説明

角度測定装置用構成ユニットおよび対応する角度測定装置

本発明は、第一線膨張係数(α1.3)を有する第一材料で作られている目盛板(1.3)および第二線膨張係数(α1.4)を有する第二材料で作られているキャリア要素(1.4,1.4’)を含む角度測定装置用構成ユニットに関するものである。第二線膨張係数(α1.4)と第一線膨張係数(α1.3)間の差異が、少なくとも3×10−6−1である。キャリア要素(1.4,1.4’)には、目盛板(1.3)が接着接続を使って固定されており、その接着接続が、アキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)およびラジアル方向接着剤層(1.2)を有している。アキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)およびラジアル方向接着剤層(1.2)が、キャリア要素(1.4,1.4’)と目盛板(1.3)の間で、アキシャル方向間隙(Sa,Sa’)ないしラジアル方向間隙(Sr)にそれぞれ配設されている。両方の接着剤層(1.1,1.2)には異なった接着剤を含んでいる。更に本発明は、この構成ユニットを備えた角度測定装置に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア要素およびそれに固定された目盛板を含む請求項1に記載の角度測定装置用構成ユニット、および互いに相対的に回転自在である二つの構成部品を備えた請求項7に記載の角度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
当該種類の角度測定装置は、一回転または複数回転に亘るシャフトの回転動作を測定するために使用される。そのとき回転動作は、インクリメンタルまたはアブソリュートで検出され、その出力測定値は、それと関係した一連の計数パルス、カウンタ値、またはコードワードである。ラック歯車またはネジスピンドルと接続することにより、当該種類の角度測定装置を使って直線動作も測定することができる。特に工作機械ないしマシニングセンタでは角度測定装置が、直線動作でも回転動作でも測定のために使用される。回転角を僅か数秒の角度精度で特定することは、例えば工作機械の回転テーブル又は旋回ヘッド、旋盤のC軸で意味があるが、印刷機による印刷物でも重要な意味がある。光学的な測定原理を使用する時には非常に精密な測定結果を得ることができるので、当該種類の角度測定装置は通常、光学的な測定システムと一緒で構成される。そのとき大抵、上に角度目盛ないし角度基準尺が装備されている透明な目盛板が使用される。精密な測定結果という意味において、その目盛板は測定する構成部品に精確に固定されていなければならない。この関連で熱的な影響が問題を引き起こすことがある。
【0003】
特許文献1で角度測定装置が公知であり、それはアキシャル方向接着間隙で高い弾性を有する接着接続を備えており、それにより、熱的な膨張作用による応力を吸収することができる。そのようにして目盛板の変形を防ぐことにしている。
【0004】
しかしながら、低弾性率を有する当該種類の軟らかい接着剤を使用することは、非常に精密な測定のために目盛板の精確な固定が、継続して確実には保証されていないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−329586号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、最初に挙げた種類の角度測定装置用構成ユニットないし角度測定装置を得ることであり、それは遙かに頑丈であると共に継続して精密な測定結果をもたらすものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を本発明に従い、特許請求項1ないし7の特徴を有する角度測定装置用構成ユニットないし角度測定装置を得ることにより解決する。
