説明

親水性の有益剤を付着させるパーソナルケア組成物

親水性液体、前記親水性液体のための構造化剤、界面活性物質、脂質、及び水相を含むパーソナルケア組成物であって、前記脂質、前記親水性液体、前記構造化剤、及び前記界面活性物質は脂質相を形成し、前記親水性液体、前記構造化剤、及び前記界面活性物質は前記脂質相中で前記脂質と結合しているパーソナルケア組成物。これらの組成物は、適用中及び/又は適用後に、改善された皮膚及び/又は毛髪の保湿、外観、審美性、並びに皮膚及び/又は毛髪のコンディショニングを提供し、そして皮膚及び/又は毛髪の所望の領域に改善された付着を提供するのに有用である。本発明は、パーソナルケア組成物を用いる方法を更に対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角質表面の保湿、外観、及び感触を改善するためのパーソナルケア組成物の分野に関する。より具体的には、本発明は、親水性の有益剤を角質表面に付着させ、及び優れた皮膚及び/又は毛髪の保湿、コンディショニング、色調、及び輝きを提供する、洗い流せるパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア組成物は周知であり広く用いられている。これらの組成物は、皮膚及び/又は毛髪を洗浄し潤いを与え、活性物質を送達し、欠点を隠し、及び皮脂に関連した油っぽさ/てかりを低減するために長い間採用されてきた。先行技術の組成物及び開示は、パーソナルケア組成物の技術分野における有用な進歩を提供するものの、皮膚及び/又は毛髪の保湿、外観及び感触における即時の及び長期に渡る改善を送達し、身体のすべての部分に有効に付着する改善されたパーソナルケア組成物への要求がなお存在する。組成物はまた、脂っぽくなく適用しやすいことが必要である。
【0003】
有益剤を付着させるための一般に使用される幾つかの方法には、皮膚及び/又は毛髪上に親水性物質を付着させるために疎水性の脂質キャリア中に分散される疎水性シェル中に親水性物質を封入することが包含される。しかしながら、付着された親水性物質は、皮膚及び/又は毛髪に利益を提供するように皮膚及び/又は毛髪に容易に放出されることができない。水−油−水エマルションの使用は、親水性物質を付着させる可能性のある別の方法である。しかしながら、これらのタイプの製品の不安定性の結果として、親水性物質が外側の水相へとゆっくりと漏出し、及びしたがって付着効率の低さにつながることになる。有益剤を付着させるためのさらなる方法としては、親水性物質を親水性の多孔質粒子中に吸収させてリーブオン適用のためにその親水性物質をゆっくりと放出できるようにすることが挙げられる。しかしながら、親水性粒子はそれ自体だけではリンスオフ適用から皮膚及び/又は毛髪に効果的に付着されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
効果的な濃度の親水性の皮膚及び/又は毛髪有益物質を提供することが望ましい。しかしながら、グリセリン、ジヒドロキシアセトン(DHA)、及びその他のような親水性の有益剤のリンスオフ適用からの付着は、低い付着効率に起因して消費者に全く利益をもたらさない、大きな課題であった。したがって、有益剤をより効果的に付着させるリンスオフ製品がなおも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、親水性液体、前記親水性液体のための構造化剤、界面活性物質、脂質、及び水相を含むパーソナルケア組成物に関し、ここで、前記脂質、前記親水性液体、前記構造化剤、及び前記界面活性物質は脂質相を形成し、前記脂質、前記親水性液体、前記構造化剤、前記界面活性物質は、脂質相中で前記脂質と結合している。本発明の一実施形態は、親水性液体、前記親水性液体のための構造化剤、界面活性物質、脂質、及び水相を含むパーソナルケア組成物に関し、ここで、前記構造化剤は流体吸収性粒子、無機粒子状増粘剤、及び水溶性若しくは水膨潤性ポリマーから成る群から選択され、及び前記界面活性物質は会合構造形成物質、ジアルキル四級化物(dialkylquates)、エステル油、シリコーン油、液体脂肪族アルコール、及び脂肪酸、及び超微粒子から成る群から選択される。本発明の他の実施形態は、親水性液体、前記親水性液体のための構造化剤、界面活性物質、脂質、及び水相を含むパーソナルケア組成物に関し、ここで、前記構造化剤及び前記界面活性物質は両方とも会合構造形成物質である。これらの組成物は、適用中及び/又は適用後に、改善された皮膚及び/又は毛髪の保湿、外観、審美性、並びに皮膚及び/又は毛髪の感触を提供し、そして皮膚及び/又は毛髪の所望の領域に活性剤の改善された付着を提供するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
指示がない限り、本明細書で使用するすべての百分率及び割合は、全組成物の重量によるものであり、測定はすべて25℃で実施する。
【0007】
本発明の組成物は、本明細書に記載された必須の並びに任意の成分及び構成成分を含むことができ、それらから本質的に成ることができ、又はそれらから成ることができる。本明細書で使用するとき、「実質的に成る」とは、組成物又は構成成分が追加成分を含有してもよいが、追加成分が特許請求した組成物又は方法の基本的及び新規な特徴を著しく変更しない場合に限られることを意味する。その他の一般的なパーソナルケア物質を、本発明の物質を変更せずに組み込めることは、当業者に明らかである必要がある。
【0008】
用語「皮膚科学的に許容可能な」とは、本明細書で使用するとき、そのように記載されている組成物又はそれらの構成成分が、過度な毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴うことなく、ヒトの皮膚と接触させて使用するのに好適であることを意味している。
【0009】
用語「洗い流せる組成物」とは、本明細書で使用するとき、水などの液体で洗い流されるように設計された組成物を意味する。組成物が洗い流された後、親水性の有益剤が皮膚及び/又は毛髪に付着される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「安全且つ有効な量」とは、本明細書で開示する利益を独立に包含する、肯定的利益、好ましくは肯定的な皮膚及び/又は毛髪の保湿、外観若しくは感触の利益を顕著に生じさせるのに十分であるが、重篤な副作用を避けるのに十分少ない化合物、構成成分、又は組成物の量、即ち、健全な医学的判断の範囲内での妥当な利益対危険比を提供する量を意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「局所適用」という用語は、本発明の組成物を皮膚表面に適用すること又は塗り広げることを意味する。
【0012】
用語「親水性液体」とは、本明細書で使用するとき、液体物質が水に対して強い親和性を有していることを意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「皮膚暗色化」という用語は、人工的な手段、好ましくは化学的手段を用いて皮膚に色を付与することを意味する。この用語は、太陽照射へ持続的に曝すことにより生ずる日焼け色に類似する人工的な日焼け色を生じる組成物を包含し、また、人工的な日焼け色とは容易に認識されず、むしろ皮膚をより健康的に見せる皮膚上における微妙な色合いを生じさせるようなわずかな着色を皮膚へ付与するものも包含する。
【0014】
用語「親水性液体のための構造化剤」とは、本明細書で使用するとき、液体と組み合わされてその液体よりも高い粘性を有する、又は固体若しくは半固体の形態の、錯体を形成する物質を意味する。
【0015】
用語「界面活性物質」とは、本明細書で使用するとき、構造化された親水性液体と脂質の共通の境界(common boundary)を形成する物質である。
【0016】
用語「会合構造」とは、本明細書で使用するとき、周囲温度で界面活性剤又は界面活性剤の混合物と極性溶媒又は極性溶媒の混合物との混合物によって形成されるミセル、逆ミセル、リオトロピック液晶構造体、及びα−結晶性(crystaline)ゲル構造体を意味する。
【0017】
用語「液晶(liquid crystals)」又は液晶性(liquid crystalline)」は、本明細書で使用するとき、固体状態と液体状態の中間の状態を意味する。それはしばしば中間状態(mesomorphic state)と呼ばれる。文献では、液晶構造体はまた、異方性流体とも呼ばれ、又は立方相の場合には、等方性流体、物質の第四状態、液晶、凝集体、又は中間相とも呼ばれる。これらの用語は交換可能に使用される。液晶構造又は凝集体は一般に、参考文献、リオトロピック液晶(Lyotropic Liquid Crystals)スティーグ フライバーグ(Stig Friberg)(編集)、米国化学会(American Chemical Society)、ワシントン、D.C.、1976年、13〜27頁に開示されている。
【0018】
用語「α−結晶性ゲル」は、本明細書で使用するとき、極性基間に親水性液体の層を有する界面活性剤の結晶状態を意味する。ゲルの構造は、それがラメラ相である場合にはラメラ型を有する。その違いは、α−結晶様式の充てんでは炭化水素鎖が固体状態であり、及び互いに平行に配向されているということである。
【0019】
「に結合された(connected to)」との用語は、本明細書で使用するとき、物質又は相が、別の物質又は相の、表面上、ドメイン内、又は表面上とドメイン内の両方にあることを意味している。
【0020】
本明細書で有用な活性物質及び他の成分は、美容上及び/若しくは治療上の効果によって、又はそれらの前提とされる作用様式によって分類され又は本明細書に記載されてもよい。しかしながら、本明細書で有用な活性物質及び他の成分は、場合によっては美容上及び/若しくは治療上の1を超える効果を提供できること、又は1を超える作用様式を介して機能できることを理解すべきである。それゆえ、本明細書での分類は便宜上のことであって、成分を特定の適用又は列記された適用に限定しようとするものではない。
【0021】
A.親水性液体
親水性液体は水に対して強い親和性を有する液体である。親水性液体には、そのままの液体物質、液体物質と親水性液体に溶解された固体物質との混合物が包含される。親水性液体及び固体は、25℃で100gの水中への溶解度が少なくとも1gである。このパーソナルケア組成物は好ましくは、組成物の約90重量%を超えない、より好ましくは約70重量%を超えない、より好ましくは約50重量%を超えない親水性液体を含む。このパーソナルケア組成物は好ましくは、組成物の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.2重量%、更により好ましくは少なくとも約0.5重量%の親水性液体を含む。有用な皮膚適合性の親水性液体としては、水、保湿剤、糖アミン類、ビタミンB群、ビタミンC群、天然抽出物、蛋白質分解酵素抑制剤、α−ヒドロキシアルデヒド類及びケトン類、ペプチド類、水溶性又は膨潤性ポリマー類、及びこれらの混合物を包含するがこれらに限定されない親水性物質を挙げてよい。これらの物質によって提供される皮膚利益としては、保湿、柔軟性、感触、輝き、落屑、障壁改善、皺回復、黄色化/黄ばみ防止、刺激防止、鎮静、暗色化、美白、むだ毛減少(hair growth reduction)、ヘアスタイリング及びヘアコンディショニングが挙げられる。
【0022】
固体の親水性物質を溶解するための好適な皮膚適合性溶媒としては、水、アルコール類(例えばエタノール、グリセリン)、ポリオール類(例えばポリエチレングリコール)、親水性油類及び/又はそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0023】
1.保湿剤
本発明の組成物は、保湿剤を含有してもよい。本明細書の保湿剤は、水、多価アルコール類、アミノ酸類、ピロリドンカルボン酸及び塩、ヒドロキシル酸類、尿素、尿素誘導体、及び水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー類、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0024】
本明細書において有用な多価アルコールには、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0025】
本明細書に有用なヒドロキシル酸類としては、乳酸及びグリコール酸、サリチル酸及びそれらの塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
本明細書において有用な水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマーには、約1000までの分子量を有するポリエチレングリコール類及びポリプロピレングリコール類、例えば、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000を有するもの、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
2.電解質
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の電解質を包含してよい。非限定例としては、ナトリウム塩類、カリウム塩類、カルシウム塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
3.糖アミン
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の、アミノ糖としても知られる糖アミンを包含してもよい。本明細書で使用するとき、「糖アミン」とは、6炭素糖のアミン誘導体のことをいう。本明細書において有用な糖アミン類の例としてはグルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、及びN−アセチルガラクトサミンが挙げられる。
【0029】
4.ビタミンB群
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のビタミンB群からの化合物を含有してもよい。一実施形態では、本発明の組成物はビタミンB3化合物を含有することができる。ビタミンB3化合物は、米国特許第5,939,082号に記載されるように、皮膚状態を調整するのに特に有用である。本明細書で使用するとき、「ビタミンB3化合物」は、次式を有する化合物:
【0030】
