説明

計器用変成器

【課題】周囲温度の変化、および、主回路導体への通電に伴う高圧側コンデンサの容量変化の影響を受けることなく、変成比を一定に保つことができる計器用変成器を得ること。
【解決手段】ロゴスキーコイル2の周囲温度と出力電圧との関係を示す演算式あるいは変換テーブル等に基づいて、温度センサ9により検出されたロゴスキーコイル2の周囲温度に応じてロゴスキーコイル2の出力電圧を補正し、二次電流に相当する電圧値を生成して出力する第1の演算回路12と、二次電流と高圧側コンデンサ200の容量との関係を示す演算式あるいは変換テーブル等に基づいて、第1の演算回路12の出力(つまり、二次電流に相当する電圧値)に応じて分圧回路300の出力電圧を補正し、二次電圧に相当する電圧値を生成して出力する第2の演算回路13とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器用変成器に関する。
【背景技術】
【0002】
計器用変成器は、変電機器の一次電圧あるいは一次電流を上位システムが所望するレベルの二次電圧あるいは二次電流に変成するものであり、変成比が正確であることが重要な性能の一つである。従来、あらかじめ実験等により得た温度と出力との関係式、および、温度センサにより測定された周囲温度に基づいて、ロゴスキーコイルおよび容量分圧器の温度特性を補償し、変成比を一定に保つ技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−013170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、電子回路基板上に配置された温度センサにより周囲温度を測定し、その周囲温度に基づいて、容量分圧器の温度特性を補償している。容量分圧器は、主回路導体と分圧電極とにより高圧側コンデンサが形成されるが、この高圧側コンデンサは、主回路導体に電流が流れることにより主回路導体の温度が上昇して導体径が変化することにより容量が変化する。しかしながら、上記従来技術では、主回路導体に電流が流れることにより生じる高圧側コンデンサの容量変化を加味した補償演算を実施することができず、変成比を一定に保つことができない、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周囲温度の変化、および、主回路導体への通電に伴う高圧側コンデンサの容量変化の影響を受けることなく、変成比を一定に保つことができる計器用変成器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる計器用変成器は、主回路導体の一次電圧あるいは一次電流を上位システムが所望するレベルの二次電圧あるいは二次電流に変成する計器用変成器であって、前記主回路導体の周囲を囲むように設けられ、前記一次電流の時間変化に比例した電圧を出力するロゴスキーコイルと、前記主回路導体の周囲を囲むように分圧電極が設けられ、前記主回路導体を一方の電極とし、前記分圧電極を他方の電極として構成される高圧側コンデンサと、前記高圧側コンデンサに直列に接続される分圧抵抗を有し、前記分圧抵抗に現れる電圧を出力する分圧回路と、前記ロゴスキーコイルの周囲温度を検出する温度センサと、前記周囲温度に応じて、前記ロゴスキーコイルの出力電圧を補正し、前記二次電流に相当する電圧値を生成して出力する第1の演算回路と、前記第1の演算回路の出力に応じて、前記分圧回路の出力電圧を補正し、前記二次電圧に相当する電圧値を生成して出力する第2の演算回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、周囲温度の変化、および、主回路導体への通電に伴う高圧側コンデンサの容量変化の影響を受けることなく、変成比を一定に保つことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる計器用変成器の一構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態2にかかる計器用変成器の電子回路部の一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる計器用変成器について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる計器用変成器の一構成例を示す図である。実施の形態1にかかる計器用変成器100は、主回路導体1の一次電圧あるいは一次電流を上位システム(図示せず)が所望するレベルの二次電圧あるいは二次電流に変成するものである。
