解体コンクリート細粒の処理方法及び処理装置
【課題】連続処理が可能でかつ加熱エネルギーを必要としない、解体コンクリート細粒の処理装置及び解体コンクリート細粒の処理方法を提供する。
【解決手段】細粒供給部12から、解体コンクリート細粒14をミルポット40に連続して投入し、送風装置58で循環用の空気W1をミルポット40に送る。ミルポット40は、遊星ミル36の公転軸42回りに公転しながら自転しており、投入された解体コンクリート細粒14は、遠心力Fでミルポット40の内壁に押し付けられてすりもみされる。すりもみにより分離されたセメント硬化体の微粉34は、空気W1と共に除去され微粉回収装置60で回収される。微粉34が除去された細骨材32は、取出口50から押し出され細骨材回収部52で回収される。
【解決手段】細粒供給部12から、解体コンクリート細粒14をミルポット40に連続して投入し、送風装置58で循環用の空気W1をミルポット40に送る。ミルポット40は、遊星ミル36の公転軸42回りに公転しながら自転しており、投入された解体コンクリート細粒14は、遠心力Fでミルポット40の内壁に押し付けられてすりもみされる。すりもみにより分離されたセメント硬化体の微粉34は、空気W1と共に除去され微粉回収装置60で回収される。微粉34が除去された細骨材32は、取出口50から押し出され細骨材回収部52で回収される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解体コンクリート細粒の処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の解体により発生する解体コンクリート塊は、破砕されて再生利用が図られている。今日、粗骨材(5mm以上)については再生技術の進歩により、広く再生利用されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の方法は、ドラムの回転が遅く、効率が悪いため装置を大型化した粗骨材の再生方法であり、5mm以下の粒子である解体コンクリート細粒には適用できない。
このように、解体コンクリート細粒は、処理技術が開発されていないため、再生利用が進んでいない。
【0004】
これは、破砕されたままの解体コンクリート細粒は、解体コンクリート細粒の主成分である細骨材の表面にセメント硬化体(微粉)が付着しており、付着しているセメント硬化体の強度が細骨材自体の強度よりも低く、吸水率が大きいため、付着したまま利用した場合にはコンクリートの強度が低下し、乾燥収縮率が大きくなることによる。
更に、付着したセメント硬化体により、流動性が不安定になるという問題もある。
【0005】
このため、解体コンクリート細粒を再生利用するには、解体コンクリート細粒を細骨材とセメント硬化体に分離して、細骨材の表面からセメント硬化体を取り除く必要がある。
解体コンクリート細粒を再生する方法として、2種類の攪拌装置を利用して細骨材からセメント硬化体を取り除く方法が提案されている(特許文献2)。
【0006】
即ち、特許文献2に記載の方法は、解体コンクリート塊を破砕した後、加熱して、再生粗骨材を回収する過程で解体コンクリート細粒を篩い分けし、解体コンクリート細粒を取り出す。次に、この解体コンクリート細粒を第1の攪拌装置内で攪拌して表面を摩滅させる(乾式攪拌工程)。その後、更に第2の攪拌装置内で攪拌して再度表面を摩滅させる(湿式攪拌工程)。これにより、細骨材の表面に付着したセメント硬化体(ペースト分)を除去する。
【0007】
しかし、特許文献2の方法では、解体コンクリート塊を破砕した後、加熱する必要があり、加熱エネルギーを必要とする。このため、細骨材の再生コストや環境に対する負荷の面で実用的でない。また、第1攪拌装置と第2攪拌装置の2種類の攪拌装置が必要であり、攪拌装置の設置スペースを広く必要とし、攪拌処理に要する時間も長くなる。
【0008】
図18に示すように、特許文献3に記載の方法は、フレーム86の内部に高速回転ドラム82が回転可能に設けられ、モータ90の動力で、チェーン92を介して高速回転ドラム82を高速回転させる。高速回転ドラム82の側面には、解体コンクリート塊80を投入する投入口88が設けられ、内部には解体コンクリート塊80を圧砕する圧砕ローラ84が設けられている。
【0009】
これにより、投入された解体コンクリート塊80が、遠心力で高速回転ドラム82の内壁に密着され、一体となって回転する。内壁に密着された解体コンクリート塊80を、圧砕ローラ84が調整された圧力を加えて圧砕する。このとき、高速回転ドラム82の内壁と圧砕ローラ84の間で解体コンクリート塊80同士がすりもみされる。しかし、この方法は圧砕ローラにより骨材が破砕されやすく、また、ローラが磨耗するためメンテナンスが必要となる。さらに、バッチ処理であり連続処理ができず処理に要する時間が長く、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−197876号公報
【特許文献2】特開平08−091893号公報
【特許文献3】特開2006−218339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事実に鑑み、連続処理が可能でかつ加熱エネルギーを必要としない、解体コンクリート細粒の処理装置及び処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明に係る解体コンクリート細粒の処理方法は、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットに気体を送り、前記ミルポット内部で、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒同士をすり合わせ、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させることを特徴としている。
【0013】
これにより、ミルポットの内部で、解体コンクリート細粒同士がすり合わされ、細骨材と細骨材の表面に付着したセメント硬化体が分離される。そして、ミルポットに送られた気体により、分離されたセメント硬化体がミルポットから除去される。
これにより、セメント硬化体と細骨材の再付着が防げ、加熱エネルギーを必要とせず細骨材とセメント硬化体の分離を連続して行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の解体コンクリート細粒の処理方法において、前記ミルポットの自転方向を、前記ミルポットの公転方向と同一方向とし、自転の重力加速度G1と、公転の重力加速度G2の比GR(GR=G1/G2)を0.01以上としたことを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ミルポットの自転方向を、ミルポットの公転方向と同一方向としている。ミルポットの公転と自転を同一方向とすることで、解体コンクリート細粒がミルポットの内部で飛翔し、飛翔している解体コンクリート細粒同士が衝突するのが抑制される。これにより、細骨材を破壊することなく、細骨材と細骨材の表面に付着したセメント硬化体を分離できる。
【0016】
また、ミルポットの自転の重力加速度G1と、公転の重力加速度G2の比GR(GR=G1/G2)を0.01以上としている。これにより、解体コンクリート細粒が1つに固まってしまうのが防げ、解体コンクリート細粒同士が互いに分離状態とされる。これにより、分離された微粉がミルポット内を浮遊しやすくなり、微粉の除去が促進される。同時に、解体コンクリート細粒同士のすりもみが促進される。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の解体コンクリート細粒の処理方法において、公転しながら自転する前記ミルポットに生じる遠心力により、前記ミルポット内部の前記解体コンクリート細粒に加えられる重力加速度が50G以上であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、50G以上の重力加速度が解体コンクリート細粒に加えられる。この適切な大きさの重力加速度の下で、解体コンクリート細粒同士をすりもみすることで、すりもみ効果が促進される。この結果、細骨材の表面に付着したセメント硬化体が短時間で分離される。
なお、50G以下ではコンクリート細粒同士のすりもみ作用が不足する。
【0018】
請求項4に記載の発明に係る解体コンクリート細粒の処理方法は、解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒を、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットの投入口から投入し、前記ミルポット内部で、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる分離工程と、前記遊星ミルの外部に設けられた微粉除去手段の送風装置から前記ミルポットへ気体を送り、分離された前記セメント硬化体の微粉を前記ミルポットから除去させ、除去された前記微粉を微粉除去手段に設けられた微粉回収装置で回収する微粉除去・回収工程と、前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を、前記ミルポットの下方に設けた細骨材回収部で回収する細骨材回収工程と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、次の手順で解体コンクリート細粒が処理される。即ち、先ず、分離工程で、公転しながら自転するミルポットに投入された解体コンクリート細粒が、細骨材とセメント硬化体に分離される。次に、微粉除去・回収工程で、ミルポットへ気体を送り、ミルポットからセメント硬化体の微粉を除去し、除去された微粉を微粉回収装置で回収する。そして、細骨材回収工程で、セメント硬化体が除去された細骨材を、ミルポットの下方に設けた細骨材回収部で回収する。
これにより、投入した解体コンクリート細粒を細骨材と微粉に分離し、それぞれを回収できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の解体コンクリート細粒の処理方法において、前記解体コンクリート細粒を、前記分離工程、前記微粉除去・回収工程、及び前記細骨材回収工程の順序で連続処理することを特徴としている。
このように各工程を、連続して処理することにより、解体コンクリート細粒の処理能力を増大させることが可能となり、大量処理の要求に対応できる。
【0021】
請求項6に記載の発明に係る解体コンクリート細粒の処理装置は、解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒が供給される細粒供給部と、回転軸回りに公転するミル本体と、前記ミル本体に収納され前記細粒供給部から投入口を介して投入された前記解体コンクリート細粒を、公転しながら自転して前記細骨材と前記セメント硬化体に分離させるミルポットと、を備えた遊星ミルと、前記遊星ミルの外部に設けられ、前記投入口から前記ミルポットへ気体を送り、前記ミルポットから前記セメント硬化体の微粉を除去する微粉除去手段と、前記ミルポットの取出口の下方に設けられ、前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を回収する細骨材回収部と、を有することを特徴としている。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、コンクリート塊を粉砕して製造された解体コンクリート細粒が細粒供給部に供給される。細粒供給部へ供給された解体コンクリート細粒は、投入口を介してミル本体に収納されたミルポットに投入される。ミルポットは、遊星ミルの回転軸回りに公転しながら自転しており、投入された解体コンクリート細粒は、ミルポットの内部で、細骨材とセメント硬化体の微粉に分離される。
【0023】
ミルポットの上部から投入された解体コンクリート細粒は、遠心力でミルポットの周壁に押し付けられた状態ですりもみされる。そして、後からミルポットの上部に投入された解体コンクリート細粒により、徐々に、ミルポットの上部から下方に押し下げられる。このとき、すりもみされながら下方に押し下げられることで、細骨材の表面からセメント硬化体が徐々に分離される。
最後に、ミルポット下端の取出口まで到達した時点においては、セメント硬化体が除去されて再生された細骨材となる。再生された細骨材は、ミルポットの取出口の下方に設けられた細骨材回収部で回収される。
【0024】
また、遊星ミルの外部に設けられた微粉除去手段が、投入口からミルポットへ気体を送り、細骨材から分離され浮遊している微粉をミルポットから気体に乗せて除去する。このとき、微粉は細骨材に比べ質量が小さく粒径も小さいため、風速を制御することによって微粉のみを除去することができる。
【0025】
これにより、ミルポットの内部で分離され浮遊している微粉が緩衝材的に作用して、細骨材の表面からセメント硬化体を分離する時の障害となるのを防ぐことができる。また、分離された微粉が細骨材に再付着するのを防止できる。