【化1】

(式中、Rは、−CONH2(即ち、ナイアシンアミド)、−COOH(即ち、ニコチン酸)、又は−CH2OH(即ち、ニコチニルアルコール));これらの塩類、誘導体、及び混合物を意味する。
【0031】
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のパンテノール、デクスパンテノール、エチルパンテノール、及びこれらの混合物を包含するパンテノン酸誘導体を包含してもよい。これらのビタミンB5化合物は皮膚鎮静、保湿、及び刺激防止効果を提供する。
【0032】
本発明の局所適用組成物は、ピリドキシン、ピリドキシンのエステル類(例えば、ピリドキシントリパルミテート)、ピリドキシンのアミン類(例えば、ピリドキサミン)、ピリドキシンの塩類(例えば、ピリドキシンHCl)、並びにピリドキサミン、ピリドキサル、ピリドキサルホスフェート、ピリドキシン酸、及びこれらの混合物が挙げられる、それらの誘導体からなる群から選択される、1つ以上の安全且つ有効な量のビタミンB6化合物を含んでいてよい。ビタミンB6は、起源が合成又は天然であることができ、純粋な化合物又は化合物の混合物(例えば、天然供給源からの抽出物又は合成物質の混合物)として用いることができる。ビタミンB6は、一般に多くの食料品、特に酵母、肝臓及び穀物中に見出される。本明細書で使用するとき、用語「ビタミンB6」はこのようなものの異性体及び互変異性体を包含する。ビタミンB6はシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)から市販されている。
【0033】
5.ビタミンC群
本発明の組成物は、安全且つ有効量のビタミンC群からの化合物を包含してよい。具体的には、この組成物としては、アスコルビン酸及びその塩類、及びアスコルビン酸誘導体(例えば、マグネシウムアスコルビルホスフェート、ナトリウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルソルベート、アスコルビルグルコシド、及びこれらの混合物)を挙げてよい。これらの酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーは、角質層における鱗屑、又は質感の変化を増大させる可能性のある紫外線に対する保護、及び皮膚の損傷の原因となる可能性のある他の環境要因に対する保護を与えるために特に有用である。
【0034】
6.天然抽出物
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の天然の生成物からの抽出物を包含してもよい。非限定例としては、クワ抽出物、胎盤抽出物、大豆抽出物、緑茶抽出物、及びカモミール抽出物が挙げられる。これらの抽出物は、抗炎症、美白、育毛整復むだ毛減少(hair growth reduction)、及び抗刺激などの広範な皮膚利益を提供する。
【0035】
7.ペプチド
本発明の組成物は、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−ペプチド並びにそれらの誘導体及び混合物が挙げられるがこれらに限定されない、安全且つ有効な量のペプチドを含有してもよい。本明細書で使用するとき、「ペプチド」は、10以下のアミノ酸を含有するペプチド類、並びにそれらの誘導体、異性体、及び金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウムなど)のような他の種との錯体を指す。本明細書で使用するとき、ペプチドは、天然に生ずるペプチド類及び合成ペプチド類の両方を指す。本明細書でやはり有用なのは、ペプチド類を含有する、天然に存在する組成物及び市販の組成物である。
【0036】
8.α−ヒドロキシアルデヒド及びケトン
本発明の組成物はα−ヒドロキシアルデヒド類及びケトン類を包含してもよい。例としては、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド類、2,3−ジヒドロキシ−スクシンジアルデヒド、2,3−ジメトキシスクシンジアルデヒド、エリトルロース、エリトロース、2−アミノ−3−ヒドロキシ−スクシンジアルデヒド、及び3−ベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−スクシンジアルデヒドが挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物は皮膚に適用される場合、サンレスタンニング効果(sun-less tanning benefit)を有する。本明細書で使用するとき、用語「サンレスタンニング(sun-less tanning)」とは、人工的手段、好ましくは化学的手段を用いた皮膚に対する暗色化(color dakening)として定義される。この用語は、太陽照射へ持続的に曝すことにより生ずる日焼け色に類似する人工的な日焼け色を生じる組成物を包含し、また、人工的な日焼け色とは容易に認識されず、むしろ皮膚をより健康的に見せる皮膚上における微妙な色合いを生じさせるようなわずかな着色を皮膚へ付与するものも包含する。
【0037】
9.ヘキサミジン
本発明の局所適用組成物はまた、安全且つ有効な量の1つ以上のヘキサミジン類及びそれらの塩類を含んでいてよい。好ましくは、ヘキサミジンは、ヘキサミジンイセチオネートである。本明細書で使用するとき、「ヘキサミジン」はこのようなもののあらゆる異性体及び互変異性体を包含する。ヘキサミジンは、ヘキサミジンジイセチオネートとしてラボラトワール・セロバイオロジーク(Laboratoires Serobiologiques)から商標名エラスタブ(Elastab)(登録商標)HP100で市販されている。
【0038】
10.デヒドロ酢酸
本発明の組成物は、デヒドロ酢酸若しくはその塩類、誘導体、又はそれらの互変異性体を含んでいてよい。これらの化合物は、(i)毛包脂腺による皮脂合成を低減すること、(ii)皮膚の油っぽい及び/又はてかった外観を調整すること、及び(iii)哺乳類の皮膚及び頭皮におけるにきび及び他の関連の皮膚疾患を処置することにおいて有用である。皮膚科学的に許容可能な塩類としては、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属塩類;カルシウム及びマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩類;非毒性の重金属塩類;アンモニウム塩類;及びトリメチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウムなどのトリアルキルアンモニウム塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。デヒドロ酢酸のナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩類が好ましい。デヒドロ酢酸の誘導体としては、CH3基が個別に又は組み合わせてアミド類、エステル類、アミノ基類、アルキル類、及びアルコールエステル類によって置換されているあらゆる化合物が挙げられるがこれらに限定されない。デヒドロ酢酸の互変異性体類は、互いにきわめて容易に変化でき、そのため通常は平衡状態で存在するデヒドロ酢酸の異性体類である。したがって、デヒドロ酢酸の互変異性体は化学式C884を有するものとして記載できる。
【0039】
11.水溶性又は水膨潤性ポリマー
本発明で有用なポリマーは、パーソナルケア製品で使用するため及びヒトの皮膚及び毛髪に適用するために好適なあらゆる水溶性又は水膨潤性ポリマーである。このポリマーは、ホモポリマー類、コポリマー類、又はポリマー類若しくはコポリマー類の混合物であってよい。ポリマーは天然、合成、又は半合成であることができる。ポリマーは直鎖であるか又は架橋されていることができる。イオン性及び非イオン性基のどちらかを含有するポリマーが企図されている。イオン性ポリマーとしては、カチオン性、アニオン性、双性イオン性、及び両性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーは、不飽和基を含有する種々のモノマー類から、又はポリマー主鎖中にポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアミド類、及びポリ尿素類を包含する種々の連結基をもたらす合成機構によって、合成することができる。
【0040】
有用な市販の合成ポリマーの例を以下に挙げる。記載される名前は米国化粧品工業会((the Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)(CTFA)により開発された命名法による。CTFA名が利用可能でない稀な場合には、化学名を記載する。非限定例として次のものが挙げられる:ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノ−エチルメタクリレートコポリマー(商標名:ガフィック(Gaffic)、H2OLD(H2OLD)、ISP社(ISP Corp.))、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルプロピオネートコポリマー(商標名:ルビセット(Luviset)、バスフ(BASF))、ビニルアセテート/クロトネートコポリマー(商標名:レジン(Resyn)、ナショナルスターチ社(National Starch Corp.))、ビニルアセテート/ブチルマレアート/イソボルニルアクリレートコポリマー(商標名:アドバンテージ(Advantage)CPV、ISP)、チレン(tyrene)/ビニルピロリドンコポリマー(商標名:ポレクトロン(Polectron)、ISP);ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー類(ISP、バスフ(BASF));ポリビニルピロリドン/ポリウレタンインターポリマー(ペコゲル(Pecogel)、フェニックス(Phoenix));オクチルアクリルアミド/アクリレート類/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(アンホマー(Amphomer)、ナショナルスターチ(National Starch));四級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ポリクアテルニウム−11、ISP)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネートコポリマー(ルビスコール(Luviskol)、バスフ(BASF))。加えて、ポリマー及び増粘剤の百科事典(the Encyclopedia of Polymers and Thickeners)、化粧品及びトイレタリー(Cosmetic and Toiletries)、95頁、第108巻、1993年5月、に列挙されている他の市販のポリマーは、本発明に包含されることができる。
【0041】
天然及び変性された天然ポリマーの例には次のものがある:ヒドロキシエチルセルロースとジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー(ポリクアテルニウム−4;ナショナルスターチ(National Starch))、ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル(Natrosol);アクアロン(Aqualon))、キサンタンガム(カルゴン(Calgon))、及びポリマー及び増粘剤の百科事典(the Encyclopedia of Polymers and Thickeners)、化粧品及びトイレタリー(Cosmetic and Toiletries)、95頁、第108巻、1993年5月に列挙されている他のポリマーが、本発明に包含されることができる。
【0042】
本発明で有用であるとされているポリマーには、米国特許第5,565,193号、及び5,622,694号に列挙されているシリコーングラフトコポリマー類があり;疎水性グラフトコポリマー類は米国特許第5,622,694号に列挙されており;シリコーンブロックコポリマー類は米国特許第6,074,628号に列挙されている。
【0043】
本発明の水溶性又は水膨潤性ポリマーとしてはまた、カルボン酸/カルボキシレートコポリマー類が挙げられる。本明細書のカルボン酸/カルボキシレートコポリマーは、カルボン酸とアルキルカルボキシレートとの架橋コポリマー類を包含することができ、両親媒特性を有することができる。本明細書において有用な市販のカルボン酸/カルボキシレートコポリマーには、商品名ペムレン(Pemulene)TR−1、ペムレンTR−2、カーボポール(Carbopol)1342、カーボポール1382、及びカーボポールETD2020を有するCTFA名アクリレート類/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーが包含され、これらは全てB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)から入手可能である。
【0044】
12.着色剤
本発明の組成物は、着色剤を包含してよい。一般に、着色剤は、パーソナルケア製品に色を提供する物質である。着色剤の目的は、皮膚又は毛髪にユーザーが求める望ましい色調又は色を送達すること、並びに、色合いの欠点を被覆する又は隠すことにより皮膚の色合いを均一にすることである。このような着色剤は、本明細書に記載される必須構成成分と物理的及び化学的に適合すべきであるか、又はそうでなければ製品の安定性、審美性若しくは性能を過度に損なうべきでない。本明細書で有用な着色剤としては、水溶性染料が挙げられる。当業者に特定される水溶性染料は、水溶液中で実質的に可溶性である染料である。水溶性酸性染料の非限定例としては、D&C赤色33号、FD&C黄色5号、D&C緑色5号、D&C黄色8号、及びD&C黄色10号が挙げられる。
【0045】
本発明の組成物としては、酸化剤(例えば、ペルオキシド類)、及び/又は酸化染料前駆体(存在する場合、顕色剤及び/又は発色剤を包含)を挙げてよい。
【0046】
B.親水性液体のための構造化剤
