表示される(S120)。そして,ユーザによりリモコン(遠隔操作装置104)のボタンが押下された否かを判定する(S122)。ステップS122においてリモコンのボタンが押下されたと判定された場合には,遠隔操作装置104との装置間距離を測定し,測定した時間を記録する(S124)。ステップS124の記録は,所定間隔ごと,またはユーザによりボタンが押下される都度行われる。ステップS124において記録された装置間距離の少なくとも2点の装置間距離が±50cm変化したか否かを判定する(S126)。例えば,ボタンが押下された時点と,その直前の装置間距離を比較するようにしてもよい。
【0067】
ステップS126において,装置間距離が変化していないと判定された場合に,ステップS126において比較した2点が記録された時間はn時間以上か否かを判定する。例えば,2点が記録された時間間隔がn時間以上である場合には,ボタンが押下された時点からその直前にボタンが押下された時点までにn時間以上経過したと判定される。ステップS128において,n時間以上経過したと判定された場合に,表示画像を変更する(S130)。例えば,上述したように,ステップS130において,視力測定や休憩を促す表示を表示画像に表示させる。
【0068】
以上,情報処理装置102および遠隔操作装置104の機能構成について説明した。次に,図6に基づいて,情報処理装置102が遠隔操作装置104の操作に応じて視力を測定する場合の,情報処理装置102が行う処理の流れについて説明する。
【0069】
まず,情報処理装置102は,画像表示部134に画像を表示する(S102)。ステップS102において表示される画像は,テレビの映像等ユーザが視聴する画像でもよいし,視力測定用の視力検査画像であってもよい。情報処理装置102は,視力測定の開始通知を受信したか否かを判定する(S104)。ステップS102において,視力検査画像以外の画像が表示されている場合には,ステップS104において開始通知を受信した後に,画像を切り替えて視力検査画像を表示させるようにしてもよい。
【0070】
ステップS104において,開始通知を受信したと判定した場合には,遠隔操作装置104との距離を測定する(S106)。そして,ユーザにより入力された認識結果を受信する(S108)。ステップS108において受信した認識結果と,表示された視力検査画像とが対応しているか否かを判定する(S112)。例えば,視力検査画像である円の一部の欠けた位置と,ユーザにより押下された遠隔操作装置104に備わる十字ボタンの位置とが一致する場合には,認識結果と視力検査画像とが対応していると判定する。
【0071】
ステップS112において,受信した認識結果と表示された視力検査画像とが対応していると判定した場合には,表示されている視力検査画像の大きさとステップS106において測定した装置間距離とに対応付けられた視力測定結果を抽出する(S114)。ステップS114において抽出した視力測定結果を通知する(S116)。ステップS116における視力測定結果の通知方法としては,画像表示部134に表示するようにしてもよいし,遠隔操作装置104に送信して,遠隔操作装置104のディスプレイに表示させたり,音声で通知させたりするようにしてもよい。
【0072】
ステップS112において,認識結果と視力検査画像とが対応していないと判定された場合には,表示された視力検査画像を調整する(S110)。例えば,視力検査画像である円の一部の欠けた位置と,ユーザにより押下された遠隔操作装置104に備わる十字ボタンの位置とが一致しない場合には,認識結果と視力検査画像とが対応していないと判定する。ステップS110における視力検査画像の調整としては,視力検査画像を表示されている視力検査画像よりも大きく表示するようにする。そして,ステップS108およびステップS112の処理を繰り返す。ステップS112において,認識結果と視力検査画像とが対応している場合に,表示された視力検査画像をさらに小さくして,再度ステップS108およびステップS112の処理を繰り返し,認識可能な視力検査画像を抽出するようにしてもよい。
【0073】
以上,情報処理装置102の処理の流れについて説明した。第1実施形態にかかる視力測定システム100によれば,情報処理装置102から遠隔操作装置104までの装置間距離と表示された視力検査画像の大きさから,装置間距離と視力検査画像に対応付けられた視力測定結果を抽出する。情報処理装置102により視力測定時の遠隔操作装置104との装置間距離が測定されるため,遠隔操作装置104を操作するユーザは,情報処理装置102との距離に留意しなくとも,視力を測定することが可能となる。また,測定された装置間距離に応じて視力検査画像の大きさを調整することができるため,空間的制約のある場所においても視力を測定することが可能となる。
【0074】
(第2実施形態)
第2実施形態にかかる視力測定システム200では,遠隔操作装置204が遠隔操作装置204から情報処理装置202までの距離を測定し,測定された距離等に応じて情報処理装置102に表示された画像の大きさの変更指示や,表示された画像の大きさから視力を測定したりする。まず,図10に基づいて,情報処理装置202および遠隔操作装置204の機能構成について説明する。
【0075】