【0011】
図1に示すように、実施の形態1にかかる計器用変成器100は、タンク3内部に敷設された主回路導体1の周囲を囲むように設置され、一次電流の時間変化に比例した電圧を出力するロゴスキーコイル2と、同様に主回路導体1の周囲を囲むように分圧電極4が設けられ、主回路導体1を一方の電極とし、分圧電極4を他方の電極として構成される高圧側コンデンサ200と、高圧側コンデンサ200に直列に接続される分圧抵抗5を有し、分圧抵抗5に現れる電圧を出力する分圧回路300と、ロゴスキーコイル2の出力電圧と分圧回路300の出力電圧とが入力され、二次電圧あるいは二次電流に相当する電圧値を出力する電子回路部8とを備えている。
【0012】
電子回路部8は、ロゴスキーコイル2および高圧側コンデンサ200の周囲温度を測定する温度センサ9と、ロゴスキーコイル2の出力電圧を積分する積分器10aと、分圧回路300の出力電圧を積分する積分器10bと、積分器10aの出力をデジタル信号に変換するAD変換器11aと、積分器10bの出力をデジタル信号に変換するAD変換器11bと、温度センサ9の出力をデジタル信号に変換するAD変換器11cと、AD変換器11cによりデジタル信号に変換された温度センサ9の出力に基づいて、AD変換器11aによりロゴスキーコイル2の出力電圧を補正する第1の演算回路12と、第1の演算回路12の出力に基づいて、AD変換器11bによりデジタル信号に変換された分圧回路300の出力電圧を補正する第2の演算回路13とを備えている。なお、この電子回路部8の各構成要素を電子回路基板上に配置し、この電子回路基板をロゴスキーコイル2および高圧側コンデンサ200近傍に配置することにより、温度センサ9により測定された温度を、ロゴスキーコイル2および高圧側コンデンサ200の周囲温度とみなすことができる。
【0013】
つぎに、実施の形態1にかかる計器用変成器100の動作について、図1を参照して説明する。
【0014】
ロゴスキーコイル2は、周囲温度の変化により、巻線や巻枠の熱伸縮によるコイル断面積の変化、巻線抵抗の変化等によって出力が変化する。したがって、本実施の形態では、ロゴスキーコイル2の周囲温度と出力電圧との関係をあらかじめ実験等により求め、第1の演算回路12において、ロゴスキーコイル2の周囲温度に応じてロゴスキーコイル2の出力電圧を補正することにより、周囲温度の変化に伴うロゴスキーコイル2の出力電圧変化を温度補償し、主回路導体1に流れる一次電流と二次電流との間の変成比を一定に保つ。
【0015】
第1の演算回路12には、あらかじめ実験等により求めておいたロゴスキーコイル2の周囲温度と出力電圧との関係が演算式あるいは変換テーブル等により保持されている。第1の演算回路12は、ロゴスキーコイル2の周囲温度と出力電圧との関係に基づいて、温度センサ9により検出されたロゴスキーコイル2の周囲温度に応じてロゴスキーコイル2の出力電圧を補正し、二次電流に相当する電圧値を出力する。これにより、ロゴスキーコイル2の温度特性が補償され、一次電流と二次電流との間の変成比が一定に保たれる。
【0016】
また、高圧側コンデンサ200も、周囲温度の変化により、熱伸縮による分圧電極4の寸法の変化、温度による誘電体の誘電率の変化等が生じ、容量が変化する。さらに、周囲温度の変化による容量変化に加えて、主回路導体1に電流が流れることにより主回路導体1の温度が上昇して導体径が変化するため、高圧側コンデンサ200の容量変化がより大きくなり、分圧回路300の出力に与える影響が大きくなる。したがって、本実施の形態では、二次電流と高圧側コンデンサ200の容量との関係をあらかじめ実験等により求め、第2の演算回路13において、第1の演算回路12の出力(つまり、二次電流に相当する第1の演算回路12により補正された電圧値)に応じて分圧回路300の出力電圧を補正することにより、周囲温度の変化、および、主回路導体1への通電に伴う高圧側コンデンサ200の容量変化を温度補償し、一次電圧と二次電圧との間の変成比を一定に保つ。
