説明

視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具

【課題】 視覚障害者がお薬を服用、使用する際に、服用時点や使用方法を識別するために、薬袋や分包紙に指先で識別できる識別部を設けるための、医薬品分包紙のシール部、薬袋の開口部の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具を提供する。
【解決手段】医薬品の分包紙のシール部分の奥行き内の大きさで、任意の大小、高低の凸部、直線部、凹部を組み合わせ、各食後、各食直後、各食前、食事中、各食間、起床時、寝る前等に規則性を持たせた刃形の刃を夫々のハサミに設け、このハサミによる裁断部が、一包化した分包紙のシール部の奥行き内で、尚且つ、左右対称になるように、裁断する際に分包紙の位置を固定できる裁断時分包紙位置固定ガイドを設けたことを特徴とする視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者がお薬を服用、使用する際に、服用時点や使用方法を識別するために薬袋や分包紙に、指先で識別できる識別部を設けるための、医薬品分包紙のシール部、薬袋の開口部の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、視覚障害者が医薬品を服用、使用する際、医薬品の誤服用による過誤が起きないよう、家族や看護・介護に当たる人間が、その服用、使用時点毎に服用、使用すべき医薬品を直接渡していた。
また、場合によっては、服用時点毎の医薬品を一包化し、その分包紙に本人が識別できるように点字シールを一包化した分包紙の袋毎に貼っていた。
また、服用時点毎の医薬品を一包化し、その分包紙に本人が識別できるようにホチキスの針で、服用時点毎の表示方法を決め一包化した分包紙の袋毎に針で表示していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、次のような問題点があった。
(イ)直接、その都度服用する医薬品を手渡しするためには、看護・介護者が一日何回も その場に行かなければならず、在宅で家族が付き切りでいられない場合は時間的にも かなり無理があった。
(ロ)点字シールを用いる場合は、まず、視覚障害が若いときに生じたのであれば、その 患者が点字を覚えることも可能であるが、高齢になってから視覚障害になった場合は 、点字そのものを覚えることが難しく、医薬品の服用時点、使用方法の識別方法とし ては視覚障害者によっては無理があった。
(ハ)ホチキスの針による表示は、シールを貼る場合と違い、一つの分包紙の袋に、決め た表示方法の通り何回も針を打たなければならず、表示の形も打つ人によって少しず つ違ってしまう。また、かなり手間のかかる作業でもあった。
また、服用時にホチキスの針が外れてしまい、服用する医薬品に紛れ込み、医薬品と 一緒にホチキスの針を飲み込んでしまう危険性もあった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
任意の大小、高低の凸部、直線部、凹部を組み合わせた刃形の刃をハサミや押し切り式裁断具に設け、医薬品分包紙のシール部や薬袋の開口部を裁断し、視覚障害者用が指先で識別できる服用時点・使用方法識別部を設ける。そして、それらの任意の大小、高低の凸部、直線部、凹部を組み合わせた刃形の刃に規則性を持たせ、それらの裁断具を組み合わせることによって、朝食後、昼食後、夕食後、寝る前服用などの服用時点、使用方法を指先で識別する。
以上を特徴とする、視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、一包化の分包紙や薬袋に、点字シールやホチキスの針のように、何かを付加することなく、裁断によって識別表示部を設けることができ、視覚障害者が医薬品を服用・使用する際に、一包化された分包紙や薬袋の服用時点や使用方法の識別部を指で確認することにより、自ら服用時点、使用方法が識別でき、他の人の手を煩わすこともなく、間違いなく服用、使用が可能になる。
また、分包紙のシール部はヒートによるシールであるため、やや厚く、硬くなるために裁断した場合に形状が指先で明確に識別できる利点がある。
本発明の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具による裁断という手段により、安く効率的に視覚障害者用服用時点・使用方法識別部を設けることが可能になる。また、付加したものが外れ、医薬品と一緒に服用してしまうという危険性も回避できる。
また、識別部を凡そ左右対称に設けることができるようにすることによって、一包化した分包紙が裏か表か識別できない視覚障害者にとって、どちらの面を向いていても同じように指先で識別が可能となる。
また、単純な識別部となるので、高齢になってから視覚障害が生じた視覚障害者にも識別が可能となる。
これらにより、医薬品服用時、使用時に他の人の手を煩わす必要がなくなり、そのための看護・介護者の手間がなくなるため、医療保険財政にも寄与し、その浮いた医療資本を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
