説明

親油性ポリアミド重縮合物を含むオレオ−アルコール性無水液体スクリーン組成物

【課題】経時的に安定であり、且つ、より高い日光及びUV-A波保護指数を達成することのできる、新規な透明の液体無水日光組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、化粧品として許容される媒質中に、a)少なくとも1つの炭化水素油、b)少なくとも1つの親油性有機UVスクリーン剤、c)少なくとも1つの直鎖状C1-C3モノアルコール、及び、d)少なくとも1つの親油性ポリアミド重縮合物を含む無水液体組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品として許容される媒質中に、
a) 少なくとも1つの炭化水素油、
b) 少なくとも1つの親油性有機UVスクリーン剤、
c) 少なくとも1つの直鎖状C1-C3モノアルコール、及び
d) 少なくとも1つの親油性ポリアミド重縮合物
を含む無水液体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
280nm乃至400nmの波長をもつ光線がヒトの表皮の褐色化を引き起こし得ること、及び、UV-B波の名で知られる、特に280nm乃至320nmの波長をもつ光線が、自然な日焼けの発展に有害となりうる紅斑及び皮膚火傷を引き起こすことは既知である。これらの理由により、また美的理由により、この自然な日焼けの制御、ひいては皮膚の色の制御のための手段が常に必要とされている。然るに、このUV-B波を遮断することが望ましい。
【0003】
320乃至400nmの波長を持ち、皮膚の褐色化をもたらすUV-A波が、特に敏感肌の場合または日光に継続して暴露されている皮膚の場合に、皮膚に有害な変化を引き起こしうることもまた既知である。UV-A波は、特に皮膚の弾性の喪失及び皺の出現を引き起こし、皮膚の早期老化をもたらす。これは、ある対象においては紅斑反応の誘発を促進するかまたはこの反応を増強し、光毒性または光アレルギー性の反応の原因にさえなりうる。然るに、美的及び美容的理由、例えば皮膚の自然な弾性の保持のために、ますます多くの人が、肌へのUV-A波の影響の制御を望んでいる。従って、UV-A波を遮断することもまた望ましい。
【0004】
皮膚及びケラチン性物質のUV光に対する保護を提供する目的で、通常は、UV-A波領域において活性なもの及びUV-B波領域において活性なものである、有機スクリーン剤を含む日光組成物が使用される。
【0005】
皮膚の光(UV-A波及び/またはUV-B波)保護を企図した多数の化粧品組成物が、今日までに提供されている。その目的は、とりわけ、使用者が皮膚に容易に適用できる液体製剤を見出すことである。
【0006】
今日までに提供された液体日光組成物の中では、その皮膚への容易且つ快適な適用及び水に対する優れた耐性のために、サンオイルタイプの無水製剤が特に求められている。しかしながら、これらは、10より大きな日焼け防止指数、及び日光製品に関する様々な規則によって要求される比率に相当する、特に5より大きなUV-A波防止指数を得ることが困難であることから、日光製品の市場であまり普及していない。
【0007】
日焼け防止指数(SPF)は、UVスクリーン剤を用いて紅斑を引き起こす閾値に達するまでにかかる照射時間の、UVスクリーン剤を用いずに紅斑を引き起こす閾値に達するまでにかかる時間に対する比率によって、数学的に表される。これは、イン・ビボで、特にColipa/CTFA SA/JCIAによって公表された(2006年5月)国際的方法に従って評価される。
【0008】
UV-A波に関する保護の特徴付けのためには、UV-A波に皮膚を暴露した2乃至4時間後に観察される皮膚の色を測定する、PPD(持続性色素沈着)法が特に推奨され、使用される。この方法は、1996年に、製品のUV-A波表示のための公式な試験方法として日本化粧品工業連合会(JCIA)によって採用され、また欧州及び米国の試験研究所によってしばしば用いられている(Japan Cosmetic Industry Association Technical Bulletin. Measurement Standards for UVA Protection Efficacy. Issued November 21, 1995 and effective of January 1, 1996)。
【0009】
保護指数UV-APPD(UV-APPD PF)は、UVスクリーン剤を用いて沈着閾値に達するまでに要するUV-A波の線量(MPPDp)の、UVスクリーン剤を用いずに沈着閾値に達するまでに要するUV-A波の線量(MPPDnp)に対する比率によって、数学的に表される。
【数1】

