説明

角度を成して配置されたアンバランス軸を備えた振動プレート

地面締固めのための振動プレートは、上位質量体(2)と、該上位質量体(2)に弾性的に連結され、少なくとも1つの接地プレート(4)を有する下位質量体(1)と、前記接地プレート(4)を負荷する振動発生装置(5,7)とを有している。該振動発生装置(5)は、少なくとも4つの、それぞれ回転軸線(17)を中心として回転駆動可能なアンバランス質量体(10)を有している。これらのアンバランス質量体(10)のうちの少なくとも2つのアンバランス質量体(10)の回転軸線(17)は、他のアンバランス質量体(10)の回転軸線(17)に対して角度を成している。その際、アンバランス質量体の1つ(28)は、独自の位相調節装置を必要としない基準アンバランス質量体を成している。他のアンバランス質量体(10)にはこれに対して、それぞれ1つの独自の位相調節装置が、これらのアンバランス質量体(10)の位相が基準アンバランス質量体(28)に関して個別的に調節可能であるように対応配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した形式の振動プレート(Vibrationsplatte)に関する。
【0002】
地面締固めのための振動プレートは公知であり、原則、1つの接地プレートを有する下位質量体と、下位質量体に弾性可動に連結され1つの駆動装置(例えば内燃機関または電動モータ)を有する上位質量体とをから成っている。駆動装置は、下位質量体に属し接地プレートを負荷する振動発生装置を駆動する。
【0003】
振動発生装置は、方向付けられた振動を接地プレートに導入する。振動する接地プレートは、地面を締固めるために地面に作用する。さらに、振動発生装置により発生される全合力は、長手方向での推進ならびに振動プレートの操舵を達成し得る。この構造は原理的に以前から知られているので、詳細な説明は無駄である。
【0004】
振動発生装置として、1軸式起振機(Ein−Wellen−Erreger)もしくは牽引振動機(Schleppschwinger)が公知である。これらの振動発生装置の場合、駆動装置は、1つのアンバランス質量体を支持する1つのアンバランス軸を回転駆動する。アンバランス軸はその回転時に、前進運動を達成するために、接地プレートを上方および前方に引く。その後、接地プレートはアンバランス軸の作用により下方に押され、締固めたい地面を打撃する。
【0005】
より大型の振動プレートの場合、振動発生装置は、機械式もしくは形状結合式に連結され互いに平行に配置された2つまたは3つのアンバランス軸を有している。例えばEP0358744A1から公知の2軸式起振機(Zwei−Wellen−Erreger)の場合、それぞれ1つのアンバランス質量体を支持する2つのアンバランス軸が形状結合式に連結され、逆回転可能に配置されている。アンバランス軸相互の位相は、機械的にスライドガイド機構またはディファレンシャル伝動装置を介して調節され得る。調節のための駆動装置として、液圧シリンダ、ボーデンケーブルまたはスピンドルが知られている。アンバランス軸相互の位相の調節により、合力のベクトルの方向は変更され得る。このことは推進特性の変更に至る。特に、こうして、振動プレートの前進走行および後進走行が達成され得る。
【0006】
一実施態様では、アンバランス軸の1つに設けられたアンバランス質量体が、互いに相対的に調節可能な2つまたはそれよりも多くの部分アンバランス質量体に分割されている。アンバランス軸上の部分アンバランス質量体が互いに非対称的に調節されると、振動発生装置の高さ方向軸線を中心としたヨーモーメントが形成される。これにより、振動プレートは操舵され得る。対称的に調節する、特に、EP0358744A1のように、該当するアンバランス軸に部分アンバランス質量体が固定的に取り付けられており、別の部分アンバランス質量体がこれに対して相対的に可動であるときに、対称的に調節すると、結果的に得られるアンバランス作用は調節される。このことは、結果的に得られるアンバランス力の調節を可能にする。
【0007】
一般に、アンバランス軸は、公知の振動発生装置の場合、互いに平行に配置されている。最近の振動プレートではこれにより、前進走行および後進走行を達成することが可能であるとともに、振動プレートをその場で旋回させるもしくは曲線走行させることが可能である。幾つかの使用時、オペレータはしかし、例えば側方の突出部の背後に走行させるために、振動プレートの横方向運動を所望する。側方に傾いた面の地面締固め時、振動プレートはしばしば斜め下に逸れる。その結果、オペレータは振動プレートを補償のために傾けなければならない。その際、地面はしかし上縁および下縁で接地プレートの角によってのみ締固められる。このことは不十分な締固め結果につながる。
【0008】
これらの使用事例で、振動プレートが横方向運動を実行し得ると有益である。この種の横方向運動を達成するために、しかし、振動発生装置により、横方向の相応の力作用が達成されなければならない。
【0009】
本発明の課題は、3つの自由度、つまり長手方向(主走行方向)、横方向および高さ方向軸線を中心とする回転方向で可動であると同時に、アンバランス軸の個数が最小である振動プレートを提供することである。
【0010】