この結果、公転しながら自転するミルポットの内部で、解体コンクリート細粒を、細骨材と微粉に連続して分離させることができる。これにより、解体コンクリート細粒の連続処理が可能となる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記微粉除去手段は、前記投入口と前記細骨材回収部を連結する流通路と、前記流通路に設けられ、前記投入口、前記ミルポット、前記細骨材回収部、及び前記流通路の間で気体を循環させる送風装置と、前記気体と一緒に前記ミルポットから排出された前記微粉を、前記流通路で捕捉し、回収する微粉回収装置と、前記気体中の水分を除去する水分除去装置と、を有することを特徴としている。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、微粉除去手段は、投入口と細骨材回収部を流通路で連結している。流通路には送風装置が設けられ、投入口からミルポットに気体を送り、ミルポットの内部で分離され浮遊している微粉を気体と一緒に排出する。ミルポットから排出された微粉は、細骨材回収部から流通路へ吸引される。
【0028】
流通路へ吸引された微粉は、流通路に設けられた微粉回収装置で捕捉され回収される。微粉が除去された気体は、水分除去装置を通過して送風装置に戻る。このとき、水分除去装置には例えば冷却コイルによる除湿装置や吸湿剤等の水分除去手段が設けられており、気体中の水分を除去する。
【0029】
これにより、ミルポットの内部で発生した微粉、及び細骨材からセメント硬化体を分離した時に発生する水分を除去することができ、ミルポットの内部で分離した微粉が緩衝材的に作用することに起因する細骨材とセメント硬化体を分離する時の障害や、微粉の細骨材への再付着が防止される。この結果、ミルポット内部でのすりもみ効果を連続して行うことが可能となる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記ミルポットは、公転しながら自転することにより生じる遠心力で、前記細粒同士をすり合わせてすりもみ効果を発生させることを特徴としている。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、ミルポットは、公転しながら自転するため大きな遠心力を発生させることができる。この大きな遠心力を、細粒同士をすり合わせるすりもみ効果に利用している。この結果、細骨材を破砕することなく再生でき、細骨材の再生効率を高めることができる。
【0032】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記微粉回収装置は、前記微粉を捕捉するバグフィルターと、前記バグフィルターの下部に設けられ、捕捉された前記微粉を回収する微粉回収部と、を有することを特徴としている。
請求項9に記載の発明によれば、バグフィルターで捕捉された微粉が微粉回収部で回収される。これにより、微粉の回収と再生利用がきる。
【0033】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記気体が循環する前記微粉除去手段、前記投入口、前記ミルポット、及び前記細骨材回収部が密封されていることを特徴としている。
これにより、気体として空気を循環させた場合、密封された空気中の炭酸ガスを、微粉中の水酸化カルシウムで早期に除去でき、除去後は、炭酸ガスの少ない空気を循環できる。炭酸ガスの少ない空気を循環することで、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなく、アルカリ性を保持したまま回収できる。
【0034】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記循環する気体は窒素ガスであることを特徴としている。
窒素ガスを循環させ、ミルポットから微粉除去させることで、微粉中の水酸化カルシウムとの反応が防止される。これにより、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなく、アルカリ性を保持したまま回収できる。
【0035】
請求項12に記載の発明は、請求項6〜11のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記ミルポットの内部には、前記解体コンクリート細粒とすり合わされて、前記細骨材と前記微粉を分離させるコンクリート用粗骨材、又は鉄球が混入されていることを特徴としている。
【0036】
請求項12に記載の発明によれば、ミルポットの内部に混入されたコンクリート用粗骨材又は鉄球が、解体コンクリート細粒とすり合わされて細骨材とセメント硬化体の分離を促進させる。これにより、細骨材とセメント硬化体を短時間で分離できる。
なお、コンクリート用粗骨材を利用した場合には、再生後に、そのまま粗骨材として利用できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、上記構成としてあるので、連続処理が可能でかつ加熱エネルギーを必要としない、解体コンクリート細粒の処理方法及び解体コンクリート細粒の処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法に用いるミルポットの基本構成を示す図である。
【図2】解体コンクリート細粒を概念的に示した図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置の基本構成を示す図である。
【図4】解体コンクリート細粒の製造手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットに生じる遠心力の方向を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中で発生するすりもみ作用を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の結果を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の回転方向と再生細骨材の回収率の関係を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の自公転比と再生細骨材の吸水率の関係示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の重力加速度と再生細骨材の吸水率の結果を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験で使用した解体コンクリート細粒の外観を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置の基本構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中の微粉除去状況を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットを増速する増速ギアを示す図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中のすりもみ作用を示す図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中のすりもみ作用を示す図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法を示すフローチャートである。
【図18】従来例の粗骨材再生装置の基本構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、第1の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法8は、公転しながら自転するミルポット40で処理がなされる。
ミルポット40は、円筒状に形成され、後述する遊星ミルのミル本体に取り付けられ図示しない公転軸J1の回りに公転しながら、自転軸J2の回りを矢印R2の方向に自転する。
ミルポット40の上部には、後述する解体コンクリート細粒14の投入口43が開口され、下部には解体コンクリート細粒14の取出口50が開口されている。
【0040】
ミルポット40の内部には、解体コンクリート細粒14が投入されており、ミルポット40の投入口43から取出口50の方向に、気体W1が送られている。
ミルポット40が公転しながら自転することで、解体コンクリート細粒14には遠心力Fが作用する。そして、遠心力Fを受け、ミルポット40の周壁に押し付けられた状態で、ミルポット40と共に回転する。これにより、解体コンクリート細粒14同士がすりもみされる。
【0041】
図2に示すように、ミルポット40に投入された解体コンクリート細粒14は、解体コンクリート塊を破砕して生成された細粒であり、細骨材32の表面にセメント硬化体(微粉)34が付着した状態となっている。このため、細骨材32及び微粉34を再利用するには、細骨材32と微粉34を分離する必要がある。
【0042】
細骨材32の表面から微粉34を分離させるには、ミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士をすりもみし、すりもみ作用で分離させるのが効果的である。そして、分離されて浮遊しているセメント硬化体の微粉34は、気体W1をミルポット40の内部に送り、ミルポット40の外に除去して回収する。これにより、ミルポット40の内部に残され、セメント硬化体が取り除かれた再生細骨材32と、微粉34をそれぞれ回収できる。
【0043】
ミルポット40の内部で、効果的にすりもみ作用を行うには、ミルポット40の回転方向R2、ミルポット40の内部の解体コンクリート細粒14に作用する重力加速度G、ミルポット40の自転の重力加速度G1と公転の重力加速度G2の重力加速度の比(G1/G2)である自公転比GRが重要となる。
即ち、図1(C)に示すように、回転方向、重力加速度G、自公転比GRが適正な場合には、解体コンクリート細粒14同士が互いに一部が接触する程度に分離状態とされる。これにより、ミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士がすりもみされ、細骨材の表面からセメント硬化体が分離される。
【0044】
一方、図1(B)に示すように、公転による重力加速度G2が十分な場合でも、自公転比GRが小さ過ぎる場合には、解体コンクリート細粒14は、ミルポット40の周壁に押し付けられたまま、全体が一体となって公転しながら自転する。このため、解体コンクリート細粒14同士のすりもみは、ほとんど行われない。
【0045】
以上説明したように、公転しながら自転するミルポット40に気体を送り、ミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士をすり合わせることで、解体コンクリート細粒14を、細骨材32と、細骨材32の表面に付着したセメント硬化体の微粉34とに分離させることができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図3に示すように、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10は、上部に、コンクリート塊を粉砕して生成された解体コンクリート細粒14を、遊星ミル36に連続供給する細粒供給部12を有している。
【0047】
細粒供給部12は、解体コンクリート細粒14が投入される細粒供給口16と、細粒供給口16の下部に設けられ、投入された解体コンクリート細粒14を、細粒供給口16から遊星ミル36の投入口18まで搬送する搬送路20を有している。搬送路20の内部には、中心軸にスパイラル状に羽根が取り付けられ、中心軸の回転により羽根が回転しながら移動し、解体コンクリート細粒14を細粒投入口18まで連続して搬送するスパイラルブレード100が設けられている。また、搬送路20の一方の端部には、スパイラルブレード100を回転させるモータ102が設けられている。
【0048】
解体コンクリート細粒14は、図4に示すように、コンクリート塊22を、例えば偏心ロータ式再生粗骨材製造装置ですりもみ処理をして粉砕する粉砕工程24と、粉砕されたコンクリート塊22を振動ふるいで分離し、径が5mm以下を解体コンクリート細粒14として回収する分離工程26を経て生成される。このとき、解体コンクリート細粒14と同時に、径が5mm以上の再生粗骨材28も回収される。解体コンクリート細粒14の処理は、細粒供給部12の下方に設けられた遊星ミル36で行われる。
【0049】
遊星ミル36は、公転軸42の回りに回転するミル本体38を有している。公転軸42は、遊星ミル36の中心部に鉛直に設けられ、公転軸42の上部には公転アーム39が固定されている。公転アーム39には、第1の実施の形態で説明したミルポット40が自転軸を鉛直にして複数取付けられ、公転アーム39と一体となって公転軸42の回りを回転する。
【0050】
ミルポット40は、外周面に設けられたボールベアリング41を介して回転自在に公転アーム39へ取付けられている。これにより、ミルポット40は、公転しながら中心軸回りに自転できる。
【0051】