前記に従って角度測定装置用構成ユニットには、目盛板およびキャリア要素を含んでいる。その目盛板は、第一線膨張係数を有する第一材料で作られており、そしてキャリア要素は、第二線膨張係数を有する第二材料で作られている。キャリア要素の材料の第二線膨張係数は、比較的大きな割合で目盛板の材料の第一線膨張係数とは異なっており、第二線膨張係数と第一線膨張係数間の差異は、少なくとも3×10−6−1である。目盛板は、キャリア要素に接着接続を使って固定されている。その接着接続は、アキシャル方向接着剤層およびラジアル方向接着剤層を有しており、そこでアキシャル方向接着剤層はアキシャル方向間隙に、ラジアル方向接着剤層はラジアル方向間隙に配設されている。アキシャル方向間隙とラジアル方向間隙は、それぞれキャリア要素と目盛板の間にある。両方の接着剤層に含まれているのは異なった接着剤である。言い換えれば、つまり接着剤層が異なった接着剤で出来ている。間隙に関してアキシャルおよびラジアル方向という特性は、目盛板の形状的な回転軸に関係している。それにより通常、目盛板にある角度基準尺の目盛線はラジアル方向に向いており、そして対応してアキシャル方向は、この目盛線に対して直角に向いている。
【0008】
第二線膨張係数と第一線膨張係数間の差異が3×10−6−1以上の時に、耐久力を有すると共に測定作業に関して目盛板を精確にキャリア要素に接続することは、従来の接着接続を使って保証されないことが分かった。
【0009】
目盛板として解釈するのは、例えばリング状本体またはリングまたは円板セグメント形状をした本体であり、それに角度目盛ないし角度基準尺が設けられている。アキシャル方向とラジアル方向という用語は、リング形状に関連した変換形状の時に同じような意味で適用する。
【0010】
本発明は特に、キャリア要素の材料の第二線膨張係数と目盛板の材料の第一線膨張係数間の差異が少なくとも4×10−6−1、特に6×10−6−1以上である時に利点を有している。更に云えば、以下において線膨張係数として解釈するのは、特にDIN ISO 7991に従って測定した平均熱線膨張係数である。
【0011】
目盛板の材料の線膨張係数が、キャリア要素の材料の線膨張係数と較べて小さいことがある。特に目盛板の材料の線膨張係数は、10−5−1以下、特に5×10−6−1以下または4×10−6−1以下の場合がある。
【0012】
本発明の別の構成によれば、硬化した状態およびDIN1343に従う規格条件それぞれにおいてアキシャル方向接着剤層の弾性率が、ラジアル方向接着剤層の弾性率より小さくなるように接着接続が構成されている。
【0013】
ラジアル方向接着剤層のラジアル方向間隙の幅は、アキシャル方向接着剤層のアキシャル方向間隙の幅より大きいと利点がある。
本発明の別の構成によれば、目盛板を作っている第一材料がガラスまたはガラスセラミック材料であることがあり、それに対してキャリア要素を作っている第二材料は、金属材料のグループに属している。好ましい実施変形例では、DIN ISO 3585によるボロシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、またはボロアルミノシリケートガラスを目盛板の材料として使用することがある。キャリア要素を作っている第二材料は、6×10−6−1以上または7×10−6−1以上の第二線膨張係数を有する合金鋼を含んでいることがある。
【0014】
角度測定装置用構成ユニットは、キャリア要素が段差部分を有するシャフトとして構成され、そしてアキシャル方向接着剤層がその段差部分と目盛板間のアキシャル方向間隙に配設されているように構成されていることがある。キャリア要素が中空シャフトとして構成されていると、特に利点がある。
【0015】
別の観点に従って本発明には、第一構成部品と第二構成部品を有する角度測定装置を含み、その構成部品は互いに相対的に軸を中心に回転自在である。そのとき第一構成部品には、目盛板とキャリア要素を含む構成ユニットが配分されている。そのキャリア要素には目盛板が接着接続を使って固定されている。第二構成部品には、目盛板を走査検知するための走査検知ユニットが配分されている。目盛板は第一線膨張係数を有する第一材料で、そしてキャリア要素は第二線膨張係数を有する第二材料で作られている。第二線膨張係数と第一線膨張係数間の差異は、少なくとも3×10−6−1である。その接着接続は、アキシャル方向接着剤層およびラジアル方向接着剤層を有しており、そこでキャリア要素と目盛板の間でアキシャル方向接着剤層がアキシャル方向間隙に、そしてラジアル方向接着剤層がラジアル方向間隙にそれぞれ配設されている。両方の接着剤層に含まれるのは、異なった接着剤である。
【0016】