本発明により、この課題は、請求項1記載の振動プレート、すなわち上位質量体と、該上位質量体に弾性的に連結され、少なくとも1つの接地プレートを有する下位質量体と、前記接地プレートを負荷する振動発生装置とが設けられており、該振動発生装置が、少なくとも4つの、それぞれ回転軸線を中心として回転駆動可能なアンバランス質量体を有しており、かつこれらのアンバランス質量体のうちの少なくとも2つのアンバランス質量体の回転軸線が、他のアンバランス質量体の回転軸線に対して角度を成していることを特徴とする地面締固めのための振動プレートにより解決される。本発明の有利な構成は、従属請求項に記載されている。本発明の有利な構成では、複数のアンバランス質量体のうちの少なくとも一部に、それぞれ1つの位相調節装置が対応配置されており、該位相調節装置が、対応配置されたアンバランス質量体の位相を他のアンバランス質量体の位相に関して調節するために役立つ。本発明の別の有利な構成では、複数のアンバランス質量体のうちの1つが、基準アンバランス質量体を成し、かつ他のアンバランス質量体にそれぞれ1つの独自の位相調節装置が、これらのアンバランス質量体の位相が基準アンバランス質量体に関して個別的に調節可能であるように対応配置されている。本発明のさらに別の有利な構成では、前記基準アンバランス質量体に独自の位相調節装置が対応配置されていない。本発明のさらに別の有利な構成では、前記基準アンバランス質量体が直接駆動装置により、位相調節装置の介在なしに駆動可能である。本発明のさらに別の有利な構成では、アンバランス質量体の回転軸線が互いに星形に配置されている。本発明のさらに別の有利な構成では、アンバランス質量体の回転軸線が互いに、同じ角度量を有する角度を置いて位置している。本発明のさらに別の有利な構成では、アンバランス質量体の回転軸線が互いに、少なくとも2つの異なる角度量を有する角度を置いて位置している。本発明のさらに別の有利な構成では、アンバランス質量体の回転軸線が実質的に1つの点で交差する。本発明のさらに別の有利な構成では、アンバランス質量体の回転軸線が、アンバランス質量体によりその回転時に生成される力ベクトルが、それぞれ異なる、互いに平行でない平面内で作用するように配置されている。本発明のさらに別の有利な構成では、その重心に関してそれぞれ隣接するアンバランス質量体が逆向きに回転駆動されている。本発明のさらに別の有利な構成では、それぞれ1つのアンバランス質量体およびそれぞれのアンバランス質量体を支持する1つのアンバランス軸を有し、アンバランス質量体の回転数および/または位相に関して個別的に制御可能である個別起振機が設けられている。本発明のさらに別の有利な構成では、上位質量体が、振動発生装置を駆動するための駆動装置を有している。本発明のさらに別の有利な構成では、個別起振機の各々が、アンバランス軸を回転駆動するモータを有している。本発明のさらに別の有利な構成では、前記モータが液圧モータであり、該液圧モータが、上位質量体に配置された駆動装置により駆動可能である。本発明のさらに別の有利な構成では、アンバランス質量体をそれぞれ支持するアンバランス軸が、伝動装置により機械的に連結されており、1つの共通の駆動装置を介して駆動可能である。本発明のさらに別の有利な構成では、アンバランス軸が、接地プレートに関して鉛直な中心軸線の周りに星形に配置されており、伝動装置が、中心軸線上に同軸的に上下に配置され、向かい合って方向付けられ、かつ駆動装置により駆動される2つの中央傘歯車を有しており、かつアンバランス軸の各々に1つの駆動傘歯車が対応配置されており、該駆動傘歯車が、それぞれのアンバランス軸を駆動するために、中央傘歯車の1つに噛み合う。本発明のさらに別の有利な構成では、駆動傘歯車の1つが、一方の中央傘歯車に噛み合い、かつ中央傘歯車の周方向で見て次の駆動傘歯車が、他方の中央傘歯車に噛み合う。
【0011】
本発明による振動プレートは、大抵の場合1つの駆動装置を有する上位質量体と、上位質量体に弾性的に連結され、少なくとも1つの接地プレートを有する下位質量体と、接地プレートを負荷する振動発生装置とを有している。振動発生装置は、少なくとも4つの、それぞれ1つの回転軸線を中心として回転駆動可能なアンバランス質量体を有している。その際、複数のアンバランス質量体のうちの少なくとも2つのアンバランス質量体の回転軸線が、他のアンバランス質量体の回転軸線に対して角度を成している。
【0012】
アンバランス質量体は一般にそれぞれ1つのアンバランス軸により支持される。その結果、アンバランス質量体の回転軸線は同時に、アンバランス質量体を支持するアンバランス軸の回転軸線でもある。回転軸線の、角度を成した配置とは、平行または同軸的でない配置のことと理解されるべきである。従来、アンバランス質量体の回転軸線が一般に互いに平行に配置されていたところ、今回は本発明により、少なくとも2つのアンバランス質量体に関する、角度を成した配置が提案される。接地プレート上での回転軸線の、角度を成した配置は、アンバランス質量体が長手方向(振動プレートの主走行方向)での力作用だけでなく、横方向での力成分をも発生させることにつながる。アンバランス質量体の回転を適当に制御すると、これにより、振動プレートの横方向運動を起こすことが可能である。さらに、これまでどおり、振動プレートを操舵するための、振動プレートの高さ方向軸線を中心としたヨーモーメントも形成され得る。
【0013】
アンバランス軸の回転により、アンバランス軸に配置されたアンバランス質量体は、アンバランス軸の回転軸線に対して垂直な1つの平面内で回転するそれぞれ1つの遠心力ベクトルを生成する。アンバランス軸の回転軸線が接地プレート上で互いに角度を成して配置されているとき、相応に、アンバランス質量体の力ベクトルもそれぞれ異なる平面内で作用する。アンバランス軸の制御次第で、接地プレートの相応の運動特性を惹起する、それぞれ異なる方向の力作用が形成され得る。
【0014】
当然、回転軸線が互いに同軸的または平行に配置されているアンバランス質量体が設けられていていてもよい。これにより、振動プレートの所望の走行特性、方向特性および締固め特性を達成するために、配置の混合形が可能である。
【0015】
さらに、それぞれ異なる高さの質量を有するアンバランス質量体を設けることが可能である。この種の実施形態は例えば、振動プレートが主に前進走行運転および後進走行運転で使用される一方、旋回ならびに曲線走行および斜め走行がいわば例外であるもしくはより小さな力作用を必要とするという認識を考慮したものである。相応に、前進走行および後進走行のために役立つアンバランス質量体は、曲線走行または横方向走行だけを惹起すべきアンバランス質量体よりも高い質量を有しているべきである。
