説明

計器装置

【課題】軽量化やコストダウンを達成できる計器装置を提供する。
【解決手段】
第1の指針式表示部PD1と第2の指針式表示部PD2とが隣接してなる計器装置において、反射体6が第1の文字板8と第1の空間部K1を隔てて対向する第1の反射部61と、第2の文字板9と第2の空間部K2を隔てて対向する第2の反射部62とを有し、導光体7は長手状に延びる棒状体に形成され、第1の空間部K1内に配置される第1の導光部71と、前記第2の空間部K2内に配置される第2の導光部71とを連続して有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車やオートバイに搭載される計器装置に関し、特に複数の指針式計器を隣接させてなる計器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の計器装置として例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。この計器装置は、指針とこの指針の指示対象となる指標部を有する文字板とで構成される複数の指針式表示部を隣接配置してなる。各指針式表示部を構成する文字板は、各指針式表示部毎に異なる指標部を有した一枚文字板からなり、指針は各指針式表示部毎に異なる指標部に応じて必要な数分文字板上に配置される。文字板の背後には文字板の形状に略沿った大きさの導光体が配置され、この導光体の側端面には、蛍光灯からなる線状光源が配置され、当該線状光源の光を導光体を通じて文字板に導き、各指標部を照明するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−189844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の計器装置は、互いに隣接する複数の指針式計器の文字板を照明するにあたり、細長い線状光源と大型の導光体を必要とするため、重量の増加やコスト高を招きやすいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は前述した問題点に着目し、軽量化やコストダウンを達成できる計器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の駆動装置と、この第1の駆動装置によって動作する第1の指針と、この第1の指針の指示対象となる第1の指標部を有する第1の文字板とで構成される第1の指針式表示部と、第2の駆動装置と、この第2の駆動装置によって動作する第2の指針と、この第2の指針の指示対象となる第2の指標部を有する第2の文字板とで構成される第2の指針式表示部と、前記第1,第2の文字板の背後に配置される導光体と、この導光体を通じて前記第1,第2の指標部を照明する光源と、この光源からの光を反射する反射体とを少なくとも備え、前記第1の指針式表示部と前記第2の指針式表示部とが隣接してなる計器装置において、前記反射体は前記第1の文字板と第1の空間部を隔てて対向する第1の反射部と、前記第2の文字板と第2の空間部を隔てて対向する第2の反射部とを有し、前記導光体は線状体に形成され第1の空間部内に配置される第1の導光部と前記第2の空間部内に配置される第2の導光部とを連続して有することを特徴とする。
このように構成することにより、棒状の導光体と反射体との組み合わせにより、広い範囲を照明でき、軽量化とコストダウンを達成できる。
【0007】
また本発明は、前記導光体が前記第1,第2の指針の各回転中心に隣接した箇所を前記各回転中心を迂回するように配置されることを特徴とする。
このように構成することにより、指針の回転中心を基準に形成される各指標部を効率よく照明することができる。
【0008】
また本発明は、前記第2の指針式表示部が前記第1の指針式表示部よりも小さく形成され、前記光源は前記第1の空間部内に配置され、前記第2の指針式表示部の前記指標部は前記第1の空間部内に配置された前記光源からの光によって照明されることを特徴とする。
このように構成することにより、サイズの大きい第1の指針式表示部側に配置した光源によって第1,第2の指針式表示部の双方を照明でき、光源を削減しながらも効率よく照明することができる。
【0009】
また本発明は、前記導光体が当該導光体内を進行する光をその延長方向とは異なる所定方向に向けて出射させるための反射部を有することを特徴とする。
このように構成することにより、指標部を広範囲に効率よく照明することができる。
【0010】
また本発明は、前記導光体が前記第1の指針の各回転中心に隣接した箇所に、前記光源からの光を第1の指針方向に反射させる第1の反射部と、前記第2の指針の各回転中心に隣接した箇所に、前記光源からの光を第2の指針方向に反射させる第2の反射部とを備えたことを特徴とする。