集積回路を備えたセンサ要素を組み付けている走査検知基板を、第二構成部品に配設するように角度測定装置を構成していると利点がある。そのとき集積回路を備えたセンサ要素は、目盛板までのアキシャル方向間隔が1mm以下、特に0.5mm以下、利点があるのは0.25mm以下で配設されている。
【0017】
利点のある方法では角度測定装置に、第二構成部品に光源を配設しているという構造を含んでおり、そのとき目盛板が集積回路を備えたセンサ要素と光源との間に配設されている。それにより、このように構成された角度測定装置は透過光原理に従って作動する。
【0018】
センサ要素が集積回路の他に、更にフォト要素も有していると利点がある。この種のセンサ要素は、所謂オプトASIC(ASIC=Application Specific Integrated Circuit カスタムIC)と呼ばれることもあり、一連のフォト要素および、フォト要素が生成した電気信号を評価するために用途固有の集積回路を有している。
【0019】
更に云えば角度測定装置には、構成ユニットで可能性のある実施形態において説明したような特徴を選択的に有する構成ユニットを含んでいることがある。
本発明で利点ある更なる構成は、従属請求項から分かる。
【0020】
本発明の別の特徴および利点は、図を使った二つの実施例の以下にある説明で明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】角度測定装置の部分断面図。
【図2】角度測定装置の構成ユニットの詳細外観図。
【図3】別の実施例による角度測定装置の構成ユニットの詳細外観図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1では、角度測定装置の長手方向部分断面を図示している。角度測定装置には、提示の実施例ではロータ1として表示することがある第一構成部品を含んでいる。そのロータ1は、軸Aを中心にして第二構成部品に対して相対的に回転自在であり、そこで第二構成部品はステータ2として構成されている。
【0023】
角度測定装置の構成ユニット(図2も参照)には、ここで中空シャフトとして構成され、段差部分1.41を有するキャリア要素1.4が含まれ、その中空円筒状内側空間は、測定するシャフトを回転固定して収容するように設けられている。ロータ1ないしキャリア要素1.4には更に、上に角度基準尺1.31を設けた目盛板1.3が、接着接続を使って固定されている。目盛板1.3は、第一線膨張係数α1.3を有するガラス材料で作られている。軸Aは同時に、目盛板1.3の形状的な回転軸になっている。第二線膨張係数α1.4を有する硬い鋼で作られているキャリア要素1.4には、更に転がり軸受5の内輪が固定されている。従って角度測定装置の構成ユニットは、角度測定装置の第一構成部品、即ちロータ1に配分されている。
【0024】
その他にも理解し易くするために、小さい部分範囲のみであるが、角度基準尺1.31を図2で図示している。角度基準尺1.31は一般的に、360°を包括する範囲に亘って配設されている。その角度基準尺1.31は、インクリメンタルの角度目盛として、またはアブソリュートの角度コードとして構成されていることがある。
【0025】
ステータ2には二つの部品で出来たケーシング2.1が含まれ、そこで二つの部品は側面側に溝ないし導路2.11を有している。ケーシング2.1の二つの部品は、穴2.12を介して互いに固くネジ留めされ、接合面を密封するためにOリング6が設けられている。ケーシング2.1は通常、測定作業のために機械の部品に固く固定される。
【0026】
ケーシング2.1にあるのは、所謂走査検知ユニット2.2であり、それに含まれるのはLED2.22、コンデンサ2.23、集積回路を備えたセンサ要素2.24、および走査検知基板2.21である。集積回路を備えたセンサ要素2.24は対応して、電気的に走査検知基板2.21に組み付けられている。集積回路、ここでは所謂オプトASICを備えたセンサ要素2.24と目盛板1.3の間にある空隙は比較的僅かであるので、センサ要素2.24と目盛板1.3間のアキシャル方向間隔Daは、僅か数百μmとなることがある。光源として機能するLED2.22が、光をコンデンサ2.23を通じて、その後で目盛板1.3を通じて送る。LED2.22、コンデンサ2.23、集積回路を備えたセンサ要素2.24は、ステータ2、即ち角度測定装置の第二構成部品に配分されている。