【0016】
下位質量体は、振動発生装置により負荷される複数の接地プレートを有するように構成されていてもよい。こうして、振動プレートは、波打った地盤に適応する可能性を有している。加えて、個々の接地プレートが全振動プレートの前進運動もしくは操舵のために使用され得る一方、別の接地プレートは地面締固めのためだけに役立つ。
【0017】
アンバランス質量体の回転軸線が互いに90°の角度を成していなくても特に有利である。その結果、角度を成した角度量の概念は、0°と90°との間もしくは90°と180°との間(0<α<90;90<α<180)である。その際、アンバランス質量体の回転軸線は、アンバランス質量体の少なくとも一部が前進方向(主走行方向X)の力成分も横方向の力成分も形成するように互いに斜めに位置している。
【0018】
有利には、アンバランス質量体の少なくとも一部に、それぞれ1つの位相調節装置が対応配置されており、対応配置されたアンバランス質量体の位相を別のアンバランス質量体の位相に関して調節し得る。位相の調節により、合力のベクトルの方向および大きさは、所望の力作用を達成するために、変更され得る。このことは、振動プレートの要求される操舵可能性および横方向運動可能性を可能にする。
【0019】
アンバランス質量体の1つが基準アンバランス質量体として見なされると特に有利である。基準アンバランス質量体には固有の位相調節装置が対応配置されていない一方、他のアンバランス質量体にはそれぞれ1つの固有の位相調節装置が対応配置されている。こうして、これらのアンバランス質量体の位相は基準アンバランス質量体に関して個別的に調節可能である。
【0020】
基準アンバランス質量体は固有の位相調節装置を必要としないので、直接駆動装置により駆動され得る。このことは機械的な手間を僅かに保つ。
【0021】
本発明の特に有利な実施形態では、アンバランス質量体の回転軸線が互いに星形に配置されている。その際、回転軸線間の角度は同じ角度量または異なる角度量を有していることができる。
【0022】
これにより、少なくとも4つのアンバランス質量体もしくはアンバランス質量体を支持するアンバランス軸が、下位質量体に設けられ、それらの相互の位相は、少なくとも3つの個々の位相調節装置(基準アンバランス質量体は位相調節装置を必要としない。)により互いに調節され得る。
【0023】
アンバランス質量体の回転軸線が実質的に1つの点で交差すると特に有利である。このことは、後述するような、特に簡単な、純粋に機械的な駆動を可能にするものであって、つまり、アンバランス質量体の回転軸線の星形の配置時であっても、必ず必要というわけではない。
【0024】
有利には、アンバランス質量体の回転軸線は、アンバランス質量体によりその回転時に生成される力ベクトルがそれぞれ異なる平面内で作用するように配置されている。こうして初めて、振動プレートを横方向でも走行させるために、振動プレートの長手方向に対して横方向の力成分も達成することが可能である。その際、少なくとも一部のアンバランス質量体において、その回転時に生成される力ベクトルが、互いに平行ではなく、互いに角度を成している平面内で作用すべきである。
【0025】
有利には、その重心に関してそれぞれ互いに隣接している、つまり他のアンバランス質量体に比して比較的僅かな間隔を互いに有しているアンバランス質量体が、逆向きに回転駆動されている。有利には同じ質量を有するアンバランス質量体の逆向きの回転により、そこから生じる力ベクトルは、自体公知の形式で調節され得る。
【0026】
もちろん、「アンバランス質量体」という概念は一般化されて使用されるものであり、アンバランス質量体が単一の質量エレメントにより形成されなければならないことを前提とするものではない。むしろ、1つのアンバランス質量体は複数の部分アンバランス質量体により形成されてもよい。しかし、同じアンバランス軸上の部分アンバランス質量体は相互に同じ回転数および位相で回転することを前提とする。異なるアンバランス質量体はこれに対して、少なくともその位相に関して相互に調節可能もしくは逆転可能でなければならない。
【0027】
本発明の特に有利な実施形態では、それぞれ少なくとも1つのアンバランス質量体およびそれぞれのアンバランス質量体を支持する1つのアンバランス軸を有する複数の個別起振機が設けられている。個別起振機は、アンバランス質量体の回転数および/または位相に関して個別的に制御可能である。こうして、最も簡単な事例では唯一のアンバランス軸を有する個別起振機の形の小さなユニットが設けられる。このアンバランス軸の位相および場合によっては回転数は個別的に、つまり他のアンバランス軸の回転数または位相とは無関係に制御され得る。すべての振動発生装置はその際、個別的に起動制御可能な少なくとも4つのこの個別起振機を有している。その際、少なくとも2つの個別起振機は残りの個別起振機に対して角度を成している。
【0028】
アンバランス軸の位相は、別の、それと協働するアンバランス軸に関して、その相対的な回転位置に関係する。
【0029】
有利には、上位質量体は、振動発生装置を駆動するための駆動装置を有している。駆動装置は例えば、下位質量体に設けられたそれぞれ単数または複数のアンバランス軸を駆動する液圧モータのための液圧的な駆動エネルギを供給し得る。
【0030】
これにより、例えば個別起振機の各々は、アンバランス軸を回転駆動するモータを有していることができる。
【0031】
本発明の特に有利な実施形態では、個別起振機の各々は、上位質量体に配置された駆動装置、例えば液圧ポンプを備えた内燃機関により駆動可能な液圧モータを有している。これに対して択一的に、モータは電動モータであってもよい。
【0032】