【0010】
特に、サンオイルの製造において日光保護指数を高くするしようとすると遭遇する主な問題は、快適な化粧品品質を有する、同時に液体であって、透明であり、且つ安定である製剤を得ることである。
【0011】
高い日光保護指数を得るために、エマルションタイプの、液体の水性日光組成物において、親油性ポリアミド重縮合物、特にエステル末端ポリ(エステル-アミド)(ETPEA)ポリマーまたは第四級アミド末端ポリアミド(ATPA)ポリマーを使用することが、出願EP1813266及びEP2014277に既に規定されている。
【0012】
サンオイルタイプの液体無水日光組成物中にこのタイプの親油性ポリアミド重縮合物を使用することについての研究の間に、出願人は、製剤が流動性を維持せず、過剰に濃厚になり(ゲルを形成し)、化粧品としての価値をほぼ失うことを見出した。更にまた、2か月間の貯蔵の後には、かくして得られる製剤が、油の滲出と共に不均質(ゲル化部分と非ゲル化部分との混合物)となる傾向を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】EP1813266
【特許文献2】EP2014277
【特許文献3】US-A-5783657
【特許文献4】US6503522
【特許文献5】US6552160
【特許文献6】US6399713
【特許文献7】US3645705
【特許文献8】US3148125
【特許文献9】US5500209
【特許文献10】WO2007/068371
【特許文献11】WO2008/155059
【特許文献12】US4077441
【特許文献13】US4850517
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Japan Cosmetic Industry Association Technical Bulletin. Measurement Standards for UVA Protection Efficacy. Issued November 21, 1995 and effective of January 1, 1996
【非特許文献2】Pearl Lustre Pigments - Physical principles, properties, applications - R. Maisch and M. Weigand. Verlag Moderne Industrie
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このように、経時的に安定であり、且つ、より高い日光及びUV-A波保護指数を達成することのできる、新規な透明の液体無水日光組成物を見出す必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
実際のところ、出願人は、驚くべきことに、化粧品として許容される媒質中に、
a) 少なくとも1つの炭化水素油、
b) 少なくとも1つの親油性有機UVスクリーン剤、
c) 少なくとも1つの直鎖状C1-C3モノアルコール、及び
d) 少なくとも1つの親油性ポリアミド重縮合物
を含む無水液体組成物によって、この目的が達成されうることを見出した。
【0017】
したがって、本発明は、粧品として許容される媒質中に、
a) 少なくとも1つの炭化水素油、
b) 少なくとも1つの親油性有機UVスクリーン剤、
c) 少なくとも1つの直鎖状C1-C3モノアルコール、及び
d) 少なくとも1つの親油性ポリアミド重縮合物
を含む無水液体組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の別の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を読むにつれて明らかになるであろう。
【0019】
「化粧品として許容される」とは、皮膚及び/又は身体表面成長物と適合性であり、快適な色、快適な匂い、及び快適な感触を呈して、使用者にこの組成物の使用を躊躇させがちな許容し難い不快感(ヒリヒリ感、ツッパリ感、赤み)を引き起こさないことを意味すると解される。
【0020】
「液体組成物」とは、本発明の範囲では、固形形態で存在せず、Rheomat 180粘度計を用い、25℃にて、回転速度200rpmで30秒間回転させた後に測定して、0.5Pa・s未満、より好ましくは0.2Pa・s未満、とりわけ0.001Pa・s乃至0.1Pa・sの範囲の粘度を有する組成物を意味すると解される。
【0021】
「無水組成物」とは、水を1質量%未満、更には0.5質量%未満含み、特に水を含まない組成物を意味すると解される。水はこの組成物の調製中には加えられないが、混合された成分に由来する残留水に相当する。
【0022】
「液体脂肪相」とは、本明細書の意味では、常温(25℃)及び常圧(760mmHg)で液体であり、且つ、油としても既知の、常温で液体であって互いに適合性である1つまたは複数の物質を含む、脂肪相を意味すると解される。
【0023】
「親油性」とは、分子状態で液体脂肪相中に完全に溶解すること、またはコロイド形態(例えばミセル形態)で液体脂肪相中に溶解することのできる、あらゆる化粧品または皮膚科化合物を意味すると解される。
【0024】
「油」とは、常温(20乃至25℃)で液体である脂肪物質を意味すると解される。
「炭化水素油」とは、主に炭素原子及び水素原子並びにエステル、エーテル、フッ素化、カルボン酸、アルコール、シリコーン、アミン、フェニル、及び/またはアミノ酸基を任意に含む、あらゆる油を意味すると解される。
【0025】
(親油性ポリアミド重縮合物)
「重縮合物」とは、本発明の意味では、重縮合、すなわち、特に酸、アルコール、及びアミン官能基から選択される様々な官能基を有するモノマー間の化学反応によって得られるポリマーを意味すると解される。
【0026】
「ポリマー」とは、本発明の意味では、少なくとも2つの繰り返し単位、好ましくは少なくとも3つの繰り返し単位、更に好適には10の繰り返し単位を有する化合物を意味すると解される。
【0027】
親油性ポリアミド重縮合物は、好ましくは、本発明の組成物の全質量に対して0.1乃至15質量%、より好ましくは1乃至8質量%の濃度でこの組成物中に存在する。
【0028】
親油性ポリアミド重縮合物は、特に、a)少なくとも1つの非ペンダントアミド単位を備えた、炭化水素の繰り返し単位を有するポリマー骨格、任意に、b)少なくとも4つの炭素原子を含み、且つこれらの炭素原子単位に結合した、少なくとも一つの任意に官能化されたペンダント脂肪鎖及び/または少なくとも一つの任意に官能化された末端脂肪鎖を含む、ポリアミドポリマーから選択することができる。
【0029】
「官能化された鎖」なる語は、本発明の範囲では、特に、アミド、ヒドロキシル、エーテル、オキシアルキレン、またはポリオキシアルキレン、フッ化もしくは過フッ化基を含むハロゲン、エステル、シロキサン、及びポリシロキサン基から選択される、1つまたは複数の官能性または反応性の基を含むアルキル鎖を意味すると解される。更に、1つまたは複数の脂肪鎖の水素原子は、少なくとも部分的にフッ素原子によって置き換えることができる。
【0030】
「炭素原子の繰り返し単位」なる語は、本発明の意味では、2乃至80の炭素原子、好ましくは2乃至60の炭素原子を含み、水素原子及び任意に酸素原子を担持する単位であって、飽和または不飽和で、直鎖、分枝状、または環状であってよい単位を意味すると解される。これらの単位は、それぞれ、有利には非ペンダント状であり、且つポリマー骨格中に存在する、少なくとも一つのアミド基を更に含む。
【0031】
有利には、ペンダント鎖は、ポリマー骨格の窒素原子の少なくとも一つに直接結合している。
【0032】
親油性ポリアミド重縮合物は、炭化水素単位の間に、シリコーン単位またはオキシアルキレン単位を含んでよい。
更に、本発明の組成物の親油性ポリアミド重縮合物は、有利には、アミド単位及び脂肪鎖の総数に対して40乃至98質量% 更に好適には50乃至95質量%の脂肪鎖を含む。
【0033】
好ましくは、ペンダント脂肪鎖は、ポリマーのアミド単位の窒素原子の少なくとも一つに結合している。特に、このポリアミドの脂肪鎖は、アミド単位及び脂肪鎖の総数の40乃至98%、更に好適には50乃至95%を占める。
【0034】
有利には、親油性ポリアミド重縮合物は、100000未満(特に、1000乃至100000の範囲)、特に50000未満(特に、1000乃至50000の範囲)、とりわけ1000乃至30000の範囲、好ましくは2000乃至20000の範囲、より好適には2000乃至10000の範囲の重量平均分子量を示す。
【0035】
親油性ポリアミド重縮合物は、水に、特に25℃では不溶性である。これは特に、イオン性基を含まない。
【0036】
本発明に使用することのできる、好ましい親油性ポリアミド重縮合物としては、6乃至120の炭素原子、更に好適には8乃至120の炭素原子、特に12乃至68の炭素原子を有する、ペンダント脂肪鎖及び/または末端脂肪鎖によって分枝したポリアミドを挙げてよく、各末端脂肪鎖は、少なくとも一つの結合基Lを介してポリアミド骨格に結合している。結合基Lは、エステル、エーテル、アミン、尿素、ウレタン、チオエステル、チオエーテル、チオ尿素、及びチオウレタン基から選択することができる。好ましくは、これらのポリマーは、ポリアミド骨格の各末端に脂肪鎖を含む。
【0037】
これらのポリマーは、好ましくは、少なくとも32の炭素原子を有する(特に32乃至44の炭素原子を有する)ジカルボン酸と、少なくとも2つの炭素原子(特に2乃至36の炭素原子)を有するジアミン及び少なくとも2つの炭素原子(特に2乃至36の炭素原子)を有するトリアミンから選択されるアミンとの間の重縮合から得られるポリマーである。二価酸は、好ましくは、少なくとも16の炭素原子、好ましくは16乃至24の炭素原子を有するエチレン性不飽和を含む脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、またはリノレン酸から得られるダイマーである。ジアミンは、好ましくは、エチレンジアミン、へキシレンジアミン、またはヘキサメチレンジアミンである。トリアミンは、例えば、エチレントリアミンである。1つまたは2つの末端カルボン酸基を含むポリマーについては、これらを、少なくとも4つの炭素原子、好ましくは10乃至36の炭素原子、更に好適には12乃至24の炭素原子、更にいっそう好適には16乃至24の炭素原子、例えば18の炭素原子を有するモノアルコールでエステル化することが有利である。
【0038】
本発明による組成物の親油性ポリアミド重縮合物は、特に、化式(A):
【化1】