遠隔操作装置204は,例えば,指示入力部210,距離測定部212,視力測定結果抽出部214,測定距離記憶部216,視力換算情報記憶部218,視力測定記憶部220,画像情報取得部222,画像調整指示部224,比較部226,認識結果入力部228などを備える。第1実施形態とほぼ同様の機能を有するものについては,詳細な説明を省略する。
【0076】
指示入力部210は,第1実施形態の指示入力部110とほぼ同様の機能を有し,ユーザからの指示を入力し,入力された指示を距離測定部212に提供する。指示入力部210は,視力測定開始を指示する視力測定開始指示部の一例であり,第1実施形態と同様に,遠隔操作装置204にボタンを備え,ユーザによりボタンが押下された場合に,視力測定開始指示として距離測定部212に入力する。
【0077】
距離測定部212は,第1実施形態において情報処理装置102に備えられる距離測定部122とほぼ同様の機能を有し,指示入力部210からの視力測定開始指示入力に応じて,遠隔操作装置204から情報処理装置202までの距離を測定する。
【0078】
測定距離記憶部216は,第1実施形態において情報処理装置102に備えられる測定距離記憶部124とほぼ同様の機能を有し,装置間距離の測定値を,測定値が測定された時点を特定する時間情報と関連付けて記憶する。
【0079】
視力測定結果抽出部214は,第1実施形態において情報処理装置102に備えられる視力測定結果抽出部126とほぼ同様の機能を有し,距離測定部212により測定された装置間距離の測定値と,情報処理装置202に表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,視力換算情報記憶部218から抽出する機能を有する。視力換算情報記憶部218は,第1実施形態において情報処理装置102に備えられる視力換算情報記憶部128とほぼ同様の機能を有し,装置間距離と,視力測定の指標として表示される視力検査画像の大きさと,視力測定結果とが対応付けて記憶する。
【0080】
視力測定結果記憶部220は,第1実施形態において情報処理装置102に備えられる視力測定結果記憶部130とほぼ同様の機能を有し,視力測定結果抽出部214により提供された視力測定結果を記憶する機能を有する。
【0081】
画像情報取得部222は,情報処理装置202に表示された画像の画像情報を取得する機能を有する。画像情報としては,例えば,表示されている視力検査画像の大きさや,文字の大きさなどが挙げられる。画像情報取得部222は,情報処理装置202に表示された視力検査画像を取得してもよいし,視力検査画像の大きさの情報のみを取得するようにしてもよい。画像情報取得部222は,取得した画像情報を視力測定結果抽出部214および比較部226に提供する。
【0082】
比較部226は,第1実施形態において情報処理装置102に備えられる比較部136とほぼ同様の機能を有し,画像情報取得部222から提供された画像情報と,認識結果入力部228から提供された視力検査画像の認識結果とを比較する。比較部226は,ユーザにより入力された視力検査画像の認識結果と表示された画像情報とを比較した結果を画像調整指示部224に提供する。
【0083】
画像調整指示部224は,比較部226から提供された比較結果に応じて,情報処理装置202に対して,視力検査画像の大きさの調整を指示する。例えば,比較部226による比較の結果,ユーザの認識が正しいと判断された場合には,表示された視力検査画像をさらに小さくするように情報処理装置202に指示し,ユーザの認識が誤っていると判断された場合には,表示された視力検査画像を大きくするように情報処理装置202に指示する。また,画像調整指示部224は,測定された装置間距離と,視力測定結果記憶部220に記憶された視力測定結果とに応じて,表示画像の大きさの調整を指示するようにしてもよい。
【0084】
画像調整指示部224は,測定距離記憶部216に記憶された2以上の装置間距離の測定値および測定値に関連付けられた時間情報に応じて,情報処理装置202に表示された表示画像の変更を指示するようにしてもよい。図12に,遠隔操作装置204における表示画像の変更指示を説明するフローチャートを示した。まず,情報処理装置202に表示された画像情報を取得する(S220)。そして,ユーザにより遠隔操作装置204に備わるボタンが押下されたか否かを判定する(S222)。ステップS222においてボタンが押下されたと判定された場合には,情報処理装置102との装置間距離を測定し,測定した時間を記録する(S224)。ステップS224における記録は,所定時間ごと,またはユーザによりボタンが押下される都度行われる。ステップS224において記録された装置間距離の少なくとも2点の装置間距離が±50cm変化したか否かを判定する(S226)。例えば,ボタンが押下された時点と,その直前の装置間距離を比較するようにしてもよい。
【0085】
ステップS226において,装置間距離が変化していないと判定された場合に,ステップS226において比較した2点が記録された時間はn時間以上か否かを判定する。例えば,2点が記録された時間間隔がn時間以上である場合には,ボタンが押下された時点からその直前にボタンが押下された時点までにn時間以上経過したと判定される。ステップS228において,n時間以上経過したと判定された場合に,表示画像の変更を指示する(S230)。例えば,ステップS230において,情報処理装置202の表示画面に視力測定や休憩を促す表示画像を表示させるよう指示する。