このように構成することにより、光源を削減しながら指針を効率よく照明することができる。
【0011】
また本発明は、前記導光体がその外周壁に光拡散部を備えたことを特徴とする。
このように構成することにより、光源を削減しながら指標部を効率よく照明することができる。
【0012】
また、本発明は、前記導光体に、前記第1の指針の指針軸を貫通する貫通孔と、前記指針軸近傍に、前記光源からの光を第1の指針方向に反射させる第1の反射部と、を備えたことを特徴とする。このように構成することにより、指標部用の光源を兼用しながら指針を効率よく照明することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軽量化とコストダウンを達成可能な計器装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態による計器装置の正面図。
【図2】図1のA−A断面図(ハッチング省略)。
【図3】図1のB−B断面図(ハッチング省略)。
【図4】同実施形態の文字板を除いた要部斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態による計器装置の正面図。
【図6】同実施形態による導光体の正面図。
【図7】本発明の第3の実施形態による計器装置の正面図。
【図8】同実施形態による導光体の正面図。
【図9】図8のC−C断面図(ハッチング省略)。
【図10】図8のD−D断面図(ハッチング省略)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
図1〜図4に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。図1、図2において計器装置は、背面カバー1と、前面カバー2とで構成される空間内に後述する内機を収納してなる。
【0016】
背面カバー1は、例えば遮光性を有する合成樹脂によって前方が開口する有底枠体に形成されている。
【0017】
前面カバー2は、遮光性を有する合成樹脂からなる見返し部材21の前方側開口に透光性を有する合成樹脂からなる透視板22を組付けてなり、透視板22を通じて見返し部材21と前記内機の表示部が視認可能に構成されている。
【0018】
前記内機は、回路基板3と、第1,第2の駆動装置4,5と、光源Lと、反射体6と、導光体7と、第1,第2の文字板8,9と、第1,第2の指針P1,P2と、装飾リングRとで構成されている。
【0019】
回路基板3は、例えばガラスエポキシ系材料または紙フェノールからなる硬質の絶縁部材を基材とするもので、図示しない回路パターンが印刷形成されている。この回路基3板には、図示しない回路素子の他、光源Lや駆動装置4,5が実装されている。
【0020】
第1,第2の駆動装置4,5は、同じものが適用され、それぞれが指針軸Sを有するステッピングモータからなる。これらステッピングモータは、回路基板2の背面側に本体部が装着され、指針軸Sは回路基板2を貫通して前方に突出(貫通)している。
【0021】
光源Lは、例えば発光ダイオードからなり、図1中、右側に位置する第1の指針P1の下方に対応する回路基板3の前方側箇所に一個だけ配置されている。
【0022】
反射体6は、例えば乳白色の合成樹脂からなり、回路基板3の前面に配置され、導光体7によって導かれた光を文字板8側に反射する。この反射体6は、複数の文字板8を包含する大きさに形成され、第1の文字板8に第1の空間部K1を隔てて対向する第1の反射部61と、第2の文字板9に第2の空間部K2を隔てて対向する第2の反射部62と、第1の反射部61の外周を取り巻く周壁部63と、第1,第2の駆動装置4,5の指針軸Sを通す筒部64と、光源Lに対応した採光部65とを備えている。
【0023】
第1の反射部61は、導光体7が左右に横切る図1のA−A断面に対応する箇所が図2に示すように左右方向にフラットに形成され、図1のA−A断面に直交するB−B断面に対応する箇所が図3に示すように、右側(図1では上側)に向かって次第に第1の文字板8に近づく傾斜面(湾曲面)に形成されている。このように第1の反射部61を傾斜させることで導光体7から遠い箇所の反射効率を高めている。
【0024】
第2の反射部62は、第2の文字板9の少なくとも後述する第2の指標部側が図2中、左側に向かうに従って第2の文字板9に近づく傾斜面(湾曲面)に形成されている。このように第2の反射部61を傾斜させることで導光体7から遠い箇所の反射効率を高めている。
【0025】