公転軸42の下部には公転軸42を軸支する公転軸受台44が設けられ、公転軸受台44から下方に突き出された公転軸42の下端部には、プーリ46が設けられている。プーリ46には、図示しない電動機からの動力が伝達され、公転軸42を回転させる。
【0052】
公転軸42の上部には投入口18が上方に開口して設けられ、スパイラルブレード100で搬送された解体コンクリート細粒14が、投入口18から連続して投入される。
投入口18の下部には、投入口18を中心に放射状に分岐された分岐管48が設けられ、分岐管48の先端は、ミルポット40の上部に設けられた分岐管挿入口43に挿入されている。
【0053】
投入口18と分岐管48は、公転軸42と一体となって回転し、投入口18に投入された細粒14は、遠心力で径方向に搬送されて、それぞれのミルポット40の内部の上部に投入される。
公転軸42における、公転アーム39の取付け位置と公転軸受台44の取付け位置の間には、弾性帯49が設けられている。
【0054】
弾性帯49は内圧の調整が可能な空気入りタイヤで形成され、公転軸42から離れて公転軸42を囲み、公転軸42が回転しても弾性帯49は回転しない構成とされている。弾性帯49の外周面は、ミルポット40の外周面40Fに圧着している。
【0055】
これにより、公転軸42の回転によりミルポット40が公転したとき、外周面40Fが弾性帯49により拘束作用を受けるため、外周面40Fの位置では公転が制限される。この結果、ミルポット40には、ミルポット40自体の中心軸回りの回転力が発生する。この回転力により、ミルポット40は公転しながら自転する。
【0056】
即ち、図5に示すように、例えば、ミル本体38が矢印R1の方向に公転しているとき、ミルポット40は、ミル本体38と共に矢印R1の向きに公転しながら、それぞれ矢印R2の向きに自転する。このとき、ミルポット40の内部には、公転軸42の径方向に大きな遠心力Fが発生する。これにより、第1の実施の形態で説明したように、ミルポット40の内部に投入された細粒14は、遠心力Fにより公転軸42の径方向に集められ、解体コンクリート細粒14同士が遠心力Fを受けた状態ですり合わされる。
【0057】
なお、遊星ミル36の構造から、自転方向を公転方向と異なる方法に回転させることも可能である。但し、自転方向と公転方向を異なる方向とした場合には、ミルポット40の内部に投入された解体コンクリート細粒14は、ミルポット40の内部で飛翔を開始するようになる。
【0058】
この結果、飛翔しながら互いに衝突し、すりもみ作用というよりも衝突が顕著になり、解体コンクリート細粒14がすりもみされずに粉砕されてしまい、細骨材32の回収量が減少する。
【0059】
一方、自転方向と公転方向を同方向とした場合、ミルポット40の内壁面との相対速度が小さいため、解体コンクリート細粒14が互いに同方向に回転することになり、解体コンクリート細粒14同士が遠心力で押し合いながら、すりもみが促進され、細骨材32の表面から微粉が分離される。
【0060】
ミルポット40の底面には再生された細骨材32の取出口50が設けられ、取出口50の下方には細骨材32を回収する細骨材回収部52が設けられている。また、細骨材回収部52の下部には、細骨材32の回収コンベア54が設けられ、再生された細骨材32を出荷場所に搬送する。
【0061】
また、遊星ミル36の外部には、空気循環用のダクト56が設けられている。ダクト56の一端は細粒供給部12に接続され、他端は細骨材回収部52に接続されている。ダクト56には、投入口18、ミルポット40、細骨材回収部52、及びダクト56の順に空気を循環させる送風装置58が設けられている。
【0062】
ダクト56には、微粉34を捕捉して回収する微粉回収装置60と、空気中の水分を除去する水分除去装置62が設けられている。
これにより、送風装置58から投入口18を介してミルポット40に気体W1を送り、ミルポット40を通過させた空気W1と一緒に、微粉34をミルポット40からダクト56へ排出する。
【0063】
そして、ダクト56に設けられた微粉回収装置60のバグフィルター61で、細骨材32から分離された微粉34を捕捉し、バグフィルター61に機械振動を加えて、捕捉された微粉34を微粉回収部63に落下させて回収する。なお、バグフィルター61の上流側に、サイクロン式の微粉集塵機構を設けてもよい。また、細骨材32と微粉34を分離する時に発生する水分を、水分除去装置62で除去する。
これにより、微粉34と細骨材32の再付着が防げ、すりもみ作用で細骨材32の表面から新たな微粉34が分離される。
【0064】
次に、循環空気量について説明する。
解体コンクリート細粒14を遊星ミルで連続処理する時、水分が発生する。この水分をミルポット40から除去しないと、水分を含む微粉が細骨材の表面に再付着し、粉砕の進行を妨げる。また、水分を含む微粉がミルポット40の周壁に付着し、ミルポット40の粉砕室となる周壁が閉塞されてゆき、処理能力が低下する。
【0065】
このため、適正量の空気を送り、ミルポット40から水分を除去する必要がある。ここに、投入される解体コンクリート細粒の含水率は6%程度であり、含水率が4%程度を維持できれば、連続処理が可能なことが実験結果で明らかとなっている。
空気の循環により、解体コンクリート細粒の含水率を6%から4%まで下げるのに必要な空気量は、遊星ミルの処理量10トン/時間、所要乾燥水分量208kg、ミルポット40の入口空気温度20℃、湿度50%、出口空気温度40℃、湿度90%の条件においては、5859kg/時間(77m3/分)となる。
【0066】
次に、すりもみ作用について説明する。
図6に示すように、ミルポット40の内部に投入された解体コンクリート細粒14は、解体コンクリート細粒14同士のすりもみ作用により、以下の経過で細骨材32と微粉34に分離される。
【0067】
公転しながら自転しているミルポット40に、解体コンクリート細粒14が投入されたとき、解体コンクリート細粒14は、遠心力Fによりミルポット40の径方向に集められる。このとき、解体コンクリート細粒14の受ける遠心力Fが大きいため、自重で落下することなくミルポット40の上部に位置し、解体コンクリート細粒14同士ですりもみされ、微粉34が徐々に分離される。(図6(A))。遠心力Fが作用
【0068】
遠心力Fを受けた状態で細粒14同士がすり合わされることにより、細骨材32の表面からセメント硬化体34が徐々に分離される。また、ミルポット40の上部には、新しい解体コンクリート細粒14が連続して投入されるため、新たに投入された解体コンクリート細粒14により、徐々に下方へ押し下げられる。
【0069】
このとき、分離された微粉34は軽いため、ミルポット40の内部を浮遊する。空気W1の速度を調節することで、この分離された微粉34を、質量の違いを利用して、空気W1でミルポット40の内部から微粉34のみを除去することができる。これにより、分離された微粉34が緩衝材的に作用して、細骨材32の表面から微粉34を分離するときの妨げとなることがない。また、分離された微粉34が細骨材32に再付着するのを防止できる(図6(B))。
【0070】
ミルポット40の内部を下方へ押し下げられながら、解体コンクリート細粒14同士が継続してすり合わされる(図6(C))。
解体コンクリート細粒14同士のすり合わせが継続され、細骨材32の表面からセメント硬化体が除去される(図6(D))。
【0071】
最後に、表面からセメント硬化体が除去された再生細骨材32が、押し下げられてミルポット40の取出し口50から落下する。この落下した細骨材32を、取出し口50の下部で回収する(図6(E))。
なお、微粉34は、上述したようにダクト56に設けられた微粉回収装置60で回収される。
【0072】
これにより、ミルポット40の内部で発生した微粉34を除去できると共に、細骨材32から微粉34を分離した時に発生する水分を除去でき、ミルポット40の内部でのすりもみ作用を連続して行うことができる。
【0073】
この結果、加熱エネルギーを必要とすることなく、公転しながら自転するミルポットの内部で、解体コンクリート細粒14を細骨材32と微粉34に連続して分離できる。
また、解体コンクリート細粒14同士をすりもみするので、細骨材32を破砕することなく再生ができ、細骨材32の再生効率を高めることができる。
【0074】
次に、検証実験の結果について説明する。
実験に使用したのは、直径100mm、高さ380mmのミルポット40を2個備えた連続処理が可能な遊星ミル36であり、解体コンクリート細粒14の処理速度は、10kg/時間である。
投入した解体コンクリート細粒14は、築43年の建物を解体した解体コンクリート塊から生成した細粒である。
回収した細骨材32と微粉34については、径が0.6mm以上を再生細骨材32とし、径が0.6mm未満を再生微粉34として区分した。
【0075】
図7に実験条件と測定結果を示す。
実験は、自公転方向、自公転比GR、及び重力加速度Gの条件をそれぞれ変えた8条件(実験1〜実験8)について行った。自公転方向とは、ミルポット40の自転と公転の方向を示し、重力加速度Gは、自転時の重力加速度G1と公転時の重力加速度G2を合計した値を示す。
結果は、再生細骨材32の回収率(%)と再生細骨材32の吸水率(%)で整理した。なお、再生細骨材32の吸収率は、「細骨材の密度及び吸水率試験(JISA1109)」に従って測定した。
【0076】
図8に自公転方向と再生細骨材の回収率の関係を示す。
特性Aは自公転方向が同方向の特性を示し、特性Bは自公転方向が逆方向の特性を示す。自公転方向が同方向(実験1)に比べ、自公転方向が逆方向(実験5)では再生細骨材の回収率が低い結果となった。
これは、上述したように、自公転方向が逆方向の場合には、解体コンクリート細粒14がミルポット40の内部で飛翔を始め、解体コンクリート細粒14同士が衝突して粉砕されたためと考えられる。
これに対し、自公転方向が同一方向の場合は、すりもみ作用が促進され、表面のセメント硬化体34のみが粉砕され、細骨材32の粉砕が少ないためと考えられる。以上より、自公転方向は、同一方向が望ましいといえる。
【0077】
図9に、自公転比と再生細骨材の吸水率の関係を示す。
特性Cは自公転比0.006における特性を示し、特性Dは比0.010における特性を示し、特性Eは自公転比0.027における特性を示す。自公転比を、自公転比0.006(実験6)、自公転比0.010(実験2)、自公転比0.027(実験1)と高くするに従い、再生細骨材の吸水率(%)は低下する傾向を示した。
再生細骨材32の吸水率(%)が低い値を示す程、再生細骨材32の表面からセメント硬化体34が取り除かれたことを意味し、自公転比は高いのが望ましい(自公転0.010以上)といえる。
【0078】
図10に重力加速度と再生細骨材の吸水率の関係を示す。
特性Fは重力加速度が20Gにおける特性を示し、特性Gは重力加速度が35Gにおける特性を示し、特性Hは重力加速度が50Gにおける特性を示し、特性Iは重力加速度が125Gにおける特性を示し、特性Jは重力加速度が200Gにおける特性を示す。
【0079】
結果から、重力加速度Gが増加すれば再生細骨材の吸水率(%)は減少する傾向を示した。
特に特性Gと特性Hの間、即ち、重力加速度が35Gと50Gの間で吸水率が大きく減少した。重力加速度が50G以上になると再生細骨材32の表面からセメント硬化体34が取り除かれたことを示している。
以上から、重力加速度が50G以上で使用するのが望ましいといえる。
【0080】
図11に、試験用に投入した解体コンクリート細粒14、及び再生した細骨材32の写真を示す。
図11(A)は、処理前の解体コンクリート細粒14であり、細骨材32の表面は、セメント硬化体34で覆われている。
図11(B)は、自公転比が小さい条件(GR=0.006、実験6)で処理した細骨材32を示している。細骨材32の表面には、多くのセメント硬化体34が残っており、再生が不十分といえる。
図11(C)は、自公転比を適正な値(GR=0.027、実験1)で処理した後の細骨材32である。セメント硬化体34は除去されている。
【0081】
(第3の実施の形態)
図12に示すように、第3の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置64は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10における、空気W1の循環通路を密封構造としている。
具体的には、解体コンクリート細粒14が投入される細粒供給部12を、スパイラルブレード112の羽根先端と搬送路の内壁の間にシール材(図示せず)を設け、気密性を確保したまま、解体コンクリート細粒14の連続投入が可能とされている。
また、シール114が、細粒供給部12の投入部と投入口18との接合部に設けられている。シール114にはスライド部材(図示せず)が埋め込まれており、分岐管48の回転を確保した状態で、投入口18が密封されている。
【0082】
また、シール部材116が、ミルポット40の上部の分岐管挿入口43と分岐管48の先端部の間に設けられている。同様に、シール部材118が、ミルポット40の下部の取出口50と細骨材回収部52の間に設けられている。
シール部材118にはスライド部材(図示せず)が埋め込まれており、ミルポット40が公転しながら自転した状態で、接合部の気密性を確保している。
【0083】