それに対して目盛板1.3は既に述べたように、回転自在のキャリア要素1.4に固定されている。光源2.22とセンサ要素2.24の間に配設されている目盛板1.3は、キャリア要素1.4の角度位置に対応した入射光を、角度基準尺1.31を介して変調する能力がある。その変調された光は、最終的にセンサ要素2.24のフォトディテクタに当たる。これを走査検知することにより、キャリア要素1.4の角度位置についての情報を含む光電信号が発生する。光電的に生成された信号は、センサ要素2.24の集積回路により更に処理される。その更に処理された位置信号が最終的に、ケーブルを介して別の装置に、例えば機械の制御装置に出力される。
【0027】
ケーシング2.1には、カップリング3の一部が螺合により固く接続されている。更にカップリング3の別の部分が、走査検知ユニット2.2にも固定されている。転がり軸受5の外輪も、同じく走査検知ユニット2.2に固定されている。実際においては測定シャフトおよび、ケーシング2.1を固く取り付けている機械の部品が、互いに正確な方向を向いていない。カップリング3を使用することにより、測定するシャフトを固くそして回転固定して角度測定装置のキャリア要素1.4の中に組み付けることができ、他方でケーシング2.1を機械の部品に固く取り付けることができる。リング状間隙を密封するために、それぞれシール4を設けている。
【0028】
高性能の集積回路を備えたセンサ要素2.24が作動している間では、無視できない局部的な発熱を考慮せねばならない。目盛板1.3が静止状態にあり、集積回路を備えたセンサ要素2.24に電流が流れるという場合に、センサ要素2.24と目盛板1.3間の狭い空隙を介して、ないしは僅かな間隔Daを通って、目盛板1.3に相当な局部的熱が伝わることがある。目盛板1.3用材料として従来のガラスを使用する時は、当該材料では線膨張係数が比較的大きいことにより、これが目盛板1.3で角度基準尺1.31の局部的な変形に至るであろう。よってこの欠点を回避するために、特殊な透明ガラス材料を目盛板1.3用に選択したが、それは僅か3.25×10−6−1(ISO7991による)の第一線膨張係数α1.3を有するものである。キャリア要素1.4は、およそ8×10−6−1の第二線膨張係数α1.4を有する鋼で作られていることにより、これは目盛板1.3の第一線膨張係数α1.3とは著しく異なっている。即ち、ここでは第二線膨張係数α1.4と第一線膨張係数α1.3間の差異が、4.75×10−6−1(α1.4−α1.3=4.75×10−6−1)である。
【0029】
上記のガラス材料の使用に伴って、高性能の集積回路を備えたセンサ要素2.24の熱が伝わることによる目盛板1.3の変形を著しく低減することができた。しかしながら結果において、リング状のアキシャル方向接着間隙を有する従来の接着接続は何時までも持続しない、或いは目盛板1.3の許容できない大きな偏心が長期使用後に現れたということがあった。
【0030】
キャリア要素1.4と目盛板1.3を含む構成ユニットの一連の組み立てにおいては、まず第一接着剤、提示の実施例では比較的希釈な液状接着剤を、アキシャル方向でキャリア要素1.4の段差部分1.41に塗布する。
【0031】
その後、目盛板1.3の偏心がキャリア要素1.4の軸Aに対して相対的に規定の許容シキイ値以下になるように、キャリア要素1.4上で目盛板1.3の非常に精確な位置決めを行う。この位置決めが終了すると直ぐに、UV光を使って第一接着剤を照射することがあり、その結果として第一接着剤が硬化することになる。このようにして段差部分と目盛板1.3間のアキシャル方向間隙Saに、アキシャル方向接着剤層1.1ができる。よって目盛板1.3は、キャリア要素1.4で精確な位置に固定されている。
【0032】
続いて、遙かに荷重負荷が可能な接着接続を生み出すために、アキシャル方向接着剤層1.2の接着剤とは異なる接着剤でラジアル方向接着剤層1.2をつくる。この目的のために、目盛板1.3とキャリア要素1.4間で周囲を取り巻くラジアル方向間隙Srに、まず第二接着剤を注入する。それに引き続いてUV光により第二接着剤の硬化を行い、それによりラジアル方向接着剤層1.2ができる。この段階で構成ユニットの接着接合が完了する。
【0033】
構成ユニットの二つの接着剤層1.1,1.2は、それぞれ硬化した状態でアキシャル方向接着剤層1.1の弾性率E1が、ラジアル方向接着剤層1.2の弾性率E2と較べて小さくなるように作られる。