周壁部63は、第1の文字板8を背後から支持できるように第1の反射部61の外周部から前方に延びている。また第1の反射部61と第2の反射部62の接続部上に位置する周壁部63箇所には、導光体7を通すための切り欠き部66(図4参照)が形成されている。
【0026】
筒部64は、指針軸Sの軸方向に開口し、指針軸Sが通ると共に図示しない指針用の光源が収納される。
【0027】
採光部65は、光源Lに対応した孔部として形成され、光源Lの照射光を導光体7に入射させる。
【0028】
導光体7は、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透光性合成樹脂からなり、長手状に延びる棒状体として形成され、第1の空間部K1の内部を横切るように第1の反射部61と第1の文字板8との間に配置される第1の導光部71と、第2の反射部62と第2の文字板9との間に形成される第2の空間部2内に配置される第2の導光部72とを有している。
【0029】
第1の導光部71は、第1の指針P1の回転中心C1に隣接した箇所(この場合、筒部64の側方)を通って図1、4中、左右方向に直線状に延び、また第2の導光部72は、第2の指針P2の回転中心C2を外れた隣接箇所(この場合、筒部64の側方)を通って図1、4中、円弧状に延び、これにより導光体7は、第1,第2の指針P1,P2の各回転中心C1,C2に隣接した箇所を各回転中心C1,C2を迂回するように配置されている。
【0030】
第1の導光部71は、筒部64に隣接し且つ採光部65に対応する背面箇所が光源Lに向けて突出し、この突出箇所に先端に凸レンズ形状の集光面からなる受光部711が形成され、この受光部711に対向する前面箇所には、受光部711からの光を延長方向に反射する受光反射部712が形成されている。また第1の導光部71の側面の適宜箇所には、第1の導光部71を延長方向に進む光を第1の文字板8の後述する第1の指標部側に出射させるための反射部713が形成され、この反射部713にて反射した光は、反対側の側面である出射面714から前記第1の指標部に向けて出射される。
【0031】
第2の導光部72は、その円弧状部分と先端部の各側面に第2の導光部72内に導かれた光を第2の文字板9の後述する指標部に向けて出射するための出射面715を有している。
【0032】
第1の文字板8は、第1の指針P1等と共に後述する速度計からなる第1の指針式表示部を形成するもので、例えばスクリーン印刷やデジタル印刷手段により印刷形成された周知な印刷文字板であり、指針P1に対応した透光性を有する数字、目盛等の第1の指標部81を有し、反射体6の前方に配置される。
【0033】
第2の文字板9は、第2の指針P2等と共に後述する燃料計からなる第2の指針式表示部を形成するもので、例えばスクリーン印刷やデジタル印刷手段により印刷形成された周知な印刷文字板であり、指針P2に対応した透光性を有する数字、目盛等の第2の指標部91を有し、反射体6の前方に配置される。なおこの第2の文字板9は第1の文字板8よりも小さく、また第2の指標部91は第1の指標部81よりも小さく、第1の指針P1は、第1の指針P1よりも小さく形成されている。
【0034】
以上のごとく構成される前記内機は、第1の駆動装置4と、この第1の駆動装置4によって動作する第1の指針P1と、この第1の指針P1の指示対象となる第1の指標部81を有する第1の文字板8とで第1の指針式表示部PD1が構成され、第2の駆動装置5と、この第2の駆動装置5によって動作する第2の指針P2と、この第2の指針P2の指示対象となる第2の指標部91を有する第2の文字板9とで第2の指針式表示部PD2が構成される。
【0035】
このように構成された前記内機において、光源Lが点灯すると、その光は、受光部711を通じて導光体7内に入射し、受光反射部712を通じて導光体7の延長方向に反射され、第1の導光部71内を進むと共に、第1の導光部71を経て第2の導光部72内を進む。
【0036】
第1の導光部71内を進む光は、反射部713による反射にて出射面714から第1の空間部K1内に放射される他、出射面714以外の外面(この場合、背面を除く)からも第1の空間部K1内に放射され、第1の反射部61と第1の文字板8背面との相互反射を繰り返しながら拡散され、この拡散光で第1の指標部81を照明する。
【0037】
一方、第2の導光部72内を進む光は、出射面715から第2の空間部K2内に放射される他、出射面715以外の外面(この場合、背面を除く)からも第2の空間部K2内に放射され、第2の反射部62と第2の文字板9背面との相互反射を繰り返しながら拡散され、この拡散光で第2の指標部91を照明する。
【0038】