また、細骨材回収部52の回収口53には、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122が設けられている。また、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122の下側には下側シール部材124が設けられ、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122の上側には上側シール部材126が設けられている。
これにより、回収口53が密封された状態で2重に仕切られる。再生された細骨材32は、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122を、順次開放しながら回収され、回収口53における気密性が確保される。
【0084】
そして、密封された循環路に空気を循環させることができる。これにより、運転開始初期に、密封された空気中の炭酸ガスが微粉中の水酸化カルシウムで除去される。そして、炭酸ガスが除去された後は、炭酸ガスの少ない空気が循環することとなる。炭酸ガスの少ない空気を循環させることで、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなく、アルカリ性を保持したまま回収できる。
【0085】
(第4の実施の形態)
図13に示すように、第4の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置65は、第3の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置64における空気W1を、窒素ガスW2としたものである。
【0086】
即ち、ダクト56に設けられた送風装置58から、投入口18を介してミルポット40に窒素ガスW2が送られる。窒素ガスW2はミルポット40を通過する時に微粉34を持ち去り、微粉34と一緒に、細骨材回収部52でダクト56へ吸引される。
【0087】
そして、ダクト56に設けられた微粉回収装置60で、窒素ガスW2中の微粉34を捕捉し、微粉回収部63で回収する。その後、水分除去装置62で窒素ガスW2中の水分を除去する。
このように、窒素ガスW2を用いることにより、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなくアルカリ性を保持したまま回収できる。
他の構成は第3の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0088】
(第5の実施の形態)
図14に示すように、第5の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置66は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10におけるミルポット40を、増速ギア110で増速する構成である。
即ち、公転軸42の外側に、公転軸42と同一軸心で増速ギア110を設け、増速ギア110の外周と2つのミルポット40の外周を接合させ、増速ギア110の回転で、ミルポット40を自転させる構成としている。
【0089】
公転方向R1と反対方向R3に、増速ギア110を独立して回転させることで、ミルポット40を、公転と同じ方向で回転させ、自転回転数を高くすることができる。
これにより、ミルポット40が自転するときの加速度G1と、ミルポット40が公転する時の加速度G2の自公転比GR(GR=G1/G2)を、自在に変更することが可能となる。
【0090】
(第6の実施の形態)
図15に示すように、第6の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置67は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10のミルポット40の内部に、解体コンクリート細粒14と一緒に、すりもみ用の媒体としてコンクリート用粗骨材68を混入している。
これにより、解体コンクリート細粒14同士のすり合わせのみでなく、解体コンクリート細粒14とコンクリート用粗骨材68の間でもすり合わせがされることで、短時間で細骨材32と微粉34を分離できる。
【0091】
このとき、コンクリート用粗骨材68は細骨材32と密度がほぼ同一であり、細骨材32を粉砕する可能性が低く、再生された細骨材32の品質が高く維持される。また、コンクリート用粗骨材68は、図4の再生粗骨材28を利用することもできる。再生後は、ふるい分けのみで簡単に分離でき、粗骨材68、細骨材32ともコンクリート骨材として利用できる。
コンクリート用粗骨材68のミルポット40への混入方法は、解体コンクリート細粒14と一緒に細粒供給口16から投入すればよい。他の構成は第2の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0092】
(第7の実施の形態)
図16(A)に示すように、第7の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置66は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10のミルポット40の内部に、解体コンクリート細粒14と一緒に、すりもみ用の媒体として鉄球70を混入している。
【0093】
これにより、解体コンクリート細粒14同士のすり合わせのみでなく、解体コンクリート細粒14と鉄球70の間でもすり合わされることで、より大きな摩擦力が発生し、細骨材32の表面からセメント硬化体34を短時間で分離させることができる。
鉄球70の混入方法は、解体コンクリート細粒14と一緒に、細粒供給口16からミルポット40の内部に投入すればよい。また、鉄球70は、磁石で容易に回収できるため、取り扱いが容易である。
【0094】
なお、図16(B)に示すように、鉄球70は径の異なるものを組み合わせて用いてもよい。これにより、径の小さい解体コンクリート細粒14に対しては、小さい鉄球72がすり合わされ、径の大きい解体コンクリート細粒14に対しては、大きい鉄球70がすり合わされ、細骨材32の表面からセメント硬化体34を短時間で分離させることができる。
他は、第2の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0095】
(第8の実施の形態)
図17に示すように、第8の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法75は、分離工程76、微粉除去・回収工程77、及び細骨材回収工程78の3つの工程で構成されている。なお、各工程の詳細は、既に第1〜第7の実施の形態で説明してあるので詳細は省略する。
【0096】
先ず、分離工程76で、コンクリート塊を粉砕した解体コンクリート細粒14をミルポット40に投入する。投入された解体コンクリート細粒14は、公転しながら自転するミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士がすり合わされ、細骨材32と微粉34に分離される。
【0097】
次に、微粉除去・回収工程77で、送風装置58からミルポット40の内部に気体W1を送り、ミルポット40の内部で分離され浮遊している微粉34を、気体W1と一緒にミルポット40から除去する。気体W1と一緒に除去された微粉34は、ダクト56に設けられた微粉回収装置60のバグフィルター61で捕捉され、微粉回収部63で回収される。
【0098】
最後に、細骨材回収工程78で、セメント硬化体が除去されミルポット40から落下した細骨材32を、ミルポット40の下部に設けられた細骨材回収部52で回収する。
【0099】
この結果、加熱エネルギーを必要とすることなく、公転しながら自転するミルポット40の内部で、解体コンクリート細粒14を、細骨材32と微粉34に連続して分離させ、細骨材32と微粉34を回収することができる。
【符号の説明】
【0100】
10 細骨材再生装置
12 細粒供給部
14 細粒
16 細粒供給口
18 投入口
30 微粉除去手段
36 遊星ミル
38 ミル本体
40 ミルポット
56 ダクト(流通路)
58 送風装置
60 微粉回収装置
62 水分除去装置
68 コンクリ−ト用粗骨材
70 鉄球
75 細骨材再生方法
76 分離工程
77 微粉除去・回収工程
78 細骨材回収工程
【技術分野】
【0001】
本発明は、解体コンクリート細粒の処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の解体により発生する解体コンクリート塊は、破砕されて再生利用が図られている。今日、粗骨材(5mm以上)については再生技術の進歩により、広く再生利用されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の方法は、ドラムの回転が遅く、効率が悪いため装置を大型化した粗骨材の再生方法であり、5mm以下の粒子である解体コンクリート細粒には適用できない。
このように、解体コンクリート細粒は、処理技術が開発されていないため、再生利用が進んでいない。
【0004】
これは、破砕されたままの解体コンクリート細粒は、解体コンクリート細粒の主成分である細骨材の表面にセメント硬化体(微粉)が付着しており、付着しているセメント硬化体の強度が細骨材自体の強度よりも低く、吸水率が大きいため、付着したまま利用した場合にはコンクリートの強度が低下し、乾燥収縮率が大きくなることによる。
更に、付着したセメント硬化体により、流動性が不安定になるという問題もある。
【0005】
このため、解体コンクリート細粒を再生利用するには、解体コンクリート細粒を細骨材とセメント硬化体に分離して、細骨材の表面からセメント硬化体を取り除く必要がある。
解体コンクリート細粒を再生する方法として、2種類の攪拌装置を利用して細骨材からセメント硬化体を取り除く方法が提案されている(特許文献2)。
【0006】
即ち、特許文献2に記載の方法は、解体コンクリート塊を破砕した後、加熱して、再生粗骨材を回収する過程で解体コンクリート細粒を篩い分けし、解体コンクリート細粒を取り出す。次に、この解体コンクリート細粒を第1の攪拌装置内で攪拌して表面を摩滅させる(乾式攪拌工程)。その後、更に第2の攪拌装置内で攪拌して再度表面を摩滅させる(湿式攪拌工程)。これにより、細骨材の表面に付着したセメント硬化体(ペースト分)を除去する。
【0007】
しかし、特許文献2の方法では、解体コンクリート塊を破砕した後、加熱する必要があり、加熱エネルギーを必要とする。このため、細骨材の再生コストや環境に対する負荷の面で実用的でない。また、第1攪拌装置と第2攪拌装置の2種類の攪拌装置が必要であり、攪拌装置の設置スペースを広く必要とし、攪拌処理に要する時間も長くなる。
【0008】
図18に示すように、特許文献3に記載の方法は、フレーム86の内部に高速回転ドラム82が回転可能に設けられ、モータ90の動力で、チェーン92を介して高速回転ドラム82を高速回転させる。高速回転ドラム82の側面には、解体コンクリート塊80を投入する投入口88が設けられ、内部には解体コンクリート塊80を圧砕する圧砕ローラ84が設けられている。
【0009】
これにより、投入された解体コンクリート塊80が、遠心力で高速回転ドラム82の内壁に密着され、一体となって回転する。内壁に密着された解体コンクリート塊80を、圧砕ローラ84が調整された圧力を加えて圧砕する。このとき、高速回転ドラム82の内壁と圧砕ローラ84の間で解体コンクリート塊80同士がすりもみされる。しかし、この方法は圧砕ローラにより骨材が破砕されやすく、また、ローラが磨耗するためメンテナンスが必要となる。さらに、バッチ処理であり連続処理ができず処理に要する時間が長く、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−197876号公報
【特許文献2】特開平08−091893号公報
【特許文献3】特開2006−218339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事実に鑑み、連続処理が可能でかつ加熱エネルギーを必要としない、解体コンクリート細粒の処理装置及び処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明に係る解体コンクリート細粒の処理方法は、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットに気体を送り、前記ミルポット内部で、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒同士をすり合わせ、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させることを特徴としている。
【0013】
これにより、ミルポットの内部で、解体コンクリート細粒同士がすり合わされ、細骨材と細骨材の表面に付着したセメント硬化体が分離される。そして、ミルポットに送られた気体により、分離されたセメント硬化体がミルポットから除去される。