医薬品の分包紙のシール部分の奥行き内の大きさで、任意の大小、高低の凸部、直線 部、凹部を組み合わせ、各食後(8)(9)(10)、各食直後(13)(14)(1 5)、各食前(16)(17)(18)、食事中(12)、各食間(19)(20)( 21)、寝る前(11)等に規則性を持たせた刃形の刃(1)を夫々のハサミに設ける 。
このハサミによる裁断部が、一包化した分包紙のシール部(5)の奥行き内で、尚且 つ、左右対称になるように、裁断する際に分包紙の位置を固定できる裁断時分包紙位置 固定ガイド(2)を設ける。
本発明は以上のような構成である。
これを使用するときは、医薬品を一包化した分包紙を、決められた服用時点用の本発 明の裁断具の裁断時分包紙位置固定ガイド(2)にて位置を固定し、その分包紙のヒー ト部分を裁断し、視覚障害者用服用時点・使用方法識別部(4)(7)を作成する。
患者は服用する際、過誤が起きないように、この視覚障害者用服用時点・使用方法識 別部(4)(7)を指先で服用時点・使用方法を識別、確認し当該医薬品を服用、使用 する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の斜視図である。
【図2】 本発明の裁断部の拡大斜視図である。
【図3】 朝食後服用に一包化した分包紙を本発明により裁断した正面例図である。
【図4】 昼食後服用に一包化した分包紙を本発明により裁断した正面例図である。
【図5】 本発明により裁断した、一包化した分包紙の各種識別部の正面例図である。
【符号の説明】
【0008】
1 刃
2 裁断時分包紙位置固定用ガイド
3 識別部を設けた一包化した分包紙
4 シール部を裁断した朝食後服用の識別部
5 分包紙シール部
6 医薬品
7 シール部を裁断した昼食後服用の識別部
8 医薬品を一包化した分包紙の朝食後服用の識別部
9 医薬品を一包化した分包紙の昼食後服用の識別部
10 医薬品を一包化した分包紙の夕食後服用の識別部
11 医薬品を一包化した分包紙の寝る前服用の識別部
12 医薬品を一包化した分包紙の食事中服用の識別部
13 医薬品を一包化した分包紙の朝食直後服用の識別部
14 医薬品を一包化した分包紙の昼食直後服用の識別部
15 医薬品を一包化した分包紙の夕直直後服用の識別部
16 医薬品を一包化した分包紙の朝食前服用の識別部
17 医薬品を一包化した分包紙の昼食前服用の識別部
18 医薬品を一包化した分包紙の夕食前服用の識別部
19 医薬品を一包化した分包紙の朝食と昼食の食間服用の識別部
20 医薬品を一包化した分包紙の昼食と夕食の食間服用の識別部
21 医薬品を一包化した分包紙の夕食後2時間後服用の識別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の大小、高低の凸部、直線部、凹部を組み合わせた刃形の刃を設け、医薬品分包紙のシール部や薬袋の開口部を裁断し、指先で識別できる識別部を設けることを特徴とする、視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具。
【請求項2】
医薬品の分包紙のシール部分の大きさ内での任意の大小、高低の凸部、直線部、凹部を組み合わせた刃形の刃を設けたことを特徴とする請求項1の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具。
【請求項3】
医薬品の分包紙のシール部分の奥行き内での大きさで、識別部が左右対称となるように、任意の大小、高低の凸部、直線部、凹部を組み合わせた刃形の刃を設けたことを特徴とする請求項1の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具。
【請求項4】
ハサミの形状としたことを特徴とする請求項1の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具。
【請求項5】
押し切り式裁断機状にしたことを特徴とする請求項1の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具。
【請求項6】
熱線を裁断の刃にしたことを特徴とする請求項1の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具。
【請求項7】
シール部を裁断するために、医薬品分包紙を任意の左右、奥行きに固定するガイドを設けたことを特徴とする請求項1の視覚障害者用服用時点・使用方法識別部作成裁断具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−172323(P2009−172323A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36675(P2008−36675)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(594163420)
【Fターム(参考)】