本発明の組成物は親水性液体のための構造化剤を含有してよい。液体と混合される構造化剤は、液体よりも高い粘度を有する、又は固体若しくは半固体の形態の、錯体を形成する。親水性液体と構造化剤との組み合わせは、25℃で少なくとも約3E−3m2/s(3000cSt)、好ましくは少なくとも約5E−3m2/s(5000cSt)の好ましい粘度を有する物質を形成する。本明細書の構造化剤は、親水性液体を不動化するために使用される。有用な構造化剤としては、会合構造形成物質、流体吸収性粒子、無機粒子状増粘剤、及び水溶性又は水膨潤性ポリマーが挙げられる。好ましくは、構造化剤と親水性液体との比は、約1:1000〜約100:1、より好ましくは約1:200〜約80:1、なおより好ましくは約1:100〜約50:1、及び更により好ましくは約1:20〜約20:1である。
【0047】
1.会合構造形成物質
本発明のパーソナルケア組成物は、会合構造形成物質を包含してもよい。会合構造形成物質はパーソナルケア組成物の約0.1%〜約80%を構成する。好ましくは、会合構造形成物質はパーソナルケア組成物の約0.2%〜約70%を構成する。
【0048】
本発明における会合構造形成物質の使用は、活性成分を封入する方法を提供する。活性成分は、界面活性物質(本明細書に記載)と親水性液体(本明細書に記載)とを組み合わせて会合構造体を形成し;この会合構造体を脂質相(本明細書に記載)中に分散させ;及びこの脂質相を水相(本明細書に記載)中に分散させることによって封入される。
【0049】
本発明の会合構造はミセル、逆ミセル、リオトロピック液晶、α−結晶性ゲル、及びこれらの混合物であってよい。逆ミセルはまた、球状逆ミセル、細長い逆ミセル、共連続相又はL2相として当該技術分野で公知であり;円筒形の逆ミセル又は逆連結された棒形状の液晶もまた網状組織の逆円筒、連結円筒状逆ミセル構造、又は連結円筒として当該技術分野で公知である。リオトロピック液晶としては次のものが挙げられる:1)逆六角形の液晶、これもまたヘキサゴナルII又はF相として当該技術分野で公知である;2)キュービック液晶、これもまた、粘稠な等方性及びI2相として当該技術分野で公知である;3)ラメラ液晶、これもまたLαニート相及びD相として当該技術分野で公知である;並びに4)コレステリック液晶、高分子リオトロピック液晶の異方性のサブクラス。高分子粒子の重心は位置的な秩序なしにランダムに配置されるが、配向的な秩序のみ存在する。
【0050】
好ましい会合構造は円筒状逆ミセル、逆六角形液晶、キュービック液晶、ラメラ液晶、コレステリック液晶、及びこれらの混合物である。会合構造は以下の相中にあることができる:2相の液晶、1相の液晶、逆ミセル/液晶相又は液晶/溶媒相。
【0051】
周囲温度で会合構造を形成しパーソナルケア組成物で使用するのに好適であるあらゆる界面活性剤及び/又はポリマーが、本明細書で用いるのに好適である。パーソナルケア組成物に用いるのに好適な界面活性剤は、皮膚科学的又は毒物学的問題を提示しない。アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物が使用に好適である。
【0052】
使用に好適なアニオン性界面活性剤の種類は、石鹸:スルホネート類、例えばアルカンスルホネート類(例えば、分枝状x−アルカンスルホン酸ナトリウム(式中、x(1))、パラフィンスルホネート類、アルキルベンゼンスルホネート類、a−オレフィンスルホネート類、スルホスクシネート類及びスルホスクシネートエステル類(例えば、ジオクチルナトリウム及びジナトリウムラウレススルホスクシネート)、オイセチオネート類、アシルイセチオネート類(例えば、2−ラウロイルオキシエタンスルホン酸ナトリウム)、及び脂肪酸類のスルファルキルアミド類(sulfalkylamides)、特にN−アシルメチルタウリド類;サルフェート類、例えばアルキルサルフェート類、エトキシル化アルキルサルフェート類、サルフェート化モノグリセリド類、サルフェート化モノグリセリド類、サルフェート化アルカノールアミド類、及びサルフェート化油類及び脂肪類;カルボキシレート類、例えば、C12よりも大きな炭素鎖長を有するアルキルカルボキシレート、アシルサルコシネート類、サルコシネート類(例えば、ラウリルサルコシン酸ナトリウム)、エトキシル化カルボン酸ナトリウム塩類、カルボン酸類及び塩類(例えば、オレイン酸カリウム及びラウリン酸カリウム)、エーテルカルボン酸類;エトキシル化カルボン酸類及び塩類(例えば、ナトリウムカルボキシメチルアルキルエトキシレート;リン酸エステル類及び塩類(例えば、レシチン);アシルグルタメート類(例えば、n−ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム)、及びこれらの混合物である。使用するのに最も安全なアルキルサルフェート類は一般にC12よりも大きな炭化水素鎖長を有していることに留意すべきである。
【0053】
使用に好適な非イオン性界面活性剤の種類は、ポリオキシエチレン類、例えば、エトキシル化脂肪族アルコール類、エトキシル化アルコール類(例えば、オクタオキシエテレン(octaoxyethelene)グリコールモノヘキサデシルエーテル、C168及びC128)、エトキシル化脂肪酸類、エトキシル化脂肪族アミン類、エトキシル化脂肪酸アミド類、エトキシル化アルカノールアミド類、エトキシル化アルキルフェノール、及びエトキシル化ステロール類;リン酸のトリエステル類(例えば、ジオレイルリン酸ナトリウム);アルキルアミドジエチルアミン類;アルキルアミドプロピルベタイン類(例えば、ココアミドプロピルベタイン);アミンオキシド誘導体、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド類、アルキルジヒドロキシエチルアミンオキシド類、アルキルアミドジメチルアミンオキシド類、及びアルキルアミドジヒドロキシエチルアミンオキシド類;ポリヒドロキシ誘導体、例えば、多価アルコールエステル類及びエーテル類(例えば、スクロースモノオレエート、セトステアリルグルコシド、βオクチルグルコフラノシド(glucofuranoside)、エステル類、C10〜C16の炭素鎖長を有するアルキルグルコシド類)、モノ、ジ−及びポリグリセロールエーテル類及びポリグリセロールエステル類(例えば、テトラグリセロールモノラウレート及びモノグリセリド類、トリグリセロールモノオレエート(例えば、グリンステッド(Grinsted)により供給されるTS−T122)、ジグリセロールモノオレエート(例えば、グリンステッドにより供給されるTST−T101)、エトキシル化グリセリド類;モノグリセリド類、例えば、モノオレイン、モノラウリン、及びモンリノレイン(monlinolein);ジグリセリド脂肪酸類、例えば、ジグリセロールモノイソステアレート(例えば、日清製油(Nisshin oil Mills, Ltd.)により供給されるコスモール(Cosmol)41分留化品)、及びこれらの混合物である。
【0054】
使用に好適なカチオン性界面活性剤の種類は、脂肪族−芳香族四級アンモニウムハロゲン化物類;四級アンモニウムアルキルアミド誘導体;アルキルアミドプロピルジメチルアンモニウムラクテート;アルキルアミドプロピルジヒドロキシエチルアンモニウムラクテート;アルキルアミドプロピルモルホリニウムラクテート;四級アンモニウムラノリン塩類;アルキルピリジニウムハロゲン化物類;アルキルイソキノリニウムハロゲン化物類;アルキルイソキノリニウムハロゲン化物類;四級アンモニウムイミダゾリニウムハロゲン化物類;ビス四級アンモニウム誘導体;ステアラルキルアンモニウムクロライドなどのアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩類;ドデシルジメチルアンモニウムアセテート及びオレイルベタインなどのアルキルベタイン類;アルキルエチルモルホリニウムエトサルフェート類(ethosulfaates);ジメチルジステアリル四級アンモニウムクロライド及びビスイソステアラミドプロピルヒドロキシプロピルジアンモニウムクロライド(シェル・ケミカルズ(Scher Chemicals)からのシェルコクワット(Schercoquat)2IAP)などのテトラアルキルアンモニウム塩類;複素環式アンモニウム塩類;ビス(トリアセチルアンモニウムアセチル)ジアミン類、及びこれらの混合物である。
【0055】
使用のために好適な両性界面活性剤の種類は、アルキルベタイン類;モノアルカノールアミド類及びジアルカノールアミド類などのアルカノールアミド類;アルキルアミドプロピルベタイン類;アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン類;アシルモノカルボキシヒドロキシエチルグリシネート類;アシルジカルボキシヒドロキシエチルグリシネート類;ナトリウムラウリミノジプロピオネートなどのアルキルアミノプロピオネート類;アルキルイミノジプロピオネート類;アミンオキシド類;アシルエチレンジアミンベタイン類;ナトリウムN−アルキルアミノアセテートなどのN−アルキルアミノ酸類;N−ラウロイルグルタミン酸コレステロールエステル類;アルキルイミダゾリン類、及びこれらの混合物である。会合構造形成物質としては、アルコキシル化ポリマー類、及び多糖類などのポリマーを挙げてよい。ポリマーは約500〜約1,000,000の分子量を有していてよい。約750〜約500,000の範囲内のより低い分子量のポリマーが好ましく、及び約1,000〜約60,000の分子量を有するものが更により好ましい。本発明で有用な多糖類としては、ポリグルコース材料、ガム類、ヒドロコロイド類、セルロース、及びセルロース誘導体ポリマー類が挙げられる。これらの多く及び他の好適な多糖類が、工業的ガム類(Industrial Gums)−多糖類及びそれらの誘導体(Polysaccharides and Their Derivatives)、ロイ L.ホイッスラー(Roy L. Whistler)、アカデミック出版(Academic Press)(ニューヨーク)、1959年に、及びまたP.バイゲル(P. Weigel)ら、「セルロース及びセルロース誘導体の溶液における液晶状態(Liquid Crystalline States in Solutions of Cellulose and Cellulose Derivatives)」アクタポリメリカ(Acta Polymerica)第35巻第1号、1984年、83〜88頁にも記載されている。有用な多糖類としては、非イオン性、アニオン性、及びカチオン性多糖類が挙げられる。好ましい非イオン性物質としては、ハーキュレス社(Hercules Inc.)から入手可能なクルーセル(KLUCEL)シリーズとして既知のヒドロキシプロピルセルロースポリマー類及びケルコ(Kelco)から入手可能なキサンタンガイ(xantham guy)が挙げられる。好ましいアニオン性ポリマーは、アルギン酸ナトリウム類(ケルコ(Kelco)から入手可能)及びハーキュレス(Hercules)から入手可能なナトリウムカルボキシメチルセルロースポリマーである。好ましいカチオン性ポリマーは、プロタン(Protan, Inc)からのキトサン(CHITOSAN)及びキチン(CHITIN)、及びまた解重合グアー、例えばハイテックポリマーズ(Hi Tek Polymers)からのT4406である。本発明において有用なアルコキシル化ポリマーとしては、EO−PO縮合体のポロキサマーシリーズ(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのA−B−Aタイプブロックコポリマー類)が挙げられる。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーの好適な例としては、バスフ(BASF)から商標名プルロニック(PLURONIC)P123、プルロニックL−122、及びプルロニックL−121で、並びにカルゲン(Calgene)からホダッグノニオニック(Hodag Nonionic)1123−P、及びホダンノニオンク(Hodan Nonionc)1122−Lで、並びにICIからシンペロニック(SYNPERONIC)PE/L121で入手可能な、ポロキサマー403、402、及び401が挙げられる。
【0056】
シリコーンコポリオール類及びアミノシリコーン類もまた本明細書で有用である。好適な例としては、ダウ・コーニング(Dow Corning)からのDC−190、DC−193、DC5329、Q4−3667;ユニオン・カーバイド(Union Carbide)からのシルウェット(Silwet)L−7622及びシルウェットL−77が挙げられる。
【0057】
2.流体吸収性粒子
本発明の組成物は流体吸収性粒子を含んでいてよい。流体吸収性粒子は、多孔質、親水性、及び固体粒子を包含する、組成物内において固体のままであるいずれかの物質であることができる。流体吸収性粒子は、約0.001ミクロン〜約2000ミクロン、好ましくは約0.01ミクロン〜約200ミクロン、より好ましくは約0.1ミクロン〜約100ミクロンの平均粒径を有していてよい。本発明の組成物に使用される流体吸収性粒子としては、シリカ類(又は二酸化ケイ素類)、シリケート類、カーボネート類、種々の有機コポリマー類、及びこれらの混合物などの吸湿性物質が挙げられる。シリケートは、最も典型的にはカーボネート又はシリケートをアルカリ金属、アルカリ土類金属、又は遷移金属と反応させることによって形成されるものであり、その具体的な非限定例としては、ケイ酸カルシウム、非晶質シリカ類(例えば沈殿シリカ、ヒュームドシリカ、及びコロイドシリカ)、炭酸カルシウム(例えば白亜)、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で使用するのに適したシリケート類及びカーボネート類の非限定例は、「バン・ノストランド・ラインホルドの化学百科事典(Van Nostrand Reinhold's Encyclopedia of Chemistry)」、第4版、155、169、556、及び849頁(1984年)に記載されている。吸収性粉末についてはまた、米国特許第6,004,584号にも記載されている。
【0058】
本明細書で使用するのに好適な他の流体吸収性粒子としては、カオリン、(水和ケイ酸アルミニウム類)、雲母、タルク(水和ケイ酸マグネシウム類)、デンプン又は変性デンプン、微結晶セルロース(例えば、FMCコーポレーション(FMC Corporation)からのアビセル(Avicel))、又は他の機能的に類似した流体吸収性ポリマー、あらゆる他のシリカ含有若しくはシリカ非含有粉末が挙げられる。
【0059】