互いの相対位置もしくは位相が形状結合式の連結により保証されていない個々のアンバランス軸の、直前に説明した個別的な駆動可能性の場合、各アンバランス軸の位置を少なくとも1つの位置で位置信号発生器により検出することは有利である。これにより、アンバランス軸の各々が、それに対応配置されたモータにより個別的に駆動され得る一方、位置信号発生器を介してアンバランス軸の実際の位置が規則的にまたは常に監視される。位置信号発生器はアンバランス軸(もしくはアンバランス質量体)の位置を少なくとも1つの位置で、すなわちアンバランス軸の一回転中に一度、検出すべきである。このことから、アンバランス軸の回転数が求められ、中間位置も補間法により求められ得る。もちろん、位置信号発生器は、アンバランス軸の回転位置、ひいてはその回転数を永久的に検出するように構成されていてもよい。回転位置の正確な検出は、そこからアンバランス軸の位相を導き出すことができるために重要である。
【0033】
中央制御部により個別起振機は調整される。その結果、各個別起振機は、個別起振機に個別的に設定された目標回転数および/または目標位相を達成する。中央制御部はその際、オペレータにより所望されるかつ/または作業プログラムまたは走行プログラムにより設定される希望を、接地プレートの所望の挙動を達成するために評価する。
【0034】
本発明の別の実施形態では、アンバランス質量体をそれぞれ支持するアンバランス軸が伝動装置により互いに連結されており、1つの共通の駆動装置を介して駆動可能である。伝動装置は形状結合式の連結を可能にする。その結果、個々のアンバランス軸もしくはアンバランス質量体相互の相対的な位相が常に判っており、維持され得る。位相変更装置はその際、規定された公知の出発位相に関して、位相の要求される変更のみを行わなければならない。
【0035】
有利には、アンバランス軸は、接地プレートに関して鉛直な中心軸線の周りに星形に、アンバランス質量体の回転軸線が中心軸線と交わるように配置されている。伝動装置は、中心軸線に同軸的に上下に配置され、向かい合って方向付けられ、かつ駆動装置により駆動される2つの中央傘歯車を有している。アンバランス質量体を支持するアンバランス軸の各々には、それぞれのアンバランス軸を駆動するために、中央傘歯車の1つと噛み合う1つの駆動傘歯車が対応配置されている。基準アンバランス質量体を支持する1つのアンバランス軸を除いて、他のアンバランス軸では、駆動傘歯車とそれぞれのアンバランス質量体との間のトルク伝達経路内に、アンバランス質量体もしくはアンバランス質量体を支持するアンバランス軸の、他のアンバランス質量体に関する相対的な回転位置を変更し得るよう、位相調節装置が設けられているべきである。
【0036】
中央傘歯車により、中心軸線から放射状に拡がるアンバランス軸がその駆動エネルギを得ることができる中央の駆動装置が提供される。こうして、最小数の歯車により、唯一の駆動装置の駆動エネルギを複数のアンバランス軸に分配する伝動装置が実現され得る。
【0037】
駆動傘歯車の1つが一方の中央傘歯車に噛み合うと、中央傘歯車の周方向で見て次の駆動傘歯車が他方の中央傘歯車に噛み合うようになっていると特に有利である。駆動傘歯車はその際、中央傘歯車の間に配置されているべきである。駆動傘歯車が、それぞれ対応配置された中央傘歯車と噛み合うサイドの交番に基づいて、互いに隣接したアンバランス軸の、逆向きの、形状結合式に連結された回転運動を達成することが可能である。
【0038】
別の実施形態では、鉛直の中心軸線に唯一の傘歯車が中央傘歯車として配置されている。ある軸の、隣接する軸に対するそれぞれ所望の回転方向変更は、1つおきの軸に対応配置されている反転伝動装置により達成される。特に適しているものとして、このために遊星歯車伝動装置が考えられる。遊星歯車伝動装置の場合、それぞれの回転方向はリングギアの固定または遊星歯車を支持する遊星キャリアの固定により達成され得る。所望の位相調節はその際、固定されたエレメント(リングギアまたは遊星キャリア)の回動により公知の形式で可能である。
【0039】
本発明のこれらの利点および特徴、さらには別の利点および特徴について、以下に例を挙げて添付図面を参照しながら詳説する。
図1:本発明による振動プレートの概略側面図である。
図2:本発明の第1の実施形態による振動プレートにおける、振動発生装置を備えた接地プレートの平面図である。
図3:図2に示した振動発生装置で使用される個別起振機の概略断面図である。
図4:本発明の第2の実施形態による振動発生装置を備えた接地プレートの平面図である。
図5:本発明の第3の実施形態による振動発生装置を備えた接地プレートの平面図である。
図6:アンバランス軸の幾つかの配置例を示す図である。
図7:本発明の第4の実施形態における接地プレートの概略平面図である。
図8:図7に示した平面図の断面図である。
【0040】
図1は、下位質量体1および上位質量体2を備えた地面締固めのための振動プレートの概略側面図を示す。下位質量体1は上位質量体2にばね装置3を介して弾性的に可動に連結されている。ばね装置3は例えば、下位質量体1と上位質量体2との間に取り付けられているゴムエレメントを有していることができる。
【0041】
下位質量体1は、締固めたい地面と接触し、振動発生装置5を支持する接地プレート4を有している。振動発生装置5は振動を起こす。この振動は、接地プレート4に導入され、一方では地面締固めのために役立ち、他方では振動プレートの操舵および推進のために役立つ。
【0042】
上位質量体2には、オペレータが操縦するためのハンドル6が取り付けられている。これに対して択一的にまたは補足的に、振動プレートは遠隔制御されていてもよい。この場合、ハンドル6は不要である。
【0043】
上位質量体2の構成部分は場合によっては駆動装置、例えば内燃機関である。駆動装置は振動発生装置5の駆動のために必要なエネルギを発生する。エネルギは機械式に(例えばベルトドライブを介して)、液圧式に(液圧ポンプにより)、または電気式に(駆動装置により駆動されるジェネレータにより)振動発生装置5に伝達される。ここでアンバランス軸が公知の形式で回転駆動される。