【0017】
第2の演算回路13には、あらかじめ実験等により求めておいた二次電流と高圧側コンデンサ200の容量との関係が演算式あるいは変換テーブル等により保持されている。第2の演算回路13は、二次電流と高圧側コンデンサ200の容量との関係に基づいて、第1の演算回路12の出力(つまり、二次電流に相当する電圧値)に応じて分圧回路300の出力電圧を補正し、二次電圧に相当する電圧値を出力する。これにより、高圧側コンデンサ200の温度特性が補償され、一次電圧と二次電圧との間の変成比が一定に保たれる。
【0018】
以上のように、実施の形態1にかかる計器用変成器によれば、ロゴスキーコイル2の周囲温度と出力電圧との関係を示す演算式あるいは変換テーブル等に基づいて、温度センサ9により検出されたロゴスキーコイル2の周囲温度に応じてロゴスキーコイル2の出力電圧を補正し、二次電流に相当する電圧値を出力する第1の演算回路12と、二次電流と高圧側コンデンサ200の容量との関係を示す演算式あるいは変換テーブル等に基づいて、第1の演算回路12の出力(つまり、二次電流に相当する電圧値)に応じて分圧回路300の出力電圧を補正し、二次電圧に相当する電圧値を出力する第2の演算回路13を備えたので、周囲温度の変化に伴うロゴスキーコイル2の出力電圧変化の影響を受けることなく、一次電流と二次電流との間の変成比を一定に保つことができ、また、周囲温度の変化、および、主回路導体1への通電に伴う高圧側コンデンサ200の容量変化の影響を受けることなく、一次電圧と二次電圧との間の変成比を一定に保つことができる。
【0019】
実施の形態2.
図2は、実施の形態2にかかる計器用変成器の電子回路部の一構成例を示す図である。図2に示すように、実施の形態2にかかる電子回路部8aでは、実施の形態1において説明した電子回路部8の温度センサ9、AD変換器11c、および第1の演算回路12に代えて、ロゴスキーコイル2に並列に温度補償抵抗14を備えている。また、実施の形態1において説明した第2の演算回路13と同一の構成部として、演算回路13を備えている。なお、実施の形態1と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0020】
ロゴスキーコイル2の起電圧は、温度上昇に伴い増加する傾向を有している。一方、ロゴスキーコイル2の内部抵抗も、温度上昇に伴い増加する傾向を有しているため、ロゴスキーコイル2の出力電圧は、温度上昇に伴い減少する傾向を有している。したがって、本実施の形態では、ロゴスキーコイル2に並列に温度補償抵抗14を接続し、温度上昇によるロゴスキーコイル2の内部抵抗の増加に伴う出力電圧の低下分を、温度上昇によるロゴスキーコイル2の起電圧の増加分で相殺されるように、温度補償抵抗14の抵抗値を整定することにより、ロゴスキーコイル2の温度特性を補償して、主回路導体1に流れる一次電流と二次電流との間の変成比を一定に保つ。
【0021】
つぎに、温度補償抵抗14の整定値の算出手法の一例について説明する。ロゴスキーコイル2の0℃における起電圧をE、ロゴスキーコイル2の起電圧の温度係数をk、ロゴスキーコイル2の周囲温度をtとすると、ロゴスキーコイル2の起電圧Eは、下記の(1)式で表すことができる。
【0022】
E=E(1+kt) …(1)
【0023】
一方、ロゴスキーコイル2の0℃における内部抵抗値をR、温度補償抵抗14の抵抗値をr、ロゴスキーコイル2の内部抵抗の温度係数をkとすると、ロゴスキーコイル2の内部抵抗Rは、下記の(2)式で表すことができる。
【0024】
R=R(1+kt) …(2)
【0025】
また、ロゴスキーコイル2および温度補償抵抗14により構成される並列回路の出力電圧eは、ロゴスキーコイル2の起電圧Eがロゴスキーコイル2の内部抵抗Rと温度補償抵抗14の抵抗値rとにより分圧されるため、下記の(3)式で表すことができる。