本明細書での使用に好適な他の流体吸収性粒子としては、超吸収性ポリマーが挙げられる。定義によると、超吸収性ポリマーは水中でそれ自身の重量の最低でも20倍を吸収しなければならない。さらにこのポリマーは、流動及び隣接する粒子との融和に抵抗するために、及び平衡容積まで膨潤し、そして溶解しないために、その本来の独自性(identity)を保持していなければならず、及び十分な物理的一体性を有していなければならない。非限定例としては、グレイン・プロセッシング・コーポレーション(Grain Processing Corporation)により製造されるウォーターロック(Water Lock)(登録商標)超吸収性ポリマー(例えば、デンプングラフトポリ(2−プロペンアミド−コ−2−プロペン酸)ナトリウム又はカリウム塩、2−プロペンアミド−コ−2−プロペン酸コポリマー、ナトリウム塩)が挙げられる。
【0060】
3.無機粒子状増粘剤
本発明の組成物はまた、無機粒子状増粘剤を包含してもよい。これらの無機粒子は親水性液体と共に安定な網状組織を形成する。非限定例としては、1μm未満の粒径を有するシリカ及び粘土(例えば、ロックス(Rhox)からのベントン(Benton)粘土類)が挙げられる。
【0061】
4.水溶性又は水膨潤性ポリマー
定義は上記の親水性液体の項と同様である。
【0062】
C.界面活性物質
本発明の組成物は界面活性物質を包含する。界面活性物質は、構造化された親水性液体と脂質の共通の境界(common boundary)を形成する。界面活性物質は極性基及び非極性基を含有する。この特性は接触角法によって測定することができる。界面活性物質の疎水性表面(ポリエチレンテレフタレート)上及び親水性表面(アルミホイル)上の両方における接触角は、表面に液滴として適用されることができる物質に関して60°を超えない、好ましくは50°を超えない、更により好ましくは40°を超えない。溶媒表面上に液滴を形成するには厚すぎる界面活性物質の薄膜上でのジイオドメタン及び水の接触角は、90°を超えない、好ましくは80°を超えない、更により好ましくは70°を超えない。好ましくは、界面活性物質の溶解度パラメータは親水性液体の溶解度パラメータと少なくとも3単位、より好ましくは少なくとも4単位、なおより好ましくは親水性液体の溶解度パラメータと少なくとも5単位異なる。好ましくは界面活性物質の溶解度パラメータは、本明細書に記載した脂質の溶解度パラメータと少なくとも1単位異なり、より好ましくは少なくとも1.5単位異なり、更により好ましくは脂質の溶解度パラメータと少なくとも2単位異なる。界面活性物質と親水性液体との比は、約1:1000〜約20:1、より好ましくは約1:100〜約15:1、なおより好ましくは約1:10〜約10:1である。
【0063】
界面活性物質は製品を配合する時に構造化された親水性液体と組み合わされることができる。あるいは、構造化された親水性液体は表面処理ハウス(例えば、コボ・プロダクツ(KOBO products)、USコスメチックス(US Cosmetics))によって界面活性物質で処理されることができる。
【0064】
1.会合構造形成物質
本発明の一実施形態では、親水性液体のための構造化剤及び界面活性物質の両方が会合構造形成物質である。その定義は上記の親水性液体のための構造化剤の項と同様である。
【0065】
2.フィルム形成物質
本発明の一実施形態では、親水性液体のための構造化剤及び界面活性物質が両方とも会合構造形成物質であることはない。この実施形態では、界面活性物質はジアルキル四級化物類(dialkylquates)、エステル油類、シリコーン油類及びワックス類、液体脂肪族アルコール類及び脂肪酸類、並びに超微粒子から選択されるフィルム形成物質であってもよい。
【0066】
a.ジアルキル四級化物(dialkylquates)
本組成物はジアルキル第四級化合物を包含してよい。非限定例としては、ジアルキルジメチル四級化物類(例えば、ジアルキル(C12〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド、ジタロウジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート)及びイミダゾリニウム四級化物類(例えば、メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウム−メチルサルフェート)が挙げられる。
【0067】
b.エステル油
エステル油は分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。本発明に有用な一般的なエステル油の1つの種類は、脂肪酸モノ及びポリエステル類、例えばセチルオクタノエート、オクチルイソナノアネート(octyl isonanoanate)、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルアジパート、ブチルステアレート、デシルオレエート、コレステロールイソステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、アルキルラクテート、アルキルシトレート、及びアルキルタータラート;スクロースエステル及びポリエステル類、ソルビトールエステルなどである。第2の種類の有用なエステル油は、主にトリグリセリド類及び変性トリグリセリド類から構成される。これらには、植物油、例えばホホバ油、大豆油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コメヌカ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、ヒマシ油、ココヤシ油、及びミンク油が挙げられる。合成のトリグリセリドもまた、それらが室温で液体であることを条件として採用することができる。変性トリグリセリドには、エトキシル化された及びマレアート化されたトリグリセリド誘導体のような物質が、それらが液体であることを条件として挙げられる。登録商標権を有するエステルブレンド、例えばファインテックス(Finetex)によりファインソルブ(Finsolv)として販売されるようなものもまた好適であり、エチルヘキサン酸グリセリドのようなものである。第3の種類のエステル油は、ジカルボン酸とジオールとの反応により形成される液体ポリエステルである。本発明に好適なポリエステルの例は、エクソンモービル(ExxonMobil)により商品名ピュアシンエステル.RTM(PURESYN ESTER.RTM)として市販されるポリエステル類である。
【0068】
c.シリコーン油及びワックス
本発明の組成物はシリコーン油類及びワックス類を包含してよい。シリコーン油類及びワックス類としては、ポリジメチルシロキサン、有機官能性シリコーン類(アルキル及びアルキルアリール、コポリオール)、及びアミノシリコーン類が挙げられる。
【0069】
d.液体脂肪族アルコール及び脂肪酸
本明細書で有用な液体脂肪族アルコールとしては約10〜約30個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの液体脂肪族アルコールは直鎖もしくは分枝鎖アルコールであってもよく、そして飽和もしくは不飽和アルコールであってもよい。液体脂肪族アルコールは25℃で液体である脂肪族アルコールである。こうした化合物の非限定例としては、オレイルアルコール、パルミトレイン酸アルコール(palmitoleic alcohol)、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。多脂肪族アルコールは本明細書で有用であるが、モノ脂肪族アルコールが好ましい。
【0070】
本明細書で有用な脂肪酸としては約10〜約30個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪酸は直鎖もしくは分枝鎖の酸であることができ、そして飽和もしくは不飽和であることができる。好適な脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸、リノレン酸、エチルリノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸及びこれらの混合物が挙げられる。
【0071】
e.超微粒子
本組成物は界面活性物質として超微粒子を包含してもよい。超微粒子は水及び油の両方に分散可能である。使用される粒子の平均直径は約1nm〜約200nmである。有効な粒子は油中水ピッカリング(Pickering)エマルションを安定化するために好適である全てのものである。両親媒特性はこれらの超微粒子の表面処理によっても達成することができる。超微粒子の非限定例としては、金属酸化物類及び窒化ホウ素類が挙げられる。非限定的な表面コーティングとしては、シリコーン類、シリコーン誘導体、シリカゲル、水酸化アルミニウム、及びアルミナが挙げられる。
【0072】
D.脂質/脂質相
本発明の組成物は、皮膚適合性脂質を包含してもよい。皮膚適合性脂質は、本明細書では、入浴が行われる温度で液体、半固体、又は固体であり、化粧品中で使用するのに安全であり皮膚に対して不活性であるか又は実際に有益であると考えられる脂質として定義される。本明細書で有用な脂質としては油類及びワックス類を挙げてよい。本発明のために有用な皮膚適合性脂質は、エステル脂質類、炭化水素脂質類、及びシリコーン脂質類である。
【0073】
エステル脂質は分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。本発明で有用な一般的なエステル脂質の1つの種類は、脂肪酸モノ及びポリエステル類、例えばセチルオクタノエート、オクチルイソナノアネート(octyl isonanoanate)、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルアジパート、ブチルステアレート、デシルオレエート、コレステロールイソステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、アルキルラクテート、アルキルシトレート、及びアルキルタータラート;スクロースエステル及びポリエステル類、ソルビトールエステルなどである。
【0074】
第2の種類の有用なエステル脂質は、主にトリグリセリド類及び変性トリグリセリド類から構成される。これらには、植物油、例えばホホバ油、大豆油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コメヌカ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、ヒマシ油、ココヤシ油、及びミンク油が挙げられる。合成のトリグリセリドもまた、それらが室温で液体であることを条件として採用することができる。変性トリグリセリドには、エトキシル化された及びマレアート化されたトリグリセリド誘導体のような物質が、それらが液体であることを条件として挙げられる。登録商標権を有するエステルブレンド、例えばファインテックス(Finetex)によりファインソルブ(Finsolv)として販売されるようなものもまた好適であり、エチルヘキサン酸グリセリドのようなものである。
【0075】
第3の種類のエステル脂質は、ジカルボン酸とジオールとの反応により形成される液体ポリエステルである。本発明に好適なポリエステルの例は、エクソンモービル(ExxonMobil)により商品名ピュアシンエステル.RTM(PURESYN ESTER.R)として市販されるポリエステル類である。
【0076】
本発明に好適な第2の部類の皮膚に適合性のある脂質は、液体及び半固体炭化水素である。これらには、直鎖及び分枝鎖油、例えば液体パラフィン、スクアレン、スクアラン、鉱油、低粘度合成炭化水素、例えばエクソンモービル(ExxonMobil)により商品名ピュアシンPAO(PURESYN PAO)として販売されるポリαオレフィン、及び商品名パナレイン(PANALANE)又はインドポール(INDOPOL)としてのポリブテンが挙げられる。軽い(低粘度)高分枝鎖炭化水素油類もまた好適である。
【0077】
ワセリンは、炭化水素物質であって、本発明の有用な構成成分である。その半固体の性質は、製造において、及び配合者によっての双方でその他の油と混合することにより制御され得る。
【0078】
第3の部類の皮膚に適合性のある有用な脂質は、シリコーン系である。それらには、直鎖及び環状ポリジメチルシロキサン、有機官能性シリコーン類(アルキル及びアルキルアリール)、及びアミノシリコーン類が挙げられる。
【0079】
第4の部類の皮膚に適合性のある有用な脂質は液体脂肪族アルコールである。本明細書で有用な液体脂肪族アルコールとしては約10〜約30個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの液体脂肪族アルコールは直鎖もしくは分枝鎖アルコール類であってよく、そして飽和若しくは不飽和アルコール類であってよい。液体脂肪族アルコールは25℃で液体である脂肪族アルコールである。こうした化合物の非限定例としては、オレイルアルコール、パルミトレイン酸アルコール(palmitoleic alcohol)、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。多脂肪族アルコールは本明細書で有用であるが、モノ脂肪族アルコールが好ましい。
【0080】
第5の部類の皮膚に適合性のある有用な脂質は液体脂肪酸である。本明細書で有用な液体脂肪酸としては約10〜約30個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪酸は直鎖もしくは分枝鎖の酸であることができ、そして飽和もしくは不飽和であることができる。好適な脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸、リノレン酸、エチルリノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸及びこれらの混合物が挙げられる。
【0081】
本発明の脂質は脂質相の一部であってよい。脂質相は3つの構成成分:皮膚適合性脂質、親水性液体と構造化剤とを含有する錯体、及び界面活性物質、から成る。親水性液体と構造化剤を含有する錯体は、界面活性物質で包まれ、及び脂質と混合されて、脂質相を形成している。親水性液体、構造化剤、及び界面活性物質は、脂質相において、脂質の表面上、脂質のドメイン内、又は脂質の表面上と脂質のドメイン内の両方にあってよい。脂質相はその後水相と混合される。脂質相は、水相に分散されるか水相と結合されるかのどちらかであってもよく、又は水相に分散されるのと結合されるのとの両方であってもよい。
【0082】