【0086】
図10に戻り,情報処理装置202は,例えば,画像情報送信部230および画像表示部232などを備える。画像情報送信部230は,画像表示部232に表示された画像の大きさや種類などの画像情報を遠隔操作装置204に送信する。画像表示部232は,遠隔操作装置204からの画像調整の指示を受けて,表示する視力検査画像の大きさや文字情報の大きさなどを変更して表示する。
【0087】
以上,第2実施形態にかかる情報処理装置102および遠隔操作装置204の機能構成について説明した。次に,図11に基づいて,遠隔操作装置204が情報処理装置202に表示された視力検査画像を用いて視力を測定する場合の,遠隔操作装置204が行う処理の流れについて説明する。
【0088】
まず,遠隔操作装置204は,情報処理装置202に表示された画像を取得する(S202)。ステップS202において取得する画像は,テレビの映像等ユーザが視聴する画像または視力測定用の視力検査画像である。遠隔操作装置204は,遠隔操作装置204に備わるボタンが押下されたか否かを判定する(S204)。つまり,ボタンが押下されたことにより,ユーザにより,視力測定開始が指示されたか否かを判定する。ステップS202において,視力検査画像以外の画像が情報処理装置202に表示されている場合には,ステップS204において視力測定開始が指示された後に,情報処理装置202に対して,画像を切り替えて視力検査画像を表示させる指示を行ってもよい。
【0089】
ステップS204において,ボタンが押下されたと判定された場合には,情報処理装置202との距離を測定する(S206)。そして,ユーザにより認識結果が入力され(S208),入力された認識結果と,情報処理装置202から取得した視力検査画像とが対応しているか否かを判定する(S212)。例えば,視力検査画像である円の一部の欠けた位置と,ユーザにより押下された遠隔操作装置204に備わる十字ボタンの位置とが一致する場合には,認識結果と視力検査画像とが対応していると判定する。
【0090】
ステップS212において,入力された認識結果と表示された視力検査画像とが対応していると判定された場合には,取得した視力検査画像の大きさとステップS206において測定した装置間距離とに対応付けられた視力測定結果を抽出する(S214)。ステップS214において抽出した視力測定結果を通知する(S216)。ステップS216における視力測定結果の通知方法としては,遠隔操作装置204にディスプレイ等の表示画面を設けて,視力測定結果を表示させるようにしてもよいし,音声で通知してもよい。また,情報処理装置202の表示画面に表示させるようにしてもよい。
【0091】
ステップS212において,認識結果と視力検査画像とが対応していないと判定された場合には,情報処理装置202に表示された視力検査画像の調整を指示する(S210)。例えば,視力検査画像である円の一部の欠けた位置と,ユーザにより押下された遠隔操作装置204に備わる十字ボタンの位置とが一致しない場合には,認識結果と視力検査画像とが対応していないと判定する。ステップS210における視力検査画像の調整指示としては,視力検査画像を表示されている視力検査画像よりも大きくする指示を行う。そして,ステップS208およびステップS212の処理を繰り返す。ステップS212において,認識結果と視力検査画像とが対応している場合に,表示された視力検査画像をさらに小さくするよう指示して,再度ステップS208およびステップS212の処理を繰り返し,認識可能な視力検査画像を抽出するようにしてもよい。
【0092】
以上,遠隔操作装置204の処理の流れについて説明した。第2実施形態にかかる視力測定システム200によれば,遠隔操作装置204から情報処理装置202までの装置間距離と,情報処理装置202に表示された視力検査画像の大きさから,装置間距離と視力検査画像に対応付けられた視力測定結果を抽出する。遠隔操作装置204により視力測定時の情報処理装置202との装置間距離が測定されるため,遠隔操作装置204を操作するユーザは,情報処理装置202との距離に留意しなくとも,視力を測定することが可能となる。また,測定された装置間距離に応じて視力検査画像の大きさを調整することができるため,空間的制約のある場所においても視力を測定することが可能となる。
【0093】
また,上記2つの実施形態では,遠隔操作装置としては,リモコン等を例示して説明したが,かかる例に限定されず,例えば,図13に示したような,ユーザの片目の視野を遮蔽する遮眼具であってもよい。遠隔操作装置104が遮眼具により構成される場合には,ユーザの目の位置と情報処理装置202との距離を測定することができ,リモコン等を用いて視力を測定する場合に比べ,より正確にユーザの視力を測定することが可能となる。また,片目を遮蔽して視力を測定することができるため,右目の視力と,左目の視力とを別々に測定することが可能となる。
【0094】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる視力測定システムの概要を示す説明図である。