これにより、セメント硬化体と細骨材の再付着が防げ、加熱エネルギーを必要とせず細骨材とセメント硬化体の分離を連続して行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の解体コンクリート細粒の処理方法において、前記ミルポットの自転方向を、前記ミルポットの公転方向と同一方向とし、自転の重力加速度G1と、公転の重力加速度G2の比GR(GR=G1/G2)を0.01以上としたことを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ミルポットの自転方向を、ミルポットの公転方向と同一方向としている。ミルポットの公転と自転を同一方向とすることで、解体コンクリート細粒がミルポットの内部で飛翔し、飛翔している解体コンクリート細粒同士が衝突するのが抑制される。これにより、細骨材を破壊することなく、細骨材と細骨材の表面に付着したセメント硬化体を分離できる。
【0016】
また、ミルポットの自転の重力加速度G1と、公転の重力加速度G2の比GR(GR=G1/G2)を0.01以上としている。これにより、解体コンクリート細粒が1つに固まってしまうのが防げ、解体コンクリート細粒同士が互いに分離状態とされる。これにより、分離された微粉がミルポット内を浮遊しやすくなり、微粉の除去が促進される。同時に、解体コンクリート細粒同士のすりもみが促進される。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の解体コンクリート細粒の処理方法において、公転しながら自転する前記ミルポットに生じる遠心力により、前記ミルポット内部の前記解体コンクリート細粒に加えられる重力加速度が50G以上であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、50G以上の重力加速度が解体コンクリート細粒に加えられる。この適切な大きさの重力加速度の下で、解体コンクリート細粒同士をすりもみすることで、すりもみ効果が促進される。この結果、細骨材の表面に付着したセメント硬化体が短時間で分離される。
なお、50G以下ではコンクリート細粒同士のすりもみ作用が不足する。
【0018】
請求項4に記載の発明に係る解体コンクリート細粒の処理方法は、解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒を、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットの投入口から投入し、前記ミルポット内部で、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる分離工程と、前記遊星ミルの外部に設けられた微粉除去手段の送風装置から前記ミルポットへ気体を送り、分離された前記セメント硬化体の微粉を前記ミルポットから除去させ、除去された前記微粉を微粉除去手段に設けられた微粉回収装置で回収する微粉除去・回収工程と、前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を、前記ミルポットの下方に設けた細骨材回収部で回収する細骨材回収工程と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、次の手順で解体コンクリート細粒が処理される。即ち、先ず、分離工程で、公転しながら自転するミルポットに投入された解体コンクリート細粒が、細骨材とセメント硬化体に分離される。次に、微粉除去・回収工程で、ミルポットへ気体を送り、ミルポットからセメント硬化体の微粉を除去し、除去された微粉を微粉回収装置で回収する。そして、細骨材回収工程で、セメント硬化体が除去された細骨材を、ミルポットの下方に設けた細骨材回収部で回収する。
これにより、投入した解体コンクリート細粒を細骨材と微粉に分離し、それぞれを回収できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の解体コンクリート細粒の処理方法において、前記解体コンクリート細粒を、前記分離工程、前記微粉除去・回収工程、及び前記細骨材回収工程の順序で連続処理することを特徴としている。
このように各工程を、連続して処理することにより、解体コンクリート細粒の処理能力を増大させることが可能となり、大量処理の要求に対応できる。
【0021】
請求項6に記載の発明に係る解体コンクリート細粒の処理装置は、解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒が供給される細粒供給部と、回転軸回りに公転するミル本体と、前記ミル本体に収納され前記細粒供給部から投入口を介して投入された前記解体コンクリート細粒を、公転しながら自転して前記細骨材と前記セメント硬化体に分離させるミルポットと、を備えた遊星ミルと、前記遊星ミルの外部に設けられ、前記投入口から前記ミルポットへ気体を送り、前記ミルポットから前記セメント硬化体の微粉を除去する微粉除去手段と、前記ミルポットの取出口の下方に設けられ、前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を回収する細骨材回収部と、を有することを特徴としている。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、コンクリート塊を粉砕して製造された解体コンクリート細粒が細粒供給部に供給される。細粒供給部へ供給された解体コンクリート細粒は、投入口を介してミル本体に収納されたミルポットに投入される。ミルポットは、遊星ミルの回転軸回りに公転しながら自転しており、投入された解体コンクリート細粒は、ミルポットの内部で、細骨材とセメント硬化体の微粉に分離される。
【0023】
ミルポットの上部から投入された解体コンクリート細粒は、遠心力でミルポットの周壁に押し付けられた状態ですりもみされる。そして、後からミルポットの上部に投入された解体コンクリート細粒により、徐々に、ミルポットの上部から下方に押し下げられる。このとき、すりもみされながら下方に押し下げられることで、細骨材の表面からセメント硬化体が徐々に分離される。
最後に、ミルポット下端の取出口まで到達した時点においては、セメント硬化体が除去されて再生された細骨材となる。再生された細骨材は、ミルポットの取出口の下方に設けられた細骨材回収部で回収される。
【0024】
また、遊星ミルの外部に設けられた微粉除去手段が、投入口からミルポットへ気体を送り、細骨材から分離され浮遊している微粉をミルポットから気体に乗せて除去する。このとき、微粉は細骨材に比べ質量が小さく粒径も小さいため、風速を制御することによって微粉のみを除去することができる。
【0025】
これにより、ミルポットの内部で分離され浮遊している微粉が緩衝材的に作用して、細骨材の表面からセメント硬化体を分離する時の障害となるのを防ぐことができる。また、分離された微粉が細骨材に再付着するのを防止できる。
この結果、公転しながら自転するミルポットの内部で、解体コンクリート細粒を、細骨材と微粉に連続して分離させることができる。これにより、解体コンクリート細粒の連続処理が可能となる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記微粉除去手段は、前記投入口と前記細骨材回収部を連結する流通路と、前記流通路に設けられ、前記投入口、前記ミルポット、前記細骨材回収部、及び前記流通路の間で気体を循環させる送風装置と、前記気体と一緒に前記ミルポットから排出された前記微粉を、前記流通路で捕捉し、回収する微粉回収装置と、前記気体中の水分を除去する水分除去装置と、を有することを特徴としている。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、微粉除去手段は、投入口と細骨材回収部を流通路で連結している。流通路には送風装置が設けられ、投入口からミルポットに気体を送り、ミルポットの内部で分離され浮遊している微粉を気体と一緒に排出する。ミルポットから排出された微粉は、細骨材回収部から流通路へ吸引される。
【0028】
流通路へ吸引された微粉は、流通路に設けられた微粉回収装置で捕捉され回収される。微粉が除去された気体は、水分除去装置を通過して送風装置に戻る。このとき、水分除去装置には例えば冷却コイルによる除湿装置や吸湿剤等の水分除去手段が設けられており、気体中の水分を除去する。
【0029】
これにより、ミルポットの内部で発生した微粉、及び細骨材からセメント硬化体を分離した時に発生する水分を除去することができ、ミルポットの内部で分離した微粉が緩衝材的に作用することに起因する細骨材とセメント硬化体を分離する時の障害や、微粉の細骨材への再付着が防止される。この結果、ミルポット内部でのすりもみ効果を連続して行うことが可能となる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記ミルポットは、公転しながら自転することにより生じる遠心力で、前記細粒同士をすり合わせてすりもみ効果を発生させることを特徴としている。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、ミルポットは、公転しながら自転するため大きな遠心力を発生させることができる。この大きな遠心力を、細粒同士をすり合わせるすりもみ効果に利用している。この結果、細骨材を破砕することなく再生でき、細骨材の再生効率を高めることができる。
【0032】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記微粉回収装置は、前記微粉を捕捉するバグフィルターと、前記バグフィルターの下部に設けられ、捕捉された前記微粉を回収する微粉回収部と、を有することを特徴としている。
請求項9に記載の発明によれば、バグフィルターで捕捉された微粉が微粉回収部で回収される。これにより、微粉の回収と再生利用がきる。
【0033】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記気体が循環する前記微粉除去手段、前記投入口、前記ミルポット、及び前記細骨材回収部が密封されていることを特徴としている。
これにより、気体として空気を循環させた場合、密封された空気中の炭酸ガスを、微粉中の水酸化カルシウムで早期に除去でき、除去後は、炭酸ガスの少ない空気を循環できる。炭酸ガスの少ない空気を循環することで、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなく、アルカリ性を保持したまま回収できる。
【0034】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記循環する気体は窒素ガスであることを特徴としている。
窒素ガスを循環させ、ミルポットから微粉除去させることで、微粉中の水酸化カルシウムとの反応が防止される。これにより、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなく、アルカリ性を保持したまま回収できる。
【0035】
請求項12に記載の発明は、請求項6〜11のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置において、前記ミルポットの内部には、前記解体コンクリート細粒とすり合わされて、前記細骨材と前記微粉を分離させるコンクリート用粗骨材、又は鉄球が混入されていることを特徴としている。
【0036】
請求項12に記載の発明によれば、ミルポットの内部に混入されたコンクリート用粗骨材又は鉄球が、解体コンクリート細粒とすり合わされて細骨材とセメント硬化体の分離を促進させる。これにより、細骨材とセメント硬化体を短時間で分離できる。
なお、コンクリート用粗骨材を利用した場合には、再生後に、そのまま粗骨材として利用できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、上記構成としてあるので、連続処理が可能でかつ加熱エネルギーを必要としない、解体コンクリート細粒の処理方法及び解体コンクリート細粒の処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法に用いるミルポットの基本構成を示す図である。
【図2】解体コンクリート細粒を概念的に示した図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置の基本構成を示す図である。