[式中、
nは、1乃至30の範囲の整数であり、
R’1は、各場合において独立に脂肪鎖を表し、少なくとも1つの炭素原子、特に4乃至24の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基から選択され、
R’2は、各場合において独立に、1乃至52の炭素原子を含む炭化水素基を表し、
R’3は、各場合において独立に、炭素、水素、または窒素原子から選択される少なくとも1つの原子を含む有機基を表し、ここで、R’3は少なくとも3つの炭素原子を含むことを条件とし、
R’4は、各場合において独立に、水素原子、1乃至10の炭素原子を含むアルキル基、または、R’3及び別のR’4から選択される少なくとも1つの基への直接結合を表して、前記基が別のR’4である場合は、R’3とR’4との両方が結合する窒素原子が、R’4-N-R’3によって規定される複素環構造の一部を形成し、ここでR’4基の少なくとも50%が水素原子を表すことを条件とし、
Lは結合基であって、好ましくは、以上に規定されるた少なくとも1つのR’1基によって任意に置換された、エステル、エーテル、アミン、尿素、ウレタン、チオエステル、チオエーテル、チオ尿素、またはチオウレタンから選択されるものを表す]
のポリマーから選択することができる。
【0039】
一実施態様によれば、これらのポリマーは、式(A)において結合基Lが下記のエステル基:
【化2】

を表すポリマーから選択される。
これらのポリマーは、特に、Union Campの文献、US-A-5783657に記載のものである。
【0040】
これらの各ポリマーは、特に、下式(B):
【化3】