【図2】同実施の形態における情報処理装置と遠隔操作装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】同実施の形態における距離測定部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】同実施の形態における視力換算情報記憶部の記憶内容を示す説明図である。
【図5】同実施の形態における装置間距離と視力検査画像の大きさを説明する説明図である。
【図6】同実施の形態における情報処理装置が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】同実施の形態における装置間距離と表示画像の関係を説明する説明図である。
【図8】同実施の形態における装置間距離と文字情報の大きさを説明する説明図である。
【図9】同実施の形態における情報処理装置の表示画像の変更処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかる情報処理装置と遠隔操作装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】同実施の形態における遠隔操作装置が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】同実施の形態における遠隔操作装置が行う表示画像の変更指示処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】同実施の形態における遮眼具により構成された遠隔操作装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0096】
100,200 視力測定システム
102,202 情報処理装置
104,204 遠隔操作装置
110,210 指示入力部
112 開始通知送信部
114,228 認識結果入力部
120 開始通知受信部
122,212 距離測定部
124,216 測定距離記憶部
126,214 視力測定結果抽出部
128,218 視力換算情報記憶部
130,220 視力測定結果記憶部
134,232 画像表示部
136,226 比較部
138 画像調整部
150 センサ部
152 距離計算部
224 画像調整指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と,前記情報処理装置を遠隔操作する遠隔操作装置との距離に基づいて,前記遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定する視力測定システムであって:
前記遠隔操作装置は,
ユーザの入力に応じて,前記情報処理装置をして,視力測定を開始せしめる視力測定開始通知を送信する開始通知送信部を備え,
前記情報処理装置は,
前記装置間距離,視力測定の視標として表示される視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部と;
前記所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示部と;
前記遠隔操作装置からの前記開始通知に応じて,前記装置間距離を測定する距離測定部と;
前記遠隔操作装置を介して入力された前記視力検査画像の認識結果と,前記表示された視力検査画像とを比較する比較部と;
前記比較部の比較結果に応じて,前記画像表示部に表示された前記視力検査画像の大きさを調整する画像調整部と;
前記距離測定部により測定された装置間距離と,前記画像表示部に表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,前記視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出部と;
を備えることを特徴とする,視力測定システム。
【請求項2】
前記遠隔操作装置は,
ユーザにより,前記情報処理装置に表示された視力検査画像の認識結果が入力される認識結果入力部を備えることを特徴とする,請求項1に記載の視力測定システム。
【請求項3】
遠隔操作装置により遠隔操作され,前記遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定する情報処理装置であって:
前記情報処理装置から前記遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定部と;
前記装置間距離,視力測定の視標として表示される視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部と;
前記所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示部と;
前記遠隔操作装置を介して入力された前記視力検査画像の認識結果と,前記表示された視力検査画像とを比較する比較部と;
前記比較部の比較結果に応じて,前記画像表示部に表示された前記視力検査画像の大きさを調整する画像調整部と;
前記距離測定部により測定された装置間距離と,前記画像表示部に表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,前記視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出部と;