以上のように、本実施形態では、第1の駆動装置4と、この第1の駆動装置4によって動作する第1の指針P1と、この第1の指針P1の指示対象となる第1の指標部81を有する第1の文字板8とで構成される第1の指針式表示部PD1と、第2の駆動装置5と、この第2の駆動装置5によって動作する第2の指針P2と、この第2の指針P2の指示対象となる第2の指標部91を有する第2の文字板9とで構成される第2の指針式表示部PD2と、第1,第2の文字板8,9の背後に配置される導光体7と、この導光体7を通じて第1,第2の指標部81,91を照明する光源Lと、この光源Lからの光を反射する反射体6とを備え、第1の指針式表示部PD1と第2の指針式表示部PD2とが隣接してなる計器装置において、反射体6が第1の文字板8と第1の空間部K1を隔てて対向する第1の反射部61と、第2の文字板9と第2の空間部K2を隔てて対向する第2の反射部62とを有し、導光体7は長手状に延びる棒状体に形成され、第1の空間部K1内に配置される第1の導光部71と、前記第2の空間部K2内に配置される第2の導光部71とを連続して有することにより、棒状の導光体7と反射体6との組み合わせにより、複数の指針式表示部PD1,PD2からなる広い範囲を照明でき、軽量化とコストダウンを達成できる。
【0039】
また本実施形態は、導光体7が第1,第2の指針P1,P2の各回転中心C1,C2に隣接した箇所を各回転中心C1,C2を迂回するように配置されることにより、指針P1,P2の回転中心C1,C2を基準に形成される各指標部81,91を効率よく照明することができる。
【0040】
また本実施形態は、第2の指針式表示部PD2が第1の指針式表示部PD1よりも小さく形成され、光源Lは第1の空間部K1内に配置され、第2の指針式表示部PD2の指標部91は第1の空間部K1内に配置された光源からの光によって照明されることにより、サイズの大きい第1の指針式表示部PD1側に配置した光源Lによって第1,第2の指針式表示部PD1,PD2の双方を照明でき、光源を削減しながらも効率よく照明することができる。
【0041】
また本施形態では、導光体7が当該導光体7内を進行する光をその延長方向とは異なる所定方向に向けて出射させるための反射部713を有することにより、指標部81を広範囲に効率よく照明することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
図5、図6に基づいて本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態による計器装置は、三つの指針式表示部PD1,PD2,PD3を適用したものである。
【0043】
すなわち、第1,第2の指針式表示部PD1,PD2は、前記第1の実施形態と同じであるが、第1の指針式表示部PD1の右側に第2の指針式表示部PD2と同じ大きさの第3の指針式表示部PD3が追加され、第1の指針式表示部PD1を基準として第2の指針式表示部PD2と略線対称となるように配置されている。
【0044】
第3の指針式表示部PD3は、例えば水温計からなるもので、第3の文字板100と、第3の指標部101と、第3の指針P3とを備えている。
【0045】
導光体7は、第1,第2の文字板8,9対応の第1,第2の導光部71,72に加え、第3の文字板100対応の第3の導光部73を備え、第3の導光部73は、第1の導光部71を基準としたとき第2の導光部72と線対称の位置関係となるように第1の導光部71から延長形成されている。なおこの場合、第1の導光部71は、前記第1の実施形態の直線形状とは異なり、若干逆V字に湾曲した形状に設定され、反射部713は、側面の両方に形成されている。
【0046】
このように構成される本実施形態によっても前記第1の実施形態と同様の効果を期待できる。
【0047】
なお前記実施形態では、指針式表示部が3つ隣接して配置された計器装置を説明したが、指針式表示部の一は任意であり、例えば2眼式の計器装置の場合、指針を照明する光の輝度が十分であるならば、光源Lを一つとすることもできる。
【0048】
また前記実施形態では、導光体7を一本だけ配置したが、例えば光源と共に補足的に追加配置してもよい。この際、追加配置される導光体は導光体7と交わるように配置したり、導光体7と一体形成してもよい。
【0049】
また導光体7は棒状体に限らず、線状体であれば、適宜形状が適用可能であり、例えば環状に形成したり、特定の文字形状(一例としてX、Z、M、K、Y等のアルファベット文字形状)であってもよい。
【0050】
また複数の光源Lを適用する場合は、導光体7に受光部711や受光反射部712を複数形成すればよい。
【0051】
(第3の実施形態)