皮膚への有効な付着及び保持を確実にするために、脂質相又は構造化された脂質相は、本明細書に記載される脂質レオロジー法を用いて決定されるとき、1Sec-1で測定して約10〜約20,000Pa.s(約100〜約200,000ポアズ)、好ましくは約20〜約10,000Pa.s(約200〜約100,000ポアズ)、更により好ましくは約20〜約5,000Pa.s(約200〜約50,000ポアズ)の範囲の粘度を有するべきである。
【0083】
脂質相が水相に連結されてよい場合、脂質相は水相中への無視できる溶解度を有することになる。剪断指数は、本明細書で記載される脂質レオロジー法で記載するような、その物質がどのくらいずり減粘されるかという尺度である。皮膚に適合性のある脂質はその組成物又は添加されてよい構造化剤のいずれかによってずり減粘されるのが好ましい。好ましくは、分散された脂質相の剪断指数は、約0.9未満、より好ましくは約0.75未満、更により好ましくは約0.6未満、更により好ましくは約0.45未満、なおより好ましくは約0.3未満である。
【0084】
脂質相は好ましくは、約95重量%を超えない脂質、好ましくは約90重量%を超えない、より好ましくは約85重量%を超えない脂質を含む。脂質相は好ましくは少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、なおより好ましくは少なくとも約10重量%の脂質を含む。
【0085】
組成物は好ましくは、約95重量%を超えない脂質相、好ましくは約90重量%を超えない、より好ましくは約85重量%を超えない脂質相を含む。組成物は好ましくは少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、なおより好ましくは少なくとも約10重量%の脂質相を含む。
【0086】
脂質相はまた、油溶性又は油分散性の皮膚有益物質を含有してもよい。非限定例としては、油溶性日焼け止め剤、粒子(例えば、シリカ、タルク)、表面変性粒子、顔料(例えば、金属酸化物、干渉顔料、金属性顔料)、油溶性染料、及び香料が挙げられる。
【0087】
E.水相
本発明の組成物は水相を包含してもよい。本発明の水相は好ましくは約90重量%を超えない、より好ましくは約85重量%を超えない、更により好ましくは約80重量%を超えない流体を含む。本発明の水相は好ましくは少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約15重量%、更により好ましくは少なくとも約20重量%の流体を含む。用語「流体」とは本明細書で使用するとき、水、一価及び多価アルコール類(グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、イソプロパノール等)、又は水混和性であるあらゆる液体物質を意味する。上述の脂質相は、前記水相の表面上及び/又はドメイン内にあってよい。脂質相はまた、安定性を維持しながら水相に物理的に接触して包まれている1つの視覚的に識別できる相であってもよい。
【0088】
一実施形態では、それらの組成物は水相を含まなくてもよい。水相が存在しない場合、製品形態としては、脂質ベースの液体及び/又は固体バーが挙げられるが、それらに限定されない。
【0089】
本発明の組成物は水相中に1以上の構造化剤を包含してよい。構造化剤は水相の粘度を増大させるための増粘剤として作用してよい。構造化剤はまた、水相中に水のドメインを形成するように小胞又は他の構造を形成してもよい。水相構造化剤を用いることの利点は、水の移動性を更に減少させ、及び結果として親水性活性物質が水相中に素早く切り込む(quickly partition into)傾向を低減させることである。異なる構造化剤は水相と異なる効率で相互作用し得るので、厳密な組成範囲を与えることは難しい。しかし、存在する場合、この組成物は好ましくはパーソナルケア組成物の約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、なおより好ましくは約10重量%以下を構成する。存在する場合、水相構造化剤は好ましくはパーソナルケア組成物の少なくとも約0.01重量%、より好ましくは少なくとも約0.05重量%、なおより好ましくは少なくとも約0.1重量%を構成する。
【0090】
パーソナルケア組成物で使用する無機水構造化剤の非限定例には、シリカ類、粘土類、例えば合成シリケート類(サザン・クレー(Southern Clay)からのラポナイト(Laponite)XLG及びラポナイトXLS)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0091】
パーソナルケア組成物で使用される電荷ポリマー水構造化剤の非限定例には、アクリレート類/ビニルイソデカノエートクロスポリマー(3Vからのスタビレン(Stabylen)30)、アクリレート類/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー(ペムレン(Pemulen)TR1及びTR2)、カルボマー類、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー(クラリアント(Clariant)からのアリストフレックス(Aristoflex)AVC)、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス−25メタクリレートクロスポリマー(クラリアントからのアリストフレックスHMB)、アクリレート類/セテス−20イタコネートコポリマー(ナショナル・スターチ(National Starch)からのストラクチャー(Structure)3001)、ポリアクリルアミド(SEPPICからのセピゲル(Sepigel)305)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
パーソナルケア組成物で使用される水溶性ポリマー水構造化剤の非限定例には、セルロース性ゲル、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ナショナル・スターチ(National Starch)からのストラクチャード(Structured)XL)、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0093】
パーソナルケア組成物で使用される結合性水構造化剤の非限定例には、キサンタムガム(xanthum gum)、ゲラムガム(gellum gum)、ペクチン、アルギネート、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0094】
パーソナルケア組成物で使用するための結合水構造化剤の非限定例としては、リン脂質類(例えばレシチン)、ジアルキル四級化物類(dialkylquats)及び親水性液体のための構造化剤の項で上述した他の会合構造形成物質が挙げられる。
【0095】
F.任意成分
本発明の組成物は水相中又は脂質相中のいずれかに1以上の追加のスキンケア構成成分を含有してもよい。組成物がヒトのケラチン組織に接触される好ましい実施形態では、追加構成成分はケラチン組織への適用に好適であるべきであり、即ち、組成物中に組み込まれたときに、それらは、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトのケラチン組織に接触させて用いるのに好適である。
【0096】
「CTFA化粧品原料便覧(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)」、第2版(1992年)には、パーソナルケアに関連する業界で一般的に使用される多種多様な非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物への使用に好適である。
【0097】
しかしながら、本発明のいずれの実施形態においても、本明細書で有用な追加構成成分は、それらが提供する効果又は想定されるそれらの作用様式によって分類することができる。しかしながら、本明細書で有用な追加構成成分が、場合によっては、1を超える効果を提供し得る、又は1を超える作用様式を介して機能し得ることを理解すべきである。したがって、本明細書の分類は便宜上実施されたものであって、活性物質を、列挙した特定の用途又は用途類に制限しようとするものではない。
【0098】
1.脂質及び/又は脂質相のための構造化剤
本発明は、任意に脂質構造化剤を含んでもよい。構造化剤は分散された相に的確なレオロジー特性を提供することができる。これは皮膚への効果的な付着及び保持を提供するのを助けることができる。構造化された脂質相は、下記に記載する脂質レオロジー法を用いて決定した場合、1Sec-1で測定して約10〜約20,000Pa.s(約100〜約200,000ポアズ)、好ましくは約20〜約10,000Pa.s(約200〜約100,000ポアズ)、更により好ましくは約20〜約5,000Pa.s(約200〜約50,000ポアズ)の範囲の粘度を有するべきである。この粘度を生成するために必要な構造化剤の量は、油及び構造化剤によって変化するが、一般に構造化剤は、好ましくは分散された脂質相の75重量%未満、より好ましくは50重量%未満、なおより好ましくは分散された脂質相の35重量%未満である。
【0099】
構造化剤は、有機又は無機のいずれかの構造化剤であり得る。本発明に好適な有機増粘剤の例としては、固体脂肪酸エステル類、天然又は変性脂肪類、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、天然及び合成ワックス類、及びワセリン、及びシェル(Shell)より名称クラトン(KRATON)として販売されているブロックコポリマー類が挙げられる。無機構造化剤には、疎水性に変性されたシリカ又は疎水性に変性された粘土が挙げられる。無機構造化剤の非限定例としては、レオックス(Rheox)からのベントン(BENTONE)27V、ベントン(BENTONE)38V、又はベントン・ゲルMIO V(BENTONE GEL MIO V);及びキャボット・コーポレーション(Cabot Corporation)からのキャボシール(CAB-O-SIL)TS720、又はキャボシール(CAB-O-SIL)M5が挙げられる。
【0100】
選択された皮膚に適合性のある油に関して上記の必要条件を満たす構造化剤は、選択された油の粘度を構築するために三次元網状組織を形成することができる。こうした構造化された脂質相、即ち、三次元網状組織を有する構造は、入浴中に用いられる濡れた皮膚用のトリートメント組成物として用いるのに極めて望ましいことが見出された。これらの構造化された油は、濡れた皮膚に非常に有効に付着し保持されることができ、洗い流し及び乾燥後も保持されて、洗浄後に長続きする皮膚の効果を、過度に油っぽい/脂っぽい濡れた感触及び乾いた感触を生じることなく提供することができる。こうした構造化された油の使用中及び使用後の非常に望ましい特性は、それらのずり減粘レオロジー特性及び網状組織の弱い構造によるものであると考えられている。その高い低剪断粘度により、三次元網状組織構造化油は、スキンコンディショナーの適用中に皮膚によくくっ付き及び保持されることができる。結晶の網状組織の弱い構造化及びそのより低い高剪断粘度により、皮膚に付着された後に擦る間に網状組織は容易に生じる。
【0101】
2.界面活性剤
分散された相の乳化のため、並びに許容できる拡散及び非発泡性系の使用中の特性を提供するための両方のために、多種多様な界面活性剤が本明細書で有用であり得る。クレンジング用途については、界面活性剤相はまた皮膚を洗浄し、許容できる量の泡をユーザーに提供する役目をする。本組成物は、好ましくは、約50重量%を超えない界面活性剤、より好ましくは約30重量%を超えない、なおより好ましくは約15重量%を超えない、更により好ましくは約5重量%を超えない界面活性剤を含有する。本組成物は、好ましくは少なくとも約0.1重量%の界面活性剤、より好ましくは少なくとも約1重量%、なおより好ましくは少なくとも約3重量%、更により好ましくは少なくとも約5重量%の界面活性剤を含有する。クレンジング用途については、パーソナルケア組成物は、発泡体積試験に記載されるように、好ましくは少なくとも300ml、より好ましくは600mlよりも大きな全発泡体積を生成する。パーソナルケア組成物は好ましくは、発泡体積試験に記載されるように、少なくとも100ml、好ましくは200mlよりも大きな、より好ましくは300mlよりも大きな瞬間発泡体積を生成する。
【0102】
一実施形態では、組成物は、安定性を維持しながらその組成物に物理的に接触して包まれている視覚的に識別できる相である追加の水相を含んでいる。その追加の水相は界面活性剤を含んでいてよい。この実施形態では、親水性液体、構造化剤、界面活性物質、及び脂質相は1つの水相のドメイン内にあってよく、一方追加の水相は界面活性剤を含む。2つの水相(界面活性剤を有するものと親水性液体、構造化剤、界面活性物質、及び脂質相を有するもの)は物理的に接触して包装され及び安定性を維持する視覚的に識別できる相であってよい。
【0103】
好ましい界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非発泡性界面活性剤、乳化剤、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。本発明の組成物において有用な構造化剤の非限定例は米国特許第6,280,757号に開示されている。
【0104】
a.アニオン性界面活性剤
本発明の組成物に有用なアニオン性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergent sand Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;マカッチャンの「機能性材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992年);及び米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)に開示されている。
【0105】
多種多様なアニオン性界面活性剤は、本明細書で有用である。アニオン性界面活性剤の非限定例には、サルコシネート類、サルフェート類、イセチオネート類、タウレート類、ホスフェート類、ラクチレート類、グルタメート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。イセチオネートの中では、アルコイルイセチオネート類が好ましく、サルフェートの中では、アルキルサルフェート類及びアルキルエーテルサルフェート類が好ましい。