を備えることを特徴とする,情報処理装置。
【請求項4】
前記遠隔操作装置を介して入力された視力測定開始通知を受信する開始通知受信部;を備え,
前記距離測定部は,前記開始通知受信部が視力測定開始通知を受信した場合に前記装置間距離を測定することを特徴とする,請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記視力測定結果抽出部により抽出された視力測定結果を記憶する視力測定結果記憶部を備え,
前記画像表示部は,ユーザ所望の表示画像を表示し,
前記画像調整部は,
前記距離測定部により測定された装置間距離と,前記記憶された視力測定結果とに応じて,前記表示画像の大きさを調整することを特徴とする,請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記距離測定部により測定された前記装置間距離の測定値を,該測定値が前記距離測定部により測定された時点を特定する時間情報と関連付けて記憶する測定距離記憶部をさらに備え,
前記画像調整部は,
前記測定距離記憶部に記憶された2以上の前記測定値および該測定値に関連付けられた時間情報に応じて前記表示画像を変更することを特徴とする,請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画像調整部は,
前記測定距離記憶部に記憶された2以上の前記測定値の変化量が生じていない場合に,前記視力検査画像を前記画像表示部に表示させることを特徴とする,請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像調整部は,
前記測定距離記憶部に記憶された2以上の前記測定値の測定時間が所定時間以上であった場合に,前記視力検査画像を前記画像表示部に表示させることを特徴とする,請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記距離測定部は,
前記遠隔操作装置にパケットを送信し,前記送信したパケットに対応する返送パケットを前記遠隔操作装置から受信し,前記パケットの送信から前記返送パケットを受信するまでの所要時間に基づいて前記パケットの往復伝送時間を求めるセンサ部と;
前記往復伝送時間に基づいて前記装置間距離を算出する距離算出部と;
を含むことを特徴とする,請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項10】
遠隔操作装置により遠隔操作され,前記遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定する情報処理装置の情報処理方法において:
前記情報処理装置から前記遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定ステップと;
前記所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示ステップと;
前記遠隔操作装置を介して入力された前記視力検査画像の認識結果と,前記表示された視力検査画像とを比較する比較ステップと;
前記比較ステップにおける比較結果に応じて,前記表示された前記視力検査画像の大きさを調整する画像調整ステップと;
前記距離測定ステップにおいて測定された装置間距離と前記表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,前記装置間距離,前記視力検査画像の大きさおよび視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出ステップと;
を含むことを特徴とする,情報処理方法。
【請求項11】
遠隔操作装置により遠隔操作され,前記遠隔操作装置を操作するユーザの視力を測定する情報処理装置をして:
前記情報処理装置から前記遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定処理と;
前記所定の大きさの視力検査画像を表示する画像表示処理と;
前記遠隔操作装置を介して入力された前記視力検査画像の認識結果と,前記表示された視力検査画像とを比較する比較処理と;
前記比較処理による比較結果に応じて,前記表示された前記視力検査画像の大きさを調整する画像調整処理と;
前記距離測定処理により測定された装置間距離と前記表示された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,前記装置間距離,前記視力検査画像の大きさおよび視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出処理と;
を実行せしめることを特徴とする,コンピュータプログラム。
【請求項12】
情報処理装置を遠隔操作して,前記情報処理装置を遠隔操作するユーザの視力を測定する遠隔操作装置であって:
前記情報処理装置から前記遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定部と;
前記情報処理装置に視力測定の視標として表示された視力検査画像の画像情報を取得する画像情報取得部と;