図7から図10に基づいて本発明の第3の実施形態を説明する。
本実施形態による計器装置は、三つの指針式表示部PD1,PD2,PD3を適用したものである。
【0052】
すなわち、第1,第2の指針式表示部PD1,PD2は、前記第1、第2の実施形態と同じであるが、第1の指針式表示部PD1の右側に第2の指針式表示部PD2と同じ大きさの第3の指針式表示部PD3が追加され、第1の指針式表示部PD1を基準として第2の指針式表示部PD2と略線対称となるように配置されている。
【0053】
第3の指針式表示部PD3は、例えば水温計からなるもので、第3の文字板100と、第3の指標部101と、第3の指針P3とを備えている。
【0054】
導光体7は、第1,第2の文字板8,9対応の第1,第2の導光部71,72に加え、第3の文字板10対応の第3の導光部73を備え、第3の導光部73は、第1の導光部71を基準としたとき第2の導光部72と線対称の位置関係となるように第1の導光部71から延長形成されている。なおこの場合、第1の導光部71は、前記第1の実施形態のように直線形状とし、第1の指針P1の回転中心C1を中心として左右に延長しているが、導光体7は第1から第3の指針P1、P2、P3の回転中心C1、C2、C3上に連続して設けられている。
【0055】
また、導光体7は、指針軸Sと対応する箇所に指針軸Sが貫通するための貫通孔Hが設けられており、貫通孔Hの周縁近傍には、光源Lの光を各指針P1、P2、P3方向に反射させるための第1、第2及び第3の反射体711a、711b(図示せず)、711cが、貫通孔Hの近傍であってなおかつ光源L側に設けられている。
【0056】
また、導光体7は、各指標部81、91、101に向けて出射するための出射面714、715、716に例えばシボ加工を施してなるシボ部717が設けられている。このシボ部717によって、光を多様な方向へ拡散することができ、各指標部81、91、101の照明むらを抑えることが期待できる。
【0057】
このように構成された前記内機において、光源Lが点灯すると、その光は、受光部711を通じて導光体7内に入射し、受光反射部712を通じて導光体7の延長方向に反射され、第1の導光部71内を進むと共に、第1の導光部71を経て第2の導光部72及び第3の導光体73内を進む。
【0058】
第1の導光部71内を進む光は、出射面714のシボ部716から第1の空間部K1内に放射される他、出射面714以外の外面(この場合、背面を除く)からも第1の空間部K1内に放射され、第1の反射部61と第1の文字板8背面との相互反射を繰り返しながら拡散され、この拡散光で第1の指標部81を照明する。
【0059】
また第1の導光部71を進み第1の反射体711aに到達した光は、詳細は省くが、第1の反射体711aによって第1の指針P1の基部(図示せず)方向に反射され、第1の指針P1を照明する。
【0060】
一方、第2の導光部72内を進む光は、出射面715から第2の空間部K2内に放射される他、出射面715以外の外面(この場合、背面を除く)からも第2の空間部K2内に放射され、第2の反射部62と第2の文字板9の背面との相互反射を繰り返しながら拡散され、この拡散光で第2の指標部91を照明する。
【0061】
また第2の導光部72を進み第2の反射体711bに到達した光は、詳細は省くが、第2の反射体711bによって第2の指針P2の基部(図示せず)方向に反射され、第2の指針P2を照明する。
【0062】
一方、第3の導光部73内を進む光は、出射面716から第3の空間部K3内に放射される他、出射面716以外の外面(この場合、背面を除く)からも第3の空間部K3(図示せず)内に放射され、第3の反射部63と第3の文字板100の背面との相互反射を繰り返しながら拡散され、この拡散光で第3の指標部101を照明する。
【0063】
また第3の導光部73を進み第3の反射体711cに到達した光は、詳細は省くが、第3の反射体711cによって第3の指針P3の基部(図示せず)方向に反射され、第3の指針P3を照明する。
【0064】
このように構成される本実施形態によっても前記第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の効果を期待できる。また、指針基部の近くである貫通穴Hの周囲に反射体711a、711b、711cの面積を大きく確保できるため指針の基部方向に効率よく照射でき指針P1、P2、P3を照明できる。
【0065】
なお前記実施形態では、3つの指針式表示部を隣接して配置した計器装置を説明したが、例えば2つの指針式表示部を用いた計器装置の場合、指針に向けて照射される輝度が確保できるのでれば、光源Lを一つのみとしてもよい。