【0034】
第二実施例(図3)では一部変更したキャリア要素1.4’を示しており、円周方向ポケット1.411を有する段差部分1.41’を備えている。そのポケット1.411には第一接着剤が満たされ、それによりそこではアキシャル方向接着剤層1.1’が比較的厚くなる。段差部分1.41’でラジアル方向で隣接する範囲において、アキシャル方向接着剤層1.1’は内向きにも外向きにも延伸している。この範囲ではアキシャル方向間隙Sa’が極端に小さいので、段差部分1.41’の面に対して高精度で平行に向いている平面に目盛板1.3を位置決めすることができる。このようにすることで結果として、角度測定装置の作動中における目盛板1.3のふらつき動作が、無視できる程に小さくなる。円周方向ポケット1.411の代替または補充として、例えば溝を段差突起1.41’に加工していることもある。
【0035】
更に云えば第二実施例において、第一実施例と同じ接着剤を使用することもある。従って、ここでも構成ユニットの二つの接着剤層1.1’,1.2は、それぞれ硬化した状態でアキシャル方向接着剤層1.1’の弾性率E1がラジアル方向接着剤層1.2の弾性率E2と較べて小さくなるように作られる。
【0036】
アキシャル方向とラジアル方向の間隙Sa,Sa’,Srは、図では比例尺で図示していない。特にアキシャル方向間隙Sa,Sa’は、実際には基本的に小さく構成されていることがあるが、より良好に実施例を説明できるようにするために、図においてはアキシャル方向間隙Sa,Sa’を誇張して大きく示している。
【符号の説明】
【0037】
1 ロータ
1.1 アキシャル方向接着剤層
1.2 ラジアル方向接着剤層
1.3 目盛板
1.31 角度基準尺
1.4 キャリア要素
1.41 段差部分
1.411 円周方向ポケット
2 ステータ
2.1 ケーシング
2.11 溝
2.12 穴
2.2 走査検知ユニット
2.21 走査検知基板
2.22 LED
2.23 コンデンサ
2.24 センサ要素
3 カップリング
4 シール
5 転がり軸受
6 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一線膨張係数(α1.3)を有する第一材料で作られている目盛板(1.3)と、
第二線膨張係数(α1.4)を有する第二材料で作られているキャリア要素(1.4,1.4’)と、を含む角度測定装置用構成ユニットにおいて、
第二線膨張係数(α1.4)と第一線膨張係数(α1.3)間の差異が、少なくとも3×10−6−1であり、そして
目盛板(1.3)が、キャリア要素(1.4,1.4’)に接着接続を使って固定されており、
その接着接続が、アキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)およびラジアル方向接着剤層(1.2)を有していると共に、キャリア要素(1.4,1.4’)と目盛板(1.3)の間で、アキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)がアキシャル方向間隙(Sa,Sa’)に、ラジアル方向接着剤層(1.2)がラジアル方向間隙(Sr)に、それぞれ配設されており、両方の接着剤層(1.1,1.1’;1.2)には異なった接着剤を含んでいる、ことを特徴とする角度測定装置用構成ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の角度測定装置用構成ユニットにおいて、
目盛板(1.3)の材料の第一線膨張係数(α1.3)が、キャリア要素(1.4,1.4’) の材料の第二線膨張係数(α1.4)より小さい、ことを特徴とする角度測定装置用構成ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の角度測定装置用構成ユニットにおいて、
目盛板(1.3)の材料の第一線膨張係数(α1.3)が、5×10−6−1より小さい、ことを特徴とする角度測定装置用構成ユニット。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載の角度測定装置用構成ユニットにおいて、