前記装置間距離,前記視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部と;
ユーザにより,前記情報処理装置に表示された視力検査画像の認識結果が入力される認識結果入力部と;
前記認識結果入力部からの認識結果と,前記取得された視力検査画像とを比較する比較部と;
前記比較部の比較結果に応じて,前記情報処理装置に表示された視力検査画像の大きさの調整を指示する画像調整指示部と;
前記距離測定部により測定された装置間距離と,前記視力検査画像取得部により取得された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,前記視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出部と;
を備えることを特徴とする,遠隔操作装置。
【請求項13】
ユーザの入力に応じて,視力測定の開始を指示する視力測定開始指示部を備え,
前記距離測定部は,前記視力測定開始指示部からの指示を受けて前記装置間距離を測定することを特徴とする,請求項12に記載の遠隔操作装置。
【請求項14】
前記視力測定結果抽出部により抽出された視力測定結果を記憶する視力測定結果記憶部を備え,
前記画像調整指示部は,
前記距離測定部により測定された装置間距離と,前記記憶された視力測定結果とに応じて,前記情報処理装置に表示されるユーザ所望の表示画像の大きさの調整を指示することを特徴とする,請求項12に記載の遠隔操作装置。
【請求項15】
前記距離測定部により測定された前記装置間距離の測定値を,該測定値が前記距離測定部により測定された時点を特定する時間情報と関連付けて記憶する測定距離記憶部をさらに備え,
前記画像調整指示部は,
前記測定距離記憶部に記憶された2以上の前記測定値および該測定値に関連付けられた時間情報に応じて表示画像の変更を指示することを特徴とする,請求項12に記載の遠隔操作装置。
【請求項16】
前記画像調整指示部は,
前記測定距離記憶部に記憶された2以上の前記測定値の変化量が生じていない場合に,前記視力検査画像の表示を指示することを特徴とする,請求項15に記載の遠隔操作装置。
【請求項17】
前記画像調整指示部は,
前記測定距離記憶部に記憶された2以上の前記測定値の測定時間が所定時間以上であった場合に,前記視力検査画像の表示を指示することを特徴とする,請求項15に記載の遠隔操作装置。
【請求項18】
前記遠隔操作装置は,ユーザが手に持って片眼の視野を遮蔽する遮眼具であることを特徴とする,請求項12に記載の遠隔操作装置。
【請求項19】
情報処理装置を遠隔操作して,前記情報処理装置を遠隔操作するユーザの視力を測定する遠隔操作装置の遠隔操作方法において:
前記情報処理装置から前記遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定ステップと;
前記情報処理装置に視力測定の視標として表示された視力検査画像の画像情報を取得する画像情報取得ステップと;
ユーザにより,前記情報処理装置に表示された視力検査画像の認識結果が入力される認識結果入力ステップと;
前記認識結果入力ステップにおいて入力された認識結果と,前記取得された視力検査画像とを比較する比較ステップと;
前記比較ステップにおける比較結果に応じて,前記情報処理装置に表示された視力検査画像の大きさの調整を指示する画像調整指示ステップと;
前記距離測定ステップにおいて測定された装置間距離と前記視力検査画像取得ステップにおいて取得された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,前記装置間距離,前記視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出ステップと;
を含むことを特徴とする,遠隔操作方法。
【請求項20】
情報処理装置を遠隔操作して,前記情報処理装置を遠隔操作するユーザの視力を測定する遠隔操作装置をして:
前記情報処理装置から前記遠隔操作装置までの距離である装置間距離を測定する距離測定処理と;
前記情報処理装置に視力測定の視標として表示された視力検査画像の画像情報を取得する画像情報取得処理と;
ユーザにより,前記情報処理装置に表示された視力検査画像の認識結果が入力される認識結果入力処理と;
前記認識結果入力処理による認識結果と,前記取得された視力検査画像とを比較する比較処理と;
前記比較処理による比較結果に応じて,前記情報処理装置に表示された視力検査画像の大きさの調整を指示する画像調整指示処理と;
前記距離測定処理により測定された装置間距離と前記視力検査画像取得処理により取得された視力検査画像の大きさとに対応する視力測定結果を,前記装置間距離,前記視力検査画像の大きさ,および視力測定結果の対応関係を示した視力換算情報記憶部から抽出する視力測定結果抽出処理と;
を実行せしめることを特徴とする,コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−105097(P2007−105097A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−296337(P2005−296337)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】