【図4】解体コンクリート細粒の製造手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットに生じる遠心力の方向を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中で発生するすりもみ作用を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の結果を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の回転方向と再生細骨材の回収率の関係を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の自公転比と再生細骨材の吸水率の関係示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験の重力加速度と再生細骨材の吸水率の結果を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置における検証実験で使用した解体コンクリート細粒の外観を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置の基本構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中の微粉除去状況を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットを増速する増速ギアを示す図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中のすりもみ作用を示す図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置におけるミルポットの中のすりもみ作用を示す図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法を示すフローチャートである。
【図18】従来例の粗骨材再生装置の基本構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、第1の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法8は、公転しながら自転するミルポット40で処理がなされる。
ミルポット40は、円筒状に形成され、後述する遊星ミルのミル本体に取り付けられ図示しない公転軸J1の回りに公転しながら、自転軸J2の回りを矢印R2の方向に自転する。
ミルポット40の上部には、後述する解体コンクリート細粒14の投入口43が開口され、下部には解体コンクリート細粒14の取出口50が開口されている。
【0040】
ミルポット40の内部には、解体コンクリート細粒14が投入されており、ミルポット40の投入口43から取出口50の方向に、気体W1が送られている。
ミルポット40が公転しながら自転することで、解体コンクリート細粒14には遠心力Fが作用する。そして、遠心力Fを受け、ミルポット40の周壁に押し付けられた状態で、ミルポット40と共に回転する。これにより、解体コンクリート細粒14同士がすりもみされる。
【0041】
図2に示すように、ミルポット40に投入された解体コンクリート細粒14は、解体コンクリート塊を破砕して生成された細粒であり、細骨材32の表面にセメント硬化体(微粉)34が付着した状態となっている。このため、細骨材32及び微粉34を再利用するには、細骨材32と微粉34を分離する必要がある。
【0042】
細骨材32の表面から微粉34を分離させるには、ミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士をすりもみし、すりもみ作用で分離させるのが効果的である。そして、分離されて浮遊しているセメント硬化体の微粉34は、気体W1をミルポット40の内部に送り、ミルポット40の外に除去して回収する。これにより、ミルポット40の内部に残され、セメント硬化体が取り除かれた再生細骨材32と、微粉34をそれぞれ回収できる。
【0043】
ミルポット40の内部で、効果的にすりもみ作用を行うには、ミルポット40の回転方向R2、ミルポット40の内部の解体コンクリート細粒14に作用する重力加速度G、ミルポット40の自転の重力加速度G1と公転の重力加速度G2の重力加速度の比(G1/G2)である自公転比GRが重要となる。
即ち、図1(C)に示すように、回転方向、重力加速度G、自公転比GRが適正な場合には、解体コンクリート細粒14同士が互いに一部が接触する程度に分離状態とされる。これにより、ミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士がすりもみされ、細骨材の表面からセメント硬化体が分離される。
【0044】
一方、図1(B)に示すように、公転による重力加速度G2が十分な場合でも、自公転比GRが小さ過ぎる場合には、解体コンクリート細粒14は、ミルポット40の周壁に押し付けられたまま、全体が一体となって公転しながら自転する。このため、解体コンクリート細粒14同士のすりもみは、ほとんど行われない。
【0045】
以上説明したように、公転しながら自転するミルポット40に気体を送り、ミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士をすり合わせることで、解体コンクリート細粒14を、細骨材32と、細骨材32の表面に付着したセメント硬化体の微粉34とに分離させることができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図3に示すように、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10は、上部に、コンクリート塊を粉砕して生成された解体コンクリート細粒14を、遊星ミル36に連続供給する細粒供給部12を有している。
【0047】
細粒供給部12は、解体コンクリート細粒14が投入される細粒供給口16と、細粒供給口16の下部に設けられ、投入された解体コンクリート細粒14を、細粒供給口16から遊星ミル36の投入口18まで搬送する搬送路20を有している。搬送路20の内部には、中心軸にスパイラル状に羽根が取り付けられ、中心軸の回転により羽根が回転しながら移動し、解体コンクリート細粒14を細粒投入口18まで連続して搬送するスパイラルブレード100が設けられている。また、搬送路20の一方の端部には、スパイラルブレード100を回転させるモータ102が設けられている。
【0048】
解体コンクリート細粒14は、図4に示すように、コンクリート塊22を、例えば偏心ロータ式再生粗骨材製造装置ですりもみ処理をして粉砕する粉砕工程24と、粉砕されたコンクリート塊22を振動ふるいで分離し、径が5mm以下を解体コンクリート細粒14として回収する分離工程26を経て生成される。このとき、解体コンクリート細粒14と同時に、径が5mm以上の再生粗骨材28も回収される。解体コンクリート細粒14の処理は、細粒供給部12の下方に設けられた遊星ミル36で行われる。
【0049】
遊星ミル36は、公転軸42の回りに回転するミル本体38を有している。公転軸42は、遊星ミル36の中心部に鉛直に設けられ、公転軸42の上部には公転アーム39が固定されている。公転アーム39には、第1の実施の形態で説明したミルポット40が自転軸を鉛直にして複数取付けられ、公転アーム39と一体となって公転軸42の回りを回転する。
【0050】
ミルポット40は、外周面に設けられたボールベアリング41を介して回転自在に公転アーム39へ取付けられている。これにより、ミルポット40は、公転しながら中心軸回りに自転できる。
【0051】
公転軸42の下部には公転軸42を軸支する公転軸受台44が設けられ、公転軸受台44から下方に突き出された公転軸42の下端部には、プーリ46が設けられている。プーリ46には、図示しない電動機からの動力が伝達され、公転軸42を回転させる。
【0052】
公転軸42の上部には投入口18が上方に開口して設けられ、スパイラルブレード100で搬送された解体コンクリート細粒14が、投入口18から連続して投入される。
投入口18の下部には、投入口18を中心に放射状に分岐された分岐管48が設けられ、分岐管48の先端は、ミルポット40の上部に設けられた分岐管挿入口43に挿入されている。
【0053】
投入口18と分岐管48は、公転軸42と一体となって回転し、投入口18に投入された細粒14は、遠心力で径方向に搬送されて、それぞれのミルポット40の内部の上部に投入される。
公転軸42における、公転アーム39の取付け位置と公転軸受台44の取付け位置の間には、弾性帯49が設けられている。
【0054】
弾性帯49は内圧の調整が可能な空気入りタイヤで形成され、公転軸42から離れて公転軸42を囲み、公転軸42が回転しても弾性帯49は回転しない構成とされている。弾性帯49の外周面は、ミルポット40の外周面40Fに圧着している。
【0055】
これにより、公転軸42の回転によりミルポット40が公転したとき、外周面40Fが弾性帯49により拘束作用を受けるため、外周面40Fの位置では公転が制限される。この結果、ミルポット40には、ミルポット40自体の中心軸回りの回転力が発生する。この回転力により、ミルポット40は公転しながら自転する。
【0056】
即ち、図5に示すように、例えば、ミル本体38が矢印R1の方向に公転しているとき、ミルポット40は、ミル本体38と共に矢印R1の向きに公転しながら、それぞれ矢印R2の向きに自転する。このとき、ミルポット40の内部には、公転軸42の径方向に大きな遠心力Fが発生する。これにより、第1の実施の形態で説明したように、ミルポット40の内部に投入された細粒14は、遠心力Fにより公転軸42の径方向に集められ、解体コンクリート細粒14同士が遠心力Fを受けた状態ですり合わされる。
【0057】
なお、遊星ミル36の構造から、自転方向を公転方向と異なる方法に回転させることも可能である。但し、自転方向と公転方向を異なる方向とした場合には、ミルポット40の内部に投入された解体コンクリート細粒14は、ミルポット40の内部で飛翔を開始するようになる。
【0058】
この結果、飛翔しながら互いに衝突し、すりもみ作用というよりも衝突が顕著になり、解体コンクリート細粒14がすりもみされずに粉砕されてしまい、細骨材32の回収量が減少する。
【0059】
一方、自転方向と公転方向を同方向とした場合、ミルポット40の内壁面との相対速度が小さいため、解体コンクリート細粒14が互いに同方向に回転することになり、解体コンクリート細粒14同士が遠心力で押し合いながら、すりもみが促進され、細骨材32の表面から微粉が分離される。
【0060】
ミルポット40の底面には再生された細骨材32の取出口50が設けられ、取出口50の下方には細骨材32を回収する細骨材回収部52が設けられている。また、細骨材回収部52の下部には、細骨材32の回収コンベア54が設けられ、再生された細骨材32を出荷場所に搬送する。
【0061】
また、遊星ミル36の外部には、空気循環用のダクト56が設けられている。ダクト56の一端は細粒供給部12に接続され、他端は細骨材回収部52に接続されている。ダクト56には、投入口18、ミルポット40、細骨材回収部52、及びダクト56の順に空気を循環させる送風装置58が設けられている。
【0062】
ダクト56には、微粉34を捕捉して回収する微粉回収装置60と、空気中の水分を除去する水分除去装置62が設けられている。
これにより、送風装置58から投入口18を介してミルポット40に気体W1を送り、ミルポット40を通過させた空気W1と一緒に、微粉34をミルポット40からダクト56へ排出する。
【0063】
そして、ダクト56に設けられた微粉回収装置60のバグフィルター61で、細骨材32から分離された微粉34を捕捉し、バグフィルター61に機械振動を加えて、捕捉された微粉34を微粉回収部63に落下させて回収する。なお、バグフィルター61の上流側に、サイクロン式の微粉集塵機構を設けてもよい。また、細骨材32と微粉34を分離する時に発生する水分を、水分除去装置62で除去する。
これにより、微粉34と細骨材32の再付着が防げ、すりもみ作用で細骨材32の表面から新たな微粉34が分離される。
【0064】
次に、循環空気量について説明する。
解体コンクリート細粒14を遊星ミルで連続処理する時、水分が発生する。この水分をミルポット40から除去しないと、水分を含む微粉が細骨材の表面に再付着し、粉砕の進行を妨げる。また、水分を含む微粉がミルポット40の周壁に付着し、ミルポット40の粉砕室となる周壁が閉塞されてゆき、処理能力が低下する。
【0065】
このため、適正量の空気を送り、ミルポット40から水分を除去する必要がある。ここに、投入される解体コンクリート細粒の含水率は6%程度であり、含水率が4%程度を維持できれば、連続処理が可能なことが実験結果で明らかとなっている。
空気の循環により、解体コンクリート細粒の含水率を6%から4%まで下げるのに必要な空気量は、遊星ミルの処理量10トン/時間、所要乾燥水分量208kg、ミルポット40の入口空気温度20℃、湿度50%、出口空気温度40℃、湿度90%の条件においては、5859kg/時間(77m3/分)となる。
【0066】
次に、すりもみ作用について説明する。
図6に示すように、ミルポット40の内部に投入された解体コンクリート細粒14は、解体コンクリート細粒14同士のすりもみ作用により、以下の経過で細骨材32と微粉34に分離される。
【0067】
公転しながら自転しているミルポット40に、解体コンクリート細粒14が投入されたとき、解体コンクリート細粒14は、遠心力Fによりミルポット40の径方向に集められる。このとき、解体コンクリート細粒14の受ける遠心力Fが大きいため、自重で落下することなくミルポット40の上部に位置し、解体コンクリート細粒14同士ですりもみされ、微粉34が徐々に分離される。(図6(A))。遠心力Fが作用
【0068】