【0044】
駆動エネルギが機械式に伝達される場合、ベルトドライブの被動側を、複数あるアンバランス軸のうち、伝動装置を介して他のアンバランス軸に結合されている少なくとも1つのアンバランス軸に連結すれば十分である。図7および図8を参照しながら後述する、鉛直の被動軸を備えた駆動装置の配置の事例のために、駆動装置から延びる鉛直の被動軸と、後述する少なくとも1つの中央傘歯車が取り付けられている駆動軸との間に、補償継手(Ausgleichskupplung)を設けることが可能である。こうして、中央傘歯車は直接駆動装置により駆動され得る。
【0045】
エネルギが液圧式に伝達される場合、上位質量体に設けられた液圧ポンプにより液圧が発生される。この液圧は、下位質量体に設けられた単数または複数の液圧モータを介して、それぞれのアンバランス軸を回転させる。エネルギが電気式に伝達される場合、ジェネレータにより発生された電気的なエネルギが電動モータに伝達され、電動モータはこれに連結されたアンバランス軸を回転させる。
【0046】
図2は、接地プレート4の概略平面図を示す。接地プレート4上には、4つの個別起振機7が互いに角度を成して配置されており、振動発生装置5を形成している。
【0047】
走行方向Xで見て前方の両個別起振機7は互いに鈍角を成して配置されている一方、それぞれ相前後して位置する個別起振機7はその回転軸線17に関して互いに鋭角を形成している。
【0048】
図3は、個別起振機7の概略的な構造の断面図を示す。
【0049】
管形のケーシング8内には1つのアンバランス軸9が回転可能に支承されている。アンバランス軸9は1つのアンバランス質量体10を支持している。
【0050】
アンバランス軸9は液圧モータ11により回転駆動される。液圧モータ11には液圧媒体が液圧管路12を介して、図示しない液圧供給部から供給される。液圧供給部は振動プレートでは主として上位質量体2に配置されていることができる。液圧供給部の構成部分は例えば、液圧ポンプを駆動するディーゼルユニット、ガソリンユニットまたは電動ユニットである。液圧ポンプは液圧を液圧媒体内に発生させ、液圧アキュムレータ内に蓄え得る。さらに、液圧媒体を集め、貯えるための液圧貯蔵タンクが設けられていなければならない。下位質量体1における強い振動作用に基づいて、液圧供給部の大抵のコンポーネントが、下位質量体1から振動面で切り離された上位質量体2内に配置されていると有利である。これにより、液圧供給部から液圧モータ11への接続を液圧管路12によって形成することだけが必要である。
【0051】
液圧モータ11の下流に、調節部材として役立つ液圧弁13が配置されている。液圧弁13は液圧モータ11の下流の液圧媒体排出流を制御し、ひいては液圧モータ11の回転数に影響を及ぼす。当然、液圧弁13は液圧モータ11の上流に配置されてもよい。
【0052】
アンバランス軸9の、液圧モータ11に対向して位置する端部には、位置信号発生器14が配置されている。位置信号発生器14、例えば回転角検出装置は、アンバランス軸9の位置を少なくとも1つの位置で検出し得る。検出は例えば光学式、磁気式、誘導式または容量式に実施され得る。アンバランス軸9の一回転中に少なくとも一度、アンバランス軸9の位置を検出する可能性から、アンバランス軸9の回転数および位相が求められる。さらに、補間法(Interpolation)により時間にわたって十分な精度でもってあらゆる任意の時点でのアンバランス軸9の位置を確認することが問題なく可能である。
【0053】
アンバランス軸9の位置は、アンバランス軸9により支持されたアンバランス質量体10が回転時に強い遠心力作用を発生するために重要である。アンバランス質量体10の遠心力は、振動発生装置に属する他の個別起振機7(図2)の遠心力と協働し、これによりすべての力の合成により生じる全体作用を発生する。この全体作用は、個別起振機7により負荷される接地プレート4の運動特性を決定する。アンバランス軸9の回転数ならびにその相互の位相が精緻に調整されていて初めて、接地プレート14は所望の形式で運動し得る。
【0054】
本発明による振動発生装置は、少なくとも4つのこの個別起振機7を有している。個別起振機7は適当な形式で接地プレート4に配置されている。可能な配置形態については後述する。
【0055】
図3に示した個別起振機7はさらに調整器15を有している。調整器15は、位置信号発生器14により発せられた信号を評価し、少なくともアンバランス質量体10の回転数および所定の時点に関する位置(位相)を求める。
【0056】
調整器15にはさらに、後述するように、目標値信号16が入力される。この目標値信号16により、必要な目標回転数または目標位相が設定される。調整器15は、液圧モータ11によりアンバランス軸9もしくはアンバランス質量体10の所望の回転数および位相を達成するために、液圧弁13を相応に制御する。
【0057】
図2に示すように、本発明により少なくとも4つの、それぞれ1つのアンバランス軸9およびこれに支持される1つのアンバランス質量体10を有する個別起振機7が、適当な形式で配置されなければならない。「適当な形式で」とは、アンバランス質量体10もしくはアンバランス軸9のうちの少なくとも2つのアンバランス質量体10もしくはアンバランス軸9の回転軸線17が、他のアンバランス質量体10の回転軸線17に対して角度を成していなければならないことを意味している。図2に示した例では、それぞれ2つの個別起振機7が、そのそれぞれのアンバランス質量体10の回転軸線17が互いに平行にかつ軸方向でずらされて配置されているように配置されていることが見て取れる。互いに平行にもしくは軸方向でずらされてまたは互いに同軸的に位置するアンバランス軸9もしくはアンバランス質量体10は、互いに「角度を成している」とは見なされない。角度を成した配置は、2つのアンバランス軸9の回転軸線17が互いに0°または180°以外の角度を置いて位置していることを前提とする。このことは、図2の実施形態の場合、それぞれ2つの個別起振機ペア7において成立する。図2に示した配置は、個別起振機7の回転軸線17が1点で交差しないものの、「星形」とも見なされる。