[式中、
・ mは、エステル基の数が、エステル及びアミド基の総数の少なくとも10乃至50%を示すような、アミド単位の整数を示し、
・ R1は、各場合において独立に、少なくとも4つの炭素原子、特に4乃至24の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
・ R2は、各場合において独立に、C4乃至C42の炭化水素基を表し、R2基の50%がC30乃至C42の炭化水素基であることを条件とし、
・ R3は、各場合において独立に、少なくとも2つの炭素原子と、水素原子と、任意に1つまたは複数の酸素もしくは窒素原子を有する有機基を表し、
・ R4は、各場合において独立に、水素原子、C1乃至C10のアルキル基、または、R3とR4との両方が結合する窒素原子がR4-N-R3によって規定される複素環構造の一部を形成するような、R3及び別のR4への直接結合を表し、ここでR4基の少なくとも50%は水素原子を表す]
を満たす。
【0041】
式(B)の特定の場合では、本発明の意味での任意に官能化された末端脂肪酸は、ポリアミド骨格の最終窒素原子に結合した末端鎖である。
【0042】
特に、式(B)のエステル基は、本発明の意味で末端及び/またはペンダント脂肪鎖の一部をなすものであるが、エステル及びアミド基の総数の15乃至40%、更に好適には20乃至35%を占める。
更にまた、mは、1乃至5、更に好適には2より大きい整数を表す。
【0043】
好ましくは、R1は、C12乃至C22、好ましくはC16乃至C22のアルキル基である。有利には、R2は、C10乃至C42の炭化水素(アルキレン)基であってよい。好ましくは、少なくとも50%、更に好適には少なくとも75%のR2基が、30乃至42の炭素原子を有する基である。別のR2基は、水素添加されたC4乃至C19の、更にはC4乃至C12の基である。
【0044】
好ましくは、R3は、C2乃至C36炭化水素基またはポリオキシアルキレン基を表し、R4は水素原子を表す。好ましくは、R3は、C2乃至C12の炭化水素基を表す。
【0045】
炭化水素基は、飽和または不飽和の、直鎖状、環状、または分枝状の基であってよい。更にまた、アルキル及びアルキレン基は、飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状の基であってよい。
【0046】
一般的に、式(B)のポリマーは、ポリマーのブレンドの形態で提供され、これらのブレンドは、式(B)においてnが0の値を有する化合物、換言するとジエステルに相当する合成生成物を更に含むことができる。
【0047】
本発明の特に好ましい形態によれば、エチレンジアミンと縮合したC36二価酸のコポリマーのブレンドが使用され、末端エステル基が、セチルアルコール、ステアリルアルコール、またはこれらの混合物(セテアリルアルコールとしても既知)(INCI名:エチレンジアミン/捨てアリルダイマージリノレエートコポリマー)による残りの酸末端のエステル化によってもたらされる。その重量平均分子量は、好ましくは6000である。これらのブレンドは、特にArizona Chemicalにより、Uniclear 80及びUniclear 100 VGの商品名で、鉱物油中(有効成分として)80%のゲル及び(有効成分として)100%のゲルの形態で、それぞれ市販されている。これらは88℃乃至94℃に軟化点を有する。
【0048】
一般式(A)に相当するポリアミド重縮合物としては、ポリマー骨格に少なくとも一つの第四級アミド結合基を介して結合した、少なくとも一つの末端脂肪鎖を含むポリマー(アミド末端ポリアミドまたはATPAとしても既知)を更に挙げてよい。これらのポリマーの更なる情報については、文献、US6503522を参照してよい。
【0049】
本発明の特に好ましい形態によれば、特に、水添ジリノール酸、エチレンジアミン、及びジ(C14乃至C18)アルキルアミンのコポリマー(INCI名:エチレンジアミド/水添ダイマージリノレエートコポリマービス-ジ-C14-C18アルキルアミド)が使用される。このコポリマーは、特に、Sylvaclear A200Vの商品名でArizona Chemicalによって市販されている。
【0050】
別の実施態様によれば、式(A)のポリアミドは、エステル末端を含むポリ(エステル-アミド)(エステル末端ポリ(エステル-アミド))もしくはETPEA)、例えば文献、US6552160にその調製が記載されているものであってよい。
【0051】
本発明の特に好ましい形態によれば、とりわけ、水添ジリノール酸、エチレンジアミン、ネオペンチルグリコール、及びステアリルアルコールのコポリマー(INCI名:ビス-ステアリルエチレンジアミン/ネオペンチルグリコール/ステアリル水添ダイマージリノエートコポリマー)が使用される。このポリマーは、特に、Sylvaclear C75 Vの商品名でArizona Chemicalより市販されている。
【0052】
本発明において使用可能なポリアミド重縮合物としては、少なくとも一つのエーテルもしくはポリエーテル結合基を介してポリマー骨格に結合した、少なくとも一つの末端脂肪鎖を含むもの(これはエーテル末端ポリ(エーテル)アミドと呼称される)を更に挙げてよい。こうしたポリマーは、例えば、文献、US6399713に記載されている。
【0053】
本発明によるポリアミドは、有利には、65℃より高く、190℃にまでの範囲をとりうる軟化点を有する。好ましくは、これは70乃至130℃、更に好適には、80乃至105℃の範囲の軟化点を呈する。ポリアミドは、特に非ワックス状ポリマーである。
【0054】
本発明に使用可能なポリアミド重縮合物としては、脂肪族ジカルボン酸とジアミンとの縮合により生成するポリアミド樹脂(2より多くのカルボニル基及び2つのアミン基を有する化合物を含む)を更に挙げてよく、隣接の全単位のカルボニル基及びアミン基は、アミド結合を介して縮合している。これらのポリアミド樹脂は、特に、Versamid(登録商標)の商品名でGeneral Mills, Inc.により、及びHenkel Corp.により(Versamid 930、744、もしくは1655)、あるいはOnamid(登録商標)、特にOnamid SもしくはCの商品名でOlin Mathieson Chemical Corp.により市販されている。これらの樹脂は、6000乃至9000の重量平均分子量を有する。これらのポリアミドの更なる情報については、文献、US3645705及びUS3148125を参照してよい。とりわけ、Versamid(登録商標)930もしくは744が使用される。
【0055】
Arizona Chemicalによって、品番Uni-Rez(2658、2931、2970、2621、2613、2624、2665、1554、2623、2662)で市販されるポリアミド、及び、品番Macromelt 6212の下にHenkelにより市販される製品を更に挙げてよい。これらのポリアミドの更なる情報については、文献、US5500209を参照してよい。
【0056】
植物由来のポリアミド樹脂、例えば、特許、US5783657及びUS5998570に記載のものなどを更に使用することができる。
【0057】
(炭化水素油)
本発明の組成物は、揮発性または不揮発性であってよい、少なくとも一つの炭化水素油を含む。
【0058】
「揮発性油」とは、本発明の意味では、皮膚またはケラチン繊維に接触した際に、常温及び常圧にて1時間未満で蒸発しうる油を意味すると解される。本発明の揮発性油は、常温で液体であり、常温及び常圧にて、特に0.13Pa乃至40000Pa(10-3乃至300mmHg)の範囲、特に1.3Pa乃至13000Pa(0.01乃至100mmHg)の範囲、とりわけ1.3Pa乃至1300Pa(0.01乃至10mmHg)の範囲のゼロでない蒸気圧を有する、揮発性化粧品油である。
【0059】
「不揮発性油」とは、常温及び常圧にて少なくとも数時間に亘って皮膚またはケラチン繊維上に残り、且つ、特に10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する油を意味すると解される。
【0060】
炭化水素油は、好ましくは、本発明の組成物中に、この組成物の全質量に対して30乃至99.8質量%、更に好ましくは40乃至90質量%の濃度で存在する。
【0061】
本発明によって使用可能な不揮発性炭化水素油としては、特に、
(i)植物起源の炭化水素油、例えば、一般的には脂肪酸とグリセロールとのトリエステルであるトリエステルグリセリドであって、その脂肪酸はC4-C24の様々な鎖長を有してよく、これらの鎖は、直鎖状または分枝状で、飽和または不飽和であってよく、これらの油は、特に、小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ油、トウモロコシ油、アプリコット油、ヒマシ油、アボカド油、オリーブ油、大豆油、スウィートアーモンド油、ヤシ油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、パンプキンシード油、マロウ油、ブラックカラントシード油、イブニングプリムローズ油、黍油、大麦油、キヌア油、ライ麦油、紅花油、パッションフラワー油、またはムスクローズ油、あるいはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Duboisにより市販のもの、またはDynamit NobelによりMyglyol 810、812、及び818の名称で市販されているもの;
(ii)10乃至40の炭素原子を有する合成エステル;
(iii)無機または合成起源の、直鎖状または分枝状の炭化水素、例えば、流動ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばパーリーム、スクアラン、及びこれらの混合物;
(iv)合成エステル、例えば式RCOOR’の油であって、式中、Rは1乃至40の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の脂肪酸の残基を表し、R’は炭化水素鎖、特に1乃至40の炭素原子を含む分枝状炭化水素鎖を表し、R+R’が10以下であることを条件とするもの、例えばパーセリンオイル(セテアリルオクタノエート)、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、C12-C15アルキルベンゾエート、例えば、商品名「Finsolv TN」または「Witconol TN」の下にWitcoにより、または商品名「Tegosoft TN」の下にEvonik Goldschmidtにより市販の製品、2-エチルフェニルベンゾエート、例えば、「X-Tend 226」の名称でISPにより市販の製品、イソプロピルラノレート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、イソノニルイソノナノエート、オレイルエルケート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、あるいは、アルコールもしくはポリアルコールのオクタノエート、デカノエート、もしくはリシノレエート、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、ヒドロキシル化エステル、例えば、イソステアリルラクテートまたはジイソステアリルマレエート;ペンタエリスリトールエステル;シトレートもしくはタルトレート、例えば、ジ(直鎖状C12-C13アルキル)タルトレート、例えば、Cosmacol ETIの名称でEnichem Augusta Industrialeにより市販のもの、及びジ(直鎖状C14-C15アルキル)タルトレート、例えば、Cosmacol ETLの名称で同社により市販のもの;あるいはアセテート、
(v)12乃至26の炭素原子を有し、常温で液体である、分枝状及び/または不飽和の炭素鎖を含む脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルドデカノール、2-ブチルオクタノール、または2-ウンデシルペンタデカノール;
(vi)高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、またはリノレン酸;
(vii)カーボネート、例えば、ジカプリリルカーボネート、例えば「Cetiol CC」の名称でCognisより市販の製品;
(viii)脂肪アミド、例えば、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネート、例えば、Eldew SL205の商品名でAjinomotoより市販の製品;並びに
これらの混合物を挙げてよい。
【0062】
揮発性炭化水素油は、8乃至16の炭素原子を有する炭化水素油、特に、分枝状C8-C16アルカン、例えば、石油起源のC8-C16イソアルカン(イソパラフィンとしても既知)、例えば、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても既知)、イソドデカン、イソヘキサデカン、またはIsoparsまたはPermethylsの商品名で市販の油、分枝状C8-C16エステル、イソヘキシルネオペンタノエート、並びにこれらの混合物から選択することができる。別の揮発性炭化水素油、例えば、石油蒸留物、特に、Shell Soltの名称でShellにより市販のものもまた使用することができる。一実施態様によれば、揮発性溶媒は、8乃至16の炭素原子を有する揮発性炭化水素油及びこれらの混合物から選択される。
【0063】
Cognisによる特許出願、WO2007/068371またはWO2008/155059に記載のアルカン(炭素原子が少なくとも1つ異なる個別のアルカンの混合物)もまた挙げてよい。これらのアルカンは、それ自体がココナッツ油またはヤシ油から得られる脂肪アルコールから得られる。Cognisによる出願、WO2008/155059の実施例1及び2で得られる、n-ウンデカン(C11)とn-トリデカン(C13)との混合物を挙げてよい。Sasolにより、それぞれが品番Parafol 12-97及びParafol 14-97の下に市販されているn-ドデカン(C12)及びn-テトラデカン(C14)、及びこれらの混合物を更に挙げてよい。
【0064】
本発明によって使用可能な炭化水素油の中で、特に好ましいものは、グリセリドトリエステル、特に、カプリル/カプリン酸のトリグリセリド、合成エステル、特に、イソノニルイソノナノエート、オレイルエルケート、またはC12-C15アルキルベンゾエート、及び脂肪アルコール、特にオクチルドデカノールである。
【0065】
(付加的油)
本発明による組成物は、好ましくは揮発性シリコーン油または不揮発性シリコーン油から選択される、1つまたは複数の付加的油を更に含むことができる。
【0066】
シリコーン油は、液体脂肪相の全質量に対して、0.1乃至20質量%、好ましくは0.1乃至5質量%の範囲の濃度で、液体脂肪相中に存在する。
【0067】
不揮発性シリコーン油は、特に、不揮発性であるポリジメチルシロキサン(PDMSs)、シリコーン鎖の末端にペンダントアルキルもしくはアルコキシ基及び/またはアルキルもしくはアルコキシ基を含み、各基が2乃至24の炭素原子を有するポリジメチルシロキサン、あるいはフェニル化シリコーン、例えば、フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン、あるいは(2-フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケートから選択することができる。
【0068】
揮発性シリコーン油としては、例えば、揮発性の直鎖状または環状シリコーン油、特に8センチストーク(8×10-6m2/s)以下の粘度を有し、且つ、特に2乃至7のケイ素原子を有するものを挙げてよく、これらのシリコーンは、1乃至10の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ基を任意に含む。本発明において使用可能な揮発性シリコーン油としては、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びこれらの混合物を挙げてよい。
【0069】
一般式(I):
【化4】