【0106】
本明細書で有用なその他のアニオン性物質は、典型的には約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する脂肪酸から得られる脂肪酸の石鹸(即ち、アルカリ金属塩類、例えば、ナトリウム塩類又はカリウム塩類)である。石鹸を製造する際に使用されるこれらの脂肪酸は、例えば、植物由来又は動物由来のグリセリド(例えば、パーム油、ココナッツ油、大豆油、ヒマシ油、タロー、ラードなど)のような天然源から得ることができる。脂肪酸はまた、合成的に調製することもできる。石鹸及びそれらの調製については、米国特許第4,557,853号に詳細に記載されている。
【0107】
その他のアニオン性物質には、モノアルキル、ジアルキル、及びトリアルキルホスフェート塩類のような、ホスフェート類が挙げられる。本明細書で有用な好ましいアニオン性発泡性界面活性剤の非限定例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン(triethanolamine lauroyl lactylate)、カプロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、及びココイルグルタミン酸ナトリウム、並びにこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0108】
本明細書に使用するために特に好ましいのは、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、及びラウロイル乳酸トリエタノールアミン(triethanolamine lauroyl lactylate)である。
【0109】
b.非イオン性界面活性剤
本発明の組成物に用いる非イオン性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの「機能性材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992年)に開示されている。
【0110】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシル化脂肪酸エステル類、スクロースエステル類、アミンオキシド類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0111】
本明細書に用いるのに好ましい非イオン性界面活性剤の非限定例は、C8〜C14グルコースアミド類、C8〜C14アルキルポリグルコシド類、スクロースココエート、スクロースラウレート、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0112】
c.両性界面活性剤
本明細書で使用するとき、「両性界面活性剤」という用語はまた双極性界面活性剤を包含することも意図されており、これは当該技術分野の熟練の配合者には両性界面活性剤のサブセットとして周知である。
【0113】
本発明の組成物では、多種多様な両性発泡性界面活性剤を使用することができる。特に有用であるのは、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述されているものであり、好ましくは窒素が陽イオン状態であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、ラジカルの1つがイオン性の水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有するものである。
【0114】
本発明の組成物に有用な両性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの「機能材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992年)に開示されている。
【0115】
双極性界面活性剤の非限定例としては、ベタイン類、スルタイン類、ヒドロキシスルタイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0116】
本明細書に用いるのに好ましい界面活性剤としては、次のものが挙げられ、アニオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム(sodium lauroyl lactylate)、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン(triethanolamine lauroyl lactylate)、及びこれらの混合物から成る群から選択され、非イオン性界面活性剤は、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、デシルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、スクロースココエート、C12〜14グルコサミド類、スクロースラウレート、及びこれらの混合物から成る群から選択され;並びに両性界面活性剤は、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0117】
d.非発泡性界面活性剤
多種多様な非発泡性界面活性剤は本明細書で有用である。本発明の組成物は、分散された相を乳化して適切な粒径及び濡れた皮膚への良好な適用特性を生じるために、十分な量の1つ以上の非発泡性界面活性剤を含むことができる。
【0118】
これらの非発泡性組成物の非限定例は、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルホスフェート、カリウムセチルホスフェート、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4−イソステアレート、ヘキシルラウレート、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ジエタノールアミンセチルホスフェート、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、及びこれらの混合物である。
【0119】
e.乳化剤系
加えて、一部の実施形態で有用な、幾つかの乳化剤混合物がある。例には、ISPからのプロリピッド(PROLIPID)141(グリセリルステアレート、ベヘニルアルコール、パルミチン酸、ステアリン酸、レシチン、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、及びセチルアルコール)、及び151(グリセリルステアレート、セテアリルアルコール、ステアリン酸、1−プロパナミウム(1-propanamium)、3−アミノ−N−(2−(ヒドロキシエチル)−N−N−ジメチル,N−C(16〜18)アシル誘導体、クロライド);クローダ(Croda)からのポラワックスNF(POLAWAX NF)(乳化ワックスNF(Emulsifying wax NF))、及びインクロクアットベヘニルTMS(INCROQUAT BEHENYL TMS)(ベヘントリモニウムサルフェート及びセテアリルアルコール);並びにガットフォセ(Gattefosse)からのエマルリウム・デルタ(EMULLIUM DELTA)(セチルアルコール、グリセリルステアレート、peg−75ステアレート、セテス−20及びステアレス−20)が挙げられる。
【0120】
3.カチオン性ポリマー
本発明はまた、有機カチオン性沈着ポリマー(organic cationic deposition polymer)を含有してもよく、カチオン性沈着ポリマーの濃度は、好ましくは、パーソナルケア組成物の約0.025重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。
【0121】
本発明に使用するために好適なカチオン性沈着ポリマー(cationic deposition polymer)は、四級アンモニウムのようなカチオン性の窒素含有部分、又はカチオン性のプロトン化アミノ部分を含有する。カチオン性プロトン化アミンは、パーソナルクレンジング組成物の特定の種類及び選択されたpHに応じて、第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)であることができる。カチオン性沈着ポリマー(cationic deposition polymer)の平均分子量は、約5,000〜約10,000,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000以下、より好ましくは、約1,500,000以下である。ポリマーはまた、カチオン電荷密度がパーソナルクレンジング組成物の意図する使用のpHにおいて約0.2meq/g〜約5meq/gの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gであり、このpHは一般にpH約4〜pH約9、好ましくはpH約5〜pH約8の範囲となる。
【0122】
パーソナルケア組成物に使用するためのカチオン性沈着ポリマー(cationic deposition polymer)の非限定例には、カチオン性セルロース誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好ましいカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩類であり、当業界(CTFA)においてポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれ、アマコール社(Amerchol Corp.)よりポリマー(Polymer)KG、JR、及びLRシリーズのポリマーで入手可能であり、KG−30Mが好ましい。
【0123】
他の好適なカチオン性沈着ポリマー(cationic deposition polymer)としては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローディア社(Rhodia Inc.)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17)、及びアクアロン(Aqualon)より市販されているN−ハンス(N-Hance)ポリマーシリーズが挙げられる。
【0124】
その他の好適なカチオン性沈着ポリマー(cationic deposition polymer)には、合成カチオン性ポリマーが挙げられる。本明細書のクレンジング組成物に使用するために好適なカチオン性ポリマーは、約4meq/g〜約7meq/g、好ましくは約4meq/g〜約6meq/g、より好ましくは約4.2meq/g〜約5.5meq/gのカチオン電荷密度を有する水溶性又は分散性の非架橋のカチオン性ポリマーである。選択されたポリマーはまた、約1,000〜約1,000,000、好ましくは約10,000〜約500,000、より好ましくは約75,000〜約250,000の平均分子量を有していてよい。
【0125】
パーソナルケア組成物中のカチオン性ポリマーの濃度は、組成物の約0.025重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
【0126】
クレンジング組成物で使用するための市販の合成カチオン性ポリマーの非限定例は、ローディア(Rhodia)からの商標名ポリケア(Polycare)133で入手可能な、ポリメチアクリルアミドプロピル(polymethyacrylamidopropyl)トリモニウムクロライドである。
【0127】
4.その他の任意成分
任意成分のその他の非限定例には、ビタミン及びその誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、トコフェリルアセテートなど);日焼け止め剤;増粘剤(例えば、多価アルコールアルコキシエステル、クローダ(Croda)からクロシックス(CROTHIX)として入手可能);クレンジング組成物の抗菌の完全性を保持するための防腐剤;抗ニキビ薬剤(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤;皮膚鎮静及び回復剤、例えばアロエベラ抽出物、アラントインなど;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;及び美観上の目的に好適な剤、例えば芳香剤、精油、皮膚感覚剤、顔料、パールエッセンス剤(例えば、雲母及び二酸化チタン)、レーキ、着色剤など(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)、抗菌剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される有益剤が挙げられる。これらの物質は、当業者に明らかであるように、要求される効果をもたらすために十分な範囲で使用できる。
【0128】
使用方法
本発明のパーソナルケア組成物は好ましくは、皮膚又は毛髪の所望の領域に製品の効果的な送達を提供するのに十分な量で局所適用される。組成物は皮膚又は毛髪に直接的に、或いはクレンジングパフ、洗い布、スポンジ又は他の用具を用いて間接的に適用することができる。組成物は、ボディウォッシュ、シャンプー、コンディショナー、モイスチャーリンス、ムース、基材等の形態であってよい。組成物は好ましくは、局所適用の前、その間、又はその後に水で希釈され、次に皮膚又は毛髪は洗い流されるか又は乾燥され、好ましくは、水を使用して、若しくは水不溶性基材と水とを組み合わせて使用して、適用された表面から洗い流される。
【0129】
したがって、本発明は、また、上述した本発明の組成物の適用を通じて皮膚を洗浄する方法も対象とする。また、本発明の方法は、上述した本発明の組成物の適用を通じて、適用された表面に、所望の皮膚有益剤の有効な送達をもたらす方法、及び本明細書に記載のそのような有効な送達によってもたらされる利益をもたらす方法も対象とする。
【0130】
本発明の組成物は、親水性液体の濃度が組成物の少なくとも約0.5%、好ましくは組成物の少なくとも約1%、より好ましくは組成物の少なくとも約5%である場合、生体付着法に従って少なくとも約1μg/cm2の前記親水性液体を皮膚に付着させることがある。0.5%未満の親水性液体を含む組成物もまた、少なくとも約1μg/cm2の前記親水性液体を付着させることがある。
【0131】