【0058】
個別起振機7の調整器15は、図示しない中央制御部を介して互いに連結され得る。中央制御部は個々の個別起振機7のための目標値信号16を設定する。各調整器15はその際、それぞれに対応配置された個別起振機7のために、アンバランス軸9が所望の形式で挙動することを保証する。中央制御部により設定される目標値信号16は、個別起振機7毎に異なっていることができる。主要な相違パラメータはその際、目標回転数、目標位相および目標回転方向である。回転方向の変更はオプションであって、液圧モータ11もしくは液圧弁13の実現に際し付加的な構造手間を要する。通常、回転方向の変更は不要である。
【0059】
これに対して択一的に、個別的に対応配置された調整器15を有しない個別起振機が設けられていてもよい。この場合、異なる個別起振機7の位置信号発生器14の信号は、図示しない1つの中央調整器に伝送される。中央調整器はすべての個別起振機7のすべての信号を評価する。中央調整器はその際、個別起振機7毎に個別的にアンバランス軸9の所望の挙動を達成するために、相応に個別的に各液圧弁13を制御する。
【0060】
中央制御部もしくは中央調整器は、適当な作業プログラムまたは走行プログラムを有している。作業プログラムまたは走行プログラムにより、振動プレートの走行特性および振動特性に関する、オペレータにより操作エレメント(遠隔制御、操作レバー、ボタン)を介して設定された希望が、個別起振機のための制御設定に変換され得る。オペレータが例えば振動プレートの静止締固めから前進走行への移行を希望すると、中央制御部もしくは中央調整器は、位相位置を個別起振機7の少なくとも1つで調節する。これにより、全合力はその作用方向を変更する。
【0061】
高信頼性の通常運転のために、アンバランス軸9ができるかぎり正確に同じ回転数で回転することが企図されている。しかし、付加的に絶えずアンバランス軸9の位置が監視されるので、回転数偏差はいつでも修正され得る。これにより、アンバランス軸9間の所望の位相が維持される。回転数のずれの広がりはこれにより排除されている。
【0062】
図4は、個別起振機7が接地プレート4に異なる形で配置された本発明の別の実施形態を示す。中央には、6つの個別起振機7が中心軸線(高さ方向軸線)の周りに星形に、個々のアンバランス軸の回転軸線17が1つの点18で交差するように配置されている。付加的に、別の個別起振機19が接地プレート4に配置されている。これらの個別起振機19はそれぞれそのアンバランス軸でもって、振動プレートの走行運動を助成するために、主走行方向Xもしくは逆方向での力作用を発生する。星形に配置された個別起振機7により、振動プレートを、点18を通る高さ方向軸線を中心としたヨーモーメントの発生により操舵するまたは主走行方向Xに対して横方向または斜め方向に動かすことが可能である。相応の制御時、これにより、振動プレートを、任意の向きを有する任意の方向で、地面上を走行させることが可能である。
【0063】
図5は、個別起振機7が接地プレート4上に、それぞれのアンバランス軸の回転軸線17が主走行方向Xに対して平行に、垂直にまたは角度を成して位置するように配置されている本発明の別の実施形態を示す。結果、これにより、図4に示した振動プレートと類似の走行特性が達成され得る。配置の選択時、当業者にはほぼ任意の可能性が提供されている。それというのも、当業者は、液圧式に駆動される個別的に制御可能な個別起振機7により、機械的な連結に束縛されていないからである。むしろ、当業者は、それぞれ1つの完全なユニットを成す個別起振機7を任意に接地プレート4に配置することができる。中央制御部または中央調整器の形の制御部はその際、個別起振機7もしくは19の配置を考慮するために、適当な形式でプログラムされるべきである。
【0064】
図6は、概略平面図で、接地プレート4上での個別起振機7の配置の別の可能性を示す。簡単化のために、個別起振機7は、アンバランス軸もしくはアンバランス質量体の回転軸線と重なる線としてのみ示されている。
【0065】
図6a)では、相応に、個別起振機7のアンバランス軸が互いに部分的に平行に、軸方向でずらされて、同軸的にかつ/または部分的に角度を成して配置されている。
【0066】
図6b)では、「通常」の個別起振機7に対して付加的に、強化された、有利には同じ回転数で回転する個別起振機20が設けられている。強化された個別起振機20は、量的により大きなアンバランス質量体を備えたアンバランス軸を有している。相応に、強化された個別起振機20は、線としてではなく、長方形として象徴的に示されている。
【0067】
強化された個別起振機20は主として、強化された締固め作用またはよりスムーズな前進走行および後進走行を達成するために使用され得る。相応に、通常の個別起振機7もしくは小さなアンバランス質量体を備えた個別起振機は、振動プレートの操舵のために設けられている。強化された個別起振機20に設けられた、拡大されたアンバランス質量体を備えたアンバランス軸はしかし、例えば複数の個別起振機7が相前後して互いに平行に配置されれば、通常の個別起振機7により代替され得る。
【0068】
図6c)では、5つの個別起振機、すなわち4つの通常の個別起振機7および1つの強化された個別起振機20が接地プレート4に配置されている。強化された個別起振機20のアンバランス質量体は、1つの個別起振機7のアンバランス質量体の2倍の質量に相当する。回転軸線が主走行方向Xに対して垂直に位置する個別起振機7,20は、振動プレートの推進もしくは後進走行を担い、回転軸線が走行方向Xで延びる両個別起振機7は、振動プレートの横方向走行または操舵を達成する。
【0069】