[式中、
Rは、2乃至4の炭素原子を含むアルキル基を表し、その1つまたは複数の水素原子は、フッ素原子または塩素原子によって置き換え可能である]
の揮発性直鎖状アルキルトリシロキサン油を更に挙げてよい。
【0070】
一般式(I)の油の中で、式(I)において、Rがそれぞれ、ブチル基、プロピル基、またはエチル基である油に相当する、
3-ブチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、
3-プロピル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、及び
3-エチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、
を挙げてよい。
【0071】
(直鎖状C1-C3モノアルコール)
本発明の組成物中に存在するC1-C3モノアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、またはこれらの混合物から選択することができる。エタノールが、特に選択される。
【0072】
これらは、一般的に、組成物の全質量に対して0.1乃至40質量%、より好ましくは2乃至10質量%の範囲の濃度で存在する。
【0073】
(親油性有機UVスクリーン剤)
これらは特に、パラ-アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノンまたはアミノベンゾフェノン、アントラニル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンジリデンカンファ誘導体、フェニルベンズイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ビスレゾルシニルトリアジン、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロネート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、メロシアニン、及びこれらの混合物から選択される。
【0074】
320乃至400nmのUV光を吸収することのできる、親油性有機UV-A波スクリーン剤の中では、
<ジベンゾイルメタン誘導体>
4-イソプロピルジベンゾイルメタン、「Eusolex 8020」の名称でMerckによって市販され、下式に相当するもの:
【化5】

1-(4-メトキシ-1-ベンゾフラン-5-イル)-3-フェニルプロパン-1,3-ジオン、QuestによってPongamolの名称で市販され、下式のもの:
【化6】

1-(4-(tert-ブチル)フェニル)-3-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、下式のもの:
【化7】