本発明はまた、ペットケア、自動車ケア、家のケア、及び医療用途を包含するパーソナルケア組成物以外のリンスオフ適用においてもまた有用である場合がある。
【0132】
製造方法
本発明のパーソナルケア組成物は、エマルション及び分散物を製造及び配合するのに好適な既知の又はそれ以外の有効な技術によって調製してよい。親水性液体を構造化剤と混合し、構造化された親水性液体を界面活性物質と混合し、それから脂質と混合する低速混合技術を用いるのが特に有効である。非限定的な混合技術に、手動混合、又は機械混合機による混合が挙げられる。会合構造形成組成物のためには、構造化された親水性液体を数時間放置して構造体を形成させる必要がある場合がある。脂質相を水相と混合するためにはより高速の混合を使用する。一般に、組成物は周囲温度/室温で調製される。会合構造形成プロセスは、界面活性物質の物理的状態に依存する。界面活性物質が周囲温度で固体又は半固体である場合、加熱して融解させて親水性液体と混合し、周囲温度まで冷却させてよい。
【0133】
分析方法
1.脂質レオロジー法
脂質レオロジーは、ペルティエ(Peltier)の温度制御試料台又は等価なものを有するTAインスツルメンツ(TA Instruments)AR2000応力制御レオメーター上で測定する。40mmのプレート及び1mmの隙間を有する平行プレートの幾何図形的配列が用いられる。下部プレートを85℃に加熱し、融解した脂質及び構造化剤(存在する場合)を下部プレート上に加え、平衡化させる。上部プレートを次に1mmの隙間まで低下させる一方で、脂質が隙間を完全に満たすことを確実にし、[上部プレートを回転させ、更に脂質を加えてウィッキングを促進し、]試料を25℃に素早く冷却して25℃で5分間平衡化させる。次に粘度を、これらの型の機械に一般的である応力−傾斜の手順を用いて、20〜2000Paの対数応力傾斜を用いて10当たり20の測定点に関して10当たり60秒の速度で(2分傾斜試験)、測定する。開始応力及び終了応力は流れを生じるために十分であり、少なくとも10s−1の剪断速度に達する。粘度を記録し、方程式1を用いて指数法則のモデルにデータを代入した。0.001s−1〜40s−1の間の点のみを指数法則への代入に用いるべきである。1.0s−1での粘度は、方程式1から計算される。プレートの下から物質が排出されたときには本方法を停止するように、試験中、試料を注意深く見守るべきである。
【0134】
粘度を記録し、データを次の方程式1に関して指数法則に代入する:
η=κ・γ(dot)(n-1)
この場合η=粘度であり、κは稠度であり、γ(dot)は剪断速度であり、nは剪断指数である。
【0135】
次に、1s−1での粘度を、κの計算値と式に挿入されたデータからのnを用いて計算する。
【0136】
2.安定剤粘性試験
対象となる特定の配合において見出される、安定剤と水との比を用いて、ポリマー安定剤の相を形成する。例えば、処方が3部の安定化ポリマー及び72部の水を含有する場合、比は1:24である。ポリマーを水相中で適切な比で水和する。水和の方法は、ポリマーの種類に左右されて変化し、高い剪断力、加熱、及び/又は中和を必要とする場合がある。いずれにしても、ポリマーは製造者の指示に従って適切に水和されるべきである。ポリマーが完全に水和されたら、系を室温に少なくとも24時間静置する。静置期間の後、安定剤相の粘度を、ブルックフィールド(Brookfield)又はコーンとプレート(ブルックフィールド(Brookfield)モデルDVII+についてはスピンドル41)の幾何図形的配列を用いる同様の粘度計を用いて、1s−1及び25℃で測定する。2mlの製品を粘度計のカップ内に設置し、装置に取り付ける。回転を開始し、2分後に粘度を記録する。
【0137】
3.発泡体積
パーソナルケア組成物の発泡体積は、メスシリンダー及びタンブラー装置を用いて測定できる。10ml間隔に印が付けられ、基部の内側から1,000mlの印までの高さが37cm(14.5インチ)の1,000mlメスシリンダー(例えば、パイレックスNo.2982)を選択する。蒸留水(23℃で100g)をメスシリンダーに加える。このシリンダーは、回転装置内にクランプ固定されるが、これにより、メスシリンダーの中心を横断する回転軸にシリンダーがクランプ固定される。1gの全パーソナルケア組成物をメスシリンダー中に加え、シリンダーに蓋をする。約20秒に10回転の速度でシリンダーを回転させ、垂直な位置で停止させて第1の回転シーケンスを完了する。こうして生成された泡に対して30秒間水切りさせるようにタイマーを設定する。そうした30秒の水切りの後に、基部(上部に泡が浮いている底部へと水切りされたあらゆる水を包含する)から上方の泡の高さをmlで記録することによって、第1の発泡体積が10ml目盛りの単位で測定される。
【0138】
泡の上面が平らでない場合、メスシリンダー断面の半分ほどに及ぶのが見られる最も低い高さが、第1の発泡体積(ml)になる。泡が粗すぎて、単一又はほんのわずかなフォームセル(foam cells)(「バブル(bubbles)」)しかシリンダー断面全体に広がらない場合、空間を満たすのに少なくとも10個のフォームセルが必要になる高さが、やはり底部からのmlによる第1の発泡容量になる。いずれの寸法においても2.5cm(1インチ)より大きいフォームセルは、どこで発生しようとも、泡ではなく、中身のない空気として指定される。メスシリンダーの上部に集まるが水切りされないフォームもまた、その上部のフォームがそれ自体連続的な層である場合、定規を使用して層の厚さを測定し、そこに集まったフォームのmlを底部から測定されたフォームのmlに加えることによって、測定に組み込む。最大フォーム高さは1,000mlである(全フォーム高さがメスシリンダーの1,000mlの印を超えた場合でも)。第1の回転が完了してから1分後に、第1の回転シーケンスと速度及び持続時間が同一である第2の回転シーケンスが開始する。第2の発泡容量は、第1と同じ方式で、同様に30秒の水切り時間の後に記録する。第3のシーケンスが完了し、各水切りと測定値取得との間に同一の休止時間をおいて、第3の発泡容量を同様の方式で測定する。
【0139】
各シーケンスの後の泡の結果を合算し、全発泡容量が、3つの測定値の合計としてmlで測定される。瞬間発泡体積は、第1の回転シーケンスのみの後のmlでの結果、即ち、第1の発泡体積である。
【0140】
4.接触角法
疎水性[ポリエチレンテレフタレート(PET)]及び親水性[アルミホイル]表面を使用し、所与の物質のいずれかの基材上における湿潤性を評価する。アルミホイル(オールホイルズ(All Foils)からのUHVホイル(UHV Foil))又はPET(3Mからのスコッチパック(Scotchpak)1022)のいずれかの平坦で滑らかで清潔な部片上の静止接触角を、一定温度(25±1℃)及び一定湿度(相対湿度45±2%)のクリーンルーム(プラスの圧力、エアフィルターで濾過)中でミリポアミリ−Q(Millipore Milli-Q)プラス精製蒸留水及び99%高純度ジイオドメタン(シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich))を用いて3回測定する。接触角法を以下に説明する。(1)パッケージから表面を汚さずに注意深く取り出された部片からのアルミホイル及びPETの平坦で滑らかな部片上で;(2)それらの部片をミリポア精製蒸留水で3回すすぎ、超高純度(99.999%)窒素ガスでブロー乾燥した後;及び(3)部片を99%高純度トルエンで3回すすぎ、超高純度窒素ガスでブロー乾燥した後、水及びジイオドメタン(DIM)の接触角を決定する。接触角の3回の測定値がすべて以下と一致したなら、Pet又はアルミホイルは清潔である:(1)PET上で:水に対し88°以上、及びDIMに対し45°以下、及び(2)アルミホイル上で:水に対し41°以下、及びDIMに対し39°以上、並びに(3)PET又はアルミホイル上で取り溜めた3組の測定において2〜3度を超える変動が存在しない。アルミホイル及びPETの表面は平坦で、滑らかで、化学的に不活性(試験されている液体と接触した場合に30分以内に溶解、膨潤しない)で、及び化学的に均質(表面に渡って官能基が均一に分散されている)でなければならない。
【0141】
動的接触角分析機(FTÅ200、ファースト・テン・オングストロームス(First Ten Angstroms)、バージニア州ポーツマス(Portsmouth))を使用する。25±1℃及び相対湿度45±2%に保たれたクリーンルーム中、振動のないベンチ上で装置を使用する。27ゲージの無菌で化学的に汚染されていないステンレススチールの先端の尖っていない針を有する、無菌の化学的に汚染されていない10mL注射器中に、ミリポア(Millipore)精製蒸留水又は99%高純度ジイオドメタンを充填する。注射器を針が下を指すように垂直状態に取り付ける。FTÅ200のポンプコントロールを用いて針の先から水7±1μL又はDIM4±1μLをぶら下げる。PET又はアルミホイルの平坦で滑らかな部片を針の真下のzステージ上に注意深く置く。zステージを使用してPET又はアルミホイルの表面を、ぶら下がっている液滴の底部に静かに触れるまで注意深く及びゆっくりと上昇させる。後方のライトを80%まで照射する。PET又はアルミホイルの平面に対し3度傾いた(見下ろす)ところで液滴の焦点を合わせた画像を得る。液滴が釣り合った(表面上で広がるのが止まった)後、又は粘性の高い物質(>0.02m2/s(20,000cSt))に関しては30分時に、画像を得る。液滴の両側に関して非球面状に付着された(fitted)接触角を決定する。両側の平均値を報告する。各試験化合物に関してアルミホイル又はPETの別の部分で接触角決定を3回繰り返す。
【0142】
【表1】

針から出る物質が液滴を形成しないが針の開口部の形状を保持する場合には、その物質を顕微鏡のスライドガラス上に均一な滑らかな厚い(1〜2mm)薄膜へと広げる。上述のPET又はアルミホイル上での接触角の決定法と同一の態様で、4−μLの99%高純度DIM及び7−μLのミリポア(Millipore)精製蒸留水を、前記薄膜へと適用する。流体の広がりが止まった後、通常は30秒以内に、薄膜上に広がったDIM及び水に関する静的接触角を決定する。
【0143】
5.親水性活性物質に関する生体付着法
皮膚上の親水性活性物質を測定する方法−親水性有益剤(分析物)を含有する製品を以下の手順に従って内側前腕部に適用する:
35℃の水道水を用いて流速50〜60mL/秒で肘から手首までの前腕部を5秒間洗い流す。1.0mLの液体石鹸、又は両手の中で完全な6回転だけ回転させた濡らした石鹸バーからの泡を10回の完全な前後のストロークを用いて内側前腕部全体に適用する。前腕部から泡を10秒間洗い流す。1.0mLの製品を内側前腕部上に10秒間こすり付ける。製品を前腕部上に10秒間放置する。前腕部を水で10秒間洗い流す。清潔な乾いたペーパータオルで前腕部をやさしくたたいて乾かす。
【0144】
次のテープストリッピング手順を用いて前腕部から付着した分析物を回収する。D−スクエイムテープ(D-Squame tape)(直径22mm、クデルム社(CuDerm Corporation))を内側前腕部上の肘の皺から5.1cm(2インチ)にしっかりと配置する。そのテープストリップを清潔なテフロンコーティングされたピンセットを用いて剥し、予めそれぞれの固有のラベルがつけられた容器(例えば、使い捨てペトリ皿)内にそのテープの粘着側を上に向けて入れる。次のテープを同じ位置にしっかりと配置し、1箇所当たり全部で10枚のテープが集まるまで同様の方法で収集する。クロマトグラフィー又は電気泳動法の検出限界を満たすために必要な場合は、追加の領域を抽出して溜めておく。
【0145】
抽出溶媒(類)を用いてテープから分析物を定量的に抽出(95%以上回収)する。次のどちらかを用いる(1)容器中に溜めおかれた10枚のテープから、クロマトグラフィー又は電気泳動において分析物又は内部標準のバンドと干渉する粘着剤からの構成成分をも抽出することなく分析物を抽出するための単一の溶媒又は混和性溶媒の溶液、又は(2)両方ともがテープから分析物を抽出し、その分析物を、下記のクロマトグラフィー又は電気泳動において分析物又は使用される内部標準のバンドと干渉する粘着物の構成成分から分離した相へと分配する2以上の不混和性の溶媒又は溶媒の溶液を使用する。分析物の抽出を改善するために音波処理又は振動を利用する。分析物が失われない又は分解されないならば、分析物の全回収量を向上させるために、幾つかの収集サイトを溜めおいて、周囲温度、周囲に近い温度、又は高温で、真空を用いて又は用いずに、又は99.999%以上の高純度の気体の吹き流しを用いて又は用いずに、蒸留することによって濃縮することができる。
【0146】
機器が適切に機能している(メーカーの操作説明書又は現行のUSP(アメリカ薬局方)からのクロマトグラフィー法に関するシステムの適切性の基準に合格する)場合に分析物を正確に定量する(95%以上の信頼限界)ために、十分な感度(皮膚から抽出された濃度における分析物濃度に対して10以上の信号対雑音比))及び分析物又は内部標準のバンド及び皮膚、テープストリップ粘着剤、又は製品からの構成成分と関連するその他のバンドの間の選択性(ベースライン解像度、又は質量/電荷バンドの重なりなし、若しくは放射性計数干渉(radioactive counting interference)なし−採用される検出器のタイプに依存))を生ずる適当な検出器を有するクロマトグラフィー又はキャピラリー電気泳動システムを使用する。分析物に対する感度は皮膚に付着された濃度の80〜120%でなければならない。内部標準は、(1)共溶出しない又は質量/電荷バンドと干渉しない、又は親水性有益剤バンドの放射性計数(radioactive counting)と干渉しない;及び(2)親水性有益剤のバンドと接近して溶出する、親水性有益剤(類)と類似した化学的及び物理的特性を有する化合物である。適切な機能はまた、クロマトグラフィー又は電気泳動システムにおいて存在する場合、次の2つの条件も生ずる:(1)分析物(類)及び内部標準の6つの連続した注入に関して保持時間の%RSD(相対標準偏差)が2.0%以下である;並びに(2)分析物のバンドレスポンス(内部標準に対して標準化)と分析物の濃度との間の、外部検量線の最低5点に関して最低0.99の相関係数。クロマトグラフィー法の2つの例を以下に記載する:
【実施例】
【0147】
実施例1:親水性有益剤として、グリセリン