遠心力Fを受けた状態で細粒14同士がすり合わされることにより、細骨材32の表面からセメント硬化体34が徐々に分離される。また、ミルポット40の上部には、新しい解体コンクリート細粒14が連続して投入されるため、新たに投入された解体コンクリート細粒14により、徐々に下方へ押し下げられる。
【0069】
このとき、分離された微粉34は軽いため、ミルポット40の内部を浮遊する。空気W1の速度を調節することで、この分離された微粉34を、質量の違いを利用して、空気W1でミルポット40の内部から微粉34のみを除去することができる。これにより、分離された微粉34が緩衝材的に作用して、細骨材32の表面から微粉34を分離するときの妨げとなることがない。また、分離された微粉34が細骨材32に再付着するのを防止できる(図6(B))。
【0070】
ミルポット40の内部を下方へ押し下げられながら、解体コンクリート細粒14同士が継続してすり合わされる(図6(C))。
解体コンクリート細粒14同士のすり合わせが継続され、細骨材32の表面からセメント硬化体が除去される(図6(D))。
【0071】
最後に、表面からセメント硬化体が除去された再生細骨材32が、押し下げられてミルポット40の取出し口50から落下する。この落下した細骨材32を、取出し口50の下部で回収する(図6(E))。
なお、微粉34は、上述したようにダクト56に設けられた微粉回収装置60で回収される。
【0072】
これにより、ミルポット40の内部で発生した微粉34を除去できると共に、細骨材32から微粉34を分離した時に発生する水分を除去でき、ミルポット40の内部でのすりもみ作用を連続して行うことができる。
【0073】
この結果、加熱エネルギーを必要とすることなく、公転しながら自転するミルポットの内部で、解体コンクリート細粒14を細骨材32と微粉34に連続して分離できる。
また、解体コンクリート細粒14同士をすりもみするので、細骨材32を破砕することなく再生ができ、細骨材32の再生効率を高めることができる。
【0074】
次に、検証実験の結果について説明する。
実験に使用したのは、直径100mm、高さ380mmのミルポット40を2個備えた連続処理が可能な遊星ミル36であり、解体コンクリート細粒14の処理速度は、10kg/時間である。
投入した解体コンクリート細粒14は、築43年の建物を解体した解体コンクリート塊から生成した細粒である。
回収した細骨材32と微粉34については、径が0.6mm以上を再生細骨材32とし、径が0.6mm未満を再生微粉34として区分した。
【0075】
図7に実験条件と測定結果を示す。
実験は、自公転方向、自公転比GR、及び重力加速度Gの条件をそれぞれ変えた8条件(実験1〜実験8)について行った。自公転方向とは、ミルポット40の自転と公転の方向を示し、重力加速度Gは、自転時の重力加速度G1と公転時の重力加速度G2を合計した値を示す。
結果は、再生細骨材32の回収率(%)と再生細骨材32の吸水率(%)で整理した。なお、再生細骨材32の吸収率は、「細骨材の密度及び吸水率試験(JISA1109)」に従って測定した。
【0076】
図8に自公転方向と再生細骨材の回収率の関係を示す。
特性Aは自公転方向が同方向の特性を示し、特性Bは自公転方向が逆方向の特性を示す。自公転方向が同方向(実験1)に比べ、自公転方向が逆方向(実験5)では再生細骨材の回収率が低い結果となった。
これは、上述したように、自公転方向が逆方向の場合には、解体コンクリート細粒14がミルポット40の内部で飛翔を始め、解体コンクリート細粒14同士が衝突して粉砕されたためと考えられる。
これに対し、自公転方向が同一方向の場合は、すりもみ作用が促進され、表面のセメント硬化体34のみが粉砕され、細骨材32の粉砕が少ないためと考えられる。以上より、自公転方向は、同一方向が望ましいといえる。
【0077】
図9に、自公転比と再生細骨材の吸水率の関係を示す。
特性Cは自公転比0.006における特性を示し、特性Dは比0.010における特性を示し、特性Eは自公転比0.027における特性を示す。自公転比を、自公転比0.006(実験6)、自公転比0.010(実験2)、自公転比0.027(実験1)と高くするに従い、再生細骨材の吸水率(%)は低下する傾向を示した。
再生細骨材32の吸水率(%)が低い値を示す程、再生細骨材32の表面からセメント硬化体34が取り除かれたことを意味し、自公転比は高いのが望ましい(自公転0.010以上)といえる。
【0078】
図10に重力加速度と再生細骨材の吸水率の関係を示す。
特性Fは重力加速度が20Gにおける特性を示し、特性Gは重力加速度が35Gにおける特性を示し、特性Hは重力加速度が50Gにおける特性を示し、特性Iは重力加速度が125Gにおける特性を示し、特性Jは重力加速度が200Gにおける特性を示す。
【0079】
結果から、重力加速度Gが増加すれば再生細骨材の吸水率(%)は減少する傾向を示した。
特に特性Gと特性Hの間、即ち、重力加速度が35Gと50Gの間で吸水率が大きく減少した。重力加速度が50G以上になると再生細骨材32の表面からセメント硬化体34が取り除かれたことを示している。
以上から、重力加速度が50G以上で使用するのが望ましいといえる。
【0080】
図11に、試験用に投入した解体コンクリート細粒14、及び再生した細骨材32の写真を示す。
図11(A)は、処理前の解体コンクリート細粒14であり、細骨材32の表面は、セメント硬化体34で覆われている。
図11(B)は、自公転比が小さい条件(GR=0.006、実験6)で処理した細骨材32を示している。細骨材32の表面には、多くのセメント硬化体34が残っており、再生が不十分といえる。
図11(C)は、自公転比を適正な値(GR=0.027、実験1)で処理した後の細骨材32である。セメント硬化体34は除去されている。
【0081】
(第3の実施の形態)
図12に示すように、第3の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置64は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10における、空気W1の循環通路を密封構造としている。
具体的には、解体コンクリート細粒14が投入される細粒供給部12を、スパイラルブレード112の羽根先端と搬送路の内壁の間にシール材(図示せず)を設け、気密性を確保したまま、解体コンクリート細粒14の連続投入が可能とされている。
また、シール114が、細粒供給部12の投入部と投入口18との接合部に設けられている。シール114にはスライド部材(図示せず)が埋め込まれており、分岐管48の回転を確保した状態で、投入口18が密封されている。
【0082】
また、シール部材116が、ミルポット40の上部の分岐管挿入口43と分岐管48の先端部の間に設けられている。同様に、シール部材118が、ミルポット40の下部の取出口50と細骨材回収部52の間に設けられている。
シール部材118にはスライド部材(図示せず)が埋め込まれており、ミルポット40が公転しながら自転した状態で、接合部の気密性を確保している。
【0083】
また、細骨材回収部52の回収口53には、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122が設けられている。また、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122の下側には下側シール部材124が設けられ、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122の上側には上側シール部材126が設けられている。
これにより、回収口53が密封された状態で2重に仕切られる。再生された細骨材32は、第1遮蔽板120と第2遮蔽板122を、順次開放しながら回収され、回収口53における気密性が確保される。
【0084】
そして、密封された循環路に空気を循環させることができる。これにより、運転開始初期に、密封された空気中の炭酸ガスが微粉中の水酸化カルシウムで除去される。そして、炭酸ガスが除去された後は、炭酸ガスの少ない空気が循環することとなる。炭酸ガスの少ない空気を循環させることで、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなく、アルカリ性を保持したまま回収できる。
【0085】
(第4の実施の形態)
図13に示すように、第4の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置65は、第3の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置64における空気W1を、窒素ガスW2としたものである。
【0086】
即ち、ダクト56に設けられた送風装置58から、投入口18を介してミルポット40に窒素ガスW2が送られる。窒素ガスW2はミルポット40を通過する時に微粉34を持ち去り、微粉34と一緒に、細骨材回収部52でダクト56へ吸引される。
【0087】
そして、ダクト56に設けられた微粉回収装置60で、窒素ガスW2中の微粉34を捕捉し、微粉回収部63で回収する。その後、水分除去装置62で窒素ガスW2中の水分を除去する。
このように、窒素ガスW2を用いることにより、セメントによりアルカリ性となった微粉を、中性化することなくアルカリ性を保持したまま回収できる。
他の構成は第3の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0088】
(第5の実施の形態)
図14に示すように、第5の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置66は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10におけるミルポット40を、増速ギア110で増速する構成である。
即ち、公転軸42の外側に、公転軸42と同一軸心で増速ギア110を設け、増速ギア110の外周と2つのミルポット40の外周を接合させ、増速ギア110の回転で、ミルポット40を自転させる構成としている。
【0089】
公転方向R1と反対方向R3に、増速ギア110を独立して回転させることで、ミルポット40を、公転と同じ方向で回転させ、自転回転数を高くすることができる。
これにより、ミルポット40が自転するときの加速度G1と、ミルポット40が公転する時の加速度G2の自公転比GR(GR=G1/G2)を、自在に変更することが可能となる。
【0090】
(第6の実施の形態)
図15に示すように、第6の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置67は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10のミルポット40の内部に、解体コンクリート細粒14と一緒に、すりもみ用の媒体としてコンクリート用粗骨材68を混入している。
これにより、解体コンクリート細粒14同士のすり合わせのみでなく、解体コンクリート細粒14とコンクリート用粗骨材68の間でもすり合わせがされることで、短時間で細骨材32と微粉34を分離できる。
【0091】
このとき、コンクリート用粗骨材68は細骨材32と密度がほぼ同一であり、細骨材32を粉砕する可能性が低く、再生された細骨材32の品質が高く維持される。また、コンクリート用粗骨材68は、図4の再生粗骨材28を利用することもできる。再生後は、ふるい分けのみで簡単に分離でき、粗骨材68、細骨材32ともコンクリート骨材として利用できる。
コンクリート用粗骨材68のミルポット40への混入方法は、解体コンクリート細粒14と一緒に細粒供給口16から投入すればよい。他の構成は第2の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0092】
(第7の実施の形態)
図16(A)に示すように、第7の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置66は、第2の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理装置10のミルポット40の内部に、解体コンクリート細粒14と一緒に、すりもみ用の媒体として鉄球70を混入している。
【0093】
これにより、解体コンクリート細粒14同士のすり合わせのみでなく、解体コンクリート細粒14と鉄球70の間でもすり合わされることで、より大きな摩擦力が発生し、細骨材32の表面からセメント硬化体34を短時間で分離させることができる。
鉄球70の混入方法は、解体コンクリート細粒14と一緒に、細粒供給口16からミルポット40の内部に投入すればよい。また、鉄球70は、磁石で容易に回収できるため、取り扱いが容易である。
【0094】
なお、図16(B)に示すように、鉄球70は径の異なるものを組み合わせて用いてもよい。これにより、径の小さい解体コンクリート細粒14に対しては、小さい鉄球72がすり合わされ、径の大きい解体コンクリート細粒14に対しては、大きい鉄球70がすり合わされ、細骨材32の表面からセメント硬化体34を短時間で分離させることができる。
他は、第2の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0095】