【0026】
e=E×r/(r+R) …(3)
【0027】
ここで、上式(3)に(1)、(2)式を代入すると、下記の(4)式が得られる。
【0028】
e=E(1+kt)×r/(r+R(1+kt))
=r×E(1+kt)/(r+R(1+kt))
=r×E(1+kt)
/((r+R)×(1+Rt/(r+R))) …(4)
【0029】
上式(4)において、温度係数の項を相殺し、ロゴスキーコイル2および温度補償抵抗14により構成される並列回路の出力電圧eが温度特性の影響を受けないようにするためには、下記(5)式を満たすようにすればよい。
【0030】
=R/(r+R) …(5)
【0031】
上式(5)を変形すると、温度補償抵抗14の抵抗値rは、下記の(6)式で表すことができる。
【0032】
r=R(k/k−1) …(6)
【0033】
したがって、この(6)式を満たすように温度補償抵抗14の抵抗値を整定すれば、ロゴスキーコイル2の温度特性が補償され、ロゴスキーコイル2および温度補償抵抗14により構成される並列回路の出力電圧eを二次電流に相当する電圧値とすると、一次電流と二次電流との間の変成比が一定に保たれる。
【0034】
また、演算回路13は、実施の形態1において説明した第2の演算回路と同一の構成部であり、あらかじめ実験等により求めておいた二次電流と高圧側コンデンサ200の容量との関係が演算式あるいは変換テーブル等により保持され、ロゴスキーコイル2および温度補償抵抗14からなる並列回路の出力(つまり、二次電流に相当する電圧値)に応じて、二次電流と高圧側コンデンサ200の容量との関係に基づいて、分圧回路300の出力電圧を補正し、二次電圧に相当する電圧値を出力する。これにより、高圧側コンデンサ200の温度特性が補償され、一次電圧と二次電圧との間の変成比が一定に保たれる。
【0035】
以上のように、実施の形態2にかかる計器用変成器によれば、ロゴスキーコイル2に並列に接続した温度補償抵抗14により、ロゴスキーコイル2の温度特性を補償するようにしたので、実施の形態1において説明した温度センサ9、AD変換器11c、および第1の演算回路12が不要となる。したがって、実施の形態1よりも部品点数およびコストを低減させつつ、実施の形態1と同様に、周囲温度の変化に伴うロゴスキーコイル2の出力電圧変化の影響を受けることなく、一次電流と二次電流との間の変成比を一定に保つことができ、また、周囲温度の変化、および、主回路導体1への通電に伴う高圧側コンデンサ200の容量変化の影響を受けることなく、一次電圧と二次電圧との間の変成比を一定に保つことができる。
【0036】
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1 主回路導体
2 ロゴスキーコイル
3 タンク
4 分圧電極
5 分圧抵抗
8,8a 電子回路部
9 温度センサ
10a,10b 積分器
11a,11b,11c AD変換器
12 第1の演算回路
13 第2の演算回路(演算回路)
14 温度補償抵抗
100 計器用変成器
200 高圧側コンデンサ
300 分圧回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主回路導体の一次電圧あるいは一次電流を上位システムが所望するレベルの二次電圧あるいは二次電流に変成する計器用変成器であって、
前記主回路導体の周囲を囲むように設けられ、前記一次電流の時間変化に比例した電圧を出力するロゴスキーコイルと、
前記主回路導体の周囲を囲むように分圧電極が設けられ、前記主回路導体を一方の電極とし、前記分圧電極を他方の電極として構成される高圧側コンデンサと、
前記高圧側コンデンサに直列に接続される分圧抵抗を有し、前記分圧抵抗に現れる電圧を出力する分圧回路と、
前記ロゴスキーコイルの周囲温度を検出する温度センサと、
前記周囲温度に応じて、前記ロゴスキーコイルの出力電圧を補正し、前記二次電流に相当する電圧値を生成して出力する第1の演算回路と、
前記第1の演算回路の出力に応じて、前記分圧回路の出力電圧を補正し、前記二次電圧に相当する電圧値を生成して出力する第2の演算回路と、
を備える