1mLの0.01N水性H2S04及び9mLのメタノールをテープストリップを含有する容器に加え、1分間攪拌し、10分間音波振動し、30分放置して、0.45μm孔シリンジフィルターを用いてろ過する。穏やかな窒素パージを用いてろ液を総量1mLまで濃縮する。示差屈折率検出器(2414型、ウォーターズ社(Waters Corp.))を有する高速液体クロマトグラフィー(HPLC、2595型、ウォーターズ社(Waters Corp.)、マサチューセッツ州ミルフォード(Milford))を使用し、以下の条件を用いる:IOA−1000カラム(300mm×7.8mm、アルテック・アソシエーツ社(Alltech Associates, Inc)、イリノイ州ディアフィールド(Deerfield))、65℃、0.01N水性H2SO4のアイソクラティック(isocratic)流量0.6m l分-1及び注入量10μL。
【0148】
実施例2:親水性有益剤として、ジヒドロキシアセトン
1mLの0.005N水性H2S04及び9mLのメタノールをテープストリップを含有する容器に加え、1分間攪拌し、10分間音波振動し、30分放置して、0.45μm孔シリンジフィルターを用いてろ過する。穏やかな窒素パージを用いてろ液を総量1mLまで濃縮する。示差屈折率検出器(2414型、ウォーターズ社(Waters Corp.))を有するHPLC(2595型、ウォーターズ社(Waters Corp.))を使用し、以下の条件を用いる:IOA−1000カラム(300mm×7.8mm、アルテック・アソシエーツ社(Alltech Associates, Inc))、65℃、0.005N水性H2SO4のアイソクラティック(isocratic)流量0.6ml分-1及び注入量40μL。
【0149】
6.会合構造の同定
会合構造形成は幾つかの同定技術のうちの1以上を用いて同定されてよい。会合構造形成の開始、及び特定の界面活性物質及び親水性液体系に対して実質的に1相の液晶状態の発生は、以下によって同定することができる:1)肉眼による目視観測;2)偏光顕微鏡法により観察される複屈折光学活性;3)界面活性物質/親水性液体系NMRスペクトルの測定;4)見かけ粘度特性の測定;5)クライオ(cryo)走査電子顕微鏡(クライオ(cryo)−SEM)及び/又は凍結割断透過電子顕微鏡(FF−TEM)により観測できる特徴的な「質感(texture)」パターンの存在;6)X線回折。これらの方法については米国特許第5,599,555号に更に詳細に記載されている。
【0150】
非限定的な実施例
以下の実施例に示される組成物は、本発明の組成物の具体的な実施形態を例示しているが、これらに限定しようとするものではない。その他の変更は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実行され得る。本発明の組成物のこれら例示された実施形態は、パーソナルケア組成物の向上された付着を提供する。次の実施例で説明される組成物は、従来の配合及び混合方法によって調製されるが、その例は上に記載されている。すべての例示された量が重量パーセントとして列挙されており、特に指定されない限り、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物などの微量物質は除外されている。
【0151】
実施例1〜10
【0152】
【表2−1】

【0153】
【表2−2】

【0154】
実施例11〜12
【0155】
【表3】

実施例1〜12のパーソナルケア組成物を従来の配合及び混合技術によって調製する。
【0156】
水相組成物を、最初にヒドロキシプロピルデンプンホスフェートを水中に分散することによって調製する。乳化ワックスを加えて71.1℃(160°F)に加熱する。次に、混合容器を水浴中において37.8℃(100°F)以下に冷却する。芳香剤を加える。
【0157】
必要な場合(即ち供給元によって既にプレミックスされていない場合)には、最初に親水性液体と構造化剤をプレミックスすることによって構造化された親水性相を調製する。この混合物を界面活性物質と混合する。
【0158】
構造化された親水性相を脂質と混合する。脂質が固体又は半固体の場合、脂質を融解させるために内部構造化された親水性相を加えるのが好ましい。
【0159】
脂質相のプレミックスを水相に加えて、従来の混合技術によって混合する。
【0160】
実施例13〜14
【0161】
【表4】

前述の組成物を、従来の配合及び混合技術によって調製する。クレンジング相組成物は、最初にクエン酸を水に、1:3の比で加えてクエン酸プレミックスを形成することにより調製する。次の成分を主混合容器内に次の順序で加える:水、ミラケアSLB−354(Miracare SLB-354)、塩化ナトリウム、及び防腐剤。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー(N−ハンス3196(N-Hance3196))を水中に1:10の比で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散されたポリマープレミックスを主混合容器内に加える。PEG90M(ポリオックスWSR301(Polyox WSR 301))を水中に分散し、次いで主混合容器に加える。次に、このバッチに、水の残り、香料、及びエクスパンセル(Expancel)を加える。均質な溶液が形成されるまで攪拌を続ける。
【0162】
必要な場合(即ち供給元によって既にプレミックスされていない場合)には、最初に親水性液体と構造化剤をプレミックスすることによって構造化された親水性相を調製する。この混合物を界面活性物質と混合する。
【0163】
混合容器内にワセリンを加えることによって脂質相を調製する。容器を87.8℃(190°F)に加熱する。次に、攪拌しながら鉱油を加える。攪拌しながら構造化された親水性相を加える。
【0164】
クレンジング相及び脂質相は、密度が0.05g/cm3以内に一致している。従来の練り歯磨きチューブ充填機器を使用して、両方の相を単一容器内に包装する。充填プロセスの間、試料台がボトルを回転させて、縞模様の外観を作り出す。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。
【0165】
実施例15
【0166】
【表5】

前述の組成物を、従来の配合及び混合技術によって調製する。相1は、最初にクエン酸をラウレス−3硫酸アンモニウムに加えることにより調製する。クエン酸が完全に溶解したら、ラウロアンホ酢酸ナトリウムを加える。混合物を88〜90℃(190〜195°F)に加熱する。トリヒドロキシステアリンを完全に組み込み、次いで防腐剤を加える。混合を続けながらワセリンを加える。別個の混合容器内に相2を調製する。ラウレス−3硫酸アンモニウム、次にラウリル硫酸アンモニウムを水浴中の混合容器に加える。この容器に、連続して混合しながら相1を加える。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド及び水をプレミックスする(プレミックス1)。プレミックス1を混合容器に加える。別個の混合容器中でワセリンと、モノマルズ(Monomuls)90−O18及びグリセリンのプレミックスとを混合することによって、プレミックス2を調製する。容器を90℃(190°F)に加熱する。次にプレミックス2を相2に加える。次に香料を加える。均質な溶液が形成されるまで攪拌を続ける。
【0167】
実施例16〜18
【0168】
【表6−1】

【0169】
【表6−2】

上記組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。以下のプレミックスを形成することによって追加の水相組成物を調製する:クエン酸を水に1:1の比率で加えクエン酸プレミックスを形成し、ポリオックス(polyox)WSR−301をグリセリンに1:3の比率で加え、ポリオックス−グリセリンプレミッスを形成し、及び化粧用顔料をグリセリンに1:20の比率で加え顔料−グリセリンプレミックスを形成し、そして高剪断混合機を用いてよく混合する。次に、次の成分を主混合容器に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、ポリオックス(polyox)プレミックス、クエン酸プレミックス、EDTA二ナトリウム、及びミラケア(Miracare)SLB−365。30分間混合し、次におよそ49℃までのバッチの加熱を開始する。CMEAを加え、均質になるまで混合する。次にバッチを周囲温度まで冷却し、次の成分を加える:塩化ナトリウム、グリダント、化粧品用顔料プレミックス、及び香料。バッチを60分間混合する。pHを調べ、必要であればクエン酸又は苛性溶液を用いてpHを調整する。
【0170】
必要な場合(即ち供給元によって既にプレミックスされていない場合)には、最初に親水性液体と構造化剤をプレミックスすることによって構造化された親水性相を調製する。この混合物を界面活性物質と混合する。
【0171】
構造化された親水性相を脂質と混合する。脂質が固体又は半固体の場合、脂質に構造化された親水性相を加えるのが好ましい。
【0172】
脂質相のプレミックスを水相に加えて、従来の混合技術によって混合する。
【0173】
連続的に混合しながらスタビレン(Stabylene)30を水中にゆっくりと加えることによって水相を調製する。次に、ケルトロール(Keltrol)CG−Tを加える。連続攪拌しながらバッチを85℃に加熱する。次に、構造化された親水性相を含有する脂質相を加える。バッチを周囲温度に冷却する。次に、トリエタノールアミンを加える。塩化ナトリウム、グリダントを加え、均質になるまで混合する。
【0174】
水相及び追加の水相は、最初に、別々の相を、ポンプとホースとが取り付けられた別々の貯蔵タンク中に入れることにより、組み合わせることができる。次に、これらの相を予め定められた量で単一の組み合わせセクションにポンプで送る。次に、これらの相を組み合わせセクションからブレンドセクションへと移動させ、及びこれらの相をブレンドセクション内で混合して、得られる単一の製品が、縞模様、大理石模様、幾何学模様、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、相の識別できる模様を示すようにする。次いで、ホースを介して製品をブレンドセクションから単一のノズルへとポンプで送り、次にノズルを容器内に配置して得られた製品で容器を満たす。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。製品は周囲環境で少なくとも180日間安定した状態を保つ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
a)親水性の液体、
b)前記親水性の液体のための構造化剤、
c)界面活性物質、
d)脂質、及び
e)水相、
を含み、前記脂質、前記親水性の液体、前記構造化剤、及び前記界面活性物質は脂質相を形成し;
前記親水性の液体、前記構造化剤、及び前記界面活性物質は、前記脂質相において、前記脂質の表面上、前記脂質のドメイン内、又は前記脂質の表面上と前記脂質のドメイン内の両方にある、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記構造化剤は、会合構造形成物質、流体吸収性粒子、無機粒子状増粘剤、及び水溶性又は水膨潤性ポリマーから成る群から選択される、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記界面活性物質は、会合構造形成物質、及びフィルム形成物質から成る群から選択される、請求項1または2いずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記構造化剤及び前記界面活性物質は、両方とも会合構造形成物質である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記構造化剤と前記親水性の液体との比は1:1000〜100:1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記界面活性物質と前記親水性の液体との比は1:1000〜20:1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記脂質相は、安定性を維持しながら前記水相に物理的に接触して包まれている1つの視覚的に識別できる相である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
水相のための構造化剤、界面活性剤、及びカチオン性ポリマーから成る群から選択される任意成分を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
パーソナルケア組成物であって、
a.親水性の液体、
b.前記親水性の液体のための構造化剤、
c.界面活性物質、及び
d.脂質、
を含み、前記脂質、前記親水性の液体、前記構造化剤、及び前記界面活性物質は脂質相を形成し;
前記親水性の液体、前記構造化剤、及び前記界面活性物質は、前記脂質相中の前記脂質のドメイン内にあり、
前記構造化剤は、流体吸収性粒子、無機粒子状増粘剤、及び水溶性又は水膨潤性ポリマーから成る群から選択される、パーソナルケア組成物。
【請求項10】
活性成分を封入する方法であって、
a)界面活性物質および親水性の液体を組み合わせて会合構造体を形成する工程、
b)前記会合構造体を脂質相中に分散させる工程、及び
c)前記脂質相を水相中に分散させる工程、
によって活性成分を封入する方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物の有効量を皮膚又は毛髪上に直接的に、又はクレンジングパフ、洗い布、及びスポンジから成る群から選択される用具を介して皮膚又は毛髪上に間接的に分与する工程、並びに水で洗い流すことによって前記組成物を皮膚及び/又は毛髪から除去する工程、
を含む、親水性の有益剤を皮膚又は毛髪に送達する方法。

【公表番号】特表2007−533758(P2007−533758A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509621(P2007−509621)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/013576
【国際公開番号】WO2005/105033
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
2.テフロン
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】