ブチル メトキシジベンゾイルメタン、特に、商品名「Parsol 1789」の下でHoffmann-La Rocheによって市販のもの、
<アミノベンゾフェノン>
n-ヘキシル 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、商品名「Uvinul A+」の下で市販のもの、
<アントラニル誘導体>
メンチルアントラニレート、商品名「Neo Heliopan MA」の下でHaarmann and Reimerにより市販のもの、
<4,4-ジアリールブタジエン誘導体>
1,1-ジカルボキシ-(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン
を挙げてよい。
【0075】
好ましいものは、
ブチル メトキシジベンゾイルメタン、
n-ヘキシル 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
である。
【0076】
280乃至3210nmのUV光を吸収することのできる、親油性有機UV-B波スクリーン剤の中では、
<パラ-アミノベンゾエート>
エチル PABA、
エチル ジヒドロキシプロピルPABA、
エチルヘキシル ジメチルPABA (Escalol 507、ISP製)
<サリチル酸誘導体>
ホモサレート、「Eusolex HMS」の名称ででRona/EM Industriesにより市販のもの、
エチルヘキシル サリチレート、「Neo Heliopan OS」の名称でHaarmann and Reimerより市販のもの、
ジプロピレングリコールサリチレート、「Dipsal」の名称でScherにより市販のもの、
TEAサリチレート、「Neo Heliopan TS」の名称でHaarmann and Reimerより市販のもの、
<シンナメート>
エチルヘキシルメトキシシンナメート、特に、商品名「Parsol MCX」の下でHoffmann-La Rocheにより市販のもの、
イソプロピルメトキシシンナメート、
イソアミルメトキシシンナメート、商品名「Neo Heliopan E 1000」の下でHaarmann and Reimerにより市販のもの、
ジイソプロピルメチルシンナメート、
シノキサート、
グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナメート、
<β,β’-ジフェニルアクリレート誘導体>
オクトクリレン、特に、商品名「Uvinul N539」の下でBASFにより市販のもの、
エトクリレン、特に、商品名「Uvinul N35」の下でBASFにより市販のもの、
<ベンジリデンカンファ誘導体>
3-ベンジリデンカンファ、「Mexoryl SD」の名称でChimexにより製造されているもの、
メチルベンジリデンカンファ、「Eusolex 6300」の名称でMerckにより市販のもの、
ポリアクリルアミドメチル ベンジリデンカンファ、「Mexoryl SW」の名称でChimexにより製造されているもの、
<トリアジン誘導体>
エチルヘキシルトリアゾン、特に、商品名「Uvinul T150」の下でBASFにより市販のもの、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル 4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル 4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル 4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル 4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル 4'-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
<イミダゾリン誘導体>
エチルヘキシル ジメトキシベンジリデン ジオキソイミダゾリンプロピオネート、
<ベンザルマロネート誘導体>
ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Polysilicone-15、商品名「Parsol SLX」の下でHoffmann-La Rocheにより市販のもの、
ジネオペンチル 4’-メトキシベンザルマロネート、
<メロシアニン誘導体>
オクチル5-N,N-ジエチルアミノ-2-フェニルスルホニル-2,4-ペンタジエノエート、
を挙げてよい。
【0077】
好ましいものは、
ホモサレート、
エチルヘキシル サリチレート、
エチルヘキシルメトキシシンナメート、
オクトクリレン、
エチルヘキシルトリアゾン、
2,4-ビス(n-ブチル 4'-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
オクチル5-N,N-ジエチルアミノ-2-フェニルスルホニル-2,4-ペンタジエノエート、
である。
【0078】
UV-A波及びUV-B波を吸収することのできる、広域スペクトル親油性有機スクリーン剤の中では、
<ベンゾフェノン 誘導体>
ベンゾフェノン-1、商品名「Uvinul 400」の下でBASFより市販のもの、
ベンゾフェノン-2、商品名「Uvinul D50」の下でBASFより市販のもの、
ベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン、商品名「Uvinul M40」の下でBASFより市販のもの、
ベンゾフェノン-5、
ベンゾフェノン-6、商品名「Helisorb 11」の下でNorquayより市販のもの、
ベンゾフェノン-8、商品名「Spectra-Sorb UV-24」の下でAmerican Cyanamidより市販のもの、
ベンゾフェノン-10、
ベンゾフェノン-11、
ベンゾフェノン-12、
<ベンゾトリアゾール誘導体>
ドロメトリゾール トリシロキサン、「Silatrizole」の名称の下でRhodia Chimieより市販のもの、
ブメトリゾール、「Tinoguard AS」の名称の下でCiba-Geigyより市販のもの、
<ビスレゾルシニルトリアジン誘導体>
ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、商品名「Tinosorb S」の下でCiba Geigyより市販のもの、
<ベンゾキサゾール誘導体>
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、Uvasorb K2Aの名称の下でSigma 3Vより市販のもの、
を挙げてよい。
【0079】
好ましいものは、
ベンゾフェノン-3、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
である。
【0080】
親油性有機スクリーン剤は、一般的に、本発明による組成物中に、組成物全質量に対して0.1乃至50質量%、好ましくは、組成物全質量に対して2乃至30質量%の割合で存在する。
【0081】
本発明の特に好ましい形態によれば、この組成物は、透明であり、且つ、HACH製の2100P濁度計装置で測定して、25℃にて1000NTU(比濁計濁度単位)未満、好ましくは25℃にて50NTU未満、更に好ましくは25℃にて15NTU未満の濁度を示す。
【0082】
本発明の特に好ましい形態によれば、この組成物は、10より高い、好適には15より高い、更に好適には20より高いSPFを示す。
【0083】
本発明の特に好ましい形態によれば、この組成物は5より高いUV-APPDPFを示し、従って、規制、特に、SPF/PPD比が3未満であることを望ましいとする欧州の規制を忠実に守っている。
【0084】
(添加剤)
本発明の製品の油性組成物は、油性相中に溶解しうるかまたは前記油性相中に分散しうる、特に、親油性染料、親油性有効成分、本発明のポリアミド重縮合物以外の親油性ポリマー、有機溶媒、保存料、防虫剤、精油、香料、皮膚軟化剤、または噴射剤から選択される様々な添加剤を、更に含むことができる。
【0085】
親油性化粧品有効成分の中では、例えば、酸化防止剤;角質溶解剤、例えば、n-アルキルサリチル酸、例えば5-(n-オクタノイル)サリチル酸;ビタミン、例えばビタミンE(トコフェロール及び誘導体)、またはビタミンA(レチノール及び誘導体);柔軟剤、並びに皮膚または髪の手入れに通常使用されるあらゆる親油性有効成分を挙げてよい。
【0086】
付加的親油性ポリマーとしては、スチレンから誘導されるブロックコポリマー、例えば、スチレン/エチレン-ブチレン/スチレンコポリマー、例えば、Kraton G-1650Eの名称でKraton Polymersより市販の製品;アクリルもしくはメタクリル酸コポリマー、例えば、アクリレート/ステアリルアクリレート/ジメチコーンメタクリレートコポリマー、KP 561 Pの名称でShin-Etsuより市販のもの;あるいは、ポリ-C10-30-アルキルアクリレート、例えば、Interlimer IPA 13-1の名称でLandecより市販の製品を挙げてよい。
【0087】
むろん、当業者であれば、上述の付加的な任意の化合物及び/またはその量を、本発明による組成物に本来的に付随する有利な特性を、行おうとする付加によって損なうことのないよう、または実質的に損なうことのないように注意するであろう。
【0088】
本発明の別の主題は、以上に定義される本発明による組成物の、皮膚、爪、髪、睫毛、眉毛、及び/または頭皮の美容処理のための製品、特に、ケア製品または日光保護製品の製造における使用を含む。
【0089】
本発明による化粧品組成物は、例えば、液体稠度の、顔及び/または身体及び/または髪のための、ケア製品及び/または日光保護製品及び/または日中用光保護製品及び/またはメイクアップ製品及び/または髪用製品として使用することができる。
【0090】
(香料)
本発明の特定の形態によれば、本発明による化粧品組成物は、芳香製品を構成すること及び芳香物質を更に含むことができる。
【0091】
芳香製品とは、ケラチン物質に適用した後に芳香を残す、あらゆる組成物を意味するものと解される。
【0092】
「芳香物質」とは、ヒトの皮膚、及び、一般的に皮膚、髪、頭皮、唇、または爪を含むケラチン物質に香りを付けることのできる、あらゆる香料を意味すると解される。
【0093】
本発明の組成物における芳香物質としては、天然または合成起源の香料並びにこれらの混合物を使用して良い。天然起源の香料としては、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、イラン-イラン)の抽出物、葉及び茎(パチョリ、ゼラニウム、ダイダイ)の抽出物、実(コリアンダー、アニス、クミン、ジュニパーベリー)の抽出物、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)の抽出物、根(アンゼリカ、セロリ、カルダモン、アヤメ、ショウブ)の抽出物、木(マツノキ、サンダルウッド、グアヤク、ピンクシダー)の抽出物、草(grasses and graminae)(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)の抽出物、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)の抽出物、あるいは樹脂及び香油(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバン、オポパナクス)の抽出物を挙げてよい。