図7は、図2と同様に、4つの個別起振機7が星形に配置されている接地プレート4の概略平面図を示す。図2の実施形態に対して、個別起振機7はしかし、液圧式に駆動されるのではなく、伝動装置21を介して互いに形状結合(formschluessig:形状による束縛)式に機械式に連結されている。
【0070】
図8は、図7に示した振動プレートを断面線A−Bに沿って切断した断面図を示す。
【0071】
個別起振機7の星形の配置の中心には、鉛直の中心軸線22が延びる。この中心軸線22を中心として駆動軸23は回転する。駆動軸23には、同軸的に上下に配置され向かい合った2つの中央傘歯車、すなわち上側の中央傘歯車24と下側の中央傘歯車25とが取り付けられている。両中央傘歯車24,25を備えた駆動軸23は、その上方に位置する液圧モータ26を介して駆動される。液圧モータ26には、圧力下にある液圧媒体が、上位質量体2に存在する駆動装置から供給される。
【0072】
液圧モータ26の代わりに、内燃機関が設けられていてもよい。内燃機関の有利には鉛直の被動軸は、弾性的な継手を介して直接駆動軸23に連結されている。こうして、内燃機関が、伝動装置または液圧システムの介在なしに、中央傘歯車24,25を備えた駆動軸23を駆動することが可能である。
【0073】
個別駆動装置7のアンバランス軸9は、ケーシング21側の端部に、それぞれ1つの駆動傘歯車27を有している。個別駆動装置7のアンバランス軸9は中心軸線22の周囲にわたってそれぞれ交互に若干上下されて(それぞれ歯列のモジュールの分だけずらされて)接地プレート4に配置され得る。その結果、駆動傘歯車は交互に上側の中央傘歯車24および下側の中央傘歯車25に噛合する。このことは、中心軸線22の周囲にわたって、ひいては中央傘歯車24,25の周囲に沿って交互に、ある駆動傘歯車27が上側の中央傘歯車24に噛み合えば、それに続く次の駆動傘歯車27が下側の中央傘歯車25に噛み合うことを意味する。こうして、それぞれ周方向で見て互いに隣接するアンバランス軸9が逆回転することが達成される。
【0074】
個々のアンバランス軸9の、伝動装置21を介した形状結合式の連結に基づいて、常に個々のアンバランス質量体10相互の精緻な相対的な位相が達成される。
【0075】
振動プレートの制御を可能にするためには、個々のアンバランス質量体の位相を別のアンバランス質量体の位相に関して調節することが必要である。この目的のために、個別起振機7のうちの3つの個別起振機7は位相調節装置を有している。第4の個別起振機7はその際、位相調節装置を必要としない。その結果、そのアンバランス質量体は基準アンバランス質量体28と呼ばれる。基準アンバランス質量体28は直接かつ不変に伝動装置21を介して液圧モータ26に(形状結合式に回転可能に)連結されている。液圧モータ26のモータ軸もしくは駆動軸23に対する基準アンバランス質量体28の位相の変更は相応に不可能である。
【0076】
これに対して、残りの個別起振機7のアンバランス質量体10の位相は、駆動軸23の位相、ひいては基準アンバランス質量体28に関して、それぞれの位相調節装置により変更され得る。残りの個別起振機7の各々は、これにより、個別起振機7に個別的に対応配置された位相調節装置を有している。
【0077】
位相調節装置として、例えば背景技術(例えばEP0358744A1)から公知であるヘリカルスリーブ(Drallhuelse)が適している。しかし、位相調節装置の別の構造形態も考えられる。重要なのは、該当するアンバランス軸もしくはアンバランス質量体の位相が、中央の駆動軸23の位相位置に関して個別的に調節され得ることだけである。
【0078】
位相調節装置は例えば調節駆動装置29を有している。調節駆動装置29を介して、機械式、電気式または液圧式に、アンバランス質量体の位相の変更がそれぞれの個別起振機7の内部で行われる。この場合、遊星歯車伝動装置の介在および固定されるエレメント(リングギア、遊星歯車キャリア)の適当な固定または回動を介して、位相調節装置を実現することも可能である。
【0079】
位相調節装置の調整は、オペレータにより手動で実施されてもよいし、既に上述した中央制御部もしくは中央調整器によって実施されてもよい。
【0080】
個別起振機7内での種々異なるアンバランス質量体10の協働により、振動プレートの所望の走行運動が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による振動プレートの概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による振動プレートにおける、振動発生装置を備えた接地プレートの平面図である。
【図3】図2に示した振動発生装置で使用される個別起振機の概略断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による振動発生装置を備えた接地プレートの平面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による振動発生装置を備えた接地プレートの平面図である。
【図6】アンバランス軸の幾つかの配置例を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態における接地プレートの概略平面図である。
【図8】図7に示した平面図の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面締固めのための振動プレートにおいて、
上位質量体(2)と、
該上位質量体(2)に弾性的に連結され、少なくとも1つの接地プレート(4)を有する下位質量体(1)と、
前記接地プレート(4)を負荷する振動発生装置(5)と
が設けられており、
該振動発生装置(5)が、少なくとも4つの、それぞれ回転軸線(17)を中心として回転駆動可能なアンバランス質量体(10)を有しており、かつ
これらのアンバランス質量体(10)のうちの少なくとも2つのアンバランス質量体(10)の回転軸線(17)が、他のアンバランス質量体(10)の回転軸線(17)に対して角度を成している