ことを特徴とする計器用変成器。
【請求項2】
主回路導体の一次電圧を上位システムが所望するレベルの二次電圧に変成する計器用変成器であって、
前記主回路導体の周囲を囲むように設けられ、前記一次電流の時間変化に比例した電圧を出力するロゴスキーコイルと、
前記主回路導体の周囲を囲むように分圧電極が設けられ、前記主回路導体を一方の電極とし、前記分圧電極を他方の電極として構成される高圧側コンデンサと、
前記高圧側コンデンサに直列に接続される分圧抵抗を有し、前記分圧抵抗に現れる電圧を出力する分圧回路と、
前記ロゴスキーコイルの周囲温度を検出する温度センサと、
前記周囲温度に応じて、前記ロゴスキーコイルの出力電圧を補正し、前記二次電流に相当する電圧値を生成する第1の演算回路と、
前記第1の演算回路が生成した電圧値に応じて、前記分圧回路の出力電圧を補正し、前記二次電圧に相当する電圧値を生成して出力する第2の演算回路と、
を備える
ことを特徴とする計器用変成器。
【請求項3】
前記第1の演算回路は、前記周囲温度と前記ロゴスキーコイルの出力電圧との関係を示す演算式あるいは変換テーブルに基づいて、前記ロゴスキーコイルの出力電圧を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の計器用変成器。
【請求項4】
前記第2の演算回路は、前記二次電流と前記高圧側コンデンサの容量との関係を示す演算式あるいは変換テーブルに基づいて、前記分圧回路の出力電圧を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の計器用変成器。
【請求項5】
主回路導体の一次電圧あるいは一次電流を上位システムが所望するレベルの二次電圧あるいは二次電流に変成する計器用変成器であって、
前記主回路導体の周囲を囲むように設けられ、前記一次電流の時間変化に比例した電圧を出力するロゴスキーコイルと、
前記主回路導体の周囲を囲むように分圧電極が設けられ、前記主回路導体を一方の電極とし、前記分圧電極を他方の電極として構成される高圧側コンデンサと、
前記高圧側コンデンサに直列に接続される分圧抵抗を有し、前記分圧抵抗に現れる電圧を出力する分圧回路を構成する分圧抵抗と、
前記ロゴスキーコイルに並列に接続され、前記ロゴスキーコイルの出力電圧を温度補償する温度補償抵抗と、
前記ロゴスキーコイルと前記温度補償抵抗とにより構成される並列回路の出力電圧に応じて、前記分圧回路の出力電圧を補正し、前記二次電圧に相当する電圧値を出力する演算回路と、
を備える
ことを特徴とする計器用変成器。
【請求項6】
主回路導体の一次電圧を上位システムが所望するレベルの二次電圧に変成する計器用変成器であって、
前記主回路導体の周囲を囲むように設けられ、前記一次電流の時間変化に比例した電圧を出力するロゴスキーコイルと、
前記主回路導体の周囲を囲むように分圧電極が設けられ、前記主回路導体を一方の電極とし、前記分圧電極を他方の電極として構成される高圧側コンデンサと、
前記高圧側コンデンサに直列に接続される分圧抵抗を有し、前記分圧抵抗に現れる電圧を出力する分圧回路を構成する分圧抵抗と、
前記ロゴスキーコイルに並列に接続され、前記ロゴスキーコイルの出力電圧を温度補償する温度補償抵抗と、
前記ロゴスキーコイルと前記温度補償抵抗とにより構成される並列回路の出力電圧に応じて、前記分圧回路の出力電圧を補正し、前記二次電圧に相当する電圧値を出力する演算回路と、
を備える
ことを特徴とする計器用変成器。
【請求項7】
前記演算回路は、前記二次電流と前記高圧側コンデンサの容量との関係を示す演算式あるいは変換テーブルに基づいて、前記分圧回路の出力電圧を補正することを特徴とする請求項5または6に記載の計器用変成器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−233738(P2012−233738A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101007(P2011−101007)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】