【0094】
合成起源の芳香物質としては、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、芳香族アルコール、及び炭化水素タイプの化合物を挙げてよい。
【0095】
特に、エステルとしては、ベンジルアセテート、ベンジルベンゾエート、フェノキシエチルイソブチレート、p-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセテート、シトロネリルアセテート、シトロネリルホルメート、ゲラニルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アルキルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、及びベンジルサリチレートを挙げてよい。
【0096】
エーテルとしては、ベンジルエチルエーテルを挙げてよい。
アルデヒドとしては、例えば、8乃至18の炭素原子を含む直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル、及びブルジオナールを挙げてよい。
【0097】
ケトンとしては、例えば、イオノン、例えば、α-イソメチルイオノン、及びメチルセドリルケトンを挙げてよい。
【0098】
芳香族アルコール、特にテルペンアルコールの中では、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、及びテルピネオールを挙げてよい。
【0099】
特に、炭化水素として、テルペンを挙げてよい。これらの化合物は、2つまたはそれ以上のこれら臭気化合物の混合物の形態でしばしば存在する。
【0100】
更にまた、精油、芳香成分、例えば、セージ、カモミール、クローブ、レモンバーム、ミント、桂皮(cinnamon tree leaves)、ライムブロッサム、ジュニパー、ベチバー、オリバナム、ガルバナム、ラブダナム、及びラバンジンのの精油等を更に使用して良い。
【0101】
香料物質としては、単独または混合物として、ベルガモットの精油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、アンブロキサン、インドール、へジオン、サンデリス、レモンとマンダリンとオレンジとの精油、アリルアミングリコレート、シクロベルタル、ラバンジンの精油、セージの精油、ベータ-ダマスコン、ゼラニウムの精油、シクロヘキシルサリチレート、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、またはローズオキサイドを使用して良い。
【0102】
使用者にとって好ましい香りを共に生み出す、様々な芳香物質の混合物を使用しても良い。既知の嗅覚ノートの中では、例えば、柑橘系(hesperidic)香料、香りの良いもの、フローラル系香料、ムスク系のもの、実系香料、スパイス系のもの、オリエンタル系香料、海の香り、水のノート、シプレー系香料、ウッディ系香料、フゼア系のもの、並びにこれらの混合物を挙げてよい。
【0103】
芳香物質の量は、組成物の全質量に対して、5乃至25質量%、更に好適には10乃至20質量%である。
【0104】
(付加的着色剤)
本発明の別の特定形態によれば、本発明の組成物は、1つまたは複数の付加的着色剤を更に含むことができる。
【0105】
付加的着色剤は、合成または天然の直接染料から選択することもできる。これらは有機または無機の染料であって良い。
【0106】
合成または天然の脂溶性有機染料は、例えば、DC Red 17、DC Red 21、DC Red 27、DC Green 6、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、スーダンレッド、カロテン(β-カロテン、リコペン)、キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン)、ヤシ油、スーダンブラウン、キノリンイエロー、アナトー、またはクルクミンである。
【0107】
付加的着色剤はまた、好ましくは顔料、パール剤、または干渉顔料、またはグリッターから選択される微粒子着色物質から選択することもできる。
【0108】
顔料とは、生理学的媒質に不溶性であり、且つ組成物の着色を企図する、白色または有色の、あらゆる形状の無機または有機の粒子を意味すると解されるべきである。
【0109】
顔料は、白色または有色の、無機及び/または有機のものであってよい。無機顔料の中では、二酸化チタン(これは任意に表面処理されている)、酸化ジルコニウムもしくはセリウム、亜鉛、鉄(黒、黄、または赤)もしくはクロムの酸化物、マンガンヴァイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー、または金属粉末、例えばアルミニウム粉末または銅粉末を挙げてよい。
【0110】
有機顔料の中では、カーボンブラック、コチニールカーマインをベースとする、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、またはアルミニウムの、D&Cタイプの顔料及びレーキを挙げてよい。
【0111】
効果顔料、例えば有機または無機の、天然または合成の物質、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、セラミックまたはアルミナを含む粒子を更に挙げてよく、前記物質は、金属物質、例えば、アルミニウム、金、銀、白金、銅、または青銅で、あるいは金属酸化物、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、及びこれらの混合物で被覆されているか、または被覆されていない。
【0112】
本発明の意味において、「干渉粒子またはパール剤」なる表現は、一般的に多層構造を有して、層の性質によって様々に回折及び拡散する光線の干渉によって色の効果を作り出すことができる、あらゆる粒子を示す。得られる着色効果は、これらの粒子のラメラ構造に関連し、且つ光学の物理法則によって得られる(Pearl Lustre Pigments - Physical principles, properties, applications - R.Maisch and M. Weigand. Verlag Moderne Industrie参照)。然るに、これらの粒子は、観察の角度及び光の入射によって異なる色を呈しうる。
【0113】
本発明の意味では、多層構造は、無差別に、単層で被覆された基質から形成される構造、または、少なくとも2つ、実際には数層の連続層で被覆された基質から形成される構造を示すことを企図する。
【0114】
このように、多層構造は、1つの層、実際には少なくとも2つの層を含むことができ、各層は、互いに独立にまたは他の層とは異なり、以下の物質、MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、Si、SiO2、Ge、Te、Fe2O3、Pt、Va、Al2O3、MgO、Y2O3、S2O3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、TiO2、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS2、氷晶石、合金、ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの物質製である。
一般的に、多層構造は、無機質のものである。
【0115】
とりわけ、本発明による、懸かる干渉粒子は、顔料、あるいは更に天然または合成の、単層または多層のパール剤であってよく、特に、とりわけ1つまたは複数の金属酸化物の層で被覆されたマイカをベースとする天然物質から形成されうる。
【0116】
本発明による干渉粒子は、レーザー粒径測定器、例えば、Malvernet製のMastersizer 2000(登録商標)またはBrookhaven Instrument Corporation製のBI90 +(登録商標)で測定して、その母集団の50質量%が、40μm未満、とりわけ30μm未満、特に20μm未満、特に15μm未満の直径(d50)を有することを特徴とする。
【0117】
マイカ/スズの酸化物/チタン酸化物タイプのパール剤、例えば、Timiron Silk Blue(登録商標)、Timiron Silk Red(登録商標)、Timiron Silk Green(登録商標)、Timiron Silk Gold(登録商標)、及びTimiron Super Silk(登録商標)の名称でMerckにより市販のもの、及びマイカ/鉄の酸化物/チタン酸化物のパール剤、例えば、Flamenco Satin Blue(登録商標)、Flamenco Satin Red(登録商標)、Flamenco Satin Violet(登録商標)、及びFlamenco Orange 320C等の、Engelhardにより提供されるもの、並びにこれらの混合物は、本発明にとって、特段に好適である。
【0118】
より詳しくは、これらの顔料は、前記組成物の全質量に対して、0.01乃至10質量%の範囲、好ましくは0.1乃至5質量%の範囲の量で存在して良い。
【0119】
(揮発性組成物)
本発明による組成物は、加圧装置を用いて微細な粒子の形態で皮膚または髪に適用される揮発性油の形態で提供されうる。本発明による装置は、当業者には周知であって、非エアロゾルポンプもしくは「噴霧器」、発射剤を含むエアロゾル容器、及び加圧気体を発射剤として使用するエアロゾルポンプを含む。後者は、特許、US4077441及びUS4850517 に記載されている(説明の内容の肝要な部分を成す)。
【0120】
これらの組成物は、広範なタイプの支持体に含浸させることができ、またあるいは還元剤と共にローションとしてボトルに実装することもできる。
【0121】
本発明によるエアロゾルに実装される組成物は、一般的に、通常の発射剤、例えば、フッ化水素化化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン、またはトリクロロフルオロメタンを含む。これらは、好ましくは、組成物全質量に対して、15乃至50質量%の範囲の量で存在する。
【0122】
具体的であるが、何ら限定的なものではない、本発明を詳説する実施例を以下に示す。
【0123】
5つの無水製剤の実施例1乃至5を調製した。量は、組成物全質量に対する質量%で表される。
【0124】
【表1】