ことを特徴とする、振動プレート。
【請求項2】
複数のアンバランス質量体(10)のうちの少なくとも一部に、それぞれ1つの位相調節装置(29)が対応配置されており、該位相調節装置(29)が、対応配置されたアンバランス質量体(10)の位相を他のアンバランス質量体(10)の位相に関して調節するために役立つ、請求項1記載の振動プレート。
【請求項3】
複数のアンバランス質量体(10)のうちの1つが、基準アンバランス質量体(28)を成し、かつ
他のアンバランス質量体(10)にそれぞれ1つの独自の位相調節装置(29)が、これらのアンバランス質量体(10)の位相が基準アンバランス質量体(28)に関して個別的に調節可能であるように対応配置されている、
請求項1または2記載の振動プレート。
【請求項4】
前記基準アンバランス質量体(28)に独自の位相調節装置が対応配置されていない、請求項3記載の振動プレート。
【請求項5】
前記基準アンバランス質量体(28)が直接駆動装置(26)により、位相調節装置の介在なしに駆動可能である、請求項3または4記載の振動プレート。
【請求項6】
アンバランス質量体(10)の回転軸線(17)が互いに星形に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項7】
アンバランス質量体(10)の回転軸線(17)が互いに、同じ角度量を有する角度を置いて位置している、請求項1から6までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項8】
アンバランス質量体の回転軸線が互いに、少なくとも2つの異なる角度量を有する角度を置いて位置している、請求項1から6までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項9】
アンバランス質量体(10)の回転軸線(17)が実質的に1つの点(18)で交差する、請求項1から8までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項10】
アンバランス質量体(10)の回転軸線(17)が、アンバランス質量体(10)によりその回転時に生成される力ベクトルが、それぞれ異なる、互いに平行でない平面内で作用するように配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項11】
その重心に関してそれぞれ隣接するアンバランス質量体(10)が逆向きに回転駆動されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項12】
それぞれ1つのアンバランス質量体(10)およびそれぞれのアンバランス質量体(10)を支持する1つのアンバランス軸(9)を有し、アンバランス質量体(10)の回転数および/または位相に関して個別的に制御可能である個別起振機(7)が設けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項13】
上位質量体(2)が、振動発生装置を駆動するための駆動装置を有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項14】
個別起振機(7)の各々が、アンバランス軸(9)を回転駆動するモータ(11)を有している、請求項12または13記載の振動プレート。
【請求項15】
前記モータが液圧モータ(11)であり、該液圧モータ(11)が、上位質量体(2)に配置された駆動装置により駆動可能である、請求項14記載の振動プレート。
【請求項16】
アンバランス質量体(10)をそれぞれ支持するアンバランス軸(9)が、伝動装置(21)により機械的に連結されており、1つの共通の駆動装置を介して駆動可能である、請求項1から15までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項17】
アンバランス軸(9)が、接地プレート(4)に関して鉛直な中心軸線(22)の周りに星形に配置されており、
伝動装置(21)が、中心軸線(22)上に同軸的に上下に配置され、向かい合って方向付けられ、かつ駆動装置により駆動される2つの中央傘歯車(24,25)を有しており、かつ
アンバランス軸(9)の各々に1つの駆動傘歯車(27)が対応配置されており、該駆動傘歯車(27)が、それぞれのアンバランス軸(9)を駆動するために、中央傘歯車(24,25)の1つに噛み合う、請求項16記載の振動プレート。
【請求項18】
駆動傘歯車(27)の1つが、一方の中央傘歯車(24)に噛み合い、かつ中央傘歯車(24,25)の周方向で見て次の駆動傘歯車(27)が、他方の中央傘歯車(25)に噛み合う、請求項17記載の振動プレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−546933(P2008−546933A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517432(P2008−517432)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006087
【国際公開番号】WO2006/136446
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(503048268)ワツカー コンストラクション イクイップメント アクチェンゲゼルシャフト (27)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Construction Equipment AG
【住所又は居所原語表記】Preussenstrasse 41, D−80809 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】