【0066】
また前記実施形態では、指標部81、91、101に向けて出射するための出射面714、715、716にシボ部717が設けられた例を説明したが、シボ部717は指標部81、91、101とは導光体7を挟んで反対側に設けられていてもよく、この場合、図7に示したような液晶などからなる表示部を照明することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1 背面カバー
2 前面カバー
3 回路基板
4,5 第1,第2の駆動装置
6 反射体
7 導光体
8,9 第1,第2の文字板
21 見返し部材
22
透視板
61 第1の反射部
62 第2の反射部
63 周壁部
64 筒部
65 採光部
66 切り欠き部
71 第1の導光部
72 第2の導光部
73 第3の導光部
81 第1の指標部
91 第2の指標部
100 第3の文字板
101 第3の指標部
711 受光部
711a 第1の反射体
711c 第3の反射体
712 受光反射部
713 反射部
714 出射面
715 出射面
716 出射面
717 シボ部(光拡散部)
C1,C2 回転中心
K1 第1の空間部
K2 第2の空間部
L 光源
P1〜P3 第1〜第3の指針
PD1,PD2,PD3 第1〜第3の指針式表示部
R 装飾リング
S 指針軸
H 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の駆動装置と、この第1の駆動装置によって動作する第1の指針と、この第1の指針の指示対象となる第1の指標部を有する第1の文字板とで構成される第1の指針式表示部と、第2の駆動装置と、この第2の駆動装置によって動作する第2の指針と、この第2の指針の指示対象となる第2の指標部を有する第2の文字板とで構成される第2の指針式表示部と、前記第1,第2の文字板の背後に配置される導光体と、この導光体を通じて前記第1,第2の指標部を照明する光源と、この光源からの光を反射する反射体とを少なくとも備え、前記第1の指針式表示部と前記第2の指針式表示部とが隣接してなる計器装置において、前記反射体は前記第1の文字板と第1の空間部を隔てて対向する第1の反射部と、前記第2の文字板と第2の空間部を隔てて対向する第2の反射部とを有し、前記導光体は線状体に形成され第1の空間部内に配置される第1の導光部と前記第2の空間部内に配置される第2の導光部とを連続して有することを特徴とする計器装置。
【請求項2】
前記導光体が前記第1,第2の指針の各回転中心に隣接した箇所を前記各回転中心を迂回するように配置されることを特徴とする請求項1記載の計器装置。
【請求項3】
前記第2の指針式表示部が前記第1の指針式表示部よりも小さく形成され、前記光源は前記第1の空間部内に配置され、前記第2の指針式表示部の前記指標部は前記第1の空間部内に配置された前記光源からの光によって照明されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の計器装置。
【請求項4】
前記導光体が当該導光体内を進行する光をその延長方向とは異なる所定方向に向けて出射させるための反射部を有することを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の計器装置。
【請求項5】
前記導光体が前記第1の指針の回転中心近傍に、前記光源からの光を第1の指針方向に反射させる第1の反射部と、前記第2の指針の回転中心近傍に、前記光源からの光を前記第2の指針方向に反射させる第2の反射部とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のうち何れかに記載の計器装置。
【請求項6】
前記導光体がその外周壁に光拡散部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のうち何れかに記載の計器装置。
【請求項7】
前記導光体には、前記第1の指針の指針軸を貫通する貫通孔と、前記指針軸近傍に、前記光源からの光を第1の指針方向に反射させる第1の反射部と、を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうち何れかに記載の計器装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−73220(P2012−73220A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17862(P2011−17862)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】