【0125】
【表2】

【0126】
【表3】

【0127】
組成物1乃至5についての操作は以下の通りである。
A相を、出発物質を混合することによって調製し、この混合物を、出発物質が完全に溶解するまで、撹拌しつつ90-95℃に加熱する。この混合物を、撹拌しつつ25℃に冷却する。その後、B相を25℃にて導入して、この混合物が完全に均一になるまで撹拌する。
【0128】
以下を各組成物について評価する。
(1)Rheomat 180粘度計を用い、25℃にて、200rpmの回転速度で30秒間回転させた後に測定される粘度、
(2)2ヶ月時点での、4℃、25℃、及び45℃での安定性、
(3)24時間後の組成物の外観、
(4)Colipa/CTFA SA/JCIAによって公表された(2006年5月)国際的方法による、イン・ビボでのSPF、
(5)JCIAの勧告(1995年11月15日版)による、5名の被験者でのUV-APPD PF、
【0129】
結果を、以下の表1及び2に示す。
【表4】

【0130】
【表5】

【0131】
このように、これらの油は、貯蔵に際して2ヶ月後でも様々な温度(4℃、25℃、45℃)で安定である。これらは、揮発性であり、且つ化粧品として快適であるという利点を示す。達成されるSPF値は、実施例1及び2とは対照的に15より高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容される媒質中に、
a) 少なくとも1つの炭化水素油、
b) 少なくとも1つの親油性有機UVスクリーン剤、
c) 少なくとも1つの直鎖状C1-C3モノアルコール、及び
d) 少なくとも1つの親油性ポリアミド重縮合物
を含む無水液体組成物。
【請求項2】
親油性ポリアミド重縮合物が、下式(A):
【化1】

[式中、
nは、1乃至30の範囲の整数であり、
R’1は、各場合において独立に脂肪鎖を表し、少なくとも1つの炭素原子、特に4乃至24の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基から選択され、
R’2は、各場合において独立に、1乃至52の炭素原子を含む炭化水素基を表し、
R’3は、各場合において独立に、炭素、水素、または窒素原子から選択される少なくとも1つの原子を含む有機基を表し、ここで、R’3は少なくとも3つの炭素原子を含むことを条件とし、
R’4は、各場合において独立に、水素原子、1乃至10の炭素原子を含むアルキル基、または、R’3及び別のR’4から選択される少なくとも1つの基への直接結合を表して、前記基が別のR’4である場合は、R’3とR’4との両方が結合する窒素原子が、R’4-N-R’3によって規定される複素環構造の一部を形成し、ここでR’4基の少なくとも50%が水素原子を表すことを条件とし、
Lは結合基であって、好ましくは、以上に規定される少なくとも1つのR’1基によって任意に置換された、エステル、エーテル、アミン、尿素、ウレタン、チオエステル、チオエーテル、チオ尿素、またはチオウレタンから選択されるものを表す]
のポリマーから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
親油性ポリアミド重縮合物が、式(A)において結合基Lが下記のエステル基:
【化2】

を表すポリマーから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
親油性ポリアミド重縮合物が、下式(B):
【化3】

[式中、
・ mは、エステル基の数が、エステル及びアミド基の総数の少なくとも10乃至50%を示すような、アミド単位の整数を示し、
・ R1は、各場合において独立に、少なくとも4つの炭素原子、特に4乃至24の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
・ R2は、各場合において独立に、C4乃至C42の炭化水素基を表し、R2基の50%がC30乃至C42の炭化水素基であることを条件とし、
・ R3は、各場合において独立に、少なくとも2つの炭素原子と、水素原子と、任意に1つまたは複数の酸素もしくは窒素原子を有する有機基を表し、
・ R4は、各場合において独立に、水素原子、C1乃至C10のアルキル基、または、R3とR4との両方が結合する窒素原子がR4-N-R3によって規定される複素環構造の一部を形成するような、R3及び別のR4への直接結合を表し、ここでR4基の少なくとも50%は水素原子を表す]
に相当する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
式(B)の重縮合物が、エチレンジアミンと縮合したC36 二価酸のコポリマーのブレンドであり、末端エステル基が、残りの酸末端のセチルアルコール、ステアリルアルコール、またはこれらの混合物によるエステル化によってもたらされる(INCI名:エチレンジアミン/ステアリルダイマージリノレエートコポリマー)、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
式(A)の重縮合物が、ポリマー骨格に少なくとも1つの第4級アミド結合基(ATPA)を解して結合した少なくとも1つの末端脂肪鎖を含む重縮合物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
重縮合物が、水添ジリノール酸、エチレンジアミン、及びジ(C14-C18)アルキルアミンのコポリマー(INCI名:エチレンジアミド/水添ダイマージリノレエートコポリマービス-ジ-C14-C18アルキルアミド)である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
式(A)の重縮合物が、エステル末端を含むポリ(エステル-アミド)(ETPEA)である、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
重縮合物が、水添ジリノール酸、エチレンジアミン、ネオペンチルグリコール、及びステアリルアルコールのコポリマー(INCI名:ビス-ステアリルエチレンジアミン/ネオペンチルグリコール/ステアリル水添ダイマージリノエートコポリマー)である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
炭化水素油が、本発明の組成物中に、組成物の全質量に対して30乃至99.8質量%、好ましくは40乃至90質量%の濃度で存在する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
親油性有機スクリーニング剤が、パラアミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノンまたはアミノベンゾフェノン、アントラニル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンジリデンカンファ誘導体、フェニルベンズイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ビスレゾルシニルトリアジン、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロネート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、メロシアニン、及びこれらの混合物から選択される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
直鎖状C1-C3モノアルコールが、エタノールである、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
透明であり、且つ、25℃にて1000NTU未満、好ましくは25℃にて50NTU未満、更に好ましくは25℃にて15NTU未満の濁度を示すことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
10より高い、好適には15より高い、更に好適には20より高いSPFを示すことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
5より高いUV-APPDPF及び/または3未満のSPF/PPD比を示すことを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の組成物。

【公開番号】特開2010−241793(P2010−241793A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−27839(P2010−27839)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】