(第8の実施の形態)
図17に示すように、第8の実施の形態に係る解体コンクリート細粒の処理方法75は、分離工程76、微粉除去・回収工程77、及び細骨材回収工程78の3つの工程で構成されている。なお、各工程の詳細は、既に第1〜第7の実施の形態で説明してあるので詳細は省略する。
【0096】
先ず、分離工程76で、コンクリート塊を粉砕した解体コンクリート細粒14をミルポット40に投入する。投入された解体コンクリート細粒14は、公転しながら自転するミルポット40の内部で解体コンクリート細粒14同士がすり合わされ、細骨材32と微粉34に分離される。
【0097】
次に、微粉除去・回収工程77で、送風装置58からミルポット40の内部に気体W1を送り、ミルポット40の内部で分離され浮遊している微粉34を、気体W1と一緒にミルポット40から除去する。気体W1と一緒に除去された微粉34は、ダクト56に設けられた微粉回収装置60のバグフィルター61で捕捉され、微粉回収部63で回収される。
【0098】
最後に、細骨材回収工程78で、セメント硬化体が除去されミルポット40から落下した細骨材32を、ミルポット40の下部に設けられた細骨材回収部52で回収する。
【0099】
この結果、加熱エネルギーを必要とすることなく、公転しながら自転するミルポット40の内部で、解体コンクリート細粒14を、細骨材32と微粉34に連続して分離させ、細骨材32と微粉34を回収することができる。
【符号の説明】
【0100】
10 細骨材再生装置
12 細粒供給部
14 細粒
16 細粒供給口
18 投入口
30 微粉除去手段
36 遊星ミル
38 ミル本体
40 ミルポット
56 ダクト(流通路)
58 送風装置
60 微粉回収装置
62 水分除去装置
68 コンクリ−ト用粗骨材
70 鉄球
75 細骨材再生方法
76 分離工程
77 微粉除去・回収工程
78 細骨材回収工程
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットに気体を送り、
前記ミルポット内部で、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒同士をすり合わせ、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項2】
前記ミルポットの自転方向を、前記ミルポットの公転方向と同一方向とし、自転の重力加速度G1と、公転の重力加速度G2の比GR(GR=G1/G2)を0.01以上とした請求項1に記載の解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項3】
公転しながら自転する前記ミルポットに生じる遠心力により、前記ミルポット内部の前記解体コンクリート細粒に加えられる重力加速度が50G以上である請求項1又は2に記載の解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項4】
解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒を、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットの投入口から投入し、前記ミルポット内部で、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる分離工程と、
前記遊星ミルの外部に設けられた微粉除去手段の送風装置から前記ミルポットへ気体を送り、分離された前記セメント硬化体の微粉を前記ミルポットから除去させ、除去された前記微粉を微粉除去手段に設けられた微粉回収装置で回収する微粉除去・回収工程と、
前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を、前記ミルポットの下方に設けた細骨材回収部で回収する細骨材回収工程と、
を有する解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項5】
前記解体コンクリート細粒を、前記分離工程、前記微粉除去・回収工程、及び前記細骨材回収工程の順序で連続処理する請求項4に記載の解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項6】
解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒が供給される細粒供給部と、
回転軸回りに公転するミル本体と、前記ミル本体に収納され前記細粒供給部から投入口を介して投入された前記解体コンクリート細粒を、公転しながら自転して前記細骨材と前記セメント硬化体に分離させるミルポットと、を備えた遊星ミルと、
前記遊星ミルの外部に設けられ、前記投入口から前記ミルポットへ気体を送り、前記ミルポットから前記セメント硬化体の微粉を除去する微粉除去手段と、
前記ミルポットの取出口の下方に設けられ、前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を回収する細骨材回収部と、
を有する解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項7】
前記微粉除去手段は、前記投入口と前記細骨材回収部を連結する流通路と、
前記流通路に設けられ、前記投入口、前記ミルポット、前記細骨材回収部、及び前記流通路の間で気体を循環させる送風装置と、
前記気体と一緒に前記ミルポットから排出された前記微粉を、前記流通路で捕捉し、回収する微粉回収装置と、
前記気体中の水分を除去する水分除去装置と、
を有する請求項6に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項8】
前記ミルポットは、公転しながら自転することにより生じる遠心力で、前記細粒同士をすり合わせてすりもみ効果を発生させる請求項6又は7に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項9】
前記微粉回収装置は、前記微粉を捕捉するバグフィルターと、前記バグフィルターの下部に設けられ捕捉された前記微粉を回収する微粉回収部と、を有する請求項6〜8のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項10】
前記気体が循環する前記微粉除去手段、前記投入口、前記ミルポット、及び前記細骨材回収部が密封されている請求項6〜9のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項11】
循環する前記気体は窒素ガスである請求項10に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項12】
前記ミルポットの内部には、前記解体コンクリート細粒とすり合わされて前記細骨材と前記微粉を分離させるコンクリート用粗骨材、又は鉄球が混入されている請求項6〜11のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項1】
遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットに気体を送り、
前記ミルポット内部で、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒同士をすり合わせ、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項2】
前記ミルポットの自転方向を、前記ミルポットの公転方向と同一方向とし、自転の重力加速度G1と、公転の重力加速度G2の比GR(GR=G1/G2)を0.01以上とした請求項1に記載の解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項3】
公転しながら自転する前記ミルポットに生じる遠心力により、前記ミルポット内部の前記解体コンクリート細粒に加えられる重力加速度が50G以上である請求項1又は2に記載の解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項4】
解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒を、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットの投入口から投入し、前記ミルポット内部で、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる分離工程と、
前記遊星ミルの外部に設けられた微粉除去手段の送風装置から前記ミルポットへ気体を送り、分離された前記セメント硬化体の微粉を前記ミルポットから除去させ、除去された前記微粉を微粉除去手段に設けられた微粉回収装置で回収する微粉除去・回収工程と、
前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を、前記ミルポットの下方に設けた細骨材回収部で回収する細骨材回収工程と、
を有する解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項5】
前記解体コンクリート細粒を、前記分離工程、前記微粉除去・回収工程、及び前記細骨材回収工程の順序で連続処理する請求項4に記載の解体コンクリート細粒の処理方法。
【請求項6】
解体コンクリート塊から回収され、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒が供給される細粒供給部と、
回転軸回りに公転するミル本体と、前記ミル本体に収納され前記細粒供給部から投入口を介して投入された前記解体コンクリート細粒を、公転しながら自転して前記細骨材と前記セメント硬化体に分離させるミルポットと、を備えた遊星ミルと、
前記遊星ミルの外部に設けられ、前記投入口から前記ミルポットへ気体を送り、前記ミルポットから前記セメント硬化体の微粉を除去する微粉除去手段と、
前記ミルポットの取出口の下方に設けられ、前記セメント硬化体が除去された前記細骨材を回収する細骨材回収部と、
を有する解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項7】
前記微粉除去手段は、前記投入口と前記細骨材回収部を連結する流通路と、
前記流通路に設けられ、前記投入口、前記ミルポット、前記細骨材回収部、及び前記流通路の間で気体を循環させる送風装置と、
前記気体と一緒に前記ミルポットから排出された前記微粉を、前記流通路で捕捉し、回収する微粉回収装置と、
前記気体中の水分を除去する水分除去装置と、
を有する請求項6に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項8】
前記ミルポットは、公転しながら自転することにより生じる遠心力で、前記細粒同士をすり合わせてすりもみ効果を発生させる請求項6又は7に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項9】
前記微粉回収装置は、前記微粉を捕捉するバグフィルターと、前記バグフィルターの下部に設けられ捕捉された前記微粉を回収する微粉回収部と、を有する請求項6〜8のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項10】
前記気体が循環する前記微粉除去手段、前記投入口、前記ミルポット、及び前記細骨材回収部が密封されている請求項6〜9のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項11】
循環する前記気体は窒素ガスである請求項10に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【請求項12】
前記ミルポットの内部には、前記解体コンクリート細粒とすり合わされて前記細骨材と前記微粉を分離させるコンクリート用粗骨材、又は鉄球が混入されている請求項6〜11のいずれか1項に記載の解体コンクリート細粒の処理装置。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図11】
【公開番号】特開2010−285303(P2010−285303A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138634(P2009−138634)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー有効利用基盤技術先導研究開発/エネルギー・CO2ミニマム(ECM)セメント・コンクリートシステムの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー有効利用基盤技術先導研究開発/エネルギー・CO2ミニマム(ECM)セメント・コンクリートシステムの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】
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