それぞれ硬化した状態において、アキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)の弾性率(E1)が、ラジアル方向接着剤層(1.2)の弾性率(E2)より小さい、ことを特徴とする角度測定装置用構成ユニット。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載の角度測定装置用構成ユニットにおいて、
目盛板(1.3)を作っている第一材料が、ガラスまたはガラスセラミック材料であり、そしてキャリア要素(1.4,1.4’)を作っている第二材料が、金属材料である、ことを特徴とする角度測定装置用構成ユニット。
【請求項6】
前記請求項のいずれかに記載の角度測定装置用構成ユニットにおいて、
キャリア要素(1.4,1.4’)が、段差部分(1.41,1.41’)を有するシャフトとして構成されており、そしてアキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)が、段差部分(1.41,1.41’)と目盛板(1.3)間のアキシャル方向間隙(Sa,Sa’)に配設されている、ことを特徴とする角度測定装置用構成ユニット。
【請求項7】
第一構成部品(1)と第二構成部品(2)を備えた角度測定装置において、
構成部品(1,2)が、軸(A)を中心に互いに相対的に回転自在であり、
第一構成部品(1)には、目盛板(1.3)とキャリア要素(1.4,1.4’)を含む構成ユニットが配分されており、そこでキャリア要素(1.4,1.4’)には接着接続を使って目盛板(1.3)が固定されており、
第二構成部品(2)には、目盛板(1.3)を走査検知するための走査検知ユニット(2.2)が配分されており、
目盛板(1.3)が、第一線膨張係数(α1.3)を有する第一材料で、そしてキャリア要素(1.4,1.4’)が、第二線膨張係数(α1.4)を有する第二材料で作られており、
第二線膨張係数(α1.4)と第一線膨張係数(α1.3)間の差異が、少なくとも3×10−6−1であり、
その接着接続が、アキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)およびラジアル方向接着剤層(1.2)を有していると共に、キャリア要素(1.4,1.4’)と目盛板(1.3)の間で、アキシャル方向接着剤層(1.1,1.1’)がアキシャル方向間隙(Sa,Sa’)に、ラジアル方向接着剤層(1.2)がラジアル方向間隙(Sr)に、それぞれ配設されており、両方の接着剤層(1.1,1.1’;1.2)には、異なった接着剤を含んでいる、ことを特徴とする角度測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の角度測定装置において、
第二構成部品(2)に走査検知基板(2.21)が配設されており、それに集積回路を備えたセンサ要素(2.24)が組み込まれており、そして集積回路を備えたセンサ要素(2.24)が、目盛板(1.3)に対して1mm以下の間隔(Da)で配設されている、ことを特徴とする角度測定装置。
【請求項9】
請求項8に記載の角度測定装置において、
第二構成部品(2)に光源(2.22)が配設されており、目盛板(1.3)が、集積回路を備えたセンサ要素(2.24)と光源(2.22)との間に配設されている、ことを特徴とする角度測定装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の角度測定装置において、
センサ要素(2.24)が、集積回路の他にフォト要素も有している、ことを特徴とする角度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−519266(P2012−519266A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551422(P2011−551422)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066145
【国際公開番号】WO2010/097130
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(501232827)ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲーエムベーハー (24)
【